日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2017年1月 2級 実技 個人資産相談業務の概要
健康保険の出産手当金・出産育児一時金・出産費貸付制度
ライフプランニングと資金計画 · 健康保険 / 出産手当金 / 出産育児一時金 / 出産費貸付制度
MさんがAさんに対して説明した、妻Bさんが産前産後休業を取得した場合の健康保険からの給付等に関する次の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句を語句群から選びなさい。 ⅰ)「全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者である妻Bさんは、出産のために休業し、その期間について事業主から給与の支払を受けられない場合、所定の手続により、出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは出産の予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産の日後( ① )までの間における休業した日について、出産手当金を受給することができます」 ⅱ)「妻Bさんは、平成29年3月に出産した場合、所定の手続により、出産育児一時金を受給することができます。出産育児一時金の額は、産科医療補償制度に加入している医療機関で出産した場合は1児につき( ② )、産科医療補償制度の対象外となる出産の場合は1児につき40万4,000円です」 ⅲ)「出産育児一時金が支給されるまでの間に出産費用が必要となった場合には、一定の要件のもとに、全国健康保険協会の出産費貸付制度を利用することができます。この制度では、出産育児一時金支給見込額の( ③ )相当額を限度に無利子で資金の貸付を受けることができます」
- イ
- 42日
- ロ
- 56日
- ハ
- 63日
- ニ
- 42万円
- ホ
- 45万円
- へ
- 52万円
- ト
- 6割
- チ
- 7割
- リ
- 8割
解答・解説を表示
解答
① ロ、② ニ、③ リ
解説
健康保険法に基づく出産手当金は、産前42日・産後56日の休業期間中の所得保障を目的として支給されます。また、出産育児一時金は出産にかかる一時的費用の負担軽減を図るものであり、支給前の当座資金支援として8割相当額を限度とする無利子貸付制度が設けられています。
解き方
- 空欄①について、出産手当金の産後支給対象日数が「出産日後56日」であることを確認し、「ロ」を選択します。
- 空欄②について、産科医療補償制度加入医療機関等での出産育児一時金の支給額が1児につき「42万円」であることを確認し、「ニ」を選択します。
- 空欄③について、協会けんぽの出産費貸付制度における貸付限度額が支給見込額の「8割」であることを確認し、「リ」を選択します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ロ
- 健康保険の出産手当金の支給期間は、出産日(出産予定日より遅れた場合は予定日)以前42日(多胎妊娠は98日)から出産日後56日までの範囲で、労務に服さなかった期間です。
- 小問 ②:ニ
- 産科医療補償制度に加入している医療機関等での出産の場合、支給される出産育児一時金の額は原則として1児につき42万円(当時の法令基準)です。
- 小問 ③:リ
- 協会けんぽの出産費貸付制度では、出産育児一時金の支給見込額の8割(80%)相当額を限度として、無利子で資金の貸付を受けることができます。
覚えるポイント
- 出産手当金の支給期間は産前42日(多胎98日)・産後56日です。
- 出産費貸付制度の貸付限度額は支給見込額の8割です。
間違えやすいところ
- 産前の42日と産後の56日の日数を逆に覚えて取り違えないよう注意が必要です。
- 出産費貸付制度の貸付限度割合(8割)を高額療養費貸付制度(8割または8.5割)などと混同しないようにしましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の健康保険法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
産前産後休業・育児休業期間中の社会保険料免除と雇用保険の育児休業給付金
ライフプランニングと資金計画 · 社会保険料免除 / 産前産後休業 / 育児休業給付金 / 雇用保険
MさんがAさんに対して説明した、妻Bさんが産前産後休業および育児休業を取得し給与が支給されない場合における社会保険の取扱い等に関する記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① 「妻Bさんを使用する事業主が、妻Bさんの産前産後休業期間中に所定の手続を行うことにより、妻Bさんの産前産後休業期間に係る健康保険の保険料は免除されますが、厚生年金保険の保険料は免除されません」 ② 「妻Bさんは、所定の手続により、雇用保険の育児休業給付金の支給を受けることができます。育児休業給付金の額は、育児休業を開始した日から育児休業給付金の支給に係る休業日数が通算して180日に達するまでの間は、1支給単位期間当たり、休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の67%に相当する額となります」 ③ 「妻Bさんが所定の手続により受給することができる雇用保険の育児休業給付金には、支給限度額および最低限度額が設けられており、これらの額は、原則として毎年8月1日に改定されます」
解答・解説を表示
解答
① ×、② ○、③ ○
解説
育児・介護休業法および社会保険・雇用保険各法に基づき、休業期間中の負担軽減として産前産後休業期間および育児休業期間の健康保険・厚生年金保険の保険料が免除されます。また雇用保険からは、休業開始から180日までは給付率67%の育児休業給付金が支給され、経済的支援が行われます。
解き方
- 記述①について、産前産後休業期間中の保険料免除が健康保険と厚生年金保険の双方に適用されるか確認し、厚生年金保険も免除されるため不適切(×)と判断します。
- 記述②について、育児休業給付金の支給率が休業開始から通算180日までは67%であるか確認し、適切(○)と判断します。
- 記述③について、給付金の支給限度額・最低限度額の自動改定日が毎年8月1日であるか確認し、適切(○)と判断します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 事業主の申出により、産前産後休業期間中の社会保険料は、健康保険料だけでなく厚生年金保険料についても被保険者負担分・事業主負担分ともに免除されます。
- 小問 ②:○
- 雇用保険の育児休業給付金の支給率は、育児休業開始から通算して180日に達するまでは休業開始時賃金日額×支給日数の67%(180日経過後は50%)となります。
- 小問 ③:○
- 育児休業給付金には支給限度額と最低限度額が定められており、毎月勤労統計の平均定期給与額の変動に応じて原則として毎年8月1日に改定されます。
覚えるポイント
- 産前産後休業期間および育児休業期間中の健康保険料・厚生年金保険料は労使ともに免除されます。
- 育児休業給付金の給付率は180日目まで67%、180日経過後は50%です。
- 雇用保険の各種給付限度額等の改定は原則として毎年8月1日に行われます。
間違えやすいところ
- 産前産後休業期間の免除は健康保険のみと誤解しがちですが、平成26年4月以降は厚生年金保険料も同様に免除されます。
- 育児休業給付金の支給率が67%となる期間を「休業終了まで」やすべての期間と混同しないよう、「最初の180日分」という区切りを正確に把握する必要があります。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の健康保険法、厚生年金保険法、雇用保険法
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺族厚生年金の基本額と中高齢寡婦加算の計算
ライフプランニングと資金計画 · 遺族厚生年金 / 中高齢寡婦加算 / 短期要件 / 300月みなし
設例において、被保険者であるAさん(33歳)が現時点(平成29年1月22日)で死亡し、妻Bさん(29歳、子なし)が遺族厚生年金の受給権を取得した場合における、妻Bさんの遺族厚生年金の年金額(平成28年度価額)の計算式中の空欄①、②、④に入る数値、および空欄③の「される/されない」の適切な語句を求めなさい。
解答・解説を表示
解答
① 300、② 3/4(または0.75)、③ されない、④ 431,629
解説
厚生年金保険の被保険者が死亡した場合の遺族厚生年金(短期要件)の報酬比例部分は、実際の加入月数が300月に満たないときは300月として計算し、老齢厚生年金の額の4分の3に相当する額が支給されます。
解き方
- 短期要件における月数みなし規定を適用し、被保険者月数が300月未満のため300月として計算します(空欄①)。
- 遺族厚生年金の給付割合である4分の3(3/4)を適用して基本額の式を完成させます(空欄②)。
- 妻の年齢(29歳)と子の有無(現在なし)から中高齢寡婦加算の要件を満たさないことを判定します(空欄③)。
- 350,000円 × 0.005481 × 300 × (3/4) を計算し、円未満を四捨五入して年金額を算出します(空欄④)。
小問ごとの答え
- 小問 ①:300
- 被保険者期間中の死亡(短期要件)に基づく遺族厚生年金では、厚生年金保険の被保険者期間の実月数(129月)が300月未満であるため、300月とみなして計算します。
- 小問 ②:3/4
- 遺族厚生年金の報酬比例部分の基本額は、死亡した被保険者の老齢厚生年金の報酬比例部分の額の4分の3(3/4相当)となります。
- 小問 ③:されない
- 中高齢寡婦加算は、夫死亡時に40歳以上65歳未満で子のない妻、または遺族基礎年金を受給していた40歳以上の妻に支給されます。妻Bさんは29歳で子がいないため加算されません。
- 小問 ④:431,629
- 基本額=350,000円 × (5.481 / 1,000) × 300月 × 3/4 = 431,628.75円となり、円未満を四捨五入して431,629円となります。中高齢寡婦加算はないため遺族厚生年金額は431,629円です。
覚えるポイント
- 被保険者期間が300月未満の死亡による遺族厚生年金は300月みなし計算が行われます。
- 遺族厚生年金の報酬比例部分は老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3相当額です。
間違えやすいところ
- 実際の被保険者期間である129月をそのまま代入して計算してしまう誤りに注意が必要です。
- 30歳未満で子のない妻に対する遺族厚生年金の5年有期制限と中高齢寡婦加算の要件を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等(平成28年度価額基準)
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資適格債券の格付けとシャープ・レシオの評価
金融資産運用 · 投資適格債券 / 信用格付け / シャープ・レシオ / 運用パフォーマンス評価
設例のX投資信託およびY投資信託に関する説明文の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、語句群(イ~ル)の中から選びなさい。
- イ
- トリプルB(BBB/Baa)
- ロ
- トリプルC(CCC/Caa)
- ハ
- ダブルC(CC/Ca)
- ニ
- 0.4
- ホ
- 0.5
- ヘ
- 0.6
- ト
- 0.75
- チ
- 1.5
- リ
- 2
- ヌ
- X投資信託
- ル
- Y投資信託
解答・解説を表示
解答
① イ、② ニ、③ ヘ、④ ル
解説
債券投資ではBBB以上が投資適格とされ、ファンドの評価指標であるシャープ・レシオ(超過リターン÷標準偏差)は数値が高いほどリスクあたりの効率が良いと評価されます。
解き方
- 投資適格債券の基準となる信用格付けがBBB(Baa)以上であることを確認し、空欄①を選択します。
- シャープ・レシオの算式「(ポートフォリオの収益率-無リスク利子率)÷標準偏差」に各数値を代入してX投資信託(0.4)とY投資信託(0.6)の値を計算します(空欄②・③)。
- シャープ・レシオの値を比較し、数値が大きいY投資信託の評価が高いと判定します(空欄④)。
小問ごとの答え
- 小問 ①:イ
- 債券の信用格付けにおいて、一般にBBB(トリプルB)またはBaa以上の格付けが「投資適格格付け」とされています。
- 小問 ②:ニ
- X投資信託のシャープ・レシオは、(リターン5.0%-無リスク利子率1.0%)÷標準偏差10.0%=4.0÷10.0=0.4となります。
- 小問 ③:ヘ
- Y投資信託のシャープ・レシオは、(リターン10.0%-無リスク利子率1.0%)÷標準偏差15.0%=9.0÷15.0=0.6となります。
- 小問 ④:ル
- シャープ・レシオは数値が大きいほどリスクに対するリターン効率が高く優れているため、0.6であるY投資信託のほうが評価が高くなります。
覚えるポイント
- 投資適格とされる債券の格付けはBBB(Baa)以上です。
- シャープ・レシオは (収益率-安全資産利子率)÷標準偏差 で求め、数値が大きいほど優秀です。
間違えやすいところ
- シャープ・レシオの計算において無リスク資産利子率を引き忘れる誤りに注意が必要です。
- シャープ・レシオはリスクあたりの超過リターンであるため、数値が小さいほうが優れていると逆に取り違えないようにしましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託の税金・信託財産留保額・販売手数料の仕組み
金融資産運用 · 投資信託の税金 / 信託財産留保額 / 購入時手数料
公募追加型株式投資信託(X投資信託・Y投資信託)の特徴やコスト、税金に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を付けなさい。 ① X投資信託およびY投資信託から受け取る収益分配金のうち、普通分配金については所得税が非課税となる。 ② 信託財産留保額とは、投資家の換金に伴う費用などを賄うために、販売会社が負担するコストのことである。 ③ Y投資信託のように購入時手数料がかかる投資信託については、販売会社により購入時手数料率が異なる場合がある。
解答・解説を表示
解答
① × ② × ③ ○
解説
公募株式投資信託の分配金は、元本を上回る利益の分配である普通分配金(課税)と元本の払戻しにあたる元本払戻金(非課税)に区分されます。また信託財産留保額は換金者が負担してファンド資産に残すペナルティ的費用であり、販売会社が負担する費用ではありません。
解き方
- 普通分配金が配当所得として課税対象となるか、非課税となる元本払戻金と混同していないか判定する。
- 信託財産留保額の負担者(換金する投資家)および留保先(信託財産)の定義を確認する。
- 購入時手数料(募集・販売手数料)が販売会社ごとに任意設定可能であるルールを確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 公募株式投資信託の普通分配金は配当所得として課税対象(所得税および復興特別所得税・住民税が源泉徴収)となります。非課税扱いとなるのは元本の払い戻しに相当する元本払戻金(特別分配金)です。
- 小問 ②:×
- 信託財産留保額は、途中換金する投資家が負担し、信託財産中に留保される費用です。換金に伴う組入資産の売却コスト等を既存の投資家が被らないように公平性を保つ目的で徴収されます。
- 小問 ③:○
- 投資信託の購入時手数料は販売会社が独自に定めることができるため、同一のファンドであっても取り扱う販売会社によって手数料率が異なったり、一部のネット証券等で無料(ノーロード)となったりする場合があります。
覚えるポイント
- 普通分配金は配当所得として課税、元本払戻金(特別分配金)は非課税。
- 信託財産留保額は換金する投資家本人が負担し、販売会社の手数料ではなく信託財産に残される。
間違えやすいところ
- 信託財産留保額を信託報酬や解約手数料と混同し、販売会社や運用会社へ支払われる手数料と誤認すること。
- 分配金受取時にすべての分配金が非課税になると勘違いすること。
出題の前提:2016年10月1日施行法令基準
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ドルコスト平均法と定量購入の比較計算
金融資産運用 · ドルコスト平均法 / 投資信託の購入口数計算 / 平均購入単価
X投資信託を定期的に購入するにあたり、毎回40,000円購入する場合(ドルコスト平均法)と毎回40,000口購入する場合(定量購入)について示された以下の条件に基づき、空欄①~③に入る数値を求めなさい(空欄③は円未満四捨五入)。 ・第1回:基準価額12,500円(1万口当たり) ・第2回:基準価額10,000円(1万口当たり) ・第3回:基準価額12,800円(1万口当たり) ・第4回:基準価額10,000円(1万口当たり) ① 毎回40,000円購入した場合の合計購入口数(口) ② 毎回40,000口購入した場合の合計購入金額(円) ③ ドルコスト平均法を用いて購入した場合の平均購入単価(1万口当たり、円)
解答・解説を表示
解答
① 143,250 ② 181,200 ③ 11,169
解説
ドルコスト平均法は、定額を定期的に継続して投資することで、価格が低いときには多くの口数を、価格が高いときには少ない口数を購入し、平均購入単価を抑える投資手法です。基準価額は1万口当たりで提示されるため、口数と購入金額の換算に注意が必要です。
解き方
- ドルコスト平均法における各回の購入口数を「購入金額÷基準価額×10,000」で計算し合算する(①)。
- 定量購入における各回の購入金額を「基準価額×(購入口数÷10,000)」で計算し合算する(②)。
- ドルコスト平均法の総購入金額(160,000円)を合計購入口数(143,250口)で除し、1万口当たりの平均購入単価を求めて円未満四捨五入する(③)。
答えの内訳
- ①:143,250
- 毎回40,000円で購入できる口数は「40,000円÷基準価額×10,000口」となります。第1回:40,000÷12,500×10,000=32,000口、第2回:40,000÷10,000×10,000=40,000口、第3回:40,000÷12,800×10,000=31,250口、第4回:40,000÷10,000×10,000=40,000口。これらを合計すると32,000+40,000+31,250+40,000=143,250口です。
- ②:181,200
- 毎回40,000口購入する場合の購入金額は「基準価額×(40,000口÷10,000口)=基準価額×4」となります。合計購入金額は(12,500円+10,000円+12,800円+10,000円)×4=45,300円×4=181,200円です。
- ③:11,169
- ドルコスト平均法による合計購入金額は160,000円、合計購入口数は143,250口です。1万口当たりの平均購入単価は「160,000円÷143,250口×10,000口≒11,169.28…円」となり、円未満を四捨五入して11,169円となります。
覚えるポイント
- ドルコスト平均法での購入口数=投資金額÷基準価額×10,000口。
- 平均購入単価(1万口当たり)=総投資金額÷総購入口数×10,000口。
間違えやすいところ
- 基準価額が1万口当たりの金額であることを失念し、10,000の掛け算・割り算を忘れて桁を間違えること。
- 平均購入単価を各回の基準価額の単純算術平均((12,500+10,000+12,800+10,000)/4)で求めてしまうこと。
出題の前提:2016年10月1日施行法令基準
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
退職所得の課税方式および所得控除(配偶者控除・扶養控除)の判定
タックスプランニング · 退職所得 / 配偶者控除 / 扶養控除
退職金に係る所得税の課税関係および所得控除等に関する次の文章について、空欄①~③に入る最も適切な語句を語句群から選定しなさい。 ⅰ)AさんがX社から支給を受けた退職金は、退職所得として( ① )の対象となる。Aさんのように退職金の支払を受ける時までに「退職所得の受給に関する申告書」を提出し、正規の所得税および復興特別所得税の源泉徴収が行われた者は、原則としてその退職所得について所得税および復興特別所得税の確定申告をする必要はない。 ⅱ)Aさんは妻Bさん(給与収入98万円)について( ② )控除の適用を受けることができる。 ⅲ)長女Dさん(24歳・大学院生・収入なし)は、( ③ )に該当するため、Aさんは、長女Dさんについて扶養控除の適用を受けることができる。 〈語句群〉イ.総合課税 ロ.分離課税 ハ.一般の控除対象扶養親族 ニ.特定扶養親族 ホ.扶養 ヘ.配偶者特別 ト.配偶者
- イ
- 総合課税
- ロ
- 分離課税
- ハ
- 一般の控除対象扶養親族
- ニ
- 特定扶養親族
- ホ
- 扶養
- ヘ
- 配偶者特別
- ト
- 配偶者
解答・解説を表示
解答
① ロ、② ト、③ ハ
解説
退職所得は担税力への配慮から分離課税が適用され、申告書提出により原則として源泉徴収で課税関係が完了します。人的控除においては、親族の年齢や所得要件によって適用される控除の種類(配偶者控除・一般扶養・特定扶養等)が厳密に定められています。
解き方
- 退職所得の課税方式を確認し、総合課税ではなく分離課税であることから空欄①を「ロ」と判定します。
- 妻Bさんの給与収入98万円から給与所得33万円を算出し、38万円以下の要件を満たすため空欄②を「ト(配偶者)」と判定します。
- 長女Dさんの年末時点の年齢24歳を確認し、特定扶養親族の対象(19歳以上23歳未満)から外れるため、空欄③を「ハ(一般の控除対象扶養親族)」と判定します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ロ
- 退職所得は、長年の勤労への対価という性質や一時的な巨額所得であることを考慮し、他の所得と合算せず分離して税額を計算する「分離課税」の対象となります。
- 小問 ②:ト
- 妻Bさんの合計所得金額は給与収入98万円から給与所得控除65万円を差し引いた33万円であり、38万円以下であるため「配偶者」控除の対象となります。
- 小問 ③:ハ
- 長女Dさんは平成28年12月31日現在で24歳であり、特定扶養親族(19歳以上23歳未満)ではなく「一般の控除対象扶養親族」(23歳以上70歳未満)に該当します。
覚えるポイント
- 退職所得は分離課税であり受給に関する申告書の提出で確定申告不要となること
- 特定扶養親族は19歳以上23歳未満であり24歳以上は一般の控除対象扶養親族となること
間違えやすいところ
- 大学生・大学院生という身分だけで一律に特定扶養親族と誤認してしまうこと(年齢基準で判定が必要)
- 配偶者の給与年収が103万円以下の場合に配偶者控除ではなく配偶者特別控除と勘違いしてしまうこと
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等(平成28年分税制)
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
退職所得控除額および退職所得の金額の計算
タックスプランニング · 退職所得控除 / 退職所得の金額 / 勤続年数の端数処理
AさんがX社から受け取った退職金に係る退職所得の金額を求める次の〈計算手順〉の空欄①~④に入る最も適切な数値を算定しなさい。 なお、障害者になったことがAさんの退職の直接の原因ではないものとする。 〈計算手順〉 1.退職所得控除額 ( ① )万円+( ② )万円×{( ③ )年-20年}=□□□万円 2.退職所得の金額 (3,000万円-□□□万円)×□□□=( ④ )万円
解答・解説を表示
解答
① 800、② 70、③ 39、④ 435
解説
退職所得の金額は、(収入金額-退職所得控除額)×1/2 によって計算されます。勤続年数は端数切り上げを行い、20年以下の期間は年40万円、20年を超える期間は年70万円が控除されます(20年超の場合は一律800万円+70万円×(勤続年数-20年))。
解き方
- 勤続期間38年2カ月の端数2カ月を切り上げ、勤続年数を39年と算定します(③=39)。
- 勤続年数20年超の算式「800万円+70万円×(年数-20年)」に当てはめ、①=800、②=70を求めます。
- 退職所得控除額を計算します:800万円+70万円×(39-20)=800万円+1,330万円=2,130万円。
- 退職金3,000万円から控除額2,130万円を差し引き、1/2を乗じて退職所得の金額を算出します:(3,000万円-2,130万円)×1/2=435万円(④=435)。
答えの内訳
- ①:800
- 勤続年数が20年を超える場合の退職所得控除額は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」で計算するため、基本額は800(万円)となります。
- ②:70
- 勤続年数20年超の部分についての1年当たりの控除加算額は70(万円)となります。
- ③:39
- 勤続期間は38年2カ月ですが、1年未満の端数は切り上げて1年として計算するため、勤続年数は39(年)となります。
- ④:435
- 退職所得控除額は800万円+70万円×(39年-20年)=2,130万円です。退職所得の金額は(3,000万円-2,130万円)×1/2=435(万円)となります。
覚えるポイント
- 勤続年数の端数は月単位であっても切り上げて1年とする端数処理ルール
- 勤続年数20年超の退職所得控除額は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」となること
- 退職所得の金額は控除後の残額に2分の1を乗じること
間違えやすいところ
- 勤続年数38年2カ月の端数を切り捨てて38年として計算してしまうミス
- 退職手当から控除額を引いた後、2分の1を掛け忘れてしまう計算ミス
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の損益通算・所得控除に関する正誤判定
タックスプランニング · 損益通算 / 不動産所得の損失 / 退職所得の所得控除 / 社会保険料控除
Aさんおよびその家族の平成28年分の所得税に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① Aさんの平成28年分の所得税の計算において、賃貸アパートの経営による不動産所得に係る損失の金額150万円は、その全額が損益通算の対象となる。 ② Aさんの平成28年分の所得税の計算において、総所得金額から所得控除額を控除しきれなかった場合、控除しきれなかった所得控除額は退職所得の金額から控除することができる。 ③ 妻Bさんが負担すべき国民年金の保険料を長男Cさんが支払った場合、その保険料は長男Cさんの所得の金額の計算上、社会保険料控除の対象とすることができない。
解答・解説を表示
解答
① × ② ○ ③ ×
解説
所得税の損益通算では、不動産所得の赤字のうち土地取得に要した負債利子相当額は除外されます。また所得控除は総所得金額だけでなく分離課税の退職所得等からも控除可能であり、生計を一にする親族の社会保険料を支払った場合は実際に支払った者の所得控除となります。
解き方
- 不動産所得の損失における土地取得負債利子の損益通算対象外ルールを確認する。
- 所得控除が総所得金額から引ききれない場合の退職所得等への控除ルールを確認する。
- 生計を一にする親族の国民年金保険料を本人が支払った場合の社会保険料控除の適用要件を確認する。
答えの内訳
- ①:×
- 不動産所得の損失のうち、土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分(本問では15万円)は損益通算の対象とならないため、全額を損益通算することはできず不適切です。
- ②:○
- 総所得金額から控除しきれなかった所得控除の残額は、分離課税の退職所得の金額や山林所得の金額から順次控除することができるため適切です。
- ③:×
- 居住者が生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料を実際に支払った場合、その支払った者の社会保険料控除の対象とすることができるため不適切です。
覚えるポイント
- 不動産所得の赤字のうち土地取得借入金の利子は損益通算不可
- 生計一の親族の社会保険料は実際に支払った者の社会保険料控除の対象
間違えやすいところ
- 不動産所得の損失全額を損益通算できると誤認するミス
- 社会保険料控除は被保険者本人しか受けられないと誤認するミス
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法における用途地域・防火規制の適用
不動産 · 建築基準法 / 用途地域の一体地規制 / 防火地域の制限 / 準防火地域の制限
甲土地および乙土地を一体とした土地上に賃貸アパートを建築する場合の建築基準法上の規制に関する以下の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を、語句群の中から選びなさい。 ⅰ)甲土地と乙土地を一体とした土地上に建築物を建築する場合、建築物の用途制限については、甲土地と乙土地の一体の土地の全部について、( ① )地域の建築物の用途に関する規定が適用される。 ⅱ)防火地域内においては、原則として、地階を含む階数が( ② )以上または延べ面積が100㎡を超える建築物は耐火建築物としなければならないとされており、準防火地域内においては、原則として、地階を除く階数が4以上または延べ面積が( ③ )を超える建築物は耐火建築物としなければならないとされている。なお、建築物が防火地域と準防火地域にわたる場合、原則として、その建築物の全部について、防火地域内の建築物に関する規定が適用される。 〈語句群〉 イ.近隣商業 ロ.第一種住居 ハ.準住居 ニ.2 ホ.3 へ.5 ト.500㎡ チ.1,000㎡ リ.1,500㎡
- イ
- 近隣商業
- ロ
- 第一種住居
- ハ
- 準住居
- ニ
- 2
- ホ
- 3
- へ
- 5
- ト
- 500㎡
- チ
- 1,000㎡
- リ
- 1,500㎡
解答・解説を表示
解答
① ロ ② ホ ③ リ
解説
建築物の敷地が2以上の異なる用途地域にわたる場合、その用途制限はその敷地の過半が属する地域の規制が敷地全体に適用されます。また、防火地域・準防火地域の耐火義務の規模要件は厳格に規定されています。
解き方
- 甲土地(第一種住居地域:360㎡)と乙土地(近隣商業地域:300㎡)の面積を比較し、敷地の過半(360㎡>300㎡)が第一種住居地域であることを確認する。
- 防火地域における耐火建築物の要件(地階を含む階数3以上、または延べ面積100㎡超)から空欄②を判定する。
- 準防火地域における耐火建築物の要件(地階を除く階数4以上、または延べ面積1,500㎡超)から空欄③を判定する。
- 選択肢 イ不正解
- 近隣商業地域の面積は300㎡であり、敷地全体660㎡の過半に達しないため誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 第一種住居地域の面積は360㎡であり、敷地の過半を占めるため正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 資料に準住居地域は存在しないため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 防火地域で耐火建築物が要求される階数は3以上であり、2ではないため誤りです。
- 選択肢 ホ正解
- 防火地域内で耐火建築物とする基準は、階数が3以上または延べ面積100㎡超であるため正しいです。
- 選択肢 へ不正解
- 階数要件は3以上(防火地域)または4以上(準防火地域)であり、5ではないため誤りです。
- 選択肢 ト不正解
- 準防火地域で耐火建築物義務が生じる延べ面積は1,500㎡超であり、500㎡ではないため誤りです。
- 選択肢 チ不正解
- 準防火地域で耐火建築物義務が生じる延べ面積は1,500㎡超であり、1,000㎡ではないため誤りです。
- 選択肢 リ正解
- 準防火地域内において耐火建築物としなければならない延べ面積は1,500㎡超であるため正しいです。
答えの内訳
- ①:ロ
- 敷地が異なる用途地域にわたる場合、用途制限はその敷地の過半が属する地域の規定が適用されます。甲土地360㎡、乙土地300㎡で過半を占めるのは第一種住居地域(ロ)です。
- ②:ホ
- 建築基準法上、防火地域内では階数が3(地階を含む)以上、または延べ面積が100㎡を超える建築物は原則として耐火建築物としなければなりません(ホ)。
- ③:リ
- 準防火地域内においては、地階を除く階数が4以上、または延べ面積が1,500㎡を超える建築物は原則として耐火建築物としなければなりません(リ)。
覚えるポイント
- 用途地域の制限は過半の属する地域の規定を適用
- 防火地域は階数3以上または延べ面積100㎡超で耐火建築物
- 準防火地域は階数4以上または延べ面積1,500㎡超で耐火建築物
間違えやすいところ
- 用途制限を加重平均で計算しようとするミス(加重平均は建ぺい率・容積率)
- 防火地域と準防火地域の階数・面積要件を混同するミス
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法における建ぺい率および容積率の計算
不動産 · 建ぺい率の緩和 / 容積率の制限 / 前面道路の幅員
甲土地(面積360㎡、第一種住居地域、指定建ぺい率60%、指定容積率200%、容積率制限数値4/10、準防火地域)および乙土地(面積300㎡、近隣商業地域、指定建ぺい率80%、指定容積率300%、容積率制限数値6/10、防火地域)を一体とした土地上に耐火建築物を建築する場合、建ぺい率の上限となる建築面積および容積率の上限となる延べ面積を求める計算式の空欄①~④に入る数値を求めなさい。なお、一体地は特定行政庁が指定する角地であり、北側に幅員4m、東側に幅員6mの公道に接している。
解答・解説を表示
解答
① 70、② 240、③ 900、④ 1,620(または1620)
解説
建築物の敷地が2以上の地域にまたがる場合、建ぺい率や容積率の上限は各地域ごとの上限面積を算出して合計します。道路が2つ以上あるときは最大幅員を前面道路幅員として適用し、角地や防火地域内の耐火建築物による建ぺい率緩和条件を地域ごとに正しく判定します。
解き方
- 甲土地の適用建ぺい率を求め、指定建ぺい率60%に角地緩和10%を加算して70%と算出する。
- 前面道路幅員は広い方の6mを採用し、甲土地の幅員制限容積率を6m×(4/10)=240%と求める。
- 乙土地の容積率は指定300%と幅員制限360%の小さい方である300%を適用し、延べ面積を300㎡×300%=900㎡と計算する。
- 甲土地の延べ面積360㎡×200%=720㎡と乙土地の延べ面積900㎡を合計して敷地全体の容積率上限面積1,620㎡を導く。
答えの内訳
- ①:70
- 甲土地(第一種住居地域・準防火地域)は、特定行政庁が指定する角地であるため建ぺい率が10%緩和され、60%+10%=70%となります。
- ②:240
- 建築物の敷地が2つ以上の道路に接する場合、前面道路の幅員は最大幅員である6mが適用されます。甲土地の法定乗数は4/10であるため、前面道路幅員制限による容積率は6m×(4/10)=240%となります。
- ③:900
- 乙土地の容積率は、指定容積率300%と前面道路幅員制限360%(6m×6/10)のいずれか小さいほうの300%が適用されます。延べ面積の上限は300㎡×300%=900㎡となります。
- ④:1,620
- 甲土地の容積率上限は200%(指定200%<幅員制限240%)で延べ面積は360㎡×200%=720㎡です。乙土地の900㎡と合計して、720㎡+900㎡=1,620㎡となります。
覚えるポイント
- 2以上の道路に接する敷地では、最大の道路幅員を前面道路幅員として計算する。
間違えやすいところ
- 接面している幅員4mの道路を使って幅員制限容積率を計算しないよう注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の建築基準法第52条および第53条の規定に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法における普通借家契約および定期借家契約
不動産 · 借地借家法 / 普通借家契約 / 定期借家契約
賃貸アパートの賃貸借契約(普通借家契約および定期借家契約)に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答しなさい。 ① 普通借家契約において2年未満の賃貸借期間を定めた場合、期間の定めがない建物の賃貸借として取り扱われる。 ② 賃貸人からの普通借家契約の更新拒絶は、正当の事由があると認められる場合でなければすることができない。 ③ 定期借家契約を締結するためには、賃貸人は、あらかじめ、賃借人に対して、契約の更新がなく期間満了により賃貸借が終了する旨を記載した書面を交付して説明する必要がある。
解答・解説を表示
解答
① ×、② ○、③ ○
解説
借地借家法では賃借人の保護を図るため、普通借家契約では1年未満の期間設定を期間の定めのないものとみなし、更新拒絶には正当事由を要求します。一方で定期借家契約では期間満了による確定的な終了が認められる代償として、事前の書面交付と説明が義務付けられています。
解き方
- 記述①の「2年未満」という期間制限を借地借家法第29条第1項の「1年未満」のルールと照合して不適切と判断する。
- 記述②の賃貸人からの更新拒絶における「正当事由」の要件(法第28条)を確認して適切と判断する。
- 記述③の定期借家契約締結時の事前書面交付・説明義務(法第38条第2項)を確認して適切と判断する。
答えの内訳
- ①:×
- 借地借家法において、期間の定めがない建物の賃貸借とみなされるのは賃貸借期間を「1年未満」と定めた場合です。2年未満ではありません。
- ②:○
- 普通借家契約において、賃貸人が契約の更新拒絶や解約申入れをするには、建物の使用を必要とする事情等の「正当の事由」が必要と規定されています。
- ③:○
- 定期借家契約を締結する際、賃貸人はあらかじめ賃借人に対し、契約の更新がなく期間満了により終了する旨を記載した書面を交付して説明しなければなりません。
覚えるポイント
- 普通借家契約で期間の定めがないとみなされるのは「1年未満」である。
間違えやすいところ
- 普通借家契約で一般的な契約期間「2年」と混同して、1年未満の法定期間を誤認しやすい。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の借地借家法第28条、第29条、第38条の規定に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の申告期限と小規模宅地等の特例手続
相続・事業承継 · 相続税の申告期限 / 小規模宅地等の特例 / 申告期限後3年以内の分割見込書
被相続人Aさんの相続開始後の手続等に関する以下の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句を語句群から選択しなさい。 ⅰ)「Aさんの相続に関し、相続税の申告義務を有する者は、原則として、その相続の開始があったことを知った日の翌日から( ① )以内に、相続税の申告書を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。」 ⅱ)「妻Bさんは、相続により取得する自宅の敷地について、特定居住用宅地等として『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けることにより、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、330㎡までを限度面積として( ② )の減額を受けることができる。なお、本特例の適用を受けるためには、原則として相続税の申告期限までに適用の対象となる遺産の分割を行う必要があるが、仮に相続税の申告期限までに遺産の分割ができなかった場合であっても、相続税の申告書に『申告期限後( ③ )以内の分割見込書』を添付して提出しておいて、相続税の申告期限から( ③ )以内に実際に遺産の分割を行った場合には、本特例の適用を受けることができる。」
- イ
- 3カ月
- ロ
- 8カ月
- ハ
- 10カ月
- ニ
- 1年
- ホ
- 2年
- へ
- 3年
- ト
- 60%
- チ
- 70%
- リ
- 80%
解答・解説を表示
解答
① ハ、② リ、③ へ
解説
相続税の申告・納期限は「相続開始を知った日の翌日から10カ月以内」と定められています。また、小規模宅地等の特例における特定居住用宅地等は、生活基盤の維持配慮から限度面積330㎡まで80%の大幅な評価減が認められます。原則として遺産分割が要件ですが、未分割の場合でも「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付提出することで、申告期限から3年以内に分割が確定した際に特例の遡及適用が可能となります。
解き方
- 相続税の申告・納付の法定申告期限が「相続開始を知った日の翌日から10カ月以内」であることを確認し、空欄①を「ハ」と特定します。
- 特定居住用宅地等の適用要件および減額率を確認し、限度面積330㎡・減額率80%から空欄②を「リ」と特定します。
- 申告期限までに未分割である場合の救済手続きとして提出する書類が「申告期限後3年以内の分割見込書」であり、延長期間が「3年」であることから空欄③を「へ」と判断します。
- 選択肢 イ不正解
- 3カ月は相続放棄や限定承認の熟慮期間であり、申告期限や分割見込書の期間としては不適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 8カ月とする規定は相続税法上の申告期限や特例適用の要件期間には存在しません。
- 選択肢 ハ正解
- 空欄①の正答です。相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内です。
- 選択肢 ニ不正解
- 1年は遺留分侵害額(減殺)請求権の消滅時効等で用いられる期間であり、空欄の該当数値ではありません。
- 選択肢 ホ不正解
- 2年とする規定は本問の申告期限や未分割手続きの猶予期間には該当しません。
- 選択肢 へ正解
- 空欄③の正答です。未分割財産について特例適用を受けるための書類は「申告期限後3年以内の分割見込書」です。
- 選択肢 ト不正解
- 60%は貸付事業用宅地等の減額割合(50%)や特定居住用宅地等(80%)のいずれにも合致しません。
- 選択肢 チ不正解
- 70%は小規模宅地等の特例における減額割合としては規定されていません。
- 選択肢 リ正解
- 空欄②の正答です。特定居住用宅地等の減額率は80%と規定されています。
答えの内訳
- ①:ハ
- 相続税の申告および納付の期限は、原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内です。
- ②:リ
- 特定居住用宅地等に該当する場合、限度面積330㎡までの部分について課税価格から80%が減額されます。
- ③:へ
- 期限内に分割できない場合、「申告期限後3年以内の分割見込書」を申告書に添付して提出し、申告期限から3年以内に分割すれば特例の適用を受けられます。
覚えるポイント
- 相続税の申告・納期限は「知った日の翌日から10カ月以内」。
- 特定居住用宅地等は限度面積330㎡まで80%減額。
- 未分割時の救済手続は「申告期限後3年以内の分割見込書」。
間違えやすいところ
- 相続放棄・限定承認の期間(3カ月)や所得税の準確定申告期限(4カ月)と、相続税の申告期限(10カ月)を混同しやすいです。
- 貸付事業用宅地等の限度面積(200㎡・50%減額)や特定事業用宅地等(400㎡・80%減額)と、特定居住用宅地等の数値を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等(相続税法第27条、租税特別措置法第69条の4)
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生前贈与財産の相続税課税価格への算入
相続・事業承継 · 相続時精算課税制度 / 教育資金の一括贈与非課税特例 / 生前贈与加算
Aさんが生前に行った贈与に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を判定しなさい。 ① 長男DさんがAさんから贈与を受けた賃貸アパートの建物とその敷地については、Aさんの相続開始時点の相続税評価額により相続税の課税価格に算入される。 ② 孫FさんがAさんから贈与を受けた教育資金に関して、Aさんの死亡日における教育資金管理契約に係る非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額1,000万円は、Aさんの相続に係る相続税の課税価格に算入される。 ③ 孫Hさんおよび孫Iさんが相続または遺贈により財産を取得しない場合、孫Hさんおよび孫Iさんが平成27年12月にAさんから贈与を受けた現金50万円は、いずれもAさんの相続に係る相続税の課税価格に算入されない。
- ①
- 長男DさんがAさんから贈与を受けた賃貸アパートの建物とその敷地については、Aさんの相続開始時点の相続税評価額により相続税の課税価格に算入される。
- ②
- 孫FさんがAさんから贈与を受けた教育資金に関して、Aさんの死亡日における教育資金管理契約に係る非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額1,000万円は、Aさんの相続に係る相続税の課税価格に算入される。
- ③
- 孫Hさんおよび孫Iさんが相続または遺贈により財産を取得しない場合、孫Hさんおよび孫Iさんが平成27年12月にAさんから贈与を受けた現金50万円は、いずれもAさんの相続に係る相続税の課税価格に算入されない。
解答・解説を表示
解答
① ×、② ×、③ ○
解説
相続時精算課税を適用した贈与財産は、将来の相続時に「贈与時の価額」で課税価格に合算されます。また、暦年課税における相続開始前贈与の加算対象は原則として「相続や遺贈により財産を取得した人」に限定されます。なお、直系尊属からの教育資金一括贈与特例は、2016年施行法令においては贈与者死亡時の管理残額を相続税課税価格に算入する規定はありませんでした。
解き方
- 記述①:相続時精算課税制度により贈与を受けた財産が相続税の課税価格に算入される評価基準時点(贈与時か相続開始時か)を確認し、贈与時の価額であるため不適切(×)と判断します。
- 記述②:2016年10月1日現在の教育資金一括贈与非課税特例における、贈与者死亡時の残額の課税関係を確認し、当時の法令では相続税の課税価格に算入されないため不適切(×)と判断します。
- 記述③:生前贈与加算(相続開始前3年以内)の適用対象者が「相続または遺贈により財産を取得した者」であることを確認し、財産を取得しない孫H・Iは加算対象外となるため適切(○)と判断します。
- 選択肢 ①不正解
- 相続時精算課税制度の適用を受けた財産は、相続開始時ではなく「贈与時の価額」で相続税の課税価格に算入されるため不適切です。
- 選択肢 ②不正解
- 本問の基準日時点の法令では、贈与者が死亡しても契約残額は相続税の課税価格に算入されない取扱いとなっていたため不適切です。
- 選択肢 ③正解
- 生前贈与加算は相続・遺贈により財産を取得した者に限定されるため、財産を取得しない孫H・Iへの贈与は加算されず適切です。
答えの内訳
- ①:×
- 相続時精算課税制度を適用した財産は、「相続開始時の評価額」ではなく「贈与時の相続税評価額」で相続税の課税価格に加算されます。
- ②:×
- 本試験の法令基準日(2016年10月1日時点)において、教育資金の一括贈与特例は管理契約期間中に贈与者が死亡しても残額は相続税の課税価格に算入されませんでした。
- ③:○
- 相続開始前3年以内の暦年贈与加算の対象は「相続または遺贈により財産を取得した者」に限られるため、財産を取得しない孫H・Iへの贈与は加算されません。
覚えるポイント
- 相続時精算課税の加算評価額は「贈与時の価額」(相続開始時ではない)。
- 暦年贈与の相続前加算対象は「相続や遺贈により財産を取得した者」に限定。
間違えやすいところ
- 相続時精算課税制度の財産評価を、相続時の時価で再評価すると誤認しやすいです。
- 法定相続人以外の孫等への贈与であっても、遺言等で遺贈を受ける場合は生前贈与加算の対象となる点に注意が必要です(本問の孫H・Iは遺贈も受けないため加算対象外)。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等(相続税法第19条、第21条の14~16、租税特別措置法第70条の2の2)
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 相続税の総額の計算 / 遺産に係る基礎控除額 / 代襲相続
被相続人Aさんの相続における課税遺産総額が3億6,000万円であった場合における、「遺産に係る基礎控除額」および「相続税の総額の基となる税額(妻Bさん、長男Dさん)」、ならびに「相続税の総額」を求め、表の空欄①~④に入る数値を計算しなさい。
解答・解説を表示
解答
① 6,000 ② 5,500 ③ 1,100 ④ 8,500
解説
相続税の総額の計算では、実際の遺産分割割合にかかわらず、課税遺産総額を民法に定める法定相続分に従って各法定相続人に按分し、それぞれの取得金額に超過累進税率を適用して各人ごとの税額を算出し、それらを合計して求めます。
解き方
- 親族関係図から代襲相続人を含めた法定相続人の構成を確定し、人数から遺産に係る基礎控除額を算出する。
- 課税遺産総額(3億6,000万円)を各法定相続人の法定相続分に応じて按分し、法定相続分に応ずる取得金額を計算する。
- 求めた各人の取得金額に相続税の速算表を適用してそれぞれの税額を算出し、それらを全て合算して相続税の総額を導く。
答えの内訳
- ①:6,000
- 法定相続人は、配偶者である妻Bさん、長男Dさん、二男Eさん、および死亡している長女Cさんを代襲相続した孫Fさん・孫Gさんの計5人であるため、基礎控除額は「3,000万円+600万円×5人=6,000万円」となります。
- ②:5,500
- 妻Bさんの法定相続分は1/2であり、法定相続分に応ずる取得金額は「3億6,000万円×1/2=1億8,000万円」となります。速算表より税額は「1億8,000万円×40%-1,700万円=5,500万円」です。
- ③:1,100
- 子全体の法定相続分1/2を、実子および代襲分(長女C、長男D、二男E)で均等分割するため、長男Dさんの法定相続分は「1/2×1/3=1/6」です。法定相続分に応ずる取得金額は「3億6,000万円×1/6=6,000万円」となり、速算表より税額は「6,000万円×30%-700万円=1,100万円」です。
- ④:8,500
- 法定相続人全員の算出税額を合算します。二男Eさんは長男Dさんと同額の1,100万円、孫Fさん・孫Gさんの取得金額はそれぞれ「3億6,000万円×1/12=3,000万円」で税額は各「3,000万円×15%-50万円=400万円」です。したがって相続税の総額は「5,500万円+1,100万円+1,100万円+400万円+400万円=8,500万円」となります。
覚えるポイント
- すでに死亡している子に子(被相続人の孫)がいる場合、その孫が代襲相続人となり、基礎控除や法定相続分の計算に含まれる。
- 相続税の総額は、遺言や遺産分割協議の内容にかかわらず、法定相続分通りに取得したものと仮定して算出する。
間違えやすいところ
- 遺言で財産を相続しないとされた二男Eさんや、代襲相続人である孫F・孫Gを法定相続人から除外して基礎控除を誤計算してしまう。
- 代襲相続人が複数人いる場合、被代襲者(本問では長女C)の法定相続分を代襲相続人間の人数で頭割りすることを忘れてしまう。
出題の前提:特に指示のない限り、2016年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2017年1月 2級 実技 個人資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2017年1月 2級 実技 個人資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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