日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2022年5月 1級 学科(基礎編)の概要
FP業務と関連法規
ライフプランニングと資金計画 · FPの職業倫理と関連法規 / 社会保険労務士法 / 土地家屋調査士法 / 司法書士法 / 税理士法
ファイナンシャル・プランニング(FP)を業として行ううえでの関連法規に関する次の記述(a)〜(c)のうち、適切なものの組み合わせ数として正しいものを選択肢1〜4の中から1つ選びなさい。なお、本問における独占業務とは、当該資格を有する者のみが行うことができる業務であるものとし、各法規における別段の定め等は考慮しないものとする。 (a) 社会保険労務士法により、他人の求めに応じて、報酬を得て業として行う事務であって、労働社会保険諸法令に基づく「申請書等の作成、その提出に関する手続の代行」「申請等の代理」「年金額の試算」は、社会保険労務士の独占業務である。 (b) 土地家屋調査士法により、不動産の権利に関する登記について、他人の依頼を受けて業として行う「登記に関する手続の代理」「法務局に提出する書類の作成」は、有償・無償を問わず、土地家屋調査士の独占業務である。 (c) 税理士法により、他人の求めに応じて、業として行う「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」は、有償・無償を問わず、税理士の独占業務である。
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解答
1
解説
士業の独占業務に関する法令の範囲を正確に把握することが重要です。税理士業務は有償・無償を問わず独占とされていますが、一般的な公的年金額の試算は社労士の独占業務ではなく、不動産の「権利に関する登記」の代理・書類作成は土地家屋調査士ではなく司法書士の独占業務です。
解き方
- (a)の「年金額の試算」が社会保険労務士法上の独占業務に含まれるか確認し、含まれないため不適切と判断します。
- (b)の「不動産の権利に関する登記」が土地家屋調査士の独占業務であるか確認し、表示の登記が対象であり権利は司法書士であるため不適切と判断します。
- (c)の税理士業務(税務代理・税務書類作成・税務相談)が無償であっても独占業務となる規定を確認し、適切と判断します。
- 適切な選択肢は(c)の1件のみであるため、正答を「1(1つ)」と判定します。
- 選択肢 1正解
- 適切な記述は(c)の1つのみであるため、正解となります。
- 選択肢 2不正解
- 適切な記述は1つのみであるため、2つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 適切な記述は1つのみであるため、3つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- (c)が適切な記述であるため、0(なし)とする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 税理士法上の業務(税務相談等)は有償・無償を問わず税理士の独占業務です。
- 不動産の権利に関する登記申請手続の代理等は司法書士の独占業務です(土地家屋調査士は表示に関する登記)。
間違えやすいところ
- 公的年金の試算は一般に社労士独占業務ではないため、FPも試算ツール等を用いて行うことができます。
- 土地家屋調査士と司法書士の登記業務の所管(表示か権利か)を取り違えやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的介護保険制度の仕組みと給付
ライフプランニングと資金計画 · 公的介護保険 / 第1号被保険者・第2号被保険者 / 高額介護サービス費 / 要介護認定・要支援認定
公的介護保険に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
4
解説
公的介護保険では、第1号被保険者(65歳以上)の保険料は市区町村が年金からの特別徴収または普通徴収で直接徴収します。また、現役並み所得者の利用者負担や高額介護サービス費の限度額区分が所得水準に応じて段階的に設定されています。
解き方
- 選択肢1:第1号被保険者の保険料徴収方法を検討し、年金からの特別徴収または直接納付(普通徴収)であり、健康保険料合算(第2号被保険者の方法)ではないため不適切と判断します。
- 選択肢2:要支援認定(新規)の有効期間ルールを検討し、原則12カ月(3〜36カ月の範囲)であり、48カ月(要介護認定の更新等で最長48カ月)ではないため不適切と判断します。
- 選択肢3:第2号被保険者(40〜64歳)の自己負担割合は所得にかかわらず原則1割固定であるため不適切と判断します。
- 選択肢4:高額介護サービス費の見直し区分に基づき、課税所得500万円の単身者は月額93,000円上限となるため適切と判定します。
- 選択肢 1不正解
- 第1号被保険者の保険料は市区町村が徴収(年金天引きの特別徴収または普通徴収)し、健康保険料とあわせて給与天引きされるのは第2号被保険者です。
- 選択肢 2不正解
- 初めて要支援認定を受けた場合の有効期間は原則12カ月(3カ月から36カ月までの範囲内)です(48カ月まで延長できるのは要介護認定の更新時等)。
- 選択肢 3不正解
- 2割または3割の自己負担割合が適用されるのは第1号被保険者のみであり、第2号被保険者の自己負担割合は所得にかかわらず一律1割です。
- 選択肢 4正解
- 課税所得500万円の単身第1号被保険者(課税所得380万円以上500万円以上区分)における高額介護サービス費の世帯上限額は月額93,000円です。
覚えるポイント
- 介護保険第2号被保険者の自己負担割合は所得に関わらず一律1割です(2割・3割負担は第1号被保険者のみ)。
- 第1号被保険者の保険料徴収は市区町村が実施し、特別徴収(年金天引き)または普通徴収となります。
間違えやすいところ
- 医療保険の現役並み負担(3割)と混同して第2号被保険者にも2割・3割負担があると誤認しやすいです。
- 高額介護サービス費の上限額改定(2021年8月新設の93,000円や140,100円の区分)を見落としがちです。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
労働者災害補償保険の適用と給付
ライフプランニングと資金計画 · 労働者災害補償保険 / 適用労働者 / 特別加入制度 / 休業補償給付
労働者災害補償保険(労災保険)に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
1
解説
労災保険は労働基準法上の災害補償責任を担保する制度であるため、原則として事業に使用され賃金を支払われるすべての労働者(パート・アルバイト・日雇労働者等を含む)に適用されます。雇用保険のような所定労働時間や雇用見込み期間による除外規定はありません。
解き方
- 選択肢1:労災保険の適用労働者の定義を確認し、日雇労働者や短期契約労働者もすべて含まれるため、「含まれない」とする記述を不適切と判断します。
- 選択肢2:個人タクシー等の特定作業従事者・一人親方等の通勤災害の適用関係を確認し、業務と通勤の境界が曖昧なため通勤災害の対象外とされている規定と整合することを確認します。
- 選択肢3:業務災害による休業補償の待期期間(3日間)における労働基準法第76条の規定(平均賃金の60%補償)と4日目以降の労災給付(60%+特別支給金20%)の関係が適切であることを確認します。
- 選択肢4:テレワーク・在宅勤務者であっても雇用関係にある労働者であれば当然に労災保険の適用対象となることを確認します。
- 選択肢 1正解
- 労災保険は労働者の保護を目的としており、雇用形態を問わず日雇労働者や短期雇用労働者も含めてすべて適用労働者となります。
- 選択肢 2不正解
- 個人タクシーや個人貨物運送業者などの一人親方等は住居と就業場所が密接不可分であること等から、通勤災害に関する規定は適用されず正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- 労災の休業補償給付は休業4日目から支給され、最初の3日間(待期期間)は事業主が労基法に基づき平均賃金の60%の休業補償を行う義務があり正しい記述です。
- 選択肢 4不正解
- 在宅勤務(テレワーク)であっても事業主と雇用関係にある労働者であれば労災保険の適用労働者となるため正しい記述です。
覚えるポイント
- 労災保険には雇用保険のような週20時間以上や31日以上雇用見込みといった適用除外条件はなく、短時間・日雇労働者も全員が対象です。
- 休業補償給付の待期期間(初日から3日間)は労基法に基づき会社が60%補償義務を負います。
間違えやすいところ
- 雇用保険の適用除外基準(31日未満の雇用契約等)と労災保険の基準を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
雇用保険の各種給付制度
ライフプランニングと資金計画 · 雇用保険 / 高年齢雇用継続給付 / 高年齢再就職給付金 / 介護休業給付金 / 育児休業給付金
雇用保険に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
2
解説
雇用保険の高年齢再就職給付金は、60歳以上65歳未満での再就職を促進するため、基本手当の支給残日数が100日以上(算定基礎期間5年以上)ある場合に支給されます。高年齢雇用継続基本給付金の支給額算定は「各支給対象月に支払われた賃金額」に乗じる点に注意します。
解き方
- 選択肢1:高年齢雇用継続基本給付金の給付額算定基準を確認し、「60歳到達時の賃金月額」ではなく「各支給対象月に支払われた賃金額」の15%であるため不適切と判断します。
- 選択肢2:高年齢再就職給付金の支給要件(算定基礎期間5年以上、基本手当受給実績、就職日前日の支給残日数100日以上等)を確認し、適切と判断します。
- 選択肢3:介護休業給付金が全額不支給となる賃金水準を確認し、80%以上支払われた場合に不支給となる(67%ではない)ため不適切と判断します。
- 選択肢4:パパ・ママ育休プラス制度による育休延長限度年齢を確認し、1歳2カ月まで(原則1歳から)であり、1歳6カ月ではないため不適切と判断します。
- 選択肢 1不正解
- 給付金の額は「60歳到達時の賃金月額」ではなく「支給対象月に実際に支払われた賃金額」に15%を乗じて計算されます。
- 選択肢 2正解
- 高年齢再就職給付金の要件として、算定基礎期間5年以上、基本手当の支給残日数100日以上などが定められており適切です。
- 選択肢 3不正解
- 介護休業給付金が支給されないのは、休業開始時賃金日額×支給日数の「80%以上」の賃金が支払われた場合です(67%以上80%未満は減額支給)。
- 選択肢 4不正解
- パパ・ママ育休プラス制度を利用した場合に延長される子の年齢は原則として「1歳2カ月」までです(1歳6カ月や2歳までは保育所に入所できない等の別事由)。
覚えるポイント
- 高年齢再就職給付金の支給残日数要件:100日以上(残日数200日以上で支給期間最長2年、100日以上200日未満で最長1年)。
- 育児休業・介護休業等の給付金は、休業中に賃金の80%以上が支払われた場合は不支給となります。
間違えやすいところ
- 高年齢雇用継続基本給付金の15%を掛ける対象を「60歳到達時賃金」と勘違いしやすいので注意が必要です。
- パパ・ママ育休プラス(1歳2カ月)と保育所に入所できない場合の延長(1歳6カ月・2歳)を取り違えやすいです。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金の学生納付特例制度
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金 / 学生納付特例制度 / 保険料追納 / 学生納付特例事務法人
国民年金の学生納付特例制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
2
解説
国民年金の学生納付特例は学生「本人」の所得のみで審査され、親等の世帯主・扶養義務者の所得は問われません。また、年齢制限はなく所定の学校の学生であれば対象となります。追納にあたって加算額がつかないのは承認を受けた日の属する年度の翌々年度(2年度以内)までです。
解き方
- 選択肢1:所得基準を確認し、学生本人の所得のみが審査対象であり、扶養義務者の所得は問われないため不適切と判断します。
- 選択肢2:学生納付特例事務法人の制度を確認し、大学に申請を委託すれば本人の役所への直接提出は不要となるため適切と判断します。
- 選択肢3:追納の加算額規定を確認し、承認を受けた年度の翌々年度(2年経過後)を超えると加算金が上乗せされるため、5年度目以内とする記述は不適切と判断します。
- 選択肢4:年齢要件を確認し、学生納付特例に年齢制限(30歳以上不可など)はなく、大学等に在籍していれば対象となるため不適切と判断します。
- 選択肢 1不正解
- 学生納付特例制度の所得審査は「学生本人」の所得のみで判定され、扶養義務者や世帯主の所得は問われません。
- 選択肢 2正解
- 指定を受けた学生納付特例事務法人(大学等)に申請を委託した場合、学生本人が直接自治体や年金事務所に提出する必要はありません。
- 選択肢 3不正解
- 追納時に加算額が上乗せされないのは、承認を受けた年度の「翌々年度まで(2年度以内)」に追納した場合です。
- 選択肢 4不正解
- 学生納付特例制度に対象年齢の上限はなく、30歳以上の社会人経験者や大学院生等であっても要件を満たせば利用できます。
覚えるポイント
- 学生納付特例の所得基準は「本人の所得」のみ(一般の免除や納付猶予と異なり世帯主等の所得は不問)。
- 保険料追納時の加算金は、免除・猶予承認年度の「翌々年度」を超えて追納する場合に発生します。
間違えやすいところ
- 一般の保険料免除(本人・配偶者・世帯主の所得判定)や若年者納付猶予と混同しやすいです。
- 追納期限が「10年以内」であることと、加算金免除期間が「2年度以内」であることを混同しやすいです。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金の遺族給付
ライフプランニングと資金計画 · 遺族基礎年金 / 遺族厚生年金 / 中高齢寡婦加算 / 寡婦年金 / 死亡一時金
公的年金の遺族給付に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
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解答
4
解説
公的年金の遺族給付では、死亡一時金は第1号被保険者の保険料納付済期間が36カ月以上あれば支給されます。一方、遺族厚生年金の夫に対する支給要件(妻死亡時に55歳以上)、中高齢寡婦加算・経過的寡婦加算の生年月日要件、寡婦年金の支給期間(60歳から65歳になるまで)等の各種年齢要件を正確に把握する必要があります。
解き方
- 選択肢1:夫に対する遺族厚生年金の受給要件を確認し、妻死亡時に55歳以上である必要があるため、50歳の夫は受給権がなく不適切と判断します。
- 選択肢2:経過的寡婦加算の対象者生年月日(昭和31年4月1日以前生まれ)を確認し、45歳の妻は該当しないため不適切と判断します。
- 選択肢3:寡婦年金の支給期間を確認し、「60歳から65歳に達するまで」であり「死亡日の翌月から5年間」ではないため不適切と判断します。
- 選択肢4:死亡一時金の受給要件(納付済36カ月以上、遺族の生計同一関係・優先順位)を確認し、8年納付かつ母が生計同一であるため受給可能であり適切と判断します。
- 選択肢 1不正解
- 夫が妻の死亡により遺族厚生年金を受給できるのは、妻の死亡時に「55歳以上」である場合に限られます(50歳の夫には受給権がありません)。
- 選択肢 2不正解
- 経過的寡婦加算は昭和31年4月1日以前生まれの者に限られるため、45歳の妻(昭和51年前後生まれ)に65歳以降加算されることはありません。
- 選択肢 3不正解
- 寡婦年金は妻が60歳から65歳に達するまでの間に支給されるものであり、58歳の妻の場合は60歳到達月から受給開始となります(死亡翌月から5年間ではありません)。
- 選択肢 4正解
- 第1号被保険者としての納付済期間が36カ月以上あり、受給権を得ずに死亡した場合、生計を同じくしていた父母(優先順位該当者)に死亡一時金が支給されます。
覚えるポイント
- 死亡一時金の納付要件:第1号被保険者として保険料納付済期間等(合算)が36カ月以上。
- 夫の遺族厚生年金受給資格:妻死亡時に55歳以上(支給開始は原則60歳から)。
- 寡婦年金の支給期間:妻が60歳から65歳に達するまで。
間違えやすいところ
- 遺族基礎年金は子のある夫も対象ですが、遺族厚生年金は夫の年齢が「55歳以上」でなければ受給権が発生しない点を見落としやすいです。
- 経過的寡婦加算は中高齢寡婦加算を受給した者全員につくわけではなく、昭和31年4月1日以前生まれの世代限定措置です。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金基金の仕組みと給付
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金基金 / 加入資格・資格喪失 / 掛金の前納割引 / 給付の種類 / 繰上げ受給
国民年金基金に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
3
解説
国民年金基金は、第1号被保険者の老後の所得保障(付加年金を代行・上乗せする給付)を目的としており、障害給付は設けられていません。加入資格は国民年金保険料を全額納付していることが前提となるため、一部免除等を受けた場合は資格を喪失します。
解き方
- 選択肢1:国民年金保険料の一部免除を受けた場合の基金加入員資格を確認し、保険料免除(法定・申請・一部免除問わず)を受けると資格を喪失するため適切と判断します。
- 選択肢2:1年分の掛金を前納した場合の割引額を確認し、0.1カ月分が割引されるため適切と判断します。
- 選択肢3:国民年金基金の給付事由を確認し、老齢給付と死亡一時金のみで構成され障害給付はないため、不適切と判断します。
- 選択肢4:老齢基礎年金を繰上げ請求した場合の基金給付を確認し、付加年金相当部分が減額されて繰上げ支給されるため適切と判断します。
- 選択肢 1不正解
- 国民年金保険料の一部免除(4分の1免除等)の適用を受けた場合、国民年金基金の加入資格を喪失するため正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 国民年金基金の掛金を4月から翌年3月まで1年分前納した場合、掛金は0.1カ月分割引されるため正しい記述です。
- 選択肢 3正解
- 国民年金基金の給付には障害給付(障害年金等)は存在せず、老齢給付および遺族一時金のみであるため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 老齢基礎年金を繰上げ請求した場合、1口目の基金年金のうち付加年金相当部分が繰上げ減額されて支給されるため正しい記述です。
覚えるポイント
- 国民年金基金の給付は「老齢年金」と「遺族一時金」の2種類のみ(障害給付はない)。
- 国民年金保険料の免除(一部免除を含む)を受けた者は国民年金基金の加入員になれず、加入中の者は資格を喪失します。
間違えやすいところ
- 厚生年金基金や企業年金連合会など他制度の障害給付と混同しやすいです。
- 付加年金相当部分のみ老齢基礎年金と同時に繰上げ減額支給される点を見落としやすいです。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
キャッシュ・フロー計算書(間接法)とフリー・キャッシュ・フロー
ライフプランニングと資金計画 · キャッシュ・フロー計算書 / 営業活動によるキャッシュ・フロー / 投資活動によるキャッシュ・フロー / 財務活動によるキャッシュ・フロー / フリー・キャッシュ・フロー
キャッシュ・フロー計算書(間接法)およびキャッシュ・フローに関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
4
解説
キャッシュ・フロー計算書は営業・投資・財務の3活動に区分されます。フリー・キャッシュ・フロー(FCF)は企業が事業維持・拡大のための投資を行った後に自由に使える資金(一般に営業CF+投資CF)を指し、借入金の返済や配当の原資となる側であるため、借入金の返済そのものはFCFの減少要因とはなりません。
解き方
- 選択肢1:売上高減少や販管費増加は税引前当期純利益を圧縮し営業CFを減少させる要因となるため適切と判断します。
- 選択肢2:固定資産や投資有価証券の取得は現金の支出を伴うため投資活動CFの減少(マイナス)要因となり適切と判断します。
- 選択肢3:自己株式取得や社債償還は資本・負債の返還・支出であり財務活動CFの減少要因となるため適切と判断します。
- 選択肢4:借入金の返済が属する活動区分(財務活動)を確認し、FCF(営業CF+投資CF)の計算には含まれないため不適切と判定します。
- 選択肢 1不正解
- 売上高の減少や販管費の増加は利益を減少させ、結果として営業活動によるキャッシュ・フローを減少させる要因となるため正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 有形固定資産や投資有価証券の取得はキャッシュのアウトフローであり、投資活動によるキャッシュ・フローの減少要因となるため正しい記述です。
- 選択肢 3不正解
- 自己株式の取得や社債の償還は財務的なキャッシュの流出であり、財務活動によるキャッシュ・フローの減少要因となるため正しい記述です。
- 選択肢 4正解
- フリー・キャッシュ・フローは「営業活動CF+投資活動CF」で定義されるため、財務活動に属する「借入金の返済」はFCFの減少要因ではなくFCFの支出先(使途)です。
覚えるポイント
- フリー・キャッシュ・フロー(FCF)= 営業活動によるCF + 投資活動によるCF。
- 借入金の調達・返済、株式の発行、自己株式取得、配当金の支払などはすべて「財務活動によるCF」に分類されます。
間違えやすいところ
- キャッシュの流出(借入金返済)があるからといってFCFが減るわけではなく、FCFの「使途」として借入金返済が行われるという関係を誤解しやすいです。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険契約者保護機構の補償内容
リスク管理 · 生命保険契約者保護機構 / 責任準備金 / かんぽ生命 / 外貨建保険
生命保険契約者保護機構に関する次の記述(a)~(c)のうち、適切なものの組み合わせまたは個数として、最も適切な番号を1つ選びなさい。 (a) 生命保険契約者保護機構による補償の対象となる生命保険契約は、高予定利率契約を除き、保険会社破綻時の責任準備金等の80%まで補償される。 (b) かんぽ生命保険の生命保険契約は、生命保険契約者保護機構の補償の対象とならないが、別途、保険金等の支払に関する政府保証がある。 (c) 国内で事業を行う生命保険会社において加入した外貨建終身保険は、生命保険契約者保護機構の補償の対象とならない。
解答・解説を表示
解答
4
解説
生命保険契約者保護機構は、国内で事業を行う生命保険会社が破綻した際に、保険契約者の保護を図るための制度です。高予定利率契約を除き破綻時の責任準備金等の90%までが補償され、かんぽ生命の契約や国内生保の外貨建保険も補償対象に含まれます。
解き方
- 記述(a)の責任準備金等の補償割合が80%ではなく原則90%であることを確認します。
- 記述(b)のかんぽ生命保険の契約も保護機構の補償対象であり、政府保証の対象ではない点を確認します。
- 記述(c)の国内で事業を行う生命保険会社が引き受ける外貨建保険も保護対象であることを確認し、適切な記述の個数を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 適切な記述は1つもなく、すべて不適切であるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 適切な記述は2つではなく、すべて不適切であるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 3つの記述すべてが不適切であるため誤りです。
- 選択肢 4正解
- (a)補償限度額は責任準備金等の90%、(b)かんぽ生命の契約も保護機構の対象、(c)外貨建終身保険も保護機構の対象となるため、適切なものは0個であり正解です。
覚えるポイント
- 保護機構の補償割合は原則として破綻時の責任準備金等の90%(高予定利率契約を除く)です。
- 国内生保が引き受ける外貨建保険やかんぽ生命保険の契約も保護対象に含まれます。
間違えやすいところ
- 損害保険契約者保護機構の補償割合(保険金の80%や90%など損害保険種目による)と生命保険の「責任準備金等の90%」を混同しないように注意が必要です。
- 民営化前の簡易保険契約に政府保証があることと、民営化後のかんぽ生命保険契約が保護機構対象であることを混同しやすいです。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の保険業法および生命保険契約者保護機構の規定に基づきます。
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険契約の各種手続と税務
リスク管理 · 払済保険 / 契約の転換 / 保険金受取人の変更 / 法人の積立配当金
生命保険契約の各種手続等に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
2
解説
生命保険の各種変更手続には、保障内容や特約の引き継ぎ可否、契約上の同意要件、税務処理などのルールが定められています。特に「契約の転換」は同一社内の制度であり、他社への転換は認められません。
解き方
- 各選択肢の手続内容(払済保険、転換制度、受取人変更、法人契約の配当金)を確認します。
- 転換制度は同一の保険会社内でのみ取り扱われ、他社契約への転換価格の充当はできないという制度要件に照らし、記述2を不適切と判断します。
- 選択肢 1不正解
- 払済保険への変更では各種特約は原則消滅しますが、リビング・ニーズ特約や指定代理請求特約は消滅せず引き継がれるため適切です。
- 選択肢 2正解
- 生命保険の転換制度は同一生命保険会社内で行う制度であり、他社の生命保険契約に転換価格を充当することはできないため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 契約者と被保険者が異なる生命保険契約で死亡保険金受取人を変更する場合、被保険者の同意が必要(保険法44条)であるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 法人が契約する定期保険で配当金を積み立てる通知を受けた場合、通知時に雑収入として益金算入するため適切です。
覚えるポイント
- 生命保険の転換(コンバージョン)は同一の生命保険会社内でのみ利用可能です。
- 被保険者以外の者が契約者である場合、死亡保険金受取人の変更には被保険者の同意が不可欠です。
間違えやすいところ
- 払済保険への変更時に、主契約に付加されている特約のうちリビング・ニーズ特約等まで消滅すると誤認しないようにしましょう。
- 積立配当金の法人の経理処理について、実際に引き出した時ではなく通知時に益金算入する点に注意が必要です。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の保険法および法人税基本通達等に基づきます。
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の各種特約の商品性
リスク管理 · 災害割増特約 / 傷害特約 / 特定損傷特約 / 先進医療特約 / 総合医療特約
生命保険の各種特約の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
1
解説
災害割増特約は不慮の事故等による死亡または高度障害に対して保険金が割り増しされる特約です。身体障害の程度に応じて障害給付金が支払われる特約は「傷害特約」であり、給付範囲の違いを区別して理解することが重要です。
解き方
- 災害割増特約と傷害特約の保障内容の定義の違いを確認します。
- 災害割増特約には身体障害状態に対する障害給付金が含まれないため、記述1が傷害特約と混同されており不適切であると判定します。
- 選択肢 1正解
- 障害の程度に応じて障害給付金が支払われるのは「傷害特約」であり、災害割増特約には障害給付金の支払いは含まれないため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 特定損傷特約は、事故の日から180日以内の骨折・関節脱臼・腱の断裂などの治療について、入院の有無を問わず給付金が支払われるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 先進医療特約の対象は「療養を受けた時点」で厚生労働大臣が定める先進医療に該当するものに限られるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 総合医療特約の手術給付金において、創傷処理やデブリードマン、皮膚切開術などの軽微な処置・手術は支払対象外とされているため適切です。
覚えるポイント
- 災害割増特約:不慮の事故や特定感染症による死亡・高度障害のみを保障(障害給付金はない)。
- 傷害特約:死亡・高度障害に加えて、所定の身体障害状態に対する障害給付金も支払われる。
間違えやすいところ
- 先進医療特約の判定基準日を「契約締結時」と誤解しやすいですが、正しくは「療養を受けた時点」です。
- 災害割増特約と傷害特約の保障範囲の違い(障害給付金の有無)を混同しないように注意しましょう。
出題の前提:2021年10月1日現在の一般的な生命保険商品性に基づきます。
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における生命保険料控除の計算
リスク管理 · 生命保険料控除 / 新旧制度の適用 / 変額個人年金保険 / 更新型医療保険 / 個人年金保険料控除
会社員のAさんが2021年中に払い込んだ生命保険の保険料が下記のとおりである場合、Aさんの2021年分の所得税における生命保険料控除の最大控除額として、最も適切なものを1つ選びなさい。なお、配当はないものとし、記載のない事項については考慮しないものとする。 ・変額個人年金保険(一時払):契約年月日 2021年10月1日、契約者・被保険者・年金受取人 Aさん、死亡給付金受取人 配偶者、払込保険料 1,000万円、特約付加なし ・医療保険(10年更新型):契約年月日 2009年2月1日、契約者・被保険者 Aさん、死亡保障なし、払込保険料 12万円 ・個人年金保険(税制適格特約付加):契約年月日 2010年12月1日、契約者・被保険者・年金受取人 Aさん、死亡給付金受取人 配偶者、払込保険料 36万円、税制適格特約以外の特約なし
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解答
3
解説
所得税の生命保険料控除では、2012年1月1日以後の新契約(または更新・特約中途付加された契約)には新制度が、それ以前の契約には旧制度が適用されます。新制度の各限度額は4万円(合計12万円)、旧制度の各限度額は5万円(合計10万円)であり、全体の最高限度額は12万円です。
解き方
- 各契約の区分を判定します。変額個人年金保険は新制度の一般生命保険料控除(払込1,000万円で控除額4万円)です。医療保険(2009年加入・10年更新型)は2019年に更新され新制度に移行しているため介護医療保険料控除(払込12万円で控除額4万円)です。個人年金保険は旧制度の個人年金保険料控除(払込36万円で控除額5万円)です。
- 控除額を合計します。4万円+4万円+5万円=13万円となりますが、生命保険料控除全体の所得税の適用限度額は12万円であるため、最大控除額は12万円となります。
- 選択肢 1不正解
- 計算結果は12万円となるため、9万円は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 旧制度のみを適用した場合の上限(10万円)にとどまらず、新制度と旧制度の合算により限度額は12万円となるため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 新一般(4万円)+新介護医療(4万円)+旧個人年金(5万円)=13万円ですが、全体の最高限度額である12万円が適用されるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 各控除額の単純合計は13万円になりますが、所得税の生命保険料控除の上限は12万円であるため誤りです。
覚えるポイント
- 2011年12月31日以前に締結した旧契約であっても、2012年以後に「更新」された契約は新制度の対象となります。
- 新制度の全体適用限度額は12万円(一般4万円+介護医療4万円+年金4万円)です。
間違えやすいところ
- 変額年金保険は運用実績に応じ年金額が変動するため、税制適格特約を付加できず一般生命保険料控除の対象となる点を見落としやすいです。
- 2009年加入の10年更新型医療保険が2019年に更新を迎えて新制度の「介護医療保険料控除」へ移行していることを見落としやすいです。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の所得税法(生命保険料控除)に基づきます。
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の概要
リスク管理 · 自賠責保険 / 原動機付自転車 / ノープロフィット・ノーロス / 重過失減額 / 支払限度額
自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
3
解説
自賠責保険は被害者保護を目的とする強制保険です。被害者側に7割以上の重大な過失がある場合に限り保険金が減額(重過失減額)され、被害者の過失が7割未満の場合は過失相殺による減額は一切行われません。
解き方
- 自賠責保険の基本ルール(強制加入対象、保険料の画一性、支払限度額)を確認します。
- 重過失減額制度が「加害者」ではなく「被害者の過失割合が7割以上」のときに適用される点を確認し、記述3を不適切と判断します。
- 選択肢 1不正解
- 原動機付自転車を含むすべての自動車は、自賠責保険の契約が締結されていなければ運行の用に供してはならないため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 自賠責保険はノープロフィット・ノーロス原則に基づき、損害保険会社や年齢・走行距離等にかかわらず一律の保険料が設定されているため適切です。
- 選択肢 3正解
- 重過失減額は「被害者」の過失割合が7割以上の場合に減額される制度であり、加害者の過失割合によって減額されるわけではないため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 被害者1人当たりの支払限度額は、死亡3,000万円、傷害120万円、後遺障害最高4,000万円(常時介護等を要する場合)であるため適切です。
覚えるポイント
- 自賠責保険の重過失減額は被害者の過失が7割以上の場合にのみ適用(7割未満なら減額なし)。
- 支払限度額(被害者1人当たり):死亡3,000万円、傷害120万円、後遺障害75万~4,000万円。
間違えやすいところ
- 任意保険の過失相殺(過失割合に応じて全額から減額)と、自賠責保険の重過失減額(被害者過失7割以上でのみ段階的減額)を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の自動車損害賠償保障法に基づきます。
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人事業主が受け取る損害保険金の課税関係
リスク管理 · 損害保険金と税務 / 個人事業主 / 非課税所得 / 総収入金額算入 / 棚卸資産・休業補償
個人事業主が加入する各種損害保険から受け取った保険金の課税関係に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。なお、各選択肢において、いずれも契約者(=保険料負担者)は個人事業主であるものとする。
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解答
1
解説
所得税法上、心身に加えられた損害や突発的な事故で資産に加えられた損害に基因して取得する保険金は原則として非課税です。ただし、棚卸資産の滅失に対する補填金、得べかりし利益を補填する休業保険金、事業主が受取人となる従業員の傷害保険金などは、事業所得等の総収入金額に算入されます。
解き方
- 事業主が受け取る各損害保険金の性質(身体損害、固定資産損害、休業損害、棚卸資産損害)を確認します。
- 従業員を被保険者とする傷害保険の死亡保険金を事業主が受け取った場合は総収入金額に算入されることを確認し、記述1を適切と判断します。
- 選択肢 1正解
- 個人事業主が従業員を被保険者として受け取った死亡保険金は、事業所得の総収入金額に算入されるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 営業用車両の滅失により受け取った車両保険金は、資産の損害を補填するものであり非課税所得となるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 店舗休業保険から受け取った保険金は、営業不能に伴う得べかりし利益を補填するものであるため、事業所得の総収入金額に算入され不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 商品(棚卸資産)の滅失により受け取った火災保険金は、非課税ではなく事業所得の総収入金額に算入されるため不適切です。
覚えるポイント
- 事業主が受け取る「店舗休業保険金」「棚卸資産(商品)の保険金」は事業所得の総収入金額に算入される。
- 固定資産(店舗・営業用車両など)の滅失による保険金は非課税所得となる。
間違えやすいところ
- 固定資産の損害保険金(非課税)と、棚卸資産や休業損害の保険金(課税・総収入金額算入)の区別を混同しやすいです。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の所得税法第9条および所得税法施行令第94条に基づきます。
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
事業活動に係る賠償責任保険等の商品性
リスク管理 · 労働災害総合保険 / 生産物賠償責任保険 / 施設所有管理者賠償責任保険
事業活動に係る各種損害保険の一般的な商品性に関する次の記述(a)~(c)のうち、適切なものの個数として、最も適切な番号を1つ選びなさい。 (a) 労働災害総合保険は、労働者災害補償保険(政府労災保険)等の上乗せ補償を目的とした「法定外補償保険」と、労働災害により使用者が法律上の損害賠償責任を負うことによって被る損害を補償する「使用者賠償責任保険」の2つの補償から構成されており、いずれか一方のみに加入することも可能である。 (b) ビル改修工事の完了後、工事結果の不良により通行人が滑って転倒し、ケガをしたケースのように、工事の結果に起因して法律上の損害賠償責任を負うことによって被る損害は、生産物賠償責任保険(PL保険)の補償の対象となる。 (c) 飲食店の従業員が自転車で弁当の配達中に誤って通行人に衝突して負傷させた場合に、通行人に対して法律上の損害賠償責任を負うことによって被る損害は、施設所有(管理)者賠償責任保険の補償の対象となる。
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解答
3
解説
企業活動に伴う賠償リスクをカバーする保険として、労働災害を補償する労働災害総合保険、製造・引渡し後の仕事の結果に起因する事故を補償する生産物賠償責任保険(PL保険)、施設やその業務遂行に起因する事故を補償する施設所有(管理)者賠償責任保険があります。
解き方
- 記述(a)の労働災害総合保険の構成(法定外補償と使用者賠償責任)および単独加入の可否を確認します(適切)。
- 記述(b)の請負工事「完了・引渡し後」の事故がPL保険の対象となることを確認します(適切)。
- 記述(c)の施設外で行われる「業務遂行中(弁当の自転車配達中等)」の事故が施設所有(管理)者賠償責任保険の対象となることを確認し(適切)、適切な個数をカウントします。
- 選択肢 1不正解
- 適切な記述は3つすべてであるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 適切な記述は3つすべてであるため誤りです。
- 選択肢 3正解
- (a)、(b)、(c)の記述はすべて正しく、適切なものは「3つ」であるため正解です。
- 選択肢 4不正解
- すべての記述が適切であるため、0(なし)は誤りです。
覚えるポイント
- 生産物賠償責任保険(PL保険)は、製造・販売した生産物だけでなく、「仕事の結果(工事等の引渡し後)」の事故も補償対象です。
- 施設所有(管理)者賠償責任保険は、施設自体の欠陥だけでなく、施設外での「業務遂行」に伴う事故も対象となります。
間違えやすいところ
- 工事「中」の事故は請負業者賠償責任保険、工事「完了・引渡し後」の事故は生産物賠償責任保険(PL保険)という区別を取り違えやすいです。
- 施設外の配達中の事故を施設所有管理者賠償責任保険で補償できないと誤認しないようにしましょう。
出題の前提:2021年10月1日現在の一般的な各種損害保険商品性に基づきます。
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
景気動向指数の構成系列と指標の性質
金融資産運用 · 景気動向指数 / 先行系列 / 一致系列 / 遅行系列 / ディフュージョン・インデックス / コンポジット・インデックス
内閣府が公表する景気動向指数に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
3
解説
景気動向指数には、景気の各部門への波及度合いを示すDIと、景気変動の大きさを表すCIがあります。また指標の動きにより「先行系列(11系列)」「一致系列(10系列)」「遅行系列(9系列)」に分類されています。
解き方
- DIとCIの定義の違いを確認し、基準年を100として水準や変化率をみるのはCIであることを確認します(記述1は誤り)。
- 先行系列・一致系列・遅行系列の各採用系列を確認します。マネーストックは「M2」が先行系列(記述2は誤り)、有効求人倍率は「一致系列」(記述4は誤り)です。
- 先行系列11系列の内容(東証株価指数、実質機械受注、新設住宅着工床面積等)に該当する記述3を適切と判断します。
- 選択肢 1不正解
- 基準年を100として景気変動の大きさやテンポを測定するのは「CI(コンポジット・インデックス)」であるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 景気動向指数の先行系列に採用されているマネーストックは「M1」ではなく「M2」であるため不適切です。
- 選択肢 3正解
- 先行系列には東証株価指数、実質機械受注(製造業)、新設住宅着工床面積など11系列が採用されているため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 有効求人倍率(除学卒)は「先行系列」ではなく「一致系列」に採用されているため不適切です。
覚えるポイント
- CIは景気変動の大きさ・テンポを測定(基準年=100)、DIは景気拡張の波及度合いを測定(50%が分岐点)。
- マネーストックは「M2」が先行系列、有効求人倍率(除学卒)は「一致系列」、完全失業率(逆サイクル)は「遅行系列」。
間違えやすいところ
- 有効求人倍率を「先行系列」と勘違いしやすいですが、景気の動きとほぼ同時に動く「一致系列」です。
- 先行系列に採用されているマネーストックは狭義のM1ではなく「M2」である点に注意しましょう。
出題の前提:2021年10月1日現在の内閣府「景気動向指数」の公表基準に基づきます。
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
金投資の特徴と税務・取引ルール
金融資産運用 · 金投資 / 純金積立 / 金地金の税務 / 金ETF
金投資に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
金投資には現物購入、純金積立、金ETF等があり、金の現物は資産価値を有する有体物であるため売買に消費税が課され、個人による売却益は原則として譲渡所得(総合課税)に区分されます。
解き方
- 純金積立における保管方法(消費寄託と混蔵寄託)の所有権の帰属および返還請求権の性質を確認する。
- 金の購入・売却における消費税の課税関係や、売却益の所得区分(譲渡所得)、つみたてNISAの対象商品要件を照合して正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- 消費寄託契約では、顧客が買い付けた金の所有権は運営会社に移転しますが、顧客は預けた金と同等量の返還をいつでも求めることができます。
- 選択肢 2不正解
- 金地金や純金積立は有価証券ではなく有体物の取引であるため、購入時および売却時のいずれも消費税の課税対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 給与所得者が保有する金地金を売却して得た利益は、一時所得ではなく「譲渡所得(総合課税)」として課税されます。
- 選択肢 4不正解
- つみたてNISAの対象商品は長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託・ETFに限定されており、金ETFは対象商品に含まれません。
覚えるポイント
- 個人の金地金売却益は譲渡所得(総合課税)であり、所有期間5年超で長期譲渡所得となり課税対象が2分の1になる。
間違えやすいところ
- 有価証券の売買が消費税非課税であることから、金投資の売買も非課税と混同しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2021年10月1日現在の税法・関連諸法令
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託の一般的な商品性と運用手法
金融資産運用 · 投資信託 / MRF / ロング・ショート戦略 / インバース型 / ベア型
投資信託の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
投資信託の運用戦略には相場全体の方向性に依存しないオルタナティブ戦略(ロング・ショート等)や、デリバティブを活用して逆相関を目指すインバース(ベア)型、正のレバレッジをかけるブル型などがあります。
解き方
- 各選択肢に記載された投資信託(MRF、ロング・ショート型、インバース型、ベア型)の定義・運用目的を照合する。
- インバース型(ベア型)の特性が「原指標と逆連動」であり、上昇局面ではなく下落局面で収益を狙う点から誤りを判定する。
- 選択肢 1不正解
- MRF(マネー・リザーブ・ファンド)は元本の安全性を重視し、証券総合口座の待機資金の運用・受払いに用いられる公社債投資信託です。
- 選択肢 2不正解
- ロング・ショート戦略は、割安株の買い(ロング)と割高株の空売り(ショート)を組み合わせ、市場全体の動向に左右されない絶対収益を追求します。
- 選択肢 3正解
- インバース型ファンドは対象指標と逆向きの値動きを目指す設計のため、相場の上昇局面ではなく「下落局面」で利益が生じます。指標を上回る正の成果を目指すのはレバレッジ型(ブル型)です。
- 選択肢 4不正解
- ベア型ファンドは、原指標の日々の変動率に対してマイナス1倍やマイナス2倍などの負の倍数を乗じた運用成果を目指します。
覚えるポイント
- ブル(Bull=雄牛の角の突き上げ)は相場上昇、ベア・インバース(Bear=熊の爪の振り下ろし)は相場下落で利益を狙う。
間違えやすいところ
- レバレッジ型(正の倍数で上昇時に利益)とインバース型(負の倍数で下落時に利益)の機能を取り違えないように注意する。
出題の前提:2021年10月1日現在の投信・金融商品取引ルール
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
固定利付債の利回り関係
金融資産運用 · 債券投資 / 固定利付債 / 最終利回り / 直接利回り / パー・アンダーパー・オーバーパー
固定利付債の利回り(単利)に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。 (a) アンダーパーの債券は、最終利回りのほうが直接利回りよりも高くなる。 (b) パーの債券の最終利回りは、表面利率と等しくなる。 (c) オーバーパーの債券の最終利回りは、表面利率よりも高くなる。
解答・解説を表示
解答
2
解説
債券の最終利回りはクーポン収入と償還差損益の合計から算出されます。パー発行・購入時は償還差損益がゼロで表面利率と一致し、アンダーパーでは償還差益が加わるため直接利回りより高くなり、オーバーパーでは償還差損により表面利率・直接利回りより低くなります。
解き方
- (a) アンダーパー(購入価格<100円)では償還差益が発生するため、最終利回り>直接利回りとなり適切であることを確認する。
- (b) パー(購入価格=100円)では償還差損益がゼロとなるため、最終利回り=直接利回り=表面利率となり適切であることを確認する。
- (c) オーバーパー(購入価格>100円)では償還差損が発生するため、最終利回り<表面利率となる点から不適切と判定し、適切な記述の数を数える。
- 選択肢 1不正解
- 適切な記述が2つあるため、1つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 2正解
- (a)と(b)の2つが正しく、適切な記述の個数は「2つ」です。
- 選択肢 3不正解
- (c)が不適切であるため、3つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 適切な記述が存在するため、0(なし)とする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- アンダーパー:最終利回り > 直接利回り > 表面利率、オーバーパー:表面利率 > 直接利回り > 最終利回り。
間違えやすいところ
- オーバーパーの債券は価格が高いため利回りが高くなると勘違いしやすいですが、償還時に100円に下がる差損が生じるため利回りは低くなります。
出題の前提:2021年10月1日現在の債券利回り算定基準
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
定率成長配当割引モデルによる期待成長率の算出
金融資産運用 · 株式の投資基準 / 配当割引モデル / ゴードン・モデル / 期待成長率
株価が1,000円で期待利子率(割引率)が5.0%、1株当たりの予想配当が35円の場合、定率で配当が成長する配当割引モデルにより計算した当該株式の予想配当に対する期待成長率として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。
解答・解説を表示
解答
2
解説
定率成長配当割引モデル(ゴードン・モデル)では、株価P、次期予想配当D1、期待利子率(割引率)k、期待配当成長率gの間に「P = D1 / (k - g)」の関係が成立します。
解き方
- 与えられた数値を整理する:株価 P = 1,000円、割引率 k = 5.0%(0.05)、予想配当 D1 = 35円。
- モデルの算式「1,000 = 35 / (0.05 - g)」を g について解く。
- 0.05 - g = 35 / 1,000 = 0.035 より、g = 0.05 - 0.035 = 0.015(1.50%)と算出する。
- 選択肢 1不正解
- 計算手順の誤りによる数値です。正しくは1.50%となります。
- 選択肢 2正解
- 定率成長モデルの算式に当てはめると g = 0.05 - 35/1,000 = 0.015(1.50%)となり適切です。
- 選択肢 3不正解
- 配当利回り(35/1,000=3.5%)等を用いた誤った計算結果です。
- 選択肢 4不正解
- 割引率に配当利回りを加算(5.0%+3.5%=8.5%)した誤りです。
覚えるポイント
- 定率成長モデル:株価 = 予想配当 ÷ (期待利子率 - 期待成長率)。
間違えやすいところ
- 分母の「割引率 - 期待成長率」を「割引率 + 期待成長率」と混同しないように注意する。
出題の前提:2021年10月1日現在の証券分析・ファイナンス理論
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外貨定期預金の実質利回り(単利・年換算)
金融資産運用 · 外貨預金 / 利回り計算 / TTS・TTB / 為替差損益
以下の〈条件〉で、為替予約を付けずに円貨を外貨に交換して外貨預金に預け入れ、満期時に円貨で受け取る場合における利回り(単利による年換算)として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、1カ月は「30日÷360日」として計算し、税金等は考慮せず、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。 〈条件〉 ・外貨預金の通貨、期間、利率 豪ドル建て定期預金、期間1カ月、利率3.00%(年率) ・為替レート 預入時為替レート:TTS 80.00円、TTM 79.50円、TTB 79.00円 満期時為替レート:TTS 82.00円、TTM 81.50円、TTB 81.00円
解答・解説を表示
解答
4
解説
円を外貨に換える際は顧客が円を売るためTTSレートを適用し、満期時に外貨を円に戻す際は顧客が外貨を売るためTTBレートを適用します。得られた円貨ベースの1期間利回りを年換算(× 360/預入日数)して利回りを求めます。
解き方
- 預入時適用レート(TTS=80.00円)と満期時適用レート(TTB=81.00円)を決定する。
- 1豪ドルあたりの満期外貨元利金を計算する:1豪ドル + 1豪ドル × 3.00% × (30/360) = 1.0025豪ドル。
- 満期時の円貨受取額を計算する:1.0025豪ドル × 81.00円 = 81.2025円。
- 1カ月の収益率を求める:(81.2025円 - 80.00円) ÷ 80.00円 = 0.01503125。
- 年換算(単利)する:0.01503125 × (360 ÷ 30) = 0.180375 → 18.0375%。小数点以下第3位を四捨五入して 18.04%。
- 選択肢 1不正解
- 為替レート適用の取り違えや計算手順の誤りによる数値です。
- 選択肢 2不正解
- 1カ月間の収益率(約1.50%)を年換算せずにそのまま選択した誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 為替差損益の年換算期間の調整を行っていないなどの計算誤りです。
- 選択肢 4正解
- TTS 80.00円で預け入れ、TTB 81.00円で払い戻した際の満期受取額から算出した単利年換算利回りは18.04%となります。
覚えるポイント
- 顧客から見て円から外貨を買うときはTTS(Telegraphic Transfer Selling)、外貨から円へ売るときはTTB(Telegraphic Transfer Buying)。
間違えやすいところ
- 預入時にTTB、満期時にTTSと逆に適用してしまうミスや、1カ月の運用利回りを年換算(×12)し忘れるミスに注意する。
出題の前提:2021年10月1日現在の外貨取引・利回り算定基準
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
オプション取引およびデリバティブによるリスクヘッジ
金融資産運用 · デリバティブ取引 / オプション取引 / スワップション / キャップ
オプション取引による一般的なリスクヘッジに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
オプションの買い手は権利行使により損失を限定しつつ有利なポジションを確保できます。スワップションのうち、ペイヤーズ・スワップションは金利上昇ヘッジ(固定払い・変動受け)、レシーバーズ・スワップションは金利低下ヘッジ(固定受け・変動払い)として機能します。
解き方
- プット購入が原資産下落リスクに対するヘッジとなることを確認する(選択肢1)。
- ドル・コール/円・プットがドル高・円安リスクのヘッジとなることを確認する(選択肢2)。
- 金利キャップが金利上限を設定して金利上昇リスクをヘッジする取引であることを確認する(選択肢3)。
- ペイヤーズ・スワップションは「固定金利支払い」の権利であるため、金利上昇に備えるヘッジであり、「固定金利が低下することに対するヘッジ」とする選択肢4を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- プット・オプション(売る権利)の購入は、原資産価格が下落した際に権利行使または転売することで損失をカバーできるため、下落に対するヘッジとなります。
- 選択肢 2不正解
- ドル・コール(ドルを買う権利)/円・プット(円を売る権利)を購入することで、ドルの対円相場が上昇(ドル高/円安)した際の調達コスト上昇を防ぐことができます。
- 選択肢 3不正解
- キャップは金利の上限を買い取るコール・オプションの一種であり、市場金利が上昇した場合に差額を受け取れるため、金利上昇ヘッジとして有効です。
- 選択肢 4正解
- ペイヤーズ・スワップションは固定金利を支払って変動金利を受け取るスワップに入る権利であるため、金利が上昇することに対するヘッジとして利用されます。固定金利の低下に備えるのはレシーバーズ・スワップションです。
覚えるポイント
- ペイヤーズ・スワップション=固定金利払い(金利上昇リスクをヘッジ)、レシーバーズ・スワップション=固定金利受け(金利低下リスクをヘッジ)。
間違えやすいところ
- ペイヤー(支払者)が支払うのは「固定金利」である点を押さえておかないと、金利上昇ヘッジか金利低下ヘッジかを逆に覚えやすいです。
出題の前提:2021年10月1日現在のデリバティブ取引の実務基準
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
追加型株式投資信託の収益分配金と税金・手取額の計算
金融資産運用 · 追加型株式投資信託 / 普通分配金 / 元本払戻金(特別分配金) / 個別元本 / 手取額計算
Aさん(居住者)は、2019年4月に特定口座でXファンド(公募追加型株式投資信託、当初1口1円、年1回分配)10,000口を基準価額11,000円で購入した。下記の〈Xファンドの分配金実績・分配落後基準価額の推移〉に基づき、2022年3月期における10,000口当たりの収益分配金について、所得税および復興特別所得税、住民税の源泉(特別)徴収後の手取金額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、源泉(特別)徴収される税額は円未満切捨てとすること。 〈Xファンドの分配金実績・分配落後基準価額の推移〉 (10,000口当たりの金額) 決算日:2020年3月期、分配金実績:1,000円、分配落後基準価額:11,500円 決算日:2021年3月期、分配金実績:1,000円、分配落後基準価額:11,200円 決算日:2022年3月期、分配金実績:600円、分配落後基準価額:10,800円
解答・解説を表示
解答
2
解説
公募追加型株式投資信託の収益分配金は、決算日の分配落後基準価額が個別元本と同額以上であれば全額が普通分配金(課税)となります。分配落後基準価額が個別元本を下回る場合は、その下回る部分が元本払戻金(特別分配金・非課税)となり、残りが普通分配金(課税)となります。
解き方
- 購入時の個別元本を確認する:11,000円。
- 2020年3月期および2021年3月期を追跡する:分配落後基準価額はそれぞれ11,500円、11,200円であり、個別元本11,000円を上回っているため元本払戻金は発生せず、2022年3月期直前の個別元本は11,000円のまま維持される。
- 2022年3月期の分配金内訳を計算する:分配金600円、分配落後基準価額10,800円。個別元本11,000円を下回る額は「11,000円 - 10,800円 = 200円」であるため、元本払戻金(非課税)は200円、普通分配金(課税)は「600円 - 200円 = 400円」。
- 源泉徴収税額を計算する:所得税および復興特別所得税(15.315%)= 400円 × 15.315% = 61.26円 → 61円(切捨て)。住民税(5%)= 400円 × 5% = 20円。税額合計は 61円 + 20円 = 81円。
- 手取金額を算出する:分配金合計600円 - 税額81円 = 519円(または、非課税200円 + 手取400円-81円=319円 で合計519円)。
- 選択肢 1不正解
- 分配金全額(600円)を普通分配金として課税(税額121円)した場合の手取額(479円)であり、誤りです。
- 選択肢 2正解
- 元本払戻金200円(非課税)と普通分配金400円(税額81円)から、手取額は519円となり適切です。
- 選択肢 3不正解
- 所得税等のみを控除し住民税を考慮しなかった場合などの誤った計算結果です。
- 選択肢 4不正解
- 税金が全く差し引かれない(全額非課税とした)場合の金額であり、誤りです。
覚えるポイント
- 分配落後の基準価額 < 分配前の個別元本 の場合、差額が元本払戻金(特別分配金・非課税)となり、同額だけ個別元本が修正される。
間違えやすいところ
- 所得税・復興特別所得税(15.315%)と住民税(5%)を別々に計算して円未満切り捨てを行う処理を忘れ、20.315%を一括して掛けてしまうミスに注意する。
出題の前提:2021年10月1日現在の所得税法・租税特別措置法
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
預金者保護法による預金等の不正払戻しの補償
金融資産運用 · 預金者保護法 / キャッシュカード / 不正払戻し / 過失と重大な過失
「偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律」(預金者保護法)に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。なお、金融機関に過失はないものとし、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。 (a) 偽造されたキャッシュカードによる預金等の不正払戻しについては、金融機関から生年月日等の他人に類推されやすい暗証番号を別の番号に変更するように複数回にわたる働きかけが行われたにもかかわらず、引き続き、生年月日等を暗証番号にしていた場合など、顧客に過失が認められる場合、被害額の75%相当額が補償の対象となる。 (b) 盗取されたキャッシュカードによる預金等の不正払戻しについては、顧客が他人に暗証番号を知らせた場合やキャッシュカード上に暗証番号を書き記していた場合など、顧客に重大な過失が認められる場合であっても、被害額の全額が補填される。 (c) 盗取されたキャッシュカードによる預金等の不正払戻しについて、補償の対象となる被害額は、やむを得ない特別の事情がある場合を除き、金融機関に対して盗取された旨の通知があった日から30日前の日以降において行われた不正払戻しの額とされる。
解答・解説を表示
解答
1
解説
預金者保護法では、偽造カード被害は原則全額補償(重過失は補償なし、軽過失は75%)、盗難カード被害は過失なしで全額補填、軽過失で75%補填、重過失では補填なしと規定されています。また盗難カードの補填対象期間は原則として通知があった日の30日前の日以降です。
解き方
- (a) 生年月日等の類推されやすい番号の変更について金融機関から複数回にわたり個別の働きかけがあったにもかかわらず変更しなかった場合は「重大な過失」と判断され補償されないため、不適切と判断する。
- (b) 盗難カードの不正払戻しにおいて、暗証番号を他人に教えたりカードに書き記したりする行為は「重大な過失」に該当し、被害額の全額補填は行われないため不適切と判断する。
- (c) 盗難カードの被害補償の対象期間は、金融機関へ通知があった日の30日前の日以降に行われた不正払戻し(やむを得ない特段の事情がある場合を除く)と定められているため、適切と判断する。
- 適切な記述は(c)の1つのみであることを確認する。
- 選択肢 1正解
- 適切な記述は(c)の1つのみであるため、正解は選択肢1となります。
- 選択肢 2不正解
- (a)と(b)はいずれも重大な過失に関する記述に誤りがあるため、2つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 不適切な記述が2つ含まれているため、3つとする本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- (c)が適切な記述であるため、0(なし)とする本肢は誤りです。
覚えるポイント
- 盗難カードの補填対象期間は「通知日より30日前の日以降」。重大な過失(他人に暗証番号を教える・カードにメモする等)があれば補填額はゼロ。
間違えやすいところ
- 「金融機関からの度重なる個別要請を無視した類推暗証番号の使用」は単なる過失ではなく「重大な過失」に分類される点を見落としやすいです。
出題の前提:預金者保護法および全国銀行協会ガイドライン(2021年10月1日現在)
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人事業主の事業所得の計算
タックスプランニング · 白色専従者控除 / 青色事業専従者給与 / 生計を一にする親族間取引
居住者に係る所得税の事業所得に関する次の記述(a)〜(c)のうち、適切なものはいくつあるか。 (a) 青色申告者ではない個人事業主と生計を一にする配偶者が当該事業に従事している場合、「86万円」と「事業所得の金額を当該事業に係る事業専従者の数に1を加えた数で除して計算した金額」のいずれか高い金額を、事業所得の計算上、必要経費とみなすことができる。 (b) 青色申告者である個人事業主が青色事業専従者である長女に支払う退職金は、その額が一般の従業員と同様に退職給与規程に従って算出され、その労務の対価として適正な金額であれば、事業所得の必要経費に算入することができる。 (c) 青色申告者である個人事業主が生計を一にする父親名義の建物を賃借して事業の用に供している場合において、当該事業主が父親に支払った家賃は、その全額を事業所得の必要経費に算入することができる。
解答・解説を表示
解答
4
解説
事業所得の計算において、事業専従者への支払や生計を一にする親族間での取引については、租税回避を防止するため所得税法上で特別な制限規定が設けられています。
解き方
- 各記述における白色事業専従者控除、青色事業専従者への退職金、生計同一親族への家賃支払の税務上の取扱いを確認する。
- (a)は「いずれか低い金額」、(b)は専従者への退職金は必要経費不算入、(c)は生計同一親族への家賃は必要経費不算入であるため、すべて不適切と判定する。
- 選択肢 1不正解
- 適切な記述は1つではなく0個であるため、本選択肢は誤りである。
- 選択肢 2不正解
- 適切な記述は2つではなく0個であるため、本選択肢は誤りである。
- 選択肢 3不正解
- 適切な記述は3つではなく0個であるため、本選択肢は誤りである。
- 選択肢 4正解
- 記述(a)、(b)、(c)のすべてが不適切であるため、適切なものは0個となり本選択肢が正解である。
覚えるポイント
- 白色専従者控除は上限額と所得按分額のいずれか低い方、専従者退職金と親族間家賃は必要経費不算入である。
間違えやすいところ
- 青色事業専従者給与は届出額の範囲で適正額なら経費算入可能だが、退職金は算入できない点に注意する。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の所得税法
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産所得の計算と取扱い
タックスプランニング · 不動産所得の範囲 / 必要経費 / 国外中古建物の損益通算特例
居住者に係る所得税の不動産所得に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
不動産所得は土地や建物等の不動産の貸付け等から生じる所得です。貸付けに伴う収入の区分や、事業的規模に応じた資産損失の取扱い、譲渡目的での支出等の適切な区分が求められます。
解き方
- 各選択肢に記載された収入・費用の性質を、所得税法における所得区分および必要経費の計算ルールに照らし合わせる。
- 看板設置のための屋上等の使用料が不動産所得に該当することを確認し、他の選択肢の誤りを判別する。
- 選択肢 1不正解
- 賃貸アパートの敷地等を譲渡するために支払う立退料は、譲渡費用に該当し、不動産所得の必要経費には算入されないため不適切である。
- 選択肢 2正解
- 家屋の屋上や塀等を看板設置などのために使用させることで受け取る使用料は、不動産所得に該当するため適切である。
- 選択肢 3不正解
- 事業的規模で行われている不動産貸付けにおける建物の取壊し損失は全額が必要経費となり、控除前の不動産所得を限度とする制限はないため不適切である。
- 選択肢 4不正解
- 国外中古建物の不動産所得に係る損益通算等の特例により、簡便法等で算出した減価償却費に起因する損失額は生じなかったものとみなされ損益通算できないため不適切である。
覚えるポイント
- 事業的規模の資産損失は全額が必要経費算入可能だが、業務的規模の場合は損失控除前の所得金額が上限となる。
間違えやすいところ
- 譲渡のために要した立退料は譲渡所得の譲渡費用となり、不動産所得の必要経費と誤認しやすい。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の所得税法・租税特別措置法
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得控除(社会保険料・生命保険料・地震保険料)
タックスプランニング · 社会保険料控除 / 生命保険料控除 / 地震保険料控除
居住者に係る所得税の所得控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
社会保険料控除は、自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族が負担すべき社会保険料を「現実に支払った」場合に適用されますが、公的年金からの特別徴収は受給者自身が納付したものとして扱われます。
解き方
- 公的年金から特別徴収された社会保険料の控除対象者の判定ルールを確認する。
- 特別徴収された介護保険料は年金受給者本人のみの控除対象であり、配偶者である納税者の控除には算入できないことを確認し、2を選択肢として特定する。
- 選択肢 1不正解
- 生計を一にする親族の過去の未納分の国民年金保険料を支払った場合、実際に支払った年分の社会保険料控除の対象となるため適切である。
- 選択肢 2正解
- 配偶者の年金から特別徴収された介護保険料は配偶者自身の控除対象であり、納税者の控除対象とすることはできないため、最も不適切である。
- 選択肢 3不正解
- 保険金受取人が自己または親族である生命保険契約の保険料は、事業主自身の生命保険料控除の対象となるため適切である。
- 選択肢 4不正解
- 旧長期損害保険料(5万円支払で控除額15,000円)と地震保険料(3万円支払で控除額30,000円)の合計は45,000円となり適切である。
覚えるポイント
- 公的年金から特別徴収された社会保険料は年金受給者本人しか控除できず、生計同一親族の申告には含められない。
間違えやすいところ
- 普通徴収(口座振替等)で配偶者や子の保険料を納税者が支払った場合は社会保険料控除の対象になる点と混同しやすい。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の所得税法
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得控除(配偶者控除・障害者控除・ひとり親控除)
タックスプランニング · 配偶者控除 / 青色事業専従者 / 障害者控除 / ひとり親控除
居住者に係る所得税の所得控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
所得控除における親族要件では、対象者の合計所得金額等の要件を満たさなくなると控除自体の適用が不可となるのが原則であり、配偶者特別控除のような段階的逓減措置はひとり親控除には存在しません。
解き方
- 配偶者控除、青色事業専従者、障害者控除、ひとり親控除の各要件および控除額を確認する。
- ひとり親控除における生計を一にする子の総所得金額等要件(48万円以下)と、要件不充足時の取扱い(段階的減少ではなく適用不可)を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合、配偶者控除および配偶者特別控除は適用できないため適切である。
- 選択肢 2不正解
- 青色事業専従者給与の支払を受ける者や白色申告の事業専従者は控除対象配偶者には該当しないため適切である。
- 選択肢 3不正解
- 納税者本人が特別障害者である場合の障害者控除の額は40万円(普通障害者は27万円)であるため適切である。
- 選択肢 4正解
- 生計を一にする子の総所得金額等が48万円を超えた場合はひとり親控除の適用対象外となり、段階的に減少するわけではないため最も不適切である。
覚えるポイント
- ひとり親控除は生計同一の子(総所得金額等48万円以下)が必須で、本人の合計所得金額500万円以下が要件である。
間違えやすいところ
- 配偶者特別控除のように所得に応じて控除額が逓減する制度と、要件超過で全額適用外になる制度を混同しないようにする。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の所得税法
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
居住者に係る所得税の確定申告
タックスプランニング · 確定申告不要制度 / 一時所得の判定 / 還付申告
居住者に係る所得税の確定申告に関する次の記述(a)〜(c)のうち、適切なものはいくつあるか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。 (a) 年末調整の対象となる給与所得者が給与所得以外に一時所得を有する場合、確定申告書の提出の要否は、一時所得の金額に2分の1を乗じる前の金額が20万円を超えるか否かにて判定する。 (b) 公的年金等に係る雑所得を有する納税者で、その年中の公的年金等の収入金額が400万円以下である者が、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には、原則として、確定申告書を提出する必要はない。 (c) 年末調整の対象となる給与所得者が給与所得以外に5万円の雑所得の金額がある場合において、その者が医療費控除の適用を受けるために還付申告を行うときは、5万円の雑所得の金額についても申告する必要がある。
解答・解説を表示
解答
2
解説
給与所得者や年金受給者には申告不要制度が設けられていますが、申告不要の判定に用いる所得金額は総所得金額に算入される後の金額であり、また還付申告等で確定申告書を提出する場合は申告不要とされていた所得も含めて全額申告する必要があります。
解き方
- 記述(a)について、一時所得の20万円判定は1/2後の「所得金額」で行うため誤りと判断する。
- 記述(b)について、公的年金等控除後の収入400万円以下かつ他の所得20万円以下の確定申告不要制度の規定に合致し正しいと判断する。
- 記述(c)について、還付申告を行う場合は申告不要制度の適用を受けず全所得を申告しなければならないため正しいと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 適切な記述は(b)と(c)の2つであるため、本選択肢は誤りである。
- 選択肢 2正解
- 記述(b)と記述(c)の2つが適切であり、記述(a)は不適切であるため本選択肢が正解である。
- 選択肢 3不正解
- 記述(a)が不適切であるため、3つすべて適切とする本選択肢は誤りである。
- 選択肢 4不正解
- 適切な記述が2つ存在するため、0個とする本選択肢は誤りである。
覚えるポイント
- 還付申告を行う際は、20万円以下の少額所得であっても申告から除外することはできず全所得を申告する。
間違えやすいところ
- 給与所得者の20万円判定において、一時所得は特別控除を引いた後にさらに1/2を乗じた金額で判定する点に注意する。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の所得税法
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税の申告および納付
タックスプランニング · 電子申告の義務化 / 中間申告のみなし規定 / 確定申告期限 / 更正の請求
法人税の申告および納付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、法人はいずれも内国法人(普通法人)であるものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
法人税法では、申告手続の効率化のため大規模法人に対して電子申告を義務付ける一方で、期限内の中間申告書の不提出に対するみなし申告や、法定申告期限から原則5年以内の更正の請求手続きなどを規定しています。
解き方
- 電子申告義務化の対象となる法人の資本金基準(1億円超)を確認する。
- 記述1の「1億円以下の法人」という記述が誤りであることを特定する。
- 選択肢 1正解
- 電子申告が義務化されているのは資本金の額が1億円を超える法人等であり、1億円以下ではないため最も不適切である。
- 選択肢 2不正解
- 提出すべき中間申告書が期限内に提出されなかった場合、前事業年度実績による予定申告書の提出があったものとみなされるため適切である。
- 選択肢 3不正解
- 確定申告書は、原則として各事業年度終了の日の翌日から2カ月以内に決算書類等を添付して提出する必要があるため適切である。
- 選択肢 4不正解
- 税額が過大であった場合等の更正の請求は、原則として法定申告期限から5年以内に行うことができるため適切である。
覚えるポイント
- 法人税の電子申告義務化は「資本金1億円超」の大規模法人等が対象である。
間違えやすいところ
- 中小法人の優遇税制基準(資本金1億円以下)と、電子申告義務化の基準(1億円超)の適用範囲を混同しないようにする。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法人税法・国税通則法
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
受取配当等の益金不算入
タックスプランニング · 完全子法人株式等 / 関連法人株式等 / その他株式等 / 非支配目的株式等
法人税法上の受取配当等の益金不算入に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、法人はいずれも内国法人(普通法人)であるものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
法人が内国法人から受け取る受取配当等について、二重課税を排除する趣旨から持株比率に応じて4区分され、それぞれの区分に応じた益金不算入割合および負債利子控除の有無が定められています。
解き方
- 受取配当等の益金不算入の4つの区分(完全子法人株式等:100%、関連法人株式等:1/3超、その他株式等:5%超1/3以下、非支配目的株式等:5%以下)を確認する。
- 発行済株式の10%を保有する株式は「その他株式等」に該当し、益金不算入割合が50%であることを適用して誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 株式の100%を保有する完全子法人株式等からの配当は全額(100%)が益金不算入となり、負債利子の控除も行われないため適切である。
- 選択肢 2不正解
- 保有割合1/3超の関連法人株式等からの配当は全額が益金不算入となるが、負債利子額を控除した後の金額となるため適切である。
- 選択肢 3正解
- 保有割合10%の株式は「その他株式等」に該当し、益金不算入となる割合は25%ではなく50%であるため最も不適切である。
- 選択肢 4不正解
- 保有割合5%以下の非支配目的株式等からの配当は、配当の額の20%相当額が益金不算入となるため適切である。
覚えるポイント
- 受取配当等の益金不算入割合は、完全子法人100%、関連法人100%(負債利子控除有)、その他50%、非支配目的20%である。
間違えやすいところ
- その他株式等の不算入割合(50%)を過去の規定や別区分と混同しないように正確に覚える。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法人税法
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
消費税の納税義務・簡易課税・申告納付
タックスプランニング · 新設法人の納税義務 / 相続があった場合の納税義務 / 簡易課税制度 / 申告期限
消費税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
消費税の納税義務は基準期間の課税売上高により判定されますが、事業を相続により承継した場合は、被相続人の基準期間における課税売上高を判定要素として合算・判定する特例が設けられています。
解き方
- 相続があった年における消費税の納税義務判定ルールを確認する。
- 相続人自身の課税売上高がなくても、被相続人の基準期間課税売上高が1,000万円超であれば相続後の期間は納税義務が生じることを適用し、2を誤りと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 設立時の資本金が1,000万円以上の新設法人は、基準期間がない事業年度であっても納税義務は免除されないため適切である。
- 選択肢 2正解
- 被相続人の基準期間における課税売上高が1,000万円を超えている場合は相続があった年も納税義務が生じるため、多寡にかかわらず免除されるとする記述は最も不適切である。
- 選択肢 3不正解
- 簡易課税制度の適用を受けるためには、原則として適用を受けようとする課税期間の開始の日の前日までに届出書を提出する必要があるため適切である。
- 選択肢 4不正解
- 確定申告期限は法人が事業年度終了の日の翌日から2カ月以内、個人が翌年3月31日までであるため適切である。
覚えるポイント
- 個人事業を相続した場合、被相続人の基準期間課税売上高が1,000万円超であれば相続年も納税義務が生じる。
間違えやすいところ
- 個人の消費税の確定申告期限は所得税(3月15日)と異なり3月31日である点に注意する。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の消費税法
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制
タックスプランニング · DX投資促進税制 / 特別償却 / 税額控除
デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制は、企業のデジタル変革に向けた設備投資を後押しする特例措置であり、要件を満たした設備等に対して特別償却(30%)または税額控除(原則3%、連携要件等は5%)の選択適用が認められています。
解き方
- 認定事業適応計画に基づく投資設備に対するDX投資促進税制の減税措置(特別償却率や税額控除率)を確認する。
- 特別償却限度額の割合が取得価額等の「30%」であることと、選択肢3の記述(50%)を照合して誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 青色申告書を提出する法人が産業競争力強化法に基づく認定事業適応事業者として認定設備を取得等して供用した場合、特別償却または税額控除を選択適用できます。
- 選択肢 2不正解
- 認定計画には「売上高10%増または新商品等収益割合10倍以上」「製造原価等8.8%以上削減」等の定量的な要件目標を定める必要があります。
- 選択肢 3正解
- 本制度による特別償却限度額は、取得価額および繰延資産の合計額(上限300億円)の30%相当額であり、50%ではありません。
- 選択肢 4不正解
- DX投資促進税制の税額控除額は、カーボンニュートラルに向けた投資促進税制の税額控除額と合算して当期の法人税額の20%相当額が限度とされます。
覚えるポイント
- DX投資促進税制の特別償却率は30%、税額控除率は原則3%(連携等は5%)。法人税額の控除上限はCN税制と合算で20%。
間違えやすいところ
- 他の投資促進税制(50%償却や即時償却)と混同して、DX投資促進税制の償却率を誤認しやすいです。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産登記制度の仕組みと証明書
不動産 · 不動産登記 / 登記事項証明書 / 仮登記 / 合筆登記
不動産登記に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
不動産登記記録は表題部と権利部(甲区・乙区)で構成され、権利関係の公示が行われます。登記事項証明書には全部事項証明書のほか、現に効力のあるもののみを記載した現在事項証明書や特定部分を抜き出した何区何番事項証明書などがあります。
解き方
- 甲区(所有権に関する登記)と乙区(所有権以外の権利に関する登記)の区分の正確性を確認する。
- 仮登記に基づく本登記の手続要件、合筆登記の制限、および各種登記事項証明書の記載内容を照らし合わせて適切な選択肢を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 競売手続開始決定による差押えの登記は、所有権の処分を制限する登記であるため、権利部乙区ではなく「権利部甲区」に記録されます。
- 選択肢 2不正解
- 所有権の仮登記に基づく本登記では利害関係人の承諾が必要ですが、抵当権等の所有権以外の権利に関する仮登記に基づく本登記では第三者の承諾書添付は不要です。
- 選択肢 3不正解
- 合筆する土地の片方にのみ抵当権がある場合、抵当権者の承諾書があっても合筆の登記は申請できません(抵当権の登記のある土地の合筆制限)。
- 選択肢 4正解
- 現在事項証明書には現に効力を有する事項が記載され、何区何番事項証明書には権利部の相当区(甲区または乙区)の請求に係る部分が記載されます。
覚えるポイント
- 差押え登記は所有権に対する処分制限なので甲区に記録される。乙区は抵当権・地上権等の所有権以外の権利。
間違えやすいところ
- 競売開始による差押え登記を抵当権関連だからと乙区に記録されると誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法上の契約不適合責任
不動産 · 契約不適合責任 / 追完請求 / 代金減額請求 / 通知期間
不動産の取引で引き渡された目的物が品質に関して契約の内容に適合しないものである場合における民法上の契約不適合責任に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。なお、目的物の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものではないものとする。 (a) 買主は、売主に帰責事由がなくとも、売主に対して、目的物の修補を請求(追完請求)することができる。 (b) 買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて、代金の減額を請求することができる。 (c) 売主が目的物の引渡時にその不適合を知り、または重大な過失により知らなかった場合を除き、買主はその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、その不適合を理由として、契約の解除をすることができない。
解答・解説を表示
解答
3
解説
民法上、売買の目的物が契約内容に適合しない場合、買主は売主に対して追完請求、代金減額請求、契約解除、損害賠償請求を行えます。追完請求や代金減額請求、解除には売主の帰責事由は不要ですが、損害賠償請求には原則として売主の帰責事由が必要です。また種類・品質の不適合は知った時から1年以内の通知が必要です。
解き方
- 記述(a)について、追完請求権の行使に売主の過失等の帰責事由が不要であることを確認する(適切)。
- 記述(b)について、履行の追完の催告を経て代金減額請求ができる民法の要件を確認する(適切)。
- 記述(c)について、品質不適合を知った時から1年以内の通知要件(売主が悪意・重過失の場合を除く)と解除等の権利行使制限を確認する(適切)。
- 選択肢 1不正解
- 適切な記述が3つあるため、1つとする本選択肢は不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 適切な記述が3つあるため、2つとする本選択肢は不適切です。
- 選択肢 3正解
- (a)追完請求に売主の帰責事由は不要、(b)催告後の代金減額請求、(c)知った時から1年以内の通知期間制限、の3つすべて適切です。
- 選択肢 4不正解
- 適切な記述が3つあるため、0(なし)とする本選択肢は不適切です。
覚えるポイント
- 契約不適合責任:追完請求・代金減額請求・解除に売主の帰責事由は不要。損害賠償請求のみ売主の帰責事由が必要。通知期間は品質・種類について知った時から1年以内。
間違えやすいところ
- 売主に過失がなければ追完請求もできないと誤認しがちですが、契約通りの完全な給付を求める権利であるため売主の無過失は免責事由になりません。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法の定期借地権・定期建物賃貸借
不動産 · 建物譲渡特約付借地権 / 事業用定期借地権 / 定期建物賃貸借 / 中途解約
借地借家法の定期借地権および定期建物賃貸借に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
借地借家法上の定期借地権等のうち、一般定期借地権および建物譲渡特約付借地権には建物の用途制限がありません(居住用・事業用いずれも可)。一方、事業用定期借地権等はもっぱら事業の用に供する建物の所有を目的とするものに限られます。
解き方
- 各定期借地権の目的・用途制限(一般定期借地権:制限なし、事業用定期借地権:専ら事業用、建物譲渡特約付借地権:制限なし)を確認する。
- 建物譲渡特約付借地権が居住用建物にも設定可能であることから、選択肢2の誤りを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 事業用定期借地権は存続期間10年以上50年未満の範囲内であれば、当事者の合意により存続期間を延長(通算期間50年未満)することができます。
- 選択肢 2正解
- 建物譲渡特約付借地権には建物の用途に関する制限はなく、居住用建物の所有を目的として設定することも可能です。
- 選択肢 3不正解
- 定期建物賃貸借契約は更新がありませんが、契約期間満了時に当事者双方の合意によって再契約を締結することは自由に行えます。
- 選択肢 4不正解
- 床面積200㎡未満の居住用建物の定期建物賃貸借では、転勤・療養・介護等やむを得ない事由により生活の本拠として使用困難となった場合、賃借人は中途解約の申入れができ、申入れから1カ月後に契約が終了します。
覚えるポイント
- 建物譲渡特約付借地権:存続期間30年以上、用途制限なし、書面要件なし(公正証書でなくても有効)。
間違えやすいところ
- 事業用定期借地権のみが「もっぱら事業用」に用途限定されている点と、建物譲渡特約付借地権の用途自由を混同しないように注意します。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
都市計画法の開発許可制度
不動産 · 都市計画法 / 開発行為 / 開発許可基準 / 地位の承継
都市計画法の開発行為の許可に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
都市計画法上の開発許可を受けた者の地位承継において、相続その他の一般承継の場合は知事の承認は不要で遅滞なく届け出るものとされています。これに対し、開発許可を受けた者から土地等の所有権を取得して承継する特定承継人は、知事の承認を受けなければなりません。
解き方
- 開発行為の定義および地域ごとの開発許可を要する規模要件(市街化区域:1,000㎡以上、準都市計画区域:3,000㎡以上等)を確認する。
- 開発許可に基づく地位の承継における「一般承継(相続等)」と「特定承継(売買等)」のルールの違いを比較し、相続人の場合は承認不要(届出のみ)であることから選択肢4を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 都市計画法上の開発行為とは、主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更をいいます。
- 選択肢 2不正解
- 市街化区域内では原則1,000㎡以上(三大都市圏の一定区域では500㎡以上)の開発行為が許可対象であり、これら未満の規模は原則許可不要です。
- 選択肢 3不正解
- 準都市計画区域内において行う開発行為は、その規模が3,000㎡以上である場合、原則として都道府県知事等の許可が必要です。
- 選択肢 4正解
- 相続人等の一般承継人は当然に地位を承継するため都道府県知事等の承認は不要であり、遅滞なくその旨を届け出る必要があります。承認が必要なのは特定承継人です。
覚えるポイント
- 開発許可の地位承継:相続等の一般承継は「承認不要・遅滞なく届出」。売買等の特定承継は「知事の承認」が必要。
間違えやすいところ
- 相続税の申告期限(10カ月以内)という別の規定と混同して、開発許可の承継手続きにも10カ月以内の承認申請があると誤認しやすい点に注意します。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法の高さ制限・日影規制・天空率
不動産 · 建築基準法 / 高さ制限 / 日影規制 / 天空率
建築基準法に規定する建築物の高さの制限、日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
建築基準法では、良好な市街地環境を守るために斜線制限(道路・隣地・北側)や絶対的高さ制限、日影規制が設けられています。天空率を用いることで斜線制限の適用除外を受けることができますが、日影規制は天空率による適用除外の対象外です。
解き方
- 田園住居地域の絶対的高さ制限(10mまたは12m)および道路斜線制限の適用範囲(全用途地域+用途無指定)を確認する。
- 日影規制の適用区域における北側斜線制限の適用除外ルールを確認する。
- 天空率制度の緩和対象が「各斜線制限(道路・隣地・北側)」であり、日影規制は緩和されないことを確認して選択肢4を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 田園住居地域および第一種・第二種低層住居専用地域内では、建築物の高さは原則として10mまたは12mの限度を超えることができません。
- 選択肢 2不正解
- 道路斜線制限は、用途地域の指定のない区域を含むすべての地域において適用されます。
- 選択肢 3不正解
- 第一種・第二種中高層住居専用地域内において、日影規制の対象区域内にある建築物については北側斜線制限が適用されません。
- 選択肢 4正解
- 天空率の基準を満たすことで適用除外となるのは道路斜線・隣地斜線・北側斜線制限であり、日影規制は天空率による適用除外の対象にはなりません。
覚えるポイント
- 天空率で適用除外にできるのは「道路斜線」「隣地斜線」「北側斜線」の3つ。日影規制は天空率では除外されない。
間違えやすいところ
- 日影規制も採光や日照に関する規制であるため天空率で除外できると混同しがちですが、日影規制は除外されません。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産取得税の課税関係と特例
不動産 · 不動産取得税 / 特定遺贈 / 死因贈与 / 免税点 / 長期優良住宅
不動産取得税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
不動産取得税において、相続(包括遺贈や相続人に対する特定遺贈を含む)による取得は形式的な所有権移転として非課税とされています。しかし、受遺者が相続人以外の者である場合の「特定遺贈」や、契約に基づく「死因贈与」による取得は非課税とはならず課税されます。
解き方
- 相続、特定遺贈、包括遺贈、死因贈与における不動産取得税の課税・非課税の区分を整理する(相続人以外の者への特定遺贈は課税)。
- 死因贈与は相続人が取得しても課税される点、住宅の特例税率は3%である点、認定長期優良住宅の控除限度額は1,300万円である点を確認し、選択肢1を正解と判断する。
- 選択肢 1正解
- 相続人以外の者が特定遺贈によって不動産を取得した場合、不動産取得税は課税されます(非課税となるのは相続人に対する遺贈や包括遺贈等)。
- 選択肢 2不正解
- 死因贈与契約に基づく不動産の取得は、取得者が法定相続人であっても贈与に該当するため、不動産取得税が課されます。
- 選択肢 3不正解
- 住宅を取得した場合の不動産取得税の標準税率は原則4%ですが、特例により3%となっています(5%ではありません)。
- 選択肢 4不正解
- 認定長期優良住宅を新築等した場合の課税標準からの控除額は最高1,300万円です(一般の住宅は最高1,200万円)。1,500万円ではありません。
覚えるポイント
- 不動産取得税:相続・包括遺贈・相続人への特定遺贈は「非課税」。相続人以外への特定遺贈や死因贈与は「課税」。認定長期優良住宅の新築控除額は「1,300万円」。
間違えやすいところ
- 死因贈与を相続と同様に考えて非課税と誤認しやすい点や、特定遺贈の受遺者が相続人か相続人以外かで課税扱いが異なる点に注意が必要です。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例
不動産 · 空き家特例 / 3000万円特別控除 / 敷地の分筆譲渡 / 老人ホーム入居要件
「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
被相続人の居住用財産(空き家)を売却した際の3,000万円特別控除の特例は、昭和56年5月31日以前に建築された旧耐震基準の家屋等の相続を対象とします。譲渡対価の額が1億円以下であることが要件ですが、敷地を分筆して一部のみを売却し他方を賃貸した場合は、売却した部分の譲渡対価が1億円以下であれば適用が可能です。
解き方
- 空き家特例の要件(売却対価1億円以下、旧耐震、耐震改修または取壊し後の敷地売却、老人ホーム入居要件、確認書の添付など)を確認する。
- 分筆した一方の敷地の譲渡対価が7,500万円(1億円以下)であり、残りは賃貸している場合、特例の適用要件を満たすため「適用を受けることができない」とする選択肢1を不適切と判断する。
- 選択肢 1正解
- 敷地を分筆して一方を譲渡し他方を賃貸した場合、譲渡した敷地の売却価額が1億円以下(7,500万円)であれば本特例の適用を受けることができます。
- 選択肢 2不正解
- 老人ホーム等に入居したことによる空き家の場合、入居直前に要介護認定・要支援認定等を受けていたこと等が要件とされています。
- 選択肢 3不正解
- 自己の居住用財産の3,000万円控除の適用を前年に受けていた場合でも、被相続人の空き家特例の適用を受けることは可能です(前年・前々年の重複制限規定は適用されません)。
- 選択肢 4不正解
- 本特例の適用を受けるためには、市町村長または特別区長から交付を受けた「被相続人居住用家屋等確認書」を確定申告書に添付する必要があります。
覚えるポイント
- 空き家特例:売却対価1億円以下、1981年5月31日以前建築の一戸建て。自己の居住用財産特例との3年以内再適用制限の重複はない。
間違えやすいところ
- 自己の居住用財産の3,000万円控除にある「前年・前々年の適用制限」が空き家特例にも及ぶと誤認しないように注意が必要です。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の有効活用手法の特徴と留意点
不動産 · 事業用定期借地権方式 / 建設協力金方式 / 等価交換方式
不動産の有効活用手法に関する次の記述(a)~(c)のうち、適切なものはいくつあるか。 (a) 事業用定期借地権方式は、事業者である借主が土地を契約で一定期間賃借し、借主が建物を建設する手法であり、賃貸借期間満了後、土地は地主に返還されるが、地主が残存建物を買い取らなければならないというデメリットがある。 (b) 建設協力金方式は、入居予定の事業者から、地主が建設資金を借り受けて、事業者の要望に沿った店舗等を建設し、その建物を事業者に賃貸する手法であり、建設資金は賃料の一部で返済していくため、事業者が撤退するリスクや契約内容を事前に精査しておくことが肝要である。 (c) 等価交換方式は、地主が所有する土地の全部または一部を提供し、事業者が建設資金を負担して当該土地にマンション等を建設し、完成した区分所有建物とその敷地の所有権等を地主と事業者がそれぞれの出資割合に応じて保有する手法であり、地主は自己資金を使わず、収益物件を取得できるというメリットがある。
解答・解説を表示
解答
2
解説
土地活用の各手法(借地方式、建設協力金方式、等価交換方式など)は、資金負担者、建物の所有者、事業主体の違いや契約終了時の権利関係によって分類されます。
解き方
- 各手法における土地所有者と開発・利用事業者の資金負担および権利移転の関係を確認します。
- 記述(a)~(c)の正誤を判定し、適切な記述の個数を数えます。
- 選択肢 1不正解
- 適切な記述は(b)と(c)の2つ存在するため、1つとする本選択肢は誤りです。
- 選択肢 2正解
- (a)は建物買取請求権を排除するため不適切、(b)と(c)は記述どおり適切であるため、2つが正解です。
- 選択肢 3不正解
- 記述(a)が誤りであるため、3つ全てが適切とする本選択肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 記述(b)と(c)が適切であるため、「0(なし)」とする本選択肢は誤りです。
覚えるポイント
- 事業用定期借地権では建物買取請求権を排除する特約を結び、期間満了時は更地返還となります。
間違えやすいところ
- 等価交換方式と事業受託方式の違い(土地権利の譲渡を伴うか否か)を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
特例贈与財産と一般贈与財産が混在する場合の贈与税額の計算
相続・事業承継 · 贈与税の計算 / 特例贈与財産 / 一般贈与財産
Aさん(50歳)は、事業資金として、2021年5月に母親(80歳)から現金300万円の贈与を受け、同年10月に弟(45歳)から現金300万円の贈与を受けた。Aさんの2021年分の贈与税額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、いずれも贈与税の課税対象となり、暦年課税を選択するものとする。また、Aさんは2021年中にほかに贈与は受けていないものとする。 〈贈与税の速算表(一部抜粋)〉 [基礎控除後の課税価格/特例贈与財産:税率・控除額/一般贈与財産:税率・控除額] ~200万円以下:10%・―/10%・― 200万円超~300万円以下:15%・10万円/15%・10万円 300万円超~400万円以下:15%・10万円/20%・25万円 400万円超~600万円以下:20%・30万円/30%・65万円
解答・解説を表示
解答
4
解説
同一年中に直系尊属からの特例贈与財産とそれ以外の一般贈与財産の両方がある場合、全体の基礎控除後課税価格に各税率を適用して計算した税額を、それぞれの財産価額の比率で按分して合算します。
解き方
- 贈与財産の合計額から基礎控除額110万円を控除し、基礎控除後の課税価格を算出します(600万円-110万円=490万円)。
- 課税価格490万円を全額特例財産と仮定した場合の税額(68万円)と、全額一般財産と仮定した場合の税額(82万円)を求めます。
- それぞれの税額に贈与財産の按分割合(各300万円/600万円=1/2)を乗じて合算し、贈与税額75万円を求めます。
- 選択肢 1不正解
- 特例税率と一般税率を按分計算せずに誤った控除等を適用した数値であり、不適切です。
- 選択肢 2不正解
- それぞれの財産から別個に基礎控除を引くなどの誤った算出手順による数値であり、不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 特例贈与と一般贈与の按分計算を行わず、個別に速算表を適用した誤った計算値です。
- 選択肢 4正解
- 特例分34万円と一般分41万円を合算した75万円が正しい贈与税額です。
覚えるポイント
- 特例贈与と一般贈与が混在する場合、基礎控除後の合算額に対して各税率を当てはめ、財産比率で按分します。
間違えやすいところ
- 各贈与からそれぞれ110万円ずつ基礎控除を差し引いて個別計算しないよう注意しましょう。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の配偶者控除の適用要件と税務処理
相続・事業承継 · 贈与税の配偶者控除 / 居住用不動産 / 相続開始前3年以内の加算特例
贈与税の配偶者控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、贈与の年においてほかに贈与された財産はなく、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
婚姻期間20年以上の配偶者から居住用不動産またはそれを取得するための資金の贈与を受けた場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除できます。店舗併用住宅の場合は居住用部分のみが対象となります。
解き方
- 婚姻期間の判定日(贈与日時点)や対象となる財産(土地のみも可)の要件を確認します。
- 店舗併用住宅における居住用部分の金額(2,400万円×1/3=800万円)と控除枠(最大2,110万円)を比較し、税額計算の正誤を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 婚姻期間が20年以上であるかどうかの判定は、贈与があった「日」現在で行われます(その年の1月1日現在ではありません)。
- 選択肢 2不正解
- 居住用家屋の敷地(土地)のみの贈与であっても、配偶者控除の対象となります。
- 選択肢 3正解
- 居住用部分(6,000万円×40%=2,400万円)の3分の1は800万円であり、配偶者控除(最高2,000万円)と基礎控除(110万円)の範囲内であるため課税価格は算出されません。
- 選択肢 4不正解
- 贈与税の配偶者控除の適用を受けた部分については、贈与後3年以内に贈与者が死亡した場合であっても生前贈与加算の対象外となります(控除超過額390万円のみが加算されるという計算も誤りです)。
覚えるポイント
- 婚姻期間20年の要件は「贈与があった日」で判定し、配偶者控除を受けた金額は生前贈与加算の対象外です。
間違えやすいところ
- 店舗併用住宅の場合、建物・敷地全体の価額ではなく居住用部分のみが控除対象となる点に注意しましょう。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法における遺言の種類・方式および効力
相続・事業承継 · 自筆証書遺言 / 検認 / 公正証書遺言 / 遺言の撤回
民法における遺言に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
自筆証書遺言の検認は遺言書の偽造・変造を防止するための手続であり、検認手続を経ずに開封しても遺言の有効性には影響しません。公正証書遺言の作成要件や撤回の擬制についても厳格に定められています。
解き方
- 自筆証書遺言における検認前の開封の効果(過料はあるが無効とはならない)を確認します。
- 加除訂正の厳格な方式、公正証書遺言の証人の欠格要件、遺言書破棄による撤回のルールを精査します。
- 選択肢 1正解
- 検認を受けずに開封しても遺言自体が無効となるわけではないため、本記述は最も不適切(正解)です。
- 選択肢 2不正解
- 民法第968条第3項の規定どおりであり、変更場所の指示・付記・署名・押印が必要とされるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 推定相続人や受遺者、その配偶者および直系血族は公正証書遺言の証人欠格事由に該当するため記述は適切です。
- 選択肢 4不正解
- 公正証書遺言の原本は公証役場に保存されているため、正本や謄本を破棄しても撤回したものとはみなされず適切です。
覚えるポイント
- 検認を受けずに遺言書を開封しても無効にはならず、5万円以下の過料の対象となるにとどまります。
間違えやすいところ
- 公正証書遺言の正本破棄は原本の破棄ではないため、遺言の撤回とはみなされない点に注意しましょう。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法における特別寄与料の制度および税務
相続・事業承継 · 特別寄与料 / 特別寄与者 / 相続税の申告 / 協議に代わる処分の申立て期限
民法における特別寄与料に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
特別寄与料制度は、被相続人に対して無償で療養看護等を行った親族(相続人等を除く)が相続人に対して金銭の支払を請求できる制度です。税法上は被相続人からの遺贈とみなされます。
解き方
- 特別寄与者の範囲(親族であること)、家庭裁判所への申立期限(知った時から6カ月以内または相続開始から1年以内)を確認します。
- 特別寄与料支払時の相続税の課税価格計算(税額控除ではなく課税価格からの控除)と、特別寄与者の申告期限(確定を知った翌日から10カ月以内)を精査します。
- 選択肢 1不正解
- 特別寄与者になれるのは「被相続人の親族」(相続人、包括受遺者、相続放棄者を除く)に限られるため、誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 支払った特別寄与料は、相続人の「相続税の課税価格」から控除されます(税額控除ではありません)。
- 選択肢 3不正解
- 協議に代わる処分の請求は、相続の開始及び相続人を知った時から「6カ月以内」または相続開始の時から「1年以内」に申立てる必要があります。
- 選択肢 4正解
- 特別寄与料は遺贈により取得したものとみなされ、額が確定したことを知った日の翌日から10カ月以内に申告書を提出する必要があります。
覚えるポイント
- 特別寄与者は「親族」に限られ、家庭裁判所への請求期限は知った時から6カ月以内(または相続開始から1年以内)です。
間違えやすいところ
- 特別寄与料を支払った相続人は税額控除ではなく「課税価格」から支払額を控除する点に注意しましょう。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税法上の相続財産・みなし相続財産・非課税財産
相続・事業承継 · 死亡保険金の非課税金額 / 死亡退職手当金 / 個人立幼稚園の教育用財産
相続税法上の相続財産等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
被相続人の死亡により支給される退職手当金等は、死亡後3年以内に支給額が確定したものであれば、実際の受取時期にかかわらずみなし相続財産として相続税の課税対象となります。
解き方
- 死亡保険金および死亡退職金のみなし相続財産の範囲と非課税規定の適用要件を確認します。
- 死亡退職金の支給額確定時期(死亡後3年以内であれば支給時期を問わず相続税対象)に関するルールの適否を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 死亡保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)の適用を受けられるのは相続人のみに限られるため、相続放棄者は適用を受けられず適切です。
- 選択肢 2不正解
- 死亡保険金とともに支払われる積立配当金は保険金に含まれるものとして扱われ、非課税金額の規定が適用されるため適切です。
- 選択肢 3正解
- 死亡後3年以内に支給額が確定していれば、実際の支給が3年経過後であっても相続税の課税対象となるため、一時所得とする本記述は最も不適切(正解)です。
- 選択肢 4不正解
- 個人立幼稚園の事業用教育財産について一定の要件を満たす場合は、相続税の非課税財産として課税価格に算入されないため記述は適切です。
覚えるポイント
- 死亡退職手当金は「死亡後3年以内に支給額が確定」したかどうかがみなし相続財産判定の基準です。
間違えやすいところ
- 実際の受取日が死亡後3年を過ぎていても、支給額確定が3年以内であれば一時所得にはなりません。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
基礎控除額・2割加算・代襲相続と養子の二重資格
相続・事業承継 · 遺産に係る基礎控除額 / 相続税額の2割加算 / 代襲相続と養子の二重資格 / 法定相続分
下記は、2022年4月6日(水)に死亡したAさんの親族関係図である。Aさんの相続に関する次の記述(a)~(c)のうち、適切なものはいくつあるか。なお、妻Bさん、長男Cさん、長女Dさん、孫Fさん、孫Gさん、弟Hさんは、Aさんから相続または遺贈により財産を取得し、相続税額が算出されるものとする。 【親族関係図】 ・被相続人:Aさん(父母は既に死亡) ・配偶者:妻Bさん ・弟:Hさん ・子:長男Cさん(配偶者あり、子:孫Fさん[Aさんの普通養子]) ・子:長女Dさん ・子:二女Eさん(既に死亡、配偶者あり、子:孫Gさん[Aさんの普通養子]) (a) 遺産に係る基礎控除額は、6,000万円である。 (b) 相続税額の2割加算の対象となる者は、孫Fさん、孫Gさん、弟Hさんの3人である。 (c) 長女Dさんの法定相続分は、8分の1である。
解答・解説を表示
解答
1
解説
代襲相続人である孫が普通養子となっている場合、相続税法上は実子扱いとなり、養子の算入制限や2割加算の対象外となります。民法上は代襲相続人と養子の二重の身分を有し、双方の相続分を併せて承継します。
解き方
- 基礎控除における法定相続人の数を判定します。配偶者B(1人)、実子C・D(2人)、代襲相続人G(実子扱い1人)、普通養子F(養子枠1人)の計5人となり、基礎控除額は3,000万円+600万円×5=6,000万円で(a)は適切です。
- 2割加算の対象者を判定します。孫Gは代襲相続人であるため対象外となり、対象者は孫Fと弟Hの2人であるため(b)は不適切です。
- 民法上の法定相続分を計算します。配偶者Bが1/2。子グループ1/2を、長男C(1)、長女D(1)、養子孫F(1)、二重資格の孫G(代襲1+養子1=2)の計5枠で分けるため、Dの法定相続分は1/2×1/5=1/10となり(c)は不適切です。
- 選択肢 1正解
- 適切な記述は(a)のみの1つであるため、本選択肢が正解です。
- 選択肢 2不正解
- 記述(b)および(c)がいずれも不適切であるため、2つとする本選択肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 記述(b)と(c)が不適切であるため、3つ全て適切とする本選択肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 記述(a)が適切であるため、「0(なし)」とする本選択肢は誤りです。
覚えるポイント
- 代襲相続人である孫が養子となっている場合、2割加算の対象外となり、民法上は二重資格で相続分を承継します。
間違えやすいところ
- 二重資格を持つ孫の相続枠(代襲分+養子分)を1口と誤認して法定相続分を計算しないよう注意しましょう。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の申告手続・更正の請求・延納
相続・事業承継 · 更正の請求の特則 / 数次相続の申告期限 / 期限後申告の納期限 / 延納要件
相続税の申告および納付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
期限後申告によって納付すべき相続税の法定納期限は「申告書を提出した日当日」です。加算税等の附帯税は税務署長からの通知等に基づいて納付します。
解き方
- 更正の請求の特則(後発的事由を知った日の翌日から4カ月以内)および数次相続の申告期限(自らの相続開始を知った翌日から10カ月以内)を確認します。
- 期限後申告における納期限(提出日当日)のルールを精査し、記述の誤りを判定します。
- 選択肢 1不正解
- 後発的事由(遺留分侵害額の確定等)による更正の請求の特則として、事由が生じたことを知った日の翌日から4カ月以内に行うことができるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 数次相続において、相続人が申告書を提出せずに死亡した場合、その承継相続人は自己の相続開始を知った日の翌日から10カ月以内に申告書を提出するため適切です。
- 選択肢 3正解
- 期限後申告書の提出による本税の納期限は「申告書を提出した日」当日であり、無申告加算税も1カ月以内に併せて納付するわけではないため最も不適切(正解)です。
- 選択肢 4不正解
- 納期限までの金銭納付困難、納付税額10万円超、担保提供等の要件を満たせば延納が認められ、利子税を併せて納付するため適切です。
覚えるポイント
- 期限後申告によって納付すべき税額の納期限は「申告書を提出した日」です。
間違えやすいところ
- 更正の請求の特則の期間(知った翌日から4カ月以内)と通常の法定申告期限(5年以内)を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.26(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
経営承継円滑化法における遺留分に関する民法の特例
相続・事業承継 · 経営承継円滑化法 / 民法の特例 / 遺留分除外合意 / 遺留分固定合意
中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律に基づく「遺留分に関する民法の特例」に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
経営承継円滑化法上の遺留分に関する民法の特例(除外合意・固定合意)は、後継者へ集中させた自社株式が遺留分減殺(侵害額)請求の対象となり経営が不安定化するのを防ぐ制度であり、対象中小企業の範囲や要件、合意および家庭裁判所の許可等の厳格な手続きが定められています。
解き方
- 対象中小企業者の定義(資本金制限が3,000万円以下に限定されているか等)を確認する。
- 固定合意における株式評価証明者の要件(弁護士・公認会計士・税理士等)を確認する。
- 特例適用の要件(推定相続人全員の合意、経済産業大臣の確認および家庭裁判所の許可手続きの期間)を精査して誤りを特定する。
- 選択肢 1正解
- 特例中小会社の要件は、3年以上継続して事業を行っている非上場会社等であることなどですが、資本金3,000万円以下に限定されておらず、中小企業基本法の範囲内の中小企業者全般が対象となるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 固定合意における合意時の株式価額は、合意の時点における相当な価額として、弁護士・弁護士法人、公認会計士・監査法人、税理士・税理士法人が証明した価額によるものとされています。
- 選択肢 3不正解
- 遺留分の特例の適用を受けるには、旧代表者の遺留分を有する推定相続人全員および後継者全員の書面による合意が必要です。
- 選択肢 4不正解
- 合意をした日から1カ月以内に経済産業大臣に申請して確認を受け、その確認を受けた日から1カ月以内に家庭裁判所に申立てを行い、許可を受けることで効力が生じます。
覚えるポイント
- 遺留分特例の手続きは「合意日から1カ月以内に経産大臣確認申請」→「確認から1カ月以内に家裁申立て」の流れを押さえる。
- 固定合意時の株式価額は、専門家(弁護士・公認会計士・税理士等)による相当価額の証明が必要。
間違えやすいところ
- 中小企業者の定義を新事業創出促進法などの特例資本金要件と混同しないようにする。
- 合意の相手方が「遺留分を有する推定相続人全員」であり、法定相続人全員や後継者単独ではない点に注意する。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等(中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律)
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.26(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
事業承継税制(特例措置)における贈与税の納税猶予及び免除
相続・事業承継 · 事業承継税制 / 特例措置 / 贈与税の納税猶予 / 資産保有型会社
「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例(特例措置)」に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
事業承継税制(特例措置)では、資産管理会社(資産保有型会社および資産運用型会社)は原則として適用対象外となりますが、常時使用従業員5名以上等の実態要件を満たす場合は適用が認められます。また、受贈後継者の要件や担保提供のみなし規定、贈与者死亡時の相続税納税猶予への切替え規定が整備されています。
解き方
- 資産保有型会社の適用除外要件(実態要件:従業員5名以上等)を確認する。
- 後継者受贈者の要件(役員就任期間3年以上、贈与時に代表権を有すること等)を確認する。
- 全株式の担保提供時のみなし全額担保規定および贈与者死亡時の相続税猶予への移行を確認する。
- 選択肢 1正解
- 資産保有型会社の実態確認要件として、常時使用する従業員(受贈者および同一生計親族を除く)の数が「5名以上」であることが必要です。「5名を超えなければ」とする記述は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 特例措置の後継者要件として、贈与の時において会社の代表権を有していること、および贈与の時まで引き続き3年以上にわたり役員(取締役等)として就任していること等が求められます。
- 選択肢 3不正解
- 納税猶予を受けるためには猶予税額および利子税に見合う担保を提供する必要がありますが、本特例の適用を受ける非上場株式のすべてを担保提供した場合は、担保基準を満たしたものとみなされます。
- 選択肢 4不正解
- 贈与税の納税猶予期間中に贈与者が死亡した場合、猶予中の株式等は相続等により取得したものとみなされ贈与時の価額で相続税の課税価格に算入されますが、引き続き要件を満たせば相続税の納税猶予特例を適用できます。
覚えるポイント
- 資産保有型会社・資産運用型会社の実態要件の従業員基準は「5人以上」。
- 贈与税猶予中の贈与者死亡時は、贈与時の評価額で相続税の対象となり、相続税の納税猶予へ引き継ぎ可能。
間違えやすいところ
- 「5名以上」と「5名以下(超えない)」の表現の違いを見落とさない。
- 贈与税猶予の担保提供において、特例対象株式のすべてを提供すれば全額担保提供とみなされる特例を忘れない。
出題の前提:2021年10月1日現在施行の法令等(租税特別措置法第70条の7の5等)
出典:金融財政事情研究会『2022年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.27(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2022年5月 1級 学科(基礎編)
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2022年5月 1級 学科(基礎編)の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

