日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2017年9月 2級 学科の概要
FPの職業倫理と関連法規
ライフプランニングと資金計画 · 関連法規 / 職業倫理とコンプライアンス
ファイナンシャル・プランナー(FP)の顧客に対する行為について、職業倫理や関連法規に照らし最も適切なものを1つ選択しなさい。
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解答
1
解説
FPは顧客利益の最優先と守秘義務を順守するとともに、他士業の独占業務や各種業法(金融商品取引法、弁護士法等)に抵触しないよう厳格に行動規範を守る必要があります。
解き方
- 各選択肢の行為が法令(金融商品取引法、弁護士法、守秘義務規定)に抵触するかどうかを確認する。
- 個別銘柄の投資顧問契約、無断の情報提供、係争中の和解あっせんが禁止行為に該当することから、一般的な仕組み解説である選択肢1を正答と判断する。
- 選択肢 1正解
- 金融商品の一般的な仕組みや元本欠損・為替変動リスクなどの一般的な説明は、登録不要で誰でも適法に行うことができます。
- 選択肢 2不正解
- 顧客から預かった資料を本人の同意を得ずに第三者である銀行担当者へ提供する行為は、FPの基本原則である守秘義務に違反します。
- 選択肢 3不正解
- 個別の有価証券の価値や売買判断について助言を行い対価を得る投資顧問契約を締結するには、金融商品取引業者(投資助言・代理業)としての登録が必要です。
- 選択肢 4不正解
- 弁護士資格を持たない者が報酬を得る目的で係争中の法律事件に関して和解案の提案や交渉あっせんを行う行為は、弁護士法72条(非弁活動の禁止)に違反します。
覚えるポイント
- 守秘義務の遵守:顧客の同意なく第三者に個人情報を開示してはならない。
- 非弁活動の禁止:係争中の紛争仲介・和解交渉は弁護士の独占業務である。
間違えやすいところ
- 「一般的な制度・仕組みの説明」と「個別具体的な助言・投資判断の提供」の境界を混同しないように注意する。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
子供の学習費調査のデータ分析
ライフプランニングと資金計画 · 教育資金 / 子供の学習費調査
文部科学省「平成26年度 子供の学習費調査」の1人当たりの学習費の年間支出金額に関する<資料>に基づき、最も適切なものを1つ選択しなさい。
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解答
4
解説
文部科学省の子供の学習費調査では、学校教育費、学校給食費、学校外活動費の内訳や、幼稚園から高校までの公立・私立ごとの総額およびその差額の推移を正確に読み取ることが求められます。
解き方
- 資料から公立・私立ごとの各費用の構成比および学校種別の差額を比較計算する。
- 15年間の各総額(幼稚園3年、小学校6年、中学校3年、高校3年)を積算して公立と私立の総額差を算出し判定する。
- 選択肢 1不正解
- 公立幼稚園では学校教育費(119,175円)が学校外活動費(83,707円)を上回っているため、いずれも学校外活動費が高いとする記述は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 私立では幼稚園から高校までのすべての区分において「学校教育費」が最も高い構成比を占めており、学校外活動費ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 公立と私立の差額は、小学校が約121.4万円(1,535,789円-321,708円)、中学校が約85.7万円(1,338,623円-481,841円)であり、差額が最も大きいのは小学校です。
- 選択肢 4正解
- 公立15年間の合計額は5,272,500円、私立15年間の合計額は17,710,512円であり、差額は12,438,012円となり、1,000万円以上多額になります。
覚えるポイント
- 公立と私立の年間学習費の差額が最も大きいのは小学校である。
- 幼稚園から高校までの15年間すべて私立の場合、すべて公立の場合と比べて約3倍以上の費用(1,000万円超の差)がかかる。
間違えやすいところ
- 小学校は修業年限が6年間、他は3年間であるため、単純な年額の差額比較と15年間の総計計算を取り違えないように注意する。
出題の前提:文部科学省「平成26年度 子供の学習費調査」
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種係数を用いた必要額の計算
ライフプランニングと資金計画 · 6つの係数 / 減債基金係数 / 年金現価係数
年利率3%で複利運用しながら、20年後に1,500万円貯蓄するための毎年の積立金額(ア)と、毎年年末に200万円を10年間受け取るために当初必要な元金額(イ)の組み合わせとして、最も適切なものを1つ選択しなさい。
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解答
1
解説
資金計画における6つの係数のうち、「将来の目標額から毎年の積立額を求める」には減債基金係数を、「将来にわたり毎年受け取る年金額から現在の必要原資を求める」には年金現価係数を用います。
解き方
- (ア)について、20年後に1,500万円を作るための毎年の積立額を求めるため、20年・3%の減債基金係数0.0372を選択して乗算する。
- (イ)について、10年間にわたり毎年200万円を取り崩すために必要な当初の元金を求めるため、10年・3%の年金現価係数8.5302を選択して乗算する。
- 選択肢 1正解
- (ア)1,500万円×0.0372=558,000円、(イ)200万円×8.5302=17,060,400円となり、両方の計算結果が合致しています。
- 選択肢 2不正解
- (イ)において20年の年金現価係数(14.8775)を誤って乗じており、10年分の元金計算として不適切です。
- 選択肢 3不正解
- (ア)において現価係数(0.7441や0.5537等)を誤って選択・適用しているため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- (ア)、(イ)ともに参照すべき係数または年数を誤って計算しているため不適切です。
答えの内訳
- ア:558,000
- 将来の目標額1,500万円を得るための毎年の積立額は、減債基金係数(20年:0.0372)を用いて、15,000,000円×0.0372=558,000円と計算されます。
- イ:17,060,400
- 毎年一定額(200万円)を10年間受け取るために当初必要な元金額は、年金現価係数(10年:8.5302)を用いて、2,000,000円×8.5302=17,060,400円と計算されます。
覚えるポイント
- 減債基金係数:将来の一定額を目標に積み立てる毎年の金額を算出。
- 年金現価係数:将来の一定期間、毎年受け取る年金原資の現在額を算出。
間違えやすいところ
- 減債基金係数と資本回収係数の用途の混同、年金終価係数と年金現価係数の混同に注意する。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的医療保険制度の概要
ライフプランニングと資金計画 · 公的医療保険 / 健康保険 / 国民健康保険 / 後期高齢者医療制度
我が国の公的医療保険に関する記述のうち、最も不適切なものを1つ選択しなさい。
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解答
2
解説
公的医療保険制度は職域保険(被用者保険)と地域保険に大別され、それぞれ保険者(運営主体)、加入対象者、資格喪失時の移行要件(後期高齢者医療制度への加入など)が法律で明確に定められています。
解き方
- 各選択肢の保険者、対象者、継続要件、制度移行年齢の正誤を確認する。
- 国民健康保険の保険者が国ではなく市町村・国民健康保険組合であることを根拠に誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 健康保険適用事業所の75歳未満の常用労働者は、原則として協会けんぽまたは健康保険組合の被保険者となります。
- 選択肢 2正解
- 国民健康保険の保険者は市町村(特別区を含む)および国民健康保険組合であり、国が運営しているわけではありません。
- 選択肢 3不正解
- 退職前の被保険者期間が継続して2カ月以上ある等の要件を満たせば、最長2年間、健康保険の任意継続被保険者となることができます。
- 選択肢 4不正解
- 75歳に達した者は、健康保険や国民健康保険の被保険者資格を喪失し、後期高齢者医療制度の被保険者へ移行します。
覚えるポイント
- 国民健康保険の保険者は市町村(特別区)および国民健康保険組合。
- 75歳到達によりすべての公的医療保険から後期高齢者医療制度へと移行する。
- 任意継続被保険者の期間は最長2年間。
間違えやすいところ
- 国民健康保険の運営主体を「国」や「日本年金機構」と混同しないように注意する。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
雇用保険の基本手当および保険料
ライフプランニングと資金計画 · 雇用保険 / 基本手当 / 給付制限 / 受給期間
雇用保険の制度内容に関する記述のうち、最も適切なものを1つ選択しなさい。
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解答
3
解説
雇用保険は労働者の生活・雇用の安定を図る制度です。所定労働時間・雇用見込み等の要件を満たせばパート・アルバイトも被保険者となり、失業等給付の保険料は労使双方で負担します。また受給期間は原則1年間です。
解き方
- 被保険者要件、保険料負担区分、自己都合退職の給付制限、受給期間の各規定を確認する。
- 選択肢3の自己都合退職における待期期間後の給付制限の記述が正しいことを確認する。
- 選択肢 1不正解
- アルバイトであっても、1週間の所定労働時間が20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがある等の要件を満たせば被保険者となります。
- 選択肢 2不正解
- 失業等給付等の保険料は事業主と労働者の双方が負担(折半等)します。全額事業主負担となるのは雇用保険二事業の保険料です。
- 選択肢 3正解
- 自己都合による退職の場合、7日間の待期期間終了後、原則として一定期間(給付制限期間)は基本手当が支給されません。
- 選択肢 4不正解
- 基本手当の受給期間は、原則として離職の日の翌日から起算して「1年間」です。
覚えるポイント
- 雇用保険の適用要件:週所定労働時間20時間以上かつ31日以上の雇用見込み。
- 受給期間:原則として離職日の翌日から起算して1年。
- 自己都合退職:7日間の待期期間+給付制限期間がある。
間違えやすいところ
- 労災保険料(全額事業主負担)と雇用保険料(失業等給付は労使負担)の負担者の違いを混同しないようにする。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢厚生年金の受給要件と繰下げ支給
ライフプランニングと資金計画 · 老齢厚生年金 / 繰下げ支給 / 加給年金
老齢厚生年金の制度に関する記述のうち、最も不適切なものを1つ選択しなさい。
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解答
3
解説
老齢厚生年金の受給要件は受給資格期間(原則10年)を満たし被保険者期間が1カ月以上あることです。65歳以降の繰下げ支給は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を別々に選択できます。
解き方
- 受給資格要件、加給年金の20年要件、繰下げ申出方式、繰下げ増額率の各規定を確認する。
- 繰下げ支給が基礎年金と厚生年金で個別に選択できる点から選択肢3の不適切性を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 65歳からの老齢厚生年金は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たし、かつ厚生年金被保険者期間が1カ月以上あれば支給されます。
- 選択肢 2不正解
- 配偶者加給年金等が加算されるためには、受給権者本人の厚生年金保険被保険者期間が原則として20年(または中高齢の特例)以上必要です。
- 選択肢 3正解
- 老齢厚生年金と老齢基礎年金の繰下げは別個に申し出ることが可能であり、片方だけ繰下げて片方を65歳から受給することもできます。
- 選択肢 4不正解
- 繰下げによる増額率は1カ月あたり0.7%であり、70歳まで繰り下げた場合の最大増額率は60月×0.7%=42%となります。
覚えるポイント
- 繰下げ支給は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を別々に申し出ることができる。
- 繰下げ増額率=0.7%×繰下げ月数(最大42%:70歳時点)。
- 加給年金の要件:被保険者期間原則20年以上。
間違えやすいところ
- 繰上げ受給は基礎年金と厚生年金を「同時に請求」しなければならないのに対し、繰下げ受給は「別々に選択可能」である点を取り違えやすい。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
障害基礎年金および障害厚生年金
ライフプランニングと資金計画 · 障害基礎年金 / 障害厚生年金 / 所得制限 / 加算額
障害基礎年金および障害厚生年金に関する記述のうち、最も不適切なものを1つ選択しなさい。
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解答
1
解説
公的年金の障害給付は、障害等級に応じた基本額に加え、生計を維持する子(基礎年金)や配偶者(厚生年金1・2級)に対する加算が行われます。また、無拠出である20歳前障害基礎年金には所得制限が存在します。
解き方
- 20歳前障害基礎年金の所得制限の有無を確認する。
- 障害厚生年金の最低保障額、加給年金対象者、障害基礎年金の子の加算対象者を精査し、選択肢1の「所得にかかわらず」が誤りであることを導く。
- 選択肢 1正解
- 20歳前に初診日がある傷病による障害基礎年金は保険料拠出を要件としないため、受給権者本人の所得額に応じた支給制限(全額または一部支給停止)が適用されます。
- 選択肢 2不正解
- 障害等級3級の障害厚生年金は、被保険者記録に基づき算出した額が法令で定める最低保障額に満たない場合、最低保障額が支給されます。
- 選択肢 3不正解
- 障害等級1級または2級の障害厚生年金の受給権者に生計維持関係にある一定の配偶者がいる場合、加給年金額が加算されます。
- 選択肢 4不正解
- 障害基礎年金の受給権者に生計維持関係にある所定の要件を満たす子がいる場合、子の数に応じた子の加算額が支給されます。
覚えるポイント
- 20歳前傷病による障害基礎年金には本人の所得制限がある。
- 障害基礎年金には「子」の加算、障害厚生年金(1・2級)には「配偶者」の加給年金が付く。
- 障害厚生年金には3級および最低保障額の規定がある。
間違えやすいところ
- 障害基礎年金に加算される対象は「子」であり、「配偶者」は障害厚生年金に加算されるという対応関係を逆にしないよう注意する。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
確定拠出年金の制度と給付要件
ライフプランニングと資金計画 · 確定拠出年金 / 受給要件 / 税務 / 加入対象者
確定拠出年金(企業型・個人型)に関する記述のうち、最も不適切なものを1つ選択しなさい。
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解答
2
解説
確定拠出年金は加入者ごとに掛金を拠出し運用する制度です。老齢給付金は通算加入者等期間が10年以上あれば60歳から受給可能です。受取方法により退職所得または雑所得として税制上の優遇があります。
解き方
- 第1号加入者の掛金上限(付加保険料との合算枠)を確認する。
- 老齢給付金の受給開始可能年齢に必要な通算加入者等期間(10年)を確認し、選択肢2の20年が誤りであることを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 国民年金第1号被保険者のiDeCoの掛金限度額は月額68,000円ですが、付加保険料(月額400円)や国民年金基金の掛金を支払っている場合はそれらと合算して月額68,000円以内となります。
- 選択肢 2正解
- 老齢給付金を60歳から受給するために必要な通算加入者等期間は「10年以上」です。10年に満たない場合は受給可能年齢が段階的に繰り下がります。
- 選択肢 3不正解
- 確定拠出年金の老齢給付金を一時金で受給した場合は「退職所得」(退職所得控除の対象)、年金形式で受給した場合は「雑所得」(公的年金等控除の対象)となります。
- 選択肢 4不正解
- 平成29年(2017年)1月の法改正により、公務員や第3号被保険者(専業主婦等)を含む原則すべての現役世代が個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入可能となりました。
覚えるポイント
- 確定拠出年金の老齢給付金を60歳から受給するための通算加入者等期間は「10年以上」。
- 第1号加入者の掛金限度額は月額68,000円(付加保険料や国民年金基金と合算)。
- 一時金受取は退職所得、年金受取は公的年金等の雑所得。
間違えやすいところ
- 老齢厚生年金の加給年金要件である「20年以上」と、確定拠出年金の60歳受給開始要件である「10年以上」を混同しないようにする。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
日本学生支援機構の奨学金および国の教育ローン
ライフプランニングと資金計画 · 日本学生支援機構奨学金 / 国の教育ローン / 資金使途
日本学生支援機構の貸与型奨学金および日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
教育資金調達の公的制度である日本学生支援機構の奨学金(学生本人名義)と、日本政策金融公庫の国の教育ローン(保護者名義)について、それぞれの金利形態・返済期間・利用要件・対象使途の違いを正しく整理して理解する必要があります。
解き方
- 第一種奨学金が無利息であり、成績要件や経済的理由による厳格な基準があることを確認する。
- 国の教育ローンの固定金利、返済期間原則15年以内、世帯年収の上限要件を確認する。
- 国の教育ローンの使途が受験費・納付金に限定されるか、住居費等の通学費用を含むかを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 第一種奨学金(無利子)は、特に優れた学生・生徒であって経済的理由により著しく修学に困難があると認められた者が対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 国の教育ローンの融資金利は固定金利で、返済期間は母子家庭等・交通遺児家庭などを除き原則15年以内です。
- 選択肢 3不正解
- 国の教育ローンには利用制限として、扶養している子どもの人数に応じた世帯年収(所得)の上限基準が設けられています。
- 選択肢 4正解
- 資金使途は受験料や学校納付金に限定されず、在学に伴う住居費用(敷金・家賃)、教科書代、通学交通費等にも充当できます。
覚えるポイント
- 国の教育ローンは固定金利・返済期間原則15年以内・世帯年収上限あり・住居費等も使途対象
間違えやすいところ
- 奨学金は学生本人が借りて返還するのに対し、教育ローンは保護者が借主となる点を取り違えないこと。
出題の前提:2017年4月1日施行法令および日本政策金融公庫「教育一般貸付」規定
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損益計算書の勘定科目および財務指標
金融資産運用 · 損益計算書 / 売上原価 / 販売費及び一般管理費 / ROE
物品販売業A社の損益計算書の勘定科目や関連する財務指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
損益計算書における売上高から当期純利益までの各段階利益の構造、勘定科目の内容、および企業の収益性・効率性を測定する財務指標の定義式を正確に理解しておく必要があります。
解き方
- 売上原価の算式(期首棚卸高+当期仕入高-期末棚卸高)および販管費の範囲を確認する。
- 総資本回転率(売上高÷総資本)の定義を確認する。
- ROE(自己資本利益率)が自己資本に対する当期純利益の割合であることを確認し、売上高当期純利益率と区別する。
- 選択肢 1不正解
- 総資本回転率は売上高を総資本で除して算出し、総資本がどれだけ効率的に売上を生み出したかを示します。
- 選択肢 2不正解
- 売上原価は「期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高」の計算式により算出されます。
- 選択肢 3不正解
- 販売費及び一般管理費は企業の本業の販売・管理活動に伴う費用で、役員報酬や従業員給与が含まれます。
- 選択肢 4正解
- ROE(自己資本利益率)は「当期純利益÷自己資本(純資産)」であり、「売上高に対する当期純利益」は売上高当期純利益率です。
覚えるポイント
- ROE=当期純利益÷自己資本(純資産)、売上高当期純利益率=当期純利益÷売上高
間違えやすいところ
- ROE(自己資本利益率)とROA(総資産利益率)や売上高当期純利益率の分母を混同しないこと。
出題の前提:2017年4月1日現在の企業会計原則および財務諸表論
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
保険法における生命保険契約の基本規定
リスク管理 · 保険法 / 生命保険契約 / 被保険者の同意 / 生命保険約款
生命保険契約に関する次の記述のうち、保険法等の法規に照らして最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
保険法上の生命保険契約は当事者の合意のみで成立する諾成契約です。第三者の生命を対象とする死亡保険契約については、モラルハザードを防ぐ目的から被保険者の同意が不可欠の要件とされています。
解き方
- 生命保険契約が諾成・不要式の契約である性質を確認する。
- 保険法における生命保険契約の定義条項を確認する。
- 第三者(他人の生命)の死亡保険契約における被保険者の同意の要否を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 生命保険契約は、申込と承諾の意思表示の合致のみで成立する諾成契約です(保険証券の交付等は成立要件ではありません)。
- 選択肢 2不正解
- 保険法第2条第8号において、生命保険契約は人の生存または死亡に関し一定の保険給付を行うもの(傷害疾病定額保険契約を除く)と定義されています。
- 選択肢 3正解
- 他人の死亡保険契約(契約者以外の者を被保険者とする死亡保険契約)は、被保険者の同意がなければ効力を生じません(保険法第38条)。
- 選択肢 4不正解
- 保険約款は内閣総理大臣(金融庁長官に委任)の認可を受けて制定され、契約者に公平・画一的な条件を適用します。
覚えるポイント
- 他人の生命の死亡保険契約には被保険者の同意が必須(保険法第38条)
間違えやすいところ
- 保険契約の成立に保険証券の交付や初回保険料の支払いが絶対条件であると誤解しないこと(これらは責任開始期等に関係するが、契約成立自体は合意による諾成契約)。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の保険法・保険業法
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の一般的な商品性
リスク管理 · 養老保険 / 低解約返戻金型終身保険 / 定期保険 / 変額保険
死亡保障を目的とする生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
変額保険は特別勘定での資産運用実績に応じて保険金額や解約返戻金額が変動しますが、死亡保険金については契約時に定めた基本保険金額が最低保証される仕組みになっています。
解き方
- 養老保険の死亡保険金と満期保険金が同額である特徴を確認する。
- 低解約返戻金型保険の保険料払込期間中の解約返戻金水準を確認する。
- 変額保険の死亡保険金(最低保証あり)と満期保険金・解約返戻金(最低保証なし)の差異を比較する。
- 選択肢 1不正解
- 養老保険は、保険期間満了時に死亡保険金と同額の満期保険金が支払われる生死混合保険です。
- 選択肢 2不正解
- 低解約返戻金型終身保険は、払込期間中の解約返戻金を約7割程度に低く抑えることで、一般的な終身保険より割安な保険料となっています。
- 選択肢 3不正解
- 定期保険は一定期間のみを保障する掛け捨て型の保険であり、満期を迎えても満期保険金は支払われません。
- 選択肢 4正解
- 変額保険の死亡保険金には基本保険金額の最低保証があるため、運用実績が悪化しても基本保険金額を下回ることはありません。
覚えるポイント
- 変額保険:死亡保険金には最低保証あり、満期保険金・解約返戻金には最低保証なし
間違えやすいところ
- 変額保険の解約返戻金に最低保証がないことと、死亡保険金の最低保証の有無を混同しやすいので注意する。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の生命保険契約の一般的な商品設計
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険料控除の区分と控除限度額
リスク管理 · 生命保険料控除 / 新旧契約の判定 / 契約更新 / 傷害特約
生命保険料控除に関する次の記述のうち、所得税法の規定に照らし最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
平成24年1月1日以降に締結または更新された新契約では「一般・介護医療・個人年金」の3区分(各限度額4万円、合計12万円)となります。また、新契約においては傷害・災害関係の特約保険料は控除の対象外となっています。
解き方
- 旧契約(上限5万円)と新契約(上限4万円、3区分)の制度内容を確認する。
- 旧契約を平成24年1月1日以後に更新した場合は新契約として扱われるルールを確認する。
- 新契約における傷害特約等の保険料の控除対象の該否を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 平成23年12月31日以前締結の旧契約では、「一般の生命保険料控除」の所得税における控除限度額は最高5万円です。
- 選択肢 2不正解
- 新制度では一般・介護医療・個人年金の各控除枠の限度額が所得税で各4万円(全体合計で最高12万円)とされています。
- 選択肢 3不正解
- 平成23年以前の旧契約であっても、平成24年以後に更新や特約中途付加を行った場合は新制度が適用され、医療保険料は介護医療保険料控除の対象となります。
- 選択肢 4正解
- 新契約において、傷害特約や災害割増特約などの傷害のみを原因として給付される特約の保険料は生命保険料控除の対象外です。
覚えるポイント
- 新契約における傷害特約・災害割増特約等の保険料は生命保険料控除の対象外
間違えやすいところ
- 傷害特約を医療特約と同一視して介護医療保険料控除の対象になると誤認しないこと。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の所得税法
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人年金保険の税務(所得税・相続税)
リスク管理 · 個人年金保険料税制適格特約 / 公的年金等以外の年金受給 / 死亡給付金の非課税枠 / 保証期間付終身年金
個人年金保険の税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、契約者(=保険料負担者)、被保険者および年金受取人は同一人の個人であるものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
個人年金保険において、保険料負担者が毎年受け取る年金受給額は「公的年金等以外の雑所得」として課税されます(総収入金額-対応する払込保険料)。一時金で一括受給した場合等には一時所得となります。
解き方
- 個人年金保険料税制適格特約の要件(年金受取開始年齢60歳以上、払込期間10年以上等)を確認する。
- 年金受取人が年金形式で受け取る場合の所得区分(雑所得)を判定する。
- 年金開始前の死亡給付金および年金開始後の未払年金・継続年金受給権に対する相続税の適用を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 個人年金保険料税制適格特約を付加し所定の要件を満たす契約の保険料は、個人年金保険料控除の対象となります。
- 選択肢 2正解
- 契約者と受取人が同一人である個人年金保険から毎年受け取る年金は、「雑所得」として課税されます。
- 選択肢 3不正解
- 年金開始前に被保険者が死亡して法定相続人が受け取る死亡給付金は、みなし相続財産として「500万円×法定相続人の数」の非課税枠が適用されます。
- 選択肢 4不正解
- 保証期間付終身年金で保証期間中に受取人が死亡し、遺族が引き継ぐ残存期間の年金受給権は、みなし相続財産として相続税の課税対象となります。
覚えるポイント
- 契約者本人が年金形式で受け取る個人年金は「雑所得」(一時所得ではない)
間違えやすいところ
- 一時金として一括受取する場合は一時所得になるが、毎年受け取る年金は雑所得となる違いに注意する。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の所得税法および相続税法
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の生命保険の経理処理
リスク管理 · 法人契約 / 医療保険の入院給付金 / 終身保険の解約返戻金 / 養老保険 / 長期平準定期保険
契約者(=保険料負担者)を法人、被保険者を役員とする生命保険契約の経理処理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、いずれも保険料は毎月平準払いで支払われているものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
法人が契約者となる生命保険では、保険金・給付金受取時の処理として、過去に積立計上された資産残高があればそれを取り崩して差額を損益認識し、資産計上がない給付金(入院給付金等)は全額雑収入となります。
解き方
- 受取人が法人である医療保険の入院給付金について、資産取り崩しの有無を確認し全額雑収入処理となることを判定する。
- 終身保険の解約返戻金受取時に、資産計上されている保険料積立金の取り崩しが必要であることを確認する。
- 受取人が法人の養老保険保険料(全額資産計上)および長期平準定期保険の前半期間(資産1/2計上)の税務処理を確認する。
- 選択肢 1正解
- 短期払・更新型の医療保険料は損金算入されており対応する資産勘定がないため、受取入院給付金の全額を雑収入に計上します。
- 選択肢 2不正解
- 終身保険の保険料は資産計上(保険料積立金)されているため、解約返戻金受取時は積立金を相殺し、差額(解約返戻金-資産計上額)を雑収入または雑損失として計上します。
- 選択肢 3不正解
- 満期保険金受取人および死亡保険金受取人がともに法人の養老保険の支払保険料は、全額を資産(保険料積立金)に計上します。
- 選択肢 4不正解
- 当時の長期平準定期保険(受取人法人)では、保険期間の前半6割相当期間においては、支払保険料の2分の1を資産計上し、残りの2分の1を損金算入します。
覚えるポイント
- 受取人法人の医療保険の入院給付金:全額雑収入に計上する
間違えやすいところ
- 解約返戻金の全額をそのまま雑収入に計上すると資産勘定(積立金)が残ってしまうため、資産取崩し後の差額のみが雑収入となる点を見落とさないこと。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法人税基本通達
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
地震保険の制度および商品性
リスク管理 · 地震保険 / 火災保険の中途付帯 / 割引制度の重複適用 / 保険の対象 / 損害区分
地震保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
地震保険は居住用建物および生活用家財を対象とし、火災保険に付帯して加入します。保険料割引制度は4種類あるものの重複適用は不可とされ、損害区分は2017年1月改定により4区分化されています。
解き方
- 火災保険の保険期間中途でも地震保険の付帯が可能であることを確認する。
- 4種類の割引制度(建築年・耐震等級・免震・耐震診断)が重複不可であることを確認する。
- 貴金属・美術品等の明記物件が地震保険の対象外であることを確認する。
- 平成29年(2017年)1月改定後の損害区分が「全損・大半損・小半損・一部損」の4区分である点を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 地震保険は、火災保険の新規加入時だけでなく、保険期間の中途からでも付帯して契約することができます。
- 選択肢 2正解
- 地震保険の4種類の割引制度(建築年・耐震等級・免震建築物・耐震診断)は、重複して適用を受けることはできません。
- 選択肢 3不正解
- 地震保険では、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属や美術品・骨とう等は、申込書に明記しても補償対象に含めることはできません。
- 選択肢 4不正解
- 平成29年1月1日以降の契約では、損害区分は従来の3区分から「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4区分に改定されました。
覚えるポイント
- 地震保険の4大割引は重複適用不可/平成29年1月始期以降は4区分(全損・大半損・小半損・一部損)
間違えやすいところ
- 火災保険では明記物件として引き受け可能な貴金属等も、地震保険では対象外となる点に注意する。
出題の前提:2017年1月改定の地震保険制度基準
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
任意加入自動車保険の一般的な商品性
リスク管理 · 自動車保険 / 人身傷害補償保険 / 対人・対物賠償責任保険 / 車両保険
任意加入の自動車保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
任意自動車保険は、自賠責保険の上乗せとなる対人賠償や対物賠償、搭乗者の死傷に備える人身傷害補償、契約車両の破損に備える車両保険などで構成されます。人身傷害補償保険は自己の過失割合に関わらず実際の損害額が支払われる点、車両保険では自然災害のうち地震・噴火・津波が原則として免責となる点が重要です。
解き方
- 各選択肢の保険種目(対人賠償・対物賠償・人身傷害補償・車両保険)の補償内容と免責事項を確認する。
- 人身傷害補償保険の支払基準において、被保険者自身の過失割合が控除されるかどうかを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 対人賠償保険は自賠責保険の上乗せ保険として機能するため、自賠責保険等から支払われるべき金額を超える損害賠償責任額が保険金の支払い対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 対物賠償保険は、自動車事故により他人の財物を破損し、法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われます。相手車両への追突事故による損害賠償責任も対象です。
- 選択肢 3正解
- 人身傷害補償保険では、被保険者の過失割合にかかわらず、保険約款に定める基準に従って算出された実際の損害額について、保険金額を限度として保険金が支払われます。
- 選択肢 4不正解
- 車両保険では、台風や洪水による損害は通常補償されますが、地震・噴火またはこれらによる津波による損害は特約を付帯しない限り免責事項となり、補償対象外です。
覚えるポイント
- 人身傷害補償保険は過失相殺なしで実際の損害額が補償される
- 車両保険は地震・噴火・津波による損害は特約がない限り免責
間違えやすいところ
- 人身傷害補償保険と搭乗者傷害保険(定額払い)の給付形態の違いとの混同
- 車両保険における台風・洪水(補償対象)と地震・噴火・津波(原則対象外)の混同
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令および一般的な保険商品約款に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
傷害保険の一般的な商品性
リスク管理 · 傷害保険 / 普通傷害保険 / 家族傷害保険 / 被保険者の範囲
傷害保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
傷害保険は「急激・偶然・外来の事故」による身体の傷害を補償する保険です。保険料は被保険者の年齢や家族の人数ではなく、職業・職種に応じた職種級区分によって決定されます。また、家族傷害保険の被保険者の範囲は契約時ではなく事故発生時の家族関係および同居・生計要件によって判定されます。
解き方
- 傷害保険の支払要件(急激・偶然・外来性)と熱中症・細菌性食中毒などの対象外事項を確認する。
- 傷害保険の保険料決定要因(職種級区分、年齢・人数の非関連性)を確認する。
- 家族傷害保険の被保険者の判定基準時(事故発生時)と契約後の家族増減の取扱いを照合する。
- 選択肢 1不正解
- 普通傷害保険では、日射病や熱中症は「急激・外来の事故」とはみなされず、特約を付帯しない限り保険金支払いの対象となりません。
- 選択肢 2不正解
- 普通傷害保険の保険料は、被保険者の職種や業務内容による「職種級区分」によって定められており、被保険者の年齢や性別による差異はありません。
- 選択肢 3正解
- 家族傷害保険の被保険者の範囲は事故発生時点で判定されるため、契約後に誕生した実子や養子であっても、事故発生時に条件を満たしていれば被保険者として補償されます。
- 選択肢 4不正解
- 家族傷害保険の保険料は、家族の人数にかかわらず一定であり、家族の人数によって保険料が変わることはありません。
覚えるポイント
- 傷害保険の保険料は職種級区分(業務内容)で決定され、年齢や家族人数には連動しない
- 家族傷害保険の対象者は事故発生時で判定されるため、契約後に生まれた子も対象
間違えやすいところ
- 熱中症や食中毒が特約なしで普通傷害保険の対象になると誤認すること
- 生命保険のように年齢や人数に応じて傷害保険料が増減すると誤解すること
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令および一般的な傷害保険約款に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
地震保険料控除の適用要件と控除限度額
リスク管理 · 地震保険料控除 / 店舗併用住宅 / 控除限度額 / 一括払保険料
地震保険料控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
地震保険料控除は、自己または生計を一にする配偶者その他の親族が所有する常時居住用の家屋・生活用家財を保険の目的とする地震保険契約の保険料を対象とします。控除限度額は所得税が最高50,000円、住民税が最高25,000円です。複数年分の一括払保険料は、保険期間の年数で除した各年相当額が各年分の控除対象となります。
解き方
- 地震保険料控除の対象となる目的物(居住用建物・生活用家財)と併用住宅の按分基準を確認する。
- 火災保険料(損害保険料控除廃止、経過措置旧長期を除く)と地震保険料の控除区分の違いを確認する。
- 所得税(最高5万円)および住民税(最高2.5万円)の控除限度額を確認する。
- 一括前納・長期一括払保険料の年割計算ルールを確認する。
- 選択肢 1正解
- 店舗併用住宅の場合、原則として家屋の延床面積のうち居住用部分の割合を乗じて算出した居住用部分に係る保険料のみが地震保険料控除の対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 地震保険料控除の対象となるのは地震保険料部分のみであり、主契約である火災保険の保険料は対象外です(旧長期損害保険料の経過措置を除く)。
- 選択肢 3不正解
- 地震保険料控除の控除限度額は、所得税では最高50,000円、住民税では最高25,000円です。
- 選択肢 4不正解
- 保険期間が2年以上の長期契約で保険料を一括して支払った場合、総保険料を保険期間の年数で除した金額が各年の控除対象となります。
覚えるポイント
- 地震保険料控除の最高限度額:所得税50,000円、住民税25,000円
- 店舗併用住宅は原則として居住用部分の床面積割合に応じた保険料が対象
- 複数年一括払保険料は年数で除した金額が各年の控除対象
間違えやすいところ
- 所得税の限度額を4万円(生命保険料控除の新契約限度額)と混同すること
- 一括払いした年に全額控除できると誤認すること
出題の前提:2017年4月1日現在施行の所得税法等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険を利用した家庭のリスク管理
リスク管理 · 生命保険の活用 / 定期保険 / 収入保障保険 / 終身保険 / 医療保険
生命保険を利用した家庭のリスク管理のアドバイスに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
各種生命保険商品はその目的に適した保障機能を持っています。一定期間の遺族の生活保障には割安な掛け捨ての定期保険や収入保障保険、生涯にわたる保障や相続税対策・葬儀費用確保には終身保険、医療費リスクには医療保険、老後資金等の生存保障・貯蓄には個人年金保険や養老保険を用います。
解き方
- 顧客のニーズ(遺族生活資金、老後生活資金、医療費負担、相続税納税資金)を把握する。
- 各保険商品(定期保険、収入保障保険、医療保険、終身保険、個人年金保険)の機能・特性と照合して適切性を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 定期保険は、保険期間内に被保険者が死亡した場合にまとまった死亡保険金が支払われるため、遺族の生活資金の準備として適切です。
- 選択肢 2正解
- 収入保障保険は、保険期間中に死亡した際に遺族が年金形式で給付を受け取る死亡保障保険(掛け捨て型)であり、本人の老後資金準備には個人年金保険等が適しています。
- 選択肢 3不正解
- 医療保険は病気やケガによる入院や手術の費用をカバーする保険であり、医療費負担のリスク対策として適切です。
- 選択肢 4不正解
- 終身保険は保障が生涯継続し、死亡時に確実に死亡保険金が支払われるため、相続税の納税資金や葬儀費用の準備として適切です。
覚えるポイント
- 収入保障保険は「遺族の生活費のための死亡保障」であり、老後資金準備の手段ではない
- 相続税対策・納税資金確保には生涯保障の「終身保険」が適する
間違えやすいところ
- 「収入保障保険」の名称から、自分の老後の収入を確保する個人年金保険と混同すること
出題の前提:2017年4月1日現在の一般的な生命保険の機能およびリスク管理手法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
日本円・米ドル間の為替相場の変動要因
金融資産運用 · 為替相場 / 為替レートの決定要因 / 金利平価 / 経常収支 / 購買力平価
日本円・米ドル間の為替相場の変動要因に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
為替相場は通貨の需給関係によって変動します。金利面では金利の高い通貨が買われ、景気面では好調な国の通貨が買われます。経常収支面では黒字国の通貨が買われ(円高要因)、赤字化・悪化は通貨売り(円安要因)となります。物価面(購買力平価)では、インフレ率が高い国の通貨は実質的な価値が低下するため減価(売られて安くなる)します。
解き方
- 各選択肢の経済要因(金利、景気、経常収支、物価)が円とドルの需給に与える影響を分析する。
- 経常収支の悪化は輸出減・輸入増等を意味し、為替市場でのドル買い・円売りを促すため「円安」になることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 米国の金利が上昇して日米金利差が拡大すると、より高い利回りを求めて円を売ってドルを買う動きが強まるため、一般に円安(ドル高)傾向となります。
- 選択肢 2不正解
- 米国の景気が相対的に後退すると予想される場合、米国の金利低下期待などからドルが売られ、一般に円高(ドル安)傾向となります。
- 選択肢 3正解
- 日本の経常収支が悪化(黒字縮小や赤字転落)すると、輸出企業による外貨から円への換金(円買い)が減少し、一般に円安傾向となります。
- 選択肢 4不正解
- 日本の物価が米国に比べて相対的に上昇すると、円の購買力が低下するため、購買力平価の観点から円の価値が下がり、一般に円安傾向となります。
覚えるポイント
- 他国の金利上昇・自国金利差拡大 → 自国通貨安(円安)
- 経常収支の悪化(赤字化) → 実需の円買い縮小により円安
- 物価上昇(インフレ率上昇) → 通貨価値の下落により円安
間違えやすいところ
- インフレによる物価高を通貨の価値上昇と混同して「円高」と判断してしまうこと
- 金利差拡大で高金利通貨が買われるメカニズムの方向を取り違えること
出題の前提:一般的なマクロ経済理論および為替相場の変動要因に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
上場投資信託(ETF)の特徴
金融資産運用 · ETF / 信託報酬 / 市場価格 / レバレッジ型指標
上場投資信託(ETF)の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
ETF(上場投資信託)は証券取引所に上場している投資信託で、株価指数や商品指数等に連動するように運用されます。株式と同様に取引時間中に市場価格で売買でき、売買委託手数料が発生します。また、通常の投資信託と同様に保有期間中は運用管理費用(信託報酬)が信託財産から差し引かれます(一般的な追加型株式投信に比べて信託報酬は低めに設定されています)。
解き方
- ETFの基本特性(連動対象指標、市場での売買方式、コスト体系)を確認する。
- 信託報酬(運用管理費用)の有無を判定する(ETFでも信託報酬は発生する)。
- 選択肢 1不正解
- ETFは、TOPIXや日経平均株価などの株価指数、金や原油などの商品指標などに連動するように投資信託委託会社により運用されています。
- 選択肢 2不正解
- ETFは証券取引所に上場しているため、1日1回算出される基準価額ではなく、取引所の需給関係によって刻々と変動する市場価格で売買が行われます。
- 選択肢 3正解
- ETFの保有期間中には、一般の投資信託と同様に運用管理費用(信託報酬)が信託財産から差し引かれます(徴収されないわけではありません)。
- 選択肢 4不正解
- レバレッジ型ETFは、原指標の日々の変動率の2倍などの値動きを目指すため、原指標に連動するETFと比較して運用成果の変動率(ボラティリティ)が大きくなります。
覚えるポイント
- ETFも投資信託であるため保有期間中に運用管理費用(信託報酬)が発生する
- ETFの売買時には上場株式と同様に売買委託手数料がかかる
- 取引所が開いている時間帯に市場価格でリアルタイムに売買可能
間違えやすいところ
- ETFは株式のように取引できるため、信託報酬がかからないと誤解すること
- 取引価格が1日1回の「基準価額」で約定すると誤認すること
出題の前提:金融商品取引法および上場投資信託の一般的な制度規約に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
固定利付債券の利回りと価格・変動性の関係
金融資産運用 · 債券価格と利回り / 残存期間と価格変動幅 / 表面利率と価格変動幅 / 信用リスク
一般的な固定利付債券の利回りと価格の関係等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
固定利付債券では、債券価格と利回りは逆方向に動きます(価格下落=利回り上昇)。また、市場金利(利回り)の変動に対する債券価格の変動幅(ボラティリティ)は、「残存期間が長いほど大きく」「表面利率(クーポンレート)が低いほど大きく」なります。信用リスク(債務不履行リスク)が低いほど安全性が高いため、要求される利回りは低くなります。
解き方
- 債券価格と最終利回りの逆相関関係を確認する。
- 残存期間と金利変動リスク(価格変動幅)の関係を確認する(残存期間が長いほど価格変動幅は大きい)。
- 表面利率と金利変動リスクの関係を確認する(表面利率が低いほど価格変動幅は大きい)。
- 信用度(格付け)と利回りスプレッドの関係を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 債券価格と利回りはシーソー(逆比例的)の関係にあり、価格が安く購入できれば将来得られるキャッシュフローに対する利回りは上昇します。
- 選択肢 2正解
- 残存期間が長い債券ほど将来のキャッシュフローを受け取るまでの期間が長く金利変動の影響を強く受けるため、利回りの変動に対する価格の変動幅は「大きく」なります。
- 選択肢 3不正解
- 表面利率(クーポン)が低い債券ほど途中の利息回収が少なく元本償還のウエイトが高くなるため、利回りの変動に対する価格の変動幅は大きくなります。
- 選択肢 4不正解
- 信用リスクが低い(格付けが高いなど安全である)債券は投資家が求めるリスクプレミアムが小さくて済むため、利回りは低くなります。
覚えるポイント
- 債券価格と利回りは逆の動き(価格下落=利回り上昇)
- 金利変動に対する価格変動幅が大きい条件:①残存期間が長い、②表面利率が低い
- 信用リスクが低い=利回りが低い(価格が高い)
間違えやすいところ
- 残存期間が長い方が価格変動幅が小さくなると正反対に誤認すること
- 表面利率が高い方が価格変動幅が大きいと誤解すること
出題の前提:債券数理および固定利付債の価格変動特性に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
固定利付債券の所有期間利回りの計算
金融資産運用 · 債券の利回り計算 / 所有期間利回り / 単利計算
表面利率1%、発行価格が額面100円当たり99円50銭、償還年限が10年の固定利付債券を購入し、4年間保有して額面100円当たり100円25銭で売却した。この場合の所有期間利回りとして、正しいものはどれか。なお、手数料、経過利子、税金等については考慮しないものとし、解答は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入するものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
債券の所有期間利回り(単利)は、投資した元本(購入価格)に対する、年間のインカムゲイン(表面利率)と1年当たりのキャピタルゲイン/ロス(売却価格と購入価格の差額を保有年数で除したもの)の合計額の割合として算出します。
解き方
- 1年当たりの売却差損益を計算する:(売却価格 100.25円 - 購入価格 99.50円) ÷ 保有期間 4年 = 0.75 ÷ 4 = 0.1875円。
- 年間の合計収益を計算する:表面利率 1.00円 + 0.1875円 = 1.1875円。
- 購入価格で除して利回りを算出する:1.1875 ÷ 99.50 × 100 = 1.193467...%。
- 小数点以下第3位を四捨五入して、1.19% を求める。
- 選択肢 1不正解
- 計算結果の 1.19% と異なります。
- 選択肢 2不正解
- 分母に売却価格等を用いたり計算過程で誤りがあります。
- 選択肢 3不正解
- 保有年数の4年ではなく残存年数等を用いて計算した場合などに生じる誤りです。
- 選択肢 4正解
- 〔1+(100.25-99.50)÷4〕÷99.50×100 = 1.1875÷99.50×100 ≒ 1.19% であり、正しい数値です。
覚えるポイント
- 所有期間利回り=〔表面利率+(売却価格-購入価格)÷所有年数〕÷購入価格×100
- 分母は常に「購入価格」であり、売却価格や額面(100円)ではない点に注意
間違えやすいところ
- 分母に100円(額面)や100.25円(売却価格)を代入してしまうこと
- 保有期間の4年ではなく償還期間の10年で割ってしまうこと
出題の前提:一般的な債券投資指標(所有期間利回り・単利)の計算公式に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式投資指標の定義と計算
金融資産運用 · 株式投資指標 / 配当性向 / PER / PBR / 配当利回り
株式の投資指標に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
株式の代表的な投資指標(PER・PBR・配当利回り・配当性向)は、分子と分母に用いられる財務項目(株価、純利益、純資産、年間配当金など)の対応関係を正確に把握することが重要です。
解き方
- PER(株価収益率)は株価÷1株当たり当期純利益、PBR(株価純資産倍率)は株価÷1株当たり純資産であることを確認します。
- 配当利回りは1株当たり配当金÷株価、配当性向は配当金総額÷当期純利益であることを確認し、各記述の正誤を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 株価が1株当たり当期純利益の何倍であるかを示す指標は、PBRではなくPER(株価収益率)です。
- 選択肢 2不正解
- 株価が1株当たり純資産の何倍であるかを示す指標は、PERではなくPBR(株価純資産倍率)です。
- 選択肢 3正解
- 配当性向は、企業が獲得した当期純利益のうちどれだけを配当金として株主に還元したかを示す割合です。
- 選択肢 4不正解
- 配当利回りは、株価に対する1株当たり年間配当金の割合を示す指標であり、分母は総資産ではなく株価です。
覚えるポイント
- PERは純利益(Earning)、PBRは純資産(Book-value)との比率である点を確実に暗記する。
間違えやすいところ
- 配当利回り(分母が株価)と配当性向(分母が当期純利益)の分母を取り違えないように注意する。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
金融派生商品(オプション取引・先物取引)の概要
金融資産運用 · デリバティブ / オプション取引 / 先物取引 / ヘッジ取引
金融派生商品に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
オプション取引において「権利」を有するのは買い手のみであり、売り手はオプション料(プレミアム)を受け取る代わりに買い手の権利行使に応じる「義務」を負います。
解き方
- オプション取引における買い手と売り手の権利・義務関係を確認します。
- 買い手は権利を行使するか放棄するかを自由に選べますが、売り手には権利放棄の選択権はなく義務のみを負うことを判定します。
- 選択肢 1不正解
- オプション取引は、特定期日または期間内に原資産を決められた価格で買う権利(コール)または売る権利(プット)を売買する取引です。
- 選択肢 2正解
- 権利を有し放棄できるのは「買い手」です。売り手は買い手から権利行使された場合に応じる義務を負うのみです。
- 選択肢 3不正解
- 先物取引では、取引金額の一部に相当する証拠金を差し入れることで大きな取引を行うことができ、これをレバレッジ効果と呼びます。
- 選択肢 4不正解
- 保有資産の価格下落等のリスクを回避・軽減するため、反対のポジションを先物等で保有する取引をヘッジ取引といいます。
覚えるポイント
- オプションの買い手は「権利を有し放棄可能」、売り手は「義務を負い放棄不可」である。
間違えやすいところ
- オプションの売り手にも権利があると誤認しやすいので、売り手は義務のみを負う点に留意する。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
シャープレシオによる運用パフォーマンスの比較評価
金融資産運用 · シャープレシオ / ポートフォリオ理論 / リスク調整後リターン
下記<資料>に基づくファンドAとファンドBの過去5年間の運用パフォーマンスの比較評価に関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 <資料> ・ファンドA:実績収益率の平均値 10.3%、実績収益率の標準偏差 3.0% ・ファンドB:実績収益率の平均値 3.5%、実績収益率の標準偏差 1.0% シャープレシオは、ポートフォリオの超過収益率を標準偏差で除して算出される。無リスク金利を1.0%として、<資料>の数値によりファンドAのシャープレシオの値を算出すると( ア )となる。同様に算出したファンドBのシャープレシオの値により、両ファンドの運用パフォーマンスを比較すると、過去5年間は( イ )の方が効率的な運用であったと判断される。
解答・解説を表示
解答
3
解説
シャープレシオは「(ポートフォリオの収益率-無リスク金利)÷標準偏差」で求められ、取ったリスク1単位あたりに得られた超過リターンを示し、数値が大きいほど運用効率が高いと判断されます。
解き方
- ファンドAのシャープレシオを計算します:(10.3-1.0)÷3.0=9.3÷3.0=3.1。
- ファンドBのシャープレシオを計算します:(3.5-1.0)÷1.0=2.5÷1.0=2.5。
- 両者を比較するとファンドA(3.1)>ファンドB(2.5)であるため、ファンドAの方が効率的であると判断します。
- 選択肢 1不正解
- ファンドAのシャープレシオは2.5ではなく3.1です(2.5はファンドBのシャープレシオ)。
- 選択肢 2不正解
- (ア)は3.1であり、(イ)もシャープレシオが高いファンドAが効率的となります。
- 選択肢 3正解
- (ア)は3.1、(イ)はファンドAであり、計算結果および効率性の判定ともに正しく適合しています。
- 選択肢 4不正解
- ファンドAのシャープレシオ(3.1)はファンドB(2.5)を上回っているため、効率的なのはファンドBではなくファンドAです。
覚えるポイント
- シャープレシオ=(収益率-安全資産利子率)÷標準偏差であり、値が大きいほど優秀である。
間違えやすいところ
- 無リスク金利(安全資産利子率)を引き忘れて単純に収益率÷標準偏差と計算しないように注意する。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
一般NISA制度の仕組みと留意点
金融資産運用 · NISA / 少額投資非課税制度 / 株式数比例配分方式 / 損益通算
平成29年におけるNISA(少額投資非課税制度)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、NISAにより投資収益が非課税となる口座をNISA口座という。
解答・解説を表示
解答
4
解説
NISA口座内の譲渡益や配当金は非課税となりますが、損失はないものとみなされるため損益通算や繰越控除はできません。また、他口座からの移管は不可で、配当金の非課税適用には株式数比例配分方式の選択が要件となります。
解き方
- 各選択肢の対象商品(公社債投信は対象外)、損益通算の可否(不可)、移管の可否(不可)を確認します。
- 上場株式の配当金を非課税とする受取方式が株式数比例配分方式であることを確認し、選択肢4を正解と判定します。
- 選択肢 1不正解
- NISAの対象となる投資信託は公募株式投資信託であり、公募公社債投資信託はNISA口座で購入・保有できません。
- 選択肢 2不正解
- NISA口座で発生した損失は税務上ないものとみなされるため、特定口座や一般口座の譲渡益と損益通算することはできません。
- 選択肢 3不正解
- 既に特定口座や一般口座で保有している上場株式等をNISA口座に移管することは認められていません。
- 選択肢 4正解
- 上場株式の配当金をNISAで非課税にするには、証券会社の取引口座で受け取る「株式数比例配分方式」を選択する必要があります。
覚えるポイント
- NISA口座内の損失は他口座の譲渡益・配当金と損益通算できず、繰越控除も不可である。
間違えやすいところ
- 配当金領収証方式や登録配当金受領口座方式を選択すると、配当金が非課税とならず課税される点に注意する。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人向け金融商品取引のセーフティネット(預金保険・投資者保護基金)
金融資産運用 · セーフティネット / 預金保険制度 / 日本投資者保護基金
わが国における個人による金融商品取引に係るセーフティネットに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
預金保険制度は国内銀行等の円預金を1金融機関ごとに合算して元本1,000万円までとその利息を保護します(外貨預金は対象外)。日本投資者保護基金は証券会社破綻時に分別管理が徹底されていなかった顧客資産を1人あたり1,000万円まで補償します。
解き方
- 預金保険制度の対象(一般財形・確定拠出年金の預金等は対象、外貨預金・譲渡性預金は対象外)を確認します。
- 投資者保護基金の対象(国内証券会社が分別管理すべき国内株式・外国株式・公社債等の有価証券や金銭)を確認し、外国株式も対象であることから選択肢4を不適切と判定します。
- 選択肢 1不正解
- 財形住宅貯蓄や財形年金貯蓄を含む財形貯蓄制度の預金は、一般の預金等と合算して預金保険制度の保護対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 国内銀行に預け入れられている預金であっても、外貨預金は預金保険制度による保護の対象外です。
- 選択肢 3不正解
- 確定拠出年金制度の運用商品として選択された預金は、加入者個人の預金として預金保険制度の保護対象となります。
- 選択肢 4正解
- 国内証券会社が保護預かりしている一般顧客の有価証券には外国株式も含まれ、投資者保護基金の補償対象(上限1,000万円)となります。
覚えるポイント
- 投資者保護基金は国内証券会社に預託された「外国株式」も補償対象(上限1,000万円)である。
間違えやすいところ
- 国内銀行の「外貨預金」は預金保険の対象外だが、国内証券会社の「外国株式」は投資者保護基金の対象となる点を取り違えやすい。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
日本銀行の長短金利操作付き量的・質的金融緩和
金融資産運用 · 金融政策 / イールドカーブ・コントロール / マイナス金利 / ETF買入れ
日本銀行の金融政策に関する次の記述の空欄(ア)~(エ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 日本銀行は平成28年9月、2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するため、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を決定した。その内容は以下のとおりである。 (1)長短金利操作(イールドカーブ・コントロール) 短期金利:日本銀行当座預金のうち政策金利残高に( ア )を適用する。 長期金利:( イ )がゼロ%程度で推移するよう、( ウ )の買入れを行う。買入れ額については、概ね現状程度の買入れペース(保有残高の増加額年間約80兆円)をめどとしつつ、金利操作方針を実現するよう運営する。 (2)資産買入れ方針 ( ウ )以外の資産の買入れについては、以下のとおりとする。 ①( エ )について、保有残高が、それぞれ年間約6兆円、年間約900億円に相当するペースで増加するよう買入れを行う。 ②CP等、社債等について、それぞれ約2.2兆円、約3.2兆円の残高を維持する。
解答・解説を表示
解答
1
解説
2016年9月に導入された「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」では、日銀当座預金の政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用し、10年物国債金利が0%程度で推移するよう長期国債の買入れを行うイールドカーブ・コントロールが柱とされました。
解き方
- 短期金利の政策金利残高への適用金利が「▲0.1%のマイナス金利」であることを確認します。
- 長期金利操作の対象指標が「10年物国債金利」、買入れ対象が「長期国債」であることを確認します。
- その他の資産買入れ対象が年間約6兆円の「ETF」および約900億円の「J-REIT」であることを確認し、組み合わせが一致する選択肢1を選びます。
- 選択肢 1正解
- (ア)▲0.1%のマイナス金利、(イ)10年物国債金利、(ウ)長期国債、(エ)ETFおよびJ-REITの組み合わせがすべて適切です。
- 選択肢 2不正解
- 短期金利はゼロ%ではなく▲0.1%であり、買入れ対象は個人向け国債ではなく長期国債です。
- 選択肢 3不正解
- 長期金利の誘導対象は物価連動国債ではなく10年物国債金利であり、資産買入れ対象も外国債券等ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 短期金利はゼロ%ではなく▲0.1%、長期金利は10年物国債金利であり、(エ)も誤りです。
覚えるポイント
- 長短金利操作:短期金利は▲0.1%、長期金利は10年物国債金利をゼロ%程度に誘導する。
間違えやすいところ
- 買入れ資産は市場で取引される「長期国債」であり、「個人向け国債」ではない点に注意する。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の基本原則(課税期間・税率構造・課税方式・納税義務者)
タックスプランニング · 所得税の原則 / 超過累進税率 / 申告納税方式 / 暦年課税
所得税の原則的な取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
所得税は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた個人の所得に対して課される国税であり、申告納税方式および超過累進税率(総合課税分)を基本原則としています。
解き方
- 課税期間が暦年(1月1日〜12月31日)であることを確認します。
- 税率構造が超過累進税率(5%〜45%の7段階)であることを確認します。
- 納税方式が申告納税方式であること、納税義務者に国籍要件はないことを確認し、選択肢2を正解と判定します。
- 選択肢 1不正解
- 所得税の課税期間は会計年度(4月〜翌3月)ではなく、毎年1月1日から12月31日までの暦年単位です。
- 選択肢 2正解
- 課税総所得金額に対する税率は、所得金額が上がるにつれて税率が高くなる超過累進税率(5%〜45%)が採用されています。
- 選択肢 3不正解
- 所得税は、納税者自らが税額を計算して確定申告・納付する申告納税方式を採用しています(賦課課税方式ではありません)。
- 選択肢 4不正解
- 所得税の居住者区分等は住所や居所により判定され、日本国籍を有していなくても日本国内に住所があれば居住者として納税義務を負います。
覚えるポイント
- 所得税は「暦年単位(1/1~12/31)」「申告納税方式」「超過累進税率」が原則である。
間違えやすいところ
- 所得税の納税義務者の判断基準は「住所・居所」であり、「国籍」ではない点に注意する。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税法上の各種所得の区分
タックスプランニング · 所得分類 / 譲渡所得 / 不動産所得 / 利子所得 / 退職所得
所得税における各種所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
不動産所得は土地や建物などの不動産の「貸付け」によって生じる所得(地代や家賃収入等)です。不動産そのものを「売却」して得た代金・利益は「譲渡所得」に分類されます。
解き方
- 不動産所得の対象(不動産等の貸付けによる賃料等)を確認します。
- 土地の売却代金に係る所得が譲渡所得に区分されることを確認し、不動産所得としている選択肢3を不適切と判定します。
- 選択肢 1不正解
- 預貯金や公社債の利子などから生じる所得は、利子所得に該当します。
- 選択肢 2不正解
- 法人からの利益の配当や剰余金の分配などによる所得は、配当所得に該当します。
- 選択肢 3正解
- 賃貸用不動産であっても、土地の売却によって生じた所得は不動産所得ではなく「譲渡所得」となります。
- 選択肢 4不正解
- 退職により一時金として受ける退職手当などの所得は、退職所得に該当します。
覚えるポイント
- 不動産の「貸付け」は不動産所得、不動産の「売却・譲渡」は譲渡所得である。
間違えやすいところ
- 賃貸していた物件の売却であっても、運用中の賃貸料ではなく売却益であるため譲渡所得に区分される点を見落とさないようにする。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
利子所得および配当所得の課税関係
タックスプランニング · 利子所得 / 配当所得 / 申告分離課税 / 配当控除
所得税における利子所得および配当所得の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
金融所得課税の一本化により、特定公社債や公募公社債投資信託の利子・収益分配金は申告分離課税の対象となり、上場株式等の譲渡損失との損益通算が可能です。一方、配当控除は法人税と所得税の二重課税を調整する趣旨の制度であるため、総合課税を選択して確定申告した場合にのみ適用され、申告分離課税を選択した場合は適用されません。
解き方
- 特定公社債および公募公社債投資信託の課税区分(申告分離課税)を確認する。
- 一般公社債の利子の課税区分(源泉分離課税)を確認する。
- 配当控除の適用要件(総合課税の選択が要件であり申告分離課税では適用不可)を照合して誤りを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 特定公社債(国債、地方債、公募公社債など)の利子は、申告分離課税の対象(申告不要制度の選択も可)とされています。
- 選択肢 2不正解
- 一般公社債(私募公社債や同族会社の社債等)の利子については、20.315%の源泉分離課税の対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 公募公社債投資信託の収益分配金は、税制上、特定公社債等の利子等と同様に取り扱われ、申告分離課税の対象となります。
- 選択肢 4正解
- 申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得については、配当控除の適用を受けることはできず、配当控除の適用を受けるには総合課税を選択する必要があります。
覚えるポイント
- 配当控除が適用できるのは配当所得を「総合課税」で確定申告した場合に限られる。
間違えやすいところ
- 申告分離課税を選択して上場株式等の譲渡損失と通算しつつ、配当控除も併せて適用できると混同しやすい。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の所得税法
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損益通算と総所得金額の計算
タックスプランニング · 損益通算 / 総所得金額 / 不動産所得の損失 / 土地取得に要した負債利子
Aさんの平成29年分の所得の金額が下記のとおりであった場合の所得税における総所得金額として、最も適切なものはどれか。なお、▲が付された所得の金額は、その所得に損失が発生していることを意味するものとする。 ・給与所得の金額:300万円 ・不動産所得の金額:▲50万円(不動産所得に係る土地の取得に要した負債の利子の額30万円を必要経費に算入している) ・事業所得の金額:▲80万円(総合課税に係るものである)
解答・解説を表示
解答
2
解説
所得税において損益通算の対象となる損失は「不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得(富士山譲渡)」から生じたものに限られます。ただし、不動産所得の損失のうち「土地等を取得するために要した負債の利子」に相当する部分の金額は、租税特別措置法により損益通算の対象外とされ、他の各種所得の金額から控除することはできません。
解き方
- 不動産所得の損失50万円から、通算対象外となる土地取得のための負債利子30万円を差し引き、損益通算できる不動産所得の損失額(50万円 - 30万円 = 20万円)を算出する。
- 事業所得の損失80万円は全額が損益通算の対象となることを確認する。
- 通算可能な損失合計(20万円 + 80万円 = 100万円)を給与所得300万円から控除し、総所得金額(300万円 - 100万円 = 200万円)を計算する。
- 選択肢 1不正解
- 土地取得に係る負債利子の損益通算制限を無視して不動産所得の損失50万円を全額通算した計算(300万円 - 50万円 - 80万円 = 170万円)であり、誤りです。
- 選択肢 2正解
- 通算可能な損失額は不動産所得から20万円、事業所得から80万円の合計100万円となり、給与所得300万円から差し引くと総所得金額は200万円となります。
- 選択肢 3不正解
- 不動産所得の損失を通算せず、負債利子分のみを通算対象外として計算した誤った数値です。
- 選択肢 4不正解
- 事業所得の損失を通算せず、あるいは計算を誤って導かれた数値です。
覚えるポイント
- 不動産所得の赤字のうち、土地等を取得するために要した負債利子部分は損益通算できない。
間違えやすいところ
- 不動産所得の損失50万円をそのまま全額損益通算して170万円と誤答してしまうパターンに注意する。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の所得税法および租税特別措置法
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得控除の要件と取扱い
タックスプランニング · 医療費控除 / 寡婦控除 / 扶養控除 / 特定扶養親族
所得税における所得控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
医療費控除は現金主義が採られており、実際にその年中に支払った医療費のみが控除の対象となります。扶養控除や寡婦控除などの人的控除には、対象者の年齢、扶養の有無、所得金額などに応じた区分や控除額の差異が細かく規定されています。
解き方
- 医療費控除の計上基準(年中に実際に支払った額か否か)を確認する。
- 寡婦控除における一般の寡婦と特別の寡婦等の控除額の違いを確認する。
- 国外居住親族(非居住者)が扶養控除の対象に含まれるかを確認する。
- 特定扶養親族の年齢要件(19歳以上23歳未満)と18歳の区分を確認する。
- 選択肢 1正解
- 医療費控除の対象となる金額は、その年中において実際に支払った金額に限られ、未払いの医療費は実際に支払った年の控除対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 寡婦控除の控除額は一律ではなく、一般の寡婦は27万円ですが、扶養親族である子を有し合計所得金額が500万円以下である特別の寡婦に該当する場合は35万円となります。
- 選択肢 3不正解
- 非居住者である親族であっても、親族関係書類や送金関係書類の提出・提示等所定の要件を満たせば、扶養控除の対象とすることができます。
- 選択肢 4不正解
- 特定扶養親族とは、控除対象扶養親族のうちその年12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満の者をいい、18歳の者は一般の控除対象扶養親族に該当します。
覚えるポイント
- 特定扶養親族の判定年齢は19歳以上23歳未満(大学生年代)。16歳以上19歳未満は一般の控除対象扶養親族。
間違えやすいところ
- 医療費を「治療を受けた年」で計上できると誤解しやすいが、実際に現金を支払った年で判定する。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の所得税法
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅借入金等特別控除の要件
タックスプランニング · 住宅借入金等特別控除 / 住宅ローン控除 / 繰上げ返済 / 償還期間
平成29年分の所得税における住宅借入金等特別控除(以下「住宅ローン控除」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、平成29年4月に住宅ローンを利用して家屋を取得したものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
住宅借入金等特別控除の対象となる借入金は、償還期間が10年以上の割賦返済である住宅ローンに限られます。繰上げ返済を行って当初借入れからの全体の返済期間が10年未満に短縮された場合、その短縮された年分以後は控除の要件を満たさなくなります。
解き方
- 所得要件(合計所得金額3,000万円以下)を確認する。
- 初年度の手続き要件(確定申告が必要)を確認する。
- 償還期間要件(10年以上)と、繰上げ返済により当初借入れから10年未満となった場合の適用関係を照合する。
- 既存(中古)住宅の築年数・耐震基準等の適格要件を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 住宅ローン控除の適用を受ける年分の合計所得金額は、3,000万円以下でなければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 給与所得者であっても、住宅ローン控除の適用を受ける最初の年分については確定申告書を提出しなければなりません(2年目以降は年末調整で適用可能)。
- 選択肢 3正解
- 繰上げ返済等により、借入れの日から最終返済日までの償還期間が10年未満となった場合には、その年以降の残存期間について住宅ローン控除の適用を受けることはできません。
- 選択肢 4不正解
- 中古住宅であっても、耐火建築物で25年以内、非耐火建築物で20年以内に建築されたものや、現行の耐震基準に適合することが証明されたもの等であれば控除の対象となります。
覚えるポイント
- 住宅ローン控除の対象となる借入金の返済期間は10年以上。繰上げ返済で通算10年未満になると以降は適用不可。
間違えやすいところ
- 当初借りた時点で10年以上あれば、途中で10年未満に繰上げ返済しても控除が継続できると誤認しやすい。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の租税特別措置法
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税における損金算入の取扱い
タックスプランニング · 法人税 / 損金算入 / 交際費等の損金不算入 / 事業税
法人税の損金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
法人の交際費等は原則として損金不算入ですが、資本金1億円以下の中小法人には年800万円までの全額損金算入などの特例があります。また、飲食費のうち一定の事項を記載した書類を保存している「1人当たり5,000円以下」の飲食費は、そもそも税務上の交際費等から除外され、会議費等として全額損金算入できます。
解き方
- 使用人兼務役員の使用人分給与の損金算入可否を確認する。
- 中小法人における交際費等の定額控除限度額(年800万円)を確認する。
- 交際費等から除外される飲食費の基準額(1人当たり5,000円以下)と選択肢の金額を比較する。
- 事業税等の損金算入時期(申告書提出事業年度)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 使用人兼務役員の使用人としての職務に対する給与は、他の使用人と同等の適正額である限り、役員報酬と切り離して損金算入できます。
- 選択肢 2不正解
- 期末資本金1億円以下の中小法人等は、交際費等の損金算入限度額について、年800万円までの全額損金算入または接待飲食費の50%損金算入のいずれかを選択適用できます。
- 選択肢 3正解
- 所定の書類を保存している場合に税法上の交際費等から除外される飲食費は、1人当たり「5,000円以下」であり、10,000円以下ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 申告納税方式による法人事業税は、原則として納税申告書を提出した事業年度の損金の額に算入されます。
覚えるポイント
- 交際費等から除外される飲食費の上限は1人当たり「5,000円以下」(書類保存が要件)。
間違えやすいところ
- 飲食費の50%損金算入特例と、5,000円以下の交際費除外規定の金額要件を混同しないように注意する。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法人税法および租税特別措置法
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
消費税の課税対象(課税取引)の判定
タックスプランニング · 消費税 / 課税取引 / 不課税取引 / 対価性
旅館業を営むX社が受け取る次の金銭のうち、消費税の課税対象とされるものとして、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
消費税の課税対象(国内取引)となる要件は、①国内において、②事業者が事業として、③対価を得て行う、④資産の譲渡・貸付けまたは役務の提供、のすべてを満たす取引です。保険金、配当金、助成金・補助金などは対価として受け取るものではないため「不課税取引」となります。
解き方
- 宿泊料について、国内での役務提供に対する対価であるかを確認する(課税取引に該当)。
- 火災保険金について、損害填補であり対価性がないことを確認する(不課税取引)。
- 株式配当金について、出資者への利益配分であり対価性がないことを確認する(不課税取引)。
- 助成金・補助金について、行政からの給付金であり対価性がないことを確認する(不課税取引)。
- 選択肢 1正解
- 宿泊料の受取りは、宿泊サービスの提供という事業としての対価性がある役務の提供に該当するため、消費税の課税対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 火災による保険金の受取りは、損害の填補として支払われるものであり資産の譲渡等の対価ではないため、不課税取引となります。
- 選択肢 3不正解
- 株式の配当金は、資本の出資に対する配当であり、資産の譲渡等の対価に該当しないため不課税取引となります。
- 選択肢 4不正解
- 国や地方公共団体等から受け取る助成金や補助金は、対価として受け取る金銭ではないため、不課税取引となります。
覚えるポイント
- 保険金、配当金、助成金・補助金は対価性がないため消費税の「不課税取引」となる。
間違えやすいところ
- 住宅の貸付け(非課税取引)と旅館の宿泊(課税取引)を混同しやすいので区別して覚える。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の消費税法
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
会社と役員間の取引に係る税務
タックスプランニング · 役員間取引 / 社宅 / 役員給与 / 経済的利益 / 低額譲受
会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
会社と役員との取引において、役員が適正な対価を支払わずに利益を享受した場合(社宅の無償貸与、時価より著しく低い価額での財産譲受けなど)は、経済的利益の供与として役員に対する給与(給与所得)として課税されます。一方、役員が会社に無利息で金銭を貸し付けた場合は、個人の所得計算において実受のない利息について課税されることは原則としてありません。
解き方
- 役員から会社への無利息貸付けに対する役員側の所得税の取扱い(課税されない)を確認する。
- 役員に対する社宅の無償貸与が経済的利益(現物給与)に該当するかを確認する。
- 会社が役員から土地を低額譲受した場合の差額の法人税上の取扱い(受贈益)を確認する。
- 役員が会社から建物を低額譲受した場合の差額の所得税上の取扱い(給与課税)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 個人である役員が会社に無利息で金銭を貸し付けても、実際に利息を受け取っていないため、原則として役員に所得税は課されません。
- 選択肢 2正解
- 役員が社宅に無償で居住している場合、通常の賃貸料相当額の経済的利益を受けたものとして、原則として役員の給与所得に算入され所得税が課されます。
- 選択肢 3不正解
- 会社が適正な時価よりも低い価額で役員から資産を譲り受けた場合、時価と対価との差額は受贈益として益金の額に算入されます。
- 選択肢 4不正解
- 役員が会社の資産を適正な時価より低い価額で譲り受けた場合、時価と譲渡対価との差額は役員に対する現物給与(給与所得)として取り扱われます。
覚えるポイント
- 役員が会社から社宅の無償貸与や資産の低額譲受を受けた場合、その経済的利益は役員給与として所得税が課税される。
間違えやすいところ
- 役員から会社への無利息融資と、会社から役員への無利息融資(認定利息が給与課税される)を混同しやすい。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の所得税法および法人税法
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
財務比率および損益分岐点の分析
タックスプランニング · 決算書分析 / 総資本経常利益率 / 当座比率 / 自己資本比率 / 損益分岐点売上高
決算書の分析に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
財務分析において、自己資本比率は企業の長期的な財務健全性・安全性を測る代表的指標であり、一般に比率が高いほど借入依存度が低く倒産リスクが小さいと評価されます。収益性を示す総資本経常利益率の分解や、短期支払能力を示す当座比率、収支トントンを示す損益分岐点売上高の公式も基本的な分析概念です。
解き方
- 総資本経常利益率(=経常利益÷総資本)が「売上高経常利益率×総資本回転率」に分解できることを確認する。
- 当座比率(=当座資産÷流動負債)の定義と短期支払能力の評価基準(高い方が望ましい)を確認する。
- 自己資本比率(=自己資本÷総資産)と財務健全性の関係(高い方が健全)を照合する。
- 損益分岐点売上高の算出式(固定費÷限界利益率)が正しいことを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 総資本経常利益率=経常利益÷総資本=(経常利益÷売上高)×(売上高÷総資本)=売上高経常利益率×総資本回転率に分解できます。
- 選択肢 2不正解
- 当座比率は「当座資産÷流動負債×100」で求められ、換金性の高い当座資産による短期債務の支払能力を示すため、一般に高い方が望ましいとされます。
- 選択肢 3正解
- 自己資本比率は総資産に対する自己資本の割合を示し、返済義務のない自己資本の割合が大きいほど安全性が高いため、一般にこの数値が「高い」方が財務の健全性が高いと判断されます。
- 選択肢 4不正解
- 損益分岐点売上高は、「固定費÷限界利益率(または固定費÷{1-(変動費÷売上高)})」の算式によって求めることができます。
覚えるポイント
- 自己資本比率は「自己資本÷総資本(総資産)」で表され、高いほど財務の健全性が高い。
間違えやすいところ
- 「負債比率」(他人資本÷自己資本:低い方が健全)と「自己資本比率」(自己資本÷総資本:高い方が健全)の意味を混同しやすい。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令および財務会計基準
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的土地評価の基準日・決定主体・水準
不動産 · 地価公示 / 都道府県地価調査 / 相続税路線価 / 固定資産税評価額
公的土地評価等の不動産の価格に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
不動産の公的価格には、地価公示(国土交通省・1月1日)、都道府県地価調査(都道府県知事・7月1日)、相続税路線価(国税庁・1月1日・地価公示の80%水準)、固定資産税評価額(市町村長・1月1日・地価公示の70%水準で3年毎に見直し)があります。
解き方
- 地価公示、都道府県地価調査、路線価、固定資産税評価額の「基準日・評価主体・価格水準」を照合する。
- 固定資産税評価額が市町村長により決定されるという記述が正しいことを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 地価公示の価格判定の基準日は毎年1月1日です(7月1日を基準日とするのは都道府県地価調査です)。
- 選択肢 2不正解
- 都道府県地価調査の標準価格を判定・公表するのは各都道府県知事です(土地鑑定委員会は国土交通省に置かれ地価公示を判定します)。
- 選択肢 3不正解
- 相続税路線価は、地価公示価格の80%を目安として設定されています(70%を目安とするのは固定資産税評価額です)。
- 選択肢 4正解
- 固定資産税評価額は、総務大臣が告示する固定資産評価基準に基づき、市町村長(東京23区では都知事)が決定します。
覚えるポイント
- 路線価は公示価格の8割、固定資産税評価額は7割を目安とする。
間違えやすいところ
- 地価公示の基準日(1月1日)と都道府県地価調査の基準日(7月1日)を取り違えないように注意する。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
宅地建物取引業法(媒介契約・手付金・報酬額)
不動産 · 宅地建物取引業法 / 媒介契約 / 手付金制限 / 媒介報酬の限度額
宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
宅建業法における自ら売主制限では、買主保護のため手付金の額に代金の2割という上限が設けられています。媒介契約の有効期間(専任・専属専任は最長3カ月、一般は制限なし)や報告義務(専任は2週間に1回以上、専属専任は1週間に1回以上)、貸借の媒介報酬の上限(双方合計で借賃1カ月分+消費税等)のルールを正確に理解する必要があります。
解き方
- 媒介契約の種類ごとの有効期間と業務報告義務の頻度を確認する。
- 8種制限の1つである手付の額の制限(代金の20%以内)を検討する。
- 貸借の媒介報酬の合算限度額(1カ月分)と選択肢の数値を比較する。
- 選択肢 1不正解
- 一般媒介契約には法令上の有効期間の制限はありません(3カ月の制限があるのは専任媒介契約および専属専任媒介契約です)。
- 選択肢 2不正解
- 専任媒介契約における業務処理状況の報告は、2週間に1回以上(専属専任媒介契約の場合は1週間に1回以上)行わなければなりません。
- 選択肢 3正解
- 宅建業者が自ら売主となり宅建業者以外の者と売買契約を結ぶ場合、代金の額の10分の2(20%)を超える額の手付を受領することはできません。
- 選択肢 4不正解
- 建物の貸借の媒介において宅建業者が貸主・借主の双方から受領できる報酬の合計額は、借賃(賃料)の1カ月分(消費税別)が上限です。
覚えるポイント
- 専任媒介の報告は2週間に1回、専属専任は1週間に1回以上。
間違えやすいところ
- 貸借の媒介報酬は貸主・借主の合算で1カ月分が上限であり、2カ月分ではない。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法(存続期間・契約更新・定期借地権)
不動産 · 借地借家法 / 普通借地権 / 一般定期借地権 / 建物譲渡特約付借地権
借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、同法第22条から第24条の定期借地権等以外の借地権を普通借地権という。
解答・解説を表示
解答
1
解説
借地借家法において、普通借地権の存続期間は最低30年であり、合意によりこれより長い期間を定めることは有効です(30年未満を定めた場合は30年になります)。契約更新の請求には建物が存在することが必要であり、一般定期借地権には用途制限がありません。また、建物譲渡特約付借地権の消滅時に賃借人が請求した場合は「期間の定めのない」賃貸借とみなされます。
解き方
- 普通借地権の存続期間の定めに関する規定(30年以上なら有効)を確認する。
- 更新請求権の要件(建物が存在すること)を照合する。
- 一般定期借地権の用途制限の有無、建物譲渡特約付借地権消滅時の賃貸借契約の期間の定めを確認する。
- 選択肢 1正解
- 普通借地権の設定において、契約で30年以上の存続期間を定めることは可能です(契約で30年未満の期間を定めた場合は存続期間は30年とされます)。
- 選択肢 2不正解
- 借地権者が契約の更新を請求して更新したものとみなされるためには、借地権の存続期間満了時に「借地上に建物があること」が必要です。
- 選択肢 3不正解
- 存続期間を50年以上とする一般定期借地権には建物の用途制限はなく、居住用だけでなく店舗や事務所等の事業用建物の所有を目的として設定することも可能です。
- 選択肢 4不正解
- 建物譲渡特約付借地権の消滅に伴い賃借人が請求した場合、借地権設定者との間で成立する建物の賃貸借は「期間の定めのないもの」とみなされます(2年ではありません)。
覚えるポイント
- 一般定期借地権(50年以上)には用途制限がない。
間違えやすいところ
- 更新請求による法定更新は「建物があること」が必須条件である点を見落としやすい。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
都市計画法(開発行為・開発許可)
不動産 · 都市計画法 / 開発行為 / 開発許可 / 開発許可の特例
都市計画法における開発行為および開発許可に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
開発許可制度において、市街化区域では一定規模未満(原則1,000㎡未満)の開発行為は許可が不要です。一方、市街地再開発事業や土地区画整理事業の施行として行う開発行為、公的事業などは、規模にかかわらず開発許可が不要とされる特例が設けられています。
解き方
- 都市計画法上の「開発行為」の定義を確認する。
- 市街化区域における許可不要の規模要件(原則1,000㎡未満)を確認する。
- 公的事業(土地区画整理事業、市街地再開発事業等)に伴う開発行為の許可不要特例を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 開発行為とは、主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更を指し、記述は適切です。
- 選択肢 2正解
- 市街化区域内の開発行為であっても、原則として1,000㎡未満(条例で引き下げられた地域では300㎡未満)の開発行為については開発許可を要しないため、「規模にかかわらず」とする記述は不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 市街地再開発事業の施行として行う開発行為は、都市計画法上、開発許可を受けることを要しない適用除外とされています。
- 選択肢 4不正解
- 土地区画整理事業の施行として行う開発行為は、都市計画法上、開発許可を受けることを要しない適用除外とされています。
覚えるポイント
- 市街化区域の開発許可基準面積は原則1,000㎡以上。
間違えやすいところ
- 土地区画整理事業や市街地再開発事業の施行による開発行為は許可不要である点に注意する。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法(接道義務・容積率・日影規制・絶対的高さ制限)
不動産 · 建築基準法 / 接道義務 / 指定容積率と道路容積率 / 日影規制 / 低層住居専用地域の高さ制限
都市計画区域および準都市計画区域内における建築基準法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
建築基準法において、低層住居専用地域(第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域)では良好な住居環境を守るため建築物の高さが原則として10mまたは12mに制限されます。また、道路幅員12m未満の場合の容積率制限、日影規制の適用除外地域(商業・工業・工業専用地域)、敷地の接道義務(2m以上)などの重要規定があります。
解き方
- 接道義務の要件(法上の道路に2m以上接する)を確認する。
- 幅員12m未満の前面道路における容積率制限の仕組みを確認する。
- 日影規制の適用対象外となる用途地域(商業・工業・工業専用地域)を確認する。
- 低層住居専用地域における建築物の絶対的高さ制限(10mまたは12m)を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 都市計画区域等において、建築物の敷地は建築基準法上の道路に2m以上接していなければならない(接道義務)ため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 前面道路幅員が12m未満の場合、指定容積率と前面道路幅員に基づく制限容積率を比較し、小さい(低い)方が上限となります。
- 選択肢 3不正解
- 日影規制の対象区域として条例で指定できるのは住居系・近隣商業・準工業地域等であり、商業地域、工業地域、工業専用地域は指定対象外とされています。
- 選択肢 4正解
- 低層住居専用地域における建築物の高さの限度(絶対的高さ制限)は、都市計画で「10mまたは12m」と定められるため、9mとする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 低層住居専用地域の絶対的高さ制限は「10mまたは12m」。
間違えやすいところ
- 日影規制の対象外となるのは「商業地域・工業地域・工業専用地域」の3つである。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
区分所有法(共用部分・敷地利用権・建替え決議要件)
不動産 · 建物の区分所有等に関する法律 / 共用部分の共有持分 / 分離処分の禁止 / 占有者の義務 / 建替え決議
建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
区分所有法において、重大な意思決定には特別多数決議が求められます。規約の設定・変更・廃止や共用部分の重大変更は「各4分の3以上」ですが、最も影響の大きい建替え決議は最も要件が重く「区分所有者および議決権の各5分の4以上」の多数が必要です。
解き方
- 共用部分の持分割合(原則は専有部分の床面積割合、規約で別段の定め可)を確認する。
- 専有部分と敷地利用権の分離処分の原則禁止と規約による例外を確認する。
- 占有者の義務(区分所有者と同一の義務を負う)を確認する。
- 建替え決議に必要な議決要件(各5分の4以上)を確認し、誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 共用部分の持分割合は、規約で別段の定めをしない限り、専有部分の床面積の割合によると定められています。
- 選択肢 2不正解
- 敷地利用権が数人で有する所有権等である場合、原則として専有部分と分離して処分できませんが、規約で別段の定めをすることは可能です。
- 選択肢 3不正解
- 専有部分の賃借人などの占有者は、建物等の使用方法について区分所有者が規約等に基づいて負う義務と同一の義務を負います。
- 選択肢 4正解
- 建替え決議は、区分所有者および議決権の「各5分の4以上」の多数による決議が必要です(各4分の3以上ではありません)。
覚えるポイント
- 建替え決議の要件は「各5分の4以上」。規約の変更や共用部分の重大変更は「各4分の3以上」。
間違えやすいところ
- 特別多数決議の「4分の3」と「5分の4」を取り違えないように注意する。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の取得に係る税金(不動産取得税・登録免許税)
不動産 · 不動産取得税 / 登録免許税 / 相続による不動産の取得 / 贈与による不動産の取得
不動産の取得に係る税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
不動産取得税は、売買や贈与などによる取得に課税されますが、「相続」による取得には課税されません(形式的な移転のため非課税)。一方、登記を受ける際に課される登録免許税は、相続・贈与・売買のいずれを原因とする所有権移転登記であっても課されます(相続は税率0.4%、贈与は税率2.0%)。
解き方
- 不動産取得税の課税対象と非課税要件(相続は非課税、贈与は課税)を確認する。
- 登録免許税の課税対象(相続・贈与ともに登記を受ける際に課税される)を確認する。
- 選択肢1の「相続により不動産を取得した場合でも課される」が誤りであることを判定する。
- 選択肢 1正解
- 相続(または包括遺贈等)による不動産の取得に対しては、不動産取得税は非課税とされているため、本肢は不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 贈与による不動産の取得は無償であっても不動産取得税の課税対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 相続を原因とする不動産の所有権移転登記であっても、登録免許税(本則税率0.4%)は課されます。
- 選択肢 4不正解
- 贈与を原因とする不動産の所有権移転登記に対しても、登録免許税(税率2.0%)が課されます。
覚えるポイント
- 相続による取得:不動産取得税は「非課税」、登録免許税は「課税(0.4%)」。
間違えやすいところ
- 登録免許税は相続登記でも課税されるが、不動産取得税は相続では非課税になる違いを押さえる。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
土地の譲渡所得(所有期間・短期長期の区分・譲渡費用)
不動産 · 譲渡所得 / 短期譲渡所得と長期譲渡所得の判定 / 相続財産の取得日の引き継ぎ / 譲渡費用 / 分離課税
個人が土地を譲渡したことによる譲渡所得に係る所得税の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
土地・建物の譲渡所得は申告分離課税の対象です。所有期間の長短は「譲渡した日の属する年の1月1日現在」において5年以下であれば短期譲渡所得、5年を超えていれば長期譲渡所得となります(10年ではありません)。相続により取得した土地は被相続人の取得日および取得費を引き継ぎます。
解き方
- 相続による取得日の引き継ぎルール(被相続人の取得日を継承)を確認する。
- 短期譲渡所得と長期譲渡所得の区分基準(譲渡年の1月1日現在で5年超か否か)を確認する。
- 譲渡費用の範囲(仲介手数料、印紙税等)と課税方式(申告分離課税)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 相続により取得した財産の所有期間は、被相続人の取得日を引き継いで計算されるため適切です。
- 選択肢 2正解
- 短期譲渡所得と長期譲渡所得の判定基準は「10年」ではなく「5年」です(譲渡年の1月1日において所有期間が5年以下の場合は短期、5年を超える場合は長期となります)。
- 選択肢 3不正解
- 土地の譲渡に際して支払った仲介手数料は、譲渡に直接要した費用として譲渡費用に含まれます。
- 選択肢 4不正解
- 土地や建物の譲渡による譲渡所得は、総合課税ではなく他の所得と分離して課税(申告分離課税)されます。
覚えるポイント
- 長期・短期の判定基準日は「譲渡年の1月1日時点」、境界期間は「5年」。
間違えやすいところ
- 10年超の軽減税率の特例と混同して、長期譲渡所得の判定基準を10年と誤認しないように注意する。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
土地有効活用手法の比較
不動産 · 土地有効活用 / 事業受託方式 / 建設協力金方式 / 等価交換方式 / 定期借地権方式
土地の有効活用の代表的な手法(事業受託方式、建設協力金方式、等価交換方式、定期借地権方式)に関する下表の空欄(ア)~(エ)の記述として、最も適切なものはどれか。 なお、本人とは有効活用する土地の所有者である。 [有効活用の手法 / 土地の所有名義(活用後) / 建物の所有名義 / 本人の建設資金負担の要否] ・事業受託方式 / ( ア ) / 本人 / あり ・建設協力金方式 / 本人 / ( イ ) / なし ・等価交換方式 / 本人・デベロッパー / 本人・デベロッパー / ( ウ ) ・定期借地権方式 / 本人 / ( エ ) / なし
解答・解説を表示
解答
4
解説
土地の有効活用手法は、土地・建物の所有権が誰に帰属するか、および建築資金の調達負担を誰が負うかによって特徴が整理されます。所有権や資金調達のリスク負担関係を理解することが重要です。
解き方
- 表の各空欄(ア)~(エ)に対応する正しい主体や要否を整理する(ア:本人、イ:本人、ウ:なし、エ:借地人)。
- 各選択肢を照合し、空欄と記述が完全に一致している適切な選択肢(4)を正答と判定する。
- 選択肢 1不正解
- 事業受託方式では土地所有権を第三者に移転せず本人が保持したまま事業をデベロッパー等に委託するため、(ア)には「本人」が入ります。
- 選択肢 2不正解
- 建設協力金方式では、テナントから建設資金の一部または全部を借り受けて本人が建物を建築するため、建物の所有名義(イ)は「本人」となります。
- 選択肢 3不正解
- 等価交換方式では、デベロッパーが建設費を全額負担して建物を建て、その出資割合に応じて土地と建物を等価で交換するため、本人の資金負担(ウ)は原則「なし」です。
- 選択肢 4正解
- 定期借地権方式では、土地所有者が土地を貸し付け、借地人自らが建物を建築して保有するため、建物の所有名義(エ)は「借地人」となります。
覚えるポイント
- 等価交換方式は本人の建設資金負担なしで土地・建物の一部を取得可能
- 建設協力金方式の建物所有名義は土地所有者本人
間違えやすいところ
- 建設協力金方式で建物をテナント名義と誤認しやすい
- 事業受託方式で土地所有権がデベロッパーに移転すると誤認しやすい
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の投資判断手法
不動産 · NOI利回り / レバレッジ効果 / 内部収益率法(IRR) / 正味現在価値法(NPV)
不動産の投資判断手法等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
不動産投資の収益性評価には、表面利回りと純利回り(NOI利回り)の違い、ならびに貨幣の時間価値を考慮したDCF法(NPV法・IRR法)の基本理論を正確に把握しておく必要があります。
解き方
- 利回り計算の定義を確認し、NOI利回りは「純収益(純営業収益)÷総投資額」であることを確認する。
- 記述1の「総収入を総投資額で除して算出される」が表面利回りの定義であるため不適切と判断する。
- 選択肢 1正解
- NOI利回りは「純営業収益(NOI=総収入-運営費用)÷総投資額」で算出される純利回りであり、総収入をそのまま用いるのは表面利回り(粗利回り)であるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 不動産の投資収益率(総合利回り)が借入金の利子率を上回っている場合、借入金を活用することで自己資本利益率(ROE)を引き上げる正のレバレッジ効果が得られます。
- 選択肢 3不正解
- IRR法では、将来得られるキャッシュフローの現在価値合計と初期投資額が等しくなる割引率(内部収益率)を求め、これが投資家の期待収益率(要求利回り)を上回るときに投資有利と判定します。
- 選択肢 4不正解
- NPV法では、将来キャッシュフローの現在価値合計額から初期投資額の現在価値を控除した正味現在価値(NPV)がプラス(収益現在価値>投資額)であれば有利と判定します。
覚えるポイント
- NOI利回り=純営業収益(NOI)÷総投資額
- 表面利回り(グロス)=総収入÷総投資額
- NPV>0またはIRR>期待収益率で投資適格
間違えやすいところ
- NOI利回りと表面利回りの計算分子(純収益か総収入か)を取り違えやすい
- IRR法で期待収益率を下回る場合に有利と判定してしまう誤解
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
親族等の民法規定と相続分
相続・事業承継 · 親族の範囲 / 特別養子縁組 / 財産分与 / 非嫡出子の法定相続分
親族等に係る民法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
民法における親族の範囲や親子関係、婚姻解消時の法的効果を正確に理解する必要があります。特に嫡出でない子の相続分に関する最高裁判所違憲決定に伴う民法改正事項は重要論点です。
解き方
- 各選択肢の民法規定(親族の定義、特別養子縁組の効力、離婚時の財産分与請求権、法定相続分)を確認する。
- 嫡出でない子の法定相続分が嫡出子と同一であることを確認し、選択肢4を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 民法第725条において、親族とは「6親等内の血族」「配偶者」「3親等内の姻族」と明確に規定されています。
- 選択肢 2不正解
- 特別養子縁組が成立すると、養子と実方の父母およびその血族との親族関係は原則として終了します(民法第817条の9)。
- 選択肢 3不正解
- 協議離婚をした夫婦の一方は、離婚の時から2年以内であれば、他方に対して財産の分与を請求することができます(民法第768条)。
- 選択肢 4正解
- 民法改正により嫡出でない子の相続分を嫡出子の2分の1とする規定は削除され、嫡出子と嫡出でない子の法定相続分は同等とされています。
覚えるポイント
- 親族の範囲:6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族
- 嫡出子と非嫡出子の法定相続分は同等(法改正後)
- 特別養子は実方の父母との親族関係が終了
間違えやすいところ
- 親族の範囲で「3親等内の血族、6親等内の姻族」と数字を逆に覚える誤り
- 旧民法の「非嫡出子は2分の1」という知識のまま解答してしまう誤り
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の課税対象と非課税財産
相続・事業承継 · 法人からの贈与 / 扶養義務者からの生活費 / 生前贈与加算 / 社交上の祝金等
贈与税の非課税財産および課税関係に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
贈与税は個人から財産を取得した場合に課される国税であり、法人からの取得は所得税が課されます。また、相続開始前3年以内に取得した生前贈与財産は、相続税の補完機能として相続税の課税価格に持ち戻して計算されます。
解き方
- 各選択肢の贈与税の課否や相続税との調整ルールを検討する。
- 相続により財産を取得した者が相続開始年に受けた贈与は生前贈与加算の対象となり相続税が課されるため、選択肢3が不適切と判定する。
- 選択肢 1不正解
- 贈与税は個人からの贈与に適用されます。法人から個人への贈与は、役員・従業員なら給与所得、それ以外なら一時所得として所得税の対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 扶養義務者相互間の生活費や教育費で通常必要と認められるものは非課税ですが、これを原資として株式購入や預貯金等を行った場合は課税対象となります。
- 選択肢 3正解
- 相続等により財産を取得した者が相続開始前3年以内に被相続人から贈与された財産は相続税の課税価格に加算(生前贈与加算)され、贈与税は課されません。
- 選択肢 4不正解
- 個人から受ける年末年始の贈答や祝物・見舞金等で、社会通念上相当と認められるものについては贈与税が非課税とされています(相法21条の3)。
覚えるポイント
- 相続で財産を取得した人の開始前3年以内の贈与は相続税に加算
- 法人から個人への贈与は所得税が課税(贈与税ではない)
- 生活費名目でも株式投資や預金に回した分は贈与税課税
間違えやすいところ
- 相続開始年の贈与は相続税ではなく贈与税の対象になると誤認するミス
- 生活費の名目であれば用途を問わずすべて非課税になると誤解するミス
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の申告と納付手続
相続・事業承継 · 贈与税の申告先 / 申告期限 / 延納と物納 / 贈与者の連帯納付義務
贈与税の申告と納付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
贈与税の申告手続(申告期間・納税地)および納付方法(金銭一括納付原則、延納の可否、物納の不可、贈与者の連帯納付義務)の規定を正しく理解する必要があります。
解き方
- 贈与税の申告要件(受贈者の住所地所轄税務署へ翌年2月1日~3月15日提出)を確認する。
- 贈与税の納付方法について、延納は認められるが物納は認められていない点を確認し、選択肢3を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 贈与税の申告書は、原則として財産を取得した受贈者の住所地(納税地)を所轄する税務署長に提出します。
- 選択肢 2不正解
- 贈与税の申告・納付期間は、原則として贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。
- 選択肢 3正解
- 贈与税では納付すべき税額が10万円を超え納期限までに金銭納付が困難な場合に最長5年の「延納」が認められますが、「物納」制度はありません。
- 選択肢 4不正解
- 贈与者は受贈者が納付すべき贈与税について、贈与財産の価額に相当する金額を限度として連帯して納付する義務を負います(相法34条)。
覚えるポイント
- 贈与税には延納はあるが物納はない(物納は相続税のみ)
- 贈与税の申告先は「受贈者」の納税地
- 申告期間は翌年2月1日~3月15日
間違えやすいところ
- 相続税と同様に贈与税でも物納ができると誤認するミス
- 贈与税の申告先を「贈与者」の納税地と取り違えるミス
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法における遺産分割の規定
相続・事業承継 · 遺産分割の禁止期間 / 遺産分割の基準 / 家庭裁判所への分割請求 / 遺産分割協議
遺産分割に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
遺産分割は共同相続人の協議・調停・審判によって行われますが、被相続人は遺言により一定期間(5年以内)に限り分割を禁止することができます。協議分割では共同相続人全員の同意があれば法定相続分と異なる割合での分割が認められます。
解き方
- 被相続人が遺言で遺産分割を禁止できる年限の民法上の規定を確認する(民法908条:5年以内)。
- 記述1の「10年間」が誤りであることを特定し、不適切と判定する。
- 選択肢 1正解
- 被相続人が遺言で遺産の分割を禁ずることができる期間は、相続開始の時から「5年」を超えない期間と定められています(民法第908条)。
- 選択肢 2不正解
- 遺産の分割は、遺産に属する物や権利の種類・性質、各相続人の年齢・職業・心身および生活状況等の事情を考慮して行います(民法第906条)。
- 選択肢 3不正解
- 共同相続人間で協議が調わないときや協議ができないときは、各共同相続人は家庭裁判所に遺産分割の調停または審判を請求できます(民法第907条第2項)。
- 選択肢 4不正解
- 遺産分割協議では、相続人全員の合意があれば、法定相続分や指定相続分とは異なる割合で自由に遺産を分割することができます。
覚えるポイント
- 遺言による遺産分割禁止期間は最長5年間
- 遺産分割協議は全員の合意があれば法定相続分と異なる割合でも有効
- 協議が調わないときは家庭裁判所に分割請求可能
間違えやすいところ
- 分割禁止期間を10年と混同するミス
- 協議分割でも法定相続分に拘束されると思い込むミス
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の課税対象財産と生前贈与加算
相続・事業承継 · みなし相続財産 / 生前贈与加算の対象者 / 未支給給与 / 相続時精算課税
次のうち、相続税の課税対象とならないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
相続税は、本来の相続財産、みなし相続財産(死亡保険金や死亡退職金等)、相続時精算課税適用財産、および相続・遺贈で財産を取得した者に対する相続開始前3年以内の生前贈与財産に課税されます。取得要件の有無の区別が重要です。
解き方
- 各選択肢が「本来の相続財産」「みなし相続財産」「加算対象財産」に該当するか判定する。
- 生前贈与加算は「相続または遺贈により財産を取得した者」が要件であるため、財産を取得しなかった者の贈与は加算対象にならず相続税が課されないことを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 相続放棄をした者が受け取った死亡保険金はみなし相続財産(遺贈により取得したものとみなされる)として相続税の課税対象となります(非課税限度額の適用はありません)。
- 選択肢 2正解
- 相続開始前3年以内の贈与財産の加算対象者は「相続または遺贈により財産を取得した者」です。財産を一切取得しなかった者は加算対象とならず、相続税は課されません。
- 選択肢 3不正解
- 被相続人の死亡後3年以内に支給が確定した給与・退職手当金等は、みなし相続財産(退職手当金等)として相続税の課税対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 相続時精算課税制度を適用して贈与を受けた財産は、相続時に受贈財産の価額を相続税の課税価格に加算して相続税を計算するため、課税対象となります。
覚えるポイント
- 生前贈与加算は「相続や遺贈で財産を取得した人」だけに適用される
- 相続放棄者の受け取った死亡保険金はみなし相続財産として課税
- 死亡後3年以内に確定した退職手当金・給与等はみなし相続財産
間違えやすいところ
- 相続放棄者が受け取る死亡保険金は一切課税されないと勘違いするミス
- 財産を取得していない孫への暦年贈与も一律に相続税へ持ち戻されると誤認するミス
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
取引相場のない株式の評価方式
相続・事業承継 · 類似業種比準方式 / 純資産価額方式 / 中会社の評価(Lの割合) / 配当還元方式
相続税における取引相場のない株式の評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
取引相場のない株式の評価では、原則的評価方式(類似業種比準方式・純資産価額方式・併用方式)と同族株主以外の少数株主に適用される特例的評価方式(配当還元方式)があります。配当還元方式の還元率は年10%と規定されています。
解き方
- 取引相場のない株式の各評価方式の定義と算式を確認する。
- 配当還元方式の還元利率が「年10%(0.10)」であることを確認し、記述4の「5%」を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 類似業種比準方式の比準要素は、「1株当たりの配当金額」「1株当たりの利益金額」「1株当たりの純資産価額(簿価)」の3要素です。
- 選択肢 2不正解
- 純資産価額方式は、課税時期における相続税評価額基準の総資産から負債合計額および含み益に対する法人税額等相当額を控除した純資産額を発行済株式数で除して計算します。
- 選択肢 3不正解
- 中会社の類似業種比準価額のウェイト(Lの割合)は、会社規模に応じて「大」0.90、「中」0.75、「小」0.60と定められています。
- 選択肢 4正解
- 配当還元方式では、1株当たり年配当金額を「10%」で還元して計算します(1株当たり年配当金額÷10%×(1株の資本金等の額÷50円))。5%ではありません。
覚えるポイント
- 配当還元方式の還元率は10%
- 類似業種比準方式の比準要素:配当・利益・純資産
- 純資産価額方式では評価差額に対する法人税額等相当額を控除
間違えやすいところ
- 配当還元方式の還元率を資本コストや法定利率(5%等)と混同するミス
- 中会社のLの割合の大小関係を取り違えるミス
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税における宅地の評価
相続・事業承継 · 宅地評価 / 路線価方式 / 倍率方式 / 画地評価
相続税における宅地の評価方法や評価単位に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
相続税法における宅地の評価は、原則として利用の単位となっている「1画地」ごとに行われます。評価方式には、路線(道路)に面する宅地を1平方メートル当たりの価額で評価する路線価方式と、固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて評価する倍率方式があります。
解き方
- 宅地が利用単位ごとに評価される「画地評価」の原則を確認する。
- 路線価図および評価倍率表の公表形態と記載内容、それぞれの計算基準(1平方メートル当たり、固定資産税評価額基準)を照らし合わせて正誤を判断する。
- 選択肢 1正解
- 宅地の評価は登記簿上の1筆単位ではなく、現況において利用されている1画地ごとに行うため、2筆の宅地を一体利用している場合は全体を1画地として評価します。
- 選択肢 2不正解
- 路線価は「路線価図」に記載されますが、倍率方式に用いる倍率は路線価図ではなく「評価倍率表」により公表されています。
- 選択肢 3不正解
- 路線価方式における路線価は、その路線に面する標準的な宅地の「1平方メートル当たり」の価額(千円単位)で表示されます。
- 選択肢 4不正解
- 倍率方式における倍率は、評価する宅地の「固定資産税評価額」に乗ずる倍率であり、地価公示の公示価格に乗ずるものではありません。
覚えるポイント
- 宅地は1筆単位ではなく利用単位である1画地ごとに評価する
- 路線価は1平方メートル当たり、倍率方式は固定資産税評価額に乗じる
間違えやすいところ
- 路線価の単位を「1坪当たり」と誤認しやすいので注意する
- 倍率方式の乗じる対象を「公示価格」や「基準地標準価格」と混同しやすい
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税における家屋等の評価
相続・事業承継 · 家屋の評価 / 自用家屋 / 貸家 / 借家権
相続税における家屋や家屋に係る権利等の評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
自用家屋は固定資産税評価額に基づいて評価されます。家屋を他人に賃貸している場合(貸家)は、入居者の有する借家権相当額が家屋の利用を制限するため、自用家屋評価額から借家権割合と賃貸割合を乗じた控除額を差し引いて評価します。
解き方
- 家屋評価の基礎となる自用家屋の算式(固定資産税評価額×1.0)を確認する。
- 貸家評価の算式「自用家屋評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)」と選択肢の算式を比較し、誤りを見出す。
- 選択肢 1不正解
- 自用家屋の相続税評価額は、「固定資産税評価額×1.0」により計算した金額となります。
- 選択肢 2正解
- 貸家の価額は、「自用家屋としての評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)」の算式により評価するため、記述の算式は不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 借家権は、権利金等の名称をもって取引される慣行のない地域においては、相続税の課税対象として評価しません。
- 選択肢 4不正解
- 家屋の所有者が所有し家屋と構造上一体となっている電気設備や衛生設備などの価額は、家屋本体の評価額に含まれます。
覚えるポイント
- 貸家の評価額は自用家屋評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)
- 借家権割合は全国一律で30%(0.30)
間違えやすいところ
- 貸家の算式で「1-」を忘れて借家権部分そのものの算式にしてしまう誤り
- 家屋と一体構造の建築設備を別個に独立して評価すると勘違いしやすい点
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺産分割対策
相続・事業承継 · 遺産分割対策 / 代償分割 / 遺言書 / 代償財産の譲渡所得
遺産分割対策に関する次の一般的な記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
代償分割とは、特定の相続人が現物財産を取得し、その代わりに他の共同相続人に対して自らの固有財産(金銭等)を交付する分割手法です。代償財産として金銭ではなく自己所有の不動産や有価証券等の現物を交付した場合、税務上は代償債務の弁済のために時価で譲渡したとみなされ、譲渡益があれば所得税の課税対象となります。
解き方
- 遺産分割対策の基本的な手法(遺言作成、換価の容易化、代償分割の準備)を確認する。
- 代償分割において代償財産として不動産や株式を交付したときの税制上の取扱い(みなし譲渡課税)を確認し、誤りを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 被相続人が遺言によって分割方法を指定しておくことは、共同相続人間の協議における争いやトラブルを防ぐ有効な対策です。
- 選択肢 2不正解
- 分割しにくい不動産を事前に売却して現金化しておくことは、各相続人に公平に分けやすくするための有効な遺産分割対策です。
- 選択肢 3不正解
- 代償分割では現物遺産を取得した者が他の相続人に代償債務を支払う必要があるため、生命保険などを活用して履行財源をあらかじめ確保しておくことが望ましいです。
- 選択肢 4正解
- 代償財産として相続人固有の不動産や株式等の資産を交付した場合、時価で譲渡したものとみなされるため、譲渡益が生じれば譲渡所得として所得税が課税されます。
覚えるポイント
- 代償財産として不動産や株式などの現物を交付すると譲渡所得税が課税される
- 代償債務の原資確保には生命保険金の活用が一般的である
間違えやすいところ
- 相続による財産移転だから代償財産にも譲渡所得税は課されないと誤認しやすい
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の納税資金対策
相続・事業承継 · 納税資金対策 / 役員退職金 / 自社株式対策 / 物納の順位
相続税の納税資金対策および事業承継に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
オーナー経営者の事業承継対策・相続対策では、「相続税額の軽減」「納税資金の確保」とともに「経営支配権の確保(円滑な事業承継)」のバランスが重要です。自社株式を無関係な第三者に分散・移転させることは、会社の支配権を失うリスクが生じるため避けるべきです。
解き方
- 役員退職金や生命保険を活用した納税資金確保および株価引き下げスキームの妥当性を確認する。
- 事業承継における自社株式の保有と経営支配権の関係を考慮し、不適切な対策を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 役員退職金を支給することで会社の純資産価額が減少し自社株式の評価額が引き下げられると同時に、受取人の納税資金として活用できます。
- 選択肢 2不正解
- 法人が契約者・受取人、経営者を被保険者とする定期保険に加入することで、万一の際に法人へ入金される保険金を死亡退職金の支給原資に充てることができます。
- 選択肢 3正解
- 自社株式の大半を経営に関与しない第三者に移転すると、会社経営の議決権・支配権が奪われ事業承継に重大な支障をきたすため、対策として全く望ましくありません。
- 選択肢 4不正解
- 相続税の物納には財産の種類に応じた申請順位が定められており、第1順位には国債・地方債・不動産・上場株式等が含まれます。
覚えるポイント
- 事業承継対策では相続税軽減だけでなく後継者の経営権確保が不可欠
- 物納の第1順位財産には不動産、国債、地方債、上場株式等がある
間違えやすいところ
- 相続税軽減のみに気を取られ、議決権分散による経営権喪失リスクを見落とすこと
- 非上場株式は物納の第2順位であるのに対し、上場株式は第1順位である点
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2017年9月 2級 学科
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2017年9月 2級 学科の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

