日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2014年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務の概要
老後の年金収入を増やす制度(確定拠出年金・国民年金基金・小規模企業共済)
ライフプランニングと資金計画 · 個人型確定拠出年金 / 国民年金基金 / 小規模企業共済
個人事業主であるAさんに対して、FPのMさんが老後の年金収入等を確保するための各種制度(確定拠出年金の個人型年金、国民年金基金、小規模企業共済制度)について説明した。文章中の空欄①~④に入る最も適切な語句を語句群から選択しなさい。
- イ
- 23,000円
- ロ
- 25,500円
- ハ
- 51,000円
- ニ
- 68,000円
- ホ
- 70,000円
- ヘ
- 小規模企業共済等掛金控除
- ト
- 社会保険料控除
- チ
- 生命保険料控除
- リ
- 事業所得
- ヌ
- 退職所得
- ル
- 一時所得
解答・解説を表示
解答
① ニ、② ヘ、③ ホ、④ ヌ
解説
自営業者等の国民年金第1号被保険者は厚生年金がないため、確定拠出年金(個人型)、国民年金基金、小規模企業共済などを活用した自助努力が重要です。それぞれの掛金上限額、税制上の優遇措置(控除区分)、受取時の課税区分を正確に区別して理解する必要があります。
解き方
- 第1号被保険者の個人型確定拠出年金および国民年金基金の月額拠出限度額(合算枠)が68,000円であることを確認する。
- 確定拠出年金の掛金の所得控除区分が小規模企業共済等掛金控除であることを確認する。
- 小規模企業共済の掛金上限が月額70,000円、一括受取共済金(死亡事由以外)が退職所得扱いとなることを確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:ニ
- 国民年金第1号被保険者の確定拠出年金(個人型)の拠出限度額は月額68,000円であり、国民年金基金と合算で月額68,000円が上限となります。
- 小問 ②:ヘ
- 確定拠出年金の掛金は、全額が所得税・住民税の「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除の対象となります。
- 小問 ③:ホ
- 小規模企業共済制度の掛金月額は、1,000円から70,000円までの範囲内(500円刻み)で自由に選択できます。
- 小問 ④:ヌ
- 小規模企業共済の共済金を廃業等により一括で受け取る場合(死亡事由を除く)、税制上は退職所得として課税されます。
覚えるポイント
- 第1号被保険者のiDeCo・国民年金基金の合算上限は月額68,000円
- 小規模企業共済の掛金上限は月額70,000円で全額が小規模企業共済等掛金控除
- 小規模企業共済の一括共済金は退職所得、分割受取は公的年金等控除適用の雑所得
間違えやすいところ
- 国民年金基金の掛金は社会保険料控除であるのに対し、確定拠出年金の掛金は小規模企業共済等掛金控除である点を取り違えやすい。
- 小規模企業共済の掛金上限(月7万円)とiDeCo第1号枠(月6.8万円)の数値を混同しやすい。
出題の前提:2014年4月1日施行法令(所得税法、確定拠出年金法、小規模企業共済法)
出典:金融財政事情研究会『2014年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人事業主の老後対策制度の適用要件とルール
ライフプランニングと資金計画 · 小規模企業共済の加入資格 / 個人型確定拠出年金の受給開始年齢 / 国民年金の付加保険料
MさんがAさんに対して説明した次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を判定しなさい。 ①「妻Bさんは,個人事業主の共同経営者としての要件を満たせば,小規模企業共済制度に加入できます」 ②「仮に,Aさんが確定拠出年金の個人型年金に現時点から60歳になるまで加入した場合は,通算加入者等期間が10年以上となるため,Aさんは60歳から老齢給付金を受け取ることができます」 ③「Aさんは,老後の年金収入を増やすために,国民年金の付加保険料を納付することができます。ただし,Aさんが確定拠出年金の個人型年金加入者となった場合は,付加保険料を納付することができません」
解答・解説を表示
解答
① ○、② ○、③ ×
解説
小規模企業共済制度は個人事業主本人のみならず共同経営者も一定要件のもと加入可能です。確定拠出年金は加入者等期間が10年以上であれば60歳から受給が可能です。また、第1号被保険者は個人型確定拠出年金と国民年金の付加年金を併用して納付できますが、国民年金基金と付加年金は重複加入できないという相違点を正確に整理する必要があります。
解き方
- 記述①:小規模企業共済における共同経営者の加入要件を確認し、妻Bさんが要件を満たせば加入できるため「○」と判定する。
- 記述②:現在46歳のAさんが60歳まで加入した場合の期間(約14年)を計算し、通算加入者等期間が10年以上あるため60歳受給可能として「○」と判定する。
- 記述③:国民年金の付加保険料と個人型確定拠出年金の併用可否を確認し、併用可能であるため「×」と判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:○
- 小規模企業共済制度には、個人事業主だけでなく、個人事業主1人につき2人まで共同経営者(事業の経営に実質的に携わり報酬を得ている者等)も加入することができます。
- 小問 ②:○
- 確定拠出年金の老齢給付金は、通算加入者等期間が10年以上あれば原則として60歳から受給できます。現在46歳のAさんが60歳まで加入すると14年間となり10年以上を満たします。
- 小問 ③:×
- 国民年金の第1号被保険者は、個人型確定拠出年金と付加年金(付加保険料月額400円)を併用して納付することができます(国民年金基金との併用は不可)。
覚えるポイント
- 小規模企業共済は個人事業主1人につき共同経営者2人まで加入可能
- 確定拠出年金の老齢給付金は通算加入者等期間10年以上で60歳から受給可能
- 個人型確定拠出年金と付加年金は併用可能、国民年金基金と付加年金は併用不可
間違えやすいところ
- 国民年金基金と付加年金が併用不可であることと混同し、確定拠出年金と付加年金も併用できないと誤認しやすい。
- 小規模企業共済は個人事業主本人しか入れないと誤解しやすい(配偶者等でも共同経営者要件を満たせば加入可能)。
出題の前提:2014年4月1日施行法令(確定拠出年金法、国民年金法、小規模企業共済法)
出典:金融財政事情研究会『2014年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢基礎年金および付加年金の受給額の計算
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 付加年金 / 公的年金額の計算
個人事業主のAさん(46歳)は20歳から国民年金に加入し、未納や免除期間はなく、60歳に達するまで国民年金保険料を全期間納付する予定である。また、60歳までに付加保険料を156月納付する。Aさんが原則として65歳から受給できる老齢基礎年金および付加年金の合計額を求めなさい。なお、平成26年度価額(物価スライド特例措置)に基づき計算し、年金額の端数処理は50円未満切捨て・50円以上100円未満切上げ、計算過程は円未満四捨五入とすること。
解答・解説を表示
解答
804,000円(老齢基礎年金:772,800円、付加年金:31,200円)
解説
国民年金の第1号被保険者が満額の保険料を40年間(480月)全期間納付した場合、満額の老齢基礎年金を受給できます。また、月額400円の付加保険料を納付した期間がある場合、「200円×付加保険料納付済月数」で算出される付加年金が老齢基礎年金に生涯加算されます。
解き方
- 老齢基礎年金の月数を数え、480月全期間納付済みであることから、平成26年度の満額である772,800円を算出します。
- 付加年金額を「200円×156月=31,200円」として計算します。
- 老齢基礎年金額と付加年金額を合算し、合計受給額804,000円を求めます。
答えの内訳
- 計算過程:老齢基礎年金額:772,800円×480月/480月=772,800円 付加年金額:200円×156月=31,200円 合計額:772,800円+31,200円=804,000円
- 老齢基礎年金は満額(平成26年度価額:772,800円)に納付済月数の比率480月/480月を乗じて算定し、付加年金は「200円×付加保険料納付済月数(156月)」により算定して合算します。
- 答:804,000(円)
- 老齢基礎年金772,800円と付加年金31,200円を合算した804,000円が受給年金額となります。
覚えるポイント
- 付加年金の年金額計算式は「200円×納付月数」であり、2年間の受給で納付した保険料(400円×月数)と同額を回収できます。
間違えやすいところ
- 付加年金の計算において、納付保険料である400円を乗じてしまう誤りに注意が必要です(年金額は200円×月数)。
出題の前提:2014年4月1日現在施行法令および平成26年度年金額(物価スライド特例水準772,800円)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2014年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
一般NISAの制度概要(導入当初)
金融資産運用 · 少額投資非課税制度 / NISA / 非課税投資枠 / 非課税期間
平成26年1月に開始された非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得および譲渡所得等の非課税措置(NISA)に関する次の文章の空欄①〜④に当てはまる適切な語句または数値を語句群から選択しなさい。 「NISAは、平成26年1月にスタートした上場株式や公募株式投資信託などの配当や譲渡益等が非課税となる制度です。NISA口座の受入れの対象となる金融商品には、国内外の上場株式および公募株式投資信託などがありますが、たとえば、( ① )は対象ではありません。 仮に、Aさんが平成26年中にNISA口座内でX社株式を購入する場合、その購入額は非課税枠である( ② )万円が限度になります。なお、非課税枠の未使用分を翌年以降に繰り越すことは( ③ )。また、( ④ )年間の非課税期間終了後、NISA口座内の上場株式や公募株式投資信託などは、特定口座や一般口座への移管のほか、( ② )万円を上限に翌年の非課税枠を利用し、非課税保有を継続することもできます」
- イ
- 3
- ロ
- 5
- ハ
- 10
- ニ
- 100
- ホ
- 200
- ヘ
- 500
- ト
- J-REIT
- チ
- ETF
- リ
- 個人向け国債
- ヌ
- 3年間に限り可能です
- ル
- できません
解答・解説を表示
解答
① リ ② ニ ③ ル ④ ロ
解説
平成26年(2014年)に創設された一般NISAは、年間100万円(後に120万円へ拡充)までの新規投資について、株式・株式投信・ETF・J-REIT等の配当金や譲渡益を最長5年間非課税とする制度です。公社債等は対象外であり、年間投資枠の未使用分の翌年繰越はできません。
解き方
- 空欄①について、NISA口座で買付けできない債券性商品(個人向け国債)を選択します。
- 空欄②について、平成26年当時の年間非課税投資枠の上限である100万円を選択します。
- 空欄③について、年間枠の未使用分の繰越しは認められない(できません)ことを選択します。
- 空欄④について、制度上の非課税保有期間である5年を選択します。
- 選択肢 イ不正解
- NISAの非課税期間は5年間であり、3年ではありません。
- 選択肢 ロ正解
- 空欄④の非課税保有期間に該当する適切な数値(5年間)です。
- 選択肢 ハ不正解
- NISAの各規定(枠・期間)に該当する数値ではありません。
- 選択肢 ニ正解
- 空欄②の平成26年当時の年間非課税投資枠に該当する適切な数値(100万円)です。
- 選択肢 ホ不正解
- 年間非課税投資枠(100万円)に合致しません。
- 選択肢 ヘ不正解
- 年間非課税投資枠等の規定に該当しません。
- 選択肢 ト不正解
- J-REITは上場投資信託等としてNISA口座での買付けの対象となります。
- 選択肢 チ不正解
- ETF(上場投資信託)はNISA口座での買付けの対象となります。
- 選択肢 リ正解
- 空欄①のNISA対象外商品に該当する適切な選択肢(国債等の公社債)です。
- 選択肢 ヌ不正解
- 非課税枠の未使用分を繰り越すことは期間を問わずできません。
- 選択肢 ル正解
- 空欄③の未使用分の繰越し不可(できません)に該当する適切な語句です。
答えの内訳
- ①:リ(個人向け国債)
- NISAの対象商品は上場株式、公募株式投資信託、ETF、J-REIT等であり、国債・公社債投資信託などの公社債等は対象外です。
- ②:ニ(100)
- 制度導入時(平成26年当時)の一般NISAにおける年間の非課税投資限度額は100万円でした。
- ③:ル(できません)
- 年間非課税投資枠の未使用分を翌年以降に繰り越すことは認められていません。
- ④:ロ(5)
- 一般NISAの非課税保有期間は最長5年間と定められています。
覚えるポイント
- 一般NISAの対象は「上場株式・株式投資信託・ETF・J-REIT」であり、公社債や公社債投信は対象外となります。
間違えやすいところ
- 国債や公社債投資信託(MMFやMRFなど)がNISAの対象外である点を見落としやすいので注意しましょう。
出題の前提:2014年4月1日現在施行法令(平成26年1月導入当時の一般NISA制度)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2014年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ROE(自己資本利益率)の計算
金融資産運用 · 財務分析 / ROE / 自己資本利益率
設例の〈X社の財務データ〉に基づき、23期のROE(自己資本は22期と23期の平均を用いる)を求めなさい。解答にあたっては〔計算過程〕を示し、〈答〉は表示単位(%)の小数点以下第3位を四捨五入して求めなさい。 〈X社の財務データ〉(単位:百万円) 22期:純資産の部合計 160,000、当期純利益 3,600 23期:純資産の部合計 163,000、当期純利益 5,100
解答・解説を表示
解答
計算過程:平均自己資本=(160,000+163,000)÷2=161,500(百万円)、ROE=5,100÷161,500×100=3.1578…%、答:3.16%
解説
ROE(自己資本利益率)は、株主から調達した自己資本を元手に企業がどれだけ効率よく当期純利益を稼得したかを表す代表的な収益性指標です。期中の資本変動を平準化するため、分母の自己資本には期首と期末(前期末と当期末)の平均値を用いることが一般的です。
解き方
- 22期末と23期末の純資産の部合計から平均自己資本を算出する:(160,000+163,000)÷2=161,500百万円。
- 23期の当期純利益5,100百万円を平均自己資本で割り、100を掛けてパーセント表示を求める:5,100÷161,500×100=3.1578…%。
- 条件に基づき、表示単位(%)の小数点以下第3位を四捨五入して3.16%とする。
答えの内訳
- 計算過程:平均自己資本=(160,000+163,000)÷ 2 = 161,500(百万円) ROE= 5,100 ÷ 161,500 × 100 = 3.1578…(%)
- 22期と23期の純資産(自己資本)の平均を計算し、23期の当期純利益5,100百万円をその平均自己資本161,500百万円で除して100を乗じます。
- 答:3.16%
- 算出された3.1578…%の小数点以下第3位(7)を四捨五入し、3.16%となります。
覚えるポイント
- ROE(自己資本利益率)= 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
- 自己資本に前期と当期の平均を用いる指定がある場合は、(前期末+当期末)÷2 を分母にする。
間違えやすいところ
- 分子に営業利益や経常利益を使用してしまうミス(必ず「当期純利益」を用いる)。
- 分母に23期末の数値のみをそのまま使い、2期平均の計算を忘れてしまうこと。
出題の前提:2014年4月1日現在施行の法令・基準
出典:金融財政事情研究会『2014年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式投資に係る税制・NISAおよびサスティナブル成長率
金融資産運用 · 特定口座の源泉徴収税率 / NISA制度 / サスティナブル成長率
上場株式投資や財務指標に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。 ① Aさんが、NISA口座ではなく特定口座(源泉徴収選択口座)を開設し、平成26年中に上場株式の売買を行った場合、その売却益に対しては10.147%の税率で源泉徴収されます。 ② Aさんが平成26年中にNISA口座を証券会社で開設した場合、同年中にNISA口座を他の金融機関で開設することはできません。 ③ サスティナブル成長率は、企業の内部留保と利益率をベースに、今後の成長率を予測する際に用いる指標です。サスティナブル成長率は、「総資産経常利益率(ROA)×(1-配当性向)」の算式で算出されます。
解答・解説を表示
解答
① ×、② ○、③ ×
解説
株式の譲渡益課税は2014年以降、軽減税率が終了し20.315%の本則税率が適用されます。NISAは一人一口座の原則があり、同一年内に複数機関での開設は認められません。また、企業の内部留保による自律的成長率を示すサスティナブル成長率はROEを基準に計算されます。
解き方
- 記述①:平成26年分の特定口座(源泉徴収あり)における売却益の税率を確認する(軽減税率10.147%は平成25年で終了、平成26年は20.315%のため×)。
- 記述②:NISA口座の重複開設に関する制限を確認する(一人一口座のため、同一年中に他機関での開設は不可であり○)。
- 記述③:サスティナブル成長率の算出算式を確認する(「ROA」ではなく「ROE」を用いるため×)。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 平成26年(2014年)1月1日以降、上場株式等の譲渡益に対する軽減税率(10.147%)は廃止され、本則税率である20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)で源泉徴収されます。
- 小問 ②:○
- NISA口座はすべての金融機関を通じて1人1口座しか開設できません。同一年に複数の金融機関でNISA口座を開設することはできません。
- 小問 ③:×
- サスティナブル成長率は、「自己資本利益率(ROE)×(1-配当性向)」または「ROE×内部留保率」によって算出されます。ROA(総資産経常利益率)ではありません。
覚えるポイント
- 上場株式等の配当・譲渡益の税率は20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)。
- サスティナブル成長率 = ROE × 内部留保率 = ROE ×(1 - 配当性向)。
間違えやすいところ
- 軽減税率(10.147%)の適用期間と本則税率(20.315%)への復帰時期(平成26年1月1日~)を取り違えること。
- サスティナブル成長率の算式でROEとROAを取り違えること。
出題の前提:2014年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
財務諸表に基づく財務比率および運転資金の分析
中小事業主資産相談業務 · 所要運転資金 / インタレスト・カバレッジ・レシオ / 当座比率
設例のX株式会社の貸借対照表および損益計算書から分析した指標等に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印をつけなさい。 ① 平成26年3月31日におけるX社の所要運転資金は、17,600千円である。 ② X社のインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業外収益をすべて金融収益、営業外費用をすべて金融費用と考えて計算すると、10.8倍となる。 ③ X社の当座比率は100%を超えており、一般に短期的な支払能力には問題のない水準である。
解答・解説を表示
解答
① × ② ○ ③ ○
解説
財務諸表分析では、資金繰りの指標である所要運転資金、利払い能力を示すインタレスト・カバレッジ・レシオ、短期的な支払能力を測る当座比率など、目的に応じた適切な算式を用いて企業の安全性を評価します。
解き方
- 所要運転資金は「売上債権+棚卸資産-仕入債務」の算式に貸借対照表の各数値を当てはめて算出する。
- インタレスト・カバレッジ・レシオは営業利益と金融収益の合算額を金融費用で除して倍率を求める。
- 当座資産(換金性の高い資産)の合計を流動負債で除して当座比率を計算し、100%を超えているかを判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 所要運転資金(売上債権+棚卸資産-仕入債務)は、(受取手形3,000千円+売掛金36,000千円)+商品34,000千円-(支払手形4,000千円+買掛金52,400千円)=16,600千円となるため、17,600千円とする本記述は不適切です。
- 小問 ②:○
- インタレスト・カバレッジ・レシオは「(営業利益+金融収益)÷金融費用」で求められます。本問の条件に従うと(21,000千円+600千円)÷2,000千円=10.8倍となり適切です。
- 小問 ③:○
- 当座比率は「当座資産÷流動負債×100」で求められます。当座資産(現金預金60,000千円+受取手形3,000千円+売掛金36,000千円+有価証券3,700千円=102,700千円)÷流動負債92,400千円×100≒111.15%となり、100%を超えているため適切です。
覚えるポイント
- 所要運転資金=売上債権+棚卸資産-仕入債務
- インタレスト・カバレッジ・レシオ=(営業利益+受取利息・配当金)÷(支払利息・割引料)
- 当座比率は100%以上が望ましい安全性の目安
間違えやすいところ
- 所要運転資金の計算で、その他の流動資産やその他の流動負債まで合算してしまうミス
- 当座資産に棚卸資産(商品)を含めて流動比率と混同してしまうミス
出題の前提:2014年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
貸借対照表に基づく固定比率および自己資本比率の計算
中小事業主資産相談業務 · 固定比率 / 自己資本比率
設例の貸借対照表から算出されるX社の①固定比率と②自己資本比率をそれぞれ求めなさい。なお、自己資本の額は純資産の額と同額であるものとし、答は表示単位における小数点以下第3位を四捨五入しなさい。
解答・解説を表示
解答
① 97.68% ② 33.45%
解説
固定比率は固定資産が返済義務のない自己資本でどれだけ賄われているかを示す長期的な財務安全性指標であり、自己資本比率は総資産に占める自己資本の割合から企業の資本構成の健全性を評価する指標です。
解き方
- 貸借対照表から固定資産合計(75,800千円)、純資産合計(77,600千円)、資産合計(232,000千円)の数値を読み取る。
- 固定資産を自己資本で除して100を掛け、固定比率を計算し、指定の端数処理を行う。
- 自己資本を資産合計で除して100を掛け、自己資本比率を計算し、指定の端数処理を行う。
答えの内訳
- ①:97.68%
- 固定比率は「固定資産÷自己資本×100」で求められます。固定資産75,800千円÷自己資本(純資産合計)77,600千円×100=97.6804…%となり、小数点以下第3位を四捨五入して97.68%となります。
- ②:33.45%
- 自己資本比率は「自己資本÷総資産×100」で求められます。自己資本(純資産合計)77,600千円÷総資産(資産合計)232,000千円×100=33.4482…%となり、小数点以下第3位を四捨五入して33.45%となります。
覚えるポイント
- 固定比率=固定資産÷自己資本×100(一般に100%以下が望ましい)
- 自己資本比率=自己資本÷総資産×100
間違えやすいところ
- 固定比率の分母を自己資本+固定負債(固定長期適合率の分母)と取り違えるミス
- 百分率表示における小数点以下第3位の四捨五入指定を見落として端数処理を誤るミス
出題の前提:2014年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得拡大促進税制の税額控除限度額と適用要件
タックスプランニング · 所得拡大促進税制 / 法人税額控除 / 中小企業税制
平成26年4月1日以後に終了する法人の事業年度に適用される所得拡大促進税制に関する次の文章の空欄①〜③に入る最も適切な語句または数値を、語句群の中から選びなさい。 「所得拡大促進税制とは、青色申告法人が、国内雇用者に対する給与等の支給額を基準事業年度と比較して一定割合以上増加させた場合、その他の要件を満たすことを条件に、当該支給増加額の( ① )%相当額を法人税額から控除することができる制度です。ただし、当該税額控除は、法人税額の( ① )%(中小企業者等は( ② )%)相当額が限度額となります。なお、本制度の適用を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。 ・基準事業年度と比較して、雇用者給与等支給額が一定割合以上増加すること。 ・雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額以上であること。 ・継続雇用者に対する平均給与等支給額が比較平均給与等支給額を超えること。 なお、継続雇用者に対する給与等とは、国内雇用者に対する給与等のうち、( ③ )の一般被保険者に対する給与等を指します。また、適用年度に新規採用した者や前事業年度で退職した者に対して支払った給与等は平均給与等支給額を比較するうえで、除かれます」
- イ
- 5
- ロ
- 10
- ハ
- 15
- ニ
- 20
- ホ
- 25
- ヘ
- 厚生年金保険法
- ト
- 雇用保険法
- チ
- 労働者災害補償保険法
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解答
① ロ(10) ② ニ(20) ③ ト(雇用保険法)
解説
所得拡大促進税制は、企業が賃金を引き上げた場合に法人税額を控除できる制度であり、給与総額の増加額の10%を税額控除でき、法人税額の10%(中小企業者等は20%)が控除限度となります。また、継続雇用者の判定は雇用保険法の一般被保険者を基準とします。
解き方
- 税額控除の割合(支給増加額の10%)および原則の法人税額上限(10%)を確認して空欄①を特定する。
- 中小企業者等に対する法人税額の税額控除限度枠(20%)を確認して空欄②を特定する。
- 継続雇用者の判定基準となる社会保険法令(雇用保険法の一般被保険者)を確認して空欄③を特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 5%は税額控除率や本制度の法人税額控除限度割合のいずれにも該当しません。
- 選択肢 ロ正解
- 税額控除割合および大企業等の法人税額控除限度割合は10%であり、空欄①に適合します。
- 選択肢 ハ不正解
- 15%は税額控除限度額の規定割合ではありません。
- 選択肢 ニ正解
- 中小企業者等の法人税額控除限度割合は20%であり、空欄②に適合します。
- 選択肢 ホ不正解
- 25%は当時の所得拡大促進税制の控除限度割合ではありません。
- 選択肢 ヘ不正解
- 厚生年金保険法の被保険者ではなく、雇用保険法の一般被保険者が基準とされます。
- 選択肢 ト正解
- 継続雇用者に対する給与等の対象者は、雇用保険法の一般被保険者であり空欄③に適合します。
- 選択肢 チ不正解
- 労働者災害補償保険法(労災保険)ではなく、雇用保険法が基準となります。
答えの内訳
- ①:ロ
- 給与等支給増加額の税額控除割合および法人税額に対する原則的な控除限度額は、いずれも10%です。
- ②:ニ
- 中小企業者等に対する法人税額の控除限度額の上限割合は、優遇措置として20%とされています。
- ③:ト
- 所得拡大促進税制における継続雇用者とは、雇用保険法の一般被保険者を指します。
覚えるポイント
- 所得拡大促進税制の控除率は増加額の10%、控除上限は法人税額の10%(中小企業は20%)です。
間違えやすいところ
- 継続雇用者の判定基準を厚生年金保険法や健康保険法と混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2014年4月1日現在施行法令(平成26年度税制改正後の所得拡大促進税制)
出典:金融財政事情研究会『2014年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
異なる地域にわたる土地における建築面積の限度
不動産 · 建ぺい率 / 建築面積の最高限度 / 防火地域・準防火地域 / 角地緩和
甲土地(700㎡:近隣商業地域500㎡、第一種住居地域200㎡)と隣接する乙土地(350㎡:近隣商業地域250㎡、第一種住居地域100㎡)を一体とした対象地(1,050㎡)に耐火建築物を建築する場合、建築面積の最高限度を計算過程を示して求めなさい。なお、乙土地および対象地は特定行政庁が指定する角地であり、第一種住居地域は指定建ぺい率60%・準防火地域、近隣商業地域は指定建ぺい率80%・防火地域である。
解答・解説を表示
解答
建築面積の限度:960㎡
解説
建築物の敷地が異なる用途地域や防火規制にまたがる場合、建築面積の限度は地域ごとに適用建ぺい率を敷地面積に乗じて合算(加重平均)します。指定建ぺい率80%の地域かつ防火地域内に耐火建築物を建てる場合は建ぺい率の制限がなくなり100%となり、角地指定があればさらに10%加算されます(ただし上限100%)。
解き方
- 対象地全体の地域別面積を算出する(近隣商業地域:500+250=750㎡、第一種住居地域:200+100=300㎡)。
- 近隣商業地域部分(750㎡)の適用建ぺい率を判定する。指定80%かつ防火地域内の耐火建築物であるため制限が適用除外となり100%。建築面積限度は750㎡×100%=750㎡。
- 第一種住居地域部分(300㎡)の適用建ぺい率を判定する。指定60%に角地緩和+10%を適用して70%。建築面積限度は300㎡×70%=210㎡。
- 両地域の建築面積限度を合算する(750㎡+210㎡=960㎡)。
答えの内訳
- 計算過程:対象地のうち、 ・第一種住居地域に属する部分(300㎡) 指定建ぺい率60%+角地緩和10%=70% 300㎡ × 70% = 210㎡ ・近隣商業地域に属する部分(750㎡) 指定建ぺい率80%で防火地域内の耐火建築物であるため、建ぺい率の制限はなく100%となる。 750㎡ × 100% = 750㎡ 対象地の建築面積の最高限度: 210㎡ + 750㎡ = 960㎡
- 異なる用途地域にわたる敷地の建築面積は、地域ごとの敷地面積に適用される建ぺい率を乗じた金額の合計により算出します。
- 答:960 (㎡)
- 第一種住居地域部分の210㎡と近隣商業地域部分の750㎡を合算して960㎡となります。
覚えるポイント
- 指定建ぺい率80%地域かつ防火地域内の耐火建築物は建ぺい率の制限が撤廃されて100%になります。
間違えやすいところ
- 指定建ぺい率80%地域+防火地域耐火建築物の100%緩和を見落とし、90%や角地緩和を加算しただけの数値で計算してしまう誤りが頻出です。
出題の前提:2014年4月1日現在施行の建築基準法
出典:金融財政事情研究会『2014年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
対象地における延べ面積の最高限度の計算
不動産 · 容積率 / 延べ面積の限度 / 前面道路の幅員制限
甲土地(700㎡:近隣商業地域500㎡、第一種住居地域200㎡)と乙土地(350㎡:近隣商業地域250㎡、第一種住居地域100㎡)を一体とした対象地(1,050㎡)に耐火建築物を建築する場合における、容積率の算定の基礎となる延べ面積の最高限度を計算しなさい。なお、前面道路は幅員20mの県道および幅員6mの市道であり、指定容積率は近隣商業地域が400%、第一種住居地域が300%である。
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解答
計算過程:前面道路の幅員は広い方の20mとなり、12m以上であるため道路幅員による容積率制限は適用されず、指定容積率がそのまま適用される。近隣商業地域:750㎡ × 400% = 3,000㎡、第一種住居地域:300㎡ × 300% = 900㎡、延べ面積の限度:3,000㎡ + 900㎡ = 3,900㎡。答:3,900㎡
解説
建築物の敷地が2以上の異なる容積率の地域にわたる場合、その敷地の延べ面積の最高限度は、各地域に属する敷地面積にそれぞれの地域の容積率を乗じて得た面積を合計して算出します(加重平均の考え方)。また、2面以上の道路に接する場合は最大幅員の道路を基準とし、前面道路幅員が12m以上のときは道路幅員による容積率低減制限を受けません。
解き方
- 対象地が接する県道(20m)と市道(6m)のうち、幅員の広い県道(20m)を前面道路として特定する。
- 前面道路幅員が12m以上であるため道路幅員制限の適用がなく、指定容積率(近隣商業400%、第一種住居300%)が適用されることを確認する。
- 対象地全体の用途地域ごとの面積(近隣商業750㎡、第一種住居300㎡)に容積率を乗じて合算し延べ面積限度を求める。
答えの内訳
- 計算過程:対象地は幅員20mの県道と幅員6mの市道に接面しているが、2以上の前面道路がある場合は広い方の道路幅員(20m)を前面道路の幅員として取り扱う。前面道路の幅員が12m以上であるため、道路幅員制限による容積率の低減はなく、都市計画で定められた指定容積率がそのまま基準容積率となる。 ・近隣商業地域に属する部分(500㎡+250㎡=750㎡) 750㎡ × 400% = 3,000㎡ ・第一種住居地域に属する部分(200㎡+100㎡=300㎡) 300㎡ × 300% = 900㎡ 延べ面積の限度:3,000㎡ + 900㎡ = 3,900㎡
- 2面接道では広い道路の幅員20mが適用され、12m以上のため法定乗数制限は生じません。各地域ごとの敷地面積に指定容積率を乗じて合算します。
- 答:3,900(㎡)
- 近隣商業地域の延べ面積限度3,000㎡と第一種住居地域の延べ面積限度900㎡を合計して3,900㎡となります。
覚えるポイント
- 2面接道の場合は最も広い道路幅員が前面道路幅員となること
- 前面道路が12m以上の場合は道路幅員制限(法定乗数を乗じる制限)が適用されないこと
間違えやすいところ
- 狭い方の道路幅員(6m)を用いて法定乗数による低減計算を行ってしまう誤り
- 甲土地の面積のみで計算し、乙土地を合わせた対象地全体の面積(1,050㎡)で計算し忘れるミス
出題の前提:2014年4月1日現在施行の建築基準法第52条第1項・第2項・第7項
出典:金融財政事情研究会『2014年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
対象地および甲土地に適用される建築基準法の規定
不動産 · 用途地域の過半主義 / 建ぺい率と前面道路幅員 / 容積率の不算入(駐車場)
対象地および甲土地に適用される建築基準法の規定に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答しなさい。 ① 対象地に建築物を建築する場合、その建築物の全部について制限がより厳しい第一種住居地域の用途制限が適用されるため、床面積が3,000㎡を超える店舗または事務所用ビルは建築できない。 ② 甲土地のみを利用して建築物を建築する場合、前面道路の幅員が12メートル未満であるため、甲土地に適用される建ぺい率の限度は、前面道路の幅員のメートルの数値に一定の数値を乗じたもの以下でなければならない。 ③ 対象地に建築物を建築する場合、建築物の中にある駐車場の床面積については、当該建築物の各階の床面積の合計の5分の1を限度として、容積率算定上の延べ面積から除外することができる。
解答・解説を表示
解答
① ×、② ×、③ ○
解説
建築基準法では、敷地が複数の用途地域にまたがる場合は「敷地の過半が属する用途地域」の制限が敷地全体に適用されます。また、道路幅員制限は容積率にのみ適用され、建ぺい率には適用されません。さらに容積率の算定においては、自動車車庫等の床面積について延べ面積の5分の1を限度に不算入とする緩和措置が設けられています。
解き方
- 敷地がまたがる場合の用途地域の適用ルール(過半主義)を確認し、第一種住居地域が適用されるという記述①の適否を判断する。
- 建ぺい率に対する前面道路幅員の制限適用の有無を確認し、記述②の適否を判断する。
- 容積率算定における駐車場部分の床面積不算入限度(延べ面積の5分の1以内)の規定を確認し、記述③の適否を判断する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 建築物の敷地が2以上の異なる用途地域にまたがる場合、敷地の過半が属する地域の用途規制が敷地全体に適用されます。本問では過半(750㎡/1,050㎡)が近隣商業地域であるため、厳しい第一種住居地域の用途制限ではなく近隣商業地域の用途制限が適用されます。
- 小問 ②:×
- 前面道路の幅員に一定の数値を乗じて限度を低減させる規定は「容積率」に関するものであり、建ぺい率には前面道路幅員による制限はありません。また、甲土地の前面道路も幅員20mの県道に接しています。
- 小問 ③:○
- 建築物の内部にある自動車車庫等(駐車場)の用途に供する部分の床面積は、敷地内の建築物の各階の床面積の合計(延べ面積)の5分の1を限度として、容積率の算定の基礎となる延べ面積から除外することができます。
覚えるポイント
- 用途地域の制限がまたがる場合は「敷地の過半」の地域の制限が全体に適用されること
- 前面道路幅員による低減制限は「容積率」のルールであり「建ぺい率」には存在しないこと
- 容積率算定における車庫・駐車場の不算入限度は「延べ面積の5分の1」であること
間違えやすいところ
- 防火規制の「厳しい方が敷地全体に適用される(防火地域優先)」と用途制限の「過半主義」を取り違える誤り
- 前面道路幅員制限(道路幅員×法定乗数)を建ぺい率にも適用されると誤解してしまうミス
出題の前提:2014年4月1日現在施行の建築基準法第52条第6項第1号、第91条
出典:金融財政事情研究会『2014年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
類似業種比準価額の計算
事業承継・相続 · 類似業種比準方式 / 取引相場のない株式の評価 / 中会社の株式評価
設例の〈X社の概要〉および〈参考〉に基づき、X社の1株当たりの類似業種比準価額を求めなさい。計算過程を示し、答は円単位とすること。なお、各要素別比準割合および比準割合は小数点以下第2位未満切り捨て、1株当たりの資本金等の額50円当たりの類似業種比準価額は10銭未満切り捨て、1株当たりの類似業種比準価額は円未満切り捨てとすること。
解答・解説を表示
解答
141円
解説
類似業種比準価額は、評価会社の1株当たりの配当金額・年利益金額・純資産価額の3要素を類似業種の数値と比較し、類似業種の株価に乗じて算定します。規模区分が中会社の場合の斟酌率は0.6が適用されます。
解き方
- 評価会社の各要素(配当・利益・純資産)を類似業種の要素で除し、小数点以下第2位未満を切り捨てて各比準割合を計算する。
- 「(配当比準割合 + 利益比準割合×3 + 純資産比準割合) ÷ 5」を計算し、小数点以下第2位未満を切り捨てて比準割合を求める。
- 類似業種の株価に比準割合と中会社の斟酌率(0.6)を乗じ、1株当たりの資本金等の額(50円)で調整して円未満を切り捨てる。
答えの内訳
- 計算過程:配当比準割合:5.0円 / 2.1円 = 2.380… → 2.38 利益比準割合:12円 / 4円 = 3.00 純資産比準割合:170円 / 149円 = 1.140… → 1.14 比準割合:(2.38 + 3.00 × 3 + 1.14) / 5 = 12.52 / 5 = 2.504 → 2.50 1株(50円)当たりの類似業種比準価額:94円 × 2.50 × 0.6 = 141.00円 1株当たりの資本金等の額:5,000万円 / 1,000,000株 = 50円 1株当たりの類似業種比準価額:141.00円 × (50円 / 50円) = 141円
- 配当・利益・純資産の各比準割合を端数処理したうえで加重平均して比準割合(2.50)を算出し、中会社の斟酌率0.6を乗じて1株当たりの価額を求めます。
- 答:141円
- 求めた計算結果により、1株当たりの類似業種比準価額は141円となります。
覚えるポイント
- 類似業種比準価額の斟酌率は大会社が0.7、中会社が0.6、小会社が0.5となります。
間違えやすいところ
- 中会社の大のL値(0.90)と斟酌率(0.6)を取り違えて計算してしまうミスに注意が必要です。
出題の前提:2014年4月1日現在施行の法令等(財産評価基本通達)
出典:金融財政事情研究会『2014年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
非上場株式等についての贈与税の納税猶予制度
事業承継・税制 · 納税猶予 / 事業承継税制 / 経営承継円滑化法
「非上場株式等についての贈与税の納税猶予制度」に関する問題文の空欄①~④に入る最も適切な語句を〈語句群〉から選びなさい。
- イ
- 2分の1
- ロ
- 3分の2
- ハ
- 4分の3
- ニ
- 7割
- ホ
- 8割
- ヘ
- 全額
- ト
- 1年
- チ
- 2年
- リ
- 3年
- ヌ
- 5年
解答・解説を表示
解答
① ヘ、② ロ、③ リ、④ ホ
解説
事業承継税制(非上場株式等の贈与税の納税猶予制度)は、後継者が取得した認定承継会社の株式について一定の要件を満たすことで贈与税の全額納税猶予を受けることができる制度です。
解き方
- 猶予割合(全額)および対象株式上限(発行済議決権株式総数の3分の2)の制度概要を確認する。
- 後継者の要件として役員就任期間(3年以上)の要件を確認する。
- 雇用確保要件(申告期限から5年間で平均8割以上維持)の緩和措置を確認する。
- 選択肢 イ不正解
- 2分の1は本問のいずれの規定(猶予割合・対象株式上限・役員就任年数・雇用要件)の数値にも該当しません。
- 選択肢 ロ正解
- 3分の2は納税猶予の対象となる議決権株式総数の限度割合(空欄②)として正解です。
- 選択肢 ハ不正解
- 4分の3は本問の要件(議決権割合は3分の2)には合致しません。
- 選択肢 ニ不正解
- 7割は雇用維持要件等の基準数値(正しくは8割)として誤りです。
- 選択肢 ホ正解
- 8割は5年間の平均で維持すべき常時使用従業員数の割合(空欄④)として正解です。
- 選択肢 ヘ正解
- 全額は贈与税の納税猶予における納税猶予割合(空欄①)として正解です。
- 選択肢 ト不正解
- 1年は後継者の役員等就任期間の要件(正しくは3年以上)として誤りです。
- 選択肢 チ不正解
- 2年は後継者の役員等就任期間の要件(正しくは3年以上)として誤りです。
- 選択肢 リ正解
- 3年は後継者(受贈者)が役員等に就任してから経過していなければならない年数(空欄③)として正解です。
- 選択肢 ヌ不正解
- 5年は雇用維持の計算対象期間(5年間)であり、役員就任期間の要件(3年)としては誤りです。
答えの内訳
- ①:ヘ
- 贈与税の納税猶予制度において、猶予対象株式に対応する贈与税の猶予割合は「全額(100%)」です。
- ②:ロ
- 納税猶予の対象となる株式の上限は、既存保有分を含めて発行済議決権株式総数の「3分の2(2/3)」までです。
- ③:リ
- 贈与税の納税猶予における受贈者の要件として、贈与時までに役員等に就任してから「3年」以上経過していることが必要です。
- ④:ホ
- 雇用維持要件では、申告期限から5年間の平均で贈与時の常時使用従業員数の「8割(80%)」以上を維持することが求められます。
覚えるポイント
- 非上場株式等の贈与税の納税猶予制度では、猶予対象は議決権株式総数の3分の2まで、納税猶予割合は全額(100%)です。
間違えやすいところ
- 相続税の納税猶予割合(一般措置は80%)と贈与税の納税猶予割合(100%=全額)を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2014年4月1日現在施行の法令等(租税特別措置法)
出典:金融財政事情研究会『2014年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税特例
相続・事業承継 · 贈与税 / 教育資金の一括贈与 / 税額免除・特例
直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例に関する次の記述①~③について、適切なものには○、不適切なものには×を判定しなさい。 ① 教育資金の非課税特例の非課税拠出額の限度額は受贈者ごとに1,500万円であり、学校等に直接支払われる入学金や授業料等の金銭については1,000万円、学校等以外の者に教育に関する役務の提供の対価として直接支払われる金銭については500万円が限度となる。 ② 学校等以外の費用は500万円を限度として非課税となるが、学校等以外の費用とは、学習塾やスイミングスクールなどの校外活動に関する費用で、社会通念上相当と認められるものを指す。 ③ 教育資金の非課税特例の適用後、受贈者である孫が30歳に達すると教育資金管理契約は終了する。非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額は贈与税の課税価格に算入されるため、申告義務が発生した場合は贈与税の申告をする必要が生じる。
解答・解説を表示
解答
① × ② ○ ③ ○
解説
直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税特例は、受贈者(30歳未満)1人につき最大1,500万円(学校等以外への支払いはうち500万円)までの教育資金の拠出が非課税となる制度です。30歳到達などで契約が終了した際に使い残しがあれば、その残額は贈与税の課税対象となります。
解き方
- 受贈者1人当たりの非課税限度額(全体1,500万円、学校等以外は500万円)の配分制限を確認する。
- 学校等以外に支払われる費用の具体的内容(学習塾・習い事等)の適合性を判定する。
- 契約終了事由(30歳到達等)および終了時の残額に対する課税関係・申告要件を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:×
- 非課税拠出額の限度額は受贈者ごとに1,500万円です。この1,500万円の範囲内であれば学校等への支払いは全額を充てることができ、学校等への支払いが1,000万円に制限されているわけではありません(学校等以外の者に支払われる金銭についてのみ500万円が上限です)。
- 小問 ②:○
- 学校等以外の者に対して支払われる金銭(上限500万円)には、学習塾やそろばんなどの学習活動、スイミングスクール等のスポーツや文化芸術活動などの指導対価で、社会通念上相当と認められるものが含まれます。
- 小問 ③:○
- 受贈者が30歳に達した日に教育資金管理契約は終了します。その時点で非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額がある場合、その残額はその終了した年の贈与税の課税価格に算入され、基礎控除額を超える場合は贈与税の申告が必要です。
覚えるポイント
- 教育資金の一括贈与特例の限度額は1人あたり1,500万円(学校等以外は500万円が上限)。
- 受贈者が30歳に達した時に残額があれば、その年の贈与税の課税価格に算入される。
間違えやすいところ
- 学校等への支払いが1,000万円に制限されると誤認しやすいが、1,500万円全額を学校等への支払いに充てることも可能。
- 契約終了時に残金があっても全額非課税のまま引き出せると誤認しやすい。
出題の前提:2014年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2014年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2014年9月 2級 実技 中小事業主資産相談業務の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

