日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2015年5月 2級 実技 生保顧客資産相談業務の概要
公的年金の老齢給付(合算対象期間・繰下げ・特別支給の老齢厚生年金)
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 合算対象期間 / 支給繰下げ / 特別支給の老齢厚生年金
MさんがAさんに対して説明した公的年金制度の老齢給付に関する文章の空欄①~④に入る最も適切な語句を、語句群のイ~ヲのなかから選びなさい。 ⅰ)「Aさんおよび妻Bさんが大学生であった20歳から就職するまでの期間は,老齢基礎年金の受給資格期間に( ① )期間として算入されます」 ⅱ)「Aさんが65歳以後も学習塾を経営し,生活資金等に余裕がある場合,老齢基礎年金の支給開始を繰り下げることも検討に値します。仮に,支給開始年齢を70歳0カ月とした場合,老齢基礎年金の繰下げによる増額率は( ② )となります」 ⅲ)「厚生年金保険の被保険者期間が( ③ )以上あり,老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている方は,生年月日等に応じて65歳到達前に特別支給の老齢厚生年金を受給することができる場合があり,妻Bさんの場合,原則として( ④ )から報酬比例部分相当の特別支給の老齢厚生年金を受給することができます」
- イ
- 保険料全額免除
- ロ
- 保険料納付済
- ハ
- 合算対象
- ニ
- 30%
- ホ
- 42%
- へ
- 58%
- ト
- 1カ月
- チ
- 6カ月
- リ
- 1年
- ヌ
- 60歳
- ル
- 62歳
- ヲ
- 64歳
解答・解説を表示
解答
① ハ、② ホ、③ リ、④ ル
解説
公的年金制度の受給要件や年金額の計算においては、過去の制度改正による合算対象期間の取扱い、繰下げ受給に伴う所定の増額率計算、特別支給の老齢厚生年金の生年月日・性別ごとの支給開始年齢の区分を正確に把握しておく必要があります。
解き方
- 学生期間の未加入期間が受給資格期間において合算対象期間として扱われる点を確認する。
- 繰下げ受給の増額率(1カ月あたり0.7%)に繰下げ月数(60カ月)を乗じて増額率を算定する。
- 特別支給の老齢厚生年金の受給要件(厚生年金被保険者期間1年以上)を確認する。
- 妻Bさんの性別および生年月日に基づき、特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ハ
- 昭和61年3月以前に学生であった期間など、国民年金への任意加入が認められていたものの加入していなかった期間は合算対象期間(カラ期間)として受給資格期間に算入されます。
- 小問 ②:ホ
- 老齢基礎年金の繰下げ増額率は「1カ月あたり0.7%」です。70歳0カ月まで繰り下げた月数は60カ月となるため、60カ月×0.7%=42%となります。
- 小問 ③:リ
- 特別支給の老齢厚生年金を受給するためには、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていることに加え、厚生年金保険の被保険者期間が「1年(12カ月)」以上あることが要件です。
- 小問 ④:ル
- 妻Bさんは昭和36年11月18日生まれの女性です。女性で昭和35年4月2日〜昭和37年4月1日生まれの者は、報酬比例部分が「62歳」から支給開始となります。
覚えるポイント
- 繰下げ増額率は月0.7%、女性の報酬比例部分は男性より5年遅れで引き上げられる。
間違えやすいところ
- 合算対象期間(カラ期間)は受給資格期間には算入されるが、年金額には反映されない点に注意する。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金制度全般(遺族厚生年金・中高齢寡婦加算・公的年金の課税・支払月)
ライフプランニングと資金計画 · 遺族厚生年金 / 中高齢寡婦加算 / 雑所得 / 年金の定期支払月
MさんがAさんに対して公的年金制度全般についてアドバイスした次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答しなさい。 ① 「仮に,現時点(平成27年5月24日)でAさんが亡くなった場合,妻Bさんは,所定の手続により遺族厚生年金を受給することができますが,その遺族厚生年金には中高齢寡婦加算額が加算されます」 ② 「Aさんが,原則として65歳から受給することができる老齢基礎年金および老齢厚生年金は,雑所得として所得税の課税対象となります」 ③ 「公的年金制度からの年金給付は,原則として,毎年2月,4月,6月,8月,10月,12月の6期に,それぞれの前月までの分が支払われます」
解答・解説を表示
解答
① ×、② ○、③ ○
解説
遺族厚生年金において中高齢寡婦加算が適用されるためには妻の年齢等の要件だけでなく、死亡した夫の厚生年金被保険者期間要件(被保険者中の死亡等の短期要件、または原則20年以上の被保険者期間を有する長期要件)を満たす必要があります。また、老齢給付の税務上の区分や偶数月の定期支払規定の基本事項も理解しておく必要があります。
解き方
- Aさんの死亡時における公的年金の加入状況から、被保険者期間が240月以上あるか確認して中高齢寡婦加算の可否を判断する。
- 公的年金から受給する老齢給付が税法上の雑所得に分類されるか確認する。
- 公的年金が毎年偶数月の6期にそれぞれ前月までの分が支払われる規定を確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- Aさんは現在厚生年金被保険者ではなく(個人事業主)、老齢厚生年金の受給資格期間満了による長期要件で死亡した場合の中高齢寡婦加算の適用には、夫の厚生年金被保険者期間が原則20年(240月)以上必要です。Aさんの厚生年金被保険者期間は186月のため中高齢寡婦加算は加算されません。
- 小問 ②:○
- 公的年金等として受給する老齢基礎年金および老齢厚生年金は、雑所得として所得税の課税対象となります(所定の公的年金等控除が適用されます)。
- 小問 ③:○
- 公的年金給付は、原則として偶数月(毎年2月、4月、6月、8月、10月、12月)の年6期に、それぞれの支払月の前月および前々月の2カ月分(それぞれの前月までの分)が支払われます。
覚えるポイント
- 長期要件による遺族厚生年金の中高齢寡婦加算は夫の厚生年金被保険者期間20年(240月)以上が必須である。
間違えやすいところ
- 現在被保険者でない者の死亡時は短期要件に該当しないため、被保険者期間20年以上の長期要件が必要となる点を見落としやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金の増額方法および各種共済制度
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金の任意加入 / 付加年金 / 中小企業退職金共済制度 / 小規模企業共済制度
個人事業主であるAさん(51歳)に対する老後の公的年金等の収入を増やす方法に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① Aさんは、老齢基礎年金の年金額を増やすことを目的に、60歳から65歳まで国民年金に5年間任意加入し続け、国民年金の保険料を納めることができる。 ② Aさんは、国民年金の定額保険料のほかに月額400円の国民年金の付加保険料を納付することにより、老齢基礎年金の受給時に、付加年金を受給することができる。 ③ Aさんは、自身の老後の年金収入を準備するために、中小企業退職金共済制度に加入することができる。加入して支払った掛金は、その全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除の対象となる。
解答・解説を表示
解答
① × ② ○ ③ ×
解説
国民年金の任意加入は受給資格期間の不足や480月の満額に満たない月数を補うための制度であり、満額に達すると資格を失います。また、個人事業主本人が加入できる共済と従業員を対象とする共済の違いを正確に区別して理解することが重要です。
解き方
- 設例の年金加入歴から60歳到達時点の保険料納付済月数の合計(186月+163月+103月=452月)を計算し、480月に達するまでの残月数(28月)を確認して①の適否を判断する。
- 第1号被保険者が任意で上乗せ納付できる付加保険料(月額400円)の要件と付加年金の仕組みを確認して②の適否を判定する。
- 中小企業退職金共済(中退共)制度の加入対象者が従業員であり個人事業主本人ではないことを確認して③の適否を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 国民年金の任意加入は、保険料納付済期間が満額の480月に満たない場合に60歳から65歳までの間に加入できます。Aさんの60歳時点の納付済期間見込みは452月(厚生年金186月+国民年金納付済163月+納付予定103月)であり、満額の480月まであと28月です。納付月数が480月に達した時点で任意加入被保険者の資格を喪失するため、5年間(60カ月)任意加入し続けることはできません。
- 小問 ②:○
- 国民年金第1号被保険者は、定額の保険料に加えて月額400円の付加保険料を納付することができます。付加保険料を納付すると、老齢基礎年金の受給時に「200円×付加保険料納付済月数」で計算された付加年金が終身で上乗せ支給されます。
- 小問 ③:×
- 中小企業退職金共済(中退共)制度は、中小企業の従業員を対象とした退職金制度であり、個人事業主本人や法人の役員は加入できません。個人事業主本人が自身の老後資金・退職金を準備する制度としては「小規模企業共済制度」があり、その掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となります。
覚えるポイント
- 付加年金の年金額は「200円×納付月数」で2年間受給すれば元が取れる。
- 中小企業退職金共済は従業員向け、小規模企業共済は事業主・役員向け。
間違えやすいところ
- 任意加入制度は60歳から65歳までの5年間誰でも加入し続けられると誤認しやすいが、納付済期間が480月に達した時点で終了する点に注意する。
- 個人事業主が加入できる共済を「小規模企業共済」ではなく「中小企業退職金共済」と混同しやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の公的年金関係法令および共済制度関係法令
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の給付金・税務および更新時の控除制度
リスク管理 · 特定疾病保障特約 / 疾病入院特約 / 家族定期保険特約と一時所得 / 生命保険料控除の新旧制度
Aさんが現在加入している定期保険特約付終身保険の保障内容および税務に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① 仮に、Aさんが、現時点で医師によって生まれて初めて胃がんと診断確定され、手術をしないで、継続して20日間入院した場合、Aさんが受け取ることになる給付金等の総額は220万円となる。 ② 仮に、妻Bさんが保険期間中に亡くなった場合、Aさんが受け取ることになる家族定期保険特約の死亡保険金300万円は、相続税の課税対象となる。 ③ 現在加入している生命保険の各種特約を平成27年8月に更新した場合、Aさんが平成27年中に支払った保険料は、全額が平成24年1月1日以後の新制度における生命保険料控除の対象となる。
解答・解説を表示
解答
① ○ ② × ③ ×
解説
生命保険の各種給付金の支払事由と、保険料負担者・被保険者・保険金受取人の関係による課税関係(所得税・相続税・贈与税)の判定、および平成24年導入の生命保険料控除新制度への移行ルールを正しく理解する必要があります。
解き方
- 特定疾病(がん)診断確定による特定疾病保険金200万円と、入院20日分の疾病入院給付金20万円を合算して①の受取額(220万円)を検証する。
- 家族定期保険特約の保険料負担者と受取人が同一人物(契約者Aさん)であることから、一時所得(所得税)に該当することを確認して②の適否を判断する。
- 年の中途(平成27年8月)で更新が行われた場合、更新前支払分は旧制度、更新後支払分は新制度が適用されるため、全額が新制度対象ではないことを確認して③の適否を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 生まれて初めてがんと診断確定されたことにより特定疾病保障定期保険特約から200万円が支払われ、20日間の入院により疾病入院特約から入院給付金20万円(日額1万円×20日)が支払われるため、合計額は220万円となります。
- 小問 ②:×
- 家族定期保険特約の被保険者は家族(妻Bさん)であり、保険金受取人は主契約の被保険者・保険契約者であるAさんとなります。保険料負担者であるAさん自身が保険金を受け取るため、相続税ではなく所得税(一時所得)および住民税の課税対象となります。
- 小問 ③:×
- 平成23年12月31日以前に締結した旧契約を平成27年8月に更新した場合、更新前(平成27年1月~7月)に支払った保険料は「旧制度」、更新後(平成27年8月~12月)に支払った保険料は「新制度」の対象となり、全額が新制度の対象となるわけではありません。
覚えるポイント
- 保険料負担者=受取人の死亡保険金は一時所得(所得税)。
- 旧契約を平成24年以降に更新・転換すると以後は新制度に移行するが、更新年中の更新前支払分は旧制度が適用される。
間違えやすいところ
- 妻の死亡による保険金受取であっても、受取人が被保険者と同一の被相続人ではない(保険料負担者=受取人)ため、相続税ではなく一時所得となる点を見落としやすい。
- 更新により契約全体が新制度に切り替わるものの、更新年に支払った保険料全額が遡って新制度になるわけではない点に注意する。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の所得税法および相続税法関係規定
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
後期高齢者医療制度と公的介護保険の概要
リスク管理 · 後期高齢者医療制度 / 公的介護保険 / 要介護認定
MさんがAさんに対して説明した公的医療保険および公的介護保険に関する次の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句を、語句群の中から選びなさい。 ⅰ)「高齢者の医療の確保に関する法律における後期高齢者医療制度の被保険者は、障害の状態にある場合等を除き、原則として( ① )以上が該当しますので、Aさんのお父さまは後期高齢者医療制度の被保険者となります。仮に、お父さまが病気となり、療養の給付を受ける場合、お父さまの年間収入は、100万円程度の公的年金のみとお伺いしていますので、一部負担金(自己負担額)の割合は、原則として( ② )となります」 ⅱ)「Aさんのお父さまは、公的介護保険における( ③ )被保険者となります。仮に、お父さまに介護等が必要な状態が生じた場合は、要介護者に該当することおよびその該当する要介護状態区分等について、( ④ )の認定(要介護認定)を受けなければなりません」
- イ
- 65歳
- ロ
- 70歳
- ハ
- 75歳
- ニ
- 1割
- ホ
- 2割
- へ
- 3割
- ト
- 第1号
- チ
- 第2号
- リ
- 第3号
- ヌ
- 後期高齢者医療広域連合
- ル
- 厚生労働大臣
- ヲ
- 市町村(特別区を含む)
解答・解説を表示
解答
① ハ、② ニ、③ ト、④ ヲ
解説
後期高齢者医療制度は原則75歳以上が対象で自己負担割合は原則1割です。公的介護保険は65歳以上が第1号被保険者となり、保険者である市町村(特別区を含む)から要介護認定を受けます。
解き方
- 実父(77歳)の後期高齢者医療制度の適用年齢(75歳以上)および年金収入100万円に基づく自己負担割合(原則1割)を確認する。
- 公的介護保険の被保険者区分(65歳以上は第1号被保険者)と、要介護認定の認定主体(市町村)を確認して該当記号を選ぶ。
- 選択肢 イ不正解
- 65歳は介護保険の第1号被保険者等の基準年齢であり、後期高齢者医療制度の原則的な加入年齢(75歳)ではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 70歳は前期高齢者の対象年齢基準であり、後期高齢者医療制度の対象年齢ではありません。
- 選択肢 ハ正解
- 後期高齢者医療制度の被保険者資格は、原則として75歳到達時に取得します。
- 選択肢 ニ正解
- 現役並み所得者に該当しない一般の被保険者の療養の給付等に係る一部負担割合は1割です。
- 選択肢 ホ不正解
- 当時の後期高齢者医療制度の一部負担割合の原則は1割(現役並み所得者は3割)です。
- 選択肢 へ不正解
- 3割負担となるのは、後期高齢者医療制度において現役並み所得者と判定された場合です。
- 選択肢 ト正解
- 公的介護保険において、市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者は第1号被保険者となります。
- 選択肢 チ不正解
- 第2号被保険者は、40歳以上65歳未満の公的医療保険加入者です。
- 選択肢 リ不正解
- 公的介護保険には第3号被保険者という区分は存在しません(国民年金の被保険者区分との混同)。
- 選択肢 ヌ不正解
- 後期高齢者医療広域連合は後期高齢者医療制度の運営主体であり、介護保険の要介護認定を行う主体ではありません。
- 選択肢 ル不正解
- 厚生労働大臣は要介護認定の判定・認定を行う主体ではありません。
- 選択肢 ヲ正解
- 介護保険の保険者は市町村および特別区であり、要介護認定・要支援認定は市町村(特別区を含む)が行います。
答えの内訳
- ①:ハ
- 後期高齢者医療制度の被保険者は、原則として75歳以上の者、または65歳以上75歳未満で一定の障害認定を受けた者です。
- ②:ニ
- 後期高齢者医療制度の一部負担金の割合は、現役並み所得者(3割)を除き、原則として1割(法改正による一部2割導入前)となります。
- ③:ト
- 介護保険において、65歳以上の者は「第1号被保険者」、40歳以上65歳未満の医療保険加入者は「第2号被保険者」となります。
- ④:ヲ
- 介護保険の保険者は市町村(特別区を含む)であり、要介護認定や要支援認定は申請先の市町村等が行います。
覚えるポイント
- 後期高齢者医療制度の加入は原則75歳以上で、一般所得者の窓口負担は原則1割です。
- 介護保険は65歳以上が第1号被保険者で、要介護認定は保険者である市町村(特別区)が行います。
間違えやすいところ
- 後期高齢者医療の運営主体(都道府県ごとの広域連合)と、介護保険の保険者・認定主体(市町村)を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の高齢者医療確保法および介護保険法
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の見直し(先進医療特約・更新・クーリング・オフ)
リスク管理 · 先進医療 / 生命保険の更新 / クーリング・オフ制度
MさんがAさんに対して行った生命保険の見直しに関する次のアドバイスの正誤について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。 ① 「先進医療は,治療効果が期待される反面,費用は高額となるケースも多く,また,健康保険における先進医療に係る費用の一部負担金(自己負担額)の割合は3割となるため,先進医療の保障を準備することも検討してください」 ② 「現在加入している生命保険の保障内容を同額で更新した場合,更新後の保険料は上昇します。生命保険の見直しを考える際は,今後の収入や支出を十分に考慮したうえで,Aさんが支出可能な保険料の額を算出することも大切です」 ③ 「契約転換制度を利用して現在の保障内容を見直す際に,保険会社が指定した医師の診査を受けた場合,当該転換後契約はクーリング・オフ制度の対象となります」
解答・解説を表示
解答
① ×、② ○、③ ×
解説
先進医療の技術料は全額自己負担となります。また、生命保険の定期特約を同額で更新すると年齢上昇に伴い保険料は上がり、医師の診査を受けた契約はクーリング・オフの対象外となります。
解き方
- 記述①:先進医療に係る費用(技術料)に対する公的健康保険の給付関係(全額自己負担か一部負担金か)を判定する。
- 記述②:定期保険特約等の更新に伴う保険料再計算の仕組み(年齢上昇による保険料アップ)の妥当性を判定する。
- 記述③:クーリング・オフ制度の適用除外要件(保険会社指定の医師の診査を受けた場合)を確認し、正誤を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 先進医療に係る技術料は公的医療保険の対象外であり、全額自己負担(10割負担)となります。一部負担金の割合が3割となるのは、先進医療と併用して行われる通常の診察・検査・投薬等の基礎的部分です。
- 小問 ②:○
- 定期保険特約などを同額で更新する場合、更新時の被保険者の年齢に基づいて保険料が再計算されるため、通常、更新後の保険料は高くなります。
- 小問 ③:×
- 生命保険契約において、保険会社が指定した医師による診査を受けた場合は、クーリング・オフの適用対象外(除外事由)となります。
覚えるポイント
- 先進医療に係る技術料は公的医療保険の適用対象外で全額自己負担です。
- 保険会社指定の医師による診査を受けた場合はクーリング・オフ制度を利用できません。
間違えやすいところ
- 先進医療を受ける際、一般の診療・検査・入院料等は3割負担などの保険適用となりますが、先進医療技術料自体は10割負担(全額自己負担)である点を取り違えないよう注意しましょう。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の保険法・保険業法および厚生労働省関係告示
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
役員退職金に係る退職所得の金額の計算
タックスプランニング · 退職所得 / 退職所得控除額 / 役員退職金
Aさんが役員在任期間(勤続年数)18年6カ月で退任し、X社から役員退職金として5,000万円の支給を受けた。この役員退職金に係る退職所得の金額を、所定の手順・計算過程を示して求めなさい。なお、答えは万円単位とし、他に退職手当等による収入はなく、障害者となったことが直接の退職原因ではないものとする。
解答・解説を表示
解答
計算過程:役員在任期間18年6カ月を切り上げて勤続年数は19年となる。退職所得控除額=40万円×19年=760万円。退職所得の金額=(5,000万円-760万円)×1/2=2,120万円。答:2,120万円
解説
退職所得は他の所得と区分して分離課税され、退職所得控除額を控除した後の残額の2分の1に課税されます。勤続年数は1年未満の端数を切り上げて計算します。特定役員退職手当等(役員等勤続年数5年以下)でない通常の役員退職金には2分の1課税が適用されます。
解き方
- 役員在任期間18年6カ月の端数を切り上げて勤続年数を19年と判定する。
- 勤続年数20年以下の式に基づき、退職所得控除額を40万円×19年=760万円と算出する。
- 役員等勤続年数が5年超であるため、(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×1/2により退職所得の金額を算出する。
答えの内訳
- 計算過程:勤続年数:18年6カ月 → 19年(1年未満切上げ) 退職所得控除額:40万円×19年=760万円 退職所得の金額:(5,000万円-760万円)×1/2=2,120万円
- 勤続年数に1年未満の端数がある場合は切り上げて19年として計算します。勤続年数20年以下の退職所得控除額は40万円×勤続年数=760万円です。役員等勤続年数が5年を超えるため、通常の1/2課税を適用して退職所得を算出します。
- 答:2,120(万円)
- 収入金額5,000万円から控除額760万円を差し引き、2分の1を乗じることで2,120万円が求められます。
覚えるポイント
- 勤続年数20年以下の退職所得控除額は「40万円×勤続年数(最低80万円)」で計算する。
- 勤続年数の端数は「1日でもあれば1年に切り上げ」て計算する。
間違えやすいところ
- 役員退職金であっても役員等勤続年数が5年を超える場合は通常の2分の1課税が適用される点を見落とさないようにする。
- 端数期間(6カ月)を切り捨てて18年として計算してしまうミスに注意する。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の所得税法等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
長期平準定期保険の解約時の経理処理(仕訳)
リスク管理 · 法人契約の生命保険 / 長期平準定期保険 / 解約返戻金 / 経理処理
X社が契約している長期平準定期保険を役員退職金の支払いに充当するために解約した。提示された<条件>(解約時までの支払保険料総額5,040万円、配当金積立金10万円、解約返戻金4,600万円)に基づき、解約返戻金受取時の仕訳における空欄①~④に入る適切な語句または数値を群から選びなさい。
- イ
- 1,566
- ロ
- 2,016
- ハ
- 2,070
- ニ
- 2,300
- ホ
- 2,520
- へ
- 2,574
- ト
- 2,760
- チ
- 3,024
- リ
- 4,600
- ヌ
- 5,040
- ル
- 解約返戻金
- ヲ
- 雑損失
- ワ
- 雑収入
解答・解説を表示
解答
① リ、② ホ、③ ワ、④ ハ
解説
契約者および受取人が法人の長期平準定期保険では、保険料支払時に前半期間において保険料の2分の1を資産(前払保険料)に計上しています。解約時には計上済みの資産勘定(前払保険料・配当金積立金)を取り崩し、入金額(解約返戻金)との差額を益金(雑収入)または損金(雑損失)として計上します。
解き方
- 解約返戻金4,600万円を借方の現金・預金に計上する(①)。
- これまでに資産計上されていた前払保険料(支払保険料総額5,040万円の1/2である2,520万円)と配当金積立金10万円を貸方で取り崩す(②)。
- 受取額4,600万円と資産合計2,530万円との差額2,070万円を貸方に雑収入として計上する(③・④)。
小問ごとの答え
- 小問 ①:リ
- 解約により実際に法人口座等に受け入れた解約返戻金の金額4,600万円が入ります。
- 小問 ②:ホ
- 支払保険料総額5,040万円のうち資産計上されていた前払保険料相当額(5,040万円×1/2=2,520万円)を取り崩します。
- 小問 ③:ワ
- 受取額が取り崩した資産計上額合計を上回っているため、差額を貸方に「雑収入」として計上します。
- 小問 ④:ハ
- 受取額4,600万円から取り崩した資産合計(前払保険料2,520万円+配当金積立金10万円=2,530万円)を差し引いた差額2,070万円です。
覚えるポイント
- 長期平準定期保険(平成9年当時)の保険料は前半6割相当期間で「1/2資産計上・1/2損金算入」である。
- 解約時の経理処理では、受取額と資産計上額(前払保険料+配当金積立金)との差額を雑収入(益金)または雑損失(損金)とする。
間違えやすいところ
- 配当金積立金の取崩しを資産合計に含め忘れて差額を算出してしまうミスに注意する。
- 支払保険料全額を資産計上額と混同して計算してしまう誤りに注意する。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法人税法基本通達等の税務基準に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の生命保険の経理処理および活用法
リスク管理 · 法人契約の生命保険 / 役員退職金の現物支給 / 払済保険への変更 / 保険料の前納
長男Bさんは、契約者(=保険料負担者)および死亡保険金受取人をX社、被保険者を長男Bさんとする生命保険への加入を検討している。ファイナンシャル・プランナーのMさんが長男Bさんに対してアドバイスした次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ①「Bさんの役員退任時の退職金の支払に備えて終身保険に加入し、Bさんの退任時に、契約者をBさん、死亡保険金受取人をBさんの配偶者に名義変更することで、当該生命保険契約を退職金の一部として現物支給することができます」 ②「Bさんの死亡退職金や役員退任時の退職金の支払に備えて長期平準定期保険に加入した後、当該生命保険を払済終身保険に変更した場合、変更時点における資産計上額と解約返戻金相当額との差額を雑収入もしくは雑損失として経理処理することになります」 ③「Bさんが亡くなった場合のX社の事業保障資金の確保に備えて保険期間10年の定期保険に加入し、保険料を全期前納した場合、その保険料は、支払った年度において、全額がX社の損金の額に算入することになります」
解答・解説を表示
解答
①:○、②:○、③:×
解説
法人契約の生命保険では、役員退任時の名義変更による退職金現物支給が認められており、その評価額は名義変更時の解約返戻金相当額となります。また、保険料の払込を中止して払済保険に変更する場合、払済定期保険に変更したときは従前の資産計上額をそのまま据え置きますが、払済終身保険や払済養老保険に変更したときは、変更時の解約返戻金相当額を新たな資産として計上し、従前の資産計上額との差額を雑収入または雑損失として損益計上する経理処理を行います。さらに保険料の前納は将来の期間に対応する前払費用であるため、全額を支払年度の損金にすることはできません。
解き方
- 名義変更による退職金の現物支給の可否を確認し、適正な退職金限度額内であれば現物支給が可能であることを判断する。
- 払済保険への変更時の経理処理通達を確認し、払済定期保険(損益計上なし)と払済終身保険(解約返戻金相当額を資産計上し差額を損益計上)の違いを整理する。
- 保険料の全期前納について、支払時に全額損金算入できるか否か(期間対応により前払費用計上となる原則)を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 法人が役員を被保険者として加入している終身保険は、役員の退職時に名義変更(契約者を退職役員、受取人をその配偶者等に変更)することにより、解約返戻金相当額を退職金の一部として現物支給することができます。
- 小問 ②:○
- 法人が加入している定期保険等を「払済終身保険」や「払済養老保険」へ変更した場合、変更時の解約返戻金相当額を資産に計上し、それまでの資産計上額との差額を雑収入または雑損失として計上します。
- 小問 ③:×
- 定期保険の保険料を全期前納した場合、支払った全額を支払年度に損金算入することはできず、前納保険料は前払費用等として資産計上した上で、保険期間の経過に応じて損金算入します。
覚えるポイント
- 払済定期保険への変更では差額損益を計上せず既往の資産計上額を残すが、払済終身保険・払済養老保険への変更では解約返戻金相当額を計上し差額を雑損益とする。
間違えやすいところ
- 「払済定期保険に変更した場合に差額を雑収入・雑損失とする」のは誤りだが、「払済終身保険に変更した場合に差額を雑収入・雑損失とする」のは正しい処理である点を見落としやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(法人税法基本通達9-3-6の2等)
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅借入金等特別控除の適用要件
タックスプランニング · 住宅借入金等特別控除 / 償還期間要件 / 床面積要件 / 合計所得金額要件
住宅ローンを利用して新築マンションを取得した場合における、所得税の住宅借入金等特別控除(以下、「本控除」という)の適用要件に関する以下の文章の空欄①~③に入る最も適切な数値を、下記の〈数値群〉のイ~ルのなかから選び、その記号を解答しなさい。 本控除は、住宅ローン等を利用して自己の新築居住用マンションを取得した場合で、所定の要件を満たすとき、その取得に係る住宅ローン等の年末残高等を基に計算した金額を、居住の用に供した年分以後の控除対象期間中の各年分の所得税額から控除することができる税額控除である。 本控除の対象となる住宅ローン等とは、一定の要件を満たす借入金等で、償還期間または賦払期間が( ① )年以上の割賦償還の方法により返済等されるものが対象となっている。 本控除の適用を受けるためには、取得したマンションの専有部分の床面積が( ② )㎡以上であり、かつ、その2分の1以上に相当する部分がもっぱら自己の居住の用に供されるものでなければならない。 なお、本控除の適用を受けようとする者の合計所得金額が( ③ )万円を超える年分については、本控除の適用を受けることができない。 〈数値群〉 イ.7 ロ.10 ハ.15 ニ.20 ホ.30 へ.40 ト.50 チ.60 リ.1,000 ヌ.2,000 ル.3,000
- イ
- 7
- ロ
- 10
- ハ
- 15
- ニ
- 20
- ホ
- 30
- へ
- 40
- ト
- 50
- チ
- 60
- リ
- 1,000
- ヌ
- 2,000
- ル
- 3,000
解答・解説を表示
解答
①:ロ、②:ト、③:ル
解説
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は、個人が住宅ローン等を利用してマイホームの新築・取得または増改築等を行い、自己の居住の用に供した場合に受けられる税額控除です。控除を受けるためには、借入金の返済期間が10年以上であること、家屋の床面積が50㎡以上でその2分の1以上を居住用とすること、取得者の合計所得金額が3,000万円以下であることなどの諸要件を同時に満たす必要があります。
解き方
- 住宅ローン等の要件として、借入期間・償還期間が10年以上である基準を確認する。
- 家屋の要件として、登記簿上の専有床面積が50㎡以上かつ2分の1以上が自己居住用である基準を確認する。
- 適用を受ける納税者の所得制限要件として、合計所得金額が3,000万円以下(超える年分は不適用)である基準を確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ロ
- 住宅借入金等特別控除の対象となる借入金は、償還期間または賦払期間が10年以上の割賦償還の方法により返済されるものと定められています。
- 小問 ②:ト
- 住宅借入金等特別控除の適用を受けるための床面積要件は、登記簿上の専有部分の床面積が50㎡以上であり、その2分の1以上を自己の居住の用に供する必要があります。
- 小問 ③:ル
- 本控除の適用を受ける年分の合計所得金額が3,000万円を超える年分については、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができません。
覚えるポイント
- 住宅ローン控除の3大要件:償還期間10年以上、床面積50㎡以上(1/2以上居住)、合計所得金額3,000万円以下。
間違えやすいところ
- マンションの床面積要件(50㎡以上)はパンフレット等の壁芯面積ではなく、登記簿上の内法面積(専有部分の床面積)で判定する点に注意が必要です。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(租税特別措置法第41条)
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配偶者控除および扶養控除の適用要件
タックスプランニング · 配偶者控除 / 扶養控除 / 特定扶養親族 / 老人扶養親族
Aさんの平成26年分の所得税額の計算における配偶者控除および扶養控除の適用に関する次の記述①~③について、適切なものには○、不適切なものには×を選択しなさい。 ① 妻Bさんの平成26年分の合計所得金額は38万円を超えているため、Aさんは、妻Bさんを控除対象配偶者とする配偶者控除の適用を受けることができない。 ② 長男Cさんは、Aさんと生計を一にしており、かつ、19歳以上23歳未満であるため、Aさんの控除対象扶養親族(特定扶養親族)に該当する。 ③ 母Dさんは、65歳以上であり、かつ、Aさんと同居し、生計を一にしているため、Aさんは、母Dさんを老人扶養親族とする扶養控除(控除額58万円)の適用を受けることができる。
解答・解説を表示
解答
① × ② ○ ③ ×
解説
所得税の所得控除において、配偶者控除は合計所得金額38万円以下の生計を一にする配偶者が対象です。扶養控除は合計所得金額38万円以下の生計を一にする16歳以上の親族が対象で、19歳以上23歳未満は特定扶養親族(控除額63万円)、70歳以上は老人扶養親族(同居老親等58万円、それ以外48万円)と区分されます。
解き方
- 各親族の収入金額から所得控除等の計算基準となる合計所得金額を算出し、38万円以下であるか確認する。
- 判定年の12月31日時点の年齢を確認し、19歳以上23歳未満(特定扶養親族)や70歳以上(老人扶養親族)などの年齢区分に当てはめる。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 妻Bさんの収入はパート給与収入98万円のみであり、給与所得控除額65万円を差し引いた合計所得金額は33万円(38万円以下)となります。したがって配偶者控除の要件を満たすため、本記述は不適切です。
- 小問 ②:○
- 長男Cさんは給与収入40万円で合計所得金額が0円(38万円以下)であり、生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族であるため、特定扶養親族(控除額63万円)に該当します。
- 小問 ③:×
- 所得税法上の老人扶養親族は、その年の12月31日現在の年齢が70歳以上の控除対象扶養親族を指します。母Dさんは68歳であるため老人扶養親族には該当せず、一般の控除対象扶養親族(控除額38万円)となります。
覚えるポイント
- 老人扶養親族の年齢要件は「65歳以上」ではなく「70歳以上」である点に注意が必要です。
間違えやすいところ
- 公的年金等控除の最低額区分(65歳以上120万円)と、老人扶養親族の年齢判定(70歳以上)を混同しやすいです。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の税法および設例(平成26年分所得税)に基づく基準
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税額および税額控除の計算
タックスプランニング · 給与所得控除 / 生命保険料控除 / 課税総所得金額 / 所得税の税額計算 / 住宅借入金等特別控除
Aさんの平成26年分の所得税等の申告計算における下記の空欄①~④に入る最も適切な数値を求めなさい。 ・(a)総所得金額:( ① )円 ・生命保険料控除:( ② )円 ・(d)算出税額(cに対する所得税額):( ③ )円 ・(e)税額控除(住宅借入金等特別控除):( ④ )円
解答・解説を表示
解答
① 6,360,000 ② 50,000 ③ 396,500 ④ 200,000
解説
給与所得は給与収入から速算表に基づく給与所得控除を差し引いて求めます。所得控除合計を差し引いて求めた課税総所得金額に超過累進税率を適用して算出税額を計算し、最後に住宅借入金等特別控除などの税額控除を差し引きます。
解き方
- 給与収入金額から給与所得控除額を計算し、総所得金額(給与所得)を求める。
- 契約年月日に応じて新・旧制度を判定し、支払保険料に対応する生命保険料控除額を求める。
- 課税総所得金額に税率を乗じて控除額を差し引き、所得税の算出税額を計算する。
- 住宅ローン年末残高に適用控除率(1.0%)を乗じて住宅借入金等特別控除額を算出する。
答えの内訳
- ①:6,360,000
- 給与収入840万円に対する給与所得控除額は「840万円×10%+120万円=204万円」です。したがって給与所得(総所得金額)は「840万円-204万円=6,360,000円」となります。
- ②:50,000
- 平成22年4月契約であるため旧契約が適用されます。一般生命保険料の支払額は20万円であり、旧生命保険料控除の区分「10万円超」に該当するため、控除上限額である50,000円が控除額となります。
- ③:396,500
- 課税総所得金額(c)は「6,360,000円-2,240,000円=4,120,000円」です。所得税の速算表より「4,120,000円×20%-427,500円=396,500円」が算出税額となります。
- ④:200,000
- 平成26年7月入居の一般住宅における住宅借入金等特別控除額は、年末借入金残高(上限2,000万円または4,000万円等の一般限度額内)に控除率1.0%を乗じて計算するため、「2,000万円×1.0%=200,000円」となります。
覚えるポイント
- 平成23年12月31日以前に締結した旧生命保険料控除の上限額は所得税において各5万円(全体で最大10万円)です。
間違えやすいところ
- 課税総所得金額に対する所得税算出税額の計算において、速算表の控除額(427,500円)の減算ミスや計算違いに注意が必要です。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の税法および設例(平成26年分所得税)に基づく基準
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の配偶者控除の要件と控除額
相続・事業承継 · 贈与税の配偶者控除 / 基礎控除 / 婚姻期間要件 / 贈与税申告期限
妻Bさんは、Aさんから贈与を受ける予定の自宅(土地および建物)について贈与税の配偶者控除の適用を検討している。贈与税の配偶者控除に関する以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句を、語句群の中から選びなさい。 「夫婦間で居住用不動産の贈与が行われ、贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合、贈与税の課税価格から、基礎控除額( ① )のほかに、最高で( ② )を配偶者控除額として控除することができる。 贈与税の配偶者控除の適用を受けるための要件には、『贈与者との婚姻について、婚姻の届出があった日から贈与があった日までの期間が( ③ )以上あること』『原則として、贈与を受けた年の( ④ )までに贈与税の申告書を提出すること』などがある。」
- イ
- 38万円
- ロ
- 65万円
- ハ
- 110万円
- ニ
- 500万円
- ホ
- 1,000万円
- へ
- 1,500万円
- ト
- 2,000万円
- チ
- 2,500万円
- リ
- 5年
- ヌ
- 10年
- ル
- 20年
- ヲ
- 25年
- ワ
- 12月31日
- カ
- 翌年2月1日
- ヨ
- 翌年3月15日
解答・解説を表示
解答
① ハ、② ト、③ ル、④ ヨ
解説
贈与税の配偶者控除は、婚姻期間が20年以上の夫婦間で居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合に、基礎控除110万円とは別に最高2,000万円まで課税価格から控除できる制度です。税額が算出されない場合でも翌年3月15日までに申告書を提出することが適用要件となっています。
解き方
- 暦年贈与の基礎控除額(110万円)と配偶者控除の最高限度額(2,000万円)を確認する。
- 配偶者控除の適用要件である婚姻期間(20年以上)および申告期限(贈与年の翌年3月15日)を照合して語句を選択する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ハ
- 暦年課税における贈与税の基礎控除額は年間110万円です。配偶者控除とあわせて適用できます。
- 小問 ②:ト
- 贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)の最高限度額は2,000万円(基礎控除と合わせて最高2,110万円)です。
- 小問 ③:ル
- 婚姻期間の要件は、婚姻の届出があった日から贈与のあった日までの期間が20年以上であることです。
- 小問 ④:ヨ
- 贈与税の配偶者控除の適用を受けるためには、贈与税額が0円になる場合であっても、贈与を受けた年の翌年3月15日までに申告書を提出する必要があります。
覚えるポイント
- 贈与税の配偶者控除は婚姻期間20年以上、控除限度額最高2,000万円(基礎控除と併用で最高2,110万円まで非課税)。
- 税額がゼロとなる場合でも翌年3月15日までに贈与税申告書の提出が必須。
間違えやすいところ
- 税額が0円になる場合には確定申告が不要と誤解しやすいが、申告書の提出が適用要件である点に注意が必要。
- 婚姻期間の20年は、事実婚の期間を含まず法律婚(婚姻届出後)の期間でカウントする。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続時精算課税制度および教育資金一括贈与非課税特例の要件
相続・事業承継 · 相続時精算課税制度 / 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置 / 受贈者の年齢要件
Aさんが平成27年中に行う予定の贈与に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① 二男Dさんが贈与により取得する現金について、相続時精算課税の適用を受けた場合、翌年(平成28年分)以後のAさんからの贈与については、暦年課税に変更することができない。 ② 孫Eさんが贈与により取得する現金について、教育資金の非課税特例の適用を受けた場合、2,500万円を限度として贈与税が非課税とされる。 ③ 教育資金の非課税特例の適用を受ける場合の要件のひとつとして、受贈者の年齢は、贈与があった日において20歳未満でなければならない。
解答・解説を表示
解答
① ○、② ×、③ ×
解説
相続時精算課税制度は一度選択すると同一の贈与者からの贈与について暦年課税に戻すことができない撤回不能の制度です。また、祖父母等から孫等への教育資金の一括贈与の非課税特例は、受贈者が30歳未満であることを要件とし、受贈者1人あたり最高1,500万円まで非課税となります。
解き方
- 記述①について、相続時精算課税の選択後の暦年課税への変更可否(変更不可)を確認し、○と判定する。
- 記述②について、教育資金一括贈与非課税特例の非課税限度額(1,500万円)と照らし合わせ、2,500万円は誤りであるため×と判定する。
- 記述③について、教育資金一括贈与非課税特例の受贈者の年齢要件(30歳未満)と照らし合わせ、20歳未満は誤りであるため×と判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 相続時精算課税を選択した場合、その選択に係る贈与者からの贈与については、その後の年において暦年課税に変更することはできません。
- 小問 ②:×
- 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税特例において、受贈者1人あたりの非課税限度額は最高1,500万円(学校等以外に支払われるものは最高500万円)です。
- 小問 ③:×
- 教育資金の非課税特例の対象となる受贈者は、信託等をする日において30歳未満の直系卑属(子や孫等)であり、20歳未満ではありません。
覚えるポイント
- 相続時精算課税は特定贈与者ごとに選択可能だが、一度選択すると暦年課税への変更はできない。
- 教育資金一括贈与の非課税限度額は1人につき1,500万円(学校等以外は500万円)、受贈者の年齢は30歳未満。
間違えやすいところ
- 教育資金一括贈与の非課税枠(1,500万円)と相続時精算課税の特別控除限度額(2,500万円)を混同しやすい。
- 教育資金一括贈与の受贈者年齢要件(30歳未満)と成人年齢(20歳)や未成年(20歳未満)の要件を混同しやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続時精算課税制度による贈与税額の計算
資産承継・相続・事業承継 · 相続時精算課税制度 / 贈与税の税額計算 / 特別控除額
二男Dさんが父であるAさんから平成27年中に3,000万円の現金の贈与を受け、初めて相続時精算課税の適用を受ける場合における二男Dさんの平成27年分の贈与税額を計算しなさい。なお、解答にあたっては計算過程を示し、〈答〉は万円単位とすること。
解答・解説を表示
解答
100万円
解説
相続時精算課税制度は、原則として60歳以上の父母・祖父母から20歳以上(2022年4月以降は18歳以上)の子・孫への贈与について選択できる制度です。本制度を選択した受贈者は、特定贈与者ごとに累計2,500万円までの特別控除を受けることができ、特別控除額を超えた部分の金額に対して一律20%の税率により贈与税が計算されます。
解き方
- 贈与財産の価額(課税価格)を確認し、初めての適用であることから特別控除限度額2,500万円を差し引く計算を行います(3,000万円-2,500万円=500万円)。
- 特別控除後の課税金額500万円に相続時精算課税の一律税率20%を乗じ、平成27年分の贈与税額100万円を算出します。
答えの内訳
- 計算過程:課税価格:3,000万円 特別控除額:2,500万円 課税価格から特別控除額を控除した後の金額:3,000万円-2,500万円=500万円 贈与税額:500万円×20%=100万円
- 相続時精算課税制度を選択した場合、同一の特定贈与者からの贈与につき累計2,500万円までの特別控除が適用され、控除後の残額に対して一律20%の税率を乗じて税額を計算します。
- 答:100万円
- 課税価格3,000万円から特別控除額2,500万円を差し引いた500万円に税率20%を乗じて100万円となります。
覚えるポイント
- 相続時精算課税制度の特別控除限度額は累計2,500万円であり、超過額に対する税率は一律20%であること。
間違えやすいところ
- 暦年課税の基礎控除110万円と混同して二重控除してしまったり、超過額に暦年課税の累進税率を適用してしまうミスに注意する。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 生保顧客資産相談業務』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2015年5月 2級 実技 生保顧客資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2015年5月 2級 実技 生保顧客資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

