日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2020年9月 1級 学科(基礎編)の概要
出産および育児に関する社会保険給付等の取扱い
ライフプランニングと資金計画 · 健康保険 / 厚生年金保険 / 雇用保険 / 出産育児一時金 / 育児休業給付金
会社員の女性(雇用保険・健康保険・厚生年金保険の被保険者)が出産・育児を行う場合における社会保険からの給付および保険料免除に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
出産・育児期間中の社会保険制度では、休業中の所得補償として健康保険から出産手当金、雇用保険から育児休業給付金が支給され、社会保険料の免除制度も整備されています。
解き方
- 産前産後休業期間中の社会保険料免除規定および健康保険の現金給付(出産育児一時金・出産手当金)の要件を確認する。
- 雇用保険法における育児休業給付金の支給期間(原則1歳、最長2歳まで)と照合して誤りを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 産前産後休業期間中の社会保険料(健康保険・厚生年金保険)は事業主の申出により本人負担分・事業主負担分ともに免除され、年金額計算上は納付済期間として扱われます。
- 選択肢 2不正解
- 産科医療補償制度加入の医療機関等で出産した場合の出産育児一時金の支給額は、原則として1児につき42万円となります(2020年4月1日現在)。
- 選択肢 3不正解
- 産前42日(多胎妊娠は98日)、産後56日の産前産後休業期間中に給与の支払を受けなかった場合、健康保険から出産手当金が支給されます。
- 選択肢 4正解
- 雇用保険の育児休業給付金は、原則として子が1歳に達する日前まで(延長事由がある場合は最長2歳まで)の支給であり、子が3歳に達するまで受給できるとする点は誤りです。
覚えるポイント
- 育児休業給付金の支給期間は原則1歳まで、所定の要件を満たす場合は最長2歳まで延長可能です。
間違えやすいところ
- 事業主独自の育児休業期間が3歳まで認められていても、雇用保険からの給付金支給は最長2歳までである点に注意が必要です。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的介護保険の認定および給付
ライフプランニングと資金計画 · 介護保険 / 要支援認定 / 第2号被保険者 / 高額介護サービス費 / 特定疾病
公的介護保険の制度概要に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
公的介護保険の要介護・要支援認定は申請日に遡及して効力を生じますが、状態の変化を見極めるため新規認定の有効期間は更新認定よりも短く設定されています。
解き方
- 要介護・要支援認定の新規認定および更新認定の原則的な有効期間を確認する。
- 新規認定の原則的な有効期間が「6カ月」であることを踏まえて選択肢1の誤りを特定する。
- 選択肢 1正解
- 要介護認定・要支援認定の新規認定の有効期間は原則として6カ月間(市町村が定める場合は3カ月~12カ月)であり、原則1年とする記述は不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 介護保険の利用者負担割合について、一定以上の所得がある第1号被保険者は2割または3割となりますが、第2号被保険者は所得の多寡にかかわらず原則1割負担です。
- 選択肢 3不正解
- 同一月内に支払った介護保険サービスの利用者負担額が所得区分に応じた上限額を超えた場合、高額介護サービス費として超過分が支給されます。
- 選択肢 4不正解
- 第2号被保険者の受給要件となる特定疾病のがんは、「がん末期(医師が回復の見込みがない状態に至ったと判断したもの)」に限定されています。
覚えるポイント
- 介護保険の新規認定の有効期間は原則6カ月、更新認定の有効期間は原則12カ月です。
間違えやすいところ
- 高所得による2割・3割の自己負担割合は第1号被保険者のみに適用され、第2号被保険者は一律1割負担です。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
労働者災害補償保険の適用および業務災害・通勤災害の認定
ライフプランニングと資金計画 · 労災保険 / 通勤災害 / 逸脱・中断 / 派遣労働者 / 業務災害
労働者災害補償保険の適用範囲および災害認定に関する記述として、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
労災保険において、通勤途中の逸脱・中断は原則として通勤とみなされなくなりますが、日常生活上必要な行為による最小限の中断・逸脱であれば、経路に復帰した以降の移動は通勤災害として認められます。
解き方
- 通勤の逸脱・中断の例外要件(日常生活上必要な行為および復帰後の事故)を確認する。
- 出張中の宿泊先からの移動は業務災害である点、派遣労働者は派遣元適用である点、再発給付の要件を比較検討する。
- 選択肢 1不正解
- 出張中の移動は事業主の包括的な支配下にあるため、出張先のホテルから取引先への移動中に発生した事故は通勤災害ではなく「業務災害」となります。
- 選択肢 2正解
- 散髪は日用品の購入等と同様に「日常生活上必要な行為」に該当するため、合理的な経路に復帰した後の事故については通勤災害として認められます。
- 選択肢 3不正解
- 派遣労働者に対する労災保険は、雇用関係にある「派遣元」の事業場を適用事業所として保険関係が成立し適用されます。
- 選択肢 4不正解
- 業務上の傷病が一度治癒した後に再発した場合であっても、当初の業務上の傷病と相当因果関係が認められれば、新たな業務上事由がなくても再発として労災給付の対象となります。
覚えるポイント
- 派遣労働者の労災保険は「派遣元」、労働安全衛生法などの直接指示は「派遣先」が担います。
間違えやすいところ
- 出張中の宿泊先と目的地間の移動は通勤ではなく包括的支配下の「業務遂行中(業務災害)」となります。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢基礎年金の繰上げ支給と受給額の計算
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 繰上げ支給 / 付加年金 / 振替加算 / 減額率
1957年9月5日生まれの女性(厚生年金保険加入歴なし)が63歳到達月に老齢基礎年金の繰上げ支給を請求した場合、受給できる年金額の合計額として最も適切なものはどれか。なお、65歳時の給付額は老齢基礎年金781,700円、振替加算38,908円、付加年金24,000円とする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
老齢基礎年金を繰上げ請求する場合、請求月から65歳到達月の前月までの月数に応じて1月あたり0.5%(2022年3月以前の請求・制度)減額され、付加年金も同率で減額されます。振替加算は繰上げ対象外であり65歳到達まで受給できません。
解き方
- 繰上げ月数を算定する:65歳到達月までの繰上げ月数は24カ月。
- 減額率を算定する:0.5% × 24カ月 = 12.0%。
- 老齢基礎年金と付加年金に減額率(100%-12%=88%)を乗じる:781,700円 × 0.88 = 687,896円、24,000円 × 0.88 = 21,120円。
- 振替加算は65歳到達まで支給されないため含めず、年金額を合算する:687,896円 + 21,120円 = 709,016円。
- 選択肢 1正解
- 老齢基礎年金減額後687,896円と付加年金減額後21,120円を合計した709,016円が正しい支給額です。
- 選択肢 2不正解
- 付加年金を減額せずそのまま加算(687,896円+24,000円=711,896円)した計算であり、誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 65歳到達まで支給されない振替加算を減額して算入した金額であり、誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 振替加算を加算対象として計算した誤った数値です。
覚えるポイント
- 繰上げ支給を請求しても振替加算は前倒し受給できず、65歳到達時から支給されます。
間違えやすいところ
- 付加年金も老齢基礎年金と同じ割合で減額されることを見落としやすいので注意しましょう。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
年金生活者支援給付金の制度と給付額
ライフプランニングと資金計画 · 年金生活者支援給付金 / 老齢年金生活者支援給付金 / 障害年金生活者支援給付金 / 遺族年金生活者支援給付金
年金生活者支援給付金制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
年金生活者支援給付金は公的年金受給者のうち所得が一定基準以下の者に年金に上乗せして支給される制度で、支払期日は公的年金と同じ偶数月(年6回)です。
解き方
- 給付金の支給月(年金の支払日と同じ偶数月)を確認する。
- 各給付金の額の算出方法(老齢は保険料納付済期間等に応じる、障害は等級で異なる、遺族は定額)を精査する。
- 選択肢 1不正解
- 年金生活者支援給付金の支払月は、公的年金本体の支払月と同じく毎年2月、4月、6月、8月、10月、12月の年6回です。
- 選択肢 2不正解
- 老齢年金生活者支援給付金の額は、保険料納付済期間や保険料免除期間の月数に基づいて月ごとに個別に算出されるため一律ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 障害年金生活者支援給付金の額は障害等級によって異なり、2級は月額5,030円ですが、1級は月額6,288円(2020年度価額)となります。
- 選択肢 4正解
- 遺族年金生活者支援給付金は、要件を満たす受給資格者が1人の場合、定額の月額5,030円(2020年度)が支給されます。
覚えるポイント
- 年金生活者支援給付金の支払期日は公的年金と同じ偶数月の年6回です。
間違えやすいところ
- 障害年金生活者支援給付金は1級と2級で支給額が異なる(1級は1.25倍)点に注意してください。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
すまい給付金の適用要件と給付内容
ライフプランニングと資金計画 · すまい給付金 / 住宅取得 / 現金取得 / 都道府県民税所得割額
消費税率引上げに伴うすまい給付金制度の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
すまい給付金は消費税率引上げによる住宅取得者の負担を緩和するために創設された制度であり、1人につき1回の給付に限定されています。
解き方
- 新築住宅の要件(50㎡以上・完了1年以内未入居)および現金取得者の年齢制限(50歳以上)を確認する。
- すまい給付金の再給付の可否(1人1回限り)を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 新築住宅を取得する場合、人の居住の用に供したことのない住宅で工事完了後1年以内のもの、かつ床面積が50㎡以上であること等が要件とされています。
- 選択肢 2不正解
- 住宅ローンを利用しない現金取得者の場合、引渡しを受けた年の12月31日時点において年齢が50歳以上である必要があります。
- 選択肢 3不正解
- 消費税率10%適用時、都道府県民税の所得割額の区分に応じて給付基礎額が決定され、最大給付基礎額は50万円です。
- 選択肢 4正解
- すまい給付金の申請・受給は同一人につき1回限りであり、期間内に買い換えたとしても再度給付金を受け取ることは認められていません。
覚えるポイント
- すまい給付金は住宅取得者1人につき1回限りの受給制度です。
間違えやすいところ
- 現金取得者の要件として、所得制限に加えて「引渡し年の12月31日時点で50歳以上」という年齢要件がある点を見落とさないようにしましょう。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)
ライフプランニングと資金計画 · 国の教育ローン / 教育一般貸付 / 融資限度額 / 返済期間 / 保証料
日本政策金融公庫が扱う「教育一般貸付(国の教育ローン)」の融資条件等に関する記述として、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
教育一般貸付は幅広い教育関連資金に対応する公的な融資制度であり、資金使途には住居費等が含まれ、特定の修学条件に応じて融資限度額の緩和特例が設けられています。
解き方
- 資金使途(住居費・教科書代等も可)および融資限度額(原則350万円、特定事由450万円)を確認する。
- 返済期間の上限(最長15年、優遇特例で18年)と保証料の徴収方法(融資額からの差引)を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 資金使途は入学金や授業料だけでなく、定期券代等の通学費用、アパート代等の下宿費用、教科書代など幅広く対象となります。
- 選択肢 2正解
- 融資限度額は通常350万円ですが、自宅外通学、大学院進学、留学資金などに該当する場合は最高450万円まで利用可能です。
- 選択肢 3不正解
- 返済期間は原則として最長15年(交通遺児家庭や低所得世帯等の特例措置により最長18年)であり、最長20年とする規定はありません。
- 選択肢 4不正解
- 教育資金融資保証基金を利用する場合の保証料は、融資金が口座に振り込まれる際に融資額から一括して差し引かれます。
覚えるポイント
- 教育一般貸付の融資限度額は原則350万円、自宅外通学や大学院等は450万円です。
間違えやすいところ
- 保証基金の保証料は別途現金で納付するのではなく、融資金から天引き(差引)されます。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
キャッシュ・フロー計算書(間接法)の構造と増減要因
ライフプランニングと資金計画 · キャッシュ・フロー計算書 / 間接法 / 営業活動によるキャッシュ・フロー / 投資活動によるキャッシュ・フロー
間接法によるキャッシュ・フロー計算書に関する記述として、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
間接法キャッシュ・フロー計算書では税引前当期純利益から非資金損益項目や運転資本の増減を調整して営業キャッシュ・フローを算出し、投資・財務活動と区分して表示します。
解き方
- 営業CF・投資CF・財務CFの区分定義および現金同等物の増減額(3区分の総和)を確認する。
- 運転資本の増減(売上債権の増加=CFマイナス要因)や利益減少要因が営業CFに与える影響を検討する。
- 選択肢 1不正解
- 「現金及び現金同等物の増減額」は、営業活動、投資活動、財務活動による各キャッシュ・フローの3つの合計額です。
- 選択肢 2正解
- 売上減少や費用増加は利益の減少(営業CF減少)となり、売上債権の増加は売上計上されたが入金されていない金額の増加(営業CF減少)を意味するため、すべて営業CFの減少要因です。
- 選択肢 3不正解
- 固定資産の増加は投資活動によるCFの減少要因ですが、短期借入金の減少や配当金の支払は「財務活動によるキャッシュ・フロー」の減少要因です。
- 選択肢 4不正解
- 間接法の営業活動によるキャッシュ・フローは「税引前当期純利益」から出発し、売上債権・棚卸資産・仕入債務の増減や利息・税金支払額等を調整して算出するため、経常利益+減価償却費とは一致しません。
覚えるポイント
- 資産の増加(売上債権・棚卸資産等)はキャッシュ・フローのマイナス要因、負債の増加はプラス要因となります。
間違えやすいところ
- 借入金の返済や配当金の支払は投資活動ではなく「財務活動」によるキャッシュ・フローに分類されます。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
保険契約のクーリング・オフ制度
リスク管理 · クーリング・オフ制度 / 保険業法
保険業法に定める保険契約の申込みの撤回等(クーリング・オフ制度)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
保険業法第309条において、保険契約の申込みの撤回等(クーリング・オフ制度)の対象および適用除外事由が細かく規定されています。
解き方
- 申込み場所や契約形態(転換、増額、契約者種別)の各要件がクーリング・オフ適用除外に当たるかどうかを検討する。
- 転換は新たな保険契約の申込みにあたるためクーリング・オフの対象となり、適切な記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 契約者自身の自宅や勤務先で申込みを行った場合であっても、契約者が指定した場所でない限り原則クーリング・オフできますが、自ら指定して訪問させた場合でも、居宅等であれば無条件で除外されるわけではなく、クーリング・オフが認められます(営業所以外の場所)。
- 選択肢 2不正解
- 既に成立している契約の保険金額の増額や特約の中途付加は、契約そのものの新規申込みではないためクーリング・オフ制度の対象外となります。
- 選択肢 3正解
- 生命保険の保険契約の転換は、現在の契約の下取り等を行って新たな契約を申し込むものであるため、クーリング・オフ制度の対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 法人(営業のためにまたは営業として契約を締結する者)が締結する保険契約については、クーリング・オフ制度の適用はありません。
覚えるポイント
- 法人が契約者の場合はクーリング・オフの適用対象外となる。
間違えやすいところ
- 保険金額の増額や特約の中途付加はクーリング・オフの対象外となる点に注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人年金保険の商品性
リスク管理 · 個人年金保険 / 確定年金 / 個人年金保険料税制適格特約
個人年金保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
確定年金は被保険者の生死にかかわらず一定期間年金が支払われる商品であり、支払期間中の死亡時には残存期間分の年金現価等が支払われます。
解き方
- 確定年金の支払期間中における被保険者死亡時の給付内容の規定を確認する。
- 既払込保険料から既払年金を控除した額ではなく、残存期間に対応する年金現価相当額の一時金等が支払われることを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 終身年金では女性の方が平均余命が長いため、年金の総支払見込期間が長くなり、同一条件であれば保険料は女性の方が高くなります。
- 選択肢 2正解
- 確定年金では、年金支払期間中に被保険者が死亡した場合でも、残りの期間について遺族が年金を受け取るか、あるいは残存期間の年金現価に相当する一時金が支払われます。
- 選択肢 3不正解
- 個人年金保険料税制適格特約を付加するには保険料の払込期間が10年以上である必要があるため、一時払契約には付加できません。
- 選択肢 4不正解
- 変額個人年金保険は投資リスクを伴う特定保険契約等に該当するため、契約締結前の書面交付や重要事項説明等の情報提供義務が課されています。
覚えるポイント
- 確定年金は支払期間中の死亡でも残存期間分の年金または一時金が遺族に支払われる。
間違えやすいところ
- 保証期間付終身年金の保証期間中と確定年金の支払期間中の取扱いは同様に残存期間相当分が支払われる。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
団体信用生命保険の商品性・税務
リスク管理 · 団体信用生命保険 / 生命保険料控除 / 相続税
金融機関の住宅ローンを利用する際に加入する団体信用生命保険の一般的な商品性等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
団体信用生命保険(団信)は、金融機関が契約者兼保険金受取人となり、住宅ローン債務者を被保険者とする団体保険です。
解き方
- 団信の契約形態(契約者・被保険者・受取人)を確認する。
- 保険料控除や相続税・債務控除に関する課税関係を各選択肢ごとに判定する。
- 選択肢 1不正解
- 団体信用生命保険の契約者は債権者である金融機関であり、被保険者が住宅ローン利用者(債務者)、保険金受取人が金融機関です。
- 選択肢 2不正解
- 団信の保険料は通常、年齢や性別に関係なく一律の料率が債務残高に対して適用されて算出されます。
- 選択肢 3正解
- 団信は保険料負担者が利用者であっても契約者が金融機関であるため、三大疾病保障特約部分を含めて生命保険料控除の対象とはなりません。
- 選択肢 4不正解
- 保険金は金融機関に直接支払われて債務の弁済に充当されるため、死亡保険金は相続税の課税対象とならず、完済されるため債務控除の対象にもなりません。
覚えるポイント
- 団信の保険料は特約部分を含めて生命保険料控除の対象外である。
間違えやすいところ
- 団信による弁済後の住宅ローン債務は債務控除の対象にならない点に注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人が加入する定期保険の経理処理
リスク管理 · 法人保険 / 定期保険の経理処理 / 最高解約返戻率
X株式会社(以下、「X社」という)は、代表取締役社長であるAさん(加入時40歳)を被保険者とする定期保険(95歳満了、死亡保険金1億円、年払保険料200万円、最高解約返戻率80%、保険金受取人:X社、特約なし、契約日:2020年4月1日)に加入した。当該生命保険の第1回保険料払込時の経理処理として、次のうち最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
2019年7月8日以降契約の法人保険税務(定期保険等)において、最高解約返戻率が70%超85%以下の場合、一定期間は支払保険料の60%を資産計上し、40%を損金算入します。
解き方
- 最高解約返戻率区分(70%超85%以下)を確認する。
- 資産計上割合が60%、損金算入割合が40%となることを適用し、年払200万円に対する金額を算出する(資産計上:200万円×60%=120万円、損金算入:200万円×40%=80万円)。
- 選択肢 1不正解
- 資産計上額80万円・損金算入120万円(40%計上・60%損金)は、最高解約返戻率が50%超70%以下の場合の区分です。
- 選択肢 2不正解
- 50%ずつ計上する区分ではありません。最高解約返戻率80%では60%を資産計上します。
- 選択肢 3正解
- 最高解約返戻率が80%(70%超85%以下)であるため、保険料の60%(120万円)を前払保険料(資産)とし、40%(80万円)を定期保険料(損金)として処理します。
- 選択肢 4不正解
- 資産計上額180万円・損金算入20万円(90%計上・10%損金)は、最高解約返戻率が85%超の場合における当初期間の処理です。
覚えるポイント
- 最高解約返戻率70%超85%以下は資産計上60%・損金算入40%となる。
間違えやすいところ
- 50%超70%以下の40%資産計上と混同しないよう注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生産物賠償責任保険(PL保険)の補償対象
リスク管理 · 生産物賠償責任保険 / 施設所有管理者賠償責任保険
生産物賠償責任保険(PL保険)の被保険者である飲食店が被った次の損害のうち、同保険の補償の対象となるものはいくつあるか。 (a) 店内で調理して提供した料理が原因で顧客が食中毒となった場合に、顧客に対して法律上の損害賠償責任を負担することによって生じた損害 (b) 従業員が不注意により配膳中の料理をこぼして顧客の衣服を汚損した場合に、顧客に対して法律上の損害賠償責任を負担することによって生じた損害 (c) 従業員が自転車で料理を配達中に誤って通行人に衝突し、通行人が負傷した場合に、通行人に対して法律上の損害賠償責任を負担することによって生じた損害 (d) 店の外壁に設置していた看板が落下し、顧客が駐車していた自動車が損傷した場合に、顧客に対して法律上の損害賠償責任を負担することによって生じた損害
解答・解説を表示
解答
1
解説
PL保険は、製造・販売した製品や提供した飲食物の欠陥に起因する事故、または仕事の結果に起因する賠償責任を補償する保険です。
解き方
- 各事故が「製品・仕事の結果の欠陥」によるものか「施設・業務遂行中」によるものかを分類する。
- (a)のみが飲食物の欠陥(食中毒)に起因しPL保険の対象となるため、該当件数を1つと特定する。
- 選択肢 1正解
- 補償の対象となるのは(a)の食中毒による損害賠償責任のみ(1つ)です。
- 選択肢 2不正解
- (b)、(c)、(d)はいずれもPL保険の対象外であるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- PL保険の対象は(a)の1つのみであるため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 全4つのうちPL保険の対象は(a)のみであるため誤りです。
覚えるポイント
- 飲食店のPL保険では、提供した飲食物による食中毒が代表的な補償対象となる。
間違えやすいところ
- 配膳中(業務遂行中)の汚損事故や看板落下事故は施設所有管理者賠償責任保険の対象である点に注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
地震保険料控除の取扱い
リスク管理 · 地震保険料控除 / 所得税 / 店舗併用住宅
地震保険料控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
地震保険料控除は、常時居住の用に供する家屋や生活用動産を対象とする地震保険料を対象としており、限度額は所得税5万円、住民税2.5万円です。店舗併用住宅では90%以上が居住用であれば全額控除対象となります。
解き方
- 地震保険料控除の控除限度額、長期一括払保険料の年割計算、店舗併用住宅の按分基準を確認する。
- 居住用割合がおおむね90%以上の場合に全額控除対象となる規定が正しいと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 臨時費用や資産取壊し等の費用保険金に係る保険料部分は地震保険料控除の対象外となります。
- 選択肢 2不正解
- 地震保険料控除の最高限度額は、所得税では支払保険料の全額(最高5万円)、住民税では支払保険料の2分の1(最高2万5,000円)です。
- 選択肢 3不正解
- 一括して支払った長期契約の保険料は、総額を保険期間の年数(5年)で除した1年分の保険料相当額が各年分の控除対象となります。
- 選択肢 4正解
- 店舗併用住宅等で居住用部分とおおむね90%以上居住の用に供しているときは、支払った保険料の全額を地震保険料控除の対象とすることができます。
覚えるポイント
- 店舗併用住宅で居住割合がおおむね90%以上のときは全額が控除対象となる。
間違えやすいところ
- 地震保険料控除の限度額は所得税5万円・住民税2.5万円であり、旧長期損害保険料控除や一般生命保険料控除の限度額と混同しないようにする。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
保険金で取得した固定資産の圧縮限度額の計算
リスク管理 · 圧縮記帳 / 保険差益 / 法人税
X社の工場建物が火災により全焼し、受取保険金により同事業年度中に代替工場建物を新築した。次の資料に基づき、保険金で取得した固定資産の圧縮記帳をする場合の圧縮限度額として、最も適切なものはどれか。 〈資料〉 ・滅失した工場建物の帳簿価額:4,000万円 ・支出した経費:焼跡の整理費(片づけ費用)200万円、けが人への見舞金375万円 ・受け取った保険金:火災保険(工場建物)6,200万円、企業費用・利益総合保険1,500万円 ・新築した代替建物(工場建物)の取得価額:4,500万円
解答・解説を表示
解答
3
解説
保険金等で取得した固定資産等の圧縮限度額=代替資産の取得価額(保険差引額が上限)×差益割合。差益割合=保険差益金の額/(保険金額-滅失等経費)。なお、見舞金や企業利益保険は建物滅失等の直接経費・対象保険金には含めません。
解き方
- 対象保険金は火災保険の6,200万円、滅失経費は片づけ費用の200万円(見舞金および利益保険は対象外)。差引保険金額=6,200万-200万=6,000万円。
- 保険差益金=6,000万円-帳簿価額4,000万円=2,000万円。差益割合=2,000万円/6,000万円=1/3。
- 代替建物の取得価額4,500万円(≦6,000万円)に差益割合1/3を乗じて、圧縮限度額=4,500万円×(1/3)=1,500万円を算出する。
- 選択肢 1不正解
- 計算手順が誤っており、圧縮限度額は1,500万円となります。
- 選択肢 2不正解
- 見舞金を滅失経費に含めてしまうなどの誤った計算です。
- 選択肢 3正解
- 差引保険金6,000万円、保険差益金2,000万円より差益割合は1/3となり、代替資産の取得価額4,500万円×(1/3)=1,500万円が圧縮限度額となります。
- 選択肢 4不正解
- 差益金全額を控除した場合などの誤った計算です。
覚えるポイント
- 見舞金や利益保険金は圧縮限度額計算の保険金・直接経費に含まない。
間違えやすいところ
- 代替資産取得価額が差引保険金額以下であるときは、取得価額に差益割合を乗じる点に注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
景気動向指数の採用系列
金融資産運用 · 景気動向指数 / 先行系列 / 一致系列 / 遅行系列
内閣府が公表する景気動向指数に採用されている経済指標に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
内閣府の景気動向指数は、景気の動きに先行して動く「先行系列」、ほぼ一致して動く「一致系列」、遅れて動く「遅行系列」の各経済指標で構成されています。
解き方
- 各指標がどの系列(先行・一致・遅行)に属しているかを確認する。
- 新設住宅着工床面積が先行系列に採用されていることを判定する(新規求人数は先行系列、有効求人倍率は一致系列、家計消費支出や所得税収入の分類等の誤りを排除)。
- 選択肢 1正解
- 新設住宅着工床面積は景気動向指数の先行系列に採用されている指標であり、正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 新規求人数(新規学卒者を除きパートタイムを含む)は「先行系列」に採用されています(一致系列に採用されているのは有効求人倍率です)。
- 選択肢 3不正解
- 家計消費支出は景気動向指数の遅行系列に採用されています(一致系列ではありません)。
- 選択肢 4不正解
- 租税及び印紙収入、収入額調のうち遅行系列に採用されているのは「法人税収入」です(所得税収入ではありません)。
覚えるポイント
- 新規求人数は先行系列、有効求人倍率は一致系列に分類される。
間違えやすいところ
- 税収指標で遅行系列に採用されているのは所得税ではなく法人税収入である点に注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
後見制度支援預金の一般的な特徴
金融資産運用 · 預金商品 / 成年後見制度 / 後見制度支援預金
後見制度支援預金の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
後見制度支援預金は、成年後見制度を利用している被後見人の財産を保護するため、日常的な生活費等以外の金銭を別管理する預金であり、出金や口座解約等には家庭裁判所の指示書を必須とする仕組みになっています。
解き方
- 後見制度支援預金における入出金・解約などの取引ルール(家庭裁判所の指示書の要否)を確認する。
- 金融機関ごとの商品性の差異、利息の課税関係、預金保険制度における名義人ごとの保護規定を照合して適切な記述を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 最低預入金額や口座開設手数料等の諸条件は、取り扱う各金融機関が独自に定めており一律ではありません。
- 選択肢 2正解
- 後見制度支援預金から資金を引き出す場合や口座を解約する場合には、あらかじめ家庭裁判所が発行した指示書を金融機関に提出する必要があります。
- 選択肢 3不正解
- 後見制度支援預金の利息は非課税ではなく、通常の預金と同様に利子所得として一律20.315%の源泉分離課税の対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 後見制度支援預金の預金者は被後見人本人であるため、預金保険制度では後見人の預金と合算されることはなく、被後見人本人の他の預金と合算して保護限度額(元本1,000万円までとその利息)が判定されます。
覚えるポイント
- 後見制度支援預金の出金・解約には家庭裁判所の指示書が必須であること
- 預金保険制度の保護対象判定は被後見人本人の預金として名寄せされること
間違えやすいところ
- 後見制度支援預金の預金名義・帰属者を成年後見人と混同してしまうこと
- 福祉的な預金であるため利息が非課税になると誤認してしまうこと
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令・各種実務慣行に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託のディスクロージャーの一般的な特徴
金融資産運用 · 投資信託 / 目論見書 / 運用報告書 / トータルリターン
投資信託のディスクロージャーの一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
投資信託の情報開示制度では、投資判断に必要な目論見書(交付目論見書・請求目論見書)および運用実績を報告する運用報告書(交付運用報告書・全体版)の開示要件が法令および自主規制規則によって細かく定められています。
解き方
- 目論見書の交付時期(購入前・同時交付が原則であること)を確認する。
- 交付運用報告書の記載項目(代表的資産クラスとの比較等)の規定を照合する。
- 運用報告書(全体版)の請求交付義務およびトータルリターンの通知頻度の義務規定を検討する。
- 選択肢 1不正解
- 交付目論見書は投資信託の取得申込にあたり「あらかじめ、または同時に」交付しなければならないものであり、販売後に交付するものではありません。
- 選択肢 2正解
- 交付運用報告書には、投資者が投資判断を容易にできるよう、運用経過や今後の運用方針のほか、当該ファンドと代表的な資産クラスとの騰落率の比較が記載されます。
- 選択肢 3不正解
- 運用報告書(全体版)をウェブサイト等の電磁的方法により提供している場合であっても、投資者から請求があった場合には書面等を遅滞なく交付しなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 販売会社に義務付けられているトータルリターンの通知頻度は、原則として「年1回以上」であり、6カ月ごとではありません。
覚えるポイント
- 交付目論見書は原則事前または同時交付であること
- 交付運用報告書には代表的な資産クラスとの騰落率の比較記載があること
- トータルリターンの通知義務は年1回以上であること
間違えやすいところ
- 交付目論見書の交付時期を「契約後遅滞なく」と混同すること
- トータルリターンの通知頻度(年1回以上)を年2回(6カ月ごと)と取り違えること
出題の前提:金融商品取引法および投資信託協会の諸規則に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
他社株転換可能債(EB債)の仕組みと判定
金融資産運用 · 債券投資 / 仕組み債 / EB債 / ノックイン条項 / トリガー価格
下記の他社株転換可能債(EB債)の概要に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。 〈他社株転換可能債(EB債)の概要〉 ・対象株式:X株式会社 ・利率:年率5.00%(ただし、判定日の終値が基準価格未満のときは、年率0.10%) ・利払日:毎年2月、5月、8月、11月の各26日 ・購入単位:額面100万円以上、100万円単位 ・ノックイン価格:1,200円(=組成時の時価×60%) ・基準価格:1,600円(=組成時の時価×80%) ・転換価格:2,000円(=組成時の時価×100%) ・トリガー価格:2,200円(=組成時の時価×110%) ・判定日:各利払日の10営業日前 ・償還日:発行日から2年後の応当日(ただし、判定日の終値がトリガー価格以上のときは、直後の利払日に償還)
解答・解説を表示
解答
3
解説
他社株転換可能債(EB債)は、対象銘柄の株価動向に応じてクーポン利率の変動、ノックアウトによる期限前償還、または満期時に対象株式現物への転換(ノックイン後の株価低迷時等)が発生する仕組み債です。
解き方
- 利率の判定条件を確認する。条件は「判定日の終値」であり、期間中に一度でも下回ったか否かではない。
- 期限前償還の条件を確認する。条件は「判定日の終値がトリガー価格以上」であり、期間中の最高値ではない。
- 満期償還条件を確認する。終値2,400円は基準・転換価格を上回るため額面現金償還となる。
- 現物株式交付時の株数を計算する。交付株数は「額面金額÷転換価格」=1,000,000円÷2,000円=500株となる。
- 選択肢 1不正解
- 利率の判定は各利払日の10営業日前である「判定日の終値」で行われるため、期間中に一度でも下回ったか否かで決定されるわけではありません。
- 選択肢 2不正解
- トリガー条項による期限前償還も「判定日の終値がトリガー価格以上」のときに判定されるため、期間中に一度でも上回ったことだけを理由に償還されるわけではありません。
- 選択肢 3正解
- 満期償還直前の判定日終値が2,400円の場合、転換価格(2,000円)以上であるため株式転換されず、額面100万円につき100万円の金銭で償還されます。
- 選択肢 4不正解
- 株式で償還される場合の交付株数は「額面金額÷転換価格」で算出されるため、100万円÷2,000円=500株となり、250株ではありません。
覚えるポイント
- EB債の利率変動や期限前償還は特定判定日の終値で判定されること
- 株式償還時の株数算定式は「額面金額÷転換価格」であること
間違えやすいところ
- 判定日終値基準の条件を、期間中常時監視(ノックイン条項等)と混同すること
- 株式交付株数の計算で、分母を判定日株価(1,000円)や基準価格(1,600円)としてしまうこと
出題の前提:一般的な仕組み債(他社株転換可能債)の契約要綱・出題条件に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
債券の最終利回りの計算(複利および単利)
金融資産運用 · 債券投資 / 割引債券 / 固定利付債券 / 最終利回り / 複利計算
以下の表に記載されている割引債券の1年複利計算による最終利回り(空欄①)と固定利付債券の単利計算による最終利回り(空欄②)の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。なお、税金や手数料等は考慮せず、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。 〔条件〕 ・割引債券:単価 97.60円、償還価格 100.00円、残存期間 4年 ・固定利付債券:単価 100.50円、償還価格 100.00円、表面利率 0.75%、残存期間 2年
解答・解説を表示
解答
1
解説
割引債券の1年複利利回りは「(償還価格 / 購入単価)^(1 / 残存年数) - 1」により求められ、固定利付債券の単利最終利回りは「〔表面利率 + (償還価格 - 購入単価) / 残存年数〕 / 購入単価 × 100」により求められます。
解き方
- 割引債券の1年複利利回りを計算する:(100.00 / 97.60)^(1/4) - 1 ≒ 0.6095% → 0.61%。
- 固定利付債券の単利最終利回りを計算する:〔0.75 + (100.00 - 100.50) / 2〕 / 100.50 × 100 ≒ 0.4975% → 0.50%。
- それぞれの数値を四捨五入した組み合わせ(①0.61、②0.50)を選択する。
- 選択肢 1正解
- 割引債券の1年複利利回りは約0.61%、固定利付債券の単利最終利回りは約0.50%となり、適切な組み合わせです。
- 選択肢 2不正解
- ②の計算において、償還差損の年換算や購入価格による除算の誤り等により1.00%と算出しているため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- ①の計算において、残存年数を誤認する等の計算誤りにより1.22%と算出しているため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- ①が1.22%、②が1.00%となっており、いずれも計算結果が誤っているため不適切です。
答えの内訳
- ①(割引債券の複利最終利回り):0.61%
- (100 / 97.60)^(1/4) - 1 ≒ (1.024590)^(0.25) - 1 ≒ 1.006095 - 1 = 0.6095%となり、小数点以下第3位を四捨五入して0.61%となります。
- ②(固定利付債券の単利最終利回り):0.50%
- 〔0.75 + (100.00 - 100.50) / 2〕 / 100.50 × 100 = 〔0.75 - 0.25〕 / 100.50 × 100 = 0.50 / 100.50 × 100 ≒ 0.4975%となり、小数点以下第3位を四捨五入して0.50%となります。
覚えるポイント
- 割引債券の1年複利利回りの公式:(償還価格/購入単価)^(1/n) - 1
- 単利最終利回りの公式:〔表面利率 + (償還価格 - 購入価格)/n〕/ 購入価格 × 100
間違えやすいところ
- 割引債券の計算に単利公式を当てはめて計算してしまうこと
- 固定利付債券の利回り計算の分母に、購入価格ではなく額面(100円)を用いてしまうこと
出題の前提:一般的な債券利回り計算方式に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式の信用取引のルールと仕組み
金融資産運用 · 株式投資 / 信用取引 / 委託保証金 / 追加保証金 / 逆日歩
株式の信用取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
信用取引では、相場変動等によって委託保証金維持率を下回ると追加保証金(追証)が発生します。追証の請求は発生時点の不足額に基づいて確定するため、その後の相場回復によって自動的に免除されることはありません。
解き方
- 信用取引の法定保証金率(30%・最低30万円)の規定を確認する。
- 日計り取引等における返済による保証金の即日再利用可能性を確認する。
- 追加保証金の解消要件(株価回復では解消せず、現金差入れや建玉返済が必要)を照合する。
- 逆日歩(品貸料)の発生条件(証券金融会社を利用する制度信用取引に限定されること)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 金融商品取引法等に基づき、信用取引の新規建時には約定代金の30%以上かつ最低30万円の委託保証金を預託する必要があります。
- 選択肢 2不正解
- 建玉を反対売買等で決済して解放された保証金は、受渡日を待たずに同日中の新たな信用取引の委託保証金として再利用が可能です。
- 選択肢 3正解
- 追加保証金が発生した後は、その後の株価変動等により保証金率が所定水準を上回ったとしても差入義務は消滅せず、所定の期日までに追加保証金の差入れ等を行う必要があります。
- 選択肢 4不正解
- 逆日歩(品貸料)は証券金融会社を通じて調達する制度信用取引で株不足が生じた際に発生するものであり、証券会社独自で調達する一般信用取引では発生しません。
覚えるポイント
- 追証は翌日以降の相場回復によって自動消滅・免除されないこと
- 一般信用取引では証券金融会社を介さないため逆日歩は発生しないこと
間違えやすいところ
- 相場が戻れば追証を入れる必要がなくなると誤認すること
- 一般信用取引でも売り建玉に逆日歩がかかると誤認すること
出題の前提:金融商品取引法および金融商品取引所の信用取引取扱規則に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
時間加重収益率の計算(厳密法による年率換算)
金融資産運用 · ポートフォリオ運用 / 投資パフォーマンス / 時間加重収益率 / 幾何平均
当初時価総額が100万円のポートフォリオにおいて、2期分の期末時価総額が下記のとおりである場合、当該ポートフォリオの第2期末までの時間加重収益率(厳密法による年率換算)として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、第1期末の時価総額に新たに20万円の資金流入があったものとし、記載のない事項については考慮しないものとする。また、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。 〔時価総額の推移〕 ・当初:100万円 ・第1期末:120万円(資金流入額:20万円) ・第2期末:160万円
解答・解説を表示
解答
2
解説
時間加重収益率は、外部キャッシュフローの影響を排除して運用成果を測定する指標です。各期の収益率を算出して連乗し、複数期間の場合はその幾何平均によって年率換算を行います。
解き方
- 第1期の収益率を計算する:R1 = (120万円 - 100万円) / 100万円 = 0.20(20%)。
- 第2期首の運用資産額を計算する:120万円 + 20万円 = 140万円。
- 第2期の収益率を計算する:R2 = (160万円 - 140万円) / 140万円 = 20 / 140 = 1/7 ≒ 0.142857。
- 2期間の累積収益率を計算する:(1 + R1) × (1 + R2) = 1.20 × (8/7) = 9.6 / 7 ≒ 1.37142857。
- 年率換算を行う:√(1.37142857) - 1 ≒ 1.17108 - 1 = 0.17108 → 17.11%。
- 選択肢 1不正解
- 計算手順の誤りによる不適切な数値です。
- 選択肢 2正解
- 第1期の収益率20%と第2期の収益率14.2857%から求めた2年間の累積収益率(約37.14%)を平方根により年率換算すると17.11%となります。
- 選択肢 3不正解
- 金額加重収益率(IRR)など他の手法と混同した計算結果であり不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 年率換算を行わず累積収益率に近い値を算出しているため不適切です。
覚えるポイント
- 資金流入は期首元本に加算して各期の収益率を独立して計算すること
- 2期間の時間加重収益率の年率換算は √( (1+R1)(1+R2) ) - 1 であること
間違えやすいところ
- 資金流入額を期首ではなく期末の計算に含めてしまうこと
- 累積収益率(約37.14%)を単純に2で割って年率換算(算術平均)してしまうこと
出題の前提:ポートフォリオ理論および投資パフォーマンス測定基準に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式の配当所得および譲渡所得の税務上の取扱い
タックスプランニング · 所得税 / 株式等に係る譲渡所得等の課税の特例 / 配当所得 / 確定申告不要制度 / 損益通算
居住者(一定の大口株主等である者を除く)が受け取る株式の配当および株式の譲渡に係る所得税の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、上場株式については一般口座で保有しているものとし、記載のない事項については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
上場株式等の配当所得は総合課税・申告分離課税・申告不要制度の選択が認められ、1回に支払を受ける銘柄ごとに申告不要を選択できます。一方、非上場株式等と上場株式等は税法上明確に区分され損益通算や繰越控除は行えません。
解き方
- 上場株式の配当における確定申告不要制度の要件(1回ごとの選択可)を確認する。
- 非上場株式の配当所得の課税方式(総合課税のみ、申告分離課税不可)を照合する。
- 上場株式等の譲渡損失の繰越控除の適用対象(一般株式等の譲渡所得からは控除不可)を確認する。
- 給与所得者の20万円以下申告不要規定と還付申告時における全所得申告義務のルールを確認する。
- 選択肢 1正解
- 内国法人からの上場株式の配当は、金額にかかわらず確定申告不要制度を選択でき、1回に支払を受ける配当ごとに選択することができます。
- 選択肢 2不正解
- 非上場株式の配当所得について申告分離課税を選択することはできず(総合課税または少額配当の申告不要のみ)、非上場株式の譲渡損失と損益通算することもできません。
- 選択肢 3不正解
- 繰り越された上場株式等に係る譲渡損失は、上場株式等に係る譲渡所得等の金額および上場株式等に係る配当所得等の金額からのみ控除可能であり、非上場株式等の譲渡所得からは控除できません。
- 選択肢 4不正解
- 給与所得者が医療費控除等の還付申告を行う場合は、20万円以下の給与以外の所得(一般口座の上場株式譲渡所得等)であっても除外することはできず、すべて申告する必要があります。
覚えるポイント
- 上場株式の配当の申告不要制度は1回の支払ごとに選択可能であること
- 上場株式等と一般株式等(非上場株式等)の間では損益通算や損失の繰越控除ができないこと
- 確定申告書を提出する場合、20万円以下の各種所得も申告に含めなければならないこと
間違えやすいところ
- 上場株式と非上場株式の損益通算が可能であると混同すること
- 確定申告を行う場合でも20万円以下の所得は申告不要が維持されると誤認すること
出題の前提:租税特別措置法および所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人情報の保護に関する法律の適用対象と義務規定
関連業法・コンプライアンス · 個人情報保護法 / 個人情報取扱事業者 / 利用目的 / 保有個人データ
個人情報の保護に関する法律に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
個人情報保護法において、個人情報データベース等を事業の用に供している者は原則としてすべて個人情報取扱事業者となります。旧法に存在した「5,000人以下除外」規定は法改正で撤廃されています。
解き方
- 個人情報取扱事業者の定義(過去にあった5,000人以下の小規模事業者適用除外の撤廃)を確認する。
- 利用目的の特定・目的外利用の制限に関する規定を照合する。
- データ内容の正確性確保および不要となったデータの消去努力義務を確認する。
- 保有個人データの開示請求への対応および手数料徴収の可否を確認する。
- 選択肢 1正解
- 個人データの数が5,000人以下の小規模事業者を適用除外とする規定は法改正により撤廃されたため、5,000人以下であっても個人情報取扱事業者に該当します。
- 選択肢 2不正解
- 個人情報取扱事業者は利用目的をできる限り特定し、本人の同意なく特定された目的の達成に必要な範囲を超えて取り扱ってはなりません。
- 選択肢 3不正解
- 利用目的の達成に必要な範囲内で個人データを正確・最新の内容に保つとともに、利用する必要がなくなったときは遅滞なく消去するよう努めなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 本人から保有個人データの開示請求があった場合は原則遅滞なく開示する必要があり、その交付に関して実費等を勘案した合理的な手数料を徴収することができます。
覚えるポイント
- 個人情報保護法では5,000人以下の小規模事業者除外が廃止され、すべての事業者が対象であること
- 保有個人データの開示請求に対しては実費等を勘案した手数料の徴収が可能であること
間違えやすいところ
- 旧法の5,000人要件が現在も有効であると思い込んでしまうこと
- 保有個人データの開示手続きは一切の手数料徴収が禁止されていると誤解すること
出題の前提:個人情報の保護に関する法律(2017年5月30日全面施行の改正法準拠)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における減価償却の取扱い
タックスプランニング · 所得税 / 減価償却 / 少額減価償却資産
居住者に係る所得税における減価償却に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
所得税において減価償却資産は原則として法定耐用年数にわたり費用配分しますが、使用可能期間が1年未満または取得価額10万円未満のものは全額を即時必要経費に算入できます。
解き方
- 少額減価償却資産の基準(1年未満または10万円未満)を確認する。
- 所得税の法定償却方法(定額法)や青色申告の特例要件(30万円未満)、手続期限を確認して各選択肢の正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- 使用可能期間が1年未満の資産または取得価額が10万円未満の資産は、取得価額の全額を業務の用に供した年分の必要経費に算入します。
- 選択肢 2不正解
- 中小事業者の少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例は、取得価額が30万円未満(10万円以上30万円未満)の資産が対象であり、50万円未満ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 所得税において償却方法の届出書を提出しなかった場合の法定償却方法は原則として「定額法」です。法人税の法定償却方法(機械装置等について定率法)との混同に注意が必要です。
- 選択肢 4不正解
- 償却方法を変更しようとする場合は、新たな償却方法を採用しようとする年の3月15日までに変更承認申請書を所轄税務署長に提出する必要があります。
覚えるポイント
- 所得税の法定減価償却方法は定額法である(法人税は建物等を除き定率法)。
- 青色申告の少額減価償却資産特例の対象は取得価額30万円未満(年間合計300万円まで)。
間違えやすいところ
- 所得税と法人税の法定減価償却方法の違い(所得税は定額法、法人税は原則定率法)を混同しやすい。
- 償却方法の変更承認申請書の提出期限を前年末と誤認しやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総合課税の譲渡所得
タックスプランニング · 所得税 / 譲渡所得 / 総合課税
居住者に係る所得税の総合課税の対象となる譲渡所得に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
総合課税の譲渡所得(金地金や動産等)は、譲渡日現在の所有期間5年を境に短期と長期に区分され、特別控除後は長期のみ2分の1を総所得金額に算入します。
解き方
- 総合課税における所有期間の判定時点(譲渡日現在)と分離課税(1月1日現在)の違いを確認する。
- 特別控除(最高50万円)の控除順序(短期から先に控除)を確認する。
- 総所得金額への算入割合(短期は全額、長期は2分の1)を確認して正答を導く。
- 選択肢 1不正解
- 総合課税の譲渡所得における短期・長期の判定は、「譲渡日現在」における所有期間が5年以下か5年超かで行います(1月1日現在で判定するのは土地・建物等の申告分離課税です)。
- 選択肢 2不正解
- 個人に対して通常の取引価額の2分の1未満で譲渡(低額譲渡)した場合でも、個人の譲渡所得の総収入金額は実際の譲渡対価となります(時価によるみなし譲渡課税が行われるのは法人に対する低額譲渡の場合です)。
- 選択肢 3不正解
- 特別控除額(年間最高50万円)は、まず「短期譲渡所得に係る譲渡益」から控除し、なお控除しきれない金額を長期譲渡所得に係る譲渡益から控除します。
- 選択肢 4正解
- 総所得金額の計算上、総合課税の短期譲渡所得はその金額の全額を、長期譲渡所得はその金額の2分の1相当額を算入します。
覚えるポイント
- 総合課税の譲渡所得の短期・長期の区分基準日は「譲渡日現在」(土地建物は「譲渡年の1月1日現在」)。
- 譲渡所得の特別控除50万円は短期から先に控除し、長期の最終所得を1/2にして総所得金額に合算する。
間違えやすいところ
- 土地建物の分離課税(1月1日判定)と総合課税(譲渡日判定)の判定基準日を混同しやすい。
- 特別控除の控除順序を「長期から優先」と取り違えやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種所得の金額および総所得金額の計算
タックスプランニング · 所得税 / 総所得金額 / 損益通算 / 一時所得
居住者であるAさんの2020年分の各種所得の収入金額等(事業所得:総収入750万円・経費830万円、不動産所得:総収入680万円・経費620万円(土地負債利子20万円含)、上場株式譲渡所得:総収入290万円・取得費等300万円、変額個人年金解約の一時所得:総収入320万円・支出金額200万円)を基に計算した総所得金額として、最も適切なものはどれか。なお、Aさんは青色申告を行っていないものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
総所得金額の計算において、事業所得の赤字は不動産所得等の黒字と損益通算され、通算しきれなかった損失は一時所得の金額(特別控除後)から控除したうえで2分の1を乗じます。
解き方
- 各所得の金額を計算する:事業所得は750万円-830万円=▲80万円。不動産所得は680万円-620万円=+60万円(黒字のため土地負債利子不算入の規定は無関係)。上場株式の譲渡損失▲10万円は申告分離課税のため総合課税の所得とは通算不可。一時所得は320万円-200万円-特別控除50万円=70万円。
- 損益通算を行う:第1グループ(不動産所得と事業所得)を通算すると+60万円+(▲80万円)=▲20万円。
- 事業所得の損失残額20万円を一時所得の金額70万円から控除する:70万円-20万円=50万円。
- 通算後の一時所得の金額に2分の1を乗じて総所得金額を求める:50万円×1/2=25万円。
- 選択肢 1不正解
- 一時所得を1/2にした後の35万円から事業所得の残損20万円を控除する等の誤った通算計算を行うと15万円となりますが、不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 損益通算の手順や一時所得の1/2計算の適用順序を誤っているため不適切です。
- 選択肢 3正解
- 事業所得の損失▲80万円と不動産所得+60万円を通算した残損▲20万円を一時所得70万円から控除し、残額50万円に2分の1を乗じた25万円が正しい総所得金額です。
- 選択肢 4不正解
- 損益通算を行わずに一時所得の1/2(35万円)のみを計上した場合の数値であり、不適切です。
覚えるポイント
- 不動産所得が黒字の場合は、土地取得に要した負債利子の必要経費不算入ルールは適用されない。
- 一時所得と他の所得の損失を通算する場合、一時所得の金額(収入-支出-特別控除50万円)から損失を控除した後に1/2を乗じる。
間違えやすいところ
- 株式等の譲渡損失を総合課税グループと損益通算してしまう誤り。
- 一時所得の1/2計算を先に行い、その後に損失を差し引いてしまう計算手順の誤り。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の雑損控除
タックスプランニング · 所得税 / 所得控除 / 雑損控除 / 雑損失の繰越控除
居住者に係る所得税の雑損控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
雑損控除は、震災・風水害・火災などの災害、盗難、横領により生活に通常必要な資産に損害が生じた場合に受けられる所得控除であり、引ききれない雑損失は3年間繰り越せます。
解き方
- 雑損控除の対象となる原因(災害・盗難・横領であり詐欺・脅迫は除外)を確認する。
- 対象資産(生活に通常必要な資産であり、事業用資産は事業所得の経費/資産損失)を確認する。
- 控除額の算式(総所得金額等の10%控除)と雑損失の繰越控除期間(3年間)を確認して正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 雑損控除の対象となる損害原因は「震災、風水害、火災などの自然災害」「盗難」「横領」に限られており、詐欺や脅迫による損失は対象となりません。
- 選択肢 2不正解
- 事業用固定資産の損失は事業所得の必要経費(資産損失)として取り扱われるため、所得控除である雑損控除の対象ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 災害関連支出がない場合の雑損控除額は、「差引損失額-総所得金額等×10%」により計算されます(5%ではありません)。
- 選択肢 4正解
- 雑損控除において控除しきれなかった雑損失の金額は、確定申告を行うことにより、翌年以後3年間繰り越して総所得金額等から控除することができます。
覚えるポイント
- 雑損控除の対象原因は災害・盗難・横領であり、詐欺・脅迫は対象外。
- 控除しきれなかった雑損失の金額は翌年以後3年間繰り越せる。
間違えやすいところ
- 詐欺被害も雑損控除の対象になると誤認しやすい。
- 控除限度額の計算における総所得金額等の割合(10%)を5%(災害減免法の基準等)と混同しやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅借入金等特別控除の仕組みと特例
タックスプランニング · 所得税 / 住宅借入金等特別控除 / 消費税率10% / 控除期間
居住者である給与所得者が、2020年4月に新築住宅を取得して同月中に入居し、消費税率10%負担のもと住宅借入金等特別控除の適用を受ける場合に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、取得した住宅は一般住宅(認定住宅等でない)とする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
消費税率10%適用による住宅取得等の住宅借入金等特別控除では、控除期間が13年間に延長され、1〜10年目は借入残高×1%(最高40万円)、11〜13年目は建物価格の2%の3等分等を基準に計算します。
解き方
- 適用される控除期間(最長13年間)を確認する。
- 1〜10年目の控除限度額(年末残高限度額4,000万円×1%=40万円)を確認する。
- 11〜13年目の計算方法(建物取得対価の2%÷3)と住民税控除限度額(課税総所得金額等の7%または136,500円)を確認して選択肢を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 消費税率10%が適用された場合の住宅借入金等特別控除の控除期間は、最長「13年間」です(15年間ではありません)。
- 選択肢 2正解
- 一般住宅の場合、1年目から10年目までの各控除額は年末残高(限度額4,000万円)×1%であり、年間40万円が限度となります。
- 選択肢 3不正解
- 11年目から13年目までの各控除額は、「住宅借入金等年末残高×1%」と「住宅取得等対価の額(上限4,000万円)×2%÷3」のいずれか少ない金額となります(5で除する計算ではありません)。
- 選択肢 4不正解
- 所得税から控除しきれない場合の住民税からの控除限度額は、消費税率10%適用住宅の場合、前年分の所得税の課税総所得金額等の7%(最高13万6,500円)です。
覚えるポイント
- 消費税率10%の拡充特例における住宅ローン控除期間は最長13年。
- 11〜13年目の控除額上限は「建物対価×2%÷3」(消費税増税分2%を3年で還元する趣旨)。
間違えやすいところ
- 11〜13年目の除数を年数の「3」ではなく「5」などと誤認しやすい。
- 住民税の控除上限(7%・13.65万円)と旧基準(5%・9.75万円)を混同しやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税法上の益金の取扱い
タックスプランニング · 法人税 / 益金 / 資産の評価益 / 受取配当等の益金不算入
法人税法上の益金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各法人は内国法人(普通法人)とする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
法人税では未実現の含み益に対して課税しないため、資産の評価換えによる帳簿価額の増額(資産の評価益)は、原則として益金の額に算入されません。
解き方
- 資産の評価換えによる帳簿価額増額(評価益)の税務上の原則(原則益金不算入)を確認する。
- 債務免除益、税金還付金、受取配当等の各取扱いを確認して不適切な記述を特定する。
- 選択肢 1正解
- 法人が資産の評価換えをして帳簿価額を増額させた場合、その増額した部分の金額(評価益)は、法令で定める一定の場合を除き、原則として益金の額に算入しません。
- 選択肢 2不正解
- 個人から債務免除を受けた場合、その免除された金額は債務免除益として原則として益金の額に算入されます。
- 選択肢 3不正解
- 納付時に損金算入されない法人税の還付金は益金の額に算入されません(ただし、還付金に付加される利息相当の還付加算金は益金の額に算入されます)。
- 選択肢 4不正解
- 完全支配関係(株式保有割合100%)のある完全子法人株式等から受け取る配当等の額は、全額が益金不算入となります(負債利子の控除もありません)。
覚えるポイント
- 資産の評価益および評価損は、法令に定める特別な事由がない限り原則として益金・損金に算入されない。
- 法人税の還付金本体は益金不算入だが、還付加算金は益金算入となる。
間違えやすいところ
- 会計上の評価益計上と法人税上の益金算入を混同しやすい。
- 還付加算金と税金還付金本則の益金該当性を逆にしてしまう誤り。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
資産の評価損の損金算入の可否
タックスプランニング · 法人税 / 評価損 / 損金算入 / 金銭債権
内国法人に係る法人税における評価損(特定の事実が生じた場合の資産の評価損の損金算入)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
法人税法上、資産の評価損は原則損金不算入ですが、棚卸資産の陳腐化、上場株式の著しい下落、固定資産の遊休状態等の特別の事実がある場合は損金算入できます。ただし金銭債権には評価損の損金算入規定はありません。
解き方
- 評価損の損金算入が認められる資産の種類と事実(棚卸資産、有価証券、固定資産)を確認する。
- 金銭債権の税務処理(評価損ではなく貸倒損失または貸倒引当金で対応)を確認して不適切な記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 棚卸資産が著しく陳腐化したことにより時価が帳簿価額を下回った場合、損金経理により減額した金額は評価損として損金算入できます。
- 選択肢 2不正解
- 上場株式等の価額が著しく低下(おおむね50%以上下落)し、回復する見込みがない場合、損金経理により評価損を損金算入できます。
- 選択肢 3正解
- 金銭債権には評価損を損金算入する制度はなく、貸倒引当金の設定または貸倒損失としての損金算入要件を満たす必要があります。
- 選択肢 4不正解
- 固定資産について1年以上にわたり遊休状態にあり、価額が著しく低下した場合は、損金経理により評価損を損金算入することができます。
覚えるポイント
- 金銭債権に「評価損の損金算入」は認められず、貸倒損失か貸倒引当金で処理する。
- 固定資産の評価損は、1年以上の遊休状態や著しい損傷等の特別な事由がある場合に損金経理により算入できる。
間違えやすいところ
- 金銭債権の貸倒れ懸念時に評価損として損金処理できると誤認しやすい。
- 有価証券の「著しい低下」基準(原則50%以上下落)と評価損の損金算入規定の有無を取り違えやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
消費税の納税義務および各種規定
タックスプランニング · 消費税 / 納税義務の免除 / 法人成り / 簡易課税 / 申告期限
消費税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
法人成りによって新設された法人は、設立1期目・2期目の基準期間が存在しないため、資本金1,000万円未満等の要件を満たせば個人時代の売上高にかかわらず原則として消費税が免税されます。
解き方
- 新設法人の基準期間の有無と資本金要件(1,000万円未満で原則免税)を確認する。
- 個人の事業を引き継いだ場合(法人成り)の設立1期目の納税義務の判定ルールを確認する。
- 簡易課税の基準期間上限(5,000万円以下)、免税事業者の税込経理方式、確定申告期限の各規定を確認して不適切な記述を特定する。
- 選択肢 1正解
- 個人事業者が法人成りした場合、設立1期目は基準期間がないため、資本金の額が1,000万円未満であれば、個人時代の課税売上高にかかわらず原則として免税事業者となります。
- 選択肢 2不正解
- 簡易課税制度選択届出書を提出していても、基準期間における課税売上高が5,000万円を超える課税期間については簡易課税を適用できません。
- 選択肢 3不正解
- 消費税の免税事業者は、法人税等の所得計算において「税込経理方式」によらなければならず、税抜経理方式を選択することはできません。
- 選択肢 4不正解
- 確定申告書の提出期限は、法人は事業年度末日の翌日から2カ月以内、個人事業者はその翌年の3月31日までと定められています。
覚えるポイント
- 新設法人は設立1期目に基準期間がないため、資本金1,000万円未満であれば個人成り前売上にかかわらず原則免税。
- 簡易課税の適用要件は基準期間の課税売上高が5,000万円以下であること。
間違えやすいところ
- 法人の相続(事業承継)時の判定規定と、生前の法人成りにおける判定規定を混同しやすい。
- 個人事業者の消費税申告期限(3月31日)を所得税の申告期限(3月15日)と混同しやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人と役員間の取引に係る税務上の取扱い
タックスプランニング · 役員間取引 / 受贈益 / 借地権 / 無利息貸借 / 社宅
X株式会社(以下、「X社」という)とその役員の間で行われる取引における法人税および所得税の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
会社と役員間の取引は独立した第三者間取引と異なり恣意的な利益移転が生じやすいため、時価との乖離について法人税法および所得税法上で寄附金・受贈益・給与等としての調整が行われますが、個人の無利息貸付には原則として利息認定課税はありません。
解き方
- 法人が役員に時価以上で資産を譲渡した場合、時価譲渡として差額は受贈益(法人)となり、役員側は役員から法人への贈与(寄附)の性質を持ちます。
- 個人役員が法人に対して無利息で金銭を貸し付けた場合の個人側の所得税の課税関係を確認し、受取利息の認定課税は行われないことを判断します。
- 選択肢 1不正解
- 法人が時価より高い価額で役員へ譲渡した場合、法人は時価で譲渡したものとして譲渡損益を計算し、時価を超える受領額は役員からの受贈益として益金算入されます。
- 選択肢 2不正解
- 権利金授受の慣行がある地域で、権利金も相当の地代も支払わず届出書も提出しない場合、法人は役員から借地権相当額の贈与を受けたとみなされ借地権認定課税(受贈益課税)が行われます。
- 選択肢 3正解
- 個人である役員が会社に無利息で金銭を貸し付けた場合、個人側には利息の受取事実がないため、原則として雑所得などの収入として認定課税されることはありません。
- 選択肢 4不正解
- 法人が役員に社宅を貸与する場合、通常の賃貸料(賃貸料相当額)より低い賃料しか受け取っていないときは、その差額が役員に対する現物給与として給与所得の課税対象となります。
覚えるポイント
- 個人から法人への無利息貸付は個人側に認定利息課税なし。法人から役員への無利息貸付は役員に給与課税・法人に受取利息算入。
間違えやすいところ
- 法人が役員に無利息で貸し付けたケースと、役員が法人に無利息で貸し付けたケースを混同しないように注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等(法人税法、所得税法基本通達)
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産登記の手続および登記事項証明書・要約書
不動産 · 不動産登記法 / 合筆登記 / 仮登記 / 登記事項証明書 / 登記事項要約書
不動産登記に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
不動産登記は不動産の表示および権利関係を公示する制度です。登記事項証明書は誰でも交付請求が可能でオンライン請求や送付にも対応していますが、登記事項要約書は登記所窓口での交付に限られます。
解き方
- 合筆の制限事由(地目が異なる土地同士の合筆禁止など)を確認します。
- 仮登記に基づく本登記の効力および第三者の承諾の要否を判断します。
- 登記事項証明書と登記事項要約書の請求方法・交付手段(オンライン請求・郵送可否)の差異を確認します。
- 選択肢 1不正解
- 地目が異なる土地相互間では、所有者が同一であっても合筆の登記をすることができません(不動産登記法第41条)。
- 選択肢 2不正解
- 所有権に関する仮登記に基づく本登記をする場合、登記上の利害関係を有する第三者がいるときはその承諾等が必要であり、本登記の順位は仮登記の順位によります。
- 選択肢 3不正解
- 登記事項証明書は誰でも手数料を納付して登記官の認証文および職印の付された書面の交付を請求することができます。
- 選択肢 4正解
- 登記事項証明書はオンラインで交付請求し郵送や窓口で受取可能ですが、登記事項要約書は登記所の窓口で直接交付を受けるものでありオンライン請求はできません。
覚えるポイント
- 登記事項証明書はオンライン請求・郵送受取可能。登記事項要約書は管轄登記所の窓口交付のみ。
間違えやすいところ
- 「登記事項証明書」と「登記事項要約書」の手続き上の取扱いや交付方法の違いを見落とさないように注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等(不動産登記法)
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産登記法に基づく地図および公図等の特徴
不動産 · 不動産登記法第14条地図 / 公図 / 地積測量図 / 都市計画図
不動産登記法に基づく地図等の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
不動産関連図面には、法務局が管理する権利・地番に関する地図(14条地図・公図・地積測量図)と、自治体が管理する都市計画情報に関する地図(都市計画図)、国税庁が管理する路線価図などがあり、それぞれ記載内容と利用目的が異なります。
解き方
- 不動産登記法第14条地図、公図、地積測量図の定義と精度を確認します。
- 都市計画図(地域地区図)に表示される内容(用途地域、指定容積率・建蔽率など)を確認し、路線価等の国税庁が公開する情報が含まれないことを見抜きます。
- 選択肢 1不正解
- 不動産登記法第14条第1項に規定する地図は、高い測量精度を持ち、現地復元能力を備えた公的な図面です。
- 選択肢 2不正解
- 公図(地図に準ずる図面、旧土地台帳附属地図)は土地の大まかな配置状況を把握するのに役立ちますが、精度や縮尺の信頼性は14条地図に劣ります。
- 選択肢 3不正解
- 分筆登記申請時に添付する地積測量図は、分筆前の1筆の土地について測量を行い、分筆線を引いて分筆後の各土地の形状や地積等を明らかにした図面です。
- 選択肢 4正解
- 都市計画図(地域地区図)からは用途地域、建蔽率、容積率、防火地域等の都市計画規制を確認できますが、相続税路線価などは国税庁の路線価図で確認するものであり都市計画図には記載されません。
覚えるポイント
- 路線価(相続税路線価)は国税庁が公表する路線価図で確認し、都市計画図には掲載されない。
間違えやすいところ
- 道路幅員は道路台帳等、路線価は路線価図で確認するものであり、都市計画図で把握できる情報と混同しないようにする。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等(不動産登記法、都市計画法)
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
土地区画整理法の施行者と仮換地・保留地
不動産 · 土地区画整理法 / 個人施行者 / 仮換地 / 登記制限 / 保留地
土地区画整理法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
土地区画整理事業は、個人・組合・区画整理会社・公的機関等が施行者となります。仮換地指定によって従前の宅地の使用収益権は仮換地に移りますが、従前の宅地の処分権(所有権移転や抵当権設定登記など)は失われません。
解き方
- 土地区画整理事業の施行主体として個人(単独または共同)が認められているか確認します。
- 仮換地指定時の従前の宅地に対する権利関係(使用収益権の停止と処分権の存続)を整理します。
- 保留地の所有権取得者(施行者が取得する)を確認します。
- 選択肢 1正解
- 宅地の所有権または借地権を有する者は、規準および事業計画を定めて都道府県知事の認可を受けることにより、1人でまたは数人共同して個人施行者として事業を施行できます。
- 選択肢 2不正解
- 仮換地が指定されても従前の宅地の使用収益が停止されるだけであり、所有権の移転などの処分やその登記は制限されません。
- 選択肢 3不正解
- 仮換地が指定された場合であっても、従前の宅地についての抵当権設定登記などの処分行為を行うことは可能です。
- 選択肢 4不正解
- 換地計画において定められた保留地は、換地処分の公告があった日の翌日に「施行者」が取得します(換地所有者ではありません)。
覚えるポイント
- 仮換地指定で従前の宅地の「使用収益権」は失われるが、「処分権(登記含む)」は失われない。保留地は換地処分の公告の翌日に「施行者」が取得する。
間違えやすいところ
- 仮換地指定によって従前の宅地の登記自体ができなくなると誤認しやすい点に注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等(土地区画整理法)
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
区分所有法(集会決議・規約・建替え決議)
不動産 · 区分所有法 / 占有者の意見陳述権 / 管理組合法人 / 特別の影響 / 建替え決議
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
建物の区分所有等に関する法律では、重要事項ごとに決議要件が定められており、普通決議は過半数、特別決議(規約変更・管理組合法人化など)は4分の3以上、建替え決議は規約で減ずることができない5分の4以上の多数が必要です。
解き方
- 専有部分の占有者(賃借人等)が集会で持つ権利(意見陳述権のみで議決権はない)を確認します。
- 管理組合の法人化決議要件(4分の3以上)を確認します。
- 特別の影響を及ぼす規約変更におけるその者の承諾の要否(承諾必須)を確認します。
- 建替え決議の要件(各5分の4以上、規約で減ずることは不可)を確認します。
- 選択肢 1不正解
- 利害関係を有する専有部分の占有者(賃借人など)は、集会に出席して「意見を述べる」ことができますが、議決権を行使することはできません。
- 選択肢 2不正解
- 管理組合を法人化するためには、区分所有者および議決権の各「4分の3以上」の集会決議と登記が必要です(3分の2ではありません)。
- 選択肢 3不正解
- 規約の設定・変更・廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすときは、その者の承諾を得なければなりません(集会決議のみで強行することはできません)。
- 選択肢 4正解
- 建替え決議は、集会において区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数で行う必要があり、この要件は規約で減じることはできません(不動産区分所有法第62条)。
覚えるポイント
- 建替え決議:区分所有者および議決権の各5分の4以上(規約で減額不可)。法人化・規約変更:各4分の3以上。
間違えやすいところ
- 占有者は集会に出席して意見陳述はできるが、議決権は持たない点に注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等(建物の区分所有等に関する法律)
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産取得税の計算(底地取得・宅地評価土地の特例)
不動産 · 不動産取得税 / 底地 / 宅地評価土地の特例 / 税率
5年前に父からの相続により借地権(定期借地権等ではない)と借地上の自宅家屋を取得したAさんは、2020年8月、借地権設定者から、その借地権の目的となっている宅地(底地)を買い取った。下記の〈条件〉に基づき、Aさんが買い取った宅地に係る不動産取得税の税額として、最も適切なものはどれか。 〈条件〉 ・買い取った宅地(底地)の取得価額:6,000万円 ・買い取った宅地の固定資産税評価額:8,000万円 ・相続により取得した借地権の価額の評価上、借地権割合は70%である。 ・不動産取得税の税率は、標準税率とする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
不動産取得税の課税標準は原則として固定資産税評価額であり、宅地等を取得した場合は特例により価格が2分の1に軽減されます。土地の標準税率は3%(本則4%から軽減)です。底地を取得した場合でも、土地全体の固定資産税評価額をベースに課税されます。
解き方
- 課税標準を算出する:宅地評価土地の特例により固定資産税評価額8,000万円×1/2=4,000万円。
- 不動産取得税率(土地の標準税率3%)を適用する:4,000万円×3%=120万円。
- 選択肢 1不正解
- 底地割合(30%)を乗じて計算した誤りです(8,000万円×1/2×30%×3%=36万円等の誤算)。
- 選択肢 2不正解
- 底地割合30%(100%-借地権割合70%)を乗じた4,000万円×30%×3%=36万円とする誤算です。不動産取得税では借地権割合は控除されません。
- 選択肢 3不正解
- 取得価額(6,000万円)を基準とするなどの誤った計算です。
- 選択肢 4正解
- 不動産取得税の課税標準は固定資産税評価額(8,000万円)の2分の1である4,000万円となり、これに標準税率3%を乗じて120万円となります。
覚えるポイント
- 不動産取得税の課税標準=固定資産税評価額(実際の売買代金ではない)。宅地は課税標準1/2、標準税率3%。借地権割合の控除はない。
間違えやすいところ
- 借地人が底地を買い取った場合でも、借地権割合を控除して底地部分の割合だけで課税されると誤認しないこと。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等(地方税法)
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
特定の居住用財産の買換え特例の要件と取扱い
不動産 · 居住用財産の買換え特例 / 所有期間・居住期間 / 譲渡対価要件 / 申告の撤回
「特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例」(以下、「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
居住用財産の買換え特例は、譲渡年の1月1日時点で家屋および敷地の所有期間がともに10年超、かつ居住期間10年以上、譲渡対価1億円以下などの厳しい要件が課されており、家屋と敷地の一方でも10年以下であれば全体として適用不可となります。
解き方
- 譲渡資産の要件(譲渡年の1月1日時点で所有期間10年超、居住期間10年以上)を確認します。
- 家屋の所有期間が10年以下の場合、家屋・敷地ともに特例の適用を受けられないことを判断します。
- 他の選択肢(建替え前の居住期間の通算、共有時の1億円判定、当初申告要件のある3,000万円控除への切り替え可否)の正誤を確認します。
- 選択肢 1正解
- 家屋と敷地を譲渡する場合、譲渡した年の1月1日において家屋と敷地の所有期間がいずれも10年を超えている必要があるため、家屋が10年以下であれば敷地を含め適用できません。
- 選択肢 2不正解
- 家屋を建て替えた場合、建替え前後の居住期間を通算して10年以上あれば居住期間の要件を満たすため、本特例の適用を受けることができます。
- 選択肢 3不正解
- 譲渡対価が1億円以下であるかどうかの判定は、共有者の持分ごとの譲渡対価ではなく、譲渡資産全体(合計1億2,000万円)で判定されるため、夫・妻ともに適用できませんが、この選択肢は「夫の持分8,000万円、妻4,000万円」で判定について述べており、全体で1億円を超えているため適用不可となる結論自体は同じに見えますが、判定単位は「1資産全体の対価(1億円以下)」である点についての正誤論点であり、正解肢は明瞭に1です。
- 選択肢 4不正解
- 当初申告で買換え特例を選択した場合、後から自己都合で買換えを取りやめたとしても、修正申告において当初申告が要件とされている「3,000万円特別控除」に事後的に変更することはできません。
覚えるポイント
- 居住用財産の買換え特例:家屋・敷地ともに所有期間10年超(譲渡年の1月1日時点)、居住期間10年以上、譲渡対価1億円以下(全体で判定)。
間違えやすいところ
- 敷地だけ10年超所有していても、家屋が10年以下の場合は敷地も含めて特例適用ができない点に注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等(租税特別措置法第36条の2)
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
固定資産の交換の特例の要件
不動産 · 固定資産の交換の特例 / 所有期間要件 / 取得目的・使用継続 / 交換差金
Aさんは、その所有する甲土地または乙土地とBさんの所有する丙土地とを交換したいと考えている。「固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例」(以下、「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 〈Aさんの所有地〉甲土地(300㎡、6,000万円)、乙土地(400㎡、8,000万円) 〈Bさんの所有地〉丙土地(350㎡、6,000万円)
解答・解説を表示
解答
1
解説
所得税法第58条(固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例)は、双方が1年以上所有していた同一区分の固定資産を互いに交換し、取得した資産を相手方が供していた用途と同一の用途に供すること、および交換差金が高額な方の時価の20%以内であることが主な要件です。
解き方
- 交換特例における所有期間要件(双方が1年以上所有)を確認します。
- 相手方の所有期間が1年未満の場合、特例が適用できないことを確認します。
- 交換差金の20%以内要件(高い方の価額の20%以内)および交換のためにあらかじめ取得・分筆売却する行為の制限を確認します。
- 選択肢 1正解
- 本特例の適用を受けるためには、譲渡する資産だけでなく取得する相手方の資産(丙土地)も1年以上所有されていた固定資産でなければならないため、相手方の所有期間が1年未満の場合は適用を受けられません。
- 選択肢 2不正解
- 取得資産を同一用途に供する要件は適用を受ける本人が満たしていればよく、相手方(Bさん)が交換取得した甲土地を売却したことのみをもってAさんの特例適用が否定されるわけではありません。
- 選択肢 3不正解
- 交換差金(2,000万円)は高い方の時価(乙土地8,000万円)の25%となり、特例の要件である「高い方の価額の20%以内」を超えているため特例は適用できません。
- 選択肢 4不正解
- 交換のためにあらかじめ分筆して一部を売却し、残りを交換するような計画的・作為的な取引については、交換特例の趣旨から認められません。
覚えるポイント
- 交換の特例要件:双方が1年以上所有、同一用途に供する、交換差金は高い方の時価の20%以内。
間違えやすいところ
- 自分が1年以上所有していても、相手方が取得後1年未満の土地であれば特例が使えない点を見落としやすい。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等(所得税法第58条)
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産投資分析(DSCRの計算)
不動産 · DSCR / 借入金償還余裕率 / 純営業収益(NOI)
全15戸、月額家賃14万円/戸、年間空室率20%、年間運営費用400万円(支払利息含まず)、年間借入金返済額850万円(元金410万円、利息440万円)という条件の賃貸アパート投資におけるDSCR(借入金償還余裕率)として、最も適切なものはどれか。なお、計算結果は小数点以下第3位を四捨五入すること。
解答・解説を表示
解答
2
解説
DSCR(Debt Service Coverage Ratio:借入金償還余裕率)は、対象不動産から得られる純営業収益(NOI)が年間元利返済額(ADS)の何倍であるかを表す指標であり、「純営業収益÷年間元利返済額」で求められます。1.0を超えると返済余裕があると判断されます。
解き方
- 満室想定の年間賃貸収入を算定し、空室損失控除後の有効総収入を計算する:14万円×15戸×12カ月×(1-0.20)=2,016万円。
- 有効総収入から年間運営費用を差し引いて純営業収益(NOI)を計算する:2,016万円-400万円=1,616万円。
- 純営業収益を年間元利返済額で除してDSCRを算出する:1,616万円÷850万円≒1.9011…となり、小数点以下第3位を四捨五入して1.90となる。
- 選択肢 1不正解
- 分子の計算でNOIから利息を控除するなど誤った数値を適用した結果であり、不適切です。
- 選択肢 2正解
- NOI=1,616万円、年間返済額=850万円から、1,616÷850≒1.90と正しく算出されています。
- 選択肢 3不正解
- 空室率を控除せずに満室時収入から計算したNOI(2,520万-400万=2,120万円)を元利返済額850万円で割ると約2.49になり、選択肢3の2.37も計算過程の誤りによる不適切な数値です。
- 選択肢 4不正解
- 空室率20%の控除を失念して満室想定収入(2,520万円)をベースにNOI(2,120万円)を算出し、850万円で割った場合(約2.49)の値であり不適切です。
覚えるポイント
- DSCR=NOI(純営業収益)÷年間元利返済額(ADS)であり、分母には利息だけでなく元本返済額も含めます。
間違えやすいところ
- DSCRの計算時に空室率の控除を忘れたり、分母に支払利息のみを用いて利息補償倍率と混同したりする誤りに注意が必要です。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令・不動産投資分析指標
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の配偶者控除の要件および課税価格の計算
相続・事業承継 · 贈与税の配偶者控除 / おしどり贈与 / 居住用不動産
贈与税の配偶者控除に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、贈与の年において他に贈与された財産はなく、他の要件等はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
贈与税の配偶者控除は、婚姻期間20年以上の配偶者から居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与を受けた場合に、基礎控除110万円とは別に最高2,000万円まで控除できる制度です。店舗併用住宅の場合、居住用部分がおおむね50%未満のときは居住用部分のみが対象となります。
解き方
- 各選択肢の贈与財産の性質や使途が配偶者控除の要件に合致しているか確認する。
- 店舗併用住宅の持分取得における控除対象額と課税価格の計算ルールを確認し、記述の正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 子が所有する家屋であっても、受贈者である配偶者が居住の用に供している建物の敷地であれば、配偶者控除の対象となる居住用不動産に該当します。
- 選択肢 2不正解
- 夫が保険料を負担した保険金を取得して贈与税の課税対象となった金銭をもとに居住用不動産を取得した場合も、金銭による取得として配偶者控除の適用を受けられます。
- 選択肢 3不正解
- 贈与された金銭1,800万円のうち居住用不動産の取得に充てられた部分は配偶者控除(最高2,000万円)の対象となり、全額控除されるため贈与税額は算出されません。
- 選択肢 4正解
- 持分2分の1の取得価額は1,500万円であり、居住用部分はその40%である600万円となるため配偶者控除額は600万円です。課税価格は1,500万円-600万円-基礎控除110万円=790万円となります。「贈与税額は790万円に所定の税率を乗じた金額となる」とする記述は、基礎控除後の課税価格の算出過程や税率適用の説明として不適切です(790万円は税額算出のための課税価格であり、税額そのものではない表現上の誤り、または控除適用の取り違え)。
覚えるポイント
- 婚姻期間20年以上、居住用不動産またはその取得金銭、最高2,000万円控除+基礎控除110万円。店舗併用住宅で居住部分50%以上の場合は全体を居住用とみなすことができます。
間違えやすいところ
- 店舗併用住宅において居住用割合が50%以上の場合は全体を対象にできますが、50%未満の場合は居住用部分のみが対象となる点に注意が必要です。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の相続税法
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続時精算課税制度の手続と効力
相続・事業承継 · 相続時精算課税制度 / 特別控除額 / 申告義務 / 特定贈与者
相続時精算課税制度に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
相続時精算課税制度は、原則として60歳以上の父母・祖父母から20歳(改正後は18歳)以上の子・孫への贈与について選択できる制度です。一度選択すると暦年課税へ戻すことはできず、特別控除(累計2,500万円)の枠内であっても贈与があった年は申告が必要です。
解き方
- 相続時精算課税選択後の同一特定贈与者からの贈与に対する申告要件を確認する。
- 特別控除累計2,500万円の枠内(2,000万円+100万円=2,100万円)で納税額が生じない場合でも申告書提出が必要であるため、選択肢2が適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 養子縁組を解消して特定贈与者の子でなくなった後であっても、その特定贈与者から贈与により取得した財産については相続時精算課税が継続して適用されます。
- 選択肢 2正解
- 相続時精算課税を選択した特定贈与者からの贈与については、特別控除額の範囲内で納税額が生じない場合であっても、贈与税申告書の提出が必要です。
- 選択肢 3不正解
- 相続税の課税価格の合計額(精算課税適用財産を含む)が遺産に係る基礎控除額以下である場合には、相続税の申告書を提出する必要はありません。
- 選択肢 4不正解
- 特定贈与者の死亡以前に相続時精算課税適用者が死亡した場合、特定贈与者は受贈者としての納税に係る権利または義務を承継しません(他の相続人が承継します)。
覚えるポイント
- 相続時精算課税を選択すると、以後の贈与は金額にかかわらず(当時の税制)申告書の提出が必要となります。
間違えやすいところ
- 基礎控除額以下であれば相続税申告が不要である点と、特例(小規模宅地等や配偶者控除)適用による申告義務の要否を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の相続税法
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続の承認と放棄
相続・事業承継 · 限定承認 / 相続放棄 / 単純承認 / 生命保険金
民法における相続の承認と放棄に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
民法上、相続人は自己のために相続の開始があったことを知った時から3カ月以内に、単純承認、限定承認、または放棄をしなければなりません。限定承認は相続によって得た財産の限度で被相続人の債務を弁済する留保付きの承認であり、共同相続人全員で申述する必要がありますが、放棄した者は除外されます。
解き方
- 共同相続人の一部が放棄した場合の限定承認の可否を確認する。
- 放棄者は当初から相続人でないとされるため、残りの共同相続人全員が共同して限定承認できることから選択肢3を正当と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 受取人指定のある生命保険金は受取人固有の財産であり、相続財産ではないため、これを受領しても原則として単純承認とはみなされません。
- 選択肢 2不正解
- 相続人が単純承認をしたものとみなされた(法定単純承認)後は、たとえ3カ月の熟慮期間内であっても、相続の放棄をすることはできません。
- 選択肢 3正解
- 相続の放棄をした者は初めから相続人とならなかったものとみなされるため、残りの共同相続人全員が共同して申述すれば限定承認を行うことができます。
- 選択肢 4不正解
- 限定承認では、相続財産をもって負債(1,500万円)を完済した後の残余財産(500万円)は相続人がそのまま承継して取得することができます。
覚えるポイント
- 限定承認は「相続人全員」で行う必要がありますが、相続放棄をした者は最初から相続人でなくなるため、残りの相続人全員で申述可能です。
間違えやすいところ
- 指定受取人として受け取る死亡保険金は固有の権利に基づく財産であり、相続財産の処分(法定単純承認)には当たらない点に注意しましょう。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法における遺言の方式および効力
相続・事業承継 · 自筆証書遺言の加除訂正 / 公正証書遺言の証人 / 遺贈の放棄 / 受遺者の死亡
民法における遺言に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
遺言は厳格な要式行為であり、民法所定の方式に従わなければ無効となります。自筆証書遺言の訂正方法についても民法に厳格なルールが定められています。また、遺贈は受遺者が遺言者より先に死亡したときは効力を生じず、代襲の規定も準用されません。
解き方
- 自筆証書遺言の加除訂正に関する民法第968条第3項の要件(場所の指示、付記、署名、押印)を照合する。
- 選択肢2の要件が条文どおり完全に満たされているため適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 遺贈は遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときはその効力を生じず、受遺者の子が代襲して受遺者となることはありません(別段の意思表示がない限り無効)。
- 選択肢 2正解
- 民法第968条第3項に基づき、自筆証書遺言の変更は、場所の指示、変更の旨の付記、署名、変更場所への押印が必要であり、正当な記述です。
- 選択肢 3不正解
- 推定相続人や受遺者およびその配偶者・直系血族は証人になれませんが、推定相続人等に該当しない兄弟姉妹(第1順位や第2順位の相続人がいて相続権がない場合など)は証人になることができます。
- 選択肢 4不正解
- 遺贈義務者からの相当の期間を定めた催告に対し、受遺者が期間内に意思表示をしないときは、遺贈を「承認」したものとみなされます(民法第987条)。
覚えるポイント
- 自筆証書遺言の変更要件:場所の指示+付記+署名+変更箇所への押印。催告に対する無返答は「承認」とみなされます。
間違えやすいところ
- 遺贈には代襲相続の規定は適用されません。受遺者が先に死亡した場合は遺贈部分が無効となり法定相続人に帰属します。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.26(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法定相続情報証明制度の仕組みと手続
相続・事業承継 · 法定相続情報証明制度 / 法定相続情報一覧図 / 手数料 / 再交付期間
法定相続情報証明制度に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
法定相続情報証明制度は、相続人が登記所に被相続人の戸除籍謄本等と「申出人自らが作成した法定相続情報一覧図」を提出し、登記官が内容を確認して認証文を付した写しを交付する制度です。交付手数料は無料です。
解き方
- 法定相続情報一覧図の作成主体を確認する(申出人側が作成して提出する)。
- 選択肢1で「登記官によって法定相続情報一覧図が作成され」としている点が誤りであると判定する。
- 選択肢 1正解
- 一覧図は申出人本人が作成して提出するものであり、登記官が作成するわけではないため、本問の不適切な選択肢(正解肢)です。
- 選択肢 2不正解
- 認証を受けた一覧図の写しは、法務局での相続登記のみならず銀行の預金解約手続き等でも戸籍謄本一式に代わる証明書として利用できます。
- 選択肢 3不正解
- 法定相続情報一覧図の写しの交付および再交付の手数料は、請求する通数にかかわらず無料(徴収されない)とされています。
- 選択肢 4不正解
- 法定相続情報一覧図の保管期間および写しの再交付が受けられる期間は、申出日の翌年から5年間と定められています。
覚えるポイント
- 法定相続情報一覧図は「申出人が作成」して法務局に提出します。交付手数料は「無料」で、再交付期間は申出の翌年から「5年間」です。
間違えやすいところ
- 登記官が戸籍を調査して一覧図を作ってくれると誤認しやすいですが、作るのは申出人(相続人側)です。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の不動産登記規則
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.26(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
死亡退職金の非課税限度額と相続税の申告要否
相続・事業承継 · 死亡退職金の非課税限度額 / みなし相続財産 / 相続放棄者 / 申告義務
被相続人の死亡後3年以内に支給が確定して支払われた死亡退職金等に係る相続税法の非課税金額の規定に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
被相続人の死亡に伴い支給される死亡退職金で死亡後3年以内に支給確定したものは、みなし相続財産として相続税の課税対象となります。相続人が取得した場合には「500万円×法定相続人の数」の非課税限度額が適用されます。非課税控除後の課税価格の合計が基礎控除額以下であれば申告は不要です。
解き方
- 各選択肢について、相続放棄者の受取金の取扱い、弔慰金の取扱い、非課税限度額の計算(法定相続人の数)、申告要否を検討する。
- 死亡退職金の非課税を適用した後の課税価格合計が基礎控除以下であれば申告義務がないため、選択肢4が適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 相続を放棄した者が取得した死亡退職金もみなし相続財産として相続税の課税対象となります(非課税規定は適用されませんが、所得税の一時所得にはなりません)。
- 選択肢 2不正解
- 業務外の死亡で普通給与の6カ月分以下の弔慰金はそもそも相続税が非課税(課税対象外)となるため、退職手当金等の非課税限度額の規定の対象には含まれません。
- 選択肢 3不正解
- 法定相続人の数は相続を放棄した者も含めるため、配偶者・弟・妹の3人となります。非課税限度額は500万円×3人=1,500万円となり、課税価格に算入すべき金額は3,000万円-1,500万円=1,500万円です。
- 選択肢 4正解
- 死亡退職金の非課税控除を適用した後の課税価格の合計額が基礎控除額以下である場合には、相続税の申告書を提出する必要はありません。
覚えるポイント
- 死亡退職金の非課税限度額の「法定相続人の数」には、相続放棄をした者もカウントに含めます。
間違えやすいところ
- 配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例と異なり、生命保険金や死亡退職金の非課税規定は適用後に基礎控除以下であれば申告不要です。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の相続税法
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.27(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の税額控除(未成年者控除・障害者控除等)
相続・事業承継 · 未成年者控除 / 障害者控除 / 配偶者の税額軽減 / 相続時精算課税
相続税の税額控除等に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
相続税の未成年者控除は、財産を取得した相続人が日本国内に住所を有する成年未満の法定相続人である場合に、成年に達するまでの年数1年につき10万円が控除される制度です。法定相続人の数への算入制限(民法上の実子有無による制限)は基礎控除等の計算上の規定であり、税額控除自体の対象者数に制限はありません。
解き方
- 未成年者控除の適用対象者の範囲と人数の制限規定の有無を確認する。
- 実子の有無による「1人まで・2人まで」の制限は基礎控除等における「法定相続人の数に含める養子の数」の制限であり、未成年者控除の適用人数には制限がないため、選択肢2を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 配偶者の税額軽減は法律上の配偶者に限られ、内縁の妻には適用されません。婚姻期間の長短は問われないため正しい記述です。
- 選択肢 2正解
- 未成年者控除の適用対象となる養子の人数に実子の有無による制限はありません。したがって本問の不適切な選択肢(正解肢)です。
- 選択肢 3不正解
- 障害者控除額が本人の相続税額から引ききれない場合、その扶養義務者の相続税額から控除することができます。
- 選択肢 4不正解
- 相続時精算課税にかかる贈与税額は相続税額から控除され、控除しきれない金額があるときは還付を受けることができます。
覚えるポイント
- 養子の算入制限(実子あり1人・なし2人)は「基礎控除」や「非課税限度額」の計算における規定であり、未成年者控除の適用人数には制限がありません。
間違えやすいところ
- 基礎控除の法定相続人の数に含められる養子の人数制限の規定を、未成年者控除や障害者控除の適用可能人数と混同しないようにしましょう。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の相続税法
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.27(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
小規模宅地等の減額特例の適用要件
相続・事業承継 · 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 / 特定事業用宅地等 / 特定同族会社事業用宅地等 / 貸付事業用宅地等
「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
小規模宅地等の減額特例は、事業用・居住用・貸付用等の宅地等の区分ごとに取得者の属性や事業・保有の継続性、対象となる敷地要件(建物等の存在)などの厳格な要件が定められています。
解き方
- 特定事業用・特定居住用・特定同族会社事業用・貸付事業用の各要件を確認する。
- 貸付事業用宅地等の敷地条件として建物または構築物の存在が必要である点に照合して判断する。
- 選択肢 1不正解
- 特定事業用宅地等は、取得者が配偶者であっても申告期限までの事業継続要件および保有継続要件を満たす必要があり、申告期限前に売却した場合は適用を受けられません。
- 選択肢 2不正解
- 特定居住用宅地等の適用対象者は被相続人の「親族」に限られるため、親族でない者が遺贈により取得した場合には同居していたとしても適用を受けられません。
- 選択肢 3不正解
- 特定同族会社事業用宅地等では、宅地を取得した親族が「相続税の申告期限において」当該法人の役員であることが要件とされており、相続開始直前に役員である必要はありません。
- 選択肢 4正解
- 貸付事業用宅地等は、建物または構築物の敷地の用に供されている宅地等に限られるため、建物や構築物のない更地等の貸付は特例の対象外となり適切です。
覚えるポイント
- 貸付事業用宅地等は建物または構築物の敷地であることが必須要件である。
間違えやすいところ
- 特定居住用宅地等では配偶者に保有要件がないが、特定事業用宅地等では配偶者でも保有・事業継続要件が必要である点に注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.28(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配偶者居住権および配偶者短期居住権の規定
相続・事業承継 · 改正相続法 / 配偶者居住権 / 配偶者短期居住権
民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(改正相続法)により創設された配偶者居住権および配偶者短期居住権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
配偶者居住権は残された配偶者の居住の権利を保護するために創設された一身専属的な権利であり、譲渡不可で配偶者の死亡により消滅します。また、登記が対抗要件とされています。
解き方
- 配偶者居住権と配偶者短期居住権の法的性質、対抗要件、存続期間の各規定を確認する。
- 配偶者居住権の一身専属性(譲渡禁止・死亡による消滅)に関する選択肢2を正当と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 配偶者居住権を第三者に対抗するためには、建物についての配偶者居住権の設定登記が必要となります。
- 選択肢 2正解
- 配偶者居住権は一身専属的な権利であるため、他人に譲渡することはできず、配偶者の死亡により消滅して相続の対象となりません。
- 選択肢 3不正解
- 配偶者短期居住権の取得要件として婚姻期間の要件(20年以上等)は定められておらず、相続開始時に被相続人の建物に無償で居住していれば取得できます。
- 選択肢 4不正解
- 配偶者短期居住権の存続期間は、遺産分割により建物の帰属が確定した日、または相続開始の時から「6カ月」を経過する日のいずれか遅い日までの間です。
覚えるポイント
- 配偶者居住権は登記が必要かつ譲渡不可・配偶者死亡で消滅する一身専属権である。
間違えやすいところ
- 配偶者短期居住権の最低保障期間は「6カ月」であり、10カ月ではない点を取り違えないように注意する。
出題の前提:2020年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.28(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2020年9月 1級 学科(基礎編)
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2020年9月 1級 学科(基礎編)の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

