日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2019年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務の概要
国民年金の遺族給付(遺族基礎年金・寡婦年金・死亡一時金)
ライフプランニングと資金計画 · 遺族基礎年金 / 寡婦年金 / 死亡一時金
自営業者であるAさん(45歳、子なし)が死亡した場合における、国民年金の第1号被保険者期間に基づく遺族給付(遺族基礎年金、寡婦年金、死亡一時金)に関する次の記述①〜③について、正誤(○または×)を判定しなさい。 ① 「Aさんは、所定の保険料納付要件を満たしていますので、妻Bさんには遺族基礎年金が支給されます。遺族基礎年金の年金額は、77万9,300円(平成30年度価額)です」 ② 「Aさんは、第1号被保険者としての保険料納付済期間が10年以上ありますので、妻Bさんは、60歳から65歳になるまでの間、寡婦年金の支給を受けることができます」 ③ 「Aさんは、第1号被保険者としての保険料納付済期間が36月以上ありますので、妻Bさんは死亡一時金の支給を受けることができます。ただし、妻Bさんが死亡一時金の受給を選択する場合は、寡婦年金の支給は受けられません」
解答・解説を表示
解答
① × ② ○ ③ ○
解説
自営業者等の国民年金第1号被保険者が死亡した場合の独自給付には寡婦年金と死亡一時金があり、遺族基礎年金の受給要件(子の存在)を満たさない場合でも一定の要件で支給されますが両者の併給は不可です。
解き方
- 遺族基礎年金の受給対象者が「子のいる配偶者」または「子」である点を確認し、子の有無を判定する。
- 寡婦年金の加入期間要件(10年以上)および婚姻期間要件、受給期間(60歳から65歳)を照合する。
- 死亡一時金の納付要件(36月以上)および寡婦年金との選択受給ルールを確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 遺族基礎年金の受給対象となる遺族は、被保険者によって生計を維持されていた「子のいる配偶者」または「子」に限られます。設例のAさん夫婦には子がいないため、妻Bさんは遺族基礎年金を受給することができません。
- 小問 ②:○
- 寡婦年金は、国民年金の第1号被保険者としての保険料納付済期間(免除期間を含む)が10年以上ある夫が死亡した際、10年以上婚姻関係が継続し生計維持されていた妻に対して、60歳から65歳になるまでの間支給されます。
- 小問 ③:○
- 死亡一時金は第1号被保険者としての保険料納付済期間が通算36月以上ある者が死亡したときに支給されます。また、妻が寡婦年金と死亡一時金の両方の受給要件を満たす場合は、いずれか一方の選択受給となり、併給はできません。
覚えるポイント
- 遺族基礎年金は「子のない配偶者」には支給されない。
- 寡婦年金の必要納付済等期間は10年以上、婚姻期間も10年以上必要。
- 寡婦年金と死亡一時金は両方受給できず選択制。
間違えやすいところ
- 遺族厚生年金と異なり、遺族基礎年金は中高齢寡婦加算がなく子がいなければ配偶者に支給されない点を見落とす。
- 死亡一時金と寡婦年金が併給可能であると誤認する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の国民年金法
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
小規模企業共済制度の掛金・共済金給付要件・税務
ライフプランニングと資金計画 · 小規模企業共済 / 掛金限度額 / 老齢給付 / 退職所得
小規模企業共済制度の掛金、共済金の受給要件、および税務上の取扱いに関する次の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、〈語句群〉から選びなさい。 「毎月の掛金は、1,000円から( ① )円までの範囲内で、500円単位で選択することができます。 個人事業主に対する共済金は、掛金納付月数が( ② )カ月以上ある共済契約者が事業を廃業等した場合、または掛金納付月数が( ③ )カ月以上ある65歳以上の共済契約者が老齢給付の請求を行った場合に支払われます。 仮に、Aさんが廃業した場合に一括で受け取る共済金は、税法上、( ④ )所得に該当し、分割で受け取る共済金は公的年金等の雑所得に該当します」 〈語句群〉 イ.6 ロ.12 ハ.36 ニ.60 ホ.120 ヘ.180 ト.51,000 チ.68,000 リ.70,000 ヌ.一時 ル.退職 ヲ.事業
解答・解説を表示
解答
① リ ② イ ③ ヘ ④ ル
解説
小規模企業共済制度は小規模企業の経営者や個人事業主のための退職金積立制度であり、掛金は全額所得控除、受取時は一括が退職所得、分割が公的年金等の雑所得となります。
解き方
- 小規模企業共済の掛金上限(月額7万円)を特定する。
- 廃業時の共済金受給要件(6カ月以上)と老齢給付の要件(65歳以上かつ180カ月以上)を確認する。
- 一時金受取時の税法上の所得区分(退職所得)を特定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:リ
- 小規模企業共済の掛金月額は、1,000円から70,000円(リ)までの範囲内(500円単位)で自由に設定することができます。
- 小問 ②:イ
- 個人事業主が廃業したときに支払われる共済金(共済金A)を受給するためには、掛金納付月数が6カ月(イ)以上あることが必要です。
- 小問 ③:ヘ
- 65歳以上で事業を継続している場合に請求できる老齢給付を受給するためには、掛金納付月数が180カ月(15年)(ヘ)以上あることが必要です。
- 小問 ④:ル
- 個人事業の廃業等に伴い一括(一時金)で受け取る共済金は、税法上、退職手当等とみなされ「退職所得」(ル)として課税されます。
覚えるポイント
- 掛金月額は1,000円〜70,000円(全額小規模企業共済等掛金控除)。
- 廃業等共済金は納付6カ月以上、老齢給付は65歳以上かつ納付180カ月(15年)以上。
- 一括受取りは退職所得、分割受取りは公的年金等の雑所得。
間違えやすいところ
- 国民年金基金・iDeCoの限度額(月額6万8,000円)と小規模企業共済の掛金上限(月額7万円)を取り違える。
- 廃業による一括共済金を「一時所得」と誤認する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の小規模企業共済法および所得税法
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金基金の加入要件・年金種類・税務上の取扱い
中小事業主資産相談業務 · 国民年金基金 / 付加年金 / 社会保険料控除
MさんがAさんに対して説明した国民年金基金に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① 「Aさんは、国民年金の第1号被保険者ですので、国民年金基金に加入することができます。ただし、国民年金基金に加入した場合、付加保険料を納付することができなくなります」 ② 「国民年金基金への加入は口数制となっています。1口目は、保証期間のある終身年金A型、保証期間のない終身年金B型のいずれかを選択しますが、いずれも年金給付は60歳に開始します」 ③ 「国民年金基金の掛金は、税法上、社会保険料控除として所得控除の対象となります」
解答・解説を表示
解答
① ○ ② × ③ ○
解説
国民年金基金は、国民年金第1号被保険者の老後保障を手厚くするための公的な上乗せ年金制度であり、付加年金との併用不可や掛金の社会保険料控除適用などの特徴を持ちます。
解き方
- 国民年金基金の加入対象者および付加保険料との併用制限のルールを確認して記述①の正誤を判定します。
- 1口目の給付の型(終身年金A型・B型)における年金支給開始年齢が65歳である点を確認して記述②の正誤を判定します。
- 国民年金基金掛金の税法上の控除区分(社会保険料控除)を確認して記述③の正誤を判定します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 国民年金の第1号被保険者は国民年金基金に加入できますが、付加保険料と国民年金基金は重複して加入することができないため、基金加入後は付加保険料を納付できなくなります。
- 小問 ②:×
- 国民年金基金の1口目は終身年金であるA型またはB型から選択しますが、年金給付の開始年齢はいずれも原則として65歳からです(60歳ではありません)。
- 小問 ③:○
- 国民年金基金の掛金は、税法上、全額が「社会保険料控除」として所得控除の対象となります。
覚えるポイント
- 国民年金基金と付加年金(付加保険料)は併用不可
- 国民年金基金の1口目の受給開始年齢は65歳から
- 国民年金基金の掛金は社会保険料控除の対象
間違えやすいところ
- 国民年金基金の掛金を小規模企業共済等掛金控除と誤認するミス
- 1口目の年金支給開始年齢を60歳開始と勘違いするミス
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式投資指標(PER・PBR・ROA・配当性向)の計算
中小事業主資産相談業務 · PER / PBR / ROA / 配当性向
設例の<W社およびX社の財務データ等>に基づき、Mさんが説明した文章の空欄①~④に入る最も適切な数値を求めなさい。なお、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位まで解答すること。 <W社およびX社の財務データ等> ・W社:総資産 33,000億円、純資産(自己資本) 17,000億円、当期純利益(年間) 2,000億円、配当金総額(年間) 450億円、発行済株式数 10億株、株価 3,100円 ・X社:総資産 10,000億円、純資産(自己資本) 5,000億円、当期純利益(年間) 700億円、配当金総額(年間) 180億円、発行済株式数 2億株、株価 3,300円 「株式の代表的な投資指標として、PERやPBRがあります。X社株式のPERを算出すると( ① )倍となり、PBRは( ② )倍となります。…次に、企業の収益性や経営効率を測る代表的な指標として、ROEやROAがあります。W社のROEを算出すると□□□%となり、ROAは( ③ )%となります。さらに、配当金額から株主への利益還元度合いを測る指標として、配当性向があります。X社の配当性向を算出すると、( ④ )%となります。」
解答・解説を表示
解答
① 9.43(倍) ② 1.32(倍) ③ 6.06(%) ④ 25.71(%)
解説
上場株式の投資指標において、PERは株価÷EPS、PBRは株価÷BPS、ROAは当期純利益÷総資産×100、配当性向は配当金総額÷当期純利益×100で計算されます。
解き方
- X社のEPSを算出し、株価をEPSで除してPERを求め、四捨五入します。
- X社のBPSを算出し、株価をBPSで除してPBRを求めます。
- W社の当期純利益を総資産で除して100を掛け、ROAを求めて四捨五入します。
- X社の配当金総額を当期純利益で除して100を掛け、配当性向を求めて四捨五入します。
答えの内訳
- ①:9.43
- X社の1株当たり当期純利益(EPS)は、当期純利益700億円÷発行済株式数2億株=350円です。PER=株価3,300円÷EPS350円≒9.4285…倍となり、小数点以下第3位を四捨五入して9.43倍となります。
- ②:1.32
- X社の1株当たり純資産(BPS)は、純資産5,000億円÷発行済株式数2億株=2,500円です。PBR=株価3,300円÷BPS2,500円=1.32倍となります。
- ③:6.06
- W社のROA(総資産利益率)は、当期純利益2,000億円÷総資産33,000億円×100≒6.0606…%となり、小数点以下第3位を四捨五入して6.06%となります。
- ④:25.71
- X社の配当性向は、配当金総額180億円÷当期純利益700億円×100≒25.7142…%となり、小数点以下第3位を四捨五入して25.71%となります。
覚えるポイント
- PER=株価÷1株当たり当期純利益(EPS)
- PBR=株価÷1株当たり純資産(BPS)
- ROA=当期純利益÷総資産×100
- 配当性向=配当金総額÷当期純利益×100
間違えやすいところ
- W社とX社のデータを混同して計算に用いてしまうミス
- 小数点以下第3位の四捨五入指定を見落として切り捨ててしまうこと
- 配当利回り(配当金÷株価)と配当性向(配当金÷当期純利益)を混同すること
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
一般NISAおよびつみたてNISAの仕組み
金融資産運用 · 少額投資非課税制度 / 一般NISA / つみたてNISA
MさんがAさんに対して説明した、一般NISAおよびつみたてNISAの仕組みに関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を付けなさい。 ① 「平成31年中に一般NISA口座を通じて購入することができる上場株式等の新規投資による限度額(非課税枠)は、100万円です」 ② 「平成31年中に一般NISA口座を通じて購入した上場株式等の配当金等や譲渡益等について非課税となる期間は、最長で20年間です」 ③ 「つみたてNISAの対象となる金融商品は、長期の積立・分散投資に適した一定の商品性を有する公募株式投資信託やETF(上場投資信託)とされています」
解答・解説を表示
解答
① × ② × ③ ○
解説
一般NISAとつみたてNISAは年間投資限度額、非課税保有期間、対象商品が異なります。2018年施行法令において、一般NISAの年間投資枠は120万円で期間は最長5年間(上場株式・公募株式投信等)、つみたてNISAは年間40万円で最長20年間(所定の要件を満たす公募株式投信・ETF)と定められています。
解き方
- 一般NISAの年間の非課税投資枠が120万円であることを確認し、記述①の正誤を判定する。
- 一般NISAの非課税期間が最長5年(つみたてNISAが最長20年)であることを確認し、記述②の正誤を判定する。
- つみたてNISAの対象商品が長期・積立・分散投資に適した一定の公募株式投資信託やETFであることを確認し、記述③の正誤を判定する。
答えの内訳
- ①:×
- 一般NISAの新規投資による年間非課税枠は120万円(制度開始当初は100万円、2016年分以降は120万円)であるため不適切です。
- ②:×
- 一般NISAの非課税保有期間は最長5年間です。最長20年間非課税となるのは、つみたてNISAであるため不適切です。
- ③:○
- つみたてNISAの対象商品は、手数料が低水準であるなど長期・積立・分散投資に適した要件を満たす公募株式投資信託やETFに限定されており、記述は適切です。
覚えるポイント
- 一般NISA:年間120万円・最長5年間・上場株式や株式投信など幅広く対象
- つみたてNISA:年間40万円・最長20年間・一定の株式投信およびETFに限定
間違えやすいところ
- 一般NISAの枠(120万円)と、過去の枠(100万円)やつみたてNISAの枠(40万円)を取り違えないように注意する。
- 非課税保有期間について、一般NISA(最長5年)とつみたてNISA(最長20年)を取り違えないようにする。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.2(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託の運用パフォーマンス評価(シャープ・レシオとポートフォリオの期待収益率)
金融資産運用 · 投資信託 / シャープ・レシオ / ポートフォリオ理論 / 期待収益率
設例の<YファンドおよびZファンドの実績収益率・標準偏差>に基づき、Mさんが説明した文章の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を、〈語句群〉のなかから選びなさい。 Ⅰ 「YファンドとZファンドをシャープ・レシオで比較した場合、安全資産利子率を0.10%と仮定すると、Yファンドのシャープ・レシオは( ① )、Zファンドのシャープ・レシオは□□□となり、( ② )のほうが効率よく運用されていたと評価することができます」 Ⅱ 「仮に、実績収益率の平均値を各ファンドの期待収益率とし、YファンドとZファンドをそれぞれ4:6の割合で購入した場合のポートフォリオの期待収益率を算出すると、( ③ )%になります」 <YファンドおよびZファンドの実績収益率・標準偏差> ・Yファンド:実績収益率の平均値 3.25%、実績収益率の標準偏差 7.50% ・Zファンド:実績収益率の平均値 4.75%、実績収益率の標準偏差 6.25%
- イ
- 0.33
- ロ
- 0.42
- ハ
- 0.44
- ニ
- 3.85
- ホ
- 4.00
- ヘ
- 4.15
- ト
- Yファンド
- チ
- Zファンド
解答・解説を表示
解答
① ロ ② チ ③ ヘ
解説
シャープ・レシオは「(ポートフォリオの収益率-安全資産利子率)÷標準偏差」で求められ、リスク(標準偏差)1単位あたりの超過収益率を示し、数値が大きいほど運用効率が優れていることを示します。また、ポートフォリオ全体の期待収益率は、構成銘柄の期待収益率を投資比率で加重平均して算出します。
解き方
- シャープ・レシオの算式を適用し、Yファンドのシャープ・レシオを計算する:(3.25-0.10)÷7.50=0.42(空欄①)。
- Zファンドのシャープ・レシオを計算する:(4.75-0.10)÷6.25=0.744。Yファンド(0.42)と比較して数値の大きいZファンドを選択する(空欄②)。
- 投資比率(Y:0.4、Z:0.6)を用いて期待収益率の加重平均を計算する:3.25×0.4+4.75×0.6=4.15%(空欄③)。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ロ
- Yファンドのシャープ・レシオは、(3.25%-0.10%)÷7.50%=0.42 と計算されます。
- 小問 ②:チ
- Zファンドのシャープ・レシオは (4.75%-0.10%)÷6.25%=0.744 となり、Yファンドの0.42より大きいため、Zファンドのほうが効率よく運用されていたと評価されます。
- 小問 ③:ヘ
- ポートフォリオの期待収益率は各資産の期待収益率の加重平均となるため、3.25%×0.4+4.75%×0.6=1.30%+2.85%=4.15% と計算されます。
覚えるポイント
- シャープ・レシオ = (リターン - 安全資産利子率) ÷ リスク(標準偏差)。値が大きいほど優れている
- ポートフォリオの期待収益率は各資産の期待収益率の加重平均で求められる(共分散は無関係)
間違えやすいところ
- シャープ・レシオの分子から無リスク資産利子率を控除し忘れるミスに注意する。
- ポートフォリオの期待収益率の計算において、資産比率(4:6)を取り違えて計算してしまうミスに注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.2(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
貸借対照表に基づく財務指標の分析(所要運転資金・流動比率・固定比率等)
中小事業主資産相談業務 · 所要運転資金 / 流動比率 / 当座比率 / 固定比率 / 固定長期適合率
設例のX株式会社の貸借対照表に基づき、経営指標等に関する記述①~③の正誤を判定しなさい。なお、純資産と自己資本が同額であるものとして計算し、記載のない事項については考慮しないものとする。 ① X社の所要運転資金の金額は、45,000千円である。 ② X社の当座比率は約165.6%、流動比率は180.0%であり、一般に、短期の支払能力に対する懸念は少ないと判断することができる。 ③ X社の固定比率は約126.1%、固定長期適合率は約59.8%であり、一般に、長期の支払能力に対する懸念は少ないと判断することができる。
解答・解説を表示
解答
① × ② × ③ ×
解説
企業の安全性を測る財務指標には、短期的な支払能力を見る流動比率や当座比率、長期的な支払能力を見る固定比率や固定長期適合率、日々の資金繰りに必要な所要運転資金などがあります。割引手形が存在する場合は、実質的な売上債権として加算して評価します。
解き方
- 貸借対照表の注記を確認し、売上債権に割引手形9,200千円を加算して所要運転資金(売上債権+棚卸資産-買入債務)を計算する。
- 流動資産・当座資産・流動負債から流動比率と当座比率を求め、記述の数値と照合する。
- 固定資産・自己資本・固定負債から固定比率および固定長期適合率を算定し、記述の数値の正誤を判断する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 所要運転資金は「売上債権+棚卸資産-買入債務」で算出しますが、貸借対照表の売上債権から割引手形が控除されている場合は、割引手形を加算して計算する必要があります。したがって、売上債権は36,300千円+9,200千円=45,500千円となり、所要運転資金は45,500千円+53,500千円-44,800千円=54,200千円となるため、不適切です。
- 小問 ②:×
- 流動比率は「流動資産÷流動負債×100」=146,700千円÷81,500千円×100=180.0%ですが、当座比率は「当座資産(現金預金+売上債権)÷流動負債×100」=(45,200千円+36,300千円)÷81,500千円×100=100.0%(割引手形を加算した場合でも約111.3%)であり、約165.6%ではないため不適切です。
- 小問 ③:×
- 固定比率は「固定資産÷自己資本×100」=97,000千円÷85,300千円×100≒113.72%であり、約126.1%ではありません。なお、固定長期適合率は「固定資産÷(自己資本+固定負債)×100」=97,000千円÷(85,300千円+76,900千円)×100≒59.80%となりますが、固定比率の数値が誤っているため不適切です。
覚えるポイント
- 所要運転資金=(売上債権+受取手形割引高)+棚卸資産-買入債務
- 当座資産=現金預金+売上債権(有価証券があれば含む、棚卸資産は含まない)
- 固定比率=固定資産÷自己資本×100、固定長期適合率=固定資産÷(自己資本+固定負債)×100
間違えやすいところ
- 貸借対照表の注記にある割引手形を加算し忘れて所要運転資金を45,000千円と誤算すること。
- 当座比率の計算において、当座資産に棚卸資産を含めてしまうこと。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等および財務諸表分析の一般的な定義に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
財務比率の計算(自己資本当期純利益率・インタレスト・カバレッジ・レシオ)
中小事業主資産相談業務 · 自己資本当期純利益率(ROE) / インタレスト・カバレッジ・レシオ
設例のX株式会社の貸借対照表および損益計算書に基づき、次の①および②の数値をそれぞれ求めなさい。なお、計算にあたっては表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。 ① 自己資本当期純利益率(%) ※純資産=自己資本として計算すること。 ② インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) ※営業外収益=金融収益、営業外費用=金融費用として計算すること。
解答・解説を表示
解答
① 5.74(%) ② 5.18(倍)
解説
自己資本当期純利益率(ROE)は株主資本を元手にどれだけ効率的に利益を上げたかを示す指標です。インタレスト・カバレッジ・レシオは事業利益が支払利息等の金融費用の何倍であるかを示し、借入金の利息支払い能力を測る指標です。
解き方
- 損益計算書の当期純利益(4,900千円)と貸借対照表の自己資本(純資産合計85,300千円)からROEを算出し、四捨五入する。
- 事業利益(営業利益9,800千円+営業外収益1,600千円=11,400千円)を営業外費用(2,200千円)で除してインタレスト・カバレッジ・レシオを求め、四捨五入する。
答えの内訳
- ①:5.74(%)
- 自己資本当期純利益率(ROE)=当期純利益÷自己資本×100=4,900千円÷85,300千円×100=5.7444...%となり、小数点以下第3位を四捨五入して5.74%となります。
- ②:5.18(倍)
- インタレスト・カバレッジ・レシオ=(営業利益+金融収益)÷金融費用=(営業利益+営業外収益)÷営業外費用=(9,800千円+1,600千円)÷2,200千円=11,400千円÷2,200千円=5.1818...倍となり、小数点以下第3位を四捨五入して5.18倍となります。
覚えるポイント
- 自己資本当期純利益率(ROE)=当期純利益÷自己資本×100
- インタレスト・カバレッジ・レシオ=(営業利益+受取利息・配当金)÷支払利息等
- 端数処理は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入して第2位まで記載する。
間違えやすいところ
- インタレスト・カバレッジ・レシオの分子に経常利益を使用してしまうこと(正しくは営業利益+金融収益)。
- 自己資本当期純利益率の分子に税引前当期純利益や営業利益を用いてしまうこと。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等および財務分析の出題条件に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の法人税額の特別控除
タックスプランニング · 賃上げ税制 / 法人税額の特別控除 / 中小企業者等の特例
中小企業者等に対する「給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の法人税額の特別控除」に関する次の文章の空欄①~③に入る適切な数値を、語群から選びなさい。 「中小企業者等に該当するX社が当期において本制度の適用を受けるためには、継続雇用者給与等支給額(継続雇用者に対する適用年度の給与等の支給額)が前年度比で( ① )%以上増加している必要があります。 X社が当期において本制度の適用を受ける場合の税額控除額は、通常、X社の雇用者給与等支給額(適用年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額)の前年度からの増加額(以下、「給与等支給増加額」という)の( ② )%に相当する金額となります。また、継続雇用者給与等支給額が前年度比で2.5%以上増加し、かつ、教育訓練費が前年度比で10%以上増加しているなどの一定の要件を満たす場合は、税額控除額が給与等支給増加額の( ③ )%に相当する金額となります。 ただし、その税額控除額が、当期における法人税額の20%相当額を超える場合には、その20%相当額が限度となります」
- イ
- 1
- ロ
- 1.5
- ハ
- 2
- ニ
- 2.5
- ホ
- 3
- ヘ
- 5
- ト
- 10
- チ
- 15
- リ
- 20
- ヌ
- 25
- ル
- 30
解答・解説を表示
解答
① ロ ② チ ③ ヌ
解説
中小企業者等に対する所得拡大促進税制(給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の法人税額の特別控除)は、継続雇用者給与等支給額が前年度比1.5%以上増加した場合に雇用者給与等支給増加額の15%を法人税額から控除でき、さらに前年度比2.5%以上増加等の上乗せ要件を満たした場合には25%控除できる制度です(控除上限は法人税額の20%)。
解き方
- 基本要件である継続雇用者給与等支給額の対前年度増加割合(1.5%)を確認し、空欄①を選択する。
- 通常要件を満たした場合の税額控除割合(15%)を確認し、空欄②を選択する。
- 継続雇用者給与等支給額が2.5%以上増加などの上乗せ要件を満たした場合の税額控除割合(25%)を確認し、空欄③を選択する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ロ
- 中小企業者等の賃上げ税制の適用要件は、継続雇用者給与等支給額が前事業年度と比べて1.5%以上増加していることです。
- 小問 ②:チ
- 一般の中小企業者等の税額控除率は、雇用者給与等支給額の前年度からの増加額の15%となります。
- 小問 ③:ヌ
- 継続雇用者給与等支給額が前年度比2.5%以上増加し、教育訓練費が10%以上増加等の上乗せ要件を満たす場合、税額控除率は25%となります。
覚えるポイント
- 中小企業者等の賃上げ要件:継続雇用者給与等支給額が前年度比1.5%以上増加で15%控除。
- 上乗せ要件:前年度比2.5%以上増加+教育訓練費前年度比10%以上増加等で25%控除。
間違えやすいところ
- 控除限度額(法人税額の20%)と給与等支給増加額に対する税額控除率(15%・25%)を混同しないこと。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等(平成30年度税制改正後の所得拡大促進税制/給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の法人税額の特別控除)
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法(用途地域・防火地域・建蔽率・高さ制限等)
不動産 · 用途制限 / 防火地域内外にわたる建築物 / 建蔽率の緩和 / 第一種低層住居専用地域等の高さ制限
建築基準法の規定に関する次の記述①~④について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を判定しなさい。 ① 甲土地(防火地域)と乙土地(準防火地域)を一体とした土地上に、階数が3以上または延べ面積が100㎡を超える建築物を建築する場合、原則として当該建築物は耐火建築物としなければならない。 ② 甲土地(近隣商業地域・過半)と乙土地(第一種住居地域)を一体とした土地上に建築物を建築する場合、用途地域による建築物の制限については、その全部について、近隣商業地域の建築物の用途に関する規定が適用される。 ③ 甲土地と乙土地を一体とした土地上に耐火建築物を建築する場合、建蔽率の限度は88%である。 ④ 乙土地(第一種住居地域)上のみに建築物を建築する場合、建築物の高さは、10mまたは12mのうち、当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはならない。
- ○
- 適切
- ×
- 不適切
解答・解説を表示
解答
① ○ ② ○ ③ ○ ④ ×
解説
敷地が異なる地域にわたる場合、用途制限は過半が属する地域の規定が敷地全体に適用されます。防火規制は原則として最も厳しい地域の規定が建築物全体に適用されます。建蔽率は各地域の制限を敷地面積で加重平均して算出し、絶対的高さ制限は低層住居専用地域等にのみ適用されます。
解き方
- 記述①:防火地域と準防火地域にわたる建築物には防火地域の規定が適用され、階数3以上または100㎡超は耐火建築物となるため適切(○)と判定する。
- 記述②:過半が近隣商業地域(270㎡/450㎡=60%)であるため、用途制限は近隣商業地域の規定が全部に適用され適切(○)と判定する。
- 記述③:耐火建築物を建築する場合、甲土地部分は指定80%+防火地域で100%、乙土地部分は指定60%+耐火緩和10%で70%となるため、加重平均(270×100%+180×70%)/450=88%となり適切(○)と判定する。
- 記述④:絶対的高さ制限(10mまたは12m)は低層住居専用地域等の規制であり、第一種住居地域には適用されないため不適切(×)と判定する。
- 選択肢 ○正解
- 記述①、②、③は建築基準法の規定に合致しており適切です。
- 選択肢 ×正解
- 記述④は第一種住居地域に絶対的高さ制限が適用されるとしているため不適切です。
答えの内訳
- ①:○
- 建築物が防火地域と準防火地域にわたる場合は原則としてより厳しい防火地域の規定が適用され、防火地域内で階数3以上または延べ面積100㎡超の建築物は耐火建築物としなければなりません。
- ②:○
- 建築物の敷地が異なる用途地域にわたる場合、用途制限はその敷地の過半が属する地域の規定が適用されます。甲土地(270㎡/450㎡=60%)が属する近隣商業地域の規定が敷地の全部に適用されます。
- ③:○
- 敷地全体に防火地域の規定が及ぶため耐火建築物を建てる場合、近隣商業地域(指定建蔽率80%)は制限なし(100%)となり、第一種住居地域(指定建蔽率60%)は耐火建築物により10%緩和されて70%となります。加重平均すると(100%×270㎡+70%×180㎡)÷450㎡=(270+126)÷450=88%となります。
- ④:×
- 都市計画において10mまたは12mの絶対的高さ制限が定められるのは「第一種・第二種低層住居専用地域」および「田園住居地域」であり、第一種住居地域にはこの規定は適用されません。
覚えるポイント
- 用途地域の制限:過半が属する地域の規定を適用する。
- 防火規制:より厳しい地域の規定を建築物全体に適用する。
- 絶対的高さ制限(10mまたは12m):低層住居専用地域・田園住居地域にのみ適用される。
間違えやすいところ
- 建蔽率の適用緩和において、防火地域内の指定建蔽率80%の地域に耐火建築物を建てる場合は建蔽率制限がなくなり(100%となる)、指定建蔽率60%の地域に耐火建築物を建てる場合は+10%緩和されて70%となる計算を混同しないこと。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の建築基準法
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
複数用途地域にまたがる一体地の容積率上限および延べ面積の計算
不動産 · 建築基準法 / 指定容積率 / 道路幅員による容積率制限 / 延べ面積の限度
甲土地(近隣商業地域・指定容積率400%・敷地面積270㎡・幅員8mの県道に18m接道)と乙土地(第一種住居地域・指定容積率200%・敷地面積180㎡・幅員4mの市道に18m接道)を一体とした土地(合計敷地面積450㎡)の上に耐火建築物を建築する場合、容積率の上限となる延べ面積を求める次の手順の空欄①〜③に入る数値を求めなさい。 <計算の手順> 1.近隣商業地域部分の延べ面積の限度 ・容積率の判定 指定容積率:400% 前面道路の幅員による制限を受けた容積率:□□□% したがって、近隣商業地域部分において上限となる容積率は□□□%である。 ・延べ面積の限度 270㎡×□□□%=( ① )㎡ 2.第一種住居地域部分の延べ面積の限度 ・容積率の判定 指定容積率:200% 前面道路の幅員による制限を受けた容積率:( ② )% したがって、第一種住居地域部分において上限となる容積率は□□□%である。 ・延べ面積の限度 180㎡×□□□%=□□□㎡ 3.一体地の容積率の上限となる延べ面積 ( ① )㎡+□□□㎡=( ③ )㎡
解答・解説を表示
解答
① 1,080(㎡) ② 320(%) ③ 1,440(㎡)
解説
建築物の敷地が2以上の道路に接する場合、最大の幅員がその敷地の前面道路幅員とみなされます。また、敷地が異なる用途地域にまたがる場合の容積率制限は、各地域ごとの容積率上限に基づいて算出した延べ面積限度を合算して敷地全体の上限を求めます。
解き方
- 敷地全体に適用される前面道路幅員を判定するため、接する2つの道路(8mと4m)のうち広い方である8mを採用します。
- 近隣商業地域の道路幅員制限(8m×6/10=480%)と指定容積率(400%)を比較し、小さい方の400%を適用して270㎡×400%=1,080㎡を算出します。
- 第一種住居地域の道路幅員制限(8m×4/10=320%)を算出し、指定容積率(200%)と比較して200%を適用し、180㎡×200%=360㎡を算出します。
- 両地域の延べ面積限度を合算し、敷地全体の容積率上限となる延べ面積1,080㎡+360㎡=1,440㎡を導きます。
答えの内訳
- ①:1,080
- 2以上の道路に接する敷地では最大幅員(8m)を前面道路幅員とみなします。近隣商業地域では8m×6/10=480%と指定容積率400%の小さい方である400%が適用され、270㎡×400%=1,080㎡となります。
- ②:320
- 第一種住居地域において最大幅員8mを基準とすると、道路幅員制限による容積率は8m×4/10=320%となります。
- ③:1,440
- 第一種住居地域の容積率上限はmin(200%, 320%)=200%となり、延べ面積限度は180㎡×200%=360㎡です。一体地全体の延べ面積限度は近隣商業地域の1,080㎡と合算して1,440㎡となります。
覚えるポイント
- 2以上の道路に接する敷地では、最大の道路幅員が敷地全体の前面道路幅員とみなされる。
- 住居系地域の法定乗数は原則4/10、その他の用途地域は原則6/10。
- 異なる用途地域にまたがる敷地の延べ面積上限は、各地域の敷地面積にそれぞれの適用容積率を乗じて合算する。
間違えやすいところ
- 第一種住居地域が接している4m道路の幅員を用いて4m×4/10=160%と計算してしまうミス。
- 第一種住居地域の上限容積率判定で、指定容積率200%ではなく道路幅員制限の320%を延べ面積計算に乗じてしまう誤り。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の建築基準法第52条(容積率)の規定に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人の収用等に伴う課税の特例(圧縮記帳および5,000万円特別控除)
不動産 · 収用等の課税特例 / 圧縮記帳 / 代替資産取得期限 / 5,000万円特別控除
収用等の場合の課税の特例に関する次の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を、〈語句群〉のなかから選びなさい。 「法人の所有する資産が収用等され、交付を受けた対価補償金により代替資産を取得した場合には、代替資産について圧縮限度額の範囲内で帳簿価額を損金経理により減額するなどの一定の方法で経理したときは、その経理した金額を損金の額に算入する圧縮記帳の適用を受けることができます。この圧縮記帳の適用を受けるためには、原則として収用等のあった日から( ① )以内に代替資産を取得するなどの要件も満たす必要があります。 また、この圧縮記帳の適用を受けない場合で、原則として収用等による譲渡が公共事業の施行者から買取り等の最初の申出があった日から( ② )以内に行われているなどの要件を満たしているときは、譲渡益の額と( ③ )万円とのいずれか低い金額を損金の額に算入することができます」 〈語句群〉 イ.6カ月 ロ.1年 ハ.1年6カ月 ニ.2年 ホ.3年 ヘ.5年 ト.2,000 チ.2,500 リ.3,000 ヌ.5,000
- イ
- 6カ月
- ロ
- 1年
- ハ
- 1年6カ月
- ニ
- 2年
- ホ
- 3年
- ヘ
- 5年
- ト
- 2,000
- チ
- 2,500
- リ
- 3,000
- ヌ
- 5,000
解答・解説を表示
解答
① ニ ② イ ③ ヌ
解説
法人が土地等を収用された場合、税負担を軽減・繰り延べる特例として「代替資産を取得した場合の圧縮記帳」または「収用等に伴い代替資産を取得しない場合の特別控除(5,000万円特別控除)」のいずれかの選択適用が認められています。それぞれ取得期間や申出からの譲渡期限といった要件が定められています。
解き方
- 対価補償金で代替資産を取得した際の圧縮記帳における代替資産の原則的な取得期限(収用等のあった日から2年以内)を確認し、①にニを選択します。
- 圧縮記帳を選択しない場合の収用等の特別控除における最初の申出日からの譲渡期限(6カ月以内)を確認し、②にイを選択します。
- 収用等の特別控除における損金算入の限度額(譲渡益と5,000万円のいずれか低い金額)を確認し、③にヌを選択します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ニ
- 収用等に伴い代替資産を取得した場合の圧縮記帳の適用要件として、原則として収用等のあった日から2年以内に代替資産を取得する必要があります。
- 小問 ②:イ
- 収用等の特別控除(5,000万円特別控除)の適用を受けるためには、公共事業の施行者から最初の買取り等の申出があった日から6カ月以内に譲渡する必要があります。
- 小問 ③:ヌ
- 収用等の場合の特別控除額の限度は、譲渡益の額と5,000万円とのいずれか低い金額と規定されています。
覚えるポイント
- 収用等の圧縮記帳における代替資産の取得期限は原則2年以内。
- 収用等の5,000万円特別控除は「最初の申出から6カ月以内の譲渡」が必須条件。
- 法人の収用課税特例では「圧縮記帳」と「5,000万円特別控除」は重複適用できない(選択適用)。
間違えやすいところ
- 居住用財産の3,000万円特別控除と混同して特別控除限度額を3,000万円としてしまう誤り。
- 最初の申出から「6カ月以内」の要件を「1年以内」や「2年以内」と混同する誤り。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の租税特別措置法第64条(収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例)および第65条の2(収用等の場合の特別控除)の規定に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
非上場株式の類似業種比準価額および併用方式による相続税評価額の計算
事業承継・相続・税金 · 取引相場のない株式の評価 / 類似業種比準方式 / 中会社の評価 / L割合
非上場会社であるX株式会社(規模区分は「中会社の中」)の株式評価について、類似業種比準価額および類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式による相続税評価額を計算する算式中の空欄①~④に入る数値を求めなさい。
解答・解説を表示
解答
① 245 ② 3 ③ 0.6 ④ 0.75
解説
取引相場のない株式を類似業種比準方式で評価する際、株価は直近3カ月、前年平均、前2年間平均の最小値を用います。また会社規模に応じた斟酌割合や、中会社の評価に適用されるL割合の適用基準を正確に理解しておく必要があります。
解き方
- 類似業種の株価の選択肢(課税時期の当月・前月・前々月・前年平均・過去2年平均)から最も低い株価を特定する。
- 類似業種比準価額の計算式における比準要素の除数(3要素で割るため3)および中会社の斟酌割合(0.6)を確認する。
- 財産評価基本通達における会社規模区分(中会社の中)に応じた併用方式のL割合(0.75)を適用する。
答えの内訳
- ①:245
- 類似業種比準価額の計算に用いる類似業種の株価は、課税時期の属する月(270円)、前月(280円)、前々月(275円)、前年平均(255円)、属する月以前2年間の平均(245円)のうち最も低い金額を選択するため、245円となります。
- ②:3
- 類似業種比準価額の計算式における比準割合は、配当・利益・純資産の3要素の比準割合を合計し、その要素数である3で除して計算するため、3となります。
- ③:0.6
- 類似業種比準価額の計算における会社規模に応じた斟酌割合は、大会社が0.7、中会社が0.6、小会社が0.5と定められているため、中会社であるX社は0.6となります。
- ④:0.75
- 中会社の株式を類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式によって評価する場合の比準割合(L割合)は、中会社の大が0.90、中会社の中が0.75、中会社の小が0.60と定められており、X社は「中会社の中」に該当するため0.75となります。
覚えるポイント
- 類似業種の株価は5つの基準値(当月・前月・前々月・前年・前2年)のうち最も低いものを選択する。
- 中会社の斟酌割合は0.6、併用方式のL割合は規模に応じて大0.90・中0.75・小0.60である。
間違えやすいところ
- 斟酌割合(大0.7・中0.6・小0.5)とL割合(中会社の大0.90・中0.75・小0.60)の数値を混同しないように注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令・財産評価基本通達に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
特例事業承継税制(贈与税の納税猶予・免除の特例)の適用要件および継続要件
事業承継・相続・税金 · 事業承継税制 / 非上場株式等の贈与税の納税猶予特例 / 対象株式数 / 雇用確保要件
平成30年度税制改正により創設された「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例(特例事業承継税制)」に関する記述①~③の正誤を判定しなさい。
解答・解説を表示
解答
① × ② × ③ ○
解説
平成30年度税制改正で新設された特例事業承継税制では、納税猶予対象となる株式数の上限撤廃(100%)、複数株主からの承継の容認、雇用確保要件の弾力化など、従来の一般措置と比べて大幅な規制緩和が図られています。
解き方
- 特例措置における対象株式数上限(100%まで拡大)を確認し、記述①の正誤を判定する。
- 特例措置における贈与者の要件(代表者以外の複数株主からの贈与も可能)を確認し、記述②の正誤を判定する。
- 特例措置における雇用確保要件の弾力化規定(8割を下回っても知事への報告・確認により猶予継続可能)を確認し、記述③の正誤を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 従来の一般措置では発行済議決権株式総数の3分の2までが上限でしたが、特例措置ではこの上限が撤廃され、発行済議決権株式総数の全株式(100%)までが納税猶予の対象となります。
- 小問 ②:×
- 特例措置では、代表者であった先代経営者だけでなく、代表権を有したことがない配偶者等を含む先代経営者以外の複数の株主からの贈与についても納税猶予の対象とすることができます。
- 小問 ③:○
- 特例措置では雇用確保要件が弾力化されており、5年間の平均で8割を下回った場合であっても、経営悪化等の理由を記載した報告書を都道府県知事に提出して確認等を受けることで猶予を継続できます。
覚えるポイント
- 特例事業承継税制では対象株式の上限が100%、猶予割合も100%である。
- 特例措置では代表権を持たない株主(親族等)からの贈与も対象となる。
- 5年間の平均雇用が8割を下回っても、一定の報告書の提出・確認により猶予が打ち切られない。
間違えやすいところ
- 一般措置の要件(議決権株式の3分の2上限、8割雇用要件未達で全額納税)と特例措置の抜本的緩和措置を混同しないように注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等(平成30年度税制改正後)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税
相続・事業承継 · 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税 / 所得要件 / 居住要件・期限 / 非課税限度額
【第5問】《問15》「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」(以下、「本制度」という)に関する次の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を、語句群の中から選びなさい。 「二男Dさんが本制度の適用を受けるためには、Aさんから住宅取得等資金の贈与を受けた年分の二男Dさんに係る所得税の合計所得金額が( ① )万円以下でなければなりません。また、Aさんから住宅取得等資金の贈与を受けた年の( ② )までに、その住宅取得等資金の全額を二男Dさんの居住の用に供する一定の家屋の取得等の対価に充てて、原則として、同日までにその住宅用家屋を二男Dさんの居住の用に供しなければなりません。 二男Dさんが本制度の適用を受けた場合には、所定の非課税限度額までの金額について贈与税が非課税となります。仮に、二男Dさんが、Aさんから住宅取得等資金の贈与を受け、平成31年3月中に住宅用家屋の取得等に係る契約を締結した場合、その非課税限度額は省エネ等住宅で( ③ )万円、一般住宅で□□□万円となります」 〈語句群〉 イ.700 ロ.1,000 ハ.1,200 ニ.1,500 ホ.2,000 ヘ.2,500 ト.3,000 チ.12月31日 リ.翌年3月15日 ヌ.翌年3月31日
- イ
- 700
- ロ
- 1,000
- ハ
- 1,200
- ニ
- 1,500
- ホ
- 2,000
- ヘ
- 2,500
- ト
- 3,000
- チ
- 12月31日
- リ
- 翌年3月15日
- ヌ
- 翌年3月31日
解答・解説を表示
解答
① ホ ② リ ③ ハ
解説
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税特例は、受贈者の合計所得金額が2,000万円以下であること、贈与年の翌年3月15日までに全額を対価に充てて原則同日までに居住すること、契約締結時期や住宅性能・消費税率に応じた非課税限度額が設定されていること等の各種要件を定めています。
解き方
- 空欄①について、受贈者の合計所得金額要件が2,000万円以下であることを確認し、「ホ」を選択します。
- 空欄②について、資金の充当および原則居住の期限が贈与年の「翌年3月15日」であることを確認し、「リ」を選択します。
- 空欄③について、平成31年3月中の契約締結における省エネ等住宅の非課税限度額が1,200万円であることを確認し、「ハ」を選択します。
- 選択肢 イ不正解
- 700は平成31年3月契約時における一般住宅の非課税限度額(700万円)に相当しますが、設問の省エネ等住宅の限度額としては不適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 1,000は後年の税制改正後の所得要件(床面積要件緩和時)や他の非課税枠の数値であり、本問のいずれの空欄にも適合しません。
- 選択肢 ハ正解
- 平成31年3月に住宅取得契約を締結した場合の省エネ等住宅の非課税限度額は1,200万円であり、空欄③の正解です。
- 選択肢 ニ不正解
- 1,500は以前の制度期間における非課税限度額等の数値であり、本問の空欄の数値としては不適切です。
- 選択肢 ホ正解
- 本制度の適用を受けるための受贈者の合計所得金額は2,000万円以下であり、空欄①の正解です。
- 選択肢 ヘ不正解
- 2,500は相続時精算課税制度の特別控除額(2,500万円)などに登場する数値であり、本制度の空欄には適合しません。
- 選択肢 ト不正解
- 3,000は居住用財産の譲渡所得の特別控除額(3,000万円)などで用いられる数値であり、本問には適合しません。
- 選択肢 チ不正解
- 贈与税の課税期間の末日は12月31日ですが、住宅取得資金の充当・居住要件の期限は「翌年3月15日」であるため不適切です。
- 選択肢 リ正解
- 住宅取得等資金の全額を対価に充てて原則居住する期限は「翌年3月15日」であり、空欄②の正解です。
- 選択肢 ヌ不正解
- 充当・居住の期限は申告期限と同じ「翌年3月15日」であり、「翌年3月31日」ではありません。
答えの内訳
- ①:ホ
- 本制度の適用を受ける受贈者の所得要件は、贈与を受けた年分の合計所得金額が2,000万円以下(本試験基準日時点)である必要があります。
- ②:リ
- 住宅取得等資金の贈与を受けた年の翌年3月15日までに、その資金の全額を家屋の取得等の対価に充て、原則として同日までに居住の用に供する必要があります。
- ③:ハ
- 平成31年3月中に住宅取得等の契約を締結した場合の非課税限度額(消費税率8%適用等の場合)は、質の高い住宅(省エネ等住宅)で1,200万円(一般住宅は700万円)となります。
覚えるポイント
- 受贈者の合計所得金額要件は2,000万円以下であること
- 資金充当および居住の原則期限は贈与年の翌年3月15日であること
間違えやすいところ
- 資金充当・居住期限を年末(12月31日)や年度末(3月31日)と混同しないようにすること
- 省エネ等住宅(1,200万円)と一般住宅(700万円)の限度額を取り違えないこと
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2019年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2019年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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