日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2017年1月 2級 学科の概要
ファイナンシャル・プランナーと関連法規
ライフプランニングと資金計画 · FPの倫理と関連法規 / 税理士法 / 社会保険労務士法 / 宅地建物取引業法
ファイナンシャル・プランナー(FP)の顧客に対する業務行為について、関連法規に照らして最も適切な選択肢を1つ選んでください。
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解答
1
解説
FP業務においては、各種業法(税理士法・社会保険労務士法・保険業法・宅地建物取引業法等)による独占業務への抵触を防ぐため、資格がない場合は一般的な法解説や助言の範囲にとどめ、個別の書類作成・申請代行・媒介等を行わないことが求められます。
解き方
- 税理士法では、具体的な個別税額計算や申告書作成は資格が必要ですが、一般的な税法の解説は資格不要で認められることを確認します。
- 社会保険労務士法、保険業法、宅地建物取引業法における資格・登録・免許の有無と、許容される業務範囲(代理代行や募集行為の制限)を照らし合わせます。
- 各記述の行為が業法違反となるか適法であるかを判定し、適切なものを選択します。
- 選択肢 1正解
- 税理士資格を有しないFPであっても、顧客に対して確定申告の要件や税法の仕組みなどの一般的な説明を行うことは税理士法に抵触せず、適切です。
- 選択肢 2不正解
- 老齢基礎年金の繰上げ請求書の作成や請求代行は社会保険労務士法上の独占業務であり、資格がない者が行うことは有償・無償を問わず禁止されています。
- 選択肢 3不正解
- 保険業法に基づき、内閣総理大臣への生命保険募集人の登録を受けていない者が保険の募集や勧誘・販売を行うことはできません。
- 選択肢 4不正解
- 宅地建物取引業の免許を受けていない者が、反復継続して業として不動産の売買契約の代理や媒介を行うことは宅地建物取引業法に違反します。
覚えるポイント
- 税理士資格のないFPは、無償であっても顧客固有の具体的税額計算や確定申告書作成は不可、一般的な制度説明は可能。
間違えやすいところ
- 社労士業務や税理士業務は「無償であれば代行してもよい」と誤認しやすいですが、無資格で行うと無償でも違反になります。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
キャッシュフロー表作成における可処分所得の計算
ライフプランニングと資金計画 · 可処分所得 / キャッシュフロー表 / 給与所得者の所得
会社員Aさんの平成28年分の収入等に基づき、キャッシュフロー表の作成において算出される可処分所得として最も適切な数値を1つ選んでください。 <資料> [収入金額] 給与収入:750万円 [税金、所得控除の控除額] 所得税・住民税:65万円 雑損控除:50万円 社会保険料控除:80万円 医療費控除:10万円
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解答
3
解説
FP実務においてキャッシュフロー表を作成する際、給与所得者の「可処分所得(手取り収入)」は「年間給与収入金額 -(所得税 + 住民税)- 社会保険料」の算式で計算します。雑損控除や医療費控除などの所得控除項目は税額計算の過程で引くものであり、給与収入から直接差し引く支出ではありません。
解き方
- 可処分所得の算出公式「給与収入 - 税金(所得税+住民税)- 社会保険料」を確認します。
- 資料の「社会保険料控除」の金額(80万円)は、実際に支払った社会保険料と同額であることを確認します。
- 雑損控除(50万円)および医療費控除(10万円)は所得控除であるため、可処分所得の計算からは除外します。
- 750万円 - 65万円 - 80万円 = 605万円 を算出します。
- 選択肢 1不正解
- 給与収入から所得控除(雑損控除50万円、医療費控除10万円)まで過剰に差し引いた誤った計算です。
- 選択肢 2不正解
- 給与収入から雑損控除50万円を差し引いてしまうなど、所得控除を含めた誤った計算結果です。
- 選択肢 3正解
- 給与収入750万円から、所得税・住民税の合計65万円と社会保険料80万円を控除した605万円が正しい可処分所得です。
- 選択肢 4不正解
- 給与収入から所得税・住民税の65万円のみを控除し、社会保険料の控除を忘れている誤った計算です。
覚えるポイント
- 可処分所得 = 収入金額 - 税金(所得税+住民税) - 社会保険料。所得控除項目は引かない。
間違えやすいところ
- 医療費控除や雑損控除などの所得控除額を、給与収入から差し引く実際の支出と混同してしまうミスが多いです。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
全国健康保険協会の健康保険給付
ライフプランニングと資金計画 · 健康保険 / 出産育児一時金 / 傷病手当金 / 埋葬料 / 高額療養費
全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)の保険給付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
健康保険法に基づく各種の現金給付および現物給付には、法令で定められた定額給付(出産育児一時金・埋葬料など)や算定式に基づく給付(傷病手当金・高額療養費など)の要件が明確に規定されています。
解き方
- 健康保険における出産育児一時金の原則的な支給額(42万円)および例外規定の金額を確認する。
- 傷病手当金の支給額の算定基準(支給開始日以前12ヵ月間の標準報酬月額平均の30分の1の3分の2)と整合しているか確認する。
- 埋葬料の定額支給基準(5万円)や高額療養費の要件と照合し、誤りのある選択肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 傷病手当金の1日当たりの支給額は、原則として支給開始日の属する月以前の継続した12ヵ月間の標準報酬月額を平均した額の30分の1の3分の2に相当する額となります。
- 選択肢 2正解
- 産科医療補償制度に加入する分べん機関で出産した場合の支給額は原則1児につき42万円であり、40万4,000円ではありません(40.4万円は産科医療補償制度に未加入の医療機関等での出産等の場合)。
- 選択肢 3不正解
- 被保険者が業務外の事由で死亡したとき、被保険者により生計を維持されて埋葬を行う者に支給される埋葬料は定額5万円です。
- 選択肢 4不正解
- 同一月内に同一医療機関等に支払った一部負担金が自己負担限度額を超えた場合、その超過額が高額療養費として支給されます。
覚えるポイント
- 健康保険の出産育児一時金は原則42万円(産科医療補償制度加入機関の場合)
- 健康保険の埋葬料は生計維持関係のある埋葬を行う者に定額5万円支給
間違えやすいところ
- 産科医療補償制度加入時の額(42万円)と未加入等の場合の額(40.4万円)を取り違えること。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
労働者災害補償保険の各種給付
ライフプランニングと資金計画 · 労働者災害補償保険 / 休業補償給付 / 療養補償給付 / 障害補償給付 / 葬祭料
労働者災害補償保険の給付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
労災保険法において、業務災害または通勤災害による被災労働者等の救済のための保険給付(療養・休業・障害・遺族・葬祭など)が定められており、休業補償給付には3日間の待期期間が存在します。
解き方
- 休業補償給付の支給要件および待期期間(休業4日目からの支給)を確認する。
- 療養補償給付の一部負担金の有無(現物給付であり自己負担なし)を確認する。
- 障害補償給付および葬祭料の支給要件を確認し、不適切な選択肢を判断する。
- 選択肢 1正解
- 休業補償給付は業務上の事由による療養で賃金を受けない日の「第4日目」から支給され、初日からの3日間は待期期間となります。
- 選択肢 2不正解
- 労災指定医療機関で受ける「療養の給付」は現物給付であり、原則として労働者の自己負担(一部負担金)はありません。
- 選択肢 3不正解
- 業務上の傷病が治癒(症状固定)した後に一定の障害が残った場合、法定の障害等級に該当すれば障害補償給付(年金または一時金)が支給されます。
- 選択肢 4不正解
- 労働者が業務上の傷病により死亡した場合は、その葬祭を行う者に対して葬祭料(葬祭給付)が支給されます。
覚えるポイント
- 労災保険の休業(補償)給付は休業4日目から支給(初日から3日間は待期期間)
- 業務災害の待期期間の3日間は事業主が労働基準法上の休業補償義務を負う
間違えやすいところ
- 健康保険の傷病手当金と同様に「連続3日間の待期後、4日目から支給」というルールを見落とし、第1日目から支給されると誤認すること。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金の被保険者資格および保険料免除制度
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金の被保険者 / 任意加入被保険者 / 国民年金保険料の免除
国民年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
国民年金の強制加入被保険者の要件は「日本国内に住所を有すること」であり、国籍を問わず加入義務が生じます。一方、海外在住の日本人は任意加入制度が用意されています。
解き方
- 第1号被保険者の資格要件(日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満、国籍要件の有無)を確認する。
- 外国籍の者であっても要件を満たせば第1号被保険者となるため、「日本国籍を有する者のみ」とする記述を誤りと判定する。
- 選択肢 1正解
- 国民年金の第1号被保険者に国籍要件はなく、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であれば外国籍であっても対象となるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 日本国籍を有し海外に居住する20歳以上65歳未満の者は、第2号・第3号被保険者でない場合、任意加入被保険者となることができるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 障害基礎年金の受給権者や生活保護法の生活扶助を受けている第1号被保険者は、国民年金保険料の法定免除の対象となるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 申請免除には全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除の4段階があり、それぞれ本人・配偶者・世帯主の前年所得等に応じた所得基準が設けられているため適切です。
覚えるポイント
- 第1号被保険者は国内居住要件のみで国籍不問である点
- 法定免除の要件(障害基礎年金受給者、生活扶助受給者等)
間違えやすいところ
- 外国籍の住民には国民年金加入義務がないと誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺族厚生年金の給付額・支給期間・中高齢寡婦加算
ライフプランニングと資金計画 · 遺族厚生年金 / 30歳未満の子のない妻の有期給付 / 中高齢寡婦加算
遺族厚生年金に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 遺族厚生年金の額(中高齢寡婦加算額および経過的寡婦加算額を除く)は、原則として、死亡した者の厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の( ア )相当額である。 厚生年金保険の被保険者である夫が死亡し、子のない30歳未満の妻が遺族厚生年金の受給権を取得した場合、その遺族厚生年金の支給期間は、最長で( イ )である。 厚生年金保険の被保険者である夫が死亡し、子のない( ウ )以上65歳未満の妻が遺族厚生年金の受給権を取得した場合、その遺族厚生年金には、中高齢寡婦加算額が加算される。
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解答
4
解説
遺族厚生年金の支給額は報酬比例部分の4分の3相当額を基本とします。また、受給要件には受給権取得時の妻の年齢に応じた特例(30歳未満・子のない妻に対する5年間の有期給付、40歳以上65歳未満・子のない妻への40歳からの中高齢寡婦加算)が設けられています。
解き方
- 遺族厚生年金の原則的な年金額の割合が報酬比例部分の4分の3であることを確認する(ア=4分の3)。
- 子のない30歳未満の妻に対する遺族厚生年金の支給期間が5年間の有期給付であることを確認する(イ=5年)。
- 中高齢寡婦加算の対象となる子のない妻の夫死亡時年齢が40歳以上65歳未満であることを確認する(ウ=40歳)。
- 組み合わせとして(ア)4分の3、(イ)5年、(ウ)40歳となっている選択肢4を選択する。
- 選択肢 1不正解
- (イ)が5年ではなく10年、(ウ)が40歳ではなく35歳となっているため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- (ア)が4分の3ではなく3分の2、(ウ)が40歳ではなく35歳となっているため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- (ア)が4分の3ではなく3分の2、(イ)が5年ではなく10年となっているため不適切です。
- 選択肢 4正解
- (ア)4分の3、(イ)5年、(ウ)40歳というすべての語句の組み合わせが正しいため適切です。
覚えるポイント
- 遺族厚生年金額は原則として老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3
- 子のない30歳未満の妻に対する遺族厚生年金は5年間の有期給付
- 中高齢寡婦加算の受給要件は40歳以上65歳未満(夫死亡時に40歳以上等)
間違えやすいところ
- 遺族厚生年金の割合を「3分の2」と混同しないよう注意が必要です。
- 中高齢寡婦加算の年齢要件を35歳と誤認しないよう留意します。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金の併給調整
ライフプランニングと資金計画 · 公的年金の併給調整 / 障害基礎年金 / 遺族厚生年金 / 労災保険との調整
公的年金の併給調整等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
公的年金は原則として「1人1年金」の原則がありますが、65歳以降は受給権者の選択肢を広げるため、異なる事由の基礎年金と厚生年金の組み合わせ(障害基礎年金と老齢厚生年金、遺族厚生年金と老齢基礎年金など)が認められています。
解き方
- 65歳以降における基礎年金と厚生年金の組み合わせの特例ルールを確認する。
- 雇用保険の基本手当との併給調整の対象が特別支給の老齢厚生年金等に限られる点を確認する。
- 労災保険の年金給付と公的年金が併給される際、どちらが減額調整されるかを確認する。
- 選択肢 1正解
- 65歳以降は、障害基礎年金と老齢厚生年金を組み合わせて併給して受給することが可能です。
- 選択肢 2不正解
- 65歳以降は、老齢基礎年金と遺族厚生年金を両方併給して受給することができます。
- 選択肢 3不正解
- 雇用保険の基本手当との調整により支給停止となるのは60歳台前半の老齢厚生年金等であり、遺族厚生年金は支給停止されません。
- 選択肢 4不正解
- 同一事由で両方支給される場合、障害厚生年金は全額支給され、労災保険の障害補償年金側が減額調整されます。
覚えるポイント
- 65歳以降は「障害基礎+老齢厚生」や「老齢基礎+遺族厚生」の併給が可能。
- 公的年金と労災年金の併給調整では、公的年金が満額で労災側が減額される。
間違えやすいところ
- 雇用保険の基本手当による支給停止は、遺族年金や障害年金には適用されない点を見落としやすい。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等(国民年金法、厚生年金保険法、労働者災害補償保険法)
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
確定拠出年金制度の仕組みと税務
ライフプランニングと資金計画 · 確定拠出年金 / 個人型確定拠出年金 / マッチング拠出 / 小規模企業共済等掛金控除
確定拠出年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
確定拠出年金において加入者本人が拠出した掛金(個人型年金の掛金や、企業型年金のマッチング拠出による掛金)は、全額が所得控除である「小規模企業共済等掛金控除」の対象となり、所得税・住民税の軽減効果があります。
解き方
- 第1号加入者の掛金拠出限度額(月額68,000円枠内で付加保険料や国民年金基金との合算)を確認する。
- 第2号加入者の個人型掛金の納付方法(事業主経由の給与天引きなど)を確認する。
- マッチング拠出における加入者掛金の所得控除上の取扱い(全額控除)を確認する。
- 老齢給付金を一時金で受給する場合の所得区分(退職所得)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 第1号加入者の拠出限度額は月額68,000円であり、国民年金基金の掛金または付加保険料との合算枠(千円単位)となります。
- 選択肢 2不正解
- 企業の従業員である第2号加入者は、給与からの天引きにより事業主経由で掛金を納付することができます。
- 選択肢 3正解
- マッチング拠出により加入者が拠出する掛金は、2分の1ではなく「全額」が小規模企業共済等掛金控除の対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 確定拠出年金の老齢給付金を一時金で受け取る場合は、退職所得として所得税の課税対象になります。
覚えるポイント
- 確定拠出年金で加入者自身が拠出した掛金は、全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となる。
- 老齢給付金を一時金で受け取ると「退職所得」、年金で受け取ると「公的年金等控除適用の雑所得」となる。
間違えやすいところ
- 社会保険料控除や生命保険料控除などの一部控除と混同し、全額控除である小規模企業共済等掛金控除を「2分の1」と勘違いしやすい。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等(確定拠出年金法、所得税法)
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
中小企業退職金共済制度(中退共)の仕組み
ライフプランニングと資金計画 · 中小企業退職金共済制度 / 掛金負担 / 制度間移換 / 加入資格
中小企業退職金共済制度(中退共)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
中小企業退職金共済制度は、単独では退職金制度を設けることが困難な中小企業の従業員の福祉増進と雇用の安定を図る目的で作られた共済制度です。そのため掛金は事業主が全額を負担することが原則であり、全額が税法上の必要経費または損金に算入されます。
解き方
- 各選択肢に記載された中退共制度の対象者、掛金負担ルール、通算要件、企業規模拡大時の移行制度を確認する。
- 掛金は法令上、事業主が全額拠出することが義務付けられている点と選択肢2の記述を照らし合わせて不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 事業主と生計を一にする同居の親族であっても、常態として使用従属関係があり、一般の従業員と同様に賃金が支払われている実態が確認できれば中退共に加入できます。
- 選択肢 2正解
- 中退共の掛金は事業主が全額負担することが法律で義務付けられており、労使合意があったとしても従業員と折半して納付することはできません。
- 選択肢 3不正解
- 中退共の被共済者が退職して別の加入企業に再就職した場合、退職金を受け取らずに一定期間内に申し出るなどの所定の要件を満たすことで、掛金納付月数を通算できます。
- 選択肢 4不正解
- 企業の規模拡大などにより中小企業者でなくなった場合、解約手当金相当額を確定給付企業年金や企業型確定拠出年金へ移換することができます。
覚えるポイント
- 中退共の掛金は全額事業主負担であり、従業員負担(折半)は不可であること。
間違えやすいところ
- 健康保険や厚生年金保険のように労使折半ができると誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
貸借対照表に基づく安全性指標(流動比率・当座比率)の計算
ライフプランニングと資金計画 · 流動比率 / 当座比率 / 財務分析 / 短期支払能力
下記<A社の貸借対照表の抜粋>に基づき算出されるA社の安全性に関する財務比率に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。 <A社の貸借対照表の抜粋>(単位:百万円) [資産の部] 流動資産:300 現金及び預金:80 売掛金:120 製品及び商品:100 [負債の部] 流動負債:200 買掛金:100 短期借入金:70 未払法人税等:30 資産合計:1,000 負債・純資産合計:1,000
解答・解説を表示
解答
4
解説
企業の短期的な支払能力(安全性)を測定する指標として流動比率と当座比率があります。流動比率は「流動資産÷流動負債×100」で求められ、当座比率は換金性の特に高い当座資産を用いて「当座資産(現金及び預金+売掛金・受取手形等)÷流動負債×100」で求められます。
解き方
- 貸借対照表から、流動資産(300百万円)、当座資産(現金及び預金80百万円+売掛金120百万円=200百万円)、流動負債(200百万円)の数値を整理する。
- 流動比率の計算式(流動資産÷流動負債×100)および当座比率の計算式(当座資産÷流動負債×100)に当てはめ、各選択肢の算式・数値を比較検証する。
- 選択肢 1不正解
- 当座比率は当座資産を流動負債で除して計算します。当座資産(現金及び預金80+売掛金120=200)÷流動負債200×100=100%となります。
- 選択肢 2不正解
- 当座比率の分子である当座資産には現金及び預金だけでなく売掛金も含まれるため、分子を80のみとする計算は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 流動比率は「流動資産÷流動負債×100」で求めるものであり、「製品及び商品÷買掛金」で計算するものではありません。
- 選択肢 4正解
- 流動比率は「流動資産(300百万円)÷流動負債(200百万円)×100=150%」で正しく計算されています。
覚えるポイント
- 流動比率は「流動資産÷流動負債×100」、当座比率は「当座資産÷流動負債×100」で算出すること。
間違えやすいところ
- 当座比率の計算において、棚卸資産(製品及び商品)を当座資産に含めてしまったり、売掛金を当座資産から除外してしまったりする誤りに注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の一般的な商品性
リスク管理 · 生命保険 / 低解約返戻金型終身保険 / 収入保障保険 / 外貨建て保険 / 学資保険
生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
各種生命保険の特徴として、低解約返戻金型は払込期間中の解約返戻金を抑えることで保険料を安く設定し、収入保障保険の一時金受取は将来利息相当分が割り引かれます。また、外貨建て保険における円換算特約は受け取りの手続きを円貨で行う特約にすぎず為替変動リスクを排除するものではありません。
解き方
- 低解約返戻金型終身保険、収入保障保険、こども保険の基本商品性を確認し、それぞれの記述の正誤を判定する。
- 外貨建て保険における円換算特約の仕組みを確認し、為替リスク自体は受取人が負い回避できない点から不適切な記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 低解約返戻金型終身保険は、保険料払込期間中の解約返戻金を通常の約7割程度に低く抑えることで保険料を割安にしており、払込終了後は通常の終身保険と同水準の返戻金となります。
- 選択肢 2不正解
- 収入保障保険の保険金を年金形式ではなく一時金で一括受領する場合、将来支払われるはずの運用益相当分が割り引かれるため、受取額は年金形式の受取総額より少なくなります。
- 選択肢 3正解
- 円換算支払特約を付加することで外貨ではなく円貨で保険金等を受け取ることができますが、換算時の為替レートが適用されるため、為替変動リスク自体を回避することはできません。
- 選択肢 4不正解
- こども(学資)保険では、保険料払込免除特則により契約者である親が死亡した場合に以後の保険料払込が免除され、契約はそのまま継続して進学祝金や満期保険金を満額受け取ることができます。
覚えるポイント
- 外貨建て保険の円換算特約は円で受け取るための特約であり、為替リスクは回避できない。
間違えやすいところ
- 円換算特約によって為替リスクそのものをヘッジ・回避できると誤解しやすい。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人年金保険の一般的な商品性
リスク管理 · 個人年金保険 / 有期年金 / 終身年金 / 確定年金 / 変額個人年金保険
個人年金保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
個人年金保険には確定年金、有期年金、終身年金などの種類があります。保証期間のない契約では被保険者の生存が給付の要件となるため、死亡時には年金受給権が消滅します。一方、保証期間付や確定年金では被保険者の死亡後も残余保証期間に応じた年金または一時金が遺族に支払われます。
解き方
- 終身年金(保証期間付)、確定年金、変額個人年金保険それぞれの権利関係と給付要件を整理する。
- 保証期間のない有期年金において、被保険者死亡時に契約が終了するかどうかを確認し、不適切な選択肢を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 保証期間付終身年金では、保証期間内に被保険者が死亡した場合、遺族等の相続人が残りの保証期間に対応する年金または一時金を受け取ることができます。
- 選択肢 2正解
- 保証期間のない有期年金は被保険者が生存している期間のみ年金が支払われるため、期間中に死亡した場合はその時点で契約が終了し、残存期間分の年金現価などは支払われません。
- 選択肢 3不正解
- 確定年金は、被保険者の生死にかかわらず、契約時に定めた一定期間にわたって年金が確実に支払われる年金保険です。
- 選択肢 4不正解
- 変額個人年金保険の資産は一般勘定と分別された特別勘定(株式や債券中心の投資信託等)で運用され、その運用実績に伴う利益や損失はすべて契約者に帰属します。
覚えるポイント
- 保証期間のない有期年金や終身年金は、被保険者が死亡した時点で年金給付が終了する。
間違えやすいところ
- 有期年金と確定年金を混同し、有期年金でも残余期間について必ず一時金がもらえると誤認しやすい。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総合福祉団体定期保険の商品性
リスク管理 · 生命保険 / 団体保険 / 総合福祉団体定期保険
総合福祉団体定期保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
総合福祉団体定期保険は、企業等が従業員の死亡や高度障害に伴う遺族補償規定(弔慰金・死亡退職金規定)を円滑に履行するために加入する1年更新の定期保険です。加入にあたってはモラルリスク防止のため従業員の同意や告知が不可欠であり、保険料は原則全額損金算入されます。
解き方
- 総合福祉団体定期保険が1年定期の掛け捨て型死亡保障保険であり、生存退職金の原資にはならないことを確認する。
- 契約締結時の要件(被保険者の告知・同意の必要性)および税務上の取扱い(全額損金算入)と各特約の内容を照合して正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 総合福祉団体定期保険は1年更新の掛け捨て型定期保険であるため、死亡退職金や弔慰金の準備には活用できますが、定年退職による退職金の準備には活用できません。
- 選択肢 2正解
- 総合福祉団体定期保険の締結にあたっては、被保険者となる従業員の保険約款に基づく告知と、被保険者になることへの同意が必要です。
- 選択肢 3不正解
- 企業が役員・従業員を対象として負担した保険料は、原則としてその全額を損金(福利厚生費等)に算入することができます。
- 選択肢 4不正解
- ヒューマン・ヴァリュー特約は、役員・従業員の死亡または高度障害による企業の経済的損失(採用・育成費や売上減少等)を補填する特約であり、治療費や入院費を保障するものではありません。
覚えるポイント
- 総合福祉団体定期保険の保険料は原則として全額損金算入される。
- 被保険者となる従業員本人の同意および告知が契約締結時に必要である。
間違えやすいところ
- ヒューマン・ヴァリュー特約を傷害特約や医療特約のような治療費補償と誤認しないように注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人契約の生命保険に係る税金
リスク管理 · 生命保険 / 税金 / 所得税 / 相続税評価
個人が契約者(保険料負担者)である生命保険の税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
個人契約の生命保険に関する課税関係では、契約者・被保険者・受取人の関係によって所得税、相続税、贈与税が区分されます。また、保険事故未発生のまま契約者が死亡した場合に相続財産となる「生命保険契約に関する権利」は、解約返戻金相当額で評価されます。
解き方
- 一時払養老保険の5年超経過解約時の課税区分(一時所得)を確認する。
- 契約者=受取人パターンの死亡保険金(一時所得)および生前給付保険金(非課税)の取扱いを確認する。
- 契約者死亡時に相続税の対象となる生命保険契約に関する権利の評価方法(解約返戻金相当額)を確認し、誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 契約日から5年を超えて解約された一時払養老保険の差益(解約返戻金-正味払込保険料)は、金融類似商品としての源泉分離課税の対象外となり、一時所得として総合課税されます。
- 選択肢 2不正解
- 契約者(保険料負担者)と保険金受取人が同一人である保険契約で受け取った死亡保険金を一時金で受領した場合、一時所得として所得税の課税対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 被保険者本人やその配偶者・直系血族・生計を一にする親族が受け取る三大疾病保険金や介護保険金などの身体の傷害・疾病に起因する給付金は非課税です。
- 選択肢 4正解
- 契約者の死亡により相続人が取得した生命保険契約に関する権利の相続税評価額は、「解約返戻金相当額」によって評価され、既払込保険料相当額ではありません。
覚えるポイント
- 生命保険契約に関する権利の評価額は「解約返戻金相当額」である。
- 一時払養老保険は5年以内解約なら20.315%源泉分離課税、5年超なら一時所得となる。
間違えやすいところ
- 生命保険契約に関する権利の価額を「払込済保険料相当額」や「死亡保険金額」と混同しないようにする。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人が契約する生命保険契約の経理処理
リスク管理 · 法人保険の経理処理 / 長期平準定期保険 / 養老保険 / 解約返戻金
契約者(=保険料負担者)を法人、被保険者を役員とする生命保険契約(特約なし、保険料は年払い)の経理処理に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
法人契約の生命保険では、将来の受取人や保険の種類(貯蓄性があるか掛け捨てか)に応じて、保険料を資産計上(保険料積立金など)するか損金算入するかが規定されています。
解き方
- 保険の種類(養老、長期平準定期、終身、医療など)および満期・死亡保険金の受取人区分を確認します。
- 長期平準定期保険の前半6割相当期間における保険料の経理処理基準(2分の1資産計上・2分の1損金算入)と照合して誤りを特定します。
- 選択肢 1不正解
- 満期保険金および死亡保険金の受取人がともに法人である養老保険の保険料は、法人の貯蓄資産となるため全額を保険料積立金(資産)として計上します。
- 選択肢 2正解
- 長期平準定期保険(受取人が法人)の保険期間の前半6割相当期間では、保険料の全額ではなく2分の1を資産計上し、残りの2分の1を損金の額に算入します。
- 選択肢 3不正解
- 法人が契約者および給付金受取人となっている医療保険の入院給付金を受け取った場合、全額を益金(雑収入)として経理処理します。
- 選択肢 4不正解
- 終身保険を解約して法人が解約返戻金を受け取ったときは、受取金額とそれまで資産計上されていた保険料積立金との差額を雑収入または雑損失として計上します。
覚えるポイント
- 長期平準定期保険の前半6割期間は「2分の1資産計上・2分の1損金算入」である点。
間違えやすいところ
- 受取人が法人の養老保険(全額資産計上)と定期保険の処理ルールを混同しないように注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の税法および法人税基本通達に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
火災保険および地震保険の一般的な商品性
リスク管理 · 火災保険の補償内容 / 構造級別 / 地震保険の補償対象 / 地震保険の割引制度
火災保険および地震保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約は考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
地震保険は単独での加入ができず火災保険に付帯して契約する官民一体の保険であり、耐震性等に応じた割引制度が用意されていますが、割引の二重適用は認められていません。
解き方
- 火災保険の風災補償や構造級別の定義が正しいかを確認します。
- 地震保険の補償範囲(津波を含む)および4つの割引制度の適用ルール(重複適用の不可)を検討し、誤りを特定します。
- 選択肢 1不正解
- 火災保険では火災事故だけでなく、風災・雹災・雪災も基本補償等に含まれており、突風による窓ガラスや屋根の損害も補償の対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 専用住宅の火災保険における構造級別は、マンション等の「M構造」、耐火建築物等の「T構造」、非耐火木造等の「H構造」の3区分に分かれています。
- 選択肢 3不正解
- 地震保険は、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没・流失による損害を補償対象としています。
- 選択肢 4正解
- 地震保険の割引制度には「建築年割引」「耐震等級割引」「免震建築物割引」「耐震診断割引」の4種類がありますが、これらを重複して適用することはできず、いずれか1つのみが適用されます。
覚えるポイント
- 地震保険の4種類の割引制度は重複適用不可(いずれか1つのみ適用)。
間違えやすいところ
- 地震による津波損害は通常の火災保険では免責であり、地震保険で補償される点を見落としやすい。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令および一般的な損害保険商品規定に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
傷害保険の一般的な商品性
リスク管理 · 傷害保険 / 家族傷害保険 / 普通傷害保険 / 国内旅行傷害保険
傷害保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約は考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
傷害保険は「急激・偶然・外来」の事故による身体の傷害を補償する保険です。保険種目ごとに補償される事故の範囲(国内外・業務中か、交通災害限定か、旅行中限定か)や、被保険者となる家族の定義(別居の未婚の子が含まれるか等)が厳密に定められています。
解き方
- 各傷害保険(家族傷害保険、交通事故傷害保険、普通傷害保険、国内旅行傷害保険)の補償対象者や対象事故の範囲を確認する。
- 家族傷害保険における被保険者の範囲に「生計を一にする別居の未婚の子」が含まれる点に留意して各記述の正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- 家族傷害保険の被保険者は、本人、配偶者、生計を共にする同居の親族だけでなく、「生計を共にする別居の未婚の子」も含まれるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 交通事故傷害保険では、自動車や電車等だけでなく、エスカレーター、エレベーター、動く歩道なども交通乗用具に含まれるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 普通傷害保険は、国内外を問わず、日常生活や業務中の事故によるケガを幅広く補償するため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 普通傷害保険では原則補償されない細菌性食中毒やウイルス性食中毒について、国内旅行傷害保険では補償の対象となるため適切です。
覚えるポイント
- 家族傷害保険の対象には「生計を一にする別居の未婚の子(学生の一人暮らし等)」も含まれる。
- 国内旅行・海外旅行傷害保険では、細菌性食中毒も基本補償の対象となる。
間違えやすいところ
- 普通傷害保険と国内旅行傷害保険での食中毒の補償可否の相違を混同しないようにする。
- エスカレーターやエレベーターが交通乗用具に含まれることを見落とさないように注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令・保険実務基準
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
第三分野の保険の一般的な商品性
リスク管理 · 医療保険 / 特定疾病保障保険 / 所得補償保険 / ガン保険
第三分野の保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
医療保険やガン保険、特定疾病保障保険などの第三分野の保険では、給付金の支払事由や限度日数、保険金の支払による契約消滅の有無、同一疾病による再入院の通算ルール(180日ルール)が厳格に規定されています。
解き方
- 各選択肢に登場する保険(所得補償保険、特定疾病保障保険、ガン保険、医療保険)の支払条件や通算規定を順次照合する。
- 特定疾病保障保険は特定疾病保険金の受取によって契約が消滅することを確認し、正答を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 所得補償保険は、ケガだけでなく病気によって就業不能になった場合でも保険金が支払われるため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 特定(三大)疾病保障保険は、特定疾病保険金を受け取ると保険契約が消滅するため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 一般的なガン保険の入院給付金には、1入院あたりの限度日数や通算支払限度日数がなく、無制限に支払われるため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 同一疾病による再入院の場合、前回の退院日の翌日から180日以内の再入院であれば合算されますが、180日を超えている場合は新たな入院として扱われるため不適切です。
覚えるポイント
- 特定疾病保障保険は、特定疾病保険金または死亡・高度障害保険金のいずれかが支払われると契約が消滅する。
- 医療保険の1入院の通算規定では「退院日の翌日から180日以内の再入院」が同一の入院として合算される(180日超は別入院)。
- ガン保険の入院給付金の支払日数は原則として無制限である。
間違えやすいところ
- 所得補償保険を傷害保険のように「ケガのみ」と誤認しないように注意する(病気も対象)。
- 180日ルールの基準(180日以内なら合算、180日超なら新規入院)の判定を逆に解釈しないようにする。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令・保険実務基準
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損害保険を活用した家庭のリスク管理
リスク管理 · 個人賠償責任保険 / 車両保険 / 普通傷害保険
損害保険を活用した家庭のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
損害保険では保険種目や特約ごとに対象となる事故や免責事由が明確に定められています。特に個人賠償責任特約では他人に対する法律上の損害賠償責任を補償しますが、他者からの借用物(受託品)の損壊は補償対象外となる点に注意が必要です。
解き方
- 各記述におけるリスクの内容と選択された損害保険商品・特約の補償範囲を照合する。
- 個人賠償責任特約の免責事由(職務遂行上の賠償、受託品の損壊、同居親族間の賠償など)を確認し、誤っているものを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 自動車保険の車両保険において「一般条件(一般車両)」は、相手のある事故だけでなく電柱やガードレールとの単独接触事故(自損事故)による損害も補償対象となるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 火災保険の個人賠償責任特約は、本人だけでなく同居の親族等も被保険者となり、自転車運転中に歩行者に怪我をさせた場合の損害賠償金等を補償するため適切です。
- 選択肢 3正解
- 個人賠償責任特約では他人から借りた受託品に対する損壊損害は補償対象外(免責事項)とされているため、借りたビデオカメラの破損による損害は補償されず不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 普通傷害保険は国内外を問わず日常生活における急激かつ偶然な外来の事故によるケガを補償するため、草野球の練習中に負ったケガによる入院・通院も補償対象となり適切です。
覚えるポイント
- 個人賠償責任特約では「他人から借りた物(受託品)の損壊」や「業務中の事故」は補償対象外(免責)となります。
間違えやすいところ
- 個人賠償責任特約で他人の物を壊した賠償責任が広くカバーされると考え、借りた物(受託品)まで対象に含まれると誤解しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損害保険を活用した事業活動のリスク管理
リスク管理 · 企業分野の損害保険 / 機械保険 / 労働災害総合保険 / 生産物賠償責任保険 / 店舗休業保険
損害保険を活用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
企業活動に伴うリスク管理では、労災上乗せには労働災害総合保険、製品事故にはPL保険、休業損失には店舗休業保険、機械の不調には機械保険など、各損害保険の補償対象と免責条項に応じた適切な保険手配が重要です。
解き方
- 提示された事業活動のリスク事象(労災上乗せ、食中毒賠償、休業による利益損失、設備の火災)と対応する損害保険を確認する。
- 機械保険の補償対象(電気的・機械的事故)と免責事由(火災・落雷・爆発等)の規定を適用し、不適切な記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 労働災害総合保険は、政府の労災保険の上乗せ給付を行う「法定外補償保険」や、安全配慮義務違反等による「使用者賠償責任保険」から構成されており適切です。
- 選択肢 2不正解
- 生産物賠償責任保険(PL保険)は、製造・販売した製品の欠陥や提供した飲食物による食中毒などで他人に生じさせた法律上の損害賠償責任を補償するため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 店舗休業保険は、火災や爆発などの事故によって店舗の営業が休止・阻害された結果生じる喪失利益や継続費用(人件費や家賃等)を補償するため適切です。
- 選択肢 4正解
- 機械保険はショート等の電気的事故や破損等の機械的事故による損害を補償する保険であり、火災による損害は免責事由となっているため不適切です。
覚えるポイント
- 機械保険は「電気的・機械的事故」を補償し、「火災・落雷・爆発」等による損害は対象外(火災保険で担保)となります。
間違えやすいところ
- 機械設備そのものの保険であることから火災事故も機械保険の対象になると誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種経済指標の特徴と公表機関・算出方法
金融資産運用 · 経済指標 / 消費者物価指数 / マネーストック / 国際収支 / 有効求人倍率
主要な経済指標の概要、作成・公表機関、算出方法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
主要な経済指標については、どのような景気や経済状態を測定しているのかという内容だけでなく、公表する機関(官庁・日本銀行)および指標の計算式(分子と分母の関係)を正しく把握しておく必要があります。
解き方
- 各選択肢に挙げられた経済指標の作成・公表主体および定義内容が正確であるかを確認する。
- 有効求人倍率の定義式が「有効求人数÷有効求職者数(求職者1人に対して何件の求人があるか)」であることと照らし、計算式の正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 消費者物価指数(CPI)は、世帯が購入する家計に係る財やサービスの価格変動を測定する指標で、総務省が毎月作成・公表しています。
- 選択肢 2不正解
- マネーストック統計は、金融機関等から一般法人や個人などの経済主体へ供給されている通貨の総量を示す指標であり、日本銀行が作成・公表しています。
- 選択肢 3不正解
- 国際収支統計は、居住者と非居住者との間で行われたすべての経済取引を記録する統計で、財務省と日本銀行が共同で作成・公表しています。
- 選択肢 4正解
- 有効求人倍率は「月間有効求人数÷月間有効求職者数」によって求められます。求職者数を求人数で除す記述になっているため誤りです。
覚えるポイント
- 有効求人倍率=有効求人数/有効求職者数(厚生労働省公表)
- 消費者物価指数は総務省、マネーストック統計は日本銀行が作成・公表する。
間違えやすいところ
- 有効求人倍率の分子(求人数=仕事の数)と分母(求職者数=人手)の順序を混同してしまうミスに注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公募投資信託に係る各種費用(購入時・保有時・換金時)
金融資産運用 · 公募投資信託 / 購入時手数料 / 運用管理費用(信託報酬) / 信託財産留保額 / 監査報酬
一般的な公募投資信託の取引や保有に係る費用等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
投資信託に係る費用には、購入時に投資家が直接支払う購入時手数料、保有期間中に信託財産から日々差し引かれる運用管理費用(信託報酬)および監査費用等、換金時に基準価額から差し引かれる信託財産留保額があります。
解き方
- 投資信託を購入・保有・換金するそれぞれのタイミングで発生する費用と、その負担主体(直接負担か信託財産からの間接負担か)を整理する。
- 信託報酬の配分先(委託会社・販売会社・受託会社の3者)および信託財産留保額の趣旨(換金時のコスト分担)を確認して各肢の正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 銀行等の預貯金取扱金融機関経由で購入する場合であっても、ノーロードファンド等を除き原則として購入時手数料が発生します。
- 選択肢 2不正解
- 運用管理費用(信託報酬)は、委託会社、受託会社(信託銀行)、および販売会社(証券会社や銀行)の3者に配分されて支払われます。
- 選択肢 3正解
- 監査費用や組入有価証券の売買手数料などはファンドの信託財産から支払われるため、間接的に投資家全体の負担となります。
- 選択肢 4不正解
- 信託財産留保額は、投資信託を解約(換金)する際にかかるコストを補うため、換金代金(基準価額)から差し引かれる金額です。
覚えるポイント
- 信託報酬は、委託会社・販売会社・受託会社の3者にそれぞれ配分される。
- 信託財産留保額は途中で換金・解約する際に基準価額から差し引かれる費用である。
間違えやすいところ
- 販売会社には信託報酬が配分されないと誤解するミスに注意する(購入時手数料だけでなく信託報酬の一部も販売会社に支払われる)。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
債券の一般的な特徴と市場メカニズム
金融資産運用 · 債券投資 / 金利と債券価格 / 店頭取引 / 信用リスク
債券(個人向け国債を除く)の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
債券価格と市場金利はシーソーのように逆の動きをします。また、信用度が高い債券ほど債務不履行リスクが低いため利回りは低くなり、債券の流通市場は金融機関同士が直接取引する店頭取引(相対取引)が圧倒的多数を占めます。
解き方
- 市場金利と債券価格の逆相関関係について確認します(金利上昇時は価格下落、金利低下時は価格上昇)。
- 信用度(信用格付け)と利回り、途中売却における価格変動リスク、流通市場での主な取引形態(店頭取引が中心)を照らし合わせて各選択肢の正誤を判断します。
- 選択肢 1正解
- 一般に、市場金利が上昇すると債券価格は下落し、市場金利が低下すると債券価格は上昇するため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 利率と償還日が同じであれば、信用度が高い債券はデフォルトリスクが低く価格が高く買われるため、最終利回りは低くなります。
- 選択肢 3不正解
- 債券を満期償還日前に中途売却する場合、市場価格で売却されるため、市場動向により売却価格が額面価格を下回ることがあります。
- 選択肢 4不正解
- 国債や普通社債の流通市場における取引高は、取引所取引よりも金融機関同士の相対取引である店頭取引の方が大部分を占めています。
覚えるポイント
- 金利上昇=債券価格下落、金利低下=債券価格上昇(逆相関の関係)。
- 公社債の流通取引の大半は「店頭取引(相対取引)」で行われる。
間違えやすいところ
- 信用リスクが高い(信用度が低い)銘柄ほど、高いリスクプレミアムが上乗せされて利回りが高くなる点を逆に覚えないように注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式の信用取引の仕組みとリスク
金融資産運用 · 株式投資 / 信用取引 / 委託保証金 / 追加保証金(追証)
株式の信用取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
信用取引は、顧客が金銭や有価証券を委託保証金として証券会社に担保として預け入れることで、保証金額の約3.3倍までの取引を行えるレバレッジ取引です。担保価値の低下や建玉の評価損により維持率を下回ると追証が発生し、損失は保証金以上の金額に拡大するリスクがあります。
解き方
- 信用取引の基本ルール(委託保証金率、代用有価証券の利用可否、空売りの可否)を確認します。
- 相場変動時の追加保証金(追証)の発生要件や、元本超過損のリスクについて検討し、誤っている記述を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 委託保証金は現金の代わりに一定の掛目を乗じた上場株式等の代用有価証券で差し入れることができるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 委託保証金率が30%の場合、30万円の委託保証金で「30万円 ÷ 30% = 100万円」まで新規建てできるため適切です。
- 選択肢 3正解
- 相場変動により評価損が生じ維持率を下回った場合は追加保証金(追証)が必要となり、損失は委託保証金の範囲を超えて発生することがあるため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 信用取引では、資金を借りて買う「新規買い」だけでなく、株を借りて売る「新規売り(空売り)」から取引を開始できるため適切です。
覚えるポイント
- 信用取引では評価損等により保証金維持率を下回ると追証(追加保証金)が必要となる。
- 信用取引の損失は預けた委託保証金の範囲に限定されず、元本を超える損失が生じるリスクがある。
間違えやすいところ
- 「損失が委託保証金の範囲に限定される」という記述を、オプションの買い手などと混同して正しいと誤認しないように注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式指標の計算と判定
金融資産運用 · PBR / PER / ROE / 配当利回り
下記の<X社のデータ>に基づいて算出されるX社の各種株式指標(PBR、PER、ROE、配当利回り)に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。 <X社のデータ> 株価:2,000円 1株当たり配当金(年額):80円 1株当たり当期純利益:200円 1株当たり純資産:800円
解答・解説を表示
解答
4
解説
株式の投資指標は、株価や純資産・当期純利益・配当金の関係を比率として表したものであり、それぞれの分子・分母の定義を正しく把握して計算することが重要です。
解き方
- 与えられた株価(2,000円)、配当金(80円)、当期純利益(200円)、純資産(800円)を整理します。
- 各選択肢の指標(PBR、PER、ROE、配当利回り)の算式に数値を代入して正誤を判定します。
- 選択肢 1不正解
- PBRは「株価÷1株当たり純資産」で算出されるため、2,000円÷800円=2.5倍となり適切です。
- 選択肢 2不正解
- PERは「株価÷1株当たり当期純利益」で算出されるため、2,000円÷200円=10倍となり適切です。
- 選択肢 3不正解
- ROEは「1株当たり当期純利益÷1株当たり純資産×100」で算出されるため、200円÷800円×100=25%となり適切です。
- 選択肢 4正解
- 配当利回りは「1株当たり年間配当金÷株価×100」で算出されるため、80円÷2,000円×100=4%となり、10%とする本肢は不適切です。
覚えるポイント
- 配当利回りの分母は株価であり、1株当たり純資産や純利益と混同しないよう注意が必要です。
間違えやすいところ
- 配当利回りの計算において、分母を「株価(2,000円)」ではなく「1株当たり純資産(800円)」と誤認して80÷800=10%と計算してしまうミスに注意してください。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外貨建て資産の為替相場変動による投資利回りへの影響
金融資産運用 · 為替レート / 外貨建て債券ファンド / 為替差損益
個人が国内の金融機関を通じて行う外貨建て債券ファンドの取引に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 米ドル建て債券ファンド(為替ヘッジなし)を保有しているとき、米ドルに対する円の為替レートが円安に変動することは、当該ファンドの円換算の投資利回りの( ア )要因となる。反対に、為替レートが円高に変動したときは、当該ファンドの円換算の投資利回りの( イ )要因となる。このため、( ウ )局面では、為替レートの変動による損失が債券運用による収益を上回ると、円換算の投資利回りはマイナスになる。
解答・解説を表示
解答
2
解説
為替ヘッジなしの外貨建て資産は、外貨ベースの利回りだけでなく円と外貨の為替変動の影響を受け、円安になれば為替差益、円高になれば為替差損が発生します。
解き方
- 円安になると、外貨建て資産を円に換算した際の価値が増加するため、投資利回りの上昇要因になることを確認します。
- 円高になると、円換算での資産価値が減少して為替差損が生じるため、利回りの下落要因になり、損失が上回るとマイナス利回りになる関係を照合します。
- 選択肢 1不正解
- (ウ)が「円安」となっていますが、為替レートの変動により損失が発生するのは円高局面であるため不適切です。
- 選択肢 2正解
- (ア)上昇、(イ)下落、(ウ)円高の組み合わせであり、為替変動と投資利回りの関係を正しく示しています。
- 選択肢 3不正解
- (ア)と(イ)が逆になっており、円安は利回りの上昇要因、円高は下落要因であるため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- (ア)~(ウ)のすべての語句が反対の対応関係となっており不適切です。
覚えるポイント
- 外貨建て資産では「円安=為替差益(利回り上昇)」「円高=為替差損(利回り低下)」と整理して覚えます。
間違えやすいところ
- 円高と円安の定義を取り違え、円の数字が小さくなる(円高)と利益が出ると誤解しないように注意してください。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ポートフォリオ理論とリスク・リターン
金融資産運用 · ポートフォリオ理論 / 相関係数 / 期待収益率の加重平均 / シャープレシオ / システマティック・リスク
ポートフォリオ理論等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
ポートフォリオ運用では、異なる値動きをする資産を組み合わせることでリターンを維持しつつ全体のリスクを抑えることができます。相関係数はマイナス1からプラス1の範囲をとり、マイナス1に近いほどリスク低減効果が大きく、プラス1のときは分散投資の効果は得られません。
解き方
- 相関係数と分散投資の効果の関係を確認し、相関係数が1のときにリスク低減効果がどうなるかを判定する。
- ポートフォリオの期待収益率の計算、シャープレシオの算式、市場全体に関わるシステマティック・リスクの定義の整合性をそれぞれ検証する。
- 選択肢 1正解
- 相関係数が1のときは値動きが全く同一となるためリスク低減効果は得られません。分散投資の効果(リスクの低減)が最大となるのは、相関係数がマイナス1の場合です。
- 選択肢 2不正解
- ポートフォリオの期待収益率は各資産の期待収益率の加重平均となるため、「2.5%×40%+6.0%×60%=1.0%+3.6%=4.6%」となり適切です。
- 選択肢 3不正解
- シャープレシオは「(ポートフォリオの収益率-無リスク資産収益率)÷標準偏差」で計算され、リスク1単位当たりの超過リターンを表す指標として適切です。
- 選択肢 4不正解
- 市場全体の動向に起因するシステマティック・リスクは銘柄分散によって低減できず、低減できるのは個別銘柄固有のアンシステマティック・リスクであるため適切です。
覚えるポイント
- 相関係数はマイナス1で分散投資効果が最大、プラス1では効果なし
- システマティック・リスクは市場全体のリスクで分散投資でも消去不能
間違えやすいところ
- 相関係数がプラス1のときにリスク低減効果が最大になると誤認する
- システマティック・リスクと非システマティック(アンシステマティック)リスクを混同する
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
一般NISAの制度概要と税務上の取扱い
金融資産運用 · 少額投資非課税制度 / NISA / 損益通算 / 株式数比例配分方式
NISA(少額投資非課税制度)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、NISAにより投資収益が非課税となる口座をNISA口座という。
解答・解説を表示
解答
4
解説
NISA(少額投資非課税制度)口座内での上場株式や株式投資信託等の売買益や配当等は非課税となりますが、配当金については受取方法として「株式数比例配分方式」を選択していなければ非課税になりません。また、非課税口座内で発生した売却損は税務上「ないもの」と扱われ、他の課税口座との損益通算や繰越控除はできません。
解き方
- NISA口座の投資対象商品(上場株式、ETF、J-REIT、公募株式投資信託等)を確認する。
- NISA口座で発生した損失の税務上の取扱い(損益通算・繰越控除の可否)を検討する。
- 上場株式の配当金を非課税で受け取るための必須受取方式を判定する。
- 選択肢 1不正解
- NISA口座の対象には、上場株式だけでなく上場投資信託(ETF)や上場不動産投資信託(J-REIT)も含まれるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- NISA口座で発生した損失は税務上ないものとみなされるため、特定口座や一般口座の譲渡益・配当等との損益通算は行えません。
- 選択肢 3不正解
- NISA口座内の譲渡損失は税務上生じなかったものとして扱われるため、確定申告を行っても翌年以降3年間の繰越控除は適用できません。
- 選択肢 4正解
- NISA口座で保有する上場株式の配当金を非課税とするためには、配当金の受領方式として「株式数比例配分方式」を選択する必要があるため適切です。
覚えるポイント
- NISAの上場株式の配当金を非課税にするには株式数比例配分方式が必須
- NISA口座内の損失は税務上ないものとされ損益通算も繰越控除も不可
間違えやすいところ
- 配当領収証方式や登録配当金受領口座方式でも配当が非課税になると誤解する
- NISA口座内の売却損を特定口座の利益と損益通算できると誤認する
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資部門別株式売買動向の読み取り
金融資産運用 · 株式投資 / 需給動向 / 投資部門別売買状況
株式市場において各投資部門がどの程度売買しているかを示した下記<資料>に関する記述について、空欄(ア)~(エ)にあてはまる語句の組み合わせとして最も適切なものを選びなさい。 <資料>東証市場第一部[金額]委託内訳(抜粋) [個人] ・2012年:売り48.5兆円、買い46.6兆円 ・2013年:売り149.5兆円、買い141.0兆円 ・2014年:売り102.4兆円、買い98.6兆円 ・2015年:売り115.2兆円、買い110.2兆円 [海外投資家] ・2012年:売り158.6兆円、買い161.3兆円 ・2013年:売り317.3兆円、買い332.0兆円 ・2014年:売り327.0兆円、買い328.0兆円 ・2015年:売り410.1兆円、買い409.8兆円 [法人] ・2012年:売り24.4兆円、買い23.4兆円 ・2013年:売り41.2兆円、買い36.5兆円 ・2014年:売り37.7兆円、買い40.6兆円 ・2015年:売り44.3兆円、買い48.7兆円 [証券会社] ・2012年:売り9.6兆円、買い9.5兆円 ・2013年:売り12.7兆円、買い12.2兆円 ・2014年:売り9.9兆円、買い9.5兆円 ・2015年:売り9.9兆円、買い9.6兆円 「2012年、2013年、2014年をみると、個人は( ア )、海外投資家は( イ )ており、アベノミクス相場の渦中で、個人と海外投資家が( ウ )投資行動をとっていたことを読み取ることができる。また、2015年をみると、海外投資家が( ア )ており、海外投資家の売りと買いの合計で全体の約( エ )を占めていることが分かる。」
解答・解説を表示
解答
2
解説
投資部門別売買状況において、売付額が買付額を上回る状態を「売り越し」、買付額が売付額を上回る状態を「買い越し」と呼びます。全体の売買高に占める各投資部門の比率を把握することは市場動向の分析に重要です。
解き方
- 2012〜2014年の売買金額を比較し、個人は毎年「売り>買い」のため(ア)は「売り越し」、海外投資家は毎年「買い>売り」のため(イ)は「買い越し」と判定する。
- 個人が売り越しで海外投資家が買い越しであることから、両者の行動は(ウ)「相反する」となる。
- 2015年の全投資部門の売買合計に対する海外投資家の売買代金(410.1+409.8=819.9兆円)の割合を算出し、約7割(エ)であることを導く。
- 選択肢 1不正解
- (ア)売り越し、(イ)買い越しは正しいですが、個人と海外投資家は異なる行動をとっているため(ウ)は「一致する」ではなく「相反する」が適切です。
- 選択肢 2正解
- (ア)売り越し、(イ)買い越し、(ウ)相反する、(エ)7割の組み合わせが資料の数値および事実関係と完全に合致しています。
- 選択肢 3不正解
- 個人は買いより売りの方が多いため「買い越し」ではなく「売り越し」であり、(ア)と(イ)の判定が逆になっています。
- 選択肢 4不正解
- 個人は「売り越し」、海外投資家は「買い越し」であるため(ア)(イ)が誤りであり、(ウ)も「相反する」、(エ)も「7割」が適切です。
覚えるポイント
- 売付額>買付額は「売り越し」、買付額>売付額は「買い越し」を表す。
間違えやすいところ
- 買い越しと売り越しの用語を逆に解釈しないよう、売付と買付のどちらが大きいか確認すること。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等および公表統計データに基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
金融商品の取引に係る関係法令
金融資産運用 · 消費者契約法 / 金融商品取引法 / 犯罪収益移転防止法 / 金融商品販売法
金融商品の取引に係る各種法令に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」を犯罪収益移転防止法といい、「金融商品の販売等に関する法律」を金融商品販売法という。
解答・解説を表示
解答
3
解説
消費者契約法は不当な勧誘行為による契約の「取消権」や不当な契約条項の「無効」を定める法律です。重要事項の説明義務違反等に対して事業者に「損害賠償請求」を行える規定を置いているのは金融商品販売法です。
解き方
- 各法律が規定する救済手段(消費者契約法は取消し、金融商品販売法は元本割れ等の損害賠償請求)の違いを確認する。
- 記述3は消費者契約法に基づく損害賠償請求が可能としているため不適切と判断する。
- 記述1(デリバティブの包括規制)、記述2(代理取引時の本人確認)、記述4(勧誘方針の策定・公表義務)の正しさをそれぞれ確認する。
- 選択肢 1不正解
- 金融商品取引法では、有価証券関連のデリバティブ取引だけでなく、通貨や金利スワップなどの金融デリバティブ取引も広く規制対象に含まれます。
- 選択肢 2不正解
- 犯罪収益移転防止法において、代理人を通じた取引を行う場合、特定事業者は本人(本人特定事項)と代理人(本人特定事項および代理権)の双方を確認する必要があります。
- 選択肢 3正解
- 消費者契約法で認められているのは契約の「取消し」であり、同法を根拠とした損害賠償請求権の規定は設けられていません。
- 選択肢 4不正解
- 金融商品販売法第9条において、金融商品販売業者等はあらかじめ勧誘方針を策定し、公表しなければならないと規定されています。
覚えるポイント
- 消費者契約法は「取消し」、金融商品販売法は「損害賠償請求」を規定している。
間違えやすいところ
- 消費者契約法と金融商品販売法で消費者に与えられている法的救済手段(取消権と損害賠償請求権)を混同しやすい。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の基本原則と課税方式
タックスプランニング · 所得税の計算期間 / 超過累進税率 / 申告納税方式 / 課税方式
所得税の原則的な取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
所得税は個人が1月1日から12月31日までの1年間に得た所得に対して課される国税であり、納税者自らが税額を計算して申告・納付する申告納税方式および超過累進税率を採用しています。
解き方
- 所得税の課税期間(暦年単位の固定)および納税方式(申告納税方式)の基本原則を確認する。
- 課税総所得金額に対する税率構造(超過累進税率)および各種所得に対する3つの課税方式を照合して適切な記述を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 所得税の計算期間(課税期間)は原則として毎年1月1日から12月31日までの1年間と法定されており、届出により任意に定めることはできません。
- 選択肢 2不正解
- 課税総所得金額に対する所得税額は、所得が高くなるほど税率が高くなる超過累進税率(5%から45%の7段階)を適用して計算します。
- 選択肢 3不正解
- 所得税は納税者自らが税法に従って所得と税額を計算して申告・納付する「申告納税方式」を採用しています(賦課課税方式ではありません)。
- 選択肢 4正解
- 所得税の課税方法には、原則である総合課税のほか、例外として設けられている申告分離課税や源泉分離課税があり、記述は最も適切です。
覚えるポイント
- 所得税の課税期間は1月1日〜12月31日の暦年固定であること
- 所得税は申告納税方式、超過累進税率が原則であること
間違えやすいところ
- 法人税のように個人の事業年度・計算期間を任意に設定できると誤認しやすい
- 申告納税方式と賦課課税方式(固定資産税や住民税など)を混同しやすい
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種所得の金額計算における控除額の算定根拠
タックスプランニング · 利子所得 / 給与所得控除 / 退職所得控除 / 公的年金等控除
所得税における各種所得の金額の計算上、控除される金額に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、所得に係る収入金額については、いずれも最小限控除される額を超えているものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
所得税の所得金額は原則として「収入金額-必要経費(または所定の控除額)」で算出されますが、各所得の控除額の算定基準(収入金額基準、勤続年数基準、年齢基準など)は法令で個別に定められています。
解き方
- 各選択肢の所得(利子・給与・退職・雑)における所得金額の計算式および控除額の算定基準を列挙する。
- 退職所得控除額の算出基準が「収入金額」ではなく「勤続年数」であることを確認し、誤っている記述を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 利子所得の金額は「収入金額(受取利子の額)」そのものとされており、必要経費などの控除される金額はありません。
- 選択肢 2不正解
- 給与所得の金額は給与等の収入金額から、その収入金額に応じて所定の算式で計算される給与所得控除額を控除して求めます。
- 選択肢 3正解
- 退職所得控除額は収入金額に応じて計算されるのではなく、受給者の「勤続年数」に応じて計算されるため、記述は不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 公的年金等に係る雑所得の金額は、公的年金等の収入金額から受取人の年齢(65歳未満か65歳以上か)と収入金額に応じて計算される公的年金等控除額を控除して求めます。
覚えるポイント
- 退職所得控除額の計算基準は「勤続年数」であること
- 給与所得控除額は「給与等の収入金額」に応じて計算されること
- 公的年金等控除額は「年齢」と「収入金額」に応じて計算されること
間違えやすいところ
- 退職手当等の収入金額に応じて控除額が決まると誤解しやすい
- 利子所得に必要経費の控除が認められていると誤解しやすい
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総所得金額の計算と損益通算
タックスプランニング · 総所得金額 / 損益通算 / 不動産所得の損失 / 土地取得に係る負債の利子
Aさんの平成28年分の所得の金額が以下のとおりであった場合、所得税における総所得金額として、最も適切なものはどれか。なお、▲が付された金額は損失を意味する。 ・事業所得の金額:350万円(総合課税に係るもの) ・不動産所得の金額:▲100万円(不動産所得に係る土地の取得に要した負債の利子の額60万円を必要経費に算入している) ・雑所得の金額:▲80万円
解答・解説を表示
解答
4
解説
損益通算の対象となる所得は、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得(富士山乗業)の損失に限られます。不動産所得の損失のうち土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分は損益通算の対象外とされ、雑所得の損失も損益通算できません。
解き方
- 不動産所得の損失▲100万円から、損益通算の対象外となる土地取得に係る負債利子60万円を除外し、通算対象額を▲40万円と算出する。
- 雑所得の損失▲80万円は損益通算の対象外(切り捨て)であることを確認する。
- 事業所得350万円から通算対象の損失40万円を控除し、総所得金額310万円を求める。
- 選択肢 1不正解
- 不動産所得の損失100万円全額と雑所得の損失80万円のすべてを通算した誤った計算(350万-100万-80万=170万円)です。
- 選択肢 2不正解
- 土地取得に係る負債利子の除外を考慮せず、不動産所得の損失100万円全額を通算した誤った計算(350万-100万=250万円)です。
- 選択肢 3不正解
- 雑所得の損失80万円を通算してしまった誤った計算(350万-40万-80万=230万円、または土地負債利子のみ控除など不正確な計算)です。
- 選択肢 4正解
- 不動産所得の損失のうち通算可能な40万円のみを事業所得350万円から差し引いた310万円であり、正しい記述です。
覚えるポイント
- 損益通算できる損失は不動産・事業・山林・譲渡所得の4つのみであること
- 不動産所得の損失のうち土地取得に要した負債利子分は損益通算の対象外であること
間違えやすいところ
- 雑所得の損失を他の所得と損益通算できると勘違いすること
- 不動産所得の損失から土地負債利子を引かずに全額を通算してしまうこと
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等(平成28年分所得税法)
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の扶養控除の計算
タックスプランニング · 扶養控除 / 控除対象扶養親族 / 同居老親等 / 年少扶養親族
AさんおよびAさんと同居し生計を一にする親族の平成28年分の所得の金額は以下のとおりである。この場合のAさんの平成28年分の所得税における扶養控除の額として、最も適切なものはどれか。なお、年齢は平成28年12月31日現在のものである。 ・Aさん(49歳):給与所得600万円 ・Aさんの母(76歳):雑所得(公的年金等)30万円 ・Aさんの長男(14歳):所得なし
解答・解説を表示
解答
2
解説
扶養控除の対象となる扶養親族は、その年の12月31日時点で年齢16歳以上の親族で合計所得金額が38万円以下の者です(平成28年分)。70歳以上の老人扶養親族のうち、納税者または配偶者の直系尊属で常に同居している者(同居老親等)の控除額は58万円となります。なお、16歳未満の年少扶養親族に対する扶養控除はありません。
解き方
- 母(76歳、雑所得30万円)が合計所得金額38万円以下の要件を満たし、同居の直系尊属であるため「同居老親等」に該当することを確認する。
- 同居老親等の扶養控除額が58万円であることを特定する。
- 長男(14歳)は16歳未満の扶養親族に該当するため、扶養控除の対象外(控除額0円)であることを確認する。
- 控除額を合計して58万円を求める。
- 選択肢 1不正解
- 48万円は同居老親等以外の老人扶養親族(別居の老親等)に適用される控除額であり、本問では同居しているため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 母(76歳)は同居老親等に該当するため58万円、長男(14歳)は16歳未満で0円となり、合計58万円で適切です。
- 選択肢 3不正解
- 母を同居老親等(58万円)とし、長男を一般の扶養親族(38万円)と誤認して合算した額(58万+38万=96万)からさらに別な計算をした誤り、あるいは同居老親等以外の48万円と38万円を合算した誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 母の同居老親等控除58万円と、控除対象外である16歳未満の長男に一般扶養控除38万円を誤って加算した計算(58万+38万=96万円)です。
覚えるポイント
- 16歳未満の親族(年少扶養親族)は所得税の扶養控除の対象外であること
- 同居している70歳以上の直系尊属(同居老親等)の扶養控除額は58万円であること
間違えやすいところ
- 16歳未満の子どもにも一般扶養控除(38万円)が適用されると誤認すること
- 同居の老親に対する控除額(58万円)と別居の老人扶養親族の控除額(48万円)を混同すること
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等(平成28年分所得税法)
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得控除と税額控除の分類
タックスプランニング · 税額控除 / 所得控除 / 住宅借入金等特別控除
所得税の計算において、算出された所得税額から直接差し引くことができる「税額控除」に該当するものとして、最も適切なものを次の選択肢の中から1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
3
解説
所得税の控除には、総所得金額等の所得金額から差し引いて課税所得金額を算出する「所得控除」と、課税所得金額に税率を乗じて算出した所得税額から直接差し引く「税額控除」の2種類があります。
解き方
- 提示された各控除項目が所得控除なのか税額控除なのかを区分します。
- 小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、障害者控除は所得控除であり、住宅借入金等特別控除が税額控除であることを判定します。
- 選択肢 1不正解
- 小規模企業共済等掛金控除は、支払った掛金の全額を所得金額から控除する「所得控除」に該当します。
- 選択肢 2不正解
- 生命保険料控除は、支払った保険料に応じて所得金額から一定額を控除する「所得控除」に該当します。
- 選択肢 3正解
- 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は、算出された所得税額から直接控除する「税額控除」に該当します。
- 選択肢 4不正解
- 障害者控除は、本人や扶養親族が障害者である場合に所得金額から控除する「所得控除」に該当します。
覚えるポイント
- 住宅借入金等特別控除や配当控除は「税額控除」、基礎控除・配偶者控除・各種保険料控除などは「所得控除」に分類されます。
間違えやすいところ
- 「〜特別控除」という名称でも、青色申告特別控除や給与所得控除などの所得控除と、住宅借入金等特別控除などの税額控除が混同されやすいため注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
青色申告制度の承認申請手続および要件
タックスプランニング · 青色申告 / 青色申告承認申請手続 / 青色申告の対象所得
所得税における青色申告に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
2
解説
青色申告制度は一定水準の帳簿書類を備え付けて正確な記帳を行う納税者に税制上の特典を認める制度であり、適用対象は不動産所得・事業所得・山林所得に限られ、所定の期日までに税務署長へ承認申請書を提出する必要があります。
解き方
- 青色申告の対象所得(不動産所得、事業所得、山林所得)と帳簿書類の保存義務を確認します。
- 青色申告承認申請書の提出期限(既存事業者はその年の3月15日まで、新規開業者は開業から2カ月以内)を確認し、誤りのある選択肢を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 青色申告を行うことができる所得は、不動産所得、事業所得、山林所得を生ずべき業務を行う者に限られます。
- 選択肢 2正解
- すでに業務を行っている者がその年分から青色申告を適用する場合の提出期限は「その年の3月15日まで」であり、翌年3月15日ではありません。
- 選択肢 3不正解
- その年の1月16日以後に新規開業した場合は、業務を開始した日から2カ月以内に「青色申告承認申請書」を提出しなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 青色申告の適用を受けるためには、原則として正規の簿記等による帳簿書類を備え付けて記録し、一定期間(原則7年など)保存する義務があります。
覚えるポイント
- 青色申告承認申請書の提出期限は、既存業務者は「適用を受けようとする年の3月15日まで」、新規開業(1月16日以後)は「開業から2カ月以内」です。
間違えやすいところ
- 確定申告書の提出期限(翌年3月15日)と青色申告承認申請書の提出期限(その年の3月15日)を混同しやすいため注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税における損金算入の取扱い
タックスプランニング · 法人税 / 損金の額の計算 / 役員給与 / 租税公課
法人税における各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入される費用等として、次のうち最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
法人税の所得金額は益金の額から損金の額を控除して算出しますが、役員給与の恣意的な利益調整を防ぐ規定や、ペナルティ・税金の性格に応じた損金不算入規定が定められています。
解き方
- 役員給与の損金算入要件(定期同額給与、事前確定届出給与、業績連動給与)および不算入ルールを確認する。
- 減価償却費の償却限度額、租税公課(法人税・住民税・罰科金等)の損金不算入規定と照合して損金算入できる肢を特定する。
- 選択肢 1正解
- 役員に支給する給与のうち、定期同額給与(不相当に高額な部分などを除く)は原則として損金の額に算入されるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 損金経理した減価償却費のうち、税法上の償却限度額を超える部分(償却超過額)は損金不算入となります。
- 選択肢 3不正解
- 法人税および法人住民税(都道府県民税・市町村民税)の本税は、損金の額に算入されません。
- 選択肢 4不正解
- 事業税の本税は損金算入されますが、延滞や違反に対して課される延滞金や加算金はペナルティであるため損金不算入となります。
覚えるポイント
- 事業税の本税は損金算入できるが、法人税・法人住民税の本税や延滞金・過料は損金不算入となる。
間違えやすいところ
- 事業税の本税が損金算入可能であることから、延滞金まで損金算入できると誤認しないように注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
消費税の納税義務および手続き
タックスプランニング · 消費税 / 納税義務の判定 / 課税事業者選択届出書 / 確定申告期限
消費税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
消費税では、基準期間や特定期間の課税売上高、資本金要件により納税義務が判定されます。また、自ら課税事業者を選択した場合の手続き上の拘束期間が定められています。
解き方
- 基準期間および特定期間の課税売上高による免税判定ルール(原則1,000万円以下)を確認する。
- 課税事業者選択届出書を提出した場合の継続適用期間(原則2年間)を確認し、誤っている記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 基準期間の課税売上高が1,000万円以下であり、かつ特定期間の課税売上高(または給与等支払額)も1,000万円以下である法人は、原則として免税事業者となります。
- 選択肢 2正解
- 「消費税課税事業者選択届出書」を提出して課税事業者となった法人は、事業廃止の場合を除き、原則として「2年間」は免税事業者に戻ることができないため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 新設法人であっても、事業年度開始の日における資本金または出資金の額が1,000万円以上である場合は、設立1期目から納税義務が免除されず課税事業者となります。
- 選択肢 4不正解
- 個人事業者の消費税の確定申告および納期限は、所得税(翌年3月15日)とは異なり、原則として翌年3月31日までとされています。
覚えるポイント
- 課税事業者選択届出書の適用を受けた場合、免税事業者に戻るための不適用届出書を提出できるのは2年経過後(原則2年間継続)である。
間違えやすいところ
- 所得税の確定申告期限(3月15日)と個人事業者の消費税申告期限(3月31日)を混同しないようにする。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
会社と役員間の取引に係る税務
タックスプランニング · 役員と会社間の取引 / 役員給与 / 経済的利益の課税 / みなし譲渡所得
会社と役員間の取引に係る所得税および法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
会社と役員は法的に別個の人格であるため、取引は客観的な時価を基準として認識されます。時価と実際の取引価格に乖離がある場合や無利息等の有利な条件での取引については、経済的利益の供与や実質的な贈与として給与所得や受贈益の課税関係が生じます。
解き方
- 会社から役員への土地譲渡、役員から会社への土地譲渡における時価と取引価額の差額の税務上の取扱いを確認する。
- 個人から法人への資産譲渡においてみなし譲渡所得課税が適用される要件(時価の2分の1未満の譲渡)を整理する。
- 役員に対する低利・無利息融資についての経済的利益の認定および役員の所得税課税の有無を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 会社が所有する土地を時価より低額で役員に譲渡した場合、役員側は時価と譲渡価額の差額に相当する経済的利益を受けたものとして給与所得として課税されます。
- 選択肢 2不正解
- 会社が所有する土地を適正な時価よりも高い価額で役員に譲渡した場合、時価を超える部分は役員から会社への実質的な贈与とみなされ、会社側で受贈益として益金算入されます。
- 選択肢 3不正解
- 個人である役員が法人に対して資産を譲渡した際、譲渡対価が適正な時価の2分の1以上であれば、所得税法のみなし譲渡所得課税の対象外となり、原則通り実際の譲渡価額を基に譲渡所得が計算されます。
- 選択肢 4正解
- 会社が役員へ無利息で金銭を貸し付けた場合、適正な利率による利息相当額が役員に対する経済的利益として認定され、原則として給与所得として課税されます。
覚えるポイント
- 役員への無利息貸付けは利息相当額が経済的利益として役員の給与所得になる
- 個人から法人への低額譲渡は時価の2分の1未満でみなし譲渡所得課税となる
間違えやすいところ
- 会社と個人間の無利息貸付けにおいて、役員側に課税が生じないと誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
計算書類および法人税申告書
タックスプランニング · 会社法上の計算書類 / 法人税申告書別表四 / 決算調整と申告調整
会社法上の計算書類および法人税法上の法人税申告書に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
会社法で作成が義務付けられている計算書類は「貸借対照表」「損益計算書」「株主資本等変動計算書」「個別注記表」の4点です。法人税法では、企業会計上の決算純利益を基礎として、税法独自の規定に基づく加算・減算(申告調整)を別表四で行う「確定決算の原則」が採用されています。
解き方
- 会社法上の各計算書類(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表)の定義と開示内容を照合する。
- キャッシュ・フロー計算書が会社法上の計算書類に含まれるか否かを確認する。
- 法人税申告書別表四の役割(当期利益から法人税法上の所得金額を導き出す申告調整明細書)を確認し、正しい記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 一定時点における資産、負債、純資産の状態を示す計算書類は「貸借対照表」であり、損益計算書は一会計期間における経営成績を示すものです。
- 選択肢 2不正解
- キャッシュ・フロー計算書は金融商品取引法に基づく開示書類等で作成が求められるものであり、会社法に定める計算書類には含まれません。
- 選択肢 3不正解
- 純資産の部の一会計期間における変動額や株主資本の変動事由を報告する計算書類は「株主資本等変動計算書」であり、個別注記表ではありません。
- 選択肢 4正解
- 法人税申告書別表四は、会計上の当期利益または当期欠損の額に税法上の加算・減算の調整を行い、所得金額または欠損金額を算出する明細書です。
覚えるポイント
- 会社法の計算書類は貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・個別注記表の4つ
- 法人税申告書別表四は当期純利益から税法上の所得を算出する明細書
間違えやすいところ
- キャッシュ・フロー計算書を会社法の計算書類と混同しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の登記制度
不動産 · 不動産登記法 / 登記事項証明書 / 登記の公信力
不動産の登記に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
不動産登記制度は、不動産の物理的現況や権利関係を法務局の登記記録に公示して取引の安全と円滑を図る制度です。誰でも手数料を納めて登記事項証明書の交付を請求できる公開原則をとっていますが、登記に公信力(信じた者を保護する効力)は認められていません。
解き方
- 各選択肢について、不動産登記の編成単位、管理機関、公開性、法的効力(公信力の有無)を照合する。
- 登記事項証明書の交付請求は利害関係を問わず何人でも可能である旨が規定されている肢3を正答と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 日本の法制度において土地と建物はそれぞれ別個独立の不動産として扱われ、原則として一筆の土地、一個の建物ごとに別々の登記記録が作成されます。
- 選択肢 2不正解
- 不動産の登記記録は、市町村や特別区ではなく、その不動産の所在地を管轄する登記所(法務局・地方法務局等)に備え付けられます。
- 選択肢 3正解
- 不動産登記法第119条第1項の規定に基づき、利害関係の有無にかかわらず誰でも手数料を納付して登記事項証明書の交付を請求することができます。
- 選択肢 4不正解
- 日本の不動産登記には公信力が認められていないため、無権利者の登記を真実と信じて取引した場合であっても、原則としてその不動産の所有権を取得することはできません。
覚えるポイント
- 不動産登記には対抗力はあるが公信力はないため無権利者からの買主は保護されない点
- 登記事項証明書は利害関係のない第三者を含め誰でも手数料を納付すれば取得可能である点
間違えやすいところ
- 土地と建物を一体として1つの登記記録として扱っていると誤認すること
- 登記記録の管轄機関を固定資産税課等の市町村役場と混同すること
出題の前提:2016年10月1日施行の法令等(不動産登記法)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の価格の公的指標
不動産 · 地価公示価格 / 都道府県地価調査 / 相続税路線価 / 固定資産税評価額
不動産の価格に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
公的な不動産価格には、国土交通省の地価公示(基準日1月1日)、都道府県の都道府県地価調査(基準日7月1日)、国税庁の相続税路線価(公示価格の80%目安)、市町村等の固定資産税評価額(公示価格の70%目安・3年ごと評価替え)があり、それぞれの基準日や価格水準の違いを正確に把握する必要があります。
解き方
- 地価公示(1月1日基準)と都道府県地価調査(7月1日基準)の基準日を確認する。
- 相続税路線価(地価公示価格の80%程度目安)と固定資産税評価額(70%程度目安・3年ごと評価替え)の基準割合および更新サイクルを比較する。
- 肢3の「70%」という記述が誤り(正しくは80%)であることを特定し、最も不適切な選択肢として選ぶ。
- 選択肢 1不正解
- 地価公示法に基づき国土交通省の土地鑑定委員会が判定する公示価格の基準日は、毎年1月1日です。
- 選択肢 2不正解
- 国土利用計画法施行令に基づき都道府県知事が公表する基準地の標準価格の基準日は、毎年7月1日です。
- 選択肢 3正解
- 相続税路線価は、地価公示価格の80%程度を価格水準の目安として設定されています(70%程度を目安とするのは固定資産税評価額です)。
- 選択肢 4不正解
- 固定資産税評価額は、原則として3年ごとの基準年度(評価替え年度)に見直し・評価替えが行われます。
覚えるポイント
- 地価公示価格は1月1日基準、都道府県地価調査は7月1日基準であること
- 相続税路線価は公示価格の80%程度、固定資産税評価額は70%程度を目安とすること
間違えやすいところ
- 相続税路線価の目安割合(80%)と固定資産税評価額の目安割合(70%)を取り違えること
- 地価公示(1月1日)と地価調査(7月1日)の価格判定基準日を逆にしてしまうこと
出題の前提:2016年10月1日施行の法令等(地価公示法、地方税法、相続税法関連)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
宅地建物取引業法における媒介契約・報酬および重要事項説明
不動産 · 宅地建物取引業法 / 媒介契約 / 報酬限度額 / 重要事項説明
宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、買主は宅地建物取引業者ではないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅地建物取引業法では、取引の公正と消費者の保護を目的として、媒介契約の種類ごとの有効期間や業務報告義務、受領できる報酬の限度額、重要事項説明を実施すべき時期などが厳格に定められています。
解き方
- 各選択肢について、宅地建物取引業法上の媒介契約のルール、報告義務、報酬規定、重要事項説明の時期を照合する。
- 有効期間が最長3か月と定められている専任媒介契約に関する記述が正しいと判断する。
- 選択肢 1正解
- 専任媒介契約の有効期間は3か月を超えることができず、これを超える期間を定めたときはその期間は3か月となります。
- 選択肢 2不正解
- 一般媒介契約においては、宅地建物取引業法上の業務処理状況の報告義務は定められていません(専任媒介契約は2週間に1回以上、専属専任媒介契約は1週間に1回以上)。
- 選択肢 3不正解
- 宅地または建物の貸借の媒介において受領できる報酬の合計額は、貸主・借主の双方合わせて借賃の1か月分(消費税等別)が限度となります。
- 選択肢 4不正解
- 重要事項説明書の交付および説明は、契約が成立する前(売買契約の締結前)に行わなければなりません。
覚えるポイント
- 専任媒介契約の有効期間は最長3か月で報告義務は2週間に1回以上、専属専任は最長3か月で1週間に1回以上。
- 貸借の媒介報酬の合算限度額は借賃の1か月分+税、重要事項説明は契約締結前に実施する。
間違えやすいところ
- 一般媒介契約にも業務処理状況の報告義務があると誤認しやすい点に注意する。
- 重要事項説明の実施時期を「契約成立後」と混同しないように注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の宅地建物取引業法
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産売買契約における民法上の留意点(瑕疵担保責任・履行遅滞・危険負担)
不動産 · 民法 / 瑕疵担保責任 / 履行遅滞 / 危険負担
不動産の売買契約における民法上の留意点に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
基準日時点(2016年10月1日)の民法において、売買の目的物に隠れた瑕疵があったときの売主の瑕疵担保責任は法定の無過失責任とされ、買主は善意・無過失であれば損害賠償請求や契約解除が認められます。
解き方
- 民法上の瑕疵担保責任の性質(無過失責任、権利行使期間)を確認する。
- 債務不履行(履行遅滞)による解除の手続き(原則として相当期間を定めた催告が必要)を確認する。
- 基準日法令における特定物売買の危険負担(債権者主義)の原則を確認し、各肢の正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- 売主の瑕疵担保責任は無過失責任であるため、売主に過失がなかったとしても、隠れた瑕疵について原則として責任を負わなければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 瑕疵担保責任に基づく契約解除や損害賠償の請求は、買主が瑕疵の事実を知った時から1年以内に行わなければなりません(2年ではありません)。
- 選択肢 3不正解
- 売主の責めに帰すべき事由による履行遅滞が生じた場合、買主は相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がない場合に契約を解除することができます(直ちに無催告解除はできません)。
- 選択肢 4不正解
- 基準日当時の民法(危険負担の債権者主義)では、契約締結後に双方の責めに帰することができない天災等で特定物である建物が滅失した場合でも、買主の代金支払義務は消滅せず、売主は代金請求が可能です。
覚えるポイント
- 売主の瑕疵担保責任は無過失責任であり、権利行使期間は知った時から1年以内。
- 通常の履行遅滞による契約解除には、原則として相当期間を定めた履行の催告が必要。
間違えやすいところ
- 瑕疵担保責任の権利行使期間を「知った時から1年」ではなく「2年」や「引渡しから1年」と誤認しやすい。
- 履行遅滞と履行不能で解除における催告の要否が異なる点に注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法における普通借家契約の効力と対抗要件
不動産 · 借地借家法 / 普通借家契約 / 対抗力 / 存続期間
借地借家法における普通借家契約(定期建物賃貸借契約以外の建物賃貸借契約)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
借地借家法上の普通借家契約では賃借人の保護が手厚く図られており、契約成立に書面は不要であり、登記がなくても建物の引渡しを受けることで第三者に対抗できる対抗力が認められています。
解き方
- 普通借家契約の成立要件および対抗要件について関係法令の規定を確認する。
- 存続期間や解約・更新拒絶における賃貸人と賃借人の扱いの違いを比較検討して正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 普通借家契約は不要式契約であるため、書面を作成せず口頭の合意のみであっても有効に成立します。
- 選択肢 2不正解
- 存続期間を1年未満と定めた建物賃貸借は、1年とみなされるのではなく「期間の定めがない建物の賃貸借」とみなされます。
- 選択肢 3不正解
- 賃貸人からの更新拒絶には正当事由が必要ですが、賃借人からの更新拒絶には正当事由は不要です。
- 選択肢 4正解
- 借地借家法第31条第1項により、建物の賃貸借は登記がなくても建物の引渡しがあれば第三者に対抗することができます。
覚えるポイント
- 普通借家契約は口頭でも有効であり、1年未満の期間設定は期間の定めのない契約とみなされる。
間違えやすいところ
- 定期建物賃貸借では書面での契約締結が要件ですが、普通借家契約では書面がなくても有効である点を取り違えやすいです。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法における建築面積の最高限度の計算
不動産 · 建築基準法 / 建ぺい率 / セットバック / 建築面積の限度
建築基準法に基づき、次の条件の敷地(第一種中高層住居専用地域、指定建ぺい率50%、指定容積率150%、準防火地域、間口20m・奥行き15m、前面道路は法第42条第2項指定の幅員3m市道でがけ地・川等ではない)に耐火建築物である住宅を建築する場合の建築面積の最高限度として、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
建築面積の限度は「敷地面積×適用建ぺい率」で求めます。2項道路に面する土地では道路中心線から2m後退(セットバック)した線が道路境界線とみなされ、後退部分は敷地面積から除外されます。
解き方
- 道路幅員3mの2項道路において、中心線から2m後退するために必要なセットバック幅(2m-1.5m=0.5m)を算出する。
- 奥行き15mから0.5mを減じた有効奥行き14.5mに間口20mを乗じ、敷地面積(290m2)を求める。
- 本問の基準日時点では準防火地域内の耐火建築物に対する建ぺい率緩和はなく、角地指定もないため、指定建ぺい率50%を敷地面積290m2に乗じて建築面積の限度145m2を導く。
- 選択肢 1不正解
- 敷地面積290m2に対して指定建ぺい率50%を適用すると145m2となるため、130m2は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- セットバック後の敷地面積は290m2であり、建ぺい率50%を乗じた結果は140m2ではありません。
- 選択肢 3正解
- 敷地面積290m2(=20m×14.5m)に建ぺい率50%を乗じることで、建築面積の最高限度は145m2となります。
- 選択肢 4不正解
- セットバックを行わずに計算した場合の建築面積(300m2×50%=150m2)であり、道路後退を考慮していないため誤りです。
覚えるポイント
- 2項道路のセットバック部分は道路とみなされ、建築面積・延べ面積を計算する際の敷地面積から除外される。
間違えやすいところ
- 道路幅員が3mの場合の後退距離は、4mとの差である1mではなく、その半分の0.5m(中心線から2m)である点に注意が必要です。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の取得に係る税金(登録免許税および不動産取得税)
不動産 · 不動産取得税 / 登録免許税 / 相続と贈与の課税関係
不動産の取得に係る税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
不動産を取得した際には登録免許税(国税)と不動産取得税(地方税)が問題となります。登録免許税は登記手続きそのものに対して課されるため、原因が売買・贈与・相続のいずれであっても課税されます。一方、不動産取得税は形式的な所有権の移転である「相続による取得」については非課税とされています(贈与による取得は課税対象です)。
解き方
- 登録免許税について、贈与や相続に伴う所有権移転登記に対する課税の有無を確認する。
- 不動産取得税について、贈与と相続における課税・非課税の取り扱いを比較して不適切な記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 登録免許税は、贈与を原因とする所有権移転登記を行う際にも課税されます(税率は原則として不動産価額の1,000分の20です)。
- 選択肢 2不正解
- 登録免許税は、相続を原因とする所有権移転登記を行う際にも課税されます(税率は原則として不動産価額の1,000分の4です)。
- 選択肢 3不正解
- 不動産取得税は、無償の取得である贈与によって不動産を取得した場合であっても課税対象となります。
- 選択肢 4正解
- 相続(包括遺贈および相続人に対する特定遺贈を含む)による不動産の取得については、形式的な移転として不動産取得税は非課税とされているため不適切です。
覚えるポイント
- 不動産取得税は相続による取得では非課税だが、贈与による取得では課税される点。
間違えやすいところ
- 登録免許税は相続登記であっても非課税にはならず課税される(税率は0.4%)点と混同しやすい。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
居住用財産の譲渡に係る特例(3,000万円特別控除と軽減税率の特例)
不動産 · 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除 / 居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例 / 所有期間要件
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除(以下「3,000万円特別控除」という)と居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(以下「軽減税率の特例」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
居住用財産(マイホーム)を譲渡した際の税制優遇措置には、「3,000万円特別控除」と「10年超所有軽減税率の特例」があります。転居等により住まなくなった場合の譲渡期限(住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日)は共通ですが、所有期間の要件については3,000万円特別控除には要件がなく、軽減税率の特例には「譲渡した年の1月1日時点で10年超」という要件が設けられています。
解き方
- 3,000万円特別控除と軽減税率の特例について、譲渡期限の要件(居住しなくなってからの期限)を確認する。
- それぞれの特例における所有期間要件の有無および内容を確認し、誤っている選択肢を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 以前住んでいた家屋や敷地を譲渡する場合、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡することが要件の1つとされています。
- 選択肢 2不正解
- 軽減税率の特例においても、住まなくなった家屋等を譲渡する場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡する必要があります。
- 選択肢 3正解
- 3,000万円特別控除には所有期間の要件はありません。所有期間が10年以下であっても適用を受けることができるため、この記述は不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 軽減税率の特例の適用を受けるためには、譲渡した年の1月1日現在において、譲渡した居住用財産の所有期間が10年を超えている必要があります。
覚えるポイント
- 3,000万円特別控除には所有期間要件がなく、軽減税率の特例には譲渡した年の1月1日時点で10年超という要件がある。
間違えやすいところ
- 3,000万円特別控除と軽減税率の特例は重複適用が可能であるため、要件が同一であると誤認しやすい。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
土地の有効活用手法の特徴
不動産 · 等価交換方式 / 定期借地権方式 / 建設協力金方式 / 事業受託方式
土地の有効活用の手法の一般的な特徴についてまとめた表の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 [土地有効活用手法の比較] ・等価交換方式:土地の所有権移転「有」、事業推進主体「デベロッパー」、建設資金負担の要否「( ア )」 ・事業受託方式:土地の所有権移転「無」、事業推進主体「デベロッパー」、建設資金負担の要否「必要」 ・定期借地権方式:土地の所有権移転「無」、事業推進主体「( イ )」、建設資金負担の要否「不要」 ・建設協力金方式:土地の所有権移転「( ウ )」、事業推進主体「Aさん」、建設資金負担の要否「不要(全部または一部)」
解答・解説を表示
解答
2
解説
土地の有効活用には主に等価交換方式・事業受託方式・定期借地権方式・建設協力金方式などがあります。所有権が移転するかどうか、事業の企画・推進を誰が行うか、建物の建築資金を土地所有者が負担するかどうかの3つの観点から各手法の違いを整理して理解することが重要です。
解き方
- 等価交換方式は、土地所有者が土地の一部をデベロッパーに譲渡し、デベロッパーが建設費を全額負担して建物を建築し、それぞれの出資割合に応じて土地・建物を按分所有する方式であるため、Aさんの建設資金負担は「不要」となります(ア)。
- 定期借地権方式は、土地に定期借地権を設定してデベロッパー等の借地人に貸し出し、借地人が自ら建物を建築・運営する手法であるため、事業推進主体は「デベロッパー」となります(イ)。
- 建設協力金方式は、入居予定テナント等から建設資金の全部または一部を建設協力金(無利息または低利の差入保証金等)として借り入れて土地所有者自らが建物を建築する手法であるため、土地所有権の移転は「無」となります(ウ)。
- 以上の組み合わせから、(ア)不要、(イ)デベロッパー、(ウ)無となる選択肢2を選択します。
- 選択肢 1不正解
- 等価交換方式ではデベロッパーが建設費を拠出するためAさんの資金負担は不要であり、定期借地権方式の事業推進主体は借地人(デベロッパー等)であるため誤りです。
- 選択肢 2正解
- (ア)不要、(イ)デベロッパー、(ウ)無という組み合わせは、各有効活用手法の定義および特徴に完全に合致しており適切です。
- 選択肢 3不正解
- 等価交換方式における土地所有者の建設資金負担は不要であり、また建設協力金方式では土地所有権の移転は生じない(無)ため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 定期借地権方式で事業を企画・推進して建物を建設するのは借地人(デベロッパー等)であり、建設協力金方式で土地所有権の移転はないため誤りです。
覚えるポイント
- 等価交換方式:土地所有権の一部移転「有」、建設資金負担「不要」
- 定期借地権方式:土地所有権移転「無」、事業主体「借地人(デベロッパー等)」、資金負担「不要」
- 建設協力金方式:土地所有権移転「無」、事業主体「土地所有者」、入居予定テナントから資金調達
間違えやすいところ
- 等価交換方式と事業受託方式の違い(事業受託方式では土地所有権は移転せず、建設資金も土地所有者が自ら調達・負担する)を混同しないように注意する。
- 建設協力金方式ではテナントから資金を借りて土地所有者が建物を建てるため、所有権は移転しない点を誤解しやすい。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の投資判断手法(DCF法・NPV法・IRR法・レバレッジ効果)
不動産 · DCF法 / NPV法 / IRR法 / レバレッジ効果
不動産の投資判断の手法等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
不動産の収益性評価には、貨幣の時間価値を考慮したDCF法(ディスカウント・キャッシュフロー法)やNPV法、IRR法が用いられます。また、融資を利用した投資では、総投下資本収益率(総合利回り)と借入金利との関係によって自己資本に対する投資利回りが変動するレバレッジ効果が重要となります。
解き方
- DCF法は保有期間中の純収益および保有期間終了時の復帰価格を現在価値に割り引いて合計する手法であり、記述1は適切であることを確認します。
- NPV法では、収益の現在価値合計から投資額の現在価値合計を差し引いた正味現在価値(NPV)がプラス(収益の現在価値>投資額の現在価値)であれば有利と判定するため、記述2は適切であることを確認します。
- IRR法では、投資額の現在価値と将来キャッシュフローの現在価値の合計が等しくなる割引率(内部収益率)を求め、それが投資家の期待収益率(要求収益率)を上回っていれば有利と判定するため、記述3は適切であることを確認します。
- レバレッジ効果について検討すると、総投下資本に対する収益率が借入金利を上回っている(総収益率>借入金利)ときに自己資金収益率が高まる正のレバレッジ効果が生じます。下回っている場合は自己資本収益率が押し下げられるため、記述4は不適切と判断します。
- 選択肢 1不正解
- DCF法(Discounted Cash Flow法)は、連続する複数期間に発生する純収益と期間末の復帰価格(売却価格等)を現在価値に割り引いて合算し収益価格を求める手法であり適切です。
- 選択肢 2不正解
- NPV法(正味現在価値法)では、将来得られるキャッシュフローの現在価値合計から初期投資額(投資の現在価値)を引いた純額(NPV)が正(NPV>0)の場合に有利と判断するため適切です。
- 選択肢 3不正解
- IRR法(内部収益率法)では、NPVがゼロとなる割引率である内部収益率(IRR)が投資家の期待収益率(ハードルレート)を上回っている場合に投資有利と判定するため適切です。
- 選択肢 4正解
- レバレッジ効果により自己資金に対する収益率向上が期待できるのは、総投下資本に対する収益率が借入金金利を「上回っている」場合であり、「下回っている」とする本記述は不適切です。
覚えるポイント
- NPV > 0(収益の現在価値 > 投資額)で投資有利
- IRR > 期待収益率(要求収益率)で投資有利
- 正のレバレッジ効果:総投下資本収益率 > 借入金利のときに自己資金収益率が上昇する
間違えやすいところ
- レバレッジ効果の正負の条件(総収益率と借入金利の大小関係)を逆に覚えてしまい、借入金利が高いときにも有利になると誤認するミスに注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の課税財産および非課税財産の判定
相続・事業承継 · 贈与税 / 課税財産 / 非課税財産 / 法人からの贈与 / 死因贈与
贈与税の課税財産および非課税財産の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
贈与税は個人から財産の贈与を受けた個人に課される税金であり、法人から個人への贈与は所得税の課税対象となります。また、扶養義務者間の生活費・教育費や、離婚による適正な財産分与などは非課税財産とされています。
解き方
- 贈与者と受贈者の属性(個人間か、法人と個人か)を確認し、贈与税と所得税の適用関係を判別します。
- 個々の財産取得原因(扶養義務、離婚に伴う分与、死因贈与など)について法令上の非課税や相続税適用の規定に照らして正誤を判断します。
- 選択肢 1正解
- 個人が法人からの贈与によって取得した財産は、贈与税ではなく所得税(一時所得等)の課税対象となるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 扶養義務者相互間において生活費または教育費に充てるために贈与を受けた財産のうち、通常必要と認められるものは非課税となります。
- 選択肢 3不正解
- 離婚による財産分与で取得した財産は、夫婦の協力によって得た財産の額等を考慮して社会通念上相当な範囲であれば贈与税は課されません。
- 選択肢 4不正解
- 死因贈与により取得した財産は、税法上は遺贈により取得したものとみなされて相続税の課税対象となるため、贈与税は課されません。
覚えるポイント
- 法人から個人への贈与は所得税(一時所得など)、個人から個人への贈与が贈与税の課税対象となる点。
間違えやすいところ
- 死因贈与という名称から贈与税の対象と誤認しやすいが、相続税法上は遺贈とみなされ相続税が課される点。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の税額計算(基礎控除・配偶者控除・相続時精算課税)
相続・事業承継 · 贈与税の計算 / 暦年課税 / 贈与税の配偶者控除 / 相続時精算課税
贈与税の計算に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
贈与税の暦年課税では受贈者1人につき年間110万円の基礎控除があり、税率は超過累進税率です。配偶者控除では最高2,000万円、相続時精算課税制度では特定贈与者ごとに累計2,500万円までの特別控除が認められます。
解き方
- 暦年課税の基礎控除が受贈者単位で年110万円であること、および税率構造が累進税率であることを確認します。
- 各種特例(贈与税の配偶者控除の最高2,000万円、相続時精算課税の最高2,500万円)の控除限度額を照合して適切な肢を選びます。
- 選択肢 1不正解
- 暦年課税の基礎控除は受贈者(もらう人)1人につき年間110万円であるため、複数の者から贈与を受けても基礎控除額は最高で110万円です。
- 選択肢 2不正解
- 暦年課税における贈与税の税率は一律20%ではなく、基礎控除後の課税価格に応じた10%から55%の超過累進税率が適用されます。
- 選択肢 3正解
- 贈与税の配偶者控除では、基礎控除額(110万円)のほかに最高で2,000万円を課税価格から控除することができます。
- 選択肢 4不正解
- 相続時精算課税制度における特別控除額は、特定贈与者ごとに累計で最高2,500万円であるため不適切です。
覚えるポイント
- 暦年課税の基礎控除は受贈者1人あたり年間110万円、配偶者控除は最高2,000万円、精算課税の特別控除は累計2,500万円。
間違えやすいところ
- 贈与税の基礎控除を贈与者の人数分(父と母で220万円など)使えると混同しないように受贈者単位である点を押さえる。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の配偶者控除の適用要件と特例措置
相続・事業承継 · 贈与税の配偶者控除 / 居住用不動産 / 生前贈与加算の除外
贈与税の配偶者控除(以下「本控除」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)は、婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産またはそれを取得するための金銭の贈与が行われた場合に、基礎控除とは別に最高2,000万円まで控除できる制度です。
解き方
- 各選択肢の記述について、適用要件(対象財産、婚姻期間、同一配偶者からの適用回数、相続開始前贈与の加算除外)を法令に基づき照合します。
- 対象財産について用途の別を問わないとしている選択肢4が明らかな誤り(不適切)であると判断します。
- 選択肢 1不正解
- 同一の配偶者からの贈与について、本控除の適用を受けられるのは一生に一度(1回)限りです。
- 選択肢 2不正解
- 本控除の適用を受けた金額に相当する財産は、贈与者が3年以内に死亡した場合でも、生前贈与加算の対象外とされます。
- 選択肢 3不正解
- 本控除の適用を受けるためには、婚姻期間が贈与のあった日において20年以上であることが要件とされています。
- 選択肢 4正解
- 本控除の対象となる財産は「居住用不動産」または「居住用不動産を取得するための金銭」に限定され、事業用不動産は対象外です。
覚えるポイント
- 婚姻期間20年以上の配偶者間での居住用不動産等贈与が対象で、最高2,000万円まで控除可能です。
間違えやすいところ
- 相続開始前3年以内の贈与であっても、配偶者控除相当額は相続税の課税価格に加算されない点を見落とさないように注意しましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
兄弟姉妹の相続における代襲相続の範囲と養子の相続権
相続・事業承継 · 法定相続人 / 代襲相続 / 兄弟姉妹の相続 / 再代襲の制限
親族関係図に基づき、被相続人Aさん(配偶者・子なし、父母B・Cは死亡済み)に係る相続税法上の法定相続人として、最も適切なものはどれか。なお、FさんはBさんおよびCさんの普通養子であり、兄弟Dさんは死亡しその子Gさんも死亡、Gさんの子にHさんがいる。
解答・解説を表示
解答
3
解説
被相続人に配偶者・直系卑属・直系尊属がいない場合、第3順位として兄弟姉妹が法定相続人となります。養親を同じくする養子も兄弟姉妹に含まれますが、兄弟姉妹の代襲相続は被相続人の甥・姪(子)までで打ち切られ、再代襲は認められません。
解き方
- 被相続人Aさんの相続順位を確認します。配偶者・子がなく、直系尊属(父母B・C)が他界しているため、第3順位である兄弟姉妹が相続人となります。
- 兄弟姉妹関係を判定します。実の兄弟であるEさん、および両親B・Cの普通養子であるFさんはAさんの兄弟姉妹として相続権を有します。
- 代襲相続の可否を判定します。死亡している兄弟Dさんの子Gさんも死亡しており、その子Hさんは「兄弟姉妹の孫(甥・姪の子)」にあたります。兄弟姉妹の相続では再代襲が認められないため、Hさんは相続人になりません。したがって法定相続人はEさんとFさんの2名となります。
- 選択肢 1不正解
- 兄弟姉妹の相続においては再代襲が認められないため、甥の子であるHさんは法定相続人に含まれません。
- 選択肢 2不正解
- 両親の普通養子であるFさんも兄弟姉妹として相続権を有し、再代襲のできないHさんは相続人になれません。
- 選択肢 3正解
- 存命の兄弟であるEさんと、父母の養子として兄弟関係にあるFさんの2名が法定相続人となります。
- 選択肢 4不正解
- 父母BさんおよびCさんの養子となったFさんもAさんの兄弟姉妹にあたるため、相続人から除外することは誤りです。
覚えるポイント
- 直系卑属の代襲相続は何代でも再代襲できますが、兄弟姉妹の代襲相続は甥・姪(一代限り)で打ち切られます。
間違えやすいところ
- 被相続人の兄弟姉妹の養子縁組による身分関係や、兄弟姉妹の相続における再代襲の不可の規定を混同しないように注意しましょう。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法上の法定相続分および指定相続分
相続・事業承継 · 法定相続分 / 指定相続分 / 代襲相続
民法における相続分に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
民法上の相続分には、遺言による指定相続分と民法が規定する法定相続分があります。代襲相続人の相続分は、原則として本来相続人となるはずであった被代襲者が受けるべきであった相続分と同じ割合が承継されます。
解き方
- 遺言による相続分の指定や第三者への委託が可能である旨(民法第902条)を確認します。
- 配偶者と他の相続人(直系尊属、兄弟姉妹)との組み合わせにおける法定相続分の割合を照合します。
- 代襲相続人が承継する法定相続分の規定(民法第901条)を確認し、誤りを含む肢を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 民法第902条に基づき、被相続人は遺言で共同相続人の相続分を定め、またはこれを定めることを第三者に委託することができます。
- 選択肢 2不正解
- 相続人が配偶者と直系尊属である場合、法定相続分は配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1となります。
- 選択肢 3不正解
- 相続人が配偶者と兄弟姉妹である場合、法定相続分は配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1となります。
- 選択肢 4正解
- 代襲相続人の法定相続分は被代襲者が受けるべきであった相続分と同じであり、2分の1になるわけではありません(代襲者が複数の場合は頭割りで等分します)。
覚えるポイント
- 法定相続分の配分割合(子:1/2、直系尊属:1/3、兄弟姉妹:1/4、残りが配偶者)を確実に記憶しましょう。
間違えやすいところ
- 代襲相続人の相続分が半分になると混同しないよう注意が必要です。被代襲者の相続分をそのまま代襲相続人間で均等に分けます。
出題の前提:平成28年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の課税財産と非課税・生前贈与加算
相続・事業承継 · 本来の相続財産 / みなし相続財産 / 損害賠償金 / 生前贈与加算
相続税の課税財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
相続税の課税対象には、本来の相続財産(金銭債権等を含む)や一定の死亡退職金等のみなし相続財産が含まれます。一方で、加害者側から支払われる不法行為等の損害賠償金は遺族固有の権利に基づく非課税財産として扱われます。
解き方
- 売掛金などの債権が本来の相続財産に該当するかを確認します。
- 自動車事故等の対人賠償保険金(損害賠償金)の税法上の取扱い(相続税非課税)を照合します。
- 生前贈与加算の対象者が「相続または遺贈により財産を取得した者」に限定される点を確認します。
- 死亡退職金がみなし相続財産となる期間要件(死亡後3年以内確定)を確認します。
- 選択肢 1不正解
- 被相続人が有していた事業上の売掛金などの金銭債権は、金銭的価値を有する本来の相続財産として相続税の課税対象となります。
- 選択肢 2正解
- 交通事故等により遺族が受け取る対人賠償保険金などの損害賠償金は、不法行為に基づく遺族固有の損害補填であり、相続税の課税対象にはなりません。
- 選択肢 3不正解
- 相続開始前3年以内の贈与加算は「相続または遺贈により財産を取得した者」が対象となるため、財産を取得しなかった母の贈与財産は加算されません。
- 選択肢 4不正解
- 被相続人の死亡後3年以内に支給が確定した退職手当金等は、みなし相続財産として相続税の課税対象となります。
覚えるポイント
- 遺族が受け取る損害賠償金や自動車事故の対人賠償保険金は、相続税も所得税も非課税となります。
間違えやすいところ
- 死亡保険金と混同しやすいですが、加害者側からの対人賠償保険金は損害賠償金としての性質を持つため、みなし相続財産には該当しません。
出題の前提:平成28年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険金の非課税限度額と相続放棄者の取扱い
相続・事業承継 · みなし相続財産 / 生命保険金等の非課税限度額 / 相続の放棄
被相続人Aさんの死亡に伴い、Aさんが契約者(=保険料負担者)および被保険者である生命保険契約から、妻が1,200万円、長女が300万円の死亡保険金を受け取った。法定相続人は妻および長女の2人のみで、長女は相続の放棄をしている。この場合における相続税の非課税規定(相続税法第12条)の適用を受けた妻および長女の各人の非課税金額として、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
被相続人の死亡によって取得した生命保険金のうち「500万円×法定相続人の数」で計算された金額が非課税となります。法定相続人の数には相続放棄をした者も含めて計算しますが、非課税規定の適用を受けられるのは相続を放棄しなかった相続人のみに限定されます。
解き方
- 非課税限度額の計算の基礎となる法定相続人の数を判定する(放棄者を含めるため妻と長女の2人となり、限度額の合計は500万円×2人=1,000万円)。
- 各受取人が非課税規定の適用対象となるか判定する(相続放棄した長女には非課税枠の適用はなく、相続人である妻のみが全額1,000万円の適用を受ける)。
- 選択肢 1不正解
- 長女は相続の放棄をしているため、生命保険金の非課税規定の適用を受けることができません。
- 選択肢 2正解
- 非課税限度額の合計1,000万円はすべて相続人である妻に適用され、相続を放棄した長女は適用対象外となります。
- 選択肢 3不正解
- 相続放棄者である長女に非課税枠を按分することはできず、妻が適用できる非課税額も誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 非課税限度額の総額は1,000万円であり、相続人である妻が受け取った1,200万円から1,000万円全額を控除できるため、800万円とするのは誤りです。
覚えるポイント
- 非課税限度額の算定上、法定相続人の数には相続放棄をした者も含めて計算します。
- 非課税規定を実際に適用できるのは、相続を放棄していない相続人に限られます。
間違えやすいところ
- 相続を放棄した者がいる場合に、法定相続人の数から除外して500万円×1人と計算してしまう誤り。
- 放棄した者にも取得金額に応じて非課税限度額が按分されると誤認してしまうこと。
出題の前提:平成28年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
小規模宅地等の特例における限度面積と減額割合
相続・事業承継 · 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 / 貸付事業用宅地等 / 特定事業用宅地等
小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例に関する次の文中の空欄(ア)~(エ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。「被相続人の貸付事業の用に供されていた貸付事業用宅地等について、本特例の適用を受ける場合、適用対象となる宅地等の面積は最大で( ア )であり、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、減額される割合は( イ )である。被相続人の貸付事業以外の事業の用に供されていた特定事業用宅地等について、本特例の適用を受ける場合、適用対象となる宅地等の面積は最大で( ウ )であり、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、減額される割合は( エ )である。」
解答・解説を表示
解答
1
解説
小規模宅地等の特例は、被相続人等の事業や居住に使われていた宅地等の相続税評価額を一定面積まで減額する制度です。宅地等の区分に応じて限度面積および減額される割合が法律で個別に規定されています。
解き方
- 貸付事業用宅地等の要件・基準を確認する(適用限度面積200㎡、減額割合50%)。
- 特定事業用宅地等(貸付事業以外の事業用)の要件・基準を確認する(適用限度面積400㎡、減額割合80%)。
- (ア)200㎡、(イ)50%、(ウ)400㎡、(エ)80%の組み合わせを選択する。
- 選択肢 1正解
- 貸付事業用宅地等は200㎡まで50%減額、特定事業用宅地等は400㎡まで80%減額となるため正しい組み合わせです。
- 選択肢 2不正解
- 貸付事業用宅地等と特定事業用宅地等の面積および減額割合が入れ替わっており不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 貸付事業用宅地等と特定事業用宅地等の減額割合が入れ替わっており不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 貸付事業用宅地等と特定事業用宅地等の限度面積が入れ替わっており不適切です。
覚えるポイント
- 特定事業用宅地等は400㎡まで80%減額されます。
- 特定居住用宅地等は330㎡まで80%減額されます。
- 貸付事業用宅地等は200㎡まで50%減額されます。
間違えやすいところ
- 特定事業用宅地等の400㎡・80%と、貸付事業用宅地等の200㎡・50%を混同してしまうこと。
- 特定居住用宅地等の限度面積(330㎡)と事業用の限度面積(400㎡)を混同すること。
出題の前提:平成28年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
事業承継における課題と対応策
相続・事業承継 · 事業承継対策 / 自社株対策 / 遺留分
非上場企業の事業承継における一般的な課題や対応策に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
非上場株式の承継対策では、株価引き下げや納税資金の確保、後継者への集中と遺留分配慮をバランスよく進める必要があります。税務上認められない不当な損失計上や会社に不利益をもたらす恣意的な債権放棄は不適切とされます。
解き方
- 各肢の記述が健全な事業承継対策・経営規範・税務ルールに合致しているか確認する。
- 肢3の「回収可能性がある債権の放棄による貸倒損失計上」は税法上も経営上も認められない不当・不適切な手法であると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 円滑な事業承継には、後継者の早期決定および後継者教育・経営者育成が極めて重要であり、適切な記述です。
- 選択肢 2不正解
- 後継者の株式買い取り資金や将来の納税資金を準備するため、適正な範囲内で役員報酬を増額することは有効な対策であり、適切な記述です。
- 選択肢 3正解
- 回収可能性のある債権を意図的に放棄して損失計上することは、法人税法上の貸倒損失として認められず寄附金認定されるおそれがあるほか、会社の財産を不当に毀損するため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 事業用資産が後継者に集中すると、他の相続人の法定相続分や遺留分を侵害し、紛争が生じるおそれがあるため適切な記述です。
覚えるポイント
- 自社株評価引き下げ対策は税務上適法かつ経営健全性を損なわない範囲で行う必要がある。
間違えやすいところ
- 回収可能性がある債権の放棄は貸倒損失ではなく寄附金等の扱いになる点に注意する。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
経営承継円滑化法における民法の特例(遺留分の特例)
相続・事業承継 · 中小企業経営承継円滑化法 / 遺留分の特例 / 除外合意 / 固定合意
中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律による「遺留分に関する民法の特例」(以下「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
経営承継円滑化法の遺留分特例では、後継者が贈与等で取得した自社株式について、遺留分算定基礎財産から除外する「除外合意」と、算入すべき価額を合意時の評価額に固定する「固定合意」があります。適用には遺留分権利者全員の合意、経済産業大臣の確認、家庭裁判所の許可が必要です。
解き方
- 除外合意および固定合意の手続き要件(全員の書面合意、経産大臣確認、家庭裁判所許可)を確認する。
- 固定合意における評価額の固定時点が「合意時」であるか「取得時(贈与時)」であるかを確認する。
- 肢4が「取得時点」と記載しているため不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 本特例の合意は、原則として遺留分を有する推定相続人全員および後継者の合意を書面で行う必要があるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 合意をした日から1か月以内に経済産業大臣の確認を受け、確認を受けた日から1か月以内に家庭裁判所に申し立てて許可を得る必要があるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 除外合意とは、対象株式等の価額を遺留分算定の基礎財産から除外する合意を指すため適切です。
- 選択肢 4正解
- 固定合意とは、遺留分算定の基礎財産に算入すべき自社株式の価額を「合意時点」における価額にあらかじめ固定する合意であり、「取得時点」ではないため不適切です。
覚えるポイント
- 固定合意で固定される株式等の価額は「合意の時」の評価額である。
間違えやすいところ
- 固定合意の価額固定基準を「贈与時(取得時)」や「相続開始時」と混同しないようにする。
出題の前提:2016年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年1月 2級 学科』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2017年1月 2級 学科
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2017年1月 2級 学科の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

