日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2015年5月 2級 実技 個人資産相談業務の概要
退職後の社会保険(任意継続・被扶養者・国民年金任意加入)
ライフプランニングと資金計画 · 健康保険の任意継続 / 健康保険の被扶養者基準 / 国民年金の任意加入制度
会社員Aさん(59歳)が満60歳で定年退職し、その後再就職等をしない場合における退職後の社会保険に関する次の記述①~③について、適切なものには○、不適切なものには×を解答しなさい。
解答・解説を表示
解答
① × ② ○ ③ ○
解説
定年退職後の公的医療保険には任意継続被保険者、家族の被扶養者、国民健康保険の3つの選択肢があり、それぞれの要件や手続期間を正しく把握する必要があります。また、公的年金では未加入や免除により480月に満たない月数について、60歳以降に任意加入して満額に近づける仕組みが設けられています。
解き方
- 任意継続被保険者の申出期限(資格喪失日=退職日の翌日から20日以内)を確認し、記述①の正誤を判定する。
- 60歳以上の被扶養者認定要件(年収180万円未満かつ被保険者の年収の2分の1未満)を確認し、記述②の正誤を判定する。
- Aさんの年金加入済月数(452月)から480月に達するまでの不足月数(28月)を算出し、記述③の正誤を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 健康保険の任意継続被保険者となるための申出手続きは、原則として資格喪失の日(退職日の翌日)から20日以内に保険者等に対して行う必要があります。「2週間以内」ではありません。
- 小問 ②:○
- 健康保険の被扶養者認定において、60歳以上の者の年間収入基準は180万円未満です。同一世帯の場合、年間収入180万円未満かつ被保険者(妻Bさん)の年間収入の2分の1未満であれば、原則として被扶養者になることができます。
- 小問 ③:○
- 老齢基礎年金の満額受給月数(480月)に達していない場合、60歳以上65歳未満の期間に国民年金の任意加入被保険者として保険料を納付できます。Aさんの厚生年金期間は通算452月であり満額まで28月不足しているため、28月を限度として任意加入できます。
覚えるポイント
- 任意継続被保険者の資格取得の申出は「資格喪失日から20日以内」に行う。
- 60歳以上(または障害年金受給要件該当者)の健康保険被扶養者認定基準は年収180万円未満である。
間違えやすいところ
- 任意継続の届出期限を「14日以内」や「2週間以内」と記憶違いすること。
- 被扶養者の通常基準(130万円未満)と60歳以上の緩和基準(180万円未満)を混同すること。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の健康保険法および国民年金法
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金制度における特別支給の老齢厚生年金・加給年金・支給期月
ライフプランニングと資金計画 · 特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢 / 加給年金額 / 年金の支払月
Aさん(昭和30年12月3日生まれの男性)および妻Bさんに係る公的年金制度の老齢給付について説明した文章の空欄①~③に入る最も適切な語句を〈語句群〉から選び、その記号を解答しなさい。 「Aさんは,原則として,( ① )から報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金を受給することができ,65歳からは老齢厚生年金および老齢基礎年金を受給することができます。一方,妻Bさんが報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金を受給することができるのは,原則として63歳からです。また,Aさんが65歳以降に受給する老齢厚生年金には,一定の要件のもとに,妻Bさんが65歳になるまでの間,( ② )が加算されます。なお,これらの年金の支給は,原則として,( ③ )行われます」 〈語句群〉 イ.60歳 ロ.62歳 ハ.64歳 ニ.付加年金 ホ.加給年金額 へ.振替加算 ト.奇数月に チ.偶数月に リ.毎月
- イ
- 60歳
- ロ
- 62歳
- ハ
- 64歳
- ニ
- 付加年金
- ホ
- 加給年金額
- へ
- 振替加算
- ト
- 奇数月に
- チ
- 偶数月に
- リ
- 毎月
解答・解説を表示
解答
① ロ ② ホ ③ チ
解説
公的年金制度において、生年月日と性別に応じた特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢の段階的引上げスケジュールを正しく把握すること、また老齢厚生年金に上乗せされる家族手当的な給付(加給年金額)および支払期月の原則を理解することが重要です。
解き方
- Aさんの生年月日(昭和30年12月3日、男性)から特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢が62歳であることを確認し、空欄①を「ロ」とする。
- 65歳以降の老齢厚生年金に配偶者が65歳になるまで加算される給付が「加給年金額」であることを確認し、空欄②を「ホ」とする。
- 公的年金の支払期月が偶数月(年6回)であることを確認し、空欄③を「チ」とする。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ロ
- 昭和30年4月2日〜昭和32年4月1日生まれの男性の場合、報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢は「62歳」です。Aさんは昭和30年12月3日生まれであるため62歳からの受給となります。
- 小問 ②:ホ
- 厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある受給権者が65歳に達した際、生計を維持している65歳未満の配偶者等がいる場合に老齢厚生年金に加算されるのは「加給年金額」です。
- 小問 ③:チ
- 公的年金は原則として年6回、毎年2月・4月・6月・8月・10月・12月の「偶数月に」それぞれの前月および前々月の2カ月分が支払われます。
覚えるポイント
- 男性の特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)開始年齢:昭28.4.2〜昭30.4.1は61歳、昭30.4.2〜昭32.4.1は62歳、昭32.4.2〜昭34.4.1は63歳、昭34.4.2〜昭36.4.1は64歳。
- 夫の老齢厚生年金に加算されるのが加給年金額、配偶者自身の基礎年金に移行するのが振替加算。
間違えやすいところ
- 受給権者自身の老齢厚生年金に加算される「加給年金額」と、配偶者側の老齢基礎年金に加算される「振替加算」を取り違えること。
- 年金の定時支払月を「奇数月」や「毎月」と誤認すること。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の厚生年金保険法および国民年金法
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種係数を用いた資金運用の計算
ライフプランニングと資金計画 · 係数 / 終価係数 / 資本回収係数
Aさんは,退職金と貯蓄を合わせた2,600万円を年利1.0%で5年間複利運用し,その後年利1.0%で運用しながら20年間にわたり均等に取り崩して生活資金に充当したいと考えている。与えられた係数早見表を用いて,5年後の元利合計額と毎年の取崩し金額を求めなさい。
解答・解説を表示
解答
① 1.0510 ② 2,733 ③ 0.0554 ④ 151
解説
将来の元利合計額を求めるには終価係数を用い、運用しながら一定期間均等に取り崩す受取額を求めるには資本回収係数を用います。
解き方
- 元金2,600万円に5年・年利1.0%の終価係数1.0510を乗じ、万円未満を四捨五入して5年後の元利合計金額2,733万円を算出する。
- 求めた2,733万円に20年・年利1.0%の資本回収係数0.0554を乗じ、万円未満を四捨五入して毎年の取崩し金額151万円を算出する。
答えの内訳
- ①:1.0510
- 現在の資金(元金)を一定期間一定利率で複利運用した将来の元利合計額を求める際に用いるのは終価係数です。期間5年の終価係数は1.0510となります。
- ②:2,733
- 2,600万円に終価係数1.0510を乗じると、2,600万円×1.0510=2,732.6万円となります。万円未満を四捨五入するため、2,733万円となります。
- ③:0.0554
- 一定額の元金を一定期間・一定利率で複利運用しながら均等に取り崩す場合の毎年の受取額を求める係数は資本回収係数です。期間20年の資本回収係数は0.0554です。
- ④:151
- 四捨五入後の元利合計額2,733万円に期間20年の資本回収係数0.0554を乗じると、2,733万円×0.0554=151.4082万円となり、万円未満四捨五入で151万円となります。
覚えるポイント
- 終価係数は現在の元金から将来の額を求め、資本回収係数は現在の元金から毎年の均等取崩額を求める。
間違えやすいところ
- 毎年積み立てる減債基金係数や年金終価係数と、元金を取り崩す資本回収係数を混同しないこと。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等および問題文中の諸係数早見表に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
社債の利回り・価格変動・課税関係
金融資産運用 · 社債 / 最終利回り / 金利リスク / 利子の税金
Aさんが社債Xを購入する場合の留意点について,次の記述①~③の適切・不適切を判定しなさい。 ① 利子の受取時には所得税・復興特別所得税および住民税の合計20.315%が源泉徴収される。 ② 額面100円当たり100.50円で購入した場合,単利最終利回りは表面利率を下回る。 ③ 債券価格の変動幅は,残存期間が短い債券ほど大きくなる傾向がある。
解答・解説を表示
解答
① ○ ② ○ ③ ×
解説
債券の利回り計算では購入価格と償還額の差損益が影響し、債券の価格変動リスク(金利感応度)は残存期間が長いほど大きくなります。
解き方
- 記述①について、公社債の利子に対する源泉徴収税率が合計20.315%であるか確認する。
- 記述②について、額面以上(オーバーパー)での購入時は償還差損が生じ最終利回りが表面利率を下回ることを確認する。
- 記述③について、金利変動に対する債券価格の変動幅と残存期間の長さの関係(残存期間が長いほど変動が大きい)を確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 国内大手企業の発行する社債(特定公社債等)の利子は、20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)の税率により源泉徴収(特別徴収)が行われます。
- 小問 ②:○
- 額面100円を上回る100.50円で購入し満期時に100円で償還されるため償還差損が発生し、単利最終利回り(約0.746%)は表面利率(1.0%)を下回ります。
- 小問 ③:×
- 市場金利の変動に伴う債券価格の変動幅は、残存期間が長い債券ほど大きく、残存期間が短い債券ほど小さくなる傾向があります。
覚えるポイント
- 残存期間が長いほど、また表面利率が低いほど、金利変動に対する債券価格の変動幅は大きくなる。
間違えやすいところ
- 残存期間が短い債券のほうが価格変動幅が大きいと逆に覚えてしまわないように注意する。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外貨預金の仕組みと税制・預金保護
金融資産運用 · 外貨預金 / 為替手数料 / 為替差益の課税 / 預金保険制度
日本国内に本店のある銀行で行う外貨預金に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① 「円貨を外貨に換えて外貨預金に預け入れる際の為替手数料は、預入通貨や金融機関によって異なる場合があります」 ② 「預入時に為替予約を付した外貨預金の為替差益は、源泉分離課税の対象となります」 ③ 「外貨預金は、元本1,000万円までとその利息が預金保険制度の保護の対象となります」
解答・解説を表示
解答
① ○ ② ○ ③ ×
解説
外貨預金は為替レートの変動リスクを伴う商品であり、円との交換時には為替手数料が発生します。また、日本の預金保険制度では外貨預金は全額保護の対象外と定められています。為替予約の有無によって税務上の取扱いが異なり、予約ありの場合は源泉分離課税、予約なしの場合は総合課税(雑所得)となります。
解き方
- 為替手数料が預入通貨や取扱金融機関ごとに任意に設定されることを確認する。
- 為替予約を付した外貨預金の為替差益に対する税制(源泉分離課税)を確認する。
- 外貨預金が預金保険制度の対象外(全額保護対象外)であることを確認する。
答えの内訳
- ①:○
- 円貨を外貨に換えて預け入れる際の為替手数料(TTSとTTMの差額等)は、通貨の種類や各取扱金融機関によって独自に設定されており、異なる場合があります。
- ②:○
- 預入時に為替予約を付した外貨預金の為替差益は、利子所得ではなく雑所得として扱われますが、20.315%の源泉分離課税の対象とされています。
- ③:×
- 外貨預金は、日本国内に本店のある銀行に預け入れたものであっても、預金保険制度による保護の対象外となります。
覚えるポイント
- 外貨預金は国内銀行であっても預金保険制度の対象外であること。
- 為替予約を付けた外貨預金の為替差益は20.315%の源泉分離課税となること。
間違えやすいところ
- 国内銀行に預けているからといって元本1,000万円まで保護されると誤解しやすい。
- 為替予約なしの外貨定期預金の為替差益(総合課税)と為替予約あり(源泉分離課税)の課税方式を取り違えやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
豪ドル建て定期預金の円ベース運用利回りの計算
金融資産運用 · 外貨預金 / 運用利回り / 為替レート / 単利計算
Aさんが、《設例》の条件で円貨を豪ドルに換えて豪ドル建て定期預金を行って満期を迎えた場合の円ベースでの運用利回り(単利による年換算)を、計算過程を示して求めなさい。なお、預入期間6カ月は0.5年として計算すること。また、《設例》に記載されているもの以外の手数料や税金は考慮しないものとし、〈答〉は%表示の小数点以下第3位を四捨五入すること。 〈豪ドル建て定期預金に関する資料〉 ・預入金額:10,000豪ドル ・預入期間:6カ月満期 ・利率(年率):1.0%(満期時一括支払) ・適用為替レート(円/豪ドル) 預入時:TTS 93.00円、TTM 92.00円、TTB 91.00円 満期時:TTS 97.00円、TTM 96.00円、TTB 95.00円
解答・解説を表示
解答
5.32%
解説
円貨を外貨に換えて預け入れる際はTTS(Telegraphic Transfer Selling rate:対顧客電信売相場)を適用し、外貨を円貨に換えて受け取る満期時にはTTB(Telegraphic Transfer Buying rate:対顧客電信買相場)を適用します。単利年換算運用利回りは「(円ベース収益合計 ÷ 円ベース当初投資元本)÷ 運用年数 × 100」で求められます。
解き方
- 預入時の円貨払込額を計算する:10,000豪ドル × 93.00円(TTS) = 930,000円。
- 満期時の豪ドル元利合計を計算する:10,000豪ドル + 10,000豪ドル × 1.0% × 0.5年 = 10,050豪ドル。
- 満期時の円貨受取額を計算する:10,050豪ドル × 95.00円(TTB) = 954,750円。
- 運用利回り(年換算)を計算する:{(954,750円 - 930,000円)÷ 930,000円}÷ 0.5年 × 100 = 5.32258…%。
- 小数点以下第3位を四捨五入して5.32%とする。
答えの内訳
- 計算過程:預入時の円貨払込額:10,000豪ドル×93.00円=930,000円 満期時の豪ドル元利合計:10,000豪ドル+10,000豪ドル×1.0%×0.5年=10,050豪ドル 満期時の円貨受取額:10,050豪ドル×95.00円=954,750円 年換算利回り:{(954,750円-930,000円)/930,000円}/0.5年×100=5.32258…%
- 円を豪ドルに換える預入時にはTTS(93.00円)を適用し、豪ドルを円に戻す満期時にはTTB(95.00円)を適用して円ベースの元利金を算出し、年換算の単利回りを計算します。
- 答:5.32
- 計算された年換算利回り5.32258…%の小数点以下第3位(2)を四捨五入すると5.32%となります。
覚えるポイント
- 顧客が円から外貨を買うときはTTS、外貨を売って円に戻すときはTTBを適用すること。
- 半年(6カ月)満期の利回りを年換算する際は、期間年数(0.5年)で除算すること。
間違えやすいところ
- TTSとTTBの適用関係を逆にして計算してしまう。
- 半年間の利息計算で「年率×0.5」をし忘れて1年分の利息を足してしまう。
- 利回り計算時に0.5年で割るのを忘れ、6カ月間の単純収益率(約2.66%)を答えてしまう。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
退職所得の課税関係と申告手続き
タックスプランニング · 退職所得 / 源泉徴収税率 / 確定申告
退職金の課税関係に関する以下の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句を、〈語句群〉のイ~チのなかから選びなさい。 ⅰ)AさんがX社から支給を受けた退職金は、退職所得として( ① )の対象となる。Aさんのように退職金の支給を受ける時までに「退職所得の受給に関する申告書」を提出し、所得税および復興特別所得税の源泉徴収が行われた者は、その退職所得について所得税の確定申告は不要である。 ⅱ)「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない者は、退職金の支給を受ける際に、退職金の支払金額に( ② )の税率を乗じて計算した所得税および復興特別所得税が源泉徴収される。この源泉徴収された金額が退職所得に対する正規の税額よりも少ない場合には、原則として、退職金の支給を受けた年の翌年2月16日から( ③ )までに所得税の確定申告書を提出する必要がある。 〈語句群〉 イ.総合課税 ロ.分離課税 ハ.10.21% ニ.15.315% ホ.20.42% ヘ.3月10日 ト.3月15日 チ.3月31日
- イ
- 総合課税
- ロ
- 分離課税
- ハ
- 10.21%
- ニ
- 15.315%
- ホ
- 20.42%
- ヘ
- 3月10日
- ト
- 3月15日
- チ
- 3月31日
解答・解説を表示
解答
① ロ、② ホ、③ ト
解説
退職金は長年の勤務に対する報奨的性格を有し、退職後の生活保障となる資金であるため、税負担を軽減するために他の所得と合算しない分離課税が採用されています。「退職所得の受給に関する申告書」を提出すると退職所得控除を反映した適正な税額が源泉徴収されて課税関係が完結しますが、提出しない場合は一律20.42%で源泉徴収され、確定申告で過不足を精算します。
解き方
- 空欄①について、退職所得が総合課税ではなく他の所得と分けて税額計算を行う分離課税であることを確認します。
- 空欄②について、申告書未提出時の源泉徴収税率が一律20.42%(基準所得税20%+復興特別所得税2.1%)であることを確認します。
- 空欄③について、所得税の確定申告の法定申告期限が翌年2月16日から3月15日であることを確認します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ロ
- 退職所得は、他の所得と合算せず個別に税額を計算する分離課税(申告分離課税)の対象とされています。
- 小問 ②:ホ
- 「退職所得の受給に関する申告書」を提出しなかった場合、支払金額に対して一律20.42%(所得税20%+復興特別所得税0.42%)の税率で源泉徴収されます。
- 小問 ③:ト
- 所得税の確定申告書は、原則として退職金を受給した年の翌年2月16日から3月15日までの間に提出する必要があります。
覚えるポイント
- 退職所得の受給に関する申告書を提出しない場合は20.42%の一律源泉徴収となる。
間違えやすいところ
- 申告書を提出すれば源泉徴収のみで原則申告不要となるが、未提出の場合は確定申告で精算が必要となる点。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の所得税法および復興財源確保法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
退職所得の金額の計算
タックスプランニング · 退職所得控除額 / 勤続年数 / 退職所得の金額
AさんがX社から受け取った退職金に係る退職所得の金額を、計算過程を示して求めなさい。解答は万円単位とし、これ以外の退職手当等の収入はなく、障害者になったことが退職の直接の原因ではないものとする。
解答・解説を表示
解答
720万円
解説
退職所得の金額は、「(退職手当等の収入金額 - 退職所得控除額)× 1/2」によって算出されます。退職所得控除額の計算における勤続年数は、1年未満の端数月数を1年に切り上げて判定します。勤続年数が20年以下の場合は40万円×勤続年数(最低80万円)、20年超の場合は「800万円 + 70万円 ×(勤続年数 - 20年)」となります。
解き方
- 勤続年数を確認し、端数を切り上げます。37年3カ月であるため、切り上げて38年となります。
- 退職所得控除額を計算します。38年は20年超であるため、800万円 + 70万円 × (38年 - 20年) = 2,060万円となります。
- 退職所得の金額を計算します。(収入金額3,500万円 - 控除額2,060万円) × 1/2 = 720万円を求めます。
答えの内訳
- 計算過程:勤続年数:37年3カ月 → 38年(端数切上げ) 退職所得控除額:800万円+70万円×(38年-20年)=2,060万円 退職所得の金額:(3,500万円-2,060万円)×1/2=720万円
- 勤続年数の端数を1年に切り上げて38年とし、20年超の算式「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」により退職所得控除額2,060万円を算出後、(収入金額-控除額)×1/2で退職所得を求めます。
- 答:720万円
- 退職金収入3,500万円から退職所得控除額2,060万円を差し引き、その残額に2分の1を乗じることで720万円が求まります。
覚えるポイント
- 勤続年数の端数は月単位で切り上げて年数に換算し、20年超部分は年70万円を掛ける。
間違えやすいところ
- 勤続年数の端数を切り捨てて37年としてしまう誤りや、退職所得控除後の金額に2分の1を掛け忘れるミス。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の所得税法第30条に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の損益通算と各種所得控除の判定
タックスプランニング · 損益通算 / 配偶者控除 / 扶養控除
定年退職したAさんの平成26年分の所得税の計算に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① 賃貸アパートの不動産所得に係る損失の金額は、給与所得の金額から控除することができ、給与所得の金額から控除しきれない部分の金額は、退職所得の金額から控除することができる。 ② Aさんは妻Bさんを控除対象配偶者とする配偶者控除の適用を受けることができ、その控除額は38万円である。 ③ Aさんは母Cさんを特定扶養親族とする扶養控除の適用を受けることができ、その控除額は63万円である。
解答・解説を表示
解答
① ○ ② ○ ③ ×
解説
所得税の損益通算では、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の損失を一定の順序で通算でき、総所得金額で控除しきれない損失は退職所得や山林所得から控除できます。また所得控除において、控除対象配偶者は合計所得金額38万円以下が要件であり、扶養控除では19歳以上23歳未満が特定扶養親族(63万円)、70歳以上が老人扶養親族(同居老親等は58万円)に区分されます。
解き方
- 不動産所得の損失に土地取得借入金利子が含まれないことを確認し、給与所得および控除しきれない退職所得との第2次通算の可否を判定する。
- 妻Bさん(収入なし)の配偶者控除適用の可否と控除額を確認し、母Cさん(85歳)の扶養親族区分が特定扶養親族ではなく老人扶養親族であることを判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 不動産所得の損失の金額のうち、土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分以外の損失は損益通算の対象となります。総所得金額の計算において給与所得等の他の所得から控除し、なお控除しきれない金額があるときは、分離課税である退職所得の金額から控除することができます。
- 小問 ②:○
- 妻Bさんは平成26年中において収入がなく合計所得金額が38万円以下であるため、控除対象配偶者に該当します。当時の税制において控除を受ける納税者本人に所得制限はなく、控除額は一般の控除対象配偶者として38万円となります。
- 小問 ③:×
- 特定扶養親族は控除対象扶養親族のうち年末時点の年齢が19歳以上23歳未満の者を指します。母Cさんは85歳であるため老人扶養親族(同居老親等)に該当し、控除額は58万円となります。特定扶養親族の控除額63万円を適用することはできません。
覚えるポイント
- 特定扶養親族は19歳以上23歳未満(控除額63万円)、老人扶養親族は70歳以上(同居老親等58万円、同居老親等以外48万円)である点。
- 不動産所得の損失のうち土地取得のための負債利子部分は損益通算の対象外となる点。
間違えやすいところ
- 高齢の親について年齢区分を見落とし特定扶養親族と混同してしまうミス。
- 不動産所得の損失は給与所得などの総所得金額だけでなく退職所得からも控除可能である点を見落とすミス。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(平成26年分の所得税法)
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法における建物賃貸借契約の規定
不動産 · 借地借家法 / 普通借家契約 / 定期借家契約
Aさんが取壊しを検討している賃貸アパートの賃貸借契約に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① 賃貸人からの普通借家契約の更新拒絶は、正当の事由がある場合でなければすることができない。 ② 普通借家契約において2年未満の賃貸借期間を定めた場合、期間の定めがない建物の賃貸借として取り扱われる。 ③ 定期建物賃貸借契約(定期借家契約)を締結するためには、賃貸人は、あらかじめ、賃借人に対して、契約の更新がなく期間満了により賃貸借が終了する旨を記載した書面を交付して説明する必要がある。
解答・解説を表示
解答
① ○ ② × ③ ○
解説
借地借家法において、普通借家契約は賃借人を保護するため賃貸人からの更新拒絶に正当事由を要求し、1年未満の期間設定は期間の定めがない契約とみなされます。これに対し定期借家契約では期間満了により確定的に契約が終了するため、あらかじめ書面を交付して更新がない旨を説明することが成立要件とされています。
解き方
- 普通借家契約における賃貸人の更新拒絶の要件(正当事由の必要性)と、期間の定めがない契約とみなされる基準期間(1年未満)を確認する。
- 定期借家契約を有効に締結するための事前説明義務(契約更新がなく期間満了により終了する旨を記載した書面の交付・説明)の規定と照合する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 借地借家法第28条の規定により、建物の賃貸人が賃貸借契約の更新を拒絶し、または解約の申入れをするためには、建物の使用を必要とする事情等の「正当の事由」がある場合でなければすることができません。
- 小問 ②:×
- 借地借家法第29条第1項の規定により、期間の定めがない建物の賃貸借とみなされるのは、賃貸借期間を「1年未満」と定めた場合です。2年未満ではなく1年未満であるため不適切です。
- 小問 ③:○
- 借地借家法第38条第2項の規定により、定期借家契約を締結するにあたっては、賃貸人はあらかじめ賃借人に対して、契約の更新がなく期間の満了により賃貸借が終了する旨を記載した書面を交付して説明しなければなりません。
覚えるポイント
- 普通借家契約で期間の定めがないものとみなされるのは「1年未満」の期間を定めたときである点。
- 定期借家契約では契約書とは別に事前の書面交付および説明が必要である点。
間違えやすいところ
- 普通借家契約で期間の定めなしとされる期間を「2年未満」と誤認するミス。
- 定期借家契約における事前書面交付・説明義務を契約書面自体の交付と混同するミス。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(借地借家法)
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の取得・建築に係る税金(不動産取得税・登録免許税)
不動産 · 不動産取得税 / 登録免許税 / 課税標準の特例
Aさんが相続により取得した甲土地および甲・乙土地の一体利用により建築する賃貸アパートに係る税金に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① 「相続による甲土地の取得に対しては、不動産取得税が課される」 ② 「Aさんが建築する賃貸アパートについて所有権の保存登記を受ける場合、Aさんには登録免許税が課される」 ③ 「Aさんが建築する賃貸アパートについて『不動産取得税の課税標準の特例』の適用を受けるためには、建築する賃貸アパートの独立的に区画された1戸の床面積が40㎡以上240㎡以下でなくてはならない」
解答・解説を表示
解答
① × ② ○ ③ ○
解説
不動産の取得や登記には原則として不動産取得税や登録免許税が課税されますが、相続による取得は形式的な所有権移転であるため不動産取得税は非課税となります。また、住宅政策の観点から新築住宅の不動産取得税には課税標準の特例が設けられており、賃貸共同住宅については戸建等(50㎡以上)より緩和された40㎡以上240㎡以下の床面積要件が定められています。
解き方
- 相続による不動産取得における不動産取得税の課税・非課税の判定を行う。
- 新築建物の所有権保存登記における登録免許税の課税関係を確認する。
- 新築の共同貸家住宅における不動産取得税の課税標準の特例の床面積要件(40㎡以上240㎡以下)を確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 不動産取得税は、売買や贈与、新築等により不動産を取得した際に課されますが、相続(包括遺贈および相続人に対する特定遺贈を含む)による不動産の取得に対しては非課税とされています。
- 小問 ②:○
- 建物を新築して所有権の保存登記を受ける際には登録免許税が課されます。なお、賃貸用アパート(貸家)には住宅用家屋の所有権保存登記に係る軽減税率は適用されません。
- 小問 ③:○
- 新築住宅に係る不動産取得税の課税標準の特例(1戸当たり1,200万円控除)について、共同貸家住宅(賃貸アパート等)の場合は、独立的に区画された1戸当たりの床面積が40㎡以上240㎡以下であることが適用要件となっています。
覚えるポイント
- 相続による不動産の取得は不動産取得税が非課税となる(登録免許税は0.4%で課税される)。
- 新築建物の不動産取得税の課税標準の特例要件は、賃貸共同住宅では1戸当たり40㎡以上240㎡以下(一般住宅は50㎡以上240㎡以下)。
間違えやすいところ
- 相続取得時の税目について、登録免許税(課税される)と不動産取得税(非課税)を混同しやすい。
- 不動産取得税の特例床面積の下限について、一般住宅の50㎡と貸家アパートの40㎡を取り違えやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
複数敷地の一体利用における建築面積・延べ面積の計算
不動産 · 建ぺい率の緩和 / 指定容積率と前面道路幅員制限 / 最大建築面積 / 最大延べ面積
Aさんが、甲土地および乙土地を一体利用して耐火建築物を建築する場合の最大建築面積と最大延べ面積を求める次の〈計算式〉の空欄①~④に入る最も適切な数値を求めなさい。 〈計算式〉 1.最大建築面積 ・甲土地:15m×14m×( ① )%=□□□㎡ ・乙土地:15m×15m×□□□%=( ② )㎡ ∴□□□㎡+□□□㎡=□□□㎡ 2.最大延べ面積 (ア)容積率の判定 ・甲土地 指定容積率:200% 前面道路幅員による容積率の制限:( ③ )% ∴□□□% ・乙土地 指定容積率:300% 前面道路幅員による容積率の制限:□□□% ∴□□□% (イ)最大延べ面積 ・甲土地:15m×14m×□□□%=□□□㎡ ・乙土地:15m×15m×□□□%=□□□㎡ ∴□□□㎡+□□□㎡=( ④ )㎡
解答・解説を表示
解答
① 80 ② 225 ③ 240 ④ 1,095
解説
建ぺい率は、角地指定により+10%、防火地域内の耐火建築物により+10%の緩和が重複適用されます(指定80%地域で防火地域内耐火建築物の場合は100%適用)。敷地が防火地域と準防火地域にわたる耐火建築物には厳しい方の防火地域規制が適用されます。また、容積率は指定容積率と前面道路幅員制限の小さい方が適用され、前面道路が2以上あるときは最大幅員の道路に基づいて制限を計算します。
解き方
- 甲土地・乙土地それぞれの緩和後建ぺい率を判定し、各敷地面積に乗じて建築面積を求める。
- 前面道路幅員(2以上の道路があるため広い方の6m)を用いて各土地の容積率制限を算出し、指定容積率と比較して基準容積率を特定する。
- 各土地の敷地面積に基準容積率を乗じて最大延べ面積を算出し、その合計を求める。
小問ごとの答え
- 小問 ①:80
- 甲土地(指定建ぺい率60%)は、一体利用により特定行政庁が指定する角地となるため+10%、さらに敷地が防火地域と準防火地域にまたがり耐火建築物を建築することで建物全体に防火地域の規定が適用され「防火地域内の耐火建築物」として+10%緩和されるため、60%+10%+10%=80%となります。
- 小問 ②:225
- 乙土地(面積15m×15m=225㎡)は、指定建ぺい率80%で防火地域内に耐火建築物を建築するため、建ぺい率の制限がなくなり100%が適用されます。したがって、最大建築面積は225㎡×100%=225㎡となります。
- 小問 ③:240
- 敷地が2以上の道路に接する場合、最大幅員の道路が前面道路となります。甲土地・乙土地の一体敷地における前面道路幅員は広い方の6mとなるため、第一種住居地域である甲土地の前面道路幅員による容積率制限は、6m×4/10=24/10=240%となります。
- 小問 ④:1,095
- 甲土地の基準容積率は指定200%<道路制限240%より200%で、延べ面積は210㎡×200%=420㎡です。乙土地の基準容積率は指定300%<道路制限(6m×6/10=360%)より300%で、延べ面積は225㎡×300%=675㎡です。合計最大延べ面積は420㎡+675㎡=1,095㎡となります。
覚えるポイント
- 敷地が2つ以上の道路に接する場合、容積率の前面道路幅員制限は最大幅員の道路を採用する。
- 指定建ぺい率80%の地域かつ防火地域で耐火建築物を建てる場合、建ぺい率の制限は撤廃(100%)される。
間違えやすいところ
- 甲土地の容積率制限の計算で、甲土地に直面する幅員5m道路をそのまま使ってしまう(2つ以上の道路に接する敷地では広い方の幅員6mを用いる)。
- 乙土地の建築面積計算で、建ぺい率100%適用を見落として指定80%のまま計算してしまう。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺言の方式および遺留分・遺言の撤回
相続・事業承継 · 自筆証書遺言の検認 / 公正証書遺言の証人 / 遺留分の割合 / 遺言の抵触と撤回
遺言および遺留分に関する次の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句を、〈語句群〉の中から選びなさい。 ⅰ)自筆証書遺言は、遺言者がその遺言の全文、日付および氏名を自書し、これに押印して作成するものであり、相続開始後においては( ① )による検認が必要である。一方、公正証書遺言は、証人( ② )以上の立会いのもと、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人がこれを筆記して作成されるものであり、相続開始後に検認の必要はない。 ⅱ)遺言者は遺言により法定相続分とは異なった相続分を定めることができるが、遺言の作成にあたっては、その内容が遺留分権利者の遺留分を侵害しないように留意する必要がある。仮に、Aさんの相続が現時点(平成27年5月24日)で開始した場合、遺留分権利者は、遺留分算定の基礎となる財産に( ③ )を乗じた額に各人の法定相続分を乗じた額を遺留分として有することになる。 ⅲ)Aさんが遺言を作成した後、遺言の対象となった財産の一部を譲渡するなど生前処分し、遺言の内容と抵触した場合、遺言の( ④ )を撤回したものとみなされる。
- イ
- 法務局
- ロ
- 公証役場
- ハ
- 家庭裁判所
- ニ
- 1人
- ホ
- 2人
- ヘ
- 3人
- ト
- 4分の1
- チ
- 3分の1
- リ
- 2分の1
- ヌ
- すべて
- ル
- 抵触する部分
解答・解説を表示
解答
① ハ、② ホ、③ リ、④ ル
解説
遺言の方式には自筆証書遺言や公正証書遺言などがあり、偽造・変造防止のための家庭裁判所の検認手続や証人の要件が定められています。また、一定範囲の法定相続人には最低限の承継分である遺留分が保障されており、遺言後の生前処分と遺言内容が抵触する場合は抵触部分が撤回されたとみなされます。
解き方
- 自筆証書遺言の検認機関(家庭裁判所)および公正証書遺言作成時に立ち会うべき証人の人数(2人以上)を確認する。
- 相続人が配偶者と子である場合の総体的遺留分の割合(2分の1)を確認する。
- 遺言作成後の生前処分により内容が抵触した際の効力(抵触する部分の撤回とみなす)を民法の規定から判断する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ハ
- 自筆証書遺言の保管者またはこれを発見した相続人は、相続の開始を知った後、遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して検認を請求しなければなりません。
- 小問 ②:ホ
- 公正証書遺言を作成する際には、証人2人以上の立会いのもとで公証人が作成するため、家庭裁判所による検認手続きは不要とされています。
- 小問 ③:リ
- 相続人が配偶者と子である場合の総体的遺留分は、被相続人の財産の「2分の1」であり、各相続人はこれに各自の法定相続分を乗じた遺留分を有します。
- 小問 ④:ル
- 民法第1023条第2項の規定により、遺言者が遺言の作成後に遺言と抵触する生前処分をしたときは、その抵触する部分について遺言を撤回したものとみなされます。
覚えるポイント
- 公正証書遺言は証人2人以上の立会いが必要で検認は不要
- 直系尊属のみが相続人の場合は遺留分3分の1、それ以外(配偶者や子がいる場合)は2分の1
間違えやすいところ
- 自筆証書遺言の検認を公証役場や法務局と取り違えるミス
- 遺言後の生前処分によって遺言の「すべて」が撤回されたと判断してしまうミス
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(民法)
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
課税遺産総額に基づく相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 法定相続分の計算 / 相続税の総額の計算 / 相続税の速算表の適用
仮に、Aさんの相続が現時点(平成27年5月24日)で開始し、Aさんの相続における課税遺産総額(「課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額」)が1億2,000万円であった場合の相続税の総額を計算した表の空欄①~③に入る最も適切な数値を求めなさい。 〈親族関係〉 ・被相続人:Aさん ・配偶者:妻Bさん ・子:長男Cさん、二男Dさん 〈相続税の速算表(一部抜粋)〉 ・1,000万円以下:税率10%、控除額なし ・1,000万円超3,000万円以下:税率15%、控除額50万円 ・3,000万円超5,000万円以下:税率20%、控除額200万円 ・5,000万円超1億円以下:税率30%、控除額700万円
解答・解説を表示
解答
① 1,100(万円)、② 400(万円)、③ 1,900(万円)
解説
相続税の総額の計算では、実際の遺産分割割合にかかわらず、課税遺産総額を民法に定める法定相続分に従って各相続人が按分取得したものと仮定して各人の取得金額を算出します。その取得金額に超過累進税率(速算表)を適用して算出した各人の税額を合計したものが「相続税の総額」となります。
解き方
- 各相続人の法定相続分を確認する(妻Bさん:1/2、長男Cさん:1/4、二男Dさん:1/4)。
- 課税遺産総額1億2,000万円に法定相続分を乗じて各人の取得金額を求める(妻Bさん:6,000万円、長男Cさん:3,000万円、二男Dさん:3,000万円)。
- 速算表を適用して各人の税額を計算する(妻Bさん:6,000万円×30%-700万円=1,100万円、長男Cさん:3,000万円×15%-50万円=400万円、二男Dさん:3,000万円×15%-50万円=400万円)。
- 各自の税額を合算して相続税の総額を算出する(1,100万円+400万円+400万円=1,900万円)。
答えの内訳
- ①:1,100
- 妻Bさんの法定相続分は1/2です。取得金額は1億2,000万円×1/2=6,000万円となります。速算表(5,000万円超1億円以下:税率30%、控除額700万円)を適用して、6,000万円×30%-700万円=1,100万円となります。
- ②:400
- 長男Cさんの法定相続分は1/4(子の相続分1/2×1/2)です。取得金額は1億2,000万円×1/4=3,000万円となります。速算表(1,000万円超3,000万円以下:税率15%、控除額50万円)を適用して、3,000万円×15%-50万円=400万円となります。
- ③:1,900
- 二男Dさんの法定相続分も1/4であり、税額は長男Cさんと同じ400万円です。したがって、相続税の総額は各人の税額を合計して、1,100万円+400万円+400万円=1,900万円となります。
覚えるポイント
- 相続税の総額の計算は常に「法定相続分」で按分して計算する
- 法定相続人の中に孫(代襲相続人でない場合)は含まれない
間違えやすいところ
- 3,000万円ちょうどの取得金額に対して3,000万円超のブラケット(20%・200万円控除)を適用してしまうミス
- 二男Dさんの税額を合算し忘れて相続税の総額を誤るミス
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(相続税法)
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生前贈与における各特例およびみなし贈与の適用要件
資産承継・相続・贈与 · 住宅取得等資金の非課税特例 / みなし贈与(低額譲受) / 教育資金の一括贈与特例
Aさんが検討している親族への贈与等に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① 長男CさんがAさんから贈与を受ける現金500万円を住宅ローンの返済に充当した場合、所定の要件のもと、長男Cさんは、この贈与について「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の特例の適用を受けることができる。 ② 二男DさんがAさんから受けるゴルフ会員権の譲渡が、著しく低い価額の対価による財産の譲渡となった場合、そのゴルフ会員権の時価(相続税評価額)と支払った対価との差額は贈与税の課税対象となる。 ③ 孫EさんがAさんから受ける現金の贈与について、「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の特例の適用を受けた場合、2,000万円までの金額が非課税とされる。
解答・解説を表示
解答
① × ② ○ ③ ×
解説
贈与税の特例制度には資金の使途や非課税限度額が厳格に定められており、住宅取得等資金の非課税は新築・取得・増改築等そのものの費用が対象で債務返済は対象外です。また、親族間での著しい低額譲渡は差額分がみなし贈与として課税されます。
解き方
- 住宅取得等資金の贈与税の非課税特例の対象使途を確認し、住宅ローンの返済充当が含まれるかを判定する。
- 低額譲受における相続税法上のみなし贈与課税(時価と支払対価の差額課税)の規定に該当するかを判定する。
- 直系尊属からの教育資金一括贈与の非課税特例における非課税限度額がいくらであるかを確認して正誤を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の対象は、受贈者が自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得または増改築等の対価に充てるための資金に限られ、すでに借り入れている住宅ローンの返済資金に充当した場合は適用対象外となります。
- 小問 ②:○
- 相続税法第7条に基づき、著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合、時価(相続税評価額)と実際に支払った対価との差額に相当する金額を、財産を譲り受けた者が実質的に贈与により取得したものとみなして贈与税の課税対象となります。
- 小問 ③:×
- 「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の特例において、受贈者1人あたり非課税とされる限度額は最高1,500万円(学校等以外の者に直接支払われる金銭については500万円が限度)であり、2,000万円ではありません。
覚えるポイント
- 住宅取得等資金の贈与税の非課税は新築・取得・増改築が対象であり、既存の住宅ローン返済には使えない点。
- 教育資金の一括贈与特例の非課税限度額は受贈者ごとに1,500万円(学校等以外は500万円)である点。
間違えやすいところ
- 住宅取得等資金の特例を住宅ローン控除と混同し、借入金の返済にも使えると誤認しやすい。
- 結婚・子育て資金一括贈与(上限1,000万円)や教育資金一括贈与(上限1,500万円)の限度額を2,000万円などと取り違える。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(相続税法第7条、租税特別措置法第70条の2、第70条の2の2等)
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 実技 個人資産相談業務』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2015年5月 2級 実技 個人資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2015年5月 2級 実技 個人資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

