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FP技能検定 · 学習ガイド

2024年2月 1級 実技(資産相談業務・2月10日 PartI PartII・PartI)の問題・解答解説

日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。

2024年2月 1級 実技(資産相談業務・2月10日 PartI PartII・PartI)の概要
30:00

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富裕層の相続対策・マンション評価改正への対応および事業・資産承継

資産設計提案業務・資産相談業務(相続・事業承継) · 区分所有マンションの相続税評価方法改正 / 相続税対策 / 資産承継・生前贈与 / 小規模宅地等の減額特例 / FPの職業倫理

Aさん(60歳)は、自身が起業した会社を売却後、都内の不動産賃貸業や複数社の社外取締役を務めている。現預金・有価証券6億5,000万円、自宅タワーマンション、賃貸タワーマンション、1棟賃貸マンション、非上場株式、借入金3億円などを所有しており、相続税評価額の合計は6億円、相続税額は約1億7,400万円と試算されている。家族は妻Bさん(58歳・同居)、社宅に住む長男Cさん(30歳)、同居の長女Dさん(27歳)である。Aさんは2024年1月から施行されたマンションの相続税評価方法の改正に関心を持っている。設例の検討のポイントに基づき、相談内容と問題点、解決策、具体的な提案と留意点、FPの職業倫理について述べなさい。

解答・解説を表示

解答

設例の相談内容および問題点を整理し、2024年1月導入のマンション評価通達改正を踏まえた相続税評価額の再計算、納税資金対策および生前贈与・遺言書作成等の円滑な遺産分割対策、さらにFPとしての職業倫理に基づいた適切な顧客対応と専門家連携を提案する。

解説

2024年1月1日以降の相続・遺贈・贈与には「居住用の区分所有財産の評価通達」が使われます。これは、築年数・総階数・所在階・敷地持分狭小度から評価乖離率を求め、区分所有補正率で評価額を適正にするものです。たとえば市場価格の60%水準へ引き上げます。多額の資産を持つ顧客には、税制改正の反映、円滑な遺産分割、納税資金の確保をまとめて設計することが欠かせません。

解き方

  1. 設例の資産(タワーマンション、1棟賃貸マンション、金融資産、借入金など)と家族関係を整理します。
  2. 2024年1月に始まったマンションの新しい評価基準の影響と、遺産分割・納税資金の課題を洗い出します。
  3. 具体的な解決策(再試算、小規模宅地等の特例、遺言書の作成、専門家との連携など)を考えます。

答えの内訳

設例の顧客の相談内容および問題点として、どのようなことが考えられるか。:①2024年1月施行のマンション評価方法改正(通達)による相続税評価額への影響確認、②多額の相続税負担(約1億7,400万円)と将来の相続税評価額の上昇懸念、③推定相続人(妻B、長男C、長女D)への円滑な遺産分割対策(争族防止)、④起業家へのベンチャー出資や非上場株式(少数株式)の管理・集約の必要性。
2024年1月から区分所有マンションの新たな相続税評価基準が適用され、市場価格との乖離が大きい物件は評価額が引き上げられます。Aさんの自宅および賃貸タワーマンションは市場価格と評価額に大きな乖離があるため、評価額見直しによる税額増加の懸念があります。また、資産規模が大きく、相続税負担が重いことや、子ども2人への分割配慮が問題点となります。
それらの相談内容および問題点を解決するために、どのような提案・方策が考えられるか。:①新評価基準に基づく自宅・賃貸マンションの相続税評価額の再試算、②配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例(特定居住用・貸付事業用)の適用シミュレーション、③現預金を活用した生前贈与(暦年課税・相続時精算課税の活用)や生命保険(非課税枠等)の活用、④遺言書の作成による遺産分割方針の明確化、⑤出資株式の権利関係・保有方針の整理。
改正通達(築年数、総階数、所在階、敷地持分狭小度等を考慮した区分所有補正率)を用いて再計算を行い、正確な納税予測を立てます。そのうえで特例の適用や計画的な生前贈与、納税資金確保策を検討します。
それらの方策(解決策)のなかで、何を顧客に提案するか。その理由・留意点は何か。:【提案】税理士等の専門家と連携したマンション評価額の正確な再試算と、公正証書遺言の作成による分割対策を優先提案する。 【理由・留意点】マンション評価改正により相続税額が従来の試算より増加する可能性が高いため、現状把握が不可欠である。また不動産資産が多岐にわたるため、遺留分や同居状況(長女と同居、長男は社宅)に配慮した遺産分割を行わないと将来の紛争原因となる点に留意する。
2024年1月の改正通達の影響を確定させることが最優先課題です。また、賃貸物件や自宅マンション、多額の金融資産の承継先を事前に指定することで、円満な遺産分割と事業性ローンの適切な承継を図ることができます。
FPと職業倫理について、どのようなことが考えられるか。:①顧客第一主義(顧客の意向・利益を最優先にした助言)、②守秘義務の遵守(相談内容・資産情報の厳格な管理)、③コンプライアンスの徹底(税理士法・弁護士法等に抵触しない範囲での助言)、④インフォームド・コンセント(提案内容・リスク等の丁寧な説明と顧客の理解・同意の獲得)、⑤士業等の専門家との適切な連携(税理士等の専門家による具申・税務申告支援)。
FPは具体的な税額計算の確定や税務申告書の作成等の税理士独占業務を行ってはならず、一般的な制度説明にとどめ、個別具体的な手続きは提携税理士と連携して行う必要があります。

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覚えるポイント

  • 2024年1月以降、居住用区分所有マンションは評価乖離率に基づく補正率(最低でも理論市場価格の60%まで補正)が適用される。
  • 特定居住用宅地等は330㎡まで80%減額、貸付事業用宅地等は200㎡まで50%減額となる。

間違えやすいところ

  • マンションの新しい評価は「一棟で持つ賃貸マンション」には適用されません。原則として「居住用の区分所有建物(タワーマンションの一室など)」に適用される点に注意します。
  • FPが個別の税額計算や遺言書の代理作成をすると、税理士法や弁護士法に違反します。

出題の前提:2023年度(2024年2月実施)FP1級実技試験(資産相談業務)の出題基準

出典:金融財政事情研究会『2024年2月 1級 実技(資産相談業務・2月10日 PartI PartII・PartI)』
公式問題 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)

2024年2月 1級 実技(資産相談業務・2月10日 PartI PartII・PartI)

参照した公式資料

金融財政事情研究会が公開した2024年2月 1級 実技(資産相談業務・2月10日 PartI PartII・PartI)の問題・解答資料です。

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