日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2015年5月 2級 学科の概要
FPの職業倫理と関連法規
ライフプランニングと資金計画 · FP倫理 / 社会保険労務士法 / 税理士法 / 任意後見契約
ファイナンシャル・プランナー(FP)の顧客に対する業務上の行為として、関連法規にて照らして最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
3
解説
FPは業務を行うにあたり他士業の独占業務を定めた法令(税理士法、社会保険労務士法、弁護士法等)を遵守しなければならず、資格を持たずに具体的申請手続き代行や個別計算を行ってはなりません。
解き方
- 各選択肢におけるFPの行為が、他士業の独占業務に抵触するかどうかを確認する。
- 社会保険労務士法上、公的年金の裁定請求書類の作成や提出代行は社労士の独占業務であることを確認し、違反行為を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 税理士資格を有しないFPであっても、法令の条文を紹介したり一般的な解説を行ったりする行為は税理士法に抵触しません。
- 選択肢 2不正解
- 保険契約の締結の媒介や代理を伴わず、一般的な商品性や仕組みを説明する行為は保険業法上の登録がなくても可能です。
- 選択肢 3正解
- 社会保険労務士資格を持たない者が年金の裁定請求手続きの代行を業として行うことは、社会保険労務士法違反となります。
- 選択肢 4不正解
- 任意後見受任者となるための特別な法的資格要件は規定されていないため、司法書士資格を有しないFPでも受任者となれます。
覚えるポイント
- 社労士法により年金の裁定請求代行は社労士の独占業務である点
間違えやすいところ
- 有償無償にかかわらず公的書類の提出代行等は社労士等の独占業務となることを見落としがちです。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ライフプランニングの作成手法(CF表・バランスシート)
ライフプランニングと資金計画 · キャッシュフロー表 / 可処分所得 / 個人バランスシート
ライフプランニングの一般的な作成手法や考え方に関する記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
3
解説
ライフプラン作成におけるキャッシュフロー表では将来の収支と貯蓄残高の推移を予測し、バランスシートでは作成時点における保有資産と負債の時価を把握することが原則です。
解き方
- 可処分所得、キャッシュフロー表の各費目の変動率適用ルール、残高計算式を確認する。
- 個人のバランスシートにおける資産・負債の計上基準(時価評価)と照合して正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 源泉徴収票の支払金額は額面収入であり、可処分所得はそこから税金や社会保険料を差し引いた金額となります。
- 選択肢 2不正解
- 住宅ローンの返済額などの固定的な支出には、物価変動率を乗じるのではなく、確定している元利返済予定額を計上します。
- 選択肢 3正解
- 貯蓄残高は「前年末の貯蓄残高×(1+運用利率)±当年の年間収支」の算式によって計算して記入します。
- 選択肢 4不正解
- 個人のバランスシートに記載する資産の価額は、取得時価額ではなく作成時点の時価で計上するのが原則です。
覚えるポイント
- 個人のバランスシートは作成時点の「時価」で記載すること
間違えやすいところ
- 固定返済である住宅ローン返済額に変動率を掛けてしまう計算誤りに注意が必要です。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
健康保険の任意継続被保険者制度
ライフプランニングと資金計画 · 健康保険 / 任意継続被保険者
健康保険の任意継続被保険者に関する記述として、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
健康保険の任意継続被保険者制度は、会社等を退職して被保険者資格を喪失した者が、一定の要件を満たすことで退職後も最長2年間にわたり従前の健康保険に継続加入できる制度です。
解き方
- 資格取得要件(継続して2か月以上の被保険者期間、資格喪失後20日以内の申請)および退職理由の不問を確認する。
- 保険料負担が全額自己負担であること、および在職中と同様に被扶養者の認定が可能であることを確認して各選択肢の正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 任意継続被保険者となるための被保険者期間は、資格喪失日の前日までに継続して「2ヵ月以上」必要であり、6ヵ月以上ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 任意継続被保険者の適用要件に離職理由は関係なく、自己都合退職による資格喪失であっても他の要件を満たせば加入できます。
- 選択肢 3不正解
- 在職中は事業主と折半負担ですが、任意継続被保険者となった場合は事業主負担がなくなり、全額自己負担となります。
- 選択肢 4正解
- 任意継続被保険者となった場合でも、一定の収入要件等を満たす配偶者や子がいるときは、手続きにより被扶養者とすることができます。
覚えるポイント
- 任意継続被保険者の要件は「継続して2ヵ月以上の被保険者期間」「資格喪失日から20日以内の申出」「最長2年間の加入」です。
間違えやすいところ
- 在職中は保険料が労使折半ですが、任意継続では全額自己負担となる点を失念しがちなので注意が必要です。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
雇用保険の基本手当の受給要件と支給期間
ライフプランニングと資金計画 · 雇用保険 / 基本手当
雇用保険の基本手当に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
雇用保険の基本手当は、労働者が失業した場合に生活の安定を図り求職活動を容易にするための給付です。受給要件、待期期間、自己都合退職等に伴う給付制限、および受給期間延長措置が定められています。
解き方
- 被保険者期間の要件(原則として離職前2年間に通算12か月以上)を確認する。
- 受給手続後の待期期間(7日間)と離職理由に応じた給付制限期間の有無を確認し、誤っている記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 一般の離職者の場合、基本手当の受給要件は原則として離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12ヵ月以上あることです。
- 選択肢 2正解
- 通算7日間の待期期間は全受給資格者に共通ですが、自己都合退職などの場合はさらに所定の給付制限期間が経過した後に支給が開始されます。
- 選択肢 3不正解
- 基本手当の受給期間は、原則として離職の日の翌日から起算して1年間と規定されています。
- 選択肢 4不正解
- 受給期間内に病気、ケガ、妊娠・出産などの理由で引き続き30日以上就職できない場合、申し出により受給期間を最長3年間(本来の受給期間1年とあわせて最長4年間)延長できます。
覚えるポイント
- 自己都合退職等による離職の場合、通算7日間の待期期間経過後に所定の給付制限期間が適用されます。
間違えやすいところ
- 待期期間(通算7日間)と自己都合退職等に伴う給付制限期間(2〜3か月)の違いを混同しないように整理しましょう。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金の被保険者種別と加入要件
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金 / 被保険者種別 / 第3号被保険者 / 任意加入被保険者
国民年金の被保険者に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
国民年金の強制被保険者は第1号から第3号までに区分されており、自営業者等の第1号および被扶養配偶者の第3号は20歳以上60歳未満が対象ですが、厚生年金保険等の加入者である第2号被保険者には20歳未満であっても該当するという年齢要件の違いがあります。
解き方
- 国民年金の強制被保険者(第1号・第2号・第3号)の年齢要件および対象者の範囲を確認する。
- 任意加入被保険者の要件(原則60歳以上65歳未満等)と照らし合わせ、各選択肢の正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 第1号被保険者は、日本国内に住所を有する「20歳以上60歳未満」の者であり、65歳未満ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 第2号被保険者には年齢の下限がなく、20歳未満であっても被用者年金の被保険者であれば第2号被保険者となります。
- 選択肢 3正解
- 第3号被保険者は、第2号被保険者に扶養されている配偶者であって、20歳以上60歳未満の者と定められています。
- 選択肢 4不正解
- 国民年金の任意加入被保険者は、原則として日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者などが対象であり、20歳未満の国内居住者を対象とする任意加入制度はありません。
覚えるポイント
- 第1号・第3号被保険者の年齢要件は「20歳以上60歳未満」、第2号は20歳未満でも加入する。
間違えやすいところ
- 第2号被保険者(会社員・公務員)にも20歳以上の年齢下限があると誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の国民年金法
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺族厚生年金の受給要件と給付内容
ライフプランニングと資金計画 · 遺族厚生年金 / 遺族の範囲 / 年金額の計算 / 中高齢寡婦加算 / 併給調整
遺族厚生年金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
公的年金制度では、原則として同一人に対して同一の事由に基づかない2つ以上の年金は重複して支給されません(1人1年金の原則)。65歳以降は一部併給の例外が認められますが、65歳未満においては選択受給となります。
解き方
- 遺族厚生年金の遺族の範囲、受給額の計算割合(報酬比例部分の4分の3)を確認する。
- 中高齢寡婦加算の加算要件(夫死亡時の妻の年齢や子の有無)および65歳未満の併給調整のルールを照合して適切な記述を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 受給できる遺族の範囲には、配偶者や子のほかに父母、孫、祖父母も優先順位に応じて含まれます。
- 選択肢 2不正解
- 遺族厚生年金の額は、死亡した者の厚生年金保険の被保険者期間を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の「4分の3」相当額です。
- 選択肢 3不正解
- 中高齢寡婦加算が加算されるのは、夫死亡時に40歳以上65歳未満で子のない妻などであり、35歳で子のない妻には加算されません。
- 選択肢 4正解
- 65歳未満の期間は1人1年金の原則が適用されるため、特別支給の老齢厚生年金と遺族厚生年金はいずれか一方を選択して受給します。
覚えるポイント
- 遺族厚生年金の額は報酬比例部分の4分の3、65歳未満は1人1年金の原則により選択受給となる。
間違えやすいところ
- 中高齢寡婦加算の年齢要件(40歳以上65歳未満)を30代から受給可能と勘違いしないように注意する。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の厚生年金保険法
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
厚生年金基金の仕組みと給付
ライフプランニングと資金計画 · 企業年金 / 厚生年金基金 / 公的年金の代行給付
厚生年金基金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
厚生年金基金は国の老齢厚生年金の一部(報酬比例部分)を代行し、さらに独自の独自給付(加算部分)を上乗せして支給する企業年金制度です。代行部分は国の公的年金給付そのものであるため、支給開始年齢や支給形態は国の制度に連動します。
解き方
- 厚生年金基金の給付構造(代行部分と加算部分の性質)を確認する。
- 代行部分の支給開始年齢が公的年金の支給開始年齢引き上げスケジュールと連動している点に照らし、各肢の正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 国の公的年金を代行している代行部分は原則として終身年金で受給しますが、基金独自の上乗せである加算部分は規約により一時金選択が可能です。
- 選択肢 2不正解
- 2013年の法改正に基づき、公的年金制度の健全化のため2014年(平成26年)4月1日以降、厚生年金基金の新規設立は認められなくなりました。
- 選択肢 3不正解
- 加入員(従業員)が負担した厚生年金基金の掛金は、全額が所得税法上の社会保険料控除の対象となります。
- 選択肢 4正解
- 厚生年金基金の代行部分の支給開始年齢は、国の特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢引き上げに連動して段階的に引き上げられるため、生年月日にかかわらず一律60歳ではありません。
覚えるポイント
- 厚生年金基金の代行部分は国の老齢厚生年金に連動し、加算部分は規約により一時金受給が可能であること
- 厚生年金基金は2014年4月1日以降、新設が禁止されたこと
間違えやすいところ
- 確定給付企業年金や企業型確定拠出年金と混同し、代行部分も一時金で受け取れると誤認しやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
中退共・小規模企業共済・国民年金基金の特徴
ライフプランニングと資金計画 · 中小企業退職金共済 / 小規模企業共済 / 国民年金基金
中小企業退職金共済、小規模企業共済および国民年金基金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
自営業者や中小企業の退職金・年金補完制度には中退共・小規模企業共済・国民年金基金などがあり、それぞれ加入対象者、掛金限度額、給付形態、公的助成の有無が明確に定められています。
解き方
- 各制度の加入要件(対象被保険者種別や事業主・従業員区分)を精査する。
- 掛金の上限額および給付・助成制度の設計(口数制や国の助成対象)を比較して適切な記述を選ぶ。
- 選択肢 1不正解
- 中小企業退職金共済の掛金月額上限は被共済者1人当たり30,000円です。月額68,000円は国民年金基金や個人型確定拠出年金(第1号被保険者)の掛金上限額です。
- 選択肢 2不正解
- 新規加入時に加入後4か月目から1年間、掛金月額の2分の1(上限あり)が国から助成される制度は中小企業退職金共済(中退共)の制度であり、小規模企業共済にはありません。
- 選択肢 3不正解
- 国民年金基金に加入できるのは国民年金の第1号被保険者や任意加入被保険者等であり、第3号被保険者(被扶養配偶者)や第2号被保険者は加入できません。
- 選択肢 4正解
- 国民年金基金は口数制であり、1口目は終身年金(A型またはB型)から選択し、2口目以降は終身年金または確定年金から加入者が希望に合わせて選択します。
覚えるポイント
- 中退共の掛金上限は月額30,000円、新規加入助成があること
- 小規模企業共済は個人事業主・会社役員対象で全額小規模企業共済等掛金控除となること
- 国民年金基金は第1号被保険者が対象で、1口目は終身年金必須であること
間違えやすいところ
- 月額68,000円の限度額を中退共と混同しやすい(68,000円は国民年金基金やiDeCo第1号の枠)。
- 新規加入助成がある制度を小規模企業共済と中退共で取り違えやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
フラット35(買取型)の融資条件
ライフプランニングと資金計画 · 住宅ローン / フラット35
住宅金融支援機構と民間金融機関が提携した住宅ローンであるフラット35(買取型)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
フラット35(買取型)は全期間固定金利型の住宅ローンであり、住宅金融支援機構が民間金融機関の住宅ローン債権を買い取る仕組みです。金利や融資手数料は取扱金融機関ごとに設定され、融資期間や住宅の規模等に一定の要件が設けられています。
解き方
- フラット35(買取型)の金利設定が各提携金融機関に委ねられているかを確認します。
- 一部繰上げ返済のインターネット受付要件、住宅面積要件、融資期間の上限・下限の基準と照合して適切肢を判定します。
- 選択肢 1正解
- フラット35の借入金利および融資手数料は取扱金融機関が独自に決定するため、機関ごとに異なります。
- 選択肢 2不正解
- インターネットサービス「住・My Note」を利用した一部繰上げ返済は10万円以上(窓口では100万円以上)から可能です。
- 選択肢 3不正解
- 融資対象となる住宅の床面積要件は、一戸建て住宅等は70平米以上、共同建て(マンション等)は30平米以上です。
- 選択肢 4不正解
- 融資期間の上限は「80歳-申込時の年齢」と「35年」のいずれか短い年数ですが、下限として15年(満60歳以上の場合は10年)が定められています。
覚えるポイント
- フラット35の一戸建て住宅の床面積基準は70平米以上、マンションは30平米以上
- インターネットでの一部繰上げ返済は10万円以上、窓口等は100万円以上
間違えやすいところ
- 住宅ローン控除の床面積要件(50平米以上)とフラット35の一戸建て要件(70平米以上)の数値を混同しないように注意する。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
「ねんきん定期便」の記載内容と仕組み
ライフプランニングと資金計画 · 公的年金 / ねんきん定期便
「ねんきん定期便」に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
ねんきん定期便は、国民年金および厚生年金保険の加入者に毎年1回誕生月に送付され、加入記録の確認を促すものです。50歳未満と50歳以上で年金見込額の表示基準が異なり、50歳未満は実績ベース、50歳以上は将来の見込額ベースで記載されます。
解き方
- ねんきん定期便の送付時期(毎年誕生月、1日生まれは前月)と確認手続きを確認します。
- 年齢による年金額の記載方式(50歳未満は実績額、50歳以上は60歳まで継続加入を前提とした見込額)の違いに着目して不適切肢を特定します。
- 選択肢 1不正解
- ねんきん定期便は毎年1回、加入者の誕生月(1日生まれの場合は誕生月の前月)に送付されます。
- 選択肢 2不正解
- 出題基準日時点において、日本年金機構が送付するねんきん定期便には共済組合の組合員期間は記載されていませんでした。
- 選択肢 3正解
- 「60歳まで同じ条件で加入し続けたと仮定した見込額」が記載されるのは50歳以上の受取人であり、50歳未満の者には「これまでの加入実績に応じた年金額」が記載されるため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 記録に「もれ」や「誤り」があるときは、同封の「年金加入記録回答票」に記入して調査を申し出ることができます。
覚えるポイント
- ねんきん定期便の年金額表示:50歳未満は「実績額」、50歳以上は「60歳まで加入前提の見込額」
- 35歳・45歳・59歳の節目年齢では、通常のハガキ形式ではなく封書で全履歴が届く
間違えやすいところ
- すべての年齢で将来の見込額が記載されていると思い込みやすいため、50歳を境に表示形式が変わる点に注意する。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
保険契約者保護機構による補償
リスク管理 · 保険契約者保護機構 / セーフティネット
日本における生命保険契約者保護機構および損害保険契約者保護機構による補償に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
保険会社が経営破綻した際、契約者を保護するために生命保険契約者保護機構および損害保険契約者保護機構が設けられています。生命保険契約は原則として責任準備金等の90%まで補償されますが、基準利率を超える高予定利率契約は補償率が引き下げられます。損害保険契約では、自賠責保険や地震保険は時期を問わず100%補償されますが、自動車保険や火災保険などは破綻後3カ月以内は100%、3カ月経過後は80%(火災保険等は一定条件で90%)などの補償割合が定められています。
解き方
- 生命保険契約者保護機構における高予定利率契約の補償ルール(補償割合が90%を下回る点)を確認する。
- 銀行窓口等で募集・契約された保険であっても、保護機構の対象となる保険会社の商品であれば保護機構が適用される点を確認する。
- 損害保険契約者保護機構における自賠責保険・地震保険(期間問わず100%)と自動車保険(3カ月経過後は80%補償)の補償ルールを照合し、正しい記述を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 高予定利率契約(破綻時に過去5年間常に基準利率を超えていた契約等)については、補償割合が責任準備金等の90%を下回ることがあります。
- 選択肢 2不正解
- 銀行窓口などの金融機関代理店で購入した生命保険であっても、生命保険契約者保護機構による補償の対象となり、預金保険制度の保護対象にはなりません。
- 選択肢 3不正解
- 地震保険契約および自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)は、破綻からの期間に関わらず、保険金の全額(100%)が補償されます。
- 選択肢 4正解
- 任意加入の自動車保険契約は、破綻から3カ月経過後に発生した事故の場合、損害保険契約者保護機構により保険会社破綻時の責任準備金等(または保険金)の80%までが補償されます。
覚えるポイント
- 生命保険の原則補償限度は責任準備金等の90%(高予定利率契約はさらに低くなる)
- 地震保険・自賠責保険は破綻時期にかかわらず100%補償
- 自動車保険(任意)は破綻後3カ月以内100%、3カ月経過後80%補償
間違えやすいところ
- 銀行窓口で購入した保険商品を預金保険の対象と勘違いしやすい。
- 地震保険の100%補償に3カ月や6カ月などの期間制限があると誤認しやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
終身保険の一般的な商品性
リスク管理 · 終身保険 / 無選択型保険 / 低解約返戻金型保険 / 変額保険 / アカウント型保険
各種終身保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
終身保険には保障や解約返戻金の設計に応じてさまざまな商品が存在します。無選択型保険は診査・告知不要で誰でも加入できますが、保険料が割高などの制限があります。低解約返戻金型は保険料払込期間中のみ解約返戻金を抑制して保険料を安く抑える商品です。変額終身保険は死亡保険金には最低保証がありますが解約返戻金には最低保証がありません。アカウント型保険は積立金(アカウント部分)を途中で払い出したり特約保険料へ充当したりできる柔軟性を持ちます。
解き方
- 無選択型終身保険の診査・告知の要否および加入要件を確認する。
- 低解約返戻金型終身保険の解約返戻金が抑制される期間(払込期間中のみ)を確認する。
- 変額終身保険において死亡保険金と解約返戻金の最低保証の有無を確認する。
- アカウント型保険の積立部分(アカウント部分)の中途引き出し可否を確認する。
- 選択肢 1正解
- 無選択型終身保険は、健康状態についての告知や医師の診査が不要で、健康状態にかかわらず加入することができます(ただし保険料が割高などの条件があります)。
- 選択肢 2不正解
- 低解約返戻金型終身保険で解約返戻金が抑制されるのは「保険料払込期間中」であり、保険料払込満了後は通常の終身保険と同水準になります。
- 選択肢 3不正解
- 一時払変額終身保険では、死亡保険金額には最低保証(一時払保険料等)がありますが、解約返戻金額には最低保証はありません。
- 選択肢 4不正解
- 利率変動型積立終身保険(アカウント型保険)の積立部分(アカウント部分)は、保険料払込期間中であっても所定の範囲内で引き出すことが可能です。
覚えるポイント
- 無選択型:医師の診査・告知が不要
- 低解約返戻金型:解約返戻金が抑制されるのは「保険料払込期間中」のみ
- 変額保険:死亡保険金には最低保証があるが解約返戻金には最低保証がない
- アカウント型保険:積立金は払込期間中でも引き出し可能
間違えやすいところ
- 低解約返戻金型終身保険が払込満了後も解約返戻金が抑制されたままであると誤認しやすい。
- 変額保険で死亡保険金だけでなく解約返戻金まで最低保証されると混同しやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険料控除(新契約)の取扱い
リスク管理 · 生命保険料控除 / 新契約 / 個人年金保険料税制適格特約
平成24年1月1日以降に締結した生命保険契約(新契約)の保険料に係る所得税の生命保険料控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
平成24年1月1日以後に締結した生命保険契約等(新契約)の生命保険料控除は、一般生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除の3種類で構成され、所得税の控除限度額は各4万円(合計最高12万円)です。受取人の範囲や特約要件、対象外となる契約(少額短期保険等)の規定が定められています。
解き方
- 新契約における生命保険料控除の各控除枠の限度額(所得税各4万円、住民税各2.8万円)を確認します。
- 各保険料控除(介護医療保険料控除、個人年金保険料控除)の受取人要件および適格要件を確認します。
- 少額短期保険業者と締結した保険契約が控除対象に含まれるかどうか(対象外)を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 新契約における所得税の控除限度額は、一般・介護医療・個人年金の各控除枠ごとに最高4万円(合計最高12万円)です。5万円は旧契約(最高5万円、合計最高10万円)の上限額です。
- 選択肢 2不正解
- 介護医療保険料控除の対象となる受取人の範囲は、保険料負担者(契約者)、その配偶者、または「その他の親族(6親等内の血族および3親等内の姻族)」と定められており、契約者と配偶者に限られません。
- 選択肢 3正解
- 個人年金保険料税制適格特約の要件として、年金受取人は保険料負担者またはその配偶者のいずれかであり、かつ被保険者と同一人であることが定められています。
- 選択肢 4不正解
- 少額短期保険業者が引き受ける少額短期保険契約の保険料は、生命保険料控除および地震保険料控除の対象外とされています。
覚えるポイント
- 新契約の所得税控除限度額は各4万円・合計12万円、住民税は各2.8万円・合計7万円です。
- 少額短期保険の保険料は生命保険料控除の対象外です。
間違えやすいところ
- 旧契約(上限5万円・合計10万円)と新契約(上限4万円・合計12万円)の限度額を混同しないようにしましょう。
- 医療保険等の受取人範囲は「親族」まで含まれますが、個人年金保険料控除は「本人または配偶者(かつ被保険者と同一)」に限定される違いに注意しましょう。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の所得税法および関係法令
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険契約に関する権利の相続税評価額
リスク管理 · 生命保険契約に関する権利 / 相続税の課税価格 / 解約返戻金相当額
下記の生命保険に加入しているAさんが死亡した場合、Aさんの相続に係る相続税の課税価格に算入される生命保険契約に関する権利の価額として、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。 ・保険の種類:定期保険特約付終身保険 ・契約者(=保険料負担者):Aさん ・被保険者:Aさんの配偶者 ・死亡保険金受取人:Aさん ・死亡保険金額:3,000万円 ・相続開始時における払込保険料総額:1,022万円 ・相続開始時における解約返戻金相当額:640万円
解答・解説を表示
解答
2
解説
契約者(保険料負担者)と被保険者が異なり、被保険者の死亡前に契約者が死亡した場合、契約は消滅せず相続人に引き継がれます。このとき相続税の課税対象となる「生命保険契約に関する権利」の評価額は、相続開始時において当該契約を解約したとした場合に支払われるべき「解約返戻金の額」によって評価されます。
解き方
- 契約形態を確認します(契約者=被保険者ではないため、契約者の死亡時には死亡保険金は支払われません)。
- 課税対象が「死亡保険金」ではなく、本来の相続財産である「生命保険契約に関する権利」であることを確認します。
- 生命保険契約に関する権利の評価基準である「相続開始時における解約返戻金相当額」を読み取り、価額(640万円)を決定します。
- 選択肢 1不正解
- 払込保険料総額と解約返戻金相当額の差額(1,022万円-640万円=382万円)を課税価格とする評価方法は存在しません。
- 選択肢 2正解
- 生命保険契約に関する権利の評価額は、相続開始時において解約した場合に支払われる解約返戻金相当額であるため、640万円が課税価格に算入されます。
- 選択肢 3不正解
- 払込保険料総額(1,022万円)は生命保険契約に関する権利の相続税評価額の基準とはなりません。
- 選択肢 4不正解
- 被保険者である配偶者は死亡していないため死亡保険金(3,000万円)は支払われず、これを評価額とすることはありません。
覚えるポイント
- 契約者死亡・被保険者生存の場合、「生命保険契約に関する権利」として相続税の課税対象になります。
- 生命保険契約に関する権利の相続税評価額は「解約返戻金相当額」です。
間違えやすいところ
- 被保険者が死亡していないのに、死亡保険金額や払込保険料総額を課税価格として選ばないように注意しましょう。
- 生命保険契約に関する権利の取得には、「500万円×法定相続人の数」の死亡保険金の非課税枠は適用されません。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の相続税法第26条および財産評価基本通達214
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の生命保険に関する経理処理
リスク管理 · 法人保険の経理処理 / 養老保険 / 長期平準定期保険 / 終身保険の解約返戻金
契約者(=保険料負担者)を法人、被保険者を役員とする生命保険契約の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとし、いずれも保険料は毎月平準払いで支払われているものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
法人が契約する生命保険では、支払保険料が将来の資産として戻ってくる性質(貯蓄性)があるか否かにより、資産計上か損金算入かが決まります。解約時にはそれまでに資産計上した残高を取り崩して差額を損益処理します。
解き方
- 保険種類ごとに契約者・被保険者・受取人の組み合わせから、保険料支払時の資産計上割合・損金算入ルールを確認する。
- 解約時や給付金受取時の経理処理において、すでに計上されている資産(保険料積立金等)の有無と差額の計上方法を確認して正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 死亡・満期保険金受取人がともに法人の養老保険は、支払った保険料の全額を資産(保険料積立金)に計上します。
- 選択肢 2不正解
- 長期平準定期保険では、保険期間の6割相当期間経過後は、当期支払保険料を全額損金算入し、前払保険料残高を均等に取り崩して損金算入します。
- 選択肢 3正解
- 終身保険の保険料は全額資産計上されているため、解約時は解約返戻金と保険料積立金との差額を雑収入または雑損失として経理処理します。
- 選択肢 4不正解
- 法人が受け取った入院給付金や手術給付金は対応する資産計上科目がないため、全額を雑収入として経理処理します。
覚えるポイント
- 法人が受け取る保険金・給付金・返戻金は、資産計上額を取り崩した差額のみを雑収入(または雑損失)とする。
間違えやすいところ
- 受け取った解約返戻金の総額そのものを雑収入として処理してしまう誤りに注意する。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法人税法・基本通達
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
火災保険の補償範囲
リスク管理 · 火災保険 / 補償対象 / 免責事由 / 家財の範囲
住宅建物と収容家財を補償の対象とする火災保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
火災保険は火災・落雷・破裂・爆発などの偶然かつ突発的な事故による建物や家財の損害を補償します。経年劣化や虫食いなどの損害は補償対象外であり、敷地内の自動車は家財に含まれず自動車保険で手当てします。
解き方
- 火災保険の基本補償(火災・落雷・破裂等)および消防活動等に伴う派生損害の取扱いを確認する。
- 害虫による損害(免責事由)や敷地内自動車の家財該当性を精査して不適切な肢を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 消防活動に伴う放水による水濡れや破壊などの損害は、火災事故に起因する損害として火災保険の補償対象となります。
- 選択肢 2正解
- シロアリなどの害虫による食害や老朽化・腐食による損害は突発的な事故ではないため、火災保険の補償対象外(免責)となります。
- 選択肢 3不正解
- 落雷による過電流等で収容家財である家電製品が破損・故障した損害は、落雷の損害として補償の対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 自動車は火災保険における「収容家財」には含まれないため、敷地内での火災による損害であっても火災保険の補償対象外です。
覚えるポイント
- シロアリ等の害虫害や自然損耗・経年劣化は火災保険の免責事由である。
- 自動車は火災保険の家財に含まれず、自動車保険の車両保険で補償される。
間違えやすいところ
- 隣家の火災による消火活動の放水被害が火災保険の対象外であると誤認しないように注意する。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の標準的な火災保険普通保険約款
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
任意加入の自動車保険の補償内容
リスク管理 · 自動車保険 / 対人賠償保険 / 人身傷害補償保険 / 車両保険
任意加入の自動車保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
自動車保険の各種補償は、補償の対象となる事故・損害の範囲や被保険者・親族に関する免責事由が明確に定められています。人身傷害補償保険は自身の過失割合に関係なく実損額が支払われる点が特徴です。
解き方
- 対人賠償保険の免責対象(配偶者・父母・子など親族に対する損害)を確認する。
- 対物賠償保険および車両保険の補償範囲(他人の財物、火災損害など)を確認する。
- 人身傷害補償保険が自己の過失割合に関わらず損害額を補償する仕組みであることを適用して不適切な記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 対人賠償保険では、被保険者の父母、配偶者、子に対する損害賠償責任は免責条項に該当し、補償の対象外となります。
- 選択肢 2不正解
- 対物賠償保険は事故により他人の財物を破損して法律上の損害賠償責任を負った場合に補償されるため、駐車場の自動精算機の損害は対象となります。
- 選択肢 3正解
- 人身傷害補償保険は、被保険者の過失割合にかかわらず保険金額を上限として実際の損害額全額が支払われるため、過失割合相当分が対象外となるわけではありません。
- 選択肢 4不正解
- 一般条件の車両保険では、衝突・接触等の単独事故だけでなく、火災や爆発、盗難、台風などによる損害も補償の対象となります。
覚えるポイント
- 人身傷害補償保険は過失割合に関係なく実損額が支払われる。
- 対人・対物賠償保険では配偶者・父母・子への損害は補償対象外となる。
間違えやすいところ
- 人身傷害補償保険と搭乗者傷害保険(定額払い)の支払基準を混同しないようにする。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損害保険に係る保険料および保険金の税務
リスク管理 · 損害保険の税務 / 事業所得の必要経費 / 満期返戻金 / 死亡保険金の課税区分
個人を契約者(=保険料負担者)とする損害保険の課税関係に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
損害保険の税務では、保険料負担者と保険金等の受取人の関係によって課税関係が決定されます。保険料負担者自身が受け取る死亡保険金や満期返戻金は一時所得、年金形式の場合は雑所得として課税されます。
解き方
- 事業主が従業員のために支払う傷害保険料の経費性を確認する。
- 満期返戻金や年金給付金を受取人と負担者が同一の場合の所得区分(一時所得・雑所得)を確認する。
- 契約者自身が配偶者の死亡保険金を受け取る場合の課税区分(一時所得)を適用し、相続税とする記述の誤りを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 個人事業主が家族以外の従業員を被保険者として負担した傷害保険料は、事業の必要経費(福利厚生費等)に算入することができます。
- 選択肢 2不正解
- 保険期間5年超の積立火災保険の満期返戻金を契約者本人が受け取った場合、差益部分は一時所得として所得税の課税対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 年金払積立傷害保険の年金給付金を契約者本人が受け取る場合、公的年金等以外の雑所得として所得税の課税対象となります。
- 選択肢 4正解
- 保険料負担者である契約者自身が死亡保険金を受け取る場合、相続税ではなく所得税(一時所得)の課税対象となります。
覚えるポイント
- 保険料負担者=受取人の死亡保険金・満期返戻金は所得税(一時所得)の対象となる。
- 被相続人が保険料を負担していた保険金を相続人が受け取る場合に相続税の対象となる。
間違えやすいところ
- 被保険者が死亡したからといって常に相続税が課税されると誤認しない(保険料負担者と受取人の関係で判定する)。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
医療保険の一般的な商品性
リスク管理 · 医療保険 / 給付金支払要件 / 免責期間
医療保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
医療保険における「入院」とは、医師による治療が必要であり、医療法に定める病院または診療所に収容されて治療を受けることを指します。また、一般的な医療保険では責任開始日以降の病気・ケガによる入院が即時に保障対象となり、1入院限度日数や通算支払限度日数が設定されています。
解き方
- 各選択肢の記述について、医療保険の責任開始期(免責期間の有無)、入院の定義(対象施設)、支払限度日数(1入院・通算)、給付金請求手続きの規定を順に照合します。
- 介護老人保健施設への入所は医療法上の病院・診療所への入院に該当せず入院給付金の支払い対象外であるため、選択肢2が最も適切であると判断します。
- 選択肢 1不正解
- がん保険等では90日程度の免責期間(待機期間)が設けられることがありますが、一般的な医療保険の病気やケガによる入院には免責期間はなく、責任開始期以降の事由であれば保障されます。
- 選択肢 2正解
- 医療保険の入院給付金の対象となる入院は「病院または診療所」への入院であり、介護老人保健施設や特別養護老人ホーム等への入所は対象外となるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 一般的な医療保険の入院給付金には、通算支払限度日数(例:1,000日や1,095日など)だけでなく、1回の入院についての支払限度日数(例:60日型、120日型など)も上限が定められています。
- 選択肢 4不正解
- 入院給付金は退院後だけでなく、長期の入院となっている場合には退院前であってもその時点までの給付金を途中で請求することが可能です。
覚えるポイント
- 医療保険の入院は「病院・診療所」への入院が対象であり介護保険施設への入所は対象外
- がん保険には90日程度の免責期間があるが、一般の医療保険には病気入院の免責期間はない
間違えやすいところ
- 医療保険の入院給付金は1入院あたりの限度日数と通算限度日数の両方が定められている点を片方だけと混同しないようにする
- 給付金請求は退院後でなければできないと誤認しやすいが、入院中の分割請求も可能である
出題の前提:特に指示のない限り、平成26年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損害保険を活用した事業活動のリスク管理
リスク管理 · 法人向け損害保険 / 請負業者賠償責任保険 / 生産物賠償責任保険 / 施設所有者賠償責任保険 / 火災保険特約
損害保険を活用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
企業活動に伴うリスク管理では、想定される損害(自社財産の直接損害、休業損害、第三者への法律上の賠償責任、従業員の労働災害など)と、各保険商品の補償対象が正しく適合しているかを正確に判断することが不可欠です。
解き方
- 選択肢1〜3について、事故内容と各賠償責任保険の対象(受託物、第三者損害賠償、従業員災害)が合致しているかを確認します。
- 選択肢4について、火災保険の基本補償では免責となる地震リスクを担保するための「地震危険担保特約」の適合性を確認し、適切と判断します。
- 選択肢 1不正解
- 客から預かった荷物の盗難や破損等に備える保険は「受託者賠償責任保険」です。請負業者賠償責任保険は、請負作業の遂行に伴う事故によって第三者に損害を与えた場合の賠償責任を補償するものです。
- 選択肢 2不正解
- 生産物賠償責任保険(PL保険)は、提供した飲食物に起因する食中毒等により客が健康被害を被った場合の法律上の損害賠償責任を補償するものであり、自社の売上減少等の営業損失は補償の対象外です。
- 選択肢 3不正解
- 施設所有(管理)者賠償責任保険は「第三者(来園者等)」に対する損害賠償責任を補償するものであり、自社従業員の業務中のケガは対象外です(従業員のケガには労働災害総合保険や使用者賠償責任保険等で備えます)。
- 選択肢 4正解
- 一般の法人向け火災保険では地震による倒壊や火災被害は補償されないため、地震危険担保特約を付帯して備えることが適切です。
覚えるポイント
- 受託物の損壊・盗難リスクは「受託者賠償責任保険」で備える
- PL保険は製造物・成果物に起因する第三者への損害賠償を補償し、自社の売上減少は対象外
- 施設所有者賠償責任保険は「第三者」に対する賠償責任を対象とし、従業員の労災は対象外
間違えやすいところ
- PL保険で食中毒による自社の営業損失・売上減少までカバーされると勘違いしやすい
- 施設所有者賠償責任保険が自社従業員の業務中事故までカバーすると誤認しやすい
出題の前提:特に指示のない限り、平成26年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
経済指標の基礎知識(GDP・CPI・日銀短観・マネーストック)
金融資産運用 · 経済指標 / 国内総生産 / 日銀短観 / マネーストック
わが国の経済指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
各種経済指標はその調査主体・集計対象・測定目的を正しく整理して理解する必要があります。日銀短観は企業の景況感や活動実態をアンケート調査するものであり、世の中の通貨量を測定するマネーストック統計とは明確に区別されます。
解き方
- GDPの構成要素および消費者物価指数(CPI)の改定ルールなどの基本的定義を確認する。
- 名目値と実質値の関係性(実質値=名目値-物価変動率の影響)を理解して妥当性を判断する。
- 日銀短観の調査対象(企業の業況判断等)とマネーストック統計(通貨量)の相違を識別する。
- 選択肢 1不正解
- 国内総生産(GDP)において、全体の5割以上を占めて最も高い構成比となる項目は民間最終消費支出です。
- 選択肢 2不正解
- 総務省が公表する消費者物価指数は、消費実態の変化を反映させるため、採用品目やウエイトが概ね5年ごとに定期的な見直し(基準改定)が行われます。
- 選択肢 3不正解
- 実質経済成長率は名目値から物価変動の影響を除去して算出されるため、物価上昇率が名目成長率を上回る場合は実質値が下落(マイナス)することがあります。
- 選択肢 4正解
- 金融部門から経済全体に供給される通貨量の残高を調査・集計した統計は「マネーストック統計」であり、日銀短観の説明ではないため不適切です。
覚えるポイント
- 日銀短観は全国約1万社の企業を対象にした業況判断DI等のアンケート調査である。
- 通貨量の統計はマネーストック統計(日本銀行が公表)である。
間違えやすいところ
- マネーストック統計と日銀短観の目的を混同しやすい点に注意が必要です。
- GDPで最も大きい構成比を占める項目を企業の設備投資と勘違いしないようにしましょう。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
金融機関が取り扱う各種預金商品の特徴
金融資産運用 · 決済用預金 / 仕組預金 / スーパー定期 / 貯蓄預金
金融機関が取り扱う金融商品に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
定期預金や決済用預金、貯蓄預金などの各種預金商品には、預金保険による保護範囲や利息計算方式(単利・複利)、利用可能な口座機能などに明確な違いが定められています。特に法人は単利型のみ、個人は複利型も利用可能であるという区別が頻出論点です。
解き方
- 決済用預金の3要件(無利息・要求払い・決済機能)と全額保護の規定を確認する。
- 仕組預金の中途解約制限の原則を確認する。
- スーパー定期預金の利息計算方法における個人と法人の取扱いの差異を照合する。
- 貯蓄預金における決済口座としての制約(給与振込や口座振替の不可)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 「無利息」「要求払い」「決済サービスを提供できること」の3要件を満たす決済用預金は、預金保険制度により全額が保護されます。
- 選択肢 2不正解
- オプション取引等のデリバティブを内包する仕組預金は、預金者からの申し出による中途解約は原則として認められていません。
- 選択肢 3正解
- スーパー定期預金の半年複利型を利用できるのは個人であり、法人は利用できず単利型のみとなるため、「個人は半年複利型を利用することができない」とする本記述は不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 貯蓄預金は出し入れ自由で残高に応じた金利が適用されますが、公共料金等の自動支払いや給与振込等の自動受取口座としては利用できません。
覚えるポイント
- スーパー定期の半年複利型を利用できるのは個人(法人は単利型のみ)。
- 決済用預金の全額保護3要件:無利息・要求払い・決済サービスの提供。
間違えやすいところ
- 個人と法人のスーパー定期預金複利型の可否を逆に覚えないように注意が必要です。
- 貯蓄預金は普通預金と異なり決済用口座指定ができない点を見落としやすいです。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式投資信託の運用スタイルとアプローチ手法
金融資産運用 · 投資信託 / パッシブ運用とアクティブ運用 / トップダウン・アプローチとボトムアップ・アプローチ
株式投資信託の代表的な運用手法や投資スタイルに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
投資信託の運用スタイルには、指標への連動を目指すパッシブ運用と指標を上回る成果を目指すアクティブ運用があり、銘柄選択のアプローチにはマクロ視点からのトップダウンとミクロ視点からのボトムアップがあります。
解き方
- パッシブ運用とアクティブ運用の運用目標(ベンチマーク連動か上回りを目指すか)の定義を確認する。
- トップダウン(マクロ環境から資産配分を決定)とボトムアップ(個別企業の徹底調査から積上げ)の違いを整理して正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- ベンチマークを上回る投資成果を目指す手法はアクティブ運用であり、パッシブ運用(インデックス運用)はベンチマークと連動した投資成果を目指す手法です。
- 選択肢 2不正解
- バリュー投資は、企業の利益水準(PER)や純資産(PBR)等から見て株価が割安と判断される銘柄に投資するスタイルで適切です。
- 選択肢 3不正解
- ボトムアップ・アプローチは、個別銘柄の財務指標や企業リサーチ等を基に銘柄を選定し、その積み上げでポートフォリオを構築する手法であり適切です。
- 選択肢 4不正解
- トップダウン・アプローチは、景気動向や金利等のマクロ経済要因を分析して資産配分や業種別比率を決定したうえで、個別銘柄を選定する手法であり適切です。
覚えるポイント
- パッシブ運用は指標(市場平均)連動型、アクティブ運用は指標超過を目指す手法。
間違えやすいところ
- パッシブ運用とアクティブ運用の用語の入れ替えに気をつける。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令・一般的な金融知識に基づく出題
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
固定利付債券の利回り計算式
金融資産運用 · 債券投資 / 利回り計算 / 所有期間利回り
固定利付債券の利回り(単利・年率)の計算に関する記述の空欄(ア)~(エ)にあてはまる計算式として、誤っているものはどれか。なお、表面利率0.5%、償還年限10年の固定利付債券が額面100円当たり100円23銭で発行され、手数料・経過利子・税金等は考慮しないものとする。 ・応募者利回り(ア) ・直接利回り(イ) ・新規発行時に購入し3年後に額面100円当たり102円で売却した場合の所有期間利回り(ウ) ・発行から3年後に額面100円当たり102円で購入し償還まで保有した場合の最終利回り(エ)
解答・解説を表示
解答
3
解説
債券の単利利回りは「1年当たりのインカムゲイン(利率)+1年当たりのキャピタル損益」を「購入価格(投資元本)」で割って百分率(×100)として算出します。
解き方
- 所有期間利回りの公式「{利率+(売却価格-購入価格)/保有年数}/購入価格×100」を確認する。
- 提示された条件(購入価格100.23円、売却価格102円、所有年数3年)を公式に代入し、選択肢3の式が分母・分子ともに誤っていることを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 応募者利回りは「{利率+(償還価格-発行価格)/償還年限}/発行価格×100」であり、正しい計算式です。
- 選択肢 2不正解
- 直接利回りは「利率/購入価格×100」であり、正しい計算式です。
- 選択肢 3正解
- 所有期間利回りは「{0.5+(102.00-100.23)/3}/100.23×100」となるべきであり、選択肢の式は分母が102.00で分子の売却価格と購入価格も逆になっているため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 最終利回りは「{利率+(償還価格-購入価格)/残存年数}/購入価格×100」であり、残存期間7年(10年-3年)を用いた正しい計算式です。
覚えるポイント
- 利回り計算の分母は常に「購入価格(発行時は発行価格)」になる。
間違えやすいところ
- 売却益(キャピタルゲイン)を計算する際に「売却価格-購入価格」の順序を逆にしてしまうミス。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式市場の代表的な指標(日経平均株価とTOPIX)
金融資産運用 · 日経平均株価 / 東証株価指数(TOPIX)
株式市場の代表的な指標に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
日経平均株価は東証一部(現・プライム市場)の代表的な225銘柄を対象とした修正平均株価であり、株価水準の高い「値がさ株」の影響を受けやすい特徴があります。一方、TOPIX(東証株価指数)は対象市場の全銘柄を対象とした浮動株ベースの時価総額加重型指数であり、時価総額の大きい「大型株」の影響を受けやすいという特徴があります。
解き方
- 日経平均株価とTOPIXの対象銘柄(日経225は代表225銘柄、TOPIXは当時の東証一部全銘柄)を確認する。
- 指数の算出方式および価格変動への感応特性(修正平均株価か時価総額加重型か)を各選択肢と照合して正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 日経平均株価は、東京証券取引所市場第一部(現・プライム市場)に上場する銘柄のうち市場を代表する「225銘柄」を対象に算出されるため不適切です。全銘柄を対象とするのはTOPIXです。
- 選択肢 2正解
- 日経平均株価は、株式分割などの権利落ちや構成銘柄の入替によって生じる指数の不連続性を排除するため、除数を修正して算出される修正平均株価であるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 東証株価指数(TOPIX)は、東京証券取引所市場第一部(出題当時)に上場していた全銘柄(内国普通株式)を対象としており、市場第二部の上場銘柄は含まれないため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 東証株価指数(TOPIX)は時価総額加重型指数であるため、値がさ株ではなく「時価総額の大きい銘柄(大型株)」の値動きによる影響を受けやすくなります。値がさ株の影響を受けやすいのは日経平均株価です。
覚えるポイント
- 日経平均株価=東証代表225銘柄・修正平均型・値がさ株の影響大
- TOPIX=東証一部全銘柄(出題時)・時価総額加重型・大型株の影響大
間違えやすいところ
- 日経平均株価とTOPIXの計算方式(単純・修正平均型と時価総額加重型)を取り違えやすい点に注意する。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
オプション取引の基礎知識
金融資産運用 · コール・オプション / プット・オプション / 権利行使タイプ / プレミアム
一般的なオプション取引に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
オプション取引とは、あらかじめ決められた価格(権利行使価格)で原資産を一定期日または期間内に売買する「権利」を取引するものです。買う権利をコール・オプション、売る権利をプット・オプションと呼びます。買い手の損失は支払ったプレミアムに限定され、売り手の利益は受け取ったプレミアムに限定される一方、売り手の損失リスクは非常に大きくなります。
解き方
- コール・オプション(買う権利)およびプット・オプション(売る権利)の定義を確認する。
- 権利行使期間の分類(満期日のみ行使可能なヨーロピアンタイプと、期間中いつでも行使可能なアメリカンタイプ)を確認する。
- 買い手と売り手の損益特性(売り手の利益はプレミアム限定、損失は原資産価格変動に伴い大きくなる)を確認する。
- 権利行使価格とプレミアムの相関(コールは権利行使価格が低いほど割高、プットは権利行使価格が高いほど割高)を確認する。
- 選択肢 1正解
- コール・オプションとは、将来の特定期日または期間内に原資産をあらかじめ定められた価格(権利行使価格)で買う権利のことであり、記述として最も適切です。
- 選択肢 2不正解
- 取引期間中いつでも権利行使できるのは「アメリカンタイプ」です。ヨーロピアンタイプは満期日(取引最終日等の特定日)にのみ権利行使が可能です。
- 選択肢 3不正解
- プット・オプションの売り手が得られる利益は受け取ったプレミアムに限定されますが、被る損失は原資産価格が下落するほど拡大するため「限定される」とする記述は不適切です。
- 選択肢 4不正解
- コール・オプションは権利行使価格が低いほどプレミアムが高くなりますが、プット・オプション(売る権利)は高く売れる権利であるため権利行使価格が高いほどプレミアムが高くなります。
覚えるポイント
- コール=買う権利、プット=売る権利
- アメリカン=いつでも権利行使可能、ヨーロピアン=満期日のみ
- 売り手の利益はプレミアム限定、損失は限定されない
間違えやすいところ
- プットの売り手と買い手の損益関係(買い手は損失限定、売り手は利益限定)を混同しやすい点に注意する。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ドルコスト平均法による平均取得単価の計算
金融資産運用 · ドルコスト平均法 / 株式投資 / 平均取得単価
ドルコスト平均法を用い、1回当たり3万円の一定金額でA社株式を以下の表のように4回買い付けた場合における、1株当たりの平均取得単価(株価)として、最も適切なものはどれか。なお、売買委託手数料等については考慮しないものとする。 [買付実績] ・第1回:株価 2,000円 ・第2回:株価 1,500円 ・第3回:株価 2,000円 ・第4回:株価 1,200円
解答・解説を表示
解答
2
解説
ドルコスト平均法は、価格が変動する金融商品を常に一定の金額で定期的に購入し続ける手法です。価格が高いときは購入株数が少なくなり、価格が低いときは購入株数が多くなるため、各回の株価を単純平均した金額よりも平均取得単価を低く抑える効果(調和平均の原理)があります。平均取得単価は「投資金額の合計÷取得株数の合計」で算出します。
解き方
- 各回で購入した株数を計算します。第1回:30,000円÷2,000円=15株、第2回:30,000円÷1,500円=20株、第3回:30,000円÷2,000円=15株、第4回:30,000円÷1,200円=25株。
- 全4回の合計投資金額と合計取得株数を集計します。投資金額合計は30,000円×4回=120,000円、合計取得株数は15+20+15+25=75株となります。
- 平均取得単価を計算します。120,000円÷75株=1,600円となります。
- 選択肢 1不正解
- 1,200円は第4回の購入株価であり、全体の平均取得単価ではありません。
- 選択肢 2正解
- 総投資額120,000円を総取得株数75株で除した1,600円が正しい平均取得単価です。
- 選択肢 3不正解
- 1,675円は各回の株価の単純平均((2,000+1,500+2,000+1,200)÷4)であり、ドルコスト平均法による平均取得単価の計算として誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 2,000円は第1回および第3回の購入株価であり、平均取得単価ではありません。
覚えるポイント
- ドルコスト平均法の平均取得単価=総投資金額÷総購入株数(単純な株価平均ではない)
間違えやすいところ
- 各回の株価を足して回数で割る単純平均(1,675円)を計算してしまう誤り
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人による金融商品取引に係る課税関係
金融資産運用 · 金融所得課税 / 株式配当 / 配当控除 / 投資信託 / 外貨建てMMF
居住者である個人による平成27年中の金融商品取引に係る課税関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
個人投資家が受け取る上場株式等の配当所得は、原則として20.315%の税率で源泉徴収(特別徴収)され申告不要を選択できますが、確定申告を行う場合は「総合課税」または「申告分離課税」のいずれかを選択できます。法人税との二重課税を調整するための配当控除は総合課税を選択した場合にのみ認められ、上場株式等の譲渡損失と通算できる申告分離課税を選択した場合には配当控除を受けることはできません。
解き方
- 公募株式投信の元本払戻金(特別分配金)は投資元本の払い戻しであるため非課税と判断します。
- 平成27年中の上場株式配当の源泉徴収税率が20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%+住民税5%)であることを確認します。
- 申告分離課税を選択した配当所得では配当控除の適用が受けられないという規定と照らし合わせ、適切と判断します。
- 平成27年当時における外貨建てMMFの譲渡益は非課税とされていたことを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 追加型公募株式投資信託の元本払戻金(特別分配金)は元本の払戻しに相当するため非課税であり、課税対象となるのは普通分配金です。
- 選択肢 2不正解
- 上場株式の配当金の源泉徴収税率は、所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%の合計20.315%です(10.147%の軽減税率特例は平成25年末で終了しています)。
- 選択肢 3正解
- 配当控除の適用を受けることができるのは配当所得について総合課税を選択した場合に限られ、申告分離課税を選択した場合は適用を受けることができません。
- 選択肢 4不正解
- 平成27年当時、外貨建てMMFの譲渡益および為替差益は非課税とされていました(なお平成28年1月以降は申告分離課税の対象となっており、雑所得ではありません)。
覚えるポイント
- 上場株式の配当所得:総合課税を選べば配当控除あり、申告分離課税を選べば譲渡損失と損益通算可能(配当控除なし)
間違えやすいところ
- 申告分離課税でも配当控除が受けられると誤認すること
- 元本払戻金(特別分配金)を課税対象と誤解すること
出題の前提:平成26年10月1日現在施行の法令等(平成27年中の取引に関する規定)
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
預金保険制度の対象と保護範囲
金融資産運用 · 預金保険制度 / セーフティネット / 名寄せ
わが国の預金保険制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
預金保険制度は、日本国内に本店を置く金融機関が破綻した場合に預金者を保護する制度です。対象となる預金等の範囲、保護される限度額、および名寄せのルールについて正確に把握しておく必要があります。
解き方
- 預金保険制度の加入形態(自動加入・強制加入)について確認する。
- 外貨預金や投資信託など、保護対象外となる金融商品を確認する。
- 個人事業主における名寄せの取扱い(事業用預金と個人用預金の合算)を確認して最も適切な選択肢を選ぶ。
- 選択肢 1不正解
- 預金保険制度は法律に基づく強制加入制度であり、預金者が保護を受けるために自ら加入手続きを行う必要はありません。
- 選択肢 2正解
- 外貨預金は、国内に所在する銀行に預け入れた場合であっても、預金保険制度による保護の対象外となります。
- 選択肢 3不正解
- 投資信託は預金等ではないため預金保険制度の対象外です。また、銀行等の登録金融機関は投資者保護基金の会員ではないため、投資者保護基金の対象にもなりません。
- 選択肢 4不正解
- 個人事業主が開設した事業用預金と個人の一般預金は名義上区分されていても名寄せ(合算)され、合算して1金融機関ごとに元本1,000万円までとその利息等が保護されます。
覚えるポイント
- 外貨預金、譲渡性預金(CD)、金融債は預金保険制度の保護対象外である。
- 一般預金等(利息のつく普通預金や定期預金等)は1金融機関ごとに預金者1人当たり元本1,000万円までとその利息等が保護される。
間違えやすいところ
- 個人事業主の事業用口座と個人口座が別枠で元本1,000万円ずつ保護されると誤解しやすい。
- 銀行で購入した投資信託について、銀行で取り扱っているからといって預金保険の対象になると誤解しやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
金融商品取引法の行為規制と投資家区分
金融資産運用 · 金融商品取引法 / 行為規制 / 特定投資家 / 適合性の原則
金融商品取引法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
金融商品取引法は投資者保護を目的として金融商品取引業者に各種の行為規制を課しています。プロである特定投資家に対しては一部の規制が柔軟化・免除されますが、不正・不当な勧誘行為を禁止する基本的な規制は免除されません。
解き方
- 金融商品取引業者に課される一般的な行為規制(虚偽告知の禁止、契約締結前交付書面の交付等)を確認する。
- 特定投資家(プロ)制度において免除される規制(適合性の原則、書面交付義務等)と免除されない規制(虚偽告知禁止、断定的判断の提供禁止等)の範囲を整理する。
- 他業法(銀行法、保険業法等)における投資性商品への金商法規制の準用関係を確認し、不適切な記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 金融商品取引法第38条において、契約の締結や勧誘に関して虚偽のことを告げる行為(虚偽告知)は禁止されています。
- 選択肢 2不正解
- 金融商品取引業者等は、契約を締結しようとするときは原則としてあらかじめ契約締結前交付書面を顧客に交付しなければなりません。
- 選択肢 3正解
- 特定投資家に対して適合性の原則や契約締結前交付書面の交付義務等は免除されますが、断定的判断の提供の禁止や虚偽告知の禁止は免除されず適用されます。
- 選択肢 4不正解
- 外貨預金や仕組預金、変額保険・変額年金保険などの投資性のある商品については、銀行法や保険業法等を通じて金融商品取引法の行為規制の一部が準用されています。
覚えるポイント
- 特定投資家に対しても「虚偽告知の禁止」および「断定的判断の提供の禁止」は適用される(免除されない)。
- 特定投資家に対して免除される主な行為規制は、広告等の規制、契約締結前交付書面の交付義務、適合性の原則などである。
間違えやすいところ
- 特定投資家(プロ)に対してすべての行為規制が免除されると誤認してしまう。
- 銀行や保険会社が扱う商品は金融商品取引法の規制が一切及ばないと勘違いしやすい(業法経由で一部準用される)。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税額の原則的な計算手順
タックスプランニング · 所得税の計算手順 / 損益通算 / 所得控除 / 税額控除
所得税額を算出する際の原則的な手順(ア)〜(オ)の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 (ア)課税対象となる所得を10種類に区分し、それぞれの所得の種類ごとに定められた計算方法により所得の金額を計算する。 (イ)配当控除や住宅借入金等特別控除などの税額控除を行う。 (ウ)医療費控除や配偶者控除などの所得控除を行う。 (エ)所定の税率を乗じて、算出所得税額を計算する。 (オ)損益通算、純損失・雑損失の繰越控除を行う。
解答・解説を表示
解答
2
解説
所得税の税額計算は、各種所得の計算、損益通算・繰越控除、所得控除の差引、税率の適用による算出税額の計算、税額控除の差引という厳格な一連のステップを経て最終的な納付税額が決定されます。
解き方
- 第1段階として、所得を利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時・雑の10種類に分類し、各所得の金額を計算します(ア)。
- 第2段階として、各所得の赤字と黒字を一定のルールに従って合算する損益通算や、純損失・雑損失の繰越控除を行って総所得金額等を求めます(オ)。
- 第3段階として、総所得金額等から医療費控除や配偶者控除などの所得控除を差し引いて課税標準(課税総所得金額等)を算出します(ウ)。
- 第4段階として、課税標準に対して超過累進税率などの所定の税率を乗じ、算出所得税額を計算します(エ)。
- 第5段階として、算出所得税額から住宅借入金等特別控除や配当控除などの税額控除を差し引いて、最終的な申告納税額を確定します(イ)。
- 選択肢 1不正解
- 所得控除(ウ)や税率の適用(エ)の前に損益通算(オ)を行う必要があるため誤りです。
- 選択肢 2正解
- (ア)各種所得の計算 →(オ)損益通算・繰越控除 →(ウ)所得控除 →(エ)税率の乗じる税額計算 →(イ)税額控除の順序が正確です。
- 選択肢 3不正解
- 所得控除や損益通算を行う前に税率を乗じる手順となっているため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 税額控除(イ)を所得税額の算出(エ)や所得控除(ウ)の前に行う手順となっているため誤りです。
覚えるポイント
- 所得税の計算は「各種所得金額の計算→損益通算→所得控除→税率適用→税額控除」の流れで行われます。
間違えやすいところ
- 所得から差し引く「所得控除」と、算出された税額から差し引く「税額控除」の適用タイミングを混同しないように注意しましょう。
出題の前提:平成26年10月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における分離課税の対象所得
タックスプランニング · 課税方法 / 総合課税 / 分離課税 / 退職所得
次の所得のうち、所得税において分離課税の対象となるものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
所得税は原則として各種所得を合算して課税する総合課税ですが、一時に多額の所得が発生する場合や政策的要請から、他の所得と切り離して税額を計算する分離課税(申告分離課税・源泉分離課税)の制度が設けられています。
解き方
- 各選択肢に記載されている所得の課税方式(総合課税か分離課税か)を確認します。
- 賃貸マンションの貸付けによる不動産所得は原則として総合課税です。
- 金地金の売却による譲渡所得は総合課税(総合課税の譲渡所得)です。
- 公的年金等(老齢基礎年金など)に係る雑所得は総合課税です。
- 退職所得は、一時に多額の所得が発生することを考慮し、他の所得と区分して計算する分離課税の対象となります。
- 選択肢 1不正解
- 不動産所得は、原則として他の総合課税の対象となる所得と合算して総合課税されます。
- 選択肢 2不正解
- 金地金の売却による所得は譲渡所得に分類され、総合課税の対象となります(土地・建物や株式等以外の譲渡)。
- 選択肢 3不正解
- 公的年金等である老齢基礎年金の受給に係る雑所得は、総合課税の対象となります。
- 選択肢 4正解
- 退職所得は、退職金の性質を配慮して他の所得とは分離して税額を計算する分離課税が適用されます。
覚えるポイント
- 山林所得と退職所得は原則として分離課税であり、土地建物や株式等の譲渡所得も申告分離課税です。
間違えやすいところ
- 金地金の譲渡は「申告分離課税(土地建物・株式)」ではなく「総合課税の譲渡所得」に該当する点に注意が必要です。
出題の前提:平成26年10月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種所得の区分と判定
タックスプランニング · 各種所得の区分 / 確定拠出年金 / 公的年金等 / 解約返戻金
所得税における各種所得の区分に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
所得税法では課税対象となる所得の性質に応じて利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時・雑の10種類に区分し、それぞれの性質に応じた計算および課税方法を定めています。
解き方
- 国債利子や事業用固定資産の売却益がどの所得に該当するか確認します(国債利子は利子所得、店舗建物売却は譲渡所得)。
- 保険の解約返戻金や確定拠出年金の受給形態に応じた所得区分を確認し、正当な記述を選択します。
- 選択肢 1不正解
- 個人向け国債の利子を受け取ったことによる所得は、配当所得ではなく利子所得に区分されます。
- 選択肢 2不正解
- 個人事業主が店舗など事業用として使用している建物を売却したことによる所得は、事業所得ではなく譲渡所得に区分されます。
- 選択肢 3不正解
- 契約者自らが保険料を負担していた変額個人年金保険を解約して受領した解約返戻金は、雑所得ではなく一時所得に区分されます。
- 選択肢 4正解
- 確定拠出年金の老齢給付金を一時金として受給した場合、退職所得とみなされて退職所得控除の適用を受けます。
覚えるポイント
- 確定拠出年金の給付は、一時金受取なら退職所得、年金受取なら雑所得(公的年金等控除)となる。
間違えやすいところ
- 事業用の固定資産(建物や車両など)を売却した損益は、事業所得ではなく譲渡所得に区分される点に注意する。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総所得金額と損益通算の計算
タックスプランニング · 損益通算 / 不動産所得の損失 / 土地取得利子 / ゴルフ会員権の譲渡損失
Aさんの平成27年分の所得が、給与所得600万円、不動産所得▲30万円(不動産所得を生ずべき土地の取得に要した負債の利子10万円を含む)、譲渡所得▲80万円(健全に経営されているゴルフ場のゴルフ会員権を譲渡したことによる所得の金額)であった場合、総所得金額として最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
損益通算の対象となる所得の損失は不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得に限られますが、不動産所得の損失のうち「土地等を取得するために要した負債の利子」に相当する部分や、税制改正(平成26年4月1日以後)によりゴルフ会員権等の譲渡による損失は損益通算の対象外とされています。
解き方
- 不動産所得の損失▲30万円のうち、土地取得に要した借入金の利子10万円を除外した▲20万円を通算対象損失と特定します。
- ゴルフ会員権の譲渡損失▲80万円は税制改正により損益通算が認められないため、通算対象外(0円)とします。
- 給与所得600万円から不動産所得の通算可能損失20万円を差し引き、総所得金額580万円を算出します。
- 選択肢 1不正解
- 不動産所得の損失30万円とゴルフ会員権の損失80万円の全額を給与所得から差し引いた490万円は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- ゴルフ会員権の譲渡損失80万円を損益通算の対象として計算した500万円は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 不動産所得の損失のうち土地取得に要した負債利子10万円を除外せず、30万円全額を通算した570万円は誤りです。
- 選択肢 4正解
- 給与所得600万円から土地取得利子を除いた不動産所得の損失20万円のみを通算した580万円が適切です。
覚えるポイント
- 不動産所得の損失のうち、土地等の取得に要した借入金の利子相当額は損益通算できない。
間違えやすいところ
- 平成26年4月1日以後の譲渡からゴルフ会員権の譲渡損失は他の所得と損益通算できなくなった点を忘れて通算してしまう。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の所得控除の概要
タックスプランニング · 所得控除 / 障害者控除 / 医療費控除 / 配偶者控除 / 扶養控除
所得税における所得控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
所得税の所得控除は納税者の個人的な事情(扶養家族の有無、心身の障害、多額の医療費の支出等)を考慮して税負担を調整する制度であり、各控除ごとに適用要件や判定時点が定められています。
解き方
- 各選択肢に記載された所得控除(医療費控除、障害者控除、配偶者控除、扶養控除)の法令上の要件および判定基準を確認する。
- 障害者控除は本人だけでなく控除対象配偶者や扶養親族が障害者である場合も対象となるため、選択肢2が最も適切であると判定する。
- 選択肢 1不正解
- 医療費控除の額は、支払った医療費の総額から保険金等で補填される金額を差し引き、さらに「10万円」と「総所得金額等の5%」のいずれか低い方を差し引いて算出するため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 納税者本人だけでなく、生計を一にする控除対象配偶者や扶養親族が障害者である場合にも障害者控除(障害者1人につき27万円、特別障害者は40万円等)の適用を受けることができます。
- 選択肢 3不正解
- 試験基準日(平成26年10月1日)現在における配偶者控除には、納税者本人の合計所得金額に関する制限(1,000万円以下要件)は設けられていなかったため誤りです(本人の所得制限は配偶者特別控除の要件)。
- 選択肢 4不正解
- 扶養親族の判定は原則としてその年の12月31日の現況によりますが、年の途中で死亡した場合はその死亡時の現況により判定するため、扶養控除の対象とすることができます。
覚えるポイント
- 年の途中で死亡した親族の扶養控除等の該否は死亡時の現況で判定する
- 障害者控除は本人だけでなく控除対象配偶者や扶養親族が対象の場合も適用可能
間違えやすいところ
- 医療費控除の足切り額の基準を10万円ではなく5万円と誤認しないように注意する
- 配偶者控除と配偶者特別控除の本人の合計所得金額要件の有無を混同しないようにする
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅借入金等特別控除の適用要件
タックスプランニング · 住宅借入金等特別控除 / 住宅ローン控除 / 床面積要件 / 合計所得金額要件 / 控除率
所得税における住宅借入金等特別控除(以下「住宅ローン控除」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、平成27年5月に住宅ローンを利用して家屋を取得したものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
住宅借入金等特別控除は、居住者が住宅ローンを利用して居住用家屋を取得・新築・増改築等をした場合に、一定要件を満たすことで毎年末の住宅借入金残高に応じた税額控除を受けられる制度です。
解き方
- 住宅ローン控除の適用要件(居住開始時期、床面積要件、所得要件、控除率)を順に確認する。
- 所得制限に関する要件は、適用を受ける年分の合計所得金額が3,000万円以下であることを確認し、2,000万円以下としている選択肢3を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 家屋の床面積(登記簿上の床面積)が50㎡以上であり、かつ床面積の2分の1以上が専ら自己の居住の用に供されるものである必要があります。
- 選択肢 2不正解
- 家屋の新築または取得の日から6ヵ月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続き居住していることが要件です。
- 選択肢 3正解
- 控除の適用を受ける年分の合計所得金額の限度は3,000万円以下と定められているため、「2,000万円以下」とする本肢は誤り(不適切)です。
- 選択肢 4不正解
- 平成27年取得時の住宅ローン控除において、各年分の控除額は住宅借入金等の年末残高に1.0%を乗じて計算するため適切です。
覚えるポイント
- 住宅ローン控除の床面積要件は50㎡以上かつ2分の1以上が自己居住用
- 取得日から6ヵ月以内に居住の用に供することが要件
- 当時の合計所得金額要件は3,000万円以下
間違えやすいところ
- 合計所得金額の制限(3,000万円以下)を2,000万円以下と誤認しやすい
- 床面積の判定基準が契約面積ではなく登記簿面積である点に注意する
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(平成27年5月取得の条件)
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
年末調整で適用可能な所得控除
タックスプランニング · 年末調整 / 所得控除 / 確定申告
給与所得者が年末調整によって適用を受けることができる所得控除として、適切なものはどれか。
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解答
3
解説
所得控除のうち、雑損控除・医療費控除・寄附金控除の3つは年末調整で控除を受けることができず、適用を受けるためには確定申告を行う必要があります。一方、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、扶養控除などは年末調整で適用可能です。
解き方
- 年末調整で受けることができない所得控除(雑損控除、医療費控除、寄附金控除)を識別する。
- 社会保険料控除は自己だけでなく生計を一にする親族分を負担した場合も含めて年末調整の対象であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 雑損控除は年末調整では適用を受けることができず、控除を受けるためには確定申告をする必要があります。
- 選択肢 2不正解
- 医療費控除は年末調整では適用を受けることができず、控除を受けるためには確定申告をする必要があります。
- 選択肢 3正解
- 自己または生計を一にする配偶者その他の親族の社会保険料を支払った場合は社会保険料控除の対象となり、年末調整で適用を受けることができます。
- 選択肢 4不正解
- 寄附金控除(ふるさと納税等を含む)は年末調整では適用を受けることができず、控除を受けるためには確定申告をする必要があります。
覚えるポイント
- 年末調整で受けられない所得控除は「医療費控除・寄附金控除・雑損控除」の3つ
間違えやすいところ
- 親族分の国民年金保険料を支払った場合の社会保険料控除を年末調整対象外と誤認すること
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税における青色申告
タックスプランニング · 法人税 / 青色申告 / 青色申告承認申請書 / 欠損金の繰越し
法人税における青色申告に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
法人税の青色申告制度には、欠損金の繰越控除や繰戻しによる還付などの特典があります。新規設立法人が設立第1期から青色申告の適用を受けるための承認申請書の提出期限は、設立の日以後3カ月を経過した日と最初の事業年度終了の日とのいずれか早い日の前日です。
解き方
- 新設法人の青色申告承認申請書の提出期限(設立後3カ月または事業年度終了のいずれか早い日の前日)を確認する。
- 欠損金の繰越期間(本問基準日時点では9年)、繰戻し還付の資本金要件(1億円以下)、青色申告特別控除の有無(個人所得税の制度であり法人税にはない)を検討して誤り肢を排除する。
- 選択肢 1正解
- 新規設立法人が設立第1期から青色申告の適用を受ける場合、設立日以後3カ月を経過した日と最初の事業年度終了の日とのいずれか早い日の前日までに申請書を提出する必要があります。
- 選択肢 2不正解
- 青色申告法人の欠損金の繰越期間は、基準日現在において最長9年間(平成20年4月1日以後に終了した事業年度で生じた欠損金)であり、7年間ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 欠損金の繰戻しによる法人税額の還付が認められる中小企業者は、期末資本金の額が1億円以下(5,000万円以下ではない)の法人等です。
- 選択肢 4不正解
- 青色申告特別控除(最大65万円控除等)は個人所得税の青色申告における制度であり、法人税には存在しません。
覚えるポイント
- 新設法人の青色申告承認申請書の提出期限は「設立後3カ月」と「第1期末日」のいずれか早い日の前日
間違えやすいところ
- 所得税の青色申告特別控除が法人税にも存在すると混同すること
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税における損金の取扱い
タックスプランニング · 法人税 / 損金算入 / 減価償却費 / 交際費等の損金不算入 / 役員給与
平成26年4月に開始した事業年度における法人税の損金の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
法人税の各事業年度の所得金額は益金の額から損金の額を控除して計算されます。損金には税法上の損金算入要件や限度額が細かく定められており、租税公課、減価償却、役員給与、交際費等でそれぞれ独自のルールに従って処理する必要があります。
解き方
- 減価償却の償却不足額は翌期以降への繰越し合算が認められていない点を確認します。
- 役員退職給与は事前届出不要であり、事前確定届出給与と混同していないかを検討します。
- 交際費等の課税特例において期末資本金1億円超の法人でも接待飲食費の50%損金算入が認められる点を確認します。
- 固定資産税・都市計画税が法人の損金に算入される租税公課に該当することを判定します。
- 選択肢 1不正解
- 減価償却費の償却不足額(限度額に満たない部分)を翌期以降に繰り越して限度額に加算することは認められていません。
- 選択肢 2不正解
- 役員退職給与は、不相当に高額な部分を除き、あらかじめ税務署長へ届出をすることなく損金に算入することができます(届出が必要なのは事前確定届出給与です)。
- 選択肢 3不正解
- 平成26年4月1日以後に開始する事業年度において、資本金1億円超の法人であっても、支出した交際費等のうち「接待飲食費の50%」に相当する金額を損金算入できます。
- 選択肢 4正解
- 法人が負担すべき固定資産税や都市計画税、自動車税、印紙税などの租税公課は、全額を損金の額に算入することができます。
覚えるポイント
- 法人税や住民税本税、延滞税・罰金等は損金不算入ですが、固定資産税や事業税などは損金算入が可能です。
- 減価償却の償却不足額は切り捨てられ、翌期に繰り越して損金限度額に上乗せすることはできません。
間違えやすいところ
- 事前確定届出給与と役員退職給与の手続き要件を混同しないように注意が必要です。
- 資本金1億円超の大企業における交際費等は一切損金算入できないと誤認しがちですが、接待飲食費の50%損金算入の特例があります。
出題の前提:平成26年10月1日現在施行の法令等(平成26年度税制改正後の法人税法規定等)
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
消費税の基本的な仕組みと納税義務
タックスプランニング · 消費税 / 納税義務者 / 新設法人 / 簡易課税制度 / 確定申告期限
消費税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
消費税は消費一般に課税される間接税で、原則として基準期間(法人は前々事業年度、個人は前々年)の課税売上高が1,000万円超である事業者が納税義務者となります。ただし、基準期間がない新設法人であっても資本金が1,000万円以上である場合などは免税とならず課税事業者になります。
解き方
- 消費税が間接税である基本定義と、新設法人の資本金要件による納税義務判定を確認します。
- 簡易課税制度の適用上限基準(基準期間の課税売上高5,000万円以下)を確認します。
- 個人事業者の消費税の申告期限が所得税(3月15日)とは異なり翌年3月31日である点を確認し、誤りの選択肢を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 消費税は、税金を負担する者(消費者等)と実際に納付する事業者(納税義務者)が異なる間接税です。
- 選択肢 2正解
- 新たに設立された法人でも、事業年度開始日における資本金または出資の金額が1,000万円以上である場合は、免税事業者とはならず課税事業者となります。
- 選択肢 3不正解
- 簡易課税制度選択届出書を提出していても、その課税期間に係る基準期間の課税売上高が5,000万円を超える場合は簡易課税制度を適用できず、本則課税となります。
- 選択肢 4不正解
- 個人事業者の消費税の確定申告および納付期限は、特例を受けていない場合、原則として課税期間の翌年3月31日です。
覚えるポイント
- 新設法人は資本金1,000万円未満であれば設立1期目・2期目は原則免税ですが、1,000万円以上の場合は1期目から課税事業者です。
- 個人事業者の申告期限は、所得税が3月15日、消費税が3月31日と異なります。
間違えやすいところ
- 新設法人はすべて無条件で2年間免税になると誤認しないよう、資本金1,000万円基準に注意が必要です。
- 個人事業者の確定申告期限を所得税と同じ3月15日と混同しがちです。
出題の前提:平成26年10月1日現在施行の消費税法
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的土地価格の指標と評価機関
不動産 · 土地の価格 / 公的土地評価 / 固定資産税評価額
土地の価格に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
公的土地評価には、地価公示(国土交通省土地鑑定委員会・1月1日)、都道府県地価調査(都道府県知事・7月1日)、相続税路線価(国税局長・1月1日・公示価格の約80%)、固定資産税評価額(市町村長・1月1日・公示価格の約70%)の4つがあり、それぞれの基準日や決定主体、評価割合を整理して理解することが重要です。
解き方
- 地価公示および都道府県地価調査の価格判定基準日(1月1日および7月1日)を確認する。
- 相続税路線価の目安水準が公示価格の80%であることを確認する。
- 固定資産課税台帳に登録される固定資産税評価額の決定権者が市町村長(23区は都知事)であることを確認し、国税局長とする記述の誤りを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 地価公示法に基づく公示価格は、毎年1月1日を価格判定の基準日としています。
- 選択肢 2不正解
- 国土利用計画法に基づく都道府県地価調査の標準価格は、毎年7月1日を価格判定の基準日としています。
- 選択肢 3不正解
- 相続税路線価は、地価公示の公示価格の80%程度を価格水準の目安として国税局長が定めています。
- 選択肢 4正解
- 固定資産課税台帳に登録される土地の価格を決定するのは市町村長(東京都23区は都知事)であり、国税局長ではありません。
覚えるポイント
- 公的土地価格4指標(公示価格100%・基準地価・路線価80%・固定資産税評価額70%)の基準日と決定者を整理して覚える。
間違えやすいところ
- 相続税路線価の決定主体である国税局長と、固定資産税評価額の決定主体である市町村長を混同しないように注意する。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
宅地建物取引業法における免許・媒介契約・報酬制限
不動産 · 宅地建物取引業法 / 宅建業の免許 / 媒介契約 / 報酬額制限
宅地建物取引業法等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、依頼者は宅地建物取引業者ではないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
宅地建物取引業とは、不特定多数の人を相手として、宅地建物の売買・交換、または売買・交換・賃借の代理・媒介を反復継続して行う行為を指します。自ら行う賃借・賃貸は宅地建物取引業に含まれません。また、媒介契約の種類(一般・専任・専属専任)ごとの自己発見取引や他社への重ね依頼の可否、報酬限度額規制の適用関係を正確に把握する必要があります。
解き方
- 自ら貸主となる行為(自ら賃貸)が宅地建物取引業の定義に該当するかを確認し、免許不要であることを判断する。
- 一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約それぞれの他社重複依頼および自己発見取引の可否を照合する。
- 宅建業法上の媒介報酬限度額規制が、依頼者の合意の有無にかかわらず上限として強制適用される点を確認する。
- 選択肢 1正解
- 自ら所有する不動産の賃貸を反復継続して業として行う行為は宅地建物取引業に該当しないため、宅建業の免許は不要です。
- 選択肢 2不正解
- 一般媒介契約では、依頼者は他の宅地建物取引業者に対して重ねて売買の媒介を依頼することができます。
- 選択肢 3不正解
- 専属専任媒介契約では、依頼者が自ら発見した相手方と直接売買契約を締結すること(自己発見取引)は禁止されています。
- 選択肢 4不正解
- 宅地建物取引業者が受領できる報酬額には宅建業法による上限規制があり、依頼者の合意があっても上限額を超えて受領することはできません。
覚えるポイント
- 自ら賃貸は免許不要。専属専任媒介契約は他社依頼不可かつ自己発見取引不可。
間違えやすいところ
- 自ら売買(分譲等)は宅建業に該当して免許が必要となる一方、自ら賃貸は業に該当せず免許不要である違いを混同しやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産売買契約における民法の規定
不動産 · 手付解除 / 債務不履行解除 / 共有持分の譲渡 / 瑕疵担保責任
民法に基づく不動産の売買契約上の留意点に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
不動産売買契約では、解約手付の放棄による契約解除、債務不履行に基づく催告解除、共有持分の単独処分権、隠れた瑕疵に対する権利行使期間など、民法の基本原則と例外規定の正確な理解が求められます。
解き方
- 解約手付による解除要件を確認し、相手方の履行着手前であれば買主の手付放棄による解除が認められることを判断する。
- 履行遅滞における原則的解除手続き(相当期間を定めた催告)、共有持分処分の自由、瑕疵担保責任の権利行使期間(知った時から1年以内)を各肢に照らして誤りを特定する。
- 選択肢 1正解
- 手付金が解約手付として交付された場合、契約の相手方が履行に着手する前であれば、買主はその手付を放棄することで契約を解除することができます。
- 選択肢 2不正解
- 債務者の責めに帰すべき事由による履行遅滞が生じた場合、原則として相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がないときに初めて解除ができます。
- 選択肢 3不正解
- 不動産の共有持分は各共有者の独立した権利であるため、他の共有者の同意を得ることなく単独で自由に第三者へ譲渡することができます。
- 選択肢 4不正解
- 売買の目的物に隠れた瑕疵がある場合、買主が解除等の権利を行使できる期間は、その瑕疵の事実を知った時から1年以内とされています。
覚えるポイント
- 手付解除は相手方の履行着手前まで可能(買主は手付放棄、売主は倍額償還)。
- 共有持分の譲渡は各共有者が単独で自由に行うことができる。
間違えやすいところ
- 履行遅滞による契約解除には原則として催告が必要である点を見落とし、直ちに解除できると誤認しやすい。
- 瑕疵担保責任の権利行使期間を6ヵ月と混同しやすいが民法上は1年以内である。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法における普通借地権の規定
不動産 · 存続期間 / 法定更新 / 対抗要件 / 地代等増減請求権
借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、定期借地権等以外の借地権を普通借地権という。
解答・解説を表示
解答
3
解説
借地借家法は借地人を手厚く保護する強行規定が多く含まれており、当初の存続期間の最短制限(30年)、建物が存在する場合の法定更新請求、登記建物による借地権の対抗力、減額請求を排除する特約の無効などが定められています。
解き方
- 普通借地権の当初存続期間の最低年数(30年)および法定更新の要件(建物が存在すること)を確認する。
- 借地権の対抗要件(借地上の自己名義登記建物の存在)と、借地人に不利な地代減額禁止特約の効力(無効)を照合して適切な肢を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 普通借地権の当初の存続期間は最低30年と定められており、契約でこれより短い期間を定めた場合は期間の定めがないものとみなされ、存続期間は30年となります。
- 選択肢 2不正解
- 借地権の存続期間満了時に更新請求によって契約が更新されたものとみなされるためには、土地上に建物が存在していることが要件とされています。
- 選択肢 3正解
- 借地権そのものの登記がなくても、土地上に借地権者自身の名義で登記された建物を所有していれば、借地権を第三者に対抗することができます。
- 選択肢 4不正解
- 地代を減額しない旨の特約は借地権者に不利な特約として無効とされるため、経済事情の変動等があれば借地権者は地代の減額を請求することができます。
覚えるポイント
- 普通借地権の当初存続期間は30年以上(30年未満の定めは無効となり30年になる)。
- 土地上に借地権者名義の登記建物があれば借地権の対抗要件を満たす。
間違えやすいところ
- 親名義の借地上の建物が子名義で登記されている場合など、他人名義では対抗要件にならない点に注意する。
- 地代の「増額しない特約」は有効であるが、「減額しない特約」は無効となる非対称性を混同しやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の借地借家法
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
都市計画法の区域区分・用途地域等の規定
不動産 · 都市計画法 / 区域区分 / 用途地域 / 準都市計画区域
都市計画法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
都市計画法では、無秩序な市街化を防止し計画的な都市開発を図るため、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に区分(線引き)することができますが、必ずしも区分する必要はなく、区分しない非線引き都市計画区域も認められています。
解き方
- 各選択肢に記載された都市計画法上の区域区分、都市計画決定権者、用途地域区分、準都市計画区域の定義を確認する。
- 区域区分が定められていない非線引き都市計画区域が存在するという記述が正しいことを判定する。
- 選択肢 1正解
- 都市計画区域には、市街化区域と市街化調整区域に区分する区域のほかに、区域区分が定められていない非線引き都市計画区域が存在します。
- 選択肢 2不正解
- 都市計画は、広域的・根幹的なものは都道府県が定めますが、その他の身近な計画は原則として市町村が定めます。すべてを都道府県知事や国土交通大臣が定めるわけではありません。
- 選択肢 3不正解
- 用途地域は、住居系(7種類)、商業系(2種類)、工業系(3種類)の合計12地域(試験当時。2018年法改正後は田園住居地域が追加され合計13地域)であり、商業地域等が漏れているため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域は「市街化区域」です。準都市計画区域は、都市計画区域外において無秩序な開発を防止するために指定される区域です。
覚えるポイント
- 都市計画区域には市街化区域、市街化調整区域のほか「非線引き都市計画区域」がある。
- 用途地域は住居系・商業系・工業系の3グループに分類される。
間違えやすいところ
- 準都市計画区域は都市計画区域「外」に指定されるものであり、区域「内」ではない点を見落としやすい。
- すべての都市計画が都道府県や国によって定められると誤認しやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法に基づく建築面積の限度の計算
不動産 · 建築基準法 / 建築面積 / 建ぺい率 / 2項道路 / セットバック
建築基準法に基づいて下記の土地に耐火建築物である住宅を建築する場合の建築面積の限度として、正しいものはどれか。なお、前面道路は同法第42条第2項により特定行政庁の指定を受けた道路であり、その中心線からの水平距離2mの線が道路の境界線とみなされるものとする。また、記載のない条件については考慮しないものとする。 〔土地の条件〕 ・第2種住居地域 ・指定建ぺい率:50% ・指定容積率:150% ・準防火地域 ・間口16m、奥行13mの長方形の土地 ・前面道路:幅員3mの市道(対向側はがけ地、川等ではない)
解答・解説を表示
解答
1
解説
建築基準法第42条第2項の道路(2項道路)に面する敷地は、道路中心線から水平距離2mまでセットバックする必要があり、セットバック部分は敷地面積から除外されます。また建築面積の限度は「敷地面積×適用建ぺい率」によって計算します。
解き方
- セットバック幅の計算:幅員3m道路の中心線(1.5m)から2m後退するため、セットバック幅は2m-1.5m=0.5mとなる。
- 有効敷地面積の計算:奥行13mから後退分0.5mを減じた12.5mとなり、敷地面積は間口16m×12.5m=200㎡となる。
- 適用建ぺい率の確認:基準日時点の法令において、準防火地域内の耐火建築物には建ぺい率緩和(+10%)は適用されないため、指定建ぺい率の50%をそのまま適用する。
- 建築面積の限度の算出:200㎡×50%=100㎡となる。
- 選択肢 1正解
- セットバック後の敷地面積200㎡に指定建ぺい率50%を乗じた100㎡が建築面積の限度となります。
- 選択肢 2不正解
- セットバックを行わずに敷地面積を16m×13m=208㎡として50%を乗じた場合の数値(104㎡)であり、誤りです。
- 選択肢 3不正解
- セットバック後の敷地面積200㎡に指定容積率150%を乗じて求めた延べ面積の限度(300㎡)であり、建築面積の限度ではありません。
- 選択肢 4不正解
- セットバックを行わない敷地面積208㎡に指定容積率150%を乗じて求めた延べ面積の限度(312㎡)であり、誤りです。
覚えるポイント
- 2項道路のセットバック部分は敷地面積に算入されない。
- 建築面積の限度は敷地面積に建ぺい率を乗じて算出する。
間違えやすいところ
- 道路幅員3mの中心線からの後退幅(2m-1.5m=0.5m)を差し引き忘れて敷地面積を計算してしまう。
- 建築面積(建ぺい率)を問われているのに、延べ面積(容積率)を計算してしまう。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)の規定
不動産 · 区分所有法 / 規約共用部分 / 敷地利用権 / 建替え決議
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
建物の区分所有等に関する法律では、専有部分・共用部分・敷地利用権の権利関係や、管理者の集会招集義務、集会における決議要件を定めています。通常の集会決議は過半数、規約の設定・変更や共用部分の重大変更などは4分の3以上ですが、重大な影響を及ぼす建替え決議には最も重い「区分所有者および議決権の各5分の4以上」の特別多数決議が要求されます。
解き方
- 規約共用部分、敷地利用権の分離処分禁止、管理者の集会招集頻度に関する法令の原則を確認する。
- 集会の決議要件について普通決議・特別決議・建替え決議の議決割合を照合し、建替え決議の要件が「各5分の4以上」であることを確認して誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 構造上区分され独立して住居等として利用できる専有部分であっても、規約によって共用部分とすること(規約共用部分)ができます(第4条2項)。
- 選択肢 2不正解
- 敷地利用権が数人で有する所有権等の権利である場合、規約に別段の定めがあるときを除き、専有部分と分離して処分することはできません(第22条1項)。
- 選択肢 3不正解
- 管理者は、少なくとも毎年1回、区分所有者の集会を招集しなければならないと規定されています(第34条2項)。
- 選択肢 4正解
- 建替え決議は、区分所有者および議決権の各4分の3以上ではなく、「各5分の4以上」の多数決によらなければなりません(第62条1項)。
覚えるポイント
- 建替え決議は「区分所有者および議決権の各5分の4以上」の賛成が必要となる。
間違えやすいところ
- 共用部分の重大変更や規約の設定・変更・廃止(各4分の3以上)と、建替え決議(各5分の4以上)の要件を混同しないようにする。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の建物の区分所有等に関する法律
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
固定資産税および都市計画税の仕組みと特例
不動産 · 固定資産税 / 都市計画税 / 住宅用地の課税標準の特例 / 納税義務者
不動産に係る固定資産税および都市計画税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
固定資産税および都市計画税は、毎年1月1日(賦課期日)現在の登記簿等に所有者として登録されている者に課される地方税です。固定資産税の標準税率は1.4%(比例税率)であり、年の途中で資産を売却しても月割還付される制度はありません。住宅用地には税負担を軽減する特例があり、小規模住宅用地(200㎡以下の部分)の課税標準は固定資産税では6分の1、都市計画税では3分の1となります。また、都市計画税は原則として市街化区域内に所在する土地・家屋が対象です。
解き方
- 固定資産税の税率方式(比例税率か累進税率か)および納税義務者・賦課期日(1月1日現在の所有者、還付の有無)を確認する。
- 小規模住宅用地の課税標準の特例割合(固定資産税は6分の1、都市計画税は3分の1)および都市計画税の課税区域(原則として市街化区域内)を照合して適切な肢を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 固定資産税の税率は、超過累進税率ではなく比例税率であり、標準税率は1.4%と定められています。
- 選択肢 2不正解
- 固定資産税は賦課期日(1月1日)現在の所有者が納税義務者となるため、年の途中で売却しても行政から売却後の期間に対応する税額の還付を受けることはできません(売買当事者間での私的な月割清算は行われることがあります)。
- 選択肢 3正解
- 住宅1戸当たり200㎡以下の小規模住宅用地に対する固定資産税の課税標準は、課税標準となるべき価格の6分の1とする軽減特例が適用されます。
- 選択肢 4不正解
- 都市計画税は、都市計画区域内にあるすべての土地・家屋ではなく、原則として都市計画法による「市街化区域内」に所在する土地および家屋に課税されます。
覚えるポイント
- 小規模住宅用地(200㎡以下)の課税標準特例は、固定資産税が「6分の1」、都市計画税が「3分の1」となる。
間違えやすいところ
- 都市計画税の課税対象は都市計画区域全体ではなく、原則として「市街化区域内」に限定されている点に注意する。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の地方税法
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
居住用財産を譲渡した場合の譲渡所得の課税特例
不動産 · 居住用財産の3,000万円特別控除 / 軽減税率の特例 / 特定の居住用財産の買換え特例
個人がマイホーム(居住用財産)を売却・譲渡した際の譲渡所得に関する各種特例について、最も適切なものを次の選択肢の中から1つ選びなさい。なお、記載された要件以外の要件はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
居住用財産の譲渡所得特例には、所有期間の制限がない「3,000万円特別控除」、所有期間10年超を要する「軽減税率の特例」、所有期間10年超かつ居住期間10年以上を要する「買換え特例」などがあり、要件および併用の可否を正確に整理する必要があります。
解き方
- 各特例の適用要件(特に譲渡した年の1月1日時点における所有期間の長短)を確認する。
- 3,000万円特別控除と併用できる特例(軽減税率は可能、買換え特例は不可など)の組み合わせを整理して正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 「3,000万円の特別控除」には所有期間に関する要件はなく、短期譲渡所得・長期譲渡所得のいずれであっても適用が可能です。
- 選択肢 2正解
- 課税長期譲渡所得のうち6,000万円以下の部分は14.21%、6,000万円超の部分は20.315%となり、6,000万円以下の部分には低い税率が適用されます。
- 選択肢 3不正解
- 「特定の居住用財産の買換え特例」の適用を受けるには、譲渡した年の1月1日において所有期間が10年を超え、かつ居住期間が通算10年以上である必要があります。
- 選択肢 4不正解
- 「3,000万円の特別控除」と「買換え特例」は重複適用ができず、どちらか一方の選択適用となります(3,000万円控除と軽減税率の特例は併用可能です)。
覚えるポイント
- 3,000万円特別控除は所有期間不問、軽減税率と買換え特例は譲渡年1月1日時点で10年超の所有期間が必要。
間違えやすいところ
- 3,000万円特別控除と軽減税率の特例は併用可能だが、3,000万円特別控除と買換え特例は選択適用で併用できない点を取り違えやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(平成26年10月1日基準)
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の投資判断手法(利回り・DCF法・NPV法・IRR法)
不動産 · NOI利回り / DCF法 / NPV法 / IRR法
不動産の投資判断等の手法に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
1
解説
不動産の投資評価では、収益から運営諸費用を差し引いた実質的な純収益(NOI)に基づく利回りのほか、貨幣の時間価値を考慮して現在価値に割り戻して評価するDCF法、NPV法、IRR法が用いられます。
解き方
- 各指標の定義(表面利回りとNOI利回りの分子の違い、DCF法・NPV法・IRR法の計算前提と判定基準)を確認する。
- 記述1のNOI利回りの分子が純収益ではなく「年間収入(総収入)」となっている誤りを特定する。
- 選択肢 1正解
- NOI利回り(純利回り)の分子は「年間純収益(年間収入から管理費・公租公課などの運営費用を差し引いた額)」であり、年間収入そのものを用いるのは表面利回りです。
- 選択肢 2不正解
- DCF法は保有期間中の各期の純収益の現在価値合計と、将来の売却想定価格(復帰価格)の現在価値を合算して収益価格を算出する手法で、適切です。
- 選択肢 3不正解
- NPV法(正味現在価値法)では、投資から得られるキャッシュフローの現在価値合計から投資額の現在価値を差し引いた値(NPV)が正(収益の現在価値>投資額の現在価値)であれば投資適格・有利と判断します。
- 選択肢 4不正解
- IRR法(内部収益率法)では、NPVがゼロとなる割引率(内部収益率)を求め、それが投資家の期待収益率(要求収益率)を上回っていれば投資有利と判定します。
覚えるポイント
- NOI利回り(キャップレート)は「純収益÷投資額」、表面利回りは「総収入÷投資額」。
間違えやすいところ
- 表面利回り(グロス)と純利回り(NOI・ネット)の計算式で、分子に経費を控除した純収益を用いるか総収入を用いるかを混同しやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(平成26年10月1日基準)
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法における贈与契約の成立要件と各種贈与の効力
相続・事業承継 · 贈与契約の成立 / 定期贈与 / 負担付贈与 / 死因贈与
民法に規定されている贈与に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
民法上の贈与は契約の一種であり、贈与者の財産分与の意思表示に対して受贈者の承諾(受諾)が合致して初めて効力が発生します。また、定期給付を目的とする贈与、負担を課す贈与、死亡を条件とする贈与にはそれぞれ民法固有の規定が存在します。
解き方
- 贈与契約の成立要件(意思表示と受諾の合致が必要である点)を確認する。
- 定期贈与・負担付贈与・死因贈与に関する民法各条文の規定(失効原因や解除権など)を照合して誤りを含む記述を判定する。
- 選択肢 1正解
- 民法第549条により、贈与は当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方がこれを受諾することによって成立する契約であるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 民法第552条により、定期の給付を目的とする定期贈与は、贈与者または受贈者の死亡によってその効力を失うと定められているため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 民法第553条により負担付贈与には双務契約に関する規定が準用されるため、受贈者が負担すべき債務を履行しないときは贈与者は契約を解除できるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 民法第554条および遺贈の規定(第994条第1項)の準用により、死因贈与は贈与者の死亡以前に受贈者が死亡したときは効力を生じないため適切です。
覚えるポイント
- 贈与は当事者双方の意思合致(受諾)が必要な契約行為であること。
間違えやすいところ
- 贈与を遺言のような一方的意思表示(単独行為)と混同しないように注意する。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の配偶者控除の適用要件と効果
相続・事業承継 · 贈与税の配偶者控除 / 婚姻期間要件 / 控除限度額 / 生前贈与加算の適用除外
贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
贈与税の配偶者控除は、婚姻期間が20年以上の配偶者間で居住用不動産またはそれを取得するための金銭の贈与が行われた際に、基礎控除110万円とは別に最高2,000万円まで控除できる特例です。ただし同一配偶者間では一生に1度しか適用できず、控除枠の繰越しは認められません。
解き方
- 贈与税の配偶者控除の適用要件(婚姻期間20年以上、取得対象、居住継続要件など)を確認する。
- 控除限度額(最高2,000万円+基礎控除110万円)と控除不足分の繰越可否のルールを照合する。
- 相続開始前3年以内の生前贈与加算における配偶者控除相当額の除外規定を確認して正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 贈与税の配偶者控除の適用を受けるためには、贈与があった日において夫婦の婚姻期間が20年以上(事実婚は不可)でなければならないため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 贈与税の基礎控除額110万円と配偶者控除の最高2,000万円を合算することにより、最大で2,110万円まで課税価格から控除できるため適切です。
- 選択肢 3正解
- 贈与税の配偶者控除の限度額(2,000万円)に達しない場合でも、その残額を翌年以降に繰り越すことはできないため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 相続開始前3年以内に被相続人から受けた贈与であっても、配偶者控除の適用を受けた部分の金額については相続税の課税価格への加算対象から除外されるため適切です。
覚えるポイント
- 贈与税の配偶者控除の限度額は最高2,000万円であり、残額の翌年繰越しはできないこと。
間違えやすいところ
- 相続税の配偶者の税額軽減と混同して、残額を次回贈与等へ繰り越せると勘違いしやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の相続税法
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の申告と納付
相続・事業承継 · 贈与税の申告期限 / 贈与税の納付 / 延納 / 相続時精算課税制度
贈与税の申告と納付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
贈与税は原則として翌年2月1日から3月15日までに金銭で一括納付しますが、要件を満たせば最長5年間の延納が認められます。ただし、相続税と異なり物納制度は存在しません。
解き方
- 相続時精算課税適用後の申告義務の要否を確認する(税額が0円でも申告書の提出が必要)。
- 贈与税の納付期限(贈与の翌年3月15日)と延納の要件・年数(最長5年間)、物納制度の有無(認められない)を照合して正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 相続時精算課税の適用を受けた場合、特別控除額2,500万円に達するまで納付すべき贈与税額が発生しない場合であっても、贈与税の申告書を提出しなければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 贈与税は原則として、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの申告期間内に申告書の提出と同時に納付する必要があります。
- 選択肢 3正解
- 贈与税の延納期間は最長で5年間と定められており、記述の内容は適切です。
- 選択肢 4不正解
- 贈与税には物納の制度は認められていません(相続税には一定の要件のもとで物納が認められています)。
覚えるポイント
- 贈与税には延納(最長5年)はあるが物納はない
- 相続時精算課税適用後の特定贈与者からの贈与は税額ゼロでも申告必須
間違えやすいところ
- 相続税には延納・物納の両方があるため贈与税でも物納ができると誤認しやすい
出題の前提:平成26年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法上の相続人と法定相続分
相続・事業承継 · 法定相続分 / 代襲相続 / 普通養子
親族関係図において、被相続人Aさんの相続における民法上の相続人および法定相続分の組み合わせとして、正しいものはどれか。なお、子Cさんは被相続人Aさんの相続開始前に死亡しており、養子Dさんは被相続人Aさんの養子(特別養子ではない)である。親族構成は配偶者である妻Bさん、死亡した子Cさん(配偶者と子である孫Fさん・孫Gさんがいる)、養子Dさん、子Eさんである。
解答・解説を表示
解答
2
解説
配偶者と子が相続人となる場合、配偶者の法定相続分は2分の1、子全体の法定相続分は2分の1です。子は実子・普通養子を区別せず頭数で均等割し、被相続人より先に死亡した子の分はその直系卑属が代襲相続します。
解き方
- 民法上の相続人を特定する。妻B(配偶者)、養子D・子E(第1順位の子)、死亡した子Cの代襲相続人として孫F・孫Gが相続人となる(Cの配偶者は相続人にならない)。
- 配偶者の法定相続分を計算する。配偶者(妻B)は1/2となる。
- 子全体の法定相続分1/2を、実質的な子の数(養子D、子E、子Cの家系)である3で割ると各1/6となる。
- 子Cの相続分1/6を代襲相続人である孫Fと孫Gの2人で均等に分けるため、各自1/6×1/2=1/12となる。
- 選択肢 1不正解
- すでに死亡している子Cの子である孫Fさんと孫Gさんが代襲相続人となるため、孫Fさんと孫Gさんを除外した分割は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 妻Bさんが1/2、養子Dさんと子Eさんが各1/6、子Cさんを代襲相続した孫Fさんと孫Gさんが各1/12となり、民法の規定に合致しています。
- 選択肢 3不正解
- 孫Fさんと孫Gさんは子Cさんの相続分(1/6)を代襲して分け合うため、他の子と同等の1/8ずつにはなりません。
- 選択肢 4不正解
- 民法上、普通養子の法定相続分は実子(子Eさん)と同じであり、養子であることを理由に相続分が減ることはありません。
覚えるポイント
- 民法上の法定相続分において実子と普通養子に区別はない
- 代襲相続人は被代襲者の相続分を均等に承継する
間違えやすいところ
- 死亡した子の配偶者も代襲相続人になると混同してしまう
- 相続税法上の法定相続人の数と民法上の法定相続分の混同(養子の人数制限は相続税の基礎控除等の話であり民法上の相続権・相続分には制限がない)
出題の前提:平成26年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺産分割の方法と手続き
相続・事業承継 · 遺産分割 / 協議分割 / 代償分割 / 換価分割
遺産分割に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
遺産分割には指定分割のほか、現物分割・換価分割・代償分割・共有分割などの方法があります。協議分割は共同相続人全員の合意があれば法定相続分にとらわれず自由に決定できます。協議が調わない場合に家庭裁判所での調停や審判に移行します。
解き方
- 遺産分割の主な手法(現物分割、換価分割、代償分割)の定義と成立要件を確認する。
- 代償分割は遺産分割協議において共同相続人間の合意で成立し、家庭裁判所への申述は不要であることから誤りを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 共同相続人全員の協議により遺産を分割する際、全員の合意があれば法定相続分と異なる割合で分割しても有効です。
- 選択肢 2不正解
- 換価分割とは、遺産の全部または一部を売却等により換価し、その代金を相続人間で分割する手法を指します。
- 選択肢 3正解
- 代償分割は相続人間の遺産分割協議で合意すれば成立し、家庭裁判所へ全員共同で申述する必要はありません。
- 選択肢 4不正解
- 遺産分割の協議がまとまらない場合や協議ができない場合、各共同相続人は家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができます。
覚えるポイント
- 代償分割は裁判所の申述不要で協議成立可能
- 遺産分割協議は全員一致が必要だが法定相続分に拘束されない
間違えやすいところ
- 代償分割を家庭裁判所の特別認可事項と混同しないようにする
- 換価分割と代償分割の違い(財産を売却して分けるか、特定の人が取得して金銭を払うか)を整理する
出題の前提:平成26年10月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の課税対象となる財産の範囲
相続・事業承継 · 相続税の課税対象 / 死亡退職金 / みなし相続財産 / 生前贈与加算
次のうち、相続税の課税対象とならないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
被相続人の死亡を基因として支給される死亡保険金や死亡退職金はみなし相続財産として相続税の対象となります。ただし、死亡退職金において死亡後3年を超えて支給が確定したものは受取人の一時所得として所得税の対象となります。
解き方
- 各選択肢の財産が相続税の課税対象(本来の相続財産、みなし相続財産、生前贈与加算等)になるかを検討する。
- 死亡退職金のみなし相続財産となる期限基準(死亡後3年以内に確定)を適用し、3年経過後に支給確定したものは所得税対象となることを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 契約者・被保険者が被相続人である死亡保険金は、みなし相続財産として相続税の課税対象となります。
- 選択肢 2正解
- 被相続人の死亡後3年を経過した後に支給が確定した退職手当金は相続税の課税対象外となり、取得者の一時所得として所得税が課されます。
- 選択肢 3不正解
- 相続等により財産を取得した者が相続開始前3年以内に受けた暦年贈与財産は、生前贈与加算として相続税の課税価格に加算されます。
- 選択肢 4不正解
- 相続時精算課税を適用して取得した財産は、相続時に財産を取得しなかった場合であっても相続税の課税価格に加算されます。
覚えるポイント
- 死亡後3年以内に支給確定した死亡退職金は相続税(みなし相続財産)
- 死亡後3年超に支給確定した死亡退職金は受給者の一時所得(所得税)
間違えやすいところ
- 死亡退職金が常に相続税の対象になると誤認しやすい点
- 相続時精算課税の適用財産は、相続時に財産を取得しなくても相続税の対象に含まれる点
出題の前提:平成26年10月1日現在施行の相続税法・所得税法
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税における宅地の評価方法
相続・事業承継 · 宅地の評価 / 路線価方式 / 倍率方式
相続税における宅地の評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
相続税における宅地評価は「利用の単位となっている1区画の宅地(1画地)」ごとに行います。評価方法には路線価が定められている地域の路線価方式と、それ以外の地域の倍率方式があり、倍率方式では固定資産税評価額に国税局長が定めた倍率を乗じて算出します。
解き方
- 宅地の評価単位(1画地基準)および路線価表示(千円単位・借地権割合記号)のルールを確認します。
- 路線価方式と倍率方式の計算手法の相違点(画地補正率の適用の有無)を照合して誤りを判断します。
- 選択肢 1不正解
- 宅地の評価は登記上の筆数にかかわらず、利用の単位となっている1区画の宅地(1画地)ごとに評価するため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 路線価図の数値は1平方メートル当たり千円単位で表示されるため、「200」は20万円を表し適切です。
- 選択肢 3不正解
- 路線価方式を適用する地域か倍率方式を適用する地域かは、宅地の所在地ごとに国税局長が定めて指定するため適切です。
- 選択肢 4正解
- 倍率方式では固定資産税評価額に所定の倍率を乗じて評価額を求め、各種補正率を乗じることはしないため不適切です。
覚えるポイント
- 倍率方式は「固定資産税評価額×倍率」のみで計算し、各種補正率は乗じない。
間違えやすいところ
- 倍率方式でも路線価方式と同様に奥行価格補正などの各種画地補正を行うと誤認しやすい点に注意します。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
貸家(賃貸マンション)の相続税評価額の計算
相続・事業承継 · 家屋の評価 / 貸家の評価 / 借家権割合 / 賃貸割合
借地の上に賃貸マンションを建築して賃貸の用に供している場合、下記<賃貸マンションの概要>に基づき算出される当該賃貸マンション(家屋)の相続税評価額として、最も適切なものはどれか。 <賃貸マンションの概要> 固定資産税評価額:8,000万円 借地権割合 :60% 借家権割合 :30% 賃貸割合 :100%
解答・解説を表示
解答
2
解説
他人に賃貸している家屋(貸家)は借家人による権利の制約を受けるため、自用家屋としての価額(固定資産税評価額)から借家権部分を控除して評価します。計算式は「自用家屋評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)」です。
解き方
- 家屋(建物)の評価計算において、借地権割合(土地評価の指標)は無関係であることを確認します。
- 貸家の相続税評価額の計算式「固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)」に数値を代入して計算します(8,000万円×(1-0.30×1.0)=5,600万円)。
- 選択肢 1不正解
- 8,000万円は借家権割合を控除していない自用家屋としての評価額であるため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 8,000万円×(1-30%×100%)=5,600万円となり、正しく計算されています。
- 選択肢 3不正解
- 敷地評価の借地権割合を取り違えて計算に関与させた誤った金額です。
- 選択肢 4不正解
- 借家権割合ではなく借地権割合(60%)を控除して計算してしまった誤った金額です。
覚えるポイント
- 貸家の評価額=固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)。借地権割合は土地の評価にのみ用いる。
間違えやすいところ
- 問題文に借地権割合が与えられている場合に、家屋の評価額の計算にも誤って借地権割合を乗じてしまうミス。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺産分割対策と代償分割の課税関係
相続・事業承継 · 遺産分割対策 / 代償分割 / 相続税 / 譲渡所得
相続人が複数いる場合の遺産分割対策に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
代償分割は、特定の相続人が現物資産を取得し、その代わりに他の相続人に自己の固有財産等を交付する分割方法です。交付された代償財産は遺産分割に伴う正当な清算であり、贈与税ではなく相続税の計算(取得した側は課税価格に加算、支払った側は控除)において調整されます。
解き方
- 遺産分割対策としての遺言書作成や財産の組み替えの有効性を確認する。
- 代償分割において代償財産を受け取った側の課税区分(贈与税ではなく相続税)を判定する。
- 代償財産として不動産などの資産を交付した側に生じる譲渡所得税の課税関係を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 遺言書によって相続分や遺産分割方法を指定しておくことは、遺産分割をめぐる争いを未然に防ぐための有効な対策です。
- 選択肢 2不正解
- 現物分割が困難な不動産を売却して現金化したり、分筆可能な形に整理しておくことは円滑な遺産分割に有効です。
- 選択肢 3正解
- 代償財産は遺産分割協議に基づいて取得する実質的な相続財産であるため、贈与税ではなく相続税の課税対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 代償分割の代償財産として金銭以外の自己所有不動産を交付した場合、時価で譲渡したものとみなされて譲渡所得の課税対象となります。
覚えるポイント
- 代償財産の授受は贈与税ではなく相続税の課税対象として調整される
- 代償財産に金銭以外の不動産等を交付した場合は交付者に譲渡所得税が課される
間違えやすいところ
- 相続人同士で財産を交付したことから贈与税がかかると誤認しやすい
- 代償不動産を交付した側には譲渡益があれば所得税が課される点を見落としやすい
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
平成27年施行の相続税計算(基礎控除・生命保険金非課税・小規模宅地等)
相続・事業承継 · 相続税の計算 / 基礎控除 / 生命保険金の非課税限度額 / 小規模宅地等の特例
平成27年中に開始する相続における相続税額の計算に関する記述のうち、平成27年1月1日現在施行の法令等に基づき、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
平成27年1月1日施行の税制改正により、相続税の基礎控除額が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」に引き下げられました。また、特定居住用宅地等の上限面積が330平米に拡充され、特定事業用等宅地等との完全併用が可能となりました。一方で、死亡保険金の非課税限度額は従来どおり「500万円×法定相続人の数」です。
解き方
- 平成27年1月1日以降の基礎控除額の算式(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を確認する。
- 死亡保険金の非課税限度額の算式(500万円×法定相続人の数)を確認し、誤りを特定する。
- 小規模宅地等の特例における特定居住用宅地等の限度面積(330平米、80%減額)および特定事業用等宅地等との併用ルールを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 平成27年1月1日以降に開始する相続における基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で算出されます。
- 選択肢 2正解
- 死亡保険金の非課税限度額の計算式は「500万円×法定相続人の数」であり、1,000万円ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 平成27年1月1日以降の特定居住用宅地等は、上限面積が330平米に拡大され、減額割合は80%です。
- 選択肢 4不正解
- 平成27年1月1日以降、特定居住用宅地等(最大330平米)と特定事業用等宅地等(最大400平米)はそれぞれ限度面積まで完全併用可能です。
覚えるポイント
- 死亡保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」
- 平成27年1月1日以降の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」
- 特定居住用(330平米)と特定事業用等(400平米)は合計最大730平米まで完全併用可能
間違えやすいところ
- 死亡保険金の非課税限度額の「500万円」を他の数字と混同してしまう
- 小規模宅地等の特定居住用宅地等の上限面積を改正前の240平米と誤認しやすい
出題の前提:平成27年1月1日現在施行の法令等(平成27年相続税制改正対応)
出典:金融財政事情研究会『2015年5月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2015年5月 2級 学科
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2015年5月 2級 学科の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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