日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2017年5月 2級 実技 個人資産相談業務の概要
国民年金の種別変更手続と繰上げ支給の仕組み
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金被保険者の種別変更 / 老齢基礎年金および老齢厚生年金の繰上げ支給
会社を退職して個人事業主となるAさんの公的年金に関する次の記述の空欄①~③にあてはまる最も適切な語句または数値を、語句群の中から選びなさい。 ⅰ)「Aさんは、X社を退職後、国民年金に第1号被保険者として加入することになります。国民年金の加入の届出は、厚生年金保険の被保険者資格を喪失した日から、原則として( ① )以内に住所地の市区町村の窓口で行います」 ⅱ)「AさんがX社を退職後、60歳になるまで国民年金の保険料を納付した場合、65歳から受給することができる老齢基礎年金の額は、780,100円(平成28年度価額)となります。老齢基礎年金の支給開始年齢は原則65歳ですが、Aさんが希望すれば、60歳以上65歳未満の間に老齢基礎年金の繰上げ支給を請求することができます。仮に、Aさんが60歳0カ月で老齢基礎年金の繰上げ支給を請求した場合の減額率は( ② )%となります。なお、Aさんが老齢基礎年金の繰上げ支給を請求する場合は、その請求と同時に老齢厚生年金の繰上げ支給の請求を( ③ )」 〈語句群〉 イ.14日 ロ.20日 ハ.30日 ニ.15 ホ.30 ヘ.42 ト.60 チ.72 リ.しなければなりません ヌ.する必要はありません
- イ
- 14日
- ロ
- 20日
- ハ
- 30日
- ニ
- 15
- ホ
- 30
- ヘ
- 42
- ト
- 60
- チ
- 72
- リ
- しなければなりません
- ヌ
- する必要はありません
解答・解説を表示
解答
① イ、② ホ、③ リ
解説
会社退職により第2号被保険者の資格を喪失した者は、14日以内に国民年金第1号被保険者への種別変更手続きを行う必要があります。また、公的年金の繰上げ受給は、65歳に到達する前に年金受給を開始する制度であり、1カ月早めるごとに所定割合が減額され、老齢基礎年金と老齢厚生年金は同時に請求しなければなりません。
解き方
- 国民年金の種別変更届出の法定提出期限(資格喪失から14日以内)を確認し、空欄①に「イ」を選定します。
- 繰上げ月数(60カ月)に乗じる減額率(月0.5%)から、減額率=0.5%×60=30%を算出し、空欄②に「ホ」を選定します。
- 繰上げ請求における老齢基礎年金と老齢厚生年金の同時請求要件を確認し、空欄③に「リ」を選定します。
- 選択肢 イ正解
- 国民年金第1号被保険者への種別変更届の提出期限である「14日」に合致するため適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 20日という規定はありません。国民年金の種別変更届出期限は14日以内です。
- 選択肢 ハ不正解
- 30日ではありません。国民年金の資格異動に関する届出期限は14日以内と規定されています。
- 選択肢 ニ不正解
- 減額率は月0.5%×60カ月=30%であり、15%は誤りです。
- 選択肢 ホ正解
- 60歳0カ月で請求する場合、繰上げ月数は60カ月となり、0.5%×60=30%の減額となります。
- 選択肢 ヘ不正解
- 42%は65歳から70歳まで繰下げた場合の増額率(0.7%×60カ月)の数値であり、繰上げ減額率ではありません。
- 選択肢 ト不正解
- 60%ではありません。繰上げによる減額率は30%です。
- 選択肢 チ不正解
- 72%ではありません。繰上げ減額率は月0.5%に基づき30%となります。
- 選択肢 リ正解
- 老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰上げ請求は、両方を同時に行わなければならないため適切です。
- 選択肢 ヌ不正解
- 老齢基礎年金のみを単独で繰上げ受給することはできず、老齢厚生年金の繰上げも同時に請求する必要があります。
答えの内訳
- ①:イ
- 退職等により第2号被保険者から第1号被保険者へ種別変更となる場合の届出は、資格喪失日から原則として14日以内に市区町村へ行います。
- ②:ホ
- 本問の基準(昭和37年4月1日以前生まれ等、施行日時点)における繰上げ減額率は月当り0.5%です。60歳0カ月での請求は60カ月の繰上げとなり、0.5%×60カ月=30%の減額率となります。
- ③:リ
- 老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰上げ請求は同時に行わなければならず、いずれか一方のみを単独で繰上げ請求することは認められていません。
覚えるポイント
- 第1号被保険者への種別変更届は14日以内に行う必要があります。
- 繰上げ請求は老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に行わなければなりません。
間違えやすいところ
- 繰上げ減額率は法改正により2022年4月以降0.4%となっていますが、本試験当時の基準(2016年10月1日施行法令)では月0.5%で計算することに注意が必要です。
- 繰下げ請求は老齢基礎年金と老齢厚生年金を別々に請求できますが、繰上げ請求は必ず同時に行わなければならない点を取り違えないようにします。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢厚生年金の年金額(報酬比例部分・経過的加算・加給年金)の計算
ライフプランニングと資金計画 · 老齢厚生年金 / 報酬比例部分 / 経過的加算 / 加給年金額
Aさんが平成29年7月末日付でX社を退職し、その後個人事業主となった場合に、原則として65歳から受給することができる老齢厚生年金の年金額(平成28年度価額)について、計算式中の空欄①、②、④に入る数値、および空欄③に「される/されない」のいずれが入るかを求めなさい。 1.報酬比例部分の額(円未満四捨五入):( ① )円 2.経過的加算額(円未満四捨五入):( ② )円 3.基本年金額(上記「1+2」の額):□□□円 4.加給年金額:Aさんの場合、加給年金額は加算( ③ )。 5.老齢厚生年金の年金額:( ④ )円
解答・解説を表示
解答
① 779,166(円)、② 19,753(円)、③ される、④ 1,189,019(円)
解説
65歳以降の老齢厚生年金は、報酬比例部分と経過的加算の合計である基本年金額に、一定の要件を満たす配偶者等がいる場合に加給年金額を加算して算出します。経過的加算は、定額部分の額から20歳以上60歳未満の厚生年金期間に応じた老齢基礎年金相当額を控除して算定します。
解き方
- 報酬比例部分を計算する:平成15年3月以前分(300,000×0.007125×144=307,800円)+平成15年4月以後分(500,000×0.005481×172=471,366円)=779,166円。
- 経過的加算額を計算する:全被保険者月数316月、20歳以上60歳未満の月数304月(18歳~20歳到達までの12月を除く)より、1,626円×316月-780,100円×(304/480)=513,816円-494,063.333…円=19,752.666…円。四捨五入して19,753円。
- 加給年金の要件を判定する:被保険者期間が240月以上あり、65歳時点で65歳未満の生計維持関係にある配偶者(妻Bさん)がいるため「される」と判定する。
- 老齢厚生年金の合計額を算出する:報酬比例部分779,166円+経過的加算19,753円+加給年金額390,100円=1,189,019円。
小問ごとの答え
- 小問 ①:779,166
- 報酬比例部分は、平成15年3月以前分「300,000円×(7.125/1,000)×144月=307,800円」と平成15年4月以後分「500,000円×(5.481/1,000)×172月=471,366円」の合計で、307,800円+471,366円=779,166円となります。
- 小問 ②:19,753
- 20歳未満の加入期間が12月あるため、20歳以上60歳未満の月数は316月-12月=304月です。定額部分「1,626円×316月=513,816円」から老齢基礎年金相当額「780,100円×(304月/480月)≒494,063.333円」を差し引くと19,752.666…円となり、円未満を四捨五入して19,753円となります。
- 小問 ③:される
- Aさんの厚生年金被保険者期間は316月(20年以上)あり、65歳到達時に生計を維持している65歳未満の配偶者(妻Bさん)がいるため、加給年金額が加算されます。
- 小問 ④:1,189,019
- 基本年金額は779,166円+19,753円=798,919円です。これに加給年金額390,100円を加算して、798,919円+390,100円=1,189,019円となります。
覚えるポイント
- 経過的加算の控除側に乗じる月数は「20歳以上60歳未満」の期間のみ(上限480月)です。
- 加給年金は厚生年金被保険者期間が原則20年(240月)以上あり、生計維持関係にある65歳未満の配偶者等がいる場合に支給されます。
間違えやすいところ
- 経過的加算の計算において、18歳から20歳になるまでの12月分を控除側の月数に含めてしまい、分子を316月として誤算定するミスが多く見られます。
- 加給年金の加算要件を満たしているにもかかわらず、最終的な年金額の合算に390,100円を足し忘れるケースに注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等(平成28年度価額)
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人事業主の老後資金準備(国民年金基金・付加年金・小規模企業共済)
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金基金 / 付加年金 / 小規模企業共済
会社員から個人事業主へ転身するAさんに対する老後資金準備のアドバイスに関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① 国民年金基金の掛金は、1年分を前納すると割引が適用される仕組みがある。 ② 国民年金の付加保険料として月額200円を納付した場合、老齢基礎年金受給時に「400円×付加保険料納付済月数」を受け取ることができる。 ③ 小規模企業共済の掛金は月額10,000円から100,000円の範囲(500円単位)で選択でき、全額が所得控除の対象となる。
解答・解説を表示
解答
① ○ ② × ③ ×
解説
第1号被保険者(個人事業主等)は公的年金が老齢基礎年金のみとなるため、国民年金基金・付加年金・小規模企業共済など各種制度を活用した老後資金準備の仕組みや掛金限度額を正確に理解する必要があります。
解き方
- 各制度(国民年金基金の前納割引、付加年金の納付額と給付額の計算式、小規模企業共済の掛金上限)の基本要件を確認する。
- 記述内容と法令・制度上の数値(400円・200円、1,000円〜70,000円)を照合して正誤を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 国民年金基金の掛金は、加入口数や給付の型によって決まりますが、掛金を前納(1年分または年度末までなど)することで一定の割引が適用されます。
- 小問 ②:×
- 付加年金の保険料は月額400円であり、老齢基礎年金受給時に加算される年金額は「200円×付加保険料納付済月数」となります。問題文の金額設定は納付額と受給額が逆になっています。
- 小問 ③:×
- 小規模企業共済の掛金月額は1,000円から70,000円までの範囲内(500円単位)で設定します。全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)となる点は正しいですが、掛金の範囲の記述が誤りです。
覚えるポイント
- 付加年金は「納付が月額400円、年金額加算が200円×月数」で、2年間受給すれば元が取れる設計です。
- 小規模企業共済の掛金月額は1,000円から70,000円まで(500円単位)で全額所得控除となります。
間違えやすいところ
- 国民年金基金と付加保険料は併用して加入・納付することができない点に注意が必要です。
- 付加年金の納付保険料(月400円)と受給年金額の係数(年200円)を取り違えて覚えないようにしましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等(国民年金法、小規模企業共済法)
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
海外債券型投資信託の価格変動要因と信託財産留保額
金融資産運用 · 債券価格と金利の変動要因 / 為替リスク / 信託財産留保額
米国の企業が発行するドル建て債券を主たる投資対象とし、為替ヘッジを行わない公募追加型株式投資信託(Y投資信託)に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① 一般に、米国の金利が上昇した場合、当該債券の価格は上昇するため、Y投資信託の基準価額の上昇要因となる。 ② 為替ヘッジを行っていないため、購入後に米ドルに対して円高となった場合、基準価額の下落要因となる。 ③ 仮にY投資信託が償還された場合、償還金から信託財産留保額が控除される。
解答・解説を表示
解答
① × ② ○ ③ ×
解説
債券価格は金利と逆方向に動くという市場メカニズム、外貨建て資産における為替変動の影響、および投資信託の中途解約時に残存投資家保護のために差し引かれる信託財産留保額の趣旨を理解することが重要です。
解き方
- 金利変動と債券価格の関係(金利上昇=債券価格下落)を確認し、投資信託の基準価額に与える影響を判断する。
- 為替レートの変動(円高・円安)が為替ヘッジなし外貨建て投資信託の基準価額に及ぼす影響を判定する。
- 信託財産留保額の発生契機(中途解約時であり、償還時にはかからない)を確認して正誤を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 一般に金利が上昇すると市場の債券価格は下落するため、米国の金利上昇は組入債券の価格下落を招き、投資信託の基準価額の下落要因となります。
- 小問 ②:○
- 為替ヘッジなしの外貨建て投資信託は為替変動の影響を直接受けるため、円高・ドル安になると外貨建て資産の円評価額が減少し、基準価額の下落要因となります。
- 小問 ③:×
- 信託財産留保額は中途換金に伴う資産売却コストを換金者に負担させるためのペナルティ的費用であり、信託期間満了時などの償還金からは控除されません。
覚えるポイント
- 金利上昇時には債券価格は下落し、金利低下時には債券価格は上昇します。
- 信託財産留保額は「途中解約時」に徴収されるもので、満期償還時には控除されません。
間違えやすいところ
- 金利が上昇すると債券の利回りは上がりますが、債券そのものの価格は下落する点を取り違えやすいです。
- 信託財産留保額を手数料の一種と混同し、償還時にも一律に徴収されると誤解しがちです。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等・投資信託の一般的実務慣行
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託の運用実績評価(シャープ・レシオ)および収益分配金の税金
金融資産運用 · シャープ・レシオ / 投資信託の税金 / 配当所得
X投資信託およびY投資信託に関する過去5年間の運用実績および税務上の取扱いについて、MさんがAさんに対して説明した文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、語句群(イ~リ)の中から選びなさい。 【資料:過去5年間の運用パフォーマンス】 ・X投資信託:平均値(リターン)10%、標準偏差(リスク)3% ・Y投資信託:平均値(リターン)13%、標準偏差(リスク)5% ・無リスク資産利子率:1%と仮定 【説明文】 ⅰ)「無リスク資産利子率を1%と仮定した場合、過去5年間の運用パフォーマンスに基づくX投資信託のシャープ・レシオは、( ① )です。一方、Y投資信託のシャープ・レシオは、( ② )です。シャープ・レシオの値が大きいほど、取ったリスクに対して大きなリターンを得たことになります。このため、X投資信託とY投資信託を比較した場合、シャープ・レシオからみると、( ③ )のほうが過去のパフォーマンスは優れていたといえます。なお、過去のパフォーマンスが高い投資信託であっても、将来のパフォーマンスもその通りになるとは限りませんので、注意が必要です」 ⅱ)「Aさんは、これまでにX投資信託から普通分配金と元本払戻金(特別分配金)を受け取っています。このうち、普通分配金による所得は( ④ )とされ、分配時に所得税および復興特別所得税と住民税の合計で20.315%の税率による源泉(特別)徴収がされています。一方、元本払戻金(特別分配金)は非課税とされています」
- イ
- X投資信託
- ロ
- Y投資信託
- ハ
- 1.4
- ニ
- 2.0
- ホ
- 2.4
- へ
- 3.0
- ト
- 配当所得
- チ
- 利子所得
- リ
- 雑所得
解答・解説を表示
解答
① ヘ、② ホ、③ イ、④ ト
解説
シャープ・レシオは「(ポートフォリオの収益率-無リスク資産利子率)÷標準偏差」で求められ、リスク1単位あたりに得られた超過リターンを示し、数値が大きいほど運用効率が優れています。また、追加型公募株式投資信託の分配金のうち、元本の払戻しに該当しない普通分配金は配当所得として課税対象となります。
解き方
- 資料より各投信のリターン、リスク、無リスク資産利子率を抽出し、シャープ・レシオを計算する。
- 計算結果(X投信=3.0、Y投信=2.4)を比較し、数値の大きいX投資信託が優れていると判定する。
- 公募株式投資信託の普通分配金に係る税務上の所得区分(配当所得)を確認し、語句群から選択する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ヘ
- X投資信託のシャープ・レシオは、(リターン10%-無リスク資産利子率1%)÷リスク3%=3.0となります。
- 小問 ②:ホ
- Y投資信託のシャープ・レシオは、(リターン13%-無リスク資産利子率1%)÷リスク5%=2.4となります。
- 小問 ③:イ
- シャープ・レシオは数値が大きいほどリスクに対するリターン効率が高いため、3.0であるX投資信託のほうが優れています。
- 小問 ④:ト
- 公募株式投資信託の普通分配金は配当所得に該当し、20.315%の税率により源泉徴収(申告不要・総合課税・申告分離課税の選択可能)されます。
覚えるポイント
- シャープ・レシオ=(リターン-安全資産利子率)÷リスク(標準偏差)。数値が大きいほど優秀。
- 公募株式投資信託の普通分配金は配当所得、元本払戻金(特別分配金)は非課税。
間違えやすいところ
- シャープ・レシオの分子で安全資産利子率を引き忘れて計算してしまうミスに注意する。
- 公募公社債投資信託の収益分配金(利子所得)と公募株式投資信託の普通分配金(配当所得)の所得区分を混同しないようにする。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
シナリオ別予想収益率に基づく個別資産およびポートフォリオの期待収益率の計算
金融資産運用 · 期待収益率 / 加重平均 / ポートフォリオ理論
設例の〈X投資信託とY投資信託の予想収益率〉に基づいて、X投資信託とY投資信託をそれぞれ4:6の割合で保有した場合のポートフォリオの期待収益率を、①X投資信託の期待収益率、②Y投資信託の期待収益率、③ポートフォリオの期待収益率の順序で求めなさい。なお、答は%表示の小数点以下第2位を四捨五入し、小数点以下第1位まで解答すること。 【資料:予想収益率と生起確率】 ・シナリオ1(生起確率30%):X予想収益率 15%、Y予想収益率 ▲5% ・シナリオ2(生起確率50%):X予想収益率 10%、Y予想収益率 14% ・シナリオ3(生起確率20%):X予想収益率 ▲20%、Y予想収益率 18%
解答・解説を表示
解答
① 5.5(%)、② 9.1(%)、③ 7.7(%)
解説
個別資産の期待収益率は各シナリオの予想収益率に生起確率を乗じた積の総和(加重平均)として求められます。複数の資産で構成されるポートフォリオの期待収益率は、各資産の期待収益率にそれぞれの投資比率(構成比)を乗じた加重平均によって求められます。
解き方
- X投資信託について「予想収益率×生起確率」を各シナリオで計算し合算する(15%×0.3+10%×0.5-20%×0.2=5.5%)。
- Y投資信託について同様に加重平均を計算する(-5%×0.3+14%×0.5+18%×0.2=9.1%)。
- 投資比率4:6(0.4と0.6)を用いて、ポートフォリオの期待収益率(5.5%×0.4+9.1%×0.6=7.66%)を求め、小数点以下第2位を四捨五入して7.7%とする。
答えの内訳
- ①:5.5(%)
- X投資信託の期待収益率=15%×0.30+10%×0.50+(▲20%)×0.20=4.5%+5.0%-4.0%=5.5%となります。
- ②:9.1(%)
- Y投資信託の期待収益率=(▲5%)×0.30+14%×0.50+18%×0.20=▲1.5%+7.0%+3.6%=9.1%となります。
- ③:7.7(%)
- ポートフォリオの期待収益率=5.5%×0.4+9.1%×0.6=2.2%+5.46%=7.66%。小数点以下第2位を四捨五入して7.7%となります。
覚えるポイント
- 期待収益率=各シナリオの収益率×生起確率の合計(加重平均)。
- ポートフォリオ全体の期待収益率=各資産の期待収益率×資産配分比率の合計。
間違えやすいところ
- マイナスの収益率を減算せず加算してしまう符号ミスに注意する。
- 指示された端数処理(小数点以下第2位四捨五入)を忘れて7.66%のまま回答しないようにする。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の所得控除および損益通算の取扱い
タックスプランニング · 配偶者特別控除 / 青色事業専従者 / 扶養控除 / 損益通算 / 土地負債利子
設例の家族構成(妻Bさんは青色事業専従者で専従者給与102万円、長男Cさんは18歳で大学生・収入なし、二男Dさんは15歳で中学生・収入なし)および賃貸アパート(居住用)の不動産所得の損失130万円(土地取得に係る負債利子30万円を含む)に基づき、Aさんの平成28年分の所得税に関する次の記述①〜③の正誤を判定しなさい。 ① Aさんは妻Bさんについて配偶者控除の適用を受けることはできないが、配偶者特別控除の適用を受けることができ、その控除額は38万円である。 ② Aさんは長男Cさんおよび二男Dさんについて扶養控除の適用を受けることができ、その控除額は合計して101万円である。 ③ Aさんの不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分の金額は、損益通算の対象とならない。
解答・解説を表示
解答
① × ② × ③ ○
解説
所得税法上、青色事業専従者給与の適用を受ける配偶者は配偶者控除・配偶者特別控除の対象外となります。また、扶養控除の対象は16歳以上の扶養親族に限られ、不動産所得の赤字のうち土地取得に係る負債利子は損益通算の対象から除外されます。
解き方
- 妻Bさんは青色事業専従者給与を受けているため、配偶者控除および配偶者特別控除の両方の適用対象外であることを確認します。
- 長男Cさん(18歳)は控除対象扶養親族(38万円控除)ですが、二男Dさん(15歳)は年少扶養親族のため控除額が0円であることを判定します。
- 不動産所得の赤字(損失)計算において、土地取得に係る借入金利子(30万円)は損益通算から除外される規定を適用します。
答えの内訳
- ①:×
- 青色事業専従者給与の支払を受けている者は、控除対象配偶者および配偶者特別控除の対象となる配偶者のいずれにも該当しません。したがって、Aさんは妻Bさんについて配偶者特別控除の適用を受けることはできません。
- ②:×
- 扶養控除の対象となる控除対象扶養親族は、その年の12月31日現在の年齢が16歳以上の扶養親族です。18歳の長男Cさんは一般の控除対象扶養親族に該当し控除額は38万円となりますが、15歳の二男Dさんは年少扶養親族であるため扶養控除の対象外です。合計控除額は38万円となります。
- ③:○
- 不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、不動産所得を生ずべき土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分の金額は、生じなかったものとみなされ、他の所得との損益通算の対象外とされます。
覚えるポイント
- 青色事業専従者給与の支払を受ける者は、配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除の対象から除外されます。
- 扶養控除の適用対象は年末時点で16歳以上の親族であり、16歳未満(年少扶養親族)は控除対象外です。
- 不動産所得の損失における土地取得分の負債利子は、他の所得との損益通算が認められません。
間違えやすいところ
- 妻Bさんの給与収入が103万円以下であることから配偶者控除や配偶者特別控除が使えると誤認しないように注意が必要です。
- 15歳の子供について年少扶養親族にも扶養控除が適用されると誤認して計算に含めてしまうミスがあります。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の所得税法等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
青色申告の特典と要件
タックスプランニング · 青色申告特別控除 / 純損失の繰越控除 / 複式簿記 / 期限内申告
青色申告に関する次の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句を、〈語句群〉から選びなさい。 青色申告者が受けられる税務上の特典として、青色申告特別控除、青色事業専従者給与の必要経費算入、最長( ① )の純損失の繰越控除、純損失の繰戻還付などがある。青色申告特別控除の控除額は、不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営む青色申告者が、その取引の内容を正規の簿記の原則に従い記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表等を添付した確定申告書を法定申告期限内に提出した場合、最高で( ② )である。なお、確定申告書を法定申告期限後に提出した場合には、青色申告特別控除の控除額は、最高( ③ )となる。 〈語句群〉 イ.3年間 ロ.5年間 ハ.10年間 ニ.10万円 ホ.38万円 ヘ.65万円 ト.103万円
- イ
- 3年間
- ロ
- 5年間
- ハ
- 10年間
- ニ
- 10万円
- ホ
- 38万円
- ヘ
- 65万円
- ト
- 103万円
解答・解説を表示
解答
① イ ② ヘ ③ ニ
解説
青色申告制度では、記帳水準の向上や適正な申告を促すため、純損失の繰越控除(最長3年間)や青色事業専従者給与などの税務上の優遇措置が設けられています。特に最高65万円の青色申告特別控除を受けるには、正規の簿記の原則による記帳、貸借対照表等の添付、および法定申告期限内での申告が必要です。
解き方
- 個人の所得税における純損失の繰越控除可能期間が最長「3年間」(法人の場合は9年または10年と異なる点に留意)であることを確認し、①に「イ」を選びます。
- 事業所得等で複式簿記・貸借対照表等添付・期限内申告の要件をすべて満たした場合の控除額が「65万円」であることを確認し、②に「ヘ」を選びます。
- 申告期限を過ぎて提出した場合(期限後申告)は65万円控除の対象外となり、控除限度額が「10万円」に減額される規定を確認し、③に「ニ」を選びます。
- 選択肢 イ正解
- 所得税における純損失の繰越控除の期間は最長3年間であるため、空欄①の解答として適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 純損失の繰越期間として5年間という規定は個人の所得税法には存在しません。
- 選択肢 ハ不正解
- 法人税における欠損金の繰越控除期間(最大10年)と混同した誤りです。
- 選択肢 ニ正解
- 法定申告期限後に申告書を提出した場合に適用される青色申告特別控除の最高限度額は10万円であるため、空欄③の解答として適切です。
- 選択肢 ホ不正解
- 38万円は基礎控除や配偶者控除などの金額であり、青色申告特別控除の控除額ではありません。
- 選択肢 ヘ正解
- 正規の簿記の原則による記帳および期限内申告等の要件を満たした場合の青色申告特別控除額は最高65万円であるため、空欄②の解答として適切です。
- 選択肢 ト不正解
- 103万円は給与所得控除65万円と基礎控除38万円の合計等で用いられる数値であり、青色申告特別控除の金額ではありません。
答えの内訳
- ①:イ
- 青色申告者が事業等から生じた損失(純損失)を翌年以後に繰り越して各年分の所得金額から控除できる期間は、最長で3年間です。
- ②:ヘ
- 事業所得または不動産所得(事業的規模)を生ずべき事業を営む青色申告者が、正規の簿記の原則に従って記帳し、貸借対照表および損益計算書を添付して法定申告期限内に申告書を提出した場合、最高65万円の青色申告特別控除が受けられます。
- ③:ニ
- 正規の簿記の原則による記帳などの要件を満たしていても、確定申告書を法定申告期限後に提出(期限後申告)した場合は、65万円控除の適用を受けられず、控除額は最高10万円となります。
覚えるポイント
- 個人の純損失の繰越控除期間は「最長3年間」です。
- 青色申告特別控除65万円の要件は「不動産(事業的規模)または事業所得」「正規の簿記の原則(複式簿記)」「貸借対照表・損益計算書の添付」「法定申告期限内の申告」のすべてを満たすことです。
- 期限後申告となった場合は、正規の簿記による記帳を行っていても「10万円控除」となります。
間違えやすいところ
- 法人税の欠損金繰越控除期間(最大10年間)と個人の純損失繰越期間(3年間)を混同しないように注意が必要です。
- 期限後申告でも複式簿記を行っていれば65万円控除が受けられると勘違いしやすいですが、期限内申告が要件です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の所得税法等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総所得金額・基礎控除・所得税額の計算
タックスプランニング · 総所得金額の計算 / 不動産所得の損失の損益通算(土地取得負債利子) / 一時所得の計算 / 基礎控除 / 所得税算出税額の計算
設例のAさんの平成28年分の収入等に関する資料に基づき、下記の表の空欄①~③に入る最も適切な数値を求めなさい。 ・事業所得の金額:13,500,000円 ・賃貸アパート(居住用)の不動産所得に係る損失の金額:1,300,000円(土地等を取得するために要した負債の利子30万円が含まれる) ・一時払変額個人年金保険の解約返戻金:6,000,000円、正味払込済保険料:5,000,000円 ・所得控除の額の合計額:2,100,000円 (a)総所得金額:( ① )円 (所得控除のうち)基礎控除:( ② )円 (d)算出税額(課税総所得金額に対する所得税額):( ③ )円
解答・解説を表示
解答
① 12,750,000(円)、② 380,000(円)、③ 1,978,500(円)
解説
総所得金額の算出では、不動産所得の損失のうち土地取得に要した負債利子部分は損益通算の対象外とされ、一時所得は特別控除(最高50万円)控除後の金額に2分の1を乗じた額を合算します。課税総所得金額(千円未満切捨て、本問は端数なし)に速算表の税率を乗じ控除額を差し引いて算出税額を計算します。
解き方
- 不動産所得の損失130万円から土地取得負債利子30万円を除いた100万円を事業所得1,350万円から控除する。
- 一時払変額個人年金保険の解約返戻金に係る一時所得を「(600万円-500万円-50万円)×1/2=25万円」と求め、合算して総所得金額12,750,000円を計算する。
- 平成28年分の基礎控除額である380,000円を把握する。
- 総所得金額から所得控除合計額2,100,000円を引いた課税総所得金額10,650,000円に、速算表の税率33%および控除額1,536,000円を適用して算出税額1,978,500円を計算する。
答えの内訳
- ①:12,750,000
- 不動産所得の損失130万円のうち、土地取得に要した負債利子30万円は損益通算の対象外となるため、通算可能な不動産所得の損失は▲100万円です。一時所得の金額は「600万円-500万円-特別控除50万円=50万円」であり、総所得金額に算入される額はその2分の1の25万円です。したがって、総所得金額は「事業所得1,350万円-不動産所得の損失100万円+一時所得の算入額25万円=12,750,000円」となります。
- ②:380,000
- 平成28年分の所得税法における基礎控除の額は、一律38万円(380,000円)です。
- ③:1,978,500
- 課税総所得金額は「総所得金額12,750,000円-所得控除合計額2,100,000円=10,650,000円」となります。速算表より「900万円超1,800万円以下」の区分(税率33%、控除額153万6,000円)を適用し、「10,650,000円×33%-1,536,000円=1,978,500円」となります。
覚えるポイント
- 不動産所得の損失のうち土地等取得対価に係る負債利子相当額は他の所得と損益通算できないこと
- 一時所得の総所得金額への算入額は「(総収入金額-支出金額-特別控除50万円)×1/2」であること
間違えやすいところ
- 不動産所得の損失全額(130万円)を損益通算してしまうこと
- 一時所得の2分の1への圧縮計算を忘れて総所得金額に加算してしまうこと
- 課税総所得金額の千円未満切捨て(本問は端数なし)の確認を怠ること
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等(平成28年分所得税法)
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
媒介契約・瑕疵担保責任・不動産登記に関する留意点
不動産 · 宅地建物取引業法(専任媒介契約・専属専任媒介契約の有効期間) / 民法(売買契約における瑕疵担保責任免責特約) / 不動産登記法(登記事項証明書乙区の記載内容)
譲渡予定物件を売却し、購入予定マンションを取得する場合の留意点に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。 ① 宅地建物取引業者と締結する専任媒介契約および専属専任媒介契約の有効期間は3カ月が上限とされており、これより長い期間を定めて契約した場合は、当該契約は無効となる。 ② Aさんは、譲渡予定物件の売買契約の締結に際して、買主との合意により、譲渡予定物件について瑕疵担保責任を負わないとする旨の特約をすることができる。 ③ 購入予定マンションに抵当権設定登記がなされているかどうかは、当該マンションの登記記録の権利部乙区の記載内容により確認することができる。
解答・解説を表示
解答
① ×、② ○、③ ○
解説
宅地建物取引業法における媒介契約の期間制限の効力、個人間売買における任意規定である民法の瑕疵担保責任免責特約の有効性、不動産登記法における登記記録(表題部、権利部甲区・乙区)の記載区分を正しく理解しておく必要があります。
解き方
- 記述①につき、媒介契約の期間上限(3カ月)を超えた場合の規定(3カ月に短縮・みなされる)を確認し、契約が無効となる旨が誤りであると判定する。
- 記述②につき、売主が宅建業者でない個人間売買では瑕疵担保責任の免責特約が有効であるため適切と判定する。
- 記述③につき、抵当権は所有権以外の権利であるため権利部乙区に記録されることを確認し、適切と判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 専任媒介契約および専属専任媒介契約の有効期間は3カ月を超えることができず、これより長い期間を定めたときはその期間は3カ月とみなされます。契約全体が無効になるわけではありません。
- 小問 ②:○
- 売主が宅地建物取引業者でない一般個人である場合、売主の瑕疵担保責任を全部免除(負わない)とする特約は有効に定めることができます。
- 小問 ③:○
- 不動産の登記記録の権利部は、所有権に関する事項が記載される「甲区」と、所有権以外の権利(抵当権や地上権、賃借権など)に関する事項が記載される「乙区」で構成されており、抵当権の設定登記は乙区で確認できます。
覚えるポイント
- 専任・専属専任媒介契約の3カ月超の期間設定は無効ではなく3カ月に短縮されること
- 売主が非宅建業者の場合、瑕疵担保責任を免除する特約は有効であること
- 登記記録の甲区は「所有権」、乙区は「所有権以外の権利(抵当権等)」であること
間違えやすいところ
- 宅建業法上の媒介契約期間違反で契約全体が無効になると誤認すること
- 宅建業者が売主となる場合の瑕疵担保責任の制限ルール(民法より不利な特約の無効)を非業者である個人売主に誤って適用すること
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
中古マンション取得時の不動産取得税の課税標準および税率の特例
不動産 · 不動産取得税 / 課税標準の特例 / 新耐震基準中古住宅の控除額
設例に基づき、Aさんが購入予定の中古マンション(平成20年1月築・耐火建築物・専有面積75㎡)を取得した場合における不動産取得税の課税標準の特例および税率に関する文章中の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を、語句群のなかから選択しなさい。 「不動産取得税は、不動産の取得者に課される地方税であり、その課税標準は、原則として、固定資産課税台帳に登録されている価格により決定される。 設例のとおりに購入予定マンションを取得した場合、不動産取得税の課税標準の特例を受けることにより、土地については、取得した不動産の価格に( ① )を乗じた額が不動産取得税の課税標準となり、建物については、独立的に区画された1戸ごとの価格から最大で( ② )を控除した額が不動産取得税の課税標準となる。 不動産取得税の標準税率は、本則においては4%であるが、設例のとおりに購入予定マンションを取得した場合、特例により( ③ )となる。」
- イ
- 2分の1
- ロ
- 3分の2
- ハ
- 1,000万円
- ニ
- 1,100万円
- ホ
- 1,200万円
- へ
- 1%
- ト
- 2%
- チ
- 3%
解答・解説を表示
解答
① イ ② ホ ③ チ
解説
不動産取得税は地方税(道府県税)であり、原則として固定資産課税台帳に登録された価格に税率を乗じて算出します。住宅取得の負担軽減のため、宅地評価土地の課税標準を2分の1とする特例、耐震基準等を満たす住宅用建物の課税標準から一定額を控除する特例、および税率を4%から3%に引き下げる特例が設けられています。
解き方
- 宅地評価土地に係る課税標準の特例割合が2分の1(イ)であることを確認します。
- 購入予定マンションの新築時期(平成20年1月)から、控除額が最大1,200万円(ホ)であることを特定します。
- 土地および住宅に係る不動産取得税の軽減税率が特例により3%(チ)であることを確認します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:イ
- 宅地の用に供されている土地を取得した場合、課税標準となる固定資産税評価額に2分の1を乗じる特例措置が適用されます。
- 小問 ②:ホ
- 取得者が自ら居住する中古住宅で、新耐震基準に適合し床面積要件(50㎡以上240㎡以下)を満たす場合、建物の建築時期に応じた額が控除されます。平成9年4月1日以後に新築された住宅では最大1,200万円が控除されます。
- 小問 ③:チ
- 不動産取得税の標準税率は本則4%ですが、住宅および土地を取得した場合は軽減措置の特例により3%となります。
覚えるポイント
- 宅地等に係る不動産取得税の課税標準は評価額の2分の1
- 平成9年4月1日以後に新築された中古住宅の控除額は最大1,200万円
- 土地および住宅の不動産取得税の特例税率は3%(本則4%)
間違えやすいところ
- 新築住宅の建物控除額(一律1,200万円)と中古住宅の建築時期別控除額を混同しないように注意する
- 登録免許税の税率特例(住宅用家屋0.3%等)と不動産取得税の特例税率(3%)を混同しないようにする
出題の前提:2016年10月1日現在施行の地方税法等の規定に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例の税額計算
不動産 · 譲渡所得 / 居住用財産の買換え特例 / 概算取得費 / 長期譲渡所得税額計算
Aさんが、《設例》の条件等のとおり譲渡予定物件を譲渡し、購入予定マンションを購入して、「特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例」の適用を受けた場合の課税長期譲渡所得金額に係る所得税、復興特別所得税および住民税の合計額を計算した次の〈計算式〉の空欄①~④に入る最も適切な数値を求めなさい。 〈計算式〉 1.Aさんの持分に応じた金額明細 譲渡価額:8,000万円 × 1/2 = 4,000万円 概算取得費:4,000万円 ×( ① )% = □□□万円 譲渡費用:(90万円 + 260万円) ×( ② )= □□□万円 2.特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例 a.収入金額:□□□万円 - 買換え資産取得価額3,680万円 = □□□万円 b.取得費・譲渡費用:(□□□万円 + □□□万円)× □□□万円 / □□□万円 =( ③ )円 c.譲渡益:□□□万円 -( ③ )円 = □□□円 d.所得税、復興特別所得税および住民税の合計額(100円未満切捨て):( ④ )円
解答・解説を表示
解答
① 5(%) ② 1/2 ③ 300,000(円) ④ 589,100(円)
解説
特定の居住用財産の買換えの特例では、譲渡価額が買換資産の取得価額以下であるときは課税が全額将来に繰り延べられますが、譲渡価額が買換資産の取得価額を超えるときはその差額分が当期の譲渡所得として課税されます。この際、対応する必要経費(取得費・譲渡費用)も差額の割合に応じて按分計算されます。長期譲渡所得に対する税率は合計20.315%です。
解き方
- Aさんの持分(1/2)に応じた譲渡価額4,000万円、概算取得費200万円(5%)、譲渡費用175万円(350万円×1/2)を算出します。
- 買換え特例の課税収入金額(4,000万円-3,680万円=320万円)と、按分される取得費・譲渡費用の合計額(375万円×320万円/4,000万円=300,000円)を計算します。
- 課税長期譲渡所得金額(320万円-30万円=290万円)に合計税率20.315%を乗じ、100円未満を切り捨てて納税額を求めます。
答えの内訳
- ①:5
- 取得価額が不明な場合、譲渡価額の5%相当額を取得費(概算取得費)とすることができます。
- ②:1/2
- 建物取壊し費用90万円および譲渡費用260万円の合計350万円について、Aさんの共有持分割合である1/2(2分の1)を乗じてAさんの負担分を算出します。
- ③:300,000
- 買換え特例において譲渡価額が買換価額を上回る場合、取得費・譲渡費用は「(取得費+譲渡費用)×(譲渡価額-買換資産取得価額)/譲渡価額」で按分計算します。Aさんの持分について取得費200万円(4,000万円×5%)、譲渡費用175万円(350万円×1/2)の合計375万円に対し、(4,000万円-3,680万円)/4,000万円=320万円/4,000万円(0.08)を乗じて、3,750,000円×0.08=300,000円となります。
- ④:589,100
- 課税長期譲渡所得金額は、収入金額320万円-必要経費30万円=2,900,000円です。これに対する税率は所得税15%、復興特別所得税0.315%(15%×2.1%)、住民税5%の合計20.315%となります。税額の合計は2,900,000円×20.315%=589,135円となり、100円未満を切り捨てて589,100円となります。
覚えるポイント
- 概算取得費は譲渡価額の5%
- 共有財産を売却した場合、譲渡価額・取得費・譲渡費用は持分割合に応じて按分する
- 買換え特例で譲渡価額>買換資産価額の場合、経費は「経費総額×収入金額/譲渡価額」で按分計算する
- 長期譲渡所得の税率は所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%の計20.315%
間違えやすいところ
- 譲渡費用全体(350万円)を持分割合(1/2)で按分し忘れて全額計上してしまうミス
- 買換え特例の必要経費の按分計算を忘れ、取得費・譲渡費用の全額(375万円)をそのまま控除してしまうミス
- 最終税額の100円未満切捨て処理を忘れること
出題の前提:2016年10月1日現在施行の租税特別措置法(第36条の2)および所得税法等の規定に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺産分割協議と株式評価・準確定申告の期限
相続・事業承継 · 遺産分割手続 / 上場株式の評価 / 準確定申告の申告期限
相続開始後の手続に関する次の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を、語句群の中から選びなさい。 ⅰ)被相続人の財産は相続開始と同時に共同相続人の共有状態になるため、財産の取得者を確定させるためには、遺産分割を行うことになる。遺産分割にあたり、遺言書がない場合、協議分割をすることになるが、協議分割を成立させるためには共同相続人の全員の参加と合意が必要である。この合意が成立しないために協議分割を行えない場合、共同相続人は( ① )に対して申立てを行い、( ① )の調停・審判による遺産分割を行うことになる。 ⅱ)Aさんが所有している上場株式の相続税評価額は、原則として、その株式が上場されている金融商品取引所の公表する課税時期の最終価格によって評価する。ただし、その最終価格が課税時期の属する月以前( ② )間の毎日の最終価格の各月ごとの平均額のうち最も低い価額を超える場合には、その最も低い価額によって評価する。 ⅲ)Aさんが平成29年分の所得税について確定申告をしなければならない者に該当する場合、相続人は、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から( ③ )以内に準確定申告書を提出しなければならない。
- イ
- 法務局
- ロ
- 公証役場
- ハ
- 家庭裁判所
- ニ
- 2カ月
- ホ
- 3カ月
- ヘ
- 4カ月
- ト
- 6カ月
- チ
- 10カ月
解答・解説を表示
解答
① ハ、② ホ、③ ヘ
解説
相続開始後は、遺産分割が難航したときの家庭裁判所への申立て、上場株式における4つの価格を用いた低額評価選択、相続開始を知った日の翌日から4カ月以内に行う準確定申告など、各法的手続きの期限と管轄を正確に把握する必要があります。
解き方
- 遺産分割の合意が成立しない場合の申立先機関(家庭裁判所)を選択肢から特定します。
- 上場株式の評価において月平均額を比較する期間(課税時期の属する月以前3カ月間)を特定します。
- 所得税の準確定申告の申告期限(相続開始を知った日の翌日から4カ月以内)を特定します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ハ
- 共同相続人間の遺産分割協議が調わないときや協議ができないときは、共同相続人は家庭裁判所に遺産分割の調停または審判を申し立てることができます。
- 小問 ②:ホ
- 上場株式の評価は、課税時期の最終価格のほか、課税時期の属する月以前3カ月間の各月の最終価格の平均額のうち最も低い価額を選択することができます。
- 小問 ③:ヘ
- 被相続人が確定申告すべきであった場合、相続人は相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内に準確定申告書を提出して納税しなければなりません。
覚えるポイント
- 上場株式の評価は「当日の最終価格」「当月・前月・前々月の各月平均額」の4つのうち最も低い額を採用可能です。
- 相続における期限:相続放棄・限定承認は3カ月、準確定申告は4カ月、相続税申告は10カ月以内です。
間違えやすいところ
- 準確定申告の期限(4カ月以内)を相続税の申告期限(10カ月以内)と混同しないよう注意が必要です。
- 上場株式の評価において月平均を比較できる期間は「課税時期の属する月を含む3カ月間」です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生前贈与財産の相続税課税価格への加算
相続・事業承継 · 相続時精算課税制度 / 贈与税の配偶者控除 / 結婚・子育て資金の一括贈与
Aさんの相続に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。 ① 二男DさんがAさんから贈与を受けた上場株式については、相続開始時点の相続税評価額がAさんの相続に係る相続税の課税価格に加算される。 ② 妻BさんがAさんから贈与を受け、贈与税の配偶者控除の適用を受けた財産のうち、その配偶者控除額に相当する金額(特定贈与財産の額)は、Aさんの相続に係る相続税の課税価格に加算されない。 ③ 孫FさんがAさんから贈与を受けた結婚・子育て資金について、Aさんの死亡日における非課税拠出額の残額は、Aさんの相続に係る相続税の課税価格に加算されることはない。
- ①
- 二男DさんがAさんから贈与を受けた上場株式については、相続開始時点の相続税評価額がAさんの相続に係る相続税の課税価格に加算される。
- ②
- 妻BさんがAさんから贈与を受け、贈与税の配偶者控除の適用を受けた財産のうち、その配偶者控除額に相当する金額(特定贈与財産の額)は、Aさんの相続に係る相続税の課税価格に加算されない。
- ③
- 孫FさんがAさんから贈与を受けた結婚・子育て資金について、Aさんの死亡日における非課税拠出額の残額は、Aさんの相続に係る相続税の課税価格に加算されることはない。
解答・解説を表示
解答
① ×、② ○、③ ×
解説
生前贈与を受けた財産の相続税評価額への加算ルールは制度ごとに異なります。相続時精算課税は贈与時評価額で加算され、配偶者控除適用分は生前贈与加算の除外とされ、結婚・子育て資金の一括贈与は死亡時の残額が相続税の課税価格に加算されます。
解き方
- 記述①:相続時精算課税制度適用財産の加算価額が「相続開始時」か「贈与時」かを確認し、誤り(×)と判断します。
- 記述②:贈与税の配偶者控除適用部分(特定贈与財産)が生前贈与加算の対象から除外される規定を確認し、適切(○)と判断します。
- 記述③:結婚・子育て資金の一括贈与の非課税特例における、贈与者死亡時の管理残額の相続税課税扱いを確認し、誤り(×)と判断します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 相続時精算課税制度を適用して贈与を受けた財産は、相続開始時ではなく「贈与時の価額(相続税評価額)」で相続税の課税価格に加算されます。
- 小問 ②:○
- 贈与税の配偶者控除の適用を受けた特定贈与財産(最高2,000万円)は、相続開始前3年以内の生前贈与であっても相続税の課税価格への加算対象外となります。
- 小問 ③:×
- 結婚・子育て資金の一括贈与では、贈与者が死亡した日の管理残額(非課税拠出額の残額)は、受贈者が相続等により取得したものとみなされ課税価格に加算されます。
覚えるポイント
- 相続時精算課税制度を適用した財産は、必ず「贈与時の価額」で相続税の課税価格に持ち戻されます。
- 結婚・子育て資金の一括贈与は、贈与者死亡時の使い残し残額が原則として相続税の課税対象となります。
間違えやすいところ
- 相続時精算課税制度の加算価額を、暦年課税の生前贈与加算のように誤解したり、相続開始時の時価で評価すると混同しがちです。
- 教育資金の一括贈与(当時の原則非課税扱い)と結婚・子育て資金の一括贈与(死亡時残額は課税)の差異を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 法定相続人 / 遺産に係る基礎控除額 / 代襲相続 / 相続税の総額
被相続人Aさんの相続において、課税遺産総額が2億8,800万円であった場合の、遺産に係る基礎控除額、妻Bさんおよび二男Dさんの相続税の総額の基となる税額、ならびに相続税の総額について、指定された計算表の空欄①~④に入る数値を求めなさい(単位:万円)。なお、法定相続人は妻Bさん、二男Dさん、養子Eさん、死亡した長男Cさんを代襲相続した孫Fさん・孫Gさんの計5人である。
解答・解説を表示
解答
① 6,000(万円) ② 4,060(万円) ③ 760(万円) ④ 6,200(万円)
解説
相続税の総額の計算では、まず法定相続人の数を正しく確定して遺産に係る基礎控除額を求めます。次に、課税遺産総額を実際の遺産分割割合ではなく各法定相続人の「法定相続分」に応じて按分し、各人ごとの取得金額に超過累進税率を適用して税額を算出したうえで、それらを合算して総額を求めます。
解き方
- 法定相続人を妻B、二男D、養子E、代襲相続人の孫F・Gの計5人と特定し、基礎控除額「3,000万円+600万円×5人=6,000万円」を計算する。
- 課税遺産総額2億8,800万円を各人の法定相続分(妻1/2、二男1/6、養子1/6、孫F1/12、孫G1/12)に按分し、法定相続分に応ずる取得金額を算出する。
- 各人の取得金額に相続税の速算表を適用して税額を計算し(妻4,060万円、二男760万円、養子760万円、孫F310万円、孫G310万円)、それらを合算して相続税の総額(6,200万円)を算出する。
答えの内訳
- ①:6,000
- 法定相続人は、配偶者である妻Bさん、二男Dさん、養子Eさん(被相続人に実子がいるため養子は1人まで算入可能)、被相続人より先に死亡した長男Cさんを代襲相続する孫Fさん・孫Gさんの合計5人です。遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されるため、3,000万円+600万円×5人=6,000万円となります。
- ②:4,060
- 妻Bさんの法定相続分は2分の1です。課税遺産総額2億8,800万円に対する法定相続分に応ずる取得金額は、2億8,800万円×1/2=1億4,400万円となります。速算表(1億円超2億円以下:税率40%、控除額1,700万円)を適用すると、1億4,400万円×40%-1,700万円=4,060万円となります。
- ③:760
- 子グループの法定相続分は全体で2分の1であり、実子等(代襲相続を含む長男Cの枠、二男Dさん、養子Eさん)の3枠で均等に分けるため、二男Dさんの法定相続分は1/2×1/3=1/6となります。課税遺産総額2億8,800万円に対する法定相続分に応ずる取得金額は、2億8,800万円×1/6=4,800万円です。速算表(3,000万円超5,000万円以下:税率20%、控除額200万円)を適用すると、4,800万円×20%-200万円=760万円となります。
- ④:6,200
- 他の相続人の税額を求めます。養子Eさんの取得金額は4,800万円(法定相続分1/6)で税額は760万円です。代襲相続人である孫Fさんと孫Gさんの法定相続分はそれぞれ1/6×1/2=1/12となり、取得金額は2億8,800万円×1/12=2,400万円です。速算表(1,000万円超3,000万円以下:税率15%、控除額50万円)より、各税額は2,400万円×15%-50万円=310万円となります。これらを合算した相続税の総額は、4,060万円+760万円+760万円+310万円+310万円=6,200万円となります。
覚えるポイント
- 実子がいる場合の養子の法定相続人算入限度は1人まで(実子がいない場合は2人まで)。
- 相続開始以前に子が死亡している場合、その直系卑属(孫)が代襲相続人となり法定相続人の数に含まれる。
間違えやすいところ
- 長男Cが死亡していることを見落とし、代襲相続人である孫F・孫Gを法定相続人に含め忘れる。
- 実際の遺産分割割合で課税遺産総額を按分して税額を計算してしまう(相続税の総額は必ず「法定相続分」で按分して計算する)。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2017年5月 2級 実技 個人資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2017年5月 2級 実技 個人資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

