日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2017年5月 2級 学科の概要
ファイナンシャル・プランナーの業務と関連法規
ライフプランニングと資金計画 · FP倫理と関連法規 / 司法書士法 / 税理士法 / 社会保険労務士法
ファイナンシャル・プランナー(FP)の顧客に対する行為について、関連法規に照らして最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
4
解説
FPは他士業の独占業務に抵触しないよう留意して相談業務を行わなければなりません。税理士法、弁護士法、社会保険労務士法、司法書士法などの規定により、資格を有しない者が業として具体的書類作成や代理申請を行うことは禁止されています。
解き方
- 各選択肢に登場するFPの行為と対象となる他士業法(税理士法・弁護士法・社労士法・司法書士法)の関係を照合する。
- 登記申請書の作成および代理申請は司法書士の独占業務であり、無資格者が行うと法違反となるため選択肢4が不適切と判定する。
- 選択肢 1不正解
- 税法条文の提示や制度の一般的な解説を行うことは、具体的な税務相談や税務書類作成ではないため税理士法に抵触しません。
- 選択肢 2不正解
- 任意後見契約の受任者となること自体に弁護士資格等の特別な法的資格は要求されないため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 公的年金の繰下げ受給額などの概算試算を行うことは社会保険労務士の独占業務に抵触しないため適切です。
- 選択肢 4正解
- 登記申請書類の作成や登記申請の代理業務は司法書士法に定める独占業務であり、司法書士資格のないFPが行うことはできません。
覚えるポイント
- 登記申請の代理や登記書類の作成は司法書士の独占業務
- 一般的な法規の解説や公的年金の試算は無資格でも可能
間違えやすいところ
- 任意後見受任者には弁護士等の特定資格が必須と誤解しやすいが、欠格事由のない一般人でも受任可能である点に注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ライフプランニングにおける各種ツールの作成
ライフプランニングと資金計画 · キャッシュフロー表 / 可処分所得 / バランスシート
ファイナンシャル・プランナーがライフプランニングに当たって作成する一般的な各種表に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
2
解説
ライフプランニングにおける可処分所得(手取り収入)は、収入金額から強制的に徴収される公的負担(所得税、住民税、社会保険料)のみを差し引いて計算します。任意契約である生命保険料や生活費は支出項目として扱います。
解き方
- 各選択肢の表(キャッシュフロー表、可処分所得、バランスシート)の定義や作成ルールを確認する。
- 可処分所得の計算式から差し引くべき項目に生命保険料が含まれている点に着目し、誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- ライフイベントの費用は現在価値で見積もり、キャッシュフロー表では物価変動率等を考慮した将来価値に換算して計上します。
- 選択肢 2正解
- 可処分所得の計算において差し引くのは所得税、住民税、社会保険料であり、生命保険料は支出項目であるため差し引きません。
- 選択肢 3不正解
- キャッシュフロー表の各種変動率や運用利回りは、計画作成時点における妥当な見通しに基づいて設定します。
- 選択肢 4不正解
- 個人のバランスシートを作成する際、保有する金融資産や不動産などの資産項目は作成時点の時価で評価・計上します。
覚えるポイント
- 可処分所得=収入金額-(所得税+住民税+社会保険料)
- 個人のバランスシートの資産評価は時価で行う
間違えやすいところ
- 社会保険料(公的)と生命保険料(私的)を混同し、可処分所得の控除項目に生命保険料も含めてしまう誤りが多い。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
協会けんぽの被扶養者要件と任意継続被保険者
ライフプランニングと資金計画 · 健康保険 / 協会けんぽ / 被扶養者 / 任意継続被保険者
全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
4
解説
健康保険法において退職後も元の健康保険を継続できる任意継続被保険者制度は、資格喪失日の前日までに「継続して2カ月以上」の被保険者期間があり、資格喪失日から「20日以内」に申請することが要件とされています。
解き方
- 協会けんぽの被扶養者要件、保険料率の仕組み、標準報酬月額等級、任意継続の各要件を確認する。
- 任意継続被保険者の要件である被保険者期間は「継続して2カ月以上」であるため、「6カ月以上」とする選択肢4を不適切と判定する。
- 選択肢 1不正解
- 同居の場合、被扶養者となる配偶者の年間収入要件は130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)かつ被保険者の年間収入の2分の1未満です。
- 選択肢 2不正解
- 協会けんぽの一般保険料率は都道府県単位で異なりますが、介護保険料率(40歳以上65歳未満)は全国一律です。
- 選択肢 3不正解
- 健康保険の標準報酬月額は第1級(5万8,000円)から第50級(139万円)までの全50等級に区分されています。
- 選択肢 4正解
- 任意継続被保険者となるための被保険者期間は「継続して2カ月以上」であり、資格喪失の日から「20日以内」に申し出る必要があります。
覚えるポイント
- 任意継続被保険者の要件:継続して2カ月以上の被保険者期間、資格喪失日から20日以内に申請
- 任意継続期間は最長2年間、保険料は全額自己負担
間違えやすいところ
- 任意継続の「2カ月以上」と雇用保険の基本手当受給資格期間(原則通算12カ月以上)などの月数を混同しないよう注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
厚生年金保険の保険料と保険給付
ライフプランニングと資金計画 · 厚生年金保険 / 保険料 / 被保険者資格 / 育児休業等免除 / 遺族厚生年金
厚生年金保険に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
1
解説
厚生年金保険は総報酬制を採用しており、毎月の標準報酬月額および賞与の標準賞与額に保険料率を乗じて保険料を算出します。被保険者資格は原則70歳未満まで継続し、育児休業免除は事業主負担分も含めて免除され、遺族厚生年金は報酬比例部分の4分の3相当額となります。
解き方
- 各選択肢について、厚生年金保険の保険料算出方法、被保険者資格の上限年齢、育児休業免除の範囲、遺族厚生年金の乗数を照合する。
- 選択肢1が総報酬制の正確な規定であると判断し、選択肢2(70歳未満)、選択肢3(両方免除)、選択肢4(4分の3)の誤りを排除する。
- 選択肢 1正解
- 厚生年金保険の保険料は、標準報酬月額および標準賞与額にそれぞれ保険料率を乗じて算出され、労使折半で負担します。
- 選択肢 2不正解
- 適用事業所に常時使用される者は、原則として70歳未満まで厚生年金保険の被保険者となるため、65歳以上でも被保険者となります。
- 選択肢 3不正解
- 育児休業等の期間中の厚生年金保険料は、被保険者負担分だけでなく事業主負担分も申し出により免除されます。
- 選択肢 4不正解
- 遺族厚生年金の年金額は、原則として死亡した者の老齢厚生年金の報酬比例部分の額の「4分の3」相当額(3分の2ではない)です。
覚えるポイント
- 厚生年金被保険者資格の上限年齢は70歳未満
- 遺族厚生年金は報酬比例部分の4分の3相当額
- 育児休業中の社会保険料免除は本人負担・会社負担の双方が全額免除
間違えやすいところ
- 国民年金の第2号被保険者は65歳未満(年金受給権がない場合は70歳未満)だが、厚生年金の被保険者は70歳未満までである点を取り違えやすい。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金の給付(老齢・障害・遺族・寡婦年金)
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金の繰下げ / 障害基礎年金 / 遺族基礎年金 / 寡婦年金
国民年金の給付に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
3
解説
国民年金の主な給付における対象要件:老齢基礎年金の繰下げ増額率は月あたり0.7%、障害基礎年金の加算対象は「子」、遺族基礎年金の受給対象は「子のある配偶者」または「子」、寡婦年金の婚姻期間要件は「10年以上継続」です。
解き方
- 繰下げ増額率の計算:65歳から68歳までは36カ月繰下げとなるため、0.7%×36=25.2%となり18.0%ではない(誤り)。
- 障害基礎年金の加算対象は「子」であり、配偶者加給は厚生年金の制度である(誤り)。
- 遺族基礎年金の対象者が「子のある配偶者」または「子」である記述を確認し、適切と判定する。
- 寡婦年金の婚姻期間要件は10年以上であるため5年以上とする記述の誤りを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 65歳から68歳到達日までの繰下げ月数は36カ月であり、増額率は 0.7% × 36カ月 = 25.2% となります。
- 選択肢 2不正解
- 障害基礎年金の加算対象は生計を維持されている「子」であり、65歳未満の配偶者は障害厚生年金の加給年金額の対象です。
- 選択肢 3正解
- 遺族基礎年金の受給対象者は、死亡当時に生計を維持されていた18歳到達年度末日までの間にある子(または一定の障害状態にある20歳未満の子)を有する配偶者、またはその子です。
- 選択肢 4不正解
- 寡婦年金を受給するためには、夫との婚姻関係が「10年以上」継続していることが必要です(5年ではありません)。
覚えるポイント
- 繰下げ増額率=0.7%×繰下げ月数
- 障害基礎年金の加算対象は「子」(障害厚生年金は配偶者)
- 寡婦年金の婚姻要件は10年以上継続
間違えやすいところ
- 繰上げ(月0.5%減額 ※当時)と繰下げ(月0.7%増額)の計算率を混同しないこと。
- 遺族基礎年金は「子のある配偶者」または「子」のみであり、子のない配偶者は受給できない点に注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢厚生年金の受給要件と在職老齢年金
ライフプランニングと資金計画 · 特別支給の老齢厚生年金 / 老齢厚生年金の受給要件 / 加給年金 / 在職老齢年金
老齢厚生年金に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
4
解説
厚生年金保険の在職老齢年金制度では、働いて一定以上の給与・賞与を得ている場合に年金の一部または全額が支給停止となります。その計算枠組みは65歳未満(低在老)と65歳以上(高在老)で異なる基準額・計算式が設けられています。
解き方
- 特別支給の老齢厚生年金は生年月日に応じて支給開始年齢が60歳から65歳へ引き上げられていることを確認(選択肢1排除)。
- 65歳以降の老齢厚生年金の被保険者期間要件は1カ月以上であることを確認(選択肢2排除)。
- 加給年金額の加算要件である厚生年金被保険者期間は原則20年以上(中高齢の特例あり)であることを確認(選択肢3排除)。
- 在職老齢年金の仕組みが65歳未満と65歳以上で異なることを確認し、選択肢4を適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢は、生年月日に応じて段階的に引き上げられており、全員が60歳から受給できるわけではありません。
- 選択肢 2不正解
- 65歳以後に本来支給の老齢厚生年金を受給するための被保険者期間は「1カ月以上」あれば足ります(1年以上必要なのは特別支給の老齢厚生年金です)。
- 選択肢 3不正解
- 加給年金額が加算されるために必要な厚生年金保険の被保険者期間は、原則として「20年以上」(または中高齢の特例該当)です。
- 選択肢 4正解
- 在職老齢年金の支給停止基準額の計算方法は、65歳未満(低在老:28万円が基準)と65歳以上(高在老:46万円が基準)で異なっています。
覚えるポイント
- 加給年金の要件:厚生年金の被保険者期間原則20年以上
- 65歳以後の老齢厚生年金受給要件:被保険者期間1カ月以上
- 在職老齢年金は65歳未満と65歳以上で基準が異なる
間違えやすいところ
- 受給資格期間(10年/25年)と加給年金の要件(20年)、特別支給の老齢厚生年金の要件(1年)、65歳以降の要件(1カ月)を混同しやすい。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
確定拠出年金の制度とマッチング拠出
ライフプランニングと資金計画 · 確定拠出年金 / マッチング拠出 / 個人型確定拠出年金 / 運用指図者
確定拠出年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
2
解説
確定拠出年金の企業型において加入者が掛金を上乗せ拠出するマッチング拠出では、加入者掛金の額は事業主掛金の額以下でなければならず、かつ両者の合計額が法定の拠出限度額の範囲内でなければなりません。
解き方
- 確定拠出年金の各規定(第1号被保険者の限度額調整、マッチング拠出の要件、脱退後の移換、受給開始要件)を確認する。
- マッチング拠出の加入者掛金には「事業主掛金の額を超えないこと」という上限規制があるため、「事業主掛金の額にかかわらず」とする選択肢2を不適切と特定する。
- 選択肢 1不正解
- 第1号被保険者は国民年金基金の掛金と個人型年金の掛金の合計で月額68,000円以内、掛金は5,000円以上1,000円単位です。
- 選択肢 2正解
- マッチング拠出における加入者掛金は、事業主掛金の額を超えることができず、かつ事業主掛金との合計が拠出限度額以内である必要があります。
- 選択肢 3不正解
- 退職して第3号被保険者となった場合、個人別管理資産を移換して個人型年金の運用指図者(または掛金を拠出する加入者)となることができます。
- 選択肢 4不正解
- 確定拠出年金の老齢給付金を原則である60歳から受給するためには、通算加入者等期間が10年以上必要です。
覚えるポイント
- マッチング拠出の上限:加入者掛金 ≦ 事業主掛金、かつ合計が拠出限度額以内
- 老齢給付金の60歳受給には通算加入者等期間10年以上が必要
間違えやすいところ
- 「拠出限度額から事業主掛金を引いた残額まで自由に拠出できる」と誤解しやすいが、事業主掛金の額を超えて拠出することはできない。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
フラット35(買取型)の融資条件
ライフプランニングと資金計画 · 住宅ローン / フラット35 / 融資条件 / 総返済負担率
住宅金融支援機構と民間金融機関が提携した住宅ローン「フラット35(買取型)」に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
1
解説
住宅金融支援機構のフラット35(買取型)では、融資対象となる住宅の規模基準として、一戸建て住宅等は床面積70㎡以上、マンション(共同建て)は専有面積30㎡以上と定められています。また融資上限は8,000万円で建設費・購入価額以内、総返済負担率は年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下です。
解き方
- フラット35(買取型)の住宅規模基準(一戸建て70㎡以上、マンション30㎡以上)を確認する。
- 選択肢1がマンションの専有面積を「50㎡以上」としており誤りであると判断する。
- 選択肢2(最高8,000万円以内)、選択肢3(年収400万円以上は35%以下)、選択肢4(機構が第1順位の抵当権者)が正しいことを確認する。
- 選択肢 1正解
- マンション(共同建て住宅)の専有面積要件は「30㎡以上」です(一戸建て住宅の場合は70㎡以上)。50㎡以上ではありません。
- 選択肢 2不正解
- フラット35の融資金額は、100万円以上8,000万円以下で、かつ建設費または購入価額(所定の範囲内)が上限となります。
- 選択肢 3不正解
- 総返済負担率は、年収400万円未満の場合は30%以下、年収400万円以上の場合は35%以下でなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- フラット35(買取型)では、住宅金融支援機構が民間金融機関から債権を買い取り、融資対象住宅に第1順位の抵当権を設定します。
覚えるポイント
- フラット35の床面積要件:マンションは30㎡以上、一戸建ては70㎡以上
- 総返済負担率基準:年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下
- 融資限度額:最高8,000万円
間違えやすいところ
- 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の床面積要件(原則50㎡以上)とフラット35の要件(マンション30㎡以上・一戸建て70㎡以上)を混同しやすい。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
貸借対照表の財務比率分析
ライフプランニングと資金計画 · 貸借対照表 / 流動比率 / 自己資本比率 / 当座資産
提示されたX社の貸借対照表に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
貸借対照表は一定時点における企業の財政状態を示すもので、短期的な支払能力を測る流動比率や中長期的な財務健全性を測る自己資本比率などの指標を用いて分析します。
解き方
- 貸借対照表の各項目(流動資産、流動負債、純資産、総資産)の数値を確認します。
- 自己資本比率の計算式である「自己資本÷総資産×100」に当てはめて算式が正しいかを判定します。
- 選択肢 1不正解
- 流動資産のうち現金及び預金、受取手形、売掛金、有価証券など、短期間で容易に現金化できる資産を当座資産と呼びます。
- 選択肢 2不正解
- ワン・イヤー・ルール(1年基準)により、決算日の翌日から1年以内に返済・支払期限が到来する債務を流動負債、1年を超えるものを固定負債とします。
- 選択肢 3不正解
- 流動比率は「流動資産÷流動負債×100」で計算されるため、「(500/300)×100(%)」という算式は適切です。
- 選択肢 4正解
- 自己資本比率は「自己資本(純資産合計)÷総資産(負債・純資産合計)×100」で計算するため、「(600/1,200)×100(%)」が正しく、本問の算式は不適切です。
覚えるポイント
- 自己資本比率の分母は総資産(負債・純資産合計)、分子は自己資本(純資産合計)です。
間違えやすいところ
- 自己資本比率の分子を資本金のみにしてしまったり、分母を負債合計と混同したりしないように注意しましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
クレジットカードの利用と管理
ライフプランニングと資金計画 · クレジットカード / 会員規約 / 指定信用情報機関 / 本人利用の原則
クレジットカードに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
クレジットカードは会員個人の信用に基づいて発行されるため、会員規約により第三者への貸与や譲渡が禁止されており、家族であっても家族カードを発行して本人が利用する必要があります。
解き方
- クレジットカードの利用規則における本人専属利用の原則と規約内容を想起します。
- 親族間利用の特例の有無を検討し、生計を維持している親族であっても貸与できない点を確認します。
- 選択肢 1不正解
- スーパーやコンビニなどの日常的な少額決済店舗を中心に、サインレス決済の契約を結んでいる店舗では署名を省略することができます。
- 選択肢 2不正解
- ICチップ付きクレジットカードは対応端末において暗証番号(PIN)を入力することで、署名に代えて本人確認を行うことができます。
- 選択肢 3正解
- クレジットカードは名義人本人しか使用できず、生計を同一にする家族や親族であっても貸与することは会員規約違反となります。
- 選択肢 4不正解
- 信用情報は指定信用情報機関に登録されますが、本人は所定の手続きを行うことで自身の登録情報の開示請求を行う権利があります。
覚えるポイント
- クレジットカードは名義人の専属利用が原則であり、家族間であっても貸与は禁止されています。
間違えやすいところ
- 家族カードの存在と混同し、本会員のカード自体を家族が利用可能と誤認しないように注意しましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
保険業法における保険募集ルール
リスク管理 · 保険業法 / 情報提供義務 / 意向把握義務 / 特別の利益の提供の禁止
保険業法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
保険業法では、保険契約者の保護や募集の公正を確保するため、情報提供義務、意向把握・確認義務を課すとともに、保険料の割引や割戻しなどの特別の利益の提供を厳格に禁止しています。
解き方
- 保険業法における保険募集人の義務(情報提供義務、意向把握義務等)を確認します。
- 保険業法第300条における特別利益の提供禁止規定と照合して、記述の正誤を判断します。
- 選択肢 1不正解
- 保険業法第294条に基づき、保険募集人は顧客に対して契約概要や注意喚起情報などの重要情報を提供する義務があります。
- 選択肢 2不正解
- 保険業法第294条の2に基づき、顧客のニーズを把握し、意向に沿った提案・最終確認を行う意向把握義務が定められています。
- 選択肢 3正解
- 保険料の割引や割戻しは「特別の利益の提供」として保険業法で一律に禁止されており、要請に応じることは違法行為となります。
- 選択肢 4不正解
- 乗合代理店が特定商品のみを推奨販売する場合には、顧客の誤認防止のため、選定理由を明確に説明・提示する義務があります。
覚えるポイント
- 保険料の割引・割戻し、金品の提供などの「特別の利益の提供」は保険業法で禁止されています。
間違えやすいところ
- 顧客からの要請があれば保険料の割引や割戻しが認められると誤認しないようにしましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種生命保険の基本構造と商品性
リスク管理 · 定期保険特約付終身保険 / 逓減定期保険 / 長期平準定期保険 / 養老保険
生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
更新型の生命保険契約では、健康状態の告知なしで自動更新できますが、更新時の年齢に応じた保険料率が適用されるため、通常、更新後の保険料は上がります。
解き方
- 定期保険特約の更新時における保険料の決定ルール(更新時年齢での再計算)を確認します。
- 各選択肢の保険(逓減定期保険、長期平準定期保険、養老保険)の保障内容と保険料の推移を吟味します。
- 選択肢 1正解
- 更新時の年齢が高くなるため、同じ保障内容(保険金額)で自動更新した場合、更新後の特約保険料は通常高くなります。
- 選択肢 2不正解
- 逓減定期保険は時間の経過とともに死亡保険金額が減少していきますが、払込保険料は保険期間を通じて平準(一定)です。
- 選択肢 3不正解
- 長期平準定期保険は超長期の定期保険であり、保険期間を通じて死亡保険金額および払込保険料ともに一定です。
- 選択肢 4不正解
- 養老保険は生死混合保険であり、死亡したときの死亡保険金と同額の満期保険金が満期生存時に支払われます。
覚えるポイント
- 更新型保険の更新時の保険料は、更新時の年齢に基づき計算されるため通常高くなります。
間違えやすいところ
- 自動更新は診査なしで更新できる仕組みですが、保険料が変わらないわけではない点に注意しましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人年金保険の商品性
リスク管理 · 個人年金保険 / 確定年金 / 保証期間付終身年金 / 外貨建て年金 / 変額年金
個人年金保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
終身年金は生涯にわたって受取が継続しますが、保証期間を付帯することで、早期死亡時でも保証期間分の年金原資を遺族が確実に受け取れる仕組みになっています。
解き方
- 各年金種類(確定年金、保証期間付終身年金、外貨建て年金、変額年金)の受取構造とリスク特性を確認します。
- 年金開始前死亡時の取扱いや解約返戻金・為替リスクの保証の有無を検討し、正誤を判断します。
- 選択肢 1不正解
- 年金受取開始前の死亡時に支払われる死亡給付金は、それまでに払い込まれた保険料相当額(既払込保険料相当額)であり、将来の年金受取総額ではありません。
- 選択肢 2正解
- 保証期間付終身年金では、保証期間内に被保険者が死亡した場合、残存保証期間分の年金を遺族が継続受給するか一時金として受け取ることができます。
- 選択肢 3不正解
- 円換算特約は受取時の為替レートで円換算して支払うための特約であり、円建てでの元本や既払込保険料を保証するものではありません。
- 選択肢 4不正解
- 変額年金の解約返戻金には最低保証はなく、運用実績および解約控除等によって既払込保険料を下回る(元本割れする)ことがあります。
覚えるポイント
- 保証期間付終身年金の保証期間内死亡では、残余期間の年金または一時金を遺族が受け取れます。
間違えやすいところ
- 変額年金において死亡給付金等に最低保証がある商品でも、途中の解約返戻金には最低保証がない点に注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総合福祉団体定期保険の仕組みと特約
リスク管理 · 総合福祉団体定期保険 / ヒューマン・ヴァリュー特約 / 災害総合保障特約
企業を契約者(=保険料負担者)とする総合福祉団体定期保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
総合福祉団体定期保険は企業の弔慰金・死亡退職金規程を裏付ける制度であり、主契約の死亡保険金受取人は遺族ですが、企業防衛のためのヒューマン・ヴァリュー特約等の受取人は企業となります。
解き方
- 総合福祉団体定期保険の主契約の被保険者範囲(役員・従業員)と保険期間(原則1年更新)を確認します。
- 付加される各種特約(ヒューマン・ヴァリュー特約、災害総合保障特約)の受取人区分を照合します。
- 選択肢 1不正解
- 総合福祉団体定期保険は従業員だけでなく、企業の役員も被保険者とすることができます。
- 選択肢 2不正解
- 総合福祉団体定期保険の保険期間は1年であり、毎年更新する1年定期保険です。
- 選択肢 3正解
- ヒューマン・ヴァリュー特約は、役員・従業員の死亡・高度障害による代替要員採用費等の企業損失を補償するもので、受取人は企業に限定されます。
- 選択肢 4不正解
- 災害総合保障特約の給付金受取人は、被保険者(従業員本人)またはその遺族とされています。
覚えるポイント
- 主契約の死亡保険金は被保険者の遺族、ヒューマン・ヴァリュー特約の保険金は企業が受取人となります。
間違えやすいところ
- 総合福祉団体定期保険の保険期間を長期契約と誤認しないようにしましょう(原則1年定期)。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人契約の生命保険に関する税務
リスク管理 · 生命保険の税金 / 入院給付金の非課税 / 生命保険金の非課税枠 / 一時払い終身保険の解約返戻金
生命保険の税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、いずれも契約者(=保険料負担者)、保険金受取人、年金受取人は個人であるものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
生命保険金の非課税規定(相続税法第12条第1項第5号)は、相続人の生活保障を目的とする趣旨から、相続を放棄した者や相続人以外の包括受遺者・特定受遺者には適用されません。
解き方
- 契約者=被保険者の死亡保険金受取人が相続人以外の第三者である場合のみなし相続財産の課税関係を把握します。
- 死亡保険金の非課税限度額(500万円×法定相続人の数)の適用対象者が相続人に限定されている点と照合します。
- 選択肢 1不正解
- 身体の疾病・傷害に起因して受給する入院給付金や手術給付金などは、所得税法上非課税所得となります。
- 選択肢 2正解
- 相続人以外の者が受給した死亡保険金は相続税の課税対象となりますが、生命保険金の非課税限度額の適用対象にはなれません。
- 選択肢 3不正解
- 一時払い終身保険は金融類似商品(源泉分離課税)に該当しないため、5年以内の解約返戻金であっても一時所得として総合課税されます。
- 選択肢 4不正解
- 契約者と年金受取人が異なる場合、年金受取開始時に年金受給権の評価額相当について契約者から年金受取人への贈与があったものとみなされます。
覚えるポイント
- 生命保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)を利用できるのは「相続人」のみです。
間違えやすいところ
- 一時払い養老保険等の5年以内差益(源泉分離課税)と、一時払い終身保険(常に一時所得)の税務上の違いを混同しないようにしましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の生命保険料の経理処理
リスク管理 · 法人契約の生命保険 / 終身保険 / 個人年金保険 / 養老保険のハーフタックスプラン / 逓増定期保険
契約者(=保険料負担者)を法人とする生命保険契約の保険料の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約は考慮せず、保険料は毎月平準払いで支払われているものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
法人契約の個人年金保険において、最終的な受取人(満期・年金受取人)が法人である場合、法人の積立資産となるため保険料全額を資産計上します。ハーフタックスプランが認められるのは一定要件を満たす養老保険です。
解き方
- 各保険契約における被保険者・保険金受取人の関係と法人の資産性の有無を確認します。
- 年金受取人が法人である個人年金保険の保険料は全額資産計上となるルールを適用して誤りを判定します。
- 選択肢 1不正解
- 死亡保険金受取人が法人である終身保険は、将来法人が死亡保険金または解約返戻金を受け取るため、支払保険料の全額を資産計上(保険料積立金)します。
- 選択肢 2正解
- 年金受取人が法人である個人年金保険では、死亡受取人が遺族であっても、支払保険料は全額資産計上となり、損金算入は認められません。
- 選択肢 3不正解
- 役員・従業員全員を対象とし、満期受取人=法人、死亡受取人=遺族とする養老保険(ハーフタックスプラン)は、保険料の2分の1を資産計上、2分の1を損金算入(福利厚生費)できます。
- 選択肢 4不正解
- 逓増定期保険ではピーク時の解約返戻率に応じた所定割合を前払期間中に資産計上し、その経過後に取崩して損金算入します。
覚えるポイント
- 年金受取人が法人である個人年金保険の支払保険料は全額資産計上となります。
間違えやすいところ
- 養老保険のハーフタックスプラン(受取人が満期=法人、死亡=遺族)と個人年金保険の経理処理を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
自動車保険の一般的な商品性
リスク管理 · 自動車保険 / 人身傷害保険 / 対人賠償保険 / ノンフリート等級
任意加入の自動車保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約は考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
人身傷害保険は過失割合にかかわらず契約上の損害額が支払われる補償であり、自損事故もカバーします。一方、賠償責任保険は法律上の損害賠償責任を担保するため過失相殺が適用され、同居の親族に対する損害賠償は対象外となります。
解き方
- 自動車保険の各補償(賠償責任・人身傷害・車両など)の対象範囲と特徴を確認する。
- 人身傷害保険が過失割合を問わず単独事故も対象となる点に照らし、誤っている選択肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 記述のとおり適切です。ノンフリート等級別料率制度は1等級から20等級に区分され、事故実績に応じて保険料の割増・割引率が決定されます。
- 選択肢 2不正解
- 記述のとおり適切です。対物賠償保険は法律上の損害賠償責任額を補償するため、被害者に過失がある場合は過失割合に応じて減額(過失相殺)されます。
- 選択肢 3正解
- 人身傷害保険では、被保険者が運転中に電柱に衝突する等の単独事故(自損事故)で負傷・後遺障害を負った場合も補償の対象となるため、不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 記述のとおり適切です。対人賠償保険は他人の生命や身体を害した際の賠償責任を補償するものであり、配偶者や父母、同居の親族(子など)に対する損害は免責となります。
覚えるポイント
- 人身傷害保険は過失割合にかかわらず実損額を補償し単独事故も対象となること
間違えやすいところ
- 対人・対物賠償責任保険では同居の親族に対する賠償損害は補償対象外となる点を見落とすこと
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令・約款等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
傷害保険の一般的な商品性
リスク管理 · 普通傷害保険 / 国内旅行傷害保険 / 海外旅行傷害保険 / 補償範囲
傷害保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約は考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
傷害保険は「急激・偶然・外来」の事故による身体の傷害を担保します。普通傷害保険は国内外・就業中を問わず日常生活のケガを幅広く補償しますが、地震・噴火・津波や細菌性食中毒は原則として免責となります。
解き方
- 普通傷害保険、国内旅行傷害保険、海外旅行傷害保険の補償範囲(場所・原因・免責事由)を整理する。
- 地震・噴火・津波による損害が国内旅行傷害保険では特約なしでは免責となる点を確認し、適切な選択肢を選ぶ。
- 選択肢 1不正解
- 普通傷害保険は、家庭内・就業中・通勤中など国内外を問わず日常生活におけるケガを補償するため、就業中の事故も補償の対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 普通傷害保険は国内外を問わずケガを補償するため、海外旅行中の事故によるケガも補償の対象となります。
- 選択肢 3正解
- 国内旅行傷害保険では、地震・噴火またはこれらによる津波によるケガは補償の対象外(免責)とされています。
- 選択肢 4不正解
- 海外旅行傷害保険の保険期間は、住居を出発してから住居に帰着するまでであり、旅行行程中であれば日本国内の移動中の事故によるケガも補償の対象となります。
覚えるポイント
- 国内旅行傷害保険は細菌性食中毒を補償するが地震・噴火・津波は原則免責となること
間違えやすいところ
- 普通傷害保険が海外旅行中の事故を補償しないと誤認すること
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令・約款等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
第三分野の保険の一般的な商品性
リスク管理 · ガン保険 / 三大疾病保障保険 / 民間介護保険 / リビング・ニーズ特約
第三分野の保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
生命保険会社が扱う第三分野の保険商品は定額給付が基本です。ガン保険は入院日数が無制限、特定疾病保障保険は死亡保障と同額の保険金(先払い)、リビング・ニーズ特約は余命6か月以内の事前給付という特徴を持ちます。
解き方
- 各保険商品・特約の給付要件や支払方法の特性を比較・確認する。
- 民間の介護保険が実費補填型ではなく定額給付型である点を確認し、誤りの選択肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 記述のとおり適切です。ガン保険の入院給付金は、1入院あたりの限度日数や通算支払限度日数が無制限とされているものが一般的です。
- 選択肢 2不正解
- 記述のとおり適切です。特定(三大)疾病保障定期保険では、特定疾病保険金を受け取らずに死亡または高度障害となった場合、同額の死亡(高度障害)保険金が支払われて契約は消滅します。
- 選択肢 3正解
- 民間介護保険の介護年金は、約款所定の要介護状態に該当した際に定額の年金が支給されるものであり、公的介護サービスの自己負担額を限度として支払われるわけではないため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 記述のとおり適切です。リビング・ニーズ特約は、余命6か月以内と判断された場合に死亡保険金の全部または一部(上限3,000万円等)を生前給付金として請求できる特約です。
覚えるポイント
- ガン保険の入院給付金は日数無制限、民間介護年金は定額給付であること
間違えやすいところ
- 民間介護保険を損害保険の実損払型や公的介護保険の現物給付と混同すること
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令・約款等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損害保険を活用した家庭のリスク管理
リスク管理 · 地震保険 / 国内旅行傷害保険 / 個人賠償責任特約 / 所得補償保険
損害保険を活用した家庭のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
損害保険は偶然の事故や災害、病気・ケガなどによって生じた損害に備えるものです。所得補償保険は「病気やケガによる就業不能」を保険事故としており、自主退職や定年退職に伴う減収リスクを填補するものではありません。
解き方
- 各保険・特約の保険事故(支払事由)と、対応するリスクが適合しているかを検討する。
- 所得補償保険の支払要件が病気やケガによる就業不能である点を確認し、定年退職による減収には適用できないことを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 適切です。火災保険単体では地震を原因とする倒壊・火災は免責となるため、地震保険を付帯して備えるのは妥当です。
- 選択肢 2不正解
- 適切です。国内旅行傷害保険では、細菌性食中毒およびウイルス性食中毒が補償対象に含まれています。
- 選択肢 3不正解
- 適切です。個人賠償責任補償特約は、飼い犬の散歩中の咬傷事故など、日常生活で他人にケガをさせ法律上の賠償責任を負った場合に備えることができます。
- 選択肢 4正解
- 所得補償保険は病気やケガによる就業不能状態を補償するものであり、定年退職や雇用形態の変更に伴う収入減少は支払事由に該当しないため不適切です。
覚えるポイント
- 所得補償保険は「身体障害による就業不能」を対象とし定年や失業は対象外
間違えやすいところ
- 国内旅行傷害保険は特約なしで細菌性食中毒が補償対象となる点を見落とすこと
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令・約款等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国内の景気や物価の動向を示す各種指標
金融資産運用 · GDP / 名目GDPと実質GDP / 日銀短観 / 景気動向指数
国内の景気や物価の動向を示す各種指標等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
マクロ経済指標の定義を正確に理解することが重要です。GDPは国内で新たに生み出された付加価値の合計で民間消費が過半を占め、日銀短観は企業の景況感、マネーストックは通貨供給量を測定します。
解き方
- 各選択肢に登場する経済指標(GDP、日銀短観、景気動向指数)の定義や分類を確認する。
- 日銀短観の調査内容とマネーストック統計の定義を取り違えている記述を見抜く。
- 選択肢 1不正解
- 適切です。支出面からみた名目GDPの内訳において、民間最終消費支出(個人消費)は全体の5割超を占め、最大の構成項目となっています。
- 選択肢 2不正解
- 適切です。実質GDPは名目GDPから物価変動の影響を除去したものであるため、名目GDPの伸び率を物価上昇率(GDPデフレーター)が上回る場合、名目が上昇しても実質は下落します。
- 選択肢 3正解
- 金融部門から経済全体に供給される通貨量の残高を調査したものは「マネーストック統計」であり、日銀短観は企業の業況感や事業計画などを把握する調査であるため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 適切です。有効求人倍率(除学卒)は、景気の現状把握に用いられる景気動向指数の一致系列に分類されます(新規求人倍率は先行系列)。
覚えるポイント
- 日銀短観は企業の業況判断DI等、マネーストック統計は通貨供給量
間違えやすいところ
- 有効求人倍率(一致系列)と新規求人倍率(先行系列)の分類を混同すること
出題の前提:2016年10月1日現在施行の経済統計・指標の基準
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式投資信託の運用手法
金融資産運用 · パッシブ運用 / トップダウン・アプローチ / ボトムアップ・アプローチ / グロース投資 / バリュー投資
株式投資信託の一般的な運用手法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
アクティブ運用には、マクロ分析から個別に落とし込む「トップダウン」と、個別企業の精査からポートフォリオを構築する「ボトムアップ」のアプローチがあります。また選定基準として割安性を見る「バリュー投資」と将来性を重視する「グロース投資」に分類されます。
解き方
- 投資手法に関する基本用語(パッシブ、トップダウン、ボトムアップ、グロース、バリュー)の定義を確認する。
- マクロ分析から個別銘柄へ進める手法がトップダウン・アプローチである点に基づき誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 適切です。日経平均株価やTOPIXなどのベンチマークに連動した運用成果を目指す手法をパッシブ運用(インデックス運用)と呼びます。
- 選択肢 2正解
- マクロ経済環境から国別・業種別の配分を決定し個別銘柄を選ぶ手法は「トップダウン・アプローチ」であり、記述はボトムアップ・アプローチの説明ではないため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 適切です。将来の売上高や利益の成長性が高く市場平均を上回ると期待される銘柄に投資する手法をグロース投資と呼びます。
- 選択肢 4不正解
- 適切です。PERやPBRなどの指標から見て現在の株価が企業の資産価値・収益力に対して割安と判断される銘柄に投資する手法をバリュー投資と呼びます。
覚えるポイント
- トップダウンはマクロ経済から銘柄へ、ボトムアップは個別企業の企業調査から
間違えやすいところ
- トップダウン・アプローチとボトムアップ・アプローチの定義を取り違えること
出題の前提:2016年10月1日現在の投資信託・運用基準
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
固定利付債券の利回り計算式
金融資産運用 · 債券利回り / 応募者利回り / 直接利回り / 所有期間利回り / 最終利回り
表面利率0.1%、償還年限10年の固定利付債券が額面100円当たり100円10銭で発行された事例において、応募者利回り(ア)、直接利回り(イ)、所有期間利回り(新規発行時に購入し3年後に100円50銭で売却)(ウ)、最終利回り(発行から3年後に100円50銭で購入し償還まで保有)(エ)の計算式として、最も不適切なものはどれか。なお、税金・手数料等は考慮しない。
解答・解説を表示
解答
3
解説
債券の単利利回りは「{表面利率 + 1年あたりの償還差損益(売買差損益)}÷ 購入価格 × 100」で求められます。差損益の分子は常に「出口価格(償還価格または売却価格)- 入口価格(発行価格または購入価格)」となります。
解き方
- 所有期間利回りの計算式「{表面利率 + (売却価格 - 購入価格) / 所有年数} / 購入価格 × 100」を確認する。
- 選択肢3において分子の差額が「発行価格 - 売却価格」と逆になっており、値上がり益が損失として計算されている誤りを指摘する。
- 選択肢 1不正解
- 応募者利回りは「{表面利率 + (償還価格100 - 発行価格100.10) / 償還年限10} / 発行価格100.10 × 100」で計算されるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 直接利回りは「表面利率 / 購入価格 × 100」で計算され、償還差損益を考慮しないため「0.1 / 100.10 × 100」となり適切です。
- 選択肢 3正解
- 所有期間利回りの分子の差損益は「売却価格 - 購入価格」であるため正しくは「(100.50 - 100.10) / 3」です。引く順序が逆になっているため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 最終利回りは残存年数(10年 - 3年 = 7年)を用いて「{0.1 + (100 - 100.50) / 7} / 100.50 × 100」で計算されるため適切です。
覚えるポイント
- 債券利回りの差損益の分子は「出口価格 - 入口価格」
間違えやすいところ
- 所有期間利回りや最終利回りの分子で「購入価格 - 売却価格」と引き算の順序を逆にしてしまうミス
出題の前提:2016年10月1日現在の債券利回り計算規則
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式の信用取引の仕組み
金融資産運用 · 信用取引 / 制度信用取引 / 一般信用取引 / 委託保証金 / 空売り
株式の信用取引に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
信用取引は、委託保証金を担保として証券会社から資金や株式を借りて売買するレバレッジ取引です。自己資金(保証金)を上回る取引が可能なため保証金以上の損失が生じるリスクがあり、売りから入る空売りも可能です。
解き方
- 信用取引の基本性質(レバレッジ、損失リスク、担保代用、空売り)を確認する。
- 保有していない銘柄を売りから入ることができるという信用取引の特徴を満たす選択肢4を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 信用取引はレバレッジをかけて保証金の約3.3倍までの取引ができるため、相場の急変により委託保証金の額を上回る損失を被る可能性があります。
- 選択肢 2不正解
- 証券取引所の規則に基づくものが「制度信用取引」であり、顧客と証券会社の取り決めに基づくものが「一般信用取引」です。記述は両者の定義が逆になっています。
- 選択肢 3不正解
- 委託保証金は現金のほか、一定の掛け目(時価評価額に所定の掛目を乗じた額)を適用した上場株式や国債等の有価証券(代用有価証券)で差し入れることができます。
- 選択肢 4正解
- 記述のとおり適切です。信用取引では証券会社から株式を借りて市場で売却できるため、銘柄を保有していなくても「売り(空売り)」から取引を始められます。
覚えるポイント
- 信用取引は売りから取引可能、保証金は代用有価証券で充当可能、制度信用と一般信用の定義逆転に注意
間違えやすいところ
- レバレッジ取引により委託保証金以上の損失(追証・不足金)が発生する可能性を忘れること
出題の前提:2016年10月1日現在の金融商品取引法および取引所規則
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式の投資指標の定義と計算式
金融資産運用 · PER / PBR / ROE / 配当性向 / 配当利回り
株式の代表的な投資指標(PER、PBR、ROE、配当性向)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
株式の投資指標は、株価水準を測る指標(PER・PBR・配当利回り)と、企業の収益力・株主還元姿勢を測る財務指標(ROE・配当性向)に大別されます。分子と分母の関係を正確に把握することが重要です。
解き方
- 各選択肢の投資指標の定義(分子と分母の組み合わせ)を確認する。
- 選択肢4において「株価に対する年間配当金」と説明されている指標が配当利回りであり、配当性向ではないことを判定する。
- 選択肢 1不正解
- PER(株価収益率)は「株価÷1株当たり当期純利益(EPS)」で算出され、株価が1株当たり当期純利益の何倍であるかを示します。
- 選択肢 2不正解
- PBR(株価純資産倍率)は「株価÷1株当たり純資産(BPS)」で算出され、株価が1株当たり純資産の何倍であるかを示します。
- 選択肢 3不正解
- ROE(自己資本利益率)は「当期純利益÷自己資本×100」で算出され、自己資本に対する当期純利益の割合を示します。
- 選択肢 4正解
- 株価に対する年間配当金の割合を示す指標は「配当利回り」です。配当性向は「年間配当金総額÷当期純利益×100」で表されます。
覚えるポイント
- 配当性向は利益に対する配当の割合、配当利回りは株価に対する配当の割合です。
間違えやすいところ
- 配当利回りと配当性向は、どちらも配当金に関する指標であるため混同しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ポートフォリオの期待収益率の加重平均計算
金融資産運用 · ポートフォリオ理論 / 期待収益率 / 加重平均
投資家Aさんの保有資産における構成比および期待収益率が預金(構成比50%、期待収益率0.3%)、債券(構成比30%、期待収益率1.2%)、株式(構成比20%、期待収益率8.0%)であった場合、ポートフォリオ全体の期待収益率として最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
ポートフォリオ全体の期待収益率は、組み入れた各資産の構成比(投資比率)にそれぞれの期待収益率を乗じた値の総和(加重平均)により算出します。
解き方
- 各資産の期待収益率にポートフォリオの構成比を乗じる(預金:0.3%×0.50=0.15%、債券:1.2%×0.30=0.36%、株式:8.0%×0.20=1.60%)。
- 算出した各資産の数値を合算する(0.15%+0.36%+1.60%=1.91%)。
- 選択肢 1不正解
- 各構成比を乗じる計算の過程で誤った数値を算出しています。
- 選択肢 2正解
- 加重平均計算により、0.3%×50% + 1.2%×30% + 8.0%×20% = 0.15% + 0.36% + 1.60% = 1.91% と正しく計算されています。
- 選択肢 3不正解
- 3つの資産の期待収益率を単純平均すると(0.3%+1.2%+8.0%)÷3=3.17%程度となり、本選択肢とも一致しません。
- 選択肢 4不正解
- 各数値を単純に合算するなどの誤った計算方法による数値です。
覚えるポイント
- ポートフォリオの期待収益率は、各資産の構成比を用いた「加重平均」で計算します。
間違えやすいところ
- ポートフォリオの標準偏差(リスク)の計算とは異なり、相関係数を考慮する必要はありません。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
NISA(少額投資非課税制度)の制度内容と利用要件
金融資産運用 · NISA / 非課税枠 / 損益通算 / 株式数比例配分方式 / 対象商品
NISA(少額投資非課税制度)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
NISA(一般NISA)は上場株式や公募株式投資信託等の譲渡益・配当金等を非課税とする制度です。年間の非課税投資枠は上限120万円(2016年分以降)であり、未使用枠の翌年繰越しは不可、口座内損失は税務上「ないもの」と扱われます。
解き方
- NISA口座内の損失の取扱い、配当金の受取方式の要件、対象金融商品の範囲を確認する。
- 非課税枠の繰越し不可の原則を照合し、選択肢3が正しいことを判定する。
- 選択肢 1不正解
- NISA口座内で生じた譲渡損失は税務上ないものとみなされるため、特定口座や一般口座はもちろん、NISA口座内の配当金等とも損益通算することはできません。
- 選択肢 2不正解
- 上場株式の配当金を非課税とするためには、配当金の受領方法として「株式数比例配分方式」を選択する必要があります。
- 選択肢 3正解
- NISAの年間非課税枠は120万円が上限であり、枠を使い切らなかった場合でも、その未使用分を翌年以降に繰り越すことはできません。
- 選択肢 4不正解
- 国債、社債、公社債投資信託などの公社債・公社債投資信託はNISA口座の対象外(受け入れ不可)です。
覚えるポイント
- 株式配当をNISAで非課税にするには「株式数比例配分方式」の指定が必須です。
間違えやすいところ
- 公募公社債投資信託や国債はNISAの対象外であるため、対象金融商品の範囲と混同しないようにしましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等(2017年当時の一般NISA制度)
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人向け金融商品取引に係るセーフティネット制度
金融資産運用 · セーフティネット / 預金保険制度 / 貯金保険制度 / 生命保険契約者保護機構 / 投資者保護基金
わが国における個人による金融商品取引に係る各種セーフティネットに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
各種金融機関の破綻に備えて保護機構が整備されています。預金保険・貯金保険では一般預貯金は元本1,000万円までとその利息、決済用預貯金は全額保護です。生命保険は責任準備金の90%、投資者保護基金は顧客1人当たり1,000万円までが保護限度です。
解き方
- 各金融機関・業態に対応するセーフティネットの保護対象・限度額を確認する。
- 決済用預貯金の全額保護規定が貯金保険制度でも同様に適用されることを確認し、選択肢2が適切であると判断する。
- 選択肢 1不正解
- ゆうちょ銀行の通常貯金等の一般預金は、預金保険制度により1預金者当たり元本1,000万円までとその利息等が保護の対象となります(限度額全額が保護されるわけではありません)。
- 選択肢 2正解
- 農水産業協同組合貯金保険制度において、3要件を満たす決済用貯金は金額にかかわらず全額保護の対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 生命保険契約者保護機構が補償するのは「保険金額」の90%ではなく、「責任準備金等」の90%(高予定利率契約を除く)です。
- 選択肢 4不正解
- 日本投資者保護基金による補償限度額は、一般顧客1人当たり1,000万円が上限です(1,500万円ではありません)。
覚えるポイント
- 生命保険契約者保護機構は「責任準備金の90%」、日本投資者保護基金は「1人当たり1,000万円」です。
間違えやすいところ
- 生命保険契約者保護機構の保護対象を「保険金額」と取り違えないように注意しましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
金融商品販売法の規定と損害賠償責任
金融資産運用 · 金融商品販売法 / 重要事項の説明義務 / 無過失責任 / 元本欠損額の推定 / 特定顧客
金融商品の販売等に関する法律(金融商品販売法)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
金融商品販売法は、販売業者等に対して重要事項の説明義務および断定的判断の提供の禁止等を定め、違反時の損害賠償責任(無過失責任・元本欠損額の損害額推定)を定めています。特定顧客に対しては重要事項説明義務は免除されますが、断定的判断の提供等は禁止されます。
解き方
- 金融商品販売法の重要事項説明義務、無過失責任、損害額の推定規定の内容を確認する。
- 特定顧客(プロ)に対して免除される規定(重要事項説明義務)と免除されない規定(断定的判断の提供等の禁止)を区別し、選択肢4が不適切であると判定する。
- 選択肢 1不正解
- 業者は顧客の知識、経験、財産の状況等に照らし、顧客に理解されるために必要な方法・程度で重要事項を説明しなければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 重要事項説明義務違反等によって顧客に損害が生じた場合、販売業者等は故意・過失がなくても損害賠償責任(無過失責任)を負います。
- 選択肢 3不正解
- 説明義務違反等により顧客が被った損害額は、元本欠損額(投資した元本の額から回収額等を差し引いた金額)と推定されます。
- 選択肢 4正解
- 特定顧客(プロ)に対して重要事項説明義務は適用除外となりますが、「断定的判断の提供等の禁止」は特定顧客に対しても適用されます。
覚えるポイント
- 特定顧客(プロ)に対しても「断定的判断の提供の禁止」は適用されます。
間違えやすいところ
- 特定顧客に対してはすべての規制が適用除外になると誤解しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
米国の金融・経済指標の特徴と算出方法
金融資産運用 · 米国金融政策 / FOMC / FFレート / 米国債保有残高 / 株価指数 / ナスダック / S&P500
米国の金融および経済に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
米国の金融政策はFRBのFOMCがFFレート(フェデラル・ファンド・レート)の誘導目標を操作して実施します。また、米国の主要な株価指数には時価総額加重型(S&P500、ナスダック総合)とダウ平均のような修正平均型があります。
解き方
- 米国の政策金利決定機関と金利の種類(FOMCとFFレート誘導目標)を確認し、選択肢1が適切であることを判定する。
- 他の選択肢(米国債保有国の順位、ナスダックやS&P500の対象取引所・計算方式)の誤りを検証する。
- 選択肢 1正解
- FOMC(連邦公開市場委員会)がFFレート(フェデラル・ファンド・レート)の誘導目標を変更すること等によって米国の金融政策・調節が行われます。
- 選択肢 2不正解
- 2016年12月時点の米国債国別保有残高において、日本と首位を争っていた第2位の国は中国です(ドイツではありません)。
- 選択肢 3不正解
- ナスダック総合指数は、米国の新興企業向け株式市場であるナスダック市場に上場する全銘柄を対象とする「時価総額加重型」の株価指数です。
- 選択肢 4不正解
- S&P500種株価指数は、NYSEやNASDAQ等に上場する代表的な500銘柄を対象とした「時価総額加重型」の株価指数です(修正平均型ではありません)。
覚えるポイント
- ナスダック総合指数とS&P500種株価指数は、ともに「時価総額加重型」です。
間違えやすいところ
- NYダウ(ダウ・ジョーンズ工業株価平均)は修正平均型ですが、S&P500やナスダック総合は時価総額加重型である点を取り違えないようにしましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における非課税所得の範囲
タックスプランニング · 非課税所得 / 傷病手当金 / 高年齢雇用継続給付 / 損害保険金 / 個人年金保険 / 雑所得
所得税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
所得税法では社会政策的配慮から、健康保険の傷病手当金、雇用保険の各種給付(基本手当・高年齢雇用継続給付等)、実損補填である損害保険金(火災保険金等)などは非課税所得とされています。一方、個人年金保険の年金受取金は雑所得として課税されます。
解き方
- 各給付・保険金の課税・非課税の区分を照合する。
- 社会保険給付や火災保険金が非課税であることを確認し、個人年金保険の年金受取金が雑所得となることから選択肢4が不適切と判定する。
- 選択肢 1不正解
- 健康保険法等の規定に基づき支給される傷病手当金は、非課税所得とされています。
- 選択肢 2不正解
- 雇用保険法等の規定に基づき支給される高年齢雇用継続基本給付金は、非課税所得とされています。
- 選択肢 3不正解
- 資産に加えられた損害について受領する火災保険の損害保険金は、非課税所得とされています。
- 選択肢 4正解
- 契約者と受取人が同一人である個人年金保険の年金は、総収入金額から対応する支払保険料を差し引いた金額が「雑所得」として課税されます。
覚えるポイント
- 個人年金保険の年金は雑所得(公的年金等以外の雑所得)として課税されます。
間違えやすいところ
- 雇用保険の給付(基本手当や育児休業給付、高年齢雇用継続給付)は非課税ですが、課税と誤解しやすいため注意しましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種所得の金額の計算方法
タックスプランニング · 各種所得の金額 / 不動産所得 / 事業所得 / 一時所得 / 退職所得 / 特別控除額
所得税における各種所得の金額の計算方法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
所得税における各種所得はそれぞれの計算式に従って算出されます。一時所得は「総収入金額-支出金額-特別控除額(最高50万円)」であり、総所得金額に算入する際にさらにその2分の1とします。計算式自体の定義と総所得金額算入時の取扱いの違いも重要です。
解き方
- 不動産所得、事業所得、一時所得、退職所得の各計算算式を確認する。
- 選択肢3の一時所得の算式において「特別控除額(最高50万円)」の控除が欠落していることを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 不動産所得の金額は、原則として「不動産所得に係る総収入金額-必要経費」で正しく計算されます。
- 選択肢 2不正解
- 事業所得の金額は、原則として「事業所得に係る総収入金額-必要経費」で正しく計算されます。
- 選択肢 3正解
- 一時所得の金額は、「総収入金額-支出金額-特別控除額(最高50万円)」により計算されるため、本肢の算式は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 一般の退職所得の金額は、「(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×1/2」で正しく計算されます。
覚えるポイント
- 一時所得の計算では、最高50万円の特別控除額を差し引きます。
間違えやすいところ
- 一時所得の金額自体の計算式(最高50万円控除)と、総所得金額に算入する際の「1/2」を混同しないように整理しましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の損益通算の対象範囲
タックスプランニング · 損益通算 / 事業所得 / 譲渡所得 / 一時所得
所得税における損益通算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
所得税において他の所得と損益通算できる損失は、原則として不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得(富士山火)の4つに限られます。ただし、生活に通常必要でない資産の譲渡損失などは除外されます。
解き方
- 損益通算の対象となる4つの所得(不動産、事業、山林、譲渡)を確認します。
- 事業所得の損失は損益通算の対象であるため、通算できないとする記述が誤りであると判定します。
- 選択肢 1正解
- 事業所得の金額の計算上生じた損失は、原則として他の各種所得の金額と損益通算することができます。
- 選択肢 2不正解
- 一時所得の計算上生じた損失の金額は、損益通算の対象となる所得(不・事・山・譲)に含まれないため通算できません。
- 選択肢 3不正解
- ゴルフ会員権の譲渡による損失は、生活に通常必要でない資産に係る損失とされ、損益通算の対象外とされています。
- 選択肢 4不正解
- 家具や通勤用自動車など、非課税とされる生活用動産の譲渡により生じた損失は、他の所得と損益通算できません。
覚えるポイント
- 損益通算ができる所得は「不・事・山・譲(富士山火)」と覚えます。
間違えやすいところ
- ゴルフ会員権の譲渡損失は、税制改正により損益通算ができなくなった点に注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の医療費控除の要件と計算
タックスプランニング · 医療費控除 / 総所得金額等 / 控除限度額 / 生計を一にする配偶者
所得税の医療費控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、「特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例」は考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
医療費控除は、自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族のために支払った医療費から、保険金等で補てんされた額および足切り額(10万円または総所得金額等の5%のいずれか少ない額)を差し引いた金額(上限200万円)を所得から控除する制度です。
解き方
- 医療費控除の算式における足切り限度額(10万円または総所得金額等の5%)を確認します。
- 記述1の「総所得金額等の10%」が誤りであると判断します。
- 選択肢 1正解
- 医療費控除額は、実質負担医療費から「10万円」または「総所得金額等の5%」のいずれか低い額を控除して計算します。
- 選択肢 2不正解
- 医療費控除として各年において総所得金額等から控除できる金額の上限は200万円と定められています。
- 選択肢 3不正解
- 受け取った保険金等の補てん額は、その給付の対象となった医療費の額を限度として差し引き、他の医療費から差し引く必要はありません。
- 選択肢 4不正解
- 自己と生計を一にする配偶者や親族のために支払った医療費は、実際に支払った居住者の医療費控除の対象とすることができます。
覚えるポイント
- 総所得金額等が200万円未満の場合は「10万円」ではなく「総所得金額等の5%」を差し引きます。
間違えやすいところ
- 補てんされた保険金が給付対象の医療費を超えても、他の病気の医療費から差し引く必要はない点に注意しましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得控除と税額控除の区分
タックスプランニング · 所得控除 / 税額控除 / 雑損控除
次のうち、所得税における所得控除に該当するものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
所得税の控除には、総所得金額等から差し引く「所得控除」(人的控除や物的控除の計14種類)と、税率を乗じて算出した所得税額から直接差し引く「税額控除」があります。
解き方
- 各選択肢の控除が「所得控除」か「税額控除」かを分類します。
- 雑損控除が所得控除に該当し、配当控除・外国税額控除・住宅借入金等特別控除が税額控除であることを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 配当控除は、算出された所得税額から一定額を控除する「税額控除」に該当します。
- 選択肢 2正解
- 雑損控除は、災害や盗難等による損失について所得金額から差し引く「所得控除」に該当します。
- 選択肢 3不正解
- 外国税額控除は、国際的な二重課税を排除するために税額から控除する「税額控除」に該当します。
- 選択肢 4不正解
- 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は、算出された所得税額から控除する「税額控除」に該当します。
覚えるポイント
- 名称に「特別控除」や「税額控除」と付くものの多くは税額控除ですが、雑損控除・医療費控除・寄附金控除等は所得控除です。
間違えやすいところ
- 配当控除や住宅借入金等特別控除を所得控除と誤認しないように整理しておく必要があります。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の確定申告および青色申告の手続き
タックスプランニング · 確定申告 / 青色申告 / 年末調整 / 青色申告承認申請書
所得税の申告と納付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
給与所得者は原則として勤務先の年末調整で納税が完結しますが、年間の給与等の収入金額が2,000万円を超える者や、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計額が20万円を超える者などは確定申告が必要です。
解き方
- 給与所得者が年末調整の対象外となり確定申告を義務付けられる年収要件(2,000万円超)を確認します。
- 記述2の「1,000万円を超える」が誤りであると判断します。
- 選択肢 1不正解
- 所得税の確定申告書の提出期間は、原則として所得が生じた年の翌年2月16日から3月15日までです。
- 選択肢 2正解
- 給与所得者で年末調整の対象外となり確定申告が必要となるのは、給与収入が「2,000万円」を超える場合です。
- 選択肢 3不正解
- 青色申告をすることができるのは、不動産所得、事業所得、山林所得のいずれかを生ずべき業務を行う者です。
- 選択肢 4不正解
- その年の1月16日以後に新たに開業した場合、青色申告承認申請書は業務を開始した日から2カ月以内に提出する必要があります。
覚えるポイント
- 年末調整の対象外となる給与等の年収基準は「2,000万円超」です。
間違えやすいところ
- 1月15日以前に開業した場合は「その年の3月15日まで」、1月16日以後に開業した場合は「開業日から2カ月以内」となる申請期限の分岐を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税の仕組みと青色申告承認申請の手続き
タックスプランニング · 法人税 / 申告調整 / 軽減税率 / 青色申告承認申請手続
法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
法人の青色申告承認申請書は原則として適用を受けようとする事業年度開始の日の前日までに提出しますが、新設法人の場合は設立の日以後3カ月を経過した日とその事業年度終了の日のいずれか早い日の前日までに提出します。
解き方
- 新設法人が設立第1期から青色申告の承認を受けようとする場合の申請期限の規定を確認します。
- 提出期限は「設立の日から2カ月以内」ではなく「設立の日以後3カ月を経過した日と事業年度終了日のいずれか早い日の前日まで」であるため誤りと判断します。
- 選択肢 1不正解
- 法人税の各事業年度の所得は、企業会計の当期純利益に加算(益金算入・損金不算入)や減算(益金不算入・損金算入)の申告調整を行って計算します。
- 選択肢 2不正解
- 期末資本金1億円以下の中小法人等については、所得金額のうち年800万円以下の部分に対して軽減税率が適用されます。
- 選択肢 3不正解
- 法人税の確定申告書の提出期限は、原則として各事業年度終了の日の翌日から2カ月以内と定められています。
- 選択肢 4正解
- 新設法人が設立第1期から青色申告を行う場合の申請期限は、設立の日以後3カ月を経過した日と当該事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日です。
覚えるポイント
- 新設法人の青色申告申請期限は「設立以後3カ月を経過した日」と「事業年度終了日」のいずれか早い日の前日です。
間違えやすいところ
- 個人の開業時の申請期限(原則2カ月以内)と、法人設立時の申請期限(3カ月を経過した日等の前日)を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
中小法人の交際費等の損金算入限度額の計算
タックスプランニング · 交際費等 / 損金算入限度額 / 中小法人 / 接待飲食費
下記<X社のデータ>に基づき算出される株式会社X(株主はすべて個人、以下「X社」という)の法人税の計算における交際費等の損金算入額として、最も適切なものはどれか。なお、X社が支出した交際費等はすべて接待飲食費であり、X社の役員・従業員等に対する接待等のために支出した飲食費や参加者1人当たり5,000円以下の飲食費は含まれていない。また、当期の所得金額が最も少なくなると(損金算入額が最大になる)ように計算すること。 <X社のデータ> 事業年度:平成28年4月1日~平成29年3月31日 期末資本金の額:8,000万円 交際費等の支出金額:1,400万円
解答・解説を表示
解答
2
解説
期末資本金1億円以下の中小法人は、交際費等の損金算入限度額として、①年800万円までの定額控除限度額、または②接待飲食費の額の50%に相当する金額のいずれかを選択適用することができます。
解き方
- 定額控除限度額による損金算入額を求めます:800万円。
- 接待飲食費の50%による損金算入額を計算します:1,400万円 × 50% = 700万円。
- 所得金額が最も少なくなる(損金算入額が最大となる)よう、大きい方の800万円を選択します。
- 選択肢 1不正解
- 接待飲食費の50%を計算すると700万円ですが、定額控除の800万円を選択した方が損金算入額が多くなり有利です。
- 選択肢 2正解
- 定額控除限度額800万円と接待飲食費の50%(700万円)を比較し、より大きい800万円を損金算入するのが最も所得金額を抑えられます。
- 選択肢 3不正解
- 交際費等の損金算入限度額の計算において1,000万円となる規定はありません。
- 選択肢 4不正解
- 中小法人であっても支出した交際費等の全額を無制限に損金算入することはできません。
覚えるポイント
- 資本金1億円以下の中小法人は「800万円定額控除」と「接待飲食費の50%」の選択制です。
間違えやすいところ
- 問題文に「すべて接待飲食費」とあっても、機械的に50%を適用せず、中小法人の定額控除800万円と比較することを忘れないようにしましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
消費税における非課税取引と課税取引の区分
タックスプランニング · 消費税 / 非課税取引 / 土地の譲渡 / 建物の譲渡
消費税の課税事業者である法人が国内で行った次の取引のうち、消費税の非課税取引とされないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
消費税では、消費の性格になじまないものや社会政策的な配慮から限定列挙された取引が非課税取引とされます。住宅の「貸付け」は非課税ですが、住宅用建物の「譲渡」は非課税取引に該当せず課税取引となります。
解き方
- 各取引について消費税の非課税項目に該当するかを確認します。
- 有価証券の譲渡、土地の譲渡、土地の貸付け(1カ月以上かつ施設利用除く)は非課税取引です。
- 建物の譲渡は、社宅や居住用であっても課税取引であることを確認し、選択肢4を選びます。
- 選択肢 1不正解
- 国債や株券等の有価証券の譲渡は、資本の移転等として消費税の非課税取引とされています。
- 選択肢 2不正解
- 土地の譲渡は、消費される性質のものではないため消費税の非課税取引となります。
- 選択肢 3不正解
- 貸付期間が1カ月以上の土地の貸付け(施設の利用に伴うものを除く)は非課税取引です。
- 選択肢 4正解
- 建物の譲渡は社宅など居住用であったとしても非課税取引とはならず、消費税の課税取引となります。
覚えるポイント
- 住宅用建物の「貸付け」は非課税ですが、住宅用建物の「譲渡」は課税取引です。
間違えやすいところ
- 住宅の家賃(貸付け)が非課税であることから、住宅用建物の売買(譲渡)も非課税であると混同しないように注意しましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
会社と役員間の取引に係る税務
タックスプランニング · 役員給与 / 低額譲渡 / 無利息貸付け / 受贈益
会社と役員間の税務に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
法人から役員への無利息貸付けや低額譲渡などの経済的利益(経済的便益)の供与は、税務上は役員に対する給与(現物給与)とみなされ、役員の給与所得として課税されます。
解き方
- 役員が会社から経済的利益(利息の免除など)を受けた場合の所得区分を確認します。
- 雑所得ではなく「給与所得」として取り扱われるため、記述4が不適切であると判定します。
- 選択肢 1不正解
- 役員給与のうち、定期同額給与(不相当に高額な部分を除く)は法人の損金の額に算入されます。
- 選択肢 2不正解
- 会社が役員から適正時価より低額で資産を買い取った場合、時価と売買価額の差額は会社の受贈益(益金)となります。
- 選択肢 3不正解
- 会社が役員に対して時価より低額で建物を譲渡した場合、時価と対価との差額は役員への現物給与とみなされ、給与所得として課税されます。
- 選択肢 4正解
- 役員が無利息で融資を受けた場合の適正利息相当額の経済的利益は、雑所得ではなく「給与所得」として取り扱われます。
覚えるポイント
- 会社から役員に対する経済的利益の供与は「現物給与」として給与所得になります。
間違えやすいところ
- 利息の免除等の経済的利益を「雑所得」や「一時所得」と誤認しないように注意しましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の価格(公的土地評価等)
不動産 · 公的土地評価 / 地価公示 / 都道府県地価調査 / 相続税路線価 / 固定資産税評価額
公的土地評価などの不動産の価格に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
公的土地評価には地価公示、都道府県地価調査、相続税路線価、固定資産税評価額の4つがあり、それぞれ基準日・価格水準・評価替えの周期が定められています。
解き方
- 各公的土地評価の価格判定基準日(公示価格:1月1日、都道府県地価調査:7月1日)を確認する。
- 価格水準の目安(相続税路線価:公示価格の80%、固定資産税評価額:公示価格の70%)および固定資産税評価額の評価替え周期(3年ごと)を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 地価公示の価格判定基準日は、毎年「1月1日」です(4月1日ではありません)。
- 選択肢 2不正解
- 都道府県地価調査の価格判定基準日は、毎年「7月1日」です(1月1日ではありません)。
- 選択肢 3正解
- 相続税路線価は、地価公示の公示価格の80%程度を目安に設定されます。
- 選択肢 4不正解
- 固定資産税評価額は、原則として「3年ごと」の基準年度において評価替えが行われます(4年ごとではありません)。
覚えるポイント
- 相続税路線価は公示価格の80%、固定資産税評価額は70%(3年ごと評価替え)
間違えやすいところ
- 地価公示(1月1日基準)と都道府県地価調査(7月1日基準)の基準日の混同に注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
宅地建物取引業法(重要事項説明・媒介契約・手付・報酬)
不動産 · 重要事項説明 / 専任媒介契約 / 手付金等の制限 / 媒介報酬限度額
宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、買主は宅地建物取引業者ではないものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
宅地建物取引業法では、消費者保護のため重要事項説明の義務、媒介契約時の指定流通機構への登録義務、自ら売主制限(手付額2割上限)、報酬額の最高限度などが厳格に定められています。
解き方
- 宅地・建物の貸借媒介における報酬限度額(貸主・借主双方合算で借賃1ヵ月分)の規定を確認する。
- 選択肢4の「借賃の3ヵ月分」という記述が誤りであることを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 売買契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士が重要事項説明書を交付して説明を行わなければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 専任媒介契約を締結した宅建業者は、契約締結日から7日以内(専属専任媒介契約は5日以内)に指定流通機構(レインズ)に登録する義務があります。
- 選択肢 3不正解
- 宅建業者が自ら売主となり一般人と契約する場合、売買代金の10分の2(20%)を超える手付を受領することはできません。
- 選択肢 4正解
- 貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の合計額は、借賃の「1ヵ月分」(消費税等別)が上限です。
覚えるポイント
- 貸借の媒介報酬の合算上限は借賃の1ヵ月分(+消費税等)
間違えやすいところ
- 居住用建物の賃貸借では原則として一方から受領できるのは借賃の0.5ヵ月分(承諾がある場合を除き)である点も併せて整理する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法における不動産の売買契約(手付解除・債務不履行・瑕疵担保責任)
不動産 · 解約手付 / 履行遅滞による解除 / 瑕疵担保責任 / 権利行使期間
民法における不動産の売買契約に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
民法上の売買契約において、手付解除は相手方が履行に着手するまで可能であり、債務不履行解除は原則として催告が必要です。また、隠れた瑕疵に対する担保責任は無過失責任であり、知った時から1年以内に行使する必要があります。
解き方
- 手付解除の要件(相手方が履行に着手する前まで)を確認する。
- 履行遅滞による法定解除の手続き(相当の期間を定めて催告が必要)を確認する。
- 瑕疵担保責任の性質(無過失責任・知った時から1年の期間制限)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 買主が売買代金の一部を支払った(=履行に着手した)後は、売主は手付倍額を償還しても手付解除をすることができません。
- 選択肢 2不正解
- 履行遅滞による解除をするには、原則として相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がないことが必要です。
- 選択肢 3正解
- 買主が瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求や契約解除を行う場合、その事実を知った時から1年以内に権利を行使しなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 売主の瑕疵担保責任は無過失責任であるため、売主が過失なく瑕疵を知らなかった場合であっても責任を負う必要があります。
覚えるポイント
- 瑕疵担保責任(契約不適合責任)の行使期間は知った時から1年以内、売主は無過失責任
間違えやすいところ
- 手付解除は「相手方」が履行に着手するまで可能であるため、自分が着手しても相手方が未着手なら解除できる点と混同しないようにする。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法(普通借地権)
不動産 · 普通借地権 / 存続期間 / 対抗要件 / 建物買取請求権 / 正当事由
借地借家法における普通借地権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、定期借地権等以外の借地権を普通借地権とし、特約は考慮しない。
解答・解説を表示
解答
3
解説
普通借地権の存続期間は当初30年以上でそれ以上の長期も設定可能です。借地権の登記がなくても自己名義の登記建物があれば第三者対抗要件を満たします。期間満了で更新がない場合、借地権者は時価による建物買取請求権を有します。
解き方
- 借地権の存続期間の定め(最短30年、上限規制なし)を確認する。
- 借地権の対抗要件(借地権自体の登記、または土地上の借地権者名義の建物登記)を確認する。
- 借地契約終了時の建物買取請求権の価格基準(時価であり建築費ではない)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 普通借地権の存続期間は30年以上であれば、合意により30年を超える期間(例えば50年など)を定めることができます。
- 選択肢 2不正解
- 借地権設定者が更新を拒絶するには正当事由が必要であり、立退き料の支払いは正当事由を補完する要素に過ぎず、支払えば必ず終了させられるわけではありません。
- 選択肢 3正解
- 借地権の登記がなくても、その土地上に借地権者名義で登記された建物を所有していれば、借地権を第三者に対抗することができます。
- 選択肢 4不正解
- 期間満了時に更新がないときは、借地権者は借地権設定者に対して建物を「時価」で買い取るよう請求できます(建築費ではありません)。
覚えるポイント
- 土地の上の借地権者名義の建物登記があれば、借地権は第三者に対抗できる
間違えやすいところ
- 建物買取請求権で買い取らせる価額は「時価」であり「建築費」ではない点に注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法等(普通借家・定期借家・原状回復)
不動産 · 普通借家契約 / 期間の定め / 定期借家契約 / 事前説明・終了通知 / 造作買取請求権 / 原状回復ガイドライン
借地借家法等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
普通借家契約では1年未満の期間を定めた場合は期間の定めのない賃貸借とみなされます。一方、定期借家契約では期間1年以上の場合は満了1年前から6ヵ月前までの終了通知が必要です。また、造作買取請求権を排除する特約は有効です。
解き方
- 普通借家契約で1年未満の期間を定めた場合の法的効果(期間の定めのない賃貸借とみなされる)を確認する。
- 定期借家契約の終了通知(1年前から6ヵ月前)および造作買取請求権の特約排除の有効性を確認する。
- 選択肢 1正解
- 普通借家契約で期間を1年未満(6ヵ月など)と定めた場合は、1年とみなされるのではなく、「期間の定めのない賃貸借」とみなされます。
- 選択肢 2不正解
- 賃貸借期間が1年以上の定期借家契約では、期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に賃貸人が終了通知をしなければ終了を対抗できません。
- 選択肢 3不正解
- 造作買取請求権に関する規定は任意規定であるため、普通借家・定期借家を問わず、造作買取請求権を排除する特約は有効です。
- 選択肢 4不正解
- 通常の使用によって生じる損耗(経年劣化や通常損耗)は賃料に含まれると考えられ、原則として賃借人の原状回復義務の対象にはなりません。
覚えるポイント
- 普通借家契約で1年未満の期間を定めた場合は「期間の定めのないもの」とみなされる
間違えやすいところ
- 普通借地権(最短30年、下回れば30年となる)と異なり、建物賃貸借で1年未満を定めた場合は「1年」になるのではなく「期間の定めなし」となる点に注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法(セットバック・隣地斜線・日影規制・防火地域)
不動産 · セットバック / 隣地斜線制限 / 日影規制 / 防火地域内の緩和
都市計画区域および準都市計画区域内における建築基準法の規定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
建築基準法における高さ制限のうち、隣地斜線制限は低層住居専用地域等には適用されません。日影規制は商業地域・工業地域・工業専用地域には適用されません。また、2項道路のセットバック部分は建ぺい率・容積率の算定対象敷地面積から除外されます。
解き方
- 2項道路のセットバック部分の敷地面積算入の可否(算入できない)を確認する。
- 低層住居専用地域における高さ制限の適用関係(絶対高さ制限・北側斜線制限が適用され、隣地斜線制限は非適用)を確認する。
- 日影規制の適用用途地域(商業・工業・工専には適用されない)を確認する。
- 防火地域内耐火建築物における緩和措置(建ぺい率の緩和はあるが、容積率の緩和はない)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 2項道路に伴うセットバック部分は、建ぺい率や容積率を算定する際の敷地面積に算入することはできません。
- 選択肢 2正解
- 第一種低層住居専用地域および第二種低層住居専用地域には絶対的高さ制限等があるため、隣地斜線制限は適用されません。
- 選択肢 3不正解
- 日影規制は、商業地域、工業地域、工業専用地域には原則として適用されません(すべての用途地域ではありません)。
- 選択肢 4不正解
- 防火地域内に耐火建築物を建築する場合、建ぺい率は10%緩和(指定建ぺい率80%地域なら制限なし)されますが、容積率の緩和措置はありません。
覚えるポイント
- 低層住居専用地域には「隣地斜線制限」は適用されない(絶対高さ・北側斜線が適用)
間違えやすいところ
- 防火地域内の耐火建築物で緩和されるのは「建ぺい率」であり「容積率」は緩和されない点に注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)
不動産 · 建替え決議 / 規約共用部分 / 専有部分の占有者の義務 / 共用部分の持分割合
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
区分所有法において、建物の建替え決議は重大な決定であるため区分所有者および議決権の「5分の4以上」という最も重い要件が課されています。なお、共用部分の重大変更や規約の設定・変更・廃止等は4分の3以上です。
解き方
- 建替え決議の要件(区分所有者および議決権の各5分の4以上)を確認する。
- 規約共用部分(規約により共用部分とされた専有部分)の定義を確認する。
- 占有者(賃借人等)の義務および共用部分の持分割合(専有部分の床面積割合)の規定を確認する。
- 選択肢 1正解
- 建替え決議は、集会において区分所有者および議決権の各「5分の4以上」の多数により行われます(4分の3ではありません)。
- 選択肢 2不正解
- 本来専有部分となり得る独立した構造部分であっても、規約によって共用部分(規約共用部分)とすることができます(例:集会室や管理人室)。
- 選択肢 3不正解
- 専有部分の賃借人などの占有者は、建物の使用方法に関して区分所有者が規約等に基づき負う義務と同一の義務を負います。
- 選択肢 4不正解
- 共用部分の持分割合は、規約に別段の定めがない限り、各共有者が有する専有部分の床面積(壁芯計算ではなく内法計算)の割合によります。
覚えるポイント
- 建替え決議は区分所有者および議決権の各「5分の4以上」
間違えやすいところ
- 規約の変更・共用部分の重大変更(4分の3以上)と建替え決議(5分の4以上)の割合の混同に注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の取得に係る税金(不動産取得税・登録免許税・印紙税)
不動産 · 不動産取得税の課税対象 / 住宅取得時の特別控除 / 所有権移転登記の登録免許税 / 印紙税の過怠税
不動産の取得に係る税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
不動産取得税は形式的移転である相続では非課税です。印紙税の過怠税は、印紙を貼付しなかった場合は原則として本来の額面+2倍の合計3倍(自見出出なら1.1倍)ですが、印紙を貼ったが消印を怠った場合は「印紙の額面金額と同額」が課されます。
解き方
- 不動産取得税の課税要件(相続は非課税)および新築住宅の特別控除(1,200万円控除)を確認する。
- 贈与による所有権移転登記の登録免許税の本則税率(1,000分の20)を確認する。
- 印紙を消印しなかった場合の過怠税の計算基準(印紙の額面金額と同額)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 相続や包括遺贈により不動産を取得した場合には、不動産取得税は非課税とされています。
- 選択肢 2不正解
- 要件を満たす新築住宅(床面積50㎡以上240㎡以下など)を取得した場合、固定資産税評価額から1戸につき1,200万円(認定長期優良住宅等は1,300万円)が控除されます。
- 選択肢 3不正解
- 贈与による不動産の所有権移転登記に係る登録免許税の税率は、課税標準となる固定資産税評価額の1,000分の20(2.0%)です。
- 選択肢 4正解
- 印紙税の課税文書に印紙を貼ったものの消印をしていない場合に課される過怠税は、その印紙の額面金額と「同額(1倍)」です(2倍ではありません)。
覚えるポイント
- 印紙の消印漏れに対する過怠税は「額面金額と同額(1倍)」
間違えやすいところ
- 印紙自体を貼り忘れた場合の過怠税(本来の税額+その2倍=計3倍)と、貼ったが消印しなかった場合の過怠税(額面と同額)を混同しないようにする。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
居住用財産を譲渡した場合の特例
不動産 · 居住用財産の3000万円特別控除 / 軽減税率の特例
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除および居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(軽減税率の特例)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載されたもの以外の要件はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
居住用財産の3,000万円特別控除は所有期間に関わらず適用できますが、配偶者など特別の関係がある者への譲渡には適用できません。一方、軽減税率の特例は譲渡年の1月1日時点で所有期間が10年超であることが必要で、軽減税率が適用されるのは課税長期譲渡所得金額の6,000万円以下の部分です。
解き方
- 各特例の適用要件(所有期間要件の有無、譲渡の相手方制限)を確認する。
- 軽減税率の特例の対象となる所有期間基準(10年超)および軽減税率が適用される課税所得上限(6,000万円以下)と照合して適切肢を判定する。
- 選択肢 1正解
- 3,000万円特別控除には所有期間の要件が定められていないため、所有期間の長短にかかわらず適用を受けることができます。
- 選択肢 2不正解
- 配偶者や直系血族などの生計を一にする親族等、特別の関係がある者に対する譲渡については3,000万円特別控除の適用は受けられません。
- 選択肢 3不正解
- 軽減税率の特例において、通常の長期譲渡所得より低い税率が適用されるのは課税長期譲渡所得金額のうち6,000万円以下の部分です。
- 選択肢 4不正解
- 軽減税率の特例の適用を受けるためには、譲渡した年の1月1日現在における所有期間が10年を超えている必要があります。
覚えるポイント
- 3,000万円特別控除は所有期間不問・親族間取引不可、軽減税率は10年超かつ6,000万円以下部分に適用。
間違えやすいところ
- 3,000万円特別控除と軽減税率特例の所有期間要件(前者は不要、後者は10年超)を混同しやすいので注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の税法
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の有効活用手法
不動産 · サブリース方式 / 事業受託方式 / 等価交換方式 / 定期借地権方式
不動産の有効活用の一般的な手法等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
土地活用の各手法における資金調達者・建物の所有権者・運営主体の違いを整理して理解することが重要です。サブリースは転貸による一括借り上げ、事業受託は土地所有者が自ら資金調達して開発運営を委託する方式、等価交換は土地の一部と建物区分所有権の一部を交換する方式です。
解き方
- 事業受託方式・サブリース方式・等価交換方式・定期借地権方式の各定義と特徴を確認する。
- 事業受託方式の資金調達主体(土地所有者)、等価交換方式の取得割合(出資割合に応じた一部)、定期借地権方式の建物所有名義(借地人名義)の誤りを排除する。
- 選択肢 1不正解
- 事業受託方式において、企画や管理運営はデベロッパー等に委託しますが、建築資金の調達は土地所有者自身が行います。
- 選択肢 2正解
- サブリース方式は、不動産業者等が一括して建物を借り上げて第三者に転貸することにより、所有者が一定期間安定した賃料収入を確保する手法です。
- 選択肢 3不正解
- 等価交換方式では、土地所有者は土地の持分の一部をデベロッパーに譲渡し、その対価として提供した土地の価値に見合う建物の専有部分(一部)を取得します。
- 選択肢 4不正解
- 定期借地権方式において、土地を借りて建物を建設した借地人が建物を所有するため、建物の所有名義は借地人(土地所有者ではない)となります。
覚えるポイント
- 事業受託方式は土地所有者が資金調達、等価交換方式は建物の一部を取得、定期借地権方式の建物名義は借地人。
間違えやすいところ
- 事業受託方式で資金調達までデベロッパーが行うと誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法における贈与契約
相続・事業承継 · 贈与契約の効力 / 書面によらない贈与 / 瑕疵担保責任 / 定期贈与 / 死因贈与
民法における贈与に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
贈与契約は無償・片務契約であるため、贈与者は原則として贈与の目的である物や権利の瑕疵について担保責任を負いません。ただし、贈与者が瑕疵を知りながら受贈者に告げなかった場合や、受贈者も一定の給付義務を負う負担付贈与の場合は例外的に担保責任を負います。
解き方
- 民法上の贈与における贈与者の担保責任の原則(原則非免除ではなく責任を負わない)を確認する。
- 書面によらない贈与の撤回可能性、定期贈与の失効事由(一方の死亡)、死因贈与の効力発生時期(死亡時)の正誤を確認する。
- 選択肢 1正解
- 贈与者は贈与の目的物の瑕疵について原則として担保責任を負わず、その瑕疵を知りながら告げなかった場合に限り責任を負うため、知らなかった場合は責任を負いません。
- 選択肢 2不正解
- 書面によらない(口頭での)贈与は、履行が終わっていない部分については各当事者が撤回することができます。
- 選択肢 3不正解
- 定期の給付を目的とする贈与契約は、贈与者または受贈者のいずれか一方が死亡したことによってその効力を失います。
- 選択肢 4不正解
- 死因贈与契約は、贈与者の死亡によってその効力を生じる契約であり、遺贈に関する規定が準用されます。
覚えるポイント
- 通常の贈与契約では、瑕疵を知りながら告げなかった場合を除き贈与者は瑕疵担保責任を負わない。
間違えやすいところ
- 有償契約である売買契約の瑕疵担保責任(売主の無過失責任)と無償契約である贈与契約の免責原則を混同しないようにします。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
親族等に係る民法の規定
相続・事業承継 · 親族の範囲 / 財産分与請求権の除斥期間 / 扶養義務 / 普通養子縁組
親族等に係る民法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
民法における親族関係や扶養義務、離婚時の財産分与には明確な要件・期間制限があります。親族は6親等内の血族・配偶者・3親等内の姻族と定義され、離婚による財産分与の家庭裁判所への請求期間は離婚時から2年です。また、普通養子縁組では実親との親族関係が存続します。
解き方
- 民法725条(親族の範囲)および民法877条(扶養義務)の規定を確認する。
- 民法768条第2項但書に基づく財産分与の除斥期間(離婚の時から2年)を確認し、誤りの選択肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 民法上、親族の範囲は「6親等内の血族」「配偶者」「3親等内の姻族」と規定されています。
- 選択肢 2正解
- 協議上の離婚における財産分与の請求は、離婚の時から「2年」を経過したときは家庭裁判所に請求することができなくなります(1年ではありません)。
- 選択肢 3不正解
- 直系血族および兄弟姉妹は相互に扶養義務を負いますが、家庭裁判所は特別の事情があるときは3親等内の親族間でも扶養義務を負わせることができます。
- 選択肢 4不正解
- 普通養子縁組の場合、養子と養親との間に親子関係が生じる一方で、実方の父母との親族関係は終了しません。
覚えるポイント
- 離婚時の財産分与請求の除斥期間は「2年」(慰謝料の消滅時効3年と区別)。
間違えやすいところ
- 財産分与の請求期限を「1年」や「3年」と誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の計算と各種制度
相続・事業承継 · 相続時精算課税制度 / 暦年課税 / 配偶者控除(おしどり贈与)
贈与税の計算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
贈与税の配偶者控除(いわゆるおしどり贈与)は、婚姻期間20年以上の配偶者から居住用不動産またはそれを取得するための金銭の贈与を受けた場合に、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除できる制度です。相続時精算課税制度の特別控除限度額(累計2,500万円)との混同に注意が必要です。
解き方
- 相続時精算課税の要件(特別控除2,500万円、一律20%税率)と暦年課税(超過累進税率)の規定を確認する。
- 贈与税の配偶者控除の控除上限額(最高2,000万円)を確認し、記述の数値(2,500万円)の誤りを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 相続時精算課税制度では、特定贈与者ごとに特別控除額として累計2,500万円まで非課税で贈与を受けることができます。
- 選択肢 2不正解
- 相続時精算課税制度を選択した場合、特別控除額を超えた部分の金額に対して一律20%の税率を乗じて税額を計算します。
- 選択肢 3不正解
- 暦年課税における贈与税率は、課税価格が高くなるほど税率が高くなる超過累進税率(一般税率または特例税率)が適用されます。
- 選択肢 4正解
- 贈与税の配偶者控除の最高限度額は「2,000万円」です。基礎控除額110万円と合わせて最高2,110万円を控除できます。
覚えるポイント
- 贈与税の配偶者控除は最高2,000万円(婚姻期間20年以上)。相続時精算課税の特別控除は累計2,500万円。
間違えやすいところ
- 配偶者控除の2,000万円と相続時精算課税の2,500万円の数字を混同しやすいので注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の税法
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法における相続人の範囲と順位
相続・事業承継 · 胎児の相続権 / 代襲相続 / 相続順位 / 内縁関係と相続権
民法における相続人等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
民法における法定相続人となる「配偶者」は法律婚の配偶者に限られ、内縁の配偶者(事実婚)には相続権がありません。また、相続開始時に胎児であった者は生きて生まれることを条件として既に生まれたものとみなされ、相続欠格や廃除の場合には代襲相続が発生します。
解き方
- 民法890条による配偶者相続人の定義(法律婚に限る)を確認する。
- 胎児の権利能力(886条)、代襲相続の原因(887条2項:死亡・欠格・廃除)、血族相続人の第1順位(887条1項:子)の各正誤を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 胎児は相続に関しては既に生まれたものとみなされるため、無事に生きて生まれた場合には相続権が認められます。
- 選択肢 2不正解
- 相続人が相続欠格事由に該当して相続権を失った場合、その者の子などの直系卑属が代襲相続人となります。
- 選択肢 3不正解
- 被相続人の子は常に第1順位の血族相続人となり、配偶者と共に相続人となります。
- 選択肢 4正解
- 民法上の相続人となる配偶者は法律上の婚姻関係にある者に限られ、婚姻届出をしていない事実婚(内縁関係)の者には相続権はありません。
覚えるポイント
- 内縁の配偶者(事実婚)には民法上の相続権がない(遺言による遺贈や特別縁故者の制度による受贈は可能)。
間違えやすいところ
- 社会保険や遺族年金では内縁配偶者が認められるケースが多いですが、民法の相続権では認められない点に注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺産分割協議の手続きと要件
相続・事業承継 · 未成年者と特別代理人 / 成年擬制 / 分割基準の自由 / 調停前置主義
遺産分割協議に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、相続人はすべて日本国内に住所を有するものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
遺産分割協議は共同相続人全員で行いますが、親権者と未成年者が共に相続人となる利益相反の場合は特別代理人の選任が必要です(当時の民法下での成年擬制がある場合を除く)。遺産分割協議がまとまらない場合は家庭裁判所に調停または審判を申し立てることができ、調停前置主義は適用されず審判を先に行う義務もありません。
解き方
- 相続人と未成年者の利益相反および成年擬制(民法旧753条)の規定を確認する。
- 遺産分割協議における分割割合の自由(共同相続人全員の合意による法定相続分と異なる分割)を確認する。
- 家庭裁判所における遺産分割の手続き(調停または審判を申し立てることができ、順序の義務付けはない)を確認して誤りを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 親権者である妻と未成年者である長男が共に共同相続人となる場合、利益相反行為となるため家庭裁判所に特別代理人の選任を申し立てる必要があります。
- 選択肢 2不正解
- 未成年者であっても婚姻した者は成年者とみなされるため(当時の民法旧753条の成年擬制)、法定代理人によらず自ら遺産分割協議に参加できます。
- 選択肢 3不正解
- 遺産分割協議は共同相続人全員の合意があれば、法定相続分や指定相続分とは異なる割合で遺産を分割することができます。
- 選択肢 4正解
- 協議が調わない場合、家庭裁判所に調停または審判を申し立てることができますが、調停に先立って審判を申し立てなければならないという義務はありません。
覚えるポイント
- 遺産分割協議は全員の合意があれば法定相続分と異なってよい。親と未成年の子が共同相続人のときは特別代理人が必要。
間違えやすいところ
- 遺産分割の手続きにおいて審判を調停より先に行わなければならないとする誤った手順の記述に注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の民法および家事事件手続法
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺言の方式および遺留分
相続・事業承継 · 公正証書遺言の要件 / 遺言の撤回 / 遺留分権利者と割合
遺言および遺留分に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
遺言者はいつでも遺言の方式に従って遺言の全部または一部を撤回できます。前の遺言が公正証書遺言であっても、自筆証書遺言など適法な方式であれば他の方式の遺言によって有効に撤回することができます。また、遺留分は兄弟姉妹には認められず、直系尊属のみが相続人の場合は3分の1、それ以外の場合は2分の1が総体的遺留分となります。
解き方
- 遺言の撤回に関する規定(民法1022条:遺言者はいつでも遺言の方式に従って撤回可能であり、方式の制約はない)を確認する。
- 公正証書遺言の作成要件(証人2人以上)、兄弟姉妹に遺留分がない規定、子の遺留分割合(2分の1×法定相続分)の正誤を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 公正証書遺言を作成する際には、証人2人以上の立会いが必要とされています。
- 選択肢 2正解
- 遺言は法律で定められた有効な方式であればいつでも撤回可能であり、公正証書遺言を自筆証書遺言によって撤回することも有効です。
- 選択肢 3不正解
- 相続人が子である場合の総体的遺留分は遺留分算定基礎財産の2分の1であり、これに各人の法定相続分を乗じた額が個別的遺留分となります。
- 選択肢 4不正解
- 兄弟姉妹(およびその代襲相続人)には民法上、遺留分は認められていません。
覚えるポイント
- 公正証書遺言を自筆証書遺言で撤回しても有効。兄弟姉妹には遺留分がない。
間違えやすいところ
- 「公正証書遺言の変更・撤回は公正証書でなければならない」という思い込みをしないように注意します。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
親族関係図に基づく相続税の税額控除および税額加算の判定
相続・事業承継 · 税額控除 / 未成年者控除 / 障害者控除 / 相続税額の加算
被相続人Aさんの相続において、親族として妻Bさん(38歳)、子Cさん(10歳)、父Dさん(75歳)、兄Eさん(50歳)がいる。この親族関係図において、全員が相続または遺贈により財産を取得し納付すべき相続税額が算出されている場合の相続税の計算に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
相続税の各税額控除(未成年者控除や障害者控除)は、財産を取得した者のうち民法上の「法定相続人」に該当する者に限り適用されます。一方、配偶者の税額軽減は配偶者であれば相続放棄して遺贈で取得した場合でも適用可能であり、2割加算は配偶者および一親等の血族(代襲相続人を含む)以外の者が対象となります。
解き方
- 被相続人Aさんの法定相続人を確定する。配偶者である妻Bさんと第1順位の子Cさんが法定相続人となり、第2順位の父Dさんや第3順位の兄Eさんは法定相続人ではない。
- 障害者控除の適用要件を確認する。遺贈により財産を取得したとしても、法定相続人でない父Dさんは障害者控除を受けられないため、肢3が誤り(不適切)と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 「配偶者に対する相続税額の軽減」は、被相続人の配偶者であれば相続放棄をした後に遺贈によって財産を取得した場合でも適用を受けることができます。
- 選択肢 2不正解
- 子Cさんは法定相続人であり、相続開始日において20歳未満(10歳)であるため、未成年者控除の適用を受けることができます。
- 選択肢 3正解
- 障害者控除の対象となるのは財産を取得した「法定相続人」に限られます。子Cさんがいるため父Dさんは法定相続人になれず、障害者控除の適用を受けることはできません。
- 選択肢 4不正解
- 相続税額の2割加算は、被相続人の配偶者および一親等の血族(代襲相続人を含む)以外の者が対象です。兄弟姉妹である兄Eさんは2割加算の対象者となります。
覚えるポイント
- 未成年者控除・障害者控除を受けられるのは「法定相続人」に限定される。
間違えやすいところ
- 遺贈で財産を取得した親族全員が障害者控除を使えると誤解しやすい点に注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の相続税法・民法
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
貸家および貸家建付地に係る相続税評価等の取扱い
相続・事業承継 · 貸家建付地 / 自用家屋 / 借地権 / 借家権
Aさんは自己所有の宅地の上に戸建て住宅を建設し、その建物を第三者のBさんに賃貸している。建物は借家権の取引慣行のない地域にあるものとする。AさんまたはBさんに相続が開始したときの相続税の課税価格の計算上、土地・建物に係る課税財産に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
所有する土地の上に自己所有の家屋を建築して他人に賃貸している場合、土地は「貸家建付地」、家屋は「貸家」として評価減が適用されます。一方、建物の賃借人は建物を借りているに過ぎず借地権を有しておらず、借家権の取引慣行のない地域では借家権の相続税評価額は0として扱われるため課税対象になりません。
解き方
- Aさんの所有形態を確認する。土地・建物ともにAさん所有で第三者に賃貸しているため、土地は「貸家建付地」、建物は「貸家」として評価する。
- 賃借人Bさんの権利関係を確認する。Bさんは土地を直接借りているわけではないため借地権はなく、建物は借家権の取引慣行がない地域のため借家権としての財産的価値(評価額)は計上されない。したがって肢1が適切である。
- 選択肢 1正解
- 自己所有の敷地に建築した建物を他人に賃貸している場合、敷地は「貸家建付地」として自用地評価額から一定額を控除して相続税評価額を計算します。
- 選択肢 2不正解
- 建物を第三者に賃貸している場合、建物の相続税評価額は「自用家屋」ではなく「貸家」として借家権割合等を控除して計算します。
- 選択肢 3不正解
- Bさんは建物を賃借している借家人であり、土地に対する直接の借地権を有していないため、借地権が課税対象になることはありません。
- 選択肢 4不正解
- 建物が借家権の取引慣行のない地域に所在する場合、借家人の有する借家権の価額は評価せず、相続税の課税対象になりません。
覚えるポイント
- 自己所有地に建てた自己所有建物を賃貸した場合、土地は「貸家建付地」、建物は「貸家」として評価される。
間違えやすいところ
- 建物を借りている賃借人が土地の借地権を持っていると勘違いしないようにする。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の財産評価基本通達
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
青空貸駐車場等の土地活用と相続税評価額
相続・事業承継 · 貸家建付地 / 小規模宅地等の特例 / 貸付事業用宅地等 / 使用貸借
Aさんが所有・貸付を行っていた青空貸駐車場(借地権割合60%)の土地の活用と相続税評価への影響に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、小規模宅地等の特例を「本特例」という。
解答・解説を表示
解答
3
解説
貸付事業用宅地等として小規模宅地等の特例を受けるには構築物等の存在が必要であり、アスファルトや立体駐車場等の設備があれば対象となります。土地の上に賃貸アパートを建てた場合、土地は「自用地価額×(1-借地権割合×借家権割合30%×賃貸割合)」として評価されます。建物の相続税評価額は固定資産税評価額に基づき計算されるため、調達資金の内訳による差は生じません。
解き方
- 各選択肢の評価方法を確認する。肢2では、借地権割合60%×借家権割合30%×100%=18%の減額となるため正しい。
- 肢3について、アパート自体の相続税評価額の計算式を確認する。固定資産税評価額および賃貸割合によって決まるため、資金調達方法(自己資金か借入金か)で建物の評価額は変わらない。よって肢3が不適切である。
- 選択肢 1不正解
- 砂利敷き程度の青空駐車場は構築物に該当せず特例の対象外ですが、立体駐車場などの構築物・施設を設置して賃貸すれば貸付事業用宅地等として本特例の対象になります。
- 選択肢 2不正解
- 貸家建付地の減額割合は「借地権割合×借家権割合(全国一律30%)×賃貸割合」で計算されるため、60%×30%×100%=18%相当額の減額となります。
- 選択肢 3正解
- 賃貸アパート(建物)の相続税評価額は固定資産税評価額を基に評価されるため、自己資金で建設しても借入金で建設しても建物の評価額自体は同額になります。
- 選択肢 4不正解
- 土地を使用貸借で貸し付け、借受人である長男が賃貸アパートを建設した場合、土地は自用地(自用地評価額)として評価されるため、自用地評価である青空貸駐車場のときと評価額は変わりません。
覚えるポイント
- 借家権割合は全国一律で30%である。
- 資産(建物)の相続税評価額自体は、資金を自己資金で賄ったか借入金で賄ったかによって変動しない。
間違えやすいところ
- 借入金による債務控除(全体の課税価格の圧縮)と、アパート自体の相続税評価額の決定をごちゃ混ぜにしてしまわないように注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の相続税法・財産評価基本通達
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
オーナー社長の生命保険活用と事業承継対策
相続・事業承継 · 役員退職金 / 弔慰金の非課税限度額 / 自社株式の取得 / 事業承継
非上場会社X社のオーナー社長Aさん(45歳、月額給与100万円)を被保険者、契約者・受取人をX社とする定期保険の活用等に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
法人から役員等の遺族に支払われる弔慰金のうち、相続税の非課税限度額となる金額は、業務上の死亡の場合は「死亡時の普通給与の3年分(36カ月分)」、業務外の死亡の場合は「死亡時の普通給与の半年分(6カ月分)」と定められています。
解き方
- Aさんの死亡事由を確認する。問題文には「業務上の事由により死亡」とある。
- 業務上の事由による弔慰金の非課税限度額を計算する。月額給与100万円×36カ月=3,600万円となるため、「600万円以内に限られる」とする肢3は不適切である。
- 選択肢 1不正解
- 長期平準定期保険や逓増定期保険は、保険期間の一定時期に解約返戻率が高くなるため、その解約返戻金を役員の退職慰労金の原資として活用できます。
- 選択肢 2不正解
- 死亡退職金が不相当に高額であると認められる部分については、法人税法上の損金の額に算入することができません。
- 選択肢 3正解
- 業務上の死亡による弔慰金の非課税限度額は「普通給与月額×36カ月」であるため、100万円×36=3,600万円まで非課税となります(600万円は業務外の死亡である普通給与月額×6カ月の計算です)。
- 選択肢 4不正解
- 法人が受け取った死亡保険金を原資にして後継者から自社株(金庫株)を買い取ることで、後継者に現金が渡り、相続税の納税資金を確保させることができます。
覚えるポイント
- 弔慰金の非課税限度額:業務上の死亡は「給与月額×36カ月分」、業務外の死亡は「給与月額×6カ月分」。
間違えやすいところ
- 業務上死亡と業務外死亡の月数(36カ月分と6カ月分)を取り違えないように注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の相続税法・基本通達
出典:金融財政事情研究会『2017年5月 2級 学科』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2017年5月 2級 学科
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2017年5月 2級 学科の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

