日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2015年9月 2級 学科の概要
FPの倫理と関連法規
ライフプランニングと資金計画 · 関連業法 / 金融商品取引法 / 税理士法 / 社会保険労務士法
ファイナンシャル・プランナー(FP)の顧客に対する行為として、関連法規(金融商品取引法、保険業法、税理士法、社会保険労務士法等)に照らして最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
2
解説
FPは法律上の独占業務(税理士法、金融商品取引法、保険業法、弁護士法、社労士法など)を侵害してはならず、個別具体的な法的判断・税務書類作成・投資助言・保険募集等は有資格者でなければ行えません。
解き方
- 各選択肢について、FPが保持していない資格(生命保険募集人、金融商品取引業、税理士、社会保険労務士)と行っている行為の内容を照合する。
- 個別具体的な助言や独占業務に該当する行為と、制度の一般的な説明・周知にとどまる行為とを区別して違反行為を特定する。
- 選択肢 1不正解
- ライフイベントに応じた生命保険の一般的な仕組みや活用例を提示・説明する行為は、保険の勧誘・募集行為に該当しないため適切です。
- 選択肢 2正解
- 金融商品取引業者(投資助言・代理業等)の登録を受けずに、有償で投資顧問契約を締結し個別銘柄の投資判断を助言することは金融商品取引法違反となります。
- 選択肢 3不正解
- 国税庁ホームページの利用案内や電子申告の推奨を行うことは、税理士法に定める個別の税務相談や税務書類作成に当たらないため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 老齢基礎年金の受給要件や一般的な請求手続きの流れを説明することは、社会保険労務士法に抵触しないため適切です。
覚えるポイント
- FP関連法規では「一般的な制度・仕組みの説明」は可能であるが、「個別具体的な試算・判断・書類作成代行」は独占業務違反となる点に注意する。
間違えやすいところ
- 投資顧問契約を有償で行う場合は当然ながら登録が必要であり、無償であっても個別銘柄の売買タイミングの指示等は避けるべき行為である。
出題の前提:平成27年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)の仕組み
ライフプランニングと資金計画 · 健康保険 / 協会けんぽ / 任意継続被保険者 / 高額療養費 / 一部負担金
全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
1
解説
全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)では、都道府県ごとの財政状況や医療費水準に応じた保険料率が設定され、在職中は労使折半、任意継続時は全額自己負担となります。また保険給付の範囲には保険診療外の費用は含まれません。
解き方
- 協会けんぽの一般保険料率の決定方式(都道府県単位保険料率)を確認する。
- 任意継続被保険者の保険料負担割合(全額自己負担)、高額療養費の算定対象(保険適用分のみ)、一部負担金の年齢別割合をそれぞれ照合して正誤を判断する。
- 選択肢 1正解
- 協会けんぽの一般保険料率は、地域の医療費の実績を反映させるため都道府県支部ごとに定められており、記述のとおり適切です。
- 選択肢 2不正解
- 任意継続被保険者となった場合、在職時のように事業主負担はなく、保険料の全額を被保険者本人が負担しなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 高額療養費の対象となるのは保険診療に係る自己負担額であり、入院時の食事療養標準負担額や差額ベッド代(室料差額)は対象外です。
- 選択肢 4不正解
- 一部負担割合は一律3割ではなく、小学校就学前は2割、70歳以上75歳未満は原則2割(現役並み所得者は3割)等、年齢や所得により異なります。
覚えるポイント
- 協会けんぽの保険料率は都道府県ごと。任意継続被保険者の保険料は全額自己負担(折半ではない)。
間違えやすいところ
- 差額ベッド代や入院時食事代が高額療養費の対象に含まれると誤解しやすいが、これらは全額自己負担で高額療養費の算定対象外である。
出題の前提:平成27年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
介護保険制度の給付と施設サービス
ライフプランニングと資金計画 · 介護保険 / ケアプラン / 介護保険施設 / 住宅改修費
介護保険法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
公的介護保険制度において、要介護被保険者は居宅サービス計画に基づき各種サービスを利用します。ケアプラン作成は本人でも可能ですが、住宅改修等の保険給付には支給限度額や自己負担割合が定められており、また施設ごとに設置目的・入所要件が異なります。
解き方
- 居宅サービス計画(ケアプラン)の作成主体に関する規定を確認する。
- 住宅改修費の支給割合および介護保険施設(老健・特養)の定義・対象者の違いを検討して正誤を判断する。
- 選択肢 1正解
- 居宅サービス計画は介護支援専門員(ケアマネジャー)に作成を依頼することが一般的ですが、被保険者自身が作成(セルフケアプラン)することも可能です。
- 選択肢 2不正解
- 居宅介護住宅改修費は全額支給されるのではなく、支給限度基準額(原則20万円)の範囲内で費用の9割(所得に応じて8割または7割)が支給されます。
- 選択肢 3不正解
- 介護老人保健施設は、病状安定期の要介護者に対してリハビリテーションや医療ケアを提供し在宅復帰を目指す施設であるため、終生入所を目的とした施設ではありません。
- 選択肢 4不正解
- リハビリテーションを中心とした医療サービスを提供する施設は介護老人保健施設です。また介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の入所対象は原則要介護3以上の要介護者であり、要支援者は利用できません。
覚えるポイント
- ケアプランは被保険者本人による作成(セルフケアプラン)も認められている点。
間違えやすいところ
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)と介護老人保健施設(老健)の役割や入所要件を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等(介護保険法)
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
雇用保険の雇用継続給付の支給要件
ライフプランニングと資金計画 · 雇用保険 / 高年齢雇用継続給付 / 育児休業給付金 / 介護休業給付金
雇用保険の雇用継続給付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
雇用保険の雇用継続給付には、高年齢雇用継続給付(基本給付金・再就職給付金)、育児休業給付、介護休業給付などがあります。各給付金の受給には被保険者期間の要件や賃金の低下率、対象家族の範囲などの所定基準が定められています。
解き方
- 各給付金の支給要件(賃金低下率、基本手当の受給の有無、被保険者期間要件)をそれぞれ確認する。
- 介護休業給付金の対象家族の範囲に対象者が含まれているかを照合して適切肢を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 高年齢雇用継続基本給付金の支給対象となるのは、支払われた賃金額が60歳到達時の賃金月額の「75%未満」に低下した場合であり、85%未満ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 高年齢再就職給付金は、基本手当を受給した受給資格者が、算定基礎期間5年以上を有し基本手当の支給残日数を100日以上残して再就職した場合に支給されます。
- 選択肢 3正解
- 育児休業給付金を受給するためには、原則として育児休業開始日前2年間にみなし被保険者期間が通算して12か月以上あることが要件とされています。
- 選択肢 4不正解
- 介護休業給付金の対象となる家族には、被保険者本人の配偶者、父母、子のほか、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫も含まれます。
覚えるポイント
- 高年齢雇用継続給付の支給基準となる賃金低下率は「75%未満」である点。
間違えやすいところ
- 高年齢再就職給付金は基本手当の支給残日数(100日以上)を残して再就職した者が対象である点を見落とさないように注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等(雇用保険法)
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金制度の基本的仕組み
ライフプランニングと資金計画 · 基礎年金番号 / マクロ経済スライド / 国民年金保険料の前納 / 公的年金の支払期月
公的年金制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
公的年金制度は被保険者番号の一元管理や物価・賃金・人口動態に応じた給付水準の調整を行っており、年金給付は偶数月に2か月分ずつ後払いされるルールとなっています。
解き方
- 年金の通則である支給期間(事由発生の翌月~権利消滅月)と支払月(偶数月の15日)の規定を確認する。
- 毎月払いとされている選択肢4の誤りを判定し、他の選択肢(基礎年金番号、マクロ経済スライド、前納制度)の正当性を検証する。
- 選択肢 1不正解
- 記述のとおり、基礎年金番号は公的年金制度全体で共通して用いられ、1人につき1つの番号が割り当てられます。
- 選択肢 2不正解
- 記述のとおり、マクロ経済スライドは現役世代(公的年金被保険者)の減少と平均余命の伸びを年金額改定率に反映させて給付水準を自動調整する仕組みです。
- 選択肢 3不正解
- 記述のとおり、国民年金保険料は所定の手続きを行うことで2年度分をまとめて前納(口座振替や現金等)することができます。
- 選択肢 4正解
- 公的年金は「支給事由が生じた日の属する月の翌月から権利消滅月まで」支給されますが、支払いは毎月ではなく原則として偶数月(年6回)の15日に前2か月分が支払われます。
覚えるポイント
- 公的年金の支払日は偶数月(2・4・6・8・10・12月)の15日(休日の場合は前営業日)で前月・前々月の2か月分が支給される。
間違えやすいところ
- 年金支給が「毎月」であると誤解しやすい点や、支給開始月が「事由発生月」ではなく「事由発生月の翌月」である点に注意する。
出題の前提:平成27年4月1日現在施行の国民年金法・厚生年金保険法等の法令基準に基づきます。
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金の老齢給付の受給要件と額の算出
ライフプランニングと資金計画 · 学生納付特例 / 保険料免除期間の国庫負担 / 繰下げ支給の増額率 / 付加年金
国民年金の老齢給付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
国民年金の各種免除・猶予制度は、老齢基礎年金の受給資格期間への算入や年金額への反映割合がそれぞれ法令によって明確に規定されています。
解き方
- 各免除・猶予期間の受給資格期間への算入と年金額反映(国庫負担割合を含む)の違いを確認する。
- 繰下げ増額率(月あたり0.7%)および付加年金の計算式(200円×月数)と各選択肢の数値を照合して正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 平成21年3月以前の保険料全額免除期間は国庫負担割合が3分の1であったため、追納がない場合は3分の1(6分の2)に相当する月数が年金額に反映されます(2分の1となるのは平成21年4月以降)。
- 選択肢 2正解
- 学生納付特例期間は、追納を行わない場合、受給資格期間には算入されますが、老齢基礎年金の額の計算には反映されません。
- 選択肢 3不正解
- 繰下げ支給の増額率は月あたり0.7%です。65歳から68歳到達までの繰下げ月数は36か月であるため、増額率は「36月×0.7%=25.2%」となります。
- 選択肢 4不正解
- 付加年金の年額は「200円×付加保険料納付済月数」で計算されます。付加保険料の月額である400円と混同しないよう注意が必要です。
覚えるポイント
- 付加保険料は月額400円、受給する付加年金額は「200円×月数」であり、2年受給すれば納付元が取れる。
間違えやすいところ
- 学生納付特例や納付猶予は受給資格期間には算入されるが、全額免除と違って国庫負担分も年金額に一切反映されない点を見落としやすい。
出題の前提:平成27年4月1日現在施行の国民年金法等の法令基準に基づきます。
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金の併給調整(65歳以降の年金の組み合わせ)
ライフプランニングと資金計画 · 公的年金 / 併給調整 / 年金受給権
公的年金の併給調整に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
公的年金は原則として「1人1年金」であり、同一の支給事由を除き異なる年金を併給することはできません。しかし65歳以降は特例として、基礎年金と厚生年金において「老齢基礎+遺族厚生」「障害基礎+老齢厚生」「障害基礎+遺族厚生」の組み合わせ受給が認められています。
解き方
- 65歳以降に認められている「異なる支給事由」による基礎年金と厚生年金の併給パターンの例外(老齢基礎+遺族厚生、障害基礎+老齢厚生、障害基礎+遺族厚生)を確認します。
- 障害厚生年金と老齢基礎年金の組み合わせは特例対象外であり併給できないため、不適切と判断します。
- 選択肢 1不正解
- 65歳以降は特例により、老齢基礎年金と遺族厚生年金を併給して受給することができます。
- 選択肢 2不正解
- 65歳以降は特例により、障害基礎年金と老齢厚生年金を併給して受給することができます。
- 選択肢 3不正解
- 65歳以降は特例により、障害基礎年金と遺族厚生年金を併給して受給することができます。
- 選択肢 4正解
- 障害厚生年金と老齢基礎年金は65歳以降であっても併給することができず、いずれか一方を選択する必要があります。
覚えるポイント
- 65歳以降の異事由併給は「基礎が障害なら厚生は何でも可」「厚生が遺族なら基礎は何でも可」と整理して覚えます。
間違えやすいところ
- 「障害基礎+老齢厚生」は併給可能ですが、「老齢基礎+障害厚生」は併給できない点を取り違えやすいので注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金基金の制度内容と加入要件
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金基金 / 確定拠出年金 / 付加年金
国民年金基金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
国民年金基金は国民年金の第1号被保険者のための上乗せ年金制度です。加入は任意ですが自己都合による任意脱退は原則認められず、支払った掛金は全額社会保険料控除の対象となります。個人型確定拠出年金との併用加入も可能ですが、国民年金の付加保険料との併用はできません。
解き方
- 各選択肢に提示された国民年金基金の脱退要件、税制上の優遇、他制度との併用ルールを照合します。
- 個人型確定拠出年金(iDeCo)とは掛金枠(月額6万8,000円)の範囲内で併用可能であるため、加入できないとする記述を不適切と特定します。
- 選択肢 1不正解
- 国民年金基金は任意加入ですが、加入後は国民年金の第1号被保険者資格の喪失など所定の事由に該当しない限り、任意に脱退することはできません。
- 選択肢 2不正解
- 国民年金基金の掛金は、全額が社会保険料控除として所得控除の対象となります。
- 選択肢 3正解
- 国民年金基金の加入員であっても、確定拠出年金の個人型年金(iDeCo)と合算して月額6万8,000円の限度額内で併用加入することができます。
- 選択肢 4不正解
- 国民年金基金の給付には付加年金相当部分が含まれているため、加入員は国民年金の付加保険料(月額400円)を納付することができません。
覚えるポイント
- 国民年金基金と付加年金は重複加入不可、個人型確定拠出年金(iDeCo)とは月額合算6万8,000円枠で併用可能です。
間違えやすいところ
- 掛金の所得控除について、小規模企業共済等掛金控除(確定拠出年金等)ではなく「社会保険料控除」となる点に注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
貸借対照表に基づく財務比率の計算
ライフプランニングと資金計画 · 財務比率 / 貸借対照表 / 安全性分析
提示されたA社の貸借対照表(流動資産合計400百万円[現金及び預金100百万円、売掛金100百万円、製品及び商品200百万円]、固定資産合計600百万円、資産合計1,000百万円、流動負債合計200百万円、固定負債合計300百万円、純資産合計500百万円)に基づき算出される財務比率に関する記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
3
解説
貸借対照表に基づく安全性分析では、短期的な支払能力を示す流動比率や当座比率、長期的な支払能力と資金調達の安定性を示す固定比率や自己資本比率を正しく算出することが重要です。
解き方
- 貸借対照表から流動資産、当座資産、固定資産、流動負債、自己資本、総資産の各金額を正確に抽出する。
- 各財務指標の計算式(固定比率は固定資産÷自己資本)に数値を当てはめて計算結果と選択肢の計算式を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 当座比率は「当座資産(現金及び預金100+売掛金100)÷流動負債(200)×100=100%」となり適切です。
- 選択肢 2不正解
- 流動比率は「流動資産(400)÷流動負債(200)×100=200%」となり適切です。
- 選択肢 3正解
- 固定比率は「固定資産÷自己資本×100」で算出されるため、「600÷500×100=120%」が正しく、分母に総資産を用いた記述は不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 自己資本比率は「自己資本(500)÷総資産(1,000)×100=50%」となり適切です。
覚えるポイント
- 固定比率の分母は「自己資本(純資産)」であり、固定長期適合率の分母は「自己資本+固定負債」です。
間違えやすいところ
- 固定比率の計算において、分母を総資本(総資産)と取り違えてしまう誤りに注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
クレジットカードの機能と会員の責任
ライフプランニングと資金計画 · クレジットカード / 消費者信用 / 信用情報機関
クレジットカードに関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
1
解説
クレジットカードはカード発行会社から会員へ貸与されているものであり、会員本人以外の第三者への譲渡・貸与は禁じられ、利用代金の支払義務やカード保管上の善管注意義務を負います。
解き方
- クレジットカードの法的性質(カード自体の所有権がカード発行会社にあること)を確認する。
- 会員規約上の禁止事項(第三者への貸与・譲渡の禁止)に照らし合わせ、選択肢1の不適切性を判断する。
- 選択肢 1正解
- カードの所有権は発行会社にあり、会員には貸与されているにすぎないため、家族を含む第三者への貸与は禁止されており不適切です。
- 選択肢 2不正解
- リボルビング払いの元利定額方式では、毎月の返済額が一定で、その中に手数料(利息)が含まれるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 裏面署名がないカードが不正使用された場合、会員の重大な過失とみなされ損害補償が適用されないことがあるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 会員本人は、信用情報機関(CIC等)に対して情報開示請求を行うことで、自身の登録情報を確認できるため適切です。
覚えるポイント
- クレジットカードの所有権はカード発行会社に帰属し、会員本人以外の利用・貸与は一切認められません。
間違えやすいところ
- 家族であっても本人のクレジットカードを貸与して代理決済させることは規約違反となる点を見落としやすいです。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の一般的な商品性
リスク管理 · 生命保険の仕組み / 定期保険 / 収入保障保険 / 養老保険
生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
生命保険各商品の保障内容や給付形態、保険期間中の保険金および保険料の推移の特徴を正確に理解しておくことが重要です。一括受取と分割年金受取の現在価値関係や、保険金支払後の契約消滅ルールも頻出論点です。
解き方
- 各選択肢の生命保険商品(逓増定期保険、生存給付金付定期保険、収入保障保険、養老保険)の特徴や給付条件を照合する。
- 年金の一括受取は将来受け取る年金の利息相当分が差し引かれるため、受取総額より少なくなるという原則から選択肢3が最も適切であると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 逓増定期保険は、保険期間の経過に伴って保険金額が段階的に増加する保険ですが、支払う保険料は保険期間を通じて一定です。
- 選択肢 2不正解
- 生存給付金付定期保険では、被保険者が保険期間中に死亡した場合、既払いの生存給付金があっても差し引かれることなく所定の死亡保険金の全額が支払われます。
- 選択肢 3正解
- 収入保障保険の死亡保険金を一時金として一括で受け取る場合、将来の運用利息分が割り引かれて計算されるため、年金形式で受け取る場合の受取総額よりも少なくなります。
- 選択肢 4不正解
- 養老保険において被保険者に高度障害保険金が支払われた場合、その時点で保険契約は消滅するため、その後に満期を迎えても満期保険金が支払われることはありません。
覚えるポイント
- 年金の一括受取額は、運用利率で割り引かれるため年金受取総額よりも少なくなる。
- 死亡保険金と高度障害保険金は同額であり、いずれかが支払われると契約は消滅する。
間違えやすいところ
- 逓増定期保険で保険金額だけでなく保険料も増加すると誤認しやすい点に注意する。
- 生存給付金を受け取ると死亡保険金から減額されると混同しやすい点に注意する。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等に基づく出題
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人年金保険の一般的な商品性
リスク管理 · 個人年金保険 / 変額年金 / 外貨建て保険 / 保証期間付終身年金 / 確定年金
個人年金保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
個人年金保険は、年金支払開始前の死亡保障と年金支払開始後の年金給付に分かれます。年金支払開始前に死亡した場合は既払込保険料相当額等の死亡保険金が支払われて契約は終了し、満期以降の年金総額が支払われるわけではありません。
解き方
- 変額個人年金保険、外貨建て個人年金保険、保証期間付終身年金、確定年金のそれぞれの受取要件やリスク特性を確認する。
- 年金支払開始前の死亡給付金の水準について、年金受取総額ではなく既払込保険料相当額等である点に着目し、選択肢4が不適切であると判定する。
- 選択肢 1不正解
- 変額個人年金保険は、特別勘定において株式や債券等で保険料を運用するため、その運用実績に応じて将来受け取る年金額や解約返戻金額が変動します。
- 選択肢 2不正解
- 外貨建て個人年金保険は、受取時に為替相場が円高に振れている場合、円換算した受取総額が支払った保険料相当額を下回る為替リスク(元本割れリスク)があります。
- 選択肢 3不正解
- 保証期間付終身年金では、保証期間中に被保険者が死亡した場合、残存保証期間に対応する年金または一時金が遺族(受取人・相続人等)に支払われます。
- 選択肢 4正解
- 確定年金において年金支払開始前に被保険者が死亡した場合、支払われる死亡保険金は契約時に定めた年金受取総額ではなく、既払込保険料相当額(または解約返戻金相当額)となります。
覚えるポイント
- 個人年金保険の年金支払開始前の死亡保険金額は「既払込保険料相当額」が基本となる。
- 確定年金は、年金支払開始後に被保険者が死亡しても残余期間の年金または一時金が遺族に支払われる。
間違えやすいところ
- 年金支払開始前の死亡時にも将来の年金受取総額が支給されると誤認しやすい。
- 保証期間付終身年金で保証期間終了後に死亡した場合にも遺族へ支払われると誤解しないよう注意する。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等に基づく出題
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総合福祉団体定期保険の商品性
リスク管理 · 総合福祉団体定期保険 / ヒューマン・ヴァリュー特約
総合福祉団体定期保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
総合福祉団体定期保険は、企業が従業員の遺族に対する弔慰金・死亡退職金の原資等を準備するために契約する1年更新の定期保険です。付帯するヒューマン・ヴァリュー特約は、被保険者の死亡・所定の高度障害時に企業自身が被る経済的損失を補填することを目的としています。
解き方
- 総合福祉団体定期保険の被保険者要件、加入同意、保険料の税務上の取扱いを確認します。
- ヒューマン・ヴァリュー特約の保障対象が企業の経済的損失補填である点を確認し、誤っている記述を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 加入対象者は、企業の退職金規程等により弔慰金や死亡退職金の支給対象と定められている役員・従業員となります。
- 選択肢 2不正解
- 契約締結時には、保険約款に定める告知書の提出や、被保険者となることに関する本人の同意(加入同意)が必要です。
- 選択肢 3不正解
- 企業が役員・従業員のために負担した本保険の保険料は、原則としてその全額を福利厚生費等として損金算入できます。
- 選択肢 4正解
- ヒューマン・ヴァリュー特約は被保険者の死亡・高度障害時に企業が被る代替者採用費用等の損失を補填するものであり、傷害の治療費等を保障するものではありません。
覚えるポイント
- ヒューマン・ヴァリュー特約の受取人は企業であり、被保険者の死亡や高度障害に伴う企業の損失補填が目的です。
間違えやすいところ
- 傷害による入院費や治療費を保障する特約(災害療養特約など)と、企業の損失に備えるヒューマン・ヴァリュー特約を取り違えないように注意しましょう。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人契約の生命保険に関する課税関係
リスク管理 · 生命保険の税務 / みなし相続財産 / 一時所得 / リビング・ニーズ特約
契約者(=保険料負担者)および被保険者を父とする生命保険の課税関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
生命保険金の課税区分は、保険料負担者・被保険者・受取人の関係によって決定されます。保険料負担者本人が受領する解約返戻金や満期保険金は一時所得(所得税)となり、保険料負担者以外の者が受領する満期保険金は贈与税、被保険者本人の死亡による死亡保険金(負担者が被保険者)は相続税が課税されます。
解き方
- 契約者(保険料負担者)が父、被保険者が父という基本関係を前提として各選択肢の受取人と受取事由を確認します。
- 各事由(相続放棄時の死亡保険金、満期保険金、解約返戻金、リビング・ニーズ生前給付金)に応じた課税区分を判別します。
- 選択肢 1不正解
- 相続を放棄した子が受け取った死亡保険金であっても、保険料負担者が被相続人(父)であるため、みなし相続財産として相続税の課税対象となります(非課税枠は適用不可)。
- 選択肢 2不正解
- 保険料負担者である父以外の者(子)が受取人となる満期保険金は、父から子への贈与とみなされ、贈与税の課税対象となります。
- 選択肢 3正解
- 保険料負担者である父が契約途中で解約して受け取る解約返戻金は、父の一時所得として所得税(および住民税)の課税対象となります。
- 選択肢 4不正解
- リビング・ニーズ特約に基づいて被保険者が生前に受け取る給付金は、身体の傷害や病気に起因する保険金として非課税所得とされます。
覚えるポイント
- リビング・ニーズ特約の生前給付金は非課税です。また、契約者本人が受け取る解約返戻金は一時所得となります。
間違えやすいところ
- 相続放棄した者が受け取る死亡保険金は、非課税限度額(500万円×法定相続人の数)の適用は受けられませんが、課税区分自体は贈与税ではなく相続税です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
火災保険および地震保険の補償内容と保険料割引制度
リスク管理 · 火災保険 / 地震保険 / 地震保険料割引制度
火災保険および地震保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
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解答
4
解説
火災保険は建物や家財を対象とし、契約者側の重大な過失による損害は原則として免責されます。一方、地震保険は単独での加入はできず火災保険に付帯して契約し、地震・噴火・津波を起因とする損害を補償します。地震保険には建物の耐震性能等に応じた4つの割引制度が存在しますが、重複して適用することはできません。
解き方
- 火災保険の免責事由および保険の目的(建物・家財の選択可否)のルールを確認する。
- 地震保険の補償範囲(地震・噴火・津波)および4つの保険料割引制度の重複適用の可否を照合して適切な肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 火災保険では、保険契約者や被保険者の故意または重大な過失によって生じた損害は保険金支払いの免責事由となるため、補償の対象となりません。
- 選択肢 2不正解
- 火災保険の保険の対象は「建物のみ」「家財のみ」「建物と家財の双方」から選択可能であり、賃貸住宅の入居者などのように家財のみを対象として契約することもできます。
- 選択肢 3不正解
- 地震保険は、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没・流失による損害を広く補償の対象としています。
- 選択肢 4正解
- 地震保険には「建築年割引」「耐震等級割引」「免震建築物割引」「耐震診断割引」の4つの割引制度が設けられていますが、重複適用は認められず、いずれか1つのみが適用されます。
覚えるポイント
- 地震保険の4大割引(建築年・耐震等級・免震建築物・耐震診断)は重複適用不可
- 地震保険は地震・噴火・津波による火災・損壊・流失等を補償する
間違えやすいところ
- 津波による被害は水災特約ではなく地震保険の対象となる点を見落とす誤り
- 火災保険は建物が必須ではなく家財単体でも契約できる点を誤解すること
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種傷害保険の一般的な補償範囲と商品性
リスク管理 · 傷害保険 / 普通傷害保険 / 家族傷害保険 / 交通事故傷害保険 / 国内旅行傷害保険
傷害保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
傷害保険は「急激・偶然・外来の事故」による身体の傷害を補償する保険です。普通傷害保険は国内外・就業中を問わず日常生活の事故を広く対象とします。家族傷害保険の被保険者の範囲は「事故発生時」を基準に判定されるため途中で増えた家族も対象となります。また、国内旅行傷害保険は旅行中の細菌性・ウイルス性食中毒も原則として補償対象に含める特徴があります。
解き方
- 各種傷害保険(普通傷害、家族傷害、交通事故傷害、国内旅行傷害)の補償範囲・被保険者の判定基準を確認する。
- エレベーター事故や食中毒の取扱い、事故時基準の適用ルールから最も適切な記述を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 普通傷害保険は、日本国内外における日常生活中の事故を幅広く補償するものであり、被保険者の就業中に発生した事故による傷害も補償の対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 家族傷害保険の被保険者の範囲は保険事故発生時を基準として判定されるため、契約締結後に誕生した子も要件を満たせば被保険者となります。
- 選択肢 3正解
- 交通事故傷害保険は、自動車・自転車等の交通乗用具の運行による事故や駅構内での事故のほか、エレベーターやエスカレーター、動く歩道等の搭乗中事故による傷害も補償対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 国内旅行傷害保険では、旅行行程中の急激かつ偶然な外来の事故による傷害に加えて、細菌性食中毒やウイルス性食中毒も補償の対象に含まれます。
覚えるポイント
- 家族傷害保険の被保険者範囲は契約時ではなく事故発生時で判定する
- 国内旅行傷害保険・海外旅行傷害保険は細菌性食中毒等も補償対象となる
- 交通事故傷害保険はエレベーター・エスカレーター等の事故も補償する
間違えやすいところ
- 普通傷害保険では就業中のケガは対象外であると誤解すること(業務中も補償される)
- 旅行傷害保険でも一般の普通傷害保険と同様に食中毒は対象外であると混同すること
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
地震保険料控除の対象要件と控除限度額
リスク管理 · 地震保険料控除 / 共済掛金 / 所得控除
地震保険料控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
地震保険料控除は、自己や生計を一にする親族が常時居住する住宅や生活用動産(家財)を対象とし、地震等による損害を補償する保険料や共済掛金を支払った場合に適用される所得控除です。最高限度額は所得税が5万円、住民税が2万5,000円となっています。
解き方
- 地震保険料控除の対象となる対象物件(居住用資産)および契約主体(保険会社・JA共済等)を確認する。
- 店舗併用住宅の按分ルールや火災保険部分の除外規定、所得税と住民税における控除限度額の違いを照合して正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 店舗併用住宅の場合、住居部分の割合が90%以上であれば全額が対象となり、90%未満であっても住居部分に対応する保険料を按分して計算すれば控除の対象となります。「住居部分が店舗部分を超える場合に限る」という要件はありません。
- 選択肢 2正解
- 地震保険料控除の対象となる保険料等には、損害保険会社の地震保険のほか、JA共済(建物更生共済等)など一定の農業協同組合や生協が実施する共済契約のうち地震等による損害を担保する掛金も含まれます。
- 選択肢 3不正解
- 地震保険料控除の年間控除限度額は、所得税では最高5万円、住民税(個人住民税)では最高2万5,000円です。住民税の控除限度額は3万円ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 地震保険料控除の対象となるのは地震等による損害を補償する部分の保険料のみであり、主契約である火災保険部分の保険料は原則として地震保険料控除の対象にはなりません。
覚えるポイント
- 地震保険料控除の最高限度額:所得税5万円、住民税2万5,000円
- JA共済等の地震補償共済掛金も地震保険料控除の対象に含まれる
間違えやすいところ
- 住民税の限度額を旧長期損害保険料控除の1万5,000円や生命保険料控除の2万8,000円/3万5,000円などと混同しないように注意する。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の所得税法および地方税法に基づく法令基準
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
第三分野の保険(医療・ガン・特定疾病・介護)の商品性
リスク管理 · 第三分野の保険 / ガン保険 / 医療保険 / 特定疾病保障定期保険
第三分野の保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
第三分野の保険は、医療保険・ガン保険・介護保険・所得補償保険などの疾病や傷害・介護に関わるリスクを保障する商品です。各商品において、給付金の支払要件(免責事由、支払限度日数、特定疾病の死亡給付金要件など)について基本ルールを正確に把握しておく必要があります。
解き方
- 各選択肢に記載された保険商品(医療保険、ガン保険、特定疾病保障定期保険、民間介護保険)の保障内容・支払基準を分析する。
- 正常分娩の取扱い、ガン入院給付金の支払日数無制限ルール、特定疾病保障保険の死亡原因の範囲、民間介護保険の法的自由度を照らし合わせて正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 医療保険では、病気や不慮の事故による所定の手術や帝王切開等の異常分娩は対象となりますが、自然分娩である正常分娩に伴う処置・手術は給付金の対象外です。
- 選択肢 2正解
- ガン保険の入院給付金は、通常の医療保険と異なり、1回の入院あたりの支払限度日数や通算の支払限度日数が定められておらず、無制限で支払われるのが一般的です。
- 選択肢 3不正解
- 特定(三大)疾病保障定期保険は、三大疾病(ガン・急性心筋梗塞・脳卒中)により所定の状態になったときに特定疾病保険金が支払われますが、三大疾病以外の病気や事故で死亡した場合でも死亡保険金が支払われます。
- 選択肢 4不正解
- 民間の介護保険は各保険会社が独自に開発・販売する商品であり、保険約款により保険会社独自の基準または公的介護保険連動基準が定められます。公的基準に連動した支給が介護保険法上義務付けられているわけではありません。
覚えるポイント
- ガン保険の入院給付金は1入院・通算ともに日数無制限
- 特定疾病保障定期保険は三大疾病以外による死亡でも死亡保険金が支払われる
- 正常分娩は医療保険の給付対象外(異常分娩による帝王切開などは対象)
間違えやすいところ
- 特定疾病保障保険は三大疾病でしか死亡保険金が出ないと誤認しやすいが、どのような死因でも死亡保険金が支払われる点に注意する。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令および一般的な保険商品性に基づく
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損害保険を活用した家計のリスク管理
リスク管理 · 損害保険 / 所得補償保険 / 個人賠償責任特約 / 地震保険 / 人身傷害補償保険
損害保険を活用した家計のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
損害保険はリスクの種類(賠償責任・自然災害・傷害・就業不能など)に応じて設計されており、各保険の補償対象と免責条項を正しく把握することが重要です。
解き方
- 各記述の事象(自転車事故、噴火、自動車事故、倒産・失業)と保険商品の補償範囲を照合する。
- 所得補償保険が身体の病気やケガによる就業不能を対象としており、倒産・失業には対応していない点を見極める。
- 選択肢 1不正解
- 個人賠償責任担保特約は本人だけでなく生計を一にする同居の親族や別居の未婚の子も対象となり、自転車事故による対人賠償に備えられます。
- 選択肢 2不正解
- 火災保険単独では補償されない地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする損害は、火災保険に地震保険を付帯することで補償されます。
- 選択肢 3不正解
- 人身傷害補償保険は、過失割合にかかわらず契約上の保険金額を限度として実際の損害額全額が支払われるため適切です。
- 選択肢 4正解
- 所得補償保険は病気やケガによる就業不能状態を補償するものであり、会社の倒産等による失業は補償の対象とはなりません。
覚えるポイント
- 所得補償保険の給付事由は「病気やケガによる就業不能」であり失業は対象外
間違えやすいところ
- 雇用保険の基本手当(失業給付)と民間の所得補償保険の役割を混同しやすい
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の生命保険によるリスク管理
リスク管理 · ハーフタックスプラン / 福利厚生プラン / 養老保険 / 逓増定期保険
生命保険を活用した事業活動のリスク管理に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 「養老保険を活用して法人の役員・従業員の福利厚生の充実を図ることができる。これは福利厚生プランやハーフタックスプランなどと呼ばれている。具体的には、契約者(=保険料負担者)を法人とし、死亡保険金受取人を被保険者の遺族、満期保険金受取人を( ア )とすることにより、支払保険料の( イ )の金額を福利厚生費として損金に算入することができる。ただし、この経理処理が認められるためには、被保険者とする役員・従業員の普遍的加入等の要件を満たす必要がある。また、役員の死亡退職金の原資のほか、役員勇退時の退職慰労金の原資を準備するために、長期平準定期保険や( ウ )を活用することができる。」
解答・解説を表示
解答
1
解説
法人保険の税務処理では、保険金受取人が誰であるかによって資産計上・損金算入の割合が決まり、全員加入を要件とする福利厚生プランでは保険料の2分の1損金算入が認められます。
解き方
- 福利厚生プラン(ハーフタックスプラン)における満期受取人(法人)および損金算入割合(2分の1)を確認する。
- 役員退職慰労金の準備に適した定期保険として、解約返戻金が立ち上がる逓増定期保険を選択する。
- 選択肢 1正解
- (ア)は法人、(イ)は2分の1、(ウ)は逓増定期保険であり、すべての語句の組み合わせが正しいため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 満期保険金受取人は被保険者ではなく法人であり、損金算入割合も3分の1ではなく2分の1です。
- 選択肢 3不正解
- 満期保険金受取人は法人であり、役員勇退時の原資準備には逓減定期保険ではなく逓増定期保険が用いられます。
- 選択肢 4不正解
- 損金算入割合は3分の1ではなく2分の1であり、(ウ)には逓減定期保険ではなく逓増定期保険が入ります。
覚えるポイント
- 福利厚生プラン(ハーフタックス):満期受取人は法人、死亡受取人は遺族、保険料の1/2が損金
間違えやすいところ
- 満期保険金の受取人を役員・従業員(被保険者)にすると給与課税されてしまう点に注意
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託の特徴と分類
金融資産運用 · 公社債投資信託 / 外貨MMF / ブル・ベア型ファンド / ファンド・オブ・ファンズ
各種投資信託の特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
投資信託は投資対象資産により公社債投資信託と株式投資信託に大別され、公社債投資信託は株式を一切組み入れない約款となっています。また、運用手法や特性に応じた多様な商品が存在します。
解き方
- 公社債投資信託の定義(株式組入れ不可)を確認し、選択肢1が適切であることを判定する。
- 外貨建てMMFの分配金再投資頻度、ブル・ベアの方向性、ファンド・オブ・ファンズの投資対象に関する誤りを確認する。
- 選択肢 1正解
- 公社債投資信託は、約款上、株式を一切組み入れることができない投資信託です。実際に株式を組み入れていなくても、約款で組み入れが可能とされているものは株式投資信託に分類されます。
- 選択肢 2不正解
- 外貨建てMMFの実績分配金は日々計算され、毎月最終営業日に1カ月分まとめて自動的に再投資されます。毎年末ではありません。
- 選択肢 3不正解
- ブル型ファンドはベンチマークと同じ方向に連動・増幅することを目指すファンドです。ベンチマークと逆に変動することを目指すのはベア型ファンドです。
- 選択肢 4不正解
- 公募のファンド・オブ・ファンズは、主たる投資対象を複数の投資信託証券とするものであり、原則として個別の株式等に直接投資することはできません。
覚えるポイント
- 公社債投信は株式を「一切」組み入れられない(1株でも組み入れ可能なら株式投信)
- ブル(雄牛)は角を下から上に突き上げる上昇志向、ベア(熊)は前足を振り下ろす下落志向
間違えやすいところ
- 実際に株式を組み入れていない投資信託でも、約款上組み入れが可能であれば「株式投資信託」に分類される点に注意する。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託等の運用手法
金融資産運用 · グロース投資 / バリュー投資 / マーケット・ニュートラル / ボトムアップ・アプローチ
投資信託等の運用手法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
アクティブ運用には銘柄選択の視点(グロース・バリュー)や、ポートフォリオ構築のプロセス(トップダウン・ボトムアップ)、市場リスクを相殺する代替運用手法(マーケット・ニュートラルなど)があります。
解き方
- 各選択肢の運用手法の名称と定義を照合する。
- トップダウン・アプローチとボトムアップ・アプローチの相違点に基づき、選択肢4がボトムアップ・アプローチの説明であることを見抜く。
- 選択肢 1不正解
- 企業の売上高や利益の高い成長性に着目して銘柄選定を行う運用手法はグロース投資(成長株投資)と呼ばれ、記述は適切です。
- 選択肢 2不正解
- PER、PBRや配当割引モデルなどに基づき、本来の企業価値に対して現在の株価が割安である銘柄を選定する手法はバリュー投資(割安株投資)と呼ばれ、記述は適切です。
- 選択肢 3不正解
- 買い建て(ロング)と売り建て(ショート)を同額程度組み合わせることで市場全体のリスクを相殺し、個別銘柄の価格差から収益を追求する手法はマーケット・ニュートラル運用と呼ばれ、記述は適切です。
- 選択肢 4正解
- 個別企業のファンダメンタルズ分析から投資価値のある銘柄を選定して積み上げる手法は「ボトムアップ・アプローチ」です。トップダウン・アプローチはマクロ経済環境等の予測から資産配分を決定し銘柄を絞り込む手法です。
覚えるポイント
- ボトムアップ:ミクロ(個別企業分析)から積み上げる手法
- トップダウン:マクロ(経済情勢・国・業種配分)から順に落とし込む手法
間違えやすいところ
- トップダウン(上から下へ=マクロから個別へ)とボトムアップ(下から上へ=個別から全体へ)の方向性を逆に覚えてしまう間違い。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
債券投資におけるリスクと価格変動要因
金融資産運用 · 債券のリスク / 表面利率と価格変動 / 信用格付
債券投資におけるリスクの一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
債券の金利リスクにおいて、残存期間が同じ場合、表面利率が低い債券ほどデュレーションが長く、金利変動に対する価格変動幅(感応度)は大きくなります。また、信用リスクが低下(格付が上昇)すると価格が上昇して利回りは低下します。
解き方
- 発行体信用度・残存期間・利回りが同一の条件下における、クーポンレートとデュレーション(価格感応度)の関係を整理する。
- クーポンが低い債券ほどデュレーションが長くなり、金利変動時の価格変動幅が「大きい」ことを確認し、選択肢1の誤りを判定する。
- 選択肢 1正解
- 表面利率(クーポンレート)が低い債券ほど、回収期間(デュレーション)が長くなるため、金利変動による債券価格の変動は大きくなります。「変動は小さい」とする記述は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 公募発行で不特定多数の投資家に保有され、発行規模が大きい債券は市場での売買が成立しやすく、流動性(換金性)が高いとされます。
- 選択肢 3不正解
- 発行体の財務悪化等によりデフォルト(債務不履行)リスクが高まると、リスクプレミアムが上乗せされて利回りが急上昇し、市場価格は下落します。
- 選択肢 4不正解
- BBB格以上が投資適格債、BB格以下が投機的格付債と分類されます。格付けが引き上げられると信用力向上により価格が上昇し、利回りは低下します。
覚えるポイント
- 表面利率が低い債券ほどデュレーションが長く、金利変動による価格変動幅は大きい
- 残存期間が長い債券ほど金利変動に対する価格変動幅は大きい
間違えやすいところ
- クーポンが高いほど価格変動が大きいと直感で逆に勘違いしやすい点
- 格付の上昇(信用度改善)により債券価格は上昇し、利回りは低下する関係の取り違え
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等に基づく一般的な債券投資の理論
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
複利計算による現在価値の算出
金融資産運用 · 現在価値 / 割引率 / 複利計算
年1回複利ベースの割引率を年率0.5%とした場合、4年後の1,000万円の現在価値として、正しいものはどれか。なお、解答は円未満を切り捨てること。
解答・解説を表示
解答
2
解説
将来価値(FV)と割引率(r)、期間(n)から現在価値(PV)を求める複利現価の算式は、PV = FV ÷ (1 + r)^n です。割引率を毎年複利で割り引くことで現在の正味の価値を算出します。
解き方
- 複利割引率 (1 + 0.005)^4 を計算する。(1.005)^2 = 1.010025、(1.010025)^2 = 1.020150500625。
- 将来価値1,000万円を複利係数で除算する。10,000,000 ÷ 1.020150500625 = 9,802,475.12…円。
- 端数処理条件(円未満切り捨て)に従い、9,802,475円を導出する。
- 選択肢 1不正解
- 計算結果は9,802,475円であり、9,800,586円は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 10,000,000 ÷ (1.005)^4 = 9,802,475.12…円となり、円未満を切り捨てると9,802,475円となります。
- 選択肢 3不正解
- 単利計算等による近似値や異なる乗数による誤った計算結果です。
- 選択肢 4不正解
- 計算結果は9,802,475円であり、9,806,253円は誤りです。
覚えるポイント
- 現在価値(PV)= 将来価値(FV)÷ (1 + r)^n
- 電卓での累乗計算は [1.005] [×] [=] [=] [=] 等を活用して正確に行う
間違えやすいところ
- 年率0.5%を単利で4年分(2.0%)引き、1000万×(1 - 0.02) = 980万円としてしまう誤り
- 端数処理の指示(四捨五入か切り捨てか)を見落とすミス
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等および一般的なファイナンス計算式
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
上場株式の取引ルールと取引手法
金融資産運用 · 上場株式の売買取引 / 株式累積投資 / 株式ミニ投資
上場株式の取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
金融商品取引所における株式の売買は価格優先・時間優先の原則に基づいて約定し、通常の決済は売買契約の成立日とは異なる所定の受渡期日に行われます。
解き方
- 取引所における売買注文の優先ルール(成行優先、価格優先、時間優先)を確認します。
- 普通取引の受渡期日に関する規定と、当日決済取引の違いを整理して誤りを見抜きます。
- 選択肢 1不正解
- 取引所の売買注文は価格優先および時間優先の原則で処理され、成行注文は指値注文より優先して執行されます。
- 選択肢 2正解
- 普通取引では契約締結当日ではなく、約定日を含めて4営業日目(法改正前基準)に決済と受渡しが行われます。
- 選択肢 3不正解
- 株式累積投資(るいとう)は、毎月一定日に指定した一定金額(1万円以上1,000円単位等)で同一銘柄を買い付ける取引です。
- 選択肢 4不正解
- 株式ミニ投資は、対象銘柄の売買単位株数の10分の1の整数倍(10分の1から10分の9まで)で売買できる制度です。
覚えるポイント
- 普通取引の受渡し期日は約定日当日ではなく所定の営業日後(基準日時点では約定日を含め4営業日目)となります。
間違えやすいところ
- 普通取引と即日決済される当日決済取引とを混同しないように注意が必要です。
出題の前提:平成27年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
オプション取引の仕組みと特徴
金融資産運用 · オプション取引 / プレミアム / 権利行使タイプ
オプション取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
オプション取引において、買い手はプレミアムを支払って権利を行使または放棄する自由を得る一方、売り手はプレミアムを受け取る対価として買い手の権利行使に応じる義務のみを負います。
解き方
- オプションの買い手と売り手の権利・義務関係および損失・利益の限定性を確認します。
- 権利行使・放棄の選択権を持つのはどちらの立場であるかを照らし合わせて正誤を判定します。
- 選択肢 1不正解
- オプション取引では、権利を取得する買い手が対価として売り手にプレミアム(オプション料)を支払います。
- 選択肢 2正解
- 権利を行使・放棄できるのは買い手であり、売り手は買い手の権利行使に応じる義務を負うのみで権利放棄はできません。
- 選択肢 3不正解
- コール・オプションの買い手の損失は支払プレミアムに限定されますが、売り手は理論上無限定の損失を負う可能性があります。
- 選択肢 4不正解
- 権利行使期間中いつでも行使可能なものがアメリカンタイプ、満期日等の特定日のみ行使可能なものがヨーロピアンタイプです。
覚えるポイント
- 買い手は「権利を有し、行使も放棄も自由」、売り手は「義務を負い、拒否はできない」という関係を徹底して覚えましょう。
間違えやすいところ
- オプションの「買い手」と「売り手」の立場を混同し、売り手にも権利行使の選択権があると誤解しやすい点に注意します。
出題の前提:平成27年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ポートフォリオ理論とリスク・評価指標
金融資産運用 · ポートフォリオ理論 / 相関係数 / シャープレシオ / システマティック・リスク
ポートフォリオ理論等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
ポートフォリオの分散投資効果は、組み入れる2資産間の相関係数が1未満であれば発揮され、-1に近づくほどリスク低減効果は高くなります。また、シャープレシオはリスク(標準偏差)1単位あたりの超過リターンを測るため、同じ収益率なら標準偏差が小さいほど高評価となります。
解き方
- 各資産間の相関係数と分散投資効果の関係(1未満であればリスク低減効果が得られる)を確認する。
- システマティック・リスクと非システマティック・リスクの分散投資による消去可能性の違いを確認する。
- シャープレシオの算式に基づき、リスク(標準偏差)と評価の高低の関係を整理して正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- ポートフォリオ全体の期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率をそれぞれの組入比率で加重平均して計算します。
- 選択肢 2不正解
- システマティック・リスクは景気変動など市場全体に起因するリスクであるため、銘柄を分散投資しても低減することはできません。
- 選択肢 3正解
- 相関係数が1未満であれば分散投資効果が得られます。相関係数が0の場合であってもリスク低減効果は生じるため、効果が得られないとする記述は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- シャープレシオは「(超過リターン)÷標準偏差」で求められるため、同一収益率であれば標準偏差(リスク)が小さいファンドほど数値が大きくなり、効率よく運用されたと評価されます。
覚えるポイント
- 相関係数が1のときはリスク分散効果なし、1未満(0や-1など)であれば分散効果あり
- システマティック・リスクは分散投資で消せないが、アンシステマティック・リスク(非システマティック・リスク)は消去可能
間違えやすいところ
- 「相関係数が0だと無相関だから分散効果もない」と誤解しやすいが、効果が全くないのは「相関係数が+1」のときのみである点に注意する。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
預金保険制度の保護対象と名寄せ
金融資産運用 · 預金保険制度 / 決済用預金 / 名寄せ / 外貨預金
預金保険制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
預金保険制度では、万一金融機関が破綻した場合、1預金者あたり元本1,000万円までとその利息が保護されます(一般預金等)。決済用預金は全額保護されますが、外貨預金等は保護対象外です。名寄せでは同一人名義の預金は合算され、個人事業主の屋号付預金も個人名義預金と同一人として合算されます。
解き方
- 預金保険制度における保護対象預金(円預金)と保護対象外預金(外貨預金など)を区別する。
- 決済用預金の3要件(無利息、要求払い、決済サービス提供)を確認する。
- 名寄せのルールにおいて、財形貯蓄の合算および個人事業主名義と個人名義の合算の取扱いを照合して適切な肢を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 外貨預金は、国内の金融機関に預け入れられているものであっても預金保険制度の保護の対象外となります。
- 選択肢 2不正解
- 全額保護の対象となる決済用預金の要件は「無利息(利息が付かないこと)」「要求払い」「決済サービスを提供できること」の3つであり、「利息が付くこと」は誤りです。
- 選択肢 3正解
- 財形貯蓄として積み立てられている預金は、同一預金者が同一金融機関に有する他の一般預金等と合算されて名寄せが行われます。
- 選択肢 4不正解
- 個人事業主の事業用口座(屋号付き名義など)と私用口座は別々の預金者とはならず、同一人として名寄せされて合算されます。
覚えるポイント
- 決済用預金の3要件:利息がつかない、いつでも引き出せる、決済サービスを提供できる
- 外貨預金・譲渡性預金(CD)は預金保険の対象外
- 名寄せは個人事業主の屋号名義も個人の預金と合算される
間違えやすいところ
- 決済用預金は「無利息」が絶対要件であるのに「利息が付く」と勘違いしやすい。
- 個人事業主の屋号付き口座を法人と同様に別枠扱いできると混同しやすい。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
NISA(少額投資非課税制度)の仕組みと取扱い
金融資産運用 · NISA / 損益通算 / 非課税期間 / 非課税枠の繰越し
NISA(少額投資非課税制度)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、NISAにより投資収益が非課税となる口座をNISA口座とする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
NISA口座内で得た配当金や譲渡益は非課税となる一方、生じた譲渡損失は税務上「ないもの」とみなされるため、他の口座との損益通算や損失の繰越控除は行えません。また、年間投資枠の未使用分を翌年へ繰り越すこともできません。
解き方
- NISA口座の基本制度(非課税期間・年間投資可能枠の繰越し不可ルール)を確認します。
- NISA口座内の譲渡損失に対する税務上の取扱い(損益通算や繰越控除の可否)を検討して正誤を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 当時のNISA制度における非課税保有期間は最長5年間であり、3年間ではありません。
- 選択肢 2不正解
- NISA口座内で生じた譲渡損失は税務上ないものとみなされるため、特定口座や一般口座の譲渡益・配当金等と損益通算することはできません。
- 選択肢 3不正解
- NISA口座内で生じた損失は税務上存在しない扱いとなるため、確定申告を行っても翌年以降に損失を繰り越すことはできません。
- 選択肢 4正解
- 平成27年当時のNISAの年間非課税投資枠は100万円ですが、未使用分の枠(本問では30万円)を翌年以降に繰り越すことはできません。
覚えるポイント
- NISAの損失は税務上ないものとみなされ、損益通算・繰越控除ともに不可
- 毎年の非課税投資枠の未使用分は翌年以降に繰り越せない
間違えやすいところ
- 課税口座であれば可能な譲渡損失の損益通算や3年間の繰越控除がNISA口座でも適用できると誤解しやすい点
出題の前提:2015年4月1日現在施行の税制・法令に基づく(当時の一般NISA年間投資枠は100万円・非課税期間最長5年間)
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
金融商品の取引に係る各種法規制
金融資産運用 · 金融商品販売法 / 消費者契約法 / 銀行法 / 特定預金等
金融商品の取引に係る各種法規制に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、「金融商品の販売等に関する法律」を金融商品販売法という。
解答・解説を表示
解答
3
解説
金融商品販売法と消費者契約法は、それぞれ損害賠償請求と契約取消しという異なる救済手段を定めており、両法に抵触する場合は競合・併用して適用されます。どちらか一方が常に優先して他方を排除することはありません。
解き方
- 金融商品販売法と消費者契約法の目的および救済手段の違いと、相互の関係(競合適用)を確認します。
- 銀行法等による金融商品取引法の行為規制(特定預金等への準用)などの各法律の規定を確認して不適切な肢を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 金融商品販売法では、金融商品販売業者等に対し、あらかじめ勧誘方針を策定し、これを公表することを義務付けています。
- 選択肢 2不正解
- 消費者契約法では、事業者の不実告知等による誤認や不退去等による困惑によって行った意思表示を取り消すことができると定めています。
- 選択肢 3正解
- 金融商品販売法と消費者契約法の両方に抵触する場合、両法は重複して適用されるため、金融商品販売法が常に優先するわけではありません。
- 選択肢 4不正解
- 外貨預金や仕組預金(デリバティブ預金)などの特定預金等の勧誘・販売においては、銀行法等により金融商品取引法の行為規制(説明義務や書面交付等)が準用されます。
覚えるポイント
- 金融商品販売法(損害賠償)と消費者契約法(契約の取消し)は重畳的に適用される
- 特定預金等には銀行法に基づき金商法の行為規制が準用される
間違えやすいところ
- 金融分野の特別法である金融商品販売法が一般法である消費者契約法を完全に排除して優先適用されると思い込んでしまう点
出題の前提:2015年4月1日現在施行の金融商品販売法・消費者契約法・銀行法に基づく
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の基本原則と仕組み
タックスプランニング · 所得税の仕組み / 申告納税方式 / 超過累進税率 / 非課税所得
所得税の基本的な仕組みに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
所得税は個人の担税力(税金を負担する能力)に応じて公平に課税するため、所得を10種類に区分して計算し、総合課税の対象となる課税総所得金額には超過累進税率を適用します。また、納税者が自ら税額を計算して納付する申告納税制度を基本としています。
解き方
- 所得税の所得区分(10種類)および申告納税方式などの基本構造を確認する。
- 課税総所得金額に対する税率構造が超過累進税率であるか比例税率(一律)であるかを検討し、誤っている記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 所得税法では、所得の性質に応じて利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時・雑の10種類に分類し、それぞれ個別の計算方法で所得金額を算出するため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 社会政策的な配慮(遺族年金や雇用保険の基本手当など)や二重課税防止(相続・遺贈・個人からの贈与により取得した財産など)の観点から、特定の所得を非課税所得と規定しているため適切です。
- 選択肢 3正解
- 課税総所得金額に対する所得税額の計算には、所得金額が多くなるにつれて段階的に税率が高くなる超過累進税率が適用され、一律の税率ではないため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 所得税は原則として、納税者自らが所得金額と税額を計算して申告および納付を行う申告納税方式を採用しているため適切です。
覚えるポイント
- 課税総所得金額に対する税率は5%~45%の7段階の超過累進税率が適用されます。
間違えやすいところ
- 住民税の所得割が一律10%(比例税率)であることと、所得税の超過累進税率を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:平成27年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における退職所得の取扱い
タックスプランニング · 退職所得 / 退職所得控除額 / 勤続年数の計算 / 退職所得の受給に関する申告書
所得税における退職所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
退職所得は長年の勤務に対する一括の報償的性格を有し、老後生活の原資となることから、他の所得と分離して課税(申告分離課税)され、手厚い退職所得控除および2分の1課税が適用されるなどの優遇措置が講じられています。
解き方
- 退職所得控除額の計算式(20年以下は40万円×勤続年数、20年超は800万円+70万円×超過年数)を確認する。
- 選択肢2に示された計算式の加算部分の金額(40万円となっている点)の誤りを指摘する。
- 選択肢 1不正解
- 退職所得の金額(特定役員退職手当等を除く)は、「(収入金額-退職所得控除額)×1/2」により計算されるため適切です。
- 選択肢 2正解
- 勤続年数が20年を超える場合の控除額は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」であり、40万円ではなく70万円を乗じるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 勤続年数を計算する際、1か月でも端数があれば1年に切り上げて計算するため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 「退職所得の受給に関する申告書」を提出した場合、適正な税額が源泉徴収されて課税関係が完了するため、原則として確定申告は不要であり適切です。
覚えるポイント
- 退職所得控除額は、勤続年数20年以下は年40万円(最低80万円)、20年超の部分は年70万円で計算します。
間違えやすいところ
- 勤続年数20年超の部分の乗数を40万円のままで計算してしまうミスや、端数期間を切り捨ててしまう誤りに注意が必要です。
出題の前提:平成27年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における損益通算の取扱い
タックスプランニング · 損益通算 / 上場株式の譲渡損失 / ゴルフ会員権 / 土地取得に係る負債利子
所得税における損益通算の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
1
解説
所得税において赤字を他の黒字から差し引く損益通算の対象となる所得は、原則として不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得(富士山譲渡)に限られます。また、これらの所得であっても、生活に通常必要でない資産に係る損失や、土地取得に要した借入金利子など、政策的見地から通算が制限される例外規定が設けられています。
解き方
- 株式等の譲渡所得と配当所得との間で特例により損益通算が可能であるかを確認する。
- ゴルフ会員権の譲渡損失や土地建物等の分離課税譲渡損失について通算制限の有無を判断する。
- 不動産所得の赤字のうち土地取得に要した負債利子部分の損益通算除外ルールを適用して正誤を判別する。
- 選択肢 1正解
- 上場株式等を譲渡したことで生じた損失の金額は、確定申告により申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得等の金額と損益通算することが可能です。
- 選択肢 2不正解
- 平成26年4月1日以降の税制改正により、ゴルフ会員権の譲渡による損失は「生活に通常必要でない資産の譲渡損失」とみなされ、他の所得と損益通算できなくなりました。
- 選択肢 3不正解
- 土地や建物等の譲渡による所得は申告分離課税であり、その譲渡損失の金額は原則として他の総合課税の所得と損益通算することができません。
- 選択肢 4不正解
- 不動産所得の計算上生じた損失のうち、不動産所得を生ずべき土地等の取得に要した負債の利子に相当する部分の金額は、損益通算の対象外とされています。
覚えるポイント
- 上場株式の譲渡損失は申告分離課税を選択した配当所得と損益通算可能
- ゴルフ会員権の譲渡損失は他の所得と損益通算不可(税制改正後)
間違えやすいところ
- 上場株式の譲渡損失は一般の総合課税所得とは通算できないが、申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得とは通算できる点を混同しやすい。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の医療費控除の要件と取扱い
タックスプランニング · 医療費控除 / 生計を一にする親族 / 通院費 / 年末調整
所得税における医療費控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
2
解説
医療費控除は、自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族のために支払った一定額以上の医療費について、最高200万円まで所得から控除できる制度です。医師等の診療・治療を受けるために直接必要な交通費は対象となりますが、自家用車の燃料代や駐車料金など利便性に基づく費用は対象外とされています。
解き方
- 対象となる親族の範囲(自己と生計を一にする配偶者等)を確認する。
- 通院費として認められる範囲(公共交通機関運賃等)と自家用車の諸費用(ガソリン代・駐車場代)の対象可否を判定する。
- 医療費控除の最高限度額(200万円)および年末調整での適用可否(確定申告必須)の要件を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 納税者が自己または「自己と生計を一にする配偶者やその他の親族」のために支払った医療費は、当該納税者の医療費控除の対象に含まれます。
- 選択肢 2正解
- 自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場代は、通院のために直接必要な費用とは認められず、医療費控除の対象にはなりません。
- 選択肢 3不正解
- 医療費控除の控除限度額は、支払った医療費から保険金等と足切り額を差し引いた後の金額について、年額最高200万円と定められています。
- 選択肢 4不正解
- 医療費控除は年末調整では適用を受けることができず、控除を受けるためには給与所得者であっても確定申告を行う必要があります。
覚えるポイント
- 自家用車での通院に伴うガソリン代や駐車料金は医療費控除の対象外
- 医療費控除の限度額は年額最高200万円で年末調整では適用不可(確定申告が必要)
間違えやすいところ
- 公共交通機関(電車・バス)の通院運賃は対象になるが、自家用車のガソリン代や駐車場代は対象外となる違いを混同しやすい。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配偶者控除および配偶者特別控除の適用要件
タックスプランニング · 所得控除 / 配偶者控除 / 配偶者特別控除
所得税における配偶者控除および配偶者特別控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
所得税の配偶者控除は、民法上の配偶者であり、納税者と生計を一にし、合計所得金額が基準以下である場合に適用されます。配偶者特別控除は配偶者控除の対象外となる一定の所得がある配偶者を対象としますが、納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超えている場合には適用できません。
解き方
- 配偶者控除の要件である「民法上の配偶者」「生計を一にすること」「合計所得金額38万円以下」を確認します。
- 配偶者特別控除の適用要件として、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下であること、および控除額が配偶者の所得に応じて段階的であることを確認して適切な肢を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 税法上の配偶者控除の対象となる配偶者は民法の規定による配偶者(婚姻届を提出している法律上の配偶者)に限られ、内縁関係の者は対象になりません。
- 選択肢 2不正解
- 配偶者控除の適用を受けるためには、配偶者が納税者と「生計を一にしていること」が必要であるため、生計を一にしていない配偶者は対象となりません。
- 選択肢 3不正解
- 配偶者特別控除の控除額は一律ではなく、配偶者の合計所得金額の多寡に応じて段階的に金額が逓減します。
- 選択肢 4正解
- 配偶者特別控除は、控除を受ける納税者本人のその年分の合計所得金額が1,000万円以下であることが要件とされているため、1,000万円を超える納税者は適用を受けられません。
覚えるポイント
- 税法上の配偶者には内縁関係(事実婚)は含まれず、民法上の法律婚配偶者に限定されます。
- 配偶者特別控除は、納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超えると適用対象外となります。
間違えやすいところ
- 健康保険などの社会保険では内縁関係の被扶養者が認められる場合がありますが、税法上の配偶者控除では認められない点に注意します。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の要件と手続
タックスプランニング · 税額控除 / 住宅借入金等特別控除 / 所得税
所得税における住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、平成27年8月に住宅ローンを利用して家屋を取得し、同月中に自己の居住の用に供しているものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
住宅借入金等特別控除は、個人が住宅ローン等を利用してマイホームを取得等して一定期間内に居住した場合に、年末借入金残高に応じた金額を所得税額から控除できる制度です。床面積50㎡以上かつ2分の1以上が居住用であること、その年分の合計所得金額が3,000万円以下であること、初年度は確定申告が必要であることなどの要件があります。
解き方
- 家屋の要件(床面積50㎡以上、居住用割合2分の1以上)を確認します。
- 納税者の所得要件(合計所得金額3,000万円以下)および手続要件(初年度は確定申告必須、2年目以降は年末調整可能)を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 住宅ローン控除の対象となる家屋は、床面積が50㎡以上で、かつ床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら自己の居住の用に供されるものでなければなりません(3分の1以上ではありません)。
- 選択肢 2不正解
- 転勤等のやむを得ない事由により居住しなくなった場合でも、所定の届出手続を行っていれば、再び自己の居住の用に供した年以後の残存控除期間について再適用を受けることができます。
- 選択肢 3正解
- 住宅ローン控除の適用を受けるためには、その年分の合計所得金額が3,000万円以下でなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 給与所得者であっても、住宅ローン控除の適用を受ける最初の年(初年度)は確定申告をしなければならず、年末調整で控除を受けられるのは2年目以降となります。
覚えるポイント
- 住宅ローン控除の床面積要件は50㎡以上かつ床面積の2分の1以上が自己居住用です。
- 給与所得者でも初年度は確定申告が必須で、年末調整で処理できるのは2年目以降です。
間違えやすいところ
- 店舗兼住宅の場合に居住用割合の要件を「3分の1以上」と混同しやすいですが、正しくは「2分の1以上」です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の青色申告制度の要件と特典
タックスプランニング · 青色申告 / 青色申告特別控除 / 純損失の繰戻し
所得税における青色申告に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
青色申告は、一定水準の帳簿書類を備え付けて正確な所得計算を行う納税者に対し、青色申告特別控除や純損失の繰越し・繰戻し還付などの各種税法上の特典を認める制度です。対象となる所得は不動産所得・事業所得・山林所得の3種類に限られます。
解き方
- 青色申告の対象となる所得の種類(不動産・事業・山林)と事前の税務署長承認要件を確認します。
- 期限後申告における青色申告特別控除の適用可否(10万円控除は期限後でも適用可能)を判定します。
- 純損失の繰戻し還付の対象期間(前年1年分)および年途中での廃業時の適用関係を照合し、正誤を判断します。
- 選択肢 1正解
- 不動産所得、事業所得、山林所得を生ずべき業務を行う者が所轄税務署長の承認を受けた場合に青色申告書を提出できるため、本記述は適切です。
- 選択肢 2不正解
- 期限後申告となった場合、最高65万円の青色申告特別控除は受けられませんが、最高10万円の青色申告特別控除の適用は受けることができます。
- 選択肢 3不正解
- 青色申告者が純損失を生じた場合の繰戻し還付は、前年(1年前)分の所得税に繰り戻す制度であり、最長3年前までではありません。なお繰越控除は最長3年間可能です。
- 選択肢 4不正解
- 年の中途で事業を廃業した場合であっても、青色申告の承認の取消しや取りやめの手続きを行っていなければ、その年分の確定申告において青色申告の各種特典の適用を受けることができます。
覚えるポイント
- 青色申告の対象は不動産所得・事業所得・山林所得の3つであり、純損失の繰戻し還付は前年1年分、繰越控除は3年間です。
間違えやすいところ
- 最高65万円控除は期限内申告が必須ですが、最高10万円控除は期限後申告でも認められる点を見落としやすいです。
出題の前提:平成27年4月1日現在施行の所得税法
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税の計算構造・税額控除・納税手続
タックスプランニング · 法人税の仕組み / 所得税額控除 / 法人税の納税地 / 申告納期限
法人税の仕組みに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
法人税は、企業会計上の決算純利益に所定の申告調整(益金算入・損金算入等)を加減して算出した「各事業年度の所得の金額」に税率を乗じて算出します。受取利子等に係る既納の源泉徴収税額は所得税額控除として法人税額から直接控除されます。
解き方
- 法人税の課税標準が当期純利益ではなく税務上の所得金額である点を確認します。
- 利子所得等に対する源泉徴収税額が所得税額控除として法人税額から控除できる規定を確認します。
- 内国法人の納税地規定(本店または主たる事務所の所在地)と、確定申告書の提出および納期限(各事業年度終了の日の翌日から2か月以内)を照合します。
- 選択肢 1不正解
- 法人税額は決算上の当期純利益ではなく、益金の額から損金の額を控除した税務上の各事業年度の所得金額に税率を乗じて算出します。
- 選択肢 2正解
- 預金利子等を受け取る際に源泉徴収された所得税の額は、法人税の確定申告において所得税額控除として法人税額から控除することができます。
- 選択肢 3不正解
- 内国法人の法人税の納税地は、法令により原則としてその「本店又は主たる事務所の所在地」と定められており、代表者の住所地を任意に選択することはできません。
- 選択肢 4不正解
- 法人税は確定申告書の提出日の翌日からではなく、「各事業年度終了の日の翌日から2か月以内」に申告書を提出し、かつ納付しなければなりません。
覚えるポイント
- 内国法人の納税地は原則として本店または主たる事務所の所在地であり、申告・納期限は事業年度終了の翌日から2か月以内です。
間違えやすいところ
- 会計上の「当期純利益」と税務上の「所得金額」を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:平成27年4月1日現在施行の法人税法
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税における損金の取扱い
タックスプランニング · 法人税 / 損金不算入 / 減価償却費 / 役員給与
法人税における損金の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
法人税法における損金の額は、資本等取引以外の取引に係る売上原価、販売費・一般管理費、その他の損失等の額とされます。ただし、過大・恣意的な計上を防ぐため、減価償却費の償却超過額や役員への一定の給与などについては損金不算入の規定が設けられています。
解き方
- 各選択肢の費用項目(減価償却超過額、租税公課、定期同額給与、役員退職金)が法人税法上、損金算入されるか否かを確認する。
- 減価償却費は損金経理した金額のうち償却限度額までしか損金算入できず、超過額は損金不算入となるため、選択肢1が最も不適切であると判定する。
- 選択肢 1正解
- 法人が損金経理した減価償却費のうち、税法上の償却限度額を超える部分(償却超過額)は損金の額に算入されません(損金不算入となり翌期以降に認容されるまで繰り越されます)。よって不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 業務の用に供されている資産に対して課される固定資産税および都市計画税は、損金算入が認められる租税公課であるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 定期同額給与(不相当に高額な部分の金額などを除く)は、所定のルールに従って支給される役員給与として損金算入が認められるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 役員退職給与のうち不相当に高額な部分などを除いた適正な金額は、原則として株主総会の決議等により確定・支給した事業年度の損金の額に算入できるため適切です。
覚えるポイント
- 減価償却の償却超過額は損金不算入となり、翌期以後に限度額に余裕がある場合に損金認容されます。
- 固定資産税や印紙税、自動車税などは損金算入できる租税公課ですが、法人税や延滞税・罰金等は損金不算入です。
間違えやすいところ
- 減価償却費は会社が任意に計上した全額が無条件で損金算入されると誤認しやすいので、税法上の「限度額」がある点に注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
消費税の納税義務および簡易課税制度
タックスプランニング · 消費税 / 基準期間 / 非課税取引 / 簡易課税制度
消費税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
消費税は国内において事業者が対価を得て行う資産の譲渡等に課税されます。小規模事業者の事務負担を考慮し、基準期間(個人は前々年、1年決算法人は前々事業年度)における課税売上高が1,000万円以下であれば原則として免税事業者となります。また、簡易課税制度などの特例が設けられています。
解き方
- 各選択肢の記述内容(住宅の販売の課税関係、基準期間の定義、簡易課税のみなし仕入れ率の決定要素、簡易課税選択後の拘束期間)を検討する。
- 個人事業者の基準期間が前々年、事業年度1年法人の基準期間が前々事業年度である選択肢2が法令通りの記述であり最も適切であると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 住宅の「貸付け(家賃)」は非課税取引ですが、事業者が行う住宅用建物の「販売」は消費税の課税取引となります(土地の販売は非課税)。よって不適切です。
- 選択肢 2正解
- 消費税の基準期間は、個人事業者はその年の前々年、事業年度が1年である法人はその事業年度の前々事業年度とされており、記述は適切です。
- 選択肢 3不正解
- 簡易課税制度のみなし仕入率は、従業員数ではなく「事業の区分(第1種事業〜第6種事業)」に応じて定められています。よって不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 簡易課税制度選択届出書を提出した事業者は、事業を廃止した場合等を除き、最低「2年間」は簡易課税制度を継続して適用しなければなりません(3年間ではありません)。よって不適切です。
覚えるポイント
- 消費税の基準期間:個人事業者は前々年、事業年度1年の法人は前々事業年度。
- 簡易課税の継続適用期間は「2年間」であり、みなし仕入率は業種区分(第1種〜第6種)によって決まります。
間違えやすいところ
- 住宅の貸付け(非課税)と住宅用建物の売買(課税)を混同しないように区別する必要があります。
- 簡易課税の2年縛りを3年と記憶違いしやすいので正確に覚えます。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産登記の記録内容と効力
不動産 · 不動産登記 / 権利部 / 公信力の有無 / 家屋番号
不動産の登記制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
不動産登記は不動産の物理的状況と権利関係を公示する制度ですが、登記には公信力がないため登記記録を過信しても保護されない場合があります。また、登記記録上の地番や家屋番号と日常生活で用いられる住居表示は別の体系です。
解き方
- 登記記録の構成(表題部、権利部甲区・乙区)と記載事項のルールを確認する。
- 地番・家屋番号と市町村が定める住居表示の違い、および不動産登記に公信力がない原則を適用して誤りを見つける。
- 選択肢 1不正解
- 登記記録の権利部は甲区と乙区に分かれており、所有権に関する事項は甲区、抵当権や地上権など所有権以外の権利に関する事項は乙区に記録されます。
- 選択肢 2不正解
- 区分建物(分譲マンション)の専有部分の登記記録上の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた「内法面積」で表示されます。なお、建築基準法やパンフレット等では壁芯面積が用いられることが多い点と区別が必要です。
- 選択肢 3正解
- 家屋番号は登記所が建物ごとに付する固有の番号であり、市区町村が住居表示に関する法律に基づいて定めた住居表示(街区符号・住居番号)とは一致しないのが通例です。
- 選択肢 4不正解
- 日本の不動産登記には公信力(登記内容を信じて取引した者を保護する効力)が認められていないため、登記を信じて取引を行っても真の権利者に対抗できない場合があります。
覚えるポイント
- 不動産の登記記録には公信力がないため、真の権利者から権利を奪うことはできない点に注意する。
- 区分建物の登記記録上の床面積は内法(うちのり)面積で計算・記載される。
間違えやすいところ
- 不動産の地番・家屋番号と住民票等で用いられる住居表示を同一のものと混同しやすいので注意が必要である。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の不動産登記法および関連法令
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産売買契約の成立と解除等の留意点
不動産 · 未成年者の法律行為 / 解約手付 / 債務不履行解除 / 瑕疵担保責任
民法に基づく不動産の売買契約上の留意点に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
民法では制限行為能力者保護の観点から未成年者の法律行為の取消権を認めています。また、手付による契約解除、債務不履行(履行不能)時の無催告解除、目的物の瑕疵担保責任の期間制限など、契約各局面の基本規定を整理することが重要です。
解き方
- 未成年者が法定代理人の同意なく単独で行った契約の効力(取消しの可否)を確認する。
- 手付解除の要件(履行着手前、放棄または倍額償還)、履行不能時の催告不要ルール、瑕疵担保責任の行使期間の各選択肢を照合する。
- 選択肢 1正解
- 未成年者(婚姻により成年に達したとみなされる者を除く)が法定代理人の同意を得ずに締結した売買契約は、法定代理人(または未成年者本人)が取り消すことができます。
- 選択肢 2不正解
- 解約手付が交付された場合、契約の相手方が履行に着手する前であれば、買主は手付を放棄し、売主は手付の倍額を現実に提供(償還)することで契約を任意解除できます。
- 選択肢 3不正解
- 債務者の責めに帰すべき事由により債務の全部の履行が不能となったときは、債権者は催告をすることなく直ちに契約の解除をすることができます。
- 選択肢 4不正解
- 売買の目的物に隠れた瑕疵がある場合、善意無過失の買主による契約解除や損害賠償請求は、瑕疵を知った時から1年以内に行使しなければなりません。
覚えるポイント
- 未成年者の同意なき契約は取り消しが可能(単に権利を得る行為等を除く)。
- 解約手付による解除は「相手方」が履行に着手するまで可能である。
間違えやすいところ
- 手付解除において「自分が着手するまで」ではなく「相手方が着手するまで」である点を取り違えないように注意する。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法(借地権)
不動産 · 借地借家法 / 普通借地権 / 事業用定期借地権等 / 一般定期借地権 / 対抗要件
借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、同法第22条の借地権を一般定期借地権といい、同法第22条から第24条の定期借地権等以外の借地権を普通借地権という。
解答・解説を表示
解答
2
解説
借地借家法において、普通借地権の存続期間は当初最短30年とされ、合意によりそれより長い期間(例えば70年)を定めることが可能です。一方、事業用定期借地権等は「専ら事業の用に供する建物」の所有を目的とするため、居住用建物には設定できません。また、借地権の対抗要件は借地権自体の登記のほか、借地上の借地権者名義の建物登記でも認められます。
解き方
- 普通借地権の存続期間に関する規定(最低30年、上限の制限なし)を確認する。
- 事業用定期借地権等の設定目的(専ら事業用、居住用は不可)を確認する。
- 一般定期借地権の設定方式(書面による契約)および借地権の対抗要件(借地借家法第10条)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 普通借地権の存続期間は当初最短30年と規定されていますが、これより長い期間を定めることは制限されておらず、70年と定めることも有効です。
- 選択肢 2正解
- 事業用定期借地権等は、専ら事業の用に供する建物の所有を目的とする必要があり、居住の用に供する建物(賃貸マンションや社宅等を含む)を目的として設定することはできません。
- 選択肢 3不正解
- 一般定期借地権において、契約の更新がないこと等を定める特約は、公正証書による等書面によってしなければならないと定められています。
- 選択肢 4不正解
- 借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者名義の登記がある建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができます。
覚えるポイント
- 事業用定期借地権等は専ら事業用建物の所有が目的であり居住用は不可(賃貸マンション・社宅も不可)。
- 普通借地権の存続期間は30年以上で上限なし。
間違えやすいところ
- 賃貸マンションは事業(賃貸事業)であっても建物の用途自体が居住用であるため、事業用定期借地権等を設定できない点に注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令(借地借家法)
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法(借家契約)
不動産 · 借地借家法 / 建物賃貸借 / 借賃増減請求権 / 造作買取請求権 / 対抗要件
借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、借地借家法における定期建物賃貸借契約以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。
解答・解説を表示
解答
1
解説
借地借家法の建物賃貸借規定は、一時使用のために設定されたことが明らかな場合を除き、建物の用途(居住用・事業用・倉庫・店舗等)を問わず適用されます。また、一定期間借賃を増額しない特約(不増額特約)や、造作買取請求権を排除する特約(任意規定)は有効であり、建物の引渡しがあれば賃借権登記がなくとも新所有者に対抗できます。
解き方
- 借地借家法の建物賃貸借の適用範囲(建物の用途による制限の有無)を確認する。
- 借賃不増額特約の効力(有効性)を確認する。
- 造作買取請求権の特約による排除の可否を確認する。
- 建物の引渡しによる対抗力の有無(借地借家法第31条)を確認する。
- 選択肢 1正解
- 借地借家法の建物賃貸借規定は、居住用建物のみならず、店舗や事務所、倉庫などの事業用建物の賃貸借にも適用されます。
- 選択肢 2不正解
- 一定の期間、借賃を増額しない旨の特約(不増額特約)がある場合にはその定めに従うものとされており、有効です。
- 選択肢 3不正解
- 造作買取請求権に関する規定は任意規定であるため、当事者の合意により造作買取りを請求しない旨の特約を定めた場合、その特約は有効です。
- 選択肢 4不正解
- 建物の賃貸借は、登記がなくても建物の引渡しがあったときは、その後に建物の所有権を取得した第三者に対抗することができます。
覚えるポイント
- 建物の賃貸借には用途の制限がなく、事業用(店舗・事務所等)でも借地借家法が適用される。
- 造作買取請求権を排除する特約は有効(任意規定)。
- 建物の引渡しを受けることで第三者に対抗できる。
間違えやすいところ
- 事業用定期「借地」権は事業用に限定されるが、建物賃貸借(借家)については居住用でも事業用でも広く借地借家法が適用される点と混同しないよう注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令(借地借家法)
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法の規定(接道義務・用途制限・容積率・建ぺい率)
不動産 · 建築基準法 / 接道義務 / 建ぺい率の緩和 / 容積率の制限 / 斜線・高さ制限
都市計画区域および準都市計画区域内における建築基準法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
建築基準法では、良好な市街地環境や防災性を確保するために、敷地と道路の関係、建ぺい率や容積率、建築物の高さに関する制限が詳細に定められています。緩和措置が適用される対象(建ぺい率なのか容積率なのか)を正確に識別することが重要です。
解き方
- 接道義務(原則2m以上接道)の規定を確認し、選択肢1の正誤を判定する。
- 防火地域内で耐火建築物を建築する際の緩和対象が建ぺい率のみであり容積率は対象外であることを確認し、選択肢2の誤りを見出す。
- 前面道路幅員が12m未満の場合の容積率制限ルール(低制限適用)を確認し、選択肢3を判定する。
- 低層住居専用地域における絶対的高さ制限(10mまたは12m)を確認し、選択肢4を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 建築物の敷地は、原則として建築基準法上の道路に2m以上接していなければならないという接道義務があります。
- 選択肢 2正解
- 防火地域内に耐火建築物を建築する場合に緩和(10%加算等)されるのは建ぺい率であり、容積率の緩和はありません。
- 選択肢 3不正解
- 前面道路幅員が12m未満の場合、前面道路幅員に所定の数値を乗じた容積率と指定容積率のいずれか小さい方が上限となります。
- 選択肢 4不正解
- 第一種・第二種低層住居専用地域内では、建築物の高さは都市計画で定められた10mまたは12mの限度を超えてはなりません。
覚えるポイント
- 防火地域内の耐火建築物で緩和されるのは建ぺい率であり、容積率は緩和されない点。
間違えやすいところ
- 防火地域や角地の緩和措置を容積率の緩和と混同してしまう誤りに注意する。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の建築基準法
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建物の区分所有等に関する法律(管理・共用部分・建替え)
不動産 · 区分所有法 / 敷地利用権の分離処分禁止 / 規約共用部分 / 建替え決議 / 管理者の選任・解任
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)では、区分所有建物における権利関係(専有部分と敷地利用権の一体性など)や集会での意思決定ルール、管理者の設置方法などを定めています。任意規定として「規約で別段の定めができる」事項と、強行規定として排除できない事項の区別が重要です。
解き方
- 専有部分と敷地利用権の分離処分の原則禁止(規約で別段の定め可)を確認する。
- 規約共用部分の第三者対抗要件(登記が必要)を確認する。
- 建替え決議の要件が区分所有者および議決権の各5分の4以上である点を確認する。
- 管理者の選任・解任方法について、集会決議が原則であるものの「規約で別段の定めができる」ことを根拠に選択肢4を不適切と判定する。
- 選択肢 1不正解
- 敷地利用権が数人で有する所有権等の場合、規約に別段の定めがあるときを除き、専有部分と敷地利用権を分離して処分することはできません。
- 選択肢 2不正解
- 規約共用部分は本来専有部分となり得る構造の建物部分であるため、その旨の登記をしなければ第三者に対抗できません。
- 選択肢 3不正解
- 建替え決議は、集会において区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数による賛成が必要です。
- 選択肢 4正解
- 管理者の選任および解任は集会の決議によるのが原則ですが、規約で別段の定め(別段の方法)をすることが認められています。
覚えるポイント
- 区分所有法における管理者の選任・解任は、集会決議のほか規約で別段の定めが可能。
間違えやすいところ
- 建替え決議の要件(5分の4以上)と特別決議(4分の3以上)の要件を混同しないようにする。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の建物の区分所有等に関する法律
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の取得に係る税金(不動産取得税・登録免許税)
不動産 · 不動産取得税 / 登録免許税
不動産の取得に係る税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
不動産を取得した際には地方税である不動産取得税および国税である登録免許税が課されます。それぞれの税率、軽減特例の要件や控除額、課税標準の算定基準を正確に整理して覚える必要があります。
解き方
- 不動産取得税の税率特例(本則4%から土地・住宅は3%に軽減)および新築住宅の課税標準控除額(原則1,200万円)を確認します。
- 登録免許税における相続による所有権移転登記の税率(0.4%)および抵当権設定登記の課税標準(債権金額)を確認し、各選択肢の正誤を判断します。
- 選択肢 1不正解
- 不動産取得税の標準税率は本則4%ですが、特例措置により土地および住宅の取得については3%に軽減されています。
- 選択肢 2正解
- 特例適用要件を満たす新築住宅を取得した場合、課税標準から控除される額は一戸につき最高1,200万円(認定長期優良住宅等の特例では最高1,300万円)であり、1,500万円ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 相続による不動産の所有権移転登記に係る登録免許税の税率は、固定資産税評価額(課税標準)の1,000分の4(0.4%)です。
- 選択肢 4不正解
- 抵当権の設定登記に係る登録免許税の課税標準は、担保する債権金額(借入金額など)となります。税率は原則1,000分の4です。
覚えるポイント
- 新築住宅の不動産取得税の課税標準の控除限度額は一戸あたり原則1,200万円です。
- 相続による所有権移転登記の登録免許税率は0.4%(1,000分の4)です。
間違えやすいところ
- 新築住宅の固定資産税の減額措置(床面積要件や減額期間)と不動産取得税の控除額(1,200万円)を混同しないようにしましょう。
- 所有権移転登記の課税標準は固定資産税評価額ですが、抵当権設定登記の課税標準は債権金額である点に注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
固定資産の交換の特例の適用要件
不動産 · 固定資産の交換の特例 / 譲渡所得
所得税における固定資産の交換の特例(以下「本特例」という)の適用要件に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
所得税法における固定資産の交換の特例は、個人が1年以上所有していた固定資産を同種の固定資産と交換し、同一の用途に供する場合に、交換差金等を除いて譲渡所得の課税を繰り延べることができる制度です。
解き方
- 固定資産の交換特例の要件(所有期間1年以上、同一種類の固定資産同士の交換、同一用途への供用)を整理します。
- 土地と借地権は同種の資産として扱われ交換の対象になること、および交換差金が時価の高い方の20%以内である必要があることを確認して誤りを選択します。
- 選択肢 1不正解
- 交換譲渡資産および交換取得資産は、いずれもそれぞれの所有者により1年以上所有されていた固定資産でなければなりません。
- 選択肢 2正解
- 借地権は土地の上に存する権利として土地と同種の資産として扱われるため、土地と借地権の交換であっても本特例の適用を受けることができます。
- 選択肢 3不正解
- 双方が固定資産である必要があり、相手方が販売目的で所有している土地(棚卸資産)を取得資産とする交換では本特例の適用を受けることはできません。
- 選択肢 4不正解
- 交換譲渡資産の時価と交換取得資産の時価との差額(交換差金等)は、いずれか高い方の価額の20%以内でなければ特例の適用は受けられません。
覚えるポイント
- 土地と借地権は同種資産とみなされるため交換特例の対象になります。
- 交換差金は時価の高い方の20%以内でなければ特例全体が適用不可になります。
間違えやすいところ
- 交換相手の資産が棚卸資産(不動産業者の販売用物件など)である場合は特例が使えない点を見落としやすいです。
- 所有期間要件は譲渡資産だけでなく取得資産についても1年以上必要である点に注意しましょう。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
土地有効活用手法の比較と特徴
不動産 · 不動産の有効活用 / 自己建設方式 / 事業受託方式 / 等価交換方式 / 定期借地権方式
Aさんは、所有する土地に貸しビルを建設することを検討している。土地の有効活用の手法の一般的な特徴についてまとめた下表の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 [表] 有効活用の手法 / 土地売却(交換)の有無 / 事業推進主体 / 建設資金のAさんの負担の要否 自己建設方式 / なし / Aさん / 必要 事業受託方式 / ( ア ) / デベロッパー / 必要 等価交換方式 / あり / ( イ ) / 不要 定期借地権方式 / なし / 借地人 / ( ウ )
解答・解説を表示
解答
4
解説
土地の有効活用には、土地所有者が資金を調達して自ら行う方式のほか、専門業者(デベロッパー)に企画・管理・建設等を委託する方式、土地と建物を等価で交換する方式、土地を貸し出して借地人に建物を建てさせる方式などがあり、土地の所有権の帰属、事業推進の主体、建設資金の負担者がそれぞれ異なります。
解き方
- 事業受託方式の特徴を確認する:土地所有者が土地を保有したまま、企画から建設・管理・運営までをデベロッパーに委託する方式であり、土地の売却・交換はないため、(ア)には「なし」が入る。
- 等価交換方式の特徴を確認する:土地所有者が土地を提供し、デベロッパーが事業推進主体となって建物を建設し、それぞれの出資割合に応じて土地・建物を区分所有するため、(イ)には「デベロッパー」が入る。
- 定期借地権方式の特徴を確認する:土地を第三者に一定期間貸し付け、借地人自らが資金を投じて建物を建設するため、土地所有者の資金負担は「不要」であり、(ウ)には「不要」が入る。
- 選択肢 1不正解
- 事業受託方式において土地の売却・交換はなく、定期借地権方式において土地所有者の建設資金負担は不要であるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 事業受託方式において土地の売却・交換はなく、等価交換方式における事業推進主体はデベロッパーであるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 等価交換方式における事業推進主体はデベロッパーであり、定期借地権方式において土地所有者の建設資金負担は不要であるため不適切です。
- 選択肢 4正解
- (ア)が「なし」、(イ)が「デベロッパー」、(ウ)が「不要」とする組み合わせは、各有効活用方式の特徴を正しく表しています。
覚えるポイント
- 等価交換方式は土地所有者の資金負担が不要で、土地の一部と建物の区分所有権を交換する。
- 事業受託方式は土地を売却せず所有したまま、企画・建設をデベロッパーに委託し、資金は土地所有者が負担する。
間違えやすいところ
- 事業受託方式と等価交換方式における建設資金の負担者を取り違えてしまうミスに注意する。
- 定期借地権方式で建物を建てるのは借地人であり、土地所有者が建設資金を用意する必要はない点を混同しない。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の投資判断手法(NPV法・IRR法・レバレッジ効果等)
不動産 · デュー・デリジェンス / レバレッジ効果 / 内部収益率法(IRR) / 正味現在価値法(NPV)
不動産の投資判断手法等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
不動産投資の採算性評価において、正味現在価値(NPV)は将来生み出されるキャッシュフローの現在価値合計から初期投資額の現在価値を差し引いて算出され、NPVがゼロより大きい場合に投資適格と判定されます。また、内部収益率(IRR)はNPVをゼロにする割引率であり、投資家の期待収益率(ハードルレート)を上回る場合に有利と判断されます。
解き方
- デュー・デリジェンスおよびレバレッジ効果の定義を確認し、選択肢1と2が正しい記述であることを確かめる。
- IRR法の判断基準を確認し、内部収益率が期待収益率を上回る場合に有利と判定するため、選択肢3が正しい記述であることを確かめる。
- NPV法の判断基準を確認し、収益の現在価値が投資額の現在価値を上回る(NPV > 0)場合に有利と判定されるのに対し、選択肢4は「投資額が収益を上回る場合」と逆の記述になっているため不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- デュー・デリジェンスは、投資対象不動産の権利関係、法令制限、建物の状態、収益性などについて多面的に行う詳細な調査を指すため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 不動産の収益率(総資本利益率)が借入金利を上回っている場合、借入金を利用することで自己資金に対する収益率(自己資本利益率)が高まるレバレッジ効果が働くため適切です。
- 選択肢 3不正解
- IRR法では、算出された内部収益率が投資家の要求する期待収益率(ハードルレート)を上回っていれば、採算性が高く有利な投資と判定されるため適切です。
- 選択肢 4正解
- NPV法では、収益の現在価値合計が投資額の現在価値合計を上回っている場合(正味現在価値が正の場合)に有利と判断するため、逆の記述をしている本肢は不適切です。
覚えるポイント
- NPV法:収益の現在価値合計 > 投資額の現在価値合計(NPV > 0)なら有利。
- IRR法:内部収益率 > 期待収益率(要求利回り)なら有利。
間違えやすいところ
- NPVの計算式(収益の現在価値合計 - 投資額の現在価値合計)における引き算の順序を逆にしてしまうミスに注意する。
- 正味現在価値法(NPV法)と内部収益率法(IRR法)の判定基準を混同しないように整理しておく。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の配偶者控除と基礎控除
相続・事業承継 · 贈与税の配偶者控除 / 贈与税の基礎控除 / 贈与税の課税価格
平成27年8月に夫から「居住用家屋とその敷地(相続税評価額1,900万円)」および「株式(相続税評価額300万円)」の贈与を受けた妻が贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合、平成27年分の贈与税の課税価格から控除することができる金額(基礎控除額と配偶者控除額との合計額)として、最も適切なものはどれか。なお、妻は同年中にこれら以外の贈与は受けておらず、納付すべき贈与税額が最も少なくなるように計算するものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)は、婚姻期間が20年以上の配偶者から居住用不動産またはそれを取得するための金銭の贈与を受けた場合に、最高2,000万円まで配偶者控除として課税価格から控除できる特例です。ただし、居住用不動産等以外の財産(株式など)には配偶者控除は適用できず、対象財産の価額が限度額未満の場合はその価額が控除限度となります。また、暦年課税の基礎控除額(110万円)は配偶者控除と重複して適用することができます。
解き方
- 贈与財産のうち配偶者控除の対象となる財産を判別する。居住用家屋とその敷地(1,900万円)は対象ですが、株式(300万円)は対象外です。
- 配偶者控除額を算定する。控除限度額は最高2,000万円ですが、対象財産の価額が1,900万円であるため、配偶者控除額は1,900万円となります。
- 暦年課税の基礎控除額110万円を加算する。配偶者控除額1,900万円+基礎控除額110万円=2,010万円となり、これが控除合計額となります。
- 選択肢 1不正解
- 1,900万円は配偶者控除額のみを計算した金額であり、基礎控除額110万円が加算されていないため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 配偶者控除の法定限度額は2,000万円ですが、対象となる居住用不動産の価額が1,900万円であるため配偶者控除は1,900万円にとどまり、基礎控除と合わせても2,000万円にはならないため不適切です。
- 選択肢 3正解
- 配偶者控除額1,900万円(居住用不動産の評価額全額)と基礎控除額110万円を合算した2,010万円が控除できるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 配偶者控除の最高限度額2,000万円と基礎控除110万円を単純合算した2,110万円となっていますが、本問の配偶者控除対象財産は1,900万円であるため不適切です。
覚えるポイント
- 贈与税の配偶者控除の限度額は最高2,000万円であり、基礎控除110万円と併用可能です。
間違えやすいところ
- 配偶者控除の対象外である株式等の財産評価額に配偶者控除枠を適用してしまう誤りに注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等(相続税法第21条の5、第21条の6)
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の申告と納付(連帯納付義務・延納)
相続・事業承継 · 贈与税の申告納付期限 / 延納 / 連帯納付義務
贈与税の納付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
贈与税は、原則として受贈者が翌年2月1日から3月15日までに申告・納付(金銭一括納付)を行います。納付が困難な一定の要件を満たした場合には延納(分割納付)が認められますが、物納制度はありません。また、受贈者が贈与税を納付しない場合、贈与を行った贈与者は、贈与した財産の価額を限度として連帯納付義務を負いますが、贈与者以外の配偶者や親族が連帯納付義務を負うことはありません。
解き方
- 贈与税の申告納付手続および延納の可否についての各肢の正誤を確認する。
- 連帯納付義務者の範囲を確認する。相続税法第34条により、贈与税の連帯納付義務を負うのは「財産を贈与した者(贈与者)」であり、受贈者の親族や配偶者であっても贈与者でない者に連帯納付義務は課されません。
- 肢4の記述が法律上の根拠のない誤りであることを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 受贈者は原則として贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに申告書を住所地の所轄税務署長に提出し、納付しなければならないため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 納期限までに金銭で一括納付することが困難などの要件を満たせば、最長5年間の延納(分割納付)が認められるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 贈与者は、受贈者のその年分の贈与税額のうち贈与財産に対応する部分について、贈与財産の価額を限度として連帯納付義務を負うため適切です。
- 選択肢 4正解
- 受贈者の配偶者であっても、自らが贈与者でない限り贈与税の連帯納付義務を負うことは一切ないため不適切です。
覚えるポイント
- 贈与税には延納(分割納付)制度はあるが、物納制度は存在しない点に注意しましょう。
間違えやすいところ
- 連帯納付義務を負うのは「贈与者」であり、受贈者の家族や配偶者には連帯納付義務は発生しません。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等(相続税法第28条、第33条、第34条、第38条)
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続人の判定と代襲相続の要件
相続・事業承継 · 代襲相続 / 相続放棄 / 相続欠格 / 相続人
被相続人Aさんの親族関係図に基づき、相続人および代襲相続に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
民法上、被相続人の子または兄弟姉妹が相続開始以前に死亡、相続欠格、または廃除によって相続権を失った場合、その者の子が代襲して相続人となります。一方で、相続放棄は初めから相続人とならなかったものとみなされるため代襲原因にはならず、配偶者や直系尊属にも代襲相続の制度はありません。
解き方
- 親族関係図における各人の続柄(配偶者、子、孫、直系尊属等)を確認する。
- 代襲相続が発生する原因(相続開始前の死亡、相続欠格、廃除)と発生しない事由(相続放棄)を照合して各選択肢の正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 相続の放棄をした者は初めから相続人とならなかったものとみなされるため、代襲相続は発生せず、Fさんは代襲相続人にはなれません。
- 選択肢 2正解
- 相続欠格は代襲相続の原因となるため、子が欠格事由により相続権を失った場合、その子(被相続人の孫)であるFさんが代襲して相続人となります。
- 選択肢 3不正解
- 代襲相続は被相続人の子または兄弟姉妹についてのみ認められる制度であり、配偶者であるBさんに代襲相続は認められません。
- 選択肢 4不正解
- 直系尊属には代襲相続の規定はなく、親が死亡している場合はより上の世代の直系尊属(祖父母等)が自己の固有の権利として相続人となります。
覚えるポイント
- 代襲相続の原因は「死亡」「欠格」「廃除」の3つであり、「相続放棄」では代襲相続しない。
間違えやすいところ
- 相続放棄をした場合にも代襲相続が発生すると混同しやすいため注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法における法定相続分の計算
相続・事業承継 · 法定相続分 / 養子の相続分 / 兄弟姉妹の相続分 / 代襲相続人の相続分
民法に規定する法定相続分に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
法定相続分は相続人の組み合わせにより定まります。配偶者と子では配偶者1/2・子1/2(複数子は均等)、配偶者と兄弟姉妹では配偶者3/4・兄弟姉妹1/4となります。実子と養子の法定相続分は同等であり、代襲相続人は被代襲者が受けるべきであった相続分をそのまま承継します。
解き方
- 各選択肢について、相続人の順位・構成を確認する。
- 民法が定める法定相続分の割合(配偶者・子・兄弟姉妹)および代襲相続の規定を適用して正しい記述を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 配偶者と子が相続人の場合、法定相続分は配偶者が2分の1、子が2分の1となり、子ども2人(長男・長女)は均等に分けるため各自4分の1となります。
- 選択肢 2不正解
- 普通養子縁組による養子は実子と同一の血族関係・身分を取得するため、法定相続分は実子と等しくそれぞれ2分の1となります。
- 選択肢 3不正解
- 配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合、配偶者の法定相続分は4分の3、兄弟姉妹(兄)の法定相続分は4分の1となります。
- 選択肢 4正解
- 被相続人の子が2人(長男・長女)の場合の各人の相続分は2分の1であり、代襲相続人である孫は被代襲者である長女の相続分2分の1を承継するため、長男と孫はそれぞれ2分の1となります。
覚えるポイント
- 実子と普通養子の相続分は同等、配偶者と兄弟姉妹の場合は配偶者3/4・兄弟姉妹1/4である。
間違えやすいところ
- 普通養子の法定相続分が実子の半分になると誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の納税義務者と課税対象財産の範囲
相続・事業承継 · 納税義務者 / 課税対象財産 / 相続時精算課税 / 人格のない社団
相続税の納税義務者に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
相続税の納税義務者は、財産を取得した人(受遺者や相続人)および被相続人の住所地や国籍により区分されます。財産取得時に日本国内に住所がある場合、国内外のすべての取得財産が課税対象となる無制限納税義務者となります。また、取得者が外国に住所を有していても被相続人が日本国内に住所を有していれば、原則として全世界の財産が課税対象となります。
解き方
- 財産取得者の住所地を確認し、日本国内に住所がある場合は原則として国内外すべての財産に相続税が課税されるルールを適用する。
- 被相続人の住所地や制度上の特例(相続時精算課税や人格のない社団のみなし課税規定)の要件を各選択肢と照らし合わせて正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- 日本国内に住所がある者が相続等により財産を取得した場合、国内財産のみならず国外財産を含むすべての財産が相続税の課税対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 被相続人が日本国内に住所を有している場合、財産を取得した人が外国居住・外国籍であっても、国内外のすべての財産が課税対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 特定贈与者の相続発生時に新たな相続財産を取得しなかった場合でも、過去に相続時精算課税を適用して取得した財産を相続税の課税価格に加算するため、相続税の納税義務者となることがあります。
- 選択肢 4不正解
- 代表者または管理人の定めのある人格のない社団等が遺贈により財産を取得した場合、個人とみなされて相続税の納税義務者となることがあります。
覚えるポイント
- 日本国内に住所がある財産取得者は、国内外を問わずすべての取得財産に対して相続税が課税されます。
間違えやすいところ
- 国内に所在する財産のみが課税対象となる制限納税義務者と、すべての内外財産が課税対象となる無制限納税義務者の要件を取り違えないように注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
みなし相続財産(生命保険金・退職手当金)の非課税限度額
相続・事業承継 · 生命保険金 / 退職手当金 / みなし相続財産 / 非課税限度額 / 法定相続人の数
被相続人の死亡により相続人が受け取る生命保険金および退職手当金の相続税の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
被相続人の死亡を契機に支払われる生命保険金や死亡退職手当金は、民法上の本来の相続財産ではありませんが、実質的な相続財産として相続税の課税対象(みなし相続財産)とされます。ただし、遺族の生活保障の観点から、それぞれ「500万円×法定相続人の数」までの非課税枠が設けられています。この非課税枠を適用できるのは相続人に限られ、相続を放棄した者は適用対象外となります。
解き方
- 生命保険金および死亡退職手当金のみなし相続財産における非課税限度額の算式(500万円×法定相続人の数)を確認する。
- 非課税限度額を計算する際の「法定相続人の数」における相続放棄の取扱い(放棄がなかったものとして計算)と、非課税規定の適用対象者(相続放棄者は適用不可)を確認して正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 死亡保険金の非課税限度額は、「500万円×法定相続人の数」の計算式により算出されます。
- 選択肢 2正解
- 死亡退職手当金の相続税の非課税限度額は、生命保険金と同様に「500万円×法定相続人の数」です。「普通給与の3年分相当額」は業務上の死亡に伴う弔慰金等の非課税基準と混同した誤った記述です。
- 選択肢 3不正解
- 非課税限度額の算定基礎となる法定相続人の数は、相続の放棄をした者がいても、その放棄がなかったものとして計算します。
- 選択肢 4不正解
- 生命保険金の非課税枠の適用を受けられるのは相続人のみであり、相続を放棄した者は適用を受けることができません。
覚えるポイント
- 死亡保険金・死亡退職手当金の非課税限度額はともに「500万円×法定相続人の数」です。
間違えやすいところ
- 弔慰金の非課税限度額(業務上の死亡は普通給与の3年分、業務外の死亡は半年分)と、死亡退職手当金の非課税限度額(500万円×法定相続人の数)を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の課税価格計算における債務控除の適用対象
相続・事業承継 · 債務控除 / 準確定申告 / 葬式費用 / 相続税の課税価格
日本国内に住所を有する被相続人の相続において、日本国内に住所がある相続人が負担した次の費用等のうち、相続税の課税価格の計算上、相続財産の価額から債務控除することができるものとして最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
1
解説
相続税の課税価格の計算において、被相続人が死亡時に負担すべきであった確実な債務や被相続人の葬式費用は、相続財産の価額から差し引く(債務控除する)ことができます。ただし、非課税財産の購入に伴う未払金、相続開始後に発生した遺産管理費用、法要等の葬式費用に該当しない費用は債務控除の対象外です。
解き方
- 各選択肢の費用が、被相続人の確実な既発生債務または法令で認められた葬式費用に該当するかを検証する。
- 被相続人の生前所得に対応する準確定申告の所得税額が公租公課として債務控除できることを確認し、正解を特定する。
- 選択肢 1正解
- 被相続人に係る準確定申告により納付した所得税額は、被相続人の死亡時に確定している公租公課として、債務控除の対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 墓地や霊園等の祭祀財産は相続税の非課税財産であるため、その購入に係る未払代金は債務控除の対象とすることができません。
- 選択肢 3不正解
- 遺言執行費用や遺産分割協議に要した費用は相続財産の管理・清算費用であり、被相続人自身の債務ではないため債務控除の対象になりません。
- 選択肢 4不正解
- 初七日や四十九日等の法要に要した費用、香典返しの費用等は、相続税法上の葬式費用には含まれないため、債務控除できません。
覚えるポイント
- 墓地等の非課税財産に係る未払金は債務控除できない点に注意する。
- 葬式費用に算入できるのは通夜・告別式・火葬・埋葬費用等であり、初七日・四十九日等の法要費用や香典返し費用は対象外である。
間違えやすいところ
- 遺言執行費用や裁判費用を被相続人の債務と誤認して控除対象に含めてしまうミスが多い。
- 準確定申告の納税義務は相続人にあるものの、性質としては被相続人の確定債務であることの取り違えに注意が必要。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等(相続税法第13条、第14条等)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
平成27年中に開始する相続における相続税額の計算要件
相続・事業承継 · 遺産に係る基礎控除額 / 相続税の速算表 / 未成年者控除 / 小規模宅地等の特例
平成27年中に開始する相続における相続税額の計算に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
3
解説
平成27年1月1日施行の税制改正により、相続税の遺産に係る基礎控除額が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」に引き下げられ、最高税率は55%(取得金額6億円超)となりました。また未成年者控除は年数1年につき10万円に引き上げられ、小規模宅地等の特定居住用宅地等の上限面積は330㎡に拡大されました。
解き方
- 平成27年1月1日以後に開始した相続に適用される各種規定(基礎控除額・税率・税額控除・小規模宅地特例)の改正内容を確認する。
- 選択肢3における未成年者控除の控除額が1年あたり10万円であることを見抜き、不適切であることを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 平成27年1月1日以後の相続における遺産に係る基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。
- 選択肢 2不正解
- 平成27年1月1日以後の相続税の速算表において、法定相続分に応じた取得金額が6億円を超える部分の最高税率は55%です。
- 選択肢 3正解
- 未成年者控除額は、その者が20歳に達するまでの年数1年(1年未満切上げ)につき「10万円」であり、記述の20万円は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 小規模宅地等の特例において、特定居住用宅地等の限度面積は330㎡まで拡大され、減額割合は80%となります。
覚えるポイント
- 平成27年1月1日改正:基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数。
- 平成27年改正当時の未成年者控除は「満20歳に達するまでの年数×10万円」(税制改正前は6万円)。
間違えやすいところ
- 未成年者控除と障害者控除(一般障害者は85歳まで1年につき10万円、特別障害者は20万円)の金額の混同に注意する。
- 特定居住用宅地等の上限面積(平成27年改正後は330㎡、改正前は240㎡)を混同しないようにする。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等(平成25年度税制改正により平成27年1月1日施行された相続税法等)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
土地の評価と相続税・贈与税の課税対策
不動産・相続 · 貸家建付地 / 宅地の評価単位 / 小規模宅地等の特例
土地の所有者の相続対策(相続税および贈与税の課税価格の低減)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
相続税の財産評価において、土地は利用区分ごとに評価されます。自己所有地であっても他人の権利(借地権・借家権)が付着している土地は自由な利用が制限されるため自用地よりも低く評価されます。一方で、贈与税には小規模宅地等の特例は適用されません。
解き方
- 貸宅地・自用地・貸家建付地の定義を確認し、青空駐車場や賃貸マンション敷地の該当区分を判断する。
- 宅地評価の単位は原則として登記の一筆単位ではなく一体利用される「一画地」単位であることを確認する。
- 小規模宅地等の特例は相続税のみの制度であり贈与税には適用できないことを確認し、正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 土地を青空駐車場(アスファルト舗装や砂利敷き等を含む)として貸し付けている場合、借地権の成立が認められないため貸宅地には該当せず「自用地」として評価されます。
- 選択肢 2不正解
- 宅地の評価は登記簿上の「一筆」ごとではなく、一体として利用されている「一画地」を単位として評価するため、分筆しても一体利用されている場合は一画地として評価されます。
- 選択肢 3正解
- 更地に自己所有の賃貸マンション等を建築して他人に賃貸している場合、その敷地は「貸家建付地」として評価され、借家権等の制限相当額が控除されるため評価額が下がります。
- 選択肢 4不正解
- 「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」は相続税の特例制度であるため、生前贈与による贈与税の計算には適用することができません。
覚えるポイント
- 貸家建付地評価額=自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
- 青空駐車場は自用地評価となること
- 宅地の評価は筆数ではなく一画地単位であること
間違えやすいところ
- 借地権割合が控除される「貸宅地(土地を貸して他人が家屋を所有)」と「貸家建付地(自己所有の敷地に自己の賃貸家屋を建築)」を混同すること
- 小規模宅地等の特例を贈与税でも使えると誤認すること
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
中小企業の事業承継対策
事業承継・相続 · 事業承継 / 自社株式の移転 / 経営権の確保
中小企業における円滑な事業承継のための方策に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
事業承継においては、相続税の負担軽減だけでなく、後継者が安定して会社を経営できるように自社株式(議決権)を後継者に集中させることが不可欠です。株式を第三者等に分散させると経営権が不安定になります。
解き方
- 事業承継における主要な目的(経営権の集中と安定、税務負担の軽減、後継者の育成・資金手当て)を確認する。
- 自社株式の大半を部外者である第三者に移転することに伴う経営上のリスク(支配権喪失等)を検討し、不適切な記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 相続開始後では選択肢が狭まるため、後継者の育成や自社株対策など長期的な計画を早期に立案・実行することが重要です。
- 選択肢 2不正解
- 後継者を早期に特定して社内外の関係者に周知し、経営者としての実務経験を積ませる育成期間を確保することが円滑な承継につながります。
- 選択肢 3正解
- 経営に関与しない第三者に自社株式を分散・移転させてしまうと、後継者の支配権が損なわれ会社の意思決定や経営の安定性に重大な悪影響を及ぼすため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 後継者が先代経営者から自社株式を買い取るなどの資金負担を考慮し、生前から役員報酬の増額等を通じて後継者の手元資金を蓄積させる方策は有効です。
覚えるポイント
- 事業承継では後継者への自社株式(議決権)の集中が経営権安定のために不可欠
- 税負担軽減のみを目的に株式を第三者へ分散させるのは経営上極めて危険
間違えやすいところ
- 相続税対策としての株式減額・分散と、会社法上の経営権確保の重要性のバランスを見落とすこと
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2015年9月 2級 学科
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2015年9月 2級 学科の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

