日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2017年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務の概要
老齢基礎年金の支給額の計算
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 公的年金 / 国民年金保険料免除期間
Aさん(47歳)および妻Bさん(45歳)に関する資料に基づき、原則として2人が65歳から受給することができる老齢基礎年金の年金額(平成29年度価額779,300円)をそれぞれ計算しなさい(円単位、円未満四捨五入)。なお、Aさんおよび妻Bさんは60歳まで国民年金の保険料を納付するものとする。
解答・解説を表示
解答
① 707,864(円) ② 779,300(円)
解説
老齢基礎年金の年金額は、20歳以上60歳未満の40年間(480月)の保険料納付済月数および免除月数等に応じて計算されます。未納期間は年金額に反映されませんが、免除期間は国庫負担割合(平成21年3月以前の全額免除期間は3分の1、平成21年4月以後は2分の1)が反映されます。また、20歳未満の厚生年金期間は老齢基礎年金の計算基礎月数には含まれません。
解き方
- Aさんの納付済月数(278月+145月=423月)と平成21年3月以前の全額免除期間(39月×1/3=13月)を合算して算入月数436月を求め、満額779,300円に乗じて按分計算する。
- 妻Bさんの加入歴から20歳到達時から60歳到達時までの480月に未納がないことを確認し、満額(480月/480月)が支給されると判定する。
答えの内訳
- ①:707,864(円)
- Aさんの保険料納付済月数は278月+145月=423月、全額免除月数は平成21年3月以前の39月(国庫負担反映割合1/3)です。したがって、779,300円×(423月+39月×1/3)/480月=779,300円×436/480=707,864.16…円となり、円未満四捨五入で707,864円となります。
- ②:779,300(円)
- 妻Bさんは18歳以降未納期間がなく、20歳以上60歳未満の40年間(480月)は厚生年金被保険者期間(第2号被保険者)および国民年金納付期間(第1号被保険者)で全期間納付済みとなります。したがって、480/480の満額である779,300円となります。
覚えるポイント
- 平成21年3月以前の全額免除期間は1/3、平成21年4月以降の全額免除期間は1/2が年金額の計算式に反映されます。
間違えやすいところ
- 妻Bさんの18歳から20歳到達前までの厚生年金期間(24カ月)を老齢基礎年金の納付月数に重複算定してしまう誤りに注意が必要です。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等(平成29年度価額779,300円)
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢基礎年金の繰上げ支給および繰下げ支給
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 繰上げ受給 / 繰下げ受給 / 事後重症障害基礎年金
老齢基礎年金の繰上げ支給および繰下げ支給に関する次の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を、語句群の中から選びなさい。 Ⅰ 「老齢基礎年金の支給開始年齢は原則65歳ですが、Aさんが希望すれば、60歳以上65歳未満の間に老齢基礎年金の繰上げ支給を請求することができます。その場合、受け取る年金額は減額され、繰上げによる減額率は『繰上げ請求月から65歳到達月の前月までの月数×( ① )%』の算式により算出されます。なお、老齢基礎年金の繰上げ支給を請求する場合は、『一生涯減額された年金が支給される』『繰上げ支給の受給権が発生した後は、( ② )の受給権を取得できない』『繰上げ支給の受給権が発生した後に、請求の取消し、変更はできない』等に注意が必要です」 Ⅱ 「Aさんが66歳に達する前に、老齢基礎年金の請求をしていなかった場合は、原則として、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をすることができます。仮に、Aさんが70歳0カ月で老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をした場合の増額率は( ③ )%となります」
- イ
- 0.3
- ロ
- 0.5
- ハ
- 0.7
- ニ
- 30
- ホ
- 42
- ヘ
- 60
- ト
- 障害基礎年金
- チ
- 遺族基礎年金
- リ
- 遺族厚生年金
解答・解説を表示
解答
① ロ ② ト ③ ホ
解説
老齢基礎年金は原則65歳受給開始ですが、希望により60歳から65歳未満の繰上げ受給や66歳以降の繰下げ受給が可能です。繰上げ請求をすると1月あたり0.5%減額(生涯減額)され、事後重症等の障害基礎年金が請求できなくなります。一方、繰下げ申出をすると1月あたり0.7%増額されます。
解き方
- 繰上げ受給における1月あたりの減額率が0.5%であることから空欄①に「ロ」を選択する。
- 繰上げ請求に伴う主な注意点として事後重症による障害基礎年金が受給できなくなる点を確認し、空欄②に「ト」を選択する。
- 70歳0カ月での繰下げ月数(60カ月)に月あたりの増額率0.7%を乗じ、60×0.7%=42%として空欄③に「ホ」を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 0.3%は2022年4月以降の法改正により適用される繰上げ減額率であり、本試験基準日時点では0.5%です。
- 選択肢 ロ正解
- 当時の法令における老齢基礎年金の繰上げによる1月あたりの減額率は0.5%であるため適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 0.7%は老齢基礎年金を繰下げ支給したときの1月あたりの増額率であり、繰上げ減額率ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 30%は60歳0カ月で繰上げ請求した場合の最大減額率(60月×0.5%)であり、70歳繰下げの増額率ではありません。
- 選択肢 ホ正解
- 70歳0カ月で繰下げた場合の増額率は60月×0.7%=42%となるため適切です。
- 選択肢 ヘ不正解
- 60は65歳から70歳到達月までの月数(60月)であり、増額率(%)ではありません。
- 選択肢 ト正解
- 老齢基礎年金の繰上げ請求を行った後は、事後重症等による障害基礎年金を請求することができなくなります。
- 選択肢 チ不正解
- 繰上げ請求を行った後であっても、所定の受給要件を満たせば遺族基礎年金の受給権を取得することは可能です。
- 選択肢 リ不正解
- 繰上げ請求を行った後であっても、配偶者の死亡等により要件を満たせば遺族厚生年金の受給権を取得できます。
答えの内訳
- ①:ロ
- 本試験基準日における老齢基礎年金の繰上げ減額率は、1月あたり0.5%です。
- ②:ト
- 老齢基礎年金の繰上げ請求をすると65歳に達したものとみなされるため、事後重症等による障害基礎年金の受給権を取得できなくなります。
- ③:ホ
- 65歳到達月から70歳0カ月までの繰下げ月数は60月です。増額率は1月あたり0.7%であるため、60月×0.7%=42%となります。
覚えるポイント
- 繰上げ減額率は月0.5%、繰下げ増額率は月0.7%です。繰上げを行うと障害基礎年金の事後重症請求が不可となります。
間違えやすいところ
- 繰下げ増額率の計算で65歳から70歳までの月数を60月ではなく別の月数で掛けてしまう誤りに注意しましょう。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金の上乗せ制度および小規模企業共済制度
ライフプランニングと資金計画 · 付加年金 / 小規模企業共済 / 国民年金基金
個人事業主の老後生活資金を増やす各種制度に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を判定しなさい。 ①「Aさんは、老後の生活資金を増やすために、国民年金の付加保険料を納付することができます。付加保険料は月額400円で、国民年金の定額保険料に上乗せして納付します」 ②「小規模企業共済制度は、Aさんのような個人事業主が廃業した場合に必要となる資金を準備しておくための共済制度です。毎月の掛金は、1,000円から68,000円の範囲内で、1,000円刻みで選択でき、その全額が所得控除の対象となります」 ③「国民年金基金は、老齢基礎年金に上乗せする年金を支給する任意加入の年金制度です。国民年金基金への加入は口数制となっており、1口目は保証期間のある終身年金A型、保証期間のない終身年金B型の2種類のなかからの選択となります」
- ○
- 適切
- ×
- 不適切
解答・解説を表示
解答
① ○ ② × ③ ○
解説
国民年金の第1号被保険者は、老齢基礎年金のみでは受給額が不足しやすいため、付加年金、国民年金基金、小規模企業共済などの上乗せ制度を活用して老後資金を準備します。各制度の掛金限度額や併用関係、税制上の優遇措置を正確に把握することが重要です。
解き方
- 付加保険料の対象者と保険料の月額要件を確認する。
- 小規模企業共済制度の掛金の最低・最高限度額および刻み単位を確認する。
- 国民年金基金の1口目の加入要件(給付の種類)を確認し、各記述の正誤を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 国民年金の第1号被保険者は、定額の保険料に加えて月額400円の付加保険料を納付することができます。受給する付加年金の年額は「200円×付加保険料納付月数」となります。
- 小問 ②:×
- 小規模企業共済の掛金月額は「1,000円から70,000円まで(500円単位)」で設定します。「1,000円から68,000円、1,000円刻み」とする本問の記述は不適切です。
- 小問 ③:○
- 国民年金基金の給付設計は口数制であり、加入時の1口目は「保証期間付終身年金(A型)」または「保証期間なし終身年金(B型)」のいずれかを選択しなければなりません。
覚えるポイント
- 付加保険料は月額400円、受け取る付加年金額は年額200円×納付月数(国民年金基金とは重複加入不可)。
- 小規模企業共済の掛金は月額1,000円〜70,000円(500円単位)で全額が小規模企業共済等掛金控除の対象。
間違えやすいところ
- 国民年金基金・iDeCoの掛金上限(月額68,000円)と、小規模企業共済の掛金上限(月額70,000円)を混同しやすいので注意する。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の補償限度額および仕組み
リスク管理 · 自賠責保険 / 保険金支払限度額 / 重過失減額 / 自賠責保険料の決定要素
自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)に関する次の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、語句群の中から選びなさい。 ⅰ)「自賠責保険は、自動車損害賠償保障法の規定によって、原則として、すべての車に加入が義務付けられています。自賠責保険における被害者1人当たりの保険金の支払限度額は、死亡の場合で( ① )万円、傷害の場合で( ② )万円です。また、後遺障害の場合は障害の程度に応じて最高で4,000万円です。なお、自賠責保険では、被害者に重大な過失がある場合、損害賠償として支払われる保険金の額が減額( ③ )」 ⅱ)「自賠責保険の保険料は、( ④ )や保険期間に応じて定められており、締結する保険会社、自動車の走行距離等による差異はありません」
- イ
- 80
- ロ
- 100
- ハ
- 120
- ニ
- 2,000
- ホ
- 3,000
- ヘ
- 3,500
- ト
- 自動車の車種
- チ
- 運転者の範囲・年齢
- リ
- 運転者の等級区分
- ヌ
- されることはありません
- ル
- される可能性があります
解答・解説を表示
解答
① ホ ② ハ ③ ル ④ ト
解説
自賠責保険は自動車事故の被害者救済を目的とした強制保険であり、対人賠償事故のみを補償対象としています。支払限度額は法令で被害者1人当たりに定められており、保険料も車種や保険期間、地域等によって一律に定められ、契約会社による差異はありません。
解き方
- 自賠責保険の死亡時・傷害時の被害者1人当たりの法定支払限度額(死亡3,000万円、傷害120万円)を確認する。
- 被害者に重過失(過失割合7割以上)がある場合の減額規定の有無を確認する。
- 自賠責保険料を決定する要素(自動車の車種、保険期間、地域等)と任意自動車保険の決定要素(年齢条件、等級等)を区別して選択する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ホ
- 自賠責保険における被害者1人当たりの死亡による損害の支払限度額は3,000万円です。
- 小問 ②:ハ
- 自賠責保険における被害者1人当たりの傷害による損害の支払限度額は120万円です。
- 小問 ③:ル
- 被害者保護の観点から原則として過失相殺は行われませんが、被害者に7割以上の重大な過失がある場合には保険金が減額される可能性があります。
- 小問 ④:ト
- 自賠責保険の保険料は、自動車の車種区分、保険期間、地域(本土・離島等)に応じて定められており、どの損害保険会社で契約しても同額です。
覚えるポイント
- 自賠責保険の限度額:傷害120万円、死亡3,000万円、後遺障害最高4,000万円(常時介護等を要する場合)。
- 自賠責保険は対人賠償のみ対象で、対物賠償や自身の怪我・車両損害は補償されない。
間違えやすいところ
- 自賠責保険は過失割合に関係なく全額支給されると誤認しやすいが、被害者に7割以上の重過失がある場合は減額される。
- 運転者の年齢条件や無事故割引(等級)が自賠責保険にも適用されると混同しやすい点に注意する。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
自賠責保険の補償対象・未加入時の罰則および任意保険との関係
リスク管理 · 自賠責保険 / 自動車損害賠償保障法 / 任意自動車保険
MさんがAさんに対して説明した自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)および任意自動車保険の内容等に関する次の記述①〜③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① 「排気量250cc以下の二輪自動車や原動機付自転車は車検がありませんので、自賠責保険に加入する(自賠責保険を継続する)ことを失念してしまう可能性があります。自賠責保険に未加入の状態で走行した場合は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられ、違反点数6点(免許停止処分)が付されます」 ② 「民間の損害保険会社等で加入する自動車保険では、対人事故の損害賠償について、自賠責保険等で支払われるべき部分を除いて、保険金が支払われます。人身事故では、賠償金額が高額となる場合が多く、自賠責保険の補償額だけでは十分でないケースがあることを理解してください」 ③ 「自賠責保険は対人賠償および対物賠償が補償の対象となります。Aさん自身のケガや自動車の車両の損害などは、自賠責保険では補償されませんので、自動車保険を契約するようにしてください」
解答・解説を表示
解答
① ○ ② ○ ③ ×
解説
自賠責保険は自動車損害賠償保障法に基づく強制保険であり、被害者の身体生命に対する損害(対人賠償)のみを最低限補償します。物損事故や自損事故、自賠責の限度額を超える損害は民間の任意自動車保険で補償します。
解き方
- 自賠責保険の未加入運行に対する罰則(1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金、違反点数6点)の妥当性を確認する。
- 任意自動車保険の対人賠償保険が自賠責保険の上乗せ補償として機能する仕組みを確認する。
- 自賠責保険の補償範囲が「対人賠償のみ」であり、対物賠償は含まれない点を確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 自動車損害賠償保障法により、車検のない250cc以下の軽二輪や原動機付自転車であっても自賠責保険への加入が義務付けられています。未加入で運行した場合は1年以下の懲役または50万円以下の罰金となり、道路交通法上の違反点数6点が付され、即座に免許停止処分の対象となります。
- 小問 ②:○
- 民間の任意自動車保険(対人賠償保険)は、自賠責保険等による支払額を超える損害賠償額を補償する「上乗せ補償」として機能します。人身事故で生じる高額な損害賠償金に対して自賠責保険の限度額だけでは不足するため、任意保険の加入が不可欠です。
- 小問 ③:×
- 自賠責保険は交通事故の被害者救済を目的とした対人賠償(死亡・後遺障害・傷害)のみを補償対象としており、他人の財物を壊した損害に対する対物賠償は補償対象外です。運転者自身の傷害や自車の損害のみならず、対物損害にも備えるために任意自動車保険の手配が必要です。
覚えるポイント
- 自賠責保険は対人賠償のみが対象で、対物賠償・自車損害・自己の死傷は対象外。
- 無保険運行(自賠責未加入走行)は1年以下の懲役または50万円以下の罰金、違反点数6点。
間違えやすいところ
- 自賠責保険で対物事故も補償されると誤認しやすいので注意する。
- 車検がない250cc以下の二輪や原付は自賠責の加入義務がないと誤解しないようにする。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
任意自動車保険の保険料決定要素・車両保険の補償範囲・等級制度
リスク管理 · 任意自動車保険 / 車両保険 / ノンフリート等級制度 / 1等級ダウン事故
MさんがAさんに対して説明した自動車保険の商品性に関する次の記述①〜③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① 「自動車保険の保険料は、一般に、運転者の範囲・年齢、使用目的、車種、走行距離等により、決まります。また、代理店を介さない通販型自動車保険に加入することにより、保険料が割安になる場合もあります」 ② 「車両保険は、保険会社によって呼称は異なりますが、『一般条件』『一般車両』はさまざまな事故をカバーし、『車対車+A』『エコノミー』は補償の対象となる事故の範囲を相手自動車との衝突事故などに限定しています。Aさんのカーライフに合わせて、補償内容とそれに応じた保険料について検討されることをお勧めします」 ③ 「保険事故(対物賠償)があった後に自動車保険を更新する場合、等級は3等級下がり、更新後の保険料は高くなります。ただし、自然災害などにより車両保険金のみを受け取った場合は、いわゆるノーカウント事故に該当するため、等級は変わらず、保険料は据置きになります」
解答・解説を表示
解答
① ○ ② ○ ③ ×
解説
ノンフリート等級制度において、対人・対物賠償等の事故は「3等級ダウン事故」、台風や盗難など一定の原因による車両保険事故は「1等級ダウン事故」、人身傷害保険のみの請求などは「ノーカウント事故」として取り扱われます。
解き方
- リスク細分型自動車保険の料率決定要因および通販型の特徴が正しいか確認する。
- 車両保険の「一般条件」と「限定特約(車対車+Aなど)」の補償範囲の相違を確認する。
- 自然災害等による車両保険金の請求が「ノーカウント事故」ではなく「1等級ダウン事故」に該当することを確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 自動車保険(リスク細分型)の保険料は、年齢条件、運転者限定特約、使用目的、車種(型式別料率クラス)、年間走行距離等に応じて細分化されて決定されます。通販型(ダイレクト型)は中間コストを削減できるため、一般に代理店型に比べ保険料が割安です。
- 小問 ②:○
- 車両保険の一般条件(フルカバー型)は、単独事故(自損事故)や当て逃げを含む幅広い事故を補償します。一方、限定条件(エコノミー型・車対車+A等)は、相手自動車が確認できる衝突・接触事故や盗難・火災・自然災害等に補償範囲を限定し保険料を抑えています。
- 小問 ③:×
- 台風・洪水・竜巻・落雷・火災・飛来中または落下中の物との衝突などの自然災害や飛来物被害により車両保険金のみを受け取った場合、現在の等級制度では「1等級ダウン事故」として扱われ、更新後の等級は1等級下がるとともに「事故有係数」が1年間適用されます。ノーカウント事故には該当しません。
覚えるポイント
- 自然災害(台風・洪水・雹など)や盗難による車両保険金請求は「1等級ダウン事故」。
- 人身傷害補償保険や弁護士費用特約のみの請求は「ノーカウント事故」。
間違えやすいところ
- 過去の旧等級制度(等級据え置き事故)と現行の1等級ダウン事故を混同しないようにする。
- 車両保険の限定タイプでも、相手自動車が特定できない当て逃げや自損事故は補償対象外となる点に注意する。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
役員退職金に係る退職所得の金額の計算
タックスプランニング · 退職所得控除額 / 退職所得の金額 / 役員退職金
食品加工業を営むX社の創業社長であるAさん(73歳)が、役員在任期間(勤続年数)35年3カ月で退任し、X社から役員退職金として1億円を受給した。Aさんが受け取る役員退職金に係る退職所得の金額を計算するにあたり、下記の計算式の空欄①~③に入る数値を求めなさい。なお、Aさんに他の退職手当等はなく、障害者になったことによる退職ではないものとする。 〈退職所得控除額〉 800万円+( ① )万円×(□□□年-20年)=( ② )万円 〈退職所得の金額〉 (1億円-( ② )万円)×△△△=( ③ )万円
解答・解説を表示
解答
① 70 ② 1,920 ③ 4,040
解説
退職所得の控除額は勤続年数20年以下は年40万円、20年超は年70万円で端数は1年に切り上げます。役員等勤続年数が5年を超える場合の退職所得は控除後の金額を2分の1にして計算します。
解き方
- 役員在任期間35年3カ月の端数を切り上げて勤続年数を36年と判定します。
- 勤続年数20年超の算式「800万円+70万円×(36年-20年)」から退職所得控除額1,920万円を算出します。
- 役員在任期間が5年超であることを確認し、(収入金額1億円-1,920万円)×1/2により退職所得の金額4,040万円を算出します。
答えの内訳
- ①:70
- 勤続年数が20年を超える場合の退職所得控除額は、「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」の算式で計算するため、①には「70」が入ります。
- ②:1,920
- 勤続年数の1年未満の端数は切り上げて36年となります。退職所得控除額は、800万円+70万円×(36年-20年)=1,920万円となります。
- ③:4,040
- 役員等としての勤続年数が5年を超えるため、通常の退職所得と同様に2分の1計算が適用されます。(1億円-1,920万円)×1/2=4,040万円となります。
覚えるポイント
- 退職所得控除の勤続年数は1年未満の端数を切り上げて1年として計算します。
- 役員等勤続年数が5年以下の特定役員退職手当等は2分の1課税が適用されません。
間違えやすいところ
- 勤続年数35年3カ月を35年として計算してしまう誤りに注意が必要です。
- 役員退職金だからといって勤続年数にかかわらず2分の1課税が除外されると誤認しないようにします。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の所得税法等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
労働災害総合保険の商品内容
リスク管理 · 労働災害総合保険 / 法定外補償保険 / 使用者賠償責任保険 / 保険料精算方式
X社が加入を検討している労働災害総合保険の商品内容等に関する次の記述①~④について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を付けなさい。 ① 労働災害総合保険は、政府労災保険の上乗せ補償を目的とした「法定外補償保険」と、労働災害について使用者が法律上の損害賠償責任を負うことによる損害を補償する「使用者賠償責任保険」の2つの補償から構成されている。 ② 労働災害総合保険は、「法定外補償保険」と「使用者賠償責任保険」のいずれか一方のみに加入することはできない。 ③ 労働災害総合保険は、政府労災保険の認定とは関係なく、損害保険会社所定の認定基準を満たすことで保険金が支払われる。 ④ 労働災害総合保険には、契約時に平均被用者数や賃金総額の見込額に基づき算出された暫定保険料を支払い、保険期間終了後に実際の数値に基づき確定保険料と精算する契約方式がある。
解答・解説を表示
解答
① ○ ② × ③ × ④ ○
解説
労働災害総合保険は、政府労災保険の上乗せとして定額給付する法定外補償と、民法上の損害賠償責任を担保する使用者賠償責任保険から成り、単独加入や確定精算方式の選択が可能です。
解き方
- 労働災害総合保険の基本構成(法定外補償保険と使用者賠償責任保険)および単独加入の可否を確認します。
- 政府労災保険の給付認定が保険金支払要件となっているかどうかの原則を確認します。
- 被用者数や賃金総額の変動に対応した暫定保険料による精算方式の仕組みを確認します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 適切です。労働災害総合保険は、政府労災保険の上乗せ補償を行う「法定外補償保険」と、使用者の法律上の損害賠償責任を補償する「使用者賠償責任保険」で構成されています。
- 小問 ②:×
- 不適切です。労働災害総合保険は、企業のニーズに合わせて「法定外補償保険」または「使用者賠償責任保険」のいずれか一方のみを選択して加入することも可能です。
- 小問 ③:×
- 不適切です。労働災害総合保険は原則として、政府労災保険において業務上災害または通勤災害として認定され、労災保険給付が支払われることを条件として保険金が支払われます。
- 小問 ④:○
- 適切です。平均被用者数や賃金総額の見込額に基づいて暫定保険料を支払い、保険期間満了後に実績値で確定保険料を計算して過不足を精算する契約方式があります。
覚えるポイント
- 労働災害総合保険の法定外補償保険と使用者賠償責任保険は単独でも加入可能です。
- 保険金の支払いは原則として政府労災保険の認定・給付が前提条件となります。
間違えやすいところ
- 2つの補償が必ずセットでなければ契約できないと誤解しないよう注意が必要です。
- 政府労災保険の給付可否と完全に独立して損保会社独自基準のみで支払われると混同しないようにします。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の損害保険商品実務基準に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
企業の各種損害保険(利益保険・PL保険・サイバー保険)
リスク管理 · 企業費用・利益総合保険 / 生産物賠償責任保険 / リコール費用保険 / サイバーリスク保険
食品加工業を営むX社に対する損害保険のアドバイスに関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を判定しなさい。 ① 火災等により操業停止となった場合の売上高・利益の減少や継続固定費、業務継続のための追加費用等の利益損失および費用を補償する企業費用・利益総合保険(いわゆる利益保険)への加入を検討すること。 ② 生産物賠償責任保険(PL保険)は他人の身体・財物に損害を与えた法律上の損害賠償責任を補償するが、偶然の汚染事故等に伴う商品の回収・廃棄等の費用をカバーするにはリコール保険(生産物品質保険・生産物回収費用保険)への加入が必要であること。 ③ 外部からの不正アクセスや従業員の行為等のサイバーリスクによって顧客の個人情報が漏えいした場合に発生する損害賠償金の支払や対応費用を補償する保険商品があること。
解答・解説を表示
解答
① ○ ② ○ ③ ○
解説
企業活動に伴うリスクは物的財産の焼失だけでなく、休業に伴う喪失利益・継続固定費、製品事故に伴う対人対物賠償および回収費用、情報漏洩やサイバー攻撃損害など多岐にわたり、それぞれ適切な専用保険を手配する必要があります。
解き方
- 記述①について、操業停止に伴う経常利益の喪失や継続固定費、営業継続の追加費用をカバーする利益保険の補償対象を確認する。
- 記述②について、PL保険の補償範囲(対人・対物賠償責任)と回収・廃棄費用等を補償するリコール保険の役割分担を確認する。
- 記述③について、情報漏洩や不正アクセス等による損害賠償および各種対応費用を補償するサイバーリスク保険の特徴を確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 企業費用・利益総合保険(利益保険)は、火災等の事故により休業を余儀なくされた期間の営業利益の減少や、人件費・地代等の継続固定費、事業を早期再開・継続するための追加費用を包括して補償する保険です。
- 小問 ②:○
- 生産物賠償責任保険(PL保険)は製品の欠陥による第三者への対人・対物賠償を対象としており、製品自体の回収・廃棄費用は免責とされているため、それらをカバーするにはリコール保険の加入が必要です。
- 小問 ③:○
- サイバーリスク保険(サイバー保険)は、外部からの不正アクセスや役員・従業員の不注意等による個人情報・機密情報の漏えいに起因する損害賠償金や謝礼・調査費用等を幅広く補償します。
覚えるポイント
- PL保険は第三者への損害賠償を補償し、自社製品の回収・廃棄費用等はリコール保険等で手配する。
- 利益保険は物損事故後の休業による喪失利益や、操業停止中も発生する地代・人件費等の固定費を補償する。
間違えやすいところ
- PL保険ですべての製品回収・リコール費用まで自動的に補償されると誤認しやすい。
- 通常の火災保険で休業中の売上減少や固定費までカバーされると混同しやすい。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令および各種損害保険商品基準
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅借入金等特別控除の要件・控除期間・限度額
タックスプランニング · 住宅借入金等特別控除 / 認定長期優良住宅 / 床面積要件 / 借入金償還期間要件
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)に関する以下の文章の空欄①~③に入る最も適切な数値を答えなさい。 「平成29年中に住宅ローンを利用して自己の居住用住宅の取得等をした場合、所定の要件を満たせば、住宅ローンの年末残高に所定の割合(控除率)を乗じて得た金額を、居住の用に供した年分以後( ① )年間の各年分の所得税額から控除することができます。本控除の対象となる住宅ローンの年末残高には限度額が設けられています。Aさんのように取得した住宅が認定長期優良住宅に該当する場合(特定取得の場合)、対象となる住宅借入金等の年末残高の限度額は( ② )万円となります。 Aさんの場合、住宅ローンの年末残高は( ② )万円よりも少ないため、住宅ローンの年末残高に控除率を乗じて得た金額を、所得税額から控除することができます。仮に、この控除額がその年分の所得税額から控除しきれない場合は、その控除しきれない残額(一定の限度額がある)が翌年度分の住民税額から控除されます。 なお、本控除の適用を受けるための要件には、『取得した住宅の床面積は( ③ )㎡以上であること』『住宅ローンの返済期間が( ① )年以上であること』『適用を受けようとする者の合計所得金額が3,000万円以下であること』などがあります」
解答・解説を表示
解答
① 10(年) ② 5,000(万円) ③ 50(㎡)
解説
住宅借入金等特別控除は、返済期間10年以上の住宅ローン等を利用して床面積50㎡以上の自己居住用住宅を取得等した居住者が、10年間にわたり各年末残高の一定割合を税額控除できる制度であり、認定長期優良住宅等では借入限度額が拡充されます。
解き方
- 住宅借入金等特別控除の控除対象期間および住宅ローンの必要返済期間要件が10年であることから空欄①を特定する。
- 認定長期優良住宅の特定取得における借入金年末残高の最高限度額(5,000万円)を確認して空欄②を特定する。
- 適用を受ける住宅の登記簿面積要件(下限50㎡以上)を確認して空欄③を特定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:10(年)
- 住宅借入金等特別控除の控除期間は居住の用に供した年以後10年間であり、適用対象となる住宅ローンの返済期間(償還期間)も10年以上であることが要件とされています。
- 小問 ②:5,000(万円)
- 特定取得における借入金年末残高の限度額は、一般住宅では4,000万円ですが、認定長期優良住宅または認定低炭素住宅に該当する場合は5,000万円に引き上げられます。
- 小問 ③:50(㎡)
- 住宅借入金等特別控除の適用を受けるための床面積要件は、登記簿上の床面積(マンションなど区分所有建物の場合は専有部分の内法計算による床面積)が50㎡以上であることです。
覚えるポイント
- 住宅借入金等特別控除の一般限度額は4,000万円、認定長期優良住宅等の限度額は5,000万円(消費税率8%以上の特定取得時)。
- 要件となる床面積は50㎡以上であり、マンションでは壁芯ではなく登記簿上の内法面積で判定する。
間違えやすいところ
- 一般住宅の借入限度額(4,000万円)と認定長期優良住宅等の拡充限度額(5,000万円)を取り違えやすい。
- マンションの専有面積をパンフレット上の壁芯面積で判定し、登記簿の内法計算で50㎡を下回るケースを見落としやすい。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の所得税法および租税特別措置法
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の扶養控除・住宅借入金等特別控除・確定申告の手続
タックスプランニング · 扶養控除 / 住宅借入金等特別控除 / 確定申告
会社員Aさんの平成29年分の所得税の課税に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ①「Aさんと同居し、生計を一にしている母Dさんは特定扶養親族に該当します。Aさんが適用を受けることができる扶養控除の額は63万円です」 ②「Aさんが平成29年分の所得税において住宅借入金等特別控除の適用を受けるためには、一定の書類を添付して、確定申告をする必要がありますが、平成30年分以後の所得税については、年末調整においてその適用を受けることができます」 ③「確定申告書は、原則として、平成30年2月16日から3月15日までの間にAさんの勤務地を所轄する税務署長に提出してください」
解答・解説を表示
解答
① × ② ○ ③ ×
解説
所得税の扶養控除は親族の年齢や同居の有無により区分(一般・特定・老人)や控除額が異なります。また、給与所得者の税額控除の手続や申告書の提出先(原則として納税地・住所地)の基本ルールを正しく理解することが重要です。
解き方
- 母Dさんの年齢(75歳)と同居状況から扶養控除の区分(同居老親等の老人扶養親族:58万円)を確認し、特定扶養親族(19歳以上23歳未満:63万円)との相違を判定する。
- 給与所得者の住宅ローン控除の手続(1年目は確定申告必須、2年目以降は年末調整可能)を確認する。
- 所得税の確定申告書の提出先が勤務地ではなく住所地等の納税地を所轄する税務署長であることを確認する。
答えの内訳
- ①:×
- 母Dさんは75歳であり、控除対象扶養親族のうち70歳以上の者に該当するため「老人扶養親族」となります。さらに同居しているため「同居老親等」に該当し、扶養控除額は58万円です。特定扶養親族は19歳以上23歳未満の親族(控除額63万円)を指すため不適切です。
- ②:○
- 給与所得者が住宅借入金等特別控除の適用を受ける場合、適用を受ける最初の年分は確定申告書を提出しなければなりませんが、2年目以降の年分については勤務先の年末調整で控除の適用を受けることができます。
- ③:×
- 所得税の確定申告書の提出先は、原則として申告時の「納税地(原則として住所地)」を所轄する税務署長であり、勤務地を所轄する税務署長ではないため不適切です。
覚えるポイント
- 同居老親等の老人扶養親族(70歳以上)の控除額は58万円、特定扶養親族(19歳以上23歳未満)は63万円。
- 確定申告書の提出先は原則として住所地(納税地)を所轄する税務署長。
間違えやすいところ
- 老人扶養親族(70歳以上)と同居老親等の控除額(別居48万円・同居58万円)と特定扶養親族(63万円)を取り違えやすい。
- 給与所得者の申告書の提出先を勤務地所轄の税務署と誤認しやすい。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
給与所得者の総所得金額および所得税額の計算
タックスプランニング · 給与所得控除 / 地震保険料控除 / 所得税の税額計算 / 住宅借入金等特別控除
会社員Aさんの平成29年分の所得税額の計算において、下記の表の空欄①~④に入る最も適切な数値を求めなさい。 ・給与収入金額:750万円 ・地震保険料年間支払額:10,000円 ・所得控除合計額:2,500,000円 ・年末借入金残高:1,470万円(認定長期優良住宅・特定取得・適用要件充足) 表の項目: (a)総所得金額 ( ① )円 地震保険料控除 ( ② )円 (b)所得控除の額の合計額 2,500,000円 (c)課税総所得金額(a-b) □□□円 (d)算出税額(cに対する所得税額) ( ③ )円 (e)税額控除(住宅借入金等特別控除) ( ④ )円
解答・解説を表示
解答
① 5,550,000(円) ② 10,000(円) ③ 207,500(円) ④ 147,000(円)
解説
所得税の計算は、収入から給与所得控除を差し引いて総所得金額を算出し、所得控除を差し引いて課税総所得金額を求めた上で超過累進税率を適用して算出税額を求め、最後に住宅借入金等特別控除等の税額控除を差し引くという順序で行います。
解き方
- 給与収入750万円から給与所得控除額(10%+120万円=195万円)を引いて総所得金額555万円を求める。
- 地震保険料10,000円から地震保険料控除額10,000円を算定する。
- 総所得金額から所得控除合計250万円を差し引き、課税総所得金額305万円に速算表(10%-97,500円)を適用して算出税額207,500円を計算する。
- 住宅ローンの年末残高1,470万円に控除率1%を乗じて住宅借入金等特別控除額147,000円を算出する。
答えの内訳
- ①:5,550,000
- 給与収入750万円に対する給与所得控除額は「750万円×10%+120万円=195万円」です。したがって、給与所得の金額(総所得金額)は「7,500,000円-1,950,000円=5,550,000円」となります。
- ②:10,000
- 支払った地震保険料が50,000円以下の場合、支払金額の全額が地震保険料控除額となります。本問の支払保険料は10,000円であるため、控除額は10,000円です。
- ③:207,500
- 課税総所得金額は「総所得金額5,550,000円-所得控除合計2,500,000円=3,050,000円」です。所得税の速算表(195万円超330万円以下:税率10%、控除額97,500円)を適用し、「3,050,000円×10%-97,500円=207,500円」となります。
- ④:147,000
- 認定長期優良住宅の借入限度額は5,000万円であり、年末残高1,470万円は全額が対象です。住宅借入金等特別控除額は年末残高の1%であるため、「14,700,000円×1%=147,000円」となります。
覚えるポイント
- 地震保険料控除は年間支払保険料が5万円以下ならその全額が控除される。
- 住宅借入金等特別控除額は原則として住宅ローンの年末残高に控除率1%を乗じて計算する。
間違えやすいところ
- 火災保険料は地震保険料控除の対象外であるため合算して計算しないよう注意が必要。
- 課税総所得金額の算出時に所得控除合計額の引き忘れや速算表の控除額の引き忘れに注意する。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の基礎控除額・申告期限および相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 遺産に係る基礎控除額 / 相続税の申告期限 / 相続税の総額の計算
被相続人母Cさん(法定相続人は長男Aさんおよび弟Bさんの2人)の相続に関する次の文章の空欄①〜③に入る数値を求めなさい。なお、課税価格の合計額を2億円と仮定して相続税の総額を計算するものとする。 Ⅰ「母Cさんの相続における遺産に係る基礎控除額は( ① )万円である。課税価格の合計額が基礎控除額を超えるため申告が必要となり、申告書の提出期限は相続の開始があったことを知った日の翌日から( ② )カ月以内となる」 Ⅱ「課税価格の合計額を2億円とした場合の相続税の総額は( ③ )万円となる」
解答・解説を表示
解答
① 4,200(万円) ② 10(カ月) ③ 3,340(万円)
解説
相続税の税額計算では、課税価格の合計額から遺産に係る基礎控除額を控除して課税遺産総額を求め、それを法定相続人が法定相続分に応じて取得したものと仮定して各人の税額を算出し、最後にそれらを合算して相続税の総額を求めます。
解き方
- 法定相続人の数(2人)から基礎控除額「3,000万円+600万円×2=4,200万円」を算出し、申告期限が「10カ月以内」であることを確認します。
- 課税遺産総額(2億円-4,200万円=1億5,800万円)を法定相続分(各1/2)で按分し、各人の取得金額7,900万円に速算表を適用して算出した税額を合算します。
答えの内訳
- ①:4,200
- 遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。法定相続人は子2人(長男Aさん、弟Bさん)であるため、3,000万円+600万円×2=4,200万円となります。
- ②:10
- 相続税の申告および納税の期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内です。
- ③:3,340
- 課税遺産総額は、課税価格の合計額2億円から基礎控除額4,200万円を差し引いた1億5,800万円です。これを法定相続分(各2分の1)で按分すると各自7,900万円となります。速算表より各自の税額は「7,900万円×30%-700万円=1,670万円」となり、2人分を合算した相続税の総額は「1,670万円×2=3,340万円」となります。
覚えるポイント
- 遺産に係る基礎控除額の計算式は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。
- 相続税の申告・納付期限は「相続開始を知った日の翌日から10カ月以内」です。
間違えやすいところ
- 準確定申告の期限(4カ月以内)と相続税の申告期限(10カ月以内)を取り違えないように注意が必要です。
- 実際の遺産分割割合ではなく、法定相続分で仮に按分して各人の税額を計算してから総額を合算する手順を忘れないようにします。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続手続、所得税の準確定申告、生命保険金の非課税限度額
相続・事業承継 · 相続関係手続と戸籍謄本 / 準確定申告の提出期限 / 生命保険金等の非課税枠
母Cさんの相続に関する次の記述①〜③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ①「相続手続きには戸籍謄本等の収集が必要であり、これらは相続税の申告、不動産の相続登記、預金の名義変更等で必要となる」 ②「賃貸アパート経営の母Cさんが平成29年分の所得税等の確定申告が必要な場合、相続人は原則として平成30年2月16日から3月15日までに所轄税務署長へ準確定申告書を提出しなければならない」 ③「Aさんが受け取る死亡保険金はみなし相続財産として課税対象となるが、死亡保険金の非課税金額の規定の適用により、課税価格には算入されない」
解答・解説を表示
解答
① ○ ② × ③ ○
解説
被相続人の死亡に伴う諸手続では、相続人の確定に必要な戸籍謄本類の収集、通常の確定申告とは異なり「4カ月以内」と定められている準確定申告の期限、さらにみなし相続財産における「500万円×法定相続人の数」の非課税規定を正確に把握することが重要です。
解き方
- 相続手続き全般における戸籍謄本類の必要性を確認します。
- 被相続人が死亡した年分の所得税に関する準確定申告の提出期限(4カ月以内)を適用して記述の適否を判断します。
- 死亡保険金の非課税限度額(500万円×2人=1,000万円)と受取保険金額(1,000万円)を比較し、課税価格への算入の有無を判定します。
答えの内訳
- ①:○
- 相続人を確定させるため被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等が必要となり、相続税申告、不動産の所有権移転登記(相続登記)、金融機関の口座名義変更や払戻しなどの各種手続で提出が求められます。
- ②:×
- 年の途中で死亡した者の準確定申告の提出期限は、原則的な確定申告期間(翌年2月16日〜3月15日)ではなく、「相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内」です。
- ③:○
- 被相続人が保険料を負担していた生命保険契約の死亡保険金はみなし相続財産となりますが、「500万円×法定相続人の数」が非課税限度額となります。本問では法定相続人2人に対して限度額が1,000万円であり、受取額1,000万円と同額であるため全額が非課税となり課税価格に算入されません。
覚えるポイント
- 被相続人の準確定申告の申告・納付期限は「相続開始を知った日の翌日から4カ月以内」です。
- 死亡保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」です。
間違えやすいところ
- 準確定申告の提出期限を通常の確定申告の期間(翌年2月16日〜3月15日)と混同しないよう注意が必要です。
- 死亡保険金の非課税規定の適用を受けられるのは相続人のみであり、相続放棄をした者や相続人以外の受取人には適用されません。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例
タックスプランニング · 空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例 / 適用要件 / 新耐震基準 / 譲渡対価の限度
実家の敷地および建物の譲渡について、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」に関する次の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、語句群の中から選びなさい。 Ⅰ 「平成28年度税制改正において、『被相続人の居住用財産(空き家)を譲渡した場合の( ① )万円の特別控除の特例(以下、「本特例」という)』が創設されています。被相続人の居住用家屋およびその敷地を取得した相続人が、その家屋または敷地を譲渡した場合、所定の要件を満たせば、( ① )万円の特別控除の適用を受けることができます。実家(敷地および建物)をAさんと弟Bさんの共有名義で取得し、本特例の適用を受けることができれば、各人がそれぞれ最高( ① )万円の特別控除の適用を受けることができます」 Ⅱ 「本特例の適用を受けるための要件としては、『( ② )年5月31日以前に建築された戸建て住宅で、相続開始直前において被相続人が1人で居住していたこと』『相続開始後、事業・貸付・居住の用に供しておらず、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に行われる譲渡で、相続開始日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること』『譲渡する際は、( ③ )で譲渡するか、家屋を新耐震基準でリフォームしてからその家屋・敷地を譲渡しなければならず、その譲渡価額は( ④ )円以下であること』等が挙げられます。本特例の適用を受けることを念頭に、譲渡価額、譲渡期間、費用負担等を踏まえ、適用の可否を総合的に判断する必要があります」
- イ
- 1,000
- ロ
- 2,500
- ハ
- 3,000
- ニ
- 1億
- ホ
- 1億5,000万
- ヘ
- 2億
- ト
- 昭和56
- チ
- 平成3
- リ
- 平成12
- ヌ
- 家屋を解体して更地
- ル
- 家屋を現況の空き家のまま
解答・解説を表示
解答
① ハ ② ト ③ ヌ ④ ニ
解説
被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例は、増大する空き家問題の解消を目的として導入された制度です。旧耐震基準(昭和56年5月31日以前建築)の戸建て空き家について、新耐震基準に適合させるか解体して更地として譲渡した場合に、譲渡所得から最高3,000万円(売却代金1億円以下などの要件あり)を控除できます。
解き方
- 特別控除の控除限度額を確認し、空欄①が3,000万円(記号ハ)であることを特定する。
- 建築時期の要件を確認し、旧耐震基準の基準日である昭和56年5月31日以前(空欄②:記号ト)を特定する。
- 譲渡方法の要件を確認し、新耐震基準へのリフォームまたは解体して更地(空欄③:記号ヌ)であることを判断する。
- 譲渡価額の要件を確認し、売却代金が1億円以下(空欄④:記号ニ)であることを導き出す。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ハ
- 被相続人の居住用財産(空き家)を譲渡した場合の譲渡所得の特別控除額は、最高3,000万円です。共有で取得した場合は各相続人ごとに最高3,000万円が控除されます。
- 小問 ②:ト
- 本特例の対象となる家屋は、旧耐震基準の時代である「昭和56年(1981年)5月31日以前」に建築された戸建て住宅に限定されています。
- 小問 ③:ヌ
- 旧耐震基準の家屋の流通を防ぐため、現況のままではなく「家屋を解体して更地」として敷地を譲渡するか、耐震リフォームを行って新耐震基準に適合させて譲渡する必要があります。
- 小問 ④:ニ
- 本特例が適用できるのは、売買契約における譲渡価額(売却代金)の合計額が「1億円」以下の場合に限られます。
覚えるポイント
- 空き家の3,000万円特別控除は「昭和56年5月31日以前建築」「1人暮らし」「売却額1億円以下」「更地化または耐震リフォーム」が主要要件。
間違えやすいところ
- 現況のまま耐震工事をせず空き家を売却した場合には、本特例の適用対象外となる点に注意が必要です。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2017年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2017年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

