日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2017年9月 2級 実技 個人資産相談業務の概要
退職後の公的医療保険および公的年金の手続き
ライフプランニングと資金計画 · 健康保険任意継続被保険者 / 国民年金の種別変更
定年退職後の社会保険に関する次の説明文の空欄①〜③に入る最も適切な語句を〈語句群〉から選びなさい。 「Aさんが、X社を退職後、退職時の健康保険に任意継続被保険者として加入する場合は、原則として、退職日の翌日から( ① )以内に任意継続被保険者の資格取得手続を行う必要があります。Aさんが任意継続被保険者として健康保険に加入できる期間は、最長で( ② )であり、この期間の保険料は全額自己負担となります。 また、Aさんは、妻BさんをAさんが任意継続被保険者として加入する健康保険の被扶養者とする場合、その手続を任意継続被保険者の資格取得手続の際に行う必要があります。一方、妻Bさんは、Aさんの退職に伴い、国民年金の( ③ )への種別変更手続を行い、60歳に達するまでの間、国民年金の保険料を納付することになります」 〈語句群〉 イ.第1号被保険者 ロ.第2号被保険者 ハ.第3号被保険者 ニ.10日 ホ.14日 ヘ.20日 ト.1年間 チ.2年間 リ.4年間
- イ
- 第1号被保険者
- ロ
- 第2号被保険者
- ハ
- 第3号被保険者
- ニ
- 10日
- ホ
- 14日
- ヘ
- 20日
- ト
- 1年間
- チ
- 2年間
- リ
- 4年間
解答・解説を表示
解答
① ヘ、② チ、③ イ
解説
会社員が定年退職した場合、公的医療保険は任意継続・国民健康保険・家族の被扶養者から選択し、被扶養配偶者は国民年金の第3号から第1号被保険者へ種別変更する必要があります。
解き方
- 健康保険の任意継続の手続き要件(退職日の翌日から20日以内、最長2年間)を確認し、空欄①に「ヘ」、空欄②に「チ」を当てはめる。
- 被扶養配偶者の国民年金種別について、扶養者が退職して第2号被保険者資格を喪失したため、60歳未満の妻は第1号被保険者へ変更する必要があることを確認し、空欄③に「イ」を当てはめる。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ヘ
- 健康保険の任意継続被保険者の資格取得申出は、原則として被保険者資格を喪失した日(退職日の翌日)から20日以内に行わなければなりません。
- 小問 ②:チ
- 健康保険の任意継続被保険者として加入できる期間は最長で2年間であり、保険料は事業主負担がなくなるため全額自己負担となります。
- 小問 ③:イ
- 会社員である第2号被保険者に扶養されていた配偶者(第3号被保険者)は、扶養者が退職して第2号被保険者でなくなった場合、国民年金の第1号被保険者への種別変更手続きが必要です。
覚えるポイント
- 任意継続被保険者の申請期限は資格喪失日から20日以内、加入期間は最長2年間、保険料は全額自己負担です。
間違えやすいところ
- 国民健康保険の加入手続き期限(14日以内)と任意継続被保険者の申請期限(20日以内)を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の健康保険法および国民年金法
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢厚生年金の年金額(報酬比例部分・経過的加算・加給年金)の計算
ライフプランニングと資金計画 · 報酬比例部分 / 経過的加算 / 加給年金額
Aさんが60歳でX社を退職し、その後再就職しない場合に、原則として65歳から受給できる老齢厚生年金の年金額(平成29年度価額)について、次の空欄①・②に入る数値(円未満四捨五入)および空欄③に入る適切な語句(される/されない)を答えなさい。 1.報酬比例部分の額(円未満四捨五入):( ① )円 2.経過的加算額(円未満四捨五入):( ② )円 3.基本年金額:□□□円 4.加給年金額:Aさんの場合、加給年金額は加算( ③ )。 5.老齢厚生年金の年金額:□□□円 〈資料〉老齢厚生年金の計算式 ⅰ)報酬比例部分の額=a+b a 平成15年3月以前の期間分 平均標準報酬月額×(7.125/1,000)×平成15年3月以前の被保険者期間の月数 b 平成15年4月以後の期間分 平均標準報酬額×(5.481/1,000)×平成15年4月以後の被保険者期間の月数 ⅱ)経過的加算額=1,625円×被保険者期間の月数-779,300円×(昭和36年4月以後で20歳以上60歳未満の厚生年金保険の被保険者期間の月数/加入可能年数×12) ⅲ)加給年金額=389,800円(要件を満たしている場合のみ加算すること)
解答・解説を表示
解答
① 1,021,579(円)、② 658(円)、③ される
解説
65歳からの老齢厚生年金は「報酬比例部分+経過的加算+加給年金額」で構成され、厚生年金加入期間が20年以上ある受給権者に生計を維持する65歳未満の配偶者がいれば加給年金が加算されます。
解き方
- 報酬比例部分を計算する:平成15年3月以前分(300,000×7.125/1,000×276=589,950円)と平成15年4月以後分(450,000×5.481/1,000×175=431,628.75円)を合算して円未満四捨五入し、1,021,579円を求める。
- 経過的加算額を計算する:定額部分(1,625円×451月=732,875円)から老齢基礎年金相当額(779,300円×451/480=732,217.291...円)を差し引き、円未満四捨五入して658円を求める。
- 加給年金の支給要件を判定する:被保険者期間が240月以上あり、65歳到達時に65歳未満の生計維持配偶者(妻Bさん)がいるため「される」と判断する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:1,021,579
- 平成15年3月以前分:300,000円×(7.125/1,000)×276月=589,950円。平成15年4月以後分:450,000円×(5.481/1,000)×175月=431,628.75円。合計は589,950円+431,628.75円=1,021,578.75円となり、円未満四捨五入により1,021,579円となります。
- 小問 ②:658
- 厚生年金保険被保険者期間の月数は451月(上限480月以内)、昭和36年4月以後かつ20歳以上60歳未満の厚生年金被保険者期間の月数も451月、加入可能年数は昭和32年11月生まれのため40年(480月)です。経過的加算額=1,625円×451月-779,300円×(451月/480月)=732,875円-732,217.291...円=657.708...円となり、円未満四捨五入により658円となります。
- 小問 ③:される
- Aさんは厚生年金保険の被保険者期間が20年以上(451月)あり、65歳到達時に生計を維持している65歳未満の配偶者(妻Bさん:昭和38年6月17日生まれ)がいるため、加給年金額が加算されます。
覚えるポイント
- 経過的加算の計算において被保険者期間の月数の上限は480月であること、加給年金の受給要件は厚生年金の被保険者期間20年(240月)以上であることを押さえます。
間違えやすいところ
- 経過的加算の月数に国民年金未加入期間(29月)を含めてしまわないよう、厚生年金保険の被保険者期間のみ(276+175=451月)を正しくカウントする必要があります。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の厚生年金保険法および平成29年度年金額改定基準
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種係数を用いた老後資金の複利運用および取崩し計算
ライフプランニングと資金計画 · 終価係数 / 資本回収係数 / 複利運用
Aさんは、X社から支給される予定の退職金のうち2,000万円を活用して老後資金を準備したいと考えている。与えられた諸係数早見表を用いて、次の①・②の金額を求めなさい。なお、計算結果はそれぞれ万円未満を四捨五入して万円単位とすること。 1.元金2,000万円を利率(年率)2%で5年間複利運用する場合の5年後の元利合計金額(①万円) 2.上記1で求めた金額(万円未満四捨五入後)を、利率(年率)1%で複利運用しながら15年間にわたって毎年均等に取り崩す場合の毎年の取崩し金額(②万円)
解答・解説を表示
解答
① 2,208(万円)、② 159(万円)
解説
現金を一定期間運用した後の将来額を求めるには終価係数を掛け、現在の元金を複利運用しながら毎年一定額を取り崩す金額(年金受取額)を求めるには資本回収係数を掛けます。
解き方
- 1問目の条件「年利2%・期間5年」に対応する終価係数(1.1041)を確認し、元金2,000万円に乗じて万円未満を四捨五入します。
- 2問目の条件「年利1%・期間15年」に対応する資本回収係数(0.0721)を確認し、1問目で求めた2,208万円に乗じて万円未満を四捨五入します。
答えの内訳
- ①:2,208
- 元金2,000万円を年利2%で5年間複利運用したときの将来の元利合計額を求めるため、利率2%・期間5年の終価係数「1.1041」を用います。2,000万円×1.1041=2,208.2万円となり、万円未満を四捨五入して2,208万円となります。
- ②:159
- 上記①で求めた2,208万円を年利1%で運用しながら15年間で均等に取り崩す毎年の金額を求めるため、利率1%・期間15年の資本回収係数「0.0721」を用います。2,208万円×0.0721=159.1968万円となり、万円未満を四捨五入して159万円となります。
覚えるポイント
- 現在の元金から将来の受取額を計算する場合は終価係数、将来の一定額を得るために必要な毎年の積立額を計算する場合は減債基金係数、現在の元金を元利均等で取り崩す毎年の金額を計算する場合は資本回収係数を使用します。
間違えやすいところ
- 利率1%の表と利率2%の表が並んでいるため、設問ごとの適用利率(1番は2%、2番は1%)を取り違えて計算してしまうミスに注意が必要です。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等に基づく
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
一般NISA制度の非課税期間・年間投資上限額・損益通算
金融資産運用 · NISA / 非課税期間 / 年間非課税投資枠 / 損益通算
MさんがAさんに対して説明した、一般NISAの概要に関する次の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を、語句群のイ~チの中から選びなさい。 「NISA口座で購入した上場株式や公募株式投資信託などは、いつでも換金できますが、譲渡益を非課税とするためには、原則として、購入した年の1月1日から起算して( ① )以内に換金する必要があります。また、Aさんは、平成35年まで年間( ② )万円を上限に新規投資することができます。なお、NISA口座に受け入れた上場株式や公募株式投資信託などに譲渡損失が生じた場合、その損失の金額は、特定口座等の他の口座で生じた上場株式等に係る譲渡益の金額と損益の通算をすることが( ③ )」 〈語句群〉 イ.1年 ロ.3年 ハ.5年 ニ.100 ホ.120 へ.150 ト.できます チ.できません
- イ
- 1年
- ロ
- 3年
- ハ
- 5年
- ニ
- 100
- ホ
- 120
- へ
- 150
- ト
- できます
- チ
- できません
解答・解説を表示
解答
① ハ、② ホ、③ チ
解説
一般NISA(少額投資非課税制度)は、上場株式や公募株式投資信託等から得られる配当所得・譲渡所得が非課税となる制度であり、非課税期間は最長5年間、年間投資上限額は120万円、損失が生じた場合でも課税口座との損益通算や繰越控除は認められません。
解き方
- 一般NISAの非課税期間に関する規定を確認し、最長5年であることから①に「ハ」を選択します。
- 当時の一般NISAの年間投資上限枠が120万円であることから②に「ホ」を選択します。
- NISA口座内の売却損は税務上「ないもの」と扱われるルールを確認し、損益通算は「できません」の「チ」を選択します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ハ
- 一般NISAの非課税保有期間は、新規投資した年の1月1日から起算して最長で「5年」間です。
- 小問 ②:ホ
- 一般NISAの年間非課税投資枠の上限は、2016年(平成28年)以降「120」万円に拡充されました。
- 小問 ③:チ
- NISA口座内で生じた上場株式等の譲渡損失は、税務上ないものとみなされるため、特定口座や一般口座等の他の課税口座で生じた譲渡益・配当金と損益通算することは「できません」。
覚えるポイント
- 一般NISAの非課税保有期間は最長5年間、年間の投資上限額は120万円、損失は税務上生じなかったものとみなされ損益通算・繰越控除ができないという3点は必須の頻出事項です。
間違えやすいところ
- 非課税の恩恵がある反面、売却損が生じても特定口座や一般口座の利益と損益通算できない点(税務上の損失として扱われない点)を見落としがちです。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等に基づく
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託の分配金・パフォーマンス評価・為替要因の判定
金融資産運用 · 投資信託の税金 / シャープ・レシオ / 為替相場の影響
会社員のAさんが保有する国内債券型のX投資信託、および購入を提案された海外株式型(新興国株式・為替ヘッジなし)のY投資信託に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答しなさい。 ① AさんがX投資信託から受け取る収益分配金のうち、元本払戻金(特別分配金)については、所得税の課税対象となります。 ② X投資信託およびY投資信託の過去5年間の運用パフォーマンスをシャープ・レシオで比較した場合、X投資信託のほうがY投資信託よりも優れていたといえます。 ③ Y投資信託の投資対象国通貨に対し、日本円の相対的な価値が下落した場合、他の条件が同一であれば、Y投資信託の基準価額の値下がり要因となります。
- ①
- AさんがX投資信託から受け取る収益分配金のうち、元本払戻金(特別分配金)については、所得税の課税対象となります。
- ②
- X投資信託およびY投資信託の過去5年間の運用パフォーマンスをシャープ・レシオで比較した場合、X投資信託のほうがY投資信託よりも優れていたといえます。
- ③
- Y投資信託の投資対象国通貨に対し、日本円の相対的な価値が下落した場合、他の条件が同一であれば、Y投資信託の基準価額の値下がり要因となります。
解答・解説を表示
解答
① × ② ○ ③ ×
解説
公募株式投資信託の分配金は課税扱いの普通分配金と元本払戻しとして非課税の元本払戻金に分かれます。また、リスク調整後リターンであるシャープ・レシオは値が大きいほど効率的であり、為替ヘッジなしの外貨建て資産は円安時に為替差益が生じる基本構造を理解することが重要です。
解き方
- 記述①:収益分配金のうち個別元本を下回る部分から支払われる元本払戻金(特別分配金)が非課税扱いであることを確認し、判定します。
- 記述②:シャープ・レシオの算式「(リターン-無リスク利子率)÷リスク」を用い、X投資信託[(1.8-0.1)/1.5=約1.13]とY投資信託[(12.8-0.1)/25.5=約0.50]を比較して判定します。
- 記述③:為替ヘッジなしの外貨建て投信において、円安(投資対象通貨高)が円換算時の基準価額を押し上げる要因であることを確認して判定します。
- 選択肢 ①不正解
- 元本払戻金(特別分配金)は投資元本の一部払い戻しに相当するため非課税であり、所得税は課税されません。
- 選択肢 ②正解
- シャープ・レシオを計算するとX投資信託は約1.13、Y投資信託は約0.50となり、X投資信託のほうが運用効率において優れています。
- 選択肢 ③不正解
- 投資対象国通貨に対して日本円の相対的価値が下落する(円安となる)と、外貨建て資産の円建て価値は増加するため、基準価額の値上がり要因となります。
答えの内訳
- ①:×
- 公募株式投資信託の収益分配金のうち、元本払戻金(特別分配金)は元本の払い戻しとみなされるため非課税となり、所得税の課税対象とはなりません。
- ②:○
- シャープ・レシオは(収益率-無リスク資産利子率)÷標準偏差で求められ、数値が大きいほど運用効率が優れていることを示します。X投資信託は約1.13、Y投資信託は約0.50となるため、X投資信託のほうが優れています。
- ③:×
- 投資対象国通貨に対して日本円の価値が下落すること(円安)は、為替ヘッジを行わない海外資産を組み入れた投資信託の円建て基準価額にとって値上がり(上昇)要因となります。
覚えるポイント
- 元本払戻金(特別分配金)は非課税で個別元本がその分減少する
- シャープ・レシオ=(ポートフォリオの収益率-無リスク資産利子率)÷標準偏差で、数値が大きいほど優秀
- 為替ヘッジなしの海外投資では、円安は基準価額の上昇要因、円高は下落要因
間違えやすいところ
- 普通分配金(課税)と元本払戻金(非課税)の税務上の取扱いを混同しやすい
- シャープ・レシオの分子で無リスク資産利子率を引き忘れて単純リターンで割ってしまう
- 円安(円の価値下落)による外貨建て資産のプラス効果とマイナス効果を取り違える
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公募株式投資信託の換金代金・譲渡所得および徴収税額の計算
金融資産運用 · 投資信託の換金 / 上場株式等に係る譲渡所得 / 源泉徴収税率
会社員のAさんが保有するX投資信託(保有口数100万口、個別元本10,100円/1万口当たり)を平成29年中に基準価額10,200円(1万口当たり)ですべて換金した場合、徴収される所得税、復興特別所得税および住民税の合計額について、次の手順に従って計算した空欄①~④に入る数値を答えなさい。手数料等は考慮せず、この年における他の上場株式等の譲渡はないものとする。 〈計算の手順〉 1.換金代金(譲渡収入金額):基準価額÷10,000口×保有口数=( ① )円 2.譲渡所得の金額:( ① )円-(個別元本÷10,000口×保有口数)=( ② )円 3.所得税および復興特別所得税の合計額(円未満切捨て):( ② )円×□□□%=( ③ )円 4.住民税額(円未満切捨て):( ② )円×□□□%=□□□円 5.所得税、復興特別所得税および住民税の合計額:( ③ )円+住民税額=( ④ )円
解答・解説を表示
解答
① 1,020,000 ② 10,000 ③ 1,531 ④ 2,031
解説
追加型株式投資信託の換金(解約・買取請求)による損益は上場株式等に係る譲渡所得等として申告分離課税の対象となります。特定口座(源泉徴収選択口座)では換金時に所得税・復興特別所得税(15.315%)および住民税(5%)の合計20.315%相当額が源泉徴収(特別徴収)されます。
解き方
- 換金代金を算出する:10,200円÷10,000口×1,000,000口=1,020,000円。
- 取得費を求めて譲渡所得を計算する:取得費は10,100円÷10,000口×1,000,000口=1,010,000円。差引で1,020,000円-1,010,000円=10,000円。
- 所得税および復興特別所得税額を計算する:10,000円×15.315%=1,531.5円、端数切捨てにより1,531円。
- 住民税額を計算し合計税額を求める:住民税は10,000円×5%=500円。合計税額は1,531円+500円=2,031円。
答えの内訳
- ①:1,020,000
- 換金代金(譲渡収入金額)は、基準価額10,200円÷10,000口×1,000,000口=1,020,000円となります。
- ②:10,000
- 取得費は個別元本10,100円÷10,000口×1,000,000口=1,010,000円であり、譲渡所得の金額は1,020,000円-1,010,000円=10,000円となります。
- ③:1,531
- 所得税および復興特別所得税の税率は15.315%であるため、10,000円×15.315%=1,531.5円となり、円未満を切り捨てて1,531円となります。
- ④:2,031
- 住民税額は10,000円×5%=500円です。所得税等1,531円と合算した合計税額は、1,531円+500円=2,031円となります。
覚えるポイント
- 上場株式等および公募株式投資信託の譲渡益に対する税率は20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)
- 投資信託の基準価額や個別元本は通常1万口当たりの金額で表示されるため、口数換算を忘れずに行う
- 税額計算において所得税等と住民税はそれぞれ端数切捨て(円未満切捨て)の処理を行ってから合算する
間違えやすいところ
- 100万口を保有しているのに、1万口当たりの単価をそのまま差し引いて計算してしまう
- 合計税率20.315%を直接掛けて2,031.5円から端数処理を行い、過程の所得税等・住民税の個別端数切捨てを怠る
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
退職所得の課税方式および損益通算と所得控除
タックスプランニング · 退職所得 / 源泉徴収 / 損益通算 / 所得控除の控除順序
Aさんの退職金に係る所得税の課税関係および所得控除等に関する次の文章について、空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を語句群から選びなさい。 ⅰ)AさんがX社から支給を受けた退職金は、退職所得として( ① )課税の対象となる。Aさんは退職金の支給を受ける際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していることから、この申告書に基づいた正規の所得税および復興特別所得税が( ② )されるため、原則として、その退職所得について所得税および復興特別所得税の確定申告をする必要はない。 ⅱ)Aさんが、平成29年分の所得税の確定申告をした場合、損益通算後の総所得金額は、( ③ )万円となるため、所得控除額の全額を控除しきれない。この控除しきれない( ④ )万円は、退職所得の金額から控除することが可能であり、納め過ぎとなった税額の還付が受けられる。 〈語句群〉 イ.分離 ロ.総合 ハ.普通徴収 ニ.源泉徴収 ホ.60 ヘ.66 ト.74 チ.136 リ.144 ヌ.150
- イ
- 分離
- ロ
- 総合
- ハ
- 普通徴収
- ニ
- 源泉徴収
- ホ
- 60
- ヘ
- 66
- ト
- 74
- チ
- 136
- リ
- 144
- ヌ
- 150
解答・解説を表示
解答
① イ、② ニ、③ ヘ、④ リ
解説
退職所得は分離課税が適用され、申告書提出により適正税額が源泉徴収されます。また、総所得金額から控除しきれない所得控除は分離課税の退職所得から控除可能です。
解き方
- 退職手当等の課税方式および申告書提出時の徴収方法(分離課税・源泉徴収)を確認します。
- 給与所得と不動産所得の赤字を通算し、損益通算後の総所得金額(136万円-70万円=66万円)を算出します。
- 所得控除合計額210万円から総所得金額66万円を差し引き、控除しきれない金額(144万円)を求めます。
小問ごとの答え
- 小問 ①:イ
- 退職所得は他の所得と合算せず個別に税額を計算する申告分離課税(源泉分離課税的な手続)の対象となります。
- 小問 ②:ニ
- 退職所得の受給に関する申告書を提出した場合、適正な税率による税額が源泉徴収されて課税関係が完結します。
- 小問 ③:ヘ
- 給与所得136万円から不動産所得の損失70万円を損益通算するため、総所得金額は66万円(136万円-70万円)となります。
- 小問 ④:リ
- 所得控除合計額210万円から総所得金額66万円を控除しきれなかった残額144万円は、退職所得から控除できます。
覚えるポイント
- 退職所得の受給に関する申告書を提出すれば適正額が源泉徴収され確定申告は不要です。
間違えやすいところ
- 不動産所得の土地取得利子は通算対象外ですが、本問では土地取得利子が含まれていないため全額通算可能です。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
退職所得控除額および退職所得の金額の計算
タックスプランニング · 退職所得控除額 / 勤続年数の端数切上げ / 退職所得の金額
AさんがX社から受け取った退職金(3,200万円、勤続37年6カ月)に係る退職所得の金額を計算した次の〈計算式〉の空欄①~③に入る最も適切な数値を求めなさい。 〈計算式〉 1.退職所得控除額 □□□万円+( ① )万円×{( ② )年-20年}=□□□万円 2.退職所得の金額 (3,200万円-□□□万円)×□□□=( ③ )万円
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解答
① 70、② 38、③ 570
解説
退職所得の金額は「(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×1/2」で計算します。勤続年数は端数を1年に切り上げ、20年超の部分は1年あたり70万円を加算します。
解き方
- 勤続期間37年6カ月の端数を1年に切り上げて勤続年数を38年と求めます。
- 勤続20年超の控除基準に従い、退職所得控除額=40万円×20年+70万円×(38年-20年)=2,060万円を算出します。
- 退職金収入3,200万円から控除額2,060万円を差し引き、1/2を乗じて退職所得の金額570万円を算出します。
答えの内訳
- ①:70
- 勤続年数が20年を超える部分についての1年あたりの退職所得控除額は70万円です。
- ②:38
- 勤続期間37年6カ月の端数は1年に切り上げるため、勤続年数は38年となります。
- ③:570
- 退職所得控除額は800万円+70万円×(38年-20年)=2,060万円となり、退職所得の金額は(3,200万円-2,060万円)×1/2=570万円です。
覚えるポイント
- 退職所得控除の勤続年数は1カ月でも端数があれば1年に切り上げて計算します。
間違えやすいところ
- 勤続20年超の部分の控除額(70万円)と20年以下の控除額(40万円)を取り違えないように注意が必要です。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の所得税法第30条に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における人的控除および社会保険料控除の適用判定
タックスプランニング · 配偶者控除 / 扶養控除 / 社会保険料控除
会社員を定年退職したAさんおよびその家族の平成29年分の所得税に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。① 妻Bさんは控除対象配偶者に該当するため、Aさんは妻Bさんについて配偶者控除の適用を受けることができる。妻Bさんに係る配偶者控除の控除額は38万円である。② 母Dさんの合計所得金額は38万円以下となるため、Aさんは母Dさんについて扶養控除の適用を受けることができる。母Dさんに係る扶養控除の控除額は48万円である。③ 妻Bさんが負担すべき国民年金の保険料を長男Cさんが支払った場合、その保険料は長男Cさんに係る所得税において社会保険料控除の対象とすることができる。
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解答
① ○ ② × ③ ○
解説
所得税の所得控除において、配偶者控除は合計所得金額38万円以下の配偶者が対象で70歳未満は38万円が控除されます。扶養控除は合計所得金額38万円以下の親族が対象で、70歳以上かつ同居直系尊属である同居老親等は58万円が控除されます。また社会保険料控除は生計を一にする親族の負担すべき保険料を実際に支払った者に適用されます。
解き方
- 妻Bさんの所得要件および年齢区分を確認して一般の控除対象配偶者(控除額38万円)に該当するか判定する。
- 母Dさんの年金収入から公的年金等控除後の合計所得金額を算出し、同居老親等に該当することを確認して控除額が58万円であることを導く。
- 生計を一にする親族の社会保険料を実際に支払った者が自己の社会保険料控除として申告できる規定を適用する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 妻Bさんは生計を一にする配偶者で平成29年中において収入がなく合計所得金額が38万円以下であるため控除対象配偶者に該当します。また70歳未満であるため一般の控除対象配偶者となり控除額は38万円となります。
- 小問 ②:×
- 母Dさん(83歳)の年金収入120万円は公的年金等控除120万円を差し引くと合計所得金額が0円となり扶養控除の対象となりますが、同居している70歳以上の直系尊属であるため「同居老親等」に該当し控除額は58万円となります。
- 小問 ③:○
- 社会保険料控除は自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族が負担すべき社会保険料を支払った場合に適用できるため、長男Cさんが実際に支払った妻Bさんの国民年金保険料は長男Cさんの社会保険料控除の対象となります。
覚えるポイント
- 同居老親等(70歳以上で同居している直系尊属)の扶養控除額は58万円(同居以外の老人扶養親族は48万円)です。
- 社会保険料控除は生計を一にする親族の負担すべき社会保険料を実際に支払った者が控除を受けられます。
間違えやすいところ
- 同居している70歳以上の父母・祖父母について、同居老親等の58万円ではなく一般の老人扶養親族の48万円と取り違えやすいです。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法上の規制(耐火建築物義務・容積率・建ぺい率の緩和)
不動産 · 建築基準法 / 耐火建築物 / 容積率の制限 / 建ぺい率の緩和
第一種住居地域かつ防火地域内にある甲土地(敷地面積360㎡、指定建ぺい率60%、指定容積率200%、特定行政庁指定角地、北側幅員6m公道・西側幅員4m公道)上に賃貸アパートを建て替える場合の建築基準法上の規制に関する記述①~③の正誤を判定しなさい。① 防火地域内においては、原則として、地階を含む階数が3以上または延べ面積が100㎡を超える建築物は耐火建築物としなければならないとされている。② 建て替える賃貸アパートの最大延べ面積は、720㎡である。③ 建て替える賃貸アパートが耐火建築物である場合、当該建築物の最大建築面積は252㎡である。
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解答
① ○ ② ○ ③ ×
解説
防火地域内では階数3以上または延べ面積100㎡超の建築物は耐火建築物とする義務があります。容積率は前面道路が2つ以上ある場合、広い方の幅員に法定乗数を乗じた数値と指定容積率の小さい方を上限とします。建ぺい率は、特定行政庁が指定する角地緩和(+10%)と防火地域内の耐火建築物緩和(+10%)の双方が適用されると合計20%加算されます。
解き方
- 防火地域内における耐火建築物の建築義務基準(階数3以上または延べ面積100㎡超)を確認する。
- 前面道路の広い方(6m)に法定乗数4/10を乗じた数値(240%)と指定容積率(200%)を比較し、小さい方の200%を用いて敷地面積360㎡から最大延べ面積720㎡を算出する。
- 指定建ぺい率60%に対し、特定行政庁指定角地による+10%と防火地域内耐火建築物による+10%を適用して合計80%とし、最大建築面積を360㎡×80%=288㎡と計算して誤りを判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 防火地域内においては、原則として地階を含む階数が3以上または延べ面積が100㎡を超える建築物は耐火建築物としなければならないと定められています。
- 小問 ②:○
- 幅員の広い北側道路(6m)を基準とし、住居系地域の法定乗数4/10を乗じた240%と指定容積率200%の小さい方である200%が適用されるため、最大延べ面積は360㎡×200%=720㎡となります。
- 小問 ③:×
- 特定行政庁指定の角地による緩和(+10%)と防火地域内の耐火建築物による緩和(+10%)が重複適用されるため建ぺい率は80%となり、最大建築面積は360㎡×80%=288㎡となります。
覚えるポイント
- 防火地域内の耐火建築物(建ぺい率80%地域以外)と角地指定は併用可能であり、それぞれ10%ずつ合計20%加算されます。
- 複数の道路に面している敷地の容積率計算では、幅員の最も広い道路の幅員を採用します。
間違えやすいところ
- 角地緩和の10%加算のみを適用して耐火建築物による10%加算を反映し忘れると、建ぺい率70%(252㎡)と誤認してしまいます。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
賃貸アパートの売却および建替えに関する法規
不動産 · 賃貸人の地位移転 / 宅地建物取引業法の媒介報酬上限 / 借地借家法(解約申入れ・正当事由)
Aさんが売却または建替えを検討している賃貸アパートに関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① Aさんが、賃借人の同意なく賃貸アパートを第三者に譲渡した場合、原則として、その譲渡は無効となる。 ② Aさんが、建て替えた賃貸アパートの貸借の媒介を宅地建物取引業者に委託する場合、その媒介に関して支払う報酬額の上限は賃料の2カ月分に相当する額となる。 ③ 賃貸アパートについて、期間の定めのない普通借家契約を締結していた場合、Aさんは、正当の事由があると認められれば、6カ月前の申入れにより借家契約を解約することができる。
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解答
① × ② × ③ ○
解説
建物の賃貸借において、オーナー(賃貸人)の地位移転や媒介報酬の規制、賃貸人からの解約申入れには借地借家法や宅地建物取引業法等の明確な規定が設けられています。
解き方
- 賃貸借中の建物の所有権移転に伴う賃貸人の地位移転要件(賃借人の同意の要否)を判定する。
- 宅地建物取引業法における貸借の媒介報酬の限度額(合計で借賃1カ月分+税等)を確認する。
- 借地借家法における期間の定めのない普通借家契約の解約申入れ要件(正当事由と6カ月の予告期間)を判定する。
答えの内訳
- ①:×
- 賃貸人の地位の移転は、賃貸借の対象となっている建物の所有権の移転に伴って当然に移転するため、原則として賃借人の同意を得る必要はなく、譲渡は有効に成立します。
- ②:×
- 宅地建物取引業法に基づき、宅建業者が受け取ることができる貸借の媒介報酬の限度額は、依頼者の双方から受ける金額の合計額が借賃の1カ月分(消費税等別)に相当する額以内です。依頼者の一方のみから2カ月分を受領することはできません。
- ③:○
- 期間の定めのない普通借家契約において、賃貸人が解約の申入れをするには正当事由が必要とされ、申入れをした日から6カ月を経過することによって契約が終了します。
覚えるポイント
- 賃貸人の地位の移転には賃借人の承諾は不要である点
- 宅地建物取引業者の貸借の媒介報酬上限は貸主・借主合わせて賃料1カ月分(+税)である点
- 普通借家契約で賃貸人からの解約には正当事由と6カ月の予告期間が必要である点
間違えやすいところ
- 賃貸人の地位の移転に賃借人の合意が必要であると勘違いすること
- 宅建業者の媒介報酬上限について売買の速算式と混同したり、依頼者1人から2カ月分受領可能と誤認すること
出題の前提:特に指示のない限り、2017年4月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
土地更地売却に係る譲渡所得および税額の計算
不動産 · 概算取得費 / 譲渡費用の範囲 / 長期譲渡所得の税額計算
Aさんは、賃借人からの明渡しが完了したことにより、平成29年中にアパートを取り壊し甲土地を更地にして売却することにした。この場合における所得税、復興特別所得税および住民税の合計額を、与えられた資料を基に算出した次の空欄①~④に入る最も適切な数値を求めなさい。 〈甲土地を更地で売却する場合の資料〉 ・譲渡価額:9,000万円 ・甲土地は10年前に父から相続したもので、取得価額は不明 ・Aさんが支払った費用: 立退き料:400万円 建物の取壊し費用:550万円 土地の売買媒介(仲介)手数料:200万円 〈計算の手順〉 1.土地の概算取得費:( ① )円 2.譲渡費用:( ② )円 3.譲渡益:( ③ )円 4.税額(所得税、復興特別所得税および住民税の合計額):( ④ )円
解答・解説を表示
解答
① 4,500,000(円) ② 11,500,000(円) ③ 74,000,000(円) ④ 15,033,100(円)
解説
土地の譲渡所得は「譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)」で算定されます。取得費が不明な場合は収入金額の5%を概算取得費とすることができます。土地を更地で売却するために支払った取壊し費用や立退き料、媒介手数料は譲渡費用に含まれます。
解き方
- 譲渡価額9,000万円の5%を計算して概算取得費を求める。
- 立退き料、建物の取壊し費用、売買仲介手数料を合算して譲渡費用を計算する。
- 譲渡価額から概算取得費と譲渡費用を差し引いて譲渡所得(譲渡益)を求める。
- 長期譲渡所得の合計税率20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)を乗じて合計税額を算出する。
答えの内訳
- ①:4,500,000
- 土地の取得価額が不明な場合、概算取得費として譲渡収入金額(譲渡価額)の5%を計上します。90,000,000円×5%=4,500,000円となります。
- ②:11,500,000
- 土地を更地にして譲渡するために支出した建物の取壊し費用(550万円)、借家人の立退き料(400万円)、土地の売買媒介手数料(200万円)はいずれも譲渡費用に算入されます。4,000,000円+5,500,000円+2,000,000円=11,500,000円となります。
- ③:74,000,000
- 譲渡益(課税長期譲渡所得の金額)は、譲渡収入金額から取得費と譲渡費用を控除して求めます。90,000,000円-4,500,000円-11,500,000円=74,000,000円となります。
- ④:15,033,100
- 相続により取得し所有期間が5年を超えるため長期譲渡所得となり、税率は所得税15%、復興特別所得税0.315%(所得税額の2.1%)、住民税5%の合計20.315%です。74,000,000円×20.315%=15,033,100円となります。
覚えるポイント
- 概算取得費は譲渡収入金額の5%で計算すること
- 土地売却のために直接要した建物の取壊し費用や立退き料は譲渡費用となること
- 長期譲渡所得の税率は合計20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)であること
間違えやすいところ
- 立退き料や取壊し費用を譲渡費用から除外してしまうこと
- 所有期間が5年超(長期譲渡所得)であるにもかかわらず、短期譲渡所得の税率(39.63%)を用いてしまうこと
- 復興特別所得税(基準所得税額の2.1%=0.315%)を加算し忘れること
出題の前提:特に指示のない限り、2017年4月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺留分減殺請求権と申告期限後3年以内の分割見込書
相続・事業承継 · 遺留分の計算 / 遺留分減殺請求権の時効 / 申告期限後3年以内の分割見込書
被相続人Aさんの相続開始後の手続等に関する次の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句を、語句群の中から選びなさい。 「ⅰ)遺言書により取得する財産がないとされた二女Fさんが遺留分減殺請求権を行使する場合、二女Fさんの遺留分は遺留分算定の基礎となる財産の( ① )である。また、二女Fさんは、Aさんの相続の開始を知った時から( ② )以内に遺留分減殺請求権を行使しないときは、当該権利は時効により消滅し、遺留分を保全することができなくなる。 ⅱ)Aさんの相続開始後、仮に相続税の申告期限までに対象となる財産について遺産の分割ができなかった場合、『配偶者に対する相続税額の軽減』『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けることはできない。ただし、相続税の申告の際に『申告期限後( ③ )以内の分割見込書』を提出し、申告期限後( ③ )以内に実際に遺産の分割を行った場合には、『配偶者に対する相続税額の軽減』『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けることが可能となる」 〈語句群〉 イ.8分の1 ロ.16分の1 ハ.20分の1 ニ.24分の1 ホ.3カ月 ヘ.4カ月 ト.10カ月 チ.1年 リ.3年
- イ
- 8分の1
- ロ
- 16分の1
- ハ
- 20分の1
- ニ
- 24分の1
- ホ
- 3カ月
- ヘ
- 4カ月
- ト
- 10カ月
- チ
- 1年
- リ
- 3年
解答・解説を表示
解答
① ロ ② チ ③ リ
解説
遺留分とは一定の法定相続人に保障された最低限の遺産取得割合であり、配偶者や子が相続人である場合の全体遺留分は財産の2分の1となります。また、未分割財産に対する税制特例の適用猶予には申告期限後3年以内の分割見込書の提出が必要です。
解き方
- 法定相続人の構成(配偶者と子4系統)から二女Fさんの法定相続分(8分の1)を算出し、全体遺留分割合(2分の1)を乗じて個別遺留分(16分の1)を求めます。
- 民法上の遺留分減殺請求権の短期消滅時効(減殺すべき贈与等を知った時から1年間)および相続税法における未分割遺産の特例救済期間(申告期限後3年以内)を適用します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ロ
- 配偶者と子が相続人である場合、全体の遺留分は2分の1です。子全体の法定相続分は2分の1であり、子は長男・長女(代襲あり)・二男・二女の4系統で等分するため、二女Fさんの法定相続分は8分の1となります。したがって、二女Fさんの遺留分は2分の1×8分の1=16分の1となります。
- 小問 ②:チ
- 遺留分減殺請求権(現行の遺留分侵害額請求権)は、遺留分権利者が相続の開始および減殺(侵害)すべき贈与または遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅します(相続開始の時から10年を経過したときも同様)。
- 小問 ③:リ
- 申告期限までに遺産分割が確定していない未分割の財産については、原則として配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を適用できませんが、申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出し、申告期限後3年以内に分割された場合は特例の適用を受けることができます。
覚えるポイント
- 遺留分の割合は直系尊属のみが相続人の場合は3分の1、それ以外は2分の1。
- 遺留分の消滅時効は「知った時から1年」または「相続開始から10年」。
- 未分割財産の特例救済は「申告期限後3年以内の分割見込書」。
間違えやすいところ
- 法定相続分の8分の1をそのまま遺留分割合と誤認して選択肢イを選んでしまうミス。
- 相続放棄等の熟慮期間(3カ月)や相続税申告期限(10カ月)と遺留分の時効(1年)を混同するミス。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の民法および相続税法
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続時精算課税制度・教育資金一括贈与・相続税額の2割加算の適否
相続・事業承継 · 相続時精算課税制度 / 教育資金一括贈与の非課税 / 相続税額の2割加算
被相続人Aさんの相続に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。 ① 長男CさんがAさんから贈与を受けた更地については、贈与時点の相続税評価額がAさんの相続に係る相続税の課税価格に加算される。 ② 孫GさんがAさんから贈与を受けた教育資金に関して、Aさんの死亡日における教育資金管理契約に係る非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額については、Aさんの相続に係る相続税の課税価格に加算される。 ③ 孫Gさんおよび孫Hさんが長女Dさんの代襲相続人としてAさんの財産を相続により取得した場合、これらの者に係る相続税額は2割加算の対象となる。
解答・解説を表示
解答
① ○ ② × ③ ×
解説
相続時精算課税では贈与時の価額で相続財産に加算され、本問基準日当時の教育資金一括贈与特例は死亡時残額の加算対象外でした。また、代襲相続人となった孫は直系卑属として相続税額の2割加算の対象から除外されます。
解き方
- 相続時精算課税の加算基準(贈与時の相続税評価額)を確認し、記述①の正誤を判定します。
- 平成29年時点における教育資金一括贈与の死亡時残額の取扱い(相続税非課税)を確認し、記述②の正誤を判定します。
- 代襲相続人となった孫に対する相続税額の2割加算適用の有無(代襲相続人は2割加算の対象外)を確認し、記述③の正誤を判定します。
答えの内訳
- ①:○
- 相続時精算課税制度を適用して贈与を受けた財産は、相続時に「贈与時点の相続税評価額(価額)」で被相続人の相続税の課税価格に加算されます。相続開始時の価額ではないため記述は適切です。
- ②:×
- 本問の基準日(平成29年4月1日現行法)における「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税特例」では、信託期間中に贈与者が死亡した場合であっても、管理残額は相続税の課税価格に加算されません(非課税のまま管理契約が継続します)。したがって記述は不適切です。
- ③:×
- 被相続人の配偶者および一親等の血族(代襲相続人となった孫を含む直系卑属)以外の者が財産を取得した場合に相続税額が2割加算されます。代襲相続人である孫Gさん・孫Hさんは直系卑属として一親等の血族と同様に扱われるため、2割加算の対象外です。したがって記述は不適切です。
覚えるポイント
- 相続時精算課税制度で加算される評価額は「贈与時の価額」であり、相続開始時の価額ではない。
- 被相続人の配偶者、一親等の血族、代襲相続人である孫は相続税額の2割加算の対象外。
間違えやすいところ
- 相続時精算課税の加算額を相続開始時の評価額(3,500万円)と取り違えるミス。
- 代襲相続人である孫と、単に遺贈等を受けた孫(代襲でない場合は2割加算対象)を混同するミス。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の相続税法および租税特別措置法
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の総額の計算(遺産に係る基礎控除額および各相続人の税額計算)
相続・事業承継 · 遺産に係る基礎控除額 / 法定相続分に応ずる取得金額 / 相続税の総額
被相続人Aさんの相続において、課税遺産総額が3億400万円であった場合における相続税の総額の計算に関する問題である。下記の表の空欄①~④に入る最も適切な数値を求めなさい。 【親族関係】 被相続人Aさん、配偶者である妻Bさん、子である長男Cさん、二男Eさん、二女Fさん、および被相続人より前に死亡した長女Dさんの代襲相続人である孫Gさん・孫Hさんの計6名が法定相続人である。 【表】 課税価格の合計額:□□□万円 遺産に係る基礎控除額:( ① )万円 課税遺産総額:3億400万円 相続税の総額の基となる税額: ・妻Bさん:□□□万円 ・長男Cさん:( ② )万円 ・二男Eさん:□□□万円 ・孫Gさん:( ③ )万円 … 相続税の総額:( ④ )万円
解答・解説を表示
解答
① 6,600(万円)、② 560(万円)、③ 235(万円)、④ 6,530(万円)
解説
相続税の総額は、課税遺産総額(課税価格の合計額-基礎控除額)を各法定相続人が法定相続分に応じて按分したと仮定して各人の取得金額を算出し、それぞれに超過累進税率を適用して計算した税額を合算して求めます。
解き方
- 法定相続人の構成を確認し、基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を算出する。
- 課税遺産総額に各法定相続人の法定相続分を乗じて、各人の法定相続分に応ずる取得金額を計算する。
- 相続税の速算表を適用して各人ごとの仮の税額を計算し、それらをすべて合算して相続税の総額を求める。
答えの内訳
- ①:6,600
- 遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。法定相続人は妻B、長男C、二男E、二女F、代襲相続人である孫G、孫Hの計6人となるため、3,000万円+600万円×6人=6,600万円となります。
- ②:560
- 長男Cの法定相続分は1/8(子全体の1/2を4等分)です。法定相続分に応ずる取得金額は3億400万円×1/8=3,800万円となります。速算表より税率20%・控除額200万円を適用し、3,800万円×20%-200万円=560万円となります。
- ③:235
- 孫Gは死亡した長女Dの代襲相続人であり、法定相続分は長女Dの法定相続分1/8を孫Hと均等に分けるため1/16となります。法定相続分に応ずる取得金額は3億400万円×1/16=1,900万円です。速算表より税率15%・控除額50万円を適用し、1,900万円×15%-50万円=235万円となります。
- ④:6,530
- 相続税の総額は各人の法定相続分に応じた税額を合算して求めます。妻B(3億400万円×1/2=1億5,200万円×40%-1,700万円=4,380万円)、長男C(560万円)、二男E(560万円)、二女F(560万円)、孫G(235万円)、孫H(235万円)の税額を合計すると、4,380万円+560万円×3+235万円×2=6,530万円となります。
覚えるポイント
- 代襲相続人が複数いる場合、被代襲者(死亡した親)の法定相続分を子の人数で均等に頭割りして計算する。
- 遺言で財産を取得しない相続人(二女F)であっても、相続を放棄していない限り法定相続人および法定相続分の計算には含める。
間違えやすいところ
- 遺言で財産をもらわない二女Fを法定相続人から除外して基礎控除や法定相続分を誤算定してしまうこと。
- 代襲相続人である孫の法定相続分を、実子と同じ割合で計算してしまう誤り。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2017年9月 2級 実技 個人資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2017年9月 2級 実技 個人資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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