日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2015年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務の概要
老齢基礎年金および付加年金の額の計算
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 付加年金 / 公的年金
個人事業主であるAさん(48歳)が60歳に達するまで国民年金の保険料を全期間納付し、かつ60歳までに付加保険料を120月納付して65歳から受給する場合について、平成27年度価額に基づく老齢基礎年金および付加年金の受給見込額の計算式における空欄①〜③に入る最も適切な数値を求めなさい。
解答・解説を表示
解答
① 780,100 ② 480 ③ 804,100
解説
老齢基礎年金は20歳以上60歳未満の40年間(480月)すべての保険料を納付した場合に満額が支給されます。国民年金第1号被保険者が月額400円の付加保険料を納付した場合、「200円×付加保険料納付済月数」で算出された付加年金が老齢基礎年金に上乗せして終身受給できます。
解き方
- 平成27年度の老齢基礎年金満額が780,100円、満額月数が480月であることから、老齢基礎年金額を780,100円と求めます。
- 付加年金の計算式「200円×付加保険料納付月数」に基づき、200円×120月=24,000円を計算します。
- 老齢基礎年金額780,100円と付加年金額24,000円を合算し、合計見込額804,100円を算出します。
答えの内訳
- ①:780,100
- 平成27年度価額における老齢基礎年金の満額は780,100円です。与えられた数値群の中から780,100を選択します。
- ②:480
- 老齢基礎年金の満額算定に用いる最大月数は480月(40年×12月)であり、Aさんは20歳から60歳まで全期間納付するため480月となります。
- ③:804,100
- 付加年金の年額は「200円×納付済月数」で算出されるため、200円×120月=24,000円となります。老齢基礎年金額780,100円と合算して804,100円となります。
覚えるポイント
- 付加年金の年額は「200円×納付月数」で計算され、納付額が月額400円であるため、受給開始から2年間で支払った保険料相当額を回収できます。
間違えやすいところ
- 付加保険料の月額納付額(400円)と年金受取額の計算乗数(200円)を取り違えて計算しないよう注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等(平成27年度価額)
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金基金の制度概要と掛金限度額
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金基金 / 確定拠出年金 / 公的年金の上乗せ制度
国民年金基金の加入口数や支給開始年齢、掛金の拠出限度額、および他の年金制度との掛金限度額の合算関係に関する説明文の空欄①〜③に入る最も適切な語句または数値を、語句群(イ〜リ)の中から選び記号で答えなさい。
- イ
- 60
- ロ
- 65
- ハ
- 70
- ニ
- 51,000
- ホ
- 68,000
- ヘ
- 70,000
- ト
- 確定拠出年金の個人型年金
- チ
- 中小企業退職金共済制度
- リ
- 小規模企業共済制度
解答・解説を表示
解答
① ロ ② ホ ③ ト
解説
国民年金基金は国民年金第1号被保険者が老齢基礎年金に上乗せして加入できる公的な年金制度です。掛金の拠出限度額は月額68,000円であり、確定拠出年金の個人型年金(iDeCo)と掛金枠を共有するため両者の合計で上限が適用されます。また国民年金基金に加入すると国民年金の付加保険料は納付できなくなります。
解き方
- 国民年金基金の1口目となる終身年金(A型・B型)の年金支給開始年齢が原則65歳であることを確認し、空欄①に「ロ」を選択します。
- 第1号被保険者の国民年金基金における掛金拠出限度額が月額68,000円であることを確認し、空欄②に「ホ」を選択します。
- 掛金拠出枠を合算して月額68,000円が上限となる制度が確定拠出年金の個人型年金であることを確認し、空欄③に「ト」を選択します。
- 選択肢 イ不正解
- 国民年金基金の終身年金(A型・B型)の年金支給開始年齢は60歳ではなく原則65歳です。
- 選択肢 ロ正解
- 国民年金基金の終身年金(A型・B型)の支給開始年齢は原則として65歳であるため適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 国民年金基金の終身年金の年金支給開始年齢は70歳ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 51,000円は国民年金基金の月額掛金限度額ではありません。
- 選択肢 ホ正解
- 国民年金基金の月額掛金限度額は68,000円であるため適切です。
- 選択肢 ヘ不正解
- 70,000円は小規模企業共済制度の月額掛金上限であり、国民年金基金の上限(68,000円)とは異なります。
- 選択肢 ト正解
- 確定拠出年金の個人型年金(iDeCo)の掛金は、国民年金基金の掛金と合算して月額68,000円が上限となるため適切です。
- 選択肢 チ不正解
- 中小企業退職金共済制度は従業員のための退職金制度であり、個人事業主自身の公的年金上乗せ制度ではありません。
- 選択肢 リ不正解
- 小規模企業共済制度の掛金限度額は月額70,000円の別枠であり、国民年金基金と合算管理される制度ではありません。
答えの内訳
- ①:ロ
- 国民年金基金の1口目で選択する終身年金(A型・B型)の年金支給開始年齢は、原則として65歳です。
- ②:ホ
- 国民年金基金の掛金拠出限度額は、選択した型や加入口数にかかわらず月額68,000円です。
- ③:ト
- 確定拠出年金の個人型年金(iDeCo)にも加入している場合、国民年金基金の掛金と合算して月額68,000円が上限となります。
覚えるポイント
- 国民年金基金の月額掛金上限は68,000円で確定拠出年金(個人型)と合算され、付加年金との併用はできません。
間違えやすいところ
- 小規模企業共済制度の掛金上限(月額70,000円)と国民年金基金の掛金上限(月額68,000円)を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老後の年金収入を増やす各種制度(iDeCo・小規模企業共済・個人年金保険)
ライフプランニングと資金計画 · 確定拠出年金 / 小規模企業共済 / 個人年金保険
自営業者であるAさん(48歳)に対し、老後の年金収入を増やす方法としてFPのMさんが説明した次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ①「Aさんが確定拠出年金の個人型年金に現時点から60歳に達するまで掛金を拠出した場合は、通算加入者等期間が10年以上となるため、Aさんは60歳から老齢給付金を受け取ることができます」 ②「小規模企業共済制度は、個人事業主または会社等の役員(小規模企業者)が、廃業や退職をした場合に必要となる資金を準備しておくための共済制度です。毎月の掛金は、5,000円から30,000円までの16種類のなかから任意に選択することができます」 ③「老後の年金収入を増やすために、生命保険会社の個人年金保険に加入する方法がありますが、Aさんの年齢の場合、月払いや年払い等の平準払いの個人年金保険に加入することはできませんので、一時払個人年金保険をご検討ください」
解答・解説を表示
解答
① ○ ② × ③ ×
解説
自営業者の公的年金は老齢基礎年金のみとなるため、確定拠出年金(個人型)や小規模企業共済、民間個人年金保険などの自助努力制度を組み合わせた老後資金形成が有効です。
解き方
- 確定拠出年金の受給開始可能年齢要件と加入可能期間(48歳から60歳までの期間が10年以上か)を判定する。
- 小規模企業共済の掛金月額の範囲(1,000円~70,000円、500円単位)の規定を確認する。
- 個人年金保険における加入可能年齢や保険料払込方法(平準払い・一時払い)の一般的取扱いを確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 確定拠出年金の老齢給付金を60歳から受給するためには通算加入者等期間が10年以上必要です。48歳のAさんが60歳まで拠出した場合は12年となり10年を満たすため適切です。
- 小問 ②:×
- 小規模企業共済の毎月の掛金は月額1,000円から70,000円までの範囲内(500円単位)で自由に選択できます。「5,000円から30,000円までの16種類」とする記述は不適切です。
- 小問 ③:×
- 民間の個人年金保険において、48歳であっても月払いや年払いなどの平準払い商品に加入することは可能であり、「加入することはできない」とする記述は不適切です。
覚えるポイント
- 小規模企業共済の掛金は月額1,000円から70,000円まで500円単位で選択でき全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)となる。
間違えやすいところ
- 中小企業退職金共済(月額5,000円~30,000円の16種類)の掛金区分を小規模企業共済の制度と混同しないように注意する。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
火災保険の対象範囲・水災補償・保険料の仕組み
リスク管理 · 火災保険の対象 / 水災補償 / 火災保険料率
新築戸建て住宅を購入予定のAさんに対し、FPのMさんが説明した火災保険の商品内容に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ①「火災保険において、居住用建物を保険の目的として加入する場合、住宅敷地内にある車庫、門、塀などは補償の対象となりません」 ②「豪雨による洪水、高潮等によって床上浸水が発生し、建物や家財が損害を受けた場合は水災として補償の対象となります。都市部であっても、下水があふれたり、土砂崩れが局地的に発生するなど、水災による損害に備えることも検討してください」 ③「居住用建物を保険の目的として加入する火災保険の保険料は、建物の構造、建物の建築年数等により異なりますが、建物の所在する都道府県による違いはありません」
解答・解説を表示
解答
① × ② ○ ③ ×
解説
住宅用火災保険は建物本体と敷地内の付属工作物を対象とし、火災のほか風水災等の自然災害も包括的に補償可能ですが、リスクに応じた地域別・構造別の料率が適用されます。
解き方
- 火災保険における建物の補償範囲に門や塀、車庫などの付属工作物が含まれるかを確認する。
- 水災事故として補償される損害事由(床上浸水、土砂崩れ、内水氾濫等)を判定する。
- 火災保険料の決定要因(構造区分、築年数、所在都道府県など)について確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 火災保険で建物を保険の目的とした場合、特約で除外しない限り、建物と同一敷地内にある門、塀、物置、車庫等の付属建物や付属設備も補償の対象に含まれるため不適切です。
- 小問 ②:○
- 豪雨や台風等による洪水・高潮・土砂崩れや都市部の内水氾濫に伴う床上浸水損害は水災補償の対象となるため、記述内容は適切です。
- 小問 ③:×
- 火災保険の保険料率は建物の構造や築年数だけでなく、火災や自然災害のリスク格差を反映して所在する都道府県(所在地)ごとに異なるため不適切です。
覚えるポイント
- 火災保険の保険料率は建物の構造区分(M構造・T構造・H構造等)と所在する都道府県ごとに定められている。
間違えやすいところ
- 地震保険だけでなく火災保険においても所在地(都道府県)によって保険料率が異なる点を見落とさないように注意する。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
地震保険の補償内容・割引制度・損害認定基準
リスク管理 · 地震保険 / 保険金額の設定限度 / 割引制度 / 損害区分
次の文章は、MさんがAさんに対して説明した地震保険の商品内容等である。文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、語句群のなかから選び、その記号を答えなさい。 ⅰ)「地震保険は、居住用建物および家財(生活用動産)を対象とし、地震もしくは噴火またはこれらによる津波を直接または間接の原因とする火災、損壊、埋没または流失による損害を補償する保険です。地震保険は、単独では加入することができず、火災保険等とセットで加入しなければなりません。地震保険の保険金額は、火災保険等の保険金額の( ① )%の範囲内での設定となり、限度額は建物で( ② )万円、家財で1,000万円となっています」 ⅱ)「地震保険の保険料は、建物の構造および所在地(都道府県別)に応じて決まります。また、『建築年割引』『耐震等級割引』『免震建築物割引』『耐震診断割引』の4種類の割引制度が設けられており、割引率は『耐震等級割引(耐震等級3)』および『( ③ )』の50%が最高となっています。なお、それぞれの割引制度の重複適用はできません」 ⅲ)「地震保険は、損害の程度により、契約金額の一定割合が支払われます。仮に、建物が全損に該当した場合は保険金額の100%、半損に該当した場合は保険金額の50%が支払われます。また、一部損に該当した場合は保険金額の( ④ )%が支払われます」
- イ
- 10~70
- ロ
- 30~50
- ハ
- 50~70
- ニ
- 5
- ホ
- 10
- ヘ
- 15
- ト
- 2,500
- チ
- 3,000
- リ
- 5,000
- ヌ
- 建築年割引
- ル
- 免震建築物割引
- ヲ
- 耐震診断割引
解答・解説を表示
解答
① ロ、② リ、③ ル、④ ニ
解説
地震保険は「地震保険に関する法律」に基づき政府と損害保険会社が共同運営する公的性質の強い保険です。単独加入は不可で火災保険への付帯が必須であり、契約金額の範囲や限度額、損害査定基準、割引制度などが一律に定められています。
解き方
- 空欄①と②について、地震保険の引受基準(主契約火災保険の30%~50%、建物限度額5,000万円・家財1,000万円)を当てはめます。
- 空欄③について、4つの割引制度(建築年10%、耐震診断10%、耐震等級10~50%、免震建築物50%)のうち50%に該当するものを特定します。
- 空欄④について、本試験当時の損害認定3区分(全損100%・半損50%・一部損5%)から一部損の支払割合を選定します。
- 選択肢 イ不正解
- 地震保険金額の設定範囲は30%~50%であり、10~70%ではありません。
- 選択肢 ロ正解
- 空欄①に入ります。地震保険の保険金額は火災保険金額の30~50%の範囲で設定します。
- 選択肢 ハ不正解
- 地震保険金額の設定範囲は30%~50%であり、50~70%ではありません。
- 選択肢 ニ正解
- 空欄④に入ります。当時の基準における一部損の保険金支払割合は保険金額の5%です。
- 選択肢 ホ不正解
- 一部損の支払割合は5%であり、10%ではありません。
- 選択肢 ヘ不正解
- 一部損の支払割合は5%であり、15%ではありません。
- 選択肢 ト不正解
- 建物の保険金額限度額は5,000万円であり、2,500万円ではありません。
- 選択肢 チ不正解
- 建物の保険金額限度額は5,000万円であり、3,000万円ではありません。
- 選択肢 リ正解
- 空欄②に入ります。建物の地震保険金額の限度額は5,000万円です。
- 選択肢 ヌ不正解
- 建築年割引の割引率は10%であり、最高50%の割引ではありません。
- 選択肢 ル正解
- 空欄③に入ります。免震建築物割引の割引率は耐震等級3と同様に最大の50%です。
- 選択肢 ヲ不正解
- 耐震診断割引の割引率は10%であり、最高50%の割引ではありません。
答えの内訳
- ①:ロ
- 地震保険の保険金額は、主契約である火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内で設定します。
- ②:リ
- 地震保険の保険金額の上限額は、建物が5,000万円、家財が1,000万円と定められています。
- ③:ル
- 地震保険の割引制度のうち、割引率が50%と最大になるのは「耐震等級割引(耐震等級3)」および「免震建築物割引」です。
- ④:ニ
- 出題基準日現在の損害認定基準において、一部損に該当したときに支払われる保険金の額は保険金額の5%です。
覚えるポイント
- 地震保険の金額範囲は火災保険の30%~50%、限度額は建物5,000万円・家財1,000万円。
- 割引制度は4種類あり重複適用不可。最高割引率50%は免震建築物割引と耐震等級割引(等級3)。
間違えやすいところ
- 地震保険の限度額(建物5,000万円、家財1,000万円)を逆に覚えてしまうミスに注意する。
- 割引制度の重複適用が可能であると誤認しないようにする。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令・基準等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
火災保険金・地震保険料に係る税務(雑損控除・非課税・保険料控除)
タックスプランニング · 雑損控除 / 損害保険金の非課税 / 地震保険料控除
MさんがAさんに対して説明した火災保険および地震保険に係る課税関係に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。 ① 「仮に、Aさんの自宅が火災により損害を受けた場合、所定の金額を上限とし、雑損控除の適用を受けることができます。雑損控除の金額が大きく、その年分の総所得金額等から控除しきれない場合は、確定申告を要件として翌年以後3年間繰り越して、各年分の総所得金額等から控除することができます」 ② 「Aさんの自宅が火災により損害を受けた場合にAさんが受け取る火災保険金は、一時所得に係る収入金額として総合課税の対象となります」 ③ 「複数年分の地震保険料を一括で支払った場合、その全額が支払った年の地震保険料控除の対象となるため、翌年以降の地震保険料控除の対象とすることはできません」
- ○
- 適切
- ×
- 不適切
解答・解説を表示
解答
① ○、② ×、③ ×
解説
損害保険に関する課税関係では、給付時と保険料支払時の取扱いが重要です。被災により個人が受け取る損害補償の保険金は原則として非課税であり、受けた損害は雑損控除(引ききれない場合は3年間繰越控除可能)の対象となります。また長期一括払保険料は年数で按分して各年ごとに控除します。
解き方
- 記述①について、所得税法における雑損控除の繰越控除期間(翌年以後3年間)の規定と合致しているか確認し、適切(○)と判定します。
- 記述②について、個人が受領する生活用資産の火災保険金の非課税規定(所得税法第9条1項17号)を確認し、課税対象とする記述を不適切(×)と判定します。
- 記述③について、長期一括払地震保険料の控除方法(総保険料を保険年数で除して毎年の控除対象とする)を確認し、一括全額控除とする記述を不適切(×)と判定します。
- 選択肢 ○正解
- 記述①の雑損控除の翌以後3年間の繰越控除は正しい説明です。
- 選択肢 ×正解
- 記述②の火災保険金の一時所得課税、記述③の長期一括払保険料の支払年一括控除はいずれも誤った説明です。
答えの内訳
- ①:○
- 災害や火災等によって資産に損害を受けた場合に適用される雑損控除において、その年分の総所得金額等から控除しきれない損失額(雑損失の金額)があるときは、確定申告を行うことで翌年以後3年間繰り越して控除することができます。
- ②:×
- 個人が資産の損害に基因して受け取る火災保険金等の損害保険金は、所得税法第9条により非課税とされており、一時所得等として総合課税の対象にはなりません。
- ③:×
- 複数年分の地震保険料を一括前納した場合、支払った年に全額控除するのではなく、保険期間の年数で按分した1年相当額が各年分の地震保険料控除の対象となります。
覚えるポイント
- 個人が受け取る損害保険金(実損填補の保険金)は非課税所得となる。
- 長期一括払いの地震保険料は、保険期間の年数で按分して各年の控除対象とする。
- 雑損控除で控除しきれない雑損失は、翌年以後3年間にわたり繰越控除が可能。
間違えやすいところ
- 火災保険金を生命保険の満期保険金と混同して「一時所得」としてしまう誤りに注意する。
- 長期一括払保険料を支払った年に全額控除できると勘違いしないようにする。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令・基準等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
役員退職金に係る退職所得の金額の計算
タックスプランニング · 退職所得控除額 / 退職所得の金額 / 勤続年数の端数切上げ
Aさんが役員在任期間(勤続年数)30年6カ月でX社を退任し、役員退職金として5,000万円の支給を受けた場合における、退職所得の金額を計算しなさい。なお、Aさんには他に退職手当等の収入はなく、障害者となったことに起因する退職ではないものとする。金額単位は万円とし、計算過程も示すこと。
解答・解説を表示
解答
計算過程:勤続年数は30年6カ月を切り上げて31年。退職所得控除額=800万円+70万円×(31年-20年)=1,570万円。退職所得の金額=(5,000万円-1,570万円)×1/2=1,715万円。答:1,715万円
解説
退職所得の金額は、原則として「(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×1/2」によって計算されます。勤続年数に1年未満の端数があるときは切り上げて1年として計算します。勤続年数が20年を超える場合の退職所得控除額は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」となります。
解き方
- 勤続年数30年6カ月の端数を切り上げ、勤続年数を31年とする。
- 勤続年数31年に基づき、退職所得控除額を「800万円+70万円×(31年-20年)=1,570万円」と計算する。
- 支給額5,000万円から控除額1,570万円を差し引き、1/2を乗じて退職所得の金額1,715万円を算出する。
答えの内訳
- 計算過程:勤続年数は30年6カ月であるため、端数を切り上げて31年となる。 退職所得控除額:800万円+70万円×(31年-20年)=1,570万円 退職所得の金額:(5,000万円-1,570万円)×1/2=1,715万円
- 勤続年数に1年未満の端数がある場合は切り上げて31年とし、20年超の退職所得控除の計算式「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」に適用して控除額1,570万円を算出します。退職所得の金額は、(収入金額-退職所得控除額)×1/2により求められます。
- 答:1,715(万円)
- 計算過程で算出した1,715万円が退職所得の金額となります。
覚えるポイント
- 勤続年数の端数は月数にかかわらず切り上げて1年とする。
- 勤続年数20年超の退職所得控除額は800万円+70万円×(年数-20年)である。
間違えやすいところ
- 勤続年数の端数6カ月を切り捨てて30年として計算してしまう誤り。
- 退職手当等の収入金額から退職所得控除額を引いた後に1/2を掛けるのを忘れる誤り。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の所得税法
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
労働災害総合保険の契約方式と保険料精算の経理処理
リスク管理 · 労働災害総合保険 / 暫定保険料 / 確定保険料 / 保険料の精算仕訳
労働災害総合保険の契約方式および保険料精算時の経理処理に関する次の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、語句群から選びなさい。 「労働災害総合保険は、契約時に平均被用者数や賃金総額の見込額に基づき算出された( ① )保険料を支払い、保険期間終了後に実際の数値に基づき算出された( ② )保険料と( ① )保険料の差額を精算する契約方式が一般的である。 仮に、X社が契約時に( ① )保険料24万円を支払い、保険期間終了時の( ② )保険料が21万円であった場合の経理処理は、借方:現金・預金( ③ )万円、貸方:( ④ )( ③ )万円となる。」
- イ
- 3
- ロ
- 21
- ハ
- 24
- ニ
- 前払保険料
- ホ
- 暫定
- ヘ
- 最終
- ト
- 確定
- チ
- 仮
- リ
- 雑収入
- ヌ
- 猶予
- ル
- 雑損失
解答・解説を表示
解答
① ホ、② ト、③ イ、④ リ
解説
労働災害総合保険では、契約時に見込数値で算出した「暫定保険料」を支払い、保険期間終了後に実績数値に基づき「確定保険料」を算出して過不足額を精算します。保険料が返還された場合は、貸方に「雑収入」等を計上して益金処理します。
解き方
- 契約時に支払う見込額に基づく保険料が「暫定保険料」、終了時の実績に基づく保険料が「確定保険料」であることを確認する。
- 暫定保険料24万円と確定保険料21万円の差額(24万円-21万円=3万円)を精算返還額として算出する。
- 過年度に損金算入済みの保険料戻入について、借方に現金・預金3万円、貸方に雑収入3万円を計上する仕訳を導く。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ホ
- 契約締結時に賃金総額などの見込額に基づいて算出・支払う保険料を「暫定保険料」といいます。
- 小問 ②:ト
- 保険期間終了後に実際の被用者数や支払賃金総額に基づいて確定される保険料を「確定保険料」といいます。
- 小問 ③:イ
- 契約時に支払った暫定保険料24万円に対して確定保険料が21万円であったため、精算により返還される差額は3万円(24万円-21万円)となります。
- 小問 ④:リ
- 前期に損金算入していた保険料の超過支払分が当期に返還された場合、貸方勘定として「雑収入」で処理します。
覚えるポイント
- 労働災害総合保険は契約時に「暫定保険料」を支払い、期間終了後に「確定保険料」で精算する。
- 精算によって戻入された保険料は「雑収入」等で処理する。
間違えやすいところ
- 暫定保険料と確定保険料の用語を取り違えてしまう誤り。
- 返戻された精算額を前払保険料の取り崩しなどと混同してしまう誤り。
出題の前提:労働災害総合保険の一般的な約款規定および企業会計原則・法人税法
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
労働災害総合保険の仕組みと特徴
リスク管理 · 労働災害総合保険 / 法定外補償保険 / 使用者賠償責任保険
労働災害総合保険に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を判定しなさい。 ①「労働災害総合保険は、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的とした『法定外補償保険』と、従業員の仕事の遂行が原因となり、第三者に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負うことによって被る損害を補償する『使用者賠償責任保険』の2つの補償から構成されています」 ②「労働災害総合保険は、『法定外補償保険』と『使用者賠償責任保険』の両方に加入することも、いずれか一方のみに加入することも可能です」 ③「労働災害総合保険における労働災害の認定や後遺障害の等級は、労働者災害補償保険(政府労災保険)の認定に従うことになります」
- ○
- 適切
- ×
- 不適切
解答・解説を表示
解答
① × ② ○ ③ ○
解説
労働災害総合保険は、政府の労働者災害補償保険の上乗せとして死亡・後遺障害・休業等を給付する法定外補償保険と、安全配慮義務違反等により被災従業員やその遺族から損害賠償請求された費用を補填する使用者賠償責任保険で構成されます。業務災害や後遺障害等級の認定は政府労災の認定結果に連動するのが原則です。
解き方
- 各記述の対象となる補償内容や認定基準を確認する。
- 使用者賠償責任保険の対象が「被災した従業員等への賠償」であるか「第三者への賠償」であるかを検証して正誤を判断する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 使用者賠償責任保険は、業務上の事由等で被災した従業員(またはその遺族)から損害賠償請求を受け、企業が法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害を補償する保険です。第三者に損害を与えた場合の賠償責任を補償するものではないため不適切です。
- 小問 ②:○
- 労働災害総合保険は、「法定外補償保険」と「使用者賠償責任保険」の両方をセットで契約することも、企業の補償ニーズに合わせていずれか一方のみを単独で契約することも可能です。
- 小問 ③:○
- 労働災害総合保険は政府労災保険の上乗せ保険として設計されているため、業務災害や通勤災害の認定、および後遺障害等級の決定は原則として政府労災保険の認定結果に従います。
覚えるポイント
- 使用者賠償責任保険の補償対象は「従業員やその遺族」に対する法律上の損害賠償責任であること。
- 労働災害の認定や後遺障害等級は政府労災保険の認定に従うこと。
間違えやすいところ
- 第三者への賠償責任を補償する「施設所有(管理)者賠償責任保険」や「請負業者賠償責任保険」と使用者賠償責任保険を混同しやすいので注意する。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令・保険商品基準
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産所得に係る青色申告特別控除と事業的規模
タックスプランニング · 不動産所得 / 青色申告特別控除 / 事業的規模(5棟10室基準)
不動産所得に係る青色申告制度に関する次の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を、語句群のイ~ルのなかから選びなさい。 「建物の貸付が事業的規模に該当する場合、不動産所得に係る取引を正規の簿記の原則に従い記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表、損益計算書その他の計算明細書を添付した確定申告書を法定申告期限(原則2月16日から( ① )までの期間)内に提出することにより、不動産所得の金額の計算上、青色申告特別控除として最高( ② )万円を控除することができる。なお、不動産所得を生ずべき業務が事業的規模でない場合、青色申告特別控除の限度額は最高□□□万円である。 不動産所得の金額の計算において、建物の貸付が事業的規模に該当するか否かについては、社会通念上、事業と称するに至る程度の規模かどうかにより実質的に判断するが、形式基準によれば、独立した家屋の貸付についてはおおむね( ③ )棟以上、アパート等については貸与することができる独立した室数がおおむね□□□以上であれば、特に反証のない限り、事業的規模として取り扱われる」
- イ
- 3
- ロ
- 5
- ハ
- 10
- ニ
- 20
- ホ
- 30
- へ
- 38
- ト
- 55
- チ
- 65
- リ
- 3月1日
- ヌ
- 3月15日
- ル
- 3月31日
解答・解説を表示
解答
① ヌ ② チ ③ ロ
解説
不動産所得の青色申告特別控除には最高65万円控除(事業的規模・正規の簿記・期限内申告が必要)と10万円控除(簡易簿記または業務的規模等)があります。建物の貸付けが事業的規模かどうかの形式基準として「5棟10室基準」(独立家屋でおおむね5棟以上、アパート等の室数でおおむね10室以上)が設けられています。
解き方
- 所得税確定申告書の提出期間(原則2月16日~3月15日)を確認し、空欄①を選択する。
- 事業的規模かつ複式簿記等の要件を満たした場合の青色申告特別控除の最高限度額(65万円)を確認し、空欄②を選択する。
- 建物の貸付における事業的規模の形式基準(独立家屋は5棟以上)を確認し、空欄③を選択する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ヌ
- 所得税の確定申告の法定申告期限は、原則としてその年の翌年2月16日から3月15日までです。
- 小問 ②:チ
- 不動産所得の貸付けが事業的規模で行われ、正規の簿記の原則に従って記帳し、確定申告書に貸借対照表および損益計算書を添付して期限内に申告する場合、最高65万円の青色申告特別控除が受けられます。
- 小問 ③:ロ
- 建物の貸付けが事業的規模であるか否かの形式基準(いわゆる5棟10室基準)において、独立した家屋の貸付けについてはおおむね5棟以上とされています。
覚えるポイント
- 不動産所得の青色申告特別控除65万円を受けるには「事業的規模」「正規の簿記の原則」「期限内申告」が必要であること。
- 事業的規模の形式基準は「独立家屋5棟」または「アパート等10室」であること。
間違えやすいところ
- 事業的規模を満たさない業務的規模の場合、正規の簿記で記帳して期限内に申告しても最高10万円しか控除できない点に留意する。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の所得税法・関係法令
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険契約の解約返戻金に係る課税および扶養控除の適用要件
タックスプランニング · 一時所得 / 源泉分離課税 / 扶養控除 / 特定扶養親族
個人事業主Aさんの平成27年分の所得税の課税に関する次の記述①~③について、適切なものには○、不適切なものには×を選択しなさい。 ① 「Aさんが受け取った一時払変額個人年金保険(10年確定年金)および一時払終身保険の解約返戻金は、一時所得の収入金額として総合課税の対象となります」 ② 「長男Cさんの平成27年分の合計所得金額は38万円を超えますので、Aさんは、長男Cさんについて扶養控除の適用を受けることができません」 ③ 「長女Dさんは特定扶養親族に該当するため、Aさんは、長女Dさんについて63万円の扶養控除の適用を受けることができます」
解答・解説を表示
解答
① ○ ② × ③ ○
解説
生命保険の解約返戻金は保険料負担者と受取人が同一の場合、原則として一時所得として総合課税されます。また、扶養控除の判定では生計を一にする親族の合計所得金額が38万円以下であること、年齢要件(16歳以上、特定扶養親族は19歳以上23歳未満)を正確に判定することが重要です。
解き方
- 生命保険の解約返戻金について、金融類似商品に該当して源泉分離課税となるか、一時所得として総合課税となるかを判定します。
- 長男Cさんの給与収入から給与所得控除を差し引き、合計所得金額が38万円以下であるかを確認して扶養控除適用の可否を判定します。
- 長女Dさんの年齢(19歳)から特定扶養親族に該当するかを確認し、控除額が63万円であることを判定します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 一時払変額個人年金保険(確定年金型)は金融類似商品の対象外であり、5年以内解約でも源泉分離課税とはならず一時所得として総合課税の対象となります。また一時払終身保険も契約から5年超が経過しているため一時所得として総合課税となります。
- 小問 ②:×
- 長男Cさんの給与収入は100万円であり、給与所得控除額65万円を差し引いた合計所得金額は35万円となります。38万円以下であるため控除対象扶養親族に該当し、Aさんは扶養控除の適用を受けることができます。
- 小問 ③:○
- 控除対象扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満の者は特定扶養親族に該当します。長女Dさんは19歳で所得要件を満たすため特定扶養親族となり、扶養控除額は63万円となります。
覚えるポイント
- 一時払変額個人年金保険(確定年金型)は金融類似商品の対象外であるため、契約後5年以内解約でも一時所得(総合課税)となります。
- 特定扶養親族は12月31日時点で19歳以上23歳未満であり、控除額は63万円です。
間違えやすいところ
- 給与収入の額面(100万円)をそのまま所得金額と誤認し、38万円を超えていると判断してしまうミスに注意が必要です。
- 一時払養老保険等と異なり、一時払変額個人年金保険は金融類似商品による一律20.315%の源泉分離課税の対象外である点を見落としやすいです。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総所得金額、扶養控除額および所得税の算出税額の計算
タックスプランニング · 一時所得の金額 / 総所得金額 / 扶養控除の計算 / 所得税の速算表
設例の資料に基づき、Aさんの平成27年分の所得税の計算における空欄①~③に入る数値を求めなさい。 ・(a)総所得金額(①円) ・扶養控除(②円) ・(d)算出税額(③円)
解答・解説を表示
解答
① 12,750,000 ② 1,390,000 ③ 1,681,500
解説
総所得金額の計算において、一時所得は「(総収入金額-支出した金額-特別控除50万円)×1/2」の額を他の所得と合算します。扶養控除は16歳以上の扶養親族について一般扶養親族(38万円)や特定扶養親族(63万円)の額を合算し、課税総所得金額を算出して速算表により算出税額を求めます。
解き方
- 一時払変額年金および一時払終身保険の返戻金から一時所得の金額を求め、その2分の1を不動産所得と合算して総所得金額(①)を算出する。
- 長男C(24歳・一般38万円)、長女D(19歳・特定63万円)、二女E(16歳・一般38万円)の3人の控除額を合算して扶養控除額(②)を求める。
- 総所得金額から所得控除合計3,000,000円を控除して課税総所得金額(9,750,000円)を求め、速算表を適用して算出税額(③)を計算する。
答えの内訳
- ①:12,750,000
- 一時所得の収入金額は900万円+1,100万円=2,000万円、支出金額は500万円+1,000万円=1,500万円です。一時所得の金額は2,000万円-1,500万円-50万円(特別控除)=450万円となります。総所得金額に算入する額は450万円×1/2=225万円となり、不動産所得1,050万円と合計して、総所得金額は10,500,000円+2,250,000円=12,750,000円となります。
- ②:1,390,000
- 控除対象扶養親族は16歳以上の親族です。長男Cさん(24歳、一般扶養控除38万円)、長女Dさん(19歳、特定扶養親族63万円)、二女Eさん(16歳、一般扶養控除38万円)の3人が対象となるため、扶養控除額の合計は38万円+63万円+38万円=1,390,000円となります。
- ③:1,681,500
- 課税総所得金額(c)は、総所得金額12,750,000円-所得控除合計3,000,000円=9,750,000円(1,000円未満切捨てなし)です。速算表より税率33%、控除額1,536,000円を適用し、算出税額は9,750,000円×33%-1,536,000円=1,681,500円となります。
覚えるポイント
- 総所得金額を求める際の一時所得の2分の1乗じる計算を忘れないこと。
- 16歳以上の扶養親族は一般扶養親族(38万円)、19歳以上23歳未満は特定扶養親族(63万円)となります。
間違えやすいところ
- 一時所得の金額をそのまま総所得金額に合算し、1/2にするのを忘れてしまうミスが多く見られます。
- 16歳の高校生である二女Eさんを年少扶養親族(控除対象外は16歳未満)と誤認して扶養控除から除外してしまう誤りに注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 遺産に係る基礎控除額 / 相続税の総額 / 法定相続分
個人で不動産賃貸業を営むAさん(72歳)の推定相続人は、妻Bさん(70歳)、長女Cさん(46歳)、二女Dさん(41歳)の3人である。小規模宅地等の特例を賃貸ビルの敷地に適用した後の課税価格の合計額が3億6,000万円である場合、次の表の空欄①〜③に入る数値を求めなさい。 【表】 (a)相続税の課税価格の合計額:3億6,000万円 (b)遺産に係る基礎控除額:( ① )万円 課税遺産総額(a-b):□□□万円 相続税の総額の基となる税額 妻Bさん:□□□万円 長女Cさん:□□□万円 二女Dさん:( ② )万円 (c)相続税の総額:( ③ )万円
解答・解説を表示
解答
① 4,800、② 1,640、③ 7,820
解説
相続税の総額を計算する際は、課税価格の合計額から基礎控除額を差し引いて課税遺産総額を求め、それを実際の遺産分割割合にかかわらず各法定相続人が法定相続分に応じて取得したものとして按分計算し、各人の税額を合算します。
解き方
- 法定相続人の数(配偶者+子2人の計3人)から基礎控除額(3,000万円+600万円×3=4,800万円)を算出し、課税遺産総額(3億1,200万円)を求める。
- 課税遺産総額を法定相続分(妻1/2、長女1/4、二女1/4)に応じて按分し、それぞれの取得金額を計算する。
- 相続税の速算表を適用して各相続人の税額を求め、それらを合算して相続税の総額を算出する。
答えの内訳
- ①:4,800
- 遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。法定相続人は妻Bさん、長女Cさん、二女Dさんの3人であるため、3,000万円+600万円×3人=4,800万円となります。
- ②:1,640
- 課税遺産総額は3億6,000万円-4,800万円=3億1,200万円です。二女Dさんの法定相続分は4分の1(1/4)であるため、法定相続分に応ずる取得金額は3億1,200万円×1/4=7,800万円となります。速算表(5,000万円超1億円以下:税率30%、控除額700万円)を適用すると、7,800万円×30%-700万円=1,640万円となります。
- ③:7,820
- 妻Bさんの法定相続分は1/2で取得金額1億5,600万円、税額は1億5,600万円×40%-1,700万円=4,540万円です。長女Cさんと二女Dさんの税額はそれぞれ1,640万円です。これらを合計した相続税の総額は、4,540万円+1,640万円+1,640万円=7,820万円となります。
覚えるポイント
- 相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」である。
- 相続税の総額は実際の按分割合ではなく、必ず民法上の法定相続分で按分して各税額を算出して合算する。
間違えやすいところ
- 法定相続分で按分する前に実際の取得見込割合で税率を掛けてしまう。
- 配偶者の税額軽減(配偶者控除)を相続税の総額の算出段階で差し引いてしまう(総額計算後に各人の納付税額計算で適用する)。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令(平成27年1月1日施行の相続税法改正後基準)
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺留分・生命保険の非課税限度額・小規模宅地等の特例
相続・事業承継 · 遺留分の算定 / 遺留分減殺請求権の行使期間 / 生命保険金の非課税限度額 / 特定居住用宅地等の限度面積
Aさんの相続等に関する次の文章の空欄①~④に入る最も適切な数値を、語群のイ~ヲのなかから選びなさい。 ⅰ)『遺留分』 仮に、Aさんの相続に係る遺留分算定の基礎となる財産の価額を4億円とした場合、二女Dさんの遺留分の金額は、( ① )万円になります。遺留分が侵害された場合、遺留分権利者である二女Dさんは、Aさんの相続の開始および減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時から( ② )年以内に遺留分減殺請求権を行使することにより、遺留分を保全することができます。 ⅱ)『一時払終身保険』 当該生命保険(死亡保険金2,000万円、受取人:長女Cさん)の加入後にAさんが死亡した場合、長女Cさんが受け取る死亡保険金のうち、相続税の課税価格に算入される金額は( ③ )万円となります。 ⅲ)『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』 妻Bさんが『特定居住用宅地等』に該当する自宅の敷地を相続等により取得した場合、当該敷地は( ④ )㎡までの部分について80%の減額が受けられます。
- イ
- 1
- ロ
- 2
- ハ
- 3
- ニ
- 240
- ホ
- 330
- ヘ
- 400
- ト
- 500
- チ
- 1,000
- リ
- 1,500
- ヌ
- 5,000
- ル
- 8,000
- ヲ
- 10,000
解答・解説を表示
解答
① ヌ、② イ、③ ト、④ ホ
解説
相続における遺留分の割合は直系尊属のみが相続人の場合は3分の1、それ以外は2分の1を法定相続分で按分します。死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があり、特定居住用宅地等の特例は最大330㎡まで80%評価減が可能です。
解き方
- 二女Dさんの遺留分割合(総遺留分1/2×法定相続分1/4=1/8)を基礎財産4億円に乗じて金額を算出し、消滅時効期間(知った時から1年)を確認する。
- 死亡保険金2,000万円から法定相続人3人分の非課税限度額(1,500万円)を控除して課税価格算入額を求める。
- 小規模宅地等の特例における特定居住用宅地等の限度面積(330㎡)を確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ヌ(5,000)
- 相続人が配偶者と子である場合の全体の遺留分割合は2分の1(1/2)です。二女Dさんの法定相続分は4分の1(1/4)であるため、遺留分割合は1/2×1/4=1/8となります。遺留分算定の基礎となる財産4億円に対する遺留分額は、4億円×1/8=5,000万円です。
- 小問 ②:イ(1)
- 遺留分権利者が、相続の開始および減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅します(相続開始の時から10年を経過したときも同様)。
- 小問 ③:ト(500)
- 生命保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」であり、500万円×3人=1,500万円です。死亡保険金2,000万円から非課税限度額1,500万円を差し引いた500万円が、相続税の課税価格に算入されます。
- 小問 ④:ホ(330)
- 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例において、特定居住用宅地等の限度面積は330㎡(減額割合80%)です。
覚えるポイント
- 遺留分の時効は「相続開始および侵害を知った時から1年」、または「相続開始の時から10年」である。
- 生命保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」である。
- 小規模宅地等の特例における特定居住用宅地等の限度面積は330㎡(80%減額)である。
間違えやすいところ
- 遺留分の総割合(1/2)に各人の法定相続分を掛け忘れ、法定相続分そのものを遺留分として計算してしまう。
- 特定居住用宅地等の限度面積を平成26年以前の旧限度面積240㎡や貸付事業用宅地等の200㎡と混同してしまう。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令(当時の民法における遺留分減殺請求権の規定に基づく)
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税特例の要件と手続
資産設計提案業務・相続・事業承継 · 贈与税 / 教育資金の一括贈与に係る非課税措置 / 非課税限度額 / 手続方法 / 契約終了事由
「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例」に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を付けなさい。 ① 本特例における非課税限度額は受贈者ごとに1,500万円である。ただし、学校等以外の者に教育に関する役務の提供の対価として直接支払われる金銭で一定のものについては500万円が限度となる。 ② 本特例の適用を受けるためには、受贈者は贈与税の申告書に適用を受ける旨を記載し、一定の書類を添付して、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに税務署長へ申告書を提出する必要がある。 ③ 本特例の適用後、受贈者である孫が25歳に達すると教育資金管理契約は終了し、非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額は贈与税の課税価格に算入されるため、申告義務が生じた場合は贈与税の申告が必要となる。
解答・解説を表示
解答
① ○ ② × ③ ×
解説
直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税特例は、祖父母等の直系尊属から30歳未満の子や孫に対して信託等を通じて教育資金を一括贈与した際、受贈者ごとに1,500万円(学校等以外は500万円)まで贈与税が非課税となる制度です。金融機関を経由して申告手続を行い、受贈者が30歳に達した時点で残額があれば贈与税が課税されます。
解き方
- 非課税限度額の総枠(1,500万円)および学校等以外の教育費の枠(500万円)を確認する。
- 特例適用の手続方法(取扱金融機関経由での教育資金非課税申告書の提出)を確認する。
- 教育資金管理契約の終了要件(受贈者が30歳に達した場合等)と残額の課税関係を確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 本特例の非課税限度額は受贈者1人につき1,500万円です。このうち、学校等以外の者(学習塾、習い事等)に直接支払われる金銭については500万円が限度とされており、記述は適切です。
- 小問 ②:×
- 本特例の適用を受けるためには、信託や預金口座を開設した取扱金融機関の営業所等を経由して「教育資金非課税申告書」を所轄税務署長に提出します。贈与税の通常の申告期間(翌年2月1日~3月15日)に受贈者が申告書を税務署へ直接提出するわけではないため不適切です。
- 小問 ③:×
- 本特例における教育資金管理契約が終了する年齢要件は、受贈者が「30歳」に達した日です。「25歳」ではないため不適切です。
覚えるポイント
- 教育資金一括贈与の非課税限度額は受贈者ごとに最大1,500万円、学校等以外(習い事・塾など)は500万円が限度。
- 手続は金融機関経由で「教育資金非課税申告書」を提出し、契約終了年齢は原則として30歳到達時。
間違えやすいところ
- 結婚・子育て資金の一括贈与の非課税限度額(1,000万円・結婚関係は300万円)や終了年齢(50歳)と混同しやすい。
- 通常の贈与税申告手続のように受贈者自身が確定申告期に直接税務署へ申告書を出すと誤認しやすい。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2015年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2015年9月 2級 実技 損保顧客資産相談業務の問題・解答資料です。
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