日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2020年9月 1級 学科(応用編)の概要
退職に伴う公的年金および公的医療保険の手続きと制度概要
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金の種別変更手続 / 国民年金保険料の前納 / 健康保険任意継続被保険者 / 国民健康保険料の算定
会社員が退職して個人事業主となる場合の公的年金および公的医療保険に関する以下の文章の空欄①~⑦に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。 〈公的年金〉 Ⅰ 「Aさんが個人事業主となる場合、Aさんは、国民年金の第1号被保険者の資格取得の届出を行い、国民年金の保険料を納付することになります。この届出は、原則として、AさんがX社を退職した日の翌日から( ① )日以内に、Aさんの住所地の市町村の窓口等で行います。また、妻Bさんについても、国民年金の第3号被保険者から第1号被保険者への種別変更の届出を行う必要があります。 2020年度の国民年金の定額保険料は、月額( ② )円です。毎月の保険料は、原則として翌月末日までに納付しなければなりませんが、将来の一定期間の保険料を前納することもできます。前納することができる期間は、最長( ③ )年間です。前納した場合は、その期間に応じて保険料が割引されます」 〈公的医療保険〉 Ⅱ 「Aさんが個人事業主となる場合、公的医療保険については、全国健康保険協会管掌健康保険に任意継続被保険者として加入する、国民健康保険に加入するなどの方法があります。 任意継続被保険者となるためには、原則として、AさんがX社を退職した日の翌日から( ④ )日以内に、Aさんの住所地を管轄する全国健康保険協会の都道府県支部に対して資格取得の申出を行う必要があります。任意継続被保険者として健康保険に加入することができる期間は、最長( ⑤ )年間です。任意継続被保険者の保険料は、原則として、退職時の標準報酬月額に所定の保険料率を乗じた額となり、その全額が自己負担となります。ただし、保険料には上限があり、2020年度において、退職時の標準報酬月額が( ⑥ )万円を超えていた場合は、( ⑥ )万円の標準報酬月額により算出した保険料となります。 他方、国民健康保険に加入する場合、その保険料(税)は、保険者によって異なります。保険者が都道府県・市町村(特別区を含む)である場合、保険料(税)は所得割、資産割、均等割、( ⑦ )割の一部または全部の組合せで決められますが、年間保険料(税)には上限が設けられています」
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解答
① 14(日) ② 16,540(円) ③ 2(年間) ④ 20(日) ⑤ 2(年間) ⑥ 30(万円) ⑦ 平等(割)
解説
会社を退職して自営業者等へ転換する際は、公的年金は第2号被保険者から第1号被保険者への種別変更(14日以内)、公的医療保険は任意継続被保険者制度(20日以内)や国民健康保険への切り替えといった手続きが必要となり、それぞれの届出期限や保険料算定基準を正しく把握することが不可欠です。
解き方
- 公的年金に関する手続き期間(退職翌日から14日以内)、2020年度の保険料額(16,540円)、前納可能期間(最長2年)をそれぞれ整理する。
- 公的医療保険における任意継続の要件(退職翌日から20日以内、最長2年、標準報酬月額の上限30万円)および国保の保険料構成項目(平等割)を確認し、該当する空欄を埋める。
答えの内訳
- ①:14
- 会社員等を退職して第2号被保険者から第1号被保険者へ種別変更する場合等の資格取得の届出は、事由が生じた日(退職日の翌日)から14日以内に市町村長(窓口)へ提出する必要があります。
- ②:16,540
- 2020年度(令和2年度)における国民年金の第1号被保険者の定額保険料は、月額16,540円です。
- ③:2
- 国民年金保険料の前納制度において、口座振替や現金・クレジットカード等により前納できる最長期間は2年間(2年度分)です。
- ④:20
- 健康保険の任意継続被保険者となるための申出は、原則として被保険者の資格を喪失した日(退職日の翌日)から20日以内に行わなければなりません。
- ⑤:2
- 健康保険の任意継続被保険者として加入することができる期間は、資格を取得した日から最長で2年間です。
- ⑥:30
- 協会けんぽの任意継続被保険者の標準報酬月額は、「資格喪失時の標準報酬月額」または「前年9月30日における全被保険者の標準報酬月額の平均額(2020年度は30万円)」のいずれか低い額が上限となります。
- ⑦:平等
- 市町村等の国民健康保険料(税)は、所得割・資産割・均等割・平等割(世帯別平等割)の4つの方式の一部または全部の組み合わせで算定されます。
覚えるポイント
- 国民年金の種別変更届出は14日以内、健康保険の任意継続申出は20日以内。
- 任意継続の保険料算定における標準報酬月額の上限は30万円(2020年度)。
間違えやすいところ
- 届出日数の「14日(年金)」と「20日(健保任意継続)」を取り違えやすい。
- 前納期間の上限を1年と誤認しやすいが、2年前納が可能である。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等(国民年金法、健康保険法等)
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.2(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金基金および確定拠出年金(個人型)の仕組みと税務
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金基金の型と前納 / 付加年金との関係 / iDeCoの拠出限度額 / iDeCoの一時金受取と税務
国民年金基金および個人型確定拠出年金(iDeCo)に関する以下の文章の空欄①~⑦に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。 〈国民年金基金〉 Ⅰ 「国民年金基金は、国民年金の第1号被保険者が加入することができ、老齢基礎年金に上乗せする年金を支給する任意加入の年金制度です。 国民年金基金への加入は口数制です。1口目は、2種類の( ① )年金のいずれかを選択し、2口目以降は、( ① )年金と( ② )年金のなかから選択することができます。 毎月の掛金は、加入員が選択した給付(年金)の型、加入口数、加入時の年齢などによって決まります。また、4月から翌年3月までの1年分の掛金を前納した場合、( ③ )カ月分の掛金が割引されます。支払った掛金は、税法上、社会保険料控除として所得控除の対象となります。 なお、国民年金基金に加入した場合には、( ④ )の保険料を納付することができなくなります」 〈確定拠出年金の個人型年金〉 Ⅱ 「確定拠出年金は、拠出された掛金が加入者ごとに明確に区分され、将来の年金受取額が加入者の運用指図に基づく運用実績に応じて変動する年金制度です。 加入者は、年1回以上、定期的に掛金を拠出しますが、1年間の掛金の総額は加入者の種別に応じて定められた拠出限度額を超えることはできません。個人事業主が個人型年金に加入する場合、拠出することができる掛金の額は、最大で年間( ⑤ )円となります。拠出した掛金は、税法上、小規模企業共済等掛金控除として所得控除の対象となります。 給付には、老齢給付金、障害給付金、死亡一時金があります。 通算加入者等期間が10年以上あれば、老齢給付金を60歳から受け取ることができます。また、有期年金である老齢給付金を年金で受け取る場合は、5年以上( ⑥ )年以下の期間で、運営管理機関が定める方法で支給されますが、一時金として一括で受け取ることも可能です。老齢給付金を一時金として一括で受け取る場合は、( ⑦ )所得として所得税の課税対象となります」
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解答
① 終身(年金) ② 確定(年金) ③ 0.1(カ月分) ④ 付加年金 ⑤ 816,000(円) ⑥ 20(年) ⑦ 退職(所得)
解説
第1号被保険者が利用できる上乗せ年金制度として「国民年金基金」と「確定拠出年金(個人型:iDeCo)」があり、それぞれの口数構成・前納割引・拠出限度額(合算で月6.8万円・年81.6万円)・受給形態ごとの税務上の取扱いを正しく理解することが重要です。
解き方
- 国民年金基金の口数ルール(1口目は終身年金、2口目以降は確定年金も可)、前納割引(0.1カ月分)、付加年金との併用不可を確認する。
- 個人型確定拠出年金(iDeCo)の第1号被保険者の年間拠出限度額(月額68,000円×12=年816,000円)、有期年金受給期間(5年以上20年以下)、一時金受取時の所得区分(退職所得)を整理して記入する。
答えの内訳
- ①:終身
- 国民年金基金の1口目は必ず終身年金(A型・B型のいずれか)から選択しなければなりません。
- ②:確定
- 国民年金基金の2口目以降は、終身年金(A型・B型)に加えて確定年金(I型~V型)から自由に選択できます。
- ③:0.1
- 国民年金基金の掛金を4月から翌年3月までの1年分前納した場合、年利0.1%相当として0.1カ月分の掛金が割引されます。
- ④:付加年金
- 国民年金基金の1口目の給付には付加年金相当額が含まれているため、国民年金基金加入員は国民年金の付加保険料(月額400円)の納付(付加年金への加入)を行うことができません。
- ⑤:816,000
- 国民年金の第1号被保険者(個人事業主等)がiDeCoに拠出できる限度額は月額68,000円であり、年間では最大816,000円となります(国民年金基金の掛金と合算枠)。
- ⑥:20
- 個人型確定拠出年金の老齢給付金を有期年金として受け取る場合の支給期間は、5年以上20年以下の期間で運営管理機関が定める期間となります。
- ⑦:退職
- 確定拠出年金の老齢給付金を一時金として一括受領した場合は、税制上「退職所得」として退職所得控除等の適用対象となります。
覚えるポイント
- 国民年金基金とiDeCoの第1号枠は合算で月額68,000円(年額816,000円)が上限。
- 国民年金基金に加入すると国民年金の付加年金(付加保険料)は利用できない。
間違えやすいところ
- 国民年金基金の前納割引月数を公的年金保険料の前納割引と混同しやすい(基金は1年で0.1カ月分)。
- iDeCoの拠出限度額を月額(68,000円)ではなく年間(816,000円)で答える指定を見落としやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等(国民年金法、確定拠出年金法、所得税法等)
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.2(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金の老齢給付額(老齢基礎年金・付加年金・老齢厚生年金)の計算
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 付加年金 / 老齢厚生年金 / 経過的加算
Aさん(1980年10月23日生まれ)が2020年10月末でX社を退職し、同年11月から60歳に達するまでの239月間、国民年金第1号被保険者として定額保険料と付加保険料を納付した場合について、65歳から受給できる老齢給付の額を計算しなさい。 ① 老齢基礎年金と付加年金の年金額の合計額 ② 老齢厚生年金の年金額(本来水準による価額) なお、2020年度価額に基づき、計算過程を示して円単位(円未満四捨五入)で答えること。
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解答
① 780,644円 ② 429,366円
解説
老齢基礎年金は保険料納付済月数に基づき満額に対する月数按分で計算し、学生納付特例期間は受給資格期間には算入されますが年金額の計算対象月数には含まれません。付加年金は「200円×付加保険料納付月数」で算出します。老齢厚生年金は報酬比例部分と定額部分から老齢基礎年金相当額を差し引いた経過的加算で構成され、厚生年金被保険者期間が20年(240月)未満の場合は加給年金額は加算されません。
解き方
- 老齢基礎年金の計算対象月数を整理する。学生納付特例の30月を除き、厚生年金被保険者期間211月と国民年金第1号被保険者期間239月の合計450月を分子として満額781,700円に乗じる。
- 付加年金額(200円×239月=47,800円)を求め、老齢基礎年金額と合算して円未満を四捨五入する。
- 老齢厚生年金の報酬比例部分を「平均標準報酬額×給付乗率×被保険者月数」により算出し、円未満を四捨五入する。
- 経過的加算額を「1,630円×被保険者月数-781,700円×(被保険者月数/480月)」により算出し、円未満を四捨五入した上で報酬比例部分と合算する。
答えの内訳
- ①:780,644(円)
- 老齢基礎年金額:781,700円×(450月/480月)=732,843.75円→732,844円(学生納付特例の30月は算入せず、厚生年金211月+第1号納付239月=450月)。付加年金額:200円×239月=47,800円。合計額:732,844円+47,800円=780,644円。
- ②:429,366(円)
- 報酬比例部分:371,000円×(5.481/1,000)×211月=429,058.047円→429,058円。経過的加算額:1,630円×211月-781,700円×(211月/480月)=343,930円-343,621.875円=308.125円→308円。厚生年金被保険者期間が240月未満のため加給年金は加算されず、老齢厚生年金額は429,058円+308円=429,366円。
覚えるポイント
- 学生納付特例期間は追納しない限り年金額の反映対象外となる点に注意する。
- 加給年金額の加算要件は厚生年金被保険者期間が原則240月以上であること。
間違えやすいところ
- 学生納付特例期間の30月を誤って老齢基礎年金の計算月数に含めてしまうミス。
- 厚生年金の被保険者期間が211月と240月未満であるにもかかわらず加給年金を加算してしまう誤り。
出題の前提:2020年4月1日施行法令および2020年度年金額(老齢基礎年金満額781,700円)
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
財務分析指標(ROA・売上高経常利益率・総資産回転率・ICR・サスティナブル成長率)の計算
金融資産運用 · ROA / 売上高経常利益率 / 総資産回転率 / インタレスト・カバレッジ・レシオ / サスティナブル成長率
設例の〈X社とY社の財務データ等〉に基づき、以下の文中の空欄①~⑤に入る最も適切な数値を求めなさい。なお、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位まで解答すること。 ・X社の総資産経常利益率( ① )% ・X社の売上高経常利益率( ② )% ・Y社の総資産回転率( ③ )回 ・Y社のインタレスト・カバレッジ・レシオ( ④ )倍 ・X社のサスティナブル成長率( ⑤ )%
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解答
① 5.62 ② 4.33 ③ 1.43 ④ 26.95 ⑤ 6.90
解説
企業の総合的な収益力を測るROA(総資産経常利益率)は「売上高経常利益率×総資産回転率」に分解できます。インタレスト・カバレッジ・レシオは金融費用の支払能力を示す指標であり、分子には事業利益(営業利益+受取利息・配当金)、分母には支払利息などの金融費用を用います。サスティナブル成長率は外部資金調達を行わずに企業が維持できる成長率であり、「ROE×内部留保率」によって求められます。
解き方
- X社の経常利益と総資産から総資産経常利益率、経常利益と売上高から売上高経常利益率をそれぞれ算出し、指定の端数処理を行う。
- Y社の売上高を総資産で除して総資産回転率を計算する。
- Y社の事業利益(営業利益58,000+受取利息500+受取配当金800=59,300百万円)を支払利息2,200百万円で除してインタレスト・カバレッジ・レシオを求める。
- X社の自己資本(株主資本+その他の包括利益累計額)を求めてROEを算出し、内部留保率(1-配当性向)を乗じてサスティナブル成長率を算出する。
答えの内訳
- ①:5.62(%)
- X社の総資産経常利益率=経常利益86,500百万円÷総資産1,540,000百万円×100=5.6168…%より、四捨五入して5.62%となる。
- ②:4.33(%)
- X社の売上高経常利益率=経常利益86,500百万円÷売上高2,000,000百万円×100=4.325%より、四捨五入して4.33%となる。
- ③:1.43(回)
- Y社の総資産回転率=売上高1,600,000百万円÷総資産1,120,000百万円=1.4285…回より、四捨五入して1.43回となる。
- ④:26.95(倍)
- Y社のインタレスト・カバレッジ・レシオ=(営業利益58,000+受取利息500+受取配当金800)÷支払利息2,200=59,300÷2,200=26.9545…倍より、四捨五入して26.95倍となる。
- ⑤:6.90(%)
- 自己資本=株主資本580,000+その他の包括利益累計額20,000=600,000百万円。ROE=55,200÷600,000=9.2%。内部留保率=1-(配当金総額13,800÷当期純利益55,200)=0.75。サスティナブル成長率=9.2%×0.75=6.90%となる。
覚えるポイント
- インタレスト・カバレッジ・レシオの分子は「営業利益+受取利息+受取配当金」である点。
- 自己資本の計算において「その他の包括利益累計額」を含め、「非支配株主持分」を除外すること。
間違えやすいところ
- インタレスト・カバレッジ・レシオの分子に営業外費用や受取配当金の算入漏れが生じるミス。
- サスティナブル成長率の分母となる自己資本に非支配株主持分を含めてしまう計算間違い。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令・出題条件に基づく
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損益分岐点比率の計算
金融資産運用 · 損益分岐点比率 / CVP分析 / 固定費 / 限界利益率
《設例》の〈X社とY社の財務データ等〉に基づいて、X社の損益分岐点比率を求めなさい。〔計算過程〕を示すこと。なお、計算過程においては端数処理せず、〈答〉は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。また、変動費は売上原価に等しく、固定費は販売費及び一般管理費に等しいものとする。
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解答
57.45(%)
解説
損益分岐点比率は、現在の売上高に対する損益分岐点売上高の割合を示す指標であり、数値が低いほど売上減少に対する耐性が高く経営の安全性が高いと評価されます。
解き方
- 変動費が売上原価に等しい場合、限界利益は「売上高-売上原価=売上総利益」となります。また、固定費は「売上総利益-営業利益」として求めます(188,000-80,000=108,000百万円)。
- 損益分岐点比率は「固定費÷限界利益×100」または「損益分岐点売上高(固定費÷限界利益率)÷売上高×100」で計算でき、108,000÷188,000×100≒57.4468…%より、小数点以下第3位を四捨五入して57.45%を求めます。
覚えるポイント
- 損益分岐点比率=(損益分岐点売上高÷売上高)×100=(固定費÷限界利益)×100
- 変動費=売上原価、固定費=販売費及び一般管理費の前提では、限界利益=売上総利益となる
間違えやすいところ
- 固定費の算出時に売上総利益から営業利益を引くべきところを、経常利益を引いてしまう誤り
- 端数処理の指定(小数点以下第3位を四捨五入して第2位まで)を失念し、整数や小数第1位で答えてしまうミス
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等および出題条件(計算過程の端数処理は行わず、最終表示単位の小数点以下第3位を四捨五入)
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
米ドル建債券の所有期間利回りの計算
金融資産運用 · 外貨建債券 / 所有期間利回り / TTS・TTB / 為替換算
《設例》の〈米ドル建債券の概要〉の条件で、為替予約を付けずに円貨を外貨に交換して当該債券を購入し、1年6カ月後に売却して、売却金額と3回分の利子をまとめて円貨に交換した場合における所有期間利回り(単利による年換算)を求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。また、1年6カ月は1.5年として計算し、税金等は考慮しないものとする。
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解答
0.82(%)
解説
外貨建債券を円貨から投資して円貨で回収する場合の利回りは、円貨ベースの投資額に対する受取円貨総額の増加額(売買損益+受取利子)を求め、保有年数で除して年率単利に換算して算出します。
解き方
- 購入時の為替レートには円から外貨に替えるためTTS(110.00円)を適用し、購入代金(102.50米ドル×110.00円=11,275円)を計算します。
- 売却金額と1.5年分の利子(100米ドル×1.5%×1.5年=2.25米ドル)を合算した104.00米ドルに対し、外貨から円に戻すためTTB(109.75円)を適用して受取円貨額(11,414円)を計算します。
- 円貨ベースの収益率((11,414-11,275)÷11,275)を保有期間1.5年で除して年換算し、100を乗じて小数点以下第3位を四捨五入します。
覚えるポイント
- 円貨を外貨に交換するとき(顧客が外貨を買うとき)はTTSを適用する
- 外貨を円貨に交換するとき(顧客が外貨を売るとき)はTTBを適用する
- 所有期間利回り(年率・単利)=〔(受取円貨合計-投資円貨額)÷ 投資円貨額 ÷ 所有年数〕× 100
間違えやすいところ
- TTS(対顧客電信売相場)とTTB(対顧客電信買相場)を取り違えて計算してしまうミス
- 年2回利払いの3回分(1.5年分)の利子計算を失念し、売却単価のみを円転してしまう誤り
- 保有期間である1.5年での除算を忘れ、1.5年間の累積利回りをそのまま答えてしまうミス
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等および出題条件(税金等は考慮せず、1年6カ月は1.5年として単利年換算、小数点以下第3位を四捨五入)
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税の別表四(所得の金額の計算に関する明細書)の作成
タックスプランニング · 法人税別表四 / 減価償却超過額 / 交際費等の損金不算入 / 受取配当等の益金不算入
製造業を営むX株式会社(資本金10,000千円、青色申告法人、中小企業者等)の2021年3月期(2020年4月1日~2021年3月31日)の資料に基づき、〈略式別表四(所得の金額の計算に関する明細書)〉の空欄①~⑦に入る最も適切な数値を求めなさい。複数の方法がある場合はX社にとって有利な方法を選択すること。 【資料抜粋】 ・当期利益の額:11,211,180円 ・減価償却費:機械装置損金経理9,400千円、限度額8,000千円、前期繰越超過額800千円。器具備品損金経理2,500千円、限度額3,300千円、前期繰越超過額500千円。 ・交際費等:支出総額18,600千円。このうち1人当たり5千円以下の飲食費1,000千円、接待飲食費17,000千円、その他(いずれも所定書類保存済み)。 ・受取配当金:上場会社(非支配目的株式等)からの配当金2,600千円(源泉税控除前)。 ・法人税、住民税及び事業税:預金利子源泉税等30,630円、受取配当源泉税等398,190円、当期見積納税額8,800千円の合計9,228,820円。貸借対照表上の未払法人税等は8,800千円。 ・前期確定申告分の事業税納付額(未払法人税等取崩し):920千円。
解答・解説を表示
解答
① 8,800,000(円)、② 1,400,000(円)、③ 9,100,000(円)、④ 500,000(円)、⑤ 520,000(円)、⑥ 428,820(円)、⑦ 29,000,000(円)
解説
法人税法上の所得金額は、企業会計上の当期純利益を基礎とし、別表四において税法独自の規定に基づく加算・減算の申告調整を行うことで算出されます。
解き方
- 当期利益を出発点として、当期の損金経理納税充当金、減価償却超過額、交際費等の損金不算入額、控除対象所得税額等の加算項目を算定する。
- 前期繰越減価償却超過額の認容額、支出事業税等の損金算入額、受取配当等の益金不算入額等の減算項目を算定する。
- 当期利益に加算項目を加え、減算項目を差し引いて最終的な所得金額(課税所得)を計算する。
答えの内訳
- ①:8,800,000
- 損金経理をした納税充当金は、当期確定申告分の見積納税額として損益計算書で費用計上(損金経理)され未払法人税等として処理された金額である8,800,000円を加算します。
- ②:1,400,000
- 機械装置の減価償却費につき、損金経理額9,400千円と償却限度額8,000千円との差額である1,400,000円が償却超過額として加算(留保)されます。器具備品は償却不足のため当期償却超過額は発生しません。
- ③:9,100,000
- 1人当たり5千円以下の飲食費1,000千円は交際費等から除外されるため、対象となる交際費等は18,600千円-1,000千円=17,600千円(うち接待飲食費17,000千円)。中小企業者の特例として、イ:定額控除限度額(年800万円)の選択、ロ:接待飲食費の50%損金算入の選択のいずれか有利な方を選択します。ロを選択した場合の損金不算入額は、17,000千円×50%+600千円=9,100,000円。イを選択した場合の損金不算入額は17,600千円-8,000千円=9,600,000円となるため、有利なロ(9,100,000円)が損金不算入額として加算されます。
- ④:500,000
- 器具備品の当期償却不足額は3,300千円-2,500千円=800千円です。前期繰越償却超過額500千円について、償却不足額の範囲内である500,000円が当期認容額として減算(留保)されます。
- ⑤:520,000
- 非支配目的株式等に係る配当等の益金不算入割合は20%です。したがって、受取配当金2,600,000円×20%=520,000円が益金不算入額として減算(社外流出)されます。
- ⑥:428,820
- 預金利子の所得税・復興特別所得税(30,000円+630円=30,630円)と、受取配当金の所得税・復興特別所得税(390,000円+8,190円=398,190円)の合計である428,820円が、別表四において加算(社外流出)されます。
- ⑦:29,000,000
- 当期利益11,211,180円に、加算項目(①8,800,000円+②1,400,000円+③9,100,000円+⑥428,820円=19,728,820円)を加え、減算項目(④500,000円+事業税920,000円+⑤520,000円=1,940,000円)を差し引くことで、所得金額は29,000,000円となります。
覚えるポイント
- 中小企業者の交際費等は年800万円定額控除または接待飲食費50%損金算入の有利選択が可能。
- 非支配目的株式等の受取配当等の益金不算入割合は20%。
間違えやすいところ
- 1人当たり5,000円以下の飲食費を交際費等の計算に含めてしまうミス。
- 減価償却の認容限度を当期の償却不足額ではなく前期繰越超過額の全額と誤認するミス。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
中小法人における当期の確定申告納付法人税額の計算
タックスプランニング · 法人税額の計算 / 税率の適用 / 所得税額控除 / 中小企業投資促進等の税額控除
前問《問57》を踏まえ、X社が当期の確定申告により納付すべき法人税額を求めなさい。計算過程を示し、答は100円未満を切り捨てて円単位とすること。 【条件】 ・《問57》で求めた所得金額:29,000,000円 ・法人税率(中小法人):年8,000千円以下の部分15%、年8,000千円超の部分23.2% ・給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の法人税額の特別控除額:750千円 ・控除される所得税額等:428,820円
解答・解説を表示
解答
4,893,100(円)
解説
期末資本金1億円以下の普通法人の法人税額は、課税所得金額のうち年800万円以下の部分に軽減税率(15%)、800万円を超える部分に本則税率(23.2%)を適用して算出税額を求め、各種税額控除および所得税額控除を差し引いて納付税額を計算します。
解き方
- 課税所得29,000,000円を年800万円以下の部分と超える部分に区分し、それぞれ15%と23.2%を乗じて合計算出税額を求める(800万円×15%+2,100万円×23.2%=6,072,000円)。
- 算出税額から特別控除額750,000円および法人税額から控除される所得税額等428,820円を差し引く(6,072,000円-750,000円-428,820円=4,893,180円)。
- 端数処理規定に従い、100円未満を切り捨てて確定申告納付税額(4,893,100円)を算出する。
覚えるポイント
- 納付すべき法人税額の100円未満切捨て(国税通則法第119条第1項)。
- 控除される所得税額等には復興特別所得税額も含まれる。
間違えやすいところ
- 所得税額等控除の差し引き忘れや、復興特別所得税分を含め忘れるミス。
- 最終的な納付税額の100円未満端数処理(切り捨て)の失念。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(応用編)』
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給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の法人税額の特別控除
タックスプランニング · 所得拡大促進税制 / 給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の特別控除 / 中小企業と大企業の適用要件 / 税額控除限度額
「給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の法人税額の特別控除」(2020年4月1日~2021年3月31日事業年度)に関する文章ⅠおよびⅡの下線部①~③のうち、最も不適切なものをそれぞれ1つ選び、その適切な内容を簡潔に説明しなさい。
解答・解説を表示
解答
Ⅰ:① 国内設備投資額が当期償却費総額の95%以上であることが要件となる。 Ⅱ:③ 税額控除することができる金額は、当期における法人税額の20%相当額が限度である。
解説
給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の法人税額の特別控除は、賃上げや設備投資・教育訓練に積極的な企業を支援する税制上の優遇措置です。大企業と中小企業者等とで賃上げ基準や設備投資要件の有無などの適用基準が異なるほか、税額控除限度額(当期の法人税額に対する上限割合)などの規定が細かく定められています。
解き方
- 文章Ⅰ(適用要件)において、大企業に求められる「国内設備投資額が当期償却費総額に占める割合」の基準値(95%以上)を確認し、不適切な記述である下線部①を特定して正しく修正する。
- 文章Ⅱ(税額控除額)において、控除上限額となる法人税額に対する割合(20%限度)を確認し、25%と記載されている下線部③を不適切として特定し、適切な内容を記述する。
答えの内訳
- Ⅰ:① 国内設備投資額が当期償却費総額の95%以上であることが要件となる。
- 大企業における本制度の適用要件のうち、国内設備投資額に関する基準は「当期償却費総額の90%以上」ではなく「95%以上」と規定されています。
- Ⅱ:③ 税額控除することができる金額は、当期における法人税額の20%相当額が限度である。
- 本制度により税額控除できる金額の上限は、大企業・中小企業のいずれにおいても、当期の法人税額の25%相当額ではなく「20%相当額」が限度となります。
覚えるポイント
- 大企業の設備投資要件は国内設備投資額が当期償却費総額の95%以上であること。
- 本制度の税額控除限度額は中小企業・大企業ともに当期の法人税額の20%相当額であること。
間違えやすいところ
- 大企業の設備投資要件を90%と誤認しやすい。
- 税額控除の上限割合を中小企業の上乗せ税額控除率である25%と混同しやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等(租税特別措置法第42条の12の5)
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
特定の事業用資産の買換え特例および小規模宅地等の特例
不動産・相続・事業承継 · 特定の事業用資産の買換えの特例 / 面積制限・長期所有要件 / 地域による課税繰延割合 / 貸家建付地の相続税評価 / 小規模宅地等の減額特例(貸付事業用宅地等)
「特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例」および「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」に関する説明文の空欄①~⑧に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。
解答・解説を表示
解答
① 5(倍) ② 10(年) ③ 300(㎡) ④ 70(%) ⑤ 貸家建付地 ⑥ 債務控除 ⑦ 3,000(万円) ⑧ 3(年)
解説
事業用資産の買換え特例は、長期保有(10年超)した事業用土地建物等を譲渡して一定の土地(300㎡以上かつ譲渡面積の5倍以内等)を取得・事業供用した際に課税を将来へ繰り延べる制度です。また、賃貸アパートを新築した宅地は貸家建付地として評価され、さらに貸付事業用宅地等として小規模宅地等の特例(限度面積200㎡・50%減額)の適用対象となりますが、駆け込み適用を防ぐため相続前3年以内の新設貸付事業には制限が課されます。
解き方
- 買換え特例の要件(土地面積5倍以内、所有期間10年超、取得面積300㎡以上、東京特別区等への集中買換え時の繰延割合70%)を照らし合わせて①~④を導く。
- 賃貸用不動産の敷地評価区分(貸家建付地)および借入金残高の取扱い(債務控除)から⑤・⑥を導く。
- 貸付事業用宅地等の特例(200㎡まで50%減額)を適用し、400㎡・評価額4,000万円の土地について課税価格算入額「4,000万円-4,000万円×(200㎡/400㎡)×50%=3,000万円」を計算して⑦を導く。
- 相続開始前3年以内の貸付制限規定を確認して⑧を導く。
答えの内訳
- ①:5(倍)
- 土地の買換え特例において、買換資産である土地の面積が譲渡資産である土地の面積の5倍を超えるときは、その5倍を超える部分については特例の対象となりません。
- ②:10(年)
- 長期所有資産の買換え(9号買換え)の場合、譲渡した土地の所有期間は譲渡した日の属する年の1月1日において10年を超えている必要があります。
- ③:300(㎡)
- 長期所有資産の買換えの場合、買換資産となる土地の面積要件は原則として300㎡以上と定められています。
- ④:70(%)
- 課税の繰延割合は原則80%ですが、集中地域以外の地域から東京都特別区等の集中地域への買換えの場合、繰延割合は70%または75%に縮減されます。
- ⑤:貸家建付地
- 所有する宅地の上に自ら建築した賃貸アパート等の貸家が建っている場合、その敷地は相続税評価上「貸家建付地」として評価されます。
- ⑥:債務控除
- 被相続人が借り入れた銀行借入金の残高などの債務は、相続税の課税価格の計算上、遺産総額から控除される「債務控除」の対象となります。
- ⑦:3,000(万円)
- 貸付事業用宅地等の限度面積は200㎡、減額割合は50%です。400㎡の土地(評価額4,000万円)全額に特例を適用する場合、200㎡分(2,000万円相当)につき50%減額(1,000万円減額)されるため、課税価格に算入すべき価額は「4,000万円-2,000万円×50%=3,000万円」となります。
- ⑧:3(年)
- 相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等は、事業的規模(3年超の事業実績等)で行っていた場合を除き、貸付事業用宅地等としての特例の適用対象外とされます。
覚えるポイント
- 特定の事業用資産の買換え特例における面積要件は譲渡資産面積の5倍以内、取得面積300㎡以上。
- 貸付事業用宅地等は限度面積200㎡まで50%減額となり、相続前3年以内の新規供用宅地は原則除外される。
間違えやすいところ
- 買換資産の取得面積要件(300㎡以上)を他の特例の数値と混同しやすい。
- 貸付事業用宅地等の計算において、全体面積(400㎡)全額を50%減額して2,000万円と誤算してしまう(限度面積200㎡の按分計算が必要)。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等(租税特別措置法第37条、第69条の4、相続税法第13条)
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法に基づく建築面積および延べ面積の最高限度の計算
不動産 · 建蔽率の緩和 / 容積率制限 / 特定道路による緩和
甲土地(敷地面積400㎡、長方形16m×25m、近隣商業地域、指定建蔽率80%、指定容積率500%、準防火地域、前面道路の幅員6m、前面道路の幅員による容積率制限の乗数6/10、幅員15mの特定道路からの延長距離56m)上に準耐火建築物を建築する場合、建蔽率の上限となる建築面積および特定道路までの距離による緩和を考慮した容積率の上限となる延べ面積をそれぞれ求めなさい。
解答・解説を表示
解答
① 360(㎡) ② 1,728(㎡)
解説
建築面積の限度は敷地面積に適用建蔽率を乗じて算出します。準防火地域内の準耐火建築物は10%緩和が適用されます。延べ面積の限度は指定容積率と道路幅員による制限容積率のいずれか小さい方を敷地面積に乗じて算出します。幅員15m以上の特定道路から70m以内にある敷地では、一定の算式に基づき前面道路幅員を加算して緩和を受けることができます。
解き方
- 準防火地域内の準耐火建築物による建蔽率10%緩和を適用し、適用建蔽率90%に敷地面積400㎡を乗じて建築面積の上限を計算する。
- 特定道路緩和の算式に数値(特定道路幅員15m、前面道路6m、距離56m)を代入して加算幅員1.2mを求め、有効前面道路幅員を7.2mとする。
- 有効前面道路幅員7.2mに近隣商業地域の乗数6/10を乗じて432%を算出し、指定容積率500%と比較して小さい432%に敷地面積400㎡を乗じて延べ面積の上限を計算する。
答えの内訳
- ①:360(㎡)
- 準防火地域内において準耐火建築物を建築する場合、建蔽率の制限が10%緩和されます。本問の指定建蔽率は80%であるため、適用される建蔽率は80%+10%=90%となります。したがって、建築面積の最高限度は、敷地面積400㎡×90%=360㎡となります。
- ②:1,728(㎡)
- 特定道路(幅員15m以上)から70m以内の位置にあり、前面道路幅員が6m以上12m未満であるため特定道路緩和が適用されます。加算値は(12-6)×(70-56)/70=1.2mとなり、前面道路の法定幅員は6m+1.2m=7.2mです。前面道路幅員制限による容積率は7.2m×6/10=432%となります。指定容積率500%と比較して小さい432%が基準容積率となるため、延べ面積の最高限度は400㎡×432%=1,728㎡となります。
覚えるポイント
- 準防火地域内の耐火建築物・準耐火建築物は建蔽率が10%加算緩和される。
- 特定道路緩和の加算値算式は(12-Wr)×(70-L)/70で計算する。
間違えやすいところ
- 建蔽率80%の指定地域で準防火地域の準耐火建築物を建築する場合、制限なし(100%)と混同して90%の適用を誤る。
- 特定道路緩和で加算した後の有効道路幅員に容積率乗数(6/10)を掛け忘れて指定容積率と比較してしまう。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の建築基準法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
特定の事業用資産の買換え特例適用時における長期譲渡所得および税額の計算
不動産 · 事業用資産の買換え特例 / 課税長期譲渡所得金額 / 所得税および住民税
Aさんが事業用土地(譲渡価額8,000万円、取得費不明、譲渡費用300万円)を譲渡して買換資産(甲土地・取得価額7,000万円)を取得し、「特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例」(課税繰延割合80%)の適用を受けた場合における、①課税長期譲渡所得金額、②所得税および復興特別所得税の合計額、③住民税額をそれぞれ求めなさい。なお、概算取得費を用い、100円未満を切り捨てて円単位で答えること。
解答・解説を表示
解答
① 21,900,000(円) ② 3,353,900(円) ③ 1,095,000(円)
解説
特定の事業用資産の買換え特例では、譲渡価額が買換資産の取得価額を超える場合、その差額および買換資産取得価額のうち課税繰延割合(80%)を超過する部分(20%)が課税対象の収入金額となります。取得費および譲渡費用についても、課税対象収入金額が譲渡価額全体に占める割合で按分して必要経費を算定します。長期譲渡所得の税率は所得税15%(復興特別所得税2.1%付加)、住民税5%です。
解き方
- 課税対象となる収入金額を「譲渡価額-買換資産取得価額×繰延割合」により算出する(80,000,000-70,000,000×80%=24,000,000円)。
- 概算取得費(譲渡価額の5%=4,000,000円)と譲渡費用(3,000,000円)の合計に按分割合(24,000,000/80,000,000=0.3)を乗じ、控除必要経費2,100,000円を求めて課税長期譲渡所得金額を算出する。
- 課税長期譲渡所得金額に所得税率15%を乗じ、復興特別所得税(所得税額の2.1%)を加算して100円未満を切り捨てる。
- 課税長期譲渡所得金額に住民税率5%を乗じて住民税額を算出する。
答えの内訳
- ①:21,900,000(円)
- 譲渡価額8,000万円のうち課税対象となる収入金額は、8,000万円-7,000万円×80%=2,400万円となります。取得費は概算取得費(8,000万円×5%=400万円)を用い、譲渡費用300万円を加えた合計700万円のうち課税対象に対応する控除額は、700万円×(2,400万円/8,000万円)=210万円となります。したがって、課税長期譲渡所得金額は2,400万円-210万円=2,190万円(21,900,000円)です。
- ②:3,353,900(円)
- 長期譲渡所得に係る所得税率は15%、復興特別所得税率は基準所得税額の2.1%です。所得税額は21,900,000円×15%=3,285,000円、復興特別所得税額は3,285,000円×2.1%=68,985円となります。合計額は3,285,000円+68,985円=3,353,985円となり、100円未満を切り捨てて3,353,900円となります。
- ③:1,095,000(円)
- 長期譲渡所得に係る住民税率は5%です。住民税額は課税長期譲渡所得金額21,900,000円×5%=1,095,000円となります。
覚えるポイント
- 買換え特例で譲渡価額>買換資産取得価額の場合、収入金額=譲渡価額-買換資産取得価額×繰延割合。
- 取得費・譲渡費用は「(取得費+譲渡費用)×(課税収入金額/譲渡価額)」で按分する。
間違えやすいところ
- 取得費および譲渡費用を按分せず、全額控除してしまう計算ミス。
- 所得税と復興特別所得税の合算額に対して100円未満切捨てを行う前に、端数処理の順序を誤る。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の租税特別措置法および所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
非上場株式の類似業種比準価額の計算
相続・事業承継 · 取引相場のない株式の評価 / 類似業種比準方式
非上場会社であるX社の概要に基づき、X社株式の1株当たりの類似業種比準価額を計算しなさい。なお、端数処理は各要素別比準割合および比準割合は小数点第2位未満切捨て、1株当たりの資本金等の額50円当たりの類似業種比準価額は10銭未満切捨て、X社株式の1株当たりの類似業種比準価額は円未満切捨てとし、選択肢がある場合は最も低くなる方法を選択すること。 〈X社の概要〉 ・業種:電子部品製造業 ・資本金等の額:7,500万円(発行済株式総数150,000株、普通株式・1株1議決権) ・規模区分:中会社の大(特定の評価会社に該当しない) ・1株(50円)当たりの配当金額:X社4.0円、類似業種3.2円 ・1株(50円)当たりの年利益金額:X社29円、類似業種22円 ・1株(50円)当たりの簿価純資産価額:X社301円、類似業種192円 ・類似業種の株価:課税時期の属する月285円、前月280円、前々月274円、前年平均320円、前々年平均270円、課税時期の属する月以前2年間の平均300円
解答・解説を表示
解答
2,252円
解説
類似業種比準方式は、事業内容が類似する上場会社の株価を基礎とし、1株当たりの配当金額・利益金額・純資産価額(簿価)の比準割合を合成して斟酌率(中会社は0.60)を乗じ、評価会社の1株当たりの資本金等の額を50円で除した倍率を掛けて評価する方式です。
解き方
- 類似業種の株価の選定:選択可能な選択肢(当月285円、前月280円、前々月274円、前年平均320円、過去2年間平均300円)のうち最も低い274円を選択します(前々年平均270円は法改正により選択肢に含まれません)。
- 比準要素の計算:配当比準割合=4.0/3.2=1.25、利益比準割合=29/22=1.31(端数切捨て)、純資産比準割合=301/192=1.56(端数切捨て)を求めます。
- 比準割合の合成:(1.25+1.31+1.56)/3=1.373... より、小数点第2位未満を切り捨てて1.37とします。
- 50円当たりの株価計算:274円×1.37×0.6(中会社の斟酌率)=225.228円。10銭未満を切り捨てて225.2円とします。
- 1株当たり類似業種比準価額の算出:X社の1株当たりの資本金等の額は7,500万円÷150,000株=500円です。したがって、225.2円×(500円/50円)=2,252円(円未満切捨て)となります。
覚えるポイント
- 類似業種の株価は「課税時期の属する月」「前月」「前々月」「前年平均」「過去2年間平均」から最も低いものを選択します(前々年平均は選択肢にありません)。
- 斟酌割合は大会社0.7、中会社0.6、小会社0.5です。
間違えやすいところ
- 資料にある「課税時期の前々年の平均株価」は税制改正により選択肢から除外されたダミー項目なので誤って選択しないよう注意が必要です。
- 端数処理(各比準割合・合成比準割合は小数点第2位未満切捨て、50円当たり価額は10銭未満切捨て)のタイミングを間違えないように計算する必要があります。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の財産評価基本通達
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
非上場株式の純資産価額および併用方式による評価額の計算
相続・事業承継 · 取引相場のない株式の評価 / 純資産価額方式 / 併用方式
《問63》の前提条件および以下の資料に基づき、X社株式の1株当たりの①純資産価額と②類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式による価額をそれぞれ求めなさい。なお、計算結果は円未満を切り捨てて円単位とし、複数の方法がある場合はできるだけ低い価額となる方法を選択すること。 〈X社の資産・負債の状況(直前期)〉 ・流動資産:相続税評価額60,200万円、帳簿価額60,200万円 ・固定資産:相続税評価額61,700万円、帳簿価額38,300万円 ・資産合計:相続税評価額121,900万円、帳簿価額98,500万円 ・流動負債:相続税評価額33,800万円、帳簿価額33,800万円 ・固定負債:相続税評価額19,550万円、帳簿価額19,550万円 ・負債合計:相続税評価額53,350万円、帳簿価額53,350万円 ・発行済株式総数:150,000株 ・規模区分:中会社の大(L=0.90)
解答・解説を表示
解答
① 3,992円、② 2,426円
解説
純資産価額方式では、課税時期における各資産・負債を相続税評価額で評価し、帳簿価額との評価差額に対して法人税等相当額(37%)を控除して算定します。また中会社は、類似業種比準価額に規模区分に応じたL割合を乗じ、純資産価額に(1-L)を乗じて合算する併用方式により評価します。
解き方
- 純資産価額の計算:相続税評価額による純資産額は121,900万円-53,350万円=68,550万円。帳簿価額純資産は98,500万円-53,350万円=45,150万円。評価差額は68,550万円-45,150万円=23,400万円。評価差額に対する法人税等相当額は23,400万円×37%=8,658万円となります。
- 差引純資産額の発行済株式数按分:(68,550万円-8,658万円)/150,000株=59,892万円/150,000株=3,992.8円。円未満を切り捨てて3,992円とします。
- 併用方式の計算:X社は「中会社の大」であるためL値は0.90です。併用方式の価額=2,252円×0.90+3,992円×(1-0.90)=2,026.8円+399.2円=2,426円となります。純資産価額単独(3,992円)よりも低いため、2,426円を採用します。
答えの内訳
- ①:3,992(円)
- 相続税評価額の純資産価額68,550万円から評価差額に対する法人税等相当額(37%)8,658万円を控除した差引純資産額59,892万円を発行済株式総数150,000株で除すと3,992.8円となり、円未満切り捨てで3,992円となります。
- ②:2,426(円)
- 中会社の大のL値(0.90)を用い、類似業種比準価額2,252円×0.90+純資産価額3,992円×(1-0.90)=2,026.8円+399.2円=2,426円(円未満切り捨て)となります。
覚えるポイント
- 純資産価額計算における評価差額に対する法人税等相当額の割合は37%です。
- 中会社の規模区分に応じたL値は大:0.90、中:0.75、小:0.60です。
間違えやすいところ
- 法人税等相当額の控除対象は「資産全体の相続税評価額と帳簿価額の差額」であり、負債側の差額がないかも確認が必要です。
- 中会社の大のL値を0.75や0.60と取り違えないように区分(大=0.90)を正確に覚えておく必要があります。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の財産評価基本通達
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
事業承継税制の特例措置と遺留分に関する民法の特例
相続・事業承継 · 法人版事業承継税制(特例措置) / 経営承継円滑化法 / 遺留分の算定 / 民法の特例(除外合意・固定合意)
「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例(特例措置)」および「遺留分に関する民法の特例」に関する説明文中の空欄①~⑧に入る適切な語句または数値を答えなさい。 〈非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例〉 Ⅰ 「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」(以下、「本特例」という)の適用を受けるためには、その対象会社につき、所定の特例承継計画を策定して都道府県知事に提出し、その確認を受け、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」に基づく認定を受けなければならない。 本特例の適用を受ける後継者は、贈与の日まで引き続き( ① )年以上にわたり対象会社の役員等の地位を有し、かつ、贈与の時において、後継者および後継者と特別の関係がある者で総議決権数の( ② )%超の議決権数を保有することとなることなどの要件を満たす必要がある。なお、後継者が複数いる場合、所定の要件を満たせば、最大( ③ )人まで本特例の適用を受けることができる。 仮に、Aさんが所有するX社株式13万株のすべてを長男Cさんが贈与により取得し、本特例の適用を受けた場合、長男Cさんは、贈与により取得したX社株式に対応する贈与税額の( ④ )の納税猶予を受けることができる。 なお、本特例の適用を受ける受贈者が贈与者の推定相続人以外の者であっても、その年の1月1日において受贈者が20歳以上であり、かつ、贈与者が60歳以上である場合には、納税が猶予される贈与税額の計算上、受贈者は( ⑤ )課税を選択することができる。 〈遺留分に関する民法の特例〉 Ⅱ 遺留分とは、相続財産の一定割合を一定の範囲の相続人に留保するものである。仮に、Aさんの相続が開始し、遺留分を算定するための財産の価額が4億円である場合、長女Dさんの遺留分の額は( ⑥ )万円となる。この遺留分を算定するための財産の価額には、被相続人が相続人に対して生前に行った贈与については、特別受益に該当する贈与で、かつ、原則として相続開始前( ⑦ )年以内にされたものの価額が算入される。 ただし、長男CさんがAさんから贈与を受けるX社株式について、「遺留分に関する民法の特例」(以下、「本特例」という)の適用を受けることにより、将来のAさんの相続開始時において、その価額を遺留分を算定するための財産の価額に算入しない、または遺留分を算定するための財産の価額に算入すべき価額を( ⑧ )時における価額に固定することができる。なお、本特例の適用を受けるにあたっては、長男Cさん、妻Bさんおよび長女Dさんが書面によって合意し、経済産業大臣の確認を受けたうえで、家庭裁判所の許可を受ける必要がある。
解答・解説を表示
解答
① 3(年) ② 50(%) ③ 3(人) ④ 全額 ⑤ 相続時精算(課税) ⑥ 5,000(万円) ⑦ 10(年) ⑧ 合意(時)
解説
事業承継を円滑に進めるため、税制上は非上場株式に係る納税負担を実質ゼロに繰り延べる「事業承継税制の特例措置」が整備されており、民法上は後継者以外の推定相続人との間で株式を遺留分算定の基礎から除外(除外合意)または合意時の評価額に固定(固定合意)できる特例が設けられています。
解き方
- 事業承継税制(特例措置)の後継者役員歴(3年)、議決権要件(50%超)、対象人数(最大3人)、猶予割合(全額)、相続時精算課税の特例適用要件を確認する。
- 民法の遺留分規定に基づき、基礎財産4億円に対する長女の遺留分割合(1/2×1/4=1/8)を乗じて遺留分額(5,000万円)を算出する。
- 特別受益に関する遺留分算定の期間制限(相続開始前10年以内)および経営承継円滑化法における評価額固定の基準時点(合意時)を確認する。
答えの内訳
- ①:3(年)
- 事業承継税制の贈与税の納税猶予において、後継者(受贈者)は贈与の日まで引き続き3年以上にわたり対象会社の役員等である必要があります。
- ②:50(%)
- 後継者は、贈与の時において後継者および同族関係者で発行済議決権株式総数の50%超を保有し、かつ、筆頭株主(複数後継者の場合は上位グループ)である必要があります。
- ③:3(人)
- 平成30年度税制改正で創設された特例措置では、一般措置と異なり代表者である後継者を最大3人まで指定して納税猶予の適用を受けることができます。
- ④:全額
- 一般措置では対象株式数に上限があり猶予割合も80%でしたが、特例措置では発行済株式総数の全株式を対象にでき、納税猶予割合も100%(全額)となります。
- ⑤:相続時精算(課税)
- 特例措置では、受贈者が贈与者の推定相続人以外の親族や第三者であっても、年齢等の要件(受贈者20歳以上、贈与者60歳以上)を満たせば相続時精算課税の適用を選択することができます。
- ⑥:5,000(万円)
- 相続人が配偶者と子の場合、全体の遺留分割合は財産の2分の1です。子(長男C・長女D)の法定相続分はそれぞれ4分の1となるため、長女Dの遺留分は4億円×1/2×1/4=5,000万円となります。
- ⑦:10(年)
- 2019年7月施行の改正民法により、共同相続人に対する特別受益となる贈与について遺留分算定の基礎財産に算入される期間は、原則として相続開始前10年間に限定されました。
- ⑧:合意(時)
- 経営承継円滑化法に基づく民法の特例のうち固定合意では、後継者が生前贈与を受けた非上場株式の評価額を「合意時」の価額に固定し、その後の企業価値上昇が将来の遺留分算定基礎に影響しないようにできます。
覚えるポイント
- 事業承継税制の特例措置:役員就任期間3年以上、総議決権50%超、後継者最大3人、対象株式数上限撤廃・猶予割合100%(全額)。
- 民法の特別受益の遺留分算定持ち戻しは原則「相続開始前10年以内」。
- 経営承継円滑化法の民法特例:除外合意と固定合意(基準時点は合意時)。
間違えやすいところ
- 特例措置の猶予割合を一般措置の80%と取り違えないこと(特例措置は100%=全額)。
- 特別受益の遺留分算定持ち戻し期間を、通常の生前贈与加算期間(3年)や一般第三者への贈与(1年)と混同して10年以外の年数にしないこと。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等(租税特別措置法、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律、および民法)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2020年9月 1級 学科(応用編)
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2020年9月 1級 学科(応用編)の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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