日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2014年5月 2級 学科の概要
FPと関連法規(職業倫理と関連法規)
ライフプランニングと資金計画 · FP倫理 / 税理士法 / 保険業法 / 金融商品取引法 / 弁護士法
ファイナンシャル・プランナー(FP)の顧客に対する行為に関する次の記述のうち、関連法規に照らして最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
FPは金融や税務などの幅広い知識を基に助言を行いますが、税理士法、金融商品取引法、弁護士法、保険業法などの各種業法に抵触しないよう留意しなければなりません。資格や登録のない分野では、一般的な法制度・仕組みの解説や仮定の試算にとどめる必要があります。
解き方
- 各選択肢の行為が、各種士業や専門業法の独占業務(個別具体的な申告書作成、投資顧問契約、係争事件の仲裁など)に抵触していないか確認します。
- 一般的な解説や一般的な情報提供にとどまっている適切な選択肢(選択肢2)を正答として選択します。
- 選択肢 1不正解
- 税理士資格を有しない者が、業務として確定申告書の作成や修正代行を行うことは、有償・無償を問わず税理士法第52条に違反します。
- 選択肢 2正解
- 生命保険募集人の登録がなくても、特定の保険商品を募集・勧誘することなく、一般的な保障の考え方や活用方法を説明する行為は保険業法に違反せず適切です。
- 選択肢 3不正解
- 個別の株式銘柄の売買助言を行い、顧客と投資顧問契約を締結するには、金融商品取引法に基づく投資助言・代理業の登録が必要となります。
- 選択肢 4不正解
- 弁護士資格を有しない者が、報酬を得る目的で係争中の法律事件に関して和解案の提示や利害調整を行うことは非弁行為にあたり、弁護士法第72条に違反します。
覚えるポイント
- FPが無資格で行えるのは一般的な解説や仮定の試算までであり、個別の税額計算・申告書作成や個別投資助言は不可です。
間違えやすいところ
- 税理士法違反は「無償であっても」成立する点に注意してください。顧客が下書きしたものを修正する行為も申告書作成とみなされます。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の各種関連法規(税理士法、保険業法、金融商品取引法、弁護士法)
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
資金循環統計(日米欧の家計金融資産構成)
ライフプランニングと資金計画 · 家計の資産構成 / 資金循環統計 / 日本銀行
日本銀行「資金循環の日米欧比較」(平成26年3月25日)に基づく家計の資産構成のグラフにおいて、空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。 <家計の資産構成の構成比> ・日本:(ア) 53.1%、債券 1.8%、(イ) 4.8%、(ウ) 9.4%、保険・年金準備金 26.7%、その他計 4.2% ・米国:(ア) 12.5%、債券 8.2%、(イ) 11.6%、(ウ) 33.7%、保険・年金準備金 31.1%、その他計 2.8% ・ユーロエリア:(ア) 35.4%、債券 6.4%、(イ) 7.1%、(ウ) 16.4%、保険・年金準備金 31.8%、その他計 2.9%
解答・解説を表示
解答
1
解説
日米欧の家計金融資産構成比の特徴として、日本は「現金・預金」が過半(50%超)を占めて投資性資産の割合が極めて低い一方、米国は「株式・出資金」や「投資信託」の比率が高く、ユーロエリアはその中間に位置するという傾向があります。
解き方
- 日本の家計資産で50%以上を占め、米国で1割強にとどまる(ア)が「現金・預金」であることを特定します。
- 米国で33.7%と最大比率を占め、日本で9.4%となっている(ウ)が「株式・出資金」、残る(イ)が「投資信託」であることを確認して組み合わせを選びます。
- 選択肢 1正解
- (ア)は過半を占める現金・預金、(イ)は投資信託(日米欧で約5〜12%)、(ウ)は株式・出資金(米国で最大比率)であり、正しい組み合わせです。
- 選択肢 2不正解
- (ア)が株式・出資金、(ウ)が現金・預金となっており、日米の資産構成比の傾向と正反対の記述です。
- 選択肢 3不正解
- (イ)と(ウ)が入れ替わっています。米国で33.7%を占めるのは「株式・出資金(ウ)」であり、「投資信託(イ)」ではありません。
- 選択肢 4不正解
- (ア)が投資信託、(ウ)が現金・預金となっており、統計数値の割合と合致しません。
覚えるポイント
- 家計金融資産の構成比:日本は「現金・預金」が約5割強、米国は「株式・出資金」「投資信託」など投資性資産が約4割以上を占めます。
間違えやすいところ
- 投資信託と株式・出資金の割合の大小を混同しやすいため、米国で最も比率が高いのは「株式・出資金」である点を押さえておきましょう。
出題の前提:日本銀行「資金循環の日米欧比較」(平成26年3月25日)公表データ
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
健康保険の保険給付
ライフプランニングと資金計画 · 健康保険 / 傷病手当金 / 高額療養費 / 出産育児一時金
健康保険の各種保険給付に関する記述として、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
健康保険の給付は、業務外の事由による病気やケガ・出産・死亡に関して行われ、治療を目的としない検診・美容整形や入院時の自己負担実費等は療養の給付や高額療養費の対象外となります。
解き方
- 療養の給付および高額療養費の対象範囲(保険診療外の費用や食事負担の除外)を確認する。
- 傷病手当金の支給要件(業務外の傷病、労務不能、連続3日の待期完成後に4日目から支給)を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 人間ドックなどの健康診断や美容整形術は病気やケガの治療ではないため、健康保険の療養の給付の対象外(全額自己負担)となります。
- 選択肢 2不正解
- 入院時食事療養費に係る標準負担額や差額ベッド代(室料差額)などは、高額療養費の算定対象に含まれません。
- 選択肢 3正解
- 業務外の事由による療養のために労務不能となり、連続して3日休んだ後の4日目以降、報酬が支払われない期間に対して傷病手当金が支給されます。
- 選択肢 4不正解
- 出題基準日(2013年10月1日)現在、産科医療補償制度に加入する医療機関等で出産した場合の出産育児一時金の支給額は、1児につき42万円です。
覚えるポイント
- 傷病手当金は業務外の傷病が対象で、連続3日間の待期完成後、4日目から支給される。
- 差額ベッド代や入院時食事代は高額療養費の対象外である。
間違えやすいところ
- 待期期間は連続3日必要であり、断続的な3日では待期が完成しない点に注意する。
- 業務上・通勤災害による傷病は健康保険ではなく労災保険の対象となる。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金の被保険者資格・保険料・追納
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金 / 被保険者種別 / 連帯納付義務 / 追納 / 任意加入
国民年金に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
国民年金は日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者に強制加入が義務付けられますが、海外在住の日本国籍保持者(20歳以上65歳未満)については任意加入制度が設けられています。
解き方
- 第3号被保険者の年齢要件(60歳未満)と資格喪失時期を確認する。
- 第1号被保険者の保険料連帯納付義務者および免除保険料の追納可能期間(10年以内)を確認する。
- 在外邦人の国民年金への任意加入資格を確認し、加入不可とする誤りを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 第3号被保険者は20歳以上60歳未満に限定されているため、60歳に達した日(誕生日の前日)に第3号被保険者の資格を喪失します。
- 選択肢 2不正解
- 国民年金法に基づき、第1号被保険者の保険料については、その世帯主および配偶者が連帯して納付する義務を負います。
- 選択肢 3不正解
- 国民年金保険料の免除や納付猶予の承認を受けた期間の保険料は、承認を受けた日の属する月前10年以内の期間について追納が可能です。
- 選択肢 4正解
- 日本国籍を有する者で日本国外に居住している20歳以上65歳未満の者は、国民年金に任意加入することが認められています。
覚えるポイント
- 海外に居住する日本国籍保有者は、20歳以上65歳未満であれば国民年金に任意加入できる。
- 保険料免除期間の追納可能期間は過去10年以内である。
間違えやすいところ
- 世帯主だけでなく配偶者も国民年金保険料の連帯納付義務を負う点を見落としやすい。
- 免除期間の追納可能期間(10年)と未納保険料の後納可能期間等の規定を混同しないようにする。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢厚生年金の繰上げ支給および繰下げ支給
ライフプランニングと資金計画 · 公的年金 / 老齢厚生年金 / 繰上げ受給 / 繰下げ受給
老齢厚生年金の繰上げ支給および繰下げ支給に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
老齢厚生年金の繰上げは老齢基礎年金と同時に行う必要があり一度請求すると取消しできません。一方、本来支給の老齢年金(65歳受給開始)の繰下げは特別支給の受給歴があっても可能です。
解き方
- 繰上げ支給の要件(老齢基礎年金と同時請求、取消不可など)を確認します。
- 特別支給の老齢厚生年金の受給者が65歳以降の本来の老齢厚生年金を繰り下げて受給できるかどうかのルールを検討します。
- 選択肢 1不正解
- 老齢厚生年金の繰上げ支給を請求する際は、必ず老齢基礎年金の繰上げ支給の請求も同時に行わなければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 繰上げ支給の請求をして受給権が発生した後は、その裁定を取り消したり変更したりすることはできません。
- 選択肢 3正解
- 特別支給の老齢厚生年金を受給した者であっても、65歳から受け取れる本来の老齢厚生年金を66歳以降に繰り下げて受給することができます。
- 選択肢 4不正解
- 老齢厚生年金の繰下げ支給の増額率は、繰下げ月数×0.7%(最大60月で42%)で計算されます。
覚えるポイント
- 繰上げは老齢基礎年金・老齢厚生年金を同時に請求する必要があり、事後の取消しは不可です。
- 特別支給の老齢厚生年金自体は繰下げできませんが、65歳以降の本来支給の老齢厚生年金は繰下げが可能です。
間違えやすいところ
- 特別支給の受給権者は繰下げが一切できないと誤解しやすいですが、65歳からの本来支給年金は繰下げ可能です。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
離婚時の厚生年金分割制度(合意分割制度)
ライフプランニングと資金計画 · 公的年金 / 厚生年金保険 / 離婚時年金分割 / 合意分割
離婚時の厚生年金の分割制度(合意分割制度)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
合意分割制度は婚姻期間中の厚生年金の標準報酬(保険料納付記録)を分割して年金額に反映させる仕組みであり、年金の受給権を得るための受給資格期間を分割・付与するものではありません。
解き方
- 離婚時年金分割(合意分割)の対象記録、請求期限、按分割合の決定方法を確認します。
- 分割された納付記録が年金額計算のみに反映されるのか、受給資格期間にも算入されるのかを判定します。
- 選択肢 1不正解
- 合意分割の対象は、当事者の婚姻期間中における厚生年金保険の保険料納付記録(標準報酬月額・標準賞与額)です。
- 選択肢 2不正解
- 合意分割の請求は、原則として離婚をした日の翌日から起算して2年を経過するまでに行う必要があります。
- 選択肢 3不正解
- 合意分割における按分割合は、当事者双方の合意または家庭裁判所の調停・審判等の手続きによって定められます。
- 選択肢 4正解
- 分割を受けた厚生年金の保険料納付記録は年金額の計算基礎となりますが、老齢基礎年金等の受給資格期間には算入されません。
覚えるポイント
- 離婚時年金分割の請求期限は、原則として離婚をした日の翌日から起算して2年以内です。
- 分割されるのは厚生年金の標準報酬記録であり、受給資格期間(年金を受け取るための加入期間)は増えません。
間違えやすいところ
- 年金分割により被保険者期間の月数自体が増えて受給資格期間も満たせるようになると誤解しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
確定拠出年金の税務上の取扱い
ライフプランニングと資金計画 · 確定拠出年金 / 小規模企業共済等掛金控除 / 退職所得
確定拠出年金の掛金や老齢給付金等に係る所得税の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
確定拠出年金(DC)は、拠出・運用・給付の各段階で税制上の優遇措置が設けられています。加入者本人が拠出した掛金は小規模企業共済等掛金控除として全額所得控除の対象となり、事業主拠出掛金は給与課税されません。運用期間中の運用益は非課税であり、給付段階では年金形式なら公的年金等控除の対象となる雑所得、一時金形式なら退職所得控除の対象となる退職所得として課税されます。
解き方
- 掛金拠出時の税務(事業主掛金は給与課税なし、加入者掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除の対象)を確認します。
- 運用期間中の運用益(利息・配当・売却益等)に対する課税関係(運用中は非課税)を確認します。
- 給付時の課税関係(年金受給は公的年金等に係る雑所得、一時金受給は退職所得)を照合して正誤を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 企業型年金の加入者が拠出した掛金(マッチング拠出)は、生命保険料控除ではなく、全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除の対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 企業型年金において事業主が拠出した掛金は、会社の損金に算入され、加入者本人の給与所得として課税されることはありません。
- 選択肢 3不正解
- 確定拠出年金の運用期間中に生じた利息、投資信託の収益分配金、売却益などの運用収益は非課税であり、所得税が源泉徴収されることはありません。
- 選択肢 4正解
- 確定拠出年金の老齢給付金を一時金として受け取った場合、退職所得とみなされ、退職所得控除が適用される課税対象となります。
覚えるポイント
- 確定拠出年金の加入者掛金は「小規模企業共済等掛金控除」の対象(全額控除)。
- 給付時の課税:年金受給は雑所得(公的年金等控除)、一時金受給は退職所得(退職所得控除)。
間違えやすいところ
- 確定拠出年金の掛金を「生命保険料控除(個人年金保険料控除)」と混同しないように注意する。
- 事業主掛金を従業員の給与所得として課税対象と誤解しないようにする。
出題の前提:平成25年10月1日現在施行の所得税法および確定拠出年金法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅ローンの一部繰上げ返済の仕組みと特徴
ライフプランニングと資金計画 · 住宅ローン / 繰上げ返済 / 返済期間短縮型 / 返済額軽減型
住宅ローン(全期間固定金利型)の一部繰上げ返済に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
住宅ローンの一部繰上げ返済では、支払った元金充当額に応じた未払利息の支払いが免除されます。「返済期間短縮型」は毎月の返済額を維持したまま返済期間を前倒しで短縮する手法であり、「返済額軽減型」は返済期間を変えずに残存元本をベースに毎月の返済額を引き下げる手法です。返済期間短縮型の方が元本の残高が速やかに減少するため、総利息の軽減効果は返済期間短縮型の方が返済額軽減型より大きくなります。また、元利均等返済では初期ほど借入残高が大きく利息割合が高いため、繰上げ返済時期が早いほど利息軽減効果は高くなります。
解き方
- 一部繰上げ返済の2つの返済方式(返済期間短縮型・返済額軽減型)の定義と特徴を整理します。
- 繰上げ返済額や金利などの条件が同一である場合の総支払利息軽減効果の大小関係(返済期間短縮型 > 返済額軽減型)を判定します。
- 返済時期による利息軽減効果(早いほど大きい)および取扱金融機関ごとの手数料・最低返済額の差異等の実務要件を確認します。
- 選択肢 1不正解
- 住宅ローンの一部繰上げ返済には、毎回の返済額を維持して返済期間を短縮する返済期間短縮型と、返済期間を変えずに毎回の返済額を減額する返済額軽減型があります。
- 選択肢 2正解
- 繰上げ返済額等の条件が同一の場合、元本残高の減少ペースが速い返済期間短縮型の方が、返済額軽減型よりも総支払利息の軽減効果が大きくなります。
- 選択肢 3不正解
- 繰上げ返済額が同額の場合、返済初期ほどローン残高が多く利息負担割合が高いため、繰上げ返済の実行時期が早いほど利息軽減効果は大きくなります。
- 選択肢 4不正解
- 一部繰上げ返済の最低返済金額や事務手数料、インターネット手続きの可否等は取扱金融機関によって異なるため、事前の確認が必要です。
覚えるポイント
- 同一条件での利息軽減効果は「返済期間短縮型 > 返済額軽減型」。
- 繰上げ返済の実行時期は早いほど利息軽減効果が大きい。
間違えやすいところ
- 返済額軽減型の方が毎月の負担が軽くなるため利息軽減効果も大きいと勘違いしやすい。
- 住宅ローン控除を受けている場合、期間短縮により返済期間が通算10年未満になると控除を受けられなくなる点にも注意する。
出題の前提:住宅ローンの一般的な実務・商品性に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
リタイアメントプランニングの法制度と基礎知識
ライフプランニングと資金計画 · 介護保険制度 / 成年後見制度 / リバース・モーゲージ / 高年齢者雇用安定法
リタイアメントプランニングに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
高齢期の生活設計では、健康リスクに対応する公的介護保険、意思決定能力低下に備える成年後見制度、保有不動産を活用するリバース・モーゲージ、継続雇用を促す法制度を正確に理解しておく必要があります。
解き方
- 公的介護保険の第1号被保険者と第2号被保険者の給付要件の違いを整理する。
- 任意後見契約やリバース・モーゲージの対象・要件を確認し、高年齢者雇用安定法の義務年齢と照らし合わせて正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 第1号被保険者(65歳以上)は要介護・要支援状態の原因を問わず給付対象です。特定疾病が原因に限定されるのは第2号被保険者(40歳以上65歳未満)です。
- 選択肢 2正解
- 本人の判断能力が十分なうちに、将来の能力低下に備えて代理人を定めて事務を委任する任意後見契約を締結することができます。
- 選択肢 3不正解
- リバース・モーゲージは、保有する持家・敷地等の不動産を担保にして生活資金等を借り入れ、死亡時にその不動産を処分して一括返済する仕組みです。
- 選択肢 4不正解
- 平成25年4月1日施行の改正法で事業主に義務付けられた雇用確保措置の対象年齢は「65歳まで」です。
覚えるポイント
- 第1号被保険者は原因を問わず受給可能、第2号被保険者は16の特定疾病による場合に限定される。
間違えやすいところ
- 第1号被保険者と第2号被保険者の特定疾病要件の有無を取り違えやすい点に注意が必要です。
出題の前提:平成25年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
中小企業の資金調達(株式・社債)
ライフプランニングと資金計画 · 資金調達 / 社債 / 公募債と私募債 / 貸借対照表の区分
株式発行や社債発行による中小企業の資金調達に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
企業金融において、社債は会社法上の会社が発行する債務証券(負債)であり、株式発行は自己資本(純資産)を増大させる直接金融です。募集形式や信用補完制度の違いを把握することが重要です。
解き方
- 社債の発行主体が株式会社に限られるか、持分会社等も含むかを確認する。
- 社債の発行形態(公募と私募)の定義および貸借対照表における株式と社債の計上区分の違いを照らし合わせて正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 会社法において、社債を発行できる会社は株式会社に限られず、合同会社などの持分会社も社債を発行することができます。
- 選択肢 2正解
- 社債には50名以上の不特定多数に向けて募集される公募債と、50名未満の特定少数が引き受ける少人数私募債などの私募債があります。
- 選択肢 3不正解
- 社債による調達資金は負債ですが、株式発行による増資資金は返済義務のない自己資本であり、貸借対照表の純資産の部に計上されます。
- 選択肢 4不正解
- 特定社債保証制度は、中小企業基盤整備機構ではなく「信用保証協会」による保証制度です。
覚えるポイント
- 株式発行による調達は「純資産(自己資本)」、社債発行による調達は「負債(他人資本)」に計上される。
間違えやすいところ
- 社債を発行できるのは株式会社だけでなく合同会社等の持分会社も含まれる点を見落としやすいです。
出題の前提:平成25年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人年金保険の商品性
リスク管理 · 変額個人年金保険 / 定額個人年金保険 / 生命保険の商品性
個人年金保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
変額個人年金保険は特別勘定の運用実績に応じて年金額や解約返戻金が変動する保険商品です。年金支払開始日前の死亡給付金には一般的に既払込保険料相当額の最低保証が付されていますが、運用実績が好調であれば死亡給付金額も増加します。
解き方
- 変額個人年金保険の運用の仕組み(特別勘定運用・年金額の変動)を確認する。
- 死亡給付金の取り扱いについて、最低保証の有無と運用実績連動の仕組みを照合して誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 変額個人年金保険では、払い込まれた保険料は年金支払開始前までは他の資産と区別された特別勘定で運用されるため適切です。
- 選択肢 2正解
- 年金支払開始日前に死亡した場合の死亡給付金は、最低保証として既払込保険料相当額が確保される商品が多いですが、積立金額が既払込保険料を上回っている場合はその金額が支払われるため、一律に既払込保険料相当額となっているわけではなく不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 特別勘定において株式や債券等で運用され、その運用実績に応じて将来受け取る年金額や給付金額が増減するため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 女性の方が平均余命が長いため年金の支払期間が長くなると見込まれ、年齢や保険料等の条件が同一であれば男性の基本年金額の方が高くなるため適切です。
覚えるポイント
- 変額年金の年金支払開始前死亡給付金は既払込保険料相当額が最低保証されるが運用成果により上乗せされる
間違えやすいところ
- 平均余命が長い女性のほうが終身年金の年金額が高くなると勘違いしやすい
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険料控除の取扱い
リスク管理 · 生命保険料控除 / 新契約と旧契約 / 介護医療保険料控除 / 個人年金保険料税制適格特約
生命保険料控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
所得税の生命保険料控除は平成24年1月1日以後の新契約から一般・介護医療・個人年金の3区分(各上限4万円・合計最高12万円)に再編されました。新契約では身体の傷害のみに起因する給付にかかる保険料(傷害特約等)は控除の対象外となっています。
解き方
- 平成24年1月1日以後の新契約における生命保険料控除の対象区分と控除限度額を確認する。
- 傷害特約や更新契約の取扱規定と照らし合わせ、控除対象から除外される特約を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 平成24年1月1日以後に締結した新契約では、各区分(一般・介護医療・個人年金)の所得税における控除限度額はそれぞれ4万円(合計最大12万円)となるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 平成23年12月31日以前に締結した旧契約であっても、平成24年1月1日以後に更新や特約の中途付加を行った場合は新制度が適用され、医療保険料は介護医療保険料控除の対象となるため適切です。
- 選択肢 3正解
- 平成24年1月1日以後に締結した新契約において、傷害特約や災害割増特約など身体の傷害のみに起因して給付が行われる特約の保険料は、生命保険料控除の対象外となるため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 個人年金保険料控除の適用を受けるためには、年金受取人の要件や払込期間・受取期間の要件等を満たした個人年金保険料税制適格特約を付加する必要があるため適切です。
覚えるポイント
- 新契約では傷害特約や災害割増特約などの傷害のみを原因とする給付の保険料は生命保険料控除の対象外
間違えやすいところ
- 医療保険の特約だからといって傷害特約も介護医療保険料控除に含まれると誤認しやすい
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の保険金・給付金等の課税関係
リスク管理 · 生命保険の税務 / 契約者名義変更 / 給付金の非課税 / 金融類似商品
生命保険の保険金・給付金等の課税関係に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、いずれも契約者(=保険料負担者)および保険金受取人は個人であるものとし、特約は考慮しないものとする。
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解答
4
解説
生命保険に関する課税関係は、保険料の負担者、被保険者、受取人の関係によって所得税、相続税、贈与税のいずれが課税されるかが決定されます。身体の傷害や病気・介護を事由として受給する給付金は原則非課税です。また、単なる契約者名義変更の段階では給付金等の受取が生じていないため課税は発生せず、将来の保険金・解約返戻金の受取時に課税関係が発生します。
解き方
- 一時払商品かつ5年以内の短期解約における差益は金融類似商品として源泉分離課税される規定を確認する。
- 契約者=被保険者である場合の死亡保険金はみなし相続財産となり、相続人以外の受取人であっても遺贈による取得とみなされることを確認する。
- 入院給付金や介護給付金などの身体の損害・疾病に対する給付金は非課税となることを確認する。
- 契約者名義変更時には贈与税の課税事由が生じず、解約返戻金等の実際の受取時に課税が生じるルールを適用して誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 一時払の変額個人年金保険や一時払養老保険などで、契約日から5年以内に解約された場合の解約差益は、金融類似商品の収益として20.315%の一律源泉分離課税の対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 被保険者自身が契約者(保険料負担者)である保険から支払われる死亡保険金は「みなし相続財産」となり、受取人が相続人でない場合でも遺贈により取得したものとみなされ相続税の課税対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 被保険者の疾病や傷害、介護状態に基づいて支払われる保険金・給付金は非課税です。代理請求人として配偶者が代わりに受領した場合であっても非課税の取扱いは変わりません。
- 選択肢 4正解
- 契約者名義を親から子へ変更した時点では保険金等の受給利益が確定していないため贈与税は課税されません。その後、子が解約返戻金や満期保険金等を受領した時点で、親が負担した保険料相当部分について贈与税が課税されます。
覚えるポイント
- 契約者名義変更の時点では課税されず、将来の受取時に課税関係が生じる。
間違えやすいところ
- 契約者を名義変更しただけで解約返戻金相当額等の贈与があったと誤認しやすい。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の生命保険の保険料の経理処理
リスク管理 · 法人契約の生命保険 / 保険料の経理処理 / ハーフタックスプラン / 役員給与
契約者(=保険料負担者)を法人とする生命保険契約の保険料の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約は考慮しないものとし、いずれも保険料は毎月平準払いで支払われているものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
法人が契約する生命保険の経理処理は、被保険者の範囲と保険金の受取人によって異なります。法人が保険金・返戻金を受け取る契約は資産計上(保険料積立金)が基本です。受取人が役員・従業員の遺族である場合、全役員・従業員を対象として普遍的に加入していれば福利厚生費(損金)となりますが、特定の役員等のみを対象としている場合はその者に対する給与として処理されます。
解き方
- 契約者、被保険者、受取人の関係を整理する。
- 死亡受取人が遺族である場合、普遍的加入か特定者のみ加入かを確認する。
- 特定役員のみを対象とし受取人が遺族である定期保険料は「給与」に該当するため、福利厚生費とする記述が誤りであると判定する。
- 選択肢 1正解
- 被保険者が特定の役員のみで受取人がその遺族である場合、福利厚生費としての損金算入は認められず、当該役員に対する給与(役員報酬)として処理されます。
- 選択肢 2不正解
- 被保険者が特定の役員で死亡保険金受取人が法人である終身保険は、将来法人が保険金等を受け取るため、支払保険料の全額を資産(保険料積立金)として計上します。
- 選択肢 3不正解
- 死亡保険金受取人および満期保険金受取人の双方が法人である養老保険は、法人が満期金または死亡保険金を確実に受領するため、支払保険料の全額を資産(保険料積立金)に計上します。
- 選択肢 4不正解
- 全役員・従業員を対象とし、死亡受取人が遺族、満期受取人が法人である養老保険(ハーフタックスプラン)では、保険料の2分の1を資産計上、残りの2分の1を福利厚生費として損金算入します。
覚えるポイント
- 福利厚生費とするためには「全役員・従業員を対象」とする普遍的加入が必要。
間違えやすいところ
- 受取人が遺族であれば被保険者の範囲にかかわらず福利厚生費にできると勘違いしやすい。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
任意加入の自動車保険の補償内容
リスク管理 · 自動車保険 / 車両保険 / 対人賠償保険 / 人身傷害補償保険
任意加入の自動車保険の補償内容に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
自動車保険には相手方への損害を賠償する賠償責任保険と、自身のケガや車両の損害を補償する保険があります。被害者保護の観点から、無免許や酒気帯び運転であっても対人・対物賠償保険は支払われます。また、人身傷害補償保険は過失割合にかかわらず実際の損害額全額が支払われる点や、一般条件の車両保険は単独事故まで幅広くカバーする点が基本です。
解き方
- 各選択肢における自動車保険の種目(対人賠償、対物賠償、車両保険、人身傷害補償保険)の補償要件を確認する。
- 無免許運転時の対人賠償の支払可否、対物賠償の保険金額上限の有無、人身傷害の過失相殺の有無を照らし合わせて誤りを除外し、単独事故を補償する一般条件の車両保険が適切であると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 被害者救済の観点から、運転免許失効中(無免許運転)や酒気帯び運転であっても、対人賠償保険および対物賠償保険は保険金の支払対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 対物賠償保険において設定できる保険金額に上限はなく、巨額の損害賠償に備えて「無制限」で契約することも一般的です。
- 選択肢 3正解
- 一般条件の車両保険では、他の自動車との接触・衝突事故だけでなく、ガードレールや電柱等への単独事故(自損事故)や当て逃げによる損害も広く補償対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 人身傷害補償保険では、被保険者の過失割合に関わらず、保険金額を限度として実際の損害額全額が過失相殺による減額なしで支払われます。
覚えるポイント
- 無免許・飲酒運転でも対人賠償・対物賠償は被害者保護のため支払われる
- 人身傷害補償保険は自己の過失割合に関係なく実際の損害額が支払われる
間違えやすいところ
- 車両無過失事故特約やエコノミー車両保険と一般条件車両保険の補償範囲(単独事故や当て逃げが含まれるか)を混同しやすい
- 人身傷害補償保険と搭乗者傷害保険(定額払い)の支払基準の違いを混同しやすい
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
傷害保険の一般的な商品性
リスク管理 · 普通傷害保険 / 家族傷害保険 / 国内旅行傷害保険 / 損害保険
傷害保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
傷害保険は「急激・偶然・外来」の事故による身体の傷害を補償します。普通傷害保険は国内外を問わず補償しますが、地震等の天災や細菌性食中毒は原則として対象外です。これに対し、国内旅行傷害保険では細菌性食中毒も補償対象に含まれる点や、家族傷害保険の被保険者の範囲判定が「事故発生時」である点などの相違点が問われます。
解き方
- 普通傷害保険の補償地域(国内外)、天災危険補償特約の有無、食中毒の扱いを確認する。
- 家族傷害保険における被保険者の範囲確定時期(事故発生時)を確認する。
- 国内旅行傷害保険における細菌性食中毒の補償対象性を確認し、適切である肢4を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 普通傷害保険は、日本国内だけでなく日本国外で発生した急激・偶然・外来の事故による傷害も補償の対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 普通傷害保険では地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする傷害は原則として免責ですが、「天災危険補償特約」を付帯することで補償の対象とすることができます。
- 選択肢 3不正解
- 家族傷害保険における被保険者の範囲(配偶者や同居の親族等)は、契約締結時ではなく「事故発生時」における記名被保険者との続柄や同居の事実により判定されます。
- 選択肢 4正解
- 国内旅行傷害保険では、旅行行程中の急激・偶然・外来の事故による傷害に加えて、細菌性食中毒(サルモネラ菌や病原性大腸菌等)も補償の対象となります。
覚えるポイント
- 国内旅行傷害保険・海外旅行傷害保険は細菌性食中毒が補償対象となる(普通傷害保険は対象外)
- 家族傷害保険の被保険者の判定は「事故発生時」の続柄で行われる
間違えやすいところ
- 普通傷害保険は国内限定と勘違いしやすい(国内外問わず補償される)
- 地震による傷害について、特約を付帯しても一切補償できないと誤認しやすい
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損害保険料の税務上の取扱い(地震保険料控除・生命保険料控除)
リスク管理 · 損害保険 / 地震保険料控除 / 生命保険料控除 / 介護医療保険料控除
平成26年中に締結した個人の損害保険契約の保険料に係る所得税の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、いずれも契約者(=保険料負担者)は個人であるものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
従来の損害保険料控除は平成18年末をもって廃止され、平成19年以降は地震保険料控除に改組されました。また、平成24年1月以後の新生命保険料控除制度では、損害保険会社が販売する身体の疾病等による療養費用等を補償する保険(所得補償保険やがん保険など)の保険料は「介護医療保険料控除」の対象とされています。
解き方
- 火災保険料・傷害保険料などの損害保険料が所得控除の対象になるか現行制度(地震保険料控除および新生命保険料控除)に照らし合わせる。
- 地震保険部分のみが地震保険料控除の対象となり、火災保険部分は対象外であることを確認する。
- 損害保険会社が引き受ける契約のうち、所得補償保険や医療費用保険の保険料が介護医療保険料控除の対象となる規定を適用する。
- 選択肢 1不正解
- 地震保険料控除の対象となるのは地震保険に係る保険料部分のみであり、火災保険に係る保険料部分は控除の対象になりません。
- 選択肢 2不正解
- 旧長期損害保険料控除の経過措置は平成18年12月31日以前に締結した契約に限られるため、平成26年中に締結した積立普通傷害保険の保険料は控除の対象となりません。
- 選択肢 3不正解
- 普通傷害保険は身体の傷害のみに起因して保険金が支払われる損害保険であり、生命保険料控除(一般、介護医療、個人年金)のいずれの対象にもなりません。
- 選択肢 4正解
- 平成24年1月1日以後に締結した損害保険契約のうち、疾病や傷害による就労不能等を補償する所得補償保険の保険料は、生命保険料控除における「介護医療保険料控除」の対象となります。
覚えるポイント
- 地震保険料控除の対象は地震保険料部分のみ(火災保険部分は対象外)。
- 平成24年以降契約の所得補償保険や医療保険等は「介護医療保険料控除」の対象。
間違えやすいところ
- 傷害特約や普通傷害保険まで介護医療保険料控除に含まれると誤解しやすい点。
- 火災保険料全体が地震保険料控除の対象になると誤認する点。
出題の前提:平成25年10月1日現在施行の所得税法および関係法令
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ガン保険の商品内容と一般的特徴
リスク管理 · 損害保険・生命保険 / ガン保険 / 免責期間(待機期間) / 支払限度日数
ガン保険に関連する一般的な商品内容等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
ガン保険は、悪性新生物(ガン)の治療や診断に特化した保険です。契約締結直後の給付金詐欺や既に自覚症状がある者の逆選択を防止するため、責任開始日から原則として90日または3か月間の免責期間(待機期間)が定められており、この期間中の罹患に対しては保障が行われません。
解き方
- ガン保険特有の契約上のルールである免責期間(待機期間)の有無を確認する。
- 契約締結翌日は免責期間内であるため、診断給付金が支払われないというルールを適用して不適切な記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 厚生労働省の人口動態調査によると、昭和56年(1981年)以降、悪性新生物(ガン)は約30年以上にわたり日本人の死因順位の第1位となっています。
- 選択肢 2正解
- ガン保険には原則として90日間または3か月間の免責期間(待機期間)があるため、契約締結の翌日にガンと診断確定されても診断給付金は支払われません。
- 選択肢 3不正解
- 一般的な医療保険とは異なり、ガン保険の入院給付金には1回の入院および通算の支払限度日数がなく、無制限で支払われるのが一般的です。
- 選択肢 4不正解
- 白血病は血液のガンであり、医学的・約款上の悪性新生物に含まれるため、ガン保険の保障対象となります。
覚えるポイント
- ガン保険には契約日等から90日または3か月間の免責期間(待機期間)が存在する。
- ガン保険の入院給付金は1回および通算の支払日数が「無制限」。
間違えやすいところ
- 白血病などの血液のガンが保障対象外であると勘違いする点。
- ガン保険の待機期間を失念し、契約翌日から即時有効になると誤解する点。
出題の前提:平成25年10月1日現在施行の保険実務および関係法令
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険を活用した家庭のリスク管理
リスク管理 · 生命保険 / 必要保障額 / 相続税対策 / 特約の性質
生命保険を活用した家庭のリスク管理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
生命保険は、世帯主の死亡リスクに対する遺族の生活費確保(必要保障額)や老後資金の積立、相続税の納税資金調達など、ライフステージごとの目的に応じて適切に選択・設計する必要があります。
解き方
- 各選択肢の生命保険の機能や商品特性が、相談者のリスクや目的に適合しているかを確認する。
- 主契約と特約の関係、必要保障額の推移、商品の保障対象(死亡保障か生存給付か)の誤りを排除し、適切な記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 遺族の生活費や教育費をまかなうための必要保障額は、通常、子どもが誕生した時点(末子誕生時)が最大で、成長に伴い減少します。
- 選択肢 2不正解
- 特約は主契約に従属して付加されるものであるため、主契約が消滅した場合には特約も同時に消滅し、特約のみを更新・継続することはできません。
- 選択肢 3不正解
- 収入保障保険は被保険者が死亡または所定の高度障害状態となったときに年金形式で遺族に支払われる死亡保険であり、自身の老後生活資金の準備には適しません。
- 選択肢 4正解
- 契約者および被保険者を被相続人、受取人を相続人とする終身保険は、死亡により迅速に現金化され受取人の固有財産となるため、納税資金の確保に有効です。
覚えるポイント
- 必要保障額は末子の誕生時が最大となり、子どもの自立とともに徐々に減少していく。
間違えやすいところ
- 収入保障保険を生存中に受け取る個人年金保険と混同しないよう注意する。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損害保険を活用した事業活動のリスク管理
リスク管理 · 企業向け損害保険 / 労働災害総合保険 / 機械保険 / 各種賠償責任保険
損害保険を活用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
事業活動においては、従業員の労働災害、設備の物損、業務遂行中や製品による第三者への賠償責任など多様なリスクが存在し、それぞれのリスクの原因や補償範囲に対応した専用の損害保険を手当てする必要があります。
解き方
- 各選択肢に挙げられた事故内容と、契約した損害保険商品の補償対象・免責事項を照合する。
- 機械保険の免責事項(火災)、請負業者賠償責任保険と施設所有者賠償責任保険やPL保険の補償範囲の違いを精査して適切なものを選択する。
- 選択肢 1正解
- 労働災害総合保険は、業務上の事故等による従業員の死傷に対し、国の労働者災害補償保険の上乗せ給付や法律上の損害賠償金を補償する保険です。
- 選択肢 2不正解
- 機械保険は操作ミスやショート等による偶発的な事故を補償しますが、火災・落雷・風水害・地震による損害は免責(火災保険等の対象)とされています。
- 選択肢 3不正解
- 工事や作業の遂行中に誤って通行人にケガをさせた事故は「請負業者賠償責任保険」の補償対象であり、施設所有(管理)者賠償責任保険の対象ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 飲食物の提供に起因する食中毒事故は「生産物賠償責任保険(PL保険)」の補償対象であり、請負業者賠償責任保険の対象ではありません。
覚えるポイント
- 機械保険では火災や落雷等による損害は補償対象外(免責)となる。
間違えやすいところ
- 工事作業中の事故(請負業者賠償責任保険)と施設欠陥による事故(施設所有者賠償責任保険)の区別に注意する。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
わが国の景気動向がマーケットに与える影響
金融資産運用 · 景気動向 / 物価 / 金利 / 株価 / 為替相場
わが国の景気動向がマーケットに与える影響に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
景気の変動は、物価・金利・株価・為替相場などの主要なマーケット指標と密接に連動します。好況期(景気拡張)には消費や設備投資の拡大により物価や金利、株価が上昇しやすくなり、不況期(景気後退)には資金需要の減退や利下げなどにより金利が低下し、また金利差縮小等を通じて為替相場にも影響を与えます。
解き方
- 景気拡張期における物価動向(需要超過による物価上昇圧力)を確認する。
- 景気後退期における金利動向(資金需要の低下に伴う金利低下)を確認する。
- 株価および為替相場に対する景気の一般的な影響を精査し、最も不適切な記述を特定する。
- 選択肢 1正解
- 景気が拡張すると、個人消費や企業の設備投資などの需要が高まるため、国内物価は一般に上昇要因となります。したがって「下落要因となる」とする本肢は誤り(不適切)です。
- 選択肢 2不正解
- 景気の後退期には、企業の資金需要が減少するほか、金融緩和策が取られることが多いため、国内金利は下落要因となります。
- 選択肢 3不正解
- 景気の拡張期には、企業の売上や利益が増加することが期待されるため、国内株価は上昇要因となります。
- 選択肢 4不正解
- 景気後退期には、国内金利が低下し海外との金利差が拡大することなどから、円が売られて円安要因になりやすいとされます。
覚えるポイント
- 景気拡張:物価上昇・金利上昇・株価上昇・円高要因
- 景気後退:物価下落・金利下落・株価下落・円安要因
間違えやすいところ
- 景気拡張期に物価が下落すると混同しないようにする(需要増加によるインフレ圧力が基本)。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令・経済常識等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
教育資金贈与信託の仕組みと要件
金融資産運用 · 教育資金の一括贈与 / 教育資金贈与信託 / 信託商品
教育資金贈与信託に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる数値または語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 教育資金贈与信託は、受益者の教育資金として委託者が信託銀行等に金銭等を信託した場合に、( ア )万円(学校等以外の教育資金の支払いに充当する場合は500万円)を限度として贈与税が非課税になる信託である。 教育資金贈与信託においては、受益者は信託の設定日において( イ )歳未満の個人に限られ、委託者は受益者の( ウ )に限られる。
解答・解説を表示
解答
1
解説
「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」を活用した教育資金贈与信託では、直系尊属(祖父母・父母等)が30歳未満の受益者(子・孫等)のために信託銀行等に金銭等を信託した場合、受贈者1人あたり1,500万円(学校等以外に支払われるものは500万円)まで贈与税が非課税となります。
解き方
- 教育資金の一括贈与における非課税限度額を確認し、(ア)が「1,500」万円であることを特定する。
- 信託設定日における受益者の年齢要件を確認し、(イ)が「30」歳未満であることを特定する。
- 委託者になれる範囲を確認し、祖父母だけでなく父母も含まれる「直系尊属」が(ウ)に入ることを特定する。
- 選択肢 1正解
- (ア)1,500、(イ)30、(ウ)直系尊属の組み合わせであり、すべての要件に合致しているため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 非課税限度額は2,000万円ではなく1,500万円であり、委託者の範囲は祖父母に限定されず父母等も含む「直系尊属」であるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 非課税限度額は2,000万円ではなく1,500万円、受益者の対象年齢は20歳未満ではなく「30歳未満」であるため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 受益者の年齢要件は「30歳未満」であり、委託者の範囲は祖父母に限らず「直系尊属」であるため不適切です。
覚えるポイント
- 教育資金の一括贈与非課税:限度額1,500万円(学校等以外は500万円)、受贈者は30歳未満、贈与者は直系尊属。
間違えやすいところ
- 委託者(贈与者)が「祖父母」に限定されると誤認しやすいが、父母など「直系尊属」全般が対象となる点に注意する。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の租税特別措置法第70条の2の2に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託の交付目論見書と商品分類
金融資産運用 · 投資信託 / 商品分類 / 属性区分 / 目論見書
投資信託の交付目論見書に「商品分類:追加型投信/海外/債券」「商品名:Xファンド(毎月決算型)」と記載されている場合に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
投資信託協会の規程に基づく商品分類は「単位型・追加型」「投資対象地域」「投資対象資産」の3要素で表され、属性区分は決算頻度や投資対象資産等を細分化して示します。投資信託は実績報酬型商品であるため、分配金の支払いや元本が保証されることはありません。
解き方
- 目論見書の商品分類の各用語(追加型投信、投資対象地域、投資対象資産)の定義を確認し、選択肢1~3が正しいことを確認する。
- 属性区分の「毎月決算型」の意味を検討し、年12回の決算を行うものの分配金の支払いが保証されているわけではないため、選択肢4を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 「追加型投信」とは、設定後も運用期間中にいつでも購入(追加設定)が可能な投資信託を指すため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 商品分類の「海外」は、実質的な投資対象資産による主たる投資収益が海外の資産を源泉とすることを表すため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 商品分類の「債券」は、組入資産による主たる投資収益が実質的に債券から得られるものであることを表すため適切です。
- 選択肢 4正解
- 「毎月決算型」は決算頻度が年12回であることを示しますが、毎月の分配金の支払いが保証されているわけではありません。
覚えるポイント
- 投資信託協会の分類:単位型(当初募集時のみ購入可)と追加型(運用中も購入可)の違いを押さえる。
- 投資信託の分配金は運用の実績等に応じて支払われるものであり、将来の支払いや分配金額が保証されるものではない。
間違えやすいところ
- 「毎月決算型」という名称から毎月必ず一定額の分配金が支払われると誤解しないように注意する。
出題の前提:投資信託協会の投資信託等の商品分類に関する規則、および平成25年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
債券投資のリスクと格付け
金融資産運用 · 債券投資 / 信用リスク / 格付け / スプレッド
債券投資のリスクや格付けに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
債券の格付けは格付機関が債務履行の確実性を評価した記号であり、BBB(Baa)以上が投資適格、BB(Ba)以下が投機的(高利回り)とされます。個別債券の格付けは、発行体全体の信用力だけでなく、担保の有無や劣後特約などの個別条件によっても異なります。
解き方
- 信用リスクの定義、投資適格債券の基準(BBB以上)、格下げによるスプレッド拡大のメカニズムを順に確認する。
- 同一発行体の債券でも、債権の優先順位(シニア・劣後)や担保条件によって格付けが異なる場合があるため、選択肢2を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 債務不履行により元利金の支払いが遅延・停止するリスクを信用リスク(デフォルトリスク)と呼ぶため適切です。
- 選択肢 2正解
- 同一発行体の債券であっても、担保の有無や劣後特約の有無(債務弁済の順位)などにより異なる格付けが付されることがあるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 一般にBBB格(S&P等)またはBaa格(ムーディーズ)以上の格付けを持つ債券は「投資適格債券」とされるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 格下げにより信用リスクが高まると債券価格が下落し利回りが上昇するため、基準となる国債利回りとの差(クレジットスプレッド)は大きくなります。
覚えるポイント
- 投資適格債券はBBB(Baa)以上、BB(Ba)以下は投機的格付け(ハイイールド債)。
- 格下げ(信用力低下)→ 利回り上昇(価格下落)→ 国債との利回り差(スプレッド)は拡大する。
間違えやすいところ
- 格付けには発行体そのものを評価する「発行体格付け」と個別の債券を評価する「個別債務格付け」があり、劣後債などは発行体格付けより低くなることがある点に注意する。
出題の前提:平成25年10月1日現在施行の法令等および一般的な金融・証券市場の慣例
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
債券の利回り計算
金融資産運用 · 債券投資 / 直接利回り / 応募者利回り / 所有期間利回り / 最終利回り
次の固定利付債券(表面利率2.00%、償還年限10年、発行価格99.50円)の各種利回り(単利・年率)の計算式および計算結果に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、手数料や経過利子、税金等は考慮しないものとする。
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解答
2
解説
債券の単利利回り計算では、インカムゲイン(利息収入)とキャピタルゲイン/ロス(償還差損益や売買差損益の年換算額)の合計を、当初投じた購入価格で割って算出します。直接利回りは償還差損益を考慮せずインカムゲインのみを投資額と比較します。
解き方
- 各利回り(応募者利回り・直接利回り・所有期間利回り・最終利回り)の算式において、分子(年利息+年換算差損益)と分母(購入価格)を確認します。
- 提示された計算式の分子における差損益の引き算の順序(受取額-支払額)、経過・残存年数による除算、分母の価格が正確に適用されているかを照合します。
- 選択肢 1不正解
- 応募者利回りの分子における償還差損益は「(償還価格100円-発行価格99.50円)/償還年限10年」とする必要があり、式の引き算の順序が誤っています。
- 選択肢 2正解
- 直接利回りは「(表面利率/購入価格)×100」で計算されるため、(2.00/99.50)×100≒2.01%とする記述は適切です。
- 選択肢 3不正解
- 新規発行時購入の所有期間利回りは、分子の差損益が「(売却価格101.50-発行価格99.50)/保有年数4」、分母が「発行価格99.50」となるため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 最終利回りの分子において、償還差損益「(100-101.50)」を残存期間である6年(10年-4年)で割る計算が抜けているため誤りです。
覚えるポイント
- 直接利回り=表面利率÷購入価格×100
- 利回り計算の分母は常に「購入価格(新規発行時は発行価格)」となる
間違えやすいところ
- 償還差損益の計算で「額面100-購入価格」の順序を逆にしてしまうこと
- 所有期間利回りや最終利回りの分母に額面100円を代入してしまうミス
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令・基準
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
NISA(少額投資非課税制度)の制度内容
金融資産運用 · 少額投資非課税制度 / NISA / 非課税枠 / 損益通算
平成26年(2014年)当時のNISA(少額投資非課税制度)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
NISA(少額投資非課税制度)は個人投資家の資産形成を支援するための税制優遇制度であり、年間一定限度額までの上場株式等の配当や譲渡益が非課税となります。ただし課税口座との損益通算や他口座からの既保有株式の移管は認められていません。
解き方
- NISA制度創設時(平成26年)の年間投資可能枠(100万円)および口座開設制限(1人1口座)を確認します。
- 特定口座・一般口座との資産移管制限や、NISA口座内で生じた損失の取扱い(税務上ないものとみなされ損益通算不可)に照らして正誤を判定します。
- 選択肢 1不正解
- NISA口座は1人1口座とされており、同一年中に複数の金融機関に同時に開設することはできません。
- 選択肢 2正解
- 制度導入時(平成26年)におけるNISA口座の非課税枠は年間100万円までとされていたため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 特定口座や一般口座ですでに保有している上場株式等をNISA口座に移管することはできず、NISA口座で購入する新規買付分のみが対象となります。
- 選択肢 4不正解
- NISA口座で生じた譲渡損失は税務上「ないもの」とみなされるため、特定口座や一般口座の譲渡益・配当金等との損益通算はできません。
覚えるポイント
- NISA口座内の譲渡損失は税務上ないものとされ、特定口座や一般口座との損益通算および繰越控除は不可
- 課税口座からNISA口座への既存株式等の移管は不可
間違えやすいところ
- NISA口座で生じた損失を他の課税口座と損益通算できると誤解すること
- すでに特定口座で保有している株式をNISA口座に移管できると混同すること
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令・基準
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式投資指標の定義と計算式
金融資産運用 · 投資指標 / PBR / 配当利回り / 配当性向 / ROE
株式の各種投資指標の定義に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
株式の投資指標は、株価の割高・割安を判断する指標(PER、PBRなど)、株主への還元状況を測る指標(配当利回り、配当性向)、企業の収益性・安全性を測る財務指標(ROE、自己資本比率など)に分類され、それぞれの分母・分子の関係を正確に把握することが重要です。
解き方
- 各指標の名称(配当利回り、配当性向、PBR、ROE)とそれぞれの算出式・定義を照合する。
- 株価を1株当たり純資産で除すPBRの定義が正しく記述されている選択肢3を正答と判定する。
- 選択肢 1不正解
- 配当利回りは、「1株当たり年間配当金÷株価×100」で計算され、購入した株価に対する年間配当金の割合を示す指標です。総資産に対する割合ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 配当性向は、「配当金総額÷当期純利益×100(または1株当たり配当金÷1株当たり当期純利益×100)」で計算され、当期純利益に対する配当金の割合を示します。
- 選択肢 3正解
- PBR(株価純資産倍率)は「株価÷1株当たり純資産」で計算され、株価が1株当たり純資産の何倍であるかを示す適切な記述です。
- 選択肢 4不正解
- ROE(自己資本利益率)は「当期純利益÷自己資本×100」で計算され、自己資本を使ってどれだけ利益を上げたかを示す指標です。総資産に対する自己資本の割合は「自己資本比率」です。
覚えるポイント
- PBRは株価÷1株当たり純資産(BPS)、PERは株価÷1株当たり純利益(EPS)である。
- 配当利回りの分母は株価、配当性向の分母は当期純利益(EPS)である。
間違えやすいところ
- 配当利回り(対株価)と配当性向(対当期純利益)の分母を取り違えないように注意する。
- ROE(自己資本に対する利益率)と自己資本比率(総資産に対する自己資本割合)を混同しやすい。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
金融派生商品(デリバティブ)の基本的特徴
金融資産運用 · デリバティブ取引 / 先物取引 / オプション取引 / スワップ取引
金融派生商品(デリバティブ)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
金融派生商品(デリバティブ)の代表的な取引には、将来の売買価格をあらかじめ約束する「先物取引」、原資産を売買する権利をやり取りする「オプション取引」、異なる将来のキャッシュフローを交換する「スワップ取引」があります。
解き方
- 先物取引、オプション取引、スワップ取引、ヘッジ取引の基本概念および定義を確認する。
- 選択肢3の説明が先物取引ではなくスワップ取引(金利スワップ等)のものであることを見抜き、不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- オプション取引は、将来の一定期日(期間内)に特定価格で原資産を買う権利(コール)や売る権利(プット)を売買する取引であり適切です。
- 選択肢 2不正解
- オプションの買い手は権利を取得する対価として、売り手にプレミアム(オプション料)を支払うため適切です。
- 選択肢 3正解
- 現在価値の等しい将来のキャッシュフローを交換する取引は「スワップ取引」です。先物取引は、将来の期日にあらかじめ取り決めた価格で現物を売買することを約定する取引です。
- 選択肢 4不正解
- 保有する現物資産と反対のポジションの先物を建てる等により、将来の価格下落や上昇リスクを相殺・軽減する取引をヘッジ取引と呼び適切です。
覚えるポイント
- 先物取引:将来の売買価格をあらかじめ取り決めて取引する契約。
- スワップ取引:将来のキャッシュフローをあらかじめ取り決めた条件で交換する契約。
間違えやすいところ
- 先物取引の定義とスワップ取引の定義を混同しないようにする。
- オプションの買い手は損失限定・利益無限大(プレミアム支払い)、売り手は利益限定・損失無限大(プレミアム受取り)となる特徴を整理しておく。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ポートフォリオの期待収益率の計算
金融資産運用 · ポートフォリオ理論 / 期待収益率 / 加重平均
ポートフォリオの期待収益率は、各資産の期待収益率をポートフォリオの構成比で加重平均することで求められる。下表の資産構成から計算されるポートフォリオ全体の期待収益率として、正しいものを1つ選びなさい。 【ポートフォリオの内訳】 ・預貯金:構成比 50%、期待収益率 0.3% ・債券:構成比 30%、期待収益率 1.2% ・株式:構成比 20%、期待収益率 7.0% ・合計:構成比 100%
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解答
3
解説
ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率にそれぞれの構成比(投資比率)を乗じて足し合わせる加重平均によって算出されます。
解き方
- 各資産について「構成比×期待収益率」を計算する(預貯金:50%×0.3%=0.15%、債券:30%×1.2%=0.36%、株式:20%×7.0%=1.40%)。
- 求めた各資産の数値を合計して、全体の期待収益率を求める(0.15%+0.36%+1.40%=1.91%)。
- 選択肢 1不正解
- 各資産の期待収益率の単純な合計値(0.3%+1.2%+7.0%=8.50%)であり、構成比による加重平均を行っていないため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 期待収益率の単純合計8.50%を資産数である3で割った単純平均(約2.83%)であり、各資産の構成比率を反映していないため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 各資産の構成比を乗じた加重平均の計算(0.15%+0.36%+1.40%)により、正しく1.91%が算出されています。
- 選択肢 4不正解
- 計算手順や構成比の乗算に誤りがあり、正解の1.91%とは一致しないため誤りです。
覚えるポイント
- ポートフォリオの期待収益率は各資産の「構成比×期待収益率」の合計(加重平均)で計算する。
間違えやすいところ
- 単純に各収益率を足し算したり、資産数で割る単純平均と混同しないように注意する。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人による金融商品取引に係る所得税の取扱い
タックスプランニング · 金融所得課税 / 投資信託 / 配当所得 / 利子所得
平成26年中における個人による金融商品取引に係る所得税の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
2
解説
金融商品から生じる所得はその性質により利子所得、配当所得、譲渡所得、雑所得等に分類され、課税方式(源泉分離課税、総合課税、申告分離課税、非課税)がそれぞれ規定されています。
解き方
- 各金融商品の分配金・元本払戻金等の所得税法上の所得区分(利子所得・配当所得・非課税等)を確認する。
- 出題当時の税制に基づいて、それぞれの課税方式(源泉分離課税、総合課税、申告分離課税、運用中の非課税等)との整合性を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 不動産投資信託(J-REIT)の分配金は不動産所得ではなく配当所得に該当するため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 平成26年中において、公社債投資信託の収益分配金は利子所得に区分され、源泉分離課税の対象であったため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 株式投資信託の元本払戻金(特別分配金)は元本の払い戻しとみなされるため、課税対象外(非課税)であり誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 変額個人年金保険の特別勘定内で生じる運用収益は運用期間中には課税されず、年金や一時金として受給する際に課税されるため誤りです。
覚えるポイント
- 株式投資信託の特別分配金(元本払戻金)は元本の払戻しであるため非課税となる。
間違えやすいところ
- J-REITは名称に「不動産」と付くが、分配金は不動産所得ではなく配当所得となる点に注意する。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種所得の金額の計算方法
タックスプランニング · 給与所得 / 特定支出控除 / 配当所得 / 退職所得控除 / 公的年金等控除
所得税における各種所得の金額の計算に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
所得税における各種所得は、その性質に応じて担税力を考慮した固有の控除(給与所得控除、公的年金等控除、退職所得控除など)や必要経費の差引きが認められており、それぞれの計算ルールを正確に把握することが重要です。
解き方
- 各選択肢の所得(配当所得、給与所得、雑所得、退職所得)における控除・経費の算定要件を確認する。
- 特定支出控除が給与所得控除後の金額から基準超過額を控除できる規定に適合しているかを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 配当所得の金額は、株式等の配当等の収入金額から「株式等を取得するための借入金の利子」を控除して計算するため、必要経費等を控除できないとする記述は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 給与所得者の特定支出控除の特例により、特定支出の合計額が一定の基準額を超えるときは、給与所得控除後の給与等の金額からその超える部分の金額を控除することができます。
- 選択肢 3不正解
- 公的年金等控除額は、受給者の年齢(65歳未満か65歳以上か)と公的年金等の収入金額に応じて算出され、加入年数は考慮されません。
- 選択肢 4不正解
- 勤続年数が20年を超える場合の退職所得控除額は、「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」で計算されるため、勤続年数全体に70万円を乗じるわけではありません。
覚えるポイント
- 給与所得の特定支出控除は給与所得控除後の金額から基準超過分を控除する制度です。
- 勤続20年超の退職所得控除額は800万円+70万円×(勤続年数-20年)です。
間違えやすいところ
- 公的年金等控除を退職所得控除のように年数(加入年数)で計算すると混同しやすい。
- 配当所得の計算において株式取得に係る負債利子の控除を失念しやすい。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総所得金額の計算
タックスプランニング · 総所得金額 / 給与所得 / 不動産所得 / 一時所得 / 分離課税 / 退職所得
Aさんの平成25年分の所得の金額が下記のとおりであった場合の総所得金額として、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。 ・給与所得の金額:300万円 ・不動産所得の金額:120万円 ・一時所得の金額:60万円 ・退職所得の金額:100万円
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解答
2
解説
総所得金額とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、譲渡所得、一時所得、雑所得のうち総合課税とされる各種所得金額を合計した金額です。一時所得および総合課税の長期譲渡所得は、その金額の2分の1を総所得金額に算入します。また、退職所得や山林所得、土地建物の譲渡所得等は分離課税のため総所得金額には含まれません。
解き方
- 与えられた各所得を総合課税と分離課税に分類する(給与・不動産・一時は総合課税、退職所得は分離課税として除外)。
- 一時所得の金額(60万円)に2分の1を乗じて総所得金額算入額(30万円)を算出する。
- 総合課税の所得を合算する:300万円+120万円+30万円=450万円。
- 選択肢 1不正解
- 一時所得を合算から漏らし、給与所得300万円と不動産所得120万円のみを合算した420万円となっているため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 給与所得300万円+不動産所得120万円+一時所得の1/2相当額30万円=450万円となり、正しく計算されています。
- 選択肢 3不正解
- 一時所得の2分の1乗算を忘れ、一時所得60万円全額をそのまま合算して480万円としているため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 分離課税である退職所得100万円を含め、一時所得も全額合算して計算した580万円となっているため誤りです。
覚えるポイント
- 総所得金額を計算する際、一時所得は金額に2分の1を乗じて算入します。
- 退職所得は分離課税であるため総所得金額には含めません。
間違えやすいところ
- 問題文に「一時所得の金額」とある場合に、さらに特別控除50万円を引いてしまう誤り(すでに算出済みの金額)。
- 退職所得を総合課税と誤認して総所得金額に足してしまう誤り。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損失の繰越控除および繰戻還付
タックスプランニング · 純損失の繰越控除 / 純損失の繰戻還付 / 雑損失の繰越控除
所得税における損失の繰越控除および繰戻還付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
所得税における純損失の金額は、青色申告者であれば翌年以降3年間にわたって各年の総所得金額等から繰越控除できます。また、前年分も青色申告書を提出している場合には前年に繰り戻して還付を受けることも選択可能です。一方で雑損失や特定の居住用財産の譲渡損失は、青色申告者であることに限定されず白色申告者でも繰越控除が認められています。
解き方
- 純損失の繰越控除の期間(翌年以降3年間)に関する基本規定を確認します。
- 雑損失や特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除が青色申告限定であるかを検討し、白色申告でも適用可能であることを判断します。
- 純損失の繰戻還付の要件として、損失発生年だけでなく前年分についても青色申告書の提出が必要であることを確認します。
- 選択肢 1正解
- 青色申告者の純損失の金額は、翌年以降3年間にわたって繰り越して各年分の所得から控除することができます。
- 選択肢 2不正解
- 雑損失の繰越控除は、青色申告者に限らず白色申告者であっても適用を受けることができます。
- 選択肢 3不正解
- 特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除は、所定の要件を満たせば青色申告者に限らず白色申告者でも適用可能です。
- 選択肢 4不正解
- 純損失の繰戻還付の適用を受けるには、損失が生じた年だけでなく前年分についても青色申告書を提出している必要があります。
覚えるポイント
- 純損失の繰越控除の期間は青色申告により翌年以後3年間可能です。
- 純損失の繰戻還付は、損失が生じた年と前年分の双方が青色申告である必要があります。
間違えやすいところ
- 雑損失の繰越控除(3年間)を青色申告の特典と混同しがちですが、白色申告でも適用できます。
- 純損失の繰戻還付について、前年分の申告区分(青色申告が必要)を見落とす誤りに注意が必要です。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の所得控除(扶養控除・配偶者控除・社会保険料控除等)
タックスプランニング · 医療費控除 / 社会保険料控除 / 配偶者控除 / 扶養控除 / 青色事業専従者
所得税における所得控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
所得税の各種所得控除では対象者や判定時期の定めがあります。医療費控除や社会保険料控除は納税者本人だけでなく「生計を一にする配偶者その他の親族」の負担分を納税者が支払った場合に対象となります。また親族関係の現況は原則12月31日ですが、死亡時は死亡時の現況で判定します。さらに青色事業専従者給与を受ける者は控除対象扶養親族・控除対象配偶者になれません。
解き方
- 医療費控除および社会保険料控除において、生計を一にする親族分の取扱い(自己が支払っていれば控除可能)を確認します。
- 年の途中で配偶者が死亡した場合の控除判定基準日(死亡時の現況で判定するため適用可能)を確認します。
- 青色事業専従者給与の支給対象となっている親族が、二重適用防止のため扶養控除の対象外とされる規定を適用して正誤を判断します。
- 選択肢 1不正解
- 納税者が自己と生計を一にする配偶者や親族のために支払った医療費は、納税者の医療費控除の対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 納税者が自己と生計を一にする子が負担すべき国民年金保険料を実際に支払った場合、納税者の社会保険料控除の対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 控除対象配偶者が年の途中で死亡した場合は、死亡時の現況により判定するため、要件を満たしていればその年分の配偶者控除の適用を受けられます。
- 選択肢 4正解
- 青色事業専従者給与の支払を受けている者は控除対象扶養親族に該当しないため、扶養控除の適用を受けることはできません。
覚えるポイント
- 青色事業専従者給与を受ける親族は、扶養控除・配偶者控除の対象外です。
- 親族の判定基準日は原則12月31日ですが、死亡の場合は死亡時の現況で判定します。
間違えやすいところ
- 子の国民年金保険料を親が支払った場合、親の社会保険料控除として控除できる点を見落とさないようにします。
- 年の途中で死亡した配偶者について、年末に生存していないからといって控除が受けられないと誤認しやすいです。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の住宅借入金等特別控除の要件
タックスプランニング · 住宅借入金等特別控除 / 所得税 / 税額控除
所得税における住宅借入金等特別控除(以下「住宅ローン控除」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載されたもの以外の要件はすべて満たしているものとする。
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解答
2
解説
住宅借入金等特別控除は、自己の居住用住宅を住宅ローン等で取得・増改築した際に税額控除を受けられる制度です。合計所得金額の上限(3,000万円)、返済期間(10年以上)、居住割合(床面積の2分の1以上)などの適用要件が定められています。
解き方
- 住宅ローン控除の対象家屋の要件(床面積の2分の1以上が居住用)を確認します。
- 適用を受ける年の所得要件(合計所得金額3,000万円以下)や償還期間要件(10年以上)、転勤等の再入居時の特例を確認して各肢の正誤を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 店舗併用住宅であっても、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供されるものであれば、住宅ローン控除の対象となります。
- 選択肢 2正解
- 住宅ローン控除の適用を受ける年の合計所得金額が3,000万円を超える年分は控除を受けられません。給与所得のみの場合は給与所得の金額が3,000万円を超える年は適用対象外です。
- 選択肢 3不正解
- 転勤等のやむを得ない事由で一時的に居住しなくなった場合でも、所定の手続きを行うことで、再び居住の用に供した年以降の残存控除期間について控除の再適用を受けることができます。
- 選択肢 4不正解
- 一部繰上げ返済により、当初の借入れの日から最終返済期日までの償還期間が10年未満となった場合、その短縮された年以降は住宅ローン控除の適用を受けることができなくなります。
覚えるポイント
- 住宅ローン控除の所得制限は合計所得金額3,000万円以下、返済期間は10年以上が要件です。
間違えやすいところ
- 繰上げ返済によって借入期間が通算10年未満になった場合は、その年以降の控除を受けられなくなる点に注意が必要です。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
青色申告の承認要件・特典・帳簿保存
タックスプランニング · 青色申告 / 青色申告特別控除 / 帳簿書類の保存期間 / 所得税
所得税における青色申告に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
青色申告は、一定水準の帳簿書類を備え付けて正確な記帳を行う納税者に対し、税制上の優遇措置(青色申告特別控除や純損失の繰越しなど)を認める制度です。対象となる所得や申請期限、記帳要件、書類保存期間が定められています。
解き方
- 青色申告の対象となる所得(不動産・事業・山林)に対象外の所得(雑所得等)が含まれていないか確認します。
- 新規開業時の提出期限(1月16日以後の開業は2カ月以内)と帳簿書類の保存年数(原則7年間)を確認します。
- 65万円の青色申告特別控除の要件(複式簿記、財務諸表添付、申告期限内提出)を確認し正誤を判断します。
- 選択肢 1不正解
- 青色申告を行うことができる所得は、不動産所得、事業所得、山林所得の3つに限られ、雑所得を生ずべき業務を行う者は対象外です。
- 選択肢 2不正解
- その年の1月16日以後に新たに開業した者がその年分から青色申告の適用を受けるためには、業務を開始した日から2カ月以内に青色申告承認申請書を提出しなければなりません(3カ月ではありません)。
- 選択肢 3正解
- 65万円の青色申告特別控除の適用を受けるためには、正規の簿記の原則(複式簿記)によって記帳し、貸借対照表および損益計算書を添付した確定申告書を法定申告期限内に提出する必要があります。
- 選択肢 4不正解
- 青色申告者が備え付けるべき帳簿書類の保存期間は、原則として7年間(一部の書類等は5年間)とされています。
覚えるポイント
- 青色申告の対象所得は「不動産・事業・山林(富士山)」の3種類です。
間違えやすいところ
- 1月16日以後の新規開業時の承認申請期限は「2カ月以内」であり、3カ月と混同しないよう注意が必要です。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税の課税所得金額の計算(申告調整)
タックスプランニング · 法人税 / 申告調整 / 課税所得金額
次の<X社のデータ>に基づき計算されるX社の法人税の課税所得金額として、正しい計算式および金額はどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。 <X社のデータ> ・当期利益の額:1,000万円 ・益金算入額:300万円 ・益金不算入額:200万円 ・損金算入額:100万円 ・損金不算入額:500万円
解答・解説を表示
解答
4
解説
法人税法上の課税所得金額は、企業会計上の「当期利益」を出発点として税務独自の加算・減算(申告調整)を行って算出します。会計上の収益・費用と税務上の益金・損金の差異を調整するため、所得金額 = 当期利益 +(益金算入額 + 損金不算入額)-(益金不算入額 + 損金算入額)の算式で求められます。
解き方
- 加算項目を整理します。税務上の所得を増やす「益金算入額(300万円)」および「損金不算入額(500万円)」の合計800万円を加算します。
- 減算項目を整理します。税務上の所得を減らす「益金不算入額(200万円)」および「損金算入額(100万円)」の合計300万円を減算します。
- 当期利益1,000万円に加算項目の合計を加え、減算項目の合計を控除して課税所得金額1,500万円を算出します。
- 選択肢 1不正解
- 加算項目と減算項目が逆になっており、誤った計算式です。
- 選択肢 2不正解
- 損金の調整において、損金算入を加算とし損金不算入を減算としているため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 益金の調整において、益金不算入を加算とし益金算入を減算としているため誤りです。
- 選択肢 4正解
- 当期利益に加算項目(益金算入・損金不算入)を加え、減算項目(益金不算入・損金算入)を控除する正しい計算式です。
覚えるポイント
- 申告調整の加算項目は「益金算入」「損金不算入」の2つ、減算項目は「益金不算入」「損金算入」の2つです。
間違えやすいところ
- 損金不算入を「損金にならないからマイナス」と誤認して控除してしまうミスに注意が必要です(会計上の費用を取り消すため所得にはプラスされます)。
出題の前提:平成25年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
中小法人の交際費等の損金不算入額の計算
タックスプランニング · 法人税 / 交際費等の損金不算入 / 中小法人
次の<X社のデータ>に基づき算出されるX社の法人税の計算における交際費等の損金不算入額として、最も適切なものはどれか。なお、X社は他の法人に完全支配されていないものとする。 <X社のデータ> ・事業年度:平成25年4月1日~平成26年3月31日 ・期末資本金の額:5,000万円 ・交際費等の支出金額:1,000万円
解答・解説を表示
解答
1
解説
法人の交際費等の額は原則として全額損金不算入ですが、期末資本金1億円以下の中小法人(大法人による完全支配関係等を除く)については、平成25年4月1日以後開始事業年度より、定額控除限度額(年800万円)までの支出について全額損金算入が認められる特例があります。
解き方
- X社の期末資本金が5,000万円であり、大法人に完全支配されていない中小法人に該当することを確認します。
- 事業年度が平成25年4月1日開始であるため、定額控除限度額800万円まで全額損金算入される特例が適用されます。
- 支出交際費等の額1,000万円から定額控除限度額800万円を差し引き、損金不算入額を200万円と計算します。
- 選択肢 1正解
- 定額控除限度額800万円を超える部分である「1,000万円-800万円=200万円」が損金不算入額となります。
- 選択肢 2不正解
- 改正前の旧定額控除限度額(600万円)を全額損金算入した場合の金額(1,000万円-600万円=400万円)であり、不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 改正前の旧制度(600万円まで90%損金算入、10%不算入)に基づく損金不算入額「400万円+600万円×10%=460万円」の計算であり、本事業年度には適用されません。
- 選択肢 4不正解
- 資本金1億円超の大法人に適用される全額損金不算入(平成25年4月1日開始年度時点)の金額であり、中小法人であるX社には該当しません。
覚えるポイント
- 資本金1億円以下の中小法人における交際費等の定額控除限度額は年800万円(全額損金算入)です。
間違えやすいところ
- 平成25年度税制改正前の「600万円までで10%は損金不算入」という旧ルールと混同しないよう注意が必要です。
出題の前提:平成25年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
消費税の課税取引と非課税取引の判定
タックスプランニング · 消費税の課税区分 / 非課税取引
消費税の課税事業者である法人が国内において行った以下の取引のうち、消費税の課税取引に該当するものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
消費税は国内において事業者が対価を得て行う資産の譲渡や役務の提供に課されますが、社会政策的配慮や取引の性質上課税になじまないものは非課税取引として規定されています。
解き方
- 各取引について、消費税法の課税対象要件(国内、事業者が事業として、対価を得て行う資産の譲渡等)を満たすか確認する。
- 課税対象要件を満たすもののうち、消費税法別表第一に規定されている非課税取引に該当するかどうかを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 保険料の支払いは、保険契約に基づく役務提供の対価ではなく金融取引的な性格を持つため、非課税取引とされています。
- 選択肢 2不正解
- 有価証券や支払手段等の譲渡は、資本の移転としての性質を有するため消費税法上は非課税取引とされています。
- 選択肢 3正解
- 土地の貸付け自体は原則として非課税取引ですが、その貸借を媒介・仲介する行為は役務の提供に該当し、仲介手数料は課税取引となります。
- 選択肢 4不正解
- 社宅を含む住宅用の建物の貸付けで、貸付期間が1か月以上であるものは社会政策的配慮から非課税取引とされています。
覚えるポイント
- 土地の譲渡・貸付けや住宅の貸付けは非課税であるが、それらに係る不動産仲介手数料は課税取引となる点に注意する。
間違えやすいところ
- 土地の貸付け自体が非課税であることから、付随する仲介手数料まで非課税であると誤認しやすい。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
財務諸表の構成と役割
タックスプランニング · 財務諸表 / キャッシュ・フロー計算書
企業の財務諸表に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
財務諸表は企業の財政状態や経営成績、キャッシュの出入りなどを利害関係者に開示するための会計書類であり、いずれも過去の実績に基づいて作成されます。
解き方
- 各選択肢の財務諸表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書、株主資本等変動計算書)の定義および開示対象期間(一時点か一期間か)を確認する。
- キャッシュ・フロー計算書が将来の予測情報ではなく過去の一会計期間の資金収支の実績を表すものであることを見極める。
- 選択肢 1不正解
- 損益計算書(P/L)は、一会計期間における企業の収益と費用を対応させ、経営成績を示す書類であり記述は適切です。
- 選択肢 2不正解
- 貸借対照表(B/S)は、決算日という特定の一時点における企業の資産・負債・純資産の状態(財政状態)を示す書類であり適切です。
- 選択肢 3正解
- キャッシュ・フロー計算書は、一会計期間における企業の資金(現金及び現金同等物)の増減実績を示すものであり、来期の予測を示すものではないため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 株主資本等変動計算書(S/S)は、貸借対照表の純資産の部の各項目について一会計期間の変動事由と金額を示す書類であり適切です。
覚えるポイント
- キャッシュ・フロー計算書は過去の一会計期間における資金の増減実績を営業・投資・財務の区分で開示する書類である。
間違えやすいところ
- 資金繰り計画書(将来予測)と財務諸表であるキャッシュ・フロー計算書(過去の実績報告)を混同しやすい。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の登記および調査
不動産 · 不動産登記制度 / 公図 / 登記記録の構成
不動産の登記や調査に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
不動産登記は不動産の表示および権利関係を公示する制度ですが、公信力は認められていません。また、登記記録は表題部と権利部(甲区・乙区)から成り、それぞれの区に記録される内容が厳格に定められています。
解き方
- 登記の効力(公信力の有無)および登記記録各区の記載内容(表題部、権利部甲区・乙区)を確認する。
- 家屋番号と住居番号の違い、および法14条地図と地図に準ずる図面(公図)の位置付けを照合して適切な記述を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 日本の不動産登記には公信力がないため、登記を過失なく信じて取引した場合であっても、真実の権利関係が優先し法的な保護を受けられないことがあります。
- 選択肢 2不正解
- 抵当権の設定に関する事項(債権額や抵当権者名など)は、所有権以外の権利を記録する「権利部乙区」に記録されます(甲区は所有権に関する事項)。
- 選択肢 3不正解
- 家屋番号は登記所が建物ごとに付する番号であり、市町村が住居表示に関する法律に基づいて定める住居表示の住居番号とは原則として一致しません。
- 選択肢 4正解
- 公図は、不動産登記法第14条第4項に規定する「地図に準ずる図面」として登記所に備え付けられており、対象地の配置や形状、隣接地との位置関係を把握する資料として用いられます。
覚えるポイント
- 不動産登記には公信力がない(対抗力はある)。
- 権利部甲区は所有権に関する事項、権利部乙区は所有権以外の権利(抵当権・地上権等)に関する事項を記載する。
間違えやすいところ
- 登記所が付する家屋番号・地番と、市町村が定める住居表示の住居番号とを混同しないようにする。
出題の前提:平成25年10月1日現在施行の不動産登記法等の法令に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法(定期借地権等)
不動産 · 一般定期借地権 / 事業用定期借地権等 / 建物譲渡特約付借地権
借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、借地借家法第22条における定期借地権を一般定期借地権という。
解答・解説を表示
解答
3
解説
借地借家法が定める定期借地権等(一般定期借地権、事業用定期借地権等、建物譲渡特約付借地権)には、存続期間、利用目的、および契約の締結方式(書面要件や公正証書義務など)に明確な要件の違いがあります。
解き方
- 各定期借地権の利用目的の制限(居住用・事業用の可否)を検討する。
- 各定期借地権の設定方式における要件(書面要件、公正証書義務、登記の対抗要件性)を確認して正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 一般定期借地権(第22条)には建物の利用目的に関する制限はなく、居住用建物だけでなく事業用建物の所有を目的として設定することも可能です。
- 選択肢 2不正解
- 一般定期借地権は公正証書等の書面によって契約することで成立し、登記は第三者に対する対抗要件であって効力発生要件ではありません。
- 選択肢 3正解
- 事業用定期借地権等(第23条)は、専ら事業の用に供する建物の所有を目的とする制度であり、居住の用に供する建物の所有を目的として設定することはできません。
- 選択肢 4不正解
- 建物譲渡特約付借地権(第24条)の建物譲渡特約には公正証書の作成義務はなく、法律上は口頭による合意であっても特約自体は有効に成立します(実務上は書面作成が一般的)。
覚えるポイント
- 公正証書による契約締結が必須なのは「事業用定期借地権等」のみである。
- 建物の用途制限があるのは「事業用定期借地権等(専ら事業用)」であり、一般定期借地権や建物譲渡特約付借地権には用途制限がない。
間違えやすいところ
- 一般定期借地権の成立には書面が必要だが公正証書に限定されない点、および登記は効力発生要件ではなく対抗要件である点を混同しないようにする。
出題の前提:平成25年10月1日現在施行の借地借家法等の法令に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
定期建物賃貸借契約の法的要件と性質
不動産 · 不動産の法令上の制限 / 借地借家法 / 定期建物賃貸借
借地借家法における定期建物賃貸借契約(定期借家契約)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
定期建物賃貸借契約(借地借家法第38条)は、契約の更新がなく期間満了により確定的に終了する賃貸借契約です。普通建物賃貸借と異なり、公正証書等の書面による契約締結が必須であり、1年未満の期間を定めることも有効に認められます。
解き方
- 普通建物賃貸借と定期建物賃貸借の成立要件(書面の要否や事前説明義務)を比較検討します。
- 賃貸借期間の制限(1年未満の期間設定が可能かどうか)および契約終了時のルール(更新の有無)を確認し、最も適切な選択肢を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 定期借家契約を締結するには、公正証書等の書面によって契約をしなければならないため、書面によらない口頭契約では成立しません。
- 選択肢 2不正解
- 定期借家契約には対象建物の使途制限はなく、居住用建物だけでなく事務所や店舗などの事業用建物を目的としても締結できます。
- 選択肢 3不正解
- 定期借家契約は期間の満了によって確定的に終了し、契約の更新はありません。当事者間で合意すれば再契約することは可能ですが、正当事由による更新請求によって法定更新されることはありません。
- 選択肢 4正解
- 定期借家契約では借地借家法第29条第1項の適用が除外されているため、6カ月などの1年未満の期間を定めた契約も有効に成立します。
覚えるポイント
- 定期借家契約は公正証書等の書面での契約と、事前の書面交付・説明が成立要件となる。
- 定期借家には更新がなく、1年未満の期間設定も有効である。
間違えやすいところ
- 事業用定期借地権は専ら事業用建物に限られるが、定期建物賃貸借は居住用・事業用を問わず利用できる点を取り違えないように注意する。
出題の前提:平成25年10月1日現在施行の借地借家法第38条
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
都市計画法における区域区分と用途地域
不動産 · 不動産の法令上の制限 / 都市計画法 / 区域区分 / 用途地域
都市計画法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
都市計画法において、都市計画区域は市街化区域と市街化調整区域に区分(線引き)される場合がありますが、区分を定めない非線引き区域もあります。市街化区域は市街化を推進するため用途地域を必須で定めますが、市街化を抑制する市街化調整区域では原則として定めません。
解き方
- 区域区分の指定義務(すべての都市計画区域で定めなければならないか)および各区域の定義(市街化区域と市街化調整区域の違い)を確認します。
- 用途地域の指定義務(市街化区域・市街化調整区域における定め方の原則)および種類数(住居系・商業系・工業系)の定義と照合して正誤を判断します。
- 選択肢 1不正解
- 都市計画区域には、区域区分が定められていない区域(非線引き都市計画区域)も存在するため、すべての都市計画区域で区域区分を定めなければならないわけではありません。
- 選択肢 2不正解
- 「おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」は市街化区域の定義です。市街化調整区域は「市街化を抑制すべき区域」とされています。
- 選択肢 3正解
- 都市計画法に基づき、市街化区域では少なくとも用途地域を定めるものとされ、市街化調整区域では原則として用途地域を定めないものとされています。
- 選択肢 4不正解
- 出題基準日(2013年10月1日)時点の用途地域は、住居系7地域、商業系2地域、工業系3地域の合計12地域(※田園住居地域追加前の法改正前)であり、工業系地域を除外した記述は誤りです。
覚えるポイント
- 市街化区域は「用途地域を必ず定める」「おおむね10年以内に優先的・計画的に市街化」。
- 市街化調整区域は「用途地域を原則定めない」「市街化を抑制すべき区域」。
間違えやすいところ
- すべての都市計画区域が線引きされているわけではなく、区域区分を定めない都市計画区域(非線引き区域)もある点を見落とさないようにする。
出題の前提:平成25年10月1日現在施行の都市計画法第7条、第13条
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法における複数地域にまたがる敷地の制限
不動産 · 建築基準法 / 用途地域 / 防火地域 / 建ぺい率 / 容積率
建築基準法に基づき、第1種住居地域(面積350㎡・指定建ぺい率60%・指定容積率200%・準防火地域・幅員4m市道に接道)と近隣商業地域(面積150㎡・指定建ぺい率80%・指定容積率500%・防火地域・幅員12m県道に接道)の2つの土地にまたがって耐火建築物を建築する場合に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない条件については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
建築物の敷地が異なる規制区域にまたがる場合、用途制限は敷地の過半が属する地域の規定が適用されます。一方で、防火制限は敷地全体に最も厳しい地域の規定が適用され、建ぺい率および容積率は各地域の面積按分(加重平均)により算定されます。
解き方
- 敷地全体に占める各地域の面積割合を確認し、用途地域は過半(250㎡超)が属する第1種住居地域の制限が適用されることを判定する。
- 防火制限は過半ではなく厳しい方の地域(防火地域)が適用され、建ぺい率・容積率は単純平均ではなく面積による加重平均等で算出されることを確認して誤りを除外する。
- 選択肢 1正解
- 敷地が異なる用途地域にまたがる場合、建築物の用途制限は敷地の過半(本問では500㎡中350㎡)が属する地域の規定が適用されるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 敷地が防火地域と準防火地域にまたがる場合、原則として敷地の全部について厳しい方の規定である「防火地域」の規定が適用されるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 敷地が異なる建ぺい率の地域にまたがる場合、単純平均ではなく敷地面積による加重平均により計算し、さらに耐火建築物等の緩和措置を適用するため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 容積率の上限は各地域の面積に応じた加重平均や前面道路幅員による制限を考慮して算出するものであり、単純平均した値ではないため不適切です。
覚えるポイント
- 用途地域の制限は敷地の「過半」が属する地域の規定が適用されるのに対し、防火規制は「より厳しい方」の地域規定が敷地全体に適用される。
間違えやすいところ
- 建ぺい率や容積率の上限を算出する際に、各地域の指定数値を単純平均してしまうミスに注意する(正しくは面積按分による加重平均)。
出題の前提:平成25年10月1日現在施行の建築基準法
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)の基礎知識
不動産 · 区分所有法 / 管理組合 / 共用部分の持分 / 敷地利用権の分離処分 / 規約の変更
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
建物の区分所有等に関する法律において、区分所有者は法律上当然に管理組合の構成員となり脱退はできません。また、共用部分の持分割合は原則として専有部分の床面積割合であり、専有部分と敷地利用権の分離処分は原則として禁止されています。規約の変更等の重要事項は特別決議(4分の3以上)を要します。
解き方
- 管理組合への加入脱退(当然加入)、共用部分の持分割合(床面積比)、敷地利用権の処分(分離処分禁止)に関する法的原則を確認する。
- 規約の設定・変更・廃止に必要な要件が、区分所有者および議決権の各4分の3以上の特別多数決裁であることを適用して正答を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 区分所有者は建物並びにその敷地等を管理するための団体(管理組合)を当然に構成するため、任意に加入または脱退することはできません。
- 選択肢 2不正解
- 共用部分に対する各共有者の持分は、規約に別段の定めがない限り、各専有部分の「床面積の割合」により、購入価額の割合ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 敷地利用権が数人で有する権利である場合、規約に別段の定めがあるときを除き、専有部分と敷地利用権を分離して処分することはできません。
- 選択肢 4正解
- 規約の設定、変更または廃止は、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によって行わなければならないため適切です。
覚えるポイント
- 規約の変更・廃止、管理組合法人の設立、大規模滅失の復旧は「区分所有者および議決権の各4分の3以上」、建替え決議は「各5分の4以上」の特別決議を要する。
間違えやすいところ
- 共用部分の持分割合を「購入価額比」と誤認しやすいが、正しくは「専有部分の床面積比(壁芯計算ではなく内法計算基準)」である点に注意する。
出題の前提:平成25年10月1日現在施行の建物の区分所有等に関する法律
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の取得に係る税金
不動産 · 不動産取得税 / 登録免許税 / 印紙税
不動産の取得に係る税金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
不動産の取得時には不動産取得税・登録免許税・印紙税が課されますが、登記の種類や取得原因により課税関係や非課税規定が異なります。
解き方
- 不動産取得税、登録免許税、印紙税の課税要件および非課税対象となる取引を確認する。
- 各選択肢の記述と税法上の取り扱い(相続による取得、課税標準、表題登記の課税、契約付随書類の課税)を照らし合わせて正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 不動産を相続(包括遺贈や相続人に対する特定遺贈を含む)により取得した場合は、形式的な所有権の移転とみなされるため不動産取得税は非課税となります。
- 選択肢 2不正解
- 所有権移転登記に係る登録免許税の課税標準は、実際の売買価額ではなく、原則として市町村の固定資産課税台帳に登録された価格(固定資産税評価額)となります。
- 選択肢 3正解
- 建物を新築した際に行う表題登記(表示に関する登記)には、登録免許税は課されません。
- 選択肢 4不正解
- 文書の名称が「念書」「覚書」「仮契約書」等であっても、不動産売買契約の成立や契約内容の変更・補充を証明する文書は印紙税法上の課税文書に該当します。
覚えるポイント
- 不動産の表題登記(表示に関する登記)は登録免許税が非課税
- 相続による不動産の取得は不動産取得税が非課税
- 所有権移転登記等の登録免許税の課税標準は固定資産税評価額
間違えやすいところ
- 登録免許税の課税標準を実際の売買価額と混同しやすい点
- 契約書の名称が「仮契約書」や「覚書」であれば印紙税が課税されないと誤解しやすい点
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
土地の譲渡に係る譲渡所得
不動産 · 譲渡所得 / 長期譲渡所得 / 取得費 / 譲渡費用
個人が土地を譲渡した場合における所得税の譲渡所得の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
土地建物の譲渡所得は分離課税であり、譲渡した年の1月1日時点での所有期間が5年超か5年以下かにより長期・短期に区分され、それぞれ税率が異なります。
解き方
- 土地の所有期間の判定基準日(譲渡年の1月1日)と長期・短期の区分要件を確認する。
- 取得費の概算計算(収入金額の5%)や譲渡費用の範囲を確認する。
- 長期譲渡所得および短期譲渡所得の所得税率(長期15%、短期30%)を比較して誤っている記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 譲渡した日の属する年の1月1日時点において所有期間が5年を超える土地を譲渡した場合、その譲渡所得は長期譲渡所得に区分されます。
- 選択肢 2不正解
- 譲渡した土地の取得費が不明な場合や実際の取得費が収入金額の5%を下回る場合は、譲渡収入金額の5%相当額を概算取得費として計算することができます。
- 選択肢 3不正解
- 土地を譲渡するために直接要した仲介手数料や印紙税、取壊し費用などは、譲渡所得の計算上、譲渡費用に含まれます。
- 選択肢 4正解
- 長期譲渡所得の税率は所得税15%・住民税5%(合計20%)です。所得税率30%(住民税9%、合計39%)となるのは短期譲渡所得です。
覚えるポイント
- 長期譲渡所得の所得税率は15%(住民税5%)、短期譲渡所得の所得税率は30%(住民税9%)
- 所有期間は譲渡した年の1月1日時点で5年を超えるかどうかで判定
- 取得費が不明な場合は譲渡収入金額の5%を概算取得費とすることができる
間違えやすいところ
- 所有期間の長短の判定を「譲渡日時点」ではなく「譲渡した年の1月1日時点」で行う点を見落としやすい
- 長期譲渡所得の税率(所得税15%)と短期譲渡所得の税率(所得税30%)を混同しやすい
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
土地の有効活用手法
不動産 · 事業受託方式 / 等価交換方式 / 定期借地権方式 / 建物譲渡特約付借地権
所有する土地に賃貸マンションを建設することを検討しているAさんに対する土地の有効活用手法の説明として、次のうち最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
土地の有効活用手法には、土地所有者が資金調達を行いつつ企画・建設業務を専門業者に委託する「事業受託方式」、土地を提供してその対価として建物持分を取得する「等価交換方式」、土地のみを貸し付けて地代を得る「定期借地権方式」などがあり、それぞれ所有権の移転の有無や資金負担の所在が異なります。
解き方
- 各選択肢で示された土地有効活用手法の定義および特徴を確認する。
- 等価交換方式において、土地所有者が建物の区分所有権等を取得するために土地持分の一部をデベロッパー等へ譲渡する点を照らし合わせ、不適切な記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 事業受託方式は、事業計画の策定や建物の建築、管理・運営業務などをデベロッパー等の受託者に委託するため、土地所有者の業務負担が大幅に軽減されます。
- 選択肢 2正解
- 等価交換方式では、土地所有者が建物および敷地の共有持分を取得する対価として、所有する土地の一部(持分)をデベロッパーに譲渡するため、土地の所有権を手放すことになります。
- 選択肢 3不正解
- 定期借地権方式では、土地を第三者に貸し付けるため、建物の建築資金を土地所有者が負担する必要がなく、長期間にわたり安定した地代収入を得ることができます。
- 選択肢 4不正解
- 借地権を設定してから30年以上経過した日に、土地上の建物を借地権設定者に相当の対価で譲渡する特約を付す建物譲渡特約付借地権は、定期借地権等の一種として認められています。
覚えるポイント
- 等価交換方式は土地の一部をデベロッパーに譲渡して建物持分を取得する
- 事業受託方式は資金調達と事業リスクを土地所有者が負う
間違えやすいところ
- 土地信託方式(信託銀行に所有権を信託移転)と事業受託方式(所有権を自ら保有)の違いの混同
- 等価交換方式において土地を一切手放さないと誤認すること
出題の前提:平成25年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の投資分析(DCF法)
不動産 · DCF法 / 収益還元法 / 複利現価率 / 復帰価格
毎期(年)末に1,000万円の純収益が得られる賃貸マンションを取得し、取得から3年経過後に1億円で売却するとした場合、DCF法による当該不動産の収益価格の計算方法として、最も適切なものはどれか。なお、割引率を年6%とし、与えられた複利現価率(1年:0.943、2年:0.890、3年:0.840)を利用すること。
解答・解説を表示
解答
3
解説
DCF(ディスカウント・キャッシュフロー)法は、対象不動産から将来生み出される純収益と、将来の保有期間満了時に得られる予想売却価格(復帰価格)を、それぞれ割引率を用いて現在価値に割り戻し、それらを合計して収益価格を算出する手法です。
解き方
- 各期(1年目・2年目・3年目)の純収益1,000万円にそれぞれの年の複利現価率を乗じて、保有期間中の純収益の現在価値を計算する(943万円、890万円、840万円)。
- 3年経過後の売却価格(1億円)に3年目の複利現価率(0.840)を乗じて、復帰価格の現在価値を計算する(8,400万円)。
- 計算したすべての現在価値を合計する算式となっている選択肢を選ぶ。
- 選択肢 1不正解
- 保有期間中の各年の純収益の現在価値しか合計しておらず、3年後の売却価格(復帰価格)の現在価値が加算されていません。
- 選択肢 2不正解
- 純収益の現在価値の合計を期間で割って平均化しており、さらに3年後の売却価格を現在価値に割り戻さずそのまま加算しているため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 各期の純収益の現在価値(943万円+890万円+840万円)に、3年後の売却価格の現在価値(1億円×0.840=8,400万円)を正確に合算しています。
- 選択肢 4不正解
- 売却価格を現在価値に割り戻す際に複利現価率で除算しており、現在価値を計算する算式として誤りです。
覚えるポイント
- DCF法では「各期の純収益の現在価値の合計」+「売却価格(復帰価格)の現在価値」で収益価格を算出する
- 現在価値への割り戻しには複利現価率を乗じる
間違えやすいところ
- 売却価格の現在価値への割引計算(複利現価率を掛けること)を忘れて額面のまま足してしまうこと
- 複利現価率を乗じるべきところで除算してしまうこと
出題の前提:平成25年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法上の贈与契約の効力および取消し・解除
相続・事業承継 · 贈与契約 / 書面によらない贈与 / 死因贈与 / 負担付贈与 / 夫婦間の契約取消権
民法に規定されている贈与契約に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
民法上の贈与は当事者の一方の無償での財産譲渡の意思表示と相手方の受諾により成立する諾成・無償・片務契約です。書面によらない贈与は各当事者が撤回可能ですが履行完了部分は撤回できず、負担付贈与や夫婦間契約、死因贈与にはそれぞれ個別の法的規律が存在します。
解き方
- 書面によらない贈与における撤回権と「履行の終わった部分」の例外規定を確認する。
- 死因贈与への遺言撤回規定の準用、負担付贈与における債務不履行解除、民法754条の夫婦間契約取消権の各規定と照らし合わせて誤りを判定する。
- 選択肢 1正解
- 民法第550条により書面によらない贈与は各当事者が解除できますが、履行の終わった部分については解除できません。建物の引渡しや移転登記が完了している場合は解除・撤回できません。
- 選択肢 2不正解
- 死因贈与には遺贈に関する規定が準用されるため(民法第554条)、原則として遺言の撤回に関する規定により贈与者の最終意思を尊重して遺言等で撤回することができます。
- 選択肢 3不正解
- 負担付贈与には双務契約に関する規定が準用されるため(民法第553条)、受贈者がその負担である義務を履行しない場合は、贈与者は債務不履行を理由として契約を解除できます。
- 選択肢 4不正解
- 夫婦間でした契約は、婚姻中いつでも夫婦の一方から取り消すことができます。ただし、第三者の権利を害することはできません(民法第754条)。
覚えるポイント
- 書面によらない贈与は履行完了前であればいつでも撤回可能だが、引渡しや登記など履行が終わった部分は撤回不可となる点。
間違えやすいところ
- 夫婦間の契約取消権は婚姻関係が実質的に破綻していない婚姻期間中に限り認められる点や、死因贈与の撤回可否について遺言と同様に扱われる点を混同しやすい。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
親族および扶養等に係る民法の規定
相続・事業承継 · 親族 / 普通養子縁組 / 姻族関係 / 未成年者養子 / 扶養義務
親族等に係る民法の規定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
民法上の親族は6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族を指します。普通養子縁組では実親との親子関係を維持したまま養親との法律上の親子関係を生じさせます。姻族関係は離婚により当然終了しますが、配偶者死亡の場合は生存配偶者の意思表示がない限り終了しません。
解き方
- 普通養子縁組における実方親族関係の存続および未成年者養子縁組の要件(家庭裁判所の許可)を確認する。
- 配偶者死亡時の姻族関係終了手続きと、法律上当然に扶養義務を負う親族の範囲(直系血族および兄弟姉妹)を照らし合わせて適切な選択肢を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 普通養子縁組が成立しても、養子と実方の父母との親族関係は継続し二重の親子関係となります。実方との親族関係が終了するのは特別養子縁組です。
- 選択肢 2正解
- 夫婦の一方が死亡しても姻族関係は当然には終了せず原則として継続します。姻族関係を終了させるには生存配偶者が姻族関係終了届を市区町村に提出する必要があります(民法第728条第2項)。
- 選択肢 3不正解
- 未成年者を養子とする場合には、原則として家庭裁判所の許可を得なければなりません(民法第798条)。市町村長の許可ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 民法上、無条件で互いに扶養義務を負うのは「直系血族および兄弟姉妹」です(民法第877条第1項)。3親等内の親族については特別な事情があるときに家庭裁判所の審判で扶養義務を負わせることができるにすぎません。
覚えるポイント
- 配偶者の死亡時に姻族関係を終了させるには生存配偶者による意思表示(姻族関係終了届)が必要である点。
間違えやすいところ
- 未成年者を養子にする際の許可機関を家庭裁判所ではなく市区町村役場と混同する間違いや、親族の定義範囲(6親等血族・3親等姻族)と絶対的扶養義務者の範囲(直系血族・兄弟姉妹)の混同が多い。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続時精算課税制度の仕組みと要件
相続・事業承継 · 相続時精算課税制度 / 特別控除額 / 贈与財産の相続税加算額
相続時精算課税制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
相続時精算課税制度は、原則として贈与時に累計2,500万円までの特別控除と一律20%の税率で贈与税を納め、将来の特定贈与者の相続時にその贈与財産を「贈与時の価額」で相続財産に合算して精算する制度です。
解き方
- 相続時精算課税制度の課税方式(特別控除額累計2,500万円、超える部分に一律20%)および手続き(届出書の提出、暦年課税への変更不可)の規定を確認する。
- 特定贈与者死亡時における相続税課税価格への加算価額が「相続開始時」か「贈与時」かを確認し、不適切な記述を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 相続時精算課税を選択した場合、特定贈与者ごとに累計2,500万円の特別控除額が適用され、控除しきれない部分について一律20%の税率で贈与税額が計算されます。
- 選択肢 2不正解
- 相続時精算課税を選択すると、その特定贈与者からの贈与についてはその年以降すべて本制度が適用され、選択を撤回して暦年課税に戻すことはできません。
- 選択肢 3不正解
- 受贈者は、最初に適用を受けようとする年分の贈与税の申告書に相続時精算課税選択届出書等の添付書類を添えて、申告期限内に所轄税務署長へ提出する必要があります。
- 選択肢 4正解
- 特定贈与者が死亡して相続税を計算する際、相続税の課税価格に加算される贈与財産の価額は「贈与の時における価額」であり、相続開始時の価額ではありません。
覚えるポイント
- 相続時精算課税で相続財産に加算される価額は「贈与時の価額」である。
間違えやすいところ
- 相続税申告時に相続開始時点の時価で評価替えして合算すると誤解しやすい。
出題の前提:平成25年10月1日現在施行の法令等(2014年度5月試験基準)
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺産分割の手続きと効力
相続・事業承継 · 遺産分割協議 / 遺産分割の調停 / 協議の解除
遺産分割に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
民法上、被相続人の遺産は共同相続人の共有となり、遺言による分割禁止がない限りいつでも協議によって分割できます。協議が調わない場合は家庭裁判所の調停や審判を利用します。
解き方
- 民法における遺産分割協議の期限、形式要件、不調時の手続き(調停・審判)を確認する。
- 成立した遺産分割協議の解除に関する判例上の取り扱いを確認し、最も適切な記述を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 民法上、遺産分割を行う期限についての規定はありません(なお、相続の開始を知った日の翌日から4か月以内は被相続人の所得税の準確定申告の期限です)。
- 選択肢 2正解
- 遺産の分割について共同相続人間に協議が調わない場合、各共同相続人は家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てることができます(民法907条2項)。
- 選択肢 3不正解
- 民法上、遺産分割協議書の形式についての法定要件はなく、口頭の合意でも有効に成立します(不動産登記等の実務上書面が作成されます)。
- 選択肢 4不正解
- 適法に成立した遺産分割協議であっても、共同相続人全員の合意があれば、協議を合意解除して再分割協議を行うことが認められています(最高裁判例)。
覚えるポイント
- 遺産分割協議が調わない場合は、家庭裁判所に調停または審判を申し立てることができる。
間違えやすいところ
- 4か月以内の準確定申告や10か月以内の相続税申告と遺産分割の期限を混同しやすい。
出題の前提:平成25年10月1日現在施行の法令等(2014年度5月試験基準)
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺言の方式および効力
相続・事業承継 · 自筆証書遺言 / 公正証書遺言 / 遺言の撤回 / 遺留分
遺言の作成方式やその効力に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
遺言は民法に定められた厳格な方式に従って作成される必要があり、方式の不備は無効の原因となります。一方で、遺言の撤回は遺言者の自由であり、撤回する遺言の方式は前の遺言の方式に拘束されません。
解き方
- 普通方式遺言(自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言)ごとの成立要件および保管方法を確認する。
- 遺言の撤回の自由および遺言が遺留分を侵害した場合の民法上の効力を検討し、最も適切な選択肢を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 自筆証書遺言は、遺言者がその全文、日付および氏名を自書し、これに押印しなければならず、本文をパソコン等で作成することは認められません。
- 選択肢 2正解
- 公正証書遺言は、証人2人以上の立会いのもとで公証人が作成し、その原本は公証役場に原則保管されるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 遺言者は遺言の方式にかかわらずいつでも自由に遺言を撤回できるため、公正証書遺言を自筆証書遺言で撤回することも可能です。
- 選択肢 4不正解
- 遺留分を侵害する遺言であっても遺言自体は有効であり、遺留分権利者が遺留分減殺請求権を行使することにより減殺されます。
覚えるポイント
- 公正証書遺言は証人2人以上が必要で原本が公証役場に保管される
- 遺言の撤回は前の遺言の形式に関係なく後の有効な遺言で行える
間違えやすいところ
- 遺留分を侵害した遺言は無効になると誤解しやすいが、遺言自体は有効である
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
死亡保険金の非課税限度額の計算と適用対象者
相続・事業承継 · 死亡保険金の非課税限度額 / 法定相続人の数 / 相続の放棄 / 普通養子
被相続人Aさんの死亡により、契約者(=保険料負担者)および被保険者をAさんとする生命保険から、妻Bさん、長女Cさん(相続放棄)、養子Dさん、養子Eさんがそれぞれ死亡保険金1,000万円を受け取った。死亡保険金の非課税金額に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、DさんおよびEさんは普通養子である。
解答・解説を表示
解答
2
解説
死亡保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」で計算します。実子がいる場合の養子の算入制限(1人まで)や相続放棄があっても放棄がなかったものとして数える規定があり、非課税の適用を受けられるのは相続を放棄していない相続人に限られます。
解き方
- 法定相続人の数を算出する。相続放棄した長女Cも実子として算入されるため、実子がいる場合の養子の算入は1人までに制限され、法定相続人の数は妻B、長女C、養子1人の計3人となる。
- 非課税限度額の総額を計算する(500万円×3人=1,500万円)。
- 非課税枠の適用対象者を確認する。相続を放棄した長女Cは非課税規定の適用を受けられず、相続人である妻B、養子D、養子Eの3人が受け取った保険金(各1,000万円、合計3,000万円)に応じて1,500万円を按分するため、各自の控除額は3分の1(各500万円)となる。
- 選択肢 1不正解
- 長女Cは相続放棄をしても実子として法定相続人の数に含まれます。被相続人に実子がいるため法定相続人の数に算入できる養子は1人となり、法定相続人の数は妻B・実子C・養子1人の合計3人です。
- 選択肢 2正解
- 非課税限度額の適用対象となる相続人は妻B・養子D・養子Eの3人で、各自の受取保険金額が同額(1,000万円)であるため、妻Bが控除できる非課税金額は非課税限度額(1,500万円)の3分の1相当額となります。
- 選択肢 3不正解
- 相続の放棄をした者は死亡保険金の非課税規定の適用を受けることができないため、長女Cが受け取った死亡保険金からは控除できません。
- 選択肢 4不正解
- 法定相続人の数の算入制限にかかわらず、相続人である養子Dは死亡保険金を受け取った相続人として非課税金額の按分控除を受けることができます。
覚えるポイント
- 実子がいる場合の法定相続人に含められる養子は1人まで(実子がいない場合は2人まで)
- 相続放棄者は法定相続人の数には含めるが、自身が受取人となった死亡保険金の非課税規定は受けられない
間違えやすいところ
- 法定相続人の数の計算における養子の算入制限と、実際に保険金を受け取った養子が非課税の按分を受けられる権利を混同しやすい
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の物納の要件および充てることができる財産の順位
相続・事業承継 · 相続税 / 物納 / 物納財産の順位 / 収納価額
相続税の物納に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
相続税は金銭による一括納付が原則ですが、延納によっても金銭納付が困難な一定の事由がある場合に限り物納が認められます。物納適格財産には法定の優先順位が定められており、原則として上位の順位の財産から充当する必要があります。
解き方
- 物納財産の法定充当順位を確認する(第1順位:不動産・船舶・国債・地方債、第2順位:社債・株式等、第3順位:動産)。
- 選択肢2で第1順位と第2順位の財産区分が誤って説明されていることを見抜く。
- 選択肢 1不正解
- 物納の許可を受けた税額相当の相続税は、物納財産の引渡しや所有権移転登記などによって第三者対抗要件を備えた時に納付があったものとみなされます。
- 選択肢 2正解
- 物納に充てることができる財産の順位は、第1順位が国債・地方債・不動産・船舶であり、第2順位が社債・株式・投資信託の受益証券等であるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 相続開始前3年以内の生前贈与加算により相続税の課税価格に加算された財産は、所定の要件(物納適格財産等)を満たせば物納に充てることができます。
- 選択肢 4不正解
- 小規模宅地等の特例の適用を受けた宅地等を物納する場合の収納価額は、原則として特例適用後の減額された課税価格(評価額)となります。
覚えるポイント
- 物納充当順位は第1順位が不動産・船舶・国債・地方債、第2順位が社債・株式等、第3順位が動産である。
間違えやすいところ
- 小規模宅地等の特例を受けた宅地の物納収納価額は特例前の価額ではなく、特例適用後の評価額となる点に注意する。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
使用貸借による宅地上の賃貸アパート敷地の相続税評価額の算定
相続・事業承継 · 相続税評価 / 使用貸借 / 自用地評価 / 貸家建付地
使用貸借契約に基づき、父親が所有する宅地の上にその子が賃貸アパートを建築して賃貸の用に供している場合、下記<土地および賃貸アパートの概要>に基づき算出される当該宅地の相続税評価額として、最も適切なものはどれか。 <土地および賃貸アパートの概要> 自用地としての価額:7,000万円 借地権割合:60% 借家権割合:30% 賃貸割合:100%
解答・解説を表示
解答
4
解説
土地所有者自身が賃貸アパートを建築して賃貸している場合は「貸家建付地」として自用地価額から借地権割合×借家権割合×賃貸割合を減額できます。しかし、土地を使用貸借で他者(子など)に貸し、その者がアパートを建築して賃貸している場合、土地の借主の使用借権は経済的価値がゼロと扱われ、貸家建付地の減額も適用されず、自用地評価額となります。
解き方
- 土地の貸借契約の形態を確認する(親の土地を子が使用貸借により無償で借り受けている)。
- 使用貸借通達に基づき、使用借権は相続税評価上ゼロとされ、また第三者に対する賃貸アパートの敷地利用権の負担も土地所有者に直接及ばないため、貸家建付地評価ではなく「自用地評価」となることを判断する。
- 自用地としての価額である7,000万円をそのまま評価額とする。
- 選択肢 1不正解
- 貸宅地(自用地価額×(1-借地権割合)=7,000万円×(1-0.6)=2,800万円)の計算式を用いた誤った数値です。
- 選択肢 2不正解
- 親自身が土地とアパートを所有していると仮定した場合の貸家建付地評価額からさらに借地権を差し引くなど誤った算定による数値です。
- 選択肢 3不正解
- 土地所有者自身が賃貸アパートを建築・経営している場合の「貸家建付地」の計算式(7,000万円×(1-0.6×0.3×1.0)=5,740万円)を適用した誤りです。
- 選択肢 4正解
- 使用貸借によって貸し付けられている宅地は使用権の価値がゼロと評価され、借家権の負担も土地に直接及ばないため、自用地評価額である7,000万円となります。
覚えるポイント
- 土地を使用貸借で貸してその上に借主が建物を建てている場合、土地の相続税評価額は減額されず自用地評価となる。
間違えやすいところ
- 土地の上に賃貸アパートが建っているからといって無条件に貸家建付地の減額計算を行ってしまう誤りに注意する。
出題の前提:2013年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続における死亡保険金の税務および民法上の取扱い
相続・事業承継 · 死亡保険金 / 生命保険金等の非課税枠 / 遺産分割 / 配偶者の税額軽減
被相続人が契約者(保険料負担者)および被保険者であり、相続人が保険金受取人である生命保険契約から支払われる死亡保険金の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
被相続人が保険料を負担していた生命保険の死亡保険金は、民法上は受取人固有の財産として扱われ遺産分割の対象外となりますが、相続税法上はみなし相続財産として課税対象になります。相続を放棄した者であっても配偶者の税額軽減の適用を受けることは可能です。
解き方
- 死亡保険金の民法上の性質(受取人固有の財産であり遺産分割協議の対象外)と相続税法上の取扱い(みなし相続財産)を確認する。
- 死亡保険金の非課税限度額の計算式、代償分割資金としての活用法、および相続放棄者の税額軽減の適用可否を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 相続人が取得した死亡保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」で計算されるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 死亡保険金請求権は保険契約に基づいて発生する受取人固有の財産であるため、特段の事情がない限り遺産分割協議の対象外となり適切です。
- 選択肢 3不正解
- 受取人固有の財産として現金で受け取れる死亡保険金は、事業用資産を単独承継する相続人の代償金支払原資として有効に活用できるため適切です。
- 選択肢 4正解
- 相続の放棄をした配偶者であっても、みなし相続財産として死亡保険金を受け取った場合は「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けることができるため、不適切です。
覚えるポイント
- 死亡保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」ですが、適用を受けられるのは相続を放棄していない相続人に限られます。
- 配偶者の税額軽減は、相続放棄をして遺贈(みなし相続財産を含む)により財産を取得した配偶者でも適用可能です。
間違えやすいところ
- 死亡保険金の非課税枠は相続を放棄した者には適用されませんが、配偶者の税額軽減は相続放棄者でも適用可能であるという違いを混同しないようにしましょう。
出題の前提:平成25年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
中小企業における円滑な事業承継対策
相続・事業承継 · 事業承継 / 自社株式の集約 / 後継者育成 / 経営者保証
中小企業における円滑な事業承継のための方策に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
中小企業の事業承継では、経営権の安定と会社の永続的発展を図るため、後継者の早期選定・育成、金融機関との保証・担保の調整、および自社株式・事業用資産の後継者への集約が不可欠です。株式の安易な第三者分散は経営を危うくします。
解き方
- 事業承継における重要課題(経営権の集中、後継者育成、個人保証・担保の解除・移行)を整理する。
- 自社株式を経営に関与しない第三者に譲渡した場合の影響(議決権の分散による経営権の不安定化)を検討し、不適切な記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 生前の株式移転や後継者教育には長い年月を要するため、相続発生前から早期かつ計画的に対策を進めることが望ましく適切です。
- 選択肢 2不正解
- 取引先や金融機関、従業員の協力を得て承継を円滑に進めるため、後継者を早期に定めて社内外へ周知し育成を図ることは適切です。
- 選択肢 3正解
- 経営に関与しない第三者に株式を移転させると議決権が分散し、後継者の経営支配権が著しく脅かされるため、望ましい方策ではなく不適切です。
- 選択肢 4不正解
- オーナー個人の担保提供や連帯保証は後継者の承継意欲を阻害する要因になるため、事前に金融機関と扱いを協議しておくことは適切です。
覚えるポイント
- 中小企業の自社株式は単なる財産ではなく議決権(経営権)そのものであるため、事業承継では後継者に集中させることが原則です。
間違えやすいところ
- 相続税対策としての自社株評価引き下げや株数分散を優先しすぎて、後継者の安定した経営権確保(特別決議要件である3分の2以上の議決権など)を損ねてしまう点に注意が必要です。
出題の前提:平成25年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2014年5月 2級 学科』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2014年5月 2級 学科
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2014年5月 2級 学科の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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