日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2018年9月 2級 実技 個人資産相談業務の概要
特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢と在職老齢年金
ライフプランニングと資金計画 · 特別支給の老齢厚生年金 / 加給年金 / 在職老齢年金
昭和34年2月16日生まれの男性会社員Aさん(60歳定年後も継続雇用の見込みあり)に支給される公的年金の老齢給付について、以下の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を語句群の中から選びなさい。 Ⅰ 「昭和34年2月生まれのAさんは、原則として、( ① )歳から報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金を受給することができます。Aさんが60歳以後も厚生年金保険の被保険者としてX社に勤務した場合は、( ① )歳到達時における厚生年金保険の被保険者記録を基に年金額が計算されます。なお、( ① )歳からAさんに支給される報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金には、配偶者の加給年金額( ② )」 Ⅱ 「Aさんが( ① )歳以後も引き続き厚生年金保険の被保険者としてX社に勤務し、総報酬月額相当額と基本月額との合計額が( ③ )万円(平成30年度の支給停止調整開始額)を超える場合は、特別支給の老齢厚生年金の一部または全部が支給停止となります」
- イ
- 25
- ロ
- 28
- ハ
- 46
- ニ
- 48
- ホ
- 62
- ヘ
- 63
- ト
- 64
- チ
- が加算されます
- リ
- は加算されません
解答・解説を表示
解答
① ヘ、② リ、③ ロ
解説
厚生年金保険の被保険者期間が1年以上あり受給資格期間を満たす男性の場合、生年月日に応じて段階的に受給開始年齢が引き上げられ、昭和32年4月2日〜昭和34年4月1日生まれは63歳から報酬比例部分のみ受給可能です。また、60歳台前半の在職老齢年金は基準額(28万円)を超えると支給調整が行われます。
解き方
- Aさんの生年月日(昭和34年2月16日)から特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢が63歳(ヘ)であることを特定する。
- 特別支給の老齢厚生年金が報酬比例部分のみであるため、配偶者加給年金額は加算されない(リ)ことを確認する。
- 60歳台前半の在職老齢年金における平成30年度の支給停止調整開始額が28万円(ロ)であることを導き出す。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ヘ
- 昭和34年2月16日生まれ(昭和32年4月2日〜昭和34年4月1日生まれの間)の男性に対する特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の受給開始年齢は63歳となります。
- 小問 ②:リ
- 配偶者加給年金額は、定額部分が支給される老齢厚生年金または65歳以後の本来支給の老齢厚生年金に加算されるため、報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金には加算されません。
- 小問 ③:ロ
- 60歳台前半の在職老齢年金では、総報酬月額相当額と基本月額の合計額が28万円(支給停止調整開始額)を超える場合に年金の一部または全部が支給停止となります。
覚えるポイント
- 男性の生年月日別報酬比例部分開始年齢:昭30.4.2〜昭32.4.1は62歳、昭32.4.2〜昭34.4.1は63歳、昭34.4.2〜昭36.4.1は64歳。
- 特別支給の老齢厚生年金で加給年金が加算されるのは定額部分がある場合のみ。
間違えやすいところ
- 昭和34年2月生まれを「昭和34年4月2日以降生まれ」と混同して64歳開始と誤答しやすい。
- 60歳台前半の在職老齢年金の支給停止開始基準(28万円)と65歳以降の基準(46万円等)を取り違えやすい。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の公的年金諸法令
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
高年齢雇用継続給付・被保険者種別変更・健康保険の任意継続
ライフプランニングと資金計画 · 高年齢雇用継続基本給付金 / 国民年金の種別変更 / 健康保険任意継続被保険者
定年退職および継続雇用に関する社会保険の取扱いについて説明した次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を判定しなさい。 ① 「Aさんが60歳以後もX社に勤務し、かつ、60歳以後の各月(支給対象月)に支払われる賃金額が60歳到達時の賃金月額の75%相当額を下回った場合は、所定の手続を行うことにより、支給対象月に支払われた賃金額の15%に相当する額の高年齢雇用継続基本給付金が支給されます」 ② 「Aさんが定年退職によって、厚生年金保険の被保険者でなくなった場合、妻Bさんは、60歳になるまでの間、国民年金の第1号被保険者として国民年金の保険料を納付する必要があります。なお、国民年金の保険料を前納した場合、前納期間に応じて保険料の割引があります」 ③ 「Aさんが継続雇用制度を利用せず、X社を定年退職した場合であっても、Aさんは、所定の手続を行うことにより、最長で2年間、全国健康保険協会管掌健康保険に任意継続被保険者として加入することができます。なお、任意継続被保険者の保険料は、Aさんが全額負担することになります」
- ①
- 高年齢雇用継続基本給付金は、賃金が75%相当額を下回った場合に一律15%支給されるとする記述の当否
- ②
- 被扶養配偶者の第1号被保険者への種別変更および保険料前納割引に関する記述の当否
- ③
- 健康保険の任意継続被保険者制度の加入期間上限および全額自己負担に関する記述の当否
解答・解説を表示
解答
① ×、② ○、③ ○
解説
雇用保険の高年齢雇用継続給付は賃金の低下率に応じて支給額が算定され、一律15%ではありません。退職により厚生年金や健康保険の被保険者資格を喪失した場合は、被扶養配偶者の種別変更義務が生じ、また健康保険については最長2年間の任意継続被保険者制度を利用して自費で継続することが可能です。
解き方
- 高年齢雇用継続給付の支給率算定ルール(61%以下で15%、61%超75%未満で逓減)と記述内容を照らし合わせる。
- 配偶者の国民年金種別変更(第3号から第1号へ)の手続きおよび前納割引の制度の正誤を確認する。
- 健康保険の任意継続被保険者の要件、期間(最長2年)、保険料の全額自己負担義務を確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 高年齢雇用継続基本給付金の支給率は、賃金の低下率に応じて異なり、61%以下に低下した場合は各月の賃金額の15%ですが、61%超75%未満の場合は低下率に応じて15%未満の割合となるため不適切です。
- 小問 ②:○
- 厚生年金保険の被保険者(第2号被保険者)に扶養されていた配偶者は、被保険者が退職して資格喪失した場合、60歳になるまで第1号被保険者へ種別変更して保険料を納付する必要があり、前納による割引も適用されます。
- 小問 ③:○
- 健康保険の被保険者期間が継続して2カ月以上ある者は、退職後に所定の手続きを行うことで最長2年間任意継続被保険者となることができ、保険料は全額自己負担となります。
覚えるポイント
- 高年齢雇用継続基本給付金は、賃金が60歳到達時の61%以下に低下したときは賃金の15%、61%超75%未満では逓減された率が支給される。
- 健康保険の任意継続は資格喪失後20日以内の申請が必要で、最長2年間加入でき、保険料は全額被保険者負担。
間違えやすいところ
- 高年齢雇用継続給付が「75%未満に下がれば一律15%」と誤解しやすい。
- 任意継続被保険者の保険料について、在職中と同様に労使折半であると誤認しやすい。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の雇用保険法、国民年金法および健康保険法
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢基礎年金および老齢厚生年金の年金額の計算
年金・社会保険 · 老齢基礎年金 / 老齢厚生年金 / 経過的加算 / 加給年金
Aさん(昭和34年2月16日生まれ)が、60歳でX社を定年退職し、その後再就職および継続雇用制度を利用しない場合、原則として65歳から受給することができる老齢基礎年金および老齢厚生年金の年金額(平成30年度価額)を計算し、次の〈計算の手順〉の空欄①~④に入る最も適切な数値を求めなさい。 〈計算の手順〉 1.老齢基礎年金の年金額(円未満四捨五入):( ① )円 2.老齢厚生年金の年金額 (1)報酬比例部分の額(円未満四捨五入):( ② )円 (2)経過的加算額(円未満四捨五入):( ③ )円 (3)基本年金額(上記「(1)+(2)」の額):□□□円 (4)加給年金額(要件を満たしている場合のみ加算すること) (5)老齢厚生年金の年金額:( ④ )円 <資料> ○老齢基礎年金の計算式:779,300円 × 保険料納付済月数 / 480 ○老齢厚生年金の計算式(本来水準の額) ⅰ)報酬比例部分の額(円未満四捨五入)= ⓐ + ⓑ ⓐ 平成15年3月以前の期間分:平均標準報酬月額 × 7.125 / 1,000 × 平成15年3月以前の被保険者期間の月数 ⓑ 平成15年4月以後の期間分:平均標準報酬額 × 5.481 / 1,000 × 平成15年4月以後の被保険者期間の月数 ⅱ)経過的加算額(円未満四捨五入)= 1,625円 × 被保険者期間の月数(上限480月) - 779,300円 × 昭和36年4月以後で20歳以上60歳未満の厚生年金保険の被保険者期間の月数 / 480 ⅲ)加給年金額=389,800円(要件を満たしている場合のみ加算すること)
解答・解説を表示
解答
① 737,088(円)、② 1,084,995(円)、③ 662(円)、④ 1,475,457(円)
解説
65歳から受給する老齢厚生年金は、報酬比例部分と経過的加算額からなる基本年金額に、厚生年金の加入期間が原則20年以上あり生計を維持する配偶者等がいる場合に加給年金額が加算されて計算されます。
解き方
- 設例の厚生年金加入月数(264月+190月=454月)を確認し、老齢基礎年金額を計算します。
- 平成15年3月以前と4月以後の期間に分けて報酬比例部分を算出し合算します。
- 定額部分相当額から厚生年金期間に基づく基礎年金相当額を控除して経過的加算額を計算します。
- 被保険者期間が20年以上かつ配偶者要件を満たすため、報酬比例部分・経過的加算・加給年金を合算して老齢厚生年金額を求めます。
答えの内訳
- ①:737,088
- 老齢基礎年金の額は、779,300円 × 454月 / 480 = 737,088.083…円となり、円未満を四捨五入して737,088円となります。
- ②:1,084,995
- 報酬比例部分は、ⓐ平成15年3月以前分:300,000円 × 7.125 / 1,000 × 264月 = 564,300円、ⓑ平成15年4月以後分:500,000円 × 5.481 / 1,000 × 190月 = 520,695円。合計すると 564,300円 + 520,695円 = 1,084,995円となります。
- ③:662
- 経過的加算額は、1,625円 × 454月 - 779,300円 × 454月 / 480 = 737,750円 - 737,088.083…円 = 661.916…円となり、円未満を四捨五入して662円となります。
- ④:1,475,457
- Aさんは厚生年金保険の被保険者期間が20年以上あり、65歳到達時に生計を維持している65歳未満の配偶者(妻Bさん)がいるため加給年金額389,800円が加算されます。よって老齢厚生年金の額は、報酬比例部分1,084,995円 + 経過的加算662円 + 加給年金額389,800円 = 1,475,457円となります。
覚えるポイント
- 経過的加算の計算対象月数は、厚生年金保険の全被保険者期間(上限480月)を用います。
- 加給年金は厚生年金被保険者期間が原則20年(240月)以上必要です。
間違えやすいところ
- 20歳から22歳までの国民年金未加入期間(26月)を合算対象期間などと混同して老齢基礎年金の月数に含めてしまわないこと。
- 老齢厚生年金の合計額を求める際に加給年金額の加算を忘れてしまうミス。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の法令等および平成30年度年金額に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
財務データに基づくROEおよび配当利回りの計算
金融資産運用 · ROE(自己資本利益率) / 配当利回り
《設例》の<X社株式の関連情報>および<X社の財務データ>に基づいて算出される次の①、②を求めなさい(計算過程の記載は不要)。〈答〉は、%表示の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。 ① 39期におけるROE(自己資本は38期と39期の平均を用いる) ② 39期における配当利回り <X社株式の関連情報> ・株価:3,300円 ・発行済株式数:3,000万株 <X社の財務データ>(単位:百万円) 純資産の部合計(自己資本):38期 80,000、39期 88,000 当期純利益:39期 10,600 配当金総額:39期 2,100
解答・解説を表示
解答
① 12.62(%)、② 2.12(%)
解説
ROEは当期純利益を自己資本で割って自己資本に対する収益性を測る指標であり、配当利回りは1株当たり配当金を株価で割って投資額に対する配当金のリターン比率を測る指標です。
解き方
- ROEの計算指定に従い、38期と39期の純資産(自己資本)の平均値を算出します。
- 39期の当期純利益を期中平均自己資本で除して100を掛け、小数点以下第3位を四捨五入します。
- 配当金総額を発行済株式数で除して1株当たり配当金を算出します。
- 1株当たり配当金を株価で除して100を掛け、配当利回りを求めて小数点以下第3位を四捨五入します。
答えの内訳
- ①:12.62
- 期中平均自己資本は (80,000百万円 + 88,000百万円) ÷ 2 = 84,000百万円です。ROE = 当期純利益 ÷ 期中平均自己資本 × 100 = 10,600 ÷ 84,000 × 100 = 12.6190…%となり、小数点以下第3位を四捨五入して12.62%となります。
- ②:2.12
- 1株当たり年間配当金は 配当金総額2,100百万円 ÷ 発行済株式数3,000万株 = 70円です。配当利回り = 1株当たり配当金 ÷ 株価 × 100 = 70円 ÷ 3,300円 × 100 = 2.1212…%となり、小数点以下第3位を四捨五入して2.12%となります。
覚えるポイント
- ROEの算出では問題文の指示(期末自己資本か期中平均自己資本か)を必ず確認します。
- 配当利回りは「配当金総額 ÷ 時価総額 × 100」でも同じ結果が得られます。
間違えやすいところ
- 問題文に「自己資本は38期と39期の平均を用いる」と明記されているにもかかわらず、39期末の数値のみで割ってしまう誤り。
- 単位(百万円と万株)の換算ミスにより桁数を間違える誤り。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の法令等および問題文の指定条件に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式の投資指標・税制・権利確定手続き
金融資産運用 · PER(株価収益率) / 上場株式の譲渡所得課税 / 権利付き最終日
会社員のAさんが検討しているX社株式の購入や取引に関連して、ファイナンシャル・プランナーのMさんが説明した次の記述①〜③の正誤を判定しなさい。 ①「PERは、株価が1株当たり当期純利益の何倍であるかを示す指標です。一般に、PERが低い銘柄ほど株価は割高とされ、今後の成長性が期待できます。PERの水準は、業種や会社の規模等によって異なりますので、同業他社との比較指標として利用し、今後の株価の動向を予測するうえでの参考としてください」 ②「仮に、Aさんが特定口座(源泉徴収あり)においてX社株式を株価3,300円で500株購入し、同年中に株価3,600円で全株売却した場合、手数料等を考慮しなければ、売却益15万円に対して10.21%相当額が源泉徴収等されます」 ③「X社株式の配当および株主優待を受け取るためには、権利付き最終日までにX社株式を購入しておく必要があります。X社株式の権利付き最終日は、権利確定日の前日である平成31年2月27日(水)になります」
解答・解説を表示
解答
① × ② × ③ ×
解説
上場株式の投資判断ではPER等の指標で割安度を測り、特定口座(源泉徴収あり)での売買損益には所得税・住民税・復興特別所得税を合算した20.315%が課されます。また、配当や株主優待を受け取るためには権利確定日ではなく受渡期間を考慮した権利付き最終日までに買付約定を成立させる必要があります。
解き方
- PERの定義(株価÷1株当たり当期純利益)と割安・割高の判断基準(低いほど割安)を確認して①の正誤を判定する。
- 上場株式の譲渡益に適用される源泉徴収税率(所得税・復興特別所得税15.315%+住民税5%=20.315%)を確認して②の正誤を判定する。
- 権利確定日から受渡日までの日数を逆算し、権利付き最終日の計算規則を確認して③の正誤を判定する。
答えの内訳
- ①:×
- PER(株価収益率=株価÷1株当たり当期純利益)は、株価が利益水準に対して何倍まで買われているかを示す指標であり、一般にPERが低い銘柄ほど株価は「割安」、高い銘柄ほど「割高」と判断されます。記述は「低い銘柄ほど割高」としているため不適切です。
- ②:×
- 特定口座(源泉徴収あり)で上場株式を売却して生じた譲渡益に対する源泉徴収税率は、所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%の合計20.315%です。記述の「10.21%」は誤りであるため不適切です。
- ③:×
- 本試験基準日(2018年4月1日)当時の制度において、株式の受渡日は売買約定日から起算して4営業日目(3営業日後)であったため、権利確定日(平成31年2月28日(木))に株主名簿へ記載されるには、その3営業日前である平成31年2月25日(月)が権利付き最終日となります。記述にある「権利確定日の前日」ではないため不適切です。
覚えるポイント
- PERは低いほど割安、PBRは低いほど割安と判断される。
- 上場株式の譲渡益・配当に対する源泉徴収税率は一律20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)である。
間違えやすいところ
- PERの高低と株価の割高・割安の関係を取り違えやすいので注意する。
- 権利確定日当日やその前日に買付けを行っても、受渡日の関係で権利は得られない。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の法令等(株式の受渡日は約定日から起算して4営業日目の時代)。
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.2(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
つみたてNISAの制度概要と利用要件
金融資産運用 · つみたてNISA / 一般NISAとの関係 / 年間非課税投資枠 / 非課税保有期間
つみたてNISAについて、ファイナンシャル・プランナーのMさんが説明した次の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を、〈語句群〉から選びなさい。 「つみたてNISAは、つみたてNISA勘定に受け入れたETF(上場投資信託)や公募株式投資信託の分配金や譲渡益等が非課税となる制度です。つみたてNISA勘定に受け入れることができる商品は、一定の要件を満たすETF(上場投資信託)や公募株式投資信託ですので、X社株式をつみたてNISA勘定に受け入れることはできません。なお、つみたてNISAと従来のNISA(一般NISA)は、同一年中において、併用して利用すること( ① )。 つみたてNISA勘定に受け入れることができる限度額は年間( ② )万円で、その非課税期間は( ③ )となります。購入方法は累積投資契約に基づく定期かつ継続的な買付けに限定されていますので、( ② )万円分を一括で購入することはできません。つみたてNISAは、長期の積立・分散投資を前提とした資産運用の方法ですので、短期の売買を目的とした資産運用に利用することには適していません」 〈語句群〉 イ.40 ロ.50 ハ.80 ニ.20年間 ホ.25年間 へ.ができます ト.60歳になるまでの間 チ.はできません
- イ
- 40
- ロ
- 50
- ハ
- 80
- ニ
- 20年間
- ホ
- 25年間
- へ
- ができます
- ト
- 60歳になるまでの間
- チ
- はできません
解答・解説を表示
解答
① チ ② イ ③ ニ
解説
つみたてNISA(少額投資非課税制度の累積投資勘定)は、公募株式投信等の積立投資を対象とし、年間40万円を上限に最長20年間にわたり配当・譲渡所得が非課税となる制度です。旧制度下では一般NISAとの選択適用であり、同一年に併用することはできませんでした。
解き方
- つみたてNISAと一般NISAの併用可否(選択制のため同一年の併用は不可)を確認し、空欄①に「チ(はできません)」を選ぶ。
- つみたてNISAの年間非課税投資枠(40万円)を確認し、空欄②に「イ(40)」を選ぶ。
- つみたてNISAの非課税期間(最長20年間)を確認し、空欄③に「ニ(20年間)」を選ぶ。
- 選択肢 イ正解
- 40(万円)は、つみたてNISAの年間投資上限額として適切です(空欄②の正答)。
- 選択肢 ロ不正解
- 50(万円)は、つみたてNISAの投資上限額ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 80(万円)はジュニアNISAの年間非課税枠であり、つみたてNISAの枠ではありません。
- 選択肢 ニ正解
- 20年間は、つみたてNISAの非課税保有期間として適切です(空欄③の正答)。
- 選択肢 ホ不正解
- 25年間という期間規定は、つみたてNISAには存在しません。
- 選択肢 へ不正解
- 「ができます」は、同一年での一般NISAとつみたてNISAの併用が不可であるため不適切です。
- 選択肢 ト不正解
- 「60歳になるまでの間」は個人型確定拠出年金(iDeCo)などの積立拠出期間の規定です。
- 選択肢 チ正解
- 「はできません」は、同一年中の一般NISAとの併用不可を表す適切な語句です(空欄①の正答)。
答えの内訳
- ①:チ
- 2018年当時のNISA制度において、つみたてNISAと一般NISAは選択制であり、同一年中において両者を併用して利用することはできませんでした。
- ②:イ
- つみたてNISA勘定に受け入れることができる非課税投資枠の上限は年間40万円です。
- ③:ニ
- つみたてNISAの非課税保有期間は最長20年間です。
覚えるポイント
- つみたてNISAは年間非課税投資枠が40万円、非課税期間が最長20年間である。
- 旧NISA制度において、一般NISAとつみたてNISAは年単位の選択制であり、同一年の併用は不可であった。
間違えやすいところ
- 一般NISA(年間120万円・5年間)と、つみたてNISA(年間40万円・20年間)の数値を取り違えないよう注意する。
- つみたてNISAは累積投資契約による定期積立のみが対象であり、一括スポット購入はできない。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の法令等(2018年1月に創設されたつみたてNISA制度に基づく)。
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.2(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配偶者控除と医療費控除(セルフメディケーション税制)の控除基準額
タックスプランニング · 配偶者控除 / 医療費控除 / セルフメディケーション税制
所得税における所得控除に関する次の文章の空欄①~③に入る最も適切な数値を、〈数値群〉の中から選びなさい。 Ⅰ「平成30年分の所得税から居住者の合計所得金額が( ① )万円を超えると、配偶者控除の額が段階的に縮小され、合計所得金額が1,000万円を超えると、配偶者控除の適用を受けることはできません。Aさんの平成30年分の合計所得金額は( ① )万円以下であるため、38万円の配偶者控除の適用があります」 Ⅱ「従来の医療費控除は、その年分の総所得金額等の合計額が200万円以上である居住者の場合、その年中に支払った医療費の総額から保険金などで補填される金額を控除した金額が( ② )万円を超えるときは、その超える部分の金額(最高200万円)をその居住者のその年分の総所得金額等から控除します。また、従来の医療費控除との選択適用となるセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)では、特定一般用医薬品等購入費の支払額(保険金などで補填される金額を除く)が( ③ )円を超えるときに、その超える部分の金額(最高88,000円)をその居住者のその年分の総所得金額等から控除することができます」
- イ
- 5
- ロ
- 10
- ハ
- 20
- ニ
- 800
- ホ
- 850
- ヘ
- 900
- ト
- 12,000
- チ
- 40,000
- リ
- 68,000
解答・解説を表示
解答
① ヘ、② ロ、③ ト
解説
所得控除のうち配偶者控除には納税者本人の所得制限が設けられており、医療費控除およびその特例であるセルフメディケーション税制にはそれぞれの控除額算定のための足切り限度額(基準額)が定められています。
解き方
- 配偶者控除における納税者本人の合計所得金額制限(900万円以下、950万円以下、1,000万円以下で段階的に縮小)の区分を確認する。
- 総所得金額等200万円以上の者に対する従来の医療費控除の足切り額が10万円であることを適用する。
- 特定一般用医薬品等購入費を対象とするセルフメディケーション税制の足切り額が12,000円であることを確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ヘ
- 平成30年分以後の配偶者控除では、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が900万円以下であれば満額(38万円)控除され、900万円超950万円以下で26万円、950万円超1,000万円以下で13万円と段階的に縮小され、1,000万円を超えると適用対象外となります。
- 小問 ②:ロ
- 従来の医療費控除は、総所得金額等が200万円以上の場合、(支払った医療費の総額-保険金等補填額)から10万円を差し引いた金額(最高200万円)が控除額となります。
- 小問 ③:ト
- セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)では、特定一般用医薬品等購入費から保険金等補填額を控除した金額が12,000円を超える場合、その超える金額(上限88,000円)を控除することができます。
覚えるポイント
- 配偶者控除の本人の合計所得金額制限は900万円以下、950万円以下、1,000万円以下の3段階。
- 医療費控除の足切り額は総所得金額等200万円以上の場合は10万円(最高200万円)。
- セルフメディケーション税制の足切り額は12,000円(最高控除額88,000円)。
間違えやすいところ
- 従来の医療費控除とセルフメディケーション税制は重複適用できず選択適用である点を見落としやすい。
- 納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超えると配偶者控除・配偶者特別控除が一切受けられなくなる点に注意する。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の所得税法(平成30年分以後の配偶者控除改正対応)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産所得の損益通算・一時所得の課税・セルフメディケーション税制の要件
タックスプランニング · 不動産所得の損益通算 / 一時払終身保険の課税 / セルフメディケーション税制の適用要件
Aさんの平成30年分の所得税の課税に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を判定しなさい。 ①「不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、土地等の取得に係る負債の利子20万円に相当する部分の金額は、Aさんの給与所得の金額と損益通算することはできません」 ②「一時払終身保険の解約返戻金は、契約から5年以内の解約ですが、一時所得の収入金額として総合課税の対象となります。ただし、その赤字の金額は、Aさんの給与所得の金額と損益通算することはできません」 ③「セルフメディケーション税制の適用を受けるためには、適用を受けようとする年分において、Aさんだけではなく、生計を一にする妻Bさん、長男Cさんおよび二男Dさんについても定期健康診断や予防接種などの一定の取組みを行っている必要があります」
- ①
- 不動産所得の損失のうち、土地等の取得に係る負債の利子20万円相当部分は給与所得と損益通算できない。
- ②
- 一時払終身保険の解約返戻金は5年以内の解約でも一時所得(総合課税)の対象となるが、赤字の金額は給与所得と損益通算できない。
- ③
- セルフメディケーション税制の適用を受けるには、本人だけでなく生計を一にする親族全員が健康診断等の一定の取組みを行っている必要がある。
解答・解説を表示
解答
① ○、② ○、③ ×
解説
不動産所得の損失では土地取得負債利子部分が損益通算から除外され、一時所得の損失は損益通算の対象外(損失なしとみなされる)です。またセルフメディケーション税制の取組み要件は控除を受ける納税者自身が満たす必要があります。
解き方
- 不動産所得の赤字における土地取得負債利子の損益通算制限の規定を確認する。
- 一時払終身保険の解約返戻金が5年以内でも一時所得となること、および一時所得の損失は損益通算できないことを確認する。
- セルフメディケーション税制において一定の健康維持増進の取組みを求められている対象者が「納税者本人」のみであるかを確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 不動産所得の計算上生じた赤字のうち、土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分の金額は、損益通算の対象外(生じなかったものとみなされる)とされています。
- 小問 ②:○
- 一時払終身保険は5年以内の解約であっても金融類似商品(源泉分離課税)に該当せず、一時所得(総合課税)となります。また、一時所得の計算上生じた損失は他の所得と損益通算できません。
- 小問 ③:×
- セルフメディケーション税制の適用要件である定期健康診断や予防接種等の「一定の取組み」を行っている必要があるのは控除を受ける納税者本人のみであり、生計を一にする配偶者その他の親族全員が受けている必要はありません。
覚えるポイント
- 不動産所得の赤字のうち「土地取得にかかる負債利子」は損益通算の対象外。
- 損益通算できる所得の損失は「不・動・産・譲」(不動産・事業・山林・譲渡所得)のみであり、一時所得の赤字は通算不可。
- 一時払終身保険の解約返戻金は5年以内解約でも源泉分離課税の対象外(一時所得)。
- セルフメディケーション税制の一定の取組みは「納税者本人」が受けていればよい。
間違えやすいところ
- 一時払養老保険(5年以内解約で源泉分離課税)と一時払終身保険(5年以内でも一時所得・総合課税)の取扱いを混同しやすい。
- 生計を一にする家族全員分の特定一般用医薬品購入費を合算して控除できることから、健康診断等の取組み要件も家族全員に課されると誤認しやすい。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の所得税法・租税特別措置法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の算出税額の計算
タックスプランニング · 総所得金額の計算 / 給与所得控除 / 損益通算 / 扶養控除 / 所得税の税額計算
会社員Aさんの平成30年分の収入・家族情報に基づき、所得税の算出税額を計算する表の空欄①〜③(総所得金額、扶養控除額、算出税額)に入る数値を求めなさい。
解答・解説を表示
解答
① 6,500,000(円) ② 630,000(円) ③ 252,500(円)
解説
所得税の総所得金額は各種所得金額を合算して求めますが、不動産所得の損失のうち土地取得に要した借入金の利子部分は損益通算の対象外とされます。また、扶養控除は年末時点の年齢により一般扶養親族や特定扶養親族(19歳以上23歳未満)等に区分され、16歳未満は対象外となります。
解き方
- 給与所得控除を差し引いて給与所得を求め、土地負債利子を除外した不動産所得の損失を損益通算して総所得金額を算出します。
- 生計を一にする親族の年齢と所得から扶養控除の該当区分(特定扶養親族等)を判定して控除額を求めます。
- 総所得金額から所得控除合計額を差し引いて課税総所得金額を計算し、速算表を適用して算出税額を求めます。
答えの内訳
- ①:6,500,000(円)
- 給与所得は給与収入1,000万円から給与所得控除額220万円を差し引いた780万円です。不動産所得の赤字150万円のうち土地取得に係る負債利子20万円は損益通算の対象外となるため、通算可能な損失は130万円です。一時払終身保険の解約損は損益通算不可のため、総所得金額は780万円-130万円=6,500,000円となります。
- ②:630,000(円)
- 20歳の長男Cさんは19歳以上23歳未満の特定扶養親族に該当するため、扶養控除額は63万円です。14歳の二男Dさんは16歳未満の年少扶養親族のため扶養控除の対象外です。妻Bさんは配偶者控除の対象であり扶養控除には含まれないため、扶養控除の合計額は630,000円となります。
- ③:252,500(円)
- 課税総所得金額は、総所得金額6,500,000円-所得控除合計3,100,000円=3,400,000円です。速算表の「330万円超695万円以下」の区分(税率20%、控除額42万7,500円)を適用し、3,400,000円×20%-427,500円=252,500円と算出されます。
覚えるポイント
- 不動産所得の損失のうち土地取得借入金の利子相当額は他の所得と損益通算できません。
- 特定扶養親族(19歳以上23歳未満)の扶養控除額は63万円、16歳未満の扶養親族は控除対象外です。
間違えやすいところ
- 一時所得の損失を他の黒字の所得と損益通算してしまう誤りに注意が必要です。
- 配偶者を扶養控除に含めて計算してしまうミスに留意してください。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築面積および延べ面積の最高限度の計算
不動産 · 建蔽率の緩和 / 防火地域・準防火地域の跨ぎ / 容積率の制限 / 道路幅員制限
Aさんが甲土地に耐火建築物を建築する場合における、建蔽率の上限となる建築面積および容積率の上限となる延べ面積について、計算の手順に従って空欄①〜④に入る数値を求めなさい。
解答・解説を表示
解答
① 100(%) ② 80(%) ③ 840(㎡) ④ 3,300(㎡)
解説
建築物が防火地域と準防火地域にまたがる場合、建築基準法第65条(試験当時)によりその全部について防火地域内の規定が適用されます。また、敷地が2以上の道路に接する場合は最も幅員の広い前面道路を採用して道路容積率制限を算定し、指定容積率と比較して厳しい方を適用します。
解き方
- 地域ごとに耐火建築物・角地による建蔽率の緩和条件を判定し、面積を乗じて建築面積の上限を求め合算します。
- 広い方の前面道路幅員に基づいて各地域の道路容積率制限を計算し、指定容積率と比較して小さい方を特定します。
- 各地域の容積率上限に敷地面積を乗じて延べ面積の限度を求め、敷地全体の上限延べ面積を合算します。
答えの内訳
- ①:100(%)
- 近隣商業地域の部分は指定建蔽率80%の防火地域内にあり、耐火建築物を建築するため建蔽率の制限が撤廃され、適用される建蔽率は100%となります。
- ②:80(%)
- 建築物が防火地域と準防火地域にわたる場合、建物全体に厳しい方の防火地域の規定が適用されます。第一種住居地域部分に建築される耐火建築物も防火地域内の耐火建築物として扱われ、指定建蔽率60%+角地緩和10%+防火地域内耐火建築物緩和10%=80%となります。
- ③:840(㎡)
- 建蔽率の上限となる建築面積は、近隣商業地域部分が600㎡×100%=600㎡、第一種住居地域部分が300㎡×80%=240㎡となり、合計で600㎡+240㎡=840㎡となります。
- ④:3,300(㎡)
- 前面道路幅員は広い方の8mを採用します。近隣商業地域の容積率上限は指定400%と道路制限8m×6/10=480%の小さい方で400%(600㎡×400%=2,400㎡)、第一種住居地域は指定300%と道路制限8m×4/10=320%の小さい方で300%(300㎡×300%=900㎡)となり、延べ面積の最高限度は2,400㎡+900㎡=3,300㎡となります。
覚えるポイント
- 指定建蔽率80%の地域で防火地域内に耐火建築物を建てる場合は、建蔽率の制限がなくなり100%になります。
- 2以上の前面道路がある場合、容積率制限の計算に用いる道路幅員は最も広い方の幅員を採用します。
間違えやすいところ
- 異なる用途地域をまたぐ敷地において、道路幅員制限の乗数(住居系4/10、商業系6/10など)を取り違えないように注意が必要です。
- 敷地全体で容積率や建蔽率を加重平均する前に、各地域ごとの上限建築面積・上限延べ面積を正確に求める必要があります。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法における用途規制・高さ制限・斜線制限
不動産 · 建築基準法 / 用途地域 / 絶対高さ制限 / 斜線制限
甲土地(近隣商業地域600㎡、第一種住居地域300㎡、特定行政庁が指定する角地)に適用される建築基準法の規定に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を判定しなさい。 ① 甲土地に建築物を建築する場合、用途地域による建築物の制限については、その敷地の全部について、近隣商業地域の建築物の用途に関する規定が適用される。 ② 甲土地に建築物を建築する場合、10mまたは12mの絶対高さ制限が適用される。 ③ 甲土地に建築物を建築する場合、北側斜線制限および隣地斜線制限は適用されるが、道路斜線制限の適用はない。
- ①
- 甲土地における建築物の用途制限は、敷地全部について過半が属する近隣商業地域の規定が適用される。
- ②
- 甲土地に建築物を建築する場合、10mまたは12mの絶対高さ制限が適用される。
- ③
- 甲土地に建築物を建築する場合、北側斜線制限・隣地斜線制限は適用されるが、道路斜線制限は適用されない。
解答・解説を表示
解答
① ○ ② × ③ ×
解説
建築物の敷地が複数の用途地域にまたがる場合、用途制限は敷地の過半が属する地域の規定が敷地全体に適用される一方、建蔽率や容積率、各種高さ制限は各地域ごとにそれぞれ按分・個別適用されます。また斜線制限や絶対高さ制限は指定用途地域ごとの適用区分を正しく把握することが重要です。
解き方
- 甲土地の面積按分を確認し、敷地900㎡のうち近隣商業地域が600㎡と過半を占めることから、建築物の用途制限は敷地全体に近隣商業地域の規定が適用されると判断する。
- 絶対高さ制限(10mまたは12m)の対象が低層住居専用地域・田園住居地域である点を確認し、近隣商業地域・第一種住居地域には適用されないと判断する。
- 各種斜線制限の適用区分を確認し、道路斜線制限は用途地域を問わず原則適用され、北側斜線制限は近隣商業地域や第一種住居地域には適用されないことを確認して正誤を導く。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 建築物の敷地が2以上の異なる用途地域にわたる場合、建築物の用途制限については敷地の過半(過半数を超える部分)が属する地域の規定が敷地全体に適用されます。甲土地は敷地面積900㎡のうち近隣商業地域が600㎡(約66.7%)を占めており過半となるため、敷地の全部について近隣商業地域の用途制限が適用されます。
- 小問 ②:×
- 建築基準法における10mまたは12mの絶対高さ制限は、第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・田園住居地域において適用されます。甲土地が属する近隣商業地域および第一種住居地域には絶対高さ制限は適用されません。
- 小問 ③:×
- 道路斜線制限は用途地域の指定にかかわらず原則としてすべての地域で適用されます。また、北側斜線制限は低層住居専用地域および中高層住居専用地域等に適用されるものであり、近隣商業地域や第一種住居地域には適用されません。したがって本記述は誤りです。
覚えるポイント
- 用途地域の用途制限は「敷地の過半が属する地域」の規定が敷地全体に適用される。
- 建蔽率・容積率は敷地全体の按分計算(加重平均)により算出する。
- 道路斜線制限はすべての地域に適用される。絶対高さ制限は低層住居専用地域・田園住居地域にのみ適用される。
間違えやすいところ
- 建蔽率・容積率の計算ルール(面積按分)と、用途制限のルール(過半主義)を取り違えないように注意する。
- 道路斜線制限は適用除外がなく全用途地域に及ぶのに対し、北側斜線制限や隣地斜線制限には用途地域ごとの適用除外がある点を見落としやすい。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の建築基準法第56条、第56条の2、第91条等の規定に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
貸家建付地の評価・小規模宅地等の特例・土地の有効活用手法
不動産 · 貸家建付地 / 小規模宅地等の特例 / 等価交換方式 / 土地有効活用
甲土地の有効活用に関する以下の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を、語句群の中から選びなさい。 Ⅰ 「Aさんが甲土地に賃貸マンションを建設した場合、相続税額の計算上、甲土地は貸家建付地として評価されます。仮に、甲土地の自用地価額を1億円、借地権割合60%、借家権割合30%、賃貸割合100%とした場合の相続税評価額は( ① )万円となります。また、当該敷地が貸付事業用宅地等に該当すれば、貸家建付地としての評価額に対して、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けることができます。貸付事業用宅地等は、( ② )㎡までの部分について50%の減額が受けられます」 Ⅱ 「賃貸マンションを建設する方法として( ③ )方式という手法があります。この方式は、Aさんが所有する甲土地の上に、事業者が建設資金を負担してマンション等を建設し、完成した区分所有建物とその敷地の共有持分をAさんと事業者がそれぞれの出資割合に応じて取得する手法です。Aさんとしては自己資金を使わず、収益物件を取得できるという点にメリットがあります」 〈語句群〉 イ.200 ロ.330 ハ.400 ニ.1,800 ホ.4,000 ヘ.6,000 ト.8,200 チ.建設協力金 リ.事業受託 ヌ.等価交換
- イ
- 200
- ロ
- 330
- ハ
- 400
- ニ
- 1,800
- ホ
- 4,000
- ヘ
- 6,000
- ト
- 8,200
- チ
- 建設協力金
- リ
- 事業受託
- ヌ
- 等価交換
解答・解説を表示
解答
① ト ② イ ③ ヌ
解説
賃貸用不動産を建築・保有することで、土地の評価額を自用地評価から貸家建付地評価へ引き下げ、小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等:200㎡まで50%減額)を併用することで相続税評価額を大きく圧縮できます。また土地活用において等価交換方式を採用すると、自己資金を投じずに土地の一部と交換で区分所有建物の専有部分を取得できます。
解き方
- 空欄①について、貸家建付地の計算式「自用地価額 × (1 - 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)」を適用し、1億円 × (1 - 0.60 × 0.30 × 1.0) = 8,200万円(ト)を求める。
- 空欄②について、小規模宅地等の特例における貸付事業用宅地等の適用限度面積が200㎡(減額率50%)であることから、200(イ)を選択する。
- 空欄③について、土地所有者が土地を、事業者が建設資金を出資し、出資割合に応じて完成建物の区分所有権と土地持分を共有・取得する事業手法が等価交換方式(ヌ)であることを確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ト
- 貸家建付地の相続税評価額は「自用地価額 × (1 - 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)」で算出します。計算式に当てはめると、10,000万円 × (1 - 0.60 × 0.30 × 1.00) = 10,000万円 × (1 - 0.18) = 8,200万円となります。したがって「ト(8,200)」が適切です。
- 小問 ②:イ
- 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例において、貸付事業用宅地等に該当する場合の限度面積は200㎡、減額割合は50%と規定されています。したがって「イ(200)」が適切です。
- 小問 ③:ヌ
- 土地所有者が土地を提供し、ディベロッパー等の事業者が建築資金を負担して建物を建設し、それぞれの出資割合(土地価額と建築費)に応じて土地・建物を区分所有する手法は「等価交換方式」です。自己資金不要で権利を取得できます。したがって「ヌ(等価交換)」が適切です。
覚えるポイント
- 貸家建付地評価額 = 自用地価額 × (1 - 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)。
- 貸付事業用宅地等は限度面積200㎡、減額割合50%。
- 等価交換方式は土地提供者と資金拠出者がそれぞれの割合に応じて専有面積を取得する手法である。
間違えやすいところ
- 貸家建付地評価の計算で「控除する金額(1,800万円)」と「評価額(8,200万円)」を混同して選択しないこと。
- 特定居住用宅地等(330㎡・80%減額)や特定事業用宅地等(400㎡・80%減額)と貸付事業用宅地等(200㎡・50%減額)の限度面積・減額率を取り違えやすい。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の相続税法、財産評価基本通達、租税特別措置法第69条の4(小規模宅地等の特例)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配偶者の税額軽減・類似業種比準方式・準確定申告
相続・事業承継 · 配偶者の税額軽減 / 類似業種比準方式 / 準確定申告
Aさんの相続等に関する以下の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を、〈語句群〉から選びなさい。 Ⅰ 「配偶者に対する相続税額の軽減の適用を受けた場合、妻Bさんが相続により取得した財産の金額が、配偶者の法定相続分相当額と1億6,000万円とのいずれか( ① )金額までであれば、妻Bさんが納付すべき相続税額は算出されません」 Ⅱ 「X社株式の相続税評価額は、原則として類似業種比準方式により評価されます。類似業種比準価額は、類似業種の株価ならびに1株当たりの配当金額、( ② )および簿価純資産価額を基として計算します。配当金額、( ② )および簿価純資産価額が高い会社は、株式の評価額が高くなります」 Ⅲ 「Aさんが平成30年分の所得税および復興特別所得税について確定申告書を提出しなければならない場合に該当するとき、相続人は、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から( ③ )カ月以内に準確定申告書を提出しなければなりません」
- イ
- 3
- ロ
- 4
- ハ
- 10
- ニ
- 少ない
- ホ
- 多い
- ヘ
- 利益金額
- ト
- 資本金等の額
- チ
- 売上金額
解答・解説を表示
解答
① ホ、② ヘ、③ ロ
解説
配偶者の税額軽減の非課税限度額、類似業種比準方式で比準する3要素、および被相続人の準確定申告の期限は、相続実務における頻出の基礎知識です。
解き方
- 空欄①について、配偶者の税額軽減の基準が法定相続分相当額と1億6,000万円のいずれか「多い」方であることを確認します。
- 空欄②について、類似業種比準方式で株価と比較する3つの要素が配当金額・利益金額・純資産価額(簿価)であることを想起します。
- 空欄③について、準確定申告の申告期限が相続開始を知った日の翌日から「4カ月以内」であることを確認します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ホ
- 配偶者の税額軽減では、取得した遺産額が「配偶者の法定相続分相当額」または「1億6,000万円」のいずれか多い金額まで相続税が課税されません。
- 小問 ②:ヘ
- 類似業種比準方式における評価の3要素は、1株当たりの「配当金額」「利益金額」「純資産価額(簿価)」です。
- 小問 ③:ロ
- 納税義務者である被相続人が死亡した場合、相続人は相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内に準確定申告を行う必要があります。
覚えるポイント
- 配偶者の税額軽減は「法定相続分」または「1億6,000万円」のいずれか多い額まで非課税
- 類似業種比準要素は配当・利益・純資産(簿価)の3要素
- 準確定申告は相続開始を知った翌日から4カ月以内、相続税申告は10カ月以内
間違えやすいところ
- 配偶者の税額軽減の比較で「いずれか少ない額」と混同しないこと
- 準確定申告の提出期限(4カ月以内)と相続税の申告期限(10カ月以内)を混同しやすい
出題の前提:2018年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税額の2割加算・小規模宅地等の特例・相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 相続税額の2割加算 / 特定居住用宅地等 / 相続税の総額
Aさんの相続等に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答しなさい。 ① 「孫Eさんおよび孫FさんはAさんの孫にあたりますが、長女Dさんの代襲相続人ですので、相続税額の2割加算の対象にはなりません」 ② 「自宅の敷地および建物を妻Bさんが相続により取得した場合、仮に相続税の申告期限までに自宅の敷地を売却しても、自宅の敷地は特定居住用宅地等として小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けることができます」 ③ 「相続税の総額は、各相続人の実際の取得割合によって計算されることから、分割内容により異なる額が算出されます」
- ①
- 「孫Eさんおよび孫FさんはAさんの孫にあたりますが、長女Dさんの代襲相続人ですので、相続税額の2割加算の対象にはなりません」
- ②
- 「自宅の敷地および建物を妻Bさんが相続により取得した場合、仮に相続税の申告期限までに自宅の敷地を売却しても、自宅の敷地は特定居住用宅地等として小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けることができます」
- ③
- 「相続税の総額は、各相続人の実際の取得割合によって計算されることから、分割内容により異なる額が算出されます」
解答・解説を表示
解答
① ○、② ○、③ ×
解説
相続税額の2割加算の例外、特定居住用宅地等における配偶者の無条件適用、および法定相続分を基準として機械的に算定される相続税の総額の仕組みを把握することが重要です。
解き方
- 記述①:被相続人の一親等の血族・配偶者以外は2割加算の対象ですが、代襲相続人となった直系卑属(孫)は除外されるため、適切(○)と判断します。
- 記述②:配偶者が取得する特定居住用宅地等は所有・居住の継続要件が一切課されないため、申告期限前に売却しても適用対象となり、適切(○)と判断します。
- 記述③:相続税の総額は「法定相続分」に応じて按分して各税額を合算するため、実際の分割内容によって総額が変動することはなく、不適切(×)と判断します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 被相続人の直系卑属が相続開始前に死亡したことにより代襲相続人となった孫は、相続税額の2割加算の対象外となります。
- 小問 ②:○
- 配偶者が特定居住用宅地等を取得する場合、居住継続要件や申告期限までの所有継続要件が免除されているため、申告期限までに売却しても特例の適用を受けられます。
- 小問 ③:×
- 相続税の総額は、課税遺産総額を法定相続人が「法定相続分」で取得したものとみなして計算するため、実際の遺産分割内容にかかわらず一定となります。
覚えるポイント
- 代襲相続人となった孫は2割加算の対象外(養子となった孫は代襲相続人を除き2割加算の対象)
- 配偶者の特定居住用宅地等の適用は要件なし(無条件で適用可能)
- 相続税の総額は法定相続分で按分計算するため、遺産分割割合で総額は変わらない
間違えやすいところ
- 孫養子(2割加算の対象)と代襲相続人である孫(2割加算の対象外)の区別を混同しやすい
- 小規模宅地等の特例の保有継続要件が配偶者にも課されると誤認しやすい
出題の前提:2018年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 課税価格の計算 / 遺産に係る基礎控除額 / 相続税の総額 / 死亡保険金・死亡退職金の非課税限度額
設例の被相続人Aさんの相続において、各相続人は記載のとおり相続財産を取得した。Aさんの相続に係る相続税の総額を計算するにあたり、表の空欄①〜④に入る最も適切な数値を求めなさい(単位:万円)。 【親族関係】 被相続人Aさんの法定相続人は、妻Bさん、長男Cさん、死亡した長女Dさんを代襲相続した孫Eさん・孫Fさんの計4人。 【各人の取得財産】 ・妻Bさん:現金預金3,000万円、自宅敷地2,000万円(小規模宅地等の特例適用後)、自宅建物1,000万円、死亡保険金2,000万円、死亡退職金5,000万円 ・長男Cさん:現金預金8,000万円、X社株式1億5,000万円 ・孫Eさん:現金預金2,000万円 ・孫Fさん:現金預金2,000万円
解答・解説を表示
解答
① 9,000(万円)、② 5,400(万円)、③ 1,595(万円)、④ 7,145(万円)
解説
相続税の総額の算出は、各人の課税価格を合計して課税価格の合計額を求め、そこから遺産に係る基礎控除額を差し引いて課税遺産総額を算出します。その課税遺産総額を実際の遺産分割割合ではなく「民法上の法定相続分」に応じてあん分し、各人の金額に税率を適用して計算した税額を合算して求めます。
解き方
- 法定相続人の数(本問では配偶者・長男・代襲相続人2人の計4人)を確定し、生命保険金・死亡退職金の非課税限度額(各2,000万円)と基礎控除額(5,400万円)を算出する。
- 各人の課税価格を合計して課税価格の合計額(3億6,000万円)を算出し、基礎控除額を控除して課税遺産総額(3億600万円)を求める。
- 課税遺産総額を各人の法定相続分(妻1/2、長男1/4、孫各1/8)であん分し、速算表を適用して各人の税額を求め、それらを合算して相続税の総額を算出する。
答えの内訳
- ①:9,000
- 法定相続人は4人(妻B、長男C、孫E、孫F)であるため、生命保険金および死亡退職金の非課税限度額はそれぞれ「500万円×4人=2,000万円」です。妻Bさんが取得した死亡保険金2,000万円は全額非課税となり課税価格への算入は0円、死亡退職金5,000万円からは2,000万円が控除されて3,000万円が算入されます。したがって、妻Bさんに係る課税価格は、現金預金3,000万円+自宅敷地2,000万円+自宅建物1,000万円+死亡保険金0円+死亡退職金3,000万円=9,000万円となります。
- ②:5,400
- 遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。法定相続人は妻B、長男C、代襲相続人である孫E・孫Fの計4人であるため、3,000万円+600万円×4人=5,400万円となります。
- ③:1,595
- 課税価格の合計額は、妻B9,000万円+長男C2億3,000万円(8,000万円+1億5,000万円)+孫E2,000万円+孫F2,000万円=3億6,000万円です。課税遺産総額は3億6,000万円-5,400万円=3億600万円となります。長男Cさんの法定相続分は4分の1(1/4)であるため、法定相続分に応ずる取得金額は3億600万円×1/4=7,650万円です。速算表より「7,650万円×30%-700万円=1,595万円」となります。
- ④:7,145
- 各法定相続人の法定相続分に応ずる取得金額に基づく税額は、妻B(1/2):1億5,300万円×40%-1,700万円=4,420万円、長男C(1/4):1,595万円、孫E(1/8):3,825万円×20%-200万円=565万円、孫F(1/8):3,825万円×20%-200万円=565万円です。これらを合計した相続税の総額は、4,420万円+1,595万円+565万円+565万円=7,145万円となります。
覚えるポイント
- 生命保険金と死亡退職金の非課税限度額はそれぞれ「500万円×法定相続人の数」である。
- 相続税の総額は実際の遺産分割割合ではなく法定相続分であん分して計算する。
間違えやすいところ
- 被相続人より先に死亡した子の代襲相続人を法定相続人の数に含め忘れるミス。
- 生命保険金と死亡退職金の非課税限度額を別々に適用せず、合算して適用してしまうミス。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の法令等(相続税法)
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2018年9月 2級 実技 個人資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2018年9月 2級 実技 個人資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

