日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2016年1月 2級 学科の概要
FPと関係法規(関連業法と業務独占規定)
ライフプランニングと資金計画 · FPの倫理と関連法規 / 税理士法 / 社会保険労務士法 / 宅地建物取引業法 / 弁護士法
ファイナンシャル・プランナー(FP)の顧客に対する次の行為のうち、各種法令の業務規制(業務独占規定等)に照らして最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
FPは業務を行うにあたり、弁護士法、税理士法、社会保険労務士法、宅地建物取引業法などの他士業・事業の独占業務を侵害しないよう法令を遵守する必要があります。公正証書遺言の証人への立ち会いは特定士業の独占業務ではなく、民法に規定された欠格事由(未成年者、推定相続人、受遺者など)に該当しなければ誰でも証人になることができます。
解き方
- 各資格(税理士、社労士、宅建業者、弁護士等)の業務独占規定に該当する行為かを判別する。
- 選択肢1・2・4はいずれも法令違反(独占業務違反等)に該当することを確認する。
- 公正証書遺言の証人立ち会いが法令に抵触せず適法に行えることを確認し、適切な選択肢を導く。
- 選択肢 1不正解
- 具体的な税額計算の相談や確定申告書作成の代行は、有償・無償を問わず税理士法に抵触するため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 公的年金請求書の作成および申請代行は社会保険労務士の独占業務であるため、社労士資格のないFPが行うと社会保険労務士法に抵触します。
- 選択肢 3正解
- 公正証書遺言作成の証人は民法上の欠格事由に該当しなければ誰でも務めることができ、弁護士資格のないFPが立ち会って適正な報酬を得ることは適切です。
- 選択肢 4不正解
- 業として宅地または建物の売買・代理・媒介を行う行為は宅地建物取引業の免許が必要となるため、無免許で行うことは宅地建物取引業法に抵触します。
覚えるポイント
- 税理士法は無償であっても具体的な税額計算・税務相談を禁止している点。
- 民法の公正証書遺言の証人欠格者(未成年者、推定相続人、受遺者およびその配偶者・直系血族等)以外は証人になれる点。
間違えやすいところ
- 税理士業務は「無償であれば相談に乗ってもよい」と誤解しやすい点に注意する。
- 遺言作成の証人立ち会いは弁護士等に限定された独占業務であると誤認しやすい点。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ライフプランニングの一般的なアドバイス
ライフプランニングと資金計画 · ライフプランニングの手法 / キャッシュフロー表 / 老後生活設計 / リスク許容度
ライフプランニングにおける一般的なアドバイスに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
ライフプランニングでは、年代やライフステージに応じたリスク許容度を考慮することが基本です。特に定年を迎える60歳代以降は、勤労収入の減少や余命年数から運用失敗時のリカバーが困難であるため、生活資金には安全性を重視した運用管理が求められます。
解き方
- 各選択肢のアドバイス内容が一般的なファイナンシャル・プランニングの手法や原則に合致しているかを検討する。
- 選択肢1・2・3がライフプラン作成や住宅ローン・教育費対策、老後収支把握として適切であることを確認する。
- 選択肢4において、老後の生活資金確保のために高リスクな積極運用を推奨している点がリスク管理およびリスク許容度の観点から不適切であると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 住宅ローンの返済は長期に及ぶため、金利水準や将来の収支見通しを考慮した長期キャッシュフロー表の作成は適切です。
- 選択肢 2不正解
- 住宅費と教育費の負担ピークに対して、固定費である生命保険の見直しや奨学金の活用等を多角的に検討することは適切です。
- 選択肢 3不正解
- 退職後の収支見通しを立てるため、公的年金や退職金の受給見込額を事前に把握することは生活設計上適切です。
- 選択肢 4正解
- 60歳代以降は勤労収入の増加が見込みにくくリスク許容度が低いため、高リスクな運用で生活資金を確保しようとするのは極めて不適切です。
覚えるポイント
- ライフステージとリスク許容度の関係(高齢になるほど原則としてリスク許容度は低くなる)。
- 生活資金などの必須資金は安全資産を中心に管理・確保するのが原則であること。
間違えやすいところ
- 「収入を増やせないなら投資収益を狙うべき」という論理に誘導されて正しいと誤認しないように注意する。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
労災保険の各種給付
ライフプランニングと資金計画 · 労働者災害補償保険 / 休業補償給付 / 療養補償給付 / 障害補償給付 / 遺族補償給付
労働者災害補償保険(労災保険)の給付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
労働者災害補償保険の休業補償給付は、業務上の事由による傷病療養のため労働できず賃金を受けない日の第4日目から支給され、初めの3日間は待期期間(事業主による労働基準法上の休業補償義務期間)と定められています。
解き方
- 各選択肢の労災保険における給付要件および支給内容(休業補償給付の待期期間、療養補償給付の自己負担、障害補償給付、遺族補償年金の額の算定基準)を確認します。
- 休業補償給付の支給開始日が「第1日目から」とされている記述が、法定の「第4日目から支給(待期3日間)」に反して不適切であると判定します。
- 選択肢 1正解
- 休業補償給付は、労働することができないために賃金を受けない日の第4日目から支給されます。初めの3日間は待期期間となり、労災保険からは支給されません。
- 選択肢 2不正解
- 労災指定医療機関等で現物給付として行われる療養補償給付については、被災労働者の一部負担金(自己負担)はありません。
- 選択肢 3不正解
- 業務上の傷病が治癒(症状固定)した後に一定の障害が残り、障害等級(第1級から第14級)に該当するときは、障害補償年金または障害補償一時金が支給されます。
- 選択肢 4不正解
- 遺族補償年金の額は、受給権者および受給権者と生計を同じくしている受給資格者の人数(1人〜4人以上)に応じて給付基礎日額の153日分〜245日分と定められています。
覚えるポイント
- 休業補償給付の待期期間は3日間であり、第4日目から給付が支給される点
間違えやすいところ
- 通勤災害による療養給付では初回に一部負担金(原則200円)が徴収されるのに対し、業務災害の療養補償給付では一部負担金がない点との混同
出題の前提:平成27年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金の被保険者資格および学生納付特例
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金 / 被保険者の種別 / 任意加入被保険者 / 学生納付特例制度
国民年金の被保険者に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
国民年金の被保険者種別は日本国内に住所を有するか等で決まり、学生納付特例制度は一般の保険料免除制度と異なり、世帯主や配偶者の所得は問わず学生本人の所得基準のみで適用可否が判定されます。
解き方
- 第1号被保険者(国内居住要件)、遺族年金受給中の被保険者資格、第3号被保険者(配偶者の種別要件)の規定を照合します。
- 学生納付特例制度における所得基準の判定対象者を確認し、本人の所得のみで判断されるため選択肢4が適切であると導きます。
- 選択肢 1不正解
- 国民年金の第1号被保険者は日本国内に住所を有することが要件であるため、海外在住の日本人は強制加入の第1号被保険者ではなく、任意加入被保険者となることができます。
- 選択肢 2不正解
- 遺族基礎年金の受給権者であっても、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者で第2号・第3号に該当しない場合は、国民年金の第1号被保険者となります(申請により免除を受けることは可能)。
- 選択肢 3不正解
- 第3号被保険者は「第2号被保険者」に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者です。第1号被保険者に扶養されている配偶者は第1号被保険者となります。
- 選択肢 4正解
- 学生納付特例制度の所得審査は学生本人の前年所得のみで判定され、親などの世帯主の所得額の多寡にかかわらず適用を受けることができます。
覚えるポイント
- 学生納付特例の所得判定基準は「学生本人の所得のみ」であり世帯主や親の所得は問われない点
間違えやすいところ
- 一般の保険料全額・一部免除制度では「本人・配偶者・世帯主」の所得が審査対象となるのに対し、学生納付特例は本人のみである点を混同しやすい
出題の前提:平成27年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
特別支給の老齢厚生年金・加給年金・繰下げ支給
ライフプランニングと資金計画 · 老齢給付 / 特別支給の老齢厚生年金 / 加給年金額 / 繰下げ支給
厚生年金保険の老齢給付に関する以下の文中の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 ・特別支給の老齢厚生年金が支給されるためには、厚生年金保険の被保険者期間が( ア )以上あることなどの要件を満たす必要がある。 ・加給年金額の加算を受けるためには、老齢厚生年金の受給権者本人の厚生年金保険の被保険者期間が原則として( イ )以上あることなどの要件を満たす必要がある。 ・老齢厚生年金の繰下げ支給の増額率は、65歳以降繰り下げた月数(最大60ヵ月)に( ウ )を乗じて得た率となる。
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解答
3
解説
老齢厚生年金における受給要件や加算要件には所定の被保険者期間が定められています。特別支給の老齢厚生年金は1年以上、家族手当に相当する加給年金額は原則20年(240月)以上の被保険者期間が必要です。また、65歳以降の年金を繰り下げて受給する場合の増額率は月あたり0.7%となります。
解き方
- 特別支給の老齢厚生年金の受給要件(受給資格期間を満たし、厚生年金被保険者期間が1年以上)から空欄(ア)を「1年」と判断します。
- 加給年金額が加算されるための被保険者期間(原則20年または中高齢特例15〜19年以上)から空欄(イ)を「20年」と判断します。
- 老齢厚生年金の繰下げ受給に伴う増額率(1月あたり0.7%増額、最大60月で42%)から空欄(ウ)を「0.7%」と判断します。
- 選択肢 1不正解
- 特別支給の老齢厚生年金の受給要件は1年以上、加給年金額の加算要件は原則20年以上であるため誤りです。1ヵ月は65歳以降の本来支給の老齢厚生年金の受給要件です。
- 選択肢 2不正解
- 特別支給の老齢厚生年金の要件は1年以上であり、繰下げ増額率は月あたり0.7%であるため誤りです(0.5%は受給開始を早める繰上げ支給の減額率です)。
- 選択肢 3正解
- (ア)1年、(イ)20年、(ウ)0.7%であり、すべての組み合わせが正しく適切です。
- 選択肢 4不正解
- 加給年金額の要件は原則20年以上であり、繰下げ増額率は月あたり0.7%であるため誤りです。
覚えるポイント
- 特別支給の老齢厚生年金は厚生年金被保険者期間が「1年以上」必要です。
- 加給年金額の加算要件は原則として厚生年金被保険者期間が「20年以上」必要です。
- 繰下げ支給の増額率は「繰下げ月数×0.7%」です。
間違えやすいところ
- 繰上げ支給の減額率(月0.5%※法改正前)と繰下げ支給の増額率(月0.7%)を混同しないように注意します。
- 特別支給の老齢厚生年金の期間要件(1年以上)と、65歳以降の本来支給の老齢厚生年金の期間要件(1ヵ月以上)を取り違えやすいので区別します。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺族厚生年金の受給要件・遺族の範囲・年金額
ライフプランニングと資金計画 · 遺族給付 / 遺族厚生年金 / 遺族の範囲 / 報酬比例部分
遺族厚生年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問において、「被保険者であった者」および「被保険者等」は保険料納付要件を満たしているものとする。
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解答
2
解説
遺族厚生年金の受給対象となる遺族は、被保険者または被保険者であった者の死亡当時、その者によって生計を維持されていた「配偶者、子、父母、孫、祖父母」であり、所定の順位があります。ここでいう「父母」や「祖父母」は被保険者等本人の直系尊属に限られ、配偶者の父母や祖父母(姻族)は対象に含まれません。
解き方
- 選択肢1について、被保険者期間中の初診日から5年以内の死亡は短期要件に該当し、遺族厚生年金が支給されるため適切と確認します。
- 選択肢2について、受給資格のある父母に被保険者本人の父母は含まれますが、配偶者の父母は含まれないため不適切と判断します。
- 選択肢3について、死亡当時胎児であった子が出生した場合は将来に向かって受給対象となるため適切と確認します。
- 選択肢4について、遺族厚生年金の額は原則として老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3相当額であるため適切と確認します。
- 選択肢 1不正解
- 被保険者であった間に初診日がある傷病により初診日から5年以内に死亡した場合は、遺族厚生年金の短期要件を満たし支給されます。
- 選択肢 2正解
- 遺族厚生年金の支給対象となる父母は被保険者等本人の父母に限られ、生計を同じくしていた場合であっても配偶者の父母(姻族)は含まれません。
- 選択肢 3不正解
- 死亡当時に胎児であった子が出生したときは、将来に向かって死亡当時生計を維持されていた子とみなされ受給権者となります。
- 選択肢 4不正解
- 遺族厚生年金の基本額は、原則として死亡した者の被保険者期間を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3相当額です。
覚えるポイント
- 遺族厚生年金の受給対象となる遺族の範囲は「配偶者・子」「父母」「孫」「祖父母」の順位です。
- 対象となる遺族は被保険者本人の親族であり、配偶者の父母等の姻族は対象外です。
間違えやすいところ
- 被保険者本人の父母(実父母・養父母)と、配偶者の父母(義父母)の区別を混同しやすい点に注意します。
- 被保険者資格喪失後の死亡でも「初診日から5年以内」であれば短期要件を満たす点を見落とさないようにします。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
確定拠出年金の制度概要とマッチング拠出のルール
ライフプランニングと資金計画 · 確定拠出年金 / マッチング拠出 / 移換 / 老齢給付金
確定拠出年金(企業型年金および個人型年金)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
確定拠出年金(DC)は、拠出された掛金とその運用実績に基づいて給付額が決定される年金制度です。企業型年金で加入者自身が掛金を上乗せ拠出するマッチング拠出では、「加入者掛金額 ≦ 事業主掛金額」かつ「合計拠出額 ≦ 各自の拠出限度額」という二重の制限が課されています。
解き方
- 個人型年金の納付方法および離職・転職時の資産移換要件(運用指図者への移行)が正しいか確認する。
- マッチング拠出における加入者掛金の限度要件(事業主掛金額以下・合算限度額以内)を確認し、誤りを見分ける。
- 確定拠出年金の老齢給付金の受給開始要件(通算加入者等期間が10年以上で60歳受給可能)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 企業年金のない企業に勤める個人型年金の第2号加入者の掛金納付は、個人払込(口座振替)のほか、給与天引き(事業主払込)による納付も可能です。
- 選択肢 2不正解
- 企業型DCの加入者が退職して第3号被保険者になった場合、個人別管理資産を国民年金基金連合会へ移換し、運用のみを行う個人型の運用指図者となることができます。
- 選択肢 3正解
- マッチング拠出の加入者掛金額は、事業主掛金の額を超えることができず、かつ合算額が拠出限度額の範囲内でなければならないため、誤りの記述です。
- 選択肢 4不正解
- 確定拠出年金の老齢給付金を本来の60歳から受給するためには、通算加入者等期間が通算10年以上あることが要件とされています。
覚えるポイント
- マッチング拠出の加入者掛金は「事業主掛金以下」かつ「合算で限度額以下」の2大要件。
間違えやすいところ
- マッチング拠出で事業主掛金が少なくても、限度額枠いっぱいまで加入者が拠出できると誤認しやすい点。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金基金の加入要件・掛金限度額・給付内容
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金基金 / 公的年金の上乗せ / 掛金限度額 / 加入要件
国民年金基金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
国民年金基金は、自営業者等の国民年金第1号被保険者が会社員の厚生年金に相当する上乗せの老齢給付を確保するために創設された公的な年金制度です。加入対象者は第1号被保険者に限定されており、第2号や第3号被保険者は加入対象外です。
解き方
- 国民年金基金の加入資格(第1号被保険者のみで第2号・第3号は対象外)を確認し、誤りの選択肢を特定する。
- 基金の加入口数方式(50歳未満での1口目終身年金選択、2口目以降の選択肢)が適切か確認する。
- 掛金限度額(月額68,000円、iDeCoとの合算制限)および国民年金保険料未納時の年金給付対象外の取り扱いを確認する。
- 選択肢 1正解
- 国民年金基金に加入できるのは原則として国民年金の第1号被保険者のみであり、第3号被保険者は加入対象ではないため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 加入時50歳未満の場合、1口目は終身年金(A型・B型)の2種類から選び、2口目以降は確定年金を含む計7種類から自由に選択できます。
- 選択肢 3不正解
- 国民年金基金の掛金は月額6万8,000円が上限であり、個人型確定拠出年金(iDeCo)を併用する場合は合算して月額6万8,000円が限度となります。
- 選択肢 4不正解
- 基礎となる国民年金保険料が未納となった期間については、その期間に係る国民年金基金の加入期間は年金給付の算定対象とされません。
覚えるポイント
- 国民年金基金は第1号被保険者向けの上乗せ制度であり、第2号・第3号被保険者は加入不可。
間違えやすいところ
- 確定拠出年金(iDeCo)の第3号被保険者加入と混同して、国民年金基金にも第3号被保険者が加入できると誤解しやすい点。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
教育ローンおよび奨学金の仕組みと利用要件
ライフプランニングと資金計画 · 教育一般貸付 / 日本政策金融公庫 / 日本学生支援機構 / 第一種奨学金
教育ローンおよび奨学金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
公的な教育資金調達制度には日本政策金融公庫の教育一般貸付(保護者向けの教育ローン)と日本学生支援機構の奨学金(学生本人への貸与等)があります。教育一般貸付は子どもの修学に伴う広範な資金需要(学校納付金のほか住居費や通学交通費等)に対応しています。
解き方
- 日本政策金融公庫の教育一般貸付の利用要件(世帯年収上限、申込者要件、対象使途)を確認する。
- 日本学生支援機構の第一種奨学金(無利息)の受給要件を確認する。
- 教育一般貸付の使途に自宅外通学に係る住居費用が含まれるか否かを検討し、誤っている記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 教育一般貸付の利用には、世帯で扶養している子どもの人数に応じて設定された世帯年収(所得)の上限要件を満たす必要があります。
- 選択肢 2正解
- 教育一般貸付の資金使途には、入学金や授業料等の学校納付金だけでなく、アパートの敷金・家賃や通学費用なども対象となるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 教育一般貸付の申込人は原則として学生の保護者ですが、成年に達し安定した収入があるなど一定の要件を満たす場合は学生本人も申込人になれます。
- 選択肢 4不正解
- 日本学生支援機構の第一種奨学金(無利息)は、学業成績が特に優れ、経済的理由により著しく修学困難と認められる学生に貸与されます。
覚えるポイント
- 国の教育ローンは自宅外通学の敷金・家賃や通学費用も資金使途に含まれる。
間違えやすいところ
- 教育ローンの使途を学校に直接納付する入学金や授業料だけに限定されると誤認しやすい。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
クレジットカードの取引規制と利用形態
ライフプランニングと資金計画 · クレジットカード / 貸金業法 / 総量規制 / 割賦販売法 / リボルビング払い
クレジットカードに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
クレジットカードのキャッシング枠は金銭の貸付けであるため貸金業法の適用を受け、総量規制により年収の3分の1を超える貸付けが原則禁止されています。一方、ショッピング枠は割賦販売法の規制を受け、支払可能見込額の調査等が義務付けられています。
解き方
- リボルビング払いの方式(ウィズイン方式・ウィズアウト方式)の定義を確認する。
- 割賦販売法に基づく支払可能見込額の調査義務を確認する。
- 貸金業法の総量規制における借入可能限度額の基準(年収の割合)を確認する。
- 規約違反行為(ショッピング枠の現金化など)の取扱いを確認し、誤りを含む肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- リボルビング払いの手数料算定・請求方式には、毎月の支払額に手数料が含まれるウィズイン方式と、毎月の元金に手数料が外枠で加算されるウィズアウト方式があります。
- 選択肢 2不正解
- 割賦販売法では過剰なクレジット契約を防止するため、クレジット会社に対して年収やクレジット債務等を基にした支払可能見込額の調査を義務付けています。
- 選択肢 3正解
- 貸金業法の総量規制により、個人の無担保借入残高(他社合算)の上限は原則として「年収額の3分の1」までであり、3分の2ではありません。
- 選択肢 4不正解
- クレジットカードのショッピング利用枠を換金する目的で利用することは、カード各社の会員規約において禁止行為と定められています。
覚えるポイント
- 貸金業法の総量規制の基準は「年収の3分の1」まで。
間違えやすいところ
- 総量規制の基準割合を「3分の1」と「3分の2」や「2分の1」などと混同しやすい。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
保険契約者保護機構の仕組みと補償対象
リスク管理 · 保険契約者保護機構 / 生命保険契約者保護機構 / 損害保険契約者保護機構
保険契約者保護機構に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
保険契約者保護機構は、国内で事業を行う保険会社が破綻した際に契約者を保護する制度です。生命保険は破綻時の責任準備金の90%が補償限度となり、損害保険は保険種目によって補償割合が異なり、自賠責保険や地震保険は全額(100%)が補償されます。
解き方
- 各選択肢について、保護機構への加入要件、窓口販売商品の保護主体、生命保険の補償対象基準(責任準備金か保険金か)の正確性を検証する。
- 損害保険契約者保護機構における自賠責保険の補償割合(時期を問わず100%補償)を確認し、最も適切な記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 日本国内で営業免許を受けて事業を行う保険会社は、本社が外国にある外国保険会社の日本支店であっても、保険契約者保護機構への加入が義務付けられています。
- 選択肢 2不正解
- 国内銀行等の金融機関窓口で加入した生命保険契約であっても、生命保険会社が引き受ける契約であるため、預金保険制度ではなく生命保険契約者保護機構の保護対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 生命保険契約者保護機構が補償するのは「破綻時の保険金・年金等の額」の90%ではなく、「破綻時の責任準備金等」の90%です。
- 選択肢 4正解
- 自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)は、保険会社の破綻からの期間にかかわらず、支払われるべき保険金の100%(全額)が損害保険契約者保護機構により補償されます。
覚えるポイント
- 生命保険契約者保護機構の補償割合は「責任準備金等の90%」であること。
- 自賠責保険および地震保険は事故発生時期を問わず全額(100%)補償されること。
間違えやすいところ
- 生命保険の補償対象を「保険金額の90%」と混同しないよう注意が必要です。
- 銀行窓口で加入した保険商品を預金保険制度の対象と誤認しやすい点に留意しましょう。
出題の前提:平成27年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
定額個人年金保険の商品性と税務
リスク管理 · 定額個人年金保険 / 確定年金 / 外貨建て年金保険 / 個人年金保険の税務
定額個人年金保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
定額個人年金保険は将来受け取る基本年金額が契約時に確定している保険ですが、有配当契約では積立配当金により年金額が増額されることがあります。また、外貨建て商品の為替リスクや、契約者と受取人の相違による贈与税課税など税務上の取扱いも重要です。
解き方
- 有配当型定額個人年金保険における配当金(増額年金等)の仕組みを確認し、年金額が増額される余地を検証する。
- 外貨建ての為替リスク、確定年金の死亡時継続保障、年金受給権発生時の贈与税課税の各記述の正誤を照合する。
- 選択肢 1正解
- 有配当タイプの個人年金保険では、年金支払開始前や年金支払開始後の積立配当金によって年金額が増額される(増額年金等)ことがあります。
- 選択肢 2不正解
- 外貨建て個人年金保険では、円貨受取時に為替相場が円高に振れている場合、円換算での受取総額が払込保険料相当額を下回る元本割れのリスクがあります。
- 選択肢 3不正解
- 確定年金は被保険者の生死に関係なく定められた期間年金が支払われるため、受取期間中に受取人が死亡した場合は後継受取人が残余期間分の年金や一時金を受領できます。
- 選択肢 4不正解
- 契約者(保険料負担者)と年金受取人が異なる場合、年金支払開始時に年金受取人が年金受給権を贈与により取得したとみなされ、贈与税の課税対象となります。
覚えるポイント
- 有配当個人年金保険では積立配当金によって年金額が増額されることがある点。
- 契約者と年金受取人が異なる個人年金保険は、年金支払開始時に受給権へ贈与税が課税される点。
間違えやすいところ
- 定額個人年金保険という名称であっても、有配当タイプでは年金額が増額される場合があることを見落とさないようにしましょう。
- 確定年金と有期年金の違い(死亡時に残存期間の年金支払があるかどうか)を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:平成27年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
終身保険の一般的な商品性
リスク管理 · 終身保険 / アカウント型保険 / 低解約返戻金型保険 / 無選択型保険
終身保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
終身保険には保障が一生涯続く基本構造のもと、積立と特約保障を区分した利率変動型積立終身保険や、払込中の解約返戻金を抑えて保険料を安くした低解約返戻金型など多様な形態が存在します。
解き方
- 各終身保険商品(一時払、無選択型、利率変動型積立、低解約返戻金型)の特徴や設計ルールを確認する。
- 積立部分の利率見直しや最低保証利率の有無、診査不要型のリスクと保険料水準、解約返戻金の制約を照らし合わせて適切な選択肢を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 一時払終身保険であっても、契約直後など早期に解約した場合には解約返戻金が払込保険料を下回ることがあります。
- 選択肢 2不正解
- 無選択型終身保険は健康状態に不安がある者も加入できるため死亡リスクが高く、通常の告知・診査を要する終身保険と比べて保険料は割高に設定されています。
- 選択肢 3正解
- 利率変動型積立終身保険(アカウント型保険)は、主契約である積立部分の適用利率が一定期間ごとに見直されますが、最低保証利率が設定されています。
- 選択肢 4不正解
- 低解約返戻金型終身保険において解約返戻金が低く抑制される期間は原則として保険料払込期間と同一であり、契約者が任意に指定することはできません。
覚えるポイント
- アカウント型保険の主契約(積立金)には最低保証利率が設定されている点。
間違えやすいところ
- 無選択型保険は診査コストがないから保険料が安いと誤解しやすいが、引受リスクが高いため実際には割高となる点に注意する。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人年金保険料税制適格特約
リスク管理 · 個人年金保険料控除 / 個人年金保険料税制適格特約
個人年金保険に付加する個人年金保険料税制適格特約に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
所得税の個人年金保険料控除を受けるためには個人年金保険料税制適格特約を付加する必要があり、受取人・被保険者の一致要件、払込期間10年以上、年金受取開始60歳以降などの諸要件が定められています。
解き方
- 税制適格特約の4大要件(受取人の範囲・被保険者との関係、払込期間、年金支払開始年齢・期間、定期払込)を想起する。
- 特約保険料の要否や中途付加の可否といった運用のルールを確認し、正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- 税制適格特約を付加するためには、年金受取人が契約者(保険料負担者)本人またはその配偶者であり、受取人と被保険者が同一でなければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 税制適格特約を付加するための保険料払込期間は「10年以上」であり、20年以上ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 税制適格特約は税制上の要件を満たすことを定める特約であるため、付加にあたって特約保険料は不要(無料)です。
- 選択肢 4不正解
- 契約締結時に限らず、要件を満たしていれば契約の中途からでも税制適格特約を付加することができます。
覚えるポイント
- 税制適格特約の払込期間要件は「10年以上」、年金支払開始は原則「60歳以降」かつ受取期間「10年以上」。
間違えやすいところ
- 特約という名称から特約保険料がかかると誤認しやすいが、手数料や特約保険料はかからない点に注意する。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の生命保険における経理処理
リスク管理 · 法人保険の経理処理 / 養老保険 / ハーフタックスプラン / 配当金および保険金の経理処理
契約者(=保険料負担者)を法人とする生命保険契約の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮せず、保険料は毎月平準払いで支払われているものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
法人を契約者とする生命保険契約では、死亡保険金受取人および満期保険金受取人が誰に指定されているかによって保険料の資産計上(保険料積立金)と損金算入(福利厚生費・定期保険料など)の区分が決定されます。将来法人に資金が還流する形態は資産計上が原則となります。
解き方
- 保険契約の形態(契約者・被保険者・満期受取人・死亡受取人)を確認し、資金の帰属先を判定します。
- 死亡・満期の双方が法人の場合は全額資産計上とし、死亡が遺族かつ満期が法人のハーフタックスプランとの違いを照合して誤りを特定します。
- 選択肢 1正解
- 死亡保険金受取人・満期保険金受取人の双方が法人である場合、支払保険料は全額を資産(保険料積立金)として計上します。2分の1を損金算入できるのは、死亡保険金受取人が「被保険者の遺族」の場合であるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 契約者配当金を保険会社に据え置いて積み立てる旨の通知を受けた場合、その配当金額および積立利息の合計額を資産側の「配当金積立金」に計上し、同額を益金である「雑収入」として処理するため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 法人が役員の死亡により死亡保険金を受け取った場合、これまで資産計上していた保険料積立金を取り崩し、受取保険金額との差額を雑収入(または雑損失)として処理するため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 養老保険のハーフタックスプランで法人が満期保険金を受け取った場合、計上されていた保険料積立金を取り崩し、満期保険金との差額を雑収入(または雑損失)に計上するため適切です。
覚えるポイント
- 養老保険で死亡・満期ともに法人の場合は全額資産計上、死亡が遺族で満期が法人の場合は1/2損金(ハーフタックス)となる。
間違えやすいところ
- 受取人が誰であるかを確認せずに、養老保険というだけで無条件にハーフタックスプラン(1/2損金)と誤認してしまうこと。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の税法・法人税基本通達
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
傷害保険の一般的な商品性と補償範囲
リスク管理 · 傷害保険 / 普通傷害保険 / 家族傷害保険 / 旅行傷害保険
傷害保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約は付帯していないものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
傷害保険は「急激・偶然・外来」の事故によるケガを補償する保険です。生命保険とは異なり年齢による死亡・受傷リスクの細分化は行われず、職種や従事する業務の危険度に応じた職種級別で保険料が決定されます。
解き方
- 各傷害保険(普通、家族、国内旅行、海外旅行)の補償対象者や補償事由、保険料決定要因を整理します。
- 普通傷害保険の保険料決定要素が年齢ではなく「職種級別」であるという基本ルールに基づき、誤っている肢を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 家族傷害保険では、保険期間の開始後に出生した本人または配偶者の子も、特別な通知や手続きを要せず自動的に被保険者の範囲に含まれます。
- 選択肢 2正解
- 普通傷害保険の保険料は、被保険者の職種級別(危険度の違い)によって定められており、被保険者の年齢による違いはありません。したがって本記述は不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 細菌性食中毒・ウイルス性食中毒は外来の事故とは扱われないのが通例ですが、国内旅行傷害保険および海外旅行保険では基本補償の対象に含まれます。
- 選択肢 4不正解
- 普通傷害保険や国内旅行傷害保険では地震・噴火・津波による傷害は免責(特約が必要)ですが、海外旅行保険では基本補償として補償の対象となります。
覚えるポイント
- 普通傷害保険の保険料は職種級別で決まり、年齢・性別による違いはない。
- 地震・噴火・津波による傷害は、海外旅行保険では基本補償されるが、国内旅行傷害保険では原則免責となる。
間違えやすいところ
- 生命保険と同様に傷害保険も年齢によって保険料が変わると誤解すること。
- 国内旅行傷害保険と海外旅行保険における細菌性食中毒や地震・噴火リスクの補償範囲の違いを混同すること。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の標準的な傷害保険普通保険約款
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の損害保険の経理処理
リスク管理 · 損害保険の経理処理 / 前払費用 / 圧縮記帳
契約者(保険料負担者)を法人とする損害保険契約の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
法人が支払う損害保険料は、原則として保険期間の経過に応じて損金算入されます。1年を超える複数年分を一括前払いした場合は、当期経過分のみを損金とし、未経過期間分は資産(前払費用)として繰り延べ処理を行います。
解き方
- 複数年分の保険料を一括前払いした際の税務上の取扱い(当期経過分のみ損金、残額は前払費用)を確認します。
- 自動車保険の直接支払、積立保険の満期処理、火災保険の圧縮記帳のルールと照合し、誤っている記述を選択します。
- 選択肢 1正解
- 3年分の保険料を一括で支払った場合、当期に対応する部分のみを損金算入し、翌期以降に対応する部分は資産(前払費用)として計上しなければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 相手方に保険会社から賠償金が直接支払われた場合、法人の財産や損益に増減は生じないため、法人が経理処理を行う必要はありません。
- 選択肢 3不正解
- 法人が積立保険の満期返戻金を受け取った場合、受取額を雑収入(益金)とし、資産計上されていた積立保険料を取り崩して損金に算入します(差額を益金計上しても同様です)。
- 選択肢 4不正解
- 火災保険金等を受け取って同一事業年度内に代替資産を取得した場合、保険差益について所定の要件を満たすことで圧縮記帳の適用が認められます。
覚えるポイント
- 短期前払費用の特例が適用できるのは、支払日から1年以内に役務の提供を受けるものに限られます。
間違えやすいところ
- 役員・従業員全員を被保険者とする傷害保険料は通常福利厚生費等として損金算入できますが、一括前払いの場合は期間按分が必要である点を見落としやすいです。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
第三分野の保険の商品性
リスク管理 · 第三分野の保険 / 医療保険 / 先進医療特約 / ガン保険
第三分野の保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
先進医療特約における「先進医療」とは、契約時点ではなく「療養を受けた日現在」で厚生労働大臣から承認されている医療技術を指します。契約後に新しく承認された技術も対象となり、逆に契約時に先進医療であっても治療時に承認から除外されていれば対象外となります。
解き方
- 医療保険、三大疾病保険、ガン保険の一般的な給付条件や待機期間(90日等)のルールを確認します。
- 先進医療特約の対象となる基準日(「契約日時点」か「療養を受けた時点」か)を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 自発的な人間ドック自体は対象外ですが、異常が認められて医師の医学的判断・指示に基づいて検査入院した場合は、入院給付金の支払対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 特定(三大)疾病保障定期保険では、ガン・急性心筋梗塞・脳卒中により約款で定める所定の状態に該当したときに特定疾病保険金が支払われます。
- 選択肢 3不正解
- ガン保険には通常、責任開始日から90日(または3カ月)程度の免責期間(待機期間)が設けられており、契約翌日にガンと診断されても給付金は支払われません。
- 選択肢 4正解
- 先進医療特約の対象となるのは、契約日時点ではなく「療養を受けた日(治療時)」現在において厚生労働大臣に承認されている先進医療です。
覚えるポイント
- 先進医療特約の対象判定基準は「療養を受けた日(治療を受けた日)」です。
間違えやすいところ
- ガン保険の免責期間(90日間)と、先進医療特約の判定基準(療養受療日)は頻出のため正確に整理しておく必要があります。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人向け生命保険の活用目的
リスク管理 · 法人向け生命保険 / 総合福祉団体定期保険 / 逓増定期保険
法人に対する生命保険の活用についてのアドバイスに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
法人が加入する生命保険は、契約目的(経営者の万一に備える事業保障、退職慰労金の原資形成、福利厚生制度の整備など)と保険商品の特性(保障内容、解約返戻金推移、満期金の有無)を整合させて選定する必要があります。
解き方
- 各選択肢に記載された顧客のニーズ(退職慰労金・事業保障・生存退職金・財産形成)を確認します。
- 提示された保険商品の仕組み(貯蓄性、解約返戻金のピーク、掛け捨て型かどうか)と照らし合わせ、目的に合致しないものを判定します。
- 選択肢 1不正解
- 逓増定期保険は契約後一定期間が経過すると解約返戻金が急増して高い返戻率となるため、役員の退職時期に合わせた退職慰労金の原資準備として活用されます。
- 選択肢 2不正解
- 長期平準定期保険は保険期間が最長で満99歳や100歳までと極めて長期にわたり死亡保障が継続するため、経営者の万一に備える事業保障資金の確保に適しています。
- 選択肢 3正解
- 総合福祉団体定期保険は従業員の死亡や高度障害に対して弔慰金・見舞金を支払う1年更新の掛け捨て型定期保険であるため、生存中の定年退職金の原資準備には活用できません。
- 選択肢 4不正解
- 勤労者財産形成貯蓄制度に基づく財形貯蓄積立保険は、従業員の一般財蓄・持家取得(住宅財形)・老後生活(年金財形)に向けた計画的な資産形成を支援するために利用されます。
覚えるポイント
- 総合福祉団体定期保険は1年更新の掛け捨て型で死亡保障用であり、生存退職金準備には使えないこと。
間違えやすいところ
- 総合福祉団体定期保険を「退職金共済」や「養老保険(ハーフタックス)」などの生存退職金積立商品と混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
事業活動における損害保険の活用とリスク管理
リスク管理 · 労働災害総合保険 / 生産物賠償責任保険 / 機械保険 / 施設所有管理者賠償責任保険
損害保険を活用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
各種企業向け損害保険はそれぞれカバーするリスクの対象(物的損害、第三者への法律上の賠償責任、自社従業員の労災事故、喪失利益など)が厳密に定められており、免責事項や対象者を正しく把握することが不可欠です。
解き方
- 各選択肢で企業が直面しているリスク事象と契約した損害保険の種類を照合します。
- 各保険の補償対象および典型的な免責事項(火災免責、間接損害免責、従業員災害免責など)を確認し、適切な組み合わせを特定します。
- 選択肢 1不正解
- 生産物賠償責任保険(PL保険)は製造・販売した商品等に起因する被害者への法律上の損害賠償責任を補償するものであり、自社の売上減少(利益の喪失)などの間接損害は対象外です。
- 選択肢 2不正解
- 機械保険は稼働中の機械・設備の偶発的な事故(破損、操作ミス、電気的・機械的事故など)を補償するものであり、火災・落雷・風水害による損害は免責とされています(火災保険等で対応します)。
- 選択肢 3正解
- 労働災害総合保険は、政府の労働者災害補償保険(労災保険)の上乗せ給付を行う法定外補償条項と、民法上の使用者賠償責任を補償する条項から構成されており、記述として適切です。
- 選択肢 4不正解
- 施設所有(管理)者賠償責任保険は施設の欠陥や業務遂行に伴い「第三者(来客等)」に与えた損害を補償する保険であり、自社従業員自身の業務上の負傷事故は補償の対象外です。
覚えるポイント
- 機械保険では「火災事故」が免責事項であり、施設所有者賠償責任保険では「従業員の労災」は免責(対象外)となること。
間違えやすいところ
- 生産物賠償責任保険(PL保険)が被害者の治療費や賠償金だけでなく「自社の売上減少やリコール費用」まで自動的に補償すると誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
マクロ経済と市場の変動要因
金融資産運用 · 金利の変動要因 / 為替相場 / 景気動向と株価・物価
わが国の金融市場・経済環境における一般的な市場の変動要因に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
金融市場における金利・為替・株価・物価は密接に連動しています。資金供給(通貨量)が増えると資金の希少価値が下がるため金利は低下し、景気拡大時には企業の収益期待から株価が上昇し需要増から物価が上昇します。また為替が円高になると輸入品価格が低下するため国内物価の押し下げ要因となります。
解き方
- 各選択肢の市場変動メカニズム(景気・為替・通貨供給量とそれぞれの指標の関係)を確認する。
- 通貨量の増加が資金の需給バランスおよび金利水準に与える影響(低下圧力)を特定し、誤りである選択肢3を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 景気拡張(好景気)局面では企業収益の拡大期待が高まるため、株式を買う動きが活発化し、国内株価の上昇要因となります。
- 選択肢 2不正解
- 景気後退局面ではモノやサービスに対する需要が減退するため、価格競争や在庫余剰から国内物価の下落(デフレ傾向)要因となります。
- 選択肢 3正解
- 市中の通貨量が増加すると、市場における資金の余剰感が生じ、資金調達コストである国内短期金利は低下要因となります。
- 選択肢 4不正解
- 円高ドル安が進行すると、海外からの原材料や製品の輸入価格が円換算で安くなるため、国内物価の下落要因となります。
覚えるポイント
- 資金の供給量(通貨量)の増加は金利の低下要因、通貨量の減少は金利の上昇要因となる。
間違えやすいところ
- 好景気時に「金利が上昇する」ことと、「通貨供給量の増加により金利が低下する」メカニズムを混同しないように整理すること。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
預金商品の商品性と特徴
金融資産運用 · 期日指定定期預金 / 貯蓄預金 / 大口定期預金 / スーパー定期預金
銀行等の金融機関で取り扱う預金商品の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
民間金融機関の預金商品には、流動性や金利特性、決済機能の有無に応じて複数の種類があります。期日指定定期預金は一定の据置期間(1年)を経過すれば満期を自由に指定できる利便性があり、一方貯蓄預金は普通預金に近い利便性がありつつも決済用口座としての利用(公共料金等の自動引落や給与振込等の自動受取)は認められていません。
解き方
- 預金商品ごとの決済機能の制限(貯蓄預金の自動引落・自動受取不可)を確認する。
- 期日指定定期預金の仕組み(1年の据置期間と最長預入期日までの満期日任意指定)を確認し、正しい記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 貯蓄預金は、給与や年金の自動受取口座や公共料金などの自動支払口座(決済口座)として利用することはできません。
- 選択肢 2正解
- 期日指定定期預金は、預入日から1年間の据置期間が経過した後は、最長預入期日(3年)までの任意の日を満期日として指定できます。
- 選択肢 3不正解
- 大口定期預金(1,000万円以上)は、預入時に満期までの適用利率が決定される固定金利型の商品が一般的です。
- 選択肢 4不正解
- スーパー定期預金の金利は各金融機関が独自に決定できるため、店頭取引よりもインターネット取引の金利を高く優遇するなど異なる利率を設定できます。
覚えるポイント
- 貯蓄預金は決済機能(自動振込・自動引落)が利用できないこと、期日指定定期預金は据置期間1年で最長3年であることを覚える。
間違えやすいところ
- スーパー定期の適用金利は金融機関・チャネル(店頭かネットか)ごとに自由に設定できる点を一律同一と誤認しやすいので注意する。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託の基準価額の算出と表示および換金時の取扱い
金融資産運用 · 投資信託の仕組み / 基準価額 / 信託財産留保額
証券投資信託の基準価額に関する次の文章の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 「証券投資信託の基準価額は、ファンド1口当たりの財産的価値を示すもので、投資信託財産の( ア )を受益権総口数で除すことによって求められる。この基準価額は、新聞や投資信託委託会社、販売会社等のホームページなどにも掲載されており、当初1口=1円で設定される証券投資信託については、原則として( イ )当たりの額が表示される。受益者は、換金時においては、原則として、この基準価額に基づいて換金することになる。ただし、換金時に( ウ )を徴収するファンドについては、この基準価額から( ウ )を控除した価額で換金することとなる。」
解答・解説を表示
解答
1
解説
投資信託の基準価額は、信託財産から負債を差し引いた純資産総額を受益権総口数で割ることで算出されます。当初1口1円の追加型投資信託は利便性のため1万口当たりで表示され、中途解約に伴う組入資産売却コストを換金者に負担させて残る受益者との公平性を保つため信託財産留保額が徴収されます。
解き方
- 投資信託の資産価値を測る計算式を確認し、基準価額が「純資産総額÷受益権総口数」で算出されることから(ア)が「純資産総額」であることを特定します。
- 当初1口=1円で設定された公募投資信託の一般的な公表単位が「1万口当たり」であることを確認し、(イ)が「1万口」であることを特定します。
- 換金時に基準価額から差し引かれてファンド内に残されるペナルティ的費用の名称が「信託財産留保額」であることを特定し、適切な選択肢を選択します。
- 選択肢 1正解
- (ア)純資産総額、(イ)1万口、(ウ)信託財産留保額という組み合わせはすべて正確であり、最も適切です。
- 選択肢 2不正解
- 当初1口=1円設定のファンドは1万口当たりで表示され、換金時に直接控除されるのは信託報酬ではなく信託財産留保額であるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 基準価額の算出基準は分配可能額ではなく純資産総額であり、表示単位も1万口当たりであるため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 基準価額は純資産総額に基づき算出され、換金時に基準価額から控除されるのは信託財産留保額であるため誤りです。
覚えるポイント
- 基準価額=純資産総額÷総口数(1口=1円ファンドは1万口当たり表示)
- 換金時に差し引かれ信託財産に残されるのは信託財産留保額
間違えやすいところ
- 信託報酬(運用管理費用として信託財産から日々自動控除される費用)と信託財産留保額(換金時に差し引かれる費用)を混同しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ETF(上場投資信託)の一般的な特徴
金融資産運用 · ETF / 上場投資信託 / インバース型ETF / レバレッジ型ETF
ETF(上場投資信託)の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
ETF(上場投資信託)は証券取引所に上場されている投資信託であり、株式と同様に市場価格でリアルタイムに売買(指値・成行)できます。連動対象には株価指数のほか商品(コモディティ)やレバレッジ・インバース指数など多様なものがありますが、インバース型であっても現物として売買できるため信用口座は不要です。
解き方
- 各選択肢のETFに関する取引制度および連動対象商品としての記述を確認します。
- 選択肢1から3について、指値・成行注文の可否、商品指数連動ETFの存在、レバレッジ指数の2倍連動特性がいずれも適切であることを確認します。
- 選択肢4について、インバース型ETFの性格は相場下落時に上昇するものであるものの、現物取引として通常の証券口座で買付可能であり信用取引口座の開設は不要であることを判定します。
- 選択肢 1不正解
- ETFは取引所に上場されているため、一般の上場株式と同様に指値注文や成行注文により売買取引を行うことができます。
- 選択肢 2不正解
- 国内の証券取引所には、株価指数だけでなく金や原油などのコモディティ(商品)指数に連動するETFも多数上場されています。
- 選択肢 3不正解
- 日経平均レバレッジ・インデックスは原指標の日々の変動率の2倍となるように計算されており、それに連動するETFも同様に運用されます。
- 選択肢 4正解
- インバース型ETFは原指数の下落時に利益が出る仕組みですが、通常の現物取引として売買できるため、信用取引口座を開設する必要はありません。
覚えるポイント
- ETFは上場株式と同じように取引所で指値・成行注文が可能
- インバース型(ベア型)ETFの購入には信用取引口座の開設は不要(通常の現物買付が可能)
間違えやすいところ
- インバース型ETFは「指数が下がると価格が上がる」性質を持つため、信用売り(空売り)と同じ投資効果を得られますが、取引形態自体は現物購入であるため信用口座は必須ではありません。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式投資指標の計算
金融資産運用 · 株式投資指標 / PBR / PER / ROE / 配当利回り
下記の<A社のデータ>に基づき算出されるA社の株式指標に関する記述のうち、誤っているものはどれか。 <A社のデータ> 株価:500円 当期純利益:100億円 自己資本(=純資産):1,000億円 総資産:3,000億円 発行済株式数:2億株 1株当たり配当金:20円
解答・解説を表示
解答
4
解説
株式指標は、企業の収益力・資産価値・株主還元姿勢と現在の株価との関係を客観的に評価するための指標であり、各計算式の分子・分母の関係を正確に把握しておく必要があります。
解き方
- 1株当たり純資産(BPS)および1株当たり当期純利益(EPS)を算出し、PBR・PERを求めます。
- 自己資本利益率(ROE)および配当利回りの計算式に各数値を代入して正誤を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 1株当たり純資産(BPS)は1,000億円÷2億株=500円です。PBRは株価500円÷BPS500円=1.0倍となり正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 1株当たり当期純利益(EPS)は100億円÷2億株=50円です。PERは株価500円÷EPS50円=10.0倍となり正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- ROEは「当期純利益÷自己資本×100」で計算するため、100億円÷1,000億円×100=10.0%となり正しい記述です。
- 選択肢 4正解
- 配当利回りは「1株当たり配当金÷株価×100」で計算するため、20円÷500円×100=4.0%となり、2.5%とする記述は誤りです。
覚えるポイント
- 配当利回り=1株当たり年間配当金÷株価×100
- 配当性向=配当金総額÷当期純利益×100=1株当たり配当金÷EPS×100
間違えやすいところ
- 配当利回りと配当性向の計算式を混同しないように注意する(配当利回りの分母は株価、配当性向の分母は当期純利益またはEPS)。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外貨建て金融商品の取引と留意点
金融資産運用 · 外貨預金 / 為替レート / 外貨建てMMF / 外国株式の受渡日 / 外貨建て保険
外貨建て金融商品の取引に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
外貨建て金融商品では、預入・換金時の適用為替相場(TTS/TTB)の決定主体や、為替リスクの所在、金融商品ごとの換金ルールや受渡日ルールを正確に理解しておくことが重要です。
解き方
- 各選択肢の金融商品(外貨預金、外貨建てMMF、上場外国株式、外貨建て保険)における取引条件や為替レートの適用基準を確認します。
- 誤った記述(TTS/TTBの取り違え、信託財産留保額の有無、為替リスク回避可否)を排除し、適切な選択肢を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 顧客が円貨を外貨に換えて預け入れる際は、金融機関が外貨を売るレートであるTTS(対顧客電信売相場)が適用されます。
- 選択肢 2不正解
- 外貨建てMMFはペナルティなくいつでも換金が可能であり、買付後30日未満の換金であっても信託財産留保額は差し引かれません。
- 選択肢 3正解
- 国内市場に上場する外国株式を国内委託取引で売買した場合の受渡日は、国内株式と同様に約定日から起算して4営業日目(約定日を含めて4営業日目、T+3)となります。
- 選択肢 4不正解
- 円換算支払特約は受取時の為替相場で円換算して支払う特約であり、契約締結から受取りまでの為替変動リスク自体を回避できるものではありません。
覚えるポイント
- 円から外貨へ換算するときはTTS(Telegraphic Transfer Selling rate、金融機関が外貨を売る相場)
- 外貨から円へ換算するときはTTB(Telegraphic Transfer Buying rate、金融機関が外貨を買う相場)
間違えやすいところ
- TTSとTTBの主語は顧客ではなく取扱金融機関であるため、円で外貨を買う顧客側から見るとTTSが適用される点を取り違えやすい。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等(※国内株式等の受渡日は2019年7月より約定日から起算して3営業日目=T+2へ短縮されましたが、本問題は2015年10月時点基準です)
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
シャープレシオによる投資信託の運用効率評価
金融資産運用 · シャープレシオ / ポートフォリオ理論 / パフォーマンス評価
下記<ファンドAとファンドBの運用実績に関する情報>に基づき、無リスク資産利子率を1.0%として算出されるシャープレシオに関する記述として、最も適切なものはどれか。 <ファンドAとファンドBの運用実績に関する情報> ファンドA:実績収益率 12%、標準偏差 8% ファンドB:実績収益率 9%、標準偏差 5%
解答・解説を表示
解答
2
解説
シャープレシオは、取ったリスク(標準偏差)1単位に対して無リスク資産利子率を上回る超過リターンをどれだけ得られたかを示す指標であり、数値が大きいほど運用効率が高いと評価されます。
解き方
- 各ファンドの超過リターン(実績収益率-無リスク資産利子率1.0%)を算出し、ファンドAは11%、ファンドBは8%であることを確認する。
- 超過リターンをそれぞれの標準偏差で除してシャープレシオを計算し、数値を比較して値が大きいファンドを優れていると判定する。
- 選択肢 1不正解
- ファンドAのシャープレシオは1.375であり、ファンドBの1.600よりも小さいため不適切です。
- 選択肢 2正解
- ファンドBのシャープレシオ(1.600)はファンドA(1.375)よりも大きいため、ファンドBの方が効率よく運用されていたと評価できます。
- 選択肢 3不正解
- ファンドAのシャープレシオの方が小さいことは正しいですが、シャープレシオは数値が大きいほど効率的であるため、ファンドAが効率的とする記述は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- ファンドBのシャープレシオは1.600であり、ファンドAの1.375よりも大きいため、小さく効率的とする記述は誤りです。
覚えるポイント
- シャープレシオ=(収益率-無リスク金利)÷標準偏差。数値が大きいほどリスクに対するリターン効率が優れている。
間違えやすいところ
- 単に実績収益率の大小だけで比較してファンドAの方が優れていると誤認しないように注意する。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
NISA(少額投資非課税制度)の仕組みとルール
金融資産運用 · 少額投資非課税制度 / NISA / ロールオーバー / 非課税口座
NISA(少額投資非課税制度)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、NISAにより投資収益が非課税となる口座をNISA口座という。
解答・解説を表示
解答
3
解説
NISA(一般NISA)は、上場株式や公募株式投信等の譲渡益・配当金を非課税とする制度です。税制上の損失は生じないものとみなされ、非課税期間満了時には翌年枠へのロールオーバーや課税口座への払出しが可能です。
解き方
- NISAの金融機関変更ルール(2015年分以降は年単位で変更可能)や対象商品(公社債等は対象外)の制限を確認する。
- 譲渡損失の非課税口座特有の取扱い(税務上ないものとみなされるため損益通算不可)と、非課税期間満了時のロールオーバーのルールを照合して適切な肢を選ぶ。
- 選択肢 1不正解
- 2015年(平成27年)1月1日以降、NISA口座を開設する金融機関は年単位での変更が可能となっており、5年間変更できないとする記述は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- NISA口座内で生じた譲渡損失は税務上ないものとみなされるため、特定口座や一般口座はもちろん、同一NISA口座内の配当等や他の売却益とも損益通算することはできません。
- 選択肢 3正解
- 非課税期間(5年間)終了時、同一金融機関の翌年の非課税管理勘定へ移管(ロールオーバー)することで、非課税投資を継続することができます。
- 選択肢 4不正解
- NISAの対象商品は上場株式や株式投資信託、J-REIT等であり、個人向け国債や社債、公社債投資信託などの公社債等は対象に含まれません。
覚えるポイント
- NISA口座内の譲渡損失は税務上「ないもの」と扱われるため、損益通算や繰越控除の適用は一切不可。
間違えやすいところ
- 国債・社債・公社債投信は一般NISAの対象外であることを見落としやすいので注意する。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外貨預金の課税関係
金融資産運用 · 外貨預金 / 為替差損益の課税 / 源泉分離課税 / 損益通算
国内の金融機関に預け入れられた外貨預金の税金・課税関係に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
外貨預金から生じる利息は利子所得として一律20.315%の源泉分離課税となります。一方、為替差損益は原則として雑所得(総合課税)に該当し、他の雑所得との内部通算は可能ですが、他の所得区分との損益通算は認められていません。ただし為替予約を付した場合は利息と一体として源泉分離課税となります。
解き方
- 外貨預金の受取利息および為替予約の有無による為替差益の課税区分(源泉分離課税か総合課税か)を確認する。
- 為替予約を締結していない外貨預金の為替差損が生じた場合の損益通算の可否(雑所得の損失は他の所得と損益通算不可)を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 外貨預金の利息は円貨預金と同様に利子所得として扱われ、20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)の源泉分離課税となります。
- 選択肢 2不正解
- 預入時に為替先物予約を締結した場合、満期時の為替差益は利息と合わせて源泉分離課税(20.315%)の対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 為替先物予約を締結していない場合、満期時や払戻時に生じる元本の為替差益は雑所得として総合課税の対象となります。
- 選択肢 4正解
- 外貨預金の為替差損は雑所得の損失となるため、確定申告をしても株式の譲渡所得や配当所得など他の所得と損益通算することはできません。
覚えるポイント
- 為替予約なしの外貨預金の為替差益は雑所得(総合課税)で、為替差損は他の所得と損益通算できない。
間違えやすいところ
- 株式等の譲渡損失と通算できると勘違いしやすいが、雑所得の損失は他の所得区分とは通算できない。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
金融商品取引法の行為規制
金融資産運用 · 金融商品取引法 / 行為規制 / 断定的判断の提供の禁止 / 書面交付義務
金融商品取引法に規定されている行為規制(販売・勧誘ルール)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
金融商品取引法では投資家保護を目的に、断定的判断の提供の禁止、損失補てん等の禁止、適合性の原則、契約締結前交付書面の交付義務などの行為規制を設けています。不確実な事項について確実と誤認させる勧誘は結果にかかわらず違反となり、一般投資家に対しては顧客の申出があっても書面交付義務を免除できません。
解き方
- 各選択肢が金融商品取引法における各種行為規制の例外規定や罰則規定に正しく合致しているか確認する。
- 契約締結前交付書面の交付義務が、一般投資家本人の辞退の意思表示によって免除されるかどうかを法令規定に基づいて判定する。
- 選択肢 1不正解
- 将来の不確実な事項について断定的判断を提供して勧誘する行為は、事後的な結果がどうなったかにかかわらず禁止行為に該当します。
- 選択肢 2不正解
- 金融商品取引法では、損失補てんを行った業者等だけでなく、業者等に損失補てんを行わせるよう要求・申込みをした顧客側にも刑事罰が科されます。
- 選択肢 3不正解
- 適合性の原則は、顧客の知識・経験・財産の状況・目的に照らして不適当な勧誘を行ってはならない原則であり、特定投資家に対しても適用除外とされず適用されます。
- 選択肢 4正解
- 特定投資家以外の顧客に対する契約締結前交付書面の交付は義務付けられており、顧客本人が交付不要と申し出た場合であっても交付義務は免除されません。
覚えるポイント
- 契約締結前交付書面の交付義務は、一般投資家本人が「不要」と言っても省略することはできない。
間違えやすいところ
- 損失補てんは業者側だけでなく、要求した顧客側も処罰対象となる点を見落としやすい。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の金融商品取引法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における各種所得の区分
タックスプランニング · 所得の種類 / 利子所得 / 給与所得 / 雑所得 / 譲渡所得
所得税における所得区分の分類に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
所得税法では、担税力や発生の性質に応じて所得を10種類(利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時・雑)に区分して課税計算を行います。
解き方
- 各選択肢に示された取引や給付の原因を確認し、10種類の所得区分の定義に照らし合わせる。
- 国債利子は利子所得、役員・従業員の無利息借入による経済的利益は給与所得、公的年金は雑所得、金地金売却益は譲渡所得であることを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 国債などの公社債の利子や預貯金の利子を受け取ったことによる所得は、配当所得ではなく利子所得となります。
- 選択肢 2不正解
- 会社員が勤務先から無利息または通常より低い利息で金銭を借り入れたことによる経済的利益は、原則として給与所得として課税されます。
- 選択肢 3不正解
- 老齢厚生年金や老齢基礎年金などの公的年金等を受給したことによる所得は、一時所得ではなく雑所得となります。
- 選択肢 4正解
- 専業主婦や給与所得者などが保有する金地金を売却して得た利益は、通常、譲渡所得(総合課税)として取り扱われます。
覚えるポイント
- 公的年金等に係る所得は雑所得、金地金の売却益は原則として総合課税の譲渡所得に区分される。
間違えやすいところ
- 勤務先からの無利息借入などの経済的利益を「雑所得」や「贈与」と混同しないように注意する。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産所得の総収入金額の範囲
タックスプランニング · 不動産所得 / 総収入金額 / 権利金 / 仲介手数料
所得税における不動産所得の金額の計算上、総収入金額に算入される金額として、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
不動産所得は、不動産、不動産の上に存する権利、船舶・航空機の「貸付け」によって生じる所得です。貸付けに付随して受け取る返還を要しない礼金・権利金・更新料も総収入金額に含まれます。
解き方
- 不動産所得の対象となる「不動産等の貸付け」から直接生じる収入かどうかを検討する。
- 建物の仲介手数料は仲介業務という役務提供に対する対価であり、不動産貸付けの収入ではないため除外されることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 建物の貸付けに関して受け取る敷金や保証金のうち、返還を要しない権利金や礼金は、不動産所得の総収入金額に算入されます。
- 選択肢 2不正解
- 建物の貸付けにより受け取る賃貸料(家賃・共益費等)は、不動産所得の総収入金額の基本項目として算入されます。
- 選択肢 3正解
- 建物の賃貸借契約の仲介によって受け取る仲介手数料は、役務の提供に係る対価であり、事業所得(宅地建物取引業等)または雑所得の総収入金額に算入され、不動産所得には算入されません。
- 選択肢 4不正解
- 賃貸借契約の更新に際して賃貸人(貸主)が受け取る更新料(名義書換料等を含む)は、不動産所得の総収入金額に算入されます。
覚えるポイント
- 返還を要しない権利金や更新料は不動産所得の総収入金額に含まれるが、敷金等の預り金や仲介手数料は含まれない。
間違えやすいところ
- 退去時に返還を要する敷金・保証金と、返還を要しない権利金・礼金・更新料を混同しないようにする。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種所得の金額と総所得金額の計算(損益通算)
タックスプランニング · 総所得金額 / 損益通算 / 不動産所得 / 雑所得 / 退職所得
Aさんの平成27年分の各種所得の金額が下記のとおりであった場合の総所得金額として、最も適切なものはどれか。なお、▲が付された所得の金額は損失が発生していることを表す。 ・給与所得の金額:690万円 ・雑所得の金額:▲40万円 ・退職所得の金額:120万円 ・不動産所得の金額:▲50万円(土地等の取得に要した負債の利子の金額はない)
解答・解説を表示
解答
2
解説
総所得金額は総合課税の各所得の合計額です。損益通算できる損失は不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得(不・自・山・譲)に限られ、雑所得の損失は他所得と通算できません。また、退職所得は分離課税のため総所得金額の計算には含めません。
解き方
- 各所得の損失について損益通算の可否を判定します(不動産所得の損失は通算可能、雑所得の損失は通算不可)。
- 課税方法を確認し、分離課税である退職所得を総所得金額の対象から除外します。
- 給与所得690万円から不動産所得の損失50万円を控除し、640万円を算出します。
- 選択肢 1不正解
- 雑所得の損失40万円まで損益通算して差し引いてしまっているため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 給与所得690万円から不動産所得の損失50万円を通算控除した640万円が正しい総所得金額です。
- 選択肢 3不正解
- 分離課税である退職所得120万円を総所得金額に合算してしまっているため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 不動産所得の損失を差し引かず、かつ退職所得を合算した計算になっているため誤りです。
覚えるポイント
- 損益通算の対象となる所得は「不動産・事業・山林・譲渡」(富士山麓)の4つです。
間違えやすいところ
- 退職所得は総合課税ではなく分離課税であるため総所得金額に含まれない点に注意が必要です。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
譲渡所得における譲渡損失の取扱い
タックスプランニング · 譲渡損失 / 損益通算 / ゴルフ会員権 / 株式譲渡損失 / 居住用財産
所得税における譲渡損失の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
所得税において、譲渡損失が生じた場合の取扱いは資産の種類によって異なります。生活用動産の譲渡は非課税であり損失も生じなかったものとみなされます。ゴルフ会員権の譲渡損失は他の各種所得と損益通算できません。上場株式の損失は上場株式等の配当等とのみ通算可能で、居住用財産の譲渡損失の特例には繰越控除はあっても繰戻し還付はありません。
解き方
- 生活用動産、ゴルフ会員権、上場株式、居住用財産のそれぞれに係る譲渡損失の損益通算および繰越等の取扱い規定を確認します。
- ゴルフ会員権の譲渡損失が他の所得と損益通算不可とされている正しい記述を選択します。
- 選択肢 1不正解
- 生活用動産の譲渡による所得は非課税とされており、その譲渡損失は税務上生じなかったものとみなされるため通算できません。
- 選択肢 2正解
- 主として趣味・娯楽・保養等の目的で所有するゴルフ会員権の譲渡損失は、他の各種所得の金額と損益通算できません。
- 選択肢 3不正解
- 上場株式の譲渡損失と通算できる配当所得は申告分離課税を選択した上場株式等の配当金等に限られ、非上場株式の配当金とは通算できません。
- 選択肢 4不正解
- 居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例において認められているのは翌年以後3年間の繰越控除であり、前年への繰戻し還付制度はありません。
覚えるポイント
- ゴルフ会員権の譲渡損失は損益通算の対象外(平成26年4月以後の譲渡より不可)です。
間違えやすいところ
- 居住用財産の譲渡損失特例にあるのは翌年以降3年間の「繰越控除」であり、前年への「繰戻し還付」ではない点に注意しましょう。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
扶養控除の控除額の計算
タックスプランニング · 扶養控除 / 特定扶養親族 / 年少扶養親族
Aさんの平成27年12月31日現在における扶養親族およびその平成27年分の収入状況が下記のとおりであった場合、Aさんの平成27年分の所得税における扶養控除の控除額として、最も適切なものはどれか。 ・長女(21歳の大学生):アルバイトによる給与収入金額60万円 ・長男(17歳の高校生):収入なし ・二男(14歳の中学生):収入なし
解答・解説を表示
解答
2
解説
所得税の扶養控除は、その年の12月31日時点で生計を一にする親族等のうち、合計所得金額が38万円以下(平成27年分基準)で16歳以上の控除対象扶養親族に対して適用されます。16歳以上19歳未満および23歳以上70歳未満は一般の扶養控除(38万円)、19歳以上23歳未満は特定扶養親族(63万円)が適用され、16歳未満の年少扶養親族には扶養控除がありません。
解き方
- 各親族の所得要件を確認する:長女は給与収入60万円(給与所得控除65万円控除後で所得0円)のため控除対象となる。長男・二男は収入なし(所得0円)で要件を満たす。
- 年齢区分に応じた控除額を判定する:長女(21歳)は特定扶養親族(63万円)、長男(17歳)は一般の扶養親族(38万円)、二男(14歳)は16歳未満のため0円となる。
- 控除額を合算して総額を算出する:63万円 + 38万円 + 0円 = 101万円。
- 選択肢 1不正解
- 63万円は特定扶養親族(長女)1人分の控除額のみを計上しており、長男(38万円)が含まれていないため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 長女(特定扶養親族・63万円)と長男(一般の扶養親族・38万円)の合計で101万円となり、最も適切です。
- 選択肢 3不正解
- 139万円は16歳未満で控除対象外となる二男(14歳)に対して一般の扶養控除(38万円)を加算してしまっているため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 164万円は同居老親等などの控除額や誤った控除区分を合算した数値であり誤りです。
覚えるポイント
- 扶養控除の対象は16歳以上で、16歳未満(年少扶養親族)は控除額0円
- 特定扶養親族(19歳以上23歳未満)の控除額は63万円、一般の扶養親族(16歳以上19歳未満等)は38万円
間違えやすいところ
- 16歳未満の扶養親族(中学生以下等)について一般の扶養控除(38万円)を誤って加算してしまうミス
- 給与収入が103万円以下(基礎控除38万円+給与所得控除65万円)であれば所得金額は38万円以下となり控除対象になることの見落とし
出題の前提:平成27年10月1日現在施行の法令等(2015年度試験基準)
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅借入金等特別控除の要件
タックスプランニング · 住宅借入金等特別控除 / 住宅ローン控除 / 適用要件
所得税における住宅借入金等特別控除(以下「住宅ローン控除」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は、個人が住宅を新築・取得または増改築等をして自己の居住の用に供した場合に、年末借入金残高に応じて税額控除を受けられる制度です。適用には、床面積(50㎡以上)、自己居住割合(2分の1以上)、償還期間(10年以上)、合計所得金額(3,000万円以下、平成27年当時)などの要件を満たす必要があります。
解き方
- 住宅ローン控除の家屋要件を確認する:家屋の床面積が原則として50㎡以上であり、かつその2分の1以上が居住用である必要がある(選択肢1の「40㎡以上」が誤り)。
- 住宅借入金の借入要件を確認する:返済期間(償還期間または賦払期間)が10年以上であること(選択肢2は適切)。
- 手続要件を確認する:給与所得者であっても適用を受ける初年度は確定申告が必須で、2年目以降は年末調整で適用可能であること(選択肢3は適切)。
- 所得要件を確認する:適用を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること(選択肢4は適切)。
- 選択肢 1正解
- 家屋の床面積要件は「50㎡以上」であり、「40㎡以上」とする記述は不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 住宅借入金等の返済期間・償還期間は契約上10年以上でなければならないため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 給与所得者が住宅ローン控除を受ける場合、初年度は必ず確定申告を行う必要があり(2年目以降は年末調整で控除可能)、記述は適切です。
- 選択肢 4不正解
- 控除の適用を受けようとする年分の合計所得金額は3,000万円以下(本試験施行日現在)でなければならず、記述は適切です。
覚えるポイント
- 住宅ローン控除の床面積要件は50㎡以上(登記簿面積)
- 住宅ローンの返済期間要件は10年以上
- 給与所得者でも控除初年度は年末調整ではなく確定申告が必要
間違えやすいところ
- マンションの専有面積でパンフレット等の「壁芯面積」と登記簿の「内法面積」を取り違え、50㎡未満になってしまう実務上の注意点と混同すること
- 2年目以降は年末調整で控除できるため、初年度も年末調整だけで適用できると誤解すること
出題の前提:平成27年10月1日現在施行の法令等(2015年度試験基準)
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
青色申告の特典と所得税の各種控除・特例
タックスプランニング · 青色申告の特典 / 純損失の繰戻し還付 / 雑損失の繰越控除
所得税額の計算および申告において、青色申告者に限って適用が認められているものとして、次のうち最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
青色申告制度は、一定水準の記帳を行いその帳簿に基づいて正確に申告する納税者に対し、税制上の様々な優遇措置(特典)を認める制度です。青色申告の主な特典には、青色申告特別控除、青色事業専従者給与の必要経費算入、純損失の繰越しおよび繰戻し還付などがあります。
解き方
- 各選択肢の控除・特例について、青色申告者に限定された特典か、白色申告者を含む全申告者に適用可能なものかを分類する。
- 寄附金控除・配当控除は青白問わず適用可能、雑損失の繰越控除も青白問わず可能であることを確認し、純損失の繰戻し還付が青色申告者限定の特典であると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 寄附金控除は所得控除の1つであり、青色申告者に限らず白色申告者であっても適用を受けることができます。
- 選択肢 2不正解
- 配当控除は総合課税を選択した配当所得について適用される税額控除であり、青色申告者に限らず適用を受けることができます。
- 選択肢 3不正解
- 災害等により生じた雑損控除の控除不足額である雑損失の繰越控除(3年間)は、青色申告者だけでなく白色申告者も適用を受けられます。
- 選択肢 4正解
- 純損失の繰戻し還付は、その年に生じた純損失を前年分の所得に繰り戻して前年分の所得税の還付を受ける制度であり、青色申告者に限り適用されます。
覚えるポイント
- 純損失の繰戻し還付は青色申告者のみに認められる特権(前年も青色申告であること等が必要)です。
間違えやすいところ
- 雑損失の繰越控除は白色申告者でも適用できるのに対し、純損失の繰越控除や繰戻し還付は原則として青色申告の特典であるという違いを混同しないように注意しましょう。
出題の前提:平成27年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税における役員給与等の取扱い
タックスプランニング · 役員給与 / 利益連動給与 / 同族会社 / 事前確定届出給与
法人税における役員給与および役員退職給与の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
法人税法において役員給与の損金算入は厳格に制限されており、原則として「定期同額給与」「事前確定届出給与」「利益連動給与(同族会社を除く)」のいずれかに該当しなければ損金算入されません。また、役員には登記上の役員のほか、実質的に経営に従事しているみなし役員も含まれます。
解き方
- 役員給与の定義、損金算入要件(定期同額・事前確定届出・利益連動)、役員退職給与の手続きについて各選択肢の正誤を検討する。
- 利益連動給与は利益操作を防止する観点から同族会社では損金算入が認められていない点を確認し、選択肢3を正答とする。
- 選択肢 1不正解
- 法人税法上の役員には登記された役員のほか、役員以外の使用人等であっても法人の経営に従事しているいわゆる「みなし役員」が含まれます。
- 選択肢 2不正解
- 決算期末等に支給される役員賞与であっても、所定の期日までに税務署長へ届出をしてその定めに従い支給される「事前確定届出給与」に該当する場合は損金算入できます。
- 選択肢 3正解
- 利益に関する指標を基礎として算定される利益連動給与は、同族会社以外の法人が一定の要件を満たして支給する場合に限り損金算入が認められ、同族会社では損金算入できません。
- 選択肢 4不正解
- 役員退職給与は、不相当に高額な部分を除き原則として損金の額に算入されますが、税務署長への事前の届出は不要です。
覚えるポイント
- 利益連動給与を損金算入できる法人は「同族会社以外の内国法人」に限定されます。
間違えやすいところ
- 役員賞与であっても事前確定届出給与の届出をしていれば損金算入できる点や、役員退職給与には事前届出の制度がない点を見落としやすいので注意しましょう。
出題の前提:平成27年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
消費税の非課税取引の判定
タックスプランニング · 消費税 / 非課税取引 / 土地の譲渡
消費税の課税事業者である法人が国内で行った次の取引のうち、消費税の非課税取引とされるものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
消費税は国内において事業者が対価を得て行う資産の譲渡や役務の提供等に課税されますが、土地の譲渡・貸付けや居住用家屋の貸付けなど、法律で定められた所定の取引は非課税取引として扱われます。
解き方
- 各選択肢の取引が課税取引、非課税取引、免税取引、不課税取引のいずれに該当するかを検討する。
- 土地の譲渡は非課税取引であり、建物の譲渡や非居住用建物の賃貸、仲介手数料は課税取引であることを確認して正答を特定する。
- 選択肢 1正解
- 土地(更地を含む)の譲渡は、消費税法において非課税取引として明記されているため正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 建物の譲渡は、社宅用など居住の用に供されていたものであっても課税取引となります。
- 選択肢 3不正解
- 建物の賃貸のうち非課税となるのは居住用に限られ、事務所や店舗などの非居住用建物の賃貸は課税取引となります。
- 選択肢 4不正解
- 土地の譲渡そのものは非課税ですが、その売買を仲介した業務に対する仲介手数料(役務の提供の対価)は課税取引となります。
覚えるポイント
- 土地の譲渡や貸付けは原則として非課税取引であるが、土地取引の仲介手数料は役務提供として課税取引となる点に注意する。
間違えやすいところ
- 居住用家屋の「貸付け」は非課税だが、居住用家屋(建物)の「譲渡」は課税取引となる違いを混同しないようにする。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
会社と役員間の取引に係る税務
タックスプランニング · 役員間取引 / 低額譲渡 / みなし譲渡所得 / 受贈益
会社と役員間の取引に係る所得税または法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
役員と会社間の資産取引では、不当な租税回避を防ぐため法人税法および所得税法に特別の規定が設けられています。個人から法人への資産譲渡において時価の2分の1未満の著しく低い価額で譲渡した場合はみなし譲渡課税の対象となります。
解き方
- 個人から法人への低額譲渡に関する所得税法第59条のみなし譲渡所得課税の要件(時価の2分の1未満)を確認する。
- 譲渡対価が時価未満であっても、時価の2分の1以上であれば実際の対価で課税されるため、必ず時価とみなされるわけではないことを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 役員から会社への資産の無償譲渡(受贈)があった場合、法人側では適正な時価を受贈益として益金算入するため適切です。
- 選択肢 2正解
- 個人から法人への低額譲渡で時価により譲渡したとみなされるのは「時価の2分の1未満」の著しく低い価額で譲渡した場合に限られます。時価の2分の1以上であれば実際の譲渡対価で譲渡所得を計算するため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 役員が会社の社宅に無償で居住している場合、所定の算式で計算した通常の賃貸料相当額が経済的利益として役員の給与所得の収入金額に算入されます。
- 選択肢 4不正解
- 個人である役員が会社へ無利息で金銭を貸し付けた場合、個人側には利息相当額の認定課税等は原則として行われないため適切です。
覚えるポイント
- 個人から法人への資産譲渡で時価課税(みなし譲渡)が行われるのは、譲渡価額が「時価の2分の1未満」の場合である。
間違えやすいところ
- 「会社から役員への無利息貸付け」は役員に給与課税が行われるが、「役員から会社への無利息貸付け」では役員に課税されないという貸借関係の向きによる違いを整理しておく。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産登記の記録事項と制度概要
不動産 · 不動産登記制度 / 登記事項証明書 / 公信力の有無
不動産の登記制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
不動産登記は表題部と権利部(甲区・乙区)で構成され、所有権に関する事項は甲区に、所有権以外の用益物権・担保物権等は乙区に記録されます。また、登記には公信力がない点や誰でも登記事項証明書の交付を請求できる公開性が特徴です。
解き方
- 不動産登記簿の構成(表題部、権利部甲区・乙区)と各区の記録対象事項を整理する。
- 差押えなどの所有権の処分制限に関する登記が甲区に記録されること、及び登記の公開性や公信力の有無といった法意を当てはめて正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 区分建物を除く一般の建物の床面積は、壁その他の区画の中心線で囲まれた水平投影面積(壁心面積)で記録されます。内側線(内法面積)で記録されるのは区分建物(マンションの専有部分)です。
- 選択肢 2正解
- 抵当権自体の設定は乙区に記録されますが、抵当権の実行による競売手続開始に伴う差押えは所有権の処分制限に該当するため、権利部甲区に記録されます。
- 選択肢 3不正解
- 不動産登記は一般に公開されており、手数料を納付すれば利害関係人に限らず誰でも登記事項証明書の交付を請求することができます。
- 選択肢 4不正解
- 日本の不動産登記には公信力がないため、登記上の名義人が真実の所有者でなかった場合、登記を信頼して取引した者であっても原則として不動産の所有権を取得することはできません。
覚えるポイント
- 一般建物の登記床面積は壁心面積、区分建物の専有部分は内法面積で記録される点
- 登記記録の甲区は所有権に関する事項(差押え等含む)、乙区は所有権以外の権利に関する事項が記録される点
間違えやすいところ
- 抵当権実行による差押えを、担保物権に関連することから乙区に記録されると誤認しやすい
- 建築基準法上の延べ面積(壁心計算)と登記上の面積計算基準(一般建物は壁心、区分建物専有部分は内法)の相違を混同しやすい
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令(不動産登記法)
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の公的価格(地価公示・地価調査・路線価・固定資産税評価額)
不動産 · 公示価格 / 都道府県地価調査 / 相続税路線価 / 固定資産税評価額
不動産の公的価格等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
不動産の公的価格には、地価公示(基準日1月1日)、都道府県地価調査(基準日7月1日)、相続税路線価(公示価格の約80%)、固定資産税評価額(公示価格の約70%、3年ごとに評価替え)の4つがあり、それぞれ基準日・実施主体・価格水準が異なります。
解き方
- 公的地価4指標(地価公示・都道府県地価調査・相続税路線価・固定資産税評価額)の基準日、評価替えの周期、水準を整理する。
- 地価公示の標準地と都道府県地価調査の基準地は、半年間の地価変動を把握するため同一地点(共通地点)に設定されることがある点を確認し、誤りの選択肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 地価公示法に基づく公示価格の判定基準日は、毎年1月1日です(国土交通省の土地鑑定委員会が毎年3月下旬に公表)。
- 選択肢 2正解
- 都道府県地価調査の基準地は、地価公示の標準地と同一地点に設定されることがあり、これを「共通地点」と呼びます。したがって設定されることはないとする本記述は誤り(不適切)です。
- 選択肢 3不正解
- 国税庁が公表する相続税路線価は、地価公示の公示価格の80%程度を目途として評価・決定されています。
- 選択肢 4不正解
- 固定資産税評価額は市町村が決定し、原則として3年ごとの基準年度において評価替え(見直し)が行われます。価格水準は公示価格の70%程度です。
覚えるポイント
- 公示価格は1月1日基準、都道府県地価調査は7月1日基準
- 相続税路線価は公示価格の約80%、固定資産税評価額は約70%(評価替えは3年ごと)
- 地価公示の標準地と地価調査の基準地には同一地点(共通地点)がある
間違えやすいところ
- 地価公示の基準日(1月1日)と都道府県地価調査の基準日(7月1日)を取り違える
- 相続税路線価(80%)と固定資産税評価額(70%)の割合水準を逆に覚えてしまう
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令(地価公示法、国土利用計画法、地方税法等)
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法における普通借地権の基本ルール
不動産 · 借地借家法 / 普通借地権 / 建物買取請求権 / 対抗力
借地借家法に規定する普通借地権に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、同法第22条から第24条に定める定期借地権等は考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
借地借家法における普通借地権は、借地権者を強力に保護する規定が整備されていますが、期間満了時の更新請求や建物買取請求権の行使には、原則として借地上に「建物が現存すること」が必要とされています。
解き方
- 普通借地権の存続期間の原則(当初30年最短)および対抗要件(借地上の自己名義の建物登記)を確認します。
- 期間満了時における更新請求権と建物買取請求権の要件(建物の存否)を判定し、誤っている肢を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 借地借家法第3条により、当初存続期間は建物の構造(堅固・非堅固)を問わず最短で30年と規定されており、正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 借地借家法第10条第1項により、土地自体の登記がなくても自己名義で登記された建物を所有していれば第三者に対抗できるため、正しい記述です。
- 選択肢 3正解
- 借地借家法第5条第1項において、更新請求により契約更新とみなされるには「建物がある場合」に限られるため、建物がない場合でも更新されるとする本記述は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 借地借家法第13条第1項により、存続期間満了時に更新がなされないときは、借地権者は地主に対して建物を時価で買い取るよう請求できるため、正しい記述です。
覚えるポイント
- 普通借地権の当初存続期間は最短30年、更新時は1回目が20年、2回目以降は10年です。
間違えやすいところ
- 建物の登記名義は借地権者本人でなければ対抗力が認められず、家族名義では対抗できません。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の借地借家法に基づく
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法における建物賃貸借(普通借家・定期借家)のルール
不動産 · 借地借家法 / 普通借家契約 / 定期借家契約 / 対抗力 / 期間の定め
借地借家法に規定する建物の賃貸借契約に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、同法に定める定期建物賃貸借契約を「定期借家契約」、それ以外の建物賃貸借契約を「普通借家契約」という。
解答・解説を表示
解答
3
解説
借地借家法上の建物賃貸借では、賃借人の対抗要件として建物の引渡しが認められています。また、普通借家契約と定期借家契約とでは、契約方式や期間の定め、終了通知の手続き要件が明確に区別されています。
解き方
- 普通借家における1年未満の期間設定の効力(期間の定めのない賃貸借とみなされる)を確認します。
- 定期借家の要件(書面であれば公正証書に限定されないこと)および事前説明・満了通知(1年前から6カ月前まで)のルールを確認します。
- 建物賃借権の対抗要件(建物の引渡し)と照らし合わせ、適切な選択肢を選定します。
- 選択肢 1不正解
- 借地借家法第29条第1項により、期間を1年未満と定めた普通借家契約は「期間の定めのない賃貸借」とみなされるため、1年とみなされるとする点は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 借地借家法第38条第1項により、定期借家契約は「公正証書による等書面によって」締結すればよく、必ずしも公正証書に限られないため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 借地借家法第31条第1項により、登記がなくても建物の引渡しを受けていればその後の新所有者に対抗できるため、正しい記述です。
- 選択肢 4不正解
- 期間が1年以上の定期借家契約では、賃貸人は期間満了の「1年前から6ヵ月前までの間」に終了の通知をしなければ終了を対抗できないため、3ヵ月前までとする点は誤りです。
覚えるポイント
- 定期借家契約は公正証書「等の書面」で足り、あらかじめ「契約の更新がなく満了により終了する」旨を記載した書面を交付して説明する必要があります。
間違えやすいところ
- 普通借家契約で1年未満の期間を定めた場合は「1年」になるのではなく「期間の定めのない賃貸借」になります。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の借地借家法に基づく
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
都市計画法における開発許可の要否
不動産 · 開発行為の定義 / 開発許可の規模要件 / 開発許可の適用除外
都市計画法に基づき都道府県知事等の開発許可を受ける必要があるものとして、次のうち最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
都市計画法における開発行為とは、主として建築物の建築や特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更を指します。区域区分ごとの規模要件や、法律で定められた適用除外事業に該当するかどうかによって開発許可の要否が判定されます。
解き方
- 目的が「建築物の建築」または「特定工作物の建設」に該当するか、物理的な区画形質の変更があるかを確認します。
- 該当する区域(市街化区域、市街化調整区域等)の規模基準や、公益上・公的事業による許可不要の例外規定に該当するかを照合して判断します。
- 選択肢 1不正解
- 青空駐車場は建築物や特定工作物に該当しないため、その造成は都市計画法上の開発行為に該当せず、開発許可は不要です。
- 選択肢 2不正解
- 物理的な土地の区画形質の変更を伴わない単なる分筆(権利区画の変更)は、都市計画法上の開発行為に該当しないため開発許可は不要です。
- 選択肢 3正解
- 市街化区域内において原則として1,000平方メートル以上(条例で引き下げられた場合でも500平方メートル以上)の開発行為を行う場合、都道府県知事等の開発許可を受ける必要があります。
- 選択肢 4不正解
- 土地区画整理事業や市街地再開発事業などの公的施行事業として行われる開発行為は、適用除外とされており開発許可を受ける必要はありません。
覚えるポイント
- 市街化区域の開発許可基準面積は原則1,000平方メートル以上(条例で500平方メートルまで引下げ可)
- 青空駐車場や資材置場など建物を伴わない造成は開発行為に該当しない
間違えやすいところ
- 市街化調整区域(規模に関わらず原則許可必要)と市街化区域の面積要件を混同すること
- 土地区画整理事業などの公的事業に対する適用除外を見落として許可が必要と誤解すること
出題の前提:2015年10月1日現在施行の都市計画法第4条第12項、第29条に基づく出題基準
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法における制限と緩和規定
不動産 · 北側斜線制限 / 防火地域による緩和 / 複数地域にわたる敷地の用途規制
都市計画区域および準都市計画区域における建築基準法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
建築基準法では、良好な都市環境の形成と安全性の確保を目的に、建ぺい率・容積率・斜線制限などの集団規定が定められています。敷地や建築物が異なる地域にまたがる場合の適用関係や、耐火建築物に対する建ぺい率の緩和規定などを正確に区別して理解することが重要です。
解き方
- 各選択肢が規定している対象(斜線制限、建ぺい率・容積率の緩和、過半主義の適用範囲、より厳しい側の適用)を抽出します。
- 建築基準法の各条文に基づき、緩和される対象が容積率ではなく建ぺい率である誤りなどを照合して不適切な記述を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 北側斜線制限は、第一種・第二種低層住居専用地域および第一種・第二種中高層住居専用地域内の建築物に適用されます。
- 選択肢 2正解
- 防火地域内で耐火建築物を建築した際に受けられる緩和は「建ぺい率」の緩和(10%加算など)であり、容積率の緩和ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 建築物が防火地域と準防火地域にわたる場合、原則としてその建築物の全部について、制限の厳しい防火地域内の規定が適用されます。
- 選択肢 4不正解
- 建築物の敷地が異なる2つの用途地域にわたる場合、建築物の用途制限は敷地の過半が属する地域の規定が敷地全体に適用されます(過半主義)。
覚えるポイント
- 防火地域内の耐火建築物によって緩和されるのは建ぺい率(10%加算等)
- 用途地域の用途制限は「過半主義」、防火・準防火の建築物制限は「厳しい側が全部に適用」
間違えやすいところ
- 建ぺい率の緩和特例を容積率の緩和特例と取り違えること
- 用途地域(過半主義)と防火規制(厳しい側を全部に適用)における地域またぎのルールの混同
出題の前提:2015年10月1日現在施行の建築基準法第53条、第56条、第65条(現67条)、第91条に基づく出題基準
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)の基礎知識
不動産 · 区分所有法 / 共用部分 / 建替え決議
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
区分所有法では、独立した住戸として利用できる専有部分であっても、集会室や管理人室などのように規約を定めることで共用部分(規約共用部分)とすることが認められています。
解き方
- 区分所有法における専有部分と共用部分(法定共用部分・規約共用部分)の定義および取扱いを確認します。
- 共用部分の持分割合、占有者の義務範囲、集会における建替え決議の要件を照合して正誤を判定します。
- 選択肢 1正解
- 構造上および利用上の独立性を備えた専有部分となり得る部分であっても、規約によって共用部分(規約共用部分)とすることができます。
- 選択肢 2不正解
- 共用部分に対する各区分所有者の共有持分は、原則として戸数割合ではなく、各専有部分の床面積の割合によります。
- 選択肢 3不正解
- 専有部分の賃借人などの占有者が負うのは、建物の「使用方法」に関する義務であり、管理費納付義務など区分所有者が負うすべての義務を負うわけではありません。
- 選択肢 4不正解
- 区分所有建物の建替え決議は、全員の賛成を要するのではなく、区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数による集会の決議が必要です。
覚えるポイント
- 規約共用部分は登記しなければ第三者に対抗できません。
- 建替え決議は区分所有者および議決権の各5分の4以上の賛成が必要です。
間違えやすいところ
- 共用部分の持分割合を「戸数割合」と混同しやすいため、「床面積の割合」であることを正確に把握しておきましょう。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等(建物の区分所有等に関する法律)
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の取得に係る税金の概要
不動産 · 不動産取得税 / 登録免許税 / 印紙税
不動産の取得に係る税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
不動産取得税は不動産の取得に対して課される都道府県税ですが、相続という形式的な所有権の移転による取得については非課税とされています。一方、登記にかかる登録免許税は相続登記でも課税されます。
解き方
- 不動産の取得に伴う税目(印紙税、登録免許税、不動産取得税)の課税要件と納税義務者を確認します。
- 相続による取得における不動産取得税の非課税規定および登録免許税の取扱いに着目して各肢の適否を判断します。
- 選択肢 1不正解
- 印紙を文書に貼付しても所定の消印をしなかった場合には、消印されていない印紙の額面金額に相当する過怠税が課されます。
- 選択肢 2不正解
- 相続により取得した不動産の所有権移転登記を行う際にも、登録免許税(税率は原則1,000分の4)が課税されます。
- 選択肢 3不正解
- 不動産取得税は、不動産が所在する都道府県が、売買や贈与等によって不動産を取得した者に対して課税する地方税です。
- 選択肢 4正解
- 相続による不動産の取得に対しては、不動産取得税は非課税とされており課税されません。
覚えるポイント
- 相続による不動産取得:不動産取得税は非課税、登録免許税は課税(0.4%)。
間違えやすいところ
- 相続時における不動産取得税と登録免許税の課税・非課税の違いを混同しないように注意しましょう。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等(地方税法、登録免許税法、印紙税法)
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
土地の譲渡に係る譲渡所得の取扱い
不動産 · 譲渡所得 / 長期譲渡所得と短期譲渡所得の判定 / 取得費と譲渡費用 / 申告分離課税
個人が土地を譲渡したことによる譲渡所得に係る所得税の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
土地や建物の譲渡所得において、長期譲渡所得と短期譲渡所得の区分は「譲渡した年の1月1日現在における所有期間が5年を超えるか否か」により判定されます。実際の譲渡日ではなく、譲渡年の初日(1月1日)時点で判定する点が基本原則です。
解き方
- 土地の取得日(平成22年7月)と譲渡日(平成27年10月)を確認し、譲渡した年である平成27年1月1日時点での経過年数を数えます。
- 判定基準日(平成27年1月1日)において所有期間は5年以下であるため、長期譲渡所得ではなく短期譲渡所得に該当することを判断します。
- 選択肢 1不正解
- 居住用土地を取得した際に納付した登録免許税や不動産取得税などの諸費用は、譲渡所得の計算上、取得費に算入することができます。
- 選択肢 2不正解
- 土地を譲渡するために直接要した売買仲介手数料や契約書の印紙税などは、譲渡所得の計算上、譲渡費用に含まれます。
- 選択肢 3正解
- 平成27年1月1日現在の所有期間は5年以下(約4年5カ月)であるため、長期譲渡所得ではなく短期譲渡所得に区分されます。
- 選択肢 4不正解
- 土地や建物を譲渡したことによる譲渡所得は、所有期間の長短(短期・長期)にかかわらず、他の所得と分離して計算する申告分離課税の対象となります。
覚えるポイント
- 長期・短期の判定は「譲渡した年の1月1日」時点で所有期間が5年を超えているかどうかで判定する。
間違えやすいところ
- 実際の売買契約日や引渡日ベースで5年経過を計算して長期譲渡所得と誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
DCF法による投資用不動産の収益価格の算定
不動産 · 不動産の鑑定評価手法 / DCF法(ディスカウンテッド・キャッシュフロー法) / 複利現価率
毎期末に500万円の純収益が得られる投資用不動産がある。この不動産を3年保有し、3年経過後に6,500万円で売却するとした場合、DCF法によるこの不動産の収益価格を求める算式として、正しいものはどれか。なお、保有期間中の純収益は同額とし、売却に要する費用は考慮外とする。また、割引率を年4%とし、与えられた複利現価率(1年:0.962、2年:0.925、3年:0.889)を参考にすること。
解答・解説を表示
解答
2
解説
DCF法(ディスカウンテッド・キャッシュフロー法)は、連続する複数の期間に発生する純収益および保有期間終了時の転売等による復帰価格を、発生時期に応じた割引率で現在価値に割り引いて合計し、収益価格を算出する手法です。
解き方
- 保有期間中に発生する各期(1年目・2年目・3年目)の純収益500万円に、対応する各年の複利現価率(0.962、0.925、0.889)をそれぞれ乗じて現在価値を求めます。
- 3年経過後の売却価格(復帰価格)6,500万円に、3年目の複利現価率0.889を乗じて現在価値を求め、すべての現在価値を合計する算式を組み立てます。
- 選択肢 1不正解
- 1年目および2年目の純収益に対しても3年目の複利現価率を適用してしまっており誤りです。
- 選択肢 2正解
- 各年の純収益および3年後の売却価格を、各期間に応じた複利現価率で正しく現在価値に割り引いて合算しているため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 純収益の合計に対して1年目の複利現価率を一律で適用しており誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 3年経過後の売却価格(6,500万円)を現在価値に割り引かずにそのまま額面で加算しているため誤りです。
覚えるポイント
- DCF法では保有期間中の毎期の純収益だけでなく、将来の売却価格(復帰価格)も現在価値に割り引いて加算する。
間違えやすいところ
- 売却価格の割引計算を忘れたり、毎期の純収益を合算してから同一の係数で割り引いてしまう誤りに注意が必要です。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与契約の法的性質と効力
相続・事業承継 · 死因贈与 / 定期贈与 / 負担付贈与 / 民法の贈与契約
民法に規定されている各種の贈与契約に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
贈与は当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方がこれを受諾することによって成立する契約です。単独行為である遺贈とは成立要件が明確に区別されます。
解き方
- 死因贈与と遺贈の法的性質(契約か単独行為か)の違いを確認する。
- 定期贈与・負担付贈与の各契約類型における民法上の効力や責任範囲を照合して誤りを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 民法第552条において、定期の給付を目的とする贈与は贈与者または受贈者の死亡によって効力を失うと定められています。
- 選択肢 2正解
- 死因贈与は贈与者と受贈者の双方の合意により成立する「契約」であり、遺言のように一方的な意思表示で成立する単独行為ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 民法第554条により死因贈与には遺贈の規定が準用されるため、特段の事情がない限り、贈与者は遺言によって撤回することが可能です。
- 選択肢 4不正解
- 民法第551条第2項の規定により、負担付贈与の贈与者はその負担の限度において売主と同様の担保責任を負います。
覚えるポイント
- 死因贈与は双方合意が必要な契約であり、遺言による単独行為である遺贈と区別する。
間違えやすいところ
- 死因贈与も死亡によって効力が生じるため遺贈と同じ単独行為であると誤認しやすい点。
出題の前提:平成27年10月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
親族等の範囲および民法上の取扱い
相続・事業承継 · 親族の範囲 / 姻族関係 / 親権者 / 養子縁組
親族等に係る民法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
民法上の普通養子縁組では実親との親子関係を存続させたまま養親との間に法定血族関係を生じさせますが、特別養子縁組では実親との親族関係が終了します。
解き方
- 親族の定義(6親等内血族、配偶者、3親等内姻族)および死別時の姻族関係の規定を確認する。
- 離婚時の親権者決定要件ならびに普通養子縁組成立時における実方父母との親族関係の存続関係を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 民法第725条において、親族の範囲は「6親等内の血族」「配偶者」「3親等内の姻族」と明確に規定されています。
- 選択肢 2不正解
- 配偶者の死亡によって姻族関係は当然には終了せず、生存配偶者が「姻族関係終了届」を提出することで終了するため、原則として継続します。
- 選択肢 3不正解
- 民法第819条第1項により、未成年の子がいる夫婦が協議離婚をする際には、協議によって父母のどちらか一方を親権者と定める必要があります。
- 選択肢 4正解
- 普通養子縁組が成立しても実方の父母との親族関係は終了しません。実方の父母との親族関係が終了するのは特別養子縁組の場合です。
覚えるポイント
- 普通養子縁組では実親との親族関係・相続関係は継続し、終了するのは特別養子縁組である。
間違えやすいところ
- 配偶者が死亡したときに姻族関係が自動的に終了すると勘違いしやすい点。
出題の前提:平成27年10月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続時精算課税制度の特別控除額
相続・事業承継 · 贈与税 / 相続時精算課税制度 / 特別控除
2015年(平成27年)10月に父から下記の財産(土地2,000万円、家屋1,000万円)の贈与を受けた長男が、相続時精算課税制度の適用を受けた場合、2015年分の贈与税額の計算上、この贈与財産に係る課税価格から控除することができる金額(特別控除額の限度額)として、最も適切なものはどれか。なお、長男はこれまでに下記以外の贈与を受けていないものとする。 【贈与財産と評価額】 ・土地:2,000万円 ・家屋:1,000万円
解答・解説を表示
解答
3
解説
相続時精算課税制度を選択すると、同一の特定贈与者からの贈与について、複数年にわたり累計で最大2,500万円までの特別控除が適用されます。贈与財産の合計額が2,500万円を超える場合、その超える部分に対して一律20%の税率で贈与税が課されます。
解き方
- 贈与財産の合計評価額を算出する:土地2,000万円+家屋1,000万円=3,000万円。
- 相続時精算課税制度の特別控除の限度額(累計2,500万円)と照らし合わせ、課税価格から控除可能な金額が2,500万円であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 土地の評価額である2,000万円にとどまらず、制度上の特別控除限度額である2,500万円まで控除可能です。
- 選択肢 2不正解
- 暦年課税の基礎控除110万円と混同した誤った金額です。相続時精算課税制度を選択した贈与者からの贈与には、暦年課税の基礎控除(110万円)は併用できません(2015年当時)。
- 選択肢 3正解
- 相続時精算課税制度における特別控除の限度額は累計2,500万円であり、これまでに贈与を受けていない長男は2,500万円全額を控除できます。
- 選択肢 4不正解
- 相続時精算課税の特別控除2,500万円に暦年課税の基礎控除110万円を加算した誤った金額です。
覚えるポイント
- 相続時精算課税制度の特別控除限度額は贈与者ごとに累計2,500万円である。
間違えやすいところ
- 相続時精算課税制度と暦年課税の基礎控除110万円を重複して控除できると誤認しないように注意する。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法上の法定相続分(配偶者の相続分)
相続・事業承継 · 民法 / 法定相続分 / 相続順位
相続人が下記の(ア)~(ウ)のとおりである場合において、それぞれの配偶者の法定相続分の組み合わせとして、正しいものはどれか。 (ア)相続人が被相続人の配偶者、長男、長女の合計3人の場合 (イ)相続人が被相続人の配偶者、父、母の合計3人の場合 (ウ)相続人が被相続人の配偶者、兄、姉の合計3人の場合
解答・解説を表示
解答
2
解説
民法が定める法定相続分において、常に相続人となる配偶者の相続割合は、同順位でともに相続人となる者の区分(第1順位:子、第2順位:直系尊属、第3順位:兄弟姉妹)によって段階的に高くなります。
解き方
- (ア)配偶者と子(第1順位)が相続人の場合、配偶者の法定相続分は1/2となる。
- (イ)配偶者と直系尊属(第2順位)が相続人の場合、配偶者の法定相続分は2/3となる。
- (ウ)配偶者と兄弟姉妹(第3順位)が相続人の場合、配偶者の法定相続分は3/4となる。
- (ア)1/2、(イ)2/3、(ウ)3/4が一致する選択肢2を選択する。
- 選択肢 1不正解
- (イ)の1/3は直系尊属全体の相続分であり、(ウ)の1/4は兄弟姉妹全体の相続分です。配偶者の相続分はそれぞれ2/3、3/4となります。
- 選択肢 2正解
- 配偶者の法定相続分は、子と相続する場合は1/2、直系尊属と相続する場合は2/3、兄弟姉妹と相続する場合は3/4であり、すべて正しい組み合わせです。
- 選択肢 3不正解
- (ウ)の1/4は兄弟姉妹全員の法定相続分であり、配偶者の法定相続分は3/4となります。
- 選択肢 4不正解
- (イ)の1/3は直系尊属全員の法定相続分であり、配偶者の法定相続分は2/3となります。
覚えるポイント
- 配偶者の法定相続分は、子とでは1/2、直系尊属とでは2/3、兄弟姉妹とでは3/4となる。
間違えやすいところ
- 配偶者の法定相続分と、共同相続人となる血族(子・尊属・兄弟姉妹)側の全体の法定相続分を取り違えないように注意する。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺産分割の手続きおよび効力
相続・事業承継 · 遺産分割 / 民法 / 遺言
民法における遺産分割に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
民法上、被相続人は遺言により遺産分割の方法を指定するだけでなく、相続開始時から5年以内の期間に限り遺産分割を禁止することができます。遺産分割協議自体には民法上の期限はなく、全員の合意があれば再分割協議も可能です。
解き方
- 遺産分割の禁止に関する民法の規定(遺言により最長5年間禁止可能)を確認します。
- 遺産分割協議の期限、成立後の再協議の可否、家庭裁判所での手続き(調停・審判)の各規定の正誤を照合します。
- 選択肢 1正解
- 被相続人は、遺言により、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができます(民法第908条)。
- 選択肢 2不正解
- 民法上、遺産分割を行わなければならない期限は定められていません(なお相続税の申告期限は10ヵ月以内です)。
- 選択肢 3不正解
- 遺産分割協議が適法に成立した後であっても、共同相続人全員の合意があれば合意解除して遺産の再分割協議を行うことができます。
- 選択肢 4不正解
- 遺産分割協議が調わない場合、家庭裁判所に遺産分割の調停または審判を申し立てることができますが、審判の申立てを調停に先立ってしなければならない義務はありません(通常はまず調停を申し立てます)。
覚えるポイント
- 遺言による遺産分割の禁止期間は相続開始の時から最長5年です。
- 遺産分割協議は全員の合意があればやり直す(再分割する)ことができます。
間違えやすいところ
- 相続税の申告・納付期限(10ヵ月以内)と、民法上の遺産分割協議の期限(法律上の期限なし)を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の税額控除等(配偶者控除・未成年者控除・2割加算)
相続・事業承継 · 相続税の税額控除 / 配偶者の税額軽減 / 未成年者控除 / 相続税額の2割加算
相続税の計算における税額控除等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等は満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
相続税の税額控除等には、配偶者の税額軽減(1億6,000万円または法定相続分相当額まで非課税)、未成年者控除(満20歳に達するまでの年数×10万円※当時基準)、生前贈与加算・贈与税額控除、相続税額の2割加算(代襲相続人である孫は対象外)などがあります。
解き方
- 各選択肢の控除・加算制度(2割加算、配偶者の税額軽減、生前贈与加算、未成年者控除)の適用要件と計算式を確認します。
- 配偶者の税額軽減の限度額(1億6,000万円または法定相続分相当額のいずれか多い金額)が正確に記述されている選択肢2を正答と判断します。
- 選択肢 1不正解
- 被相続人の子がすでに死亡しており、代襲して相続人となった孫は一親等の血族と同等に扱われるため、相続税額の2割加算の対象にはなりません。
- 選択肢 2正解
- 配偶者の税額軽減の適用を受けると、配偶者が取得した財産が1億6,000万円または法定相続分相当額のいずれか多い額までであれば納付すべき相続税額はありません。
- 選択肢 3不正解
- 相続開始前3年以内の生前贈与加算および贈与税額控除の対象者は、相続または「遺贈」により財産を取得した者であり、相続人以外の受遺者も含まれます。
- 選択肢 4不正解
- 平成27年1月1日以後の相続において、未成年者控除の控除額は「(20歳-相続開始時の年齢)×10万円」で計算されます(選択肢の「6万円」は平成26年12月31日以前の旧規定です)。
覚えるポイント
- 配偶者の税額軽減の非課税枠は「1億6,000万円」または「配偶者の法定相続分相当額」のいずれか多い金額です。
- 代襲相続人である孫は相続税額の2割加算の対象外(養子縁組した孫養子で代襲でない場合は2割加算対象)です。
間違えやすいところ
- 孫養子(代襲相続人でない)は2割加算の対象ですが、子の死亡による代襲相続人である孫は2割加算の対象外となる違いに注意してください。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
側方路線影響加算を伴う宅地の相続税評価額の計算
相続・事業承継 · 財産評価 / 宅地の評価 / 側方路線影響加算
次の甲宅地(普通住宅地区、地積600㎡)の相続税評価額として、最も適切なものはどれか。なお、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」は考慮しないものとする。 <甲宅地の条件> ・正面(北側)路線:路線価300千円/㎡、間口20m、奥行30m ・側方(東側)路線:路線価100千円/㎡、間口30m、奥行20m ・奥行価格補正率:20mは1.00、30mは0.98 ・側方路線影響加算率:0.03 ・地区区分:普通住宅地区
解答・解説を表示
解答
2
解説
2つの路線に接する角地等の宅地評価では、各路線の路線価に奥行価格補正率を乗じた数値を比較し、高い方を「正面路線」、低い方を「側方路線」と判定します。1㎡当たり評価額は「正面路線価×奥行価格補正率+側方路線価×側方路線の奥行価格補正率×側方路線影響加算率」で計算します。
解き方
- 北側路線の補正後価額(300千円×0.98=294千円)と東側路線の補正後価額(100千円×1.00=100千円)を比較し、高い北側路線を正面路線、東側路線を側方路線と決定する。
- 側方路線影響加算額を計算する(側方路線価100千円×奥行価格補正率1.00×加算率0.03=3千円)。
- 正面路線価に補正率を乗じた294千円に加算額3千円を加えて1㎡当たり評価額297千円を求め、地積600㎡を乗じて評価額178,200千円を算出する。
- 選択肢 1不正解
- 北側路線の奥行距離を誤って20m(補正率1.00)、東側を30m(補正率0.98)として計算した場合の数値(300千円×1.00+100千円×0.98×0.03)×600㎡=181,764千円であり、誤りです。
- 選択肢 2正解
- 正面路線(北側)の評価額294千円と側方路線(東側)の影響加算額3千円を合計した297千円に地積600㎡を乗じた178,200千円であり、適切です。
- 選択肢 3不正解
- 東側路線を誤って正面路線として計算した不適切な金額です。
- 選択肢 4不正解
- 東側路線を正面とし、側方路線影響加算等を正しく反映していない誤った計算結果です。
覚えるポイント
- 正面路線の判定は、単純な路線価の比較ではなく「路線価×奥行価格補正率」が大きい方を選択する。
間違えやすいところ
- 正面路線に対する奥行距離と側方路線に対する奥行距離を混同して補正率を逆に適用してしまうこと。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等(財産評価基本通達)
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
貸家建付地の相続税評価と減額幅の計算
相続・事業承継 · 財産評価 / 宅地の評価 / 貸家建付地
不動産の相続税評価額の引下げに関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 「自己が所有している宅地(更地・自用地)に賃貸マンションを建築して賃貸の用に供した場合、当該宅地は( ア )として評価される。 例えば、更地(自用地)としての価額が1億円の宅地に賃貸マンションを建築し、借地権割合が60%、借家権割合が30%、賃貸割合が100%とすると、当該宅地は、更地(自用地)で所有しているよりも相続税評価額が( イ )減額される。」
解答・解説を表示
解答
1
解説
所有する土地に自ら建築した家屋を他人に賃貸している場合、土地の利用が制限されるため、その敷地は「貸家建付地」として評価されます。貸家建付地の評価額は「自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)」で算出され、自用地評価額からの減額分は「自用地評価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合」となります。
解き方
- 自己所有の土地に自己所有の賃貸物件を建てて賃貸している場合の土地の区分が「貸家建付地」であることを確認する(他人に土地を貸して他人が建物を建てた場合は「貸宅地」)。
- 減額割合を「借地権割合×借家権割合×賃貸割合=60%×30%×100%=18%」と計算する。
- 自用地評価額1億円に減額割合18%を乗じて、減額される金額「1,800万円」を算出する。
- 選択肢 1正解
- 空欄(ア)は貸家建付地、(イ)は1億円×60%×30%×100%=1,800万円の減額であり、正しい組み合わせです。
- 選択肢 2不正解
- 土地の区分が貸宅地となっている点、および減額幅の計算が誤りです。貸宅地は他人に建物の所有を目的として貸し付けている土地を指します。
- 選択肢 3不正解
- (ア)の貸家建付地は正しいですが、(イ)の4,000万円は誤りです(1億円×(1-60%)=4,000万円などの計算違い)。
- 選択肢 4不正解
- (イ)の減額幅1,800万円は正しいですが、(ア)が貸宅地となっているため誤りです。
覚えるポイント
- 貸家建付地(自分の土地+自分の貸家)と貸宅地(自分の土地+他人の家)の区別を正確に押さえる。
間違えやすいところ
- 減額される金額を問われているのに、評価後の金額(8,200万円)を答えてしまったり、貸宅地の控除割合(借地権割合のみ)と混同したりすること。
出題の前提:2015年10月1日現在施行の法令等(財産評価基本通達)
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険金等の非課税限度額の適用対象となる契約形態
相続・事業承継 · 生命保険金のみなし相続財産 / 相続税の非課税財産 / 契約形態と課税関係
下記の表の生命保険契約のうち、被相続人の死亡時に支払われる死亡保険金について、相続税法第12条に規定される生命保険金等の非課税規定(500万円×法定相続人の数)の適用がある契約の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。なお、死亡保険金受取人はすべて被相続人の相続人であり、相続の放棄はしていないものとする。 〔契約形態〕 (ア)契約者(=保険料負担者):被相続人、被保険者:被相続人、死亡保険金受取人:配偶者 (イ)契約者(=保険料負担者):子、被保険者:被相続人、死亡保険金受取人:子 (ウ)契約者(=保険料負担者):配偶者、被保険者:被相続人、死亡保険金受取人:子 (エ)契約者(=保険料負担者):被相続人、被保険者:配偶者、死亡保険金受取人:子
解答・解説を表示
解答
1
解説
相続税法第12条の生命保険金等の非課税規定(500万円×法定相続人の数)は、被相続人が自らを被保険者として保険料を負担し、その死亡により相続人が取得した死亡保険金(みなし相続財産)に対してのみ適用されます。契約者や受取人の関係により所得税や贈与税が課される場合には適用されません。
解き方
- 各契約形態における死亡保険金の課税区分(相続税・所得税・贈与税)を判定する。
- 被相続人が保険料を負担し、被相続人の死亡を契機に相続人が受け取る相続税課税対象の契約(みなし相続財産)を抽出する。
- 選択肢 1正解
- (ア)は契約者・被保険者がともに被相続人で受取人が相続人(配偶者)であるため、みなし相続財産として相続税が課税され、非課税規定が適用されます。
- 選択肢 2不正解
- (イ)は受取人自身が保険料を負担しているため一時所得(所得税・住民税)、(ウ)は契約者(配偶者)から受取人(子)への贈与税の対象となり、非課税規定の適用はありません。
- 選択肢 3不正解
- (ウ)は贈与税課税対象であり、(エ)は被相続人の死亡時点では被保険者(配偶者)が生きており死亡保険金が支払われないため、いずれも該当しません。
- 選択肢 4不正解
- (エ)は被保険者が配偶者であるため、被相続人の死亡時に支払われる死亡保険金は発生せず、生命保険金等の非課税規定は適用されません。
覚えるポイント
- 生命保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」で計算され、相続人が取得したみなし相続財産にのみ適用される。
間違えやすいところ
- 受取人が相続人であっても、保険料負担者が被相続人以外の契約では相続税ではなく所得税や贈与税の対象となるため注意する。
出題の前提:平成27年10月1日現在施行の法令等(相続税法第12条)
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
平成27年施行の相続税法改正および贈与税等の規定
相続・事業承継 · 遺産に係る基礎控除額 / 小規模宅地等の特例 / 贈与税の特例税率 / 相続時精算課税制度
平成27年中に開始する相続に係る相続税および平成27年中の贈与に係る贈与税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
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解説
平成27年1月1日施行の税制改正により、相続税の基礎控除額の引下げや最高税率の引上げ、小規模宅地等の特例の限度面積拡充、贈与税における特例税率の新設、相続時精算課税制度の受贈者への孫の追加など重要な見直しが行われました。
解き方
- 平成27年1月1日以後に適用される相続税の基礎控除額の算式(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を確認する。
- 小規模宅地等の特例における貸付事業用宅地等との併用時の調整計算の要否を確認する。
- 暦年課税における特例税率の適用要件(贈与者の年齢制限の有無)を確認する。
- 相続時精算課税制度の受贈者の適格要件(20歳以上の子および孫)を確認し、正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 平成27年1月1日以後に開始する相続に係る基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」に引き下げられました。
- 選択肢 2不正解
- 特定居住用宅地等と特定事業用等宅地等は完全併用可能ですが、貸付事業用宅地等を併用する場合には所定の調整計算が必要となります。
- 選択肢 3不正解
- 直系尊属からの贈与に係る特例税率は受贈者の年齢(20歳以上)が要件であり、贈与者である直系尊属に年齢制限はありません。
- 選択肢 4正解
- 平成27年1月1日以後の贈与から、受贈者の対象に贈与年の1月1日において20歳以上である「孫」が追加されました。
覚えるポイント
- 相続時精算課税制度は「60歳以上の父母・祖父母」から「20歳以上の子・孫」への贈与に適用される。
間違えやすいところ
- 特例贈与税率(受贈者が20歳以上なら贈与者の年齢制限なし)と、相続時精算課税制度(贈与者が60歳以上必要)の年齢要件を取り違えやすい。
出題の前提:平成27年10月1日現在施行の法令等(平成27年度相続税制・贈与税制改正事項)
出典:金融財政事情研究会『2016年1月 2級 学科』
公式問題 p.26(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2016年1月 2級 学科
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2016年1月 2級 学科の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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