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FP技能検定 · 学習ガイド

2024年9月 1級 実技(資産相談業務・9月22日 PartI PartII・PartI)の問題・解答解説

日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。

2024年9月 1級 実技(資産相談業務・9月22日 PartI PartII・PartI)の概要
30:00

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設例に基づく相続対策・資産承継およびFPの職業倫理

資産設計提案業務・相続事業承継 · 相続税対策 / 生前贈与 / 居住用の区分所有財産の評価 / 職業倫理

75歳のAさん(都内タワーマンションに一人暮らし、妻は他界、推定相続人は長男Cさんと長女Dさんの2人、孫3人)は、総額6億5,000万円(相続税額見積額約2億2,000万円)の財産を保有している。自身の年齢を考慮した生前贈与・相続税対策の整理、税制改正(暦年課税・相続時精算課税、区分所有マンション評価の見直し等)への対応を希望している。面接・検討のポイントである4点(相談内容と問題点、解決策、優先提案とその理由・留意点、FPの職業倫理)について述べなさい。

解答・解説を表示

解答

顧客の相談内容・問題点を把握し、生前贈与や小規模宅地等の特例等の相続対策、タワーマンション評価見直しへの対応を検討・提案し、専門家と連携しながらFP倫理を遵守して支援する。

解説

資産家の相続対策では、分割・納税資金・節税の3つをバランスよく考えるのが基本です。争いを防ぐ分割対策、税金を払うお金の準備、そして節税を一緒に検討します。さらに、生前贈与の加算期間の延長や区分所有マンションの新しい評価方法などの税制改正に合わせ、専門家と連携して実行計画を作ることが大切です。

解き方

  1. 6億5,000万円の資産と家族関係(長男は持ち家、長女は賃貸、孫3人)から、税負担・分割・納税の課題を整理します。
  2. 令和5年度税制改正(暦年課税・相続時精算課税、マンションの新評価通達)をふまえ、生前贈与・小規模宅地・遺言などの具体的な対策を考えて選びます。
  3. FPの職業倫理(顧客第一、守秘義務、法令遵守、士業との連携)に照らして、助言の進め方をまとめます。

答えの内訳

設例の顧客の相談内容および問題点として、どのようなことが考えられるか。:①自身の年齢を考慮した効果的な相続対策の整理と実行、②資産規模が大きく相続税負担が高額(約2億2,000万円)であること、③贈与税・相続税の税制改正(生前贈与加算期間の延長等)や居住用区分所有財産(マンション)の評価見直しの影響確認、④遺産分割対策(遺言の有無など)や納税資金の確保、⑤合同会社Y社出資持分の承継対策などが挙げられる。
Aさんは総額6億5,000万円もの資産を保有し、高額な相続税が見込まれている一方、年110万円程度の贈与に留まっており抜本的な対策がとれていません。令和5年度税制改正(暦年課税の加算期間延長、相続時精算課税の基礎控除創設)や2024年1月施行のマンション評価通達改正の影響を踏まえ、遺産分割・納税資金・節税の各観点から現状の課題を洗い出す必要があります。
それらの相談内容および問題点を解決するために、どのような提案・方策が考えられるか。:①生前贈与の積極的活用(暦年課税や相続時精算課税の活用、孫3人への教育資金一括贈与・都度贈与等の検討)、②生命保険の非課税枠の活用や受取人指定、③自宅タワーマンションに対する小規模宅地等の特例(家なき子特例など長女Dさんの適用可否等の検討)および新評価基準に基づく適正な評価額の再計算、④公正証書遺言の作成による争族防止、⑤合同会社Y社の事業承継計画の策定。
豊富な現預金(3億円)を活用した孫への生前贈与(暦年贈与のほか教育資金贈与特例や相続人以外への贈与による生前贈与加算回避)や、賃貸住まいの長女Dさんが自宅を取得した場合の特定居住用宅地等の適用可否検討、生命保険の活用、明確な遺言作成が有効な対策となります。
それらの方策(解決策)のなかで、何を顧客に提案するか。その理由・留意点は何か。:孫への生前贈与の拡充(暦年課税または教育資金一括贈与等)および公正証書遺言の作成を優先提案する。理由:孫は代襲相続人でない限り原則として生前贈与加算(3年〜7年)の対象外であり、現預金を円滑に移転して将来の相続税を圧縮できるため。また、長男・長女間での公平な遺産分割と意向の確実な反映のため遺言が必要である。留意点:孫への贈与は名義預金とみなされないよう贈与契約書の作成と孫(または親権者)口座での管理を徹底すること、遺言作成時は遺留分に配慮することが重要である。
Aさんは孫との交流を大切にしており、心情的にも受け入れやすい孫への贈与が極めて効果的です。相続人ではない孫への贈与は生前贈与加算の対象外(遺贈等を受けない場合)となるメリットがあります。また、名義預金判定のリスクを回避する手続きと、長男・長女間の公平性に配慮した遺留分の考慮が必須の留意事項となります。
FPと職業倫理について、どのようなことが考えられるか。:①顧客第一主義(Aさんの心情や家族関係に寄り添った最適な提案を行う)、②守秘義務の遵守(知り得た多額の資産情報や個人情報を外部に漏洩しない)、③インフォームド・コンセント(対策のメリット・デメリットや税制改正の影響を十分に説明し納得を得る)、④専門家との連携(税務相談・申告は税理士、登記・遺言等は司法書士・弁護士等の士業と連携し、業法を遵守する)、⑤コンプライアンス(法令遵守)の徹底。
FPとして顧客の利益を最優先とし、税理士法や弁護士法などの関連法規を遵守しつつ、高度な資産設計アドバイスにおいて士業等の専門家と緊密に連携しながら業務を進める姿勢が求められます。

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覚えるポイント

  • 相続人でない孫への生前贈与は、遺贈や生命保険金等の取得がない限り、相続開始前3〜7年の生前贈与加算の対象外となる。
  • 居住用区分所有財産(マンション)は、2024年1月1日以降、築年数・総階数・所在階・敷地持分狭小度等から算出する区分所有補正率により相続税評価額が見直されている。

間違えやすいところ

  • 相続人である長男・長女への生前贈与は加算の対象で、改正により最大7年に延びました。一方、相続人でない孫への贈与は加算の対象外である点を見落としやすいです。
  • 税理士の資格がないFPが具体的な税額計算や税務申告書を作ると、税理士法に違反します。そのため、士業との連携が必要です。

出題の前提:2024年9月22日実施 金融財政事情研究会 1級ファイナンシャル・プランニング技能検定 実技試験(資産相談業務)PartI設例

出典:金融財政事情研究会『2024年9月 1級 実技(資産相談業務・9月22日 PartI PartII・PartI)』
公式問題 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)

2024年9月 1級 実技(資産相談業務・9月22日 PartI PartII・PartI)

参照した公式資料

金融財政事情研究会が公開した2024年9月 1級 実技(資産相談業務・9月22日 PartI PartII・PartI)の問題・解答資料です。

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