日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2020年1月 2級 学科の概要
FPと関連法規(業法遵守)
ライフプランニングと資金計画 · FPの職業倫理と関連法規 / 社会保険労務士法 / 弁護士法 / 税理士法
ファイナンシャル・プランナー(FP)の顧客に対する次の行為のうち、関連法規に照らし、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
FP業務においては各種士業法を遵守しなければなりません。社会保険労務士資格のない者が年金等の請求書類を作成・代行することは、有償無償を問わず社会保険労務士法に抵触します。一方、一般的な法令の解説や、誰でも就任可能な任意後見受任者の受託は資格不要で行えます。
解き方
- 各選択肢の行為が士業独占業務(税理士、社労士、弁護士等)に抵触するかを確認する。
- 年金請求書の作成・提出代行は社労士の独占業務であり、資格がないFPが行うことは違法であることを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 印紙税法の課税物件表を提示して一般的な説明を行うことは、税理士法に抵触せず適切です。
- 選択肢 2正解
- 公的年金の請求書の作成や提出手続きの代行は社会保険労務士の独占業務であり、資格を持たないFPが行うと社会保険労務士法違反となります。
- 選択肢 3不正解
- 任意後見受任者には特別な資格要件はなく、個人FPが引き受けることは法律上問題ありません。
- 選択肢 4不正解
- 改正民法の概要や制度の一般的な解説を行うことは弁護士法に抵触せず適切です。
覚えるポイント
- 公的年金の申請書作成・提出代行は社会保険労務士の独占業務である。
- 任意後見受任者には欠格事由に該当しない限り特別な資格は不要である。
間違えやすいところ
- 任意後見受任者は弁護士や司法書士でなければなれないと誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ライフプランニング作成表(バランスシート等)
ライフプランニングと資金計画 · バランスシート / キャッシュフロー表 / 可処分所得 / ライフイベント表
ファイナンシャル・プランナーがライフプランニングに当たって作成する各種の表の一般的な作成方法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
個人のバランスシートでは現在の実質的な財政状態を把握するため、資産は取得原価ではなく作成時点の「時価」で計上します。一方、キャッシュフロー表では住宅ローン返済額など確定している固定支出には物価変動率を乗じず、可処分所得の計算において生命保険料などの任意支出は控除しません。
解き方
- 個人のバランスシートにおける資産の評価基準(時価評価)を確認する。
- キャッシュフロー表における変動率の適用対象(住宅ローン返済額は変動率を掛けない)と可処分所得の定義(収入から税金・社会保険料のみを控除)を照らし合わせて正誤を判断する。
- 選択肢 1正解
- 個人のバランスシートでは、現在の資産価値を把握するため、株式や不動産などの資産を作成時点の時価で計上します。
- 選択肢 2不正解
- ライフイベント表には、支出を伴うイベントだけでなく、退職金や相続など将来のまとまった収入を伴う事項も記入します。
- 選択肢 3不正解
- 住宅ローンの返済額は返済計画に基づき決定されているため、物価変動率を乗じる対象外です。
- 選択肢 4不正解
- 可処分所得は、収入金額から非消費支出(所得税・住民税・社会保険料)を控除したものであり、生命保険料は控除しません。
覚えるポイント
- 個人のバランスシートの資産は作成時点の「時価」で評価する。
- 可処分所得=年収-(所得税+住民税+社会保険料)。生命保険料は含まない。
間違えやすいところ
- 企業会計の取得原価主義と混同して、個人のバランスシートも取得価額で計上すると誤解しやすいです。
出題の前提:FP標準テキスト等の一般的な作成手法
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的介護保険の制度概要
ライフプランニングと資金計画 · 公的介護保険 / 自己負担割合 / 第2号被保険者 / ケアプラン
公的介護保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
公的介護保険の自己負担割合は原則1割ですが、第1号被保険者(65歳以上)についてのみ所得に応じて2割または3割となります。第2号被保険者(40歳以上65歳未満)は所得の多寡にかかわらず一律1割負担となります。
解き方
- 第1号被保険者と第2号被保険者における給付事由と負担割合の違いを整理する。
- 2割または3割の負担割合が適用されるのは第1号被保険者のみであり、第2号被保険者は一律1割であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 第1号被保険者は要介護・要支援となった原因を問わずに給付を受けられます(第2号は加齢に伴う特定疾病に限定)。記述は適切です。
- 選択肢 2正解
- 第2号被保険者の自己負担割合は所得にかかわらず一律1割です。合計所得に応じた2割・3割負担の制度は第1号被保険者が対象であるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- ケアプラン(居宅サービス計画)は、利用者が自ら作成するセルフケアプランも認められているため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 同一月内の利用者負担額の合計が所定の上限を超えた場合、高額介護サービス費として払い戻されるため適切です。
覚えるポイント
- 介護保険の2割・3割負担が適用されるのは第1号被保険者(65歳以上)のみである。
- 第2号被保険者(40歳〜64歳)の自己負担割合は所得にかかわらず一律1割である。
間違えやすいところ
- 高所得者に対する2割・3割負担の特例が第2号被保険者にも適用されると混同しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:介護保険法(2019年10月1日施行)
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
雇用保険の高年齢雇用継続基本給付金
ライフプランニングと資金計画 · 高年齢雇用継続基本給付金 / 雇用保険 / 在職老齢年金との調整
雇用保険の高年齢雇用継続基本給付金に関する次の記述の空欄(ア)~(エ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 ・高年齢雇用継続基本給付金の支給を受けるためには、原則として60歳到達時に雇用保険の一般被保険者であった期間が( ア )以上あることが必要である。 ・支給を受けるためには、支払われた賃金の額が、原則として60歳到達時の賃金月額の( イ )未満になっていることが必要である。また、支給対象月に支払われた賃金額に乗じる率は最高で( ウ )である。 ・特別支給の老齢厚生年金と高年齢雇用継続基本給付金との間で調整が行われる場合、年金の支給停止額(月額)は、最高で標準報酬月額の( エ )相当額である。
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解答
4
解説
高年齢雇用継続基本給付金は、60歳以上65歳未満の被保険者の算定基礎期間が通算5年以上あり、賃金が60歳時点の75%未満に低下したときに支給されます。最大で賃金の15%相当額が支給され、特別支給の老齢厚生年金との調整では最高で標準報酬月額の6%が年金から支給停止されます。
解き方
- 算定基礎期間要件が「5年以上」であることを確認する(ア=5年)。
- 賃金低下要件が「75%未満」であることを確認する(イ=75%)。
- 給付率の上限が各月の賃金の「15%」であることを確認する(ウ=15%)。
- 在職老齢年金の併給調整による年金の最大支給停止率が標準報酬月額の「6%」であることを確認する(エ=6%)。
- 選択肢 1不正解
- (ア)は5年、(イ)は75%、(エ)は6%であるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- (イ)は75%、(ウ)は15%であるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- (ア)は5年、(ウ)は15%、(エ)は6%であるため誤りです。
- 選択肢 4正解
- (ア)5年、(イ)75%、(ウ)15%、(エ)6%のすべてが正確に記述されています。
覚えるポイント
- 受給資格期間:5年以上、賃金低下基準:75%未満。
- 給付率上限:賃金の15%、年金停止上限:標準報酬月額の6%。
間違えやすいところ
- 給付率(15%)と年金支給停止率(6%)の数値を混同しないよう注意が必要です。
出題の前提:雇用保険法第61条、厚生年金保険法
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金の被保険者資格・保険料
ライフプランニングと資金計画 · 厚生年金保険の被保険者資格 / 国民年金保険料の免除・追納 / 任意加入被保険者
公的年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
厚生年金保険の当然被保険者は、適用事業所に常時使用される「70歳未満」の者です。65歳以上であっても70歳未満であれば被保険者資格を有します。一方、国民年金の第2号被保険者は65歳未満(または65歳以上で老齢年金受給資格を満たしていない者)に限られます。
解き方
- 厚生年金保険の強制加入年齢の上限(70歳未満)を確認する。
- 65歳以上であっても70歳未満までは厚生年金保険の被保険者となるため、「65歳以上は被保険者とならない」という記述を誤りと判定する。
- 選択肢 1不正解
- 産前産後休業期間中の厚生年金保険料は、申し出により本人負担分・事業主負担分ともに免除されるため適切です。
- 選択肢 2正解
- 厚生年金保険の被保険者資格の喪失年齢は70歳到達時です。65歳以上であっても70歳未満の間は被保険者となるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 免除された国民年金保険料の追納は、厚生労働大臣の承認を受けた日の属する月前10年以内のものに限り行うことができるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 海外に居住する日本国籍を持つ20歳以上65歳未満の者は、国民年金に任意加入することができるため適切です。
覚えるポイント
- 厚生年金保険の被保険者は「70歳未満」まで。
- 国民年金保険料の免除分の追納可能期間は「過去10年以内」。
間違えやすいところ
- 65歳から年金受給が始まるため、65歳で厚生年金保険の資格を喪失すると勘違いしやすい点に注意が必要です。
出題の前提:厚生年金保険法、国民年金法
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金の遺族給付
ライフプランニングと資金計画 · 遺族基礎年金 / 遺族厚生年金 / 死亡一時金 / 中高齢寡婦加算・5年有期給付
公的年金の遺族給付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
遺族厚生年金の額は、原則として死亡した者の老齢厚生年金の報酬比例部分の「4分の3」に相当する額です。被保険者期間が300月未満の場合は300月とみなして計算される最低保障もあります。
解き方
- 遺族厚生年金の報酬比例部分に乗じる給付割合が「4分の3」であることを確認する。
- 選択肢3で「3分の2相当額」と記述されているため、これが誤りであると判定する。
- 選択肢 1不正解
- 遺族基礎年金の受給対象は、生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」であるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 第1号被保険者期間の保険料納付済期間等が36月以上あり、老齢・障害基礎年金を受けずに死亡し遺族基礎年金を受給できない場合、死亡一時金が支給されるため適切です。
- 選択肢 3正解
- 遺族厚生年金の年金額は老齢厚生年金の報酬比例部分の「4分の3」相当額です。「3分の2」としている本記述は不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 夫の死亡時に子のない30歳未満の妻に対する遺族厚生年金は、5年間の有期給付となるため適切です。
覚えるポイント
- 遺族厚生年金の額は、報酬比例部分の「4分の3」相当額(短期要件では最低300月みなし)。
- 子のない30歳未満の妻の遺族厚生年金は「5年間の有期給付」。
間違えやすいところ
- 遺族厚生年金の「4分の3」と、障害厚生年金の「4分の3」(3級の最低保障や2級・1級の加算関係)あるいは高年齢雇用継続給付の「75%」など各種割合を混同しないようにしましょう。
出題の前提:厚生年金保険法第59条・第60条
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
確定拠出年金(iDeCo)の制度概要
ライフプランニングと資金計画 · 確定拠出年金 / 個人型確定拠出年金(iDeCo) / 掛金拠出限度額
確定拠出年金の個人型年金(iDeCo)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
iDeCoの拠出限度額は被保険者種別によって異なります。第1号被保険者は月額68,000円(年額816,000円、付加保険料や国民年金基金と合算)、第3号被保険者は月額23,000円(年額276,000円)です。また通算加入者等期間が10年以上あれば60歳から受給可能です。
解き方
- 被保険者種別ごとの拠出限度額を確認する(第1号:月6.8万円・年81.6万円、第3号:月2.3万円・年27.6万円)。
- 選択肢4の年額816,000円(月68,000円×12カ月)が正しいことを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 口座管理手数料や取り扱う金融商品のラインナップは運営管理機関(金融機関)ごとに異なります。
- 選択肢 2不正解
- 加入者期間が10年以上ある場合、原則として60歳から老齢給付金を受給することができます。
- 選択肢 3不正解
- 第3号被保険者の掛金拠出限度額は月額23,000円(年額276,000円)です。
- 選択肢 4正解
- 第1号被保険者の掛金限度額は月額68,000円、すなわち年額816,000円(国民年金基金等との合計)であるため適切です。
覚えるポイント
- iDeCoの掛金上限(月額):第1号は6.8万円、第3号は2.3万円。
- 通算加入者等期間が10年以上あれば受給開始は原則「60歳」から可能。
間違えやすいところ
- 第3号被保険者の上限を月2万円(年24万円)と勘違いしやすいので、月2.3万円(年27.6万円)と正確に記憶してください。
出題の前提:確定拠出年金法(2019年10月1日施行)
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅ローン借換えと返済軽減額の計算(各種係数)
ライフプランニングと資金計画 · 住宅ローンの借換え / 資本回収係数 / 元利均等返済の計算
Aさんが借入残高1,500万円の住宅ローンについて、借換え後10年間の返済軽減額を計算する場合の式として、最も適切なものはどれか。 <現在>残高1,500万円、年利2%、残存期間10年、元利均等返済(年1回返済) <借換後>借入額1,500万円、年利1%、返済期間10年、元利均等返済(年1回返済) <10年の係数> 1%:資本回収係数 0.1056、減債基金係数 0.0956 2%:資本回収係数 0.1113、減債基金係数 0.0913
解答・解説を表示
解答
3
解説
借入金額から毎年の元利均等返済額を算出するときには「資本回収係数」を用います。返済軽減総額は「現在の年間返済額×返済期間」から「借換え後の年間返済額×返済期間」を引くことで求められます。
解き方
- 元利均等返済額の計算に用いる係数が「資本回収係数」であることを特定する。
- 現在の年間返済額:1,500万円×0.1113(2%の資本回収係数)、10年間返済総額:1,500万円×0.1113×10年。
- 借換後の年間返済額:1,500万円×0.1056(1%の資本回収係数)、10年間返済総額:1,500万円×0.1056×10年。
- 両者の差額を求める式が選択肢3であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 借換後の返済総額から元金を引いており、借換えによる返済軽減額の式ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 減債基金係数は目標額を積立貯蓄する際に必要な毎年の積立額を求める係数であり、住宅ローンの返済額計算には用いません。
- 選択肢 3正解
- 現在の返済総額(1,500万円×0.1113×10年)から、借換え後の返済総額(1,500万円×0.1056×10年)を控除した正しい計算式です。
- 選択肢 4不正解
- 資本回収係数ではなく減債基金係数を使用しているため誤りです。
覚えるポイント
- 借入金から元利均等返済額を求める係数=「資本回収係数」。
- 将来の目標額から毎年の積立額を求める係数=「減債基金係数」。
間違えやすいところ
- 「資本回収係数」と「減債基金係数」を取り違える間違いが非常に多いため、借入金の回収=資本回収と紐付けて覚えましょう。
出題の前提:ファイナンシャル・プランニングにおける6つの係数の定義
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
奨学金および国の教育ローンの概要
ライフプランニングと資金計画 · 日本学生支援機構奨学金 / 国の教育ローン(教育一般貸付)
奨学金および教育ローンに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
教育資金調達制度には、学生本人が借りて返還する日本学生支援機構の奨学金と、主に保護者が借り入れて返済する日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)があり、申込主体や使途の範囲を正しく区別して理解する必要があります。
解き方
- 日本学生支援機構の奨学金(貸与型)の制度内容(第一種・第二種の利息有無、返還期限猶予制度など)を確認する。
- 日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)の資金使途や借主(原則として保護者)の要件を比較検討して不適切な選択肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 日本学生支援機構の奨学金(貸与型)では、災害、傷病、経済的困難等により返還が困難となった場合、一定期間返還を猶予する「返還期限猶予」を申請することができます。
- 選択肢 2不正解
- 貸与型奨学金には、特に学力・家計基準が厳しい無利息の「第一種奨学金」と、利息付き(在学中は無利息)の「第二種奨学金」があります。
- 選択肢 3不正解
- 国の教育ローンは、学校納付金や教科書代だけでなく、受験料、交通費・宿泊費などの受験費用や、下宿代・敷金・家賃等の住居費用も幅広く対象となります。
- 選択肢 4正解
- 国の教育ローンは原則として学生の親などの保護者が申込人となります。学生本人が申込人となる日本学生支援機構の奨学金と混同させようとした誤った記述です。
覚えるポイント
- 国の教育ローンは保護者が申込人(学生本人は原則不可)で使途は受験費用や住居費も含む
- 学生支援機構の奨学金は学生本人が契約者・返還義務者となる
間違えやすいところ
- 奨学金と国の教育ローンの申込人(本人か保護者か)を逆に覚えてしまうミスが多いです。
出題の前提:特に指示のない限り2019年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
貸借対照表に基づく財務指標の分析
ライフプランニングと資金計画 · 売上債権回転期間 / 所要運転資金 / 当座比率 / 固定長期適合率
提示されたA社の貸借対照表(単位:百万円)に基づき、平均月商が100百万円である場合における各財務指標の計算に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。 <A社の貸借対照表> 流動資産600(現預金200、受取手形120、売掛金180、商品100) 固定資産400 流動負債500(支払手形140、買掛金160、短期借入金200) 固定負債200 株主資本(純資産)300
解答・解説を表示
解答
3
解説
貸借対照表の各項目から企業の安全性や資金繰り状況を測る財務指標を算出します。当座比率は当座資産(換金性の高い流動資産)と流動負債の比率であり、棚卸資産(商品)を含めない点が流動比率と異なります。
解き方
- 売上債権回転期間=売上債権(受取手形+売掛金)÷平均月商=(120+180)÷100=3ヵ月を計算する。
- 所要運転資金=売上債権+棚卸資産-仕入債務=(120+180)+100-(140+160)=100百万円を計算する。
- 当座比率=当座資産(現預金+売上債権)÷流動負債×100=(200+120+180)÷500×100=100%を計算し、選択肢3の誤りを判定する。
- 固定長期適合率=固定資産÷(自己資本+固定負債)×100=400÷(300+200)×100=80%を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 売上債権は「受取手形120+売掛金180=300百万円」です。売上債権回転期間は「300百万円÷100百万円=3ヵ月」となるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 所要運転資金(経常運転資金)は「売上債権300+棚卸資産100-仕入債務(140+160)=100百万円」となるため適切です。
- 選択肢 3正解
- 当座資産は現金預金200+売上債権300=500百万円です。当座比率は「500÷流動負債500×100=100%」であり、120%は不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 固定長期適合率は「固定資産400÷(自己資本300+固定負債200)×100=80%」となるため適切です。
覚えるポイント
- 当座資産には商品(棚卸資産)を含めない
- 所要運転資金=売上債権+棚卸資産-仕入債務
間違えやすいところ
- 当座比率の計算において流動資産全体(商品を含む600百万円)を当座資産として計算して600/500=120%と誤認しないように注意が必要です。
出題の前提:特に指示のない限り2019年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の一般的な商品性
リスク管理 · 低解約返戻金型終身保険 / 養老保険 / 収入保障保険 / 定期保険特約付終身保険
生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
生命保険契約では、死亡保険金と同額が支払われる高度障害保険金が支払われると契約自体が消滅し、その後の満期保険金などの支払いは一切行われません。
解き方
- 生命保険各商品の特徴(低解約返戻金型、養老保険、収入保障保険、更新型定期保険特約)を確認する。
- 高度障害保険金の支払い効果が契約消滅であることを適用し、満期保険金が支払われるとする記述の誤りを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 低解約返戻金型終身保険は、保険料払込期間中の解約返戻金を通常の約7割程度に抑制する代わりに、保険料が割安に設定されています。
- 選択肢 2正解
- 高度障害保険金が支払われると保険契約は効力を失い消滅するため、満了時に差額等の満期保険金が支払われることはありません。
- 選択肢 3不正解
- 収入保障保険の死亡保険金を年金形式で受け取る場合、保険会社に据え置かれて運用されながら分割給付されるため、一時金一括受取よりも受取総額が多くなります。
- 選択肢 4不正解
- 定期保険特約付終身保険(更新型)を自動更新する際、更新時の年齢に応じた保険料率が再適用されるため、通常、更新後の保険料は高くなります。
覚えるポイント
- 高度障害保険金が支払われると死亡保険金が支払われた場合と同様に契約は消滅する
- 収入保障保険の年金受取総額は一時金受取額よりも大きくなる
間違えやすいところ
- 高度障害保険金を受け取っても契約が継続して満期保険金が減額支給されると勘違いしやすいです。
出題の前提:特に指示のない限り2019年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人年金保険の一般的な商品性
リスク管理 · 変額個人年金保険 / 終身年金 / 確定年金 / 有期年金
個人年金保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
個人年金保険の年金開始前死亡給付金は、年金原資形成途上であるため払込保険料相当額程度にとどまります。一方、年金受取開始後の確定年金であれば、受取期間中の残余期間について年金または一時金が遺族に支払われます。
解き方
- 年金受取開始前と受取開始後における個人年金保険の死亡時の取扱いの違いを確認する。
- 年金受取開始前の死亡給付金額は既払込保険料相当額等であり、年金受取総額ではないことを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 変額個人年金保険では運用成果により年金額や解約返戻金が変動しますが、死亡給付金については基本保険金額(払込保険料相当額等)が最低保証されるのが一般的です。
- 選択肢 2不正解
- 女性の平均余命は男性より長いため、終身年金では年金受取期間が長くなる見込みとなり、同一条件であれば女性の保険料のほうが高くなります。
- 選択肢 3正解
- 年金支払開始前の死亡給付金は既払込保険料相当額等です。将来の年金受取総額がそのまま支払われるわけではないため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 保証期間のない有期年金では、年金受取期間中であっても被保険者が死亡した時点で年金の支払いは終了し、以降の年金は支払われません。
覚えるポイント
- 個人年金保険の年金支払開始前死亡給付金は既払込保険料相当額等(年金受取総額ではない)
- 終身年金は平均余命の長い女性のほうが保険料が高くなる
間違えやすいところ
- 確定年金の「受取開始前死亡」と「受取期間中の死亡(残余期間分が支払われる)」を混同しないように整理が必要です。
出題の前提:特に指示のない限り2019年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険料控除の対象区分と適用ルール
リスク管理 · 生命保険料控除 / 変額個人年金保険 / 自動振替貸付 / 新契約・旧契約の区分
生命保険料控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
所得税の生命保険料控除では、2012年1月1日以後の新契約において「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3区分が適用されます。個人年金保険料控除の対象となるには税制適格特約の要件を満たす必要があり、変額個人年金保険は対象外です。
解き方
- 自動振替貸付による保険料立替え分の控除適用の可否(適用可能)を判定する。
- 旧契約を2012年以後に更新・特約中途付加した場合の税制(新契約扱いとなり介護医療保険料控除対象)を確認する。
- 2012年以後の新契約における身体傷害特約等の保険料の扱い(控除対象外)を確認する。
- 変額個人年金保険の保険料区分(一般生命保険料控除の対象)が正しいことを導き出す。
- 選択肢 1不正解
- 自動振替貸付によって契約者貸付金から立て替えられて支払われた保険料であっても、その年分の生命保険料控除の対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 2011年以前の旧契約であっても、2012年以後に更新された場合は更新以後新契約の扱いとなり、医療保険の保険料は「介護医療保険料控除」の対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 2012年以後の新契約では、傷害特約や災害割増特約など身体の傷害のみに基因して支払われる特約の保険料は、生命保険料控除の対象外です。
- 選択肢 4正解
- 変額個人年金保険は個人年金保険料税制適格特約を付加できないため、個人年金保険料控除ではなく、一般の生命保険料控除の対象となります。
覚えるポイント
- 変額個人年金保険は一般生命保険料控除の対象
- 自動振替貸付による払込みも生命保険料控除の対象
- 新契約(2012年以後)の傷害特約保険料は控除対象外
間違えやすいところ
- 旧契約を2012年以後に更新した場合も旧契約のまま引き継がれると誤認しやすいです(更新や転換で新契約扱いになります)。
出題の前提:特に指示のない限り2019年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の終身保険の経理処理
リスク管理 · 法人契約終身保険 / 保険料積立金 / 解約返戻金 / 現物支給
契約者(=保険料負担者)および死亡保険金受取人が法人、被保険者が特定の役員である終身保険(無配当保険)の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮せず、保険料は毎月平準払いで支払われているものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
法人を契約者・死亡保険金受取人、役員を被保険者とする終身保険は、いずれ確実に法人が死亡保険金を受け取る貯蓄性の高い契約であるため、支払保険料は全額資産(保険料積立金)に計上します。
解き方
- 終身保険(契約者法人・受取人法人・被保険者役員)の支払保険料の経理処理(全額資産計上)を確認する。
- 選択肢1の「2分の1損金算入」が誤りであることを判定する。
- 選択肢 1正解
- 受取人が法人である終身保険の支払保険料は、貯蓄性保険料であるため全額「保険料積立金(資産)」として計上します。損金算入は認められません。
- 選択肢 2不正解
- 法人が解約返戻金を受け取った際は、受け取った金額と資産計上済みの保険料積立金との差額を「雑収入(益金)」または「雑損失(損金)」として計上します。
- 選択肢 3不正解
- 法人が死亡保険金を受け取った場合も、受取保険金額と既計上の保険料積立金との差額を雑収入(または雑損失)として計上します。
- 選択肢 4不正解
- 退職金として契約を現物支給する場合、支給時点の解約返戻金相当額で退職金を計上し、保険料積立金との差額を雑収入または雑損失として処理します。
覚えるポイント
- 契約者法人・受取人法人の終身保険は支払保険料全額を資産計上(保険料積立金)
- 受取保険金や解約返戻金と保険料積立金との差額は雑収入または雑損失
間違えやすいところ
- 養老保険のハーフタックスプラン(受取人が法人と遺族に分かれる契約形態)の経理処理と終身保険の経理処理を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:特に指示のない限り2019年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
地震保険の制度および補償内容
リスク管理 · 地震保険の付帯時期 / 割引制度の重複適用 / 損害認定と補償限度 / 地震発生後の損害発生期限
地震保険に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
地震保険は火災保険に付帯して契約する官民共同運営の保険です。割引制度は重複適用できず、損害区分(全損・大半損・小半損・一部損)に応じて一定割合(大半損は60%)が支払われます。また、発生日の翌日から10日経過後の損害は免責となります。
解き方
- 火災保険の中途付帯の可否(中途付帯可能)を確認する。
- 4種類の割引制度が重複適用できないルールを確認する。
- 地震等発生日の翌日から10日経過後の損害は補償対象外である規定を確認する。
- 大半損の支払割合(保険金額の60%)を確認し、選択肢3が最も適切であると判定する。
- 選択肢 1不正解
- 地震保険は火災保険の契約時に限らず、火災保険の保険期間の中途であってもいつでも付帯して加入することができます。
- 選択肢 2不正解
- 地震保険の4つの割引制度(建築年・耐震等級・免震建築物・耐震診断)は重複して適用を受けることはできず、いずれか1つのみが適用されます。
- 選択肢 3正解
- 地震等が発生した日の翌日から起算して10日を経過した後に生じた損害に対しては、地震保険の保険金は支払われません。
- 選択肢 4不正解
- 大半損に該当した場合に支払われる保険金は、保険金額の60%(時価額の60%が限度)です。75%ではありません。
覚えるポイント
- 地震発生日の翌日から10日経過後の損害は補償対象外
- 地震保険の支払割合:全損100%、大半損60%、小半損30%、一部損5%
- 地震保険の割引制度は重複適用不可
間違えやすいところ
- 大半損の支払割合を75%や小半損と混同する間違いに注意が必要です(全損100%、大半損60%、小半損30%、一部損5%)。
出題の前提:特に指示のない限り2019年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種傷害保険の補償範囲と仕組み
リスク管理 · 普通傷害保険 / 家族傷害保険 / 交通事故傷害保険 / 国内旅行傷害保険
傷害保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
傷害保険は「急激・偶然・外来」の事故によるケガを補償する保険です。保険料は年齢ではなく職種級別によって決まり、家族傷害保険の被保険者範囲は事故発生時点で判定されるため追加保険料は不要です。交通事故傷害保険は国内外の交通事故を補償します。
解き方
- 普通傷害保険の保険料決定要素(年齢ではなく職種級別)を確認する。
- 家族傷害保険における被保険者の範囲と出生児の扱い(自動的に対象となり追加不要)を確認する。
- 交通事故傷害保険の補償地域(海外旅行中の交通事故も含む)を確認する。
- 国内旅行傷害保険における地震・津波の扱い(特約がない限り免責)を確認し、選択肢3を正解と判定する。
- 選択肢 1不正解
- 普通傷害保険の保険料は被保険者の年齢や性別ではなく、危険度に応じた職業・職種級別によって区分・決定されます。
- 選択肢 2不正解
- 家族傷害保険の被保険者の範囲は事故発生時の状況で判定されるため、保険期間中に子が生まれた場合、手続きや追加保険料なしで自動的に被保険者に含まれます。
- 選択肢 3正解
- 交通事故傷害保険は国内だけでなく、海外旅行中に発生した交通事故によるケガについても補償対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 国内旅行傷害保険では、原則として地震・噴火・津波に起因するケガは補償の対象外(免責)とされています(地震補償特約等を付加しない限り対象外)。
覚えるポイント
- 傷害保険の保険料は年齢ではなく職種級別で決まる
- 交通事故傷害保険は海外での交通事故も補償対象
- 家族傷害保険は事後の家族変動(子の誕生など)でも追加保険料不要
間違えやすいところ
- 国内旅行傷害保険は細菌性食中毒等は対象となるものの、地震・噴火・津波によるケガは特約がないと対象外である点に注意が必要です。
出題の前提:特に指示のない限り2019年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人を契約者とする損害保険の課税関係
リスク管理 · 損害保険の税務 / 非課税所得 / 一時所得
個人を契約者(=保険料負担者)とする損害保険の課税関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
個人が受け取る損害保険金のうち、心身の損害や突発的な事故による損害を補填するものは非課税とされます。一方、契約者本人が保険料を負担し自ら受け取る死亡保険金は一時所得となり、満期返戻金等も所得税の課税対象となります。
解き方
- 受取人・保険金の種類(傷害見舞金・死亡保険金・年金など)を確認して課税関係を判別する。
- 事業用と生活用の併用物件に係る保険料は家事按分が必要であることを適用する。
- 選択肢 1正解
- 身体の傷害や疾病に基因して受け取る保険金(入院保険金や手術保険金など)は、所得税法上非課税とされています。
- 選択肢 2不正解
- 保険料負担者である契約者自身が受け取る死亡保険金は、一時所得として所得税・住民税の課税対象となります(相続税ではありません)。
- 選択肢 3不正解
- 年金払積立傷害保険から定期的に受け取る給付金(年金)は、公的年金等以外の雑所得として課税されます。
- 選択肢 4不正解
- 店舗併用住宅などの火災保険料は、事業用として使用している面積割合等に応じて按分計算した金額のみが必要経費に算入できます。
覚えるポイント
- 傷害に起因する入院・通院保険金は非課税
- 自分で保険料を払って自分で受け取る死亡保険金は一時所得
間違えやすいところ
- 家族の死亡による保険金受取を無条件で相続税対象と誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の損害保険の経理処理
リスク管理 · 法人向け損害保険 / 損金算入 / 積立型保険の経理処理
法人を契約者(=保険料負担者)とする損害保険の保険料や保険金の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
法人が支払う損害保険料は、掛け捨て部分は原則として損金算入されますが、満期返戻金のある積立型損害保険の場合は、将来戻ってくる積立部分を「保険料積立金」等の資産に計上しなければなりません。
解き方
- 掛け捨て型保険と積立型保険の区別を確認する。
- 積立保険料について、保険料部分(損金)と積立部分(資産計上)に区分する経理処理を適用する。
- 選択肢 1不正解
- 全役員・従業員を被保険者とする掛け捨ての普通傷害保険の保険料は、福利厚生費等として全額損金算入できます。
- 選択肢 2正解
- 積立普通傷害保険の保険料のうち、満期返戻金等に対応する積立部分は資産に計上し、掛け捨て部分のみを損金算入します。
- 選択肢 3不正解
- 保険会社から被害者(相手方)へ対人賠償保険金が直接支払われた場合、法人を経由しないため法人の経理処理は不要です。
- 選択肢 4不正解
- 火災等により滅失した固定資産の保険金で代替資産を取得した場合、保険差益について課税を繰り延べる圧縮記帳の適用が認められます。
覚えるポイント
- 積立型損害保険の積立部分保険料は資産計上
- 保険差益で代替資産を取得した場合は圧縮記帳可能
間違えやすいところ
- 全従業員対象の契約であっても、積立型保険は全額損金にはならない点に注意してください。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
第三分野の保険および特約の商品性
リスク管理 · 医療保険 / ガン保険 / 先進医療特約 / 180日ルール
第三分野の保険や特約の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
第三分野の医療保険では、短期間での再入院を1回の入院とみなす「180日ルール」があり、退院後180日以内の再入院は合算されますが、180日を超えた場合は別個の入院として限度日数が新たにカウントされます。
解き方
- 各保険(ガン保険、所得補償保険、医療保険、先進医療特約)の支払要件を確認する。
- 医療保険の180日ルールの規定(180日を超えた場合は合算されない)を判定する。
- 選択肢 1不正解
- ガン保険の入院給付金は、一般的に1回および通算の支払限度日数が無制限とされています。
- 選択肢 2不正解
- 所得補償保険は就業不能状態を補償するものであり、医師の指示による自宅療養も補償の対象となります(入院に限定されません)。
- 選択肢 3正解
- 退院日の翌日から180日を超えて同一の原因で再入院したときは、新たな入院として扱われ、前回の入院日数とは合算されません。
- 選択肢 4不正解
- 先進医療特約の対象となる先進医療は、「療養を受けた時点」で厚生労働大臣が認めている技術であり、契約後に対象となったものも含まれます。
覚えるポイント
- ガン保険の入院給付金は日数無制限が一般的
- 先進医療特約は「療養を受けた時点」で指定されているものが対象
- 同一疾病の再入院は退院翌日から180日超で別入院扱い
間違えやすいところ
- 先進医療特約の判定基準日を「契約時点」と勘違いしないようにしましょう。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損害保険による事業活動のリスク管理
リスク管理 · 法人賠償責任保険 / 機械保険 / 労働災害総合保険
損害保険を利用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
機械保険は、稼働中または据付後の機械設備が操作ミス・過負荷・材質欠陥等の偶発的な事故によって損害を受けた場合に備える保険であり、火災・落雷・爆発・風水害・地震などによる損害は補償対象外となります。
解き方
- 各種企業向け損害保険の補償対象となる事故類型を整理する。
- 機械保険の免責事由(火災、落雷、風水害等)と火災保険の守備範囲を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 生産物賠償責任保険(PL保険)は、製造・販売した商品や仕事の結果に起因する事故(飲食店の食中毒など)による損害賠償リスクを補償します。
- 選択肢 2不正解
- 労働災害総合保険は、業務中や通勤途上の災害について政府労災保険の上乗せ補償や使用者賠償責任を担保します。
- 選択肢 3不正解
- 請負業者賠償責任保険は、請負工事等の業務遂行中に第三者に損害を与えた場合の賠償責任を補償します。
- 選択肢 4正解
- 機械保険は作業ミスや電気的・機械的事故による損害を補償するものであり、火災による損害は補償対象外(火災保険で対応)です。
覚えるポイント
- 機械保険は火災・落雷・風水害等の自然災害・火災事故は補償対象外
- PL保険は引き渡し後の生産物や業務結果(食中毒等)を補償
間違えやすいところ
- 機械が壊れる事故全般を機械保険でカバーできると誤解しがちですが、火災事故は除外される点に留意が必要です。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種経済指標の特徴と集計範囲
金融資産運用 · 景気動向指数 / 日銀短観 / マネーストック統計 / 消費動向指数
経済指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
マネーストック統計は、中央銀行や預金取扱機関などの「通貨発行部門(金融部門)」から、一般法人・個人・地方公共団体などの「通貨保有主体」に供給されている通貨量を集計した指標です。そのため、金融機関や中央政府が保有する通貨は対象から除外されます。
解き方
- 各経済指標(景気動向指数、消費動向指数、日銀短観、マネーストック)の定義を確認する。
- マネーストック統計の集計対象(通貨保有主体)に金融機関や中央政府が含まれるかどうかを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 景気動向指数は内閣府が毎月公表する指標で、景気変動の大きさを表すコンポジット・インデックス(CI)を中心として公表されています。
- 選択肢 2不正解
- 消費動向指数(CTI)は、家計調査を補完する目的で総務省が公表しており、CTIミクロとCTIマクロの2系列で構成されます。
- 選択肢 3不正解
- 日銀短観は統計法に基づく基幹統計調査として日本銀行が全国約1万社を対象に年4回(四半期ごと)実施しています。
- 選択肢 4正解
- マネーストック統計の集計対象となる通貨保有主体には、一般法人、個人、地方公共団体等が含まれますが、「金融機関」および「中央政府」は除外されます。
覚えるポイント
- マネーストックの通貨保有主体から「金融機関」「中央政府」は除外
- 景気動向指数はCIを中心に公表
- 日銀短観は四半期ごと(年4回)に実施
間違えやすいところ
- 地方公共団体は通貨保有主体に含まれますが、中央政府は含まれないという違いを混同しないようにしてください。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託の運用手法(グロース運用とバリュー運用等)
金融資産運用 · トップダウン・アプローチ / ボトムアップ・アプローチ / グロース運用 / バリュー運用
投資信託の一般的な運用手法等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
アクティブ運用の代表的手法であるグロース運用は将来の成長性が高い銘柄を対象とするためPERやPBRが高く配当利回りは低い傾向があります。一方、株価が割安な銘柄を狙うバリュー運用では配当利回りが高い銘柄が多く組み入れられる傾向があります。
解き方
- トップダウンとボトムアップ、パッシブとアクティブの基本用語の定義を照合する。
- グロース運用とバリュー運用の特徴(PER、PBR、配当利回り傾向)を比較する。
- 選択肢 1不正解
- マクロ経済や市場環境の予測に基づき国別・業種別配分を先に決め、個別銘柄を落とし込む手法をトップダウン・アプローチといいます。
- 選択肢 2不正解
- 個別企業の徹底的な財務分析やリサーチにより銘柄を選定し、その積み上げで構成する手法をボトムアップ・アプローチといいます。
- 選択肢 3不正解
- インデックス(市場平均)連動を目指すパッシブ運用は、銘柄調査にかかるコストが少なく、アクティブ運用よりも信託報酬等のコストが低い傾向があります。
- 選択肢 4正解
- グロース運用の対象となる成長企業は事業投資を優先するため配当性向が低く、配当利回りは低くなる傾向があります(高配当利回りはバリュー運用の特徴です)。
覚えるポイント
- グロース運用:高成長、高PER・高PBR、低配当利回り傾向
- バリュー運用:割安、低PER・低PBR、高配当利回り傾向
間違えやすいところ
- 好調な成長企業だから配当も多く出すと直感で考えず、成長企業は再投資を優先するため利回りが低いと論理的に押さえましょう。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種債券の特徴(仕組債・CB・外債等)
金融資産運用 · 仕組債 / リバース・デュアルカレンシー債 / 転換社債型新株予約権付社債 / 他社株転換条項付債券
各種債券の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
二重通貨建債において、デュアルカレンシー債は「払込み・利払いが円貨、償還が外貨」です。これに対してリバース・デュアルカレンシー債は文字通りその逆となり、「払込み・償還が円貨、利払いが外貨」となります。
解き方
- デュアルカレンシー債とリバース・デュアルカレンシー債の通貨区分(払込・利息・償還)を整理する。
- 記述4の「払込・利払いが円、償還が外貨」が通常のデュアルカレンシー債の説明であることを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 仕組債はデリバティブを内蔵することで高金利を提供する一方、株価連動条項等により元本割れとなるリスクを含みます。
- 選択肢 2不正解
- 転換社債型新株予約権付社債(CB)は、あらかじめ設定された転換価額で発行企業の株式に転換できる権利が付与されています。
- 選択肢 3不正解
- 他社株転換条項付債券(EB債)は、判定日における対象株式の株価水準に応じて、現金額面償還か他社株式での償還かが決まります。
- 選択肢 4正解
- リバース・デュアルカレンシー債は、払込みと償還が円貨で行われ、毎回の利払いのみが外貨で行われる債券です。
覚えるポイント
- デュアルカレンシー債:払込・利息=円貨、償還=外貨
- リバース・デュアルカレンシー債:払込・償還=円貨、利息=外貨
間違えやすいところ
- デュアルカレンシー債とリバース・デュアルカレンシー債の「利息」と「償還」の通貨がどちらなのかを混同しやすい点に注意してください。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式の信用取引の仕組みと規制
金融資産運用 · 制度信用取引 / 一般信用取引 / 委託保証金 / 代用有価証券
株式の信用取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
信用取引には「制度信用取引」と「一般信用取引」の2種類があります。制度信用取引は取引所のルールで返済期限(原則6カ月)や銘柄が統一されており、一般信用取引は顧客と証券会社の間で返済期日や品貸料などを自由に設定できます。
解き方
- 制度信用取引と一般信用取引の定義・規則の違いを確認する。
- 記述2において両者の説明がテレコ(あべこべ)になっていることを見抜く。
- 選択肢 1不正解
- 委託保証金を担保として証券会社から資金や株券を借りて売買を行う取引を信用取引といいます。
- 選択肢 2正解
- 取引所の規則により弁済期限(最長6カ月)や対象銘柄が定められているのが制度信用取引であり、契約により自由に決められるのが一般信用取引です。
- 選択肢 3不正解
- 委託保証金は現金のほか、一定の掛目を乗じた上場株式や公社債などの代用有価証券で差し入れることが可能です。
- 選択肢 4不正解
- 委託保証金率が30%の場合、預けた保証金の約3.33倍(300万円÷30%=1,000万円)までの取引が可能となります。
覚えるポイント
- 制度信用取引:取引所の画一ルール(期限6カ月)
- 一般信用取引:証券会社と顧客の合意による自由契約
- 委託保証金は代用有価証券(株式等)での充当が可能
間違えやすいところ
- 制度信用と一般信用の用語の定義を取り違えないように注意してください。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式の投資指標の計算
金融資産運用 · PER / PBR / ROE / 配当性向
次のA社のデータに基づき算出されるA社株式の各種投資指標に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。 <A社のデータ> ・株価:3,000円 ・経常利益:250億円 ・当期純利益:150億円 ・自己資本(=純資産):600億円 ・総資産:1,500億円 ・発行済株式数:1.5億株 ・配当金総額:90億円
解答・解説を表示
解答
3
解説
株式の投資指標は、株価や財務諸表の数値から企業の収益性、割安性、株主還元姿勢を評価する尺度です。PERは株価とEPS、PBRは株価とBPS、ROEは当期純利益と自己資本、配当性向は配当金と当期純利益の比率で計算します。
解き方
- 発行済株式数1.5億株をもとに、1株当たり純利益(EPS=150億円÷1.5億株=100円)および1株当たり純資産(BPS=600億円÷1.5億株=400円)を算出する。
- 各選択肢の指標(PER=3,000円÷100円=30.0倍、PBR=3,000円÷400円=7.5倍、ROE=150億円÷600億円×100=25.0%、配当性向=90億円÷150億円×100=60.0%)を計算し誤りを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 1株当たり当期純利益(EPS)は150億円÷1.5億株=100円であり、PERは株価3,000円÷100円=30.0倍となります。
- 選択肢 2不正解
- 1株当たり純資産(BPS)は600億円÷1.5億株=400円であり、PBRは株価3,000円÷400円=7.5倍となります。
- 選択肢 3正解
- ROEは「当期純利益÷自己資本×100」で計算するため、150億円÷600億円×100=25.0%となります。
- 選択肢 4不正解
- 配当性向は「配当金総額÷当期純利益×100」で計算するため、90億円÷150億円×100=60.0%となります。
覚えるポイント
- ROEは当期純利益÷自己資本×100、配当性向は配当金総額÷当期純利益×100で求めます。
間違えやすいところ
- ROEの計算で分母を「総資産(ROA)」と混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外貨預金の仕組みと税金
金融資産運用 · 外貨預金 / 為替レート / 為替差損益の課税
一般的な外貨預金の仕組みと特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
外貨預金では、預入時と払戻時の為替レートの変動により為替差損益が発生します。円高になると円換算額が減少し、円安になると円換算額が増加します。また、為替差益に対する税務上の取扱いは、為替予約の有無や時期によって異なります。
解き方
- 円高・円安による円換算価値の増減を整理し、満期時に円高になると為替差損が発生して利回りが低下することを確認する。
- 預入期間中の為替予約や為替予約なしの場合に生じる為替差益が、雑所得として総合課税の対象となる税務ルールを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 顧客が外貨を円貨に戻す(金融機関が外貨を買い取る)際に適用されるレートはTTB(Telegraphic Transfer Buying rate)です。
- 選択肢 2正解
- 満期時のレートが預入時より円高になると為替差損が生じるため、円換算の投資利回りは低下します。
- 選択肢 3不正解
- 預入期間中に為替先物予約を締結した場合、満期時に生じた為替差益は雑所得として総合課税の対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 為替先物予約を締結していない外貨預金を満期時に円貨で払い戻して生じた為替差益は、雑所得として総合課税の対象です。
覚えるポイント
- 満期時に円高になると為替差損、円安になると為替差益が生じます。
間違えやすいところ
- 預入時に為替予約を付加した場合は源泉分離課税となりますが、中途での為替予約による差益は総合課税(雑所得)となります。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ポートフォリオ理論の基礎
金融資産運用 · ポートフォリオ理論 / 分散投資効果 / 相関係数 / リスクと期待収益率
ポートフォリオ理論に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
ポートフォリオ理論において、リスクは収益率のばらつき(標準偏差)で表されます。期待収益率は各資産の加重平均となりますが、相関係数が1未満であればリスク低減効果が得られ、ポートフォリオ全体のリスクは各資産のリスクの加重平均よりも小さくなります。
解き方
- 投資理論における「リスク」の定義(期待収益率からのばらつきの度合い)を確認する。
- 相関係数と分散投資効果の関係(-1で効果最大、1で低減効果ゼロ)および期待収益率とリスクの加重平均ルールを比較検討する。
- 選択肢 1正解
- 金融投資理論におけるリスクとは、損失の多寡ではなく、リターンの不確実性(期待収益率からの振れ幅・標準偏差)を指します。
- 選択肢 2不正解
- 相関係数が1のときはリスク低減効果は得られず、相関係数が-1のときに分散投資の効果(リスク低減効果)は最大となります。
- 選択肢 3不正解
- 相関係数が1未満の場合、ポートフォリオのリスクは各資産のリスクを加重平均した値よりも小さくなります。
- 選択肢 4不正解
- ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値と等しくなります。
覚えるポイント
- 相関係数が-1のときリスク低減効果は最大になり、1のときは低減効果がありません。
間違えやすいところ
- ポートフォリオの期待収益率は加重平均と「等しく」なり、大きくも小さくもなりません。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
一般NISAおよびつみたてNISA
金融資産運用 · 少額投資非課税制度 / 一般NISA / つみたてNISA / 非課税投資枠
一般NISA(非課税上場株式等管理契約に係る少額投資非課税制度)およびつみたてNISA(非課税累積投資契約に係る少額投資非課税制度)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、一般NISAにより投資収益が非課税となる勘定を一般NISA勘定といい、つみたてNISAにより投資収益が非課税となる勘定をつみたてNISA勘定という。
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解答
3
解説
NISA制度は個人の資産形成を後押しする非課税制度です。一般NISAとつみたてNISAは年単位の選択制であり同一年内の新規投資の併用は不可とされ、年間の非課税投資枠の未使用分を翌年以降に繰り越すことは認められていません。
解き方
- 一般NISAとつみたてNISAの選択制および非課税枠の基本ルール(併用不可、年間枠)を確認する。
- 年間の非課税枠の未使用分は繰越しができず権利消滅となるルールを適用して誤りを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 一般NISAとつみたてNISAは年単位での選択制であり、同一年中に両方を利用して新規投資を行うことはできません。
- 選択肢 2不正解
- 一般NISAの年間の非課税投資枠は120万円(非課税期間は最長5年間)と定められています。
- 選択肢 3正解
- つみたてNISA(年間40万円)の非課税枠の未使用分を、翌年以降に繰り越すことはできません。
- 選択肢 4不正解
- つみたてNISAの対象商品は、手数料が低水準など法令上の要件を満たす長期の積立・分散投資に適した公募株式投資信託およびETFに限定されています。
覚えるポイント
- NISAの年間非課税枠の未使用分は翌年に繰り越すことができません。
間違えやすいところ
- ロールオーバー(非課税期間終了時の移管)と未使用枠の翌年繰越しを混同しないようにしましょう。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
金融取引のセーフティネット
金融資産運用 · 預金保険制度 / 農水産業協同組合貯金保険制度 / 投資者保護基金 / 外貨預金
わが国における個人による金融商品取引に係るセーフティネットに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
金融機関破綻時のセーフティネットとして預金保険制度や投資者保護基金が設けられています。預金保険制度では、一般預金等は1金融機関ごとに元本1,000万円までと利息が保護され、決済用預金は全額保護されますが、外貨預金は国内銀行預入分であっても対象外です。
解き方
- 各金融商品・金融機関のセーフティネット(預金保険、農水産業協同組合貯金保険、投資者保護基金)の対象範囲を確認する。
- 外貨預金は預け入れ先が国内銀行であるか外国銀行の在日支店であるかを問わず預金保険の対象外である点を見極める。
- 選択肢 1不正解
- JA等の一般貯金等は農水産業協同組合貯金保険制度の対象であり、貯金者1人当たり1組合ごとに元本1,000万円までとその利息等が保護されます。
- 選択肢 2不正解
- 「無利息、要求払い、決済サービスを提供できること」を満たす決済用預金は、預金保険制度により全額が保護されます。
- 選択肢 3正解
- 国内銀行に預け入れた外貨預金も、外国銀行の在日支店に預け入れた外貨預金も、いずれも預金保険制度の保護対象外です。
- 選択肢 4不正解
- 証券会社の破綻時に顧客資産が円滑に返還されない場合、日本投資者保護基金により一般顧客1人当たり上限1,000万円まで補償されます。
覚えるポイント
- 外貨預金は国内銀行に預け入れたものであっても預金保険制度の対象外です。
間違えやすいところ
- 国内銀行の預金はすべて対象と誤解しやすいですが、外貨預金や譲渡性預金(CD)は対象外となります。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
金融商品取引に関する法規
金融資産運用 · 金融商品販売法 / 金融商品取引法 / 契約締結前交付書面 / 消費者契約法 / 犯罪収益移転防止法
金融商品の取引に係る各種法令に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、「金融商品の販売等に関する法律」を金融商品販売法といい、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」を犯罪収益移転防止法という。
解答・解説を表示
解答
2
解説
金融商品取引関連法では投資者保護のためのルールが定められています。金融商品販売法上の業者の損害賠償責任は無過失責任です。金融商品取引法では一般投資家に対する契約締結前交付書面の事前交付を義務付けており、顧客の意思表示のみで交付義務を免除することはできません。
解き方
- 金融商品取引法における契約締結前交付書面の交付義務の趣旨(一般投資家への書面交付は必須であり顧客からの免除申出は不可)を確認する。
- 金融商品販売法の無過失責任、消費者契約法の取消権、犯罪収益移転防止法の7年間保存義務がそれぞれ適切であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 金融商品販売法において、重要事項説明義務違反等により損害を与えた業者は、故意・過失を問わず無過失責任を負います。
- 選択肢 2正解
- 一般顧客に対する契約締結前交付書面の交付は義務付けられており、顧客から「交付不要」と言われても交付義務は免除されません。
- 選択肢 3不正解
- 消費者契約法では、不実告知や断定的判断の提供による誤認、退去妨害等による困惑によって行った意思表示を取り消すことができます。
- 選択肢 4不正解
- 犯罪収益移転防止法において、特定事業者は取引記録を直ちに作成し、取引の日から7年間保存する義務があります。
覚えるポイント
- 契約締結前交付書面は、顧客が「要らない」と言っても省略・免除することはできません。
間違えやすいところ
- 金融商品販売法上の損害賠償責任は過失責任ではなく「無過失責任」である点に注意しましょう。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の基本原則と仕組み
タックスプランニング · 納税義務者 / 申告納税方式 / 所得の分類 / 超過累進税率
所得税の原則的な仕組みに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
所得税は、個人が1月1日から12月31日までに得た所得に対して自ら税額を計算して申告・納付する「申告納税方式」を採用しています。所得は10種類に分類され、課税総所得金額には5%から45%の「超過累進税率」が適用されます。納税義務者には個人(居住者・非居住者)のほか源泉徴収義務等を有する法人も含まれます。
解き方
- 所得税の基本構造(申告納税方式、10種類の所得分類、超過累進税率)を確認し、誤った記述(選択肢1、3、4)を排除する。
- 所得税法における納税義務者の分類規定(居住者、非居住者、内国法人、外国法人)が正しいことを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 所得税は納税者が自ら所得と税額を計算して申告する「申告納税方式」を採用しており、賦課課税方式ではありません。
- 選択肢 2正解
- 所得税法では納税義務者を「居住者」「非居住者」「内国法人」「外国法人」に分類して規定しています。
- 選択肢 3不正解
- 所得税における所得の種類は、利子、配当、不動産、事業、給与、退職、山林、譲渡、一時、雑の「10種類」です。
- 選択肢 4不正解
- 課税総所得金額に対する所得税率は一律ではなく、所得が増えるほど税率が高くなる「超過累進税率(5%~45%の7段階)」です。
覚えるポイント
- 所得税の所得区分は10種類、税率は5%〜45%の超過累進税率です。
間違えやすいところ
- 法人も利子受取時などの源泉徴収に係る所得税の納税義務者として所得税法に規定されています。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種所得の金額の計算
タックスプランニング · 退職所得 / 給与所得 / 一時所得 / 不動産所得
所得税における各種所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
所得税法では10種類の所得ごとに所得金額の計算方法が定められています。退職所得は担税力への配慮から退職所得控除額を差し引いた後に「2分の1」を乗じる負担軽減措置が設けられています(特定役員退職手当等などを除く)。
解き方
- 各所得の金額の計算式(退職所得、給与所得、一時所得、不動産所得)を確認する。
- 退職所得の計算式において「× 1/2」の乗算が必要である点と照合し、選択肢1の誤りを特定する。
- 選択肢 1正解
- 一般の退職所得の金額は「(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)× 1/2」により計算されます。
- 選択肢 2不正解
- 給与所得の金額は、原則として「給与等の収入金額-給与所得控除額」によって算出されます。
- 選択肢 3不正解
- 一時所得の金額は「総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)」により計算されます。
- 選択肢 4不正解
- 不動産所得の金額は、原則として「不動産所得に係る総収入金額-必要経費」によって計算されます。
覚えるポイント
- 退職所得の金額=(収入金額-退職所得控除額)× 1/2(特定役員等除く)。
間違えやすいところ
- 一時所得は総所得金額に算入する際に1/2しますが、所得金額自体の計算式と混同しないようにしましょう。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における損益通算
タックスプランニング · 損益通算 / 譲渡損失 / 不動産所得の損失
所得税における損益通算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
所得税において他の所得と損益通算できる損失は、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得(富士山譲渡)の4つの所得の計算上生じた赤字に限られます。ただし、株式等や土地建物等の分離課税の譲渡所得、生活に通常必要でない資産に係る譲渡損失、不動産所得における土地取得に係る負債利子などは損益通算の対象外とする特例・制限があります。
解き方
- 損益通算の基本対象となる所得(不・事・山・譲)と対象外の所得(一時所得等)を確認する。
- 譲渡所得のうち、業務用車両の譲渡損失は損益通算が可能であるか判定する。
- 不動産所得の土地取得負債利子や上場株式等の損失通算ルールを照らし合わせ、不適切な記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 上場株式等の譲渡損失は、申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得等とは通算できますが、総合課税を選択した配当所得とは損益通算できません。
- 選択肢 2正解
- 業務用車両は総合課税の譲渡所得の対象資産であり、その譲渡損失は事業所得などの他の所得と損益通算することができます。
- 選択肢 3不正解
- 不動産所得の赤字のうち、土地(土地の取得に要した借入金)の負債利子に相当する部分の金額は損益通算の対象外とされています。
- 選択肢 4不正解
- 一時所得の金額の計算上生じた損失は、他の各種所得(不動産所得など)と損益通算することができません。
覚えるポイント
- 損益通算ができる所得は「不・事・山・譲(ふ・じ・さん・じょう)」の4種類である。
間違えやすいところ
- 不動産所得の赤字すべてが通算できると誤認し、土地取得の借入金利子分も通算可能と勘違いしやすい。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の所得税法等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における所得控除
タックスプランニング · 社会保険料控除 / 医療費控除 / 地震保険料控除 / 生命保険料控除
所得税における所得控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
所得税の所得控除には、限度額なしで支払った全額が控除されるもの(社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除など)と、計算式や上限限度額が定められているもの(医療費控除、地震保険料控除、生命保険料控除など)があります。
解き方
- 各所得控除の控除額の計算方法と上限の有無を想起する。
- 社会保険料控除は全額控除である点を確認する。
- 医療費控除、地震保険料控除、生命保険料控除それぞれにある限度額や足切り条件を確認し、誤りを排除する。
- 選択肢 1正解
- 社会保険料控除は上限額が定められておらず、その年中に実際に支払った金額の全額を控除することができます。
- 選択肢 2不正解
- 医療費控除は、支払った医療費から保険金等で補填される金額および足切り額(原則10万円または総所得金額等の5%のいずれか低い方)を差し引いた金額が控除額となり(最高200万円)、全額控除ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 地震保険料控除の控除限度額は所得税では最高5万円と定められており、支払った金額の全額を無制限に控除できるわけではありません。
- 選択肢 4不正解
- 生命保険料控除には適用限度額(新契約の場合、各区分最高4万円、合計最高12万円など)が定められており、支払金額の全額が無条件に控除されるわけではありません。
覚えるポイント
- 社会保険料控除および小規模企業共済等掛金控除は、支払った全額が控除対象となる。
間違えやすいところ
- 生命保険料控除や地震保険料控除にも全額控除の枠があると混同しやすい。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅借入金等特別控除の要件
タックスプランニング · 住宅借入金等特別控除 / 住宅ローン控除 / 居住要件 / 償還期間
所得税における住宅借入金等特別控除(以下「住宅ローン控除」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)を受けるための主な要件は、償還期間が10年以上であること、取得日から6カ月以内に居住の用に供すること、床面積が50㎡以上で1/2以上が自己の居住用であること、合計所得金額が3,000万円以下であること等です。また、給与所得者であっても初年分は確定申告が必須となります。
解き方
- 償還期間の要件が「10年以上」であることを確認する(選択肢1の誤りを判定)。
- 取得後居住開始期限が「6カ月以内」であることを確認する(選択肢2が適切)。
- 床面積のうち居住用部分が「1/2以上」であれば店舗併用住宅も対象となることを確認する(選択肢3の誤りを判定)。
- 初年分は確定申告が必要(2年目以降から年末調整可能)であることを確認する(選択肢4の誤りを判定)。
- 選択肢 1不正解
- 住宅ローン控除の対象となる借入金は、契約による償還期間が10年以上のものと定められています。
- 選択肢 2正解
- 住宅の取得等の日から6カ月以内に自己の居住の用に供し、各年の12月31日まで引き続き住んでいることが適用の要件です。
- 選択肢 3不正解
- 店舗併用住宅であっても、床面積の2分の1以上が専ら自己の居住の用に供されているものであれば対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 給与所得者であっても、控除を受ける最初の年分は確定申告書を提出しなければならず、年末調整で控除を受けられるのは2年目以降です。
覚えるポイント
- 住宅ローン控除の返済期間は10年以上、取得後6カ月以内に入居、初年分は確定申告必須。
間違えやすいところ
- 給与所得者なら初年度から年末調整で処理できると誤認しやすい。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の租税特別措置法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の申告手続きと青色申告
タックスプランニング · 確定申告不要制度 / 確定申告期限 / 青色申告承認申請手続 / 青色申告の対象所得
所得税の申告に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
所得税の青色申告承認申請手続において、従来から業務を行っている者は原則として適用を受けようとする年の3月15日まで、その年の1月16日以後に新たに開業した者は「開業の日から2カ月以内」に提出しなければなりません。公的年金等控除後の年金受給者に対する確定申告不要制度(公的年金等受給額400万円以下かつ他の所得20万円以下)も頻出事項です。
解き方
- 公的年金受給者の確定申告不要制度の基準(年金400万円以下、他の所得20万円以下)を確認する。
- 所得税の通常の申告期間(翌年2月16日~3月15日)を確認する。
- 青色申告承認申請書の提出期限(開業が1月16日以後の場合は開業日から2カ月以内)と選択肢3の記述(3カ月以内)を比較する。
- 選択肢 1不正解
- 公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつ公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下であるときは、所得税の確定申告は不要です。
- 選択肢 2不正解
- 所得税の確定申告書の提出期間は、原則として所得が生じた年の翌年2月16日から3月15日までです。
- 選択肢 3正解
- 1月16日以後に新たに業務を開始した場合の青色申告承認申請書の提出期限は、業務を開始した日から「2カ月以内」です。
- 選択肢 4不正解
- 青色申告ができるのは、不動産所得、事業所得、山林所得を生ずべき業務を行う者です。
覚えるポイント
- 年途中の開業(1月16日以後)の場合、青色申告承認申請期限は「開業日から2カ月以内」。
間違えやすいところ
- 提出期限の「2カ月以内」を「3カ月以内」と混同しやすい。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税の損金算入の取扱い
タックスプランニング · 法人税 / 寄附金 / 租税公課 / 交際費等の損金不算入 / 減価償却費限度超過額
法人税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
法人税の計算において、国や地方公共団体に対する寄附金等は全額損金算入されます。一方で、法人税・法人住民税の本税は損金不算入、中小法人における交際費等の損金算入定額控除限度額は年800万円、減価償却費の償却限度額を超える部分(償却超過額)は損金不算入とされます。
解き方
- 法人税・法人住民税の本税は損金不算入であることを確認(選択肢1の誤りを判定)。
- 国や地方公共団体に対する寄附金は全額損金算入可能であることを確認(選択肢2が適切)。
- 中小法人の交際費の定額控除限度額が年800万円であることを確認(選択肢3の誤りを判定)。
- 税法上の償却限度額を超える減価償却費は損金不算入であることを確認(選択肢4の誤りを判定)。
- 選択肢 1不正解
- 法人税の本税および法人住民税の本税は、利益に対する処分としての性格を持つため、損金の額に算入することはできません(法人事業税は損金算入可)。
- 選択肢 2正解
- 国または地方公共団体に対する寄附金(指定寄附金等)は、確定申告書に所定の明細書を添付することにより全額を損金算入できます。
- 選択肢 3不正解
- 期末資本金等の額が1億円以下の中小法人における交際費等の損金算入限度額(定額控除限度額)は、年800万円までです。
- 選択肢 4不正解
- 会社が損金経理した減価償却費のうち、税法上の償却限度額を超える部分の金額(償却超過額)は、その事業年度の損金に算入することはできません。
覚えるポイント
- 国・地方自治体への寄附金は全額損金算入。法人税・住民税本税は損金不算入。
間違えやすいところ
- 中小法人の交際費の定額控除限度額を800万円ではなく1,000万円と混同しやすい。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法人税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
消費税の納税義務と課税取引
タックスプランニング · 消費税 / 非課税取引 / 特定期間 / 課税事業者選択届出書 / 申告期限
消費税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
消費税では、消費の性格になじまないものや社会政策的な配慮から、土地の譲渡・貸付け、有価証券等の譲渡、利子・保証料、医療・介護・教育などは「非課税取引」とされています。また、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であっても、前事業年度の前半6カ月間(特定期間)の課税売上高および給与等支払額がともに1,000万円を超える場合は免税事業者になれません。
解き方
- 有価証券の譲渡が課税・非課税・不課税のいずれに該当するかを確認する(非課税取引)。
- 法人の特定期間における判定基準(給与等および課税売上高の双方が1,000万円超)を確認する。
- 課税事業者選択届出書の提出後の拘束期間(2年間継続適用)を確認する。
- 個人事業者の消費税申告期限(翌年3月31日)を確認する。
- 選択肢 1正解
- 有価証券、登録国債、投資信託受益権などの譲渡は、消費税法上の非課税取引に該当します。
- 選択肢 2不正解
- 特定期間の課税売上高および給与等支払額の双方が1,000万円を超えた場合、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であっても免税事業者になれません。
- 選択肢 3不正解
- 課税事業者選択届出書を提出して課税事業者となった場合、事業を廃止した場合を除き、原則として2年間は免税事業者に戻ることができません。
- 選択肢 4不正解
- 個人事業者の消費税の確定申告書の提出期限は、課税期間の翌年3月31日までです(所得税の3月15日とは異なります)。
覚えるポイント
- 有価証券・土地の譲渡は消費税の非課税取引。個人事業者の消費税申告期限は翌年3月31日。
間違えやすいところ
- 個人の消費税の申告期限を所得税と同じ3月15日と誤認しやすい。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の消費税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
会社と役員間の取引における税務
タックスプランニング · 役員間取引 / 受贈益 / 低額譲渡 / 役員給与 / 認定利息
会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
会社と役員間の取引では、時価による取引が前提とされます。会社が役員から資産の無償譲渡を受けた場合、受贈益(益金)が計上されます。個人である役員が会社へ無利息で貸し付けた場合は役員側に利息の認定課税は行われません。役員が社宅に無償で居住している場合は賃貸料相当額が給与課税され、時価の1/2未満で譲渡を受けた場合は「時価と実際の譲渡対価との差額」が給与課税されます。
解き方
- 役員が会社へ無利息貸付をした場合の役員側の課税の有無を確認する(課税されない)。
- 役員から会社への資産の無償譲渡における会社の処理を確認する(受贈益として益金算入)。
- 社宅の無償供与における経済的利益の給与課税を確認する(賃貸料相当額が給与所得として算入される)。
- 会社資産の低額譲受における給与所得金額を確認する(時価全額ではなく「時価-譲渡対価」の差額)。
- 選択肢 1不正解
- 個人である役員が会社に無利息で金銭の貸付けを行っても、通常収受すべき利息が認定されて雑所得として課税されることはありません(会社が役員に無利息で貸し付けた場合は役員側に給与課税されます)。
- 選択肢 2正解
- 役員が会社に土地を無償譲渡した場合、法人側は土地の適正な時価を受贈益として益金の額に算入します(役員側はみなし譲渡所得課税が生じます)。
- 選択肢 3不正解
- 役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、原則として通常の賃貸料相当額が役員に対する経済的利益として給与所得の収入金額に算入されます。
- 選択肢 4不正解
- 会社が所有する資産を役員へ時価の2分の1未満の低額で譲渡した場合、給与所得の収入金額とされるのは時価全額ではなく「適正な時価と実際の譲渡対価との差額」です。
覚えるポイント
- 会社が役員から無償で資産を受け取った場合、適正な時価が受贈益(益金)となる。
間違えやすいところ
- 低額譲渡を受けた際に給与課税される金額を時価全額と誤認しやすい(差額が経済的利益)。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の所得税法および法人税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
企業の財務諸表・決算書
タックスプランニング · 貸借対照表 / 損益計算書 / キャッシュフロー計算書 / 株主資本等変動計算書
法人の決算書に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
法人の決算書(財務諸表)は実績を報告する書類です。貸借対照表(B/S)は期末の一時点における企業の「財政状態」、損益計算書(P/L)は一会計期間における企業の「経営成績」、キャッシュフロー計算書(C/F)は一会計期間における「資金(キャッシュ)の収支実績」、株主資本等変動計算書(S/S)は純資産の部の変動事由を示します。
解き方
- 貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書の定義と対象期間(ストックかフローか)を確認する。
- キャッシュフロー計算書が「過去(一会計期間)の資金収支の実績」を示す書類であることを確認する。
- 選択肢3の「将来の予測」という記述が不適切であることを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 貸借対照表は、決算期末などの一定時点における企業の資産・負債・純資産の状態(財政状態)を示したものです。
- 選択肢 2不正解
- 損益計算書は、一会計期間における企業の収益・費用・利益の状況(経営成績)を示したものです。
- 選択肢 3正解
- キャッシュフロー計算書は将来の資金収支予測ではなく、一会計期間における現金の流入および流出の実績を示したものです。
- 選択肢 4不正解
- 株主資本等変動計算書は、貸借対照表の純資産の部の一会計期間における各項目の変動事由を明らかにする書類です。
覚えるポイント
- キャッシュフロー計算書は一会計期間における「実際の資金収支(実績)」を表すものであり、将来予測ではない。
間違えやすいところ
- キャッシュフロー計算書を将来の資金繰り予定表・資金計画書と混同しないようにする。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の企業会計基準・会社法等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の登記制度
不動産 · 不動産登記法 / 登記記録の構成 / 利害関係人の承諾
不動産の登記に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
不動産登記は不動産の物理的現況や権利関係を公示する制度であり、権利の登記は原則として対抗要件とされ、登記事項証明書は誰でも交付請求可能です。
解き方
- 登記記録の構成(表題部、権利部甲区・乙区)と記載事項のルールを確認する。
- 登記事項証明書の請求権者および登記申請の各手続き(抹消登記の要件等)の規定を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 不動産の売買等による所有権移転登記は対抗要件であり、契約締結後1カ月以内に登記申請を行う義務はありません。
- 選択肢 2不正解
- 不動産の登記事項証明書の交付は、手数料を納付すれば利害関係を有しない者であっても誰でも請求することができます。
- 選択肢 3正解
- 不動産登記法第68条により、権利に関する登記の抹消は、登記上の利害関係を有する第三者があるときは、その承諾があるときに限り申請できます。
- 選択肢 4不正解
- 抵当権や地上権など所有権以外の権利に関する事項は権利部「乙区」に記録されます。甲区には所有権に関する事項が記録されます。
覚えるポイント
- 権利部甲区は所有権に関する事項、権利部乙区は所有権以外の権利に関する事項を記載する。
間違えやすいところ
- 登記事項証明書の交付請求を住民票等の請求と混同し、利害関係が必要と誤認しやすい点に注意する。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的土地評価制度
不動産 · 地価公示 / 都道府県地価調査 / 相続税路線価 / 固定資産税評価額
土地の価格に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
公的土地評価には地価公示、都道府県地価調査、相続税路線価、固定資産税評価額があり、それぞれ基準日・評価主体・価格水準の割合が定められています。
解き方
- 地価公示と都道府県地価調査の基準日(1月1日と7月1日)を確認する。
- 地価公示価格に対する相続税路線価(80%)および固定資産税評価額(70%)の水準を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 地価公示の公示価格は、国土交通省の土地鑑定委員会が毎年1月1日を基準日として判定・公表します。
- 選択肢 2不正解
- 都道府県地価調査の基準地標準価格は、都道府県知事が毎年7月1日を基準日として判定・公表します。
- 選択肢 3正解
- 相続税路線価は、地価公示価格の80%程度を価格水準の目安として設定されています。70%を目安とするのは固定資産税評価額です。
- 選択肢 4不正解
- 固定資産税評価額は、原則として3年ごとに評価替え(基準年度)が行われます。
覚えるポイント
- 相続税路線価は地価公示の80%、固定資産税評価額は地価公示の70%を目安に設定される。
間違えやすいところ
- 地価公示の基準日(1月1日)と都道府県地価調査の基準日(7月1日)の混同に注意する。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法(普通借地権と定期借地権)
不動産 · 普通借地権の存続期間 / 一般定期借地権 / 公正証書等
借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第22条の借地権を一般定期借地権といい、同法第22条から第24条の定期借地権等以外の借地権を普通借地権という。
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解答
4
解説
借地借家法では借地権者の保護のため存続期間等の基準が定められており、定期借地権では所定の要件を満たす特約を書面等で交わすことで確定的に期間満了を迎えます。
解き方
- 普通借地権の当初存続期間(30年)および更新請求時の建物存在要件を確認する。
- 一般定期借地権の存続期間(50年以上)および契約方式(公正証書等の書面)の規定を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 普通借地権の当初存続期間は原則として30年です。契約で30年より長い期間を定めたときはその期間となります。
- 選択肢 2不正解
- 普通借地権の存続期間が満了する場合において、借地上に建物があるときに限り、借地権者は契約の更新を請求することができます。
- 選択肢 3不正解
- 一般定期借地権の存続期間は建物の用途を問わず「50年以上」で設定しなければならず、30年とすることはできません。
- 選択肢 4正解
- 借地借家法第22条に基づき、一般定期借地権の3つの特約は、公正証書による等書面によって契約しなければなりません。
覚えるポイント
- 一般定期借地権は存続期間50年以上で公正証書等の書面契約が必要である。
間違えやすいところ
- 事業用定期借地権等(公正証書限定)と一般定期借地権(公正証書による等書面)の契約方式の差異に注意する。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
都市計画法の区域区分と開発行為
不動産 · 市街化区域 / 市街化調整区域 / 用途地域 / 開発行為
都市計画法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
都市計画法は計画的なまちづくりを目的とし、市街化区域と市街化調整区域の区分や、建築物の建築等を目的とする開発許可制度を定めています。
解き方
- 市街化区域および市街化調整区域における用途地域の指定義務・原則を確認する。
- 開発行為の定義(主として建築物の建築等の用に供する目的)および開発許可の適用除外事項を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 用途地域が定められている区域であっても、防火地域または準防火地域を必ず定めなければならないわけではありません(任意指定)。
- 選択肢 2正解
- 都市計画法第13条第1項により、市街化区域については用途地域を定め、市街化調整区域については原則として用途地域を定めないものとされています。
- 選択肢 3不正解
- 開発行為とは、主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更を指すため、これらを目的としない変更は該当しません。
- 選択肢 4不正解
- 市街地再開発事業の施行として行う開発行為は、都市計画法に基づく開発許可が不要とされる適用除外事由に該当します。
覚えるポイント
- 市街化区域は用途地域を必ず定め、市街化調整区域は原則として用途地域を定めない。
間違えやすいところ
- 単なる造成工事(青空駐車場や資材置場など)は建築等の目的がないため都市計画法上の開発行為には当たらない点に注意する。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法の敷地・用途・高さ制限
不動産 · セットバック / 道路斜線制限 / 日影規制 / 用途地域の異なる敷地
建築基準法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
建築基準法では敷地、構造、用途に関する基準を定めており、敷地が複数の用途地域にまたがる場合の用途制限は「敷地の過半が属する地域」のルールが適用されます。
解き方
- 敷地が用途地域をまたぐ場合の用途制限の適用原則(過半の地域に属する)を確認する。
- 過半を占める工業地域におけるホテル・旅館(ビジネスホテル含む)の建築可否を判定する。
- 選択肢 1不正解
- セットバック部分(道路後退部分)は道路とみなされるため、建蔽率や容積率を算定する際の敷地面積に算入することはできません。
- 選択肢 2不正解
- 道路斜線制限は、用途地域の指定のある区域だけでなく、用途地域の指定のない区域内の建築物にも適用されます。
- 選択肢 3不正解
- 日影規制は商業地域、工業地域、工業専用地域には適用されませんが、準工業地域は対象地域となり得ます。
- 選択肢 4正解
- 敷地の過半が属する工業地域の用途規制が適用され、工業地域ではホテル・旅館(ビジネスホテル等)を建築することが原則できません。
覚えるポイント
- 用途地域のまたがりにおいて、建築物の用途制限は敷地の「過半」が属する地域の制限が適用される。
間違えやすいところ
- 建蔽率・容積率は敷地全体の加重平均で計算するが、用途制限は「過半」の地域の制限が全体に適用される違いを混同しないようにする。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建物の区分所有等に関する法律の基本事項
不動産 · 規約共用部分 / 集会の決議要件 / 占有者の義務 / 共用部分の持分割合
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
区分所有法では分譲マンション等の権利関係を専有部分・共用部分・敷地利用権に区分して定めており、集会決議の要件や規約の設定ルールが明確に規定されています。
解き方
- 専有部分となり得る部分が規約によって共用部分とできるか(規約共用部分)を確認する。
- 規約変更の特別決議要件(4分の3以上)、占有者の義務、共用部分の持分割合(専有面積割合)を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 規約の設定・変更・廃止は、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要です。
- 選択肢 2正解
- 独立性を備えた専有部分の対象となる部分であっても、規約で定めることにより共用部分(規約共用部分、例:管理人室や集会室)とすることができます。
- 選択肢 3不正解
- 区分所有法第46条第2項により、専有部分の賃借人などの占有者は、建物の使用方法に関して区分所有者と同一の義務を負います。
- 選択肢 4不正解
- 共用部分の共有持分割合は、規約に別段の定めがない限り、各共有者が有する専有部分の床面積の割合によります。
覚えるポイント
- 専有部分の要件を満たす部分でも、規約によって共用部分とすることができる(規約共用部分)。
間違えやすいところ
- 集会決議の特別決議要件において、規約変更(4分の3)と建替え決議(5分の4)の過半数要件の数値を混同しやすい点に注意する。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の取得に係る税金(取得税・登録免許税・消費税)
不動産 · 不動産取得税 / 登録免許税 / 建物表題登記 / 居住用建物の消費税
不動産の取得に係る税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
不動産を取得する際には不動産取得税や登録免許税、消費税などが課されますが、取得原因(売買・贈与・相続)や対象(土地・建物)によって適用関係が異なります。
解き方
- 不動産取得税における有償・無償の課税判定(相続は非課税だが贈与は課税)を確認する。
- 登録免許税の税率(贈与2.0%、相続0.4%)および表題登記の非課税を確認する。
- 事業者が売主となる建物譲渡における消費税の課税関係(居住用であっても建物譲渡は課税)を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 不動産取得税は有償・無償を問わず課税されるため、贈与による取得であっても課税対象となります(相続による取得は非課税)。
- 選択肢 2不正解
- 所有権移転登記の本則税率は、贈与が1,000分の20(2.0%)であるのに対し、相続は1,000分の4(0.4%)であるため、贈与の方が高くなります。
- 選択肢 3不正解
- 建物の表題登記は物理的現況を表示する登記であり、登録免許税は課されません(その後の所有権保存登記で課税)。
- 選択肢 4正解
- 事業者が売主となる建物の売買は、居住用であっても消費税の課税対象となります。土地の譲渡や住宅の貸付け(家賃)が非課税です。
覚えるポイント
- 土地の譲渡は非課税だが、事業者からの建物購入は居住用であっても消費税が課税される。
間違えやすいところ
- 住宅用建物の「貸付け(家賃)」が消費税非課税であることと、「建物の売買」を混同して非課税と誤解しやすい。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
固定資産税および都市計画税の仕組みと特例
不動産 · 固定資産税の標準税率 / 都市計画税の課税対象 / 住宅用地の課税標準の特例 / 新築住宅の減額特例
不動産に係る固定資産税および都市計画税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
固定資産税と都市計画税は市町村が課税する地方税であり、住宅政策上の配慮から住宅用地の課税標準や新築住宅の税額について大幅な軽減特例が設けられています。
解き方
- 固定資産税の標準税率(1.4%)と条例による変更可否を確認する。
- 都市計画税の課税区域(原則として市街化区域内)を照合する。
- 小規模住宅用地の課税標準の特例(6分の1)および新築住宅の税額軽減(2分の1)の数値を照合する。
- 選択肢 1正解
- 固定資産税の標準税率は1.4%と定められていますが、市町村は条例によってこれと異なる税率を定めることが可能です。
- 選択肢 2不正解
- 都市計画税は、原則として都市計画区域のうち「市街化区域」内に所在する土地または家屋に対して課されます。
- 選択肢 3不正解
- 固定資産税における小規模住宅用地(200㎡以下の部分)の課税標準は、課税標準となるべき価格の「6分の1」とする特例があります。
- 選択肢 4不正解
- 新築住宅に係る固定資産税の特例では、120㎡以下の床面積に相当する部分の税額が「2分の1」に軽減されます(5分の1ではありません)。
覚えるポイント
- 固定資産税の小規模住宅用地(200㎡以下)の課税標準は6分の1、新築住宅の税額軽減は2分の1である。
間違えやすいところ
- 小規模住宅用地の特例割合(固定資産税は6分の1、都市計画税は3分の1)を混同しないようにする。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
居住用財産の譲渡所得の特例
不動産 · 居住用財産の3,000万円特別控除 / 軽減税率の特例
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除(以下「3,000万円特別控除」という)および居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(以下「軽減税率の特例」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
マイホーム(居住用財産)を譲渡した際の優遇税制には、3,000万円特別控除や所有期間10年超の軽減税率の特例などがあり、両特例は併用が認められています。
解き方
- 各選択肢の特例の要件(親族間譲渡の制限、空き家になってからの期間、所有期間の判定)を吟味する。
- 3,000万円特別控除と軽減税率の特例の重複適用(併用)が可能かどうかを確認し、不適切な選択肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 3,000万円特別控除は、配偶者や直系血族など特別な関係がある者に対する譲渡については適用を受けることができません。
- 選択肢 2不正解
- 住まなくなった家屋等を譲渡する場合、居住の用に供さなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡する必要があるため、5年後の譲渡では適用を受けられません。
- 選択肢 3不正解
- 軽減税率の特例の適用を受けるためには、譲渡した年の1月1日において所有期間が10年を超えている必要があります。
- 選択肢 4正解
- 3,000万円特別控除と軽減税率の特例は重複して(併用して)適用を受けることができます。できないとする本記述は誤り(最も不適切)です。
覚えるポイント
- 居住用財産の3,000万円特別控除と10年超所有軽減税率の特例は併用可能です。
間違えやすいところ
- 特定の居住用財産の買換え特例とは併用できない点と混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の投資判断手法
不動産 · IRR法 / NPV法 / 直接還元法 / NOI利回り
不動産の投資判断の手法等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
不動産投資分析では、将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いて評価するDCF法(NPV法・IRR法など)や、還元利回りを用いる収益還元法などの定義を正しく理解することが重要です。
解き方
- IRR法およびNPV法の投資判断基準を確認する。
- 収益還元法における直接還元法とDCF法の定義の違い、およびNOI利回りと表面利回りの違いを照合して適切な肢を選択する。
- 選択肢 1正解
- IRR法では、内部収益率が投資家の期待収益率(ハードルレート)を上回っていれば投資価値があると判定するため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 記述の内容は「DCF法」の説明です。直接還元法は、一期間の純収益を還元利回りで除して収益価格を求める手法です。
- 選択肢 3不正解
- NPV法では、収益の現在価値の合計額から投資額の現在価値の合計額を差し引いた正味現在価値(NPV)がゼロより大きい(収益現在価値が投資額現在価値を上回る)場合に有利と判定します。
- 選択肢 4不正解
- 年間の総収入を総投資額で除したものは表面利回り(粗利回り)です。NOI利回り(純利回り)は、年間の純収益(総収入-運営費用等)を総投資額で除して算出します。
覚えるポイント
- IRRが期待収益率を上回る、またはNPVがゼロより大きい場合に投資有利と判定します。
間違えやすいところ
- 直接還元法とDCF法、および表面利回りとNOI利回り(純収益ベース)を混同しないように整理しましょう。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の課税財産
相続・事業承継 · 名義変更 / 使用貸借 / 離婚による財産分与
贈与税の課税財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
贈与税は個人からの財産贈与に対して課されますが、使用貸借による土地の借受けについては使用権の価値をゼロとして扱い、借地権の認定課税は行われません。
解き方
- 無償の名義変更および親族間の使用貸借についての税務上の取扱いを確認する。
- 離婚に伴う財産分与において贈与税が課税される例外規定(脱税目的、過大な部分)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 対価を支払わずに不動産等の名義変更を行った場合、実質的に贈与があったものとみなされ、贈与税の課税対象となります。
- 選択肢 2正解
- 親の土地を使用貸借で借りて子が建物を建てても、使用権としての経済的利益(借地権相当額)に対する贈与税は課税されません。課税対象となる記述は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 離婚が贈与税や相続税の課税を免れるための偽装離婚等であると認められる場合、取得財産は贈与税の課税対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 離婚による財産分与で取得した財産は原則非課税ですが、婚姻中の事情等に照らして不相当に過大と認められる部分については贈与税の課税対象となります。
覚えるポイント
- 土地の使用貸借により借地権等の経済的利益が生じても、贈与税は課税されません。
間違えやすいところ
- 賃貸アパートなど収益建物の建築であっても、土地の貸借が親族間の使用貸借であれば借地権の認定課税は行われません。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の計算と制度
相続・事業承継 · 暦年課税の税率 / 基礎控除 / 配偶者控除 / 相続時精算課税制度
贈与税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
暦年課税の贈与税は超過累進税率構造(10%~55%の8段階)を採用しており、一律税率が適用されるのは相続時精算課税制度における特別控除超過分(一律20%)です。
解き方
- 暦年課税における贈与税率の仕組み(累進税率)を確認し、一律20%とする記述の誤りを見つける。
- 受贈者単位の基礎控除額(110万円)、贈与税の配偶者控除(最高2,000万円+基礎控除110万円)、相続時精算課税の特別控除(累計2,500万円)の正確性を確認する。
- 選択肢 1正解
- 暦年課税に係る贈与税率は一律20%ではなく、10%から55%までの超過累進税率です。一律20%は相続時精算課税制度の特別控除超過額に乗じる税率です。
- 選択肢 2不正解
- 暦年課税の基礎控除額は受贈者(もらう人)1人につき年間110万円であるため、複数の親から贈与を受けても控除限度は110万円です。
- 選択肢 3不正解
- 配偶者控除の適用を受けると、専ら居住用不動産等の価額から最高2,000万円が控除でき、さらに通常の基礎控除110万円と併せて最高2,110万円まで控除できます。
- 選択肢 4不正解
- 相続時精算課税制度の特別控除額は、特定贈与者(父母等)ごとに累計で2,500万円まで利用可能です。
覚えるポイント
- 暦年課税は10%~55%の累進税率、相続時精算課税は特別控除(2,500万円)を超えた部分に一律20%です。
間違えやすいところ
- 暦年課税と相続時精算課税の税率適用のルールを混同しないようにしましょう。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の申告と納付
相続・事業承継 · 贈与税の申告期限 / 配偶者控除の申告要件 / 物納の可否 / 延納と担保
贈与税の申告と納付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
贈与税の納付は金銭一括納付が原則であり、一定の要件を満たせば最長5年の延納が認められますが、物納の制度は存在しません。
解き方
- 贈与税の申告期間(翌年2月1日~3月15日)と特例適用時の申告要否を確認する。
- 贈与税における納税緩和措置として延納と物納の可否を比較し、物納が認められない点を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 贈与税の申告・納付期限は、原則として贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。
- 選択肢 2不正解
- 贈与税の配偶者控除の適用を受ける場合は、税額がゼロとなる場合であっても必ず申告書を提出する必要があります。
- 選択肢 3正解
- 贈与税には物納の制度はありません(延納は要件を満たせば可能)。物納が認められるとする記述は不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 贈与税の延納において、延納税額が100万円以下で延納期間が3年以下である場合には担保の提供は不要です。
覚えるポイント
- 贈与税に物納制度はありません(延納のみ可能)。
間違えやすいところ
- 相続税では延納と物納の両方が認められていますが、贈与税では物納が認められない点に注意が必要です。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法上の相続人
相続・事業承継 · 代襲相続 / 相続人の廃除 / 特別養子縁組 / 胎児の相続権
民法上の相続人に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
代襲相続の原因となる事由は「死亡」「欠格」「廃除」の3つです。「相続放棄」は最初から相続人とならなかったものとみなされるため代襲相続の原因にはなりません。
解き方
- 代襲相続の原因(死亡・欠格・廃除)を確認し、廃除された者の子が代襲相続人となるかどうかを検討する。
- 配偶者以外の相続順位、特別養子縁組の効果、胎児の権利能力に関する記述の正誤を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 被相続人の子は常に第1順位の相続人となります(配偶者は常に同順位で相続人となります)。
- 選択肢 2正解
- 廃除によって相続権を失った者の子は代襲相続人となります。「代襲相続人とならない」とする本記述は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 特別養子縁組が成立すると、実方の父母およびその血族との親族関係が終了するため、実方の父母の相続人にはなれません。
- 選択肢 4不正解
- 胎児は相続に関しては既に生まれたものとみなされますが、死産であった場合にはその権利能力は遡及的に失われ、相続人とはなりません。
覚えるポイント
- 代襲原因は「死亡」「欠格」「廃除」の3つです。相続放棄は代襲しません。
間違えやすいところ
- 相続欠格や廃除でも子への代襲相続は発生するのに対し、相続放棄では代襲相続が発生しないという違いに注意が必要です。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法上の法定相続分
相続・事業承継 · 法定相続分 / 代襲相続人の相続分
民法上の相続分に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
配偶者と血族相続人がいる場合の法定相続分は、配偶者と子(第1順位)なら「配偶者1/2・子1/2」、配偶者と直系尊属(第2順位)なら「配偶者2/3・直系尊属1/3」、配偶者と兄弟姉妹(第3順位)なら「配偶者3/4・兄弟姉妹1/4」です。配偶者がいない場合は、同順位の相続人間で均等に分割します。
解き方
- 各選択肢の家族構成から、相続人の順位と組み合わせを確認する。
- 民法の法定相続分の割合(配偶者と各順位の割合、代襲相続の扱い)を当てはめて正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 配偶者と子2人が相続人となる場合、配偶者の法定相続分は1/2、長男と長女はそれぞれ1/4(1/2×1/2)となります。
- 選択肢 2不正解
- 配偶者と直系尊属(父)が相続人となる場合、配偶者の法定相続分は2/3、父の法定相続分は1/3となります。
- 選択肢 3不正解
- 配偶者と兄弟姉妹(兄)が相続人となる場合、配偶者の法定相続分は3/4、兄の法定相続分は1/4となります。
- 選択肢 4正解
- 第1順位の相続人として長男と被代襲者(長女)の2人がいたため、本来の相続分は各1/2です。長女の代襲相続人である孫は長女の枠(1/2)をそのまま相続するため、長男1/2、孫1/2で適切です。
覚えるポイント
- 法定相続分の配偶者の割合は、子と一緒なら1/2、親と一緒なら2/3、兄弟姉妹と一緒なら3/4です。
間違えやすいところ
- 配偶者と親の場合(2/3と1/3)と、配偶者と兄弟姉妹の場合(3/4と1/4)の割合を逆にしてしまわないよう注意しましょう。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺産分割の原則と方法
相続・事業承継 · 預貯金債権の遺産分割対象性 / 代償分割 / 換価分割と譲渡所得 / 遺産分割の禁止期間
遺産分割に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
遺産分割協議が成立するまで預貯金は共同相続人の共有状態(合有・遺産分割の対象)となります。分割手法には現物分割、代償分割、換価分割などがあり、協議または調停・審判により行われます。
解き方
- 預貯金が当然分割されるか、遺産分割の対象となるかに関する最高裁判例の取扱いを確認する。
- 代償分割の決定手続、換価分割時の譲渡所得課税の有無、および遺言による遺産分割禁止期間の上限(5年間)を照合する。
- 選択肢 1正解
- 預貯金債権は相続開始によって当然に分割されることはなく、遺産分割の対象財産として扱われます(平成28年最高裁決定)。
- 選択肢 2不正解
- 代償分割は共同相続人間の遺産分割協議により合意して行うことができ、必ずしも家庭裁判所の審判を必要とするものではありません。
- 選択肢 3不正解
- 遺産分割のために不動産を売却して現金化(換価分割)した場合であっても、その譲渡益は通常の譲渡所得として課税対象となります(非課税にはなりません)。
- 選択肢 4不正解
- 被相続人が遺言で遺産の分割を禁止できる期間は、相続開始の時から最長「5年間」です(民法908条)。10年ではありません。
覚えるポイント
- 被相続人が遺言で遺産分割を禁止できる期間は「最長5年間」です。
間違えやすいところ
- 共同相続された預貯金債権は、当然に分割される可分債権ではなく遺産分割の対象となる点に注意が必要です。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の課税価格の計算における債務控除
相続・事業承継 · 債務控除 / 葬式費用 / 遺言執行費用
相続税の課税価格の計算上、相続人が負担した次の費用等のうち、相続財産の価額から債務控除することができないものはどれか。なお、相続人は債務控除の適用要件を満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
相続税の債務控除では、被相続人が死亡したときにあった確実な債務(未払公租公課等)および被相続人の葬式費用を相続財産の価額から差し引くことができます。一方で、相続開始後に発生する遺産分割手続の費用や遺言執行費用、墓地・霊棺の買入費用、法会に要する費用などは控除の対象外です。
解き方
- 被相続人が生前確定していた確実な債務や被相続人の葬式費用に該当するかどうかを各費用ごとに判別します。
- 遺言執行費用は相続開始後に遺産管理のために生じた相続人の負担費用であり、債務控除の対象外であることを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 被相続人が納めるべき住民税等の公租公課は、相続開始時点で納期限が未到来であっても納税義務が成立していれば被相続人の確定債務として債務控除できます。
- 選択肢 2正解
- 遺言執行費用は相続財産の管理および手続執行に必要な費用であり、被相続人の債務ではないため債務控除の対象とはなりません。
- 選択肢 3不正解
- 葬式に際して寺院等に読経料やお布施として施与した金品で相応の範囲のものは、葬式費用として債務控除の対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 通夜にかかった飲食代などの費用は、通常葬式に伴うものと認められるため、葬式費用として債務控除の対象となります。
覚えるポイント
- 遺言執行費用や弁護士・税理士報酬、初七日・四十九日等の法会費用、墓碑・墓地購入費は債務控除できません。
間違えやすいところ
- 納期限が到来していない固定資産税や住民税などの公租公課であっても、納税義務が発生していれば債務控除の対象となる点を見落とさないように注意が必要です。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人間の贈与等の税務上の取扱い
相続・事業承継 · 負担付贈与 / 定期贈与 / 死因贈与 / 遺贈
個人間の贈与等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
贈与税は個人から財産を無償で取得した場合に課税されますが、負担付贈与では受贈財産から受贈者の負担分を差し引いた差額に課税されます。また、死亡を原因として財産を取得する「死因贈与」や「遺贈」は相続税の課税対象であり、契約に基づく「定期金給付」は契約時に権利全体を評価して課税されます。
解き方
- 負担付贈与における課税価格の算出方法(財産価額から負担額を控除する)を確認します。
- 定期贈与、死因贈与、遺贈それぞれの課税区分(贈与税か相続税か、権利評価か)を判別します。
- 選択肢 1正解
- 負担付贈与により財産を取得した場合は、受贈財産の価額から受贈者が引き受けた負担額を差し引いた金額に対して贈与税が課税されます。
- 選択肢 2不正解
- 定期金給付契約に基づく定期贈与は、契約締結の初年に将来にわたって定期金を受け取る権利(総額を基礎とする権利)を取得したとみなされ、贈与税の課税対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 死因贈与は贈与者の死亡によって効力が発生するため、贈与税ではなく「相続税」の課税対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 遺言によって財産を取得する遺贈は、遺言者の死亡に伴い効力が生じるため、贈与税ではなく「相続税」の課税対象となります。
覚えるポイント
- 「死因贈与」と「遺贈」はともに被相続人の死亡を原因として財産を移転するため、贈与税ではなく相続税が課税されます。
間違えやすいところ
- 「死因贈与」は民法上の契約(贈与)ですが、税法上は相続税の対象となる点に注意が必要です。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産を相続した場合の納税資金対策
相続・事業承継 · 小規模宅地等の特例 / 取得費加算の特例 / 相続税の延納 / 相続税の物納
不動産を相続した場合の相続税の納税資金対策に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
相続税の金銭一括納付が困難な場合、一定の要件のもとで「延納」や「物納」が認められます。延納期間は不動産等の割合に応じて最長20年(75%以上の場合)まで認められ、延納の継続が困難となった場合には物納への変更(変更物納)も可能です。また、相続税申告期限の翌日以後3年以内に相続した土地を譲渡した場合、納付した相続税額の一部を譲渡所得計算上の取得費に加算できる特例があります。
解き方
- 各選択肢の特例適用要件や制度内容(物納収納価額、取得費加算の期限、変更物納の可否、延納期間)を確認します。
- 不動産等の価額割合が75%以上である場合の最長延納期間が20年である規定と照合します。
- 選択肢 1不正解
- 小規模宅地等の特例を受けた財産を物納する場合、その収納価額は特例適用後の減額された課税価格となります。
- 選択肢 2不正解
- 相続開始の日の翌日から相続税申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡した場合、取得費加算の特例を適用できます。
- 選択肢 3不正解
- 延納の許可を受けた後、金銭納付が困難となる事由が生じたなどの所定の要件を満たせば、延納から物納への変更(変更物納)が認められます。
- 選択肢 4正解
- 不動産等の価額の割合が75%以上である場合、不動産等に対応する相続税額の延納期間は最長20年となるため、15年とする記述は誤りです。
覚えるポイント
- 不動産等割合が75%以上の場合の延納期間は最長20年、50%以上75%未満の場合は最長15年、50%未満の場合は最長5年です。
間違えやすいところ
- 不動産等割合が50%以上75%未満の延納期間(最長15年)と、75%以上の延納期間(最長20年)を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法上の遺言の方式および効力
相続・事業承継 · 自筆証書遺言 / 財産目録の作成方式 / 検認手続 / 遺言の抵触
民法上の遺言に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
自筆証書遺言は遺言者が全文・日付・氏名を自書し押印することが原則ですが、添付する財産目録についてはパソコンでの印字や通帳写しの添付が可能です(目録の全頁に署名押印が必要)。また、複数の遺言が存在して内容が抵触する場合は、遺言の形式にかかわらず日付の新しい遺言が優先します。検認前の開封は過料の対象ですが遺言自体の効力は失われません。
解き方
- 自筆証書遺言の作成要件における財産目録の自書義務の緩和規定(民法第968条第2項)を確認します。
- 検認前開封の効力、遺言内容の加除訂正方式、複数の遺言が抵触する場合のルールを照合して誤りを特定します。
- 選択肢 1不正解
- 自筆証書遺言の変更・加除訂正は、遺言者が変更箇所を指示し、変更した旨を付記して署名し、かつ変更箇所に押印しなければ効力を生じません。
- 選択肢 2正解
- 自筆証書遺言に添付する財産目録は自書を要せず、パソコン作成や通帳写しの添付が可能とされているため(全葉に署名押印が必要)、「自書しなければならない」とする記述は不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 家庭裁判所の検認前に開封した場合、5万円以下の過料に処されることがありますが、遺言書の効力自体が無効になるわけではありません。
- 選択肢 4不正解
- 作成方式の異なる遺言(公正証書遺言と自筆証書遺言)が抵触する場合、遺言の種類の優劣はなく、作成日付の新しい遺言の内容が優先して効力を有します。
覚えるポイント
- 自筆証書遺言の本文・日付・氏名は自書が必要ですが、財産目録は自書不要(パソコン作成等可、全ページに署名押印要)です。
間違えやすいところ
- 「公正証書遺言は自筆証書遺言より常に優先する」と誤認しやすいですが、抵触する場合は遺言の形式に関係なく作成日付の新しいものが優先されます。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 2級 学科』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2020年1月 2級 学科
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2020年1月 2級 学科の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

