日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2019年1月 2級 学科の概要
FPの職業倫理と関連法規
ライフプランニングと資金計画 · 職業倫理 / 守秘義務 / 公正証書遺言の証人
ファイナンシャル・プランナー(FP)の顧客に対する行為について、職業倫理や関連法規に照らし、最も不適切なものを1つ選択しなさい。
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解答
3
解説
FPは職務上知り得た顧客のプライバシーや秘密を厳格に保持する義務(守秘義務)を負っており、顧客の事前同意なく第三者に提供することは職業倫理に違反します。また関連士業法の制限や民法上の要件を遵守して行動する必要があります。
解き方
- 各選択肢のFPの行為について、関連法令(金融商品取引法、弁護士法等)およびFPの職業倫理(顧客利益の優先、守秘義務、説明責任等)に抵触するか確認する。
- 選択肢3において、顧客の同意を得ずに事業計画書を銀行担当者へ提供している行為が明確に守秘義務違反に該当すると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 外貨定期預金の仕組みや為替変動リスクなど一般的な金融商品の特性を説明する行為は法令に違反せず適切であるため、誤りとなります。
- 選択肢 2不正解
- ETFの一般的な商品概要や元本保証がない旨を顧客に説明する行為はFP業務として適切であるため、誤りとなります。
- 選択肢 3正解
- 顧客から受領した事業計画書等を顧客本人の承諾を得ずに第三者である銀行担当者へ開示・提供する行為は守秘義務に違反するため不適切であり、これが正解となります。
- 選択肢 4不正解
- 公正証書遺言の証人の欠格事由(推定相続人や受遺者等)に該当しないことを確認したうえで適正な対価を得て証人となることは法令上問題なく適切であるため、誤りとなります。
覚えるポイント
- FP倫理の三大原則は「顧客利益の優先」「守秘義務の遵守」「説明責任(アカウンタビリティ)」である。
間違えやすいところ
- 公正証書遺言の証人は、民法上の欠格事由に該当しなければFPが適正な対価を得て就任しても法令違反にはならない。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ライフステージ別の資金活用
ライフプランニングと資金計画 · ライフステージ / 資産運用 / 資金計画の原則
ライフプランニングにおけるライフステージ別の一般的な資金の活用に関する記述のうち、最も不適切なものを1つ選択しなさい。
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解答
1
解説
ライフプランニングにおける資金運用は、当面の生活費や緊急予備資金を確保し、損失を被っても生活に破綻をきたさない余裕資金で行うことが基本原則です。借入金による高リスク投資は投機的であり極めて不適切です。
解き方
- ライフステージごとの資金使途や収支状況、ならびに資産運用の大原則(余裕資金での運用、借入による投資の回避)を確認する。
- 選択肢1の「借入金を元手とした高リスク積極運用」が資金計画の原則に反し最も不適切であると判断する。
- 選択肢 1正解
- 銀行からの借入金を元手として高収益狙いの金融商品に投資することは過大な返済リスクと損失リスクを抱えることになり不適切であるため、これが正解となります。
- 選択肢 2不正解
- 30代の資産形成期において税制優遇制度であるNISAを活用し余裕資金を運用することは適切であるため、誤りとなります。
- 選択肢 3不正解
- 40代で貯蓄の一部を頭金に充当して住宅ローンを組み住宅を取得することは、一般的なライフプランニングとして適切であるため、誤りとなります。
- 選択肢 4不正解
- 退職後のリタイアメント期において主たる収入が公的年金となる場合、資産保全を重視して元本確保型商品を中心とした安定運用を行うことは適切であるため、誤りとなります。
覚えるポイント
- 資産運用は生活防衛資金や明確な使途のある資金を除いた「余裕資金」で行うのが大原則である。
間違えやすいところ
- 若い世代で運用期間が長く取れる場合でも、借入金を元手としたレバレッジ運用はライフプランニング上不適切とされる。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的介護保険の制度概要と給付
ライフプランニングと資金計画 · 公的介護保険 / ケアプラン / 介護保険料の徴収 / 特別養護老人ホーム
公的介護保険に関する記述のうち、最も不適切なものを1つ選択しなさい。
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解答
2
解説
公的介護保険制度において、要介護被保険者のケアプランは居宅介護支援事業者のケアマネジャーに依頼することが一般的ですが、法令上は被保険者本人が自ら作成(セルフケアプラン)することも可能です。
解き方
- 公的介護保険の保険料徴収(特別徴収)、ケアプラン作成主体、高額介護サービス費、特養の入所要件の各制度規定を確認する。
- ケアプラン作成は本人による作成も認められているため、作成できないとしている記述2が不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 第1号被保険者が公的年金から年額18万円以上の老齢・退職・障害・遺族年金を受給している場合、原則として年金から天引き(特別徴収)されるため適切であり、誤りとなります。
- 選択肢 2正解
- ケアプランの作成はケアマネジャーに委託することが一般的ですが、被保険者本人が自ら作成することも可能であるため不適切であり、これが正解となります。
- 選択肢 3不正解
- 同一月内の自己負担合計額が所得区分に応じた上限額を超えた場合、超えた分が高額介護サービス費として支給されるため適切であり、誤りとなります。
- 選択肢 4不正解
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)への新規入所は、原則として要介護3以上の認定を受けた者に限定されているため適切であり、誤りとなります。
覚えるポイント
- 特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)の原則的な新規入所要件は「要介護3以上」である。
間違えやすいところ
- ケアマネジャーによるケアプラン作成費用は全額介護保険給付(自己負担なし)だが、セルフケアプランも可能である。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
雇用保険の基本手当と被保険者要件
ライフプランニングと資金計画 · 雇用保険 / 基本手当 / 賃金日額 / 受給期間の延長
雇用保険に関する記述のうち、最も不適切なものを1つ選択しなさい。
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解答
3
解説
雇用保険の基本手当日額は「賃金日額」に一定率を乗じて算出されますが、賃金日額の計算にあたっては離職前6か月間に支払われた賃金から「臨時に支払われた賃金」および「賞与」は除外されます。
解き方
- 雇用保険の被保険者基準(週20時間以上、31日以上見込み)、基本手当の受給要件、賃金日額の算定ルールを確認する。
- 賃金日額の算出において臨時給与や賞与が含まれるかを確認し、これらは除外されるため記述3が不適切であると判定する。
- 選択肢 1不正解
- 週の所定労働時間20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがある者は原則として被保険者となるため適切であり、誤りとなります。
- 選択肢 2不正解
- 一般受給資格者の基本手当受給要件は、原則として離職前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あることであるため適切であり、誤りとなります。
- 選択肢 3正解
- 賃金日額の算定対象となる賃金総額から、臨時に支払われた賃金および3か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)は除外されるため不適切であり、これが正解となります。
- 選択肢 4不正解
- 妊娠・出産・育児等により30日以上就労不能な場合、申出により本来の受給期間1年に最長3年を加えた最長4年まで受給期間を延長できるため適切であり、誤りとなります。
覚えるポイント
- 賃金日額の算定に用いる賃金総額には「賞与」および「臨時の賃金」は算入されない。
間違えやすいところ
- 基本手当の受給期間延長は最大3年間可能であり、本来の受給期間1年と合わせて最長4年となる。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金の被保険者資格と給付要件
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金 / 第3号被保険者 / 追納制度 / 繰下げ支給 / 死亡一時金
国民年金に関する記述のうち、最も適切なものを1つ選択しなさい。
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解答
4
解説
国民年金法において、死亡一時金は掛け捨て防止のための独自給付であり、遺族基礎年金の支給を受けられる遺族がいる場合には支給されません(併給調整)。
解き方
- 第3号被保険者の年齢要件(20歳以上60歳未満)および保険料追納期間(10年以内)を確認する。
- 付加年金の繰下げ増額規定(老齢基礎年金と同率で増額)と、死亡一時金と遺族基礎年金との併給制限(遺族基礎年金受給時は不支給)を照合して適切な記述を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 第3号被保険者は「第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者」であるため、19歳の者は第3号被保険者にはならず不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 免除された国民年金保険料の追納は、厚生労働大臣の承認を受けた日の属する月前10年以内の期間に係るものについて可能であるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 老齢基礎年金を繰下げ支給した場合、付加年金の額も老齢基礎年金と同じ増額率によって増額されるため不適切です。
- 選択肢 4正解
- 遺族が遺族基礎年金を受給できる場合には死亡一時金は支給されない規定となっているため適切であり、これが正解となります。
覚えるポイント
- 国民年金保険料の追納可能期間は「過去10年以内」である。
間違えやすいところ
- 第3号被保険者の要件には「20歳以上60歳未満」の年齢要件があることを見落としやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金の老齢給付と請求手続き
ライフプランニングと資金計画 · 老齢厚生年金 / 繰上げ支給 / 振替加算 / 特別支給の老齢厚生年金 / 在職老齢年金
公的年金の老齢給付に関する記述のうち、最も不適切なものを1つ選択しなさい。
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解答
3
解説
公的年金の繰上げ受給は減額率が生涯続く不利益を伴うため、両方の受給資格を有する場合、老齢基礎年金と老齢厚生年金は必ず「同時に」請求しなければならないと定められています(繰下げは別々に請求可能)。
解き方
- 公的年金の老齢給付に関する受給要件(特別支給は1年以上の厚生年金期間)、加算給付(振替加算)、支給調整(低在職老齢年金28万円基準)を確認する。
- 繰上げ受給の請求要件において、老齢基礎年金と老齢厚生年金の同時請求が義務付けられている点を確認し、3を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 特別支給の老齢厚生年金を受給するには、老齢基礎年金の受給資格期間(10年以上)を満たし厚生年金被保険者期間が1年以上必要であるため適切であり、誤りとなります。
- 選択肢 2不正解
- 振替加算の額は受給権者本人の生年月日に応じて設定された一定額であるため適切であり、誤りとなります。
- 選択肢 3正解
- 老齢厚生年金の繰上げ支給の請求は、老齢基礎年金の繰上げ支給の請求と同時に行わなければならないため不適切であり、これが正解となります。
- 選択肢 4不正解
- 60歳台前半の在職老齢年金では総報酬月額相当額と基本月額の合計が支給停止調整開始額(28万円)を超えると年金の一部または全部が支給停止となるため適切であり、誤りとなります。
覚えるポイント
- 繰上げ請求は基礎年金と厚生年金を「同時に」行う必要があるが、繰下げ請求は別々に行うことができる。
間違えやすいところ
- 繰下げ請求は別々に行うことができるため、繰上げ請求も別々に行えると混同しやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等(平成30年度基準)
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
離婚時における厚生年金の合意分割制度
ライフプランニングと資金計画 · 厚生年金保険 / 離婚時年金分割 / 合意分割 / 受給資格期間
離婚時における厚生年金の合意分割制度に関する記述のうち、最も不適切なものを1つ選択しなさい。
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解答
2
解説
離婚時の合意分割は、婚姻期間中の厚生年金の標準報酬月額・標準賞与額(納付記録)を当事者間で分割する制度です。分割された記録は自身の老齢厚生年金の年金額計算には影響しますが、老齢基礎年金等の受給資格期間を満たすための期間としてはカウントされません。
解き方
- 離婚時年金分割(合意分割)の対象(婚姻期間中の標準報酬)、請求期限(原則2年以内)、改定時期(請求月の翌月)を確認する。
- 分割を受けた厚生年金記録が受給資格期間に算入されるかどうかを確認し、算入されないため記述2が不適切であると判定する。
- 選択肢 1不正解
- 合意分割の対象は婚姻期間中の厚生年金保険の保険料納付記録(標準報酬月額・標準賞与額)であるため適切であり、誤りとなります。
- 選択肢 2正解
- 分割を受けた保険料納付記録は自身の老齢厚生年金の年金額計算に反映されるのみであり、老齢基礎年金の受給資格期間には算入されないため不適切であり、これが正解となります。
- 選択肢 3不正解
- 分割によって老齢厚生年金額が減額または増額改定される場合、請求のあった日の属する月の翌月から改定されるため適切であり、誤りとなります。
- 選択肢 4不正解
- 合意分割の請求期限は、原則として離婚成立の日の翌日から起算して2年を経過するまでであるため適切であり、誤りとなります。
覚えるポイント
- 年金分割で分割されるのは「年金額」ではなく「標準報酬記録」であり、受給資格期間は増えない。
間違えやすいところ
- 年金分割の請求期限は「離婚成立の日の翌日から起算して2年以内」である。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入対象者
ライフプランニングと資金計画 · 確定拠出年金 / iDeCo / 加入要件 / 国民年金保険料免除者
確定拠出年金の個人型年金(iDeCo)の加入対象者とならないものを1つ選択しなさい。
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解答
2
解説
個人型確定拠出年金(iDeCo)は原則として公的年金の保険料を適正に納付している者が上乗せとして加入する制度です。そのため、国民年金の第1号被保険者であっても基礎となる国民年金保険料の納付を免除・猶予されている者は加入対象から除外されます。
解き方
- 2017年1月以降のiDeCo加入対象者の範囲(第1号・第2号・第3号被保険者、私学共済・公務員を含む)を確認する。
- 第1号被保険者における適用除外要件(保険料免除・猶予を受けている者は加入不可)を確認し、2が加入対象者とならないと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 国民年金の第3号被保険者(専業主婦等)はiDeCoの加入対象者であるため、加入できない者としては誤りとなります。
- 選択肢 2正解
- 国民年金保険料の納付免除・猶予を受けている第1号被保険者はiDeCoに加入することができないため、加入対象外としてこれが正解となります。
- 選択肢 3不正解
- 企業型年金のない企業の会社員(第2号被保険者)はiDeCoの加入対象者であるため、加入できない者としては誤りとなります。
- 選択肢 4不正解
- 私立学校教職員共済制度の長期加入者(共済組合員等)は2017年1月よりiDeCoの加入対象となっているため、加入できない者としては誤りとなります。
覚えるポイント
- 国民年金保険料の免除・納付猶予を受けている第1号被保険者はiDeCoに加入できない。
間違えやすいところ
- 専業主婦(第3号被保険者)や公務員・私学共済加入者も2017年1月からiDeCoに加入可能となった。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅ローン借換えにおける年間返済額および総返済額の計算
ライフプランニングと資金計画 · 住宅ローン借換え / 資本回収係数 / ローン返済額の計算
住宅ローンの借換えを検討しているAさんが、借入残高1,000万円、年利2%、残存期間10年の元利均等返済から、借入金額1,000万円、年利1%、返済期間10年の元利均等返済(借換え費用20万円)へ借換えを行った場合の総返済額の増減に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる数値または語句の組み合わせとして、最も適切なものを1つ選びなさい。なお、返済は年1回とし、期間10年の係数(資本回収係数:1%は0.1056、2%は0.1113/減債基金係数:1%は0.0956、2%は0.0913)を使用すること。
解答・解説を表示
解答
3
解説
元利均等返済における元利合計の年間返済額を求めるには、元金(借入金額)に資本回収係数を乗じます。借換えの有利性を判定する際には、返済総額の差額だけでなく諸費用も含めて比較します。
解き方
- 現在返済中の年間返済額を計算:1,000万円×0.1113=111.3万円。10年間の総返済額は111.3万円×10年=1,113万円。
- 借換え後の年間返済額を計算:1,000万円×0.1056=105.6万円。10年間の返済総額は105.6万円×10年=1,056万円。
- 借換え後の総返済額に借換え費用20万円を加算して1,076万円とし、現在の総返済額1,113万円と比較して37万円減少することを導く。
- 選択肢 1不正解
- (ア)に減債基金係数を用いており誤りです。また総返済額も誤っています。
- 選択肢 2不正解
- (ア)および(イ)に減債基金係数を用いており、いずれも誤りです。
- 選択肢 3正解
- (ア)は2%の資本回収係数0.1113、(イ)は1%の資本回収係数0.1056、(ウ)は差額37万円の減少で正しい組み合わせです。
- 選択肢 4不正解
- (イ)に減債基金係数0.0956を用いており誤りです。
答えの内訳
- ア:0.1113
- 元利均等返済の年間返済額を算出する際は借入額に資本回収係数を乗じるため、年利2%の資本回収係数0.1113が入ります。
- イ:0.1056
- 借換え後の年利1%のローン返済額の算出にも資本回収係数を用いるため、1%の資本回収係数0.1056が入ります。
- ウ:37万円減少
- 現在の総返済額1,113万円から、借換え後の総返済額1,076万円(借換え費用20万円を含む)を差し引くと37万円減少となります。
覚えるポイント
- 借入金から毎年の元利均等返済額を求める係数は「資本回収係数」です。
- 将来の一定額を積み立てるための毎年積立額を求める係数は「減債基金係数」です。
間違えやすいところ
- 資本回収係数と減債基金係数を逆に取り違える計算ミス。
- 借換え費用の20万円を借換え後総返済額に加算し忘れる計算ミス。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損益計算書および財務データに基づく財務比率の判定
ライフプランニングと資金計画 · 財務比率 / 売上高営業利益率 / 売上高経常利益率 / 総資産当期純利益率(ROA) / 自己資本比率
物品販売業A社の損益計算書(売上高500百万円、売上原価300百万円、販売費及び一般管理費150百万円、営業外収益・費用の純額プラス5百万円、当期純利益45百万円)および財務データ(自己資本100百万円、総資産1,000百万円)に基づく財務比率に関する記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
4
解説
財務諸表から収益性・安全性の指標を算出する際は、損益計算書の各段階利益(売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益)の構造と、貸借対照表の資本・資産項目との対応関係を正確に把握して公式に当てはめます。
解き方
- 売上高500百万円-売上原価300百万円=売上総利益200百万円。売上総利益200百万円-販管費150百万円=営業利益50百万円。
- 営業利益50百万円+営業外損益5百万円=経常利益55百万円。税引前当期純利益60百万円、当期純利益45百万円。
- 各比率を計算:売上高営業利益率=50÷500×100=10%、売上高経常利益率=55÷500×100=11%、ROA=45÷1,000×100=4.5%、自己資本比率=100÷1,000×100=10%。
- 選択肢 1不正解
- 売上高営業利益率は「営業利益50百万円÷売上高500百万円×100=10%」となり正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 売上高経常利益率は「経常利益55百万円÷売上高500百万円×100=11%」となり正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- 総資産当期純利益率は「当期純利益45百万円÷総資産1,000百万円×100=4.5%」となり正しい記述です。
- 選択肢 4正解
- 自己資本比率は「自己資本100百万円÷総資産1,000百万円×100=10%」であるため、20%とする記述は誤りです。
覚えるポイント
- 自己資本比率=自己資本÷総資産×100(安全性の指標)。
- 売上高営業利益率=営業利益÷売上高×100(本業の収益性指標)。
間違えやすいところ
- 総資産(負債+純資産)と負債のみの数値を混同して自己資本比率を計算してしまうミス。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の一般的な商品性
リスク管理 · 終身保険 / 養老保険 / 外貨建て保険 / 収入保障保険
生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。なお、記載のない特約については考慮しないものとする。
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解答
3
解説
外貨建て生命保険は外貨ベースで保険金や保険料が定められており、円換算支払特約を付加しても為替相場の変動リスクは契約者・受取人が負います。したがって、受取時の円建て受取金額は為替レートに応じて変動します。
解き方
- 各選択肢の商品性(終身保険の積立性、養老保険の満期保険金、外貨建て保険の為替特約、収入保障保険の受取形態)を確認する。
- 外貨建て保険の円換算特約は「支払時の為替レートで円換算して受領する仕組み」に過ぎず、契約時の円建て金額を保証するものではない点を確認し、不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 終身保険は一生涯の死亡保障があり、責任準備金が積み立てられるため期間経過とともに解約返戻金が増加します。
- 選択肢 2不正解
- 養老保険は、死亡時に死亡保険金、満期時に同額の満期保険金が支払われる生死混合保険です。
- 選択肢 3正解
- 円換算支払特約は受取時の為替相場により円換算して支払う特約であり、契約時の円換算額を保証する機能はありません。
- 選択肢 4不正解
- 収入保障保険の死亡保険金を一時金で受け取る場合、将来受取分の利息相当額が割り引かれるため、年金形式で受け取る受取総額の方が多くなります。
覚えるポイント
- 外貨建て保険の円換算特約は支払時のレートで換算する特約であり、元本保証や為替変動リスクを排除するものではありません。
間違えやすいところ
- 円換算支払特約を為替リスクヘッジ(円建て保証)と誤認すること。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人年金保険の一般的な商品性
リスク管理 · 確定年金 / 終身年金 / 変額年金 / 平均余命と保険料
個人年金保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
2
解説
生命保険において、死亡保険は死亡率が高い男性の方が保険料が高くなりますが、終身年金保険は長生きするほど年金支払期間が長くなるため、平均余命が長い女性の方が保険料が高くなります。
解き方
- 個人年金保険の種類(確定年金、終身年金、変額年金、外貨建て年金)の特徴を整理する。
- 終身年金の保険料は被保険者の平均余命が長いほど高くなる性質を確認し、男性の方が高くなるとする記述を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 確定年金において年金受取開始前に被保険者が死亡した場合、所定の死亡給付金(既払込保険料相当額など)が受取人に支払われます。
- 選択肢 2正解
- 女性の方が平均余命が長く年金の支払い見込期間が長いため、終身年金の保険料は女性の方が男性よりも高くなります。
- 選択肢 3不正解
- 変額個人年金保険は特別勘定で株式や債券などを運用するため、運用成果に応じて年金額や解約返戻金額が変動します。
- 選択肢 4不正解
- 外貨建て個人年金保険は為替変動の影響を受けるため、受取時に円高が進んでいると受取総額が円換算で払込保険料を下回る元本割れが生じることがあります。
覚えるポイント
- 終身年金の保険料:女性 > 男性(女性の方が平均余命が長いため)。
- 死亡保険の保険料:男性 > 女性(男性の方が同年齢での死亡率が高いため)。
間違えやすいところ
- 死亡保険と終身年金保険における男女の保険料の大小関係を逆に取り違えること。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総合福祉団体定期保険の商品性と税務
リスク管理 · 総合福祉団体定期保険 / ヒューマン・ヴァリュー特約 / 災害総合保障特約
総合福祉団体定期保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
4
解説
総合福祉団体定期保険は、企業の弔慰金・死亡退職金規程等の円滑な履行を主たる目的とする団体定期保険です。死亡保険金受取人は遺族となります。付加される災害総合保障特約(障害・入院給付金等)の受取人は原則として被保険者本人です。
解き方
- 総合福祉団体定期保険の契約形態、同意・告知、保険料の損金算入の可否を確認する。
- 付加特約のうち、被保険者の治療や障害を保障する災害総合保障特約の給付金受取人が原則として被保険者本人であることを確認し、企業限定とする記述を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 総合福祉団体定期保険は、企業が保険料を全額負担し、役員・従業員を被保険者とする1年更新の団体定期保険です。
- 選択肢 2不正解
- モラルリスク防止のため、契約締結時には被保険者となる本人の加入同意および告知が必要です。
- 選択肢 3不正解
- 企業が負担した保険料は、福利厚生費等として全額を損金の額に算入することができます。
- 選択肢 4正解
- 災害総合保障特約の給付金受取人は原則として被保険者本人(従業員等)であり、企業に限定されていません。
覚えるポイント
- 主契約の死亡保険金受取人:被保険者の遺族。
- 災害総合保障特約の給付金受取人:被保険者本人。
- ヒューマン・ヴァリュー特約の保険金受取人:企業。
間違えやすいところ
- ヒューマン・ヴァリュー特約(企業受取)と災害総合保障特約(被保険者受取)を取り違えること。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険料控除の区分と適用ルール
リスク管理 · 生命保険料控除 / 新契約と旧契約 / 契約更新時の取扱い / 自動振替貸付
生命保険料控除に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
3
解説
生命保険料控除は2012年(平成24年)1月1日以後の新契約から「一般・介護医療・個人年金」の3枠制に移行しました。旧契約であっても、2012年1月1日以後に特約の中途付加や更新を行うと、契約全体が新制度の適用対象となります。
解き方
- 各選択肢の控除対象の可否と新旧制度のルールを点検する。
- 変額個人年金は一般生命保険料控除対象、新契約の傷害特約保険料は控除対象外、自動振替貸付は貸付年に対象となることを整理する。
- 旧契約の特約を平成24年1月1日以後に更新した場合は新契約扱いとなる正しい記述を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 変額個人年金保険は個人年金保険料税制適格特約を付加できないため、一般の生命保険料控除の対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 平成24年1月1日以後の新契約では、身体の傷害のみに基因して保険金が支払われる傷害特約等の保険料は生命保険料控除の対象外です。
- 選択肢 3正解
- 旧契約の特約を平成24年1月1日以後に更新した場合、契約全体が新契約として生命保険料控除が適用されます。
- 選択肢 4不正解
- 自動振替貸付により保険料が立て替えられた場合、その立て替えられた年の生命保険料控除の対象となります。
覚えるポイント
- 平成24年以後に旧契約の特約を「更新・中途付加」した場合は契約全体が新契約扱いになります。
- 自動振替貸付は「立替が行われた年」の控除対象(返済時ではない)です。
間違えやすいところ
- 自動振替貸付を借入金返済の年に控除すると誤解すること。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人が受け取る生命保険金・給付金等に係る税金
リスク管理 · 入院給付金の非課税 / 一時所得 / 一時払終身保険の解約返戻金 / 満期保険金
生命保険の税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。なお、契約者(=保険料負担者)および受取人はいずれも個人であるものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
個人の身体の傷害・疾病等により支払われる保険金・給付金(入院給付金、特定疾病保険金、高度障害保険金など)は非課税です。一方、契約者=受取人の満期保険金や死亡保険金、解約返戻金(金融類似商品を除く)は一時所得として課税されます。
解き方
- 各受取金(入院給付金、満期保険金、死亡保険金、解約返戻金)の税務上の取扱区分を確認する。
- 入院給付金が非課税所得に分類される法令規定を確認し、一時所得として課税されるとする選択肢1を不適切と判定する。
- 選択肢 1正解
- 疾病やケガを原因として受け取る入院給付金は、所得税法施行令第30条により非課税と定められています。
- 選択肢 2不正解
- 契約者と受取人が同一の一時金受取の満期保険金は、一時所得として総合課税の対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 契約者と受取人が同一で被保険者が別人の死亡保険金を一時金で受給した場合、一時所得として課税されます。
- 選択肢 4不正解
- 一時払終身保険は金融類似商品(源泉分離課税)の対象から除外されているため、5年以内に解約しても一時所得として課税されます。
覚えるポイント
- 入院給付金・通院給付金・手術給付金・高度障害保険金等は非課税です。
- 一時払養老保険の5年以内差益は「源泉分離課税」ですが、一時払終身保険は5年以内でも「一時所得」です。
間違えやすいところ
- 一時払終身保険を一時払養老保険と混同し、5年以内の解約差益を源泉分離課税と勘違いすること。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人が契約する生命保険の経理処理
リスク管理 · 法人契約の生命保険 / 終身保険の解約返戻金 / 医療保険の給付金 / 養老保険の資産計上
契約者(=保険料負担者)を法人、被保険者を役員とする生命保険契約の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。なお、特約は考慮せず、保険料は毎月平準払いとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
法人が受取人となる保険金を処理する際、支払時に資産計上(保険料積立金)していた保険契約を解約したときは、受け取った解約返戻金からこれまでの資産計上額を相殺し、その差額のみを雑収入または雑損失として経理処理します。
解き方
- 法人契約の生命保険の経理処理基準(支払保険料の損金/資産区分、保険金・解約返戻金受取時の処理)を確認する。
- 終身保険は全額資産計上されているため、解約時には受領額全額ではなく、受取額と資産計上残高の差額を損益処理する点を確認し、選択肢2を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 医療保険の保険料は原則として損金算入されており、法人が受け取った入院給付金は全額を雑収入として益金算入します。
- 選択肢 2正解
- 終身保険の支払保険料は資産計上されているため、解約返戻金受取時は保険料積立金を取り崩し、受取額との差額を雑収入または雑損失とします。
- 選択肢 3不正解
- 死亡・満期ともに受取人が法人の養老保険は、支払保険料の全額を保険料積立金として資産計上します。
- 選択肢 4不正解
- 長期平準定期保険では、前半の前払期間において保険料の一定割合を資産計上し、後半の期間でこれを取り崩して損金算入します。
覚えるポイント
- 資産計上されている保険(終身保険等)の解約時:解約返戻金-資産計上額=雑収入(または雑損失)。
- 掛捨て(全額損金)の保険の受取金:受取額全額が雑収入。
間違えやすいところ
- 全額損金タイプの保険金受取処理と、資産計上タイプの解約返戻金受取処理を混同すること。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
傷害保険の一般的な商品性
リスク管理 · 傷害保険 / 国内旅行傷害保険 / 海外旅行傷害保険
傷害保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
傷害保険は「急激・偶然・外来」の要件を満たす事故による身体の傷害を補償する保険ですが、旅行傷害保険など一部の保険では食中毒など固有のリスクも補償対象として組み込まれています。
解き方
- 各選択肢の傷害保険の種類(海外旅行・家族・普通・国内旅行)と補償範囲を照らし合わせる。
- 食中毒の補償、保険期間中の家族の変動、補償地域(国内外)に関する規程を確認し、適切な記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 海外旅行傷害保険の補償期間は、海外旅行の目的で住居を出発してから住居に帰着するまでとなっており、国内移動中の損害も補償の対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 家族傷害保険において、記名被保険者の配偶者や同居の親族、別居の未婚の子などの範囲は事故発生時で判定されるため、保険期間中に誕生した子も自動的に被保険者となります。
- 選択肢 3不正解
- 普通傷害保険は、国内外を問わず、日常生活において発生した急激かつ偶然な外来の事故によるケガを補償対象としています。
- 選択肢 4正解
- 国内旅行傷害保険では、旅行行程中における急激かつ偶然な外来の事故による傷害に加えて、細菌性食中毒やウイルス性食中毒も補償の対象となります。
覚えるポイント
- 普通傷害保険は国内外問わず補償対象だが食中毒は原則対象外であること
- 旅行傷害保険(国内・海外)は細菌性・ウイルス性食中毒が補償対象に含まれること
間違えやすいところ
- 普通傷害保険と国内旅行傷害保険で食中毒の補償の有無が異なる点を取り違えやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人が契約する損害保険に係る税金
リスク管理 · 損害保険の税務 / 一時所得 / 非課税
契約者(=保険料負担者)を個人とする損害保険の税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
損害保険の保険金・給付金に対する課税関係は、「保険料負担者」と「受取人」の関係によって所得税・相続税・贈与税に区分され、また身体の傷害や資産の滅失に対する損害填補としての保険金は原則として非課税となります。
解き方
- 保険料負担者、被保険者、受取人の関係性を確認する。
- 満期返戻金や年金、あるいは損害保険金ごとの課税・非課税のルールを適用して誤りを判定する。
- 選択肢 1正解
- 契約者(保険料負担者)が自ら受け取る死亡保険金は、相続税ではなく所得税(一時所得)および住民税の課税対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 被保険者所有の自宅が被災したことにより受領する火災保険の保険金は、実損填補の非課税財産として非課税となります。
- 選択肢 3不正解
- 契約者自身が年金形式で受け取る積立傷害保険の年金は、公的年金等以外の雑所得として課税対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 契約者自身が一時金として受け取る積立普通傷害保険の満期返戻金等は、一時所得として所得税の課税対象となります。
覚えるポイント
- 契約者(保険料負担者)と受取人が同一の場合は所得税(一時所得等)となること
- 被保険者の死亡により相続人が受け取る(契約者が被相続人)場合は相続税となること
間違えやすいところ
- 被保険者が配偶者であっても保険料負担者が自身なら相続税ではなく一時所得となる点を見落としやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
第三分野の保険・医療特約の商品性
リスク管理 · 医療保険 / 先進医療特約 / ガン保険
第三分野の保険や医療特約の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
第三分野の保険(医療保険・ガン保険等)では、支払限度日数の有無や給付対象の判定時期など、個別の給付要件について約款上の明確なルールが定められています。
解き方
- 各選択肢の給付条件や対象範囲の規定を確認する。
- 先進医療特約の適用判断時期が「契約時点」か「療養時点」かを検討する。
- 選択肢 1正解
- 先進医療特約の対象となる先進医療は、保険契約時ではなく「療養を受けた日(給付事由発生時)」において厚生労働大臣によって定められているものが対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 特定疾病保障定期保険では、三大疾病による特定疾病保険金が支払われないまま保険期間中に死亡した場合には、同額の死亡保険金が支払われて契約は消滅します。
- 選択肢 3不正解
- ガン保険の入院給付金は、一般的な医療保険と異なり、1入院あたりの限度日数および通算の支払限度日数が無制限とされています。
- 選択肢 4不正解
- 通常の健康診断や人間ドックは対象外ですが、異常が認められて医師の指示のもと治療を直接の目的として行われる精密検査のための入院は、入院給付金の支払対象となります。
覚えるポイント
- 先進医療特約の対象は「療養を受けた時点」で厚生労働大臣が認めている技術であること
- ガン保険の入院給付金は支払限度日数が無制限であること
間違えやすいところ
- 先進医療の認定が契約時に固定されると誤解しやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損害保険を活用した事業活動のリスク管理
リスク管理 · 企業向け損害保険 / 普通傷害保険 / 賠償責任保険
損害保険を活用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
法人が加入する損害保険には、財物損害を補償するもの、賠償責任を補償するもの、休業損失を補償するもの、役員・従業員の身体の傷害を補償するもの等があり、事故の原因・損害の内容に適合する保険を手配する必要があります。
解き方
- 発生するリスクの種類(火災、賠償責任、身体傷害、休業損害)を整理する。
- 各保険商品の補償対象範囲(機械保険、PL保険、普通傷害保険、請負業者賠償責任保険など)と合致しているか確認する。
- 選択肢 1不正解
- 機械保険は、工場の機械設備等の稼働に伴う操作ミスや設計不良などの事故による損害を補償するものであり、火災・落雷・爆発等による損害は免責(対象外)とされています(火災保険で備えます)。
- 選択肢 2不正解
- 生産物賠償責任保険(PL保険)は、提供した飲食物等に起因して顧客に生じた法律上の損害賠償責任を補償する保険であり、事業者の休業による自社の売上減少(休業損害)は補償されません。
- 選択肢 3正解
- 普通傷害保険は業務中・業務外を問わず傷害リスクを補償するため、事業者が役員・従業員の業務中のケガのリスクに備えて契約することが適切です。
- 選択肢 4不正解
- 工事作業中に誤って他人の財物を損壊したリスクに備える保険は「請負業者賠償責任保険」です(施設所有(管理)者賠償責任保険は施設の欠陥等に起因する事故を主に対象とします)。
覚えるポイント
- 機械保険は火災リスクが対象外であること
- 工事中の事故に対する賠償責任は請負業者賠償責任保険でカバーすること
間違えやすいところ
- 請負業者賠償責任保険と施設所有(管理)者賠償責任保険の対象事故を混同しやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
日銀短観の概要と利用
金融資産運用 · 日銀短観 / 景気動向指数 / 金融政策
全国企業短期経済観測調査(日銀短観)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
日銀短観(全国企業短期経済観測調査)は、日本銀行が全国の主要企業を対象に四半期ごとに実施する統計調査で、業況判断DIをはじめとする企業の景況感や投資計画を迅速に把握するために用いられます。
解き方
- 日銀短観の調査対象(業種・規模)、調査周期(月次か四半期か)を確認する。
- 業況判断DIの定義(良い-悪い)および金融政策上の位置付けを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 調査の対象業種は製造業だけでなく、非製造業も含まれており、全国の資本金2,000万円以上の民間企業を対象としています。
- 選択肢 2不正解
- 日銀短観の調査は毎月ではなく、年4回(3月、6月、9月、12月)の四半期ごとに実施され、結果はその四半期末または翌月初旬に公表されます。
- 選択肢 3不正解
- 業況判断DIは、自社の景況について「良い」と回答した企業の割合(%)から「悪い」と回答した企業の割合(%)を引いた数値です。内閣府の景気動向指数とは異なります。
- 選択肢 4正解
- 日銀短観は日本経済の現状や先行きを把握するための重要指標であり、日本銀行の金融政策決定会合において判断材料の一つとして利用されています。
覚えるポイント
- 日銀短観は年4回(3月・6月・9月・12月)実施されること
- 業況判断DI=「良い」と回答した割合-「悪い」と回答した割合
間違えやすいところ
- 毎月調査である景気動向指数や景気ウォッチャー調査と調査頻度を混同しやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託の分類と特徴
金融資産運用 · 投資信託 / 単位型 / 追加型
投資信託に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
投資信託は購入時期による分類(単位型・追加型)、法律上の形態(契約型・会社型)、募集対象(公募・私募)、運用手法(アクティブ・パッシブ)など、複数の視点で分類されます。
解き方
- 投資信託の各種分類(契約型/会社型、公募/私募、単位型/追加型、アクティブ/パッシブ)の定義を確認する。
- 単位型投資信託と追加型投資信託の購入可能時期に関する説明の正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 信託契約に基づく契約型投資信託と、投資法人が発行する投資口を取得する会社型投資信託(J-REIT等)の記述であり適切です。
- 選択肢 2不正解
- 広く一般の不特定多数を対象とする公募投資信託と、適格機関投資家や50人未満の少数を対象とする私募投資信託の定義として適切です。
- 選択肢 3正解
- 当初の募集期間のみ購入できるのが「単位型投資信託(ユニット型)」であり、運用期間中いつでも購入できるのが「追加型投資信託(オープン型)」です。記述が正反対になっています。
- 選択肢 4不正解
- ベンチマークを上回るリターンを目指すアクティブ型と、市場指数(ベンチマーク)に連動を目指すパッシブ型(インデックス型)の説明として適切です。
覚えるポイント
- 単位型(ユニット型)=当初募集期間のみ購入可能
- 追加型(オープン型)=いつでも購入可能(運用期間中に追加設定可能)
間違えやすいところ
- 単位型と追加型の用語の定義を正反対に覚えてしまうミスが多い。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
固定利付債券の特徴と価格変動要因
金融資産運用 · 固定利付債券 / 債券価格 / 金利変動リスク / 信用リスク
固定利付債券(個人向け国債を除く)の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
固定利付債券の価格は、市場金利の変動と逆方向に動き(金利上昇で価格下落、金利低下で価格上昇)、また発行体の信用状態が悪化すると信用スプレッドが拡大して価格が下落します。
解き方
- 市場金利と債券価格の逆相関関係を確認する。
- 景気好況時の金利上昇リスクや、信用リスク悪化時の債券価格の動きを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 好況で物価が継続的に上昇する局面では、一般にインフレ抑制のために金利が上昇するため、固定利付債券の価格は下落する傾向があります。
- 選択肢 2不正解
- 市場金利の上昇は既存の固定利付債券の相対的魅力を低下させるため債券価格の下落要因となり、金利の低下は上昇要因となります。
- 選択肢 3正解
- 債券の発行体の財務状況悪化等でデフォルト懸念(信用リスク)が高まると、買い手が少なくなり市場価格は下落する傾向があります。
- 選択肢 4不正解
- 償還前の中途売却価格は市場金利や信用状況等の市場価格で決まるため、償還直前であっても額面価格を下回る(アンダーパー)場合があります。
覚えるポイント
- 金利と債券価格はシーソーの関係(金利上昇なら債券価格下落)
- 信用リスクが高まると債券価格は下落(利回りは上昇)する
間違えやすいところ
- 金利の上昇と債券価格の上昇を同じ向きで変動すると勘違いしやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
固定利付債券の最終利回りの計算
金融資産運用 · 債券利回り / 最終利回り / 単利計算
表面利率が0.5%、残存期間が3年の固定利付債券を額面100円当たり102円で購入し、償還された場合の最終利回りとして、正しいものはどれか。なお、手数料、経過利子、税金等は考慮しないものとし、解答は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入するものとする。また、「▲」はマイナスを意味するものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
固定利付債券の最終利回り(単利)は、「年間のクーポン収入」と「満期償還損益の年換算額」の合計を購入価格で除して求めます。式:[表面利率+(償還価格-購入価格)/残存年数]/ 購入価格 × 100
解き方
- 1年あたりの償還差損益を計算する:(100円-102円)÷3年 = -2/3円(約-0.6667円)。
- 年間の総収益を計算する:0.5円 + (-2/3円) = -1/6円(約-0.1667円)。
- 購入価格で除して利回りを算出する:(-1/6) ÷ 102 × 100 = -100 / 612 ≒ -0.1634%。
- 表示単位の小数点以下第3位を四捨五入して▲0.16%とする。
- 選択肢 1不正解
- 購入価格による除算の誤りや残存年数の計算誤り等による誤った数値です。
- 選択肢 2不正解
- 表面利率を加算せずに計算した場合などに導かれる誤った数値です。
- 選択肢 3正解
- 最終利回りの公式[0.5+(100-102)/3]÷102×100を計算すると約▲0.1634%となり、小数第3位を四捨五入して▲0.16%となります。
- 選択肢 4不正解
- 償還差損(102円で購入し100円で償還されることによる損失)を考慮せず、表面利率を単純に割った値に近い誤った数値です。
覚えるポイント
- 最終利回り=[表面利率+(100-購入価格)/残存期間]/ 購入価格 × 100
- 分母が額面(100円)ではなく「購入価格」である点に注意する
間違えやすいところ
- 分母を購入価格(102円)ではなく額面(100円)にしてしまう計算ミスに注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式投資指標の算出式
金融資産運用 · 株式指標 / ROE / PER / PBR / 配当利回り
株式投資の指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
株式指標は株価の割安性や企業の収益性・還元度合いを測る尺度です。PERは利益、PBRは純資産を基準とし、ROEは株主資本(自己資本)をどれだけ効率的に使って純利益を稼いだかを示す指標です。
解き方
- 各選択肢の指標名称と計算式の定義を確認する。
- ROE(自己資本利益率)の計算式が「当期純利益÷自己資本×100」であるのに対し、選択肢4は分母が売上高となっている誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- PER(株価収益率)は「株価÷1株当たり純利益(EPS)」で算出され、株価が1株当たり純利益の何倍まで買われているかを示します。
- 選択肢 2不正解
- PBR(株価純資産倍率)は「株価÷1株当たり純資産(BPS)」で算出され、企業の資産価値に対する株価の割安度を示します。
- 選択肢 3不正解
- 配当利回りは「1株当たり年間配当金÷株価×100」で計算され、現在の株価に対する年間配当金の割合を示します。
- 選択肢 4正解
- ROE(自己資本利益率)は「当期純利益÷自己資本×100」で計算されます。「当期純利益÷売上高×100」は売上高当期純利益率の式です。
覚えるポイント
- ROEの分母は自己資本(株主資本)、売上高当期純利益率の分母は売上高であることを整理して覚える。
間違えやすいところ
- ROE(自己資本利益率)とROA(総資産利益率)、売上高当期純利益率の分母を混同しやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令・金融商品知識に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外貨建て金融商品の取引と税務・為替変動
金融資産運用 · 外貨建て金融商品 / 外国株式 / 為替予約 / 為替相場
個人(居住者)が国内の金融機関等を通じて行う外貨建て金融商品の取引等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
外貨建て資産を円換算して評価・回収する場合、円安は受取円貨額を増加させ為替差益をもたらしますが、円高は受取円貨額を減少させて為替差損をもたらすため利回りの下落要因となります。
解き方
- 外貨建て債券の円換算利回りと為替レート変動の関係を確認する。
- 円高は外貨の価値が円に対して相対的に下落することであり、円換算での利回り低下要因であるため、上昇要因とする選択肢4を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 外国株式を国内店頭取引または外国委託取引により売買する場合、あらかじめ証券会社等に外国証券取引口座を開設しておく必要があります。
- 選択肢 2不正解
- 試験基準日(2018年10月)において、国内上場外国株式の国内委託取引の受渡日は、国内株式と同様に約定日から起算して4営業日目(T+3)でした。
- 選択肢 3不正解
- 預入時に為替予約を締結した外貨定期預金の場合、満期時に生じる為替差益は利息と合算され、20.315%の源泉分離課税の対象となります。
- 選択肢 4正解
- 外貨建て債券を保有している場合、円高への変動は為替差損を生じさせるため、円換算の投資利回りの下落(低下)要因となります。
覚えるポイント
- 外貨建て資産は「円安=為替差益(利回り上昇要因)」「円高=為替差損(利回り低下要因)」となる。
間違えやすいところ
- 円高と円安の資産価値への影響を逆に捉えてしまう誤りが多い。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令・受渡基準に基づく(※株の受渡日短縮T+2は2019年7月実施のため、本基準日では4営業日目)。
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
シャープレシオによる運用パフォーマンスの評価
金融資産運用 · ポートフォリオ理論 / シャープレシオ / リスク調整後リターン
下記<資料>に基づき、無リスク金利を1.0%としてファンドAとファンドBのシャープレシオの値を算出し、その比較評価を行う場合の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 <資料> ファンドA:実績収益率 8.0%、実績収益率の標準偏差 2.0% ファンドB:実績収益率 6.0%、実績収益率の標準偏差 4.0%
解答・解説を表示
解答
1
解説
シャープレシオは「(ポートフォリオの収益率-無リスク金利)÷標準偏差(リスク)」で求められ、リスク1単位当たりに得られた超過リターンを示します。この数値が大きいほど投資効率が優れていると判断されます。
解き方
- ファンドAのシャープレシオを計算する:(8.0-1.0)÷2.0=7.0÷2.0=3.50。
- ファンドBのシャープレシオを計算する:(6.0-1.0)÷4.0=5.0÷4.0=1.25。
- シャープレシオは数値が大きいほど効率的な運用であるため、(ア)3.50、(イ)1.25、(ウ)大きいの組み合わせを選ぶ。
- 選択肢 1正解
- (ア)は3.50、(イ)は1.25となり、シャープレシオは値が大きいほどリスクに対して超過収益が高く効率的であることを示すため最も適切です。
- 選択肢 2不正解
- (ウ)が「小さい」となっている点が誤りです。シャープレシオは値が大きいほど優れていると評価されます。
- 選択肢 3不正解
- 分子で無リスク金利(1.0%)を控除していないため、(ア)が4.00、(イ)が1.50と誤った計算になっています。
- 選択肢 4不正解
- 無リスク金利の控除が漏れているうえに、(ウ)が「小さい」となっているため不適切です。
覚えるポイント
- シャープレシオ=(収益率-安全資産利子率)÷標準偏差。値が大きいほど優れている。
間違えやすいところ
- 分子の超過リターン計算で無リスク資産利子率(無リスク金利)を引き忘れるミスが多い。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令・投資理論に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
アセットアロケーションとポートフォリオ運用
金融資産運用 · アセットアロケーション / 現代ポートフォリオ理論 / リバランス / リスクパリティ
アセットアロケーション等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
アセットアロケーションは運用成果を決定づける最も重要な要素です。現代ポートフォリオ理論の実証研究では、リターンの大部分は資産配分比率に依存し、銘柄選定やタイミングの影響は限定的とされています。
解き方
- 各選択肢のアセットアロケーションやリバランスに関する記述を精査する。
- 選択肢2は「銘柄選択やタイミングの方が影響が大きい」としているが、実際には資産クラスの配分比率が成果の大半を左右するため、これが不適切であると判断する。
- 選択肢 1不正解
- アセットアロケーションは、資金を特性の異なる複数の資産(株式、債券等)に分散配分することでリスクを低減し目標リターンを目指す手法です。
- 選択肢 2正解
- 現代ポートフォリオ理論や実証研究において、運用成果の大部分は資産クラスの配分比率で決まり、銘柄選択や投資タイミングの影響は比較的小さいとされています。
- 選択肢 3不正解
- 価格変動により当初決定した資産配分比率が崩れた場合、比率が上昇した資産を売却し、低下した資産を買い戻して元の配分比率に戻す手法をリバランスといいます。
- 選択肢 4不正解
- 各資産のリスク寄与度を均等にする運用(リスクパリティ戦略など)では、ボラティリティ(価格変動性)が上昇した資産クラスの保有比率を引き下げる(売却する)手法が採られます。
覚えるポイント
- ポートフォリオの運用成果の大部分は「資産配分比率(アセットアロケーション)」で決まる。
間違えやすいところ
- 個別銘柄選びやタイミングが運用成果を決定づけると直感的に誤認しやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令・金融理論に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
上場株式等の配当および譲渡に係る税金
金融資産運用 · 上場株式 / 配当所得 / 譲渡損失 / 損益通算
上場株式等の配当および譲渡に係る税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
上場株式等の配当所得は総合課税(配当控除適用)または申告分離課税を選択できます。上場株式等の譲渡損失と損益通算できるのは申告分離課税を選択した場合のみであり、総合課税を選択した場合は通算できません。
解き方
- 上場株式等の譲渡損失と損益通算できる配当所得の課税方式を確認する。
- 選択肢2は「総合課税を選択する場合に譲渡損失と損益通算できる」としているため、誤り(不適切)と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 上場株式等の配当所得は、確定申告をするにあたって総合課税と申告分離課税のいずれかを選択することができます。
- 選択肢 2正解
- 上場株式等の配当所得を上場株式等の譲渡損失と損益通算できるのは「申告分離課税」を選択した場合のみです。総合課税を選択した場合は損益通算できません。
- 選択肢 3不正解
- 上場株式等の譲渡損失の金額は、申告分離課税を選択した特定公社債等の利子所得等と損益通算することができます。
- 選択肢 4不正解
- 損益通算しても控除しきれない上場株式等の譲渡損失は、確定申告を行うことで翌年以後3年間にわたり繰越控除が可能です。
覚えるポイント
- 上場株式等の譲渡損失との損益通算ができるのは「申告分離課税」を選択した配当所得・利子所得のみ。
間違えやすいところ
- 配当所得で「総合課税(配当控除)」と「申告分離課税(損益通算)」のどちらの特典を受けられるかを混同しやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の所得税法等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
金融商品の取引に係る各種法令
金融資産運用 · 金融商品取引法 / 金融商品販売法 / 消費者契約法 / 犯罪収益移転防止法
金融商品の取引に係る各種法令に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、「金融商品の販売等に関する法律」を金融商品販売法といい、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」を犯罪収益移転防止法という。
解答・解説を表示
解答
2
解説
金融商品販売法では、金融商品販売業者等に対し、重要事項の説明義務を課すとともに、勧誘の適正を確保するため勧誘方針の策定および公表を義務付けています(違反には過料の罰則規定あり)。
解き方
- 各金融関連法規(金商法、金融商品販売法、消費者契約法、犯収法)の規定内容を確認する。
- 金融商品販売法において勧誘方針の策定・公表は法律上の義務であるため、選択肢2を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 金融商品取引法における有価証券関連デリバティブや金融デリバティブ取引等には、金利スワップや天候デリバティブ取引なども含まれます。
- 選択肢 2正解
- 金融商品販売法第9条により、金融商品販売業者等は顧客に対する勧誘方針を策定し、あらかじめ公表しなければならないと義務付けられています。
- 選択肢 3不正解
- 消費者契約法では、事業者の不実告知や断定的判断の提供による「誤認」、不退去や監禁等による「困惑」によって行われた意思表示を取り消すことができます。
- 選択肢 4不正解
- 犯罪収益移転防止法に基づき、法人が特定事業者と取引を行う際は、法人自体の情報に加えて実質的支配者や実際に取引を行う取引担当者の本人特定事項等の確認が必要です。
覚えるポイント
- 金融商品販売法における「勧誘方針の策定・公表」は義務である。
間違えやすいところ
- 勧誘方針の策定・公表が努力義務であると勘違いしやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の各種法令に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の基本原則と仕組み
タックスプランニング · 所得税の仕組み / 超過累進税率 / 所得の分類 / 課税期間
所得税の仕組みに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
所得税は個人が得た担税力に応じた負担を求めるため、所得を10種類に分類し、暦年(1月1日〜12月31日)単位で計算します。総合課税される課税総所得金額には、所得が高くなるほど高い税率が課される超過累進税率が適用されます。
解き方
- 所得税の基本的な仕組み(税率構造、所得区分数、納税義務者の範囲、課税期間)を検討する。
- 税率は5%から45%の7段階の超過累進税率であるため、選択肢1が適切と判断する。
- 選択肢 1正解
- 課税総所得金額に対する所得税の税率は、金額に応じて5%から45%まで段階的に高くなる超過累進税率(7段階)となっています。
- 選択肢 2不正解
- 所得税法において課税対象となる所得は、利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時・雑の「10種類」に区分されます。
- 選択肢 3不正解
- 所得税の納税義務者は居住者に限定されず、国内源泉所得を有する非居住者等も納税義務を負います。
- 選択肢 4不正解
- 所得税の課税期間は暦年単位であり、毎年1月1日から12月31日までの1年間です(4月1日〜翌年3月31日ではありません)。
覚えるポイント
- 所得税の所得区分は10種類、課税期間は1月1日〜12月31日、税率は5%〜45%の7段階超過累進税率。
間違えやすいところ
- 所得区分の数を8種類と間違えたり、課税期間を国の会計年度(4月〜翌3月)と混同しやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種所得の課税方法(総合課税と分離課税)
タックスプランニング · 分離課税 / 総合課税 / 退職所得 / 不動産所得 / 一時所得 / 雑所得
次のうち、所得税の計算において分離課税の対象となるものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
所得税は原則としてすべての所得を合算して課税する総合課税ですが、一時に多額に発生する所得や政策的な理由がある所得については、他の所得と区分して計算する分離課税(退職所得、山林所得、土地建物等の譲渡所得、株式等の譲渡所得・申告分離配当等)が適用されます。
解き方
- 各選択肢の所得の分類と課税方式(総合課税か分離課税か)を確認する。
- 1(不動産所得=総合課税)、2(退職所得=分離課税)、3(一時所得=総合課税)、4(公的年金等に係る雑所得=総合課税)となり、分離課税である選択肢2を選ぶ。
- 選択肢 1不正解
- 不動産の貸付けによる家賃収入に係る所得は不動産所得であり、総合課税の対象となります。
- 選択肢 2正解
- 退職手当等の一時金に係る所得は退職所得となり、長年の勤労への対価や老後資金の性質を持つため、他の所得と分離して課税(分離課税)されます。
- 選択肢 3不正解
- 契約者本人が受け取った死亡保険金は一時所得(一時金受取の場合)に該当し、総合課税の対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 老齢基礎年金等の公的年金等に係る所得は公的年金等控除を適用した後の雑所得となり、総合課税の対象となります。
覚えるポイント
- 退職所得、山林所得、土地建物・株式等の譲渡所得などは分離課税である。
間違えやすいところ
- 公的年金や満期保険金・死亡保険金(一時所得)を分離課税と誤認しやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における各種所得の区分と計算
タックスプランニング · 一時所得 / 給与所得 / 退職所得 / 譲渡所得
所得税における各種所得の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
所得税では担税力や所得の性質に応じて所得を10種類に分類し、各種所得ごとに定められた計算方法によって所得金額を算出します。一時所得の金額は、総収入金額から支出金額を差し引き、さらに最高50万円の特別控除額を控除して計算します。
解き方
- 各選択肢が説明する所得の種類(給与・退職・一時・譲渡)と計算方法または該当性を確認する。
- 一時所得の金額の計算式において、特別控除額(最高50万円)の控除が抜け落ちている点を見抜いて不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 給与所得の金額は、原則として給与等の収入金額から給与所得控除額を控除して算出するため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 定年退職等に伴って一時金として受給する退職手当等は退職所得に区分されるため適切です。
- 選択肢 3正解
- 一時所得の金額は「総収入金額-支出金額-特別控除額(最高50万円)」で計算されるため、特別控除額が考慮されておらず不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 個人が所有する金地金の売却による所得は、生活用動産の譲渡による非課税所得には該当せず譲渡所得となるため適切です。
覚えるポイント
- 一時所得の金額=総収入金額-支出金額-特別控除額(最高50万円)。総所得金額への算入はさらに2分の1とする。
間違えやすいところ
- 一時所得の金額の計算における最高50万円の特別控除と、総所得金額に合算する際の2分の1の乗算の混同に注意が必要です。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の所得税法
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における損益通算と総所得金額の計算
タックスプランニング · 総所得金額 / 損益通算 / 不動産所得の損失 / 譲渡所得の損失
Aさんの平成30年分の所得の金額が、給与所得の金額900万円、不動産所得の金額▲20万円(アパートの貸付けによる損失、土地取得に係る負債利子なし)、譲渡所得の金額▲150万円(別荘の譲渡による損失)であった場合の所得税における総所得金額として、最も適切なものはどれか。なお、▲は損失を意味する。
解答・解説を表示
解答
3
解説
不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得に生じた損失は原則として他の所得と損益通算が可能です。ただし、不動産所得の土地取得に係る負債の利子に相当する損失や、別荘や貴金属など「生活に通常必要でない資産」の譲渡により生じた損失は損益通算の対象外とされます。
解き方
- 不動産所得の損失▲20万円について土地負債利子がないため全額損益通算の対象であることを確認する。
- 別荘の譲渡損失▲150万円は生活に通常必要でない資産の損失であり、損益通算の対象外であることを確認する。
- 給与所得900万円から不動産所得の損失20万円を控除し、総所得金額880万円を算出する。
- 選択肢 1不正解
- 別荘の譲渡損失150万円まで控除した計算(900万円-20万円-150万円=730万円)であるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 別荘の譲渡損失のみを控除した計算(900万円-150万円=750万円)であるため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 通算可能な不動産所得の損失20万円のみを給与所得900万円から控除した880万円が正しいため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 不動産所得の損失が損益通算されていないため誤りです。
覚えるポイント
- 損益通算できる所得は「富士山譲渡(不・事・山・譲)」。ただし別荘・ゴルフ会員権等の生活に通常必要でない資産の譲渡損失は通算不可。
間違えやすいところ
- 別荘(保養目的)の譲渡損失を一般的な総合課税の譲渡損失と同様に通算可能と誤認しやすいので注意が必要です。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の所得税法
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における配偶者控除および配偶者特別控除
タックスプランニング · 配偶者控除 / 配偶者特別控除 / 控除対象配偶者 / 老人控除対象配偶者
所得税における所得控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
所得税法上の配偶者控除や配偶者特別控除の適用対象となる配偶者は、民法の規定による婚姻の届出を行っている配偶者(法律上の配偶者)に限定されており、内縁の妻や夫、事実婚関係にある者は対象外となります。
解き方
- 所得控除における配偶者の定義(法律婚要件)を確認する。
- 内縁関係の者が配偶者控除の対象となるとする記述が誤りであることを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合、配偶者控除の適用を受けることはできないため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 老人控除対象配偶者とは、控除対象配偶者のうちその年12月31日現在の年齢が70歳以上の者を指すため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 配偶者特別控除額は、納税者本人の合計所得金額および配偶者の合計所得金額の双方の区分に応じて定められるため適切です。
- 選択肢 4正解
- 所得税法上の配偶者控除の対象は法律上の配偶者に限られ、内縁関係にある者は対象とならないため不適切です。
覚えるポイント
- 所得税の配偶者控除・配偶者特別控除は「法律上の配偶者」に限定され、内縁関係は適用外。
間違えやすいところ
- 社会保険(健康保険や厚生年金)では事実婚・内縁関係でも被扶養者になれますが、所得税法では法律上の婚姻関係が必須です。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の所得税法
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅借入金等特別控除の適用要件と手続き
タックスプランニング · 住宅借入金等特別控除 / 償還期間 / 再居住 / 確定申告
所得税における住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載されたもの以外の要件はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
住宅ローン控除の適用を受けるためには、住宅ローンの返済期間(償還期間)が当初の借入れの日から起算して10年以上である必要があります。繰上げ返済などにより償還期間が当初から通算して10年未満となった場合は、その年以降の適用を受けることができなくなります。
解き方
- 住宅ローン控除の適用継続要件である借入金の償還期間(10年以上)を確認する。
- 一部繰上げ返済により償還期間が当初から10年未満となった場合、控除の適用が打ち切られる点を確認して不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 既存(中古)住宅であっても、築年数要件や耐震基準適合などの一定の要件を満たせば控除の適用を受けることができるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 転勤等のやむを得ない事由により居住できなくなった場合でも、再び居住の用に供したときは残存控除期間について再適用を受けられるため適切です。
- 選択肢 3正解
- 繰上げ返済により当初の借入れの日からの償還期間が10年未満となった場合、残りの期間について控除の適用を受けられなくなるため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 給与所得者であっても、住宅ローン控除の適用を受ける最初の年分は必ず確定申告書を所轄税務署長に提出する必要があるため適切です。
覚えるポイント
- 住宅ローン控除の対象となる借入金は償還期間が10年以上。繰上げ返済で10年未満になると以後の適用は受けられない。
間違えやすいところ
- 繰上げ返済後の「残存期間」が10年未満になることと、「当初の借入日からの総返済期間」が10年未満になることの区別に注意が必要です。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の租税特別措置法
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税の申告手続きと青色申告承認申請
タックスプランニング · 法人税の納税地 / 中小法人の軽減税率 / 確定申告書の提出期限 / 青色申告承認申請書
法人税の仕組みに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
新たに設立された普通法人が設立事業年度から法人税の青色申告の適用を受けるための「青色申告承認申請書」の提出期限は、「設立の日以後3カ月を経過した日」と「当該事業年度終了の日」のいずれか早い日の前日までと規定されています。
解き方
- 法人税の納税地、中小法人の軽減税率、確定申告期限の各規定を確認する。
- 設立初年度の青色申告承認申請書の提出期限が「設立以後3カ月以内(または期末の早い方)」であり、「2カ月以内」ではない点を見抜いて不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 内国法人の法人税の納税地は、原則としてその本店の所在地または主たる事務所の所在地とされるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 期末資本金1億円以下の中小法人等に対する法人税率は、年800万円以下の所得部分について軽減税率が適用されるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 法人税の確定申告書は、原則として各事業年度終了の日の翌日から2カ月以内に所轄税務署長へ提出するため適切です。
- 選択肢 4正解
- 設立事業年度から適用を受けるための提出期限は、設立の日以後3カ月を経過した日と事業年度終了の日のいずれか早い日の前日までであるため不適切です。
覚えるポイント
- 法人の青色申告承認申請期限(設立初年度):設立の日以後3カ月を経過した日と事業年度終了の日のいずれか早い日の前日まで。
間違えやすいところ
- 法人税の確定申告書の提出期限(決算期後2カ月以内)と、設立時の青色申告承認申請の提出期限(3カ月以内等)の月数を混同しやすいです。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法人税法
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税における交際費等の損金不算入と例外規定
タックスプランニング · 交際費等 / 飲食費の損金算入基準 / 福利厚生費 / 中小法人の損金算入限度額
法人税における交際費等の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
法人が支出する交際費等は原則として損金不算入ですが、社外の取引先等を接待するための飲食費のうち、所定の要件を満たす1人当たり5,000円以下の費用は交際費等から除外され、全額損金算入(会議費等)が認められます。
解き方
- 接待飲食費が交際費等から除外される金額基準(1人当たり5,000円以下)を確認する。
- 1人当たり1万円以下とする記述が法令基準と異なることを見抜いて不適切と判断する。
- 選択肢 1正解
- 交際費等から除外される社外接待の飲食費の基準は1人当たり5,000円以下(所定の書類保存が必要)であるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 専ら従業員の慰安のために行われる運動会や社員旅行等の通常要する費用は、福利厚生費となり交際費等に該当しないため適切です。
- 選択肢 3不正解
- カレンダーや手帳等の社名入りの少額な贈与品を広く配布する費用は、広告宣伝費に該当し交際費等から除外されるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 資本金1億円以下の中小法人は、定額控除限度額(年800万円)までの交際費等を全額損金算入することができるため適切です。
覚えるポイント
- 接待飲食費の交際費等除外基準は「1人当たり5,000円以下」(書類の保存要件あり)。中小法人は年800万円まで損金算入可。
間違えやすいところ
- 接待飲食費の50%損金算入特例と、1人当たり5,000円以下の除外規定の金額・内容の混同に注意が必要です。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の租税特別措置法
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
消費税の納税義務判定および各種届出制度
タックスプランニング · 特定期間の判定 / 簡易課税制度 / 課税事業者選択届出書 / 個人事業者の確定申告期限
消費税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
消費税では基準期間の課税売上高が1,000万円以下であっても、特定期間(前事業年度開始の日以後6カ月間)の課税売上高が1,000万円を超える場合は課税事業者となります。ただし、課税売上高に代えて給与等支払額の合計額により判定することもできるため、両方が1,000万円を超えている場合は免税事業者となることができません。
解き方
- 特定期間による納税義務の判定要件(課税売上高と給与等支払額の双方基準)を確認する。
- 選択肢2の記述が特定期間の免税事業者排除要件を正確に述べていることを確認し正答とする。
- 他の選択肢のみなし仕入率の区分(事業区分)、選択届出の継続期間(原則2年間)、個人事業者の申告期限(3月31日)の誤りを確認する。
- 選択肢 1不正解
- みなし仕入率は従業員数ではなく、事業の種類(第1種から第6種)に応じて定められているため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 特定期間の課税売上高および給与等支払額の双方が1,000万円を超えている場合、当事業年度は免税事業者となることができないため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 課税事業者選択届出書により課税事業者となった場合、事業を廃止したときを除き原則として「2年間」は免税事業者に戻れないため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 個人事業者の消費税の確定申告書の提出期限は、翌年「3月31日」まで(所得税の3月15日とは異なる)であるため不適切です。
覚えるポイント
- 個人事業者の消費税の確定申告期限は翌年3月31日。所得税(3月15日)と異なる点に注意。
間違えやすいところ
- 課税事業者選択届出書を出した場合の強制適用期間は原則2年間(調整対象固定資産を取得した場合等は3年間の特例あり)です。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の消費税法
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
会社と役員間の取引に係る税務上の取扱い
タックスプランニング · 役員社宅 / 定期同額給与 / 無利息貸付 / 低額譲受
会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
役員個人が自社へ無利息で金銭を貸し付けた場合、個人においては実際に入金のない利息を所得として認定課税されることは原則としてありません。反対に、会社が役員に対して無利息で貸し付けた場合は、役員側に適正利息相当額の給与(経済的利益)課税が生じ、会社側には受取利息(益金)が計上されます。
解き方
- 会社と役員間の各取引(社宅提供、役員給与、金銭貸借、資産売買)における税務上の帰属を確認する。
- 「役員から会社への無利息貸付け」では役員側に認定利息が計上されないルールを確認し、雑所得になるとする記述を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 会社所有の社宅に役員が無償居住している場合、通常の賃貸料相当額が経済的利益(現物給与)として給与所得の収入金額となるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 役員に支給する給与のうち定期同額給与に該当するものは、不相当に高額な部分等を除き損金の額に算入されるため適切です。
- 選択肢 3正解
- 役員が会社に無利息で金銭を貸し付けた場合、役員個人に認定利息課税(雑所得への算入)は行われないため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 会社が役員から土地を時価より著しく低い価額で譲り受けた場合、時価と支払対価との差額は受贈益として益金の額に算入されるため適切です。
覚えるポイント
- 「役員→会社」の無利息貸付は個人に認定課税なし。「会社→役員」の無利息貸付は役員に給与課税(経済的利益)。
間違えやすいところ
- 「会社が役員に貸し付けた場合」と「役員が会社に貸し付けた場合」で、課税上の取扱いが逆になる点を取り違えやすいです。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の所得税法および法人税法
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の登記および調査
不動産 · 不動産登記法 / 公図 / 公信力 / 登記記録の構成
不動産の登記制度や調査資料に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
不動産登記は不動産の物理的現況や権利関係を公示する制度ですが、公信力は認められていないため、登記を信じて取引しても真の権利者が優先されます。登記記録は表題部、権利部甲区(所有権)、権利部乙区(所有権以外の権利)で構成されます。
解き方
- 登記記録の構成(表題部、甲区、乙区)と公信力の有無についての基本原則を確認する。
- 調査資料(公図等)の性質および証明書の交付請求手続きの取り扱いを照合して正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- 公図は登記所に備え付けられており、土地の位置関係や形状、隣接状況を把握するための調査資料として一般に活用されています。
- 選択肢 2不正解
- 日本の不動産登記には公信力が認められていないため、登記記録を過失なく信じて取引を行っても法的な保護を受けることはできません。
- 選択肢 3不正解
- 抵当権の設定登記は所有権以外の権利に関する事項であるため、権利部甲区ではなく権利部乙区に債権額や抵当権者等が記録されます。
- 選択肢 4不正解
- 登記事項証明書の交付請求自体はオンラインで行うことが可能ですが、証明書原本の受領は登記所窓口での受け取りまたは郵送に限られます。
覚えるポイント
- 不動産登記には公信力がない
- 甲区は所有権、乙区は抵当権・賃借権など所有権以外の権利
間違えやすいところ
- 登記事項証明書は電子ファイルとしてオンライン受領できると誤認しやすいが原本受領は窓口か郵送のみ
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の売買契約における民法の規定
不動産 · 債務不履行 / 瑕疵担保責任 / 制限行為能力者 / 手付解除
不動産の売買契約に係る民法の規定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
不動産売買では民法の一般原則が適用されます。債務不履行解除には催告が必要であり、解約手付による解除は相手方が履行に着手する前までに限られます。また、未成年者取消権は取引の安全を守るため詐術を用いた場合には排除されます。
解き方
- 債務不履行による解除の要件(催告の要否)および手付解除の期限(履行の着手)を検証する。
- 瑕疵担保責任の期間制限および制限行為能力者の詐術による取消権の制限規定を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 買主の履行遅滞による契約解除には、原則として相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がなされないことが必要です。
- 選択肢 2不正解
- 売主の瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求等の権利行使期間は、買主が目的物の瑕疵を知った時から1年以内と定められています。
- 選択肢 3正解
- 民法第21条により、未成年者が相手方に対して成年者であると誤認させる詐術を用いた場合、その売買契約を取り消すことはできません。
- 選択肢 4不正解
- 買主が売買代金を支払った後は相手方が履行に着手している状態となるため、売主が手付金の倍額を償還しても契約解除はできません。
覚えるポイント
- 制限行為能力者が詐術を用いたときは取消不可
- 解約手付による解除は「相手方が履行に着手するまで」
間違えやすいところ
- 買主が代金全額を支払った後でも手付倍返しで解除できると誤認しやすいが履行着手後は手付解除できない
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法における借地権の規定
不動産 · 普通借地権 / 法定更新 / 事業用定期借地権等 / 建物譲渡特約付借地権
借地借家法の規定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第22条から第24条の定期借地権等以外の借地権を普通借地権という。
解答・解説を表示
解答
2
解説
借地借家法における普通借地権の当初存続期間は最低30年であり、更新請求時に建物が存在すれば法定更新の効力が生じます。一方、定期借地権等の各類型には存続期間や契約方式(事業用定期借地権の公正証書要件など)の厳格な法的ルールが定められています。
解き方
- 普通借地権の存続期間(期間の定めのない場合は30年)および更新請求による法定更新の要件を確認する。
- 事業用定期借地権等(公正証書必須)および建物譲渡特約付借地権(30年以上)の法定要件と選択肢を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 普通借地権の設定当初の存続期間は、契約で期間の定めがない場合、建物の構造に関わらず一律30年と規定されています。
- 選択肢 2正解
- 借地借家法第5条第1項に基づき、借地上に建物がある状況で借地権者が更新請求をした場合、設定者が遅滞なく異議を述べない限り同一条件で更新されます。
- 選択肢 3不正解
- 事業用定期借地権等の設定契約は、書面の中でも必ず公正証書によって行わなければ法的効力が認められません。
- 選択肢 4不正解
- 建物譲渡特約付借地権は、借地権を設定後「30年以上」を経過した日に建物を相当の対価で譲渡する特約を定める必要があります。
覚えるポイント
- 普通借地権の存続期間は契約で定めがない場合30年
- 事業用定期借地権等は必ず公正証書で作成する
- 建物譲渡特約付借地権の期間は30年以上
間違えやすいところ
- 一般定期借地権は公正証書等の書面で足りるが、事業用定期借地権等は「公正証書」に限定される点に注意する
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
都市計画法における区域区分と開発許可
不動産 · 市街化区域 / 市街化調整区域 / 開発行為の定義 / 開発許可の規模要件
都市計画法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
都市計画法では、無秩序な市街化を防止し計画的な都市整備を図るため、市街化区域と市街化調整区域の区域区分や開発許可制度を設けています。市街化区域では一定規模未満の軽微な開発行為は許可不要とされています。
解き方
- 市街化区域・市街化調整区域の性格や開発行為の法義を整理する。
- 開発許可を要する面積基準について、市街化区域に適用される例外規定の有無を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 市街化区域は、既に市街地を形成している区域および概ね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域と定義されています。
- 選択肢 2不正解
- 市街化を抑制すべき市街化調整区域内の開発区域外では、原則として都道府県知事等の許可を受けなければ建築物を新築等できません。
- 選択肢 3不正解
- 都市計画法上の開発行為とは、建築物の建築や特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更を指します。
- 選択肢 4正解
- 市街化区域内の開発行為は、原則として1,000㎡未満(地域により条例で300㎡まで引下げ可能)の場合には都道府県知事等の許可は不要です。
覚えるポイント
- 市街化区域の開発許可は原則1,000㎡以上が必要
- 市街化調整区域は規模に関わらず原則として開発許可が必要
間違えやすいところ
- 市街化区域ではすべての開発行為に許可が必要であると誤認しやすい
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法における高さ制限および用途地域の規制
不動産 · 絶対的高さ制限 / 北側斜線制限 / 隣地斜線制限 / 用途地域のまたがり
都市計画区域および準都市計画区域内における建築基準法上の規制に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
建築物の高さ制限には道路斜線・隣地斜線・北側斜線や絶対的高さ制限などがあります。低層住居専用地域等には10mまたは12mの絶対的高さ制限が課される代わりに、隣地斜線制限の適用はありません。敷地が複数用途地域にまたがる場合、用途制限は過半主義がとられます。
解き方
- 低層住居専用地域特有の絶対的高さ制限や北側斜線制限の適用を確認する。
- 各種斜線制限の適用対象地域(隣地斜線が低層住居専用地域等で除外されること)を検証する。
- 選択肢 1不正解
- 低層住居専用地域内では、都市計画で定められた10mまたは12mの絶対的高さ制限を超えて建築することはできません。
- 選択肢 2不正解
- 良好な住環境を保護するため、第一種低層住居専用地域および第二種低層住居専用地域内の建築物には北側斜線制限が適用されます。
- 選択肢 3正解
- 隣地斜線制限は絶対的高さ制限等がある第一種・第二種低層住居専用地域(および田園住居地域)には適用されません。
- 選択肢 4不正解
- 敷地が異なる2つの用途地域にまたがる場合、建物の用途制限については敷地の過半が属する用途地域の規定が敷地全体に適用されます。
覚えるポイント
- 低層住居専用地域には絶対的高さ制限(10mまたは12m)がある
- 低層住居専用地域には隣地斜線制限の適用がない
- 用途地域の用途制限は過半が属する地域の規定を適用
間違えやすいところ
- 隣地斜線制限はすべての用途地域に適用されると誤解しやすいが低層住居専用地域は除外される
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法における敷地面積と延べ面積の限度計算
不動産 · 2項道路 / セットバック / 容積率の制限 / 延べ面積の限度
建築基準法に基づいて下記の土地に住宅を建築する場合、建物の延べ面積の限度として、正しいものはどれか。なお、前面道路は同法第42条第2項により特定行政庁の指定を受けた道路であり、反対側はがけ地のためその方向には後退できないものとする。また、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内ではない。 <対象地> 用途地域:第一種低層住居専用地域 指定建蔽率:50% 指定容積率:100% 敷地の形状:間口20m、奥行11mの長方形 前面道路:幅員3mの市道(反対側はがけ地)
解答・解説を表示
解答
3
解説
幅員4m未満の2項道路に面する敷地は道路境界線が後退(セットバック)し、後退部分は敷地面積から除外されます。道路の反対側ががけ地等の場合は反対側境界線から4m後退するため、敷地側に全後退幅が生じます。延べ面積の上限は「有効敷地面積×基準容積率」で算出します。
解き方
- 反対側ががけ地である2項道路のセットバック幅を計算する:4m-3m=1m後退する。
- 有効敷地面積を算出する:間口20m×(奥行11m-1m)=200㎡。
- 容積率の上限を判定する:みなし道路幅員4m×法定乗数4/10=160%と指定容積率100%を比較し、厳しいほうの100%を採用する。
- 延べ面積の最高限度を計算する:200㎡×100%=200㎡。
- 選択肢 1不正解
- セットバックを考慮せず全敷地面積(20m×11m=220㎡)に容積率100%を乗じた計算であり誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 通常の道路中心線からの後退(0.5mセットバック)として計算した面積(210㎡)であり、反対側ががけ地の場合の基準を満たしていません。
- 選択肢 3正解
- がけ地側からの4m確保により敷地側が1m後退し、有効敷地面積は200㎡となります。容積率100%を乗じることで200㎡と正しく求まります。
- 選択肢 4不正解
- 建蔽率50%を乗じた建築面積の上限(100㎡)と混同しており誤りです。
覚えるポイント
- 反対側ががけ地・川・線路敷の場合は反対側境界から4m後退
- セットバック部分は建蔽率・容積率計算の敷地面積から除外
- 住居系地域の前面道路幅員による容積率法定乗数は原則4/10
間違えやすいところ
- 道路中心線から両側へ均等後退(0.5mずつ後退)させてしまうミス
- 延べ面積の限度(容積率)を問われているのに建築面積(建蔽率)を計算してしまうミス
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建物の区分所有等に関する法律の基本事項
不動産 · 共用部分の共有持分 / 規約の設定・変更 / 専有部分の占有者の義務 / 建替え決議
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
区分所有法では専有部分と共用部分の関係を定めています。共用部分の持分は原則として専有部分の床面積割合によりますが、規約による別段の定めが可能です。また、重要な決議要件として規約設定等の特別決議(4分の3以上)や建替え決議(5分の4以上)が規定されています。
解き方
- 共用部分の持分割合に関する規定と規約による任意定めの可否を確認する。
- 各種特別決議の要件(規約設定等は4分の3、建替えは5分の4)および占有者の義務規定を照合する。
- 選択肢 1正解
- 共用部分の共有持分は専有部分の床面積割合によるのが原則ですが、規約により別段の定めをすることが認められています。
- 選択肢 2不正解
- 規約の設定、変更または廃止は、集会において区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による決議が必要です。
- 選択肢 3不正解
- 区分所有法第46条第2項により、専有部分の賃借人等の占有者は建物の使用方法に関して区分所有者と同一の義務を負います。
- 選択肢 4不正解
- 建物の建替え決議は、集会において区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数による特別決議が必要です。
覚えるポイント
- 共用部分の持分は規約で別段の定めが可能
- 規約の設定・変更・廃止は各4分の3以上の賛成
- 建替え決議は各5分の4以上の賛成
間違えやすいところ
- 共用部分の持分割合は強行規定で変更できないと誤解しやすい
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
固定資産税および都市計画税の仕組みと特例
不動産 · 固定資産税の標準税率 / 小規模住宅用地の課税標準特例 / 新築住宅の税額軽減特例 / 都市計画税の課税対象
不動産に係る固定資産税および都市計画税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
固定資産税は毎年1月1日現在の固定資産所有者に課される市町村税(標準税率1.4%)です。住宅用地には課税標準の特例(小規模住宅用地は6分の1)があり、新築住宅には床面積120㎡相当分まで税額を2分の1に軽減する特例が設けられています。
解き方
- 固定資産税の標準税率の性格および住宅用地の課税標準特例割合(6分の1)を確認する。
- 新築住宅に係る固定資産税の税額軽減割合(2分の1)および都市計画税の課税対象区域を検証する。
- 選択肢 1不正解
- 固定資産税の標準税率は1.4%ですが、市町村は財政上の必要があるときは条例により異なる税率を定めることができます。
- 選択肢 2不正解
- 住宅用地のうち住宅1戸当たり200㎡以下の小規模住宅用地については、固定資産税の課税標準が価格の6分の1に軽減されます。
- 選択肢 3正解
- 新築住宅の固定資産税の軽減特例において、軽減される税額の割合は「2分の1」であり、5分の1ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 都市計画税は、都市計画区域のうち原則として市街化区域内に所在する土地または家屋の所有者に対して課されます。
覚えるポイント
- 固定資産税の標準税率は1.4%(都市計画税の上限は0.3%)
- 小規模住宅用地の固定資産税課税標準は6分の1
- 新築住宅の固定資産税の軽減割合は2分の1(120㎡相当分まで)
間違えやすいところ
- 住宅用地の課税標準特例(6分の1)と新築住宅の税額軽減特例(2分の1)の割合や対象を混同しやすい
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
土地譲渡に係る譲渡所得の課税要件
不動産 · 譲渡所得 / 短期譲渡所得と長期譲渡所得 / 取得費 / 譲渡費用
個人が宅地を譲渡した場合における譲渡所得の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
個人の土地や建物の譲渡所得は申告分離課税の対象となり、譲渡した日の属する年の1月1日現在における所有期間が5年以下か5年超かによって短期譲渡所得と長期譲渡所得に区分され、適用される税率が異なります。
解き方
- 譲渡所得の計算における概算取得費(収入金額の5%)や譲渡費用の範囲を確認する。
- 資産の取得日に関する判定基準(原則は引渡し日、例外として契約効力発生日)を確認する。
- 短期譲渡所得と長期譲渡所得の判定基準が「譲渡した年の1月1日時点で5年以下か5年超か」であることに照らし、選択肢4の「10年以下」という誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 実際の取得費が不明な場合や実額が譲渡収入金額の5%を下回る場合は、譲渡収入金額の5%相当額を概算取得費として控除することができます。
- 選択肢 2不正解
- 土地を譲渡するために売主が直接負担した仲介手数料は、譲渡所得の計算上、譲渡費用として控除することができます。
- 選択肢 3不正解
- 購入による土地の取得日は原則として引渡しがあった日ですが、納税者の選択により売買契約の効力発生日(契約締結日)とすることも認められています。
- 選択肢 4正解
- 短期譲渡所得と長期譲渡所得の区分基準は「譲渡した年の1月1日における所有期間が5年以下か5年超か」であり、10年以下ではありません。
覚えるポイント
- 短期譲渡と長期譲渡の判定基準日は「譲渡した年の1月1日時点」かつ「期間5年」が境界である。
間違えやすいところ
- 軽減税率の特例(10年超所有軽減税率)の要件である10年と、短期・長期の判定基準である5年を混同しないように注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の有効活用手法の分類と特徴
不動産 · 土地有効活用 / 建設協力金方式 / 事業受託方式 / 等価交換方式 / 定期借地権方式
不動産の有効活用の手法等の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
土地の有効活用方式には、土地所有者が資金を調達する方式(事業受託方式、自己建設方式)、テナントから資金を借りる方式(建設協力金方式)、デベロッパーと共同で行う方式(等価交換方式)、土地のみを貸す方式(定期借地権方式)などがあり、資金調達者や所有権の帰属がそれぞれ異なります。
解き方
- 各活用手法における資金調達者、事業企画・運営の主体、土地・建物の所有権の帰属を整理する。
- 事業受託方式の建設資金調達名義は土地所有者自身である点を確認する。
- 建設協力金方式の定義が「入居予定テナント等からの借入金を建設資金に充てる方式」と合致していることを確認し正答と判定する。
- 選択肢 1不正解
- 事業受託方式において、企画や建設発注、管理等はデベロッパーに委託しますが、建設資金の調達名義や負担は土地所有者自身が行います。
- 選択肢 2正解
- 建設協力金方式は、ビルや店舗等を借り受ける予定のテナントから建築資金の全部または一部を無利息や低利で借り受けて建物を建築する手法です。
- 選択肢 3不正解
- 等価交換方式では、土地所有者が土地の一部をデベロッパーに譲渡し、その対価として建築された建物の区分所有権等の「一部」を取得します(全部ではありません)。
- 選択肢 4不正解
- 定期借地権方式では、土地所有者は土地を貸すだけであり、借地期間中の建物の建築費用負担および建物の所有名義は借地権者(テナント等)となります。
覚えるポイント
- 事業受託方式の資金調達は土地所有者、等価交換方式の建物取得は出資割合に応じた一部のみである。
間違えやすいところ
- 建設協力金方式(テナントが資金を貸し付ける)と定期借地権方式(テナントが土地を借りて自ら建物を建てる)の権利関係を取り違えないように注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法上の贈与契約の効力と取消し
相続・事業承継 · 贈与契約 / 書面によらない贈与 / 瑕疵担保責任 / 定期贈与
民法上の贈与に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
贈与は無償・片務・諾成契約であり、当事者の合意によって成立します。軽率な合意を防ぐため、書面によらない贈与は各当事者が履行前であれば解除できますが、書面による贈与は合意が明確であるため一方的な解除はできません。
解き方
- 民法上の贈与契約の基本成立要件(諾成・意思表示と承諾)を確認する。
- 書面による贈与と書面によらない贈与における履行前の撤回(解除)の可否を照合する。
- 書面によってなされた贈与は履行前でも撤回できないため、選択肢2を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 贈与契約は、贈与者が無償で財産を与える意思を表示し、受贈者がこれを承諾することによって成立する諾成契約です。
- 選択肢 2正解
- 書面によらない贈与は履行の終わっていない部分について各当事者が解除できますが、書面による贈与契約は履行前であっても撤回することはできません。
- 選択肢 3不正解
- 無償の贈与において、贈与者はその目的物の瑕疵や不存在を知りながら受贈者に告げなかった場合を除き、原則として瑕疵担保責任(契約不適合責任)を負いません。
- 選択肢 4不正解
- 定期の給付を目的とする定期贈与契約は、贈与者または受贈者のいずれか一方が死亡することによって効力を失います。
覚えるポイント
- 書面によらない贈与は履行前なら撤回可能だが、書面による贈与は履行前でも撤回できない。
間違えやすいところ
- 「書面によらない贈与」と「書面による贈与」の規定を逆に覚えてしまわないように注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法における親族および相続権の範囲
相続・事業承継 · 親族の範囲 / 養子縁組 / 胎児の相続権 / 姻族関係終了届
民法で定める親族等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
民法上の親族とは、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族を指します。養子縁組には普通養子縁組と特別養子縁組があり、普通養子縁組では養親との親子関係が発生すると同時に実方の父母との親子関係もそのまま継続します。
解き方
- 普通養子縁組と特別養子縁組の実親との親族関係の差異を確認する。
- 胎児の権利能力(相続に関しては既に生まれたものとみなす)の例外を確認する。
- 姻族の定義(配偶者の血族)と親族の範囲(3親等内の姻族)を確認する。
- 生存配偶者による姻族関係終了届の効力を確認し、選択肢1を不適切と判断する。
- 選択肢 1正解
- 普通養子縁組では実親との親族関係は消滅しません。実方の父母との親族関係が終了するのは特別養子縁組が成立した場合です。
- 選択肢 2不正解
- 民法上、胎児は相続については既に生まれたものとみなされるため、生きて生まれれば相続開始時に遡って相続権を有します(死産の場合は相続権なし)。
- 選択肢 3不正解
- 配偶者の兄弟姉妹は2親等の姻族であり、民法第725条が定める「3親等内の姻族」に該当するため親族となります。
- 選択肢 4不正解
- 配偶者の死亡によって姻族関係は当然には終了しませんが、生存配偶者が市区町村長に姻族関係終了届を提出することにより終了させることができます。
覚えるポイント
- 普通養子は実親・養親双方の相続権を持ち、特別養子は実親との親族関係が終了し養親のみ相続する。
間違えやすいところ
- 配偶者が死亡しただけで姻族関係が自動的に終了すると勘違いしやすいが、姻族関係終了届の提出が必要である。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の非課税財産および課税範囲
相続・事業承継 · 贈与税の非課税財産 / 法人からの受贈 / 生活費・教育費 / 生前贈与加算
贈与税の非課税財産等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
贈与税は個人から個人への財産の無償移転に対して課される税金です。扶養義務者相互間における生活費や教育費で通常必要と認められるものは非課税とされますが、本来の生活費等の使途に充てられず預貯金や資産購入・運用に回されたものは課税対象となります。
解き方
- 法人から個人への贈与に対する税目(所得税の一時所得等であり贈与税ではない)を確認する。
- 社会通念上相当な香典・祝金等の非課税規定を確認する。
- 生活費・教育費名目で受領した金銭を投資等の運用に回した場合の課税取扱い(目的外利用のため課税対象)を確認し、選択肢3を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 個人が法人からの贈与により取得した財産は所得税(一時所得等)の課税対象となり、贈与税は課されません。
- 選択肢 2不正解
- 個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物または見舞い等の金品で、社会通念上相当と認められるものは贈与税の非課税財産となります。
- 選択肢 3正解
- 生活費や教育費として受け取った金銭であっても、預貯金や株式の購入資金など他の目的に充てた部分は贈与税の非課税とはならず、課税対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 相続開始の年に被相続人から贈与された財産は、原則として相続税の課税価格に加算されて相続税の課税対象となり、贈与税は課されません。
覚えるポイント
- 生活費や教育費の名目でも、株の購入や預貯金に充てた場合は贈与税の課税対象となる。
間違えやすいところ
- 法人から個人への贈与は「贈与税」ではなく「所得税(一時所得)」が課される点に注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の配偶者控除の要件と特例効果
相続・事業承継 · 贈与税の配偶者控除 / 婚姻期間要件 / 居住用不動産 / 生前贈与加算の適用除外
贈与税の配偶者控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない要件はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
婚姻期間が20年以上の配偶者から居住用不動産またはそれを取得するための金銭の贈与を受けた場合、基礎控除110万円とは別枠で最高2,000万円まで控除できる特例があります。控除を受けた財産は相続開始前3年以内の贈与であっても相続税の生前贈与加算の対象から除外されます。
解き方
- 贈与税の配偶者控除の要件(婚姻期間20年以上、居住用不動産またはその取得資金)を確認する。
- 敷地(土地)のみの贈与でも適用可能である点を確認する。
- 相続開始前3年以内の生前贈与加算の特例対象外(加算されない)規定を確認する。
- 控除限度額が基礎控除110万円「とは別枠」で2,000万円(合計最大2,110万円)である点を確認し、選択肢1を正答と判定する。
- 選択肢 1正解
- 贈与税の配偶者控除の適用を受けるためには、贈与の時点において婚姻期間が20年以上ある配偶者からの贈与であることが必要です。
- 選択肢 2不正解
- 居住用不動産には居住用家屋だけでなくその敷地(土地)も含まれるため、土地(敷地)のみの贈与を受けた場合でも適用を受けられます。
- 選択肢 3不正解
- 贈与税の配偶者控除の適用を受けた金額(最高2,000万円)については、贈与後3年以内に相続が開始した場合であっても生前贈与加算の対象となりません。
- 選択肢 4不正解
- 配偶者控除額は最高2,000万円であり、基礎控除(110万円)とは別枠で控除できるため、合計で最高2,110万円まで控除可能です。
覚えるポイント
- 贈与税の配偶者控除は「婚姻期間20年以上」「最高2,000万円控除(基礎控除110万円と併用可)」「3年以内加算の対象外」。
間違えやすいところ
- 基礎控除込みで2,000万円と誤認しないこと(2,000万円+110万円=2,110万円まで非課税)。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法上の法定相続人と法定相続分
相続・事業承継 · 法定相続人 / 代襲相続 / 養子の相続分 / 半血兄弟姉妹
民法で規定する相続人および相続分に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
相続人となる順位は、配偶者が常に相続人、第1順位が子(および直系卑属)、第2順位が直系尊属、第3順位が兄弟姉妹です。兄弟姉妹が先に死亡している場合はその子(甥姪)が代襲相続人となりますが、兄弟姉妹の代襲相続は一代限りで再代襲は認められません。
解き方
- 実子と養子(普通養子)の相続分が同等であることを確認する。
- 代襲相続人の相続分は被代襲者の相続分と同一(複数いれば等分)であることを確認する。
- 父母の一方のみを同じくする半血兄弟姉妹の相続分は全血兄弟姉妹の2分の1であることを確認する。
- 兄弟姉妹の子への代襲相続の可否を確認し、選択肢4を適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 普通養子の法定相続分は実子と全く同等であり、2分の1ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 代襲相続人が受ける相続分は、被代襲者が受けるべきであった相続分と同一です(代襲者が複数いる場合は均等按分)。
- 選択肢 3不正解
- 被相続人と父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹(半血兄弟姉妹)の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹(全血兄弟姉妹)の2分の1となります。
- 選択肢 4正解
- 第3順位の相続人である弟が相続開始前に死亡している場合、その子(甥・姪)が代襲して相続人となります。
覚えるポイント
- 兄弟姉妹の代襲相続は甥・姪までの一代限りであり、孫(甥姪の子)への再代襲はない。
間違えやすいところ
- 直系卑属の代襲相続(何代でも再代襲可能)と、兄弟姉妹の代襲相続(一代限り)のルールを混同しないようにする。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺産分割の手法と手続き
相続・事業承継 · 遺産分割 / 協議分割 / 換価分割 / 代償分割
遺産の分割に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
遺産分割の方法には「現物分割」「換価分割」「代償分割」「共有分割」があります。遺産分割協議は共同相続人全員の合意によって自由に決定でき、法定相続分と異なる割合とすることや、家庭裁判所の手続きを経ずに協議のみで代償分割を行うことも可能です。
解き方
- 協議分割において全員の合意があれば法定相続分に拘束されない原則を確認する。
- 遺産分割の各手法(現物・換価・代償・共有)の内容を確認する。
- 代償分割は相続人間の協議合意のみで実施可能であり家庭裁判所の審判は必須要件ではないため、選択肢4を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 共同相続人間の協議が調わないときや協議をすることができないときは、各共同相続人は家庭裁判所に調停または審判を申し立てることができます。
- 選択肢 2不正解
- 遺産分割協議は共同相続人全員の合意によって行われるため、全員が合意すれば法定相続分と異なる割合で遺産を分割することができます。
- 選択肢 3不正解
- 換価分割とは、遺産を売却等により金銭に換えたうえで、その代金を相続人間で分配・分割する方法です。
- 選択肢 4正解
- 代償分割は現物分割が困難な場合などに相続人間の遺産分割協議で自由に合意して定めることができ、必ずしも家庭裁判所の申立てや審判を要するものではありません。
覚えるポイント
- 代償分割は特定の相続人が現物を相続し、他の相続人に代償金(固有財産)を支払う手法で、協議のみで成立できる。
間違えやすいところ
- 代償分割を行うために家庭裁判所の許可や審判が必須であると誤認しないようにする。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の税額計算および税額控除等の適用要件
相続・事業承継 · 相続税額の加算 / 生前贈与加算 / 未成年者控除 / 配偶者の税額軽減
相続税の計算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等は満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
相続税法において、被相続人の一親等の血族(代襲相続人となった孫を含む)および配偶者以外の者が財産を取得した場合、相続税額に2割相当額が加算されます。
解き方
- 相続税額の2割加算の対象者から、被相続人の配偶者および一親等の血族(代襲相続人を含む)が除外されていることを確認します。
- すでに死亡している子の代襲相続人となった孫は2割加算の対象外であるため、対象となると述べる選択肢1を不適切と判定します。
- 選択肢 1正解
- 被相続人の子が相続開始前に死亡しており、その子を代襲して相続人となった被相続人の孫は、相続税額の2割加算の対象外となります。
- 選択肢 2不正解
- 相続開始前3年以内に贈与を受け、相続税の課税価格に加算された贈与財産について納付した贈与税相当額は、二重課税排除のため相続税額から控除されます。
- 選択肢 3不正解
- 当時の法令において、未成年者控除の額は、その者が20歳(現行法では18歳)に達するまでの年数(1年未満切上げ)に10万円を乗じて算出します。
- 選択肢 4不正解
- 配偶者の税額軽減では、取得した正味遺産額が1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額まで税額が課されないため、相続人が配偶者のみの場合は全額無税となります。
覚えるポイント
- 孫を養子にした場合は原則として2割加算の対象となるが、代襲相続人となった孫は2割加算の対象外となる。
間違えやすいところ
- 養子となった孫(2割加算あり)と、死亡した実子を代襲相続した孫(2割加算なし)を混同しないように注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
取引相場のない株式の評価方式と評価要素
相続・事業承継 · 取引相場のない株式 / 純資産価額方式 / 類似業種比準方式 / 配当還元方式
相続税における取引相場のない株式の評価に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
同族株主が取得する取引相場のない株式は会社規模(大会社・中会社・小会社)に応じて評価され、小会社では純資産価額方式が原則ですが、併用方式を選択することも可能です。
解き方
- 各選択肢の評価基準(還元率、併用方式の選択、類似業種の株価の採用期間、法人税等相当額の割合)の数値および適用条件を確認します。
- 小会社における原則的評価方式(純資産価額方式)と併用方式の選択に関する選択肢2の記述が正しいと判断します。
- 選択肢 1不正解
- 配当還元方式における株式の評価額は、1株当たりの年配当金額を10%で還元(年配当金額を10%で除す)して計算するため、5%とする記述は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 小会社に区分される会社の株式は、原則として純資産価額方式で評価しますが、納税者の選択により類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式を選択することもできます。
- 選択肢 3不正解
- 類似業種の株価として選択できるのは、課税時期の属する月、前月、前々月、前年平均、または前年と前々年の2年間平均の株価であり、3年間平均ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 純資産価額方式の計算において、資産の相続税評価額と帳簿価額との評価差額に対する法人税額等相当額の控除割合は37%です。
覚えるポイント
- 配当還元方式の還元率は10%、純資産価額方式の評価差額に対する法人税等相当額の控除率は37%である。
間違えやすいところ
- 類似業種比準方式の株価選択肢に「3年平均」はなく「前年以前2年間の平均」である点に注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
小規模宅地等の特例における貸付事業用宅地等の課税価格計算
相続・事業承継 · 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 / 貸付事業用宅地等 / 減額割合 / 限度面積
Aさんの死亡により、配偶者のBさんは、下記の甲宅地および甲宅地上の家屋(賃貸マンション)を相続により取得した。甲宅地が貸付事業用宅地等に該当し、その限度面積まで「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けた場合の相続税の課税価格に算入すべき甲宅地の価額として、最も適切なものはどれか。 <甲宅地の概要> 面積:480m2 貸家建付地としての評価額:120,000千円
解答・解説を表示
解答
4
解説
小規模宅地等の特例において、貸付事業用宅地等に該当する宅地については、限度面積200㎡までの部分について50%の減額を受けることができます。
解き方
- 宅地の区分が貸付事業用宅地等であることを確認し、適用される限度面積が200㎡、減額割合が50%であることを把握します。
- 評価額120,000千円から、特例対象面積割合(200㎡/480㎡)と減額率50%を乗じた減額額を控除する計算式(選択肢4)を導き出します。
- 選択肢 1不正解
- 限度面積400㎡および減額割合80%は特定事業用宅地等または特定同族会社事業用宅地等の数値であり、貸付事業用宅地等には適用されません。
- 選択肢 2不正解
- 貸付事業用宅地等の限度面積は200㎡ですが、減額割合は80%ではなく50%です。
- 選択肢 3不正解
- 貸付事業用宅地等の減額割合は50%ですが、限度面積は400㎡ではなく200㎡です。
- 選択肢 4正解
- 貸付事業用宅地等は限度面積200㎡、減額割合50%であるため、120,000千円-120,000千円×(200㎡/480㎡)×50%=95,000千円とする算式が適切です。
覚えるポイント
- 貸付事業用宅地等は限度面積200㎡・減額割合50%、特定居住用宅地等は330㎡・80%、特定事業用宅地等は400㎡・80%である。
間違えやすいところ
- 特定事業用宅地等(400㎡・80%)と貸付事業用宅地等(200㎡・50%)の要件を混同しないように注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税特例
相続・事業承継 · 住宅取得等資金の贈与税の非課税 / 受贈者の所得要件 / 相続時精算課税との併用 / 直系尊属の範囲
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例(以下「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
住宅取得等資金の贈与税の非課税特例は、受贈者が直系尊属(父母や祖父母)から居住用家屋の取得等資金の贈与を受けた場合に一定額まで非課税となる制度で、合計所得金額2,000万円以下などの要件が定められています。
解き方
- 受贈者の要件として、受贈者本人の直系尊属からの贈与であること、および年分の合計所得金額が2,000万円以下であることを確認します。
- 合計所得金額が2,000万円を超える受贈者は本特例の適用を受けられないとする選択肢2を適切と判断します。
- 選択肢 1不正解
- 本特例の対象となる贈与者は受贈者の直系尊属(実父母や祖父母など)に限られ、配偶者の父母(義理の父母)からの贈与は対象外です。
- 選択肢 2正解
- 受贈者の贈与を受けた年分の所得税に係る合計所得金額が2,000万円を超える場合、本特例の適用を受けることはできません。
- 選択肢 3不正解
- 本特例は、暦年課税の基礎控除(110万円)または相続時精算課税制度の特別控除(2,500万円)のいずれとも併用して適用を受けることができます。
- 選択肢 4不正解
- 住宅取得等資金の贈与税の非課税特例は、結婚・子育て資金の一括贈与非課税や教育資金の一括贈与非課税と重複して併用適用を受けることができます。
覚えるポイント
- 住宅取得等資金の非課税特例は受贈者本人の直系尊属が対象であり、合計所得金額2,000万円以下が要件、相続時精算課税とも併用可能である。
間違えやすいところ
- 配偶者の父母は受贈者から見て姻族であり直系尊属ではないため、養子縁組をしていない限り対象外となる点に注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 2級 学科』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2019年1月 2級 学科
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2019年1月 2級 学科の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

