日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2016年5月 2級 学科の概要
FPの職業倫理と関連法規
ライフプランニングと資金計画 · FPの職業倫理 / 守秘義務 / 関連法規の遵守
ファイナンシャル・プランナー(FP)の顧客に対する行為として、職業倫理や関係法令(税理士法、弁護士法等)に照らし、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
ファイナンシャル・プランナー(FP)は、顧客の利益を最優先とする顧客本位の精神、業務上知り得た個人情報を第三者に漏らさない厳格な守秘義務、および弁護士法や税理士法などの隣接専門職の業法を遵守することが求められます。
解き方
- 各選択肢に記載されたFPの具体的行為について、FP倫理規範や守秘義務、関連法規(金融商品取引法、税理士法、民法等)に適合しているかを検討する。
- 選択肢2において顧客の同意を得ずに確定申告書の写しを外部に提供している点が明白な守秘義務違反であることを判定し、不適切な記述を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 投資信託の元本割れ等のリスクや目論見書の重要性を説明することは、顧客への適切な情報提供であり問題ありません。
- 選択肢 2正解
- FPには厳格な守秘義務があるため、顧客本人の事前の明確な同意を得ずに確定申告書のコピーを外部業者に提供する行為は守秘義務違反です。
- 選択肢 3不正解
- 任意後見契約における任意後見受任者には特別な資格制限がなく、顧客の求めに応じてFP自身が受任者として契約を締結することは可能です。
- 選択肢 4不正解
- 国税庁のウェブサイト等で一般公開されている通達や法令のコピーを参考資料として配布する行為は、税理士法に抵触せず適切です。
覚えるポイント
- FPの基本姿勢:守秘義務の厳守と専門職業人としての隣接法令(税理士法・弁護士法・保険業法等)の遵守。
間違えやすいところ
- 一般公開された公的資料(法令や通達)の提供は税理士法違反にはならず、具体的な税務相談や税務書類の作成代行のみが違反となる点に注意が必要です。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
資金計画の各種係数
ライフプランニングと資金計画 · 係数の活用 / 現価係数 / 終価係数 / 減債基金係数 / 年金現価係数 / 年金終価係数
ライフプランの作成において活用される各種係数の説明に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
ライフプランニングにおける6つの係数は、「現在の単利/将来の目標(終価係数・現価係数)」「毎年の積立と将来の積立総額(年金終価係数・減債基金係数)」「毎年の取崩しと必要元本(資本回収係数・年金現価係数)」の3組のペアで整理します。
解き方
- 問題文が求める関係(現在から将来か、将来から現在か、毎年一定額が関わるか)を把握する。
- 選択肢1の「現在保有する資金から将来の元利合計額を試算する」のは終価係数であるため、現価係数とする記述は不適切と判定する。
- 選択肢 1正解
- 現在保有する元本から将来の元利合計額を計算する際に用いるのは「終価係数」です。現価係数は将来の目標額を得るために現在必要な元本を求める係数です。
- 選択肢 2不正解
- 将来の目標額を達成するために、複利運用しながら毎年積み立てるべき金額を求める際に用いるのは減債基金係数です。
- 選択肢 3不正解
- 将来の一定期間、毎年一定額を取り崩して受け取るために、現時点で必要な元本を計算する際に用いるのは年金現価係数です。
- 選択肢 4不正解
- 毎年一定金額を積み立てた場合に、一定期間後に元利合計でいくらになるかを計算する際に用いるのは年金終価係数です。
覚えるポイント
- 「現在の額×終価係数=将来の額」「将来の目標額×現価係数=現在の必要元本」の対応関係。
間違えやすいところ
- 減債基金係数(積立額を求める)と資本回収係数(受取額・返済額を求める)の取り違えに注意が必要です。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)の保険給付
ライフプランニングと資金計画 · 健康保険の保険給付 / 療養の給付 / 高額療養費 / 傷病手当金
全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)の保険給付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
健康保険の療養の給付における一部負担割合は原則3割ですが、小学校就学前や高齢者などの年齢区分で軽減措置が設けられています。また、同一月内の自己負担額が一定額を超えた場合に支給される高額療養費の限度額は、被保険者の所得区分に応じて計算されます。傷病手当金は待期3日を経過した4日目から支給されるなど、各種保険給付の適用要件と支給開始時期を正しく整理することが重要です。
解き方
- 一部負担金の割合が年齢(未就学児、70歳以上等)に応じて異なる点を確認し、一律3割ではないことを判定します。
- 高額療養費制度における自己負担限度額の算定基準が、被保険者の所得区分(標準報酬月額等)に応じて設定されていることを確認します。
- 傷病手当金の支給要件として連続した3日間の待期期間が必要であり、初日ではなく4日目から支給される点を確認します。
- 正常な妊娠・出産や健康診査は病気やケガの治療ではないため、療養の給付の対象外であることを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 療養の給付の一部負担割合は原則3割ですが、小学校就学前は2割、70歳以上75歳未満は原則2割(現役並み所得者は3割)となっており、一律3割ではありません。
- 選択肢 2正解
- 70歳未満の高額療養費の自己負担限度額は、被保険者の所得区分(標準報酬月額等により5区分)に応じて異なった計算式・限度額が設定されています。
- 選択肢 3不正解
- 傷病手当金は、業務外の病気やケガにより仕事を連続して3日間休んだ(待期が完成した)後の4日目から支給対象となります。初日から支給されるわけではありません。
- 選択肢 4不正解
- 妊婦健康診査や正常分べんは病気やケガの治療ではないため、原則として健康保険の療養の給付(保険診療)の対象外です(異常分べん等の医療処置を除く)。
覚えるポイント
- 傷病手当金は連続3日の待期完成後の4日目から支給
- 高額療養費の算定基準は標準報酬月額等の所得区分連動
間違えやすいところ
- 傷病手当金の待期期間(3日間)を含めて初日から支給されると誤認すること
- 妊婦健診を療養の給付の対象(保険適用)と混同すること
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金の被保険者資格および保険料免除・猶予制度
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金被保険者種別 / 学生納付特例制度 / 若年者納付猶予制度 / 任意加入被保険者
国民年金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
国民年金の被保険者種別には年齢要件があり、第3号被保険者は「第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者」に限定されます。また、保険料の免除・猶予制度では対象者や審査対象となる所得(本人・配偶者・世帯主の範囲)が制度ごとに異なる点、および日本国外に居住する日本国籍者の任意加入制度を正確に把握することが重要です。
解き方
- 第3号被保険者の年齢要件が20歳以上60歳未満であることを確認し、62歳の妻は該当しないと判断します。
- 学生納付特例制度には本人の前年所得に応じた所得制限があることを確認し、所得無関係とする記述を排除します。
- 若年者納付猶予制度(試験基準日時点で30歳未満)の適用要件を確認し、本人および配偶者の所得が基準以下であれば対象となる(世帯主の所得は問わない)記述の正誤を判定します。
- 海外在住の日本国籍を有する20歳以上65歳未満の者は、第1号等の強制被保険者ではなくても任意加入できることを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 第3号被保険者の対象は、第2号被保険者に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者です。60歳以上の配偶者は第3号被保険者にはなれません。
- 選択肢 2不正解
- 学生納付特例制度の適用を受けるには、本人の前年(または前々年)所得が一定の基準以下(118万円+扶養親族等の数×38万円など)である必要があります。
- 選択肢 3正解
- 若年者納付猶予制度は、30歳未満の第1号被保険者(学生を除く)を対象とし、本人および配偶者の前年所得が一定以下であれば適用を受けることができます。
- 選択肢 4不正解
- 日本国籍を有するが国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の者は、所定の手続きを行うことで国民年金に任意加入することができます。
覚えるポイント
- 第3号被保険者の要件は20歳以上60歳未満の被扶養配偶者
- 学生納付特例は本人の所得のみで判定し世帯主所得不問
- 若年者納付猶予は本人と配偶者の所得で判定し世帯主所得不問
間違えやすいところ
- 第3号被保険者を第2号被保険者に扶養されていれば年齢制限がないと誤認すること
- 学生納付特例や若年者納付猶予で世帯主の所得審査が必要だと混同すること
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
厚生年金保険の被保険者・標準報酬月額・保険料免除
ライフプランニングと資金計画 · 厚生年金保険 / 適用事業所 / 育児休業等期間中の保険料免除 / 標準報酬月額
厚生年金保険の適用事業所、被保険者資格、標準報酬月額および保険料の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
厚生年金保険は、法定16業種で常時5人以上の従業員を使用する個人事業所や法人の事業所が強制適用事業所となり、70歳未満の使用される者が被保険者となります。また、育児休業等の取得期間中は本人・事業主双方の保険料負担が免除される仕組みが整備されています。
解き方
- 強制適用事業所の要件および被保険者の年齢上限(原則70歳未満)を確認します。
- 試験基準日時点における標準報酬月額の上限等級(第31等級・62万円)を確認します。
- 育児休業期間中の保険料免除規定において、免除の対象が被保険者負担分と事業主負担分の双方であるかを判定します。
- 選択肢 1不正解
- 法定業種(製造業・商業等)に該当し、常時5人以上の従業員を使用する個人事業所は強制適用事業所となります。
- 選択肢 2不正解
- 厚生年金保険の被保険者は原則70歳未満であるため、70歳以上の者は原則として被保険者資格を喪失し被保険者となりません。
- 選択肢 3不正解
- 本試験の基準日(2015年10月1日)現在における厚生年金保険の標準報酬月額は、第1級(8万8,000円)から第31級(62万円)までとされていました。
- 選択肢 4正解
- 育児休業等期間中の社会保険料免除は、事業主の申出により被保険者負担分と事業主負担分の両方が全額免除されます。
覚えるポイント
- 育児休業等期間中の社会保険料は被保険者負担分・事業主負担分の双方が免除される
間違えやすいところ
- 産前産後休業や育児休業の保険料免除について、本人負担分のみが免除され事業主負担分は支払う必要があると誤認しやすいです。
出題の前提:2015年10月1日現在施行法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢基礎年金の受給要件・繰下げ・繰上げ・振替加算
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 受給資格期間 / 繰上げ受給 / 繰下げ受給 / 振替加算 / 付加年金
公的年金制度における老齢基礎年金の受給資格期間、繰下げ支給、繰上げ支給および振替加算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
老齢基礎年金は受給資格期間を満たすことで65歳から原則受給でき、希望により繰上げまたは繰下げ受給が可能です。付加年金は老齢基礎年金と一体として扱われるため、繰上げ受給時には同時に繰り上げられ、同一の減額率が適用されます。
解き方
- 受給資格期間の原則要件(基準日時点の25年要件)を確認します。
- 65歳から70歳までの繰下げ月数(60月)に応じた増額率(0.7%×60月=42%)を計算します。
- 付加年金の繰上げ請求時の取扱い(老齢基礎年金と同時に繰り上げられ同率で減額される)を確認し、誤りを見分けます。
- 選択肢 1不正解
- 本試験基準日時点において、老齢基礎年金の受給資格期間は保険料納付済期間・免除期間・合算対象期間を合算して25年以上必要とされていました。
- 選択肢 2不正解
- 繰下げ支給による増額率は1月あたり0.7%であり、65歳から70歳到達時までの60月繰り下げた場合は「0.7%×60月=42%」となります。
- 選択肢 3正解
- 付加年金は老齢基礎年金と同時に繰上げ受給され、老齢基礎年金と同じ率で減額された額が支給されます。65歳到達時まで据え置くことはできません。
- 選択肢 4不正解
- 振替加算の加算要件を満たした場合、年金給付の原則に基づきその支給事由が生じた月の翌月分から加算が行われます。
覚えるポイント
- 付加年金は老齢基礎年金とセットで同時に繰上げ・繰下げが行われ、同一の増減率が適用される
間違えやすいところ
- 付加年金だけを切り離して65歳から受給できると誤認しがちですが、必ず老齢基礎年金と同時に繰上げ・繰下げされます。
出題の前提:2015年10月1日現在施行法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金の遺族給付の仕組み
ライフプランニングと資金計画 · 公的年金 / 遺族基礎年金 / 遺族厚生年金 / 寡婦年金
公的年金の遺族給付(遺族基礎年金・遺族厚生年金・死亡一時金・寡婦年金)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
公的年金の遺族給付は、遺族基礎年金と遺族厚生年金から構成され、対象遺族の範囲や年金額の計算割合、併給調整などの基本規定が法律によって明確に定められています。
解き方
- 遺族基礎年金および遺族厚生年金の受給要件ならびに対象となる遺族の範囲を確認する。
- 死亡一時金と寡婦年金の併給調整ルール、中高齢寡婦加算の要件、遺族厚生年金の支給割合(4分の3)をそれぞれ照合する。
- 選択肢 1不正解
- 遺族基礎年金の受給対象者は、被保険者等によって生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」に限られます。
- 選択肢 2不正解
- 同一の被保険者の死亡に関して死亡一時金と寡婦年金の両方の受給要件を満たす場合、併給は認められず受給権者による選択となります。
- 選択肢 3正解
- 遺族厚生年金の支給額は、死亡した被保険者の老齢厚生年金の報酬比例部分の「4分の3」相当額であり、3分の2ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 夫の死亡時に40歳以上65歳未満で子のない妻が遺族厚生年金の受給権を取得した場合、65歳に達するまで中高齢寡婦加算が加算されます。
覚えるポイント
- 遺族厚生年金の額は老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3相当額である。
間違えやすいところ
- 遺族厚生年金の給付割合を雇用保険の高年齢雇用継続給付や各種手当の割合などと混同しないように注意する。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
確定拠出年金の制度と加入要件
ライフプランニングと資金計画 · 確定拠出年金 / 企業型確定拠出年金 / 個人型確定拠出年金 / 老齢給付金
確定拠出年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
確定拠出年金制度において、加入者が老齢給付金を原則である60歳から受給開始するためには、一定年数以上の通算加入者等期間を満たす必要があります。
解き方
- 確定拠出年金の受給開始可能年齢と通算加入者等期間の対応要件を確認する。
- 60歳時点で受給権を取得するための通算加入者等期間が10年以上であることを確認し、各選択肢の正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 国民年金の第1号被保険者は、国民年金基金の掛金と個人型確定拠出年金の掛金の合計額が月額68,000円以内であれば併用して加入できます。
- 選択肢 2不正解
- マッチング拠出による加入者掛金は事業主掛金の額を超えてはならず、かつ両者の合計額が拠出限度額の範囲内でなければなりません。
- 選択肢 3正解
- 確定拠出年金の老齢給付金を60歳から受給するために必要な通算加入者等期間は10年以上であり、20年ではありません。
- 選択肢 4不正解
- マッチング拠出において加入者が拠出した掛金は、全額が小規模企業共済等掛金控除の対象として所得控除されます。
覚えるポイント
- 確定拠出年金の老齢給付金を60歳から受給するための通算加入者等期間は10年以上である。
間違えやすいところ
- 老齢基礎年金等の従来の受給資格期間(25年)など他の公的年金の要件と混同しないようにする。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
フラット35(買取型)の借入要件と利用条件
ライフプランニングと資金計画 · 住宅ローン / フラット35 / 繰上げ返済
住宅金融支援機構と民間金融機関が提携した住宅ローンであるフラット35(買取型)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
フラット35は全期間固定金利型の住宅ローンであり、申込時の年齢要件(満70歳未満)、返済期間(原則15年以上、60歳以上は10年以上、上限は80歳到達までまたは35年)、繰上げ返済の最低単位(窓口100万円以上、インターネット10万円以上)などの諸条件が定められています。
解き方
- フラット35の申込要件である申込時の年齢上限が「満70歳未満」であることを確認し、選択肢1の「65歳未満」という記述の誤りを判定します。
- 借換融資の可否、住・My Noteを利用した繰上げ返済の最低額(10万円)、高齢申込者(60歳以上)の最低融資期間(10年)がそれぞれ正しい規定に沿っているかを検証します。
- 選択肢 1正解
- フラット35(買取型)の借入申込ができるのは、親子リレー返済を利用する場合を除き、申込時の年齢が「満70歳未満」の者です。65歳未満ではありません。
- 選択肢 2不正解
- フラット35は新規の住宅取得資金だけでなく、一定の要件を満たす既存の住宅ローンの借換えにも利用することができます。
- 選択肢 3不正解
- インターネットサービス「住・My Note」を利用して一部繰上げ返済を行う場合、手数料無料で1回当たり10万円以上から返済が可能です(窓口等の場合は100万円以上)。
- 選択肢 4不正解
- 融資期間は原則15年以上ですが、申込者が満60歳以上の場合は最短10年以上となり、「80歳-申込時の年齢」の年数(62歳の場合は18年)などが上限となります。
覚えるポイント
- フラット35の申込時年齢上限は「満70歳未満」、完済時年齢上限は「満80歳未満」です。
- 繰上げ返済の最低金額は、金融機関窓口では100万円以上、インターネット(住・My Note)では10万円以上(いずれも手数料無料)です。
間違えやすいところ
- 申込時年齢上限(70歳未満)と完済時年齢上限(80歳未満)の数値を混同しないように注意しましょう。
- 融資期間の下限は原則15年ですが、申込者本人が60歳以上の場合は10年以上に短縮される特例があります。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令・規則等に基づく住宅金融支援機構の業務規定
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損益計算書の構造と各利益・財務指標
ライフプランニングと資金計画 · 損益計算書 / 財務比率 / ROE / 売上原価
示された物品販売業X社の損益計算書(P/L)の勘定科目に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 <物品販売業X社の損益計算書(P/L)>(単位:千円) 売上高 200,000 売上原価 90,000 売上総利益 110,000 販売費及び一般管理費 70,000 営業利益 40,000 営業外収益 10,000 営業外費用 30,000 経常利益 20,000 特別損益 0 税引前当期純利益 20,000 法人税、住民税及び事業税 8,000 当期純利益 12,000
解答・解説を表示
解答
4
解説
損益計算書(P/L)は企業の一定期間における経営成績を示す計算書であり、売上高から売上原価、販管費、営業外損益、特別損益、税金等を順次加減して各段階の利益を算出します。財務指標において、売上高に対する当期純利益の割合は売上高当期純利益率、自己資本に対する割合はROE(自己資本利益率)と呼びます。
解き方
- 売上原価の算式(期首商品棚卸高+当期仕入高-期末商品棚卸高)および販管費・営業外費用の定義と具体例が正しいか確認します。
- ROE(自己資本利益率)の定義式「当期純利益÷自己資本(純資産)×100」と、売上高に対する割合である「売上高当期純利益率」を照合して選択肢4の不備を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 売上原価は「期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高」で計算されるため、記述は適切です。
- 選択肢 2不正解
- 販売費及び一般管理費には、営業活動や企業全体の管理に要した人件費、通信費、賃借料、減価償却費などが含まれます。
- 選択肢 3不正解
- 営業外費用は本業の主たる営業活動以外で経常的に発生する費用であり、借入金の支払利息や社債利息などが該当します。
- 選択肢 4正解
- 売上高に対する当期純利益の割合は「売上高当期純利益率」です。ROE(自己資本利益率)は「当期純利益÷自己資本」で算出される指標であるため不適切です。
覚えるポイント
- ROE(自己資本利益率)=当期純利益÷自己資本×100
- ROA(総資産利益率)=当期純利益(または経常利益・事業利益)÷総資産×100
- 売上高当期純利益率=当期純利益÷売上高×100
間違えやすいところ
- 売上高当期純利益率(収益性の指標)とROE(株主資本の効率性の指標)の分母(売上高か自己資本か)を混同しないように整理しましょう。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の企業会計基準・会社法等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険料の計算基礎率(予定率)
リスク管理 · 生命保険料の仕組み / 予定基礎率 / 予定死亡率 / 予定利率 / 予定事業費率
生命保険料の仕組みや算出方法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
生命保険の純保険料および付加保険料は、「予定死亡率」「予定利率」「予定事業費率」の3つの予定基礎率に基づいて計算されます。保険金の支払要件が死亡か生存かによって、予定死亡率の変動が保険料に与える影響の方向性が逆になる点に留意が必要です。
解き方
- 保険商品の種別(死亡給付か生存給付か)を確認し、予定死亡率の変動が保険金支払見込額に与える影響を整理します。
- 各予定基礎率(死亡率、利率、事業費率)の引き上げ・引き下げが保険料の上下にどのように連動するかを判定します。
- 選択肢 1不正解
- 養老保険の死亡保障部分などの死亡保険では、予定死亡率が高くなると死亡保険金の支払いリスクが増大するため、一般に保険料は高くなります。
- 選択肢 2正解
- 個人年金保険等の生存給付を目的とする保険では、予定死亡率が低くなると年金受給対象となる生存者が増えるため、必要原資が増加して保険料は高くなります。
- 選択肢 3不正解
- 予定利率はあらかじめ見込まれる運用利回りであり、低く設定すると将来の運用収益による割引が小さくなるため、保険料は高くなります。
- 選択肢 4不正解
- 予定事業費率は保険事業の運営費用の割合であり、低く設定されると付加保険料が抑制されるため、一般に保険料は安くなります。
覚えるポイント
- 予定死亡率の低下:死亡保険は保険料低下、個人年金(生存保険)は保険料上昇となります。
- 予定利率の低下は保険料上昇、予定事業費率の低下は保険料低下をもたらします。
間違えやすいところ
- 死亡保険と個人年金保険で、予定死亡率の上下が保険料に与える影響を混同してしまうミスが多いです。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
保険料の払込みが困難な場合の契約変更・救済制度
リスク管理 · 保険料負担の軽減 / 払済保険 / 延長保険 / 自動振替貸付
生命保険料の払込みが困難になった場合に、保険料の負担を軽減する方法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
保険料の払込みが困難となった場合、契約を失効させずに継続するための手段として、自動振替貸付、契約減額、払済保険、延長保険などの制度が用意されています。払済保険や延長保険へ変更すると、元契約に付加されていた特約は基本的に消滅します。
解き方
- 保険料の払込み中止に伴う各変更制度(払済保険、延長保険、減額等)の仕組みを整理します。
- 契約変更時における特約の取扱い(原則として消滅すること)と選択肢の記述を照合して誤りを特定します。
- 選択肢 1不正解
- 自動振替貸付制度は、猶予期間内に保険料の払込みがない場合、解約返戻金の範囲内で保険会社が自動的に保険料を立て替えて貸し付け、契約を継続させる仕組みです。
- 選択肢 2不正解
- 保険契約の一部を解約して保険金額を減額することにより、保障額は縮小するものの以後の支払保険料を軽減することができます。
- 選択肢 3不正解
- 延長(定期)保険は、保険料の払込みを中止し、その時点の解約返戻金を原資として元契約と「同額の保険金額」の一時払定期保険に変更するものです。
- 選択肢 4正解
- 払済保険に変更した場合、その時点の解約返戻金を原資として「保険期間は元のままで保障額を縮小した一時払保険」に変更されますが、付加されていた各種特約は原則として消滅します。
覚えるポイント
- 払済保険:保険期間は元のまま、保険金額は減額。特約は消滅。
- 延長保険:保険金額は元のまま、保険期間は短縮。特約は消滅。
間違えやすいところ
- 払済保険と延長保険の違い(何が同じで何が変わるか)を取り違えて覚えないように注意が必要です。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の一般的な商品性
リスク管理 · 生命保険の商品性 / 養老保険 / 終身保険 / 収入保障保険 / こども保険
生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約は考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
生命保険契約では「誰が被保険者であるか」によって死亡保険金・給付金の支払事由が決まります。また、将来受け取る年金を一時金でまとめて受け取る場合は将来の運用益相当分(利息)が割り引かれるため受取総額より減少します。
解き方
- 養老保険・終身保険・収入保障保険・こども保険それぞれの基本的な保障内容・給付条件・受取方法の仕組みを確認する。
- こども保険における被保険者は子であり、契約者である親が死亡した際の効力は保険料払込免除等であって契約者の死亡給付金ではないことを見極める。
- 選択肢 1不正解
- 養老保険は、被保険者が保険期間中に死亡または所定の高度障害状態になった場合は死亡・高度障害保険金が、満期時に生存している場合は同額の満期保険金が支払われます。
- 選択肢 2不正解
- 終身保険の保険料払込方法には、一定の年齢や年数で払い終える有期払込、一生涯払い続ける終身払込、契約時に全期間分を一括で払い込む一時払いがあります。
- 選択肢 3不正解
- 収入保障保険の年金を一時金で一括受取する場合、将来の予定利率に基づいて中間利息が控除(現価計算)されるため、受取額は年金形式の受取総額より少なくなります。
- 選択肢 4正解
- こども保険の被保険者は子であり、契約者(親)が死亡した場合は保険料の払込みが免除されますが、契約者の死亡に対して死亡給付金が支払われるわけではありません。
覚えるポイント
- こども保険(学資保険)の被保険者は子であり、親(契約者)死亡時は保険料払込免除となる。
間違えやすいところ
- 収入保障保険の一時金受取は、中間利息が割り引かれるため年金受取総額よりも少なくなる点を取り違えないこと。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人年金保険の税金
リスク管理 · 個人年金保険 / 個人年金保険料控除 / 年金受取時の課税 / 一時所得 / 贈与税
個人年金保険の税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、契約者(=保険料負担者)および年金受取人は個人であるものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
公的年金等控除は国民年金・厚生年金や確定拠出年金・確定給付企業年金などの「公的年金等」にのみ適用されます。民間の生命保険会社等で加入する個人年金保険の年金は「その他の雑所得」となり、公的年金等控除を差し引くことはできません。
解き方
- 各選択肢の税務上の取扱い(個人年金保険料控除の要件、解約返戻金の一時所得、契約者と受取人が異なる場合の贈与税課税)を確認する。
- 個人年金保険の年金受取時の所得税法上の区分を検討し、雑所得には該当するものの「公的年金等控除」の対象外であるという誤りを見出す。
- 選択肢 1不正解
- 個人年金保険料控除を受けるには、年金受取人が契約者またはその配偶者であること、保険料払込期間が10年以上であること等の要件を満たした「個人年金保険料税制適格特約」の付加が必要です。
- 選択肢 2不正解
- 契約者自身が受け取る解約返戻金は一時所得として課税対象となります(「受取返戻金-払込保険料総額-特別控除50万円」の1/2が課税対象)。
- 選択肢 3不正解
- 保険料負担者(契約者)と年金受取人が異なる場合、年金受取開始時に年金受給権を契約者から贈与されたものとみなされ、受取人に贈与税が課税されます。
- 選択肢 4正解
- 民間の個人年金保険から受け取る年金は雑所得(その他の雑所得)に該当しますが、公的年金等ではないため公的年金等控除の適用を受けることはできません。
覚えるポイント
- 民間の個人年金保険の年金は「その他の雑所得」であり、公的年金等控除は適用されない。
間違えやすいところ
- 確定拠出年金の老齢給付金(公的年金等控除対象)と民間の個人年金保険(必要経費控除)を混同しないこと。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の生命保険料の経理処理
リスク管理 · 生命保険 / 法人契約 / 経理処理 / 長期平準定期保険
契約者(保険料負担者)を法人とする生命保険契約の保険料の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、いずれも保険料は毎月平準払いで支払われているものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
法人が支払う生命保険料は、受取人が法人か役員・従業員(その遺族)か、また保険の種類(掛捨て性か貯蓄性か)によって、資産計上、損金算入、給与扱いのいずれに区分されるかが決まります。
解き方
- 各選択肢の契約形態(契約者・被保険者・保険金受取人)と保険商品の種類を確認する。
- 当時の税法上の取扱い(養老保険、終身保険、長期平準定期保険等の資産計上・損金算入ルール)と照合して誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 死亡保険金受取人が法人である場合、貯蓄性のある終身保険部分は資産(保険料積立金)に計上し、掛捨ての定期保険特約部分は損金に算入するため適切です。
- 選択肢 2正解
- 長期平準定期保険(受取人:法人)の前半6割相当期間における経理処理は、保険料の2分の1を資産計上、残りの2分の1を損金算入するため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 死亡保険金受取人および満期保険金受取人がいずれも法人である養老保険は、全額が法人の資産(保険料積立金)として計上されるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 死亡給付金受取人および年金受取人がいずれも法人である個人年金保険は、将来法人が年金等を受け取る貯蓄性資産であるため、全額を資産計上し適切です。
覚えるポイント
- 長期平準定期保険(受取人法人)の前半6割期間は「1/2資産計上・1/2損金算入」である。
間違えやすいところ
- 逓増定期保険の経理処理区分(一定割合で1/3損金・2/3資産計上となる区分など)と長期平準定期保険(1/2資産・1/2損金)を混同しないように注意する。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
地震保険の仕組みと補償内容
リスク管理 · 地震保険 / 損害保険 / 保険料率 / 割引制度 / 保険金額
地震保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
地震保険は「地震保険に関する法律」に基づき政府と損害保険会社が共同で運営する公的性格の強い補償制度であり、建物の構造や所在地により算出された保険料率が用いられます。
解き方
- 地震保険の基本対象(地震・噴火・津波による火災や損壊・流失等)を確認する。
- 保険料率の決定要素(建物の構造区分および所在地都道府県区分)を確認し、誤っている選択肢を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 地震保険では、地震もしくは噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没・流失による損害が補償対象となるため適切です。
- 選択肢 2正解
- 地震保険料は、建物の構造区分(耐火・非耐火等)に加えて、所在地(都道府県)ごとの等区分によって異なるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 地震保険の割引制度には、免震建築物割引(50%)、耐震等級割引(10%〜50%)、耐震診断割引(10%)、建築年割引(10%)の4種類(重複適用不可)があり適切です。
- 選択肢 4不正解
- 地震保険金額は主契約(火災保険)の30%〜50%の範囲内で設定され、限度額は建物5,000万円、家財1,000万円であるため適切です。
覚えるポイント
- 地震保険の保険料は「建物の構造」と「所在地(都道府県)」の双方によって決まる。
間違えやすいところ
- 地震保険は全国一律保険料ではなく、都道府県ごとの地域区分(危険度に応じた等区分)によって保険料率が異なる点を見落としやすい。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
地震保険料控除の適用要件と控除限度額
リスク管理 · 地震保険料控除 / 所得税の所得控除 / 年末調整
地震保険料控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
地震保険料控除は居住用家屋や生活用動産を対象とした地震保険の保険料に対して適用される所得控除であり、所得税では最大5万円、住民税では最大2万5,000円が所得から控除されます。
解き方
- 地震保険の対象となる資産の所有者要件(自己または生計を一にする配偶者その他の親族)および控除対象保険料の範囲を確認する。
- 所得税と住民税におけるそれぞれの控除限度額、および年末調整で手続き可能であるかを確認して適切な記述を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 控除の対象となる建物や家財の所有者は、納税者本人だけでなく納税者と生計を一にする配偶者その他の親族であっても対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 地震保険料控除の対象となるのは地震等損害保険契約に係る地震保険料部分のみであり、原則として火災保険料部分は対象になりません。
- 選択肢 3正解
- 地震保険料控除の年間控除限度額は、所得税が最高5万円(支払保険料全額)、住民税が最高2万5,000円(支払保険料の2分の1)と定められています。
- 選択肢 4不正解
- 給与所得者は、勤務先に「給与所得者の保険料控除申告書」と保険料控除証明書を提出することにより、年末調整で地震保険料控除の適用を受けることができます。
覚えるポイント
- 地震保険料控除の最高限度額は所得税が5万円、住民税が2万5,000円であること。
間違えやすいところ
- 火災保険料全体が控除対象になると誤解しないよう、地震保険料部分のみが対象である点に注意する。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等(所得税法・地方税法)
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
第三分野の保険等の商品性と特約の特徴
リスク管理 · 第三分野の保険 / 先進医療特約 / 特定疾病保障定期保険 / リビング・ニーズ特約
第三分野の保険等の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
医療保険や特約の支払要件は各規定に基づいて判断され、特に先進医療特約は医療技術の進歩に対応するため契約時ではなく療養を受けた時点の承認状況が基準となります。
解き方
- 先進医療特約の対象となる先進医療の判断基準時点(契約時か療養時か)を確認する。
- 特定疾病保障定期保険、リビング・ニーズ特約、民間介護保険の各支払事由や制度設計の正確性を比較検討する。
- 選択肢 1正解
- 先進医療特約の支払対象となる先進医療は、保険契約時ではなく「療養を受けた時点」で厚生労働大臣により承認されている医療技術に限られます。
- 選択肢 2不正解
- 特定疾病保障定期保険は、特定疾病保険金の支払い事由が生じないまま被保険者が所定の高度障害状態になった場合、高度障害保険金が支払われて契約は消滅します。
- 選択肢 3不正解
- リビング・ニーズ特約は、原因を問わず余命6か月以内と判断された場合に、死亡保険金の全部または一部(通常3,000万円を上限)を事前に請求して受取が可能です。
- 選択肢 4不正解
- 民間介護保険の給付金支払事由には、各生命保険会社が定める所定の要介護状態に合致した場合のほか、公的介護保険の要介護度に連動して支払われる商品もあります。
覚えるポイント
- 先進医療特約の対象判断は「契約時」ではなく「療養を受けた時点」であること。
間違えやすいところ
- 契約時に先進医療であっても療養時に保険診療等へ移行または除外された場合は特約の対象外となる点を誤解しやすい。
出題の前提:2015年10月1日現在の保険業法および保険商品の一般的な商品約款
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損害保険を活用した家計のリスク管理
リスク管理 · 損害保険 / 所得補償保険 / 人身傷害補償保険 / 個人賠償責任保険
損害保険を活用した家計のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
損害保険は各保険ごとに補償の対象となる事故や損害、および保険金が支払われない免責事由が細かく定められています。所得補償保険は傷害や疾病による就業不能を対象としており、妊娠や出産に伴う休業は疾病には該当せず免責事由とされています。
解き方
- 各選択肢に記載された家計のリスクと損害保険商品の補償範囲(対象となる損害・免責事由)を照らし合わせる。
- 所得補償保険における就業不能の定義および免責事由を確認し、出産による休業が対象外であることを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 海外旅行傷害保険では、旅行中のケガによる治療費用のほか、疾病治療費用特約等により旅行中に発病した疾病の治療費用も補償の対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 人身傷害補償保険は、過失割合に関わらず、約款に定められた基準に従って算出された実際の損害額(契約限度額内)が補償されます。
- 選択肢 3不正解
- 個人賠償責任保険は、日常生活上の過失により他人の財物を破損したりケガをさせたりした法律上の賠償責任を補償するため、漏水事故による階下への損害は補償対象です。
- 選択肢 4正解
- 所得補償保険では、正常な妊娠や出産は病気やケガとはみなされず免責事由とされているため、出産に伴う就労不能による減収は補償されません。
覚えるポイント
- 所得補償保険では、妊娠・出産・早産・流産による就業不能は免責事由(給付対象外)となる。
間違えやすいところ
- 人身傷害補償保険と搭乗者傷害保険の違い(人身傷害は実損填補で自己の過失分も全額補償、搭乗者傷害は定額払)を混同しやすい。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人の生命保険活用と事業リスク管理
リスク管理 · 法人保険 / 弔慰金 / 長期平準定期保険 / ハーフタックスプラン
生命保険等を活用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
法人が支給する弔慰金について、税務上適正と認められ損金算入できる金額は、業務上の死亡の場合は死亡時の普通給与の3年分(36カ月分)、業務外の死亡の場合は普通給与の半年分(6カ月分)までと定められています。
解き方
- 法人が役員・従業員に弔慰金を支給する際の税務上の基準(業務上死亡と業務外死亡の区分)を確認する。
- 業務外の死亡について普通給与の3年分とする記述が誤り(業務外は半年分)であると判断する。
- 選択肢 1正解
- 弔慰金規程等に基づいて支払う弔慰金のうち、業務外の死亡について適正と認められる限度額は普通給与の半年分(6カ月分)までです。3年分が認められるのは業務上死亡の場合です。
- 選択肢 2不正解
- 長期平準定期保険は保険期間中の解約返戻率が高くなるピークがあるため、死亡退職金のみならず、生存勇退時の退職慰労金の原資(解約返戻金)としても活用できます。
- 選択肢 3不正解
- 法人が契約者である終身保険は、役員の退職時に契約者と受取人を変更することで、解約返戻金相当額で現物給与(退職金)として支給することができます。
- 選択肢 4不正解
- 満期受取人を法人、死亡受取人を遺族とする全役員・従業員を対象とした養老保険(ハーフタックスプラン)は、支払保険料の2分の1を資産計上、2分の1を福利厚生費(損金)に算入できます。
覚えるポイント
- 弔慰金の損金算入・非課税限度額:業務上死亡は普通給与の3年分(36カ月分)、業務外死亡は普通給与の半年分(6カ月分)。
間違えやすいところ
- 業務上の死亡と業務外の死亡における弔慰金の月数(3年分=36カ月分と半年分=6カ月分)を逆に誤認しやすい。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
預金商品の商品性と税金
金融資産運用 · 預金商品 / 普通預金 / 貯蓄預金 / 定期預金の利息計算
銀行等の金融機関で取り扱う預金商品の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
金融機関の預金商品には流動性預金と定期性預金があります。普通預金は決済機能(口座振替や自動受取)を持ちますが、貯蓄預金は残高に応じて金利が変動する一方で決済口座としては利用できません。また、スーパー定期の半年複利型は個人のみに認められており、利息には原則として源泉分離課税(20.315%)が適用されます。
解き方
- 普通預金と貯蓄預金における決済機能(給与振込や公共料金自動引き落とし)の可否を確認します。
- スーパー定期預金における個人と法人の取扱いの差異(複利型の選択可否)を確認します。
- 定期預金の利息金額および源泉徴収税率(20.315%)を計算し、各選択肢の正誤を判定します。
- 選択肢 1正解
- 普通預金は預入期間に定めのない出し入れ自由な流動性預金であり、給与や年金の自動受取口座や口座振替口座として幅広く利用できます。
- 選択肢 2不正解
- 貯蓄預金は出し入れ自由な流動性預金ですが、給与の自動受取や公共料金等の自動支払口座として指定することはできません。
- 選択肢 3不正解
- スーパー定期預金において半年複利型を選択できるのは個人のみであり、法人の預け入れは単利型に限られます。
- 選択肢 4不正解
- 1億円を年0.025%で1年間運用した場合の税引前利息は25,000円であり、20.315%が源泉徴収されるため、手取り利息は19,921円となり2万円にはなりません。
覚えるポイント
- 貯蓄預金は決済用口座(給与振込や公共料金等の自動引落し)として利用できない点。
- スーパー定期の半年複利型を利用できるのは個人顧客のみである点。
間違えやすいところ
- 普通預金と貯蓄預金の違いを混同し、貯蓄預金でも公共料金の引き落としができると誤認すること。
- 利息計算において源泉徴収税率(20.315%)の控除計算を失念し、税引前利息のみで判断してしまうこと。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産投資信託(J-REIT)の仕組みと税務
金融資産運用 · 不動産投資信託 / J-REIT / 配当控除 / 上場取引
わが国における不動産投資信託(以下「J-REIT」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
J-REIT(不動産投資信託)は、投信法上の「投資法人」が投資証券を発行して投資家から資金を集める「会社型投資信託」です。集めた資金でオフィスビルや商業施設などの実物不動産を主たる対象として運用します。上場J-REITは上場株式と同様に市場で売買可能ですが、法人段階で配当等の損金算入により法人税が実質的に課税されない導管性を持つため、個人が確定申告しても配当控除の適用は受けられません。
解き方
- J-REITの形態(契約型ではなく会社型・投資法人形態)を確認します。
- J-REITの主たる投資対象(実物不動産や不動産信託受益権)を確認します。
- 取引所における取引形態(成行・指値注文などの株式類似取引)を確認します。
- 分配金に対する課税上の取扱い(導管性により配当控除の対象外となる点)を確認し、正誤を判断します。
- 選択肢 1不正解
- 日本のJ-REITは投資法人を設立して投資証券を発行する形態をとるため、「契約型」ではなく「会社型」の投資信託に分類されます。
- 選択肢 2不正解
- J-REITの主たる投資対象はオフィスビルや商業施設、住宅などの実物不動産や不動産信託受益権であり、不動産会社の株式や社債ではありません。
- 選択肢 3正解
- 上場されているJ-REITは、金融商品取引所において上場株式と同様に成行注文や指値注文を用いてリアルタイムで売買が可能です。
- 選択肢 4不正解
- J-REITの収益分配金は配当所得となりますが、投資法人段階で利益の大部分を分配することで法人税が実質非課税となっているため、配当控除の適用対象外です。
覚えるポイント
- J-REITは「会社型」投資信託(投資法人)であること。
- J-REITの分配金は配当控除の対象外であること。
間違えやすいところ
- J-REITの分配金が配当所得であることから、上場株式と同様に配当控除が適用できると誤解すること。
- J-REITを委託者と受託者による契約型投資信託と混同すること。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
債券の信用リスクと格付
金融資産運用 · 信用リスク / 信用格付 / 劣後債 / リスクプレミアム
債券の信用リスクに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
信用リスク(デフォルトリスク)とは、債券の発行体の財務悪化等によって元利金の支払いが遅延したり支払われなくなったりするリスクのことです。リスクが高い債券ほど投資家は高いリターン(リスクプレミアム)を求めるため利回りは高くなり、同一発行体であっても法的弁済順位が低い劣後債は普通社債等より低い格付が付与されます。
解き方
- 信用リスクの定義が正しく説明されているかを確認する。
- 発行体が同一である場合の劣後債の法的弁済順位と格付の関係を判定する。
- 最上級格付の意味(債務履行の確実性の評価であり絶対的な無事故保証ではないこと)を判定する。
- 信用リスクの高さと市場で求められる利回り(価格)の関係性を確認する。
- 選択肢 1正解
- 発行体の財務状況悪化等で利子や償還金の支払いが債務不履行となるリスクは信用リスクと呼ばれ、記述は適切です。
- 選択肢 2不正解
- 劣後債は法的破綻時における元利金の弁済順位が普通社債より低いため、同一発行体であっても普通社債より低い格付となります。
- 選択肢 3不正解
- 格付は元利金の支払確実性に対する格付機関の意見に過ぎず、最上級格付であっても元利金支払の遅延リスクが絶対に生じない保証はありません。
- 選択肢 4不正解
- 信用リスクの高い債券は、リスクに見合う上乗せ利回り(リスクプレミアム)が求められて債券価格が低くなるため、利回りは高くなります。
覚えるポイント
- 信用リスクが高いほど債券価格は安く、利回りは高くなる。
- 劣後債は普通社債に比べて法的弁済順位が低いため格付は低くなる。
間違えやすいところ
- 最高格付(AAA等)であっても元利金の確実な支払いが法的に保証されているわけではない点に注意する。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
債券の一般的な特徴と価格変動
金融資産運用 · 割引債 / 表面利率 / 残存期間と金利リスク / 固定利付債と変動利付債
債券の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
債券の価格は市場金利の変動によって影響を受けます。残存期間が長い長期債ほど将来キャッシュフローの現在価値への影響が累積するため価格変動(金利リスク)が大きくなります。一方で、変動利付債は金利の変動に応じて受取利息そのものが改定されるため、価格は額面付近で安定し、固定利付債よりも価格変動幅は小さくなります。
解き方
- 割引債の現在価値の算出法(将来価値×複利現価率)を確認する。
- 表面利率の定義(年間利子額÷額面金額)に基づき計算する。
- 債券の償還期間(デュレーション)の長短と価格変動幅の大小関係を比較する。
- 固定利付債と変動利付債における金利変動に対する価格感応度の違いを比較する。
- 選択肢 1不正解
- 割引債の現在価値は、満期償還時の額面金額(将来価値)に複利現価率(割引係数)を乗じることで正しく求められます。
- 選択肢 2不正解
- 表面利率は年間利子額÷額面金額で算出されるため、2万円÷100万円=2%となり記述は適切です。
- 選択肢 3不正解
- 他の条件が同じであれば、償還までの期間が長い長期債の方が金利変動に対する価格感応度(デュレーション)が大きくなります。
- 選択肢 4正解
- 変動利付債は金利変動に合わせてクーポン利率が見直されるため、価格変動は固定利付債よりも小さくなります。
覚えるポイント
- 償還までの期間が長いほど、また表面利率が低いほど金利変動による価格変動は大きい。
- 変動利付債はクーポンが金利変動に連動するため、価格変動は固定利付債より小さい。
間違えやすいところ
- 表面利率は購入価格ではなく「額面金額」に対する年間利息の割合である点を取り違えないこと。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式の投資指標
金融資産運用 · 株式投資指標 / PER / PBR / 配当性向 / 配当利回り
株式の投資指標に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
株式の投資指標は、株価と企業の収益力・純資産・配当を比較して割高・割安を判断するための指標です。分子と分母の組み合わせを正確に把握することが重要です。
解き方
- 各選択肢に登場する投資指標(配当性向、配当利回り、PBR、PER)の定義と計算式を確認する。
- 定義の入れ替わりや、倍率の高低と割高・割安・解散価値との対応関係の整合性を検討し、正しい記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 配当性向は、当期純利益(または1株当たり当期純利益)に対する年間配当金(または1株当たり配当金)の割合を示す指標です。株価に対する年間配当金の割合は配当利回りです。
- 選択肢 2不正解
- 配当利回りは、株価に対する1株当たり年間配当金の割合を示す指標です。税引後純利益に対する配当金の割合は配当性向です。
- 選択肢 3不正解
- PBR(株価純資産倍率)は株価を1株当たり純資産で除した値です。PBRが1倍以上であることは、理論上、株式時価総額が会社の解散価値(純資産)を上回っていることを示します。
- 選択肢 4正解
- PER(株価収益率)は株価を1株当たり当期純利益で除した値であり、同業種等の類似企業と比較した場合、一般にPERが高いほど株価が割高、低いほど割安と判断されます。
覚えるポイント
- PER=株価÷EPS(1株当たり当期純利益)で割高・割安を判定する。
- PBR=株価÷BPS(1株当たり純資産)で1倍が解散価値の基準となる。
- 配当利回り=配当金÷株価、配当性向=配当金÷当期純利益(またはEPS)。
間違えやすいところ
- 配当利回りと配当性向の定義を取り違えて覚えてしまうこと。
- PBRが1倍を下回る状態(時価総額<解散価値)と1倍以上を取り違えること。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外貨建て金融商品の取引
金融資産運用 · 外貨建て金融商品 / 為替手数料 / TTS・TTB / 為替差益の税金
個人(居住者)が国内の金融機関を通じて行う外貨建て金融商品等の取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
外貨建て金融商品の取引では、為替レート(TTS・TTB)、金融機関ごとの為替手数料、為替変動が円換算利回りに与える影響、および税制(公社債税制改革など)に関する基本知識が問われます。
解き方
- 各選択肢における外貨取引の税制、手数料、為替レートの種別、為替相場の変動影響を確認する。
- 為替手数料は金融機関が独自に設定する自由化されたコストである点に着目し、誤っている選択肢を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 2016年(平成28年)1月以降、公社債・公社債投信の税制改正により、外貨建てMMFの譲渡益(為替差益を含む)は申告分離課税(20.315%)の対象となり、上場株式等との損益通算が可能となりました。
- 選択肢 2正解
- 外貨建て金融商品の取引に係る為替手数料(スプレッド)は、取扱金融機関がそれぞれ独自に設定しているため、金融機関によって手数料額や為替レートのスプレッドに違いがあります。
- 選択肢 3不正解
- 円貨を外貨に換える(顧客が外貨を買う)場合、金融機関側から見ると外貨を売るレートとなるため、対顧客電信売相場であるTTS(Telegraphic Transfer Selling rate)が適用されます。
- 選択肢 4不正解
- 外貨建て債券を保有している際、為替相場が円安に変動すると、円換算での受取利息や償還金額が増加するため、円換算の投資利回りの上昇要因となります。
覚えるポイント
- 円を外貨に換えるレートはTTS(銀行が売るレート)、外貨を円に換えるレートはTTB(銀行が買い取るレート)。
- 為替手数料(スプレッド)は金融機関ごとに異なる。
- 平成28年1月以降、外貨建てMMFの譲渡益・為替差益は申告分離課税の対象となった。
間違えやすいところ
- 円から外貨にする際のTTSと、外貨から円にする際のTTBを逆に覚えてしまうこと。
- 外貨預金の為替差益(雑所得・総合課税)と外貨建てMMFの譲渡益(申告分離課税)の課税区分を混同すること。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
オプション取引の基本概念と損益構造
金融資産運用 · オプション取引 / プレミアム / 権利放棄 / 時間価値
一般的なオプション取引の仕組みや損益構造に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
オプション取引において買い手は権利を行使するか放棄するかを選択できるため損失が支払ったプレミアムに限定されますが、売り手は相手方の権利行使に応じる義務があるため利益が受取プレミアムに限定され、多額の損失を被るリスクがあります。
解き方
- 買い手と売り手の権利・義務関係および損益の特徴(最大利益と最大損失)を確認する。
- 記述のなかで売り手の最大損失と最大利益の定義が逆転している選択肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- オプション取引は、あらかじめ定められた将来の期日や期間内に、原資産を特定価格で買う権利(コール)または売る権利(プット)を売買する取引です。
- 選択肢 2不正解
- オプションの買い手には権利を行使する義務はなく、不利な市場状況の際には権利を放棄することが可能です。
- 選択肢 3正解
- オプションの売り手の最大利益が受け取るプレミアムに限定され、最大損失は相場の変動により無限大または多額になります。
- 選択肢 4不正解
- 他の条件が同じ場合、満期までの期間が長いほど価格が有利に動く可能性(時間価値)が高くなるため、コール・プットともにプレミアムは高くなります。
覚えるポイント
- 買い手の最大損失はプレミアム限定、売り手の最大利益がプレミアム限定
間違えやすいところ
- オプションの買い手と売り手における損益の非対称性を混同しやすい点に注意する
出題の前提:2015年10月1日現在施行法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ドルコスト平均法による株式の平均取得単価の計算
金融資産運用 · ドルコスト平均法 / 株式累積投資 / 平均取得単価
株式累積投資を利用し、ドルコスト平均法により1回当たり3万円でA社株式を第1回(1,000円)、第2回(1,250円)、第3回(1,500円)、第4回(1,200円)で購入した場合の平均取得単価(株価)として、正しいものはどれか。なお、手数料等は考慮せず、計算過程および解答は円未満を四捨五入すること。
解答・解説を表示
解答
2
解説
ドルコスト平均法では、毎回一定額を投資するため株価が低い時に多くの株数を、高い時に少ない株数を買い付けることになり、平均取得単価は「投資総額÷総取得株数」で求められる調和平均となります。
解き方
- 各回で買い付けた株数を計算する(第1回:30,000÷1,000=30株、第2回:30,000÷1,250=24株、第3回:30,000÷1,500=20株、第4回:30,000÷1,200=25株、合計99株)。
- 投資総額(30,000円×4回=120,000円)を合計株数(99株)で割り、円未満を四捨五入する(120,000÷99≒1,212.12…円→1,212円)。
- 選択肢 1不正解
- 総投資額120,000円を総取得株数99株で除すると約1,212円となり、1,186円は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 投資総額120,000円÷総購入株数99株=1,212.12…円となり、円未満を四捨五入すると1,212円となります。
- 選択肢 3不正解
- 各回の株価を単純平均した相加平均(4,950円÷4=1,237.5円≒1,238円)の計算結果であり、誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 総投資金額を総購入株数で除する正規の計算結果とは異なっており、誤りです。
覚えるポイント
- 平均取得単価は株価の単純平均ではなく「総投資金額÷総購入株数」で計算する
間違えやすいところ
- 各回の株価を足して回数で割る単純平均(相加平均)をしてしまうミスが多い
出題の前提:2015年10月1日現在施行法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ポートフォリオのリスクとリターン
金融資産運用 · ポートフォリオ理論 / 相関係数 / システマティック・リスク
ポートフォリオのリスクに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
ポートフォリオの期待収益率は各資産の加重平均となりますが、リスクは資産間の相関係数によって変動します。相関係数が1未満であれば分散投資効果が得られ、-1のときリスク低減効果は最大となります。
解き方
- 各資産間の相関係数と分散投資効果の関係(+1で効果なし、1未満で効果あり、-1で効果最大)を確認します。
- 市場全体に起因するシステマティック・リスクと個別要因による非システマティック・リスクの定義を整理し、各記述の正誤を判定します。
- 選択肢 1不正解
- ポートフォリオ全体の期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率に応じて加重平均した値に一致するため適切です。
- 選択肢 2正解
- 相関係数が-1のとき、分散投資によるリスク低減効果は最大となり、リスクを完全にゼロにすることも可能であるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 個別企業の業績や不祥事など個別銘柄の要因によって生じるリスクは非システマティック・リスクと呼ばれ、銘柄分散によって軽減可能です。
- 選択肢 4不正解
- 市場全体の金利や為替、景気変動等に起因するシステマティック・リスク(市場リスク)は、組入銘柄数を増やしても消去・低減できません。
覚えるポイント
- 相関係数が+1のときはリスク低減効果なし、相関係数が-1のときはリスク低減効果が最大。
間違えやすいところ
- システマティック・リスク(市場全体)と非システマティック・リスク(個別要因)の分散可能性を取り違えやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令・金融理論等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
金融商品のセーフティネット
金融資産運用 · 預金保険制度 / 投資者保護基金 / 保険契約者保護機構
わが国における個人による金融商品取引に係るセーフティネットに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
金融機関破綻時のセーフティネットは、金融商品の種類や引受先・預入先により対象制度(預金保険制度、投資者保護基金、保険契約者保護機構)が異なります。販売窓口ではなく商品本来の発行体や管理主体を確認することが重要です。
解き方
- 外貨預金、外国株式、投資信託、生命保険それぞれの保護制度の適用可否を販売窓口・商品属性ごとに整理します。
- 預金保険制度の対象外預金、投資者保護基金の対象業者(登録金融機関は対象外)、保険契約の引受会社保護機構の規定に照らして正誤を判断します。
- 選択肢 1不正解
- 外貨預金は、預入先が国内銀行であっても預金保険制度の保護対象外とされているため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 国内証券会社が分別管理している一般顧客の資産であれば、外国株式であっても投資者保護基金の補償対象となるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 銀行等の登録金融機関は投資者保護基金に加入していないため、銀行で購入した投資信託は投資者保護基金の保護対象外となります。
- 選択肢 4正解
- 証券会社等の代理店を通じて加入した生命保険であっても、引受保険会社の保険契約者保護機構(保険契約者保護制度)による保護の対象となるため適切です。
覚えるポイント
- 外貨預金は預金保険対象外。銀行窓口販売の投資信託は投資者保護基金の対象外。
間違えやすいところ
- 国内証券会社で取り扱う外国株式が投資者保護基金の対象外であると誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の預金保険法、金融商品取引法、保険業法等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の基本原則と課税方式
タックスプランニング · 所得税の仕組み / 申告納税方式 / 超過累進税率 / 10種類の所得
所得税の基本的な仕組みに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
所得税は個人が毎年1月1日から12月31日までに得た所得に対して課される国税であり、原則として納税者自らが課税標準および税額を計算して申告・納付する申告納税方式を採用しています。
解き方
- 所得税の課税期間が暦年(1月1日〜12月31日)単位であることを確認する。
- 所得税の納付方式が賦課課税方式ではなく申告納税方式であることを判断する。
- 税率構造(超過累進税率)および所得区分(10種類)の規定が正しいか確認する。
- 選択肢 1不正解
- 所得税の課税期間は原則として毎年1月1日から12月31日までの1年間(暦年単位)であるため適切です。
- 選択肢 2正解
- 所得税は納税者自身が税額を計算して申告する申告納税方式が原則であり、税務署長が決定する賦課課税方式ではないため誤り(最も不適切)です。
- 選択肢 3不正解
- 総合課税の課税総所得金額に対しては、所得が高くなるにつれて税率が5%から45%まで段階的に上がる超過累進税率が採用されているため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 所得税では性質や発生態様に応じて所得を10種類(利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時・雑)に分類して計算するため適切です。
覚えるポイント
- 所得税は申告納税方式が原則(固定資産税や自動車税などの地方税は賦課課税方式)。
- 所得の種類は10種類に区分され、総合課税では超過累進税率が適用される。
間違えやすいところ
- 地方税に多い賦課課税方式と国税に多い申告納税方式の定義を逆に混同しないようにする。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の所得税法等法令に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種所得の区分と判定
タックスプランニング · 所得区分 / 配当所得 / 利子所得 / 不動産所得 / 譲渡所得
所得税における各種所得の区分に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
所得税の所得区分は収入の原因や取引の法的性格によって決定されます。株式等の配当は原資の性格を問わず配当所得となり、貸付金の利息であっても預貯金や公社債以外の私的貸付は雑所得に分類されます。
解き方
- 友人への貸付金利息が利子所得(預貯金・公社債等の利子限定)に当たるか私的貸付として雑所得になるかを判定する。
- 事業資金で購入した株式の配当金が事業所得に含まれるか、それとも配当所得となるかを判定する。
- 賃貸用不動産の売却が不動産所得ではなく譲渡所得に分類されることを確認する。
- 事業的規模のアパート経営による家賃収入が事業所得ではなく不動産所得に該当することを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 利子所得は公社債や預貯金などの利子に限られ、友人など個人間の貸付金から受け取る利息は雑所得に該当するため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 個人事業主が事業資金を運用して取得した株式から生じる配当金であっても、事業所得ではなく配当所得に該当するため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 土地や建物の貸付けによる対価は不動産所得ですが、それらを売却(譲渡)したことによる所得は譲渡所得に該当するため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- アパートやマンションの賃貸経営による所得は、たとえ「5棟10室」等の事業的規模で行われていても不動産所得に該当するため不適切です。
覚えるポイント
- 不動産の売却益は不動産所得ではなく譲渡所得(分離課税)。
- 私的な金銭貸付の利息は利子所得ではなく雑所得。
- アパート経営は規模に関わらず原則として不動産所得。
間違えやすいところ
- 事業的規模のアパート経営による所得を事業所得と誤認しやすいが、所得区分自体は不動産所得である点に注意する。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の所得税法等法令に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における損益通算と総所得金額の計算
タックスプランニング · 損益通算 / 不動産所得の損失 / ゴルフ会員権の譲渡損失 / 総所得金額
Aさんの平成27年分の所得が、給与所得450万円、不動産所得▲120万円(不動産所得を生ずべき土地の取得に要した負債の利子の額20万円を含む)、譲渡所得▲50万円(ゴルフ会員権の譲渡による損失)であった場合、所得税における総所得金額として最も適切なものはどれか。なお、▲は損失を表す。
解答・解説を表示
解答
3
解説
損益通算の対象となる所得の損失は、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得(不・事・山・譲)に限られます。ただし、不動産所得の損失のうち土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分や、主として趣味・娯楽目的の資産であるゴルフ会員権等の譲渡損失は、税制改正により損益通算の対象外とされています。
解き方
- 不動産所得の損失120万円から、損益通算の対象外となる土地取得に要した負債利子20万円を除外して、通算可能な損失額を100万円と計算する。
- ゴルフ会員権の譲渡損失50万円は他の所得と損益通算できないため、控除額を0円とする。
- 給与所得450万円から通算可能な不動産所得の損失100万円を差し引き、総所得金額350万円を算出する。
- 選択肢 1不正解
- 土地取得に係る負債利子20万円およびゴルフ会員権の譲渡損失50万円をいずれも無条件に通算してしまっているため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- ゴルフ会員権の譲渡損失50万円を通算し、不動産所得の負債利子を除外した場合の計算(450万-100万-50万=300万)とも異なり、誤りです。
- 選択肢 3正解
- 給与所得450万円から、通算可能な不動産所得の損失100万円(120万円-20万円)のみを控除した350万円が正しい総所得金額です。
- 選択肢 4不正解
- 不動産所得の通算可能な損失100万円が一切考慮されていないため誤りです。
覚えるポイント
- 不動産所得の損失のうち土地取得利子相当額は損益通算不可である点
- ゴルフ会員権の譲渡損失は平成26年4月1日以降の譲渡から損益通算不可となった点
間違えやすいところ
- 不動産所得の赤字すべてが損益通算できると誤認して負債利子を引かないミス
- ゴルフ会員権を生活に通常必要でない資産として譲渡所得の損益通算に含めてしまうミス
出題の前提:平成27年10月1日現在施行の所得税法に基づく
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における医療費控除の対象範囲と要件
タックスプランニング · 医療費控除 / 通院費 / 医薬品購入費 / 人間ドック費用
所得税における医療費控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
所得税の医療費控除は、納税者が自己または生計を一にする配偶者その他の親族のために、その年中に「実際に支払った」医療費が対象となります。請求や治療の時期ではなく、現実に支払いが完了した年分の控除対象となる現金主義が採られています。
解き方
- 医療費の支払時期と控除対象年分の関係を確認し、未払費用は支払った年分の控除対象となることを判定する。
- 通院費、一般用医薬品の購入費、重大な疾病が発見された場合の人間ドック費用がそれぞれ医療費控除の対象となるか適用要件を照合する。
- 選択肢 1正解
- 医療費控除は実際に支払った年分の控除対象となるため、翌年1月以降に支払った費用は治療を受けた年ではなく支払った年の対象となり、不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 通院のために利用した電車やバスなどの公共交通機関の運賃で通常必要なものは、医療費控除の対象となるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 医師の処方箋がなくても、病気やけがの治療のために薬局等で購入した一般的な医薬品の代金は医療費控除の対象となるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 人間ドックの費用は原則として対象外ですが、重大な疾病が発見され引き続き治療を行った場合は医療費控除の対象となるため適切です。
覚えるポイント
- 医療費控除は治療日ではなく現実に支払った年分の控除対象となる(現金主義)
- 人間ドックは原則対象外だが、重大な疾病が見つかり引き続き治療した場合は対象となる
間違えやすいところ
- 医師の処方箋がない市販薬はすべて医療費控除の対象外であると誤認するミス
- 年末に受けた治療の費用を翌年支払った場合に治療を受けた年分で申告してしまうミス
出題の前提:平成27年10月1日現在施行の所得税法に基づく
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の適用要件
タックスプランニング · 住宅借入金等特別控除 / 税額控除 / 適用要件
所得税における住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
住宅借入金等特別控除は、住宅ローンを利用してマイホームの新築・取得・増改築等を行った場合に、毎年末の住宅ローン残高に応じた一定額を所得税額から控除できる制度です。適用を受けるには、納税者の合計所得金額、床面積、居住割合、返済期間などの要件を満たす必要があります。
解き方
- 所得要件(基準日時点では合計所得金額3,000万円以下)を確認します。
- 家屋要件(床面積50㎡以上、かつ床面積の2分の1以上が自己の居住用)を確認します。
- 借入金要件(償還期間10年以上の割賦返済など)および中古住宅も要件を満たせば対象となる点を確認し、各選択肢の正誤を判定します。
- 選択肢 1正解
- 本試験の法令基準日時点において、住宅ローン控除の適用を受けるためには納税者のその年分の合計所得金額が3,000万円以下でなければならないと規定されています。
- 選択肢 2不正解
- 家屋の床面積が50㎡以上であることに加え、その「2分の1以上」に相当する部分が専ら自己の居住の用に供されるものでなければなりません(3分の1以上ではありません)。
- 選択肢 3不正解
- 新築住宅だけでなく、一定の耐震基準を満たすなどの要件を満たした中古住宅の取得についても住宅ローン控除の対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 住宅ローン控除の対象となる借入金は、返済期間が「10年以上」で割賦償還の方法により返済するものでなければなりません(5年以上ではありません)。
覚えるポイント
- 床面積要件は原則50㎡以上で、居住用割合は1/2以上であること
- 借入金の返済期間は10年以上でなければならないこと
間違えやすいところ
- 居住用割合を「3分の1以上」と混同しないこと(正しくは2分の1以上)。
- 返済期間を5年など他の金融支援制度と混同しないこと。
出題の前提:平成27年(2015年)10月1日現在施行の所得税法等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の確定申告を要する者
タックスプランニング · 確定申告 / 給与所得者の申告義務 / 確定申告不要制度 / 同族会社役員
次のうち、所得税の確定申告を要する者として、最も適切なものはどれか。なお、いずれも適切に源泉徴収あるいは年末調整がされていることとし、記載のない事項については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
給与所得者は原則として年末調整で税額計算が完了しますが、年収2,000万円超の者や給与・退職以外の所得が20万円超の者は確定申告が必要です。ただし、同族会社の役員等がその同族会社から受ける貸付金利子や不動産賃貸料などは、20万円以下であっても確定申告不要の特例が適用されず、確定申告が義務付けられています。
解き方
- 給与所得者や公的年金受給者、退職金受給者における確定申告義務の判定基準を整理します。
- 1カ所から給与を受ける給与所得者で副収入がある場合、原則20万円以下なら申告不要ですが、同族会社役員等が同族会社から受ける不動産賃貸料等の例外規定に該当するか確認します。
- 選択肢3がこの例外規定に該当するため確定申告が必要であると判断します。
- 選択肢 1不正解
- 給与所得者が1ヵ所から給与を受け、年額が2,000万円以下で他に所得がない場合、年末調整により課税が終了するため確定申告は不要です。
- 選択肢 2不正解
- 「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合、適正な税額が源泉徴収されて課税関係が完結するため、原則として確定申告は不要です。
- 選択肢 3正解
- 同族会社の役員等がその同族会社から受ける不動産賃貸料や貸付金利子等は、給与以外の所得金額が年額20万円以下であっても確定申告を要します。
- 選択肢 4不正解
- 公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつそれ以外の所得金額が20万円以下(原稿料の雑所得10万円)であるため、公的年金等に係る確定申告不要制度により確定申告は不要です。
覚えるポイント
- 同族会社から不動産賃貸料や利子等を受ける役員等は、20万円以下でも確定申告が必要
- 年金受給者は年金受給額400万円以下かつその他の所得20万円以下で確定申告不要
間違えやすいところ
- 給与以外の所得が20万円以下であれば無条件に申告不要と誤解しやすいが、同族会社役員の例外規定がある点に注意する。
出題の前提:平成27年(2015年)10月1日現在施行の所得税法第121条等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税の基本的な仕組みと申告・納付
タックスプランニング · 法人税の仕組み / 確定申告の期限 / 納税地 / 中小法人の軽減税率
法人税の仕組みに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
法人税は、確定した決算に基づく当期純利益に税法上の加算・減算(申告調整)を行って求めた各事業年度の所得金額に対して課税されます。原則として事業年度終了の翌日から2カ月以内に申告・納付を行い、内国法人の納税地はその本店又は主たる事務所の所在地となります。
解き方
- 法人税の課税標準(各事業年度の所得金額)が企業会計上の当期純利益と異なる点を確認する。
- 確定申告および納付の期限(事業年度終了日の翌日から2カ月以内)に関する規定を確認する。
- 内国法人の納税地規定および中小法人の軽減税率が適用される所得金額の基準(年800万円)を精査して正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 法人税額は、決算上の当期純利益そのものではなく、当期純利益に税務上の申告調整(益金算入・損金算入等)を加減算した「所得金額」に税率を乗じて計算します。
- 選択肢 2正解
- 法人税の確定申告書の提出および納付期限は、原則として各事業年度終了の日の翌日から2カ月以内と定められています。
- 選択肢 3不正解
- 内国法人の法人税の納税地は「本店または主たる事務所の所在地」と法律で規定されており、代表者の住所地を任意に選択することはできません。
- 選択肢 4不正解
- 期末資本金1億円以下の普通法人等に適用される軽減税率の基準金額は、年1,000万円以下ではなく「年800万円以下」の部分です。
覚えるポイント
- 法人税の確定申告と納付の期限は事業年度終了の日の翌日から2カ月以内であること。
- 資本金1億円以下の中小法人等の軽減税率適用基準は年800万円以下の所得金額であること。
間違えやすいところ
- 決算書の当期純利益にそのまま税率を掛けると誤認しやすいが、申告調整後の所得金額が課税標準となる。
- 中小法人の軽減税率の分岐金額を1,000万円と混同しやすいが、正しくは年800万円である。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税における損金不算入項目
タックスプランニング · 法人税の損金 / 公租公課の損金算入・不算入 / 役員給与 / 減価償却費
次に掲げる費用等のうち、法人税の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入されないものとして、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
法人税法上の損金の額の計算において、法人が支払う租税公課のうち、所得そのものを課税標準として課される法人税や法人住民税の本税などは、利益処分としての性格を持つため損金不算入と規定されています。一方、保有資産にかかる固定資産税や事業税などは損金に算入されます。
解き方
- 各選択肢に挙げられた費用や租税公課の法人税法上の取扱いを確認する。
- 法人税および法人住民税の本税が所得に対する課税(利益処分)として損金不算入とされる原則を適用する。
- 損金不算入に該当する項目を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 事業の用に供している土地・家屋等に係る固定資産税および都市計画税は、事業活動に必要な公租公課として全額損金の額に算入されます。
- 選択肢 2正解
- 法人税および法人住民税の本税は、法人の所得に対する課税であり利益処分としての性格を持つため、損金の額に算入されません(損金不算入)。
- 選択肢 3不正解
- 法人が損金経理した減価償却費のうち、税法上の償却限度額に達するまでの金額は損金の額に算入されます(償却限度額を超える部分が損金不算入)。
- 選択肢 4不正解
- 支給時期が1月以下の一定の期間ごとであり、各支給時期の支給額が同額である定期同額給与は、不当に高額な部分等を除き損金の額に算入されます。
覚えるポイント
- 法人税・法人住民税の本税は損金不算入、法人事業税は申告納付時に損金算入可能であること。
- 固定資産税、都市計画税、自動車税、印紙税等は原則として損金の額に算入されること。
間違えやすいところ
- 同じ地方税でも、法人住民税の本税は損金不算入であるのに対し、法人事業税は損金算入されるという違いに注意が必要である。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
消費税の基本的仕組みと手続き
タックスプランニング · 消費税の概要 / 簡易課税制度 / 確定申告期限
消費税の原則的な取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢に記載された要件以外のものはすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
消費税は消費一般に広く公平に課される間接税です。中小事業者の事務負担を軽減するために基準期間の課税売上高が5,000万円以下である場合に適用できる簡易課税制度が設けられていますが、選択後は最低2年間の継続適用が義務付けられています。
解き方
- 消費税の基本分類(直接税か間接税か)と申告期限のルールを整理します。
- 簡易課税制度の適用要件(基準期間の課税売上高5,000万円以下)および届出後の継続適用期間(2年間縛り)を確認して正誤を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 消費税は、実質的な税の負担者である消費者等と、税務署に納税義務を負う事業者が異なる間接税に分類されます。
- 選択肢 2不正解
- 事前に簡易課税制度選択届出書を提出していても、その課税期間の基準期間における課税売上高が5,000万円を超えている場合は、その課税期間について簡易課税は適用されず原則課税となります。
- 選択肢 3正解
- 簡易課税制度を選択した事業者は、事業を廃止した場合等を除き、原則として2年間継続して簡易課税を適用しなければ取りやめることができません。3年間とする記述は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 個人事業者の消費税の確定申告および納期限は、原則として課税期間の翌年3月31日であり、所得税の確定申告期限(3月15日)とは異なります。
覚えるポイント
- 簡易課税選択届出書を提出した場合の継続適用期間は最低2年間(2年縛り)。
- 個人事業者の消費税確定申告期限は翌年3月31日。
間違えやすいところ
- 簡易課税の継続義務を3年と勘違いしやすい(固定資産取得等に伴う3年縛りと混同しない)。
- 個人事業者の確定申告期限を所得税と同じ3月15日と誤認しやすい。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の消費税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
消費税の課税対象と非課税・不課税取引の区分
タックスプランニング · 消費税の課税取引 / 非課税取引 / 不課税取引
消費税の課税事業者が行う次の取引のうち、消費税の課税取引となるものはどれか。
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解答
4
解説
消費税は「国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡・貸付け・役務の提供」を課税対象とします。ただし政策的配慮や性質上課税に適さない取引(土地の貸付けや有価証券譲渡など)は非課税とされ、生活用資産の売却などの事業性を欠く取引は不課税取引(対象外)となります。
解き方
- 提示された各取引について、「事業としての取引か」「対価性があるか」を確認します。
- 消費税法上の「課税取引」「非課税取引」「不課税取引(課税対象外)」のいずれに該当するかを分類して課税取引を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 土地の譲渡および貸付けは、貸付期間が1か月未満の場合や駐車場等の施設利用に伴う場合を除き、原則として非課税取引となります。
- 選択肢 2不正解
- 国債、地方債、社債、株式などの有価証券の譲渡は、消費税法上、非課税取引として規定されています。
- 選択肢 3不正解
- 個人が自己の生活用に使用していた自家用車などの譲渡は、事業として対価を得て行う取引ではないため、不課税取引(課税対象外)となります。
- 選択肢 4正解
- 建物の貸付けのうち、住宅用の貸付けは非課税ですが、店舗や事務所などの事業用建物の貸付けに係る賃料は課税取引となります。
覚えるポイント
- 住宅用の家賃は非課税だが、事業用(店舗・事務所等)の家賃は課税取引。
- 土地の貸付け(1か月以上かつ施設利用を除く)や国債など有価証券の譲渡は非課税取引。
間違えやすいところ
- 住宅用建物の貸付けが非課税であることから、店舗などの事業用建物の貸付けも非課税と混同しやすい。
- 土地の譲渡・貸付けが非課税であることと、建物の譲渡・貸付けの課税関係を混同しやすい。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の消費税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の登記および調査に関する対抗要件と登記記録の構成
不動産 · 借地権の対抗要件 / 不動産登記の公信力 / 登記記録の構造 / 地図に準ずる図面
不動産の登記や調査に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
不動産登記制度において、登記には第三者への対抗力はあるものの公信力は認められません。また、登記記録は表題部と権利部(甲区・乙区)から成り、借地借家法では借地上建物の登記によって土地の借地権を第三者に対抗できる特例が設けられています。
解き方
- 借地借家法上の借地権の対抗要件(建物登記の有無とその名義)を確認します。
- 不動産登記法における公信力の有無、登記記録の区分(甲区と乙区)、公図(地図に準ずる図面)の精度と限界をそれぞれ照合して適否を判定します。
- 選択肢 1正解
- 借地借家法第10条第1項の規定により、借地権の登記がなくても、借地上に借地権者名義の登記建物があれば、土地の譲受人等の第三者に対して借地権を対抗することができます。
- 選択肢 2不正解
- 日本の不動産登記には公信力がないため、登記を信頼して取引した場合でも、登記名義人が無権利者であれば原則として所有権などの権利を取得することはできません。
- 選択肢 3不正解
- 抵当権設定登記など所有権以外の権利に関する登記は権利部「乙区」に記録されます。権利部「甲区」には所有権に関する事項が記録されます。
- 選択肢 4不正解
- 地図に準ずる図面(いわゆる公図)は、明治期の地租改正時の図面等に基づくものが多く、測量精度が低く現地の区画や位置が必ずしも正確に反映されているとは限りません。
覚えるポイント
- 借地権は借地上の本人名義の建物登記で第三者に対抗可能
- 日本の不動産登記には対抗力はあるが公信力はない
- 甲区は所有権に関する事項、乙区は所有権以外の権利に関する事項
間違えやすいところ
- 借地上の建物の登記名義が親族(配偶者や子)名義である場合は対抗力が認められない点に注意する
- 法14条地図(精度の高い正規の地図)と公図(地図に準ずる図面)を混同しないようにする
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の鑑定評価の手法および原則
不動産 · 不動産鑑定評価基準 / 最有効使用の原則 / 鑑定評価の三手法 / 不動産鑑定士の独占業務
不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
不動産の鑑定評価は高度な専門知識を要するため、不動産鑑定士の独占業務とされています。鑑定評価基準では、不動産の効用が最大限発揮される「最有効使用」を前提とし、原価法・取引事例比較法・収益還元法の三手法を適用して価格を求めます。
解き方
- 不動産の鑑定評価を行う権限を持つ資格者(不動産鑑定士)の範囲を確認します。
- 不動産鑑定評価基準における価格形成の基本概念(最有効使用の原則)および評価の三手法(原価法・取引事例比較法・収益還元法)の適用範囲を照合して誤りを特定します。
- 選択肢 1正解
- 不動産の鑑定評価を行うことができるのは不動産鑑定士に限られます。宅地建物取引士には不動産の鑑定評価を行う法的な権限はありません。
- 選択肢 2不正解
- 不動産鑑定評価基準に規定される最有効使用の原則の正しい説明です。不動産の価格は、その効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用を前提として把握されます。
- 選択肢 3不正解
- 不動産鑑定評価の基本的な手法は、費用性に着目する原価法、市場性に着目する取引事例比較法、収益性に着目する収益還元法の3つに大別されます。
- 選択肢 4不正解
- 収益還元法は賃貸用不動産だけでなく、自用の不動産であっても賃貸に供することを想定することによって広く適用することが可能です。
覚えるポイント
- 鑑定評価を業として行えるのは不動産鑑定士のみ
- 不動産の鑑定評価基準の三手法は原価法・取引事例比較法・収益還元法
- 不動産の価格形成の基本は最有効使用の原則に基づく
間違えやすいところ
- 宅地建物取引士が物件の査定を行うことは宅建業法上の業務として認められるが、法律上の「不動産の鑑定評価」を行うことはできない点に注意する
- 収益還元法は賃貸中の物件にしか適用できないと誤解しやすいが、自用不動産でも賃貸想定で適用可能である
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産売買契約の留意点(民法および宅地建物取引業法)
不動産 · 手付解除 / 未成年者の契約 / 瑕疵担保責任 / 宅建業法の手付金制限
民法および宅地建物取引業法に基づく不動産の売買契約上の留意点に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約は考慮しないものとし、買主は宅地建物取引業者ではないものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
不動産売買契約では、民法の契約一般のルール(手付解除・行為能力・担保責任)と、買主保護を図る宅地建物取引業法の特別規制(手付金の額の制限等)を体系的に理解する必要があります。
解き方
- 各肢における民法および宅建業法の規定内容と要件(手付解除の履行着手、未成年者取消権、権利行使期間、手付額制限)を確認する。
- 瑕疵担保責任に基づく権利行使期間の規定(知った時から1年)と選択肢3の記述(3ヵ月)を照合して誤りであると判定する。
- 選択肢 1不正解
- 解約手付による解除は相手方が契約の履行に着手するまで可能です。買主による内金の支払いは履行の着手に当たるため、売主は倍額償還による解除ができません。
- 選択肢 2不正解
- 未成年者が法定代理人の同意を得ずに締結した法律行為は、原則として取り消すことができます。婚姻による成年擬制を受けている既婚者は除かれます。
- 選択肢 3正解
- 民法の瑕疵担保責任による損害賠償請求等の権利行使期間は、買主が瑕疵の事実を知った時から1年以内と定められており、3ヵ月以内ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 宅地建物取引業者が自ら売主となる売買契約においては、売買代金の額の2割を超える手付金を受領することが禁止されています。
覚えるポイント
- 民法の瑕疵担保責任の権利行使期間は知った時から1年以内であること
- 宅建業者が自ら売主となる場合の手付金の上限は代金の2割であること
間違えやすいところ
- 宅建業法上の瑕疵担保責任の特約(引渡しから2年以上)と民法上の期間(知った時から1年)を取り違えないように注意する。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の民法および宅地建物取引業法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法(普通借家契約と定期借家契約)
不動産 · 借地借家法の適用範囲 / 更新拒絶の正当事由 / 造作買取請求権の特約 / 建物の対抗要件
借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、借地借家法における定期建物賃貸借契約を定期借家契約といい、それ以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。
解答・解説を表示
解答
2
解説
借地借家法は建物の賃貸借契約において賃借人を保護するための規定を多く置いていますが、更新拒絶に正当事由が必要となるのは貸主側のみであり、借主側からの更新拒絶や解約申入れに正当事由は求められません。
解き方
- 建物の賃貸借における借地借家法の適用対象(事業用建物も含む)を確認する。
- 契約更新拒絶における正当事由の要件が「賃貸人」に課された規制である点と、「賃借人」には不要である点を確認して誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 借地借家法の建物賃貸借の規定は、居住用建物だけでなく、店舗や倉庫といった事業用建物の賃貸借にも原則として適用されます。
- 選択肢 2正解
- 更新拒絶の通知に正当の事由が必要とされるのは建物の「賃貸人」であり、「賃借人」からの更新拒絶通知に正当事由は必要ありません。
- 選択肢 3不正解
- 造作買取請求権に関する規定は任意規定であるため、賃貸人の承諾を得て設置した造作について買取りを請求しない旨の特約を有効に結ぶことができます。
- 選択肢 4不正解
- 建物の賃貸借は登記がなくても建物の引渡しがあれば、その後その建物について所有権等の物権を取得した第三者に対して賃借権を対抗できます。
覚えるポイント
- 借家契約の更新拒絶で正当事由が必要なのは賃貸人(貸主)のみであること
- 造作買取請求権を排除する特約は有効であること
間違えやすいところ
- 借地契約における事業用定期借地権等と混同して、事業用建物の賃貸借には借地借家法が適用されないと誤認しないようにする。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の借地借家法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
都市計画法における開発行為の規制
不動産 · 都市計画法 / 開発許可 / 開発行為
都市計画法における開発行為の規制に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
都市計画法において、主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更を開発行為といい、無秩序な市街化を防止するために一定規模以上の開発行為には都道府県知事等の許可が必要です。
解き方
- 開発行為が行われる区域(市街化区域、市街化調整区域、非線引き区域、準都市計画区域等)ごとの許可を要する面積基準を確認する。
- 公的な事業の施行として行われる開発行為など、例外的に開発許可が不要となる適用除外事由に該当するかどうかを照合して正誤を判断する。
- 選択肢 1正解
- 準都市計画区域内において行う開発行為は、原則として規模が3,000㎡以上のものについて都道府県知事等の許可が必要とされるため、不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 市街化区域内において行う開発行為は、原則として規模が1,000㎡未満(三大都市圏等の一定区域では500㎡未満、条例により300㎡まで引き下げ可)である場合は開発許可が不要です。
- 選択肢 3不正解
- 市街地再開発事業の施行として行う開発行為は、公益性が高く公的手続きに基づくため、開発許可の適用除外とされ都道府県知事等の許可は不要です。
- 選択肢 4不正解
- 土地区画整理事業の施行として行う開発行為は、法律に基づく事業計画等により規制されているため、都道府県知事等の開発許可は不要です。
覚えるポイント
- 開発許可の規模要件:市街化区域は1,000㎡以上、非線引き区域は3,000㎡以上、準都市計画区域は3,000㎡以上、区域外は10,000㎡以上。
- 市街化調整区域では規模にかかわらず原則として開発許可が必要。
間違えやすいところ
- 土地区画整理事業や市街地再開発事業など、公的事業に伴う開発行為は面積にかかわらず許可不要となる例外を見落とさないようにする。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等(都市計画法)
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法の規定(複数地域にわたる場合の制限・建ぺい率・容積率)
不動産 · 建築基準法 / 用途地域 / 防火地域 / 建ぺい率 / 容積率
都市計画区域および準都市計画区域における建築基準法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
建築基準法において、敷地や建築物が異なる地域にわたる場合のルールは制限内容によって異なります。用途制限は敷地の「過半が属する地域」の規定が適用されるのに対し、防火制限は建築物の全部について「最も厳しい地域」の規定が適用されます。
解き方
- 敷地や建築物が複数の地域にまたがる場合の適用関係(用途制限=過半、防火地域=より厳しい方)を確認する。
- 建ぺい率の緩和規定(防火地域内の耐火建築物かつ建ぺい率80%地域は制限撤廃=100%)を確認する。
- 前面道路の幅員による容積率の制限基準(12m未満の場合の住居系用途地域は幅員×4/10と指定容積率の小さい方)を確認して不適切な記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 建築物の敷地が異なる2つの用途地域にわたる場合、建築物の用途制限はその敷地の過半が属する地域の規定が敷地全体に適用されます。
- 選択肢 2正解
- 建築物が防火地域と準防火地域にわたる場合、過半主義ではなく、建築物の全部についてより厳しい「防火地域」の規定が適用されるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 建ぺい率が80%と指定されている地域内で、かつ防火地域内にある耐火建築物については、建ぺい率の制限が適用されません(建ぺい率100%)。
- 選択肢 4不正解
- 住居系用途地域で前面道路幅員が12m未満の場合、前面道路幅員に4/10(40%)を乗じた数値と指定容積率を比較し、小さい方が上限となります。
覚えるポイント
- 複数地域にまたがる場合:用途制限は「過半の属する地域」、防火制限は「最も厳しい地域」。
- 建ぺい率80%+防火地域+耐火建築物の場合は建ぺい率の制限なし(100%)。
間違えやすいところ
- 用途地域の制限(過半の原則)と防火地域の制限(厳しい方の原則)を混同しやすい。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等(建築基準法)
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
固定資産税および都市計画税の仕組みと特例
不動産 · 固定資産税 / 都市計画税 / 住宅用地の課税標準の特例 / 新築住宅の軽減特例
不動産に係る固定資産税および都市計画税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
固定資産税と都市計画税は市町村が課す地方税ですが、課税標準の特例や税額軽減特例の適用範囲が異なります。住宅用地の課税標準特例は両税に適用されますが、新築住宅の家屋に対する税額軽減特例は固定資産税のみが対象です。
解き方
- 各選択肢について、固定資産税と都市計画税の課税対象区域、評価替えの周期、特例の内容を確認する。
- 新築住宅に対する税額軽減措置が固定資産税特有のものであり都市計画税には適用されない点から不適切な記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 土地および家屋の固定資産税評価額は、原則として3年ごとの基準年度において評価替えが実施されます。
- 選択肢 2不正解
- 住宅用地のうち住宅1戸当たり200平米以下の小規模住宅用地については、固定資産税の課税標準が価格の6分の1(都市計画税は3分の1)となる特例があります。
- 選択肢 3正解
- 新築住宅の建物に対する一定期間の税額軽減特例(2分の1軽減)は固定資産税のみの特例であり、都市計画税には適用されません。
- 選択肢 4不正解
- 都市計画税は、都市計画法による都市計画区域のうち、原則として市街化区域内に所在する土地および家屋に対して課税されます。
覚えるポイント
- 新築住宅の税額軽減特例は固定資産税のみに適用され、都市計画税には適用されない。
- 小規模住宅用地(200平米以下)の課税標準特例は、固定資産税で6分の1、都市計画税で3分の1となる。
間違えやすいところ
- 住宅用地に対する課税標準の特例と、新築住宅の建物に対する税額軽減の特例を取り違えて混同しやすい。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
居住用財産の譲渡所得に関する課税の特例
不動産 · 3,000万円特別控除 / 居住用財産の軽減税率の特例 / 譲渡所得
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例(3,000万円特別控除)と居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(軽減税率の特例)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
居住用財産を譲渡した場合、一定要件を満たせば「3,000万円特別控除」と「軽減税率の特例」を利用できます。3,000万円特別控除には所有期間の要件がなく、軽減税率の特例(10年超所有が要件)との重複適用が可能です。
解き方
- 3,000万円特別控除の適用期限(住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日)と所有期間要件の有無を確認する。
- 軽減税率の特例における税率区分(6,000万円以下と超)および3,000万円特別控除との重複適用の可否を判定する。
- 選択肢 1正解
- 従来住んでいた家屋や敷地の場合、居住の用に供さなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すれば3,000万円特別控除の適用を受けられます。
- 選択肢 2不正解
- 3,000万円特別控除には所有期間の要件はありません。所有期間10年超の要件が必要なのは軽減税率の特例です。
- 選択肢 3不正解
- 軽減税率の特例で低い税率(所得税10%・住民税4%)が適用されるのは、課税長期譲渡所得金額の「6,000万円以下」の部分です(8,000万円ではありません)。
- 選択肢 4不正解
- 3,000万円特別控除と軽減税率の特例は、双方の要件を満たしていれば重ねて(併用して)適用を受けることができます。
覚えるポイント
- 3,000万円特別控除は所有期間に関わらず適用可能で、居住しなくなってから3年後の年末まで有効。
- 軽減税率の特例は所有期間10年超が必要で、課税長期譲渡所得の6,000万円以下の部分に軽減税率が適用される。
間違えやすいところ
- 軽減税率の基準金額を6,000万円ではなく8,000万円などと誤解しやすい。
- 3,000万円特別控除と軽減税率の特例が併用可能であることを失念しやすい。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
土地有効活用の手法(建設協力金方式・事業受託方式・等価交換方式)
不動産 · 土地有効活用手法 / 不動産の有効活用
Aさんが所有する土地の有効活用として貸しビルを建設する際の手法について、下表の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。 [有効活用の手法/有効活用後の土地の所有名義/有効活用後の貸しビルの所有名義/貸しビル建設資金のAさんの負担の要否] ・定期借地権方式/Aさん/借地人/不要 ・建設協力金方式/( ア )/Aさん/不要(全部または一部) ・事業受託方式/Aさん/( イ )/必要 ・等価交換方式/Aさん、デベロッパー/Aさん、デベロッパー/( ウ )
解答・解説を表示
解答
3
解説
土地の有効活用手法には、土地所有者が土地を手放さずに自ら事業主体となる方式(建設協力金方式や事業受託方式など)や、土地の一部等をデベロッパーに譲渡・出資して建物の区分所有権等を取得する等価交換方式などがあります。各方式における土地・建物の所有権の帰属および建築資金調達の負担者を正確に把握することが重要です。
解き方
- 建設協力金方式は入居予定のテナントから建築資金を借り入れて土地所有者自らが建物を建築・所有する手法であるため、土地所有名義(ア)は「Aさん」となります。
- 事業受託方式はデベロッパー等に企画・建設・管理を委託するものの、資金調達および完成した建物の所有は土地所有者が行うため、建物の所有名義(イ)は「Aさん」となります。
- 等価交換方式は土地所有者が土地の一部等を提供し、デベロッパーが建築資金を負担して建物を建て、その出資割合に応じて土地・建物を区分所有等するため、Aさんの建築資金負担(ウ)は「不要」となります。
- 選択肢 1不正解
- 事業受託方式におけるビルの所有名義はAさんであり、等価交換方式でのAさんの資金負担は不要であるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 建設協力金方式における土地の所有名義はAさんのままであり、等価交換方式でのAさんの資金負担は不要であるため不適切です。
- 選択肢 3正解
- (ア)Aさん、(イ)Aさん、(ウ)不要の組み合わせが正しいため、本肢が最も適切です。
- 選択肢 4不正解
- 建設協力金方式における土地名義、および事業受託方式における建物名義はいずれもAさんであるため不適切です。
覚えるポイント
- 事業受託方式は資金負担・所有名義ともに土地所有者であり、ノウハウのみを委託する手法です。
- 等価交換方式は土地を現物出資する形となるため、土地所有者の金銭的な建築資金負担は原則として不要です。
間違えやすいところ
- 事業受託方式をデベロッパーが建物を所有する方式と混同しやすい点に注意が必要です。
- 建設協力金方式で土地の名義がテナントに移転すると誤認しないように整理しておきましょう。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の投資判断手法(IRR、NOI利回り、NPV、レバレッジ効果)
不動産 · 不動産投資の採算性 / IRR / NPV / レバレッジ効果
不動産の投資判断の手法等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
不動産投資判断では、将来キャッシュフローを現在価値に割り引いて評価するDCF法(NPV法やIRR法)、年間純収益に基づくNOI利回り、借入金を併用することで自己資金収益率を高めるレバレッジ効果などの基本指標と投資判断基準の理解が必要です。
解き方
- NPV法では正味現在価値がプラス(収益の現在価値合計が投資額の現在価値合計を上回る)であれば有利と判定します。
- IRR法では内部収益率が投資家の期待収益率(要求収益率)を上回っていれば有利と判定します。
- レバレッジ効果において自己資金利回りを向上(正のレバレッジ)させるには、投資対象の収益率が借入金の調達金利を上回っている必要があります。
- 選択肢 1不正解
- 内部収益率(IRR)が投資家の期待収益率(ハードルレート)を上回っている場合、投資価値があると判断できるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- NOI利回りは年間の純収益(Net Operating Income)を総投資額で除した指標であり、不動産の真の収益力を示すため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 将来得られる純収益の現在価値合計から投資額の現在価値を控除した正味現在価値(NPV)がゼロより大きい(上回る)場合、有利と判断するため適切です。
- 選択肢 4正解
- 対象不動産の収益率が借入金利を下回っている場合、自己資金収益率はかえって低下(逆レバレッジ)するため不適切です。
覚えるポイント
- 正のレバレッジが働く条件は「総資本利益率(不動産の収益率)> 借入金利」です。
- NPV > 0、または IRR > 期待収益率 であれば投資適格と判断します。
間違えやすいところ
- 借入金を増やすだけで無条件に自己資金利益率が向上すると錯覚しないよう、借入金利との大小関係を確認する必要があります。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
親族等の範囲と民法の規定
相続・事業承継 · 親族の範囲 / 特別養子縁組 / 財産分与 / 未成年者の婚姻
親族等に係る民法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
民法上の親族の範囲は「6親等内の血族」「配偶者」「3親等内の姻族」と明確に規定されています。養子縁組や婚姻・離婚に関する基本的法律関係の整理が不可欠です。
解き方
- 民法における親族の定義(血族・配偶者・姻族の各範囲)の条文規定を確認する。
- 特別養子縁組における実方との親族関係終了、離婚時の財産分与請求権、当時の未成年者の婚姻同意要件を照合し誤りを判定する。
- 選択肢 1正解
- 民法上、親族とされるのは「6親等内の血族」「配偶者」「3親等内の姻族」です。4親等内の姻族は親族に含まれないため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 特別養子縁組が成立したときは、原則として養子と実方の父母およびその血族との親族関係は終了します。
- 選択肢 3不正解
- 民法第768条の規定により、協議上の離婚をした者の一方は相手方に対して財産の分与を請求することができます。
- 選択肢 4不正解
- 基準日時点の民法第737条第2項に基づき、未成年者が婚姻するにあたり父母の一方が同意しないときは、他の一方の同意があれば足ります。
覚えるポイント
- 親族の法定範囲は「6親等内の血族」「配偶者」「3親等内の姻族」の3種類である点。
間違えやすいところ
- 姻族の範囲を4親等内と誤認したり、普通養子縁組と特別養子縁組の実親との関係終了の違いを取り違えやすい点。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の課税財産とみなし贈与
相続・事業承継 · みなし贈与財産 / 生命保険金 / 使用貸借 / 離婚時の財産分与
贈与税の課税財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
無償または著しく低い対価による利益の享受はみなし贈与となりますが、親族間等で使用貸借(土地の無償借用)により建物を建てた場合は借地権の贈与税課税は行われません。
解き方
- 生命保険金受取時の契約者・被保険者・受取人の関係から贈与税課税の成否を判定する。
- 土地の使用貸借における借地権認定課税の取扱いを確認し、課税対象外となる原則を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 保険料負担者が母、被保険者が父、受取人が子の場合、父の死亡により子が受領する死亡保険金は母からの贈与とみなされ、贈与税の課税対象となります。
- 選択肢 2正解
- 親の所有地を子が無償で借りて家を建てる使用貸借の場合、借地権の経済的利益に対する贈与税の課税は生じないため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 対価の授受を行わずに不動産の名義を変更した場合は、原則として無償譲受(贈与)があったものとして贈与税の課税対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 離婚による財産分与であっても、贈与税等の課税を免れる目的で行われたと認められる場合は、贈与税の課税対象となります。
覚えるポイント
- 親の土地を子が使用貸借して建物を建築しても、借地権認定課税(贈与税課税)は行われない点。
間違えやすいところ
- 親族間での土地の無償借用において借地権が贈与されたと認定課税されると誤解しやすい点。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の相続税法および関連通達(使用貸借に係る土地等の相続税評価等について)
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の申告と納付
相続・事業承継 · 贈与税の申告期限 / 贈与税の納期限 / 延納
贈与税の申告および納付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
贈与税は受贈者(財産をもらった人)が納税義務者であり、受贈者の住所地を所轄する税務署長に申告・納付します。申告・納付期間は原則として翌年の2月1日から3月15日までです。また、贈与税には物納の制度はなく、要件を満たした場合の延納期間は最長5年と定められています。
解き方
- 贈与税の納税義務者および所轄税務署長(受贈者の住所地)のルールを確認する。
- 贈与税の申告受付期間(2月1日~3月15日)と納期限(3月15日)を確認する。
- 贈与税の納付方法(延納期間は最長5年、物納は不可)を確認して正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 贈与税の申告書は、受贈者(財産を取得した者)の納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 贈与税の申告期間は、原則として贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです(所得税の申告期間と混同しないよう注意)。
- 選択肢 3正解
- 贈与税の期限内申告書に係る税額の納期限は、申告期限と同じく翌年の3月15日です。
- 選択肢 4不正解
- 贈与税の延納期間は最長で5年です。10年(または最長20年)まで認められるのは相続税の延納です。
覚えるポイント
- 贈与税の申告・納付期間は翌年2月1日から3月15日までで、提出先は受贈者の所轄税務署長です。
間違えやすいところ
- 所得税の確定申告期間(2月16日~3月15日)と贈与税の申告期間(2月1日~3月15日)を誤認しないようにしましょう。
出題の前提:平成27年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺産分割協議の手続きと効力
相続・事業承継 · 遺産分割協議 / 持回り方式 / 協議の解除
遺産分割協議に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
遺産分割協議は共同相続人全員の合意によって成立する不要式の行為であり、必ずしも全員が1カ所に集まって署名・押印する必要はありません。また、成立した遺産分割協議であっても、共同相続人全員の合意があれば合意解除して再分割を行うことが可能です。
解き方
- 遺産分割協議の成立要件と作成期限・家庭裁判所への提出義務の有無を確認する。
- 遺産分割協議書の作成方法(持回り方式を含む)の可否を検討する。
- 全員合意による遺産分割協議の解除可能性について判例の立場を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 遺産分割協議の成立や遺産分割協議書の作成に法律上の期限はなく、家庭裁判所に提出する義務もありません。
- 選択肢 2不正解
- 遺産分割協議は相続人全員の合意によって成立するため、書面の作成や実印の押印・印鑑証明書の添付がなくても合意自体は有効です。
- 選択肢 3正解
- 遺産分割協議書は全員が一堂に会する必要はなく、各相続人が順次署名・押印する持回り方式で作成することも有効に認められます。
- 選択肢 4不正解
- 既に成立した遺産分割協議であっても、共同相続人全員の合意があれば、全部または一部を合意解除して再分割協議を行うことができます。
覚えるポイント
- 遺産分割協議は全員の合意があれば持回り方式でも有効に成立し、全員の合意によりやり直すことも可能です。
間違えやすいところ
- 相続税申告期限(10カ月)を遺産分割協議そのものの法定期限と勘違いしないように注意が必要です。
出題の前提:平成27年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続財産および贈与財産の加算
相続・事業承継 · 本来の相続財産 / みなし相続財産 / 生前贈与加算 / 相続時精算課税
相続財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
相続税の課税対象には、本来の相続財産のほか、死亡退職金などのみなし相続財産や生前贈与財産が含まれます。相続時精算課税の適用財産は、相続税の計算時に「贈与時の価額」で加算して精算を行います。
解き方
- 一身専属権やみなし相続財産(死亡後3年以内に支給確定した退職手当金等)の該当性を確認します。
- 生前贈与加算および相続時精算課税制度における加算額の算定基準(贈与時の価額か相続時の価額か等)を照合して誤りを判断します。
- 選択肢 1不正解
- 被相続人の一身に専属する権利(扶養請求権など)は相続の対象とならないため、相続税の課税財産とはなりません。
- 選択肢 2不正解
- 被相続人の死亡後3年以内に支給が確定した退職手当金等は、相続税法上のみなし相続財産として課税対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)の適用を受けた金額に相当する部分は、相続開始前3年以内の贈与であっても相続税の生前贈与加算の対象外とされます。
- 選択肢 4正解
- 相続時精算課税制度を適用して取得した財産は、相続開始時の評価額ではなく「贈与時の価額」で相続税の課税価格に加算されます。
覚えるポイント
- 相続時精算課税制度により加算される財産の評価額は、相続開始時ではなく「贈与時の価額」です。
間違えやすいところ
- 相続開始時の価額に再評価して加算すると誤認しやすいため、贈与時の価額で固定される点に注意します。
出題の前提:平成27年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺産に係る基礎控除額の計算
相続・事業承継 · 法定相続人の数 / 相続放棄 / 養子の算入制限 / 基礎控除額
下記<親族関係図>において、平成27年中にAさんに相続が開始した場合の相続税の計算における「遺産に係る基礎控除額」として、最も適切なものはどれか。なお、Dさんは相続の放棄をしている。 <親族関係図> 被相続人Aさん 配偶者:妻Bさん 子:実子Cさん、実子Dさん(相続放棄)、養子Eさん
解答・解説を表示
解答
2
解説
相続税の遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で算出します。相続税法上の法定相続人の数を数える際、相続の放棄をした者は「放棄がなかったもの」として扱い、被相続人に実子がいる場合の普通養子は1人まで算入できます。
解き方
- 相続税法上の法定相続人の数を判定します。放棄をした実子Dは放棄がなかったものとして算入し、実子(C・D)がいるため養子Eは1人まで算入でき、合計4人(妻B、実子C、実子D、養子E)となります。
- 遺産に係る基礎控除額を計算します。3,000万円+600万円×4人=5,400万円=54,000千円となります。
- 選択肢 1不正解
- 平成26年12月31日以前の旧基礎控除方式(5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)で計算した数値(5,000万+1,000万×2人等)であり、不適切です。
- 選択肢 2正解
- 法定相続人の数は妻B、実子C、実子D、養子Eの4人となり、3,000万円+600万円×4=5,400万円(54,000千円)となるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 相続放棄したDさんを除外して3人として計算した場合(3,000万円+600万円×3=4,800万円)の数値であり、誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 法定相続人を2人として計算した場合(3,000万円+600万円×2=4,200万円)の数値であり、誤りです。
覚えるポイント
- 相続税法上の法定相続人の数を算定する際、相続放棄は「放棄がなかったもの」として扱います。
間違えやすいところ
- 相続放棄をした者を法定相続人の数から除外して計算してしまうミスに注意が必要です。
出題の前提:平成27年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
路線価方式による自用地価額の計算
相続・事業承継 · 宅地の評価 / 路線価方式 / 側方路線影響加算
下記の資料に基づき、路線価方式により計算される対象宅地(自用地)の価額として、最も適切なものはどれか。なお、奥行価格補正および側方路線影響加算以外の補正は考慮しないものとする。 <資料> ・対象地:間口25m、奥行16m、面積400㎡の角地 ・接面道路:南側路線価 250千円/㎡(奥行16m)、東側路線価 200千円/㎡(奥行25m) ・奥行価格補正率:16mは1.00、25mは0.99 ・側方路線影響加算率:角地 0.03、準角地 0.02 ・地区区分:普通住宅地区
解答・解説を表示
解答
4
解説
正面路線と側方路線の2つの路線に接する角地では、奥行価格補正後の路線価が高いほうを正面路線とし、もう一方を側方路線として側方路線影響加算額を正面路線価に加算して1㎡当たりの評価額を求めます。
解き方
- 各路線に奥行価格補正率を乗じて正面路線を判定します。南側は250千円×1.00=250千円/㎡、東側は200千円×0.99=198千円/㎡となり、南側が正面路線、東側が側方路線となります。
- 角地の側方路線影響加算額を計算します。側方路線価200千円×奥行価格補正率0.99×角地加算率0.03=5.94千円/㎡となります。
- 1㎡当たりの価額を求め、地積を乗じます。(250千円×1.00+200千円×0.99×0.03)×400㎡=255.94千円×400㎡=102,376千円となります。
- 選択肢 1不正解
- 正面路線の判定を誤って東側(低いほう)を正面とし、さらに角地ではなく準角地の加算率を適用しているため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 正面路線の判定を誤り、奥行価格補正後の路線価が低い東側の路線(200千円)を正面路線としているため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 正面路線の判定は正しいものの、交差点に位置する角地に対して準角地の加算率(0.02)を乗じているため不適切です。
- 選択肢 4正解
- 正面路線(250千円×1.00)に、側方路線影響加算額(200千円×0.99×0.03)を加算し、地積400㎡を乗じた正しい計算式です。
覚えるポイント
- 正面路線は、路線価に奥行価格補正率を乗じた後の金額が高い方の路線となります。
間違えやすいところ
- 単に路線価の数字だけで正面路線を決めるのではなく、奥行価格補正率を掛けた後の価額で比較することを忘れないようにしましょう。
出題の前提:平成27年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
財産評価基本通達における宅地および農地の相続税評価
相続・事業承継 · 宅地の評価単位 / 倍率方式 / 農地の評価区分
財産評価基本通達における宅地および農地の相続税評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
財産評価基本通達において、宅地は登記簿上の筆数にとらわれず利用区分ごとの一画地を単位として評価し、農地はその立地環境や転用の可能性に応じて4区分に分類して評価します。
解き方
- 宅地の評価単位に関する規定を確認します。一筆ごとではなく利用の単位である「一画地」ごとに評価するため、記述1が不適切であると判定します。
- 倍率方式、農地の4つの区分(純農地・中間農地・市街地周辺農地・市街地農地)、および市街地周辺農地の評価割合(市街地農地×80%)がそれぞれ適切であることを確認します。
- 選択肢 1正解
- 宅地は登記上の1筆単位ではなく、現実に1つの利用単位となっている「1画地」ごとに評価するため、本記述は不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 倍率方式は、固定資産税評価額に国税局長が定めた評価倍率を乗じて計算する方式であり、記述は適切です。
- 選択肢 3不正解
- 農地は純農地、中間農地、市街地周辺農地、市街地農地の4種類に区分して評価するため、記述は適切です。
- 選択肢 4不正解
- 市街地周辺農地の価額は、その農地が市街地農地であるとした場合の価額の80%(100分の80)相当額で評価するため、記述は適切です。
覚えるポイント
- 宅地の相続税評価単位は「一画地」、農地の区分は「純農地・中間農地・市街地周辺農地・市街地農地」です。
間違えやすいところ
- 不動産登記法上の「一筆」と相続税法上の評価単位である「一画地」を混同しないように区別して覚えましょう。
出題の前提:平成27年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の延納および物納の要件・手続
相続・事業承継 · 相続税の納付 / 延納 / 物納
相続税の納付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
相続税は金銭による一括納付が原則ですが、金銭納付が困難な場合には一定の要件のもとで延納(分割払い)や物納(現物納付)が認められています。延納の担保は取得財産に限らず固有財産等も提供可能です。
解き方
- 相続税の延納要件(金銭納付困難事由、納付税額10万円超、担保提供等)および担保提供財産の範囲を確認する。
- 物納の要件、収納価額の基準(原則として相続税評価額)、管理処分不適格財産(抵当権設定不動産など)の規定と照合して各肢の正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- 担保として提供できる財産は、相続または遺贈により取得した財産だけでなく、相続人自身の固有財産や適当な第三者の財産でも差し支えありません。
- 選択肢 2不正解
- 相続税額が10万円を超え、金銭で納付することが困難な事由がある場合、原則として担保を提供して延納を申請することができます。
- 選択肢 3不正解
- 物納財産の収納価額は、原則として相続税の課税価格計算の基礎となったその財産の価額(相続税評価額)となります。
- 選択肢 4不正解
- 抵当権等の担保権が設定されている不動産は「管理処分不適格財産」に該当するため、物納に充てることはできません。
覚えるポイント
- 延納の担保は相続財産だけでなく相続人の固有財産や第三者の財産でも可能。
- 延納要件は「金銭一括納付困難」「納付税額10万円超」「原則として担保提供」。
- 物納の収納価額は原則として相続税評価額。
間違えやすいところ
- 延納の担保提供財産を「相続・遺贈で取得した財産のみ」と限定して誤認しやすい点。
- 物納財産の収納価額を相続時の時価や物納時の時価と混同しやすい点。
出題の前提:平成27年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
直系尊属からの各種贈与税非課税制度
相続・事業承継 · 住宅取得等資金の贈与税非課税 / 教育資金の一括贈与 / 結婚・子育て資金の一括贈与
贈与税の非課税制度等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
直系尊属からの一括贈与の特例には、住宅取得等資金、教育資金、結婚・子育て資金などの制度があり、それぞれ非課税限度額や対象となる費用の範囲、他制度との併用要件が細かく規定されています。
解き方
- 各非課税制度の対象要件、限度額、併用可否について整理する。
- 教育資金一括贈与(限度額1,500万円)と結婚・子育て資金一括贈与(限度額1,000万円)の非課税限度額を比較して正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 住宅取得等資金の贈与税の非課税制度は、暦年課税だけでなく相続時精算課税制度とも併用して適用を受けることができます。
- 選択肢 2不正解
- 基準日時点の中古住宅取得要件として、耐火建築物の場合は取得の日以前25年以内に建築されたものであることが定められています。
- 選択肢 3不正解
- 学習塾や水泳教室などの月謝や通学定期券代は、学校等以外の者に直接支払われる教育資金(限度額500万円)の対象に含まれます。
- 選択肢 4正解
- 結婚・子育て資金の一括贈与の非課税限度額は受贈者1人につき1,000万円(結婚関係は300万円上限)であり、1,500万円ではありません。
覚えるポイント
- 教育資金一括贈与の非課税限度額は受贈者1人につき最大1,500万円(学校等以外は500万円まで)。
- 結婚・子育て資金一括贈与の非課税限度額は受贈者1人につき最大1,000万円(結婚関係は300万円まで)。
- 住宅取得等資金の贈与税の非課税は相続時精算課税との併用が可能。
間違えやすいところ
- 教育資金の一括贈与(1,500万円)と結婚・子育て資金の一括贈与(1,000万円)の限度額を取り違えるミス。
- 住宅取得等資金の非課税が相続時精算課税と併用できないと誤認するミス。
出題の前提:平成27年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年5月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2016年5月 2級 学科
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2016年5月 2級 学科の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

