日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2015年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務の概要
中小企業退職金共済制度(中退共)の加入要件と掛金・助成制度
リスク管理・福利厚生 · 中小企業退職金共済制度 / 退職金積立 / 掛金助成
設例のX社(食料品製造業・一般業種、資本金5,000万円、従業員数55人)における中小企業退職金共済制度(中退共)の概要について、文中の空欄①〜④に入る最も適切な語句または数値を語句群から選択しなさい。
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解答
① ハ(3)、② ホ(30,000)、③ チ(2分の1)、④ イ(1)
解説
中小企業退職金共済(中退共)は、単独では退職金制度を設けることが困難な中小企業のために国が設けた共済制度であり、業種別の規模要件を満たす事業主が加入できます。掛金は全額損金(非課税)処理でき、国の掛金助成制度が用意されています。
解き方
- 設例の企業の業種(食料品製造業=一般業種)を確認し、中退共の加入要件(資本金3億円以下または従業員300人以下)を当てはめる。
- 中退共の掛金月額の選択範囲(5,000円〜30,000円の16区分)を確認する。
- 国の新規加入掛金助成制度(掛金月額の2分の1・上限5,000円を加入後4か月目から1年間)の規定を当てはめて各空欄を埋める。
答えの内訳
- ①:ハ
- 中退共の加入要件において、一般業種(製造業・建設業等)の中小企業は「常用従業員数300人以下」または「資本金・出資金3億円以下」と規定されています。したがって空欄①には「3(ハ)」が入ります。
- ②:ホ
- 中退共の毎月の掛金月額は、被共済者1人につき最低5,000円から最高30,000円までの16種類から選択します(パートタイマー等の短時間労働者は2,000円・3,000円・4,000円の特例もあります)。したがって空欄②には「30,000(ホ)」が入ります。
- ③:チ
- 中退共に新規加入する事業主に対しては、国の助成として掛金月額の「2分の1」(被共済者1人あたり上限5,000円)が助成されます。したがって空欄③には「2分の1(チ)」が入ります。
- ④:イ
- 新規加入助成の期間は、加入後4か月目から「1年間」となっています。したがって空欄④には「1(イ)」が入ります。
覚えるポイント
- 中退共の一般業種の加入要件は資本金3億円以下または常用従業員300人以下であること。
- 新規加入助成は掛金月額の2分の1(上限5,000円)を加入後4か月目から1年間助成されること。
間違えやすいところ
- 卸売業(1億円以下・100人以下)、サービス業(5,000万円以下・100人以下)、小売業(5,000万円以下・50人以下)など、一般業種以外の区分と混同しないように注意が必要です。
- 掛金増額助成(増額分の3分の1を1年間)と新規加入助成(掛金の2分の1)の割合を取り違えないように注意が必要です。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の中小企業退職金共済法および同法施行規則に基づく出題基準に準拠。
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
企業型確定拠出年金の拠出限度額・資産返還・給付要件
ライフプランニングと資金計画 · 企業型確定拠出年金 / 拠出限度額 / 受給権保護 / 老齢給付金
企業型確定拠出年金の特徴に関する記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を判定しなさい。
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解答
① ×、② ○、③ ○
解説
企業型確定拠出年金は、企業が掛金を拠出し従業員自らが資産運用を行う制度です。掛金の非課税限度額や中途退職時の資産のポータビリティ、60歳以降の給付要件について法令で厳格な基準が定められています。
解き方
- 他の企業年金制度がない場合の事業主掛金の拠出限度額(月額55,000円)を確認し、記述①の正誤を判定する。
- 受給権保護の例外規定として、勤続3年未満退職時の事業主掛金相当額の返還規定を確認し、記述②の正誤を判定する。
- 老齢給付金の受給方法(原則年金・規約で一時金可)および60歳受給開始に必要な通算加入者等期間(10年以上)を確認し、記述③の正誤を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 確定拠出年金の企業型年金において、他の企業年金制度(確定給付企業年金や厚生年金基金等)を実施していない事業主の掛金拠出限度額は、平成26年(2014年)1月1日の法改正以降、月額55,000円(年額66万円)となっています。記述の「51,000円」は改正前の限度額であるため不適切です。
- 小問 ②:○
- 確定拠出年金法では加入者の受給権が保護されていますが、勤続3年未満で退職した場合には、規約に定めることにより、事業主が拠出した掛金に相当する個人別管理資産の額を事業主に返還させることができます。したがって記述は適切です。
- 小問 ③:○
- 企業型確定拠出年金の老齢給付金は原則として年金形式で支給されますが、規約の定めに従い一時金として受給することも可能です。また、60歳から老齢給付金を受給するためには、通算加入者等期間が10年以上必要となります。したがって記述は適切です。
覚えるポイント
- 他の企業年金がない企業型年金の拠出限度額は月額55,000円(他の企業年金がある場合は月額27,500円)。
- 受給権の保護の例外として、勤続3年未満の退職者について規約で資産返還を定めることができる。
- 60歳から老齢給付金を受給するための通算加入者等期間は10年以上が必要。
間違えやすいところ
- 法改正前の月額51,000円と現行(平成26年1月改定後)の月額55,000円を混同しないように注意が必要です。
- 返還請求が認められる勤続年数の上限(3年未満)を2年や5年と誤解しないように注意が必要です。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の確定拠出年金法等に基づく出題基準に準拠。
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
係数を用いた企業型年金の積立額の計算
ライフプランニングと資金計画 · 六つの係数 / 減債基金係数 / 確定拠出年金
企業型年金において、年2%の複利運用で20年後に年金原資として1,000万円を準備する場合、年1回拠出する掛金の年額を所定の係数表から選んで求めなさい(計算過程および円単位の答を記述すること)。
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解答
計算過程:10,000,000円 × 0.0412 = 412,000円、答:412,000円
解説
将来の目標額を複利運用しながら一定期間で積み立てて準備するために必要な毎年の積立額を求める場合、減債基金係数を使用します。
解き方
- 目標額から毎年の積立額を逆算するのに適した係数として、減債基金係数(0.0412)を選択します。
- 目標金額1,000万円に減債基金係数0.0412を乗じて、毎年の掛金額412,000円を算出します。
答えの内訳
- 計算過程:10,000,000円 × 0.0412 = 412,000円
- 将来の目標額(1,000万円)を得るために必要な毎年の積立額を求めるため、減債基金係数(0.0412)を用いて算出します。
- 答:412,000円
- 計算結果である412,000円を解答します(円単位)。
覚えるポイント
- 目標額から毎年の積立額を求める時は減債基金係数、現在の元本を取り崩す年金額を求める時は資本回収係数を用います。
間違えやすいところ
- 資本回収係数(元本を取り崩す計算)や年金終価係数の逆数関係と取り違えないように注意が必要です。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
上場株式の配当金および譲渡損益の課税上の取扱い
金融資産運用 · 配当所得 / 譲渡所得 / 特定口座 / 権利付き最終日
上場株式の配当金や譲渡損益の課税上の取扱いに関する説明文の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を語句群から選択しなさい。
- イ
- 3
- ロ
- 5
- ハ
- 7
- ニ
- 10.147
- ホ
- 20.315
- ヘ
- 20.42
- ト
- 権利落ち日
- チ
- 決算期末日
- リ
- 権利付き最終日
- ヌ
- 申告分離
- ル
- 総合
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解答
① リ、② ホ、③ ル、④ イ
解説
上場株式の配当金や売却益には所得税・復興特別所得税・住民税が合計20.315%課税され、配当控除は総合課税の申告時のみ適用されます。譲渡損失は3年間の繰越控除が可能です。
解き方
- 株主権利を得るための買付期限が「権利付き最終日」であることを確認します。
- 特定口座(源泉徴収あり)における配当・譲渡益の税率が20.315%であることを確認します。
- 配当控除が受けられる課税方式が「総合課税」である点を確認します。
- 上場株式等の譲渡損失の繰越控除期間が「3年間」である点を確認します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:リ
- 配当や株主優待の権利を得るためには、権利確定日の権利付き最終日までに株式を購入する必要があります。
- 小問 ②:ホ
- 上場株式の配当および譲渡益に対する源泉徴収税率は、所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%の合計20.315%です。
- 小問 ③:ル
- 確定申告において総合課税を選択した場合に限り、配当控除(税額控除)の適用を受けることができます。
- 小問 ④:イ
- 上場株式等の譲渡損失の金額のうち控除しきれないものは、確定申告により翌年以降最長3年間の繰越控除が可能です。
覚えるポイント
- 上場株式の配当所得で配当控除を受けるには総合課税が必要、申告分離課税を選択すると配当控除は受けられないが譲渡損失と損益通算できます。
間違えやすいところ
- 権利確定日当日に買付しても間に合わず、「権利付き最終日」までに買付が必要である点に注意が必要です。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
サスティナブル成長率の計算
金融資産運用 · サスティナブル成長率 / ROE / 内部留保率 / 配当性向
X社の財務データ(純利益120億円、配当金総額24億円)および株式データ(ROE 16.00%)に基づいて、X社のサスティナブル成長率を求めなさい。なお、計算過程を示し、答は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。
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解答
12.8%(または12.80%)
解説
サスティナブル成長率は、外部からの新たな増資を行わずに企業が現在の財務体質・資本構成を維持したまま達成可能な利益や売上の成長率を示す指標であり、「ROE(自己資本利益率)× 内部留保率(1 - 配当性向)」で算出されます。
解き方
- 純利益に対する配当金の割合である配当性向(または1株当たり配当金÷1株当たり純利益)を計算し、1から差し引いて内部留保率を求める。
- 与えられたROE(16.00%)に内部留保率(0.8)を乗じ、四捨五入の指示に従って数値を導き出す。
答えの内訳
- 計算過程:配当性向 = 配当金総額 ÷ 当期純利益 = 24億円 ÷ 120億円 = 0.2(20%) 内部留保率 = 1 - 配当性向 = 1 - 0.2 = 0.8(80%) サスティナブル成長率 = ROE × 内部留保率 = 16.00% × 0.8 = 12.80%
- 配当性向は配当金総額24億円を純利益120億円で除して20%と求められ、内部留保率は1から配当性向を引いた80%となります。これをROE16.00%に乗じて算出します。
- 答:12.8%(または12.80%)
- サスティナブル成長率は12.80%となり、小数点以下第3位を四捨五入しても12.8%(12.80%)となります。
覚えるポイント
- サスティナブル成長率 = ROE × 内部留保率 = ROE × (1 - 配当性向) の計算式。
間違えやすいところ
- ROEに乗じる値を配当性向と取り違えて計算してしまうミスに注意する。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資指標の理解(PER・ROE・配当利回り)
金融資産運用 · PER / ROE / ROA / 配当利回り
投資指標の概要に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① PERは株価が1株当たり当期純利益の何倍であるかを示す指標であり、一般にPERが低い銘柄ほど株価は割高となり成長性が期待できる。 ② ROEは総資産(総資本)に対する当期純利益の割合を示す指標であり、これが高い水準で推移していれば収益性は高いと判断できる。 ③ 配当利回りは株価に対する年間配当の割合を示す指標であり、成長性のある企業は利益を再投資して事業拡大する傾向があるため配当利回りが低くなる場合がある。
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解答
① × ② × ③ ○
解説
株式の主要な投資指標において、PERは株価の割安・割高を測る指標(低いほど割安)、ROEは自己資本を元手とした収益力を測る指標(総資産を分母とするROAと区別)、配当利回りは株価に対する直接的なインカムゲイン比率を表します。
解き方
- ①についてPERの高低が株価の割高・割安のどちらを示すかを確認する。
- ②についてROEの分母が自己資本か総資産(総資本)か定義を精査する。
- ③について配当利回りの定義と企業の成長ステージにおける配当政策の特徴を照合する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- PER(株価収益率)は株価÷1株当たり利益で計算され、数値が低いほど株価は割安と判断されます。記述は「割高」としているため誤りです。
- 小問 ②:×
- 総資産に対する当期純利益の割合を示す指標はROA(総資産利益率)です。ROE(自己資本利益率)は自己資本に対する当期純利益の割合を示します。
- 小問 ③:○
- 配当利回りは1株当たり年間配当金÷株価で表され、成長企業は得られた利益を株主還元より設備投資等の再投資に充てるため、配当利回りが低くなる傾向があります。
覚えるポイント
- ROEの分母は自己資本(純資産)、ROAの分母は総資産(総資本)であることの区別。
間違えやすいところ
- PERの低さを「成長株(高PERになりやすい)としての評価が低い=割高」と誤認して選択してしまうこと。
- ROEとROAの分母の概念を混同すること。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
財務諸表分析による収益性・安全性・効率性の指標判定
財務分析 · 総資本経常利益率 / 総資本回転率 / 売上高総利益率 / 流動比率 / 当座比率
製造業を営むX社の平成26年12月期の貸借対照表および損益計算書から分析した各種経営指標に関する記述①~③について、同業種黒字企業の平均値資料(総資本経常利益率7.4%、総資本回転率1.3回、売上高総利益率23.1%、流動比率158.1%、当座比率130.4%)を参照し、適切なら○、不適切なら×と判定しなさい。 ① X社の総資本経常利益率は約12.5%、総資本回転率は約1.6回であり、黒字企業の業界平均と比較して収益性や資本効率は問題ないと判断できる。 ② X社の売上高総利益率は約33.3%であり、黒字企業の業界平均を大きく上回っているため、売上高総利益率から見た収益性は問題ないと判断できる。 ③ X社の流動比率は約188.5%、当座比率は約175.4%であり、短期の支払能力に対する懸念は少ないと判断できる。
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解答
① × ② ○ ③ ×
解説
企業の財務諸表分析では、収益性(売上高総利益率、総資本経常利益率等)、効率性(総資本回転率等)、安全性(流動比率、当座比率等)の各公式に数値を正しく代入し、同業他社平均と比較して良否を判断します。
解き方
- 貸借対照表および損益計算書から、各指標の算定に必要な勘定科目(売上高、経常利益、売上総利益、総資本、流動資産、当座資産、流動負債)を抽出する。
- 各大問の計算式に当てはめて数値を算出し、記述に提示されている計算数値および業界平均との比較判断の正誤を確認する。
答えの内訳
- ①:×
- 総資本経常利益率は36,200千円÷290,500千円×100≒12.5%で合っていますが、総資本回転率は売上高315,000千円÷総資本290,500千円≒1.08回であり、記述の約1.6回は誤りです。
- ②:○
- 売上高総利益率は売上総利益105,000千円÷売上高315,000千円×100≒33.3%であり、業界平均の23.1%を大きく上回っているため適切です。
- ③:×
- 流動比率は116,500千円÷61,800千円×100≒188.5%で正しいですが、当座比率は当座資産(現金預金25,000+売上債権67,400=92,400千円)÷流動負債61,800千円×100≒149.5%であり、記述の約175.4%は誤りです。
覚えるポイント
- 総資本回転率の計算式は「売上高÷総資本」であり、単位は「回」で表される。
- 当座資産には現金預金と売上債権が含まれ、棚卸資産やその他の流動資産は含まない。
間違えやすいところ
- 当座資産を計算する際に棚卸資産を含めてしまうミス。
- 総資本回転率の分母に固定資産や純資産を誤って代入してしまうミス。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
貸借対照表に基づく固定長期適合率の計算
財務分析 · 固定長期適合率 / 長期安全性分析 / 固定資産
《設例》のX社の貸借対照表(平成26年12月31日現在)から算出される固定長期適合率を求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入して円滑に求めなさい。
解答・解説を表示
解答
76.08%
解説
固定長期適合率は、資金が固定化しやすい固定資産が、返済期限の長い固定負債と返済義務のない自己資本(純資産)という長期の安定資金でどれだけまかなわれているかを示す長期の安全性分析指標であり、100%以下であることが望ましいとされます。
解き方
- 貸借対照表から固定資産合計(174,000千円)、純資産合計(203,700千円)、固定負債合計(25,000千円)を特定する。
- 固定長期適合率の公式「固定資産÷(自己資本+固定負債)×100」に代入して計算し、小数点以下第3位を四捨五入する。
答えの内訳
- 計算過程:固定長期適合率(%)= 固定資産 ÷(自己資本+固定負債)× 100 = 174,000千円 ÷(203,700千円 + 25,000千円)× 100 = 174,000 ÷ 228,700 × 100 = 76.0822…% ≒ 76.08%
- 固定資産合計174,000千円を、純資産合計(自己資本)203,700千円と固定負債合計25,000千円の合計額(228,700千円)で除して100を掛けます。
- 答:76.08%
- 76.0822…%の小数点以下第3位(2)を四捨五入して、76.08%となります。
覚えるポイント
- 固定長期適合率=固定資産÷(自己資本+固定負債)×100。100%以下なら健全。
- 固定比率(固定資産÷自己資本×100)と混同しないよう分母に固定負債を加える点に注意する。
間違えやすいところ
- 分母に固定負債を加算し忘れて固定比率を計算してしまうミス。
- 四捨五入の位を誤り、小数点以下第2位を四捨五入してしまう計算ミス。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生産性向上設備投資促進税制
不動産・法人税務 · 生産性向上設備投資促進税制 / 特別償却 / 税額控除 / 先端設備
平成26年度税制改正により創設された生産性向上設備投資促進税制に関する次の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を語句群から選んだ組み合わせとして適切なものを答えなさい。 「仮に,X社が平成27年1月1日から開始する事業年度において,生産性向上設備等に該当する一定の規模以上の『先端設備』または『生産ラインやオペレーションの改善に資する設備』を取得して国内における事業の用に供した場合は,( ① )をすること,またはその取得価額の( ② )%(建物および構築物は3%)相当額を法人税額から控除することができます。ただし,当該税額控除は法人税額の20%相当額が限度額となります。なお,『先端設備』は,最新モデルであり,かつ,旧モデルと比較して生産性指標が年平均( ③ )%以上向上していることが要件となります」 〈語句群〉 イ.1 ロ.4 ハ.5 ニ.10 ホ.15 ヘ.即時償却 ト.取得価額の50%の特別償却 チ.取得価額の25%の特別償却
解答・解説を表示
解答
① ヘ(即時償却)、② ハ(5)、③ イ(1)
解説
生産性向上設備投資促進税制は、質の高い設備投資を促進するために創設された税制措置であり、一定基準を満たす先端設備等を導入した場合に即時償却または税額控除を選択適用できます。
解き方
- 優遇措置の内容として、特別償却は全額を即時償却可能であり、税額控除は原則として取得価額の5%(建物・構築物は3%)であることを確認します。
- 先端設備(A類型)の要件として、最新モデルかつ生産性指標が年平均1%以上向上している基準を確認し、該当する記号を選択します。
答えの内訳
- ①:ヘ
- 生産性向上設備投資促進税制では、平成28年3月31日までに取得等をして事業の用に供した場合、特別償却として取得価額の全額を償却できる即時償却が認められています。
- ②:ハ
- 税額控除を選択する場合の控除率は、取得価額の5%(建物および構築物は3%)となります(法人税額の20%が上限)。
- ③:イ
- A類型の先端設備は、最新モデルであることに加え、旧モデルと比較して生産性指標(単位時間あたり生産量やエネルギー効率等)が年平均1%以上向上していることが要件とされています。
覚えるポイント
- 集中実施期間における特別償却は即時償却、税額控除は5%(建物等は3%)です。
- 先端設備(A類型)の生産性向上要件は年平均1%以上です。
間違えやすいところ
- 即時償却と通常の特別償却(30%や50%など)を混同しないように注意が必要です。
- 税額控除の割合(5%)と法人税額に対する控除上限(20%)を取り違えないようにしましょう。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(平成26年度税制改正による生産性向上設備投資促進税制)
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
耐火建築物における建ぺい率の上限(建築面積)の計算
不動産 · 建ぺい率 / 建築面積 / 用途地域の跨ぎ / 防火地域と建ぺい率緩和
甲土地(300㎡:商業地域80㎡、第一種住居地域220㎡)および乙土地(200㎡:商業地域)を一体とした対象地(合計500㎡)に耐火建築物を建築する場合、建ぺい率の上限となる建築面積を求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は㎡単位とすること。 【対象地の概要】 ・商業地域部分(乙土地200㎡+甲土地80㎡=280㎡):指定建ぺい率80%、防火地域 ・第一種住居地域部分(甲土地220㎡):指定建ぺい率60%、準防火地域 ・特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域ではない(角地緩和等の指定なし)。
解答・解説を表示
解答
434㎡
解説
建築物の敷地が異なる用途地域にわたる場合、建築面積の最高限度は各地域に属する敷地面積にそれぞれの地域に応じた適用建ぺい率を乗じて算出した面積の合計となります。防火地域内の耐火建築物については、指定建ぺい率80%の地域では制限なし(100%)となり、その他の地域では建ぺい率が10%加算(緩和)されます。
解き方
- 対象地における各地域別の敷地面積を求めます。商業地域は乙土地200㎡+甲土地80㎡=280㎡、第一種住居地域は甲土地220㎡です。
- 建物全体が耐火建築物であり、防火地域にわたるため、建物全体に防火地域内の建築物基準が適用されます。
- 商業地域部分(指定80%)は防火地域内の耐火建築物となるため建ぺい率制限が適用除外(100%)となり、最高建築面積は280㎡×100%=280㎡です。
- 第一種住居地域部分(指定60%)は防火地域内の耐火建築物として建ぺい率が10%緩和され70%となり、最高建築面積は220㎡×70%=154㎡です。
- 両地域の建築面積を合計して、280㎡+154㎡=434㎡を求めます。
答えの内訳
- 計算過程:対象地の商業地域部分(280㎡): 商業地域かつ防火地域内にある耐火建築物であるため、建ぺい率の制限は適用されず100%となる。 280㎡ × 100% = 280㎡ 対象地の第一種住居地域部分(220㎡): 建築物が防火地域と準防火地域にわたる場合、その全部について防火地域内の建築物に関する規定が適用されるため、防火地域内の耐火建築物となり、建ぺい率が10%緩和されて70%となる。 220㎡ × (60% + 10%) = 154㎡ 建築面積の上限: 280㎡ + 154㎡ = 434㎡
- 異なる用途地域・防火地域にまたがる敷地では、地域ごとの適用建ぺい率を用いて建築面積の最高限度を算出し、それらを合計します。
- 答:434㎡
- 商業地域部分の280㎡と第一種住居地域部分の154㎡を合算して434㎡となります。
覚えるポイント
- 指定建ぺい率80%の地域で「防火地域内の耐火建築物」に該当する場合は建ぺい率が100%(適用除外)になります。
- 指定建ぺい率80%以外の地域で「防火地域内の耐火建築物」に該当する場合は指定建ぺい率+10%の緩和を受けられます。
間違えやすいところ
- 商業地域部分の建ぺい率を80%+10%=90%として計算しないように注意が必要です(80%地域かつ防火地域+耐火建築物は100%)。
- 敷地全体で防火規制が厳しい方(防火地域)の規定が建築物全体に及ぶ点を見落とし、第一種住居地域部分の10%緩和を適用し忘れるミスに注意しましょう。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(建築基準法第53条、第65条等)
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
対象地に建築する耐火建築物の延べ面積の上限(容積率)の計算
不動産 · 容積率 / 前面道路幅員による制限 / 指定容積率の加重平均
甲土地(300㎡)および乙土地(200㎡)を一体とした対象地(敷地面積500㎡)に耐火建築物を建築する場合における、容積率の上限となる延べ面積を求めなさい。なお、甲土地のうち80㎡および乙土地200㎡は商業地域(指定建ぺい率80%、指定容積率400%、防火地域)、甲土地の残り220㎡は第一種住居地域(指定建ぺい率60%、指定容積率300%、準防火地域)に属している。また、北側は20m県道、南側は6m市道にそれぞれ接道している。解答にあたっては〔計算過程〕を示し、〈答〉は㎡単位とすること。
解答・解説を表示
解答
計算過程:前面道路が2つある場合、その最大幅員(20m)を採用する。最大幅員が12m以上であるため、道路幅員による容積率制限は適用されず、各地域の指定容積率が基準容積率となる。延べ面積の最高限度=商業地域部分の敷地面積×指定容積率+第一種住居地域部分の敷地面積×指定容積率=(200㎡+80㎡)×400%+220㎡×300%=1,120㎡+660㎡=1,780㎡、答:1,780㎡
解説
建築物の延べ面積の上限は、敷地面積に容積率を乗じて計算します。前面道路の幅員が12m未満の場合は「前面道路幅員×法定乗数」と指定容積率を比較して小さい方を適用しますが、2以上の前面道路がある場合は最大幅員の道路を採用します。最大幅員が12m以上であれば道路幅員による制限は適用されず、複数の用途地域にまたがる敷地では各地域の指定容積率に基づき延べ面積を算出して合計します。
解き方
- 接道する2つの前面道路(20m県道・6m市道)のうち最大幅員である20mを確認し、12m以上であるため道路幅員による容積率制限が適用されないことを判定する。
- 商業地域に属する敷地面積(乙土地200㎡+甲土地80㎡=280㎡)と、第一種住居地域に属する敷地面積(甲土地220㎡)を整理する。
- 各地域の敷地面積にそれぞれの指定容積率(400%および300%)を乗じ、それらを合算して延べ面積の上限(1,780㎡)を算出する。
答えの内訳
- 計算過程:対象地には2つの前面道路(20m県道および6m市道)があるが、2以上の前面道路がある場合は幅員の最大のもの(20m)を前面道路幅員とする。最大の前面道路幅員が12m以上であるため、道路幅員による容積率制限は適用されず、指定容積率がそのまま基準容積率となる。 商業地域に属する敷地面積:200㎡+80㎡=280㎡ 第一種住居地域に属する敷地面積:220㎡ 延べ面積の限度=280㎡×400%+220㎡×300%=1,120㎡+660㎡=1,780㎡
- 2以上の前面道路がある場合は最大の前面道路幅員(20m)を基準とするため、12m以上となり道路幅員制限は適用されません。異なる用途地域にまたがる場合は各地域の指定容積率を按分して延べ面積の上限を求めます。
- 答:1,780(㎡)
- 商業地域部分の延べ面積上限1,120㎡と第一種住居地域部分の延べ面積上限660㎡を合算し、敷地全体の延べ面積の上限は1,780㎡となります。
覚えるポイント
- 2以上の前面道路がある場合は最大幅員の道路が基準となる
- 前面道路の最大幅員が12m以上の場合は道路幅員による容積率制限を受けない
- 異なる用途地域にまたがる敷地の延べ面積上限は各地域の面積×容積率の合計で算出する
間違えやすいところ
- 狭い方の前面道路幅員(6m)を用いて住居系の容積率を低く計算してしまうミス
- 甲土地の面積(300㎡)の内訳(商業地域80㎡、住居地域220㎡)を見落として合算を誤るミス
出題の前提:建築基準法第52条第1項・第2項(2014年10月1日施行法令等)
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の保有および相続に係る税金(固定資産税・相続税評価・小規模宅地等の特例)
不動産・相続 · 小規模住宅用地の特例 / 貸家建付地 / 貸付事業用宅地等 / 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例
不動産の保有および相続に係る税金等に関する次の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、語句群の中から選びなさい。 「賃貸アパートを取り壊して更地にし、駐車場として貸し出せば、収入が減少するかもしれませんが、安定した収入を得ることができ、管理のわずらわしさも減少すると思います。また、更地にすれば、資産処分や遺産分割が比較的容易にできるという利点も考えられます。 一方、更地にした場合、固定資産税は、住居1戸当たり200㎡までの小規模住宅用地について、課税標準となるべき価格を( ① )とする特例の適用が受けられなくなります。また、賃貸アパートの敷地は、相続税評価において、( ② )として評価されますが、駐車場の敷地は、自用地として評価されます。 仮に、Aさんの相続が開始し、相続人が賃貸アパートの敷地である甲土地および乙土地を取得した場合、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例に係る『( ③ )』に該当する宅地の評価額は、200㎡を限度面積として( ④ )%の評価減を受けることができます。」 〈語句群〉 イ.50 ロ.80 ハ.100 ニ.2分の1 ホ.3分の1 ヘ.6分の1 ト.貸家建付地 チ.貸宅地 リ.定期借地 ヌ.特定事業用宅地等 ル.貸付事業用宅地等 ヲ.特定居住用宅地等
- イ
- 50
- ロ
- 80
- ハ
- 100
- ニ
- 2分の1
- ホ
- 3分の1
- ヘ
- 6分の1
- ト
- 貸家建付地
- チ
- 貸宅地
- リ
- 定期借地
- ヌ
- 特定事業用宅地等
- ル
- 貸付事業用宅地等
- ヲ
- 特定居住用宅地等
解答・解説を表示
解答
① ヘ、② ト、③ ル、④ イ
解説
住宅用の土地には固定資産税等の負担を軽減する特例があり、小規模住宅用地(200㎡以下)は課税標準が6分の1となります。相続税評価において、賃貸アパートの敷地は借家人の権利があるため「貸家建付地」として減額評価されます。また、小規模宅地等の特例により、賃貸アパートの敷地は「貸付事業用宅地等」として200㎡まで50%の評価減が受けられますが、青空駐車場等の自用地・更地ではこれらの優遇措置の適用が制限または不適用となります。
解き方
- 空欄①:固定資産税における小規模住宅用地(200㎡以下)の特例による課税標準の軽減割合が「6分の1(ヘ)」であることを確認する。
- 空欄②:自己所有地上の建物を他に賃貸している敷地の相続税評価上の名称が「貸家建付地(ト)」であることを特定する。
- 空欄③:賃貸アパートの敷地が該当する小規模宅地等の特例上の区分が「貸付事業用宅地等(ル)」であることを導く。
- 空欄④:貸付事業用宅地等に適用される限度面積(200㎡)に対する減額割合が「50%(イ)」であることを確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ヘ
- 住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例において、住宅1戸当たり200㎡以下の小規模住宅用地の課税標準は、価格の6分の1(都市計画税は3分の1)とされます。
- 小問 ②:ト
- 自己所有の土地に自ら建築した賃貸アパート等の家屋を他人に賃貸している場合の敷地は、相続税評価上「貸家建付地」として自用地評価額から一定割合が減額されます。
- 小問 ③:ル
- 不動産貸付業等の用に供されていた宅地等について小規模宅地等の特例を適用する場合、その区分は「貸付事業用宅地等」に該当します。
- 小問 ④:イ
- 小規模宅地等の特例において、貸付事業用宅地等の限度面積は200㎡であり、減額される割合は50%となります。
覚えるポイント
- 固定資産税の小規模住宅用地特例は200㎡まで課税標準が6分の1(都市計画税は3分の1)
- 貸付事業用宅地等の限度面積は200㎡で減額割合は50%
- 特定居住用宅地等(330㎡)や特定事業用宅地等(400㎡)の減額割合は80%
間違えやすいところ
- 小規模住宅用地の「固定資産税」の特例(6分の1)と「都市計画税」の特例(3分の1)を取り違えるミス
- 貸家建付地(アパートの敷地)と貸宅地(他人に土地のみを賃貸)の用語を混同するミス
- 貸付事業用宅地等の減額率(50%)を居住用・事業用宅地等の80%と混同するミス
出題の前提:地方税法第349条の3の2(住宅用地の課税標準の特例)、財産評価基本通達、租税特別措置法第69条の4(小規模宅地等の特例)(2014年10月1日施行法令等)
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
類似業種比準方式による取引相場のない株式の評価
事業承継・相続 · 類似業種比準価額 / 非上場株式の評価 / 比準要素
設例の〈X社および類似業種の比準要素等〉に基づき、X社の1株(資本金等の額50円)当たりの類似業種比準価額を計算しなさい。なお、計算にあたっては各要素別比準割合および比準割合は小数点以下第2位未満切り捨て、1株当たりの資本金等の額50円当たりの類似業種比準価額は10銭未満切り捨て、最終的な1株当たりの類似業種比準価額は円未満を切り捨てること。
解答・解説を表示
解答
180円
解説
類似業種比準方式は、事業内容が類似する上場会社の株価を基に、1株当たりの「配当金額」「利益金額」「簿価純資産価額」の3つの比準要素を比較して株式評価額を算出する方式です。平成26年(2014年)当時の法令では利益金額のウエイトが3倍とされ、中会社の斟酌率は0.6が適用されます。
解き方
- 各比準要素の比準割合を算定し、指示に従ってそれぞれ小数点以下第2位未満を切り捨てます(配当比準割合:4.0/3.2=1.25、利益比準割合:25/20=1.25、純資産比準割合:230/228=1.008…→1.00)。
- 比準割合『(配当 + 利益×3 + 純資産) / 5』を計算します。(1.25 + 1.25×3 + 1.00) / 5 = 1.20 となります。
- 類似業種の株価(250円)に比準割合(1.20)、中会社の斟酌率(0.6)、および1株当たりの資本金等の額の調整割合(50円/50円)を乗じて1株当たりの類似業種比準価額(180円)を算出します。
答えの内訳
- 計算過程:各比準割合: 配当:4.0円 / 3.2円 = 1.25 利益:25円 / 20円 = 1.25 純資産:230円 / 228円 = 1.008… → 1.00(小数点以下第2位未満切捨て) 比準割合: (1.25 + 1.25×3 + 1.00) / 5 = 6.00 / 5 = 1.20 1株(50円)当たりの類似業種比準価額: 250円 × 1.20 × 0.6 = 180.0円 X社の1株当たりの資本金等の額: 5,000万円 / 1,000,000株 = 50円 1株当たりの類似業種比準価額: 180.0円 × (50円 / 50円) = 180円
- 配当・利益(3倍加重)・簿価純資産の3要素から比準割合を計算し、類似業種の株価、中会社の斟酌率(0.6)、1株当たりの資本金等の額割合を乗じて求めます。
- 答:180円
- 計算過程で算出した結果、円未満の端数は生じず180円となります。
覚えるポイント
- 当時の類似業種比準価額の算式では利益金額の比準要素を3倍加重する
- 各比準割合および全体の比準割合の端数処理は小数点以下第2位未満切り捨て
間違えやすいところ
- 純資産の比準割合(230/228≒1.008)の端数処理で四捨五入して1.01としてしまうミス
- X社の1株当たりの資本金等の額(5,000万円÷100万株=50円)を確認せず公式に当てはめてしまうミス
出題の前提:2014年10月1日現在施行の財産評価基本通達(平成29年改正前の類似業種比準価額算式:配当1・利益3・純資産1の加重平均、中会社斟酌率0.6)
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
中会社の株式評価(併用方式)
事業承継・相続 · 併用方式 / 中会社の大 / 純資産価額方式 / 類似業種比準方式
長男CさんがAさんからX社株式の贈与を受けた場合における、贈与税の課税上のX社株式1株当たりの評価額(類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式)を求めなさい。なお、「中会社の大」のLの割合は0.9とし、問13で求めた類似業種比準価額を用いること。〔計算過程〕を示し、〈答〉は円未満を切り捨てて円単位とすること。
解答・解説を表示
解答
191円
解説
中会社に区分される非上場会社の株式を原則的評価方式で評価する場合、類似業種比準価額と1株当たりの純資産価額を会社の規模に応じた割合(Lの割合)で按分する併用方式を用います。計算式は「類似業種比準価額 × L + 1株当たり純資産価額 × (1 - L)」です。
解き方
- 問13で求めた類似業種比準価額(180円)と設例の1株当たり純資産価額(290円)、指定されたL割合(0.9)を整理します。
- 公式「類似業種比準価額 × L + 1株当たり純資産価額 × (1 - L)」に各数値を代入して計算します(180円 × 0.9 + 290円 × 0.1 = 162円 + 29円 = 191円)。
答えの内訳
- 計算過程:併用方式による1株当たりの評価額 = 類似業種比準価額 × L + 1株当たりの純資産価額 × (1 - L) = 180円 × 0.9 + 290円 × (1 - 0.9) = 162円 + 29円 = 191円
- 問13で求めた類似業種比準価額180円に中会社の大のL割合0.9を乗じ、設例記載の1株当たり純資産価額290円に(1-L)である0.1を乗じて合計します。
- 答:191円
- 計算結果は191円となり、端数処理の必要なく円単位で確定します。
覚えるポイント
- 中会社の株式評価における併用方式の計算式:類似業種比準価額×L + 純資産価額×(1-L)
- 中会社は純資産価額単独での評価も選択可能であるが、設例の指示に従って併用方式で計算する
間違えやすいところ
- 問13で算出した類似業種比準価額の数値を誤って引き継いでしまうミス
- Lの割合と(1-L)の割合を逆にして乗じてしまう計算ミス
出題の前提:2014年10月1日現在施行の財産評価基本通達(中会社の株式の評価方法:類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式)
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
非上場株式の評価と株価引き下げ策
相続・事業承継 · 類似業種比準価額 / 純資産価額 / 非上場株式の評価 / 自社株対策
X社株式の評価および株価引き下げ策に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を付けなさい。 ① 「類似業種比準価額は、事業内容が類似する複数の上場会社の株価を基に計算されます。X社の業種と類似する上場会社の株価が上昇している場合は、X社の類似業種比準価額の上昇要因となります」 ② 「X社がAさんに役員退職金を支給した場合、利益金額を引き下げるため、類似業種比準価額を引き下げる効果はありますが、純資産価額を引き下げる効果はありません」 ③ 「類似業種比準価額の比準要素のうち利益金額を引き下げるために、使用していない機械装置を処分して除却損を計上する方法があります」
解答・解説を表示
解答
① ○、② ×、③ ×
解説
非上場株式の類似業種比準価額は、類似業種の上場会社の株価および配当・利益・簿価純資産の3要素を基に計算されます。その際、利益金額からは臨時的・非経常的な損益が除外される点、ならびに現預金の流出を伴う退職金支給等は純資産価額を引き下げる効果がある点を正しく理解することが重要です。
解き方
- 類似業種比準価額の計算式における類似業種の株価の連動性を確認し、記述①の正誤を判定します。
- 役員退職金の支給による純資産への影響(資産流出)を検討し、記述②の正誤を判定します。
- 類似業種比準方式の比準要素である年利益金額における非経常的損失の取扱いを確認し、記述③の正誤を判定します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 類似業種比準価額は類似業種の上場会社の株価を基準として計算するため、類似業種の株価の上昇は評価額の上昇要因となります。
- 小問 ②:×
- 役員退職金の支給により現預金などの会社資産が流出するため、純資産価額を引き下げる効果もあります。
- 小問 ③:×
- 類似業種比準価額の算定に用いる利益金額の計算においては、固定資産除却損などの非経常的な損失は除外されるため、利益金額を引き下げる効果はありません。
覚えるポイント
- 役員退職金の支給は会社財産の流出を伴うため、純資産価額の引き下げに有効です。
- 類似業種比準価額の利益金額の計算では、固定資産売却損益や除却損等の非経常的な損益は除外されます。
間違えやすいところ
- 固定資産除却損等の特別損失を計上すれば、類似業種比準方式の利益金額も引き下げられると誤認しやすいです。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(財産評価基本通達)
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2015年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2015年1月 2級 実技 中小事業主資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

