日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2016年5月 2級 実技 個人資産相談業務の概要
公的年金の被保険者種別と保険料免除制度
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金被保険者種別 / 保険料免除制度 / 老齢基礎年金の反映割合
MさんがAさんに対して説明した退職後の国民年金に関する以下の文章について、空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を語句群の中から選びなさい。 ⅰ)「Aさんは、X社を退職後、国民年金に( ① )として加入することになります。国民年金の保険料は、平成28年度については月額16,260円となっており、毎月の保険料の納期限は原則として翌月の末日です」 ⅱ)「パソコン教室の開業後に収入の減少等により国民年金の保険料を納めることが経済的に難しくなった場合は、保険料の免除を申請することができます。申請免除の場合、免除される保険料の額は、前年の所得額等に応じて、全額や4分の3など( ② )種類があります。また、免除された期間の保険料は、追納することができますが、追納がない場合、その保険料免除期間は、所定の割合で老齢基礎年金の年金額に反映されます。仮に、Aさんが保険料の4分の3免除を受け、残り4分の1の保険料を納付し、その期間に係る保険料の追納や国民年金への任意加入を行わなかった場合、その保険料免除期間の月数の( ③ )に相当する月数が老齢基礎年金の年金額に反映されます」
- イ
- 第1号被保険者
- ロ
- 第2号被保険者
- ハ
- 第3号被保険者
- ニ
- 3
- ホ
- 4
- へ
- 5
- ト
- 2分の1
- チ
- 8分の5
- リ
- 8分の6
解答・解説を表示
解答
① イ、② ホ、③ チ
解説
国民年金の被保険者は自営業等の第1号、会社員等の第2号、第2号に扶養される配偶者の第3号に区分されます。申請免除は4種類あり、平成21年4月以後の免除期間は国庫負担2分の1を反映した月数換算(全額=4/8、3/4免除=5/8、半額免除=6/8、1/4免除=7/8)で老齢基礎年金額に反映されます。
解き方
- 会社員退職後の自営業者としての被保険者区分(第1号被保険者)を特定する。
- 国民年金保険料の申請免除の区分数(全額・3/4・半額・1/4の計4種類)を確認する。
- 国庫負担2分の1のもとで4分の3免除(1/4納付)時の年金額反映月数(1/4+3/8=5/8)を算出する。
- 選択肢 イ正解
- 自営業者等は国民年金第1号被保険者となるため、空欄①として適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 第2号被保険者は厚生年金保険や共済組合に加入する会社員・公務員等が該当します。
- 選択肢 ハ不正解
- 第3号被保険者は第2号被保険者に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者が該当します。
- 選択肢 ニ不正解
- 申請免除の区分は3種類ではなく、全額・3/4・半額・1/4の4種類です。
- 選択肢 ホ正解
- 申請免除の種類は全額、4分の3、半額、4分の1の4種類であるため、空欄②として適切です。
- 選択肢 へ不正解
- 法定免除や学生納付特例等を含めない申請免除の区分数は4種類です。
- 選択肢 ト不正解
- 2分の1(4/8)が年金額に反映されるのは「全額免除」の場合です。
- 選択肢 チ正解
- 4分の3免除期間は「8分の5」に相当する月数が反映されるため、空欄③として適切です。
- 選択肢 リ不正解
- 8分の6(4分の3)が年金額に反映されるのは「半額免除(2分の1免除)」の場合です。
答えの内訳
- ①:イ
- 会社員を退職して個人事業主となる自営業者は、国民年金の第1号被保険者に区分されます。
- ②:ホ
- 国民年金保険料の申請免除には、全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除の「4」種類が設けられています。
- ③:チ
- 平成21年4月以降の国庫負担割合(2分の1)のもとでは、4分の3免除(4分の1納付)期間は、納付分1/4+国庫負担分(1/2×3/4=3/8)を合算した「8分の5」が年金額に反映されます。
覚えるポイント
- 免除期間の反映割合(平成21年4月以後):全額は4/8、3/4免除は5/8、半額免除は6/8、1/4免除は7/8。
間違えやすいところ
- 平成21年3月以前(国庫負担3分の1)と平成21年4月以後(国庫負担2分の1)で反映割合が異なる点に注意が必要です。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢厚生年金の年金額の計算と加給年金の判定
ライフプランニングと資金計画 · 老齢厚生年金 / 報酬比例部分 / 経過的加算 / 加給年金額
Aさんが平成28年5月末日付でX社を退職し、その後個人事業主となった場合に、原則として65歳から受給することができる老齢厚生年金の年金額(平成27年10月時点の本来水準による価額)を計算した〈計算式〉の空欄①②④に入る最も適切な数値、および空欄③に入る適切な語句(される/されない)を答えなさい。
解答・解説を表示
解答
① 788,679、② 29,492、③ されない、④ 818,171
解説
老齢厚生年金の年金額は、報酬比例部分+経過的加算額+加給年金額で構成されます。経過的加算の控除額計算における月数は「20歳以上60歳未満の厚生年金被保険者月数」を用います。また、加給年金は受給権者本人が65歳到達時点で生計を維持している「65歳未満の配偶者」または「18歳到達年度末日までの子(障害等級該当者を除く)」がいる場合に加算されます。
解き方
- 平成15年3月以前と平成15年4月以後の計算式に基づき報酬比例部分を求め合算する(円未満四捨五入)。
- Aさんの厚生年金加入期間から20歳未満期間(平成2年4月〜平成3年9月の18月)を除き、20歳以上60歳未満月数(296月)を特定して経過的加算額を計算する。
- Aさんが65歳到達時に妻Bさんが65歳未満であるか、長男Cさんが18歳年度末前であるかを確認し、加給年金の加算要件を判定する。
- 報酬比例部分、経過的加算額、加給年金額を合計して老齢厚生年金の受給額を算出する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:788,679
- 報酬比例部分は、平成15年3月以前分が320,000円×(7.125/1,000)×156月=355,680円、平成15年4月以後分が500,000円×(5.481/1,000)×158月=432,999円となり、合計して788,679円です。
- 小問 ②:29,492
- 20歳未満の被保険者月数は18月(平成2年4月~平成3年9月)のため、20歳以上60歳未満の月数は314月-18月=296月です。経過的加算額=1,626円×314月-780,100円×(296月/480月)=510,554円-481,061.66…円=29,492.33…円となり、円未満四捨五入で29,492円です。
- 小問 ③:されない
- Aさんが65歳に到達する時点(昭和46年10月15日生まれのため平成48年10月)で、妻Bさん(昭和46年6月20日生まれ)は既に65歳に達しており、長男Cさんも18歳年度末を経過しているため、加給年金の対象者がおらず加算されません。
- 小問 ④:818,171
- 老齢厚生年金の年金額は、報酬比例部分788,679円+経過的加算額29,492円=818,171円となります(加給年金額は0円)。
覚えるポイント
- 加給年金の配偶者要件は「本人が65歳到達時点で生計を維持する65歳未満の配偶者」であるため、年上の配偶者は対象外となります。
間違えやすいところ
- 経過的加算の引き算部分で、全被保険者期間(314月)をそのまま掛けてしまうミス(20歳未満の18月を除外した296月を用いる)。
- Aさんと妻Bさんの生年月日を見落とし、妻が年上であることに気付かず加給年金を加算してしまう誤り。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等(平成27年10月時点の本来水準)
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
自営業者の老後資金準備(付加年金・確定拠出年金・小規模企業共済)
ライフプランニングと資金計画 · 付加年金 / 個人型確定拠出年金 / 小規模企業共済
会社を退職して個人事業主となる予定のAさんに対する、老後資金準備に関するファイナンシャル・プランナーのアドバイスについて、記述①〜③の適切・不適切を判定しなさい。
解答・解説を表示
解答
① × ② × ③ ○
解説
自営業者等の国民年金第1号被保険者は、会社員と異なり2階部分の厚生年金がないため、付加年金、個人型確定拠出年金(iDeCo)、国民年金基金、小規模企業共済などを活用して自主的に老後資金を上乗せ・準備する仕組みが用意されています。
解き方
- 付加年金の掛金(月額400円)と受取年金額(200円×月数)の関係を照合する。
- 法令基準日時点の個人型確定拠出年金の加入可能年齢上限(60歳未満)を確認する。
- 小規模企業共済の掛金限度額(月額1,000円〜7万円、500円単位)および全額所得控除の取扱いを確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 国民年金の付加年金制度において、第1号被保険者が納付する付加保険料は「月額400円」であり、受給する付加年金の年金額は「200円×付加保険料納付済月数」で計算されます。本問の記述は月額200円の納付で年400円受給となっており、数値が逆であるため不適切です。
- 小問 ②:×
- 本試験の基準日(2015年10月1日)時点の確定拠出年金法において、個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者として掛金を拠出できるのは「60歳未満」までです。65歳まで加入して掛金を拠出できるとする記述は不適切です。
- 小問 ③:○
- 小規模企業共済の毎月の掛金は、1,000円から70,000円までの範囲内(500円単位)で自由に選択することができ、納付した掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除の対象となります。
覚えるポイント
- 付加年金は「納付月額400円、受取年額200円×月数」で、2年間受給すれば元が取れる。
- 小規模企業共済の掛金は月額1,000円〜70,000円(500円単位)で全額所得控除。
間違えやすいところ
- 付加年金の納付額(400円)と受取年額計算の係数(200円)を取り違えやすい。
- 個人型確定拠出年金の加入可能年齢について、その後の法改正(65歳までの拡大等)と過去問当時の基準日(60歳未満)の混同に注意。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人向け国債の商品概要と適用利率の仕組み
金融資産運用 · 個人向け国債 / 変動金利型10年満期 / 最低金利保証
個人向け国債のタイプ、平成23年7月以降に発行された変動金利型10年満期の適用利率の算出方法、および最低保証利率に関する説明文の空欄①〜③に当てはまる語句を語句群から選択しなさい。
- イ
- 1年
- ロ
- 2年
- ハ
- 3年
- ニ
- 0.5を乗じた
- ホ
- 0.66を乗じた
- へ
- 0.8を乗じた
- ト
- 0.01%
- チ
- 0.03%
- リ
- 0.05%
解答・解説を表示
解答
① ハ(3年) ② ホ(0.66を乗じた) ③ リ(0.05%)
解説
個人向け国債は個人の資産形成を促す目的で発行される国債であり、3年固定・5年固定・10年変動の3タイプが存在します。市場金利が低下した場合でも最低年0.05%の利回りが国によって保証されています。
解き方
- 個人向け国債に用意されている3つの満期タイプ(10年変動・5年固定・3年固定)を確認する。
- 変動10年の現行の利率算出ルール(基準金利×0.66)を適用する。
- すべての個人向け国債に共通する下限の最低保証金利(年0.05%)を確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ハ
- 個人向け国債には、「変動金利型10年満期」「固定金利型5年満期」「固定金利型3年満期」の3種類があります。したがって空欄①には「3年(ハ)」が入ります。
- 小問 ②:ホ
- 平成23年7月発行分以降の変動金利型10年満期の適用利率は、「基準金利×0.66」により算出されます。したがって空欄②には「0.66を乗じた(ホ)」が入ります。
- 小問 ③:リ
- 個人向け国債には年0.05%の最低金利保証が設けられており、計算された利率がこれを下回る場合でも年0.05%の利率が適用されます。したがって空欄③には「0.05%(リ)」が入ります。
覚えるポイント
- 個人向け国債の種類は「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3種類。
- 変動10年の利率設定は「基準金利×0.66」、最低金利保証は「年0.05%」。
間違えやすいところ
- 固定金利型に2年満期や1年満期があると混同しやすい。
- 変動10年の旧算出方式(基準金利−0.8%)と現行方式(基準金利×0.66)を混同しないように注意。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ETFおよび社債の特徴と課税関係
金融資産運用 · ETF / 社債 / NISA
設例において、MさんがAさんに対して説明したETF(上場投資信託)およびX社社債に関する記述①~③の正誤について、それぞれ適切なものには○、不適切なものには×を選択しなさい。
解答・解説を表示
解答
① ○ ② × ③ ×
解説
上場投資信託(ETF)は株式市場で取引されるため、上場株式と同様の売買手法・手数料体系が適用されます。また、NISAの対象は株式や株式投資信託等であり、社債などの公社債は対象外となります。
解き方
- 記述①について、ETFの取引所取引における注文方法(指値・成行)の可否を判定する。
- 記述②について、ETF保有中の運用管理費用(信託報酬)と売買時の売買委託手数料の取扱いを確認する。
- 記述③について、NISA(少額投資非課税制度)の対象資産に社債が含まれるかどうかを判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- ETF(上場投資信託)は証券取引所に上場されているため、一般の上場株式と同様に、金融商品取引業者(証券会社)を通じて取引所が開いている時間帯に指値注文や成行注文等によりリアルタイムで売買が可能です。
- 小問 ②:×
- ETFの信託報酬は一般的な非上場の投資信託と比べて低めに設定されていますが、取引所を通じて売買するため、上場株式と同様に原則として証券会社所定の売買委託手数料が発生します(一部の無料設定商品等を除く)。したがって、「どの証券会社を通して買い付けても売買委託手数料はかからない」とする記述は不適切です。
- 小問 ③:×
- NISA(少額投資非課税制度)の投資対象商品は、上場株式、株式投資信託、ETF、J-REIT等に限られており、国債や地方債、公社債(社債)、公社債投資信託はNISAの対象外です。したがって、X社社債にNISAを適用することはできません。
覚えるポイント
- NISAの対象商品は上場株式・公募株式投資信託・ETF・REITであり、社債や国債等の公社債は対象外となる。
- ETFの取引には、信託報酬(保有コスト)のほか、売買時に上場株式と同様に売買委託手数料がかかる。
間違えやすいところ
- ETFを手数料のかからないノーロード投資信託と混同し、取引手数料が一切無料であると誤認しないように注意する。
- 公社債等に対する課税は申告分離課税に一本化されているが、NISA口座での買付けは認められていない点に注意する。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
債券の利回り計算(直接利回り・最終利回り・所有期間利回り)
金融資産運用 · 債券投資 / 利回り計算
資料のX社社債(表面利率1.2%、残存期間4年、購入価格103.5円、償還価格100円)について、直接利回り、最終利回り(年率・単利)、および2年後に101.50円で売却した場合の所有期間利回り(年率・単利)をそれぞれ計算しなさい。なお、答えは%表示の小数点以下第3位を四捨五入すること。
解答・解説を表示
解答
① 1.16% ② 0.31% ③ 0.19%
解説
債券の単利利回り計算では、毎年のインカムゲイン(表面利率)と、年換算したキャピタルゲイン/ロス(償還差損益または売却損益)の合計を、分母となる投資元本(購入価格)で除して年利回りを求めます。
解き方
- 直接利回りの算式(表面利率÷購入価格×100)に表面利率1.2%と購入価格103.5円を代入して計算する。
- 最終利回りの算式〔表面利率+(償還価格-購入価格)÷残存年数〕÷購入価格×100 に数値を代入し、償還差損を反映して計算する。
- 所有期間利回りの算式〔表面利率+(売却価格-購入価格)÷所有年数〕÷購入価格×100 に売却価格101.50円、所有年数2年を代入して計算する。
- 各利回りの算出結果について、指示通り小数点以下第3位を四捨五入して小数点以下第2位までまとめる。
答えの内訳
- ①:1.16%
- 直接利回り(%)=表面利率÷購入価格×100=1.2÷103.5×100=1.1594…%となり、小数点以下第3位を四捨五入して1.16%となります。
- ②:0.31%
- 最終利回り(%)=〔表面利率+(償還価格-購入価格)÷残存期間〕÷購入価格×100=〔1.2+(100-103.5)÷4〕÷103.5×100=〔1.2-0.875〕÷103.5×100=0.325÷103.5×100=0.3140…%となり、小数点以下第3位を四捨五入して0.31%となります。
- ③:0.19%
- 所有期間利回り(%)=〔表面利率+(売却価格-購入価格)÷所有年数〕÷購入価格×100=〔1.2+(101.50-103.5)÷2〕÷103.5×100=〔1.2-1.0〕÷103.5×100=0.2÷103.5×100=0.1932…%となり、小数点以下第3位を四捨五入して0.19%となります。
覚えるポイント
- 債券利回り計算の分母は常に「購入価格」であり、額面(100円)ではない点に注意する。
- 年換算の差損益を計算する際は、最終利回りでは「残存期間」、所有期間利回りでは「所有期間」で割る。
間違えやすいところ
- 分母を購入価格(103.5円)ではなく額面100円として計算してしまう計算ミス。
- 途中で発生する償還差損(100-103.5=-3.5)のマイナス符号の処理を誤り、利回りから減算せずに加算してしまう誤り。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配偶者控除・配偶者特別控除および扶養控除の要件と控除額
タックスプランニング · 所得控除 / 配偶者控除 / 配偶者特別控除 / 特定扶養親族
Aさんの平成27年分の所得税の所得控除に関する次の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句を、語句群の中から選びなさい。 納税者は、自身に控除対象配偶者や控除対象扶養親族がいる場合、配偶者控除や扶養控除の適用を受けることができる。 控除対象配偶者とは、原則として、その年の12月31日の現況で、納税者と生計を一にする配偶者(青色事業専従者として給与の支払を受けている者等を除く)のうち、その年分の合計所得金額が( ① )以下である者とされている。Aさんの場合、妻Bさんの平成27年分の合計所得金額が( ① )を超えているため、Aさんは、妻Bさんについて配偶者控除の適用を受けることはできない。なお、Aさんの平成27年分の合計所得金額が( ② )以下であることなどの所定の要件を満たす場合、Aさんは、妻Bさんについて配偶者特別控除の適用を受けることができる。 また、控除対象扶養親族とは、扶養親族のうち、原則として、その年の12月31日現在の年齢が16歳以上である者とされている。扶養控除額は、扶養親族の年齢等により区分されており、Aさんが長男Cさんについて扶養控除の適用を受ける場合、その控除額は( ③ )である。
- イ
- 38万円
- ロ
- 48万円
- ハ
- 58万円
- ニ
- 63万円
- ホ
- 65万円
- へ
- 130万円
- ト
- 1,000万円
- チ
- 1,500万円
- リ
- 2,000万円
解答・解説を表示
解答
① イ、② ト、③ ニ
解説
所得税の人的控除において、配偶者控除は合計所得金額38万円以下の配偶者が対象となり、これを超える場合でも本人の合計所得金額が1,000万円以下等の条件を満たせば配偶者特別控除の適用が検討できます。扶養親族のうち19歳以上23歳未満は特定扶養親族として控除額が63万円に加算されます。
解き方
- 妻Bさんの給与所得(110万円-65万円=45万円)から配偶者控除の合計所得要件(38万円以下)と配偶者特別控除の本人の所得制限(1,000万円以下)を確認する。
- 長男Cさんの年齢(21歳)から特定扶養親族(19歳以上23歳未満)に該当することを判定し、控除額63万円を導く。
小問ごとの答え
- 小問 ①:イ
- 控除対象配偶者に該当するための合計所得金額要件は38万円以下です。妻Bさんの給与所得は給与収入110万円から給与所得控除65万円を差し引いた45万円であり、38万円を超えるため配偶者控除の適用は受けられません。
- 小問 ②:ト
- 配偶者特別控除の適用を受けるためには、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下であることなどの要件を満たす必要があります。
- 小問 ③:ニ
- 長男Cさんはその年の12月31日現在の年齢が21歳であり、19歳以上23歳未満の「特定扶養親族」に該当するため、扶養控除額は63万円となります。
覚えるポイント
- 配偶者控除の配偶者所得要件は合計所得金額38万円以下(当時の法令基準)
- 配偶者特別控除を受けるには納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下
- 19歳以上23歳未満の特定扶養親族の控除額は63万円(一般は38万円)
間違えやすいところ
- 給与収入額(103万円)と合計所得金額(38万円)の定義を混同する誤り
- 一般の控除対象扶養親族(38万円)と特定扶養親族(63万円)の控除額の取り違え
出題の前提:2015年10月1日現在施行の所得税法に基づく基準
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配当所得の税額控除および申告不要制度
タックスプランニング · 配当所得 / 配当控除 / 確定申告不要制度 / 少額配当
配当金に係る所得税の課税関係等に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。 ① 配当控除の適用を受けた場合、その年分の所得税額から一定の金額を控除することができる。 ② 非上場株式の配当金で、1回に支払を受ける金額が、15万円に配当計算期間の月数を乗じて、これを12で除して計算した金額以下である場合には、当該配当金について少額配当として確定申告不要制度を選択することができる。 ③ 株式等の配当所得について確定申告不要制度を選択した場合、その年分の所得税について、当該配当所得に係る配当控除の適用を受けることはできない。
解答・解説を表示
解答
① ○、② ×、③ ○
解説
配当所得は法人税との二重課税を調整するため、総合課税で申告した際に所得税額から控除できる「配当控除(税額控除)」が設けられています。一方、非上場株式の少額配当(1回あたり10万円×配当計算月数/12以下)などで確定申告不要制度を選択した場合は、申告自体を行わないため配当控除の適用は受けられません。
解き方
- 配当控除が税額控除である性質を確認し、所得税額から控除される記述の正誤を判定する。
- 非上場株式の少額配当判定の算式における金額基準(10万円)を確認し、記述の数値(15万円)との相違を判定する。
- 確定申告不要制度を選択した場合に、確定申告を要件とする配当控除の適用が不可となるルールを判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 配当控除は税額控除の一種であり、総合課税として確定申告をした配当所得がある場合、算出された所得税額から一定割合の金額を控除することができます。
- 小問 ②:×
- 非上場株式の配当金における少額配当の確定申告不要制度の基準は、1回に支払を受ける金額が「10万円×配当計算期間の月数÷12」以下である場合であり、設問の15万円ではありません。
- 小問 ③:○
- 確定申告不要制度を選択した配当所得については確定申告を行わないため、確定申告を前提とする税額控除である配当控除の適用を受けることはできません。
覚えるポイント
- 配当控除は所得控除ではなく算出税額から直接差し引く「税額控除」
- 非上場株式の少額配当の申告不要基準は「1回あたり10万円×配当計算月数÷12」以下
- 確定申告不要制度を選択した配当所得には配当控除を適用できない
間違えやすいところ
- 少額配当の基準金額を10万円ではなく15万円や20万円と取り違える誤り
- 源泉徴収だけで完結させた(確定申告不要を選択した)配当所得についても配当控除が受けられると誤認すること
出題の前提:2015年10月1日現在施行の所得税法および租税特別措置法に基づく基準
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税額の計算(給与・一時・配当所得および税額控除)
タックスプランニング · 給与所得控除 / 一時所得 / 総所得金額 / 所得税の税額控除 / 配当控除
Aさんの平成27年分の所得税において、X社株式の配当金について配当控除の適用を受けた場合の所得税および復興特別所得税の申告納税額または還付税額を計算する表に関して、給与所得の金額①、総所得金額②、算出税額③、配当控除等の税額控除④の各数値を計算しなさい。
解答・解説を表示
解答
① 6,900,000円、② 7,800,000円、③ 602,500円、④ 80,000円
解説
総合課税の所得税額計算では、各種所得を求めて総所得金額を算出し、所得控除を差し引いた課税総所得金額に税率を適用して算出税額を計算した後、配当控除などの税額控除を差し引きます。
解き方
- 給与所得控除額の速算表に基づき、給与収入から給与所得控除額を差し引いて給与所得を求めます。
- 一時所得の総所得金額算入額(差引金額から特別控除50万円を控除後1/2)および配当所得を合算して総所得金額を算出します。
- 総所得金額から所得控除額を引いて課税総所得金額を求め、速算表を適用して算出税額を計算します。
- 課税総所得金額の規模に応じた控除率(1,000万円以下部分は10%)を配当所得に乗じて税額控除額を計算します。
答えの内訳
- ①:6,900,000(円)
- 給与収入900万円に対する給与所得控除額は、速算表より『900万円×10%+120万円=210万円』です。したがって、給与所得の金額は『900万円-210万円=690万円(6,900,000円)』となります。
- ②:7,800,000(円)
- 生命保険の一時所得は『800万円-730万円-特別控除50万円=20万円』となり、総所得金額に算入する額はその2分の1の10万円です。総所得金額は『給与所得690万円+配当所得80万円+一時所得10万円=780万円(7,800,000円)』となります。
- ③:602,500(円)
- 課税総所得金額は『総所得金額780万円-所得控除合計額265万円=515万円』です。所得税の速算表より、算出税額は『5,150,000円×20%-427,500円=602,500円』となります。
- ④:80,000(円)
- 課税総所得金額が1,000万円以下であるため、配当控除率は10%となります。したがって税額控除である配当控除額は『配当所得800,000円×10%=80,000円』となります。
覚えるポイント
- 一時所得の金額を総所得金額に算入する際は、特別控除50万円を引いた後の金額に2分の1を乗じる点に注意します。
- 課税総所得金額が1,000万円以下の場合、配当控除の控除率は原則として10%となります。
間違えやすいところ
- 一時所得の特別控除50万円の控除や、総所得金額算入時の1/2の掛け忘れに注意が必要です。
- 配当控除を所得控除と混同せず、算出税額から直接差し引く税額控除として扱う必要があります。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法(用途地域の敷地またがり・防火規制)
不動産 · 用途地域 / 過半の主義 / 防火地域 / 準防火地域 / 耐火建築物
甲土地(300㎡・近隣商業地域・防火地域)および乙土地(200㎡・準住居地域・準防火地域)を一体利用して賃貸アパートを建築する場合の用途地域の適用および防火規制に関する文章の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を〈語句群〉から選びなさい。
- イ
- 近隣商業
- ロ
- 第一種住居
- ハ
- 準住居
- ニ
- 2
- ホ
- 3
- へ
- 5
- ト
- 500㎡
- チ
- 1,000㎡
- リ
- 1,500㎡
解答・解説を表示
解答
① イ、② ホ、③ リ
解説
敷地が異なる用途地域にわたる場合の建築物の用途制限は敷地の過半が属する地域の規定が適用されます(過半主義)。一方、建築物が防火地域と準防火地域にわたる場合は、厳しい方の地域(防火地域)の規定が建築物全体に適用されます。
解き方
- 一体利用する敷地全体の面積に対する各用途地域の面積割合を比較し、過半(50%超)を占める用途地域を特定します。
- 防火地域内における耐火建築物の義務付け基準(階数3以上または延べ面積100㎡超)を確認します。
- 準防火地域内における耐火建築物の義務付け基準(地階を除く階数4以上または延べ面積1,500㎡超)を確認します。
- 選択肢 イ正解
- 敷地全体の過半(500㎡中300㎡)が近隣商業地域に属するため、用途制限は近隣商業地域の規定が適用され適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 本設例の敷地に第一種住居地域は存在しないため不適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 準住居地域は乙土地の200㎡であり、敷地全体500㎡の過半に達しないため適用されず不適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 防火地域内で耐火建築物としなければならない階数は3階以上であるため不適切です。
- 選択肢 ホ正解
- 防火地域内において耐火建築物としなければならない階数は地階を含む階数3以上であり適切です。
- 選択肢 へ不正解
- 階数の要件として5階以上とする規定はないため不適切です。
- 選択肢 ト不正解
- 準防火地域において耐火建築物が要求される延べ面積基準は1,500㎡超であるため、500㎡は不適切です。
- 選択肢 チ不正解
- 準防火地域において耐火建築物が要求される延べ面積基準は1,500㎡超であるため、1,000㎡は不適切です。
- 選択肢 リ正解
- 準防火地域内において耐火建築物としなければならない延べ面積は1,500㎡を超える建築物であり適切です。
答えの内訳
- ①:イ(近隣商業)
- 敷地が異なる用途地域にわたる場合、建築物またはその敷地の全部について、敷地の過半が属する地域の規定が適用されます。甲土地300㎡と乙土地200㎡の一体利用(合計500㎡)では過半(250㎡超)が甲土地であるため、近隣商業地域の規定が適用されます。
- ②:ホ(3)
- 防火地域内においては、地階を含む階数が3以上または延べ面積が100㎡を超える建築物は耐火建築物としなければなりません。
- ③:リ(1,500㎡)
- 準防火地域内においては、地階を除く階数が4以上または延べ面積が1,500㎡を超える建築物は耐火建築物としなければなりません。
覚えるポイント
- 用途地域が敷地にまたがる場合は『敷地の過半』が属する地域の規定が敷地全体に適用されます。
- 建築物が防火地域と準防火地域にわたる場合は、原則として最も厳しい地域の規定(防火地域)が建築物の全部に適用されます。
間違えやすいところ
- 用途地域の制限(過半主義)と、防火規制の制限(より厳しい地域が全体に適用)を混同しないように注意が必要です。
- 防火地域(3階以上・100㎡超)と準防火地域(4階以上・1,500㎡超)の耐火建築物義務化要件の数値を逆に覚えないようにします。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
耐火建築物の一体利用における最大建築面積および最大延べ面積の計算
不動産 · 建ぺい率 / 容積率 / 前面道路制限 / 防火地域
Aさんが所有する甲土地(面積300㎡、近隣商業地域、指定建ぺい率80%、指定容積率400%、道路幅員乗数6/10、防火地域、幅員4m公道に接面)と乙土地(面積200㎡、準住居地域、指定建ぺい率60%、指定容積率300%、道路幅員乗数4/10、準防火地域、幅員6m公道に接面)を一体利用して耐火建築物を建築する場合における、最大建築面積(空欄①・②)および最大延べ面積(空欄③・④)を求めなさい。
解答・解説を表示
解答
① 120 ② 420 ③ 240 ④ 1,560
解説
複数の地域にわたる敷地の建築面積および延べ面積は、それぞれの敷地部分ごとに適用される建ぺい率・容積率の限度を算定して合算します。また敷地が2つ以上の道路に接する場合、前面道路幅員は最も広い道路の幅員が適用されます。
解き方
- 甲土地・乙土地それぞれの防火規制および耐火建築物要件に基づき適用される建ぺい率を判定し、各敷地の建築面積を算出して合算する。
- 敷地が接する道路のうち広い方の幅員(6m)を基に、各地域の法定乗数を乗じて道路幅員制限容積率を求め、指定容積率と比較して適用容積率を決定する。
- 各土地の敷地面積に決定した適用容積率を乗じて延べ面積限度を計算し、合算して最大延べ面積を求める。
答えの内訳
- ①:120
- 乙土地(200㎡)は準防火地域内にあり指定建ぺい率が60%です。本試験基準日時点の法令において、耐火建築物の建築による建ぺい率の緩和(+10%または制限撤廃)は防火地域内の敷地にのみ適用され、準防火地域内の乙土地には適用されません。したがって、乙土地の最大建築面積は200㎡×60%=120㎡となります。
- ②:420
- 甲土地(300㎡)は指定建ぺい率80%で防火地域内に耐火建築物を建築するため、建ぺい率の制限がなくなり100%が適用され、300㎡×100%=300㎡となります。敷地全体の最大建築面積は甲土地300㎡+乙土地120㎡=420㎡です。
- ③:240
- 敷地が2以上の道路に接する場合、広い方の前面道路幅員(6m)を前面道路として容積率制限を算定します。準住居地域にある乙土地の道路幅員による制限は、前面道路幅員6m×法定乗数4/10=24/10=240%となります。
- ④:1,560
- 甲土地の基準容積率は指定400%と道路制限(6m×6/10=360%)の小さい方である360%が適用され、延べ面積限度は300㎡×360%=1,080㎡です。乙土地の基準容積率は指定300%と道路制限240%の小さい方である240%が適用され、延べ面積限度は200㎡×240%=480㎡です。敷地全体の最大延べ面積は1,080㎡+480㎡=1,560㎡となります。
覚えるポイント
- 建ぺい率80%地域で防火地域内に耐火建築物を建築する場合は建ぺい率制限が撤廃(100%適用)される。
- 敷地が2以上の道路に接するときは、原則として幅員の最大な道路を前面道路幅員として容積率制限を計算する。
間違えやすいところ
- 二方路において狭い方の道路幅員(4m)を計算に用いてしまう誤り。
- 指定建ぺい率80%の防火地域内耐火建築物における緩和で、10%加算(90%)と勘違いして制限撤廃(100%)を失念するミス。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の建築基準法等の法令に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
賃貸アパート経営における法規制・契約・税制の留意点
不動産 · 宅地建物取引業法 / 定期建物賃貸借契約 / 固定資産税の住宅用地特例
Aさんが甲土地および乙土地の一体利用により賃貸アパートを建築し、経営する場合の留意点に関する次の記述①~③について、適切・不適切を判定しなさい。 ① Aさんは、Aさんが建築した賃貸アパートの賃貸を自ら行う場合には宅地建物取引業の免許を取得する必要があるが、宅地建物取引業者を介して賃貸する場合には宅地建物取引業の免許の取得は不要である。 ② Aさんが賃貸借期間を2年間とする定期建物賃貸借契約を有効に締結した場合、Aさんは、期間満了の1年前から6カ月前までに、賃借人に対し、期間の満了により賃貸借が終了する旨の通知をすることにより、期間の満了時に契約を確定的に終了することができる。 ③ Aさんは、所定の要件を満たすことにより、建築した賃貸アパートの敷地について「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」の適用を受けることができ、この場合、住宅1戸当たり200㎡までの小規模住宅用地について、固定資産税の課税標準となるべき価格は3分の1となる。
解答・解説を表示
解答
① × ② ○ ③ ×
解説
賃貸不動産経営では、貸主自身が行う賃貸行為に対する宅建業法の適用除外、借地借家法に基づく定期建物賃貸借契約の終了要件、地方税法に基づく住宅用地の固定資産税の特例減額割合を正確に理解しておく必要があります。
解き方
- 自ら賃貸する行為が宅地建物取引業に該当するか否かを判定する。
- 定期建物賃貸借契約において期間1年以上の場合の終了通知期間の要件を確認する。
- 住宅用地の固定資産税の特例における小規模住宅用地(200㎡以下)の減額割合(1/6)を確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 自ら所有する建物を自ら賃貸する行為(自ら貸主)は、宅地建物取引業法で規定される「宅地建物取引業」に該当しないため、宅建業の免許を取得する必要はありません。
- 小問 ②:○
- 賃貸借期間が1年以上の定期建物賃貸借契約においては、賃貸人は期間満了の1年前から6カ月前までの間に終了通知を行うことで、期間満了により契約を確定的に終了させることができます。
- 小問 ③:×
- 住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例において、小規模住宅用地(住宅1戸当たり200㎡までの部分)の課税標準は価格の「6分の1」となります(3分の1となるのは都市計画税の特例、または一般住宅用地の固定資産税)。
覚えるポイント
- 自ら貸主となる賃貸借は宅建業法の「取引」に当たらないため免許不要である。
- 期間1年以上の定期建物賃貸借契約終了には、満了の1年前から6カ月前までの終了通知が必要である。
- 固定資産税の小規模住宅用地特例は価格の6分の1(都市計画税は3分の1)に軽減される。
間違えやすいところ
- 不動産の転貸や売買と混同し、自ら賃貸であっても宅建業の免許が必要と誤認してしまうこと。
- 固定資産税の小規模住宅用地特例(1/6)と一般住宅用地特例(1/3)または都市計画税(1/3)の減額割合を取り違えること。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の宅地建物取引業法、借地借家法、地方税法等の法令に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の申告期限・小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等・未分割)
相続・事業承継 · 相続税の申告期限 / 小規模宅地等の特例 / 申告期限後3年以内の分割見込書
被相続人Aさんの相続開始に伴う諸手続および小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例に関する以下の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句を、語句群の中から選びなさい。 ⅰ)「Aさんは、公正証書により遺言を作成しており、この方式による遺言については相続開始後における家庭裁判所による検認は不要である。また、Aさんの相続に関し、相続税の申告義務を有する者は、その相続の開始があったことを知った日の翌日から原則として( ① )以内に、相続税の申告書を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある」 ⅱ)「妻Bさんは、Aさんの遺言により取得する自宅の敷地について、特定居住用宅地等として「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(以下、「本特例」という)」の適用を受けることにより、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、限度面積( ② )までの部分について80%の減額を受けることができる。なお、本特例の適用を受けるためには、原則として相続税の申告期限までに適用の対象となる遺産の分割を行う必要があるが、仮に相続税の申告期限までに遺産の分割ができなかった場合であっても、相続税の申告書に「申告期限後( ③ )以内の分割見込書」を添付して提出し、相続税の申告期限から( ③ )以内に遺産の分割を行った場合には、本特例の適用を受けることができる」
- イ
- 3カ月
- ロ
- 8カ月
- ハ
- 10カ月
- ニ
- 1年
- ホ
- 2年
- へ
- 3年
- ト
- 200㎡
- チ
- 240㎡
- リ
- 330㎡
解答・解説を表示
解答
① ハ(10カ月)、② リ(330㎡)、③ へ(3年)
解説
相続税の申告・納付は被相続人の死亡を知った日の翌日から10カ月以内に行う必要があります。自宅敷地に適用できる小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)の限度面積は330㎡であり、遺産分割が申告期限に間に合わない場合は「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して申告することで後からの適用が可能となります。
解き方
- 相続税の申告期限が相続開始を知った日の翌日から「10カ月以内」であることを確認し、①に「ハ」を選択する。
- 特定居住用宅地等における特例の限度面積が「330㎡」(80%減額)であることを確認し、②に「リ」を選択する。
- 申告期限までに未分割の場合に提出する見込書の名称が「申告期限後3年以内の分割見込書」であることから、③に「へ」を選択する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ハ
- 相続税の申告書の提出期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内です。
- 小問 ②:リ
- 小規模宅地等の特例において、特定居住用宅地等の限度面積は330㎡(減額割合80%)です。
- 小問 ③:へ
- 申告期限までに遺産分割が未了の場合でも、「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出し、申告期限から3年以内に分割した場合には特例の適用が可能です。
覚えるポイント
- 相続税の申告・納付期限は相続開始を知った日の翌日から10カ月以内
- 特定居住用宅地等の限度面積は330㎡(減額割合80%)
- 未分割の場合は申告期限後3年以内の分割見込書を提出する
間違えやすいところ
- 特定居住用宅地等の限度面積(330㎡)と旧限度面積(240㎡)や貸付事業用(200㎡)を混同しやすい。
- 相続税の申告期限(10カ月)と所得税の準確定申告期限(4カ月)を混同しないようにする。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続時精算課税・教育資金一括贈与・相続税額の2割加算(代襲相続人)
相続・事業承継 · 相続時精算課税制度 / 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税 / 相続税額の2割加算 / 代襲相続人
被相続人Aさんの相続に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。 ① 二男EさんがAさんから贈与を受けた駐車場用地については、贈与時点の相続税評価額6,000万円により相続税の課税価格に算入される。 ② 孫がAさんから贈与を受けた教育資金に関して、Aさんの死亡日における教育資金管理契約に係る非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額500万円については、その孫がAさんの相続により財産を取得するか否かにかかわらず、いずれも相続税の課税価格には算入されない。 ③ 孫Gさんおよび孫Hさんが長女Dさんの代襲相続人としてAさんの財産を相続により取得した場合、これらの者に係る相続税額は2割加算の対象となる。
解答・解説を表示
解答
① ○、② ○、③ ×
解説
相続時精算課税適用財産は受贈者が相続放棄しても贈与時の評価額で相続税課税価格に加算されます。また出題基準日現在の教育資金一括贈与特例では贈与者死亡時の管理残額は相続税非課税です。さらに代襲相続人となった孫は一親等の血族である子と同等の立場となるため2割加算の対象外です。
解き方
- 記述①:二男Eは相続放棄をしているが、相続時精算課税適用者は相続放棄しても受贈財産(贈与時価額6,000万円)を相続税の課税価格に算入して申告する義務があるため適切(○)と判定する。
- 記述②:本試験の法令基準日時点において、教育資金一括贈与の特例では贈与者死亡時の管理残額について相続税の課税対象外とされていたため適切(○)と判定する。
- 記述③:長女Dがすでに死亡しているため孫G・Hは代襲相続人となる。被相続人の直系卑属である代襲相続人は相続税額の2割加算の対象外であるため不適切(×)と判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 相続時精算課税を適用した財産は、受贈者が相続を放棄した場合であっても、贈与時の相続税評価額(6,000万円)で相続税の課税価格に算入されます。
- 小問 ②:○
- 2015年10月1日現在の法令基準において、「教育資金の一括贈与の非課税」制度では、契約期間中に贈与者が死亡した場合であっても、管理残額は相続税の課税価格に算入されません。
- 小問 ③:×
- 被相続人の子が相続開始前に死亡したことにより代襲相続人となった孫(直系卑属)は、相続税額の2割加算の対象から除外されます。
覚えるポイント
- 相続時精算課税制度の加算額は「贈与時の価額」であり相続開始時の価額ではない
- 被相続人の直系卑属である代襲相続人は相続税額の2割加算の対象外(孫養子は原則加算対象)
間違えやすいところ
- 相続時精算課税の財産評価を、相続開始時点の評価額(7,000万円)と誤認しやすい。
- 代襲相続人となった孫と、代襲相続人ではない通常の孫(または孫養子)の2割加算の適用関係を混同しやすい。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の基礎控除額および相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 遺産に係る基礎控除額 / 法定相続人の数 / 代襲相続 / 相続税の総額の計算
被相続人Aさんの相続において、課税遺産総額が3億円であった場合の遺産に係る基礎控除額および相続税の総額を計算し、計算表の空欄①~④に入る数値を求めなさい(単位:万円)。なお、二男Eさんは相続放棄をしており、長女Dさんは被相続人より先に死亡し代襲相続人である子(孫Gさん・孫Hさん)がいる。
解答・解説を表示
解答
① 6,000 ② 4,300 ③ 800 ④ 6,550
解説
相続税の基礎控除や各人の法定相続分に応じた税額を計算する際、相続放棄をした者がいてもその放棄がなかったものとして法定相続人の数をカウントします。また、被相続人の子が先に死亡している場合はその子が代襲相続人となり、代襲相続人が複数いる場合は元の法定相続分を代襲者間で均等に分割します。
解き方
- 相続税法上の法定相続人の数を判定する(妻B、長男C、二男E、代襲相続人の孫G・孫Hの計5人)。
- 基礎控除額「3,000万円+600万円×5人=6,000万円」を算出し、空欄①を求める。
- 課税遺産総額3億円を各人の法定相続分(妻:1/2、長男:1/6、二男:1/6、孫G:1/12、孫H:1/12)に按分し、速算表を適用して各人の算出税額を求める。
- 妻Bさんの税額4,300万円(空欄②)、長男Cさんの税額800万円(空欄③)を導き、全員の税額を合計して相続税の総額6,550万円(空欄④)を算出する。
答えの内訳
- ①:6,000
- 相続税法上の法定相続人の数は、相続の放棄をした二男Eさんを放棄がなかったものとして算入し、先に死亡した長女Dさんを代襲相続した孫Gさん・孫Hさんの2人を算入するため、妻Bさん、長男Cさん、二男Eさん、孫Gさん、孫Hさんの合計5人となります。したがって、基礎控除額は「3,000万円+600万円×5人=6,000万円」となります。
- ②:4,300
- 課税遺産総額3億円に対する妻Bさんの法定相続分は2分の1(1億5,000万円)です。速算表より「1億5,000万円×40%-1,700万円=4,300万円」となります。
- ③:800
- 子の法定相続分2分の1を長男Cさん、二男Eさん、長女Dさん(代襲)の3系統で均等に按分するため、長男Cさんの法定相続分は6分の1(2分の1×3分の1)となります。取得金額は「3億円×(1/6)=5,000万円」となり、速算表より「5,000万円×20%-200万円=800万円」となります。
- ④:6,550
- 二男Eさんの税額は長男Cさんと同じく800万円、長女Dさんを代襲相続した孫Gさんおよび孫Hさんの取得金額は各2,500万円(3億円×(1/12))で税額は各325万円(2,500万円×15%-50万円)です。相続税の総額は各人の税額を合計して「4,300万円+800万円+800万円+325万円+325万円=6,550万円」となります。
覚えるポイント
- 相続税法上の法定相続人の数では、相続放棄があった場合でも「放棄がなかったもの」として人数に含める。
- 代襲相続人が複数いる場合、代襲相続人全員をそれぞれ法定相続人の数として1人ずつカウントする。
間違えやすいところ
- 相続放棄した二男を法定相続人の数から除外して基礎控除を4人分で計算してしまうミス。
- 死亡した長女の代襲相続人(孫2人)を1人分として合算してカウントしてしまう誤り。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2016年5月 2級 実技 個人資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2016年5月 2級 実技 個人資産相談業務の問題・解答資料です。
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