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FP技能検定 · 学習ガイド

2025年2月 1級 実技(資産相談業務・2月8日 PartI PartII・PartI)の問題・解答解説

日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。

2025年2月 1級 実技(資産相談業務・2月8日 PartI PartII・PartI)の概要
30:00

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事業承継対策と役員退職金・負担付贈与・遺産分割

事業承継・相続・資産設計 · 事業承継 / 役員退職金 / 自社株評価 / 負担付贈与 / 贈与税の配偶者控除 / 生命保険の契約者変更 / 遺留分・公平な遺産分割 / FPの職業倫理

首都圏でコンビニエンスストアを営むX株式会社(非上場)の代表取締役社長であるAさん(69歳)は、専務の長男Cさんへの事業承継を考えている。日経平均株価の自社株評価への影響、役員退職金の支給による株価引き下げと課税関係、自宅と住宅ローンの長男への引継ぎ(負担付贈与)、郷里での新自宅購入と贈与税の配偶者控除の適用、長女Dさんへの養老保険契約者変更時の課税関係、長女Dさんとの公平な資産承継などを懸念している。本問の「検討のポイント」に示された各項目について答えなさい。

解答・解説を表示

解答

各「検討のポイント」(相談内容および問題点、解決策・提案、提案の理由と留意点、FPと職業倫理)について体系的かつ具体的に記述する。

解説

事業承継の対策では、経営権を移すこと、自社株の評価を下げること、納税資金を用意すること、後継者以外の相続人にも配慮することを、まとめて考えることが大切です。なぜなら、これらはどれか一つだけではうまくいかず、互いに影響し合うからです。役員退職金で株価を下げる効果や、負担付贈与の課税、贈与税の配偶者控除の要件は、正確に押さえて助言します。

解き方

  1. Aさんの資産(X社株式、現預金、不動産、生命保険、借入金)と家族構成・希望を、正確に整理します。
  2. 事業承継の論点(役員退職金の損金算入・株価評価への影響・資金繰り)と、親族間で財産を移すときの税務(負担付贈与、名義変更、配偶者控除)を分析します。
  3. それぞれの論点への具体的な方策と、優先して提案する内容をまとめ、FPの倫理や専門家との連携も入れて解答を作ります。

答えの内訳

設例の顧客の相談内容および問題点として、どのようなことが考えられるか。:①長男Cさんへの円滑な事業承継(代表権および自社株の移転)が未着手であること。②日経平均株価の乱高下に伴う類似業種比準価額への影響把握。③適正な役員退職金の算定と株価引き下げ効果、資金繰りへの影響および所得税・住民税の課税関係。④現自宅と住宅ローンの長男への承継(負担付贈与に伴う譲渡所得税および贈与税の課税)。⑤郷里での自宅購入における贈与税の配偶者控除の適用の可否。⑥養老保険の名義変更(契約者・受取人変更)に伴う課税関係(変更時点および将来の満期時・保険金受取時)。⑦相続発生時の遺産分割における長男Cさんと長女Dさんへの財産配分の不公平感および遺留分侵害の懸念。
設例から読み取れるAさんの悩み・関心事項を事業承継・税務・親族間承継の観点から漏れなく整理する。
それらの相談内容および問題点を解決するために、どのような提案・方策が考えられるか。:①事業承継計画の策定および法人版事業承継税制(特例措置)の活用検討。②類似業種比準価額における株価の選定月(直前月、直前々月、前年平均、前々年平均から有利選択)の確認。③功績倍率方式等による適正役員退職金の支給(損金算入による株価引き下げと退職所得控除・2分の1課税・分離課税の活用、生命保険の活用等による資金確保)。④自宅贈与は負担付贈与となり時価評価および債務免除益に伴う譲渡所得税課税のリスクがあるため、売買や相続時精算課税、遺言による取得等も含めた慎重なスキームの検討。⑤新自宅の購入資金としてAさんから妻Bさんへ金銭贈与を行い、贈与税の配偶者控除(上限2,000万円)を適用したうえで持分登記する方策の検討。⑥養老保険の名義変更時は課税されず、将来の満期保険金等受取時に保険料負担者に応じた課税関係が生じることの説明。⑦長女Dさんへの代償交付金準備や生命保険受取人指定、遺言書の作成による公平な遺産分割と遺留分対策。
抽出された課題それぞれに対し、現行の法令・税制に基づいた具体的かつ実効性のある解決手段を提示する。
それらの方策(解決策)のなかで、何を顧客に提案するか。その理由・留意点は何か。:【提案】①適正な役員退職金の支給による自社株評価引下げと退職所得の確保、②自社株の長男Cさんへの早期承継(特例承継計画の確認・活用)、③遺言書の作成および長女Dさんへの配慮(生命保険等の活用)。【理由】Aさんの勇退資金・新居購入資金を確保しつつ、株価引き下げにより承継コストを抑えられる。また、将来の相続トラブル(長女Dさんの遺留分侵害等)を未然に防ぎ、円満な承継を図るため。【留意点】役員退職金の過大役員給与該当性(損金不算入リスク)やX社の資金繰り悪化を避けること。自宅の安易な負担付贈与は思わぬ譲渡所得税・贈与税を生む点。事業承継税制の適用要件・継続要件の遵守。
優先して提案すべき重要項目を絞り込み、クライアントの意向(資金繰り配慮、退職金確保、家族の円満)に即した理由と実務上のリスク・留意点を明確にする。
FPと職業倫理について、どのようなことが考えられるか。:FPの職業倫理として、①顧客利益の優先、②守秘義務の遵守、③インフォームド・コンセント(顧客への十分な説明と納得・同意)、④客観的かつ中立的な立場での助言、⑤能力の啓発・コンプライアンスの遵守(税理士法、弁護士法等に抵触しない業際規制の遵守)が挙げられる。本件では、具体的な税務申告・税額計算は顧問税理士と、不動産登記は司法書士と、遺言書作成等は弁護士や公証人と連携してチームで支援することが求められる。
ファイナンシャル・プランナーとして常に遵守すべき基本倫理と、関連法規(税理士法等)に基づく他専門士業との連携方針を述べる。

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覚えるポイント

  • 負担付贈与は受贈財産が時価で評価され、贈与者には債務免除益に伴う譲渡所得税(みなし譲渡課税)が生じる可能性がある。
  • 生命保険の契約者名義変更自体では課税関係は生じず、満期保険金や解約返戻金、死亡保険金が支払われた段階で保険料負担割合に応じて課税される。

間違えやすいところ

  • 贈与税の配偶者控除は、婚姻期間20年以上の配偶者から、住まい用の不動産またはその取得資金をもらったときに使えます。資金の贈与と取得の手続きの順番を事前に確かめないと、適用を間違えます。
  • 生命保険の契約者を変えたときに贈与税がかかると誤解しやすいですが、課税されるのは実際に給付金や返戻金を受け取ったときです。

出題の前提:2024年度第3回FP1級実技試験(資産相談業務・2025年2月8日 Part I)の設例条件に基づく。

出典:金融財政事情研究会『2025年2月 1級 実技(資産相談業務・2月8日 PartI PartII・PartI)』
公式問題 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)

2025年2月 1級 実技(資産相談業務・2月8日 PartI PartII・PartI)

参照した公式資料

金融財政事情研究会が公開した2025年2月 1級 実技(資産相談業務・2月8日 PartI PartII・PartI)の問題・解答資料です。

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