日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2018年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務の概要
遺族基礎年金および遺族厚生年金の年金額の計算
ライフプランニングと資金計画 · 遺族基礎年金 / 遺族厚生年金 / 短期要件 / 中高齢寡婦加算
設例のAさんが現時点(平成30年9月9日)で死亡した場合に、妻Bさんに支給される遺族基礎年金および遺族厚生年金の年金額を求めるための計算式における空欄①~④に入る数値を求めなさい(平成30年度価額に基づく)。 〈計算式〉 ・遺族基礎年金の年金額 ( ① )円 + 224,300円 = □□□円 ・遺族厚生年金の年金額 〔□□□円 × (7.125 / 1,000) × □□□月 + □□□円 × (5.481 / 1,000) × ( ② )月〕 × ( ( ④ )月 / 281月 ) × ( ③ ) = □□□円
解答・解説を表示
解答
① 779,300(円)、② 149(月)、③ 3/4、④ 300(月)
解説
遺族基礎年金は受給要件を満たす被保険者が死亡した際、生計を維持されていた「子のいる配偶者」または「子」に支給されます。また、厚生年金保険の被保険者死亡による遺族厚生年金は短期要件に該当し、厚生年金の被保険者期間が300月未満の場合は300月として報酬比例部分の4分の3を計算します。
解き方
- 遺族基礎年金の基本額(平成30年度:779,300円)に長男Cさん分の加算額が合算される式から空欄①を特定します。
- 設例の加入歴から平成15年4月以後の厚生年金被保険者期間月数が149月であることを確認して空欄②に入れます。
- 遺族厚生年金の報酬比例部分に対する支給割合が3/4であることを適用して空欄③を特定します。
- 厚生年金加入月数281月が300月未満であるため、短期要件の最低保障月数である300月を空欄④に入れます。
答えの内訳
- ①:779,300
- 遺族基礎年金の基本額は平成30年度価額で779,300円であり、子の加算額(第1子224,300円)が加算されます。
- ②:149
- 平成15年4月以後の厚生年金被保険者期間の月数であり、資料より平成18年4月から平成30年9月までの149月が入ります。
- ③:3/4
- 遺族厚生年金の額は、被保険者または被保険者であった者の老齢厚生年金の報酬比例部分の額の4分の3(3/4)に相当する額となります。
- ④:300
- 被保険者期間中の死亡(短期要件)において、被保険者期間の合計月数(132月+149月=281月)が300月未満の場合は、300月として計算する最低保障(300月みなし)が適用されます。
覚えるポイント
- 遺族基礎年金の基本額は老齢基礎年金の満額と同額(平成30年度は779,300円)です。
- 在職中の死亡など短期要件による遺族厚生年金は、厚生年金被保険者期間が300月未満の場合300月みなし計算が行われます。
間違えやすいところ
- 平成15年3月以前(従前額改定率7.125/1,000)の132月と平成15年4月以後(5.481/1,000)の149月を取り違えて空欄②に代入しないように注意が必要です。
- 被保険者月数合計が281月だからといって、分子の最低保障300月を見落として281月と記入しないように注意が必要です。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の法令等および平成30年度年金額に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
退職金準備および事業資金準備制度の仕組み
リスク管理 · 長期平準定期保険 / 中小企業退職金共済 / 特定退職金共済 / 小規模企業共済
将来の退職金支払や事業資金の財源準備に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① 契約者をX社、被保険者をAさん、死亡保険金受取人をX社とする長期平準定期保険や逓増定期保険に加入することで、支払った保険料の全額を損金の額に算入しながら、Aさん自身に対する将来の退職金支払や仮にAさんが亡くなったときに必要となる事業資金を準備することができる。 ② 中小企業退職金共済制度に加入することで、従業員に対する将来の退職金支払を準備することができる。中小企業退職金共済制度には、新たに加入した事業主が、原則として、加入後4カ月目から1年間、掛金月額の2分の1(被共済者1人ごとに5,000円が上限)の国の助成を受けられる仕組みがある。 ③ 特定退職金共済制度に加入することで、Aさん自身に対する将来の退職金支払を準備することができる。掛金月額は1,000円から7万円までの範囲内で選択することができ、掛金を一定年数以上拠出することで、Aさんが65歳以降に共済金を受け取ることができる。
- ①
- 契約者をX社、被保険者をAさん、死亡保険金受取人をX社とする長期平準定期保険や逓増定期保険に加入することで、支払った保険料の全額を損金の額に算入しながら、Aさん自身に対する将来の退職金支払や仮にAさんが亡くなったときに必要となる事業資金を準備することができる。
- ②
- 中小企業退職金共済制度に加入することで、従業員に対する将来の退職金支払を準備することができる。中小企業退職金共済制度には、新たに加入した事業主が、原則として、加入後4カ月目から1年間、掛金月額の2分の1(被共済者1人ごとに5,000円が上限)の国の助成を受けられる仕組みがある。
- ③
- 特定退職金共済制度に加入することで、Aさん自身に対する将来の退職金支払を準備することができる。掛金月額は1,000円から7万円までの範囲内で選択することができ、掛金を一定年数以上拠出することで、Aさんが65歳以降に共済金を受け取ることができる。
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解答
① ×、② ○、③ ×
解説
法人の役員・従業員の退職金準備手段には生命保険や各種共済制度がありますが、制度ごとに加入対象者(役員か従業員か)、掛金の税務上の取扱い(損金算入限度等)、公的助成制度の有無が厳格に定められています。
解き方
- 記述①:法人契約における長期平準定期保険・逓増定期保険の保険料税務処理を確認し、全額損金算入ではないため誤りと判定します。
- 記述②:中小企業退職金共済制度の新規加入助成要件(掛金の1/2助成、上限5,000円、4か月目から1年間)を確認し、正しいと判定します。
- 記述③:特定退職金共済制度の加入対象(従業員限定で役員不可)および掛金規定(小規模企業共済と混同)を確認し、誤りと判定します。
- 選択肢 ①不正解
- 長期平準定期保険や逓増定期保険の支払保険料は全額損金算入とはならず、所定の割合を資産計上する必要があります。
- 選択肢 ②正解
- 中退共の新規加入助成は、原則として加入後4か月目から1年間、掛金月額の2分の1(上限5,000円/人)が助成されます。
- 選択肢 ③不正解
- 特定退職金共済制度は従業員を対象としており法人の役員は加入できません。掛金月額1,000円~7万円等は小規模企業共済の内容です。
答えの内訳
- ①:×
- 法人契約の長期平準定期保険や逓増定期保険の保険料は全額損金算入することはできず、保険期間の前半一定期間は資産計上(前払保険料等)と損金算入を組み合わせて処理します。
- ②:○
- 中小企業退職金共済制度の新規加入助成として、新たに加入した事業主に対して加入後4か月目から1年間、掛金月額の2分の1(従業員1人あたり上限5,000円)が国から助成されます。
- ③:×
- 特定退職金共済制度は従業員を対象とする退職金制度であり、役員であるAさん自身は加入できません。なお、掛金月額1,000円~7万円の記述は小規模企業共済制度のものです。
覚えるポイント
- 特定退職金共済制度・中小企業退職金共済制度は従業員を対象とし、法人の役員は加入できません。
- 小規模企業共済制度は中小企業の役員や個人事業主を対象とし、掛金月額は1,000円~70,000円です。
間違えやすいところ
- 役員の退職金積立として特定退職金共済制度や中退共を利用できると誤認しないように注意が必要です。
- 長期平準定期保険や逓増定期保険は定期保険であっても貯蓄性が高いため、全額損金処理は認められません。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
確定拠出年金(企業型年金)の拠出限度額と受給要件
ライフプランニングと資金計画 · 確定拠出年金 / 企業型DC / 個人型DC併用 / 老齢給付金
MさんがAさんに対して説明した、確定拠出年金の企業型年金に関する次の文章の空欄①~③に入る最も適切な数値を、〈数値群〉の中から選びなさい。 「確定拠出年金は、拠出された掛金が加入者ごとに明確に区分され、将来の年金受取額が加入者の運用指図に基づく運用実績に応じて変動する年金制度です。確定拠出年金には企業型年金と個人型年金があります。 企業型年金を実施した場合、事業主は、規約に基づき、各加入者(従業員)の個人別専用口座に掛金を拠出します。X社のように他の企業年金制度を導入していない場合、拠出することができる掛金は、加入者1人当たり最大で年間( ① )万円です。また、規約で定めることにより、加入者は個人型年金にも加入することができます。この場合、企業型年金の掛金は年間□□□万円が限度となり、加入者が拠出することができる個人型年金の掛金は、最大で年間( ② )万円となります。 なお、事業主が拠出した掛金は損金の額に算入することができ、加入者が拠出した掛金は小規模企業共済等掛金控除として所得控除の対象となります。 給付には、老齢給付金、障害給付金、死亡一時金があります。 老齢給付金は、通算加入者等期間が( ③ )年以上あれば、60歳から受け取ることができます。老齢給付金は年金として支給されますが、規約で定めることにより、一時金として受け取ることもできます」 〈数値群〉 イ.2 ロ.5 ハ.10 ニ.15 ホ.20 ヘ.24 ト.33 チ.42 リ.66 ヌ.82 ル.96
- イ
- 2
- ロ
- 5
- ハ
- 10
- ニ
- 15
- ホ
- 20
- ヘ
- 24
- ト
- 33
- チ
- 42
- リ
- 66
- ヌ
- 82
- ル
- 96
解答・解説を表示
解答
① リ、② ヘ、③ ハ
解説
確定拠出年金(DC)は加入者自身が運用責任を負う年金制度です。掛金の拠出限度額は他の企業年金等の加入状況によって月額(年額換算)で法定されており、老齢給付金の受給開始可能年齢は通算加入者等期間によって判定されます。
解き方
- 設例のX社に他の企業年金制度がないことを確認し、企業型年金のみの場合の拠出限度額(月額5.5万円=年間66万円)から①を導き出します。
- 規約によるiDeCo併用時の個人型年金の拠出上限額(月額2万円=年間24万円)から②を導き出します。
- 確定拠出年金の老齢給付金を本来の最短受給開始年齢である60歳から受給するために必要な通算加入者等期間(10年以上)から③を導き出します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:リ
- 他の企業年金制度(確定給付企業年金等)がない場合の企業型確定拠出年金の拠出限度額は、月額5.5万円(年間66万円)です。
- 小問 ②:ヘ
- 企業型確定拠出年金と個人型確定拠出年金(iDeCo)を併用する場合(他制度なし)、企業型年金の拠出限度額は月額3.5万円(年間42万円)、個人型年金の拠出限度額は月額2.0万円(年間24万円)となります。
- 小問 ③:ハ
- 老齢給付金を60歳から受給するためには、通算加入者等期間が10年以上必要となります(10年未満の場合は受給可能年齢が段階的に繰り下がります)。
覚えるポイント
- 他制度なしの企業型DC拠出限度額は月額5.5万円(年額66万円)。
- iDeCo併用時は企業型が月額3.5万円(年額42万円)、iDeCoが月額2.0万円(年額24万円)。
- 60歳からDC老齢給付金を受給するための通算加入者等期間は10年以上。
間違えやすいところ
- 限度額の数値を月額ではなく「年額」として計算・選択させる点を見落とす。
- iDeCo併用時の枠配分(企業型42万円・個人型24万円)を取り違えて答えてしまう。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の確定拠出年金法および関係法令
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ETF(上場投資信託)の特徴と取引ルール
金融資産運用 · ETF / 上場投資信託 / 信用取引 / レバレッジ型ETF / 信託報酬
Mさんは、Aさんに対して、ETF(上場投資信託)の特徴について説明した。Mさんが説明した次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を判定しなさい。 ① 「ETFは、通常の投資信託と異なり、証券取引所の立会時間中、いつでも市場価格で売買することができ、信託報酬や信託財産留保額は徴収されません」 ② 「ETFは、証券取引所において、現物取引による売買に限られており、信用取引による売買はできません」 ③ 「レバレッジ型ETFは、原指標の日々の変動率に所定の倍数を乗じて算出される指標に連動する運用成果を目指して運用されるタイプで、その変動率は原指標の変動率よりも大きくなります」
- ○
- 適切
- ×
- 不適切
解答・解説を表示
解答
① ×、② ×、③ ○
解説
ETF(上場投資信託)は、取引所に上場され上場株式とほぼ同様のルールでリアルタイムに売買(信用取引も含む)できる投資信託です。投資信託であるため保有期間中は信託報酬が発生します。また、レバレッジ型などの派生型商品は原指標に倍数を乗じた高いボラティリティを持ちます。
解き方
- 記述①について、ETFにおける運用管理費用(信託報酬)の徴収有無を確認し、徴収されないとする誤りを判定する。
- 記述②について、ETFで信用取引(売建て・買建て)が可能であるかを確認し、現物取引に限定されるとする誤りを判定する。
- 記述③について、レバレッジ型ETFの定義(原指標の日々の変動率に所定の倍率を乗じる運用)と変動率の性質を確認し、正しい記述であると判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- ETFは証券取引所の立会時間中に市場価格で売買できますが、保有期間中には通常の投資信託と同様に運用管理費用(信託報酬)が信託財産から日々間接的に徴収されます。また銘柄によっては信託財産留保額が設定されている場合もあります。
- 小問 ②:×
- ETFは金融商品取引所に上場されているため、一般の上場株式と同様に現物取引だけでなく、証券会社を通じた信用取引(買建て・売建て)を行うことができます。
- 小問 ③:○
- レバレッジ型ETFは、原指標(TOPIXや日経平均等)の日々の変動率に対して所定の倍数(2倍など)を乗じた指標に連動するように運用されるため、その日々の価格変動率は原指標よりも大きくなります。
覚えるポイント
- ETFは上場株式と同様に立会時間中に市場価格で売買でき、信用取引も可能。
- ETFであっても投資信託であるため、保有期間中に信託報酬(運用管理費用)がかかる。
- レバレッジ型ETFは日々の変動率に所定の倍数を乗じて連動するため、原指標より変動幅が大きい。
間違えやすいところ
- 「株式と同様に市場で取引できる」ことから信託報酬等の保有コストが一切かからないと誤認してしまう。
- 投資信託の一種であるため「信用取引はできない」と思い込んでしまう。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の金融商品取引法および東京証券取引所等の取引ルール
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
財務データに基づく株式投資指標の比較・判定
金融資産運用 · ROE / PER / PBR / 配当性向 / 配当利回り
中小事業主のAさんは上場株式への投資を検討しており、同業種であるX社とY社の財務データに基づき投資指標の比較を行っている。X社(総資産18,000億円、自己資本14,000億円、当期純利益1,500億円、配当金総額550億円、発行済株式数2億株、株価16,000円)およびY社(総資産58,000億円、自己資本36,000億円、当期純利益2,800億円、配当金総額1,000億円、発行済株式数8億株、株価8,000円)に関する記述①~③の正誤を判定しなさい。
解答・解説を表示
解答
① ○ ② × ③ ○
解説
株式の投資指標は、収益性(ROE)、株価の割安性・割高性(PER・PBR)、株主還元度(配当性向・配当利回り)を客観的に比較するために用いられます。1株当たり指標を求めてから各倍率や利回りを計算する手順を正確に理解することが重要です。
解き方
- 各社の発行済株式数から1株当たり当期純利益(EPS)、1株当たり純資産(BPS)、1株当たり配当金をそれぞれ計算する。
- 株価を用いてPER・PBR・配当利回りを算出し、当期純利益と自己資本・配当金からROE・配当性向を算出して両社を比較する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- ROE(自己資本利益率)は「当期純利益÷自己資本×100」で算出します。X社は「1,500億円÷14,000億円×100≒10.71%」、Y社は「2,800億円÷36,000億円×100≒7.78%」となり、X社の値がY社を上回っているため適切です。
- 小問 ②:×
- 1株当たり利益(EPS)はX社が750円、Y社が350円となり、PERはX社が約21.33倍、Y社が約22.86倍です。1株当たり純資産(BPS)はX社が7,000円、Y社が4,500円で、PBRはX社が約2.29倍、Y社が約1.78倍です。PERはX社のほうが低いため、「いずれもX社が上回っている」とする記述は不適切です。
- 小問 ③:○
- 配当性向(配当金総額÷当期純利益×100)はX社が約36.67%、Y社が約35.71%です。配当利回り(1株当たり配当金÷株価×100)はX社が約1.72%、Y社が約1.56%です。したがって配当性向・配当利回りのいずれもX社の値がY社を上回っているため適切です。
覚えるポイント
- PERは株価÷1株当たり利益(低いほど割安)、PBRは株価÷1株当たり純資産(低いほど割安)であること。
間違えやすいところ
- PERやPBRの大小判定において、数値が低いほうが割安であるにもかかわらず、高低の計算関係を取り違えるミスが多い点に注意が必要です。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
つみたてNISAの制度概要と要件
金融資産運用 · つみたてNISA / 投資対象商品 / 特定口座からの移管制限 / 年間投資枠 / 非課税期間
つみたてNISA(少額投資非課税制度)の仕組みに関する次の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を語句群から選びなさい。 「つみたてNISAは、金融機関で非課税口座を開設し、その口座内に設定するつみたてNISA勘定を通じて購入した公募株式投資信託などについて、本来は課税される分配金や譲渡益等が非課税となる制度です。つみたてNISAの対象となる金融商品は、長期の積立・分散投資に適した一定の商品性を有する公募株式投資信託や( ① )とされています。なお、つみたてNISA勘定を設定する金融機関において、既に特定口座を開設し、公募株式投資信託を保有している場合に、当該公募株式投資信託を設定したつみたてNISA勘定に移管することは( ② )。つみたてNISA勘定を通じて購入することができる限度額(非課税枠)は、1人当たり年間( ③ )万円であり、その購入方法は累積投資契約に基づく定期かつ継続的な買付けに限られます。また、つみたてNISAにおける非課税期間は、当該つみたてNISA勘定が設けられた日の属する年の1月1日から最長で( ④ )年間となります。」
解答・解説を表示
解答
① ル ② カ ③ ニ ④ ハ
解説
つみたてNISAは、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。対象商品は法令上の一定要件を満たす公募株式投資信託およびETFに限定され、新規資金による定期継続的な買付のみが認められており、既存の課税口座からの移管は認められていません。
解き方
- つみたてNISAの対象商品(公募株式投資信託および一定のETF)を確認し、空欄①に入る語句を特定する。
- 既存の課税口座からつみたてNISA口座への移管可否(不可)を確認し、空欄②を特定する。
- 年間投資限度額(40万円)および非課税期間(最長20年)の制度規定を適用し、空欄③・④の数値を特定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ル
- つみたてNISAの対象商品は、長期の積立・分散投資に適した公募株式投資信託および上場株式投資信託(ETF)に限られます。したがって「ル.ETF(上場投資信託)」が適切です。
- 小問 ②:カ
- 特定口座や一般口座などの課税口座で既に保有している上場株式や投資信託を、NISA口座やつみたてNISA口座に移管することはできません。したがって「カ.できません」が適切です。
- 小問 ③:ニ
- つみたてNISAの新規投資限度額(非課税枠)は、1人当たり年間40万円です。したがって「ニ.40」が適切です。
- 小問 ④:ハ
- つみたてNISAの非課税期間は、勘定が設けられた日の属する年の1月1日から最長で20年間となります。したがって「ハ.20」が適切です。
覚えるポイント
- つみたてNISAは年間投資枠40万円・非課税期間20年間・課税口座からの移管不可であることを押さえる。
間違えやすいところ
- 一般NISA(当時:年間120万円・5年間)の枠組みやつみたてNISAでの買付対象・移管制限を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
中小法人の交際費等の損金不算入制度
タックスプランニング · 法人税 / 交際費等の損金不算入 / 接待飲食費
次の文章は、法人税における交際費等の取扱いについて説明したものである。文中の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を語句群の中から選びなさい。 「法人が中小法人であるかどうかにかかわらず、支出した交際費等のうち、接待飲食費の額の( ① )%相当額を損金の額に算入することができる。 また、事業年度終了の日における( ② )の額が1億円以下の中小法人(大法人に完全支配されている法人等を除く)については、支出した交際費等のうち、年( ③ )万円を限度として損金の額に算入することもできる。 したがって、X社の場合、当期の交際費等について所得の金額がより低くなる方法を選択すると、法人税申告書別表四において( ④ )万円を加算することになる。」 〈語句群〉 イ.20 ロ.50 ハ.80 ニ.570 ホ.800 ヘ.930 ト.1,000 チ.1,080 リ.1,130 ヌ.1,590 ル.総資産 ヲ.純資産 ワ.資本金
- イ
- 20
- ロ
- 50
- ハ
- 80
- ニ
- 570
- ホ
- 800
- ヘ
- 930
- ト
- 1,000
- チ
- 1,080
- リ
- 1,130
- ヌ
- 1,590
- ル
- 総資産
- ヲ
- 純資産
- ワ
- 資本金
解答・解説を表示
解答
① ロ、② ワ、③ ホ、④ チ
解説
期末資本金1億円以下の中小法人等は、交際費等の損金算入限度額について「年間800万円までの定額控除」または「接待飲食費の50%相当額」のいずれか有利な方を選択して損金算入し、限度額を超える部分は別表四で所得に加算(損金不算入)します。
解き方
- 中小法人の交際費課税における2つの損金算入特例(定額控除限度額800万円または接待飲食費の50%)の規定を確認する。
- X社の接待飲食費1,700万円の50%である850万円と、定額控除800万円を比較し、損金算入額が大きく所得が低くなる850万円損金算入(不算入額1,080万円)を選択する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ロ
- 資本金の額にかかわらず、交際費等のうち接待飲食費の50%相当額を損金算入することができます。
- 小問 ②:ワ
- 交際費等の定額控除限度額の特例を適用できる中小法人の判定基準は、事業年度終了の日における「資本金」の額が1億円以下であることです。
- 小問 ③:ホ
- 期末資本金1億円以下の中小法人は、定額控除限度額として年間800万円まで交際費等を損金算入することができます。
- 小問 ④:チ
- 接待飲食費の50%を損金算入する場合は1,700万円×50%=850万円が損金算入となり、損金不算入額(別表四加算額)は1,930万円-850万円=1,080万円です。定額控除(800万円損金算入)を選んだ場合の不算入額1,130万円より所得を低く抑えられるため、加算額は1,080万円となります。
覚えるポイント
- 中小法人の交際費等は「年800万円定額控除」と「接待飲食費の50%」の選択制。
- 所得を低くするためには損金算入額が大きい方(損金不算入額が小さい方)を選択する。
間違えやすいところ
- 定額控除の800万円をそのまま損金不算入額と勘違いして計算しないこと。
- 中小法人の区分判定の基準は資本金の額であり、純資産や総資産ではない点に注意する。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
中小法人の課税所得金額および法人税額の計算
タックスプランニング · 法人税 / 課税所得金額の計算 / 中小法人の税率
《設例》の〈資料〉に基づき、X社の当期の法人税額を求める下記の〈計算式〉の空欄①~③に入る最も適切な数値を求めなさい。 〈計算式〉 ・課税所得金額 ( ① )万円 ・法人税額 ( ② )万円×15.0%+(( ① )万円-( ② )万円)×( ③ )% =□□□万円
解答・解説を表示
解答
① 4,800(万円)、② 800(万円)、③ 23.2(%)
解説
法人の課税所得金額は、当期利益の額に申告調整(益金算入・損金不算入を加算、益金不算入・損金算入を減算)を行って算出します。中小法人等の法人税額は、課税所得のうち年800万円以下の部分に軽減税率(15.0%)、800万円超の部分に基本税率(23.2%)を乗じて計算します。
解き方
- 当期純利益に加算項目(益金算入額610万円+損金不算入額1,990万円)を足し、減算項目(益金不算入額80万円+損金算入額810万円)を差し引いて、課税所得金額4,800万円を算出する。
- 中小法人の税率区分に基づき、年800万円以下の部分に15.0%、800万円超の部分に23.2%を適用する。
答えの内訳
- ①:4,800
- 当期利益3,090万円+益金算入610万円-益金不算入80万円-損金算入810万円+損金不算入1,990万円=4,800万円となります。
- ②:800
- 期末資本金1億円以下の中小法人等に対する法人税の軽減税率が適用される課税所得の区分限度額は、年800万円以下の部分です。
- ③:23.2
- 中小法人等における課税所得年800万円超の部分に適用される法人税の基本税率は23.2%です(2018年4月1日以後開始事業年度)。
覚えるポイント
- 所得金額=当期利益+加算項目(益金算入・損金不算入)-減算項目(益金不算入・損金算入)。
- 中小法人の法人税率は年800万円以下が15.0%、年800万円超が23.2%。
間違えやすいところ
- 加算項目と減算項目の符号を逆に適用して計算ミスをしてしまうこと。
- 年800万円超の部分に対する税率を旧税率(23.4%等)と混同しないこと。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の法人税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
中小企業における賃上げ促進税制(所得拡大促進税制)の要件と控除限度額
タックスプランニング · 中小企業者等の賃上げ促進税制 / 法人税額の特別控除 / 適用要件
中小企業における賃上げの促進に係る税制(給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の法人税額の特別控除)に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① X社が当期において本制度の適用を受けるためには、国内雇用者に対する当期の給与等支給額が国内雇用者に対する平成24年4月1日に開始した事業年度の給与等支給額の103%以上でなければならない。 ② X社が当期において本制度の適用を受けるためには、継続雇用者に対する当期の給与等支給額がその継続雇用者に対する前期の給与等支給額の101.5%以上でなければならない。 ③ X社が当期において本制度の適用を受ける場合の税額控除額は、雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額の22%相当額であり、当期における法人税額の20%相当額が限度となる。
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解答
① × ② ○ ③ ×
解説
中小企業における賃上げ促進税制は、青色申告の中小企業者等が一定割合以上の賃上げを行った場合に、給与支給増加額の一定割合を法人税額から直接控除できる制度です。平成30年度税制改正では基準事業年度比の要件が廃止され、前事業年度の継続雇用者に対する給与支給額との比較(1.5%以上増加)が基本要件となりました。
解き方
- 中小企業向けの適用要件(継続雇用者給与等支給額が前期比1.5%以上増加)を確認し、過去の基準事業年度比要件が不要であることを判定する。
- 法人税額の特別控除率(原則15%、上乗せ時25%)および税額控除上限(当期法人税額の20%)を確認して各記述の正誤を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 平成30年度税制改正により要件が見直され、基準年度(平成24年4月1日以後に開始した事業年度)比の要件は撤廃され、前事業年度比で判定する要件に改組されました。
- 小問 ②:○
- 中小企業者が本制度の適用を受けるための通常要件は、継続雇用者に対する当期の給与等支給額が前事業年度の継続雇用者給与等支給額と比較して1.5%以上増加(101.5%以上)していることです。
- 小問 ③:×
- 税額控除額は、原則として雇用者給与等支給増加額の15%(上乗せ要件を満たす場合は25%)相当額であり、控除限度額は当期の法人税額の20%相当額となります。22%ではありません。
覚えるポイント
- 中小企業向け賃上げ促進税制の通常要件は継続雇用者給与支給額が前期比1.5%以上増加であること。
- 控除率は原則15%(上乗せ要件達成時は25%)、税額控除限度額は法人税額の20%相当額であること。
間違えやすいところ
- 平成24年4月1日開始事業年度(基準年度)比の要件は旧制度のものであり、平成30年度改正で廃止された点を見落としやすい。
- 控除割合の15%や上乗せの25%の数字を他の特例税制(20%や22%など)と混同しやすい。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の法令等(平成30年度税制改正施行基準)
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
都市計画法・建築基準法(用途地域またがり・建蔽率・高度地区)の規制
不動産 · 用途地域の制限 / 複数地域にまたがる敷地 / 防火地域内の建蔽率制限 / 高度地区と高度利用地区
都市計画法および建築基準法の規定に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① 甲土地上に建築物を建築する場合、用途地域による建築物の制限については、その全部について、制限がより厳しい第一種住居地域の建築物の用途に関する規定が適用される。 ② 甲土地上に耐火建築物を建築する場合、防火地域内にある耐火建築物に該当するため、指定建蔽率に10%が加算され、建蔽率の限度は82%となる。 ③ 高度地区は、土地の合理的かつ健全な利用を図るため、建築物の容積率の最高限度および最低限度、建築物の建蔽率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度などが定められた地区である。
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解答
① × ② × ③ ×
解説
建築物の敷地が異なる地域・地区にまたがる場合、用途制限は「過半の属する地域」の規定が全体に適用されます。また、建蔽率は地域ごとの面積に応じた加重平均で算出しますが、防火地域内で指定建蔽率80%の地域に耐火建築物を建てる場合は建蔽率制限がなくなります。さらに、都市計画法の地域地区である「高度地区(高さ制限)」と「高度利用地区(用途密度の高度化)」の定義の違いを正しく理解する必要があります。
解き方
- 甲土地の面積(近隣商業270㎡、第一種住居180㎡)から過半を判定し、用途制限が近隣商業地域の規定になることを確認する。
- 近隣商業地域(防火地域・指定建蔽率80%)での耐火建築物建築に伴う建蔽率緩和ルールを確認し、記述の数値が誤りであることを判定する。
- 高度地区(建築物の高さ制限)と高度利用地区(容積率・建蔽率・建築面積等の最低・最高限度)の定義を比較し正誤を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 敷地が複数の用途地域にまたがる場合、用途制限はその敷地の過半が属する地域の規定が敷地全体に適用されます。甲土地は450㎡のうち270㎡(過半)が近隣商業地域にあるため、近隣商業地域の規定が全体に適用されます。
- 小問 ②:×
- 指定建蔽率80%の地域かつ防火地域内にある耐火建築物は建蔽率の制限が適用除外(100%)となります。また、敷地内外の按分計算としても指定建蔽率に10%加算して82%となる記述は誤りです。
- 小問 ③:×
- 建築物の容積率の最高限度・最低限度、建蔽率の最高限度、建築面積の最低限度等を定めるのは「高度利用地区」であり、「高度地区」は建築物の高さの最高限度や最低限度を定める地区です。
覚えるポイント
- 敷地が異なる用途地域にまたがる場合、用途制限は過半が属する地域の規定が適用されること。
- 「高度地区」は建築物の高さの最高・最低限度を定め、「高度利用地区」は容積率・建蔽率・建築面積等の限度を定めること。
間違えやすいところ
- 用途地域の制限について、過半主義ではなく「厳しい方の制限が適用される」と誤認しやすい。
- 高度地区と高度利用地区の名称が似ているため、それぞれの規定対象(高さか、容積率・建蔽率等か)を取り違えやすい。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の法令等(建築基準法第91条、第53条、都市計画法第9条等)
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
セットバックを伴う敷地における延べ面積の最高限度の計算
不動産 · 容積率の制限 / 道路後退(セットバック) / 指定容積率と前面道路幅員制限
甲土地(全体450㎡:近隣商業地域270㎡・指定建蔽率80%・指定容積率300%/第一種住居地域180㎡・指定建蔽率60%・指定容積率200%)に耐火建築物を建築する場合における、容積率の上限となる延べ面積を求める〈計算式〉の空欄①〜③に入る数値を求めなさい。 なお、甲土地は北側で幅員6mの市道、西側で建築基準法第42条第2項に該当する幅員3mの市道(道路中心線は中心、反対側は宅地)に接している。
解答・解説を表示
解答
① 261(㎡)、② 240(%)、③ 1,131(㎡)
解説
建築基準法第42条第2項道路に面する敷地は道路境界線が後退し、セットバック部分は敷地面積から除外されます。また、2つ以上の道路に面する場合は最も広い道路幅員をもとに前面道路幅員制限を計算し、指定容積率と比較して厳しい方を適用します。
解き方
- 2項道路の後退幅(4m-3m)÷2=0.5mを求め、用途地域ごとのセットバック面積を除外して敷地面積を算出する。
- 広い方の前面道路幅員6mに各用途地域の法定乗数を乗じて道路幅員制限容積率を求め、指定容積率と比較して小さい方を決定する。
- 用途地域ごとに敷地面積に適用容積率を乗じて延べ面積の上限を求め、それらを合計する。
答えの内訳
- ①:261
- 西側の3m市道は2項道路であり、中心線から2mの後退(セットバック)が必要です。後退幅は(4m-3m)÷2=0.5mとなります。近隣商業地域に属する後退部分の面積は0.5m×18m=9㎡であるため、敷地面積は270㎡-9㎡=261㎡となります。
- ②:240
- 敷地が2つ以上の道路に接する場合、前面道路の幅員は最も広い方の幅員(6m)を採用します。第一種住居地域の前面道路幅員による容積率制限は、道路幅員6m×法定乗数4/10=24/10=240%となります。
- ③:1,131
- 近隣商業地域の容積率は指定300%<道路制限360%(6m×6/10)により300%となり、延べ面積の上限は261㎡×300%=783㎡です。第一種住居地域の敷地面積は180㎡-(0.5m×12m)=174㎡、容積率は指定200%<道路制限240%により200%となり、延べ面積の上限は174㎡×200%=348㎡です。合計の延べ面積は783㎡+348㎡=1,131㎡となります。
覚えるポイント
- 2項道路に接する敷地は、セットバックした部分を敷地面積および建築面積・延べ面積の算定対象から除外する。
- 複数の前面道路がある場合、容積率制限で用いる幅員は最も広い道路の幅員となる。
間違えやすいところ
- 狭い方の3m道路(または後退後4m)の幅員を用いて容積率制限を計算してしまうミス。
- セットバック面積を用途地域全体(450㎡)から一括で引いた後、地域別の按分を誤るミス。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の建築基準法第42条第2項および第52条の規定に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
特定の資産の買換えの場合の課税の特例
不動産 · 法人税 / 特定の資産の買換え特例 / 7号買換え / 圧縮限度額
「特定の資産の買換えの場合の課税の特例」(租税特別措置法第65条の7)に関する次の文章の空欄①~④に入る最も適切な数値を、語群の中から選びなさい。 「譲渡資産および買換資産がいずれも土地である場合、原則として、買い換えた土地のうち、譲渡した土地の面積の( ① )倍を超える部分は買換資産とはならない。また、長期保有資産の買換え(いわゆる7号買換え)の場合、譲渡した土地の所有期間が譲渡した日の属する年の1月1日において( ② )年を超えていなければならず、買い換えた土地の面積が( ③ )㎡以上でなければならない。 仮に、同一事業年度内に土地を買い換え、譲渡資産の譲渡対価の額が2億円、買換資産の取得価額が1億円、譲渡資産の譲渡直前の帳簿価額が5,000万円、譲渡に要した費用の額が1,000万円である場合、本特例の適用を受けることによる圧縮限度額は( ④ )万円となる。」
- イ
- 3
- ロ
- 5
- ハ
- 10
- ニ
- 20
- ホ
- 300
- ヘ
- 400
- ト
- 500
- チ
- 5,000
- リ
- 5,600
- ヌ
- 6,400
- ル
- 7,000
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解答
① ロ、② ハ、③ ホ、④ リ
解説
法人の特定資産の買換え特例は、事業用資産の譲渡益について一定割合(原則80%)の課税を将来に繰り延べる制度です。土地同士の買換えでは面積の上限が譲渡資産の5倍と定められ、長期保有資産買換え(7号買換え)では所有期間10年超や買換面積300㎡以上などの要件があります。
解き方
- 土地の面積制限(5倍)および7号買換えの要件(所有期間10年超、取得面積300㎡以上)を確認して空欄①〜③を埋める。
- 譲渡資産の譲渡対価から帳簿価額と譲渡費用を差し引いて譲渡差益割合を算定する(14,000万円÷20,000万円=70%)。
- 買換資産の取得価額(1億円)に譲渡差益割合(70%)と課税繰延割合(80%)を乗じて圧縮限度額(5,600万円)を算出する。
- 選択肢 イ不正解
- 3は、いずれの空欄の基準数値にも該当しません。
- 選択肢 ロ正解
- 空欄①に該当します。買換土地の面積は譲渡土地の面積の5倍までが対象となります。
- 選択肢 ハ正解
- 空欄②に該当します。長期保有資産の買換えにおける所有期間要件は10年超です。
- 選択肢 ニ不正解
- 20は、いずれの空欄の基準数値にも該当しません。
- 選択肢 ホ正解
- 空欄③に該当します。買換資産が土地である場合の面積要件は300㎡以上です。
- 選択肢 ヘ不正解
- 400は、本問の面積要件の基準値ではありません。
- 選択肢 ト不正解
- 500は、本問の面積要件の基準値ではありません。
- 選択肢 チ不正解
- 5,000は、本問の圧縮限度額の計算結果ではありません。
- 選択肢 リ正解
- 空欄④に該当します。圧縮限度額は1億円×70%×80%=5,600万円です。
- 選択肢 ヌ不正解
- 6,400は、譲渡費用の控除などを誤った場合に導かれる誤りです。
- 選択肢 ル不正解
- 7,000は、80%の繰延割合を乗じる前の差益金額(7,000万円)に相当する誤りです。
答えの内訳
- ①:ロ
- 土地から土地への買換えの場合、買換資産となる土地の面積は、原則として譲渡した土地の面積の5倍が上限と定められています。
- ②:ハ
- いわゆる7号買換え(長期保有資産の買換え)における譲渡資産の所有期間要件は、譲渡した日の属する年の1月1日において10年超です。
- ③:ホ
- 7号買換えにおける買換資産である土地の面積要件は、原則として300㎡以上と定められています。
- ④:リ
- 譲渡差益割合は(2億円-(5,000万円+1,000万円))÷2億円=1億4,000万円÷2億円=70%です。課税繰延割合は80%なので、圧縮限度額は買換資産取得価額1億円×差益割合70%×80%=5,600万円となります。
覚えるポイント
- 法人の特定資産買換え特例の原則的な課税繰延割合は80%である。
- 7号買換えの要件は「譲渡年1月1日時点で所有期間10年超」かつ「買換土地面積300㎡以上」である。
間違えやすいところ
- 圧縮限度額の計算において課税繰延割合80%を乗じるのを忘れて差益割合の金額そのものを答えてしまうミス。
- 譲渡原価に帳簿価額だけでなく譲渡費用も含めることを忘れてしまうミス。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の租税特別措置法第65条の7(特定の資産の買換えの場合の課税の特例)の規定に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
類似業種比準価額および併用方式による取引相場のない株式の評価
相続・事業承継 · 取引相場のない株式の評価 / 類似業種比準方式 / 中会社の株式評価
設例の〈X社の概要〉に基づき、X社株式の1株当たりの「類似業種比準価額」と「類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式による相続税評価額」を求める計算式の空欄①~④に入る最も適切な数値を求めなさい。
解答・解説を表示
解答
① 240(円) ② 3 ③ 0.6 ④ 0.75
解説
財産評価基本通達において、中会社の取引相場のない株式は原則として類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式により評価します。類似業種株価は5つの候補のうち最も有利な最低価額を採用し、斟酌割合やL値は会社の規模区分(大会社・中会社・小会社)に応じて定められています。
解き方
- 類似業種の株価データ(当月、前月、前々月、前年平均、2年平均)を比較し、最も低い240円を①に当てはめる。
- 比準要素(配当・利益・純資産)の比率の合計を要素数である3(②)で除し、中会社の斟酌割合0.6(③)を乗じる。
- 「中会社の中」に対応するL値(類似業種比準価額の割合)である0.75(④)を特定し、純資産価額との併用算式に当てはめる。
答えの内訳
- ①:240
- 類似業種の株価は、課税時期の属する月(255円)、前月(260円)、前々月(280円)、前年平均(285円)、前年・前々年の2年間平均(240円)のうち最も低い金額を選択するため、240円となります。
- ②:3
- 財産評価基本通達における類似業種比準価額の算定式では、配当・利益・純資産の比準要素の合計を3で除して平均を求めます。したがって空欄②は3です。
- ③:0.6
- X社は規模区分が「中会社の中」であり、類似業種比準価額の計算における斟酌割合は中会社のため0.6(大会社は0.7、小会社は0.5)となります。
- ④:0.75
- 中会社の中における類似業種比準価額の割合(L)は0.75(中会社の大は0.90、中会社の中は0.75、中会社の小は0.60)です。
覚えるポイント
- 類似業種の株価は最も低い金額を選択できる
- 中会社の斟酌割合は0.6、中会社の中のL値は0.75
間違えやすいところ
- 大会社の斟酌割合0.7や小会社の0.5と混同するミス
- 中会社の大・中・小のL値(0.90、0.75、0.60)を取り違えるミス
出題の前提:2018年4月1日現在施行の法令・財産評価基本通達に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
事業承継税制の特例措置(贈与税の納税猶予)
相続・事業承継 · 事業承継税制 / 非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例
平成30年度税制改正により創設された「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を判定しなさい。 ① 本特例の適用を受けるためには、平成35年3月31日までに後継者や経営計画等が記載された一定の計画書を都道府県知事に提出して確認を受けたうえで、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」に基づく都道府県知事の認定を受ける必要がある。 ② 長男CさんがAさんからその所有するすべてのX社株式の贈与を受け、本特例の適用を受けた場合、その取得したすべてのX社株式に係る課税価格に対応する贈与税の全額について、納税が猶予される。 ③ 本特例の対象となる非上場株式は、会社の代表権を有していた者から贈与を受けた非上場株式に限られるため、長男Cさんが妻Bさんからその所有するX社株式の贈与を受けた場合、その取得したX社株式は本特例の対象とならない。
解答・解説を表示
解答
① ○ ② ○ ③ ×
解説
平成30年度税制改正で創設された事業承継税制の特例措置では、10年間の時限措置として、事前計画の提出を要件に、対象株式数の上限撤廃・猶予割合100%への拡大、および複数株主や代表権を有しない者からの贈与等への対象拡大が行われました。
解き方
- 記述①:特例承継計画の提出期限(平成35年3月31日まで)と認定要件の正誤を確認する(適切)。
- 記述②:特例措置における対象株式上限の撤廃と猶予割合100%の適用関係を確認する(適切)。
- 記述③:特例措置における贈与者要件(先代経営者以外の株主からの贈与も可能)を確認する(不適切)。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 特例措置の適用を受けるためには、2018年(平成30年)4月1日から2023年(平成35年)3月31日までの5年間に特例承継計画を都道府県知事に提出して確認を受け、その後承継円滑化法に基づく認定を受ける必要があります。
- 小問 ②:○
- 特例措置では、対象株式数の上限(発行済株式総数の3分2)が撤廃され全株式が対象となり、納税猶予割合も100%に拡充されたため、贈与税の全額について納税が猶予されます。
- 小問 ③:×
- 特例措置では、先代経営者(代表権を有していた者)以外の者(例えば代表権を有したことがない親族等)からの贈与についても納税猶予の対象となります。したがって妻Bさんからの贈与株式も対象となります。
覚えるポイント
- 特例措置では全株式が対象で納税猶予割合は100%
- 先代経営者以外の複数株主からの贈与・相続も対象に含まれる
間違えやすいところ
- 従来型(一般措置)の「上限3分の2・納税猶予割合80%」と混同するミス
- 贈与者が代表権保持者に限定されると誤解するミス
出題の前提:2018年4月1日現在施行の法令等(平成30年度税制改正により創設された特例措置)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
教育資金および結婚・子育て資金の一括贈与に係る非課税特例の比較
相続・事業承継 · 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置 / 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例」および「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例」に関する比較表の空欄①~③に入る語句または数値の組み合わせとして最も適切なものを語句群から選択しなさい。 【比較表の要約】 ・受贈者の要件(教育資金):教育資金管理契約を締結する日において( ① )歳未満である者 ・非課税限度額(結婚・子育て資金):受贈者1人につき( ② )万円(うち結婚に関する金銭は300万円限度) ・契約期間中に贈与者が死亡したときの資金残額の取扱い(教育資金):( ③ )
- イ
- 20
- ロ
- 25
- ハ
- 30
- ニ
- 50
- ホ
- 1,000
- ヘ
- 1,500
- ト
- 2,000
- チ
- 相続税の課税対象となる
- リ
- 贈与税の課税対象となる
- ヌ
- 所得税の課税対象となる
- ル
- 課税関係は生じない
解答・解説を表示
解答
① ハ、② ホ、③ ル
解説
直系尊属からの一括贈与の非課税制度は、信託会社等を通じて専用口座を開設・管理することにより、一定限度まで贈与税が非課税となる制度です。教育資金と結婚・子育て資金では、対象となる受贈者の年齢要件や非課税限度枠、信託期間中の贈与者死亡時における使い残し残額の税制上の取扱いに明確な差異が設けられています。
解き方
- 教育資金特例の受贈者要件(30歳未満)を確認し、空欄①に「30(ハ)」を当てはめます。
- 結婚・子育て資金特例の非課税限度額(1人あたり1,000万円)を確認し、空欄②に「1,000(ホ)」を当てはめます。
- 2018年4月時点における教育資金特例の贈与者死亡時の規定を確認し、相続税加算等の規定がなかったため空欄③に「課税関係は生じない(ル)」を当てはめます。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ハ
- 教育資金の一括贈与の非課税特例における受贈者の年齢要件は、信託等をする日において30歳未満である者と規定されています。
- 小問 ②:ホ
- 結婚・子育て資金の一括贈与の非課税特例における非課税限度額は、受贈者1人につき1,000万円(このうち結婚資金は300万円が上限)です。
- 小問 ③:ル
- 出題時の法令(2018年4月1日現在施行)において、教育資金の非課税特例は信託期間中に贈与者が死亡した場合であっても、残額について相続税等は課税されず「課税関係は生じない」取扱いでした。
覚えるポイント
- 教育資金の一括贈与は受贈者30歳未満で限度額1,500万円(学校等以外は500万円まで)です。
- 結婚・子育て資金の一括贈与は受贈者20歳以上50歳未満で限度額1,000万円(結婚資金は300万円まで)です。
間違えやすいところ
- 教育資金の一括贈与(上限1,500万円)と結婚・子育て資金(上限1,000万円)の限度額を取り違えやすい点に注意が必要です。
- 教育資金の一括贈与における贈与者死亡時の残額加算ルールは、2019年度以降の税制改正で順次厳格化されていますが、本問は2018年4月1日現在の法令基準に従って解答する必要があります。
出題の前提:2018年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2018年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2018年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2018年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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