日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2022年5月 1級 学科(応用編)の概要
障害基礎年金の受給要件と支給額
ライフプランニングと資金計画 · 公的年金 / 障害基礎年金 / 障害認定日 / 保険料納付要件 / 子の加算
公的年金制度の障害基礎年金に関する次の文章について、空欄①~⑥に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。 〈障害基礎年金の受給要件〉 Ⅰ 「国民年金の被保険者期間中に初診日のある傷病によって、その初診日から起算して( ① )を経過した日、または( ① )以内に傷病が治ったときはその治った日において、国民年金法に規定される障害等級1級または2級に該当する程度の障害の状態にあり、かつ、一定の保険料納付要件を満たしている方には、障害基礎年金が支給されます。障害基礎年金の保険料納付要件は、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があるときは、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の( ② )以上あることです。なお、初診日が2026年4月1日前にある傷病による障害については、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの( ③ )年間のうちに保険料納付済期間および保険料免除期間以外の被保険者期間がないときは、保険料納付要件を満たしていることとされます」 〈障害基礎年金の額〉 Ⅱ 「現時点において、仮にAさんが国民年金法に規定される障害等級2級に該当する程度の障害の状態にあると認定され、障害基礎年金を受給することとなった場合、障害基礎年金の額(2021年度価額)は、( ④ )円に子の加算額を加えた額となります。子の加算額は、2人目までは1人につき224,700円、3人目以降は1人につき( ⑤ )円です。また、障害等級1級に該当する程度の障害の状態にあると認定された場合の障害基礎年金の額は、( ④ )円の( ⑥ )倍相当額に子の加算額を加えた額となります」
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解答
① 1年6カ月、② 3分の2、③ 1(年間)、④ 780,900(円)、⑤ 74,900(円)、⑥ 1.25(倍)
解説
障害基礎年金は、国民年金被保険者期間中等に初診日のある傷病により障害状態となった場合に支給されます。初診日から起算して1年6カ月を経過した日等の障害認定日における障害等級(1級または2級)に該当し、初診日前日において保険料納付要件(原則3分の2以上、または直近1年間未納なし)を満たすことが必要です。年金額は2級が老齢基礎年金満額相当、1級はその1.25倍であり、生計を維持する子がいる場合は子の加算が行われます。
解き方
- 障害認定日および保険料納付要件の原則(3分の2以上)と特例(直近1年間に未納なし)の期間を確認して空欄①~③を導く。
- 2021年度における障害基礎年金2級の基準額(780,900円)、1級の乗率(1.25倍)、第3子以降の子の加算額(74,900円)をそれぞれ特定して空欄④~⑥を埋める。
答えの内訳
- ①:1年6カ月
- 障害認定日とは、原則として初診日から起算して1年6カ月を経過した日、またはその期間内に傷病が治った(症状が固定した)日をいいます。
- ②:3分の2
- 障害基礎年金の保険料納付要件(原則)は、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの全被保険者期間のうち、保険料納付済期間と免除期間の合算が3分の2以上あることです。
- ③:1(年間)
- 初診日において65歳未満であり、初診日が2026年4月1日前にある場合は、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料未納期間がなければ納付要件を満たす特例が適用されます。
- ④:780,900(円)
- 2021年度価額における障害等級2級の障害基礎年金の基本額は、老齢基礎年金の満額と同額の780,900円です。
- ⑤:74,900(円)
- 障害基礎年金における子の加算額(2021年度価額)は、第1子・第2子は1人につき各224,700円、第3子以降は1人につき各74,900円です。
- ⑥:1.25(倍)
- 障害等級1級の障害基礎年金の基本額は、2級の基本額(780,900円)の1.25倍に相当する額(976,125円)となります。
覚えるポイント
- 障害認定日は原則として「初診日から起算して1年6カ月を経過した日」または「その期間内に治った日」である。
- 直近1年間の納付要件特例は初診日において65歳未満かつ初診日が2026年4月1日前にある場合に適用される。
- 障害基礎年金の子の加算は第1子・第2子が各224,700円、第3子以降は各74,900円(2021年度価額)である。
間違えやすいところ
- 健康保険の傷病手当金の支給期間(通算1年6カ月)と障害認定日の定義を混同しないようにする。
- 保険料納付要件の判定対象期間は「初診日の属する月」ではなく「初診日の属する月の前々月」までである点に注意する。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等(2021年度価額)
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺族厚生年金の年金額および遺族年金生活者支援給付金の計算
ライフプランニングと資金計画 · 公的年金 / 遺族厚生年金 / 長期要件 / 中高齢寡婦加算 / 遺族年金生活者支援給付金
Aさんが現時点(2022年5月22日)で死亡し、妻Bさんが遺族基礎年金、遺族厚生年金および遺族年金生活者支援給付金の受給権を取得した場合、Aさんの死亡時における妻Bさんに係る遺族給付について、与えられた〈条件〉に基づき、①遺族厚生年金の年金額(本来水準による価額)および②遺族年金生活者支援給付金の額(年額)を計算しなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は円単位とし、年金額の端数は円未満を四捨五入すること。なお、年金額および給付金の額は2021年度価額に基づいて計算するものとする。 〈条件〉 (1) 厚生年金保険の被保険者期間 ・総報酬制導入前の被保険者期間 : 168月 ・総報酬制導入後の被保険者期間 : 93月 (注)要件を満たしている場合、300月のみなし計算を適用すること。 (2) 平均標準報酬月額・平均標準報酬額(2021年度再評価率による額) ・総報酬制導入前の平均標準報酬月額 : 240,000円 ・総報酬制導入後の平均標準報酬額 : 300,000円 (3) 乗率 ・総報酬制導入前の乗率 : 1,000分の7.125 ・総報酬制導入後の乗率 : 1,000分の5.481 (4) 中高齢寡婦加算額 585,700円(要件を満たしている場合のみ加算すること)
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解答
① 330,150円、② 60,360円
解説
遺族厚生年金には、被保険者中死亡等の短期要件と、老齢厚生年金の受給資格期間(25年以上)を満たした者が死亡した等の長期要件があります。短期要件では被保険者期間が300月未満の場合に300月とみなす最低保障が適用されますが、被保険者でない者の死亡による長期要件では300月みなし計算は行わず実月数で計算します。遺族基礎年金の受給権がある間は中高齢寡婦加算は支給停止となります。また、遺族年金生活者支援給付金は遺族基礎年金の受給者に定額(2021年度は月額5,030円)が支給されます。
解き方
- Aさんの死亡時ステータスを確認し、被保険者ではないが受給資格期間25年以上を満たすため「長期要件」に該当し、300月みなし計算は適用されないことを確認する。
- 総報酬制導入前と導入後の報酬比例部分を実月数(168月、93月)で計算し、その合計額に4分の3を乗じて円未満四捨五入する(遺族基礎年金受給対象の子がいるため中高齢寡婦加算は加算しない)。
- 遺族年金生活者支援給付金の月額(5,030円)に12月を乗じて年額を算出する。
答えの内訳
- ①:330,150(円)
- Aさんは死亡時に厚生年金保険の被保険者ではなく国民年金第1号被保険者である。合算対象期間等を含む受給資格期間は厚生年金261月+国民年金第1号136月=397月であり、25年(300月)以上を満たしているため、長期要件(第4号要件)の遺族厚生年金に該当する。長期要件では300月みなし計算は適用されず実月数で計算する。また、高校生以下の子がいて遺族基礎年金を受給するため中高齢寡婦加算は加算されない。年金額=(240,000円×7.125/1,000×168月+300,000円×5.481/1,000×93月)×3/4=(287,280円+152,919.9円)×3/4=440,199.9円×3/4=330,149.925円。円未満を四捨五入して330,150円となる。
- ②:60,360(円)
- 遺族年金生活者支援給付金の月額(2021年度価額)は5,030円である。年額=5,030円×12月=60,360円となる。
覚えるポイント
- 厚生年金の被保険者でない者の死亡で、受給資格期間25年を満たしている場合の遺族厚生年金は長期要件となり、300月みなし計算は適用されない。
- 遺族基礎年金を受給できる子がある間は、妻に対する中高齢寡婦加算は支給されない。
- 遺族年金生活者支援給付金の額(2021年度価額)は月額5,030円(年額60,360円)である。
間違えやすいところ
- 厚生年金の被保険者期間が合計261月(300月未満)であることのみを見て、誤って300月みなし計算を適用してしまうミス。
- 生計を一にする要件該当の子がいるにもかかわらず、妻が40歳以上であることを理由に中高齢寡婦加算を加算してしまうミス。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等(2021年度価額)
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金の繰下げ支給と小規模企業共済制度
ライフプランニングと資金計画 · 老齢年金の繰下げ受給 / 加給年金 / 小規模企業共済の解約手当金
公的年金の老齢給付の繰下げ支給の仕組みおよび小規模企業共済制度に関する次の文章の空欄①~⑥に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。 Ⅰ 「Aさんが希望すれば、66歳以後、老齢基礎年金および老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をすることができます。繰下げの上限年齢の改正が2022年4月1日に施行されており、施行日以降に( ① )歳に到達する方は、繰下げの上限年齢が75歳となります。Aさんが75歳0カ月で老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をした場合の改正を前提とした増額率は( ② )%となります」 Ⅱ 「Aさんが66歳0カ月で老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をした場合、老齢厚生年金を受給していなかった待機期間中は、当該年金に加算される( ③ )額も受け取れないことになります。配偶者に係る( ③ )額の支給要件は、受給権者の厚生年金保険の被保険者期間が( ④ )年以上あること、受給権者と生計維持関係にある配偶者の年齢が65歳未満であることなどです。また、繰下げ支給の申出をすることで、毎年の受給額は多くなりますが、受給総額が多くなるとは限りません。受給開始年齢によって受給総額がどのように推移するのか、シミュレーションをしてみましょう」 Ⅲ 「小規模企業共済制度は、Aさんのような個人事業主が廃業等した場合に必要となる資金を準備しておくための共済制度です。毎月の掛金は、1,000円から70,000円までの範囲内で、500円単位で選択することができます。共済契約者が掛金を前納したときは、前納月数に応じた前納減額金を受け取ることができます。 また、加入後に任意解約した場合、掛金合計額の( ⑤ )%から120%に相当する額の解約手当金の額が受け取れますが、掛金納付月数が240月未満の場合は解約手当金の額が掛金合計額を下回り、掛金納付月数が( ⑥ )月未満の場合は、解約手当金を受け取ることができませんので、早期の解約はお勧めできません」
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解答
① 70(歳) ② 84(%) ③ 加給年金(額) ④ 20(年) ⑤ 80(%) ⑥ 12(月)
解説
公的年金の繰下げ支給は受給開始を遅らせることで1カ月あたり0.7%生涯増額される仕組みであり、2022年4月改正で上限が75歳(最大84%増額)に拡大されました。小規模企業共済は個人事業主等の退職金共済制度であり、任意解約時には納付期間に応じた解約手当金制限が設けられています。
解き方
- 繰下げ制度における2022年4月改正の対象者年齢(施行日以後に70歳到達)と75歳到達時の増額率(0.7%×120月=84%)を確認する。
- 老齢厚生年金に付随する加給年金の支給要件(厚生年金被保険者期間20年以上)および繰下げ待機中の扱いを確認する。
- 小規模企業共済の任意解約における支給下限割合(80%)および支給対象となる最低掛金納付月数(12月以上)を確認する。
答えの内訳
- ①:70(歳)
- 2022年4月1日施行の法改正により、繰下げの上限年齢が70歳から75歳に引き上げられました。対象となるのは、施行日以降に「70歳」に到達する方(1952年4月2日以降生まれ)です。
- ②:84(%)
- 繰下げによる増額率は1カ月あたり0.7%です。65歳から75歳0カ月まで繰り下げた場合の繰下げ月数は120月となるため、0.7%×120月=84%となります。
- ③:加給年金(額)
- 老齢厚生年金を繰り下げて受給する場合、繰下げ待機期間中は老齢厚生年金に加算される「加給年金(額)」も受給できません。また加給年金額自体は繰り下げても増額されません。
- ④:20(年)
- 配偶者加給年金の受給要件は、受給権者本人の厚生年金保険の被保険者期間が原則として「20(年)」以上(または中高齢の資格期間短縮特例による期間)あることです。
- ⑤:80(%)
- 小規模企業共済を任意解約した場合に支給される解約手当金の額は、掛金納付月数に応じて掛金合計額の「80(%)」から120%に相当する額となります。
- ⑥:12(月)
- 小規模企業共済の任意解約手当金は、掛金納付月数が「12(月)」未満の場合には支給されず掛け捨てとなります。また、240月(20年)未満の解約では元本割れとなります。
覚えるポイント
- 繰下げ増額率は月あたり0.7%、上限75歳(120月)で最大+84%となります。
- 加給年金額は繰下げ待機中は支給停止となり、繰下げによる増額の対象にもなりません。
- 小規模企業共済の任意解約手当金は12月未満で掛け捨て、240月未満で元本割れ(80%~)となります。
間違えやすいところ
- 繰下げの改正対象者を施行日に「65歳」に到達する方と取り違えやすいため注意が必要です。
- 繰下げ増額率の計算で60歳基準の繰上げ減額率(月0.4%または0.5%)と混同しないよう注意が必要です。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等(年金制度改正法による2022年4月1日施行の繰下げ上限年齢引き上げ等を含む)
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.2(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
一般NISAおよび新しいNISA制度の仕組み
金融資産運用 · 株式の配当権利付き最終日 / 配当金受取方式 / 一般NISAの非課税枠と利用ルール
一般NISA口座を通じてX社株式を購入した場合の留意点等に関する次の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。 Ⅰ 「Aさんが、X社株式の中間配当を受け取るためには、権利付き最終日である2022年9月( ① )日までにX社株式を購入する必要があります。また、Aさんが一般NISA口座においてX社株式を購入し、その配当金を一般NISA口座に受け入れる場合、一般NISA口座に受け入れた配当金を非課税とするためには、( ② )方式を選択する必要があります」 Ⅱ 「仮に、Aさんが2022年中に一般NISA口座において、株価1,200円のX社株式を500株購入し、同年中に株価1,300円で全株を売却した後の2022年中の非課税枠の残額は( ③ )万円となります。なお、2024年1月1日から、一般NISAは2階建ての新たな制度に組み替えられる予定です。新しい制度において、1階部分に相当する特定累積投資勘定における非課税枠は年間( ④ )万円とされ、2階部分に相当する特定非課税管理勘定における非課税枠は年間102万円とされています。また、一般NISA口座で保有している上場株式については、非課税期間終了後、新しいNISAの2階部分の非課税枠にロールオーバーすることができます」
解答・解説を表示
解答
① 28(日) ② 株式数比例配分(方式) ③ 60(万円) ④ 20(万円)
解説
上場株式の権利確定には権利確定日の2営業日前(権利付き最終日)までの購入が必要であり、NISA口座における株式配当金の非課税適用には株式数比例配分方式の選択が要件となります。またNISAの非課税投資枠は簿価管理であり、売却しても枠は復活しません。
解き方
- 権利確定日である2022年9月30日(金)の2営業日前を計算し、権利付き最終日(9月28日)を導出する。
- NISA口座で配当金を非課税で受け取るための必須方式(株式数比例配分方式)を確認する。
- 一般NISAの年間非課税投資枠(120万円)から買付金額(1,200円×500株=60万円)を減算し、売却による枠復活がないことを踏まえて残額(60万円)を算出する。
- 2020年度税制改正で創設が予定されていた2階建て新NISAの1階部分(つみたて型投資枠)の年間投資枠(20万円)を確認する。
答えの内訳
- ①:28(日)
- 上場株式等の権利付き最終日は権利確定日の2営業日前です。2022年9月30日(金)が権利確定日であるため、その2営業日前は2022年9月28日(水)となります。
- ②:株式数比例配分(方式)
- NISA口座で購入した上場株式の配当金を非課税とするためには、配当金の受取方式として証券会社の取引口座で受け取る「株式数比例配分方式」を選択する必要があります。
- ③:60(万円)
- 一般NISAの年間非課税投資枠は120万円です。購入額は1,200円×500株=60万円となります。NISA枠は一度利用すると途中で売却しても枠の再利用・復活はできないため、残額は120万円-60万円=60万円となります。
- ④:20(万円)
- 2020年度税制改正により導入予定とされていた2階建てNISA(新NISA)において、原則として積立投資を行う1階部分(特定累積投資勘定)の非課税枠は年間「20(万円)」とされていました。
覚えるポイント
- 受渡日は約定日から起算して3営業日目(T+2)のため、権利付き最終日は権利確定日の2営業日前となります。
- NISAの株式配当金を非課税とするには必ず「株式数比例配分方式」の指定が必要です。
- 一般NISA枠は年120万円であり、売却しても投資枠の再利用・再利用はできません。
間違えやすいところ
- 権利付き最終日を「3営業日前」と数えて27日とする誤り(約定日含め3営業日目=2営業日前)に注意が必要です。
- 年内に全株売却したからといって、購入枠が復活して残額が120万円に戻ると誤認しないようにしてください。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等(株の受渡日T+2化、2020年度税制改正による2024年導入予定の新NISA制度等)
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
財務比率による企業の安全性分析
金融資産運用 · 流動比率 / 当座比率 / 固定比率 / インタレスト・カバレッジ・レシオ
設例の〈X社の財務データ等〉に基づき、文中の空欄①〜④に入る最も適切な語句または数値を求めなさい。なお、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位まで解答すること。 Ⅰ 「財務的な安全性を測る指標である流動比率は( ① )%です。流動比率が良好であっても、流動資産の大部分が棚卸資産であれば、実質的に支払能力は劣るということになります。そこで、流動資産から棚卸資産を除いた( ② )比率を用いることで、さらに厳密な分析を行います。一般に、( ② )比率は100%以上が望ましいとされています」 Ⅱ 「財務的な安全性を測る指標である固定比率は( ③ )%、固定長期適合率は□□□%です。固定比率は100%以下が理想とされますが、固定長期適合率が100%以下であれば、通常、安全性に大きな問題があるとは考えません。なお、固定長期適合率が100%を大きく超えるようであれば、危険な状態であり、安全性に問題があると判断しますが、設備投資額が大きい製造業などであれば、水準が高めになる傾向があります」 Ⅲ 「財務的な安全性を測る指標であるインタレスト・カバレッジ・レシオは( ④ )倍です。この数値が高いほど金利負担の支払能力が高く、財務に余裕があることを示しますが、同業他社と比較することをお勧めします。また、単年の数値だけではなく、過去のトレンドを把握することで、財務体質が悪化しているか否かを判断することが大切です」
解答・解説を表示
解答
① 126.63(%) ② 当座(比率) ③ 215.03(%) ④ 5.47(倍)
解説
企業の短期支払能力や長期財務安全性を評価する際、流動比率・当座比率(短期安全性)、固定比率・固定長期適合率(長期安全性)、インタレスト・カバレッジ・レシオ(利息支払能力)を用います。それぞれの指標で用いる分子・分母の会計項目の定義を正しく把握することが重要です。
解き方
- 貸借対照表から流動資産、流動負債、固定資産、純資産の各数値を抽出し、流動比率および固定比率の計算式に当てはめて端数処理を行います。
- 損益計算書の内訳から、営業利益と営業外収益に含まれる受取利息・受取配当金・持分法による投資利益を合算して事業利益を求め、支払利息で除してインタレスト・カバレッジ・レシオを算出します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:126.63(%)
- 流動比率は「流動資産÷流動負債×100」で算出します。680,000百万円÷537,000百万円×100≒126.6294…%となり、小数点以下第3位を四捨五入して126.63%となります。
- 小問 ②:当座(比率)
- 流動資産のうち換金性の高い当座資産(現金・預金、受取手形、売掛金、有価証券等。または流動資産から棚卸資産等を除いたもの)を流動負債で除して算出する指標を「当座比率」と呼びます。
- 小問 ③:215.03(%)
- 固定比率は「固定資産÷自己資本(純資産合計)×100」で算出します。1,073,000百万円÷499,000百万円×100≒215.0300…%となり、小数点以下第3位を四捨五入して215.03%となります。
- 小問 ④:5.47(倍)
- インタレスト・カバレッジ・レシオは「事業利益(営業利益+受取利息+受取配当金+持分法投資利益)÷金融費用(支払利息等)」で計算します。事業利益=39,000+400+2,000+5,100=46,500百万円、金融費用=8,500百万円となるため、46,500÷8,500≒5.4705…倍となり、小数点以下第3位を四捨五入して5.47倍となります。
覚えるポイント
- インタレスト・カバレッジ・レシオの分子(事業利益)には営業利益に加えて受取利息や受取配当金等を含め、分母には支払利息(および手形売却損)を置きます。
間違えやすいところ
- 固定比率の分母を「株主資本」のみで計算してしまうミスがありますが、特に指定のない場合は純資産の部合計(自己資本)を用いて計算します。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令・基準に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ポートフォリオ理論(相関係数・シャープ・レシオ・標準偏差)
金融資産運用 · 相関係数 / シャープ・レシオ / ポートフォリオの標準偏差
設例の〈Yファンド・Zファンドの実績収益率・標準偏差・共分散〉に基づいて、次の①〜③を求めなさい。計算過程を示し、答は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。なお、シャープ・レシオについては安全資産利子率を0.10%として計算すること。 ① YファンドとZファンドの相関係数 ② Yファンドのシャープ・レシオ ③ YファンドとZファンドをそれぞれ6:4の割合で購入した場合のポートフォリオの標準偏差
解答・解説を表示
解答
① 0.32 ② 0.59 ③ 13.21(%)
解説
ポートフォリオ理論における投資効率の測定には、超過リターンをリスク(標準偏差)で除したシャープ・レシオが用いられます。また、複数資産の組み合わせによるリスク低減効果は、2資産間の相関係数(または共分散)を組み入れたポートフォリオの分散・標準偏差の算式によって評価します。
解き方
- 相関係数は「共分散 ÷ (資産Aの標準偏差 × 資産Bの標準偏差)」により算出します。
- シャープ・レシオは「(ポートフォリオまたは資産の収益率 - 無リスク資産利子率) ÷ 標準偏差」により算出します。
- 2資産のポートフォリオの分散「w1^2 × σ1^2 + w2^2 × σ2^2 + 2 × w1 × w2 × Cov(1,2)」を計算し、その平方根をとって小数点以下第3位を四捨五入します。
答えの内訳
- ①:0.32
- 相関係数 = 共分散 ÷ (ファンドYの標準偏差 × ファンドZの標準偏差) = 80.00 ÷ (10.00 × 25.00) = 80.00 ÷ 250.00 = 0.32 となります。
- ②:0.59
- シャープ・レシオ = (ファンドの実績収益率 - 安全資産利子率) ÷ 標準偏差 = (6.00% - 0.10%) ÷ 10.00% = 5.90 ÷ 10.00 = 0.59 となります。
- ③:13.21(%)
- ポートフォリオの分散 = (0.6)^2 × (10.0)^2 + (0.4)^2 × (25.0)^2 + 2 × 0.6 × 0.4 × 80.00(または 2 × 0.6 × 0.4 × 0.32 × 10.0 × 25.0)= 0.36 × 100 + 0.16 × 625 + 0.48 × 80.00 = 36 + 100 + 38.4 = 174.4。標準偏差 = √174.4 ≒ 13.206…%となり、小数点以下第3位を四捨五入して13.21%となります。
覚えるポイント
- ポートフォリオの分散の第3項は「2 × 投資比率1 × 投資比率2 × 共分散」であり、共分散=相関係数×標準偏差1×標準偏差2と同一です。
間違えやすいところ
- シャープ・レシオの分子で安全資産利子率を差し引くのを忘れるミスや、ポートフォリオの分散の第3項にある「2倍」を掛け忘れるミスに注意が必要です。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令・基準に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税法における所得金額の計算(略式別表四)
タックスプランニング · 法人税申告書別表四 / 減価償却超過額 / 退職給付引当金 / 受取配当等の益金不算入 / 所得税額控除
設例のX社(資本金3,000万円の中小企業者等)の当期(2021年4月1日~2022年3月31日)に係る資料に基づき、略式別表四の空欄①~⑥に入る最も適切な数値を求めなさい。
解答・解説を表示
解答
① 3,200,000(円)、② 2,000,000(円)、③ 3,000,000(円)、④ 400,000(円)、⑤ 326,720(円)、⑥ 17,000,000(円)
解説
法人税法における所得金額の計算は、確定した決算に基づく当期純利益を出発点とし、申告書別表四において会計上の収益・費用と税務上の益金・損金の差異を加減算(税務調整)して算出します。
解き方
- 設例の各取引資料から税務上の加算項目(納税充当金、償却超過額、退職給付費用、所得税額控除額)および減算項目(事業税納付額、受取配当益金不算入額、引当金取崩認容額)を計算する。
- 当期純利益に加算項目を足し、減算項目を差し引いて最終的な所得金額(仮計・合計)を算出する。
答えの内訳
- ①:3,200,000
- 当期利益から損金経理をした納税充当金(法人税等の当期確定申告見積額)を加算します。貸借対照表の未払法人税等と同額の3,200,000円となります。
- ②:2,000,000
- 減損損失2,500千円は税務上損金不算入で減価償却費に含まれるため、当期償却額は2,800千円です。限度額は期首帳簿価額4,000千円×0.200=800千円となり、償却超過額は2,800千円-800千円=2,000,000円です。
- ③:3,000,000
- 税務上、退職給付引当金への繰入額(退職給付費用)は損金の額に算入されないため、損金経理した3,000,000円全額を加算します。
- ④:400,000
- 非支配目的株式等(持株比率5%以下)に係る受取配当金は、受取配当等の益金不算入割合が20%であるため、2,000,000円×20%=400,000円を減算します。
- ⑤:326,720
- 預金利子(所得税20,000円・復興所得税420円)と受取配当金(所得税300,000円・復興所得税6,300円)の合計326,720円を加算(別表四上で所得金額に戻し入れ)します。
- ⑥:17,000,000
- 当期利益15,823,280円+加算小計8,200,000円-減算小計7,350,000円(事業税950,000円+配当不算入400,000円+引当金認容6,000,000円)+控除所得税額326,720円=17,000,000円となります。
覚えるポイント
- 税務上損金として認められない減損損失は、会計上減価償却費等として処理されていても税務上の減価償却限度額との比較計算に含めて超過額を算定します。
- 非支配目的株式等に該当する上場株式の配当金は20%が益金不算入となります。
間違えやすいところ
- 退職給付引当金を取り崩して現金を支給した額(認容額)を減算項目に反映し忘れること。
- 法人税額から控除される所得税額・復興特別所得税額を別表四の加算欄(所得税額控除欄)へ戻し入れ忘れること。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
中小法人の納付すべき法人税額の計算
タックスプランニング · 法人税額の計算 / 軽減税率 / 所得拡大促進税制 / 所得税額控除
前問《問57》で求めた所得金額を踏まえ、中小法人であるX社が当期の確定申告により納付すべき法人税額を求めなさい(計算過程を示し、100円未満切り捨て)。
解答・解説を表示
解答
2,661,200(円)
解説
期末資本金1億円以下の中小法人は、年800万円以下の所得金額に対して15%の軽減税率が適用されます。算出税額から租税特別措置法上の特別税額控除や源泉徴収された所得税額を差し引いて最終的な申告納付税額を求めます。
解き方
- 課税所得金額17,000,000円を年800万円以下(税率15%)と年800万円超(税率23.2%)に区分して法人税額を計算する。
- 所得拡大促進税制による控除額(2,000千円×15%=300千円)と源泉所得税等控除額(326,720円)を算出し、法人税額から控除して100円未満を切り捨てる。
覚えるポイント
- 中小法人の法人税率は800万円以下が15%、800万円超が23.2%です。
- 所得拡大促進税制の通常措置における税額控除率は給与等支給増加額の15%(税額控除限度額は調整前法人税額の20%)です。
間違えやすいところ
- 年800万円超の部分の計算で全体の所得金額から800万円を控除し忘れて全額に23.2%を乗じてしまう誤り。
- 所得税額控除について、復興特別所得税額を含めずに所得税本税のみを控除してしまう計算ミス。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総所得金額等の計算(一時所得・雑所得・損益通算)
タックスプランニング · 一時所得の計算 / 雑所得(公的年金等控除・業務その他) / 不動産所得の損益通算の特例 / 総所得金額の計算
設例の〈Aさん(白色申告者)の2021年分の収入等に関する資料〉に基づき、Aさんの2021年分の所得金額として、①総所得金額に算入される一時所得の金額、②雑所得の金額、③総所得金額をそれぞれ求めなさい。なお、答えは万円単位とし、記載のない事項については考慮しないこととする。また、Aさんは所得金額調整控除の適用対象者に該当しない。
解答・解説を表示
解答
① 35(万円) ② 40(万円) ③ 1,315(万円)
解説
総所得金額の算定では、各種所得の区分と要件を正確に判定し、損益通算の制限(土地取得に係る負債利子の不通算や申告分離課税株式の除外)、公的年金等控除の適用、一時所得における金融類似商品の除外および2分の1課税ルールを正しく適用する必要があります。
解き方
- 保険金等の性質から源泉分離課税(金融類似商品)を除外し、一時所得の総収入金額・支出金額・特別控除を適用して2分の1を算出する。
- 公的年金等の合計額と他の所得金額に応じた控除額を比較して公的年金等の雑所得を計算し、個人年金保険の雑所得と合算する。
- 給与所得、不動産所得の通算可能損失、雑所得、一時所得(1/2後)を合算して総所得金額を求める。
答えの内訳
- ①:35(万円)
- 一時払変額個人年金保険(契約後5年以内の解約)は金融類似商品として一律20.315%の源泉分離課税となるため、一時所得の対象から除かれます。対象となる平準払養老保険の満期保険金(差益:850万円-700万円=150万円)と一時払終身保険の解約返戻金(差損:970万円-1,000万円=▲30万円)を通算すると差引金額は120万円となります。特別控除額50万円を控除した一時所得の金額は70万円(120万円-50万円)となり、総所得金額に算入される額はその2分の1である35万円です。
- ②:40(万円)
- 公的年金等の収入金額は老齢基礎年金52万円と確定拠出年金の老齢給付30万円の合計82万円です。65歳以上で公的年金等以外の合計所得金額が1,000万円超2,000万円以下の場合の公的年金等控除額は100万円であるため、公的年金等に係る雑所得は0円となります。一方、個人年金保険契約に基づく年金収入に係る雑所得は、年金収入100万円から必要経費60万円を控除して40万円となります。したがって、雑所得の金額は40万円(0円+40万円)です。
- ③:1,315(万円)
- 給与所得は1,300万円です。不動産所得は収入600万円-経費680万円=▲80万円の損失ですが、土地取得に要した負債利子20万円は損益通算の対象外となるため、通算できる損失は▲60万円です。上場株式の譲渡損失は申告分離課税であり総合課税と通算できません。これに雑所得40万円と一時所得の算入額35万円を加算すると、総所得金額は1,300万円-60万円+40万円+35万円=1,315万円となります。
覚えるポイント
- 5年以内に解約された一時払変額個人年金等は金融類似商品として源泉分離課税となり総合課税の対象外となること
- 不動産所得の赤字のうち、土地等の取得に要した負債の利子に相当する部分の損失額は損益通算の対象外であること
間違えやすいところ
- 一時所得の総所得金額への算入にあたり、特別控除後の金額を2分の1にし忘れるミス
- 公的年金等控除額を判定する際、給与所得等が1,000万円を超えていることによる控除額の10万円引き下げ(110万円から100万円)を失念するミス
出題の前提:2021年10月1日現在施行の所得税法および関係法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法に基づく建築面積および延べ面積の最高限度の計算
不動産 · 建蔽率の緩和(特定行政庁指定の角地・準防火地域内の耐火建築物) / 異なる用途地域にわたる建築面積・延べ面積の計算 / 道路幅員による容積率の制限
設例の〈甲土地および乙土地の概要〉に基づき、甲土地と乙土地を一体とした土地(合計1,950㎡)の上に耐火建築物を建築する場合における、①建蔽率の上限となる建築面積、②容積率の上限となる延べ面積をそれぞれ求めなさい。なお、答えは㎡表示とすること。
解答・解説を表示
解答
① 1,740(㎡) ② 4,800(㎡)
解説
敷地が異なる用途地域や防火規制区域にわたる場合、建築面積および延べ面積は各地域ごとの最高限度を算出して合算します。耐火建築物が準防火地域と防火規制なしの区域にわたる場合、建築物全体に準防火地域の規定が及ぶため、防火規制なし区域部分にも耐火建築物による建蔽率10%緩和が適用されます。
解き方
- 近隣商業地域(900㎡)と第一種住居地域(1,050㎡)に敷地を区分し、それぞれに角地緩和および耐火建築物緩和を適用して建築面積の上限を計算・合算する。
- 2つの前面道路(10mと6m)のうち広い10mを採用し、住居系(4/10)および非住居系(6/10)の道路幅員制限を指定容積率と比較して基準容積率を確定し、延べ面積を合算する。
答えの内訳
- ①:1,740(㎡)
- 近隣商業地域部分(900㎡)は指定建蔽率80%の地域で、準防火地域内の耐火建築物かつ特定行政庁指定の角地であるため建蔽率の制限がなくなり100%が適用され、建築面積の上限は900㎡×100%=900㎡です。第一種住居地域部分(1,050㎡)は、耐火建築物が準防火地域にまたがることで全体に準防火地域の規定が適用されるため、指定建蔽率60%+角地緩和10%+準防火地域内の耐火建築物緩和10%=80%が適用され、1,050㎡×80%=840㎡となります。したがって合計の建築面積の上限は900㎡+840㎡=1,740㎡です。
- ②:4,800(㎡)
- 前面道路幅員は広い方の10mを採用します。近隣商業地域部分(900㎡)の道路幅員制限は10m×6/10=600%であり、指定容積率300%以下であるため基準容積率は300%(延べ面積上限:900㎡×300%=2,700㎡)となります。第一種住居地域部分(1,050㎡)の道路幅員制限は10m×4/10=400%であり、指定容積率200%以下であるため基準容積率は200%(延べ面積上限:1,050㎡×200%=2,100㎡)となります。したがって一体とした土地の延べ面積の上限は2,700㎡+2,100㎡=4,800㎡です。
覚えるポイント
- 指定建蔽率80%の地域で防火地域・準防火地域内の耐火建築物等に該当する場合、建蔽率の制限はなくなり100%となること
- 2以上の前面道路がある場合、容積率制限に用いる道路幅員は最も広い道路の幅員を採用すること
間違えやすいところ
- 第一種住居地域部分(防火規制なし)について、建築物が準防火地域にまたがっていることによる耐火建築物の建蔽率10%緩和を見落とすミス
- 前面道路幅員制限の乗数について、住居系地域(4/10)と近隣商業地域などの非住居系地域(6/10)を取り違えるミス
出題の前提:2021年10月1日現在施行の建築基準法および都市計画法
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
地積規模の大きな宅地の評価・小規模宅地等の特例・相続税の総額の計算
不動産・相続・事業承継 · 地積規模の大きな宅地の評価 / 小規模宅地等の特例 / 相続税の総額の計算
次の設例および条件に基づき、甲土地および乙土地の相続税評価等に関する文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を答えなさい(空欄③は示された選択肢から選ぶこと)。 【設例条件の要約】 ・被相続人Bさん(80歳)は、三大都市圏であるN市内の甲土地(実家敷地、600㎡)および乙土地(アスファルト敷きコインパーキング、1,350㎡)を所有している。 ・Bさんは2年前に老人ホームに転居し、自宅は空き家のままである。介護保険の要介護・要支援認定は受けたことがない。 ・コインパーキングは10年前から大手の駐車場運営会社に賃貸している。 ・相続開始時に長男Aさん(53歳、都内賃貸マンション居住)が甲土地および乙土地を相続により取得する。 ・課税価格の合計額を4億円、法定相続人は子2人(Aさんと妹Cさん)と仮定する。
- イ
- 甲土地のみ対象となります
- ロ
- 乙土地のみ対象となります
- ハ
- 甲土地および乙土地のいずれも対象となります
- ニ
- 甲土地および乙土地のいずれも対象となりません
解答・解説を表示
解答
① 500(㎡)、② 400(%)、③ ロ、④ 10,920(万円)
解説
地積規模の大きな宅地の評価は広大な宅地の減価を反映する制度であり、三大都市圏では500㎡以上かつ指定容積率400%未満が要件です。小規模宅地等の特例では老人ホーム入居時の要介護認定有無が居住用適用の鍵となり、相続税の総額は法定相続分に応じた取得金額に速算表を適用して合算します。
解き方
- 地積規模の大きな宅地の三大都市圏における地積要件(500㎡以上)および除外される指定容積率(400%以上)を確認する。
- 被相続人が要介護・要支援認定を受けずに老人ホームに入居しているため特定居住用宅地等の要件を満たさず、事業用として継続貸付されている乙土地のみが特例対象と判断する。
- 基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人2人=4,200万円)を課税価格4億円から差し引き、各法定相続分(1/2ずつ)に応ずる取得金額(1億7,900万円)を求める。
- 速算表(税率40%、控除額1,700万円)を適用して各人の相続税額を算出し、2人分を合算して相続税の総額を計算する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:500(㎡)
- 三大都市圏において「地積規模の大きな宅地の評価」の対象となる地積要件は500㎡以上(三大都市圏以外は1,000㎡以上)です。
- 小問 ②:400(%)
- 指定容積率が400%(東京都の特別区においては300%)以上の地域に所在する宅地は、地積規模の大きな宅地の対象から除外されます。
- 小問 ③:ロ
- 甲土地は被相続人が老人ホーム入居時に要介護・要支援認定を受けていなかったため特定居住用宅地等の対象外です。乙土地はアスファルト舗装の貸付事業用宅地等に該当するため対象となります。
- 小問 ④:10,920(万円)
- 課税遺産総額=4億円-4,200万円=35,800万円。法定相続分各17,900万円に対する税額は各5,460万円(17,900万円×40%-1,700万円)となり、総額は10,920万円です。
覚えるポイント
- 地積規模の大きな宅地の地積要件は三大都市圏500㎡以上、三大都市圏以外1,000㎡以上で、指定容積率400%(東京23区300%)以上は除外。
- 老人ホーム入居による空き家宅地への特定居住用宅地等の特例適用には、入居直前に要介護・要支援認定を受けていることが必要。
間違えやすいところ
- 老人ホームに入居していれば無条件で特定居住用宅地等の特例が受けられると誤認すること(要介護認定等の要件が必要)。
- 青空駐車場(未舗装の自走式土地)とアスファルト敷き駐車場(構築物あり)を混同し、貸付事業用宅地等に該当しないと誤解すること。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
土地の有効活用に伴う借地権割合・貸家建付地評価・事業用定期借地権
不動産・相続・事業承継 · 建設協力金方式 / 貸家建付地の評価 / 事業用定期借地権 / 債務控除
次の設例および条件に基づき、甲土地および乙土地の有効活用(建設協力金方式および事業用定期借地権方式)に関する文章の空欄①~⑤に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。 【設例条件の要約】 ・甲土地と乙土地を一体とした土地(自用地価額4億円)に店舗等の建物を建設して賃貸する。 ・路線価図における借地権割合記号は「D」、借家権割合は30%、賃貸割合は100%とする。 ・テナントから建設資金として受け入れた建設協力金の残債務がある。 ・事業用定期借地権方式の存続期間による区分、および土地賃貸後の敷地の相続税法上の評価区分を答える。
解答・解説を表示
解答
① 60(%)、② 32,800(万円)、③ 債務控除、④ 30(年)、⑤ 貸宅地
解説
土地活用の手法により相続税評価や債務の扱いが異なります。地主が建物を建てて賃貸する建設協力金方式では土地は貸家建付地として減額評価され、預かった協力金は債務控除されます。一方、事業用定期借地権方式(存続期間10年以上50年未満、30年を境界に区分)では借主が建物を所有するため土地は貸宅地として評価されます。
解き方
- 路線価表示「220D」「180D」のアルファベット記号から借地権割合(D=60%)を特定する。
- 貸家建付地の計算式「自用地価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)」に数値を代入して相続税評価額を計算する。
- 建設協力金方式で調達した資金の未返還残高が相続税の課税価格から控除できる「債務控除」に該当することを確認する。
- 借地借家法第23条に規定される事業用定期借地権等の存続期間の区分基準(30年)を確認する。
- 他人に建物所有目的で土地を貸し付けているため、相続税評価上の土地区分が「貸宅地」となることを確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:60(%)
- 路線価図における借地権割合の記号「D」に対応する借地権割合は60%です(A:90%、B:80%、C:70%、D:60%、E:50%、F:40%、G:30%)。
- 小問 ②:32,800(万円)
- 貸家建付地評価額=自用地価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)=40,000万円×(1-60%×30%×100%)=40,000万円×0.82=32,800万円です。
- 小問 ③:債務控除
- 建設協力金の返還義務(未返還残債務)は被相続人の確実な債務であるため、相続税の課税価格の計算上、債務控除の対象となります。
- 小問 ④:30(年)
- 借地借家法における事業用定期借地権等は、存続期間が「10年以上30年未満」のものと「30年以上50年未満」のものに区分されています。
- 小問 ⑤:貸宅地
- 事業用定期借地権の設定により他人に建物の所有を目的として賃貸している土地は、自用地ではなく「貸宅地」として相続税評価を行います。
覚えるポイント
- 路線価の借地権割合記号:A=90%、B=80%、C=70%、D=60%、E=50%、F=40%、G=30%。
- 事業用定期借地権は専ら事業の用に供する建物所有目的で、期間は「10年以上30年未満」と「30年以上50年未満」の2区分。
間違えやすいところ
- 貸家建付地の算式で「借家権割合」と「借地権割合」を混同したり、乗じる順序や割合を誤って計算すること。
- 事業用定期借地権の期間区分の境界を一般定期借地権の50年等と混同し「20年」や「50年」と解答すること。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
非上場株式の類似業種比準価額の計算
相続・事業承継 · 取引相場のない株式の評価 / 類似業種比準方式 / 比準要素
設例のX社に関する資料に基づき、X社株式の1株当たりの類似業種比準価額を求めなさい。なお、計算過程を示し、答は円単位とすること。端数処理は、1株当たりの資本金等の額を50円とした場合の株数で除した年配当金額は10銭未満切捨て、年利益金額は円未満切捨て、各要素別比準割合および比準割合は小数点第2位未満切捨て、1株当たりの資本金等の額50円当たりの類似業種比準価額は10銭未満切捨て、X社株式の1株当たりの類似業種比準価額は円未満を切捨てることとし、複数の方法がある場合は最も低い価額となる方法を選択すること。
解答・解説を表示
解答
6,660(円)
解説
類似業種比準価額は、類似業種の株価に乗じて配当・利益・純資産の3要素の比準割合を算出し、会社の規模区分に応じた斟酌率(中会社は0.60)を乗じて、資本金等の額に応じた1株当たりの金額に換算して求めます。
解き方
- 類似業種の株価の選定:課税時期の属する月(380円)、前月(400円)、前々月(420円)、前年平均(370円)、2年間平均(375円)のうち最も低い370円を採用する。
- X社の比準要素の計算:1株(50円)当たりの株数600,000株を基準とし、配当金額は記念配当60万円を除いた直前期と直前々期の平均(9.0円)、利益金額は固定資産売却益500万円を除いた2期平均(102円)、簿価純資産(600円)をそれぞれ算定する。
- 比準割合および比準価額の計算:比準割合合計を算出し、370円×比準割合×0.60×(500円/50円)によって1株当たりの比準価額を算出する。
覚えるポイント
- 年配当金額・年利益金額は直前期単年または直前2期平均のうち納税者に有利な方(原則として低い方)を選択できること、記念配当や固定資産売却益などの非経常的な要素は除外することを忘れないようにします。
間違えやすいところ
- 1株当たりの資本金等の額(本問では500円)への換算(500円/50円=10倍)を最後に掛け忘れて50円当たりの金額で答えてしまうミスに注意が必要です。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
非上場株式の純資産価額および併用方式による評価額の計算
相続・事業承継 · 純資産価額方式 / 併用方式 / 会社規模区分(中会社)
設例のX社に関する資料に基づき、X社株式の1株当たりの①純資産価額および②類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式による価額をそれぞれ求めなさい。なお、計算過程の記載は不要とし、答は円未満を切り捨てて円単位とすること。また、複数の方法がある場合は最も低い価額となる方法を選択すること。
解答・解説を表示
解答
① 7,260(円) ② 6,720(円)
解説
純資産価額方式は相続税評価額ベースの純資産から評価差額に対する法人税額等(37%)を控除して算定します。中会社の原則的評価は、類似業種比準価額と純資産価額を会社の規模に応じた割合(L値)で按分して算定します。
解き方
- 1株当たりの純資産価額の計算:相続税評価額による資産・負債の差額から、帳簿価額との評価差額に対する法人税額等相当額(37%)を控除し、発行済株式数で除して7,260円を求める。
- 併用方式による評価額の計算:中会社の大のL値(0.90)を用いて、類似業種比準価額(6,660円)×0.90+純資産価額(7,260円)×0.10 を計算し、6,720円を求める。
答えの内訳
- ①:7,260(円)
- 相続税評価額による純資産額は156,800万円-108,800万円=48,000万円。帳簿価額による純資産額は144,800万円-108,800万円=36,000万円。評価差額は48,000万円-36,000万円=12,000万円。評価差額に対する法人税額等相当額は12,000万円×37%=4,440万円。差引純資産額は48,000万円-4,440万円=43,560万円。発行済株式総数60,000株で除して、43,560万円÷60,000株=7,260円。
- ②:6,720(円)
- X社の規模区分は「中会社の大」であるため、類似業種比準価額の割合(L)は0.90となる。併用方式による評価額=類似業種比準価額×0.90+純資産価額×(1-0.90)=6,660円×0.90+7,260円×0.10=5,994円+726円=6,720円。
覚えるポイント
- 中会社の規模区分別のL値(大:0.90、中:0.75、小:0.60)および評価差額に対する法人税等相当額の割合(37%)を確実に押さえておく必要があります。
間違えやすいところ
- 評価差額に対する法人税等相当額(37%)を控除する際に、帳簿価額ベースの純資産を基準にしてしまったり、発行済株式数ではなく50円ベースの株数で除してしまったりする誤りに注意が必要です。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配当還元方式・会社規模判定・株式移転対策
相続・事業承継 · 配当還元方式 / みなし贈与 / 会社規模の判定 / 特定の評価会社
X社株式に関する次の文章の空欄①~⑥に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。 〈Dさんが所有するX社株式の相続税評価額〉 Ⅰ 「Dさんの相続人がX社株式を相続により取得した場合、X社株式は配当還元方式により評価されます。《設例》の〈X社の概要〉に基づく、X社株式の1株当たりの配当還元方式による価額は( ① )円になります」 〈Dさんが所有するX社株式の買取り〉 Ⅱ 「実際の売買価額は、配当還元方式による価額と原則的評価方式による価額の範囲内で、Dさんとの相対交渉で決まると思われます。同族株主である長男Cさんが、原則的評価方式による価額以下の低額譲渡によりDさんのX社株式を買い取った場合、その差額が長男Cさんへの( ② )となることが想定されます」 〈取引相場のない株式の評価上の区分〉 Ⅲ 「非上場株式の相続税評価額を計算するうえでの会社規模は、業種、総資産価額、従業員数、直前期末以前1年間における取引金額(売上高)により判定します。正社員の積極採用を計画しているX社の従業員数が( ③ )人以上になれば、X社の会社規模は大会社と判定されます。また、従業員数が( ③ )人未満であっても、直前期末以前1年間における取引金額(売上高)が( ④ )億円以上になれば、大会社と判定されます」 〈X社株式の移転〉 Ⅳ 「X社株式の移転方法には、相続時精算課税制度の活用、非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の特例の活用、長男CさんがAさんから買い取るなど、いくつかの方法を検討することができますが、X社株式の相続税評価額を引き下げてから実行に移すことが肝要です。 Aさんに対する役員退職金の支給は、1株当たりの利益金額を引き下げる効果が大きいと思われます。1株当たりの利益金額を引き下げるために、新会社を設立するなど、高収益部門を分社化することも検討することができますが、設立した新会社は、開業後( ⑤ )年未満の会社に該当し、原則として、当該株式は( ⑥ )方式により評価されます。 役員退職金の支給は、純資産額も減少させます。また、純資産額を減少させる効果を目的に、賃貸物件を購入する対策も考えられますが、( ⑤ )年以内に取得した土地および建物は、相続税評価額ではなく、通常の取引価額(取得価額)により評価することに注意してください」
解答・解説を表示
解答
① 900(円) ② みなし贈与 ③ 70(人) ④ 15(億円) ⑤ 3(年) ⑥ 純資産価額(方式)
解説
同族株主以外の少数株主が取得する株式は配当還元方式で評価されます。一方、同族株主間の売買や同族株主の株式取得において著しく低い価額で取引が行われた場合はみなし贈与の問題が生じます。また、取引相場のない株式の規模判定(従業員数・取引金額等)や、特定の評価会社(開業後3年未満の会社等)の判定基準を正しく把握することが実務上重要です。
解き方
- 配当還元方式の算式に従い、直前2年間の年平均配当金額(特別配当・記念配当を除く)を求め、1株当たり資本金等の額に応じた評価額を算出する。
- 個人間における低額譲渡に伴う税法上の取扱い(相続税法第7条のみなし贈与)を確認する。
- 業種(製造業)に応じた大会社の規模判定基準(従業員数70人以上、売上高15億円以上)および特定の評価会社の基準(3年未満・純資産価額方式)を適用する。
答えの内訳
- ①:900(円)
- 直前2年間の非経常的な配当(記念配当60万円)を除いた年平均配当額は、{(780万円-60万円)+360万円}÷2=540万円です。50円換算の株式数60万株で除すと1株(50円)当たり9.0円となります。配当還元価額は(9円÷10%)×(500円÷50円)=900円と計算されます。
- ②:みなし贈与
- 同族株主が他の株主から取引相場のない株式を著しく低い対価で取得した場合、適正な時価(原則的評価方式による価額)との差額に相当する利益を受けたものとして、相続税法第7条の「みなし贈与」により贈与税の課税対象となります。
- ③:70(人)
- 取引相場のない株式の会社規模判定において、製造業等(卸売業以外)の企業は従業員数が70人以上であれば、他の要素(総資産価額や取引金額)にかかわらず無条件で大会社として判定されます。
- ④:15(億円)
- 会社規模判定の取引金額(売上高)基準において、製造業・その他業種の企業は、従業員数が70人未満であっても直前期末以前1年間の取引金額が15億円以上であれば大会社として判定されます。
- ⑤:3(年)
- 「開業後3年未満の会社」および「開業前又は休業中の会社」は特定の評価会社に該当します。また、純資産価額の計算において課税時期前3年以内に取得等をした土地や建物は、通常の取引価額(帳簿価額等)で評価されます。
- ⑥:純資産価額(方式)
- 特定の評価会社のうち「開業後3年未満の会社等」に該当する場合、類似業種比準方式を適用することはできず、原則的評価方式としては「純資産価額方式」により評価することになります。
覚えるポイント
- 配当還元方式:(年配当金額÷10%)×(1株当たりの資本金等の額÷50円)。年配当金額が2円50銭未満の場合は2円50銭とする。
- 製造業の大会社判定:従業員70人以上、または年間取引金額15億円以上。
- 開業後3年未満の会社・取得後3年以内の土地等は、株式評価対策防止のため純資産価額(通常の取引価額)で評価される。
間違えやすいところ
- 配当還元方式の年配当金額の計算で、記念配当(60万円)の除外を忘れてしまうミス。
- 卸売業(従業員100人以上・取引金額30億円以上)や小売・サービス業の会社規模基準と製造業の基準を混同すること。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2022年5月 1級 学科(応用編)
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2022年5月 1級 学科(応用編)の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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