日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2023年1月 1級 学科(基礎編)の概要
各種係数を用いた積立額の計算
ライフプランニングと資金計画 · 6つの係数 / インフレと将来価値 / 減債基金係数
Aさん(55歳)は、毎年一定金額を積み立てて65歳時点で現在の価値で10,000千円を用意したいと考えている。今後10年間にわたり毎年2%ずつ物価が上昇すると仮定した場合、運用利回りが年5%(年1回複利積立)であるときの毎年の積立額として、係数表を用いて算出した最も適切なものはどれか。なお、現在の貯蓄額は0円とし、千円未満は切り捨て、手数料・税金等は考慮しないものとする。 〈年2%の各種係数(10年)〉 終価係数: 1.2190、現価係数: 0.8203、年金終価係数: 10.9497、減債基金係数: 0.0913、年金現価係数: 8.9826、資本回収係数: 0.1113 〈年5%の各種係数(10年)〉 終価係数: 1.6289、現価係数: 0.6139、年金終価係数: 12.5779、減債基金係数: 0.0795、年金現価係数: 7.7217、資本回収係数: 0.1295
解答・解説を表示
解答
2
解説
インフレ下における目標資金準備では、まず現在の価値をインフレ率に応じた終価係数で将来価値に換算し、その目標額を達成するために必要な毎年の積立額を運用利回りに応じた減債基金係数を用いて算定します。
解き方
- 年2%の終価係数を用いて、現在価値10,000千円が10年後にいくら必要になるか(将来価値)を計算する。
- 求めた将来価値に年5%の減債基金係数を乗じて毎年の積立額を算出し、千円未満を切り捨てる。
- 選択肢 1不正解
- 物価上昇を考慮せず、10,000千円に年5%の減債基金係数0.0795を乗じた795千円となっており誤りです。
- 選択肢 2正解
- 10,000千円×1.2190×0.0795=969.105千円となり、千円未満切り捨てで969千円となるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 将来価値である12,190千円を積立期間10年で単純に等分した額であり、複利運用の効果が考慮されていないため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 将来目標額に資本回収係数を乗じるなど誤った係数を適用した計算結果であるため不適切です。
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覚えるポイント
- インフレ後の目標額は終価係数、目標額から毎年の積立額を求めるのは減債基金係数を用います。
間違えやすいところ
- 将来の必要額をインフレ率で割り引いて現価係数を使ってしまわないよう注意が必要です。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
労働者災害補償保険の適用範囲および給付
ライフプランニングと資金計画 · 労災保険 / 通勤災害 / 業務災害 / 複数事業労働者
労働者災害補償保険に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
通勤途中の逸脱・中断は原則としてそれ以後の移動が通勤とはみなされなくなりますが、日用品の購入や通院など日常生活上やむを得ない最小限度の行為については、通常の通勤経路に復帰した以降の災害は通勤災害として保護されます。
解き方
- 通勤災害における逸脱・中断の例外規定(日常生活上必要な行為かつ最小限度)を確認する。
- 出張中の災害、派遣労働者の適用関係、複数就業者への給付基礎日額の合算ルールの各規定と照らし合わせる。
- 選択肢 1正解
- 日用品の購入など日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により最小限度行った場合、通勤経路復帰後の事故は通勤災害に該当します。
- 選択肢 2不正解
- 出張先から帰宅するまでの全般について事業主の支配管理下にあるため、特段の私的行為等がない限り通勤災害ではなく業務災害に該当します。
- 選択肢 3不正解
- 派遣労働者についての労災保険は派遣元事業主の事業について成立するため、請求書には派遣元事業主の証明を受ける必要があります。
- 選択肢 4不正解
- 複数事業労働者の休業補償給付等の給付基礎日額は、原則として災害が発生した就業先だけでなくすべての就業先の賃金額を合算して算定されます。
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覚えるポイント
- 出張中の事故は原則として「業務災害」であり「通勤災害」ではありません。
間違えやすいところ
- 複数事業労働者の労災給付基礎日額は法改正により複数社の賃金が合算される点を見落としやすいです。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
雇用保険の基本手当および高年齢求職者給付金
ライフプランニングと資金計画 · 雇用保険 / 基本手当 / 所定給付日数 / 高年齢求職者給付金
雇用保険の基本手当および高年齢求職者給付金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、受給資格者は就職困難者に該当せず、所定の手続はなされているものとする。
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解答
3
解説
雇用保険の基本手当の所定給付日数は、離職理由(一般受給資格者、特定受給資格者・特定理由離職者など)、受給資格者の年齢、および被保険者であった算定基礎期間に応じて細かく規定されています。
解き方
- 各離職者の離職理由が「一般離職者」か「特定受給資格者」かを分類する。
- 年齢区分および算定基礎期間に該当する法定の所定給付日数と各選択肢の日数を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 自己都合退職(一般離職者)で算定基礎期間5年以上10年未満の場合、年齢に関わらず所定給付日数は90日となるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 恒常的な早期退職優遇制度に応募した退職は一般離職者となり、算定基礎期間20年以上の場合の所定給付日数は150日です(330日は特定受給資格者の日数)。
- 選択肢 3正解
- 人員整理に伴う退職勧奨は特定受給資格者に該当し、55歳かつ被保険者期間18年(10年以上20年未満)の所定給付日数は270日であるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 65歳以上で離職した高年齢被保険者の高年齢求職者給付金は、算定基礎期間が1年以上ある場合は基本手当日額の50日分(1年未満は30日分)となります。
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覚えるポイント
- 特定受給資格者(45歳以上60歳未満)の所定給付日数は、10年以上20年未満で270日、20年以上で330日です。
間違えやすいところ
- 定年退職や自己都合退職、恒常的早期退職制度による退職は「一般離職者」として判定される点に注意が必要です。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
短時間労働者に対する厚生年金保険・健康保険の適用要件
ライフプランニングと資金計画 · 短時間労働者 / 社会保険の適用拡大 / 特定適用事業所
特定適用事業所に勤務し通常の労働者の4分の3未満の労働時間・日数である以下の短時間労働者のうち、厚生年金保険および健康保険の被保険者となる者として最も適切なものはどれか。なお、いずれも学生ではなく、賞与・残業代・通勤手当等は含まず、雇用期間の更新はないものとする。 ・Aさん(25歳):週所定労働時間25時間、賃金月額15万円、雇用期間1カ月 ・Bさん(33歳):週所定労働時間20時間、賃金月額12万円、雇用期間6カ月 ・Cさん(42歳):週所定労働時間18時間、賃金月額10万円、雇用期間1年
解答・解説を表示
解答
2
解説
特定適用事業所に勤務する短時間労働者(4分の3未満労働者)は、週所定労働時間20時間以上、月額賃金8.8万円以上、継続して2カ月を超えて使用される見込み(2022年10月改正)、学生でないことの4要件をすべて満たした場合に社会保険が強制適用されます。
解き方
- 特定適用事業所における短時間労働者の適用基準(週20時間以上、月額8.8万円以上、2カ月超雇用見込み、非学生)を確認する。
- A(期間1カ月で不可)、B(全要件充足で適用)、C(週18時間で不可)の各条件を個別に検証する。
- 選択肢 1不正解
- Aさんは週労働時間・賃金要件を満たしますが、雇用期間が1カ月で更新もないため「2カ月を超える使用見込み」を満たさず被保険者になりません。
- 選択肢 2正解
- Bさんは週20時間以上、月額8.8万円以上、雇用期間6カ月(2カ月超)、学生以外というすべての要件を満たすため、被保険者となります。
- 選択肢 3不正解
- Cさんは週所定労働時間が18時間であり、「週20時間以上」の要件を満たさないため被保険者になりません。
- 選択肢 4不正解
- Bさんが適用要件をすべて満たして被保険者となるため、「いずれも被保険者とならない」とする記述は誤りです。
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覚えるポイント
- 短時間労働者の雇用期間要件は2022年10月改正により「1年以上」から「2カ月超」に緩和されました。
間違えやすいところ
- 賃金要件(月額8.8万円以上)には、割増賃金、通勤手当、賞与等は含まれない点に注意が必要です。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
障害基礎年金および障害厚生年金の仕組み
ライフプランニングと資金計画 · 障害基礎年金 / 障害厚生年金 / 事後重症 / 加給年金 / 所得制限
障害基礎年金および障害厚生年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
障害基礎年金・障害厚生年金の事後重症請求は、障害認定日に障害等級に該当しなかった傷病が悪化した場合に認められますが、請求は原則として65歳に達する日の前日までに行う必要があります。
解き方
- 事後重症請求の請求可能期限(65歳の前日まで)の規定を確認する。
- 20歳前障害基礎年金の所得制限、1級年金額・子の加算額、障害厚生年金の配偶者加給年金の発生月ルールを順次検討する。
- 選択肢 1不正解
- 20歳前傷病による障害基礎年金は保険料拠出を伴わないため、本人所得が限度額を超えると年金額の全部または2分の1(加算額除く)が支給停止されます。
- 選択肢 2不正解
- 障害等級1級の障害基礎年金額は本体(777,800円×1.25)に子の加算額(1人目223,800円)を加えた金額となるため適切です。
- 選択肢 3正解
- 事後重症による支給請求は65歳に達する日の前日までに行う必要があるため、67歳の時点で請求することはできません。
- 選択肢 4不正解
- 障害厚生年金(1級・2級)受給後に生計を維持する65歳未満の配偶者を得た場合、その事実が発生した日の属する月の翌月分から加給年金額が加算されます。
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覚えるポイント
- 事後重症による障害年金の請求期限は「65歳に達する日の前日まで」です。
間違えやすいところ
- 加給年金は老齢厚生年金だけでなく、障害等級1級・2級の障害厚生年金にも配偶者加給が支給される点に留意しましょう。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
確定拠出年金の個人型年金(iDeCo)の制度概要
ライフプランニングと資金計画 · iDeCo / 確定拠出年金 / 任意加入被保険者 / 中小事業主掛金納付制度
確定拠出年金の個人型年金(iDeCo)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
iDeCo(個人型確定拠出年金)は2022年5月の制度改正により加入要件が拡大され、国民年金の第1号〜第3号被保険者に加え、日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の任意加入被保険者や、海外居住の20歳以上65歳未満の国民年金任意加入被保険者も加入可能となりました。
解き方
- 2022年5月施行の確定拠出年金法改正における任意加入被保険者の加入要件を確認する。
- 公務員の拠出限度額(月額1.2万円/年額14.4万円)、最低掛金額(月額5,000円・1,000円単位)、iDeCo+の適用要件(300人以下)を順次確認する。
- 選択肢 1不正解
- 公務員(第2号被保険者)のiDeCoの掛金拠出限度額は月額1万2,000円(年額14万4,000円)であるため適切です。
- 選択肢 2正解
- 2022年5月改正により、海外に居住している20歳以上65歳未満の国民年金任意加入被保険者もiDeCoに加入できるようになりました。
- 選択肢 3不正解
- 掛金額は月額5,000円以上、1,000円単位で設定し、月数に応じた下限額が定められているため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 企業年金を実施していない従業員300人以下の中小事業主は、労使合意に基づきiDeCo+(中小事業主掛金納付制度)を実施できます。
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覚えるポイント
- 国民年金の任意加入被保険者であれば、国内居住者だけでなく海外居住者もiDeCoに加入可能です。
間違えやすいところ
- iDeCo+(中小事業主掛金納付制度)が利用できる企業の従業員規模要件(300人以下)を誤認しないようにしましょう。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金等に係る課税関係および源泉徴収
ライフプランニングと資金計画 · 公的年金等控除 / 源泉徴収 / 公的年金等の確定申告不要制度 / 特別徴収
公的年金の課税関係に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、公的年金等に非課税となるものは含まれないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
公的年金等から所得税等が源泉徴収される基準は、受給者が65歳未満の場合は年間受給額108万円超、65歳以上の場合は年間受給額158万円超となっています。これを超える場合は支払の際に所得税および復興特別所得税が源泉徴収されます。
解き方
- 65歳以上の公的年金等の源泉徴収対象判定基準(年額158万円超)を確認する。
- 年金収入180万円が158万円を超えているため、源泉徴収されるべきであることを判定する。
- 選択肢 1正解
- 65歳以上の公的年金等は年額158万円を超えると源泉徴収の対象となるため、180万円受給する場合は源泉徴収されます。
- 選択肢 2不正解
- 扶養親族等申告書の提出ができない確定給付企業年金等からは、一律10.21%(所得税7.5%×102.1%=7.6575%等ではなく、企業年金等規程により10.21%)の源泉徴収が行われます。
- 選択肢 3不正解
- 公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ他の所得が20万円以下である場合は確定申告不要制度が適用されます。
- 選択肢 4不正解
- 介護保険料や国民健康保険料等が特別徴収(年金天引き)されている場合、その保険料を控除した残額を支払金額とみなして源泉徴収税額が計算されます。
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覚えるポイント
- 公的年金等の源泉徴収基準額は、65歳未満=108万円、65歳以上=158万円です。
間違えやすいところ
- 公的年金等の確定申告不要制度の基準(年金収入400万円以下・その他所得20万円以下)と源泉徴収の基準額(158万円/108万円)を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
日本政策金融公庫の教育一般貸付および高等教育の修学支援新制度
ライフプランニングと資金計画 · 国の教育ローン / 教育一般貸付 / 修学支援新制度 / 貸付対象校
日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
国の教育ローン(教育一般貸付)は幅広い教育機会に対応しており、通常の高等学校や大学等だけでなく、修業年限が原則6カ月以上で教育水準が認められる各種学校(予備校やインターナショナルスクール等)や職業能力開発校も対象に含まれます。
解き方
- 教育一般貸付における対象教育機関の範囲(大学・高校等のほか各種学校・職業能力開発校等も対象)を確認する。
- 世帯年収制限の特例要件、対象となる資金使途の範囲、国の高等教育の修学支援新制度の仕組みをそれぞれ確認する。
- 選択肢 1不正解
- 子供1人の場合の年収上限は原則790万円ですが、コロナの影響等による緩和特例の適用時は上限が990万円まで引き上げられます。
- 選択肢 2正解
- 修業年限が6カ月以上など一定の要件を満たすインターナショナルスクール等の各種学校や職業能力開発校も対象となるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 受験費用、住居費、通学定期代のほか、在学中に支払う学生本人の国民年金保険料も資金使途として幅広く認められています。
- 選択肢 4不正解
- 高等教育の修学支援新制度は日本学生支援機構の給付型奨学金と大学等による授業料等減免の2本立てで、非課税世帯等に対応しています。
覚えるポイント
- 国の教育ローンでは、学生本人の国民年金保険料や各種学校・予備校の費用も融資対象となります。
間違えやすいところ
- 学校教育法第1条の学校(一条校)に限定されず、専修学校や各種学校等も広く対象に含まれる点に留意が必要です。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
保険法における諸規定
リスク管理 · 保険法 / 被保険者の同意 / 保険価額の減少 / 告知義務違反の解除
保険法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
保険法は保険契約者や被保険者の利益保護を図る法律であり、契約締結後の事情変更に伴う減額請求は将来に向かって効力を生じることや、モラルリスク防止のための同意要件、告知義務違反の除斥期間などを明確に定めています。
解き方
- 各選択肢の規定が保険法のどの条文(同意、超過保険・事情変更、目的物滅失、告知義務違反解除)に該当するかを照合する。
- 事情変更による保険金額・保険料減額請求の効力が遡及的か将来に向かってかを判断し、誤っている肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 保険法第38条および第44条に基づき、他人の死亡保険契約の締結や保険金受取人の変更には、被保険者の同意が必要とされています。
- 選択肢 2正解
- 保険法第9条に基づき、保険事故発生前に保険価額が著しく減少したときは将来に向かって保険金額および保険料の減額を請求できます。契約締結時に遡って減額請求できるとする点は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 保険法第13条に基づき、保険事故による損害が生じた後に目的物が別の事由で滅失した場合であっても、保険者はすでに発生した損害をてん補する義務を負います。
- 選択肢 4不正解
- 保険法第55条第4項等に基づき、告知義務違反による解除権は、保険者が解除原因を知った時から1カ月間行使しないとき、または契約締結時から5年を経過したときに消滅します。
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覚えるポイント
- 保険価額の著しい減少による減額請求は「将来に向かって」効力が生じる点(遡及しない)
間違えやすいところ
- 告知義務違反の解除権消滅期間である「知った時から1カ月」と「締結時から5年」の数字を取り違えないように注意する。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令(保険法第9条、第13条、第38条、第44条、第55条等)
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外貨建保険の商品性とリスク
リスク管理 · 外貨建保険 / 市場価格調整(MVA) / ドルコスト平均法 / 金融類似商品
外貨建保険に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
外貨建保険は為替相場や金利の変動による影響を受けます。市場価格調整(MVA)では、解約時の市場金利が契約時より上昇すると運用債券の時価下落に伴い解約返戻金が減額され、逆に市場金利が低下すると増額される仕組みとなっています。
解き方
- 一時払養老保険の5年以内解約の課税区分(金融類似商品)を確認する。
- 外貨定額払いと円貨定額払いによるドルコスト平均法の適用の違いを検討する。
- 円換算支払特約の機能(受取手段の変更であってリスク軽減ではない)を確認する。
- 市場金利上昇時のMVA(市場価格調整)による解約返戻金の増減メカニズムを照合する。
- 選択肢 1不正解
- 保険期間5年以下の一時払養老保険や5年以内に解約されたものは金融類似商品とみなされ、解約差益は20.315%の源泉分離課税の対象となります。
- 選択肢 2不正解
- ドルコスト平均法による効果を得るには「円建てで毎回一定金額」を払い込んで外貨を買い増す必要があり、「一定額の外貨」を払い込む方法では効果が期待できません。
- 選択肢 3不正解
- 円換算支払特約は外貨で確定した受取額を支払時の為替レートで円換算して受領する特約にすぎず、為替相場の変動リスク自体を低減・回避する効果はありません。
- 選択肢 4正解
- MVAは運用資産である債券価格を反映させるため、解約時の市場金利が契約時より上昇していると債券価格の下落により解約返戻金額が減少します。
覚えるポイント
- MVAは市場金利上昇で解約返戻金が減少し、市場金利低下で増加する関係
間違えやすいところ
- ドルコスト平均法は「円貨定額」の投資で発揮されるものであり、「外貨定額」の払込では為替リスク軽減効果が得られない点に注意する。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令・金融取引ルール
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人年金保険に係る税務
リスク管理 · 個人年金保険 / 保証期間付終身年金 / 一括受取の課税 / 個人年金保険料控除
個人年金保険に係る税金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
個人年金保険において契約者と年金受取人が同一人の場合、年金受取は雑所得となります。保証期間付終身年金の年金支払開始時に保証期間分の年金を一括受領した場合も、年金の支払に代えて交付される給付金として雑所得(総合課税)として取り扱われます。
解き方
- 個人年金保険の年金受取時の源泉徴収税率(10.21%)を確認する。
- 年金支払開始時の一括受領金の所得区分(保証期間分の前払等は雑所得)を判断する。
- 自動振替貸付により充当された保険料の生命保険料控除の適格性を判定する。
- 税制適格特約が付加された年金保険における減額返戻金の扱い(払戻不可)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 年金受取時の雑所得金額(年金額-必要経費)が25万円以上である場合、源泉徴収税率は10.21%(所得税10%+復興特別所得税0.21%)です。
- 選択肢 2正解
- 保証期間付終身年金の保証期間分の年金を年金支払開始時に一括して受け取る場合、その一時金は一時所得ではなく雑所得として総合課税の対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 自動振替貸付によって保険料の払込みに充当された金額も、契約者が保険料を払い込んだものとして個人年金保険料控除の対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 税制適格特約が付加された個人年金保険では、減額等による返戻金を現金で払い戻すことはできず、増額年金の買増し等に充当しなければなりません。
覚えるポイント
- 年金支払開始時に保証期間分を一括受取した金額は「雑所得」(一時所得ではない)
間違えやすいところ
- 年金受取時の源泉徴収税率は20.315%ではなく「10.21%」である点に注意する。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の所得税法・基本通達
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人が加入する定期保険の変更(払済保険への変更)時の経理処理
リスク管理 · 法人契約の生命保険 / 長期平準定期保険 / 払済保険への変更 / 資産計上と雑収入
X株式会社の社長であるAさん(50歳加入、保険期間95歳満了、最高解約返戻率81.0%、年払保険料300万円)の無配当定期保険について、2023年12月(65歳時、払込保険料累計4,500万円、解約返戻金3,600万円)に払済終身保険へ変更した場合の経理処理として、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
2019年7月7日以前に締結した最高解約返戻率70%超85%以下の定期保険は、保険期間の前半6割期間において支払保険料の2分の1を資産(前払保険料)計上します。払済保険へ変更した際は、変更時の解約返戻金相当額を「保険料積立金」とし、既往の資産計上額を取り崩し、その差額を雑収入(または雑損失)として計上します。
解き方
- 加入時の契約条件(2009年締結、保険期間45年、最高返戻率81.0%)から税務上の取扱区分を確認する(いわゆる旧通達の長期平準定期保険等に該当し、前半6割期間は1/2資産計上・1/2損金算入)。
- 保険料払込期間15年間は全期間が前半6割期間(45年×0.6=27年以内)に含まれるため、資産計上累計額(前払保険料)は4,500万円 × 1/2 = 2,250万円となる。
- 払済保険への変更時の解約返戻金額3,600万円を「保険料積立金」(借方)に計上する。
- 既往の前払保険料2,250万円を貸方に振り替えて消去し、差額の1,350万円(3,600万円 - 2,250万円)を「雑収入」(貸方)として計上する仕訳を導く。
- 選択肢 1不正解
- これまで資産計上してきた前払保険料2,250万円の取崩しが行われておらず不適切です。
- 選択肢 2正解
- 解約返戻金3,600万円を保険料積立金とし、既往の前払保険料2,250万円を取り崩し、差額1,350万円を雑収入に計上する処理が適切です。
- 選択肢 3不正解
- 前払保険料の計上割合を60%(2,700万円)とする計算は本契約(旧通達の長期平準定期保険:1/2資産計上)に適合せず不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 前払保険料の金額を解約返戻金と同額にする処理は、過去の資産計上累計額を反映しておらず不適切です。
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覚えるポイント
- 払済保険変更時は「解約返戻金額を新たな資産(保険料積立金)」とし「旧資産を取り崩して差額を損益処理」する
間違えやすいところ
- 2019年改正前契約(2009年契約)の長期平準定期保険等の資産計上割合(1/2資産計上)と現行ルールの区分を混同しないようにする。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法人税基本通達(改正前経過措置を含む)
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
火災保険の商品性と補償内容
リスク管理 · 火災保険 / 構造区分 / 家財の範囲 / 地震火災費用特約
住宅建物および家財を対象とする火災保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
火災保険では耐火性能に応じてM構造・T構造・H構造に区分され、非耐火のH構造の保険料率が最も高くなります。また、地震火災費用特約は地震等を原因とする火災で建物や家財が一定以上の損害(半焼・半壊以上など)を受けたときに定額・定率の費用保険金(保険金額の5%、上限300万円等)を支払うものです。
解き方
- 火災保険の建物構造区分(M構造・T構造・H構造)と保険料率の高低関係を確認する。
- 家財に含まれる動産(敷地内の自転車や125cc以下の原付)の該当性を判定する。
- 消火活動に伴う放水による水濡れ損害が火災による損害に含まれるかを確認する。
- 地震火災費用特約の支払要件と給付割合(半焼以上で5%・上限300万円等)を確認し、誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- M構造(マンション等)、T構造(耐火建築物等)、H構造(非耐火等)に区分され、同一地域であれば耐火性能の最も低いH構造の保険料率が最も高くなります。
- 選択肢 2不正解
- 敷地内に収容されている自転車や総排気量125cc以下の原動機付自転車は、家財を対象とする火災保険の補償対象に含まれます。
- 選択肢 3不正解
- 近隣の火災に対する消火活動で生じた水濡れ損害は、消火に不可避な付随的損害として火災保険の補償対象となります。
- 選択肢 4正解
- 地震火災費用特約は、地震等による火災で半焼以上となった場合に保険金額の5%(1事故300万円限度)が支払われるのが一般的であり、全焼時に10%(600万円限度)支払われる規定はありません。
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覚えるポイント
- 敷地内にある125cc以下の原付や自転車は家財に含まれる
間違えやすいところ
- 地震火災費用特約の給付割合は半焼以上で5%(限度額300万円)であり、全焼で10%に倍増する制度ではない。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の標準的な損害保険普通保険約款および特約条項
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
任意の自動車保険の商品性と補償内容
リスク管理 · 自動車保険 / 対人賠償保険 / 被保険者の範囲と免責 / ノンフリート等級別料率制度
個人が契約する任意の自動車保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
対人賠償責任保険は他人に対する法律上の損害賠償責任を補償するものであり、被保険者の配偶者・父母・子などの親族に対する損害は免責となります。これら家族の死傷損害は人身傷害補償保険や搭乗者傷害保険によってカバーされます。
解き方
- テレマティクス保険の定義と特徴を確認する。
- 対人賠償保険の免責対象者(配偶者、父母、子等の親族)を確認する。
- ノンフリート等級別料率制度における3等級ダウン事故と1等級ダウン事故の事由を確認する。
- 中断証明書による等級引継ぎの有効期間(解約日等の翌日から10年以内)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- テレマティクス保険は、通信技術を用いて運転特性や走行距離等のデータを取得・分析し、保険料に反映させる保険です。
- 選択肢 2正解
- 対人賠償保険では、記名被保険者の配偶者、父母、子に対する損害賠償責任は補償の対象外(免責)です。同乗配偶者のケガは人身傷害保険等で補償されます。
- 選択肢 3不正解
- 対人・対物賠償事故は3等級ダウン事故、盗難・台風・落書き等による車両事故は1等級ダウン事故として取り扱われます。
- 選択肢 4不正解
- 自動車の廃車や譲渡等に伴い中断証明書を取得した場合、解約日(中断日)から10年以内であれば新規契約時に前契約の等級を引き継ぐことができます。
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覚えるポイント
- 対人賠償保険では「配偶者・父母・子」に対する損害は免責(補償対象外)
間違えやすいところ
- 人身傷害保険(親族も対象)と対人賠償責任保険(親族は免責)の補償範囲を混同しないようにする。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の標準的な自動車保険約款
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
保険金で取得した固定資産等の圧縮記帳限度額の計算
タックスプランニング · 法人税 / 保険差益の圧縮記帳 / 圧縮限度額の計算 / 損害賠償金・諸費用
X社の工場建物の滅失に伴い受け取った保険金等に基づき、保険金で取得した固定資産の圧縮記帳をする場合の圧縮限度額として、最も適切なものはどれか。 〈資料〉 ・滅失した工場建物の帳簿価額:4,000万円 ・支出した経費:焼跡整理費200万円、類焼者への賠償金375万円 ・受取保険金:火災保険金6,200万円、企業費用・利益総合保険金1,500万円 ・新築代替建物の取得価額:4,500万円
解答・解説を表示
解答
3
解説
法人税法第47条等における保険金等で取得した固定資産等の圧縮限度額は、差引保険金額(受取保険金-滅失等に要した経費)から滅失資産の帳簿価額を控除した「保険差益金」に、差引保険金額に対する代替資産取得価額の割合を乗じて計算します。利益補填保険金や類焼者への賠償金は圧縮記帳の対象外です。
解き方
- 対象となる保険金(火災保険金6,200万円のみ。費用・利益保険の1,500万円は除外)および滅失経費(焼跡整理費200万円のみ。類焼者賠償金375万円は除外)を特定する。
- 差引保険金額を計算する:6,200万円 - 200万円 = 6,000万円。
- 保険差益金を計算する:6,000万円 - 帳簿価額4,000万円 = 2,000万円。
- 圧縮限度額を計算する:代替資産取得価額(4,500万円)が差引保険金額(6,000万円)未満であるため、2,000万円 × (4,500万円 / 6,000万円) = 1,500万円。
- 選択肢 1不正解
- 計算手順および対象項目の算入が正しくありません。
- 選択肢 2不正解
- 類焼者賠償金等を誤って控除した場合などに導かれる誤った数値です。
- 選択肢 3正解
- 差引保険金額6,000万円、保険差益金2,000万円に対して取得割合(4,500万円/6,000万円=75%)を乗じた1,500万円が正しい圧縮限度額です。
- 選択肢 4不正解
- 利益保険金等を含めたり全額充当と誤認した場合の計算値であり不適切です。
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覚えるポイント
- 圧縮限度額 = 保険差益金 × (代替資産取得価額 / 差引保険金額)
間違えやすいところ
- 企業費用・利益総合保険等の利益補填金や、類焼者への賠償金は固定資産の圧縮記帳の計算に含めない。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法人税法第47条、法人税法施行令第85条
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
金投資の特徴と取引市場・税制
金融資産運用 · 金投資 / 金先物取引 / 金ETF / 譲渡所得
金投資に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
金への投資方法には現物売買、金ETF、金先物取引などがあります。2020年7月に東京商品取引所の貴金属等の商品先物取引が大阪取引所に移管・統合されたため、現在金先物取引は大阪取引所において行われています。
解き方
- 金ETFの取引形態(株式同様の売買・信用取引、一部銘柄の現物転換)を確認する。
- 日本の金先物取引を取り扱う取引所(大阪取引所への移管)を確認する。
- 国内小売価格の算出方法(1トロイオンス当たりドル価格の円換算+諸費用・消費税)を確認する。
- 個人の金地金等の譲渡所得の課税関係(総合課税、損失の通算制限)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 金ETFは上場株式と同様に指値・成行注文や信用取引が可能であり、現物国内保管型などの一部商品は一定口数以上で現物地金と交換できます。
- 選択肢 2正解
- 金先物取引は、2020年7月の総合取引所化に伴い東京商品取引所から「大阪取引所(OSE)」に移管されて取引が行われています。
- 選択肢 3不正解
- 金の国内小売価格は、1トロイオンス(約31.1035g)の国際ドル価格を為替レートで1g当たりの円価格に換算し、諸経費・消費税を上乗せして公表されます。
- 選択肢 4不正解
- 個人が金地金を譲渡した所得は総合課税の譲渡所得となりますが、生活に通常必要でない資産に該当するため譲渡損失は他の給与所得等と損益通算できません。
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覚えるポイント
- 金先物取引の取引所は「大阪取引所」(東京商品取引所から移管)
間違えやすいところ
- 金地金の譲渡損失は生活に通常必要でない資産の損失として他の所得と損益通算できない点に注意する。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令および取引所規則
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託のディスクロージャー
金融資産運用 · 投資信託 / 交付目論見書 / 交付運用報告書
投資信託のディスクロージャー(目論見書および運用報告書)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
投資信託のディスクロージャー制度では、投資家が適切に判断できるよう目論見書や運用報告書の開示が義務付けられていますが、信託期間中の決算頻度等に応じて交付実務の合理化が図られています。
解き方
- 投資信託の開示書類(交付目論見書、交付運用報告書、運用報告書全体版)の規定を確認する。
- 交付運用報告書において、毎月決算型などの短期決算ファンドは6カ月ごとに作成・交付される例外規定があることを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 交付目論見書には、購入時手数料や運用管理費用(信託報酬)の上限・料率だけでなく、その対価となる役務の内容をわかりやすく記載することが義務づけられています。
- 選択肢 2正解
- 決算期間が6カ月未満のファンド(毎月決算型等)については、毎決算期ではなく6カ月に1回(年2回)作成し交付すれば足りるため、決算期ごとに必ず交付しなければならないとする本肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 交付運用報告書には、運用の経過や今後の運用方針のほか、投資信託の騰落率と代表的な資産クラス(日本株、先進国株、日本国債等)の騰落率との比較グラフ等の掲載が義務づけられています。
- 選択肢 4不正解
- 運用報告書(全体版)はウェブサイトへの掲載等の電磁的方法により提供できますが、受益者(投資者)から書面での交付請求があった場合には書面で交付しなければなりません。
覚えるポイント
- 毎月決算型ファンド等の交付運用報告書は6カ月に1回まとめて作成・交付される。
間違えやすいところ
- 「決算期ごと」という記述を盲信せず、計算期間が短い投資信託の例外規定を思い出す。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
定率配当割引モデルによる株価と配当の計算
金融資産運用 · 配当割引モデル / ゴードン・モデル / 株式評価
株価が1,000円、期待成長率が3.8%、期待利子率(割引率)が5.0%の場合、定率で配当が成長して支払われる配当割引モデルにより計算した当該株式の予想配当として、最も適切なものはどれか。なお、予想配当に端数が生じる場合は円未満を四捨五入すること。
解答・解説を表示
解答
1
解説
定率成長配当割引モデル(ゴードン・モデル)では、株価は1期先の予想配当を「期待収益率(割引率)- 配当成長率」で割った値と等しくなります。
解き方
- 株価 P = 1,000円、割引率 r = 5.0%(0.050)、配当成長率 g = 3.8%(0.038)を整理する。
- 予想配当 D1 = P × (r - g) より、1,000 × (0.050 - 0.038) = 1,000 × 0.012 = 12円 を算出する。
- 選択肢 1正解
- D1 = 1,000円 × (5.0% - 3.8%) = 1,000円 × 1.2% = 12円 となり、正しい計算結果です。
- 選択肢 2不正解
- 計算式が誤っています。1,000円 × (5.0% - 3.8%) = 12円 であり48円ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 計算式が誤っています。期待利子率と成長率の差(1.2%)を乗じる必要があります。
- 選択肢 4不正解
- 割引率と成長率を加算(5.0%+3.8%=8.8%)して1,000円に乗じる誤った計算結果です。
覚えるポイント
- 定率成長配当割引モデル:P = D1 / (r - g)(D1は1期先の予想配当)。
間違えやすいところ
- 公式の分母 (r - g) を (r + g) と加算して計算してしまう間違いに注意する。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外貨建商品等の取引ルールと商品性
金融資産運用 · 外貨建商品 / FX取引 / 外貨MMF / 外国株式
外貨建商品等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
外貨建商品や外国株式取引は、国内取引とは異なる取引形態・コスト・リスク管理ルールが規定されています。
解き方
- 各外貨建商品の制度と取引ルール(ロスカット、ペナルティ、注文方式、信用取引区分)を検討する。
- 外国株式の委託取引における指値注文の可否を確認し、正しい肢を選択する。
- 選択肢 1不正解
- ロスカットルールがあっても、相場が急変した場合にはロスカット基準を大きく乖離して約定することがあり、預託した証拠金以上の損失が発生することがあります。
- 選択肢 2不正解
- 外貨建MMFは、購入時手数料や解約手数料が無料であり、原則として信託財産留保額も設定されていません(ペナルティなしで解約可能)。
- 選択肢 3正解
- 海外委託取引は現地の証券取引所に取り次いで売買を行う取引で、成行注文や指値注文が可能です。
- 選択肢 4不正解
- 日本の証券会社が取り扱う米国株式信用取引は、顧客と証券会社の間で条件を定める「一般信用取引」として行われており、取引所が返済期限等を統一して定める「制度信用取引」ではありません。
覚えるポイント
- FX取引のロスカットルールでも相場急変時は証拠金を超える損失が生じる可能性がある。
- 外貨建MMFは信託財産留保額がかからない。
間違えやすいところ
- 米国株の信用取引が国内の制度信用取引と同様の統一ルールで運営されていると誤解しない。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
時間加重収益率の計算
金融資産運用 · パフォーマンス評価 / 時間加重収益率 / 厳密法
時価総額が100万円のポートフォリオの運用を開始し、第1期末に時価総額が120万円となったため20万円を引き出し、第2期は100万円で運用を行った結果、第2期末に時価総額が80万円となった。この場合、当該ポートフォリオの第2期末までの時間加重収益率(厳密法による年率換算)として、最も適切なものはどれか。なお、計算結果は表示単位の小数点以下第2位を四捨五入すること。 [当初] 時価総額: 100万円, 資金引出額: - [第1期末] 時価総額: 120万円, 資金引出額: 20万円 [第2期末] 時価総額: 80万円, 資金引出額: -
解答・解説を表示
解答
3
解説
時間加重収益率は外部キャッシュフロー(資金流出入)の影響を排除して運用能力を測定する指標であり、各サブ期間の収益率をリンク(複利計算)して求めます。年率換算は各期の幾何平均で行います。
解き方
- 第1期の収益率を計算:(120 - 100) / 100 = 0.20(+20%)。
- 第2期の収益率を計算:引出後元本100万円から80万円となったため、(80 - 100) / 100 = -0.20(-20%)。
- 2期間の累積収益率を計算:(1 + 0.20) × (1 - 0.20) = 0.96(-4.0%)。
- 2年間の幾何平均(年率換算)を計算:√0.96 - 1 ≒ 0.9798 - 1 = -0.0202... → 小数点以下第2位を四捨五入して -2.0%。
- 選択肢 1不正解
- -20.0%は第2期単独の収益率であり、全期間の年率換算値ではありません。
- 選択肢 2不正解
- -4.0%は2年間の累積時間加重収益率(0.96-1)であり、年率換算(幾何平均)を行っていません。
- 選択肢 3正解
- 累積収益率0.96の平方根は 0.9798 であり、年率換算すると 0.9798 - 1 = -0.0202... となり、四捨五入して-2.0%となります。
- 選択肢 4不正解
- (+20% - 20%) / 2 = 0% とする単純算術平均の計算は時間加重収益率の年率換算として不適切です。
覚えるポイント
- 時間加重収益率の年率換算は各期の運用成果の幾何平均((1+R全)^(1/n) - 1)で求める。
間違えやすいところ
- 累積収益率(-4.0%)のまま解答することや、算術平均(0.0%)にしてしまうこと。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
デリバティブを活用したリスクヘッジ
金融資産運用 · デリバティブ / リスクヘッジ / 先物取引 / 通貨スワップ
デリバティブを活用したリスクヘッジに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
リスクヘッジでは、現物ポジションと逆の損益が発生するデリバティブ契約を組成・締結することで、将来の市場変動リスクを相殺・固定化します。
解き方
- 各取引の現物リスク(下落、上昇、円安等)の方向性を確認する。
- ヘッジ手段としてのデリバティブ取引(売建て/買建て、金利や通貨の受払関係)の整合性を検証する。
- 選択肢 1不正解
- 外貨建債券を発行している企業は、将来償還のために外貨を購入して返済する必要があるため、円安による負担増をヘッジするには「円売り/外貨買い」の為替予約を行う必要があります。
- 選択肢 2不正解
- 株式の下落リスクをヘッジするためには、株価下落によって利益が得られる「TOPIX先物の売建て(ショート)」を行う必要があります。
- 選択肢 3不正解
- 金利上昇時は債券価格が下落するため、保有国債の価格下落をヘッジするためには「長期国債先物の売建て(ショート)」を行う必要があります。
- 選択肢 4正解
- 米ドル支払債務を抱える輸入業者は、外貨受取り・円支払のクーポン・スワップを締結することで受取外貨を支払に充当し、支払額を確定した円に固定化できるため適切なヘッジ取引です。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 現物の下落・金利上昇・外貨調達コスト増には、それぞれ「先物売建て」や「外貨受取り/円支払」がヘッジとなる。
間違えやすいところ
- 外貨建債務の返済に備える取引(外貨買い)と外貨建債権の回収に備える取引(外貨売り)を取り違えやすい。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
特定口座の取扱いと申告不要制度
金融資産運用 · 特定口座 / 源泉徴収選択口座 / 配当所得 / 合計所得金額
特定口座に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問における簡易申告口座とは、特定口座のうち源泉徴収がされない口座(源泉徴収なし口座)をいう。
解答・解説を表示
解答
2
解説
源泉徴収選択口座内の上場株式等譲渡益および配当等は、口座ごとに確定申告不要制度を選択できるほか、同一口座内であっても譲渡所得等と配当所得等で別々に申告の有無を選択できます。
解き方
- 特定口座(源泉徴収あり・なし)における申告不要の選択単位を確認する。
- 同一口座内の「譲渡益」と「配当等」を個別に申告できるかどうかを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 複数の源泉徴収選択口座がある場合、口座ごとに確定申告するか確定申告不要とするかを選択できます。
- 選択肢 2正解
- 同一の源泉徴収選択口座内であっても、上場株式等の「譲渡益」と「配当等」のいずれか一方のみを申告し、他方を申告不要とすることが認められているため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 源泉徴収選択口座内の所得は申告不要を選択すれば合計所得金額に含まれませんが、確定申告を行った場合は合計所得金額に算入されます。
- 選択肢 4不正解
- 源泉徴収なし口座(簡易申告口座)から源泉徴収あり口座への変更は、その年最初の譲渡等(売却や信用取引の差金決済等)の前であれば年の中途でも変更可能です。
覚えるポイント
- 同一の源泉徴収選択口座内でも「譲渡所得」と「配当所得」は別々に申告の要否を選べる。
間違えやすいところ
- 同一口座内なら譲渡損益と配当の損益通算が口座内で行われるため、申告も不可分であると誤解しやすい。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人情報保護法と金融分野ガイドライン
金融資産運用 · コンプライアンス / 個人情報保護法 / 金融分野ガイドライン / 仮名加工情報
個人情報の保護に関する法律に関する次の記述のうち、金融分野における個人情報保護に関するガイドライン等に照らし、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
金融機関等は機微な信用情報を扱うため、金融分野における個人情報保護に関するガイドラインにより、一般の個人情報取扱事業者よりも厳格な義務(明確な分離記載や同意取得等)が課されています。
解き方
- 金融分野ガイドラインにおける利用目的の特定・同意規定を確認する。
- 漏えい等の報告期限(速報と確報の日数)および加工情報の定義(匿名加工情報と仮名加工情報の違い)を精査する。
- 選択肢 1正解
- 金融分野ガイドライン第5条において、与信事業に際して個人情報を取得する場合、利用目的について本人の同意を得ることとし、契約書等において他の契約条項等と明確に分離して記載することとされています。
- 選択肢 2不正解
- あらかじめ利用目的を公表している場合には、取得後に改めて本人へ書面で通知する必要はありません。
- 選択肢 3不正解
- 個人データの漏えい等が発生したときは速報を行い、確報(確定事項の報告)は事態を知った日から原則30日以内(不正アクセス等のおそれがある場合は60日以内)に行うものとされており、20日以内ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 他の情報と照合しても特定の個人を識別できず復元もできないように加工したものは「匿名加工情報」の定義です。「仮名加工情報」は他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できないように加工したものです。
覚えるポイント
- 与信事業に際しての利用目的は他の条項と明確に分離して記載し同意を得る。
- 他の情報と照合しても識別できないものは「匿名加工情報」。
間違えやすいところ
- 「仮名加工情報」と「匿名加工情報」の定義の相違(照合による識別可能性の有無)を取り違えやすい。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
行動ファイナンスの概念とプロスペクト理論
金融資産運用 · 行動ファイナンス / プロスペクト理論 / アンカリング効果 / サンクコスト効果
行動ファイナンスに関する一般的な次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
行動ファイナンスは投資家の心理的バイアスや限定合理性を解明する理論であり、プロスペクト理論(損失回避性・参照点依存性等)、アンカリング効果、サンクコスト効果などの特徴的なバイアスが知られています。
解き方
- 行動ファイナンスの主要な心理バイアス(損失回避性、アンカリング、サンクコスト効果、参照点依存性)を比較する。
- 選択肢4がプロスペクト理論の「参照点(基準点)からの変化による価値評価」を正しく説明していることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- プロスペクト理論の価値関数は、損失回避性により損失領域のほうが利益領域よりも傾きが急であり、同額の利益の喜びよりも損失の痛みのほうが大きく感じられます。
- 選択肢 2不正解
- アンカリング効果では、最初に提示された数値が客観的に妥当な水準から大きく外れていても、その後の判断がその数値に引きずられて強く影響を受けます。
- 選択肢 3不正解
- サンクコスト(埋没費用)効果により、人間は過去にすでに支払って回収不能となった費用を無視できず、以後の意思決定に影響を受けてしまう傾向があります。
- 選択肢 4正解
- 投資家は富の絶対水準ではなく、特定の基準点(参照点)からの変化の大きさ(利益か損失か)によって価値(効用)を決定する傾向(参照点依存性)があります。
覚えるポイント
- プロスペクト理論:損失の傾きのほうが急(損失回避性)、基準点からの変化で効用を測る(参照点依存性)。
間違えやすいところ
- 損失領域と利益領域の価値関数の傾きの急さを逆にしてしまう誤りに注意する。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の納税義務者と課税所得の範囲
タックスプランニング · 納税義務者の区分 / 居住者と非永住者 / 課税所得の範囲
所得税法における納税義務者の区分および課税所得の範囲に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
所得税法では個人を「居住者」と「非居住者」に大別し、居住者のうち日本国籍を有しておらず、かつ過去10年以内に日本国内に住所・居所を有していた期間が合計5年以下の者を「非永住者」と定義しています。
解き方
- 所得税法における「居住者」の要件(国内に住所を有するか、引き続いて1年以上居所を有すること)を確認します。
- 非永住者の判定要件(日本国籍を有しないこと、過去10年以内の住所・居所の合計が5年以下であること)および課税範囲を検証します。
- 年の途中で区分が異動した場合の期間ごとの課税方式を確認し、各選択肢の正誤を判定します。
- 選択肢 1正解
- 国内に住所を有するか、または現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人は、国籍にかかわらず所得税法上の「居住者」となります。
- 選択肢 2不正解
- 非永住者は「日本の国籍を有しておらず」、かつ過去10年以内に住所・居所を有していた期間の合計が5年以下の個人を指すため、日本国籍を有する者は非永住者には該当しません。
- 選択肢 3不正解
- 非永住者は、国外源泉所得であっても日本国内で支払われたもの、または国外から日本国内に送金されたものは課税対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 年の途中で非居住者が居住者となった場合、非居住者であった期間に生じた国内源泉所得と、居住者となった後に生じたすべての所得とに区分して課税されます。
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覚えるポイント
- 非永住者の要件は「外国籍」かつ「過去10年中5年以下居住」である点。
間違えやすいところ
- 日本国籍を有する者が過去の国内滞在歴が短くても非永住者になれると誤解しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の所得税法
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人事業主の事業所得における収入金額と必要経費
タックスプランニング · 一括償却資産の譲渡 / 生計一親族間の対価 / 交際費等の必要経費 / 青色事業専従者給与
居住者である個人事業主に係る所得税の収入金額と必要経費に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
個人事業主の事業所得の必要経費は売上原価その他業務遂行上直接必要な費用が算入されます。法人税と異なり交際費等の損金不算入規定は適用されず、生計一親族間の賃料支払い等は否認される一方で親族が負担した実費(固定資産税等)は必要経費に算入可能です。
解き方
- 業務用減価償却資産の譲渡所得性と一括償却資産の例外規定を確認します。
- 生計を一にする親族間の対価授受の取扱いと親族負担経費の事業主の必要経費算入ルールを確認します。
- 個人事業主における交際費等の取扱い(法人税のような飲食費50%等の損金不算入枠の有無)を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 一括償却資産(20万円未満)の適用を受けた資産を業務の用に供した年以後3年内に譲渡したことによる所得は、譲渡所得ではなく事業所得等となります。
- 選択肢 2不正解
- 生計を一にする親族に支払う地代は経費に算入できませんが、その配偶者が実際に納付した当該土地の固定資産税は、事業主の必要経費に算入することができます。
- 選択肢 3正解
- 法人の交際費課税とは異なり、個人事業主が支出した交際費等は、業務の遂行上直接必要である限り50%の制限はなく全額を必要経費に算入できます。
- 選択肢 4不正解
- 青色事業専従者に支給する退職金は、退職給与規程に基づいていても必要経費に算入することは認められていません。
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覚えるポイント
- 個人の交際費には法人のような限度額規制(50%上限など)は存在しない。
間違えやすいところ
- 法人税の接待飲食費50%損金算入の特例を個人の所得税計算に混同して適用しないように注意します。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の所得税法
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種所得の金額の計算および課税方法
タックスプランニング · 年金受給権の雑所得 / 先物取引に係る雑所得等 / 退職所得の計算 / 山林所得
所得税における各種所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
勤続年数5年以下の非役員に対する短期退職手当等については、退職所得控除額を控除した後の残額のうち300万円を超える部分について2分の1計算の適用が除外されます。
解き方
- 勤続年数の端数切上げにより、4年10カ月は5年となり、退職所得控除額は40万円×5年=200万円です。
- 退職手当600万円から200万円を控除した残額は400万円です。
- 短期退職手当等の特例により、300万円以下の部分は300万円×1/2=150万円、300万円を超える部分(400万円-300万円=100万円)は全額算入するため、退職所得の金額は150万円+100万円=250万円となります。
- 選択肢 1不正解
- 相続により取得した年金受給権に基づく年金は、相続税の課税対象となった部分を除いた部分が各年の雑所得として総合課税されます。
- 選択肢 2不正解
- 商品先物取引やFXの差金決済による所得は、「先物取引に係る雑所得等」として一律20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)の申告分離課税となります。
- 選択肢 3正解
- 勤続5年以下の短期退職手当等では、控除後300万円超の部分は1/2計算されないため、退職所得金額は150万円+100万円=250万円となり、200万円ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 山林の取得の日以後5年を超えて伐採・譲渡したものは山林所得となり、5年以内に伐採・譲渡したものは事業所得または雑所得となります。
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覚えるポイント
- 勤続5年以下の一般退職手当等は控除後300万円超部分に1/2掛けができない。
間違えやすいところ
- 勤続5年以下の短期退職手当等について、従来通りの一律1/2掛けで「(600万-200万)×1/2=200万円」と計算しないよう注意が必要です。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の所得税法(令和3年度税制改正後の短期退職手当等)
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
雑損控除および災害減免法
タックスプランニング · 雑損控除の対象災害 / 雑損控除の計算 / 災害減免法の所得要件と減免割合 / 雑損失の繰越控除
所得税の雑損控除および災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律(災害減免法)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
雑損控除の控除額は「差引損失額-総所得金額等の10%」または「災害関連支出の金額-5万円」のいずれか多い方の金額です。災害減免法は合計所得金額1,000万円以下かつ損害額が時価の1/2以上の場合に所得金額区分に応じて税額が軽減・免除されます。
解き方
- 雑損控除の算式①(損失額-総所得金額等×10%)を計算します:400万円-70万円=330万円。
- 雑損控除の算式②(災害関連支出-5万円)を計算します:100万円-5万円=95万円。
- ①と②の大きい方である330万円を雑損控除額として判定します。
- 選択肢 1不正解
- 地震や噴火による災害によって住宅や家財に被った損失も、当然に雑損控除の対象となります。
- 選択肢 2正解
- ①400万円-700万円×10%=330万円と、②100万円-5万円=95万円を比較し、金額の多い330万円が控除額となります。
- 選択肢 3不正解
- 災害減免法において税額が全額免除されるのは、合計所得金額が500万円以下の場合です。合計所得金額が700万円超800万円以下の場合は所得税額の1/4が軽減されます。
- 選択肢 4不正解
- 雑損失の控除しきれない金額は、青色申告・白色申告を問わず翌年以後3年間にわたり繰越控除が認められますが、前年への繰戻し還付の制度はありません。
覚えるポイント
- 雑損控除は「損失額-所得10%」と「災害関連支出-5万円」の大きい方。
間違えやすいところ
- 災害減免法で全額免除となる合計所得金額(500万円以下)と、50%・25%軽減の区分を混同しないようにします。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の所得税法および災害減免法
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の申告と納付
タックスプランニング · 予定納税 / 確定申告の延納 / e-Taxと添付書類の保存義務 / e-Taxの対象手続
所得税の申告および納付の手続きに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
所得税の申告・納付において、予定納税額は基準額の各3分の1ずつ、延納期限は5月31日まで、e-Taxでの添付省略書類の保存期間は5年間と定められています。
解き方
- 予定納税の各期の納付割合(予定納税基準額の3分の1)を確認します。
- 確定申告における延納の要件(1/2以上納期限納付)と延納期限(その年の5月31日)を確認します。
- e-Taxで添付を省略した書類の保存義務期間(法定申告期限から5年間)および利用可能な手続(申請・届出も可能)を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 予定納税では、原則として第1期(7月)および第2期(11月)に、それぞれ予定納税基準額の「3分の1」に相当する金額を納付します。
- 選択肢 2不正解
- 所得税の延納の届出をした場合、納付を延期できる残額の納期限は、その年の「5月31日」までです。
- 選択肢 3正解
- e-Taxの利用により添付を省略した書類は、原則として法定申告期限から5年間保存し、税務署から提示・提出を求められた場合は応じなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- e-Taxでは申告および納税だけでなく、各種申請や届出等の手続きもオンラインで行うことができます。
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覚えるポイント
- e-Taxで添付省略した第三者作成書類の保存期間は「5年間」。
間違えやすいところ
- 延納の納期限を「5月15日」と誤認しやすいですが、正しくは「5月31日」です。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の所得税法および国税関係通則
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
交際費等の損金不算入額の計算(大企業)
タックスプランニング · 資本金1億円超の交際費課税 / 5,000円以下の飲食費の除外 / 接待飲食費の50%損金算入
期末の資本金の額が1億2,000万円であるX社(1年決算法人)が、2022年4月1日開始事業年度において支出した交際費等(接待飲食費1,300万円[1人当たり5,000円以下の飲食費300万円を含む]、接待飲食費以外の交際費等800万円)について、法人税の計算における交際費等の損金不算入額として最も適切なものはどれか。なお、社内飲食費は含まれず書類保存要件を満たしている。
解答・解説を表示
解答
4
解説
資本金1億円超の法人では中小法人の定額控除限度額(年800万円)は使えず、接待飲食費の50%損金算入のみが認められます。また、1人当たり5,000円以下の飲食費は交際費等の範囲から除外されます。
解き方
- 参加者1人当たり5,000円以下の飲食費(300万円)を交際費等から除外します。
- 交際費等に含まれる接待飲食費の金額を算出します:1,300万円-300万円=1,000万円。
- 接待飲食費の50%損金算入額を計算します:1,000万円×50%=500万円。
- 資本金1億円超のため損金算入できるのは接待飲食費の50%のみです。対象となる交際費等の総額(1,000万円+800万円=1,800万円)から損金算入額(500万円)を控除し、損金不算入額1,300万円(1,800万円-500万円)を求めます。
- 選択肢 1不正解
- 資本金1億円超のため中小法人の年800万円定額控除限度額は適用できず、900万円は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 5,000円以下除外後の接待飲食費1,000万円の50%のみを不算入額と誤認した計算であり、誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 5,000円以下の飲食費300万円の除外を行わずに1,300万円の50%(650万円)を算入した場合の金額であり、誤りです。
- 選択肢 4正解
- 交際費等の額1,800万円(1,000万円+800万円)から、損金算入される飲食費の50%相当額(500万円)を差し引いた1,300万円が損金不算入額となります。
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覚えるポイント
- 期末資本金1億円超の法人は接待飲食費の50%損金算入のみが適用可能。
間違えやすいところ
- 1人当たり5,000円以下の飲食費を交際費等から除外する処理を忘れてしまうミスに注意が必要です。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の租税特別措置法(交際費等の損金不算入)
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
資産の評価損の損金算入
タックスプランニング · 資産の評価損 / 棚卸資産の著しい陳腐化 / 上場株式の著しい下落 / 金銭債権の貸倒れと評価損
内国法人である普通法人が、資産の価額が帳簿価額を下回ったことを理由に損金経理により帳簿価額を減額し、評価損を損金の額に算入することができないものは次のうちどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
法人税法上、資産の評価損の損金算入は原則として禁止されていますが、棚卸資産の著しい陳腐化、有価証券の著しい下落、固定資産の災害被害等には例外的に認められています。ただし、金銭債権には評価損の損金算入規定はありません。
解き方
- 法人税法において評価損の損金算入が認められる資産(棚卸資産、有価証券、固定資産等)の例外規定を確認します。
- 金銭債権(売掛債権等)については評価損の制度がなく、貸倒引当金または貸倒損失として処理されるルールを適用します。
- 損金算入できない取引として選択肢3を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 季節商品で通常価額で販売不能となった棚卸資産については、物価変動以外の著しい陳腐化等に準ずるものとして評価損の計上が認められます。
- 選択肢 2不正解
- 上場株式の価額がおおむね50%以上低下し、近い将来回復が見込まれない場合には、評価損の損金算入が認められます。
- 選択肢 3正解
- 金銭債権については評価損の計上による損金算入は認められておらず、貸倒損失や貸倒引当金として要件を満たして処理する必要があります。
- 選択肢 4不正解
- 災害により固定資産が著しい損傷を受けた場合、評価損の損金算入が認められています。
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覚えるポイント
- 金銭債権(売掛金等)に評価損の損金算入は認められない。
間違えやすいところ
- 取引停止後1年以上経過等の貸倒損失(形式上の貸倒れ)の要件と、評価損の規定を混同しないようにします。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法人税法第33条
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
消費税の課税対象取引と非課税取引
タックスプランニング · みなし譲渡(家事消費) / 学校教育の役務提供 / 住宅の貸付け / 包括信用購入あっせん手数料
消費税の課税事業者が国内において行う次の取引のうち、消費税の課税取引となるものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
消費税は「国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等」に課税されますが、個人事業者の棚卸資産の家事消費は「みなし譲渡」として課税対象となります。一方、学校の授業料、住宅用家賃、信用あっせん手数料(利子相当)は非課税取引とされています。
解き方
- 個人事業主が棚卸資産を家事のために消費した行為が「みなし譲渡」として課税取引に該当するか確認します。
- 授業料、住宅家賃、包括信用購入あっせんの利子相当手数料がそれぞれ消費税法上の非課税取引に該当することを確認します。
- 唯一の課税取引である選択肢1を選定します。
- 選択肢 1正解
- 個人事業者が棚卸資産を家事のために消費・使用した場合は、みなし譲渡として消費税の課税対象(課税取引)となります。
- 選択肢 2不正解
- 学校教育法に規定する学校において教育として行う役務の提供(授業料、入学金等)は、非課税取引とされています。
- 選択肢 3不正解
- 住宅用マンションを社宅として借り受ける賃貸借契約の家賃は、貸主・借主の形態にかかわらず住宅の貸付けとして非課税取引となります。
- 選択肢 4不正解
- クレジットカード等による包括信用購入あっせんに伴い受ける手数料のうち、利子相当額として明示されている金額は非課税取引となります。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 個人事業者の棚卸資産の家事消費は消費税のみなし譲渡として課税取引。
間違えやすいところ
- 社宅として会社が支払う家賃を、事業者間取引だから課税取引であると勘違いしないようにします(契約上住宅用であれば非課税)。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の消費税法
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人事業税の仕組みと課税標準・損金算入
タックスプランニング · 法人事業税 / 外形標準課税 / 損金算入時期 / 分割基準
法人事業税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
法人事業税の外形標準課税は資本金1億円超の普通法人に適用され、付加価値割や資本割、所得割から構成されます。また法人事業税は原則として申告書を提出した事業年度の損金に算入されます。
解き方
- 外形標準課税の対象法人の規模(資本金1億円超)および付加価値額の構成要素を確認する。
- 法人税法における損金算入時期と、複数都道府県に事業所がある場合の分割納付の原則を照らし合わせて正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- 付加価値割の課税標準である付加価値額は、報酬給与額・純支払利子・純支払賃借料の合計である収益配分額に単年度損益を加減算して計算するため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 資本金または出資金が1億円以下の普通法人は外形標準課税の対象外であり、原則として所得割(および収入割の対象法人)のみが課され、資本割は課されません。
- 選択肢 3不正解
- 法人事業税は損金算入が認められており、原則として申告書を提出した日の属する事業年度の損金の額に算入することができます。
- 選択肢 4不正解
- 2以上の都道府県に事務所等を有する法人は、従業員数や事務所数等の分割基準により課税標準を分割し、関係する各都道府県にそれぞれ申告・納付しなければなりません。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 外形標準課税の対象は期末資本金1億円超の普通法人で、付加価値割・資本割・所得割が課されます。
間違えやすいところ
- 法人住民税は損金不算入ですが、法人事業税は申告事業年度の損金に算入できる点を取り違えやすいです。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の地方税法および法人税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の調査に係る図面等(都市計画図・地積測量図・路線価図)
不動産 · 都市計画図 / 地積測量図 / 路線価図
不動産の調査に係る都市計画図等に関する次の記述(a)~(c)のうち、適切なものはいくつあるか。 (a) 都市計画図は、地方公共団体の都市計画に関する地図であり、通常、土地が所在する地域に指定された用途地域の種別や防火規制の有無、基準地標準価格等が表示されている。 (b) 地積測量図は、土地の表題登記や地積更正登記等を申請する際に作成される一筆の土地の地積に関する測量の結果を明らかにする図面であり、すべての土地に備えられている。 (c) 路線価図は、路線価が定められている地域の土地を評価するために用いられ、路線に「300E」と表示されている場合、その路線に面する標準的な宅地の1坪(3.3㎡)当たりの価額が300千円で、借地権割合が50%であることを示している。
解答・解説を表示
解答
4
解説
不動産の調査図面にはそれぞれ役割と単位の規定があります。都市計画図は用途地域等の都市計画情報を示し、地積測量図は一部の土地にのみ法務局に備え付けられ、路線価図の表示単位は1平方メートル当たり千円です。
解き方
- 記述(a)について、都市計画図に基準地標準価格が通常表示されるか確認し誤りと判定する。
- 記述(b)について、地積測量図がすべての土地に備え付けられているか確認し誤りと判定する。
- 記述(c)について、路線価図の表示単位が1平方メートル当たりか1坪当たりかを確認し誤りと判定する。
- 適切な記述の数を数え、正答番号を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 適切な記述は1つもないため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 適切な記述は2つもないため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- (a)、(b)、(c)のすべてが不適切であるため誤りです。
- 選択肢 4正解
- (a)都市計画図に基準地標準価格は表示されず、(b)地積測量図は全土地には備えられておらず、(c)路線価の単位は1㎡当たり千円であるため、適切なものは0個です。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 相続税路線価は1平方メートル当たりの価額(千円単位)で表示されます(坪当たりではありません)。
間違えやすいところ
- 地積測量図は登記所で分筆や地積更正等が行われた土地にのみ備えられており、すべての土地にあるわけではない点に注意が必要です。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の不動産登記法、都市計画法、相続税財産評価基準に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法における定期借地権・定期建物賃貸借
不動産 · 定期借地権 / 建物譲渡特約付借地権 / 定期建物賃貸借
借地借家法の定期借地権および定期建物賃貸借契約(定期借家契約)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
借地借家法上の定期借地権には一般定期借地権、事業用定期借地権等、建物譲渡特約付借地権があります。また、定期建物賃貸借は契約の更新がありませんが合意による再契約は期間の制限なく締結可能です。
解き方
- 事業用定期借地権(10年以上30年未満)の特約不要性・法定効果を確認する。
- 建物譲渡特約付借地権の消滅時における使用継続請求権の規定を検討する。
- 定期建物賃貸借契約における期間満了通知期間(1年前から6カ月前)と遅れた場合の効力発生日(通知から6カ月後)を確認する。
- 定期建物賃貸借終了後の再契約の可否と待機期間の有無を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 10年以上30年未満の事業用定期借地権は、法律上当然に更新や建物築造による存続期間の延長がなく建物買取請求権も発生しないため、それらを特約として定める必要はありません。
- 選択肢 2正解
- 建物譲渡特約により借地権が消滅しても、借地権者または建物の賃借人が請求したときは、借地権設定者との間に期間の定めのない建物賃貸借が成立したものとみなされ使用継続できます。
- 選択肢 3不正解
- 期間1年以上の定期建物賃貸借で終了の通知期間を徒過した後に終了通知をした場合、通知をした日から6カ月を経過するまでは契約の終了を賃借人に対抗することができません(4カ月ではありません)。
- 選択肢 4不正解
- 定期建物賃貸借の満了後に更新はありませんが、当事者間の合意による再契約は直ちに締結可能であり、1年経過しなければ締結できないという規定はありません。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 定期建物賃貸借(1年以上)の事前通知が遅れた場合、契約終了を対抗できるのは「通知をした日から6カ月後」となります。
間違えやすいところ
- 定期建物賃貸借は更新が排除されるだけであり、当事者の合意による再契約は期間をおかずに自由に締結できます。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の借地借家法第23条、第24条、第38条に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
宅地建物取引業法における報酬限度額・重要事項説明・媒介契約
不動産 · 媒介報酬限度額 / 重要事項説明 / 建物状況調査(インスペクション)
宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
宅地建物取引業法では報酬の上限額が厳格に定められています。賃貸借媒介では合計受領額が借賃1カ月分(+税)以内であり、一方からの受領は承諾がない限り0.5カ月分(+税)以内となります。
解き方
- 売買媒介の報酬限度額の計算式(400万円超の場合は3%+6万円に消費税率を乗じた額)を確認する。
- 賃借媒介の報酬限度額(双方合計で1カ月分+税、一方からは承諾なしで0.5カ月分+税)を確認する。
- 業者間取引における重要事項説明書の交付と説明の省略可否を確認する。
- 媒介契約締結時における建物状況調査あっせん事項の書面記載義務を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 売買代金が400万円超の場合、一方から受領できる媒介報酬の上限は「(売買代金×3%+6万円)×1.1」=「売買代金×3.3%+6万6,000円」となります。
- 選択肢 2正解
- 双方が受領対象となる場合、合計受領額が1カ月分の1.1倍以下である必要があり、また一方から受領できる額はあらかじめ依頼者の承諾を得ている場合を除き0.5カ月分の1.1倍が限度です。
- 選択肢 3不正解
- 宅地建物取引業者間の取引においては、重要事項説明書の交付は義務付けられていますが、宅地建物取引士による口頭での説明は不要とされています。
- 選択肢 4不正解
- 既存建物の媒介契約を締結したときは、建物状況調査(インスペクション)を実施する者のあっせんに関する事項を記載した書面を遅滞なく依頼者に交付しなければなりません。
覚えるポイント
- 業者間取引(プロ同士)では、重要事項説明書の交付は必要ですが、取引士による説明は不要です。
間違えやすいところ
- 賃貸借の媒介報酬は「双方からの受領合計」が1カ月分(+消費税)上限であり、一方のみから全額受領するには事前の承諾が必要です。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の宅地建物取引業法第34条の2、第35条、第46条に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
都市計画法の開発許可と農地法の権利移動・転用規制
不動産 · 開発許可 / 農地法3条 / 農地法4条 / 市街化区域の特例
都市計画法の開発許可および農地法の許可に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
農地法において、市街化区域内の届出特例が認められているのは第4条(自己転用)および第5条(転用目的の権利移動)であり、農地を農地として利用する第3条の権利移動には届出特例はなく常に農業委員会の許可が必要です。
解き方
- 都市計画法における非線引き区域等の開発許可基準面積(条例による引き下げ下限300㎡)を確認する。
- 用途地域の指定のない区域での開発許可に伴う建蔽率・高さ等の制限指定権限を確認する。
- 農地法4条における200㎡未満の自己用農業用施設建設の許可不要特例を確認する。
- 農地法3条における市街化区域内の特例の有無(3条には事前の届出特例が存在しない)を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 非線引き都市計画区域および準都市計画区域の開発許可規模は原則3,000㎡以上ですが、条例により300㎡まで引き下げることが可能です。
- 選択肢 2不正解
- 用途地域の定めがない土地の開発許可にあたり、知事は必要に応じて建蔽率や建築物の高さ、壁面後退限度等の制限を定めることができます。
- 選択肢 3不正解
- 自己所有の農地を自己の農業用施設(農道、用排水路、温室、作業所等)に転用する場合で敷地面積が200㎡未満であるときは、農地法第4条の許可は不要です。
- 選択肢 4正解
- 市街化区域内の届出特例は農地転用(第4条・第5条)に関するものであり、耕作目的の権利移動である農地法第3条には届出特例はなく農業委員会の許可が必要です。
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覚えるポイント
- 農地法で「市街化区域内の農業委員会への届出」で済むのは4条と5条の転用のみで、3条には届出特例はありません。
間違えやすいところ
- 農地法第3条は農地としての維持を目的とするため、市街化区域内であっても農業委員会の許可を省略することはできません。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の都市計画法第29条・第41条、農地法第3条・第4条に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法上の道路・維持管理と私道の相続税評価
不動産 · 建築基準法上の道路 / 位置指定道路 / 2項道路 / 私道の相続税評価
道路に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特定行政庁が指定する幅員6mの区域ではないものとし、地下における道路を除くものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
建築基準法第42条では道路の種別が定義されています。位置指定道路は私道であり、公道として市区町村に移管されない限り所有者等が管理します。また私道敷地の相続税評価は特定人通行用なら30%評価、不特定多数の通り抜けなら非課税(ゼロ評価)となります。
解き方
- 開発許可による道路(42条1項2号道路)が特定行政庁の指定なしに道路となることを確認する。
- 位置指定道路(42条1項5号道路)の法的性質(私道)と維持管理の主体を確認する。
- みなし道路(42条2項道路)の中心線からの2mセットバック規定を確認する。
- 相続税法における私道(専ら特定人通行)の評価割合(自用地評価額の30%)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 都市計画法等の開発許可を受けて築造された幅員4m以上の道路は、建築基準法第42条第1項第2号の道路となり、特定行政庁の指定を受けずとも当然に道路となります。
- 選択肢 2正解
- 位置指定道路は私道であるため、市区町村等に寄附や移管がなされていない限り、市区町村が当然に維持管理を行う義務はありません(私道の所有者等が管理します)。
- 選択肢 3不正解
- 集団規定適用時に現に建物が立ち並んでいた4m未満の道で特定行政庁が指定したものは2項道路となり、原則として道路中心線から2m後退した線が境界とみなされます。
- 選択肢 4不正解
- 専ら特定の者の通行の用に供されている私道の敷地は、自用地としての価額の30%相当額で評価されます(通り抜け私道等の不特定多数利用は評価ゼロ)。
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覚えるポイント
- 位置指定道路はあくまで「私道」であり、自動的に公道になったり自治体が管理したりするわけではありません。
間違えやすいところ
- 開発道路(2号道路)と位置指定道路(5号道路)の定義の違いや、私道の維持管理責任を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の建築基準法第42条および財産評価基本通達24に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例・新築住宅軽減
不動産 · 住宅用地の特例 / 特定空家等 / 併用住宅の適用割合 / 新築住宅の減額特例
固定資産税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例は、専用住宅や併用住宅(居住割合一定以上)の敷地に広く適用され、所有者自身の居住用か賃貸用かを問いません。一方、特定空家等の勧告を受けた家屋敷地は特例から除外されます。
解き方
- 賃貸住宅の敷地が住宅用地特例の対象に含まれるかを確認する。
- 地上2階以下の店舗併用住宅で居住割合が50%(1/2以上)の場合の住宅用地率(1.0)を適用して面積を計算する。
- 特定空家等に対する除却等の勧告がなされた場合の特例適用除外措置を確認する。
- 3階建て以上の中高層耐火建築物に対する新築住宅の固定資産税減額期間(5年間)を確認する。
- 選択肢 1正解
- 住宅用地に対する課税標準の特例は借信用・賃貸用の住宅敷地にも適用されるため、自己居住から賃貸に切り替えて第三者が居住した場合でも引き続き特例が適用されます。
- 選択肢 2不正解
- 地上2階建て以下の併用住宅において居住部分の床面積が1/2以上である場合、住宅用地率が1.0となるため、敷地全体(200㎡)が住宅用地の特例対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく勧告を受けた特定空家等の敷地は、賦課期日までに改善されない場合、住宅用地の特例の対象から除外されます。
- 選択肢 4不正解
- 3階建て以上の中高層耐火建築物等である新築住宅の固定資産税減額期間は新築後5年間であるため、2022年新築の場合、2023年度から2027年度まで減額されます。
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覚えるポイント
- 住宅用地特例は「人の居住の用」に供されていれば賃貸アパート・マンションの敷地にも適用されます。
間違えやすいところ
- 一般の新築住宅の減額期間は3年ですが、3階建て以上の中高層耐火建築物等は5年(認定長期優良住宅ならさらに延長)となる点に注意しましょう。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の地方税法第349条の3の2、附則第15条の6等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
特定の事業用資産の買換え特例の要件と取扱い
不動産 · 特定の事業用資産の買換え特例 / 面積制限 / 先行取得 / 事業供用期限
「特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例」(以下、「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
租税特別措置法第37条の特定の事業用資産の買換え特例では、10年超所有等の譲渡資産要件、買換資産の面積制限(原則として譲渡面積の5倍以内)、先行取得時の届出、および取得の日から1年以内の事業供用義務が定められています。
解き方
- 既成市街地等からの買換え(1号)における譲渡資産の所有期間要件(1月1日時点で10年超)を確認する。
- 買い換えた土地の面積制限(譲渡した土地面積の5倍以内)を計算する。
- 先行取得資産に関する税務署への届出書の提出期限(取得年の翌年3月15日)を確認する。
- 取得した買換資産の事業供用期限(取得日から1年以内)を確認し誤りを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 既成市街地等から既成市街地等外への買換え等では、譲渡の日の属する年の1月1日において譲渡資産の所有期間が10年を超えていることが要件となります。
- 選択肢 2不正解
- 買い換えた土地の面積が譲渡した土地の面積の5倍を超える場合、原則として5倍(200㎡×5=1,000㎡)を超える部分は買換資産の対象から除外されます。
- 選択肢 3不正解
- 譲渡する年の前年中に資産を先行取得したときは、その取得した年の翌年3月15日までに先行取得資産に係る届出書を提出する必要があります。
- 選択肢 4正解
- 本特例の適用を受けるためには、買換資産を取得した日から「1年以内」に事業の用に供しなければなりません(3年を経過する日の属する年等ではありません)。
覚えるポイント
- 買換資産の土地面積限度は譲渡資産面積の「原則5倍まで」、供用開始期限は「取得日から1年以内」です。
間違えやすいところ
- 先行取得資産の届出期限は「取得年の翌年3月15日まで」であり、譲渡年ではなく取得年の確定申告時期に行う必要があります。
出題の前提:2022年10月1日現在施行の租税特別措置法第37条に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人と役員間の土地賃貸借における権利金の認定課税
不動産・相続 · 権利金の認定課税 / 相当の地代 / 土地の無償返還に関する届出書
X株式会社(以下「X社」)は、社長であるAさんの所有地について賃貸借契約を締結し、当該土地上に会社名義の建物を建設することを計画している。次の3つの方法のうち、権利金の認定課税を受けない方法として適切なものの個数を答えなさい。なお、Aさんの所有地は借地権の設定に際し権利金を授受する慣行がある地域に所在するものとする。 (a) X社が、Aさんに対して通常の権利金を支払い、Aさんに支払う賃料は「通常の地代」とする方法 (b) X社が、Aさんに対して権利金をまったく支払わず、Aさんに支払う賃料は「通常の地代」とし、両者が連名で所轄税務署長に「土地の無償返還に関する届出書」を提出する方法 (c) X社が、Aさんに対して権利金をまったく支払わず、Aさんに支払う賃料は「相当の地代」とする方法
解答・解説を表示
解答
3
解説
法人が個人役員から土地を借り受けて建物を建築する場合、権利金の授受の慣行がある地域で権利金の授受がないと原則として借地権の贈与があったものとして権利金の認定課税が行われますが、適正な金銭の授受・相当の地代の支払い・無償返還届出書の提出のいずれかにより認定課税を回避できます。
解き方
- (a) 通常の権利金を支払った上で通常の地代を支払っていれば、適正対価の取引であるため認定課税は生じないと判定する。
- (b) 権利金を支払わなくても、借地権消滅時に無償で返還することを定めた「土地の無償返還に関する届出書」を税務署長に提出すれば認定課税を受けないと判定する。
- (c) 権利金を支払わなくても、年6%程度の「相当の地代」を支払っていれば認定課税を受けないと判定する。
- 3つすべてが該当するため、選択肢3(3つ)を正答とする。
- 選択肢 1不正解
- 適切な方法は1つだけではなく、3つすべてが該当するため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 適切な方法は2つだけではなく、3つすべてが該当するため不適切です。
- 選択肢 3正解
- (a)、(b)、(c)の3つの方法はいずれも権利金の認定課税を受けない有効な方法であるため正しいです。
- 選択肢 4不正解
- すべて認定課税を受けない有効な方法に該当するため、0(なし)は不適切です。
覚えるポイント
- 権利金認定課税の回避方法は「権利金支払」「無償返還届出書の提出」「相当の地代の支払」の3パターン
間違えやすいところ
- 土地の無償返還に関する届出書は、通常の地代を支払う場合でも提出することで認定課税を回避できる点を見落としやすい
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の配偶者控除における課税価格の計算(店舗併用住宅)
相続・事業承継 · 贈与税の配偶者控除 / 店舗併用住宅 / 居住用不動産
Aさんは妻Bさんに対し、2022年6月に所有する店舗併用住宅(店舗部分60%、住宅部分40%)の敷地の2分の1を贈与した。妻Bさんが贈与税の配偶者控除の適用を受ける場合、2022年分の贈与税の課税価格(配偶者控除の額および基礎控除の額を控除した後の課税価格)として、最も適切なものはどれか。なお、敷地全体の相続税評価額は3,000万円であり、妻Bさんにはこれ以外の受贈財産はなく、最も有利となる計算を行うものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
居住用割合が90%以上の場合は敷地全体を居住用不動産として扱えますが、90%未満であっても居住の用に供している部分(本問では40%)については配偶者控除の対象とすることができます。持分の贈与があった場合、納税者に有利となるよう居住用部分から優先して贈与を受けたと取り扱うことが可能です。
解き方
- 贈与された持分敷地の価額を計算する:3,000万円 × 1/2 = 1,500万円。
- 敷地全体のうち居住用部分に対応する価額を計算する:3,000万円 × 40% = 1,200万円。
- 配偶者控除の限度額(2,000万円)の範囲内で居住用部分1,200万円全額を控除額とする。
- 受贈価額1,500万円から配偶者控除1,200万円および基礎控除110万円を差し引く:1,500万円 - 1,200万円 - 110万円 = 190万円。
- 選択肢 1不正解
- 店舗併用住宅の居住用割合は40%であるため敷地全体を対象とすることはできず、課税価格は0円にはなりません。
- 選択肢 2正解
- 居住用割合40%に対応する1,200万円が配偶者控除の対象となり、1,500万円-1,200万円-110万円=190万円となるため正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 基礎控除額110万円が控除されていない計算(1,500万円-1,200万円=300万円)であるため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 贈与された敷地持分1,500万円に40%を乗じた600万円のみを控除対象とみなす誤った計算(1,500万円-600万円-110万円=790万円)です。
覚えるポイント
- 居住用割合が90%未満の店舗併用住宅でも、居住用部分に対応する価額は配偶者控除の対象にできる
間違えやすいところ
- 持分贈与の場合に居住用部分の面積を持分割合で按分してしまうと過小に控除額を算定してしまうミスが生じやすい
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法定相続情報証明制度の取扱い
相続・事業承継 · 法定相続情報証明制度 / 登記所 / 手続要件
法定相続情報証明制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
法定相続情報証明制度は、申出人が作成した法定相続情報一覧図と戸籍謄本等を登記所に提出し、登記官がその内容を確認して認証文を付した一覧図の写しを交付する制度です。この一覧図の写しは各種相続手続で戸籍一式の束の代わりに利用できます。
解き方
- 申出人が収集した戸籍等に基づいて法定相続情報一覧図を作成し、登記所に申出を行う手続の流れを確認する。
- 選択肢1は「登記官によって法定相続情報一覧図が作成され」としている点が誤りであると判断する。
- 選択肢 1正解
- 法定相続情報一覧図は申出人が作成して提出するものであり、登記官が作成するわけではないため不適切(正答)です。
- 選択肢 2不正解
- 被相続人名義の不動産が一切なく、預貯金の解約等の目的であっても利用することができるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等を添付できない場合は本制度を利用できないため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 管轄登記所は被相続人の本籍地、被相続人の最後の住所地、申出人の住所地、被相続人名義の不動産の所在地のいずれかを管轄する登記所から選択できるため適切です。
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覚えるポイント
- 法定相続情報一覧図は「申出人(相続人等)」が作成して提出する(登記官が作ってくれるわけではない)
間違えやすいところ
- 不動産を所有していないと登記所の制度を使えないと誤認しやすいが、預金のみでも利用可能
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法における遺言および遺言執行者
相続・事業承継 · 遺言 / 受遺者の事前死亡 / 遺言執行者 / 遺言の撤回
民法における遺言に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
民法上、遺贈は遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときはその効力を生じません(民法994条1項)。法定相続における代襲相続の規定は遺贈には準用されないため、代襲して受遺者となることはありません(代襲させたい場合は予備的遺言をする必要がある)。
解き方
- 受遺者が遺言者より先に死亡した場合の効力消滅原則と、遺贈における代襲の有無を確認する。
- 遺贈には代襲相続の適用がないため、選択肢2の記述が誤りであると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 2019年民法改正により、遺言執行者は自己の責任で第三者に任務を行わせることができる(別段の意思表示があればそれに従う)とされたため適切です。
- 選択肢 2正解
- 遺贈については代襲相続の規定の適用はなく、受遺者が先に死亡した場合その子が代襲することはないため不適切(正答)です。
- 選択肢 3不正解
- 遺言の方式に関わらず、後の遺言が前の遺言と抵触するときは、抵触する部分について後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 遺言執行者は遺言または第三者への委託で指定できますが、未成年者および破産者は欠格事由として遺言執行者になれないため適切です。
覚えるポイント
- 遺贈には代襲相続の規定の適用(準用)はない(受遺者の子は代襲受遺者になれない)
間違えやすいところ
- 相続させる旨の遺言でも、原則として代襲相続は発生しないとする最高裁判例があることと併せて混同しやすい
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の課税財産の範囲
相続・事業承継 · 課税価格 / 未支給年金 / みなし相続財産 / 特別寄与料
相続税の課税財産に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
公的年金の未支給年金は、法律により受給できる遺族の順位が定められており遺族固有の権利として支給されるため、被相続人の相続財産ではなく受給した遺族の一時所得となります。一方、未登記の取得不動産、遺言代用信託等の受益権、特別寄与料はそれぞれ相続税の課税対象となります。
解き方
- 未支給年金が遺族固有の権利であり、相続財産ではなく遺族の一時所得として所得税の対象となることを確認する。
- 選択肢2が正しい記述であることを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 登記が未了であっても売買契約等により実質的に所有権を取得している不動産は相続税の課税対象となるため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 未支給の国民年金等の公的年金は受給した配偶者の一時所得となり、相続税の課税対象にはならないため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 委託者の死亡により効力が生じる信託の受益権を対価なく取得した場合、みなし相続財産として相続税の課税対象となるため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 確定した特別寄与料は、特別寄与者が被相続人から遺贈により取得したものとみなされて相続税の課税対象となるため不適切です。
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覚えるポイント
- 公的年金の未支給年金は相続税の課税対象外で、受け取った遺族の一時所得となる
間違えやすいところ
- 未支給給与(本来の相続財産)と未支給年金(遺族固有の一時所得)の課税上の取扱いを混同しやすい
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺産未分割時の相続税の申告および分割確定後の手続
相続・事業承継 · 未分割遺産 / 修正申告 / 更正の請求 / 延滞税・加算税
相続税の申告期限において、相続財産の全部または一部について遺産分割協議が成立していない場合の相続税の申告および納付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
遺産分割が確定していない場合、法定相続分等に従って計算した申告期限内申告書を提出します。その後の分割成立に伴い税額が減少した者は「分割のあったことを知った日の翌日から4カ月以内」に更正の請求ができ、税額が増加した者が4カ月以内に修正申告を行って納付すれば延滞税や過少申告加算税は課されません。
解き方
- 未分割時の申告後に分割確定した場合の修正申告・更正の請求の期限が「分割があったことを知った日の翌日から4カ月以内」であることを確認する。
- 期限内に修正申告および納付を行った場合、ペナルティとしての加算税や延滞税は原則免除されることを確認し、選択肢4が正しいと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 未分割の財産は管理処分権が確定していないため物納に充てることができない(不適格財産)ため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 共同相続人間で私的に精算することは認められず、税額が増加した者は修正申告を、減少した者は更正の請求をそれぞれ行う必要があるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 更正の請求ができる期間は「分割があったことを知った日の翌日から4カ月以内」であり、1年以内ではないため不適切です。
- 選択肢 4正解
- 未分割遺産の確定に伴う修正申告を所定の期限内(知った日の翌日から4カ月以内)に行い納付した場合、過少申告加算税や延滞税は課されないため適切です。
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覚えるポイント
- 未分割遺産の分割成立に伴う更正の請求・修正申告の期限は「知った日の翌日から4カ月以内」
間違えやすいところ
- 通常の国税通則法上の更正の請求期間(原則5年)や後発的理由(2カ月)と、未分割確定の特則(4カ月)の混同
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税法上の債務控除
相続・事業承継 · 債務控除 / 葬式費用 / 相続放棄 / 連帯債務
相続税法上の債務控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、相続人は日本国内に住所を有する個人であり、相続または遺贈により財産を取得したものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
相続税の債務控除では、被相続人の死亡時に確定している確実な債務や被相続人の葬式費用が控除対象となります。相続放棄者は原則として債務控除を受けられませんが、遺贈により財産を取得した場合は例外として現実に負担した葬式費用に限り控除が認められます。
解き方
- 各選択肢の債務や費用の控除適格性を検討する。
- 相続放棄者であっても遺贈財産を取得し葬式費用を負担したときは葬式費用の控除が可能であるため、選択肢3が正しいと判定する。
- 選択肢 1不正解
- 準確定申告により納付した被相続人の所得税額は、被相続人が納付すべき確定債務であるため債務控除の対象となり不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 財産評価や遺産分割協議のために要した鑑定費用等は相続財産に関する費用であり、被相続人の債務ではないため債務控除の対象とならず不適切です。
- 選択肢 3正解
- 相続放棄者であっても遺贈により財産を取得した場合は、負担した葬式費用をその遺贈財産の価額から控除できるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 他の連帯債務者が弁済不能等でない限り、被相続人の負担割合に応じた部分(本問では2分の1)のみが債務控除の対象となるため不適切です。
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覚えるポイント
- 相続放棄者が遺贈で財産を取得した場合、現実に負担した「葬式費用」のみ債務控除の対象となる(被相続人の債務は控除不可)
間違えやすいところ
- 相続手続・財産評価・遺産分割のための弁護士費用や鑑定費用は債務控除できない点を見落としやすい
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.26(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
土地および借地権等の相続税評価額の計算
相続・事業承継 · 使用貸借 / 貸家建付地 / 土地の無償返還に関する届出書 / 借地権の評価
Aさんは父親から下記のX土地、Y土地、Z土地(借地権)を相続により取得した。これら3つの土地(借地権)の相続税評価額の合計額として、最も適切なものはどれか。 【X土地】 ・Aさんは父親から固定資産税程度の地代で借り受けているX土地に自宅を建築して居住していた。 ・自用地評価額:2,500万円、借地権割合:60%、借家権割合:30% 【Y土地】 ・父親は貸家と敷地(Y土地)のうち貸家のみをAさんに贈与したが、地代等の収受はない。 ・貸家には賃借人Bさんが贈与前から現在まで居住(入居率100%)。 ・自用地評価額:2,000万円、借地権割合:60%、借家権割合:30% 【Z土地(借地権)】 ・父親は第三者C社から通常の地代で借り受けていた(権利金なし、「土地の無償返還に関する届出書」提出済)。 ・父親はZ土地にアパートを建築し、第三者に賃貸(入居率100%)。 ・自用地評価額:4,000万円、借地権割合:60%、借家権割合:30%
解答・解説を表示
解答
3
解説
土地の使用貸借では借地権は認められず自用地評価となりますが、子が使用貸借している建物が第三者に賃貸されている場合、敷地は自用地価額から借家人の権利分を控除した貸家建付地評価(自用地価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)=1,640万円)が行われます。また、土地の無償返還に関する届出書が提出されている借地権(借地権設定者が第三者法人)の場合、権利金ゼロで通常の地代を支払っている借地権の相続税評価額は原則として「0円」となります(自用借地権が0円のため、貸家建付借地権も0円)。したがって合計は2,500万円+1,640万円+0円=4,140万円となります。
解き方
- 【X土地の評価】:固定資産税程度の地代の支払いは使用貸借に該当するため、借地権は控除されず自用地評価額の「2,500万円」となる。
- 【Y土地の評価】:使用貸借により貸家を子に贈与した場合でも、建物の賃借人Bが居住しているため敷地利用が制約され、評価額は貸家建付地と同様に自用地価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)=2,000万円×(1-0.6×0.3×1.0)=2,000万円×0.82=「1,640万円」となる。
- 【Z土地(借地権)の評価】:第三者との間で無償返還届出書が提出され通常の地代が支払われている借地権の価額は「0円」となる。
- 3つの合計額を計算する:2,500万円 + 1,640万円 + 0円 = 4,140万円。
- 選択肢 1不正解
- X土地を貸宅地として誤って評価するなど、不適切な計算による値であるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- Y土地の貸家建付地評価減を反映していない等の誤った計算結果であるため不適切です。
- 選択肢 3正解
- X土地2,500万円、Y土地1,640万円、Z土地(借地権)0円となり、合計4,140万円となるため正しいです。
- 選択肢 4不正解
- 無償返還届出書のある借地権に通常の借地権割合(60%等)を誤って乗じるなどした計算であるため不適切です。
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覚えるポイント
- 無償返還届出書が提出されている場合、借地人の有する借地権の相続税評価額は原則0円となる
間違えやすいところ
- 固定資産税程度の地代授受は賃貸借ではなく「使用貸借」となり、借地権控除はできない点に注意
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.26(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険を活用した事業承継・遺産分割対策
相続・事業承継 · 生命保険金 / 法定相続人の数 / 死亡保険金の非課税限度額 / 代償分割 / 遺留分
不動産賃貸業を営むAさん(70歳)は、長男Cさん(43歳)に事業を承継させるために財産の大半を長男Cさんに相続させる方針である。親族構成は、配偶者死亡、実子が長女Bさん・長男Cさん・二女Dさん(死亡)の3人であり、二女Dさんの子である孫Eさん・孫FさんはともにAさんの普通養子となっている。相続人同士の紛争を予防するための生命保険の活用に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
相続税の計算における死亡保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」で計算されます。被相続人の直系卑属が養子かつ代襲相続人である場合、代襲相続人として法定相続人の数に算入され、養子の数としては重複してカウントされません。
解き方
- 法定相続人を特定する。被相続人Aさんの法定相続人は、長女B、長男C、死亡した二女Dを代襲相続する孫Eおよび孫Fの計4人となる。
- 死亡保険金の非課税枠を計算する。500万円×4人=2,000万円となり、1,500万円とする選択肢1が不適切であると判定する。
- 選択肢 1正解
- 死亡した二女Dの子である孫E・孫Fは代襲相続人となるため法定相続人の数は4人です。死亡保険金の非課税限度額は「500万円×4人=2,000万円」であるため、1,500万円とする本記述は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 受取人固有の財産として取得した死亡保険金は、長男Cさんが不動産等を単独取得した際に他の共同相続人へ支払う代償交付金の原資として有効に活用できます。
- 選択肢 3不正解
- 長男Cさんを契約者・受取人、Aさんを被保険者とし、保険料を生前贈与で支払うことで、保険事故発生時にCさんが一時所得として保険金を受け取り、代償交付金原資を確保できます。
- 選択肢 4不正解
- 指定された受取人が受け取る死亡保険金請求権は受取人固有の財産であり、遺産分割の対象外であるとともに、特段の事情がない限り原則として遺留分算定の基礎財産には含まれません。
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覚えるポイント
- 死亡保険金の非課税限度額=500万円×法定相続人の数
- 代襲相続人である孫が養子となっている場合、代襲相続人としてカウントし重複計上は不可
間違えやすいところ
- 養子がいるからといって無条件に法定相続人数の養子制限(実子がいる場合は1人まで)を適用して孫を1人しか数えないと誤認すること
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.27(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
譲渡制限株式の相続人等に対する売渡請求制度
相続・事業承継 · 譲渡制限株式 / 売渡請求 / 株主総会決議 / 分配可能額規制
譲渡制限株式を発行している会社が、相続等により当該会社の譲渡制限株式を承継した者に対して、その株式を会社に売り渡すことを請求することができる旨を定款に定めている場合における会社法上の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
会社法第175条および第176条により、譲渡制限株式の承継人に対する売渡請求を定款に定めている会社は、相続等があったことを知った日から1年以内に、株主総会の決議(定時・臨時を問わない普通決議)を経て売渡請求ができます。売渡請求を受ける相続人はその議決権を行使できません。
解き方
- 売渡請求の株主総会要件を確認する。決議は普通決議であり、総会は定時株主総会に限られず臨時株主総会でも開催・決議可能である。
- 各肢の期間要件・価格決定申立・財源規制を確認し、定時株主総会に限定している選択肢2が不適切であると判定する。
- 選択肢 1不正解
- 会社法第176条第1項により、会社は相続その他の一般承継があったことを知った日から1年以内に売渡請求を行わなければ効力を生じません。
- 選択肢 2正解
- 売渡請求の決定を行う株主総会は定時株主総会に限られず、臨時株主総会でも決議を行うことができます。したがって定時株主総会に限定している本記述は不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 会社法第177条第2項により、会社または相続人は、売渡請求があった日から20日以内に裁判所に対して売買価格の決定の申立てを行うことができます。
- 選択肢 4不正解
- 会社法第461条第1項第5号により、自己株式の取得にあたるため、相続人に交付する金銭等の総額は株式の買取日(効力発生日)における分配可能額の範囲内でなければなりません。
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覚えるポイント
- 相続人等への売渡請求の決議は株主総会の普通決議(臨時株主総会でも可)
- 売渡請求を受ける当事者(相続人)は決議で議決権を行使不可
- 期間制限は相続を知った日から1年以内、裁判所への価格申立は売渡請求の日から20日以内
間違えやすいところ
- 特別決議が必要であると誤認すること
- 定時株主総会でなければ決議できないと誤認すること
出題の前提:2022年10月1日現在施行の法令等(会社法)
出典:金融財政事情研究会『2023年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.28(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2023年1月 1級 学科(基礎編)
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2023年1月 1級 学科(基礎編)の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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