日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2016年1月 2級 実技 個人資産相談業務の概要
定年退職時の雇用保険および健康保険の任意継続
社会保険・公的年金 · 雇用保険の基本手当 / 健康保険の任意継続被保険者
MさんがAさんに対して説明した、60歳で定年退職した場合の雇用保険および健康保険に関する次の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句を、〈語句群〉の中から選びなさい。 ⅰ)「Aさんが60歳でX社を定年退職し、雇用保険から基本手当を受給する場合、基本手当の所定給付日数は( ① )となります。また、基本手当は、Aさんが公共職業安定所に求職の申込みを行った日以後、( ② )の待期期間については支給されず、待期期間満了後に失業の認定を受けた日について支給されます」 ⅱ)「Aさんが退職時の健康保険に任意継続被保険者として加入する場合、任意継続被保険者の資格取得手続は、原則として退職した日の翌日から( ③ )以内に行う必要があります。なお、Aさんが任意継続被保険者として健康保険に加入できる期間は最長で2年間であり、この間の保険料は全額自己負担となります」
- イ
- 14日
- ロ
- 20日
- ハ
- 30日
- ニ
- 90日
- ホ
- 120日
- へ
- 150日
- ト
- 3日間
- チ
- 5日間
- リ
- 7日間
解答・解説を表示
解答
① へ(150日)、② リ(7日間)、③ ロ(20日)
解説
定年退職による失業は一般離職者として扱われ、算定基礎期間(被保険者期間)に応じて基本手当の所定給付日数が決まります。また、受給前には7日間の待期期間が存在します。退職後の医療保険として健康保険の任意継続を選択する場合は、資格喪失日から20日以内の申請が必要であり、最長2年間の継続加入が認められます。
解き方
- Aさんの雇用保険被保険者期間(高卒18歳から60歳までの約42年、20年以上)と離職理由(定年退職=一般離職者)を確認し、基本手当の所定給付日数が150日(へ)であることを特定します。
- 求職申込み後に求職者が失業状態にあることを確認するための通算待期期間が7日間(リ)であることを導きます。
- 健康保険の任意継続被保険者の申出期限が、資格喪失日(退職日の翌日)から20日(ロ)以内であることを確認します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:へ
- 定年退職は倒産・解雇等以外の離職者(一般離職者)に該当します。算定基礎期間が20年以上ある場合の所定給付日数は150日となります。
- 小問 ②:リ
- 基本手当は、公共職業安定所に求職の申込みを行った日以後において、通算して7日間の待期期間が満了するまでは支給されません。
- 小問 ③:ロ
- 健康保険の任意継続被保険者となるための資格取得手続は、被保険者資格を喪失した日(退職日の翌日)から20日以内に申請しなければなりません。
覚えるポイント
- 一般離職者で算定基礎期間20年以上の基本手当所定給付日数は150日
- 雇用保険の待期期間は離職理由にかかわらず通算7日間
- 健康保険の任意継続手続きは資格喪失日から20日以内、加入期間は最長2年
間違えやすいところ
- 定年退職による離職を特定受給資格者(倒産・解雇等)の給付日数と混同しないようにする
- 任意継続被保険者の申出期限(20日以内)と国民健康保険の加入届出期限(14日以内)を取り違えないこと
出題の前提:2015年10月1日現在施行の雇用保険法および健康保険法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢厚生年金の年金額の計算
社会保険・公的年金 · 報酬比例部分 / 経過的加算 / 加給年金額 / 老齢厚生年金
Aさんが、60歳でX社を退職し、その後再就職しない場合に、原則として65歳から受給することができる老齢厚生年金の年金額を、平成27年10月時点の本来水準による価額に基づいて求めなさい。なお、計算手順に従って「1.報酬比例部分の額」「2.経過的加算額」「3.基本年金額」「4.加給年金額」「5.老齢厚生年金の年金額」をそれぞれ算出しなさい。
解答・解説を表示
解答
1.1,383,804円、2.380円、3.1,384,184円、4.390,100円、5.1,774,284円
解説
65歳からの老齢厚生年金は、「報酬比例部分の額」と「経過的加算額」を合算した基本年金額に、一定の要件を満たす配偶者等がいる場合に「加給年金額」を加算して計算されます。経過的加算における厚生年金被保険者期間の月数は480月が上限となります。
解き方
- 報酬比例部分を平成15年3月以前(400,000×7.125/1,000×324=923,400円)と平成15年4月以後(500,000×5.481/1,000×168=460,404円)に分けて計算し合算(1,383,804円)します。
- 経過的加算額を計算します。総被保険者月数は492月ですが上限の480月が適用され、20歳以上60歳未満の月数も480月、加入可能年数40年の月数480月となるため、1,626円×480月-780,100円×(480/480)=780,480円-780,100円=380円となります。
- 報酬比例部分と経過的加算を合算して基本年金額(1,383,804円+380円=1,384,184円)を求めます。
- Aさんの被保険者期間が20年以上あり、65歳到達時点で65歳未満の生計維持関係にある妻Bさんがいるため加給年金額390,100円を加算対象と判定します。
- 基本年金額と加給年金額を合計して、老齢厚生年金の年金額(1,774,284円)を算出します。
答えの内訳
- 1:1,383,804円
- 報酬比例部分=①平成15年3月以前分:400,000円×(7.125/1,000)×324月=923,400円。②平成15年4月以後分:500,000円×(5.481/1,000)×168月=460,404円。合計=923,400円+460,404円=1,383,804円となります。
- 2:380円
- 経過的加算額=1,626円×被保険者期間の月数(上限480月)-780,100円×(20歳以上60歳未満の厚生年金被保険者月数480月/480月)=1,626円×480月-780,100円×(480/480)=780,480円-780,100円=380円となります。
- 3:1,384,184円
- 基本年金額=報酬比例部分の額+経過的加算額=1,383,804円+380円=1,384,184円となります。
- 4:390,100円
- Aさんの厚生年金被保険者期間は492月(20年以上)あり、65歳到達時に生計を維持している65歳未満の配偶者(妻Bさん)がいるため加給年金の要件を満たします。資料より加給年金額は390,100円です。
- 5:1,774,284円
- 老齢厚生年金の年金額=基本年金額+加給年金額=1,384,184円+390,100円=1,774,284円となります。
覚えるポイント
- 経過的加算の定額部分の乗算月数は上限480月(昭和32年4月2日以後生まれは480月)
- 加給年金の支給要件は厚生年金被保険者期間が原則20年(240月)以上であること
- 加給年金対象配偶者は厚生年金受給権者が65歳到達時に生計を維持している65歳未満の配偶者
間違えやすいところ
- 経過的加算の計算において、被保険者月数の上限480月を超えているのに492月をそのまま乗じてしまうミス
- 加給年金の加算要件(被保険者期間20年以上、受給権者65歳時点で配偶者が65歳未満)の確認漏れ
出題の前提:2015年10月1日現在施行の厚生年金保険法および国民年金法(平成27年10月時点の本来水準)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
特別支給の老齢厚生年金と在職老齢年金・雇用保険との併給調整
ライフプランニングと資金計画 · 特別支給の老齢厚生年金 / 長期加入者の特例 / 在職老齢年金 / 高年齢雇用継続給付との調整
AさんがX社の継続雇用制度を利用して60歳以後も厚生年金保険の被保険者として勤務した場合における社会保険からの給付に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① Aさんが63歳到達日にX社を退職し、その後再就職しない場合、Aさんが退職後に受給できる特別支給の老齢厚生年金の年金額は、長期加入者の特例により、定額部分の額と報酬比例部分の額を合算した額に加給年金額を加算した額となる。 ② Aさんが特別支給の老齢厚生年金の受給権取得日以後もX社に勤務した場合、特別支給の老齢厚生年金は、Aさんの総報酬月額相当額と基本月額との合計額が28万円(平成27年度の支給停止調整開始額)を超える場合に年金額の一部または全部が支給停止となる。 ③ Aさんが特別支給の老齢厚生年金の受給権取得日以後もX社に勤務し、特別支給の老齢厚生年金と雇用保険の高年齢雇用継続基本給付金とを同時に受けられる場合、特別支給の老齢厚生年金は、在職支給停止の仕組みに加えて、高年齢雇用継続給付との調整により、毎月、標準報酬月額の8%に相当する額を上限として年金額が支給停止となる。
解答・解説を表示
解答
① ○ ② ○ ③ ×
解説
60歳以降に勤務しながら年金を受給する場合、厚生年金保険の被保険者期間が44年以上ある被保険者資格喪失者に対する特別支給の特例(長期加入者の特例)、給与と年金の合計額に応じた在職支給停止(低在老)、および雇用保険の高年齢雇用継続給付との併給調整ルールを正確に理解する必要があります。
解き方
- 記述①について、Aさんの生年月日から本来の特別支給開始年齢を把握し、63歳退職時点の被保険者月数が44年(528月)以上となり長期加入者の特例を満たすか判断する。
- 記述②について、60歳代前半の在職老齢年金における支給停止調整開始額が28万円であることを確認する。
- 記述③について、高年齢雇用継続給付との併給調整による年金支給停止の上限基準(標準報酬月額の最高6%)を確認し正誤を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 昭和32年4月10日生まれの男性は63歳から報酬比例部分のみが支給開始となりますが、厚生年金保険の被保険者期間が44年(528月)以上ある者が被保険者でなくなった場合には「長期加入者の特例」が適用され、定額部分と加給年金額(要件充足時)が支給されます。Aさんは60歳時点で492月、63歳到達時まで勤務するとちょうど528月(44年)に達し退職するため、本特例の要件を満たします。
- 小問 ②:○
- 60歳台前半の在職老齢年金制度では、総報酬月額相当額と基本月額の合計額が支給停止調整開始額である28万円(平成27年度額)を超える場合、年金の全部または一部が支給停止となります。
- 小問 ③:×
- 特別支給の老齢厚生年金と雇用保険の高年齢雇用継続給付を同時に受給する場合、在職老齢年金の仕組みによる支給停止に加え、高年齢雇用継続給付との調整により標準報酬月額の最大「6%」に相当する額がさらに年金から支給停止されます。設問の「8%」は誤りです。
覚えるポイント
- 特別支給の老齢厚生年金の長期加入者の特例は被保険者期間44年(528月)以上かつ退職(被保険者でないこと)が要件。
- 高年齢雇用継続給付との併給調整による特別支給の老齢厚生年金の支給停止額の上限は標準報酬月額の6%。
間違えやすいところ
- 高年齢雇用継続給付自身の支給率上限(賃金の15%)と、年金側の支給停止率上限(標準報酬月額の6%)を混同しやすい。
- 長期加入者の特例は被保険者として在職している間は適用されない点に注意が必要。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等(平成27年度の年金法令基準)
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
追加型株式投資信託の分配金と解約時の譲渡所得課税
金融資産運用 · 追加型株式投資信託 / 普通分配金 / 元本払戻金(特別分配金) / 譲渡所得 / 個別元本
MさんがAさんに対して説明したX投資信託の分配金等に関する次の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句を、〈語句群〉の中から選びなさい。 「Aさんは、これまでにX投資信託から普通分配金と元本払戻金(特別分配金)を受け取っています。このうち、普通分配金による所得は( ① )とされ、分配時に所得税および復興特別所得税と住民税の合計で( ② )の税率による源泉徴収がされています。一方、元本払戻金(特別分配金)は非課税とされています。 仮に、Aさんが、X投資信託を、現時点の基準価額である1万口当たり10,500円で200万口すべて解約した場合、譲渡所得の金額は( ③ )となり、これに対して( ② )の税率で、所得税および復興特別所得税と住民税が解約時に源泉徴収されることとなります」 〈語句群〉 イ.利子所得 ロ.配当所得 ハ.雑所得 ニ.10.147% ホ.20.315% へ.20.42% ト.100,000円 チ.140,000円 リ.360,000円
- イ
- 利子所得
- ロ
- 配当所得
- ハ
- 雑所得
- ニ
- 10.147%
- ホ
- 20.315%
- へ
- 20.42%
- ト
- 100,000円
- チ
- 140,000円
- リ
- 360,000円
解答・解説を表示
解答
① ロ ② ホ ③ チ
解説
追加型株式投資信託の分配金のうち利益から支払われる普通分配金は配当所得(20.315%課税)となり、元本の払い戻しに相当する元本払戻金(特別分配金)は非課税ですが個別元本が同額減額されます。解約時の譲渡所得は修正後の個別元本を基準として計算します。
解き方
- 空欄①・②について、株式投資信託の普通分配金の所得区分が配当所得であること、および一律20.315%の税率で源泉徴収されることを確認する。
- 空欄③について、受給した元本払戻金200円分だけ購入時の個別元本10,000円を減額し、修正後の個別元本を9,800円(1万口当たり)と求める。
- 現時点の解約価額10,500円から修正後個別元本9,800円を差し引いた差額700円(1万口当たり)に口数(200万口÷1万口=200)を乗じて、譲渡所得金額140,000円を算出する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ロ
- 追加型公募株式投資信託の普通分配金は「配当所得」として課税されます。
- 小問 ②:ホ
- 上場株式等(株式投資信託を含む)の配当所得および譲渡所得に対しては、20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)の税率で源泉徴収が行われます。
- 小問 ③:チ
- 元本払戻金(特別分配金)200円の受取により、個別元本は購入時の10,000円から9,800円(10,000円-200円)に減額修正されます。信託財産留保額はないため、1万口当たりの解約益は「10,500円-9,800円=700円」となり、200万口全体の譲渡所得は「700円×(200万口/1万口)=140,000円」となります。
覚えるポイント
- 元本払戻金(特別分配金)を受け取ると、受け取った金額と同額だけ個別元本が引き下げられる。
- 上場株式等・公募株式投資信託の配当所得・譲渡所得の源泉徴収税率は20.315%。
間違えやすいところ
- 元本払戻金を非課税として受領した後に解約する際、購入時の基準価額のまま譲渡所得を計算してしまう誤りが多い。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託の仕組みとNISA
金融資産運用 · NISA / 運用管理費用(信託報酬) / 信託財産留保額
投資信託に関する次の記述①~③について、それぞれ適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① 「平成28年中にNISA口座で株式投資信託を購入する場合、購入時手数料を含めて120万円を限度に、その投資信託をNISA口座に受け入れることができます」 ② 「Aさんは投資信託を保有している期間中、運用管理費用(信託報酬)を負担する必要があります。この運用管理費用(信託報酬)は決算日に前決算日以降の期間分がまとめて控除されるため、決算日の基準価額はその分下がります」 ③ 「Y投資信託を解約した場合、信託財産留保額が徴収されますが、Y投資信託が償還された場合には、信託財産留保額は徴収されません」
解答・解説を表示
解答
① × ② × ③ ○
解説
投資信託の手数料(購入時手数料、信託報酬、信託財産留保額)の徴収方法や、非課税口座(NISA)の投資可能枠の算定基準(手数料を除く約定価額)を正確に理解しておく必要があります。
解き方
- NISAの年間投資枠(120万円)の計算に対象外となる費用(手数料等)が含まれるか確認します。
- 信託報酬の控除タイミングが「決算日一括」か「日々の純資産から控除」かを確認します。
- 信託財産留保額が中途解約時のみ徴収され、償還時には徴収されない性質を確認します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- NISA(少額投資非課税制度)の年間非課税投資枠(平成28年分以降は120万円)は買付代金(約定代金)ベースで計算され、購入時手数料や消費税等は非課税枠に含まれません。
- 小問 ②:×
- 運用管理費用(信託報酬)は決算日にまとめて差し引かれるのではなく、信託財産の純資産総額に対して日割り計算され、日々差し引かれて基準価額が算出されています。
- 小問 ③:○
- 信託財産留保額は、中途換金に伴う資産売却コストを換金者に負担させる費用であるため、信託期間満了等による償還時には徴収されません。
覚えるポイント
- NISAの非課税枠の判定には購入時手数料を含めない約定代金が基準となります。
- 運用管理費用(信託報酬)は日々差し引かれ、信託財産留保額は中途換金時にのみ徴収されます。
間違えやすいところ
- 信託報酬が決算日に一括控除されると誤認しやすいので、日々間接的に控除される点に注意します。
出題の前提:2015年10月1日施行の法令等および平成28年(2016年)制度改正(NISA枠120万円化)
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ポートフォリオの期待収益率の計算
金融資産運用 · 期待収益率 / 加重平均 / ポートフォリオ理論
設例の〈シナリオとX投資信託・Y投資信託の予想収益率〉に基づいて、X投資信託とY投資信託をそれぞれ3:2の割合で保有した場合のポートフォリオの期待収益率に関する次の①~③をそれぞれ求めなさい。なお、答は%表示の小数点以下第2位まで表示すること。 〈シナリオと予想収益率〉 ・シナリオ1(生起確率40%):X -5.0%、Y 16.0% ・シナリオ2(生起確率50%):X 10.0%、Y 12.0% ・シナリオ3(生起確率10%):X 15.0%、Y -8.0% ① X投資信託の期待収益率 ② Y投資信託の期待収益率 ③ ポートフォリオの期待収益率
解答・解説を表示
解答
① 4.50% ② 11.60% ③ 7.34%
解説
個別資産の期待収益率は各シナリオの生起確率で加重平均して求め、ポートフォリオ全体の期待収益率は各資産の期待収益率を投資比率で加重平均して算出します。
解き方
- X投資信託の期待収益率を、シナリオごとの「生起確率×予想収益率」の合計により算出します。
- Y投資信託の期待収益率を、シナリオごとの「生起確率×予想収益率」の合計により算出します。
- 保有比率3:2から組入比率(X:0.6、Y:0.4)を求め、各期待収益率を乗じて合算します。
答えの内訳
- ①:4.50%
- 各シナリオの生起確率と予想収益率を乗じて合算します。(-5.0%×0.40)+(10.0%×0.50)+(15.0%×0.10)=-2.00%+5.00%+1.50%=4.50%となります。
- ②:11.60%
- 各シナリオの生起確率と予想収益率を乗じて合算します。(16.0%×0.40)+(12.0%×0.50)+(-8.0%×0.10)=6.40%+6.00%-0.80%=11.60%となります。
- ③:7.34%
- XとYの保有割合は3:2であるため、組入比率はXが60%(3/5)、Yが40%(2/5)です。ポートフォリオの期待収益率は各資産の期待収益率の加重平均となるため、(4.50%×0.60)+(11.60%×0.40)=2.70%+4.64%=7.34%となります。
覚えるポイント
- 比率3:2の場合の投資比率は3/(3+2)=0.6および2/(3+2)=0.4となります。
- 答は小数点以下第2位まで「%」を付して正確に記載します。
間違えやすいところ
- 保有比率3:2をそのまま乗じてしまったり、マイナスの符号を見落として加算してしまう計算ミスに注意します。
出題の前提:2015年10月1日施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の申告・退職所得・社会保険料控除の取扱い
タックスプランニング · 退職所得の源泉徴収 / 所得控除の控除順序 / 生計同一親族の社会保険料控除
Aさんおよびその家族の平成27年分の所得税に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① Aさんは、退職金の支給を受ける際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出しているため、退職金の支払金額に20.42%の税率を乗じて計算した所得税および復興特別所得税が退職金の支給時に源泉徴収されている。 ② Aさんの平成27年分の所得税の計算において、総所得金額から所得控除額を控除しきれなかった場合、控除しきれなかった所得控除額は退職所得の金額から控除することができる。 ③ 妻Bさんが負担すべき国民年金の保険料を長男Cさんが支払った場合、その保険料は長男Cさんの社会保険料控除の対象とすることができる。
解答・解説を表示
解答
① × ② ○ ③ ○
解説
退職所得の源泉徴収は「退職所得の受給に関する申告書」の提出有無で計算方法が大きく異なり、所得控除は総所得金額だけでなく控除しきれない場合は退職所得等からも控除できる仕組みになっています。また社会保険料控除は生計を一にする親族の負担分も支払者の控除対象となります。
解き方
- 記述①:申告書を提出した場合の退職所得課税ルールと提出しない場合の一律20.42%源泉徴収を比較して正誤を判定する。
- 記述②:総所得金額から控除しきれなかった所得控除を分離課税の退職所得等から控除できるかの税法上の取扱いを確認する。
- 記述③:生計を一にする親族が負担すべき国民年金保険料を支払った場合の社会保険料控除の適用要件を照合する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合、退職所得控除額を差し引いて適正な税率により源泉徴収が行われます。退職金の支払金額に一律20.42%を乗じて源泉徴収されるのは、同申告書を提出しなかった場合です。
- 小問 ②:○
- 所得税の計算において、各種所得控除はまず総所得金額から控除し、控除しきれない残額があるときは、分離課税である退職所得の金額や山林所得の金額等から順次控除することができます。
- 小問 ③:○
- 自己と生計を一にする配偶者その他の親族が負担すべき社会保険料を本人が実際に支払った場合、その全額を支払った本人の社会保険料控除として申告することができます。
覚えるポイント
- 「退職所得の受給に関する申告書」未提出の場合は一律20.42%源泉徴収となる。
- 生計を一にする親族の社会保険料を実際に支払った者は社会保険料控除を受けられる。
間違えやすいところ
- 申告書を提出した場合に一律20.42%課税されると勘違いしやすい。
- 社会保険料控除を被保険者本人しか受けられないと思い込んでしまうミスが多い。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
退職金に係る退職所得金額の計算
タックスプランニング · 退職所得控除額 / 退職所得の計算 / 勤続年数の端数切上げ
AさんがX社から受け取った退職金(退職手当等の収入金額3,000万円、勤続年数36年3カ月)に係る退職所得の金額を求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は万円単位とすること。なお、Aさんは、これ以外に退職手当等の収入はなく、障害者になったことが退職の直接の原因ではないものとし、指定の計算手順に従うこと。 〈計算手順〉 1.退職所得控除額 2.退職所得の金額
解答・解説を表示
解答
1.退職所得控除額:1,990万円、2.退職所得の金額:505万円
解説
退職所得は、退職後の生活保障という性質を持つため担税力に配慮し、長期の勤続年数に応じた手厚い退職所得控除および2分の1課税により、他の所得に比べて税負担が大幅に軽減されています。
解き方
- 勤続年数36年3カ月の1年未満端数を切り上げて37年とする。
- 勤続年数20年超の算式「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」に37年を当てはめて退職所得控除額1,990万円を算出する。
- 「(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×1/2」に代入して退職所得の金額505万円を求める。
答えの内訳
- 1:1,990万円
- 勤続年数は36年3カ月であり、1年未満の端数は切り上げて37年となります。勤続年数20年超のため、退職所得控除額は「800万円+70万円×(37年-20年)=800万円+1,190万円=1,990万円」となります。
- 2:505万円
- 退職手当等の収入金額3,000万円から退職所得控除額1,990万円を差し引き、2分の1を乗じます。「(3,000万円-1,990万円)×1/2=1,010万円×1/2=505万円」となります。
覚えるポイント
- 退職所得控除の勤続年数の端数は1日でもあれば切り上げて1年とする。
- 退職所得控除額=20年以下部分は40万円×年数、20年超部分は800万円+70万円×(年数-20年)。
- 退職所得の金額=(収入金額-退職所得控除額)×1/2。
間違えやすいところ
- 勤続年数の3カ月を切り捨てて36年としてしまうミス。
- 退職所得控除額を引いた後に「×1/2」をするのを忘れてしまう計算ミス。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種所得の金額および総所得金額の計算
タックスプランニング · 給与所得 / 一時所得 / 損益通算 / 総所得金額
設例のAさんの平成27年分の各種所得の金額および総所得金額を計算した表および文章の空欄①~③に入る最も適切な数値を求めなさい(単位:万円)。 ・給与所得の金額:( ① )万円 ・不動産所得の金額:□□□万円 ・一時所得の金額:( ② )万円 ・退職所得の金額:□□□万円 ・総所得金額:( ③ )万円
解答・解説を表示
解答
① 129 ② 50 ③ 94
解説
所得税の総所得金額を計算する際は、まず各所得区分(給与・不動産・一時など)ごとの所得金額を算出し、不動産所得等の生じた損失を損益通算したうえで、一時所得などの総合課税の譲渡・一時所得は2分の1にして合算します。退職所得は分離課税であるため総所得金額には含めません。
解き方
- 給与収入210万円から給与所得控除額(210万円×30%+18万円=81万円)を差し引いて給与所得の金額(129万円)を算出する。
- 生命保険の解約返戻金から払込保険料と特別控除額50万円を差し引いて一時所得の金額(50万円)を算出する。
- 不動産所得の損失60万円を給与所得から損益通算し、一時所得の2分の1(25万円)を加算して総所得金額(94万円)を求める。
小問ごとの答え
- 小問 ①:129
- 給与収入210万円に対する給与所得控除額は、速算表より「210万円×30%+18万円=81万円」となります。したがって、給与所得の金額は「210万円-81万円=129万円」です。
- 小問 ②:50
- 契約から5年超が経過した一時払変額個人年金保険の解約返戻金は一時所得となります。一時所得の金額は「総収入金額(600万円)-支出した保険料(500万円)-特別控除額(50万円)=50万円」です。
- 小問 ③:94
- 不動産所得の損失60万円は土地取得利子分を含まないため全額損益通算できます。総所得金額に算入する一時所得は金額の2分の1(25万円)です。給与所得129万円から不動産所得の赤字60万円を控除し、一時所得の2分の1である25万円を加算すると「129万円-60万円+25万円=94万円」となります(退職所得は分離課税のため含めません)。
覚えるポイント
- 一時所得の金額そのものは特別控除後(上限50万円)の額であり、総所得金額に算入する際に2分の1にする点に注意する。
間違えやすいところ
- 「一時所得の金額」を問われている空欄②に、総所得金額算入後の2分の1の金額(25万円)を記入してしまう誤りに注意する。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の所得税法および関係法令
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の媒介契約および売買契約の留意点
不動産 · 専属専任媒介契約 / 買換え特約 / 媒介報酬限度額
Aさんが戸建住宅(物件X)を売却し、新築分譲マンション(物件Y)を取得する場合の留意点に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① Aさんが物件Xの売却にあたり、宅地建物取引業者と専属専任媒介契約を締結した場合、Aさんは、媒介契約の期間中は他の業者に重ねて媒介を依頼することはできず、また、Aさんが自ら見つけた相手方と当該宅地建物取引業者の媒介を受けることなく売買契約を締結することもできない。 ② Aさんが物件Yの売主との売買契約の締結にあたり、「物件Xが所定の期日までに一定額以上で売却できなかった場合には、物件Yの売買契約を解除するとともに手付金の返還を受けることができる」旨の特約をした場合、その特約は有効である。 ③ Aさんが宅地建物取引業者の媒介により物件Xを売却する場合、一般に、Aさんは媒介契約に基づき宅地建物取引業者に仲介手数料を支払うことになり、その額は最高で物件Xの売買価額の2.16%(税込)相当額となる。
解答・解説を表示
解答
① ○ ② ○ ③ ×
解説
宅地建物取引業法において、専属専任媒介契約は自己発見取引が禁じられる最も拘束力の強い媒介類型です。また、買主保護やリスク回避のための買換え特約は有効に設定でき、媒介報酬限度額は物件価格区分ごとの法定計算式(400万円超は3%+6万円+消費税等)によって規定されています。
解き方
- 専属専任媒介契約のルール(他社への重ねての依頼禁止・自己発見取引禁止)に合致しているかを照合する。
- 買換え特約(買い先行・売り先行のリスクを抑える解除条件等の特約)の私法上の有効性を判断する。
- 宅建業法における媒介報酬の上限計算式(売買価額400万円超は速算式「価格×3%+6万円」+消費税等)を確認し、誤りを見極める。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 専属専任媒介契約では、他の宅地建物取引業者への重複依頼が禁止されるだけでなく、依頼者が自ら見つけた相手方と直接契約を締結すること(自己発見取引)も禁止されます。
- 小問 ②:○
- 買い替えにおいて現住居が期日までに売却できない場合に契約を白紙解除して手付金の返還を受ける「買換え特約(解除条件付特約等)」は有効であり、実務でも広く利用されています。
- 小問 ③:×
- 売買価額が400万円を超える場合の媒介報酬の上限額は「売買価格×3%+6万円(消費税等別)」です。消費税率8%の場合は税込で「3.24%+64,800円」となり、「2.16%相当額」ではありません。
覚えるポイント
- 専任媒介契約は自己発見取引が可能だが、専属専任媒介契約は自己発見取引も不可である。
間違えやすいところ
- 媒介報酬上限額の計算において、400万円超の速算式「売買代金×3%+6万円(税抜)」を、他の係数(2%など)と混同しないようにする。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の宅地建物取引業法および関係法令
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
居住用財産を譲渡した場合の特例と税額計算
不動産 · 概算取得費 / 3,000万円特別控除 / 軽減税率の特例 / 課税長期譲渡所得金額
Aさんが所有期間10年超の居住用財産である物件Xを7,000万円で売却し、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」および「軽減税率の特例」の適用を受ける場合の、概算取得費、課税長期譲渡所得金額、所得税率、所得税・復興特別所得税・住民税の合計額の計算式における空欄①~④に入る適切な数値を求めなさい(譲渡費用は250万円、取得費不明)。
解答・解説を表示
解答
① 350(または350万円)、② 3,400(または3,400万円)、③ 10、④ 4,831,400(または4,831,400円)
解説
所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合、3,000万円特別控除の適用後に残額があれば軽減税率の特例が適用可能です。課税長期譲渡所得6,000万円以下の部分については所得税10%(住民税4%)が適用されます。
解き方
- 譲渡価額7,000万円に5%を乗じて概算取得費350万円を算出し、譲渡費用250万円および3,000万円特別控除を控除して課税長期譲渡所得金額3,400万円を求めます。
- 6,000万円以下の軽減税率(所得税10%、住民税4%)と復興特別所得税(所得税額の2.1%)を適用し、各税額を合算して合計税額を算出します。
答えの内訳
- ①:350
- 取得価額が不明な場合、概算取得費として譲渡価額の5%相当額を計上できます。7,000万円×5%=350万円となります。
- ②:3,400
- 課税長期譲渡所得金額は、譲渡価額7,000万円から取得費350万円、譲渡費用250万円、居住用財産の特別控除3,000万円を差し引いて、7,000万円-3,600万円=3,400万円となります。
- ③:10
- 所有期間10年超の居住用財産に係る軽減税率の特例において、課税長期譲渡所得金額が6,000万円以下の部分に対する所得税率は10%となります。
- ④:4,831,400
- 所得税は3,400万円×10%=3,400,000円、復興特別所得税は3,400,000円×2.1%=71,400円、住民税は3,400万円×4%=1,360,000円となり、合計税額は3,400,000+71,400+1,360,000=4,831,400円となります。
覚えるポイント
- 居住用財産の軽減税率の特例は、譲渡した年の1月1日時点で所有期間が10年を超えていることが要件です。
- 課税長期譲渡所得の6,000万円以下の部分は所得税10%・住民税4%、6,000万円超の部分は所得税15%・住民税5%です。
間違えやすいところ
- 復興特別所得税は課税長期譲渡所得金額ではなく、算出された所得税額に対して2.1%を乗じる点に注意が必要です。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の税法および設例の条件に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産取得税の課税標準の特例
不動産 · 不動産取得税 / 新築住宅の課税標準の特例 / 認定長期優良住宅 / 宅地の課税標準の特例
不動産取得税に関する説明文の空欄①~③に入る最も適切な語句を語句群(イ~リ)から選びなさい。
- イ
- 40㎡
- ロ
- 50㎡
- ハ
- 100㎡
- ニ
- 1,100万円
- ホ
- 1,200万円
- へ
- 1,300万円
- ト
- 6分の1
- チ
- 3分の1
- リ
- 2分の1
解答・解説を表示
解答
① ロ、② へ、③ リ
解説
不動産取得税では、住宅取得を促進するため新築住宅の価格からの特別控除や、宅地の課税標準を2分の1に圧縮する軽減措置が設けられています。
解き方
- 新築住宅の課税標準の特例における床面積要件(50㎡以上240㎡以下)を確認します。
- 取得する住宅が認定長期優良住宅であるため控除限度額が1,300万円となることを確認し、宅地等の課税標準が2分の1となる特例を適用します。
- 選択肢 イ不正解
- 40㎡は一戸建以外の貸付用住宅に適用される下限床面積要件であり、一般的な住宅の特例下限は50㎡です。
- 選択肢 ロ正解
- 特例適用を受けるための新築住宅の床面積要件は50㎡以上240㎡以下であるため適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 床面積要件の下限は50㎡であり、100㎡ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 1,100万円という控除限度額の規定は存在しません。
- 選択肢 ホ不正解
- 一般の新築住宅の控除額は1,200万円ですが、認定長期優良住宅の場合は1,300万円となります。
- 選択肢 へ正解
- 認定長期優良住宅に該当する場合の課税標準の特例控除額は最高1,300万円であるため適切です。
- 選択肢 ト不正解
- 6分の1は固定資産税の住宅用地特例(小規模住宅用地)の減額割合であり、不動産取得税の宅地課税標準の特例ではありません。
- 選択肢 チ不正解
- 3分の1は固定資産税の一般住宅用地の減額割合であり、不動産取得税の宅地課税標準の特例ではありません。
- 選択肢 リ正解
- 宅地等を取得した場合、土地の固定資産税評価額に2分の1を乗じた額が課税標準となるため適切です。
答えの内訳
- ①:ロ
- 新築住宅に係る不動産取得税の課税標準の特例を受けるための床面積要件は、原則として50㎡以上240㎡以下です。
- ②:へ
- 認定長期優良住宅の新築に係る課税標準の特例控除額は、一般住宅の1,200万円ではなく最高1,300万円です。
- ③:リ
- 宅地等を取得した場合の不動産取得税の課税標準は、取得した土地の固定資産税評価額に2分の1を乗じた額とする特例があります。
覚えるポイント
- 新築住宅の不動産取得税の控除額は一般住宅が1,200万円、認定長期優良住宅は1,300万円です。
- 床面積要件は50㎡以上240㎡以下(貸付用共同住宅等は40㎡以上240㎡以下)です。
間違えやすいところ
- 認定長期優良住宅の控除額を一般住宅の1,200万円と取り違えないように注意が必要です。
- 固定資産税の住宅用地特例(6分の1や3分の1)と、不動産取得税の宅地課税標準の特例(2分の1)を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の地方税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公正証書遺言の作成要件および効力
相続・事業承継 · 公正証書遺言 / 遺言の証人欠格者 / 共同遺言の禁止 / 遺言の撤回
Aさんの相続対策における公正証書遺言に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① Aさんが公正証書遺言を作成する場合、孫Eさんおよび兄Gさんは、受遺者でないときは、公正証書遺言を作成する際の証人となることができる。 ② Aさんが妻Bさんとともに公正証書遺言を作成したいと希望した場合であっても、同一の証書で共同遺言をすることはできない。 ③ Aさんが公正証書遺言を作成した場合、Aさんはその遺言の内容を、後に作成する自筆証書遺言によって撤回することはできない。
解答・解説を表示
解答
① × ② ○ ③ ×
解説
遺言は遺言者の最終意思を尊重する制度であり、いつでも撤回可能な単独行為として規定されています。公正証書遺言の作成時には証人の立会いが求められますが、利害関係を有する推定相続人やその直系血族・配偶者等は証人になれません。また、遺言の自由を担保するため同一証書での共同遺言は禁止されています。
解き方
- 記述①:親族関係図から各人の身分関係を確認し、長女Cさんが推定相続人であり、孫Eさんはその直系血族に当たるため証人欠格事由に該当すると判断します。
- 記述②:民法上の共同遺言の禁止規定(民法第975条)が公正証書遺言にも適用されることを確認します。
- 記述③:遺言の撤回自由の原則(民法第1022条)に基づき、遺言の方式間で優先関係はなく、公正証書遺言を自筆証書遺言で撤回可能であることを確認します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 未成年者、推定相続人、受遺者ならびにこれらの配偶者および直系血族は遺言の証人・立会人になることができません。孫Eさんは推定相続人である長女Cさんの直系血族(子)に該当するため、証人になることはできません。
- 小問 ②:○
- 民法第975条により、2人以上の者が同一の証書によって遺言をすることは禁止されています(共同遺言の禁止)。これは公正証書遺言であっても同様に禁止されます。
- 小問 ③:×
- 遺言者はいつでも遺言の方式に従って自由に遺言を撤回することができます。遺言の方式間に効力の優劣はないため、公正証書遺言の内容を後に作成した自筆証書遺言で撤回することも有効です。
覚えるポイント
- 推定相続人および受遺者、ならびにそれらの配偶者および直系血族は遺言の証人になれません。
- 夫婦であっても同一の遺言書で遺言を作成することはできません(共同遺言の禁止)。
- 遺言の方式(自筆証書・公正証書・秘密証書)による効力の上下はなく、後の適法な遺言によって前の遺言を撤回できます。
間違えやすいところ
- 孫Eさんは代襲相続人や養子ではないため一見証人になれると誤認しやすいですが、推定相続人である母(長女Cさん)の直系血族であるため証人になれません。
- 公正証書遺言は自筆証書遺言よりも厳格な方式であるため、自筆証書遺言では撤回できないと混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令(民法第974条、第975条、第1022条)
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
死亡保険金の非課税限度額、上場株式の評価、住宅取得等資金の生前贈与加算
相続・事業承継 · 生命保険金の非課税限度額 / 法定相続人の数 / 上場株式の評価額 / 生前贈与加算の適用除外
仮にAさんの相続が現時点(平成28年1月24日)で開始した場合の相続税に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① 妻Bさんが受け取る死亡保険金のうち、相続税の課税価格に算入される金額(非課税金額控除後の金額)は、500万円である。 ② Aさんが所有している上場株式の相続税評価は、原則として上場されている金融商品取引所の公表する課税時期の最終価格、および課税時期の属する月以前4カ月間の毎日の最終価格の各月ごとの平均額のうち最も低い価額によって行われる。 ③ 二女DさんがAさんの相続により財産を取得した場合、二女Dさんが平成26年にAさんから住宅取得資金として贈与を受けた現金1,000万円は相続税の課税価格に加算される。
解答・解説を表示
解答
① ○ ② × ③ ×
解説
相続税の計算において、生命保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」で計算し、実子がいる場合の普通養子は1人まで法定相続人の数に含めることができます。また、上場株式は課税時期および直前2カ月(当月含む計3カ月)の月平均額との4つのうち最低額で評価し、住宅取得等資金贈与の非課税適用分は相続前3年以内であっても加算されません。
解き方
- 記述①:法定相続人の数を判定(配偶者、実子2人、養子1人の計4人)。非課税枠2,000万円を死亡保険金2,500万円から控除し、算入額500万円が正しいことを確認します。
- 記述②:上場株式の評価対象となる月別平均額の期間が「課税時期の属する月、前月、前々月」の3カ月分であり、「以前4カ月間」とする記述が誤りであると判断します。
- 記述③:直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度の適用額は、相続開始前3年以内の生前贈与加算の対象外となる規定を確認します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 法定相続人は妻Bさん、長女Cさん、二女Dさん、孫Fさん(実子がいるため養子は1人まで算入)の計4人です。生命保険金の非課税限度額は「500万円×4人=2,000万円」となり、課税価格に算入される金額は「2,500万円-2,000万円=500万円」となります。
- 小問 ②:×
- 上場株式の相続税評価は、課税時期の最終価格、課税時期の属する月、前月、前々月の毎日の最終価格の各月ごとの平均額の計4つのうち最も低い価額により評価します。「以前4カ月間」ではありません。
- 小問 ③:×
- 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度の適用を受けた金額については、相続開始前3年以内の贈与であっても相続税の課税価格への生前贈与加算の対象外とされています。
覚えるポイント
- 実子がいる場合の普通養子の法定相続人算入限度は1人までです。
- 上場株式の評価は、課税時期の終値、当月・前月・前々月の終値平均値の計4つの中から最も低い価額を採用します。
- 住宅取得等資金贈与や教育資金贈与などの非課税特例を受けた財産は、原則として相続開始前3年以内贈与加算の対象外です。
間違えやすいところ
- 普通養子縁組の孫を法定相続人の数に含められるか迷う場合がありますが、実子がいる場合は1人まで含められます。
- 上場株式の月平均価格の比較対象期間を「過去3カ月(当月・前月・前々月)」ではなく「4カ月」と誤解しないよう注意が必要です。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令(相続税法第12条、第15条、第19条、財産評価基本通達169、租税特別措置法第70条の2)
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の基礎控除額および相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 遺産に係る基礎控除額 / 法定相続分 / 相続税の総額の計算 / 養子の法定相続人の数への算入制限
Aさんの相続が平成28年1月24日に開始し、課税遺産総額(課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額)が1億8,000万円であった場合の、遺産に係る基礎控除額および相続税の総額の計算表における空欄①~④に入る数値を求めなさい。
解答・解説を表示
解答
① 5,400 ② 2,000 ③ 400 ④ 3,200
解説
相続税の総額を計算する際は、まず法定相続人の数を正しく確定させて基礎控除額を求めます。被相続人に実子がいる場合、基礎控除の法定相続人の数に含めることができる養子は1人までとなります。次に、課税遺産総額を法定相続人が民法の法定相続分に従って取得したものと仮定して各人の取得金額を按分計算し、超過累進税率を適用した税額を算出し、それらを合計して総額を求めます。
解き方
- 実子がいる場合の養子の算入制限(1人まで)を踏まえ、法定相続人を妻B・長女C・二女D・孫Fの計4人と確定し、基礎控除額「3,000万円+600万円×4人=5,400万円」を求めます。
- 課税遺産総額1億8,000万円を各法定相続分(妻1/2、子各1/6)で按分し、妻9,000万円、子各3,000万円を算出します。
- 速算表に基づき各人の税額(妻:9,000万円×30%-700万円=2,000万円、子3人:各3,000万円×15%-50万円=各400万円)を計算し、合算して総額3,200万円を求めます。
答えの内訳
- ①:5,400
- 法定相続人は妻B、長女C、二女D、普通養子である孫Fの合計4人(実子がいるため養子の算入制限は1人まで)。遺産に係る基礎控除額=3,000万円+600万円×4人=5,400万円となります。
- ②:2,000
- 妻Bさんの法定相続分は2分の1です。法定相続分に応ずる取得金額=1億8,000万円×1/2=9,000万円。速算表より税額=9,000万円×30%-700万円=2,000万円となります。
- ③:400
- 長女Cさんの法定相続分は1/2×1/3=1/6です。法定相続分に応ずる取得金額=1億8,000万円×1/6=3,000万円。速算表より税額=3,000万円×15%-50万円=400万円となります。
- ④:3,200
- 二女Dさんと孫Fさんの税額も長女Cさんと同額の各400万円です。相続税の総額=妻B2,000万円+長女C400万円+二女D400万円+孫F400万円=3,200万円となります。
覚えるポイント
- 実子がいる場合の養子の算入制限は1人まで、実子がいない場合は2人までです。
- 相続税の総額は、実際の遺産分割割合ではなく「法定相続分どおりに取得したものと仮定」して計算します。
間違えやすいところ
- 実子がいるにもかかわらず養子を複数人算入してしまったり、逆に養子を法定相続人から除外してしまうミスに注意が必要です。
- 二女Dや孫Fの税額を計算から落としてしまい、相続税の総額を誤って計算しないように注意しましょう。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2016年1月 2級 実技 個人資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2016年1月 2級 実技 個人資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

