日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2020年1月 1級 学科(応用編)の概要
雇用保険の高年齢雇用継続給付および基本手当等
ライフプランニングと資金計画 · 高年齢雇用継続基本給付金 / 雇用保険の基本手当 / 再就職手当 / 高年齢再就職給付金
定年退職後も再雇用制度を利用して一般被保険者として勤務を継続した場合および退職した場合の雇用保険の給付に関する次の文章の空欄①~⑧に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。 Ⅰ 「Aさんが、X社の再雇用制度を利用して60歳以後も引き続き同社に勤務し、かつ、60歳以後の各月(支給対象月)に支払われた賃金額(みなし賃金を含む)が60歳到達時の賃金月額の( ① )%相当額を下回る場合、Aさんは、所定の手続により、原則として、高年齢雇用継続基本給付金を受給することができます。 高年齢雇用継続基本給付金の額は、支給対象月ごとに、その月に支払われた賃金額の低下率に応じて一定の方法により算定されますが、最高で賃金額の( ② )%相当額となります」 Ⅱ 「Aさんが、X社の再雇用制度を利用して60歳以後も引き続き同社に勤務し、かつ、65歳到達前に退職して求職を希望する場合、Aさんは、所定の手続により、失業している日について基本手当を受給することができます。 基本手当の日額は、原則として、被保険者期間として計算された最後の( ③ )カ月間に支払われた賃金(賞与等を除く)の総額を基に算出した賃金日額に、当該賃金日額に応じた給付率を乗じて得た額となります。なお、賃金日額には、下限額および受給資格者の年齢区分に応じて上限額が設けられています。また、賃金日額に応じた給付率は、受給資格に係る離職日において60歳以上65歳未満である受給資格者の場合、100分の( ④ )から100分の80の範囲です。 Aさんが特定受給資格者等に該当しない場合、Aさんが基本手当の支給を受けることができる最大の日数(所定給付日数)は( ⑤ )日となり、その受給期間は、原則として離職日の翌日から( ⑥ )年間となります。 なお、Aさんが基本手当の受給中に安定した職業に就いた場合、所定の要件を満たせば、再就職手当または高年齢再就職給付金のいずれか一方を受給することができます。再就職手当については、就職日の前日における基本手当の支給残日数が所定給付日数の( ⑦ )以上であることが要件の1つとなり、高年齢再就職給付金については、就職日の前日における基本手当の支給残日数が( ⑧ )日以上であることが要件の1つとなります」
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解答
① 75(%) ② 15(%) ③ 6(カ月) ④ 45 ⑤ 150(日) ⑥ 1(年間) ⑦ 3分の1 ⑧ 100(日)
解説
雇用保険制度では、高年齢者の雇用の継続・再就職を支援するため、60歳以降の賃金低下に対する高年齢雇用継続給付や、離職後の生活を保障する基本手当、早期再就職を促進する各種手当が規定されています。
解き方
- 高年齢雇用継続基本給付金の受給基準(賃金低下率75%未満)および上限支給率(15%)を確認する。
- 基本手当の賃金日額算定(直近6カ月)、60〜64歳の給付率(45%〜80%)、勤続20年以上の一般受給資格者の所定給付日数(150日)と受給期間(1年間)を確認する。
- 再就職手当の残日数要件(3分の1以上)と高年齢再就職給付金の残日数要件(100日以上)を適用して解答を導出する。
答えの内訳
- ①:75(%)
- 高年齢雇用継続基本給付金は、60歳到達時点と比べて各月の賃金が75%未満に低下した被保険者(算定基礎期間5年以上)に対して支給されます。
- ②:15(%)
- 支給対象月に支払われた賃金額の低下率に応じて算定され、賃金額が60歳到達時の61%以下に低下したときは最大の15%が支給されます。
- ③:6(カ月)
- 基本手当の賃金日額は、算定対象期間において被保険者期間として計算された最後の6カ月間に支払われた賃金総額(賞与等を除く)を180で除して算出します。
- ④:45
- 基本手当の給付率は年齢区分に応じて異なり、離職日において60歳以上65歳未満の場合は45%~80%(100分の45から100分の80)の範囲で定められています。
- ⑤:150(日)
- 一般離職者で算定基礎期間が20年以上の受給資格者(離職時60歳以上65歳未満)における所定給付日数の上限は150日です。
- ⑥:1(年間)
- 基本手当の受給期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。この期間を過ぎると所定給付日数の残日数があっても受給できません。
- ⑦:3分の1
- 就業促進手当のうち再就職手当の支給要件として、就職日の前日における基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っていることが求められます。
- ⑧:100(日)
- 高年齢再就職給付金を受給するためには、再就職日の前日における基本手当の支給残日数が100日以上残っている必要があります。
覚えるポイント
- 高年齢雇用継続基本給付金の支給率は最大15%(賃金低下率61%以下で最大)。
- 再就職手当は残日数3分の1以上(または3分の2以上で率が上昇)、高年齢再就職給付金は残日数100日以上が必要。
間違えやすいところ
- 60歳以上65歳未満の基本手当給付率の下限(45%)を、60歳未満の給付率下限(50%)と混同しないこと。
- 高年齢再就職給付金の残日数要件(100日以上)と再就職手当の残日数要件(3分の1以上等)を混同しやすいので注意する。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等(雇用保険法)
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
後期高齢者医療制度の被保険者資格・保険料・一部負担金
ライフプランニングと資金計画 · 後期高齢者医療制度 / 特別徴収と普通徴収 / 医療費の一部負担割合
後期高齢者医療制度に関する次の文章の空欄①~⑥に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。 「後期高齢者医療制度の被保険者となるのは、生活保護受給者等の適用除外者を除き、75歳以上の者または後期高齢者医療広域連合から所定の障害の状態にある旨の認定を受けた( ① )歳以上75歳未満の者です。 後期高齢者医療制度の保険料は、個人単位で算定され、( ② )と所得割額を合計した額となりますが、所定の要件に該当する被保険者は、保険料の軽減措置を受けることができます。 保険料の徴収方法には、特別徴収と普通徴収があります。公的年金制度から年額( ③ )万円以上の年金を受給している被保険者の保険料は、原則として公的年金からの特別徴収となります。ただし、後期高齢者医療制度の保険料と公的介護保険の保険料との合計額がその者に支払われる年金額の( ④ )%相当額を超えるなど、所定の要件に該当する被保険者の保険料は、納付書や口座振替等による普通徴収となります。 被保険者が保険医療機関等の窓口で支払う医療費の一部負担金の割合は、所得状況等に応じて1割または( ⑤ )割となり、いずれの割合となるのかは、毎年( ⑥ )月1日に判定されます」
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解答
① 65(歳) ② 均等割額 ③ 18(万円) ④ 50(%) ⑤ 3(割) ⑥ 8(月)
解説
後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者等を対象とする公的医療保険制度です。財源は公費・現役世代の支援金・被保険者本人の保険料で構成され、個人の所得に応じた応能負担・応分負担の仕組みが採られています。
解き方
- 後期高齢者医療制度の被保険者要件(75歳以上、または65歳以上で一定の障害認定)を確認する。
- 保険料の内訳(均等割額+所得割額)および徴収方法(年金18万円以上かつ介護保険料との合計が年金額の50%以下で特別徴収)を確認する。
- 窓口負担割合(1割または3割)と定期的な負担割合判定の基準日(毎年8月1日)を適用する。
答えの内訳
- ①:65(歳)
- 後期高齢者医療制度の被保険者は、原則として75歳以上の者ですが、65歳以上75歳未満で一定の障害の状態にある旨の認定を受けた者も対象となります。
- ②:均等割額
- 保険料は被保険者一人ひとりに賦課され、被保険者全員が均等に負担する「均等割額」と被保険者の所得に応じて負担する「所得割額」の合計となります。
- ③:18(万円)
- 受給している特別徴収対象年金の年額が18万円以上である被保険者は、原則として年金からの天引き(特別徴収)となります。
- ④:50(%)
- 年金年額が18万円以上であっても、介護保険料と後期高齢者医療保険料の合計額が対象年金額の2分の1(50%)を超える場合は、特別徴収の対象外となり普通徴収となります。
- ⑤:3(割)
- 窓口での一部負担金の割合は、原則1割、現役並み所得者は3割となります(当時の施行法令基準)。
- ⑥:8(月)
- 窓口負担割合の見直し(判定)は、前年の所得確定を踏まえて毎年8月1日に実施されます。
覚えるポイント
- 特別徴収の基準:年金額年額18万円以上かつ介護保険料との合計が年金額の2分の1(50%)以下。
- 負担割合の判定日および適用切り替え日は毎年8月1日。
間違えやすいところ
- 特別徴収の除外要件における年金額に対する割合「50%(2分の1)」を他の数値と誤りやすい。
- 障害認定による加入可能年齢(65歳以上)と通常の加入年齢(75歳以上)を混同しないこと。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等(高齢者の医療の確保に関する法律)
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢給付の受給額計算(老齢基礎年金および老齢厚生年金)
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 老齢厚生年金 / 経過的加算 / 加給年金
Aさん(1961年5月28日生まれ、58歳)は、大学在学中の1981年5月から1984年3月までの35月間は国民年金に任意加入せず、1984年4月から現在まで厚生年金保険の被保険者である。定年退職後も再雇用制度により厚生年金保険の被保険者として勤務し、65歳で退職して再就職しないものとする。Aさんが原則として65歳から受給できる2019年度価額に基づく公的年金の老齢給付について、①老齢基礎年金の年金額、および②老齢厚生年金の年金額(本来水準による価額)を求めなさい。 〈条件〉 (1) 厚生年金保険の被保険者期間:総報酬制導入前228月、総報酬制導入後277月(65歳到達時点) (2) 平均標準報酬月額および平均標準報酬額(2019年度再評価率):総報酬制導入前308,000円、総報酬制導入後496,000円 (3) 報酬比例部分の給付乗率:総報酬制導入前7.125/1,000、総報酬制導入後5.481/1,000 (4) 経過的加算額の計算式:1,626円×被保険者期間の月数(上限480月)-780,100円×(1961年4月以後で20歳以上60歳未満の厚生年金保険の被保険者期間の月数/480月) (5) 加給年金額:390,100円(要件を満たす場合のみ加算) (6) 妻Bさん(1963年4月10日生まれ)には特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)が法定の支給開始年齢から支給され、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある。
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解答
① 723,218円 ② 1,310,654円
解説
65歳以降の公的年金は、老齢基礎年金と老齢厚生年金(報酬比例部分+経過的加算)から構成されます。配偶者が被保険者期間20年以上の老齢厚生年金等の受給権を有する場合、加給年金は支給停止となります。
解き方
- 20歳から60歳到達前月までの480月から未加入月数35月を控除し、老齢基礎年金の納付済月数445月を算定して基礎年金額を求める。
- 総報酬制導入前後の平均標準報酬額・月数・乗率を用いて報酬比例部分の金額を計算し、円未満を四捨五入する。
- 上限480月を適用した定額部分から厚生年金期間分の老齢基礎年金相当額を差し引いて経過的加算額を計算する。
- 配偶者の年金加入・受給状況から加給年金の受給適否を判定し、受給可能額を合算して老齢厚生年金額を求める。
答えの内訳
- ①:723,218円
- 老齢基礎年金の満額は780,100円(2019年度価額)です。Aさんの20歳から60歳までの480月のうち、未加入期間が35月あるため、保険料納付済月数は 480月-35月=445月 となります。したがって、老齢基礎年金額は 780,100円×(445月/480月) = 723,218.43...円 となり、円未満を四捨五入して723,218円です。
- ②:1,310,654円
- 老齢厚生年金の額は「報酬比例部分+経過的加算額+加給年金額」で計算します。 1. 報酬比例部分: ・総報酬制導入前:308,000円×(7.125/1,000)×228月=500,344.8円 ・総報酬制導入後:496,000円×(5.481/1,000)×277月=753,047.472円 合計:1,253,392.272円 → 1,253,392円(円未満四捨五入) 2. 経過的加算額: 厚生年金保険の総被保険者期間は 228月+277月=505月 ですが、定額部分の乗じる月数は480月が上限となります。また20歳以上60歳未満の月数は445月です。 1,626円×480月-780,100円×(445月/480月) = 780,480円-723,218円 = 57,262円 3. 加給年金額: 妻Bさんは被保険者期間が20年以上(276月)ある老齢厚生年金(特別支給)の受給権を有しているため、加給年金の支給停止事由に該当し加算されません(0円)。 4. 合計年金額: 1,253,392円+57,262円=1,310,654円となります。
覚えるポイント
- 経過的加算の定額部分の月数上限は原則480月であること
- 配偶者が被保険者期間240月以上の老齢厚生年金の受給権を有する場合、加給年金は全額支給停止となること
間違えやすいところ
- 経過的加算の計算で総月数505月を上限480月に置き換える処理を忘れてしまうこと
- 配偶者自身の厚生年金被保険者期間が20年以上あることを見落とし、加給年金額390,100円を加算してしまうミス
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等(2019年度年金額水準)
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
財務比率分析と投資指標の計算(デュポン分析・カバレッジ・投資指標)
金融資産運用 · 自己資本当期純利益率(ROE) / デュポン分析 / 財務レバレッジ / インタレスト・カバレッジ・レシオ / PER / PBR / 配当性向
設例の〈W社・X社の財務データ等〉に基づき、説明文中の空欄①~⑧に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。なお、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。 Ⅰ 「W社とX社を自己資本当期純利益率で比較すると、W社の値が( ① )%、X社の値が□□□%であり、W社の値のほうが上回っています。この自己資本当期純利益率について、売上高当期純利益率、使用総資本回転率、( ② )の3指標に分解して、その要因分析を行うと、W社の使用総資本回転率は( ③ )回、( ② )は( ④ )倍で、いずれもX社の値を上回っており、W社のほうが資本効率性が高いと評価することができます」 Ⅱ 「W社とX社を財務的な安定性を測る指標であるインタレスト・カバレッジ・レシオで比較すると、W社の値が□□□倍、X社の値が( ⑤ )倍であり、X社のほうが財務的な余裕があるといえます」 Ⅲ 「W社とX社を代表的な投資指標であるPER、PBRで比較すると、W社のPERは( ⑥ )倍、PBRは( ⑦ )倍で、いずれもX社の値を上回っており、W社株式のほうが相対的に割高であるといえます。また、配当性向で比較すると、W社の値が( ⑧ )%、X社の値が□□□%であり、W社のほうが株主への利益還元の度合いが高いといえます」
解答・解説を表示
解答
① 9.26(%) ② 財務レバレッジ ③ 0.66(回) ④ 5.03(倍) ⑤ 9.83(倍) ⑥ 32.00(倍) ⑦ 2.80(倍) ⑧ 27.14(%)
解説
企業の収益性・効率性・財務健全性を評価するため、ROEのデュポン分解、金利負担能力を示すインタレスト・カバレッジ・レシオ、株価水準を測るPER・PBRや配当性向などの各種指標が用いられます。
解き方
- 貸借対照表の各項目から自己資本および使用総資本(総資産)を把握し、ROEとデュポン分解の各構成指標(回転率、財務レバレッジ)を計算する。
- 営業利益に受取利息・配当金を加えた事業利益を支払利息で除して、インタレスト・カバレッジ・レシオを求める。
- 発行済株式数と当期純利益・純資産からEPS・BPSを導き、株価と対比してPER・PBRおよび配当性向を算出する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:9.26
- W社の自己資本(純資産合計-非支配株主持分)は 400,000-22,000=378,000百万円(または株主資本合計290,000+その他の包括利益累計額合計88,000=378,000百万円)です。当期純利益は35,000百万円であるため、自己資本当期純利益率(ROE)= 当期純利益/自己資本×100 = 35,000/378,000×100 = 9.259...% となり、四捨五入して9.26%です。
- 小問 ②:財務レバレッジ
- デュポンシステムにおいて、自己資本当期純利益率(ROE)は「売上高当期純利益率 × 使用総資本回転率 × 財務レバレッジ」の3指標に分解されます。
- 小問 ③:0.66
- W社の売上高は1,250,000百万円、使用総資本(資産合計)は1,900,000百万円です。使用総資本回転率 = 売上高/総資産 = 1,250,000/1,900,000 = 0.657...回 となり、四捨五入して0.66回です。
- 小問 ④:5.03
- 財務レバレッジは 総資産/自己資本 で算出します。W社の総資産は1,900,000百万円、自己資本は378,000百万円であるため、1,900,000/378,000 = 5.026...倍 となり、四捨五入して5.03倍です。
- 小問 ⑤:9.83
- インタレスト・カバレッジ・レシオは (営業利益+受取利息・配当金)/支払利息 で求めます。X社の営業利益は55,000百万円、受取利息200百万円、受取配当金1,800百万円、支払利息5,800百万円です。(55,000+200+1,800)/5,800 = 57,000/5,800 = 9.827...倍 となり、四捨五入して9.83倍です。
- 小問 ⑥:32.00
- W社の1株当たり当期純利益(EPS)は 35,000百万円/200百万株 = 175円 です。株価は5,600円であるため、PER = 株価/EPS = 5,600/175 = 32.00倍となります。
- 小問 ⑦:2.80
- 純資産の部合計を用いた1株当たり純資産(BPS)は 400,000百万円/200百万株 = 2,000円 です。PBR = 株価/BPS = 5,600/2,000 = 2.80倍となります。(※自己資本378,000百万円を用いて計算したBPS=1,890円による 5,600/1,890 = 2.96倍も可)
- 小問 ⑧:27.14
- 配当性向は 配当金総額/当期純利益×100 で求めます。W社の配当金総額は9,500百万円、当期純利益は35,000百万円であるため、9,500/35,000×100 = 27.142...% となり、四捨五入して27.14%です。
覚えるポイント
- ROEのデュポン分解:売上高当期純利益率 × 使用総資本回転率 × 財務レバレッジ
- インタレスト・カバレッジ・レシオの分子は「営業利益+受取利息+受取配当金」であること
間違えやすいところ
- インタレスト・カバレッジ・レシオの分子に受取利息・受取配当金を加算し忘れるミス
- デュポン分解の財務レバレッジ(総資産/自己資本)の計算で分母と分子を取り違えるミス
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
使用総資本事業利益率の計算
金融資産運用 · 使用総資本事業利益率 / 財務比率分析 / ROA
《設例》の〈W社・X社の財務データ等〉に基づき、X社の使用総資本事業利益率を求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。
解答・解説を表示
解答
4.38(%)
解説
使用総資本事業利益率は、企業が調達した総資本(総資産)を用いて本業および財務活動全体でどれだけの利益(事業利益)を上げたかを示す収益性指標です。分子の事業利益は「営業利益+受取利息+受取配当金(金融収益)」で求められます。
解き方
- X社の損益計算書項目から、営業利益55,000百万円、受取利息200百万円、受取配当金1,800百万円を合算して事業利益57,000百万円を算出する。
- 貸借対照表の資産の部合計(使用総資本)1,300,000百万円で事業利益を除し、100を乗じてパーセンテージを計算する(57,000÷1,300,000×100≒4.3846%)。
- 条件に従って小数点以下第3位を四捨五入し、4.38%とする。
覚えるポイント
- 事業利益は「営業利益+受取利息・配当金」であり、支払利息を差し引く前の金融収益を加えた利益である点をおさえる。
間違えやすいところ
- 営業外収益全体(5,000百万円)をそのまま加算してしまったり、経常利益や当期純利益を分子として計算を誤るミスに注意する。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令・出題基準
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ポートフォリオの期待収益率と標準偏差
金融資産運用 · ポートフォリオ理論 / 期待収益率 / 標準偏差
《設例》の〈Yファンド・Zファンドの予想収益率〉に基づいて、YファンドとZファンドをそれぞれ6:4の割合で購入した場合の①ポートフォリオの期待収益率と②ポートフォリオの標準偏差を、それぞれ求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。
解答・解説を表示
解答
① 7.80(%) ② 4.07(%)
解説
ポートフォリオの期待収益率は、各資産の期待収益率を組入比率で加重平均して求めます。生起確率が与えられている場合の標準偏差は、各シナリオにおけるポートフォリオ全体の収益率を先に求め、その期待値からの乖離(偏差の2乗×生起確率の総和)により分散を算出し、その平方根を取るのが最も効率的です。
解き方
- 各シナリオにおけるポートフォリオの収益率(シナリオ1:7%、シナリオ2:12%、シナリオ3:1%)を算出し、生起確率(0.4、0.4、0.2)を乗じて加重平均し、期待収益率7.80%を求める。
- 各シナリオの収益率と期待収益率7.80%との差を2乗し、それぞれの生起確率を乗じて合計することで分散16.56(%^2)を算出する。
- 分散の平方根を計算して標準偏差√16.56≒4.0693%を求め、小数点以下第3位を四捨五入して4.07%とする。
答えの内訳
- ①:7.80(%)
- 各ファンドの期待収益率は、Yファンド:15%×0.4+10%×0.4+(-5%)×0.2=9.0%、Zファンド:(-5%)×0.4+15%×0.4+10%×0.2=6.0%です。投資比率が6:4なので、ポートフォリオの期待収益率は9.0%×0.6+6.0%×0.4=7.80%となります(シナリオ別収益率から直接求めても同様に7.80%となります)。
- ②:4.07(%)
- 各シナリオにおけるポートフォリオの収益率は、シナリオ1:15%×0.6+(-5%)×0.4=7%、シナリオ2:10%×0.6+15%×0.4=12%、シナリオ3:(-5%)×0.6+10%×0.4=1%です。期待収益率7.8%との偏差の2乗に生起確率を乗じた分散は、(7-7.8)^2×0.4+(12-7.8)^2×0.4+(1-7.8)^2×0.2=0.256+7.056+9.248=16.56となります。標準偏差は√16.56≒4.0693…%となり、小数点以下第3位を四捨五入して4.07%となります。
覚えるポイント
- シナリオ分析型の標準偏差は、各資産の共分散を計算するよりも、各シナリオのポートフォリオ収益率を求めてから分散を計算する方が手数が少なくミスを防げます。
間違えやすいところ
- ポートフォリオの標準偏差を計算する際に、単純に各ファンドの標準偏差を加重平均してしまう誤りに注意する(相関・共分散を無視してはいけない)。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令・出題基準
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人事業の法人成りにおける税制および設立手続き
タックスプランニング · 法人税率 / 交際費等の損金不算入 / 法人設立届出書 / 青色申告承認申請書
個人事業の法人成りに関する次の文章の空欄①~⑥に入る最も適切な数値を解答しなさい。 Ⅰ 個人事業の場合、通常、利益は事業所得として他の所得と合算して最高45%の超過累進税率による所得税の課税対象となるが、法人に課される法人税は、会社の形態を問わず、原則として比例税率となる。2019年4月1日以後に開始する事業年度において、資本金の額が1億円以下の中小法人(一定の大法人に完全支配されている法人等を除く)に対する法人税の税率は、年800万円以下の所得金額からなる部分の金額については( ① )%とされ、年800万円超の所得金額からなる部分の金額については( ② )%とされる。また、法人成りは、法人と個人の所得分散により、税制面で有利となる場合がある。 他方、個人事業の場合、支出した交際費のうち、業務の遂行上直接必要と認められるものについては、事業所得の金額の計算上、その支出額の全額を必要経費に算入することができるが、法人税においては、損金の額に算入することができる限度額が設けられている。資本金の額が1億円以下の中小法人(一定の大法人に完全支配されている法人等を除く)の場合には、その事業年度において支出した交際費のうち、一定の接待飲食費の額の( ③ )%相当額または年( ④ )万円を限度として損金の額に算入することができる。 Ⅱ 株式会社(内国法人である普通法人)を設立する場合、設立の登記をして初めて法人格を得ることができる。また、設立の日以後( ⑤ )カ月以内に、定款等の写し等を添付した「法人設立届出書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要があり、設立第1期目から青色申告の承認を受けようとする場合には、設立の日以後( ⑥ )カ月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日までに、「青色申告の承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。
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解答
① 15.0(%) ② 23.2(%) ③ 50(%) ④ 800(万円) ⑤ 2(カ月) ⑥ 3(カ月)
解説
個人事業と法人では課税体系が異なり、法人は比例税率、交際費等の損金算入限度、届出期限等の厳格な手続き規定が適用されます。
解き方
- 資本金1億円以下の中小法人における法人税率(年800万円以下15.0%、800万円超23.2%)を確認する。
- 中小法人の交際費の損金算入限度額(接待飲食費の50%または年間800万円の定額控除)を適用する。
- 法人設立時における税務署への各種届出書の提出期限(設立届出書は2カ月以内、青色承認申請書は3カ月以内等)を整理する。
答えの内訳
- ①:15.0(%)
- 中小法人の軽減税率として、年800万円以下の所得金額に対して適用される法人税率は15.0%(本則19%に対する特例税率)です。
- ②:23.2(%)
- 資本金1億円以下の中小法人の年800万円超の所得金額に対する法人税の基本税率は23.2%です。
- ③:50(%)
- 法人の交際費課税において、接待飲食費の50%相当額までを損金算入できる特例が設けられています。
- ④:800(万円)
- 中小法人特例として、年800万円までの定額控除限度額を選択して全額損金算入することができます。
- ⑤:2(カ月)
- 普通法人を設立した際、税務署長への「法人設立届出書」の提出期限は設立の日(設立登記日)以後2カ月以内です。
- ⑥:3(カ月)
- 設立第1期から法人税の青色申告承認を受けようとする場合、設立の日以後3カ月を経過した日と第1期事業年度終了の日のうちいずれか早い日の前日までに提出する必要があります。
覚えるポイント
- 中小法人の法人税率は800万円以下15.0%、800万円超23.2%。
- 法人設立届出書は設立の日以後2カ月以内、青色申告承認申請書は3カ月以内等。
間違えやすいところ
- 個人の青色申告承認申請期限(設立・開業後2カ月以内)と法人の提出期限(設立後3カ月以内等)を混同しないように注意する。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人事業主の事業所得の金額の計算
タックスプランニング · 事業所得 / 売上原価の計算 / 減価償却費(定額法) / 青色申告特別控除
Aさんの2019年分の事業所得の金額を求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は円単位とすること。なお、Aさんは、正規の簿記の原則(複式簿記)に従って記帳し、それに基づき作成した貸借対照表および損益計算書等を確定申告書に添付して、確定申告期限内に提出するものとし、事業所得の金額の計算上、青色申告特別控除額を控除すること。 〈資料〉 ・売上高:9,960万円 ・売上値引および返品高:14万円 ・仕入高:7,500万円 ・年初商品棚卸高:710万円、年末商品棚卸高:745万円 ・必要経費(青色専従者給与を含み、売上原価および減価償却費を含まない):690万円 ・2019年7月12日取得・事業供用した事業用車両:48万円(耐用年数4年、定額法償却率0.25、定率法0.5。個人の法定償却方法は定額法)
解答・解説を表示
解答
17,200,000(円)
解説
事業所得の金額は、「総収入金額-必要経費-青色申告特別控除額(最高65万円)」により算出します。個人の減価償却の法定償却方法は定額法であり、年中取得は月割計算を行います。
解き方
- 純売上高を計算する:9,960万円 - 14万円 = 9,946万円(99,460,000円)。
- 売上原価を計算する:年初棚卸高 710万円 + 当期仕入高 7,500万円 - 年末棚卸高 745万円 = 7,465万円(74,650,000円)。
- 車両の減価償却費を計算する:個人の法定償却方法は定額法であるため、480,000円 × 0.25 × 6/12(7月~12月の6カ月) = 60,000円。
- 青色申告特別控除前の所得金額を計算する:99,460,000円 - (6,900,000円 + 74,650,000円 + 60,000円) = 17,850,000円。
- 複式簿記等の要件を満たした青色申告特別控除(65万円)を控除する:17,850,000円 - 650,000円 = 17,200,000円。
覚えるポイント
- 個人の減価償却の法定償却方法は「定額法」(届出をしていない場合)。
- 年の中途で取得した資産の減価償却費は月割計算(1カ月未満の端数は1カ月とする)。
- 売上原価=期首(年初)棚卸高+当期仕入高-期末(年末)棚卸高。
間違えやすいところ
- 法人の法定償却方法(定率法)と混同して定率法0.5を掛けてしまうミスに注意する。
- 7月12日取得の減価償却期間を6カ月(7月~12月)ではなく日割り等で計算しないよう注意する。
- 青色申告特別控除の控除を失念しないこと。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総所得金額および所得税・復興特別所得税の申告納税額の計算
タックスプランニング · 総所得金額 / 損益通算 / 配当控除 / 復興特別所得税 / 源泉徴収税額
前問《問58》の事業所得の計算結果を踏まえ、Aさんの2019年分の所得税および復興特別所得税の申告納税額の計算表における空欄①~⑥に入る数値を求めなさい。なお、所得控除の額の合計額は4,000,000円、配当控除の適用を受けるものとし、空欄⑥については100円未満を切り捨てること。
解答・解説を表示
解答
① 17,900,000(円)、② 3,051,000(円)、③ 30,000(円)、④ 63,441(円)、⑤ 122,520(円)、⑥ 2,961,900(円)
解説
各種所得の金額を計算した上で総所得金額を算出し、所得控除を差し引いて課税総所得金額を求めます。税額算出後に配当控除を差し引き、基準所得税額に2.1%を乗じて復興特別所得税額を計算し、納付済みの源泉徴収税額を控除して最終的な申告納税額を確定します。
解き方
- 不動産所得の赤字における土地負債利子の損益通算除外ルールおよび一時所得の1/2課税を適用して総所得金額(①)を算出する。
- 課税総所得金額(総所得金額-所得控除400万円)を求め、所得税の速算表を適用して所得税額(②)を計算する。
- 課税総所得金額1,000万円超の部分に対する配当控除率5%を適用して配当控除額(③)を求め、差引所得税額に2.1%を乗じて復興特別所得税額(④)を計算する。
- 非上場株式配当の源泉税率20.42%を用いて源泉徴収税額(⑤)を算出し、差引後の申告納税額から100円未満を切り捨てて(⑥)を求める。
答えの内訳
- ①:17,900,000(円)
- 事業所得17,200,000円。不動産所得は収入720万円-経費750万円=▲30万円の損失ですが、土地取得に係る負債利子42万円が含まれており、生じた損失のうち土地利子相当額(30万円)は損益通算の対象外(ないものとみなす)となるため不動産所得は0円です。配当所得は非上場株式配当の60万円。一時所得は解約返戻金370万円-払込保険料300万円-特別控除50万円=20万円の1/2である10万円となります。よって総所得金額は17,200,000+0+600,000+100,000=17,900,000円です。
- ②:3,051,000(円)
- 課税総所得金額(c)は、総所得金額17,900,000円-所得控除4,000,000円=13,900,000円です。速算表より「900万円超1,800万円以下」の区分(税率33%、控除額1,536,000円)が適用されるため、13,900,000円×33%-1,536,000円=3,051,000円となります。
- ③:30,000(円)
- 課税総所得金額が1,000万円を超えており、配当所得(60万円)は全額が1,000万円超の部分に位置するため、配当控除率は5%が適用されます。よって配当控除額は、配当所得600,000円×5%=30,000円です。
- ④:63,441(円)
- 差引所得税額(f)は、算出税額3,051,000円-配当控除30,000円=3,021,000円です。復興特別所得税額(g)は、基準所得税額3,021,000円×2.1%=63,441円となります。
- ⑤:122,520(円)
- 非上場株式の配当金に係る源泉徴収税率は20.42%(所得税20%+復興特別所得税0.42%)です。配当金額600,000円×20.42%=122,520円が源泉徴収税額となります。
- ⑥:2,961,900(円)
- 所得税及び復興特別所得税の額(h)は、3,021,000円+63,441円=3,084,441円です。ここから源泉徴収税額122,520円を差し引くと、3,084,441円-122,520円=2,961,921円となり、100円未満を切り捨てて2,961,900円となります。
覚えるポイント
- 不動産所得の赤字のうち土地取得に係る負債利子相当額は損益通算の対象外(なかったものとみなす)となる点。
- 課税総所得金額が1,000万円を超える場合の配当控除率は、1,000万円超の構成部分について5%(通常の半分)となる点。
間違えやすいところ
- 不動産所得の損失▲30万円を全額事業所得から差し引いてしまい、総所得金額を誤るミス。
- 非上場株式配当の源泉徴収税率(20.42%)ではなく上場株式等の税率(15.315%等)と混同するミス。
- 申告納税額の算出における100円未満切り捨ての端数処理を忘れるミス。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の税法基準
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
用途地域の制限およびサービス付き高齢者向け住宅の登録基準・優遇措置
不動産 · 用途地域 / 敷地がまたがる場合の用途規制 / サービス付き高齢者向け住宅 / 高齢者住まい法 / 登録基準
建築物の用途制限および「高齢者の居住の安定確保に関する法律」に基づく「サービス付き高齢者向け住宅」の概要に関する文章中の空欄①~⑧に入る適切な語句または数値を答えなさい。
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解答
① 13(種類)、② 第二種住居(地域)、③ 25(㎡)、④ バリアフリー(構造)、⑤ 生活相談(サービス)、⑥ 5(年)、⑦ 10(%)、⑧ 5(年間)
解説
都市計画法上の用途地域は計13種類あり、敷地が複数地域にまたがる場合の建築物の用途制限は敷地の過半が属する地域が適用されます。高齢者住まい法によるサービス付き高齢者向け住宅は、床面積25㎡以上、バリアフリー構造、安否確認・生活相談サービスの提供、5年ごとの登録更新など厳格な基準のもと、補助金や税制優遇が設けられています。
解き方
- 都市計画法における現行の用途地域総数(13種類)を確認する。
- 甲土地・乙土地の面積按分から過半を占める用途地域(第二種住居地域)を特定し、用途制限の適用区分を判定する。
- 高齢者住まい法に基づくサ高住の登録基準(床面積25㎡、バリアフリー構造、生活相談サービス、登録有効期間5年)を整理する。
- サ高住の新築に係る国の補助率(10%)および固定資産税の減額期間(5年間)を適用する。
答えの内訳
- ①:13(種類)
- 都市計画法に規定される用途地域は、2018年に田園住居地域が新設されたことにより、住居系8種類、商業系2種類、工業系3種類の合計13種類となっています。
- ②:第二種住居(地域)
- 建築基準法第91条により、建築物の敷地が異なる用途地域にまたがる場合、その敷地の過半が属する地域の用途規制が敷地全体に適用されます。本問では甲・乙合計700㎡のうち560㎡(80%)が第二種住居地域に属するため、第二種住居地域の規定が適用されます。
- ③:25(㎡)
- サービス付き高齢者向け住宅の新築登録基準において、各居住部分の床面積は原則として25㎡以上(十分な共用スペースを確保する場合は18㎡以上)と定められています。
- ④:バリアフリー(構造)
- サービス付き高齢者向け住宅の建物構造は、段差のない床や手すりの設置、適切な廊下幅の確保など、高齢者の居住に適したバリアフリー構造であることが登録要件とされています。
- ⑤:生活相談(サービス)
- サービス付き高齢者向け住宅では、ケアの専門家が日中常駐し、少なくとも「状況把握(安否確認)サービス」および「生活相談サービス」の2つの必須サービスを提供することが求められます。
- ⑥:5(年)
- 高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づき、サービス付き高齢者向け住宅の事業者の登録は5年ごとの更新制と定められています。
- ⑦:10(%)
- 国によるサービス付き高齢者向け住宅の整備費補助制度において、新築住宅の建設工事費等に対する補助率は原則として所定の工事費用の10%(一戸当たりの限度額あり)とされています。
- ⑧:5(年間)
- 所定の要件を満たすサービス付き高齢者向け住宅を新築した場合、固定資産税の減額措置が講じられ、新築後5年間にわたり税額が軽減(自治体に応じて税額の2/3または1/2等を減額)されます。
覚えるポイント
- 用途地域が複数にまたがる場合、用途制限は「敷地の過半の地域」、建蔽率・容積率は「加重平均(按分)」となるルールの違い。
- サービス付き高齢者向け住宅の必須サービスは「状況把握(安否確認)」と「生活相談」の2点。
間違えやすいところ
- 田園住居地域を含めずに用途地域を12種類と解答してしまうミス。
- 用途制限の適用判定において、建蔽率・容積率のように按分計算してしまうミス。
- サ高住の必須サービスとして「介護サービス」や「食事提供サービス」を挙げてしまうミス(これらは必須要件ではない)。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の都市計画法・建築基準法・高齢者住まい法基準
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
複数用途地域にまたがる土地の建築面積および延べ面積の上限計算
不動産 · 建蔽率の緩和 / 容積率の前面道路幅員制限 / 用途地域にまたがる敷地
甲土地(550㎡:第一種住居地域110㎡、第二種住居地域440㎡)と乙土地(150㎡:第一種住居地域30㎡、第二種住居地域120㎡、特定行政庁指定角地)を一体とした土地(合計700㎡、準防火地域)の上に耐火建築物を建築する場合における、①建蔽率の上限となる建築面積、および②容積率の上限となる延べ面積を求めなさい。
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解答
① 546㎡、② 1,624㎡
解説
建築基準法において、敷地が複数の用途地域にまたがる場合、建築面積および延べ面積の限度は地域ごとの面積にそれぞれの適用建蔽率・適用容積率を乗じて算出した数値を合計(加重平均)して求めます。また、2つ以上の道路に接する場合は最も広い道路の幅員が前面道路幅員制限に用いられます。
解き方
- 甲土地と乙土地を一体利用した際の地域別の敷地面積(第一種住居地域:110+30=140㎡、第二種住居地域:440+120=560㎡)を算出する。
- 耐火建築物緩和(+10%)および角地緩和(+10%)を地域ごとの指定建蔽率に加算し、それぞれの建築面積の上限を計算して合計する。
- 前面道路幅員(広い方の6m)に法定乗数(4/10)を乗じた容積率限度(240%)と各地域の指定容積率を比較し、小さい方を適用して延べ面積の上限を計算・合計する。
答えの内訳
- ①:546㎡
- 敷地全体が「準防火地域内の耐火建築物(+10%)」かつ「特定行政庁が指定する角地(+10%)」に該当するため、建蔽率は両地域とも指定建蔽率にそれぞれ20%が加算されます。第一種住居地域部分(敷地面積140㎡)の適用建蔽率は50%+20%=70%となり、建築面積上限は140㎡×70%=98㎡です。第二種住居地域部分(敷地面積560㎡)の適用建蔽率は60%+20%=80%となり、建築面積上限は560㎡×80%=448㎡です。合計の建築面積上限は98㎡+448㎡=546㎡となります。
- ②:1,624㎡
- 敷地が幅員5m道路と幅員6m道路に接しているため、広い方の前面道路幅員6mが基準となります。住居系地域の前面道路幅員制限の法定乗数は4/10であるため、道路幅員制限による容積率は6m×(4/10)=240%です。第一種住居地域部分(140㎡)は指定容積率200%<240%より200%が適用され、140㎡×200%=280㎡となります。第二種住居地域部分(560㎡)は道路幅員制限240%<指定容積率300%より240%が適用され、560㎡×240%=1,344㎡となります。合計の延べ面積上限は280㎡+1,344㎡=1,624㎡となります。
覚えるポイント
- 準防火地域内の耐火建築物または準耐火建築物は建蔽率が10%緩和される。
- 前面道路が2つ以上ある場合、最も広い幅員の道路を基準として幅員制限を計算する。
間違えやすいところ
- 角地緩和が乙土地だけでなく一体利用した敷地全体に適用されることを見落とす誤り。
- 前面道路幅員制限の比較において指定容積率より大きい数値を誤って適用してしまう計算ミス。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の建築基準法
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
居住用財産の譲渡所得(取得費加算・3,000万円特別控除・軽減税率)の税額計算
不動産 · 相続税の取得費加算の特例 / 居住用財産譲渡の3,000万円特別控除 / 居住用財産の軽減税率の特例
Aさんが自宅(建物:譲渡価額200万円)および甲土地(譲渡価額8,000万円)を譲渡費用250万円で譲渡し、取得費不明のため概算取得費を適用したうえで、「相続税の取得費加算の特例」「居住用財産の3,000万円特別控除」「長期譲渡所得の軽減税率の特例」の適用を受けた場合における、①課税長期譲渡所得金額、②所得税および復興特別所得税の合計額、③住民税額をそれぞれ求めなさい(100円未満切捨て)。
解答・解説を表示
解答
① 41,400,000円、② 4,226,900円、③ 1,656,000円
解説
相続により取得した居住用財産を一定期間内に譲渡した場合、相続税の取得費加算の特例と居住用財産の3,000万円特別控除は重複適用が認められています。また、所有期間10年超の要件を満たす場合は居住用財産の軽減税率の特例(6,000万円以下の部分につき所得税10%、住民税4%)を重ねて適用できます。
解き方
- 譲渡価額合計(8,200万円)から概算取得費(5%=410万円)を算出する。
- 取得費加算額の計算式[納付相続税額×譲渡財産の相続税評価額÷(相続税課税価格+債務控除額)]により加算額(400万円)を計算する。
- 譲渡価額から取得費・加算額・譲渡費用を差し引き、3,000万円特別控除を控除して課税長期譲渡所得金額(41,400,000円)を算出する。
- 課税長期譲渡所得金額に軽減税率(所得税10%+復興特別所得税2.1%、住民税4%)を乗じ、端数処理を行って税額を求める。
答えの内訳
- ①:41,400,000円
- 譲渡価額の合計は200万円+8,000万円=8,200万円です。概算取得費は8,200万円×5%=410万円となります。相続税の取得費加算額は、納付相続税額800万円×(譲渡資産の相続税評価額400万円+4,000万円)÷(相続税の課税価格8,600万円+債務控除額200万円)=800万円×(4,400万円÷8,800万円)=400万円です。課税長期譲渡所得金額は、8,200万円-(概算取得費410万円+取得費加算額400万円+譲渡費用250万円)-特別控除3,000万円=4,140万円(41,400,000円)となります。
- ②:4,226,900円
- 所有期間10年超の居住用財産に対する軽減税率の特例により、課税長期譲渡所得金額6,000万円以下の部分に対する所得税率は10%です。基準所得税額は41,400,000円×10%=4,140,000円となります。復興特別所得税額は4,140,000円×2.1%=86,940円です。合計額は4,140,000円+86,940円=4,226,940円となり、100円未満を切り捨てて4,226,900円となります。
- ③:1,656,000円
- 所有期間10年超の居住用財産の軽減税率の特例により、課税長期譲渡所得金額6,000万円以下の部分に対する住民税率は4%(通常5%)となります。したがって、住民税額は41,400,000円×4%=1,656,000円となります。
覚えるポイント
- 相続税の取得費加算の按分計算における分母は「相続税の課税価格+債務控除額」である。
- 居住用財産の軽減税率は課税長期譲渡所得6,000万円以下の部分について所得税10%・住民税4%となる。
間違えやすいところ
- 取得費加算の計算の分母で債務控除額(200万円)を加算し忘れて課税価格のみにしてしまう誤り。
- 相続登記関係費用(35万円)を取得費や譲渡費用に合算してしまう誤り(概算取得費適用時は含めない)。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の租税特別措置法および所得税法
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
非上場株式の評価(類似業種比準価額の計算)
相続・事業承継 · 取引相場のない株式の評価 / 類似業種比準方式 / 中会社の評価
非上場会社であるX社株式について、《設例》の資料に基づき、1株当たりの類似業種比準価額を計算しなさい。なお、端数処理は各要素別比準割合および比準割合は小数点第2位未満を切り捨て、1株当たりの資本金等の額50円当たりの類似業種比準価額は10銭未満を切り捨て、X社株式の1株当たりの類似業種比準価額は円未満を切り捨てること。また、複数の方法がある場合は最も低い価額となる方法を選択すること。
解答・解説を表示
解答
1,777円
解説
類似業種比準方式では、類似業種の株価に「配当」「利益」「純資産(簿価)」の3要素の比準割合と会社の規模に応じた斟酌割合を乗じ、自社の1株当たりの資本金等の額に合わせて換算して算出します。
解き方
- 1株当たりの資本金等の額を算出します。資本金等の額6,000万円÷発行済株式総数120,000株=500円となります。
- 類似業種株価は選択肢(課税時期の属する月289円、前月280円、前々月266円、前年平均259円、2年間平均251円)のうち最も低い251円を採用します。
- 比準要素(配当:5.0/4.1=1.219…→1.21、利益:26/22=1.181…→1.18、純資産:280/239=1.171…→1.17)の合計を3で除し、比準割合を計算します。(1.21+1.18+1.17)÷3=1.186…→1.18(小数点第2位未満切捨て)。
- 規模区分が「中会社の中」であるため斟酌割合は0.6を適用し、50円当たりの価額を求めます。251円×1.18×0.6=177.708円→177.7円(10銭未満切捨て)。
- 1株(500円)当たりの類似業種比準価額を算出します。177.7円×(500円/50円)=1,777円(円未満切捨て)。
覚えるポイント
- 中会社の斟酌割合は0.6(大会社は0.7、小会社は0.5)となります。
- 類似業種株価は前月、前々月、前年平均、過去2年間平均等のうち最も低い額を選択できます。
間違えやすいところ
- 比準割合の端数処理(小数点第2位未満切捨て)と50円当たり比準価額の端数処理(10銭未満切捨て)を取り違えないように注意が必要です。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等(財産評価基本通達)
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
非上場株式の評価(純資産価額および併用方式による価額の計算)
相続・事業承継 · 取引相場のない株式の評価 / 純資産価額方式 / 併用方式 / 中会社の評価
非上場会社であるX社株式について、《設例》の資料に基づき、①1株当たりの純資産価額および②類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式による価額をそれぞれ求めなさい。なお、円未満は切り捨てて円単位とすること。
解答・解説を表示
解答
① 3,120円、② 2,112円
解説
中会社の株式評価では、類似業種比準価額と純資産価額を会社の規模に応じた比率(L値)で按分する併用方式が原則的評価方法とされます。また、純資産価額の計算では評価差額に対する法人税等相当額(37%)を控除します。
解き方
- ①純資産価額の計算:相続税評価額による純資産額は資産合計71,000万円-負債合計31,300万円=39,700万円。帳簿価額による純資産額は資産合計64,900万円-負債合計31,300万円=33,600万円。含み益(評価差額)は39,700万円-33,600万円=6,100万円。
- 法人税等相当額は6,100万円×37%=2,257万円。差引純資産額は39,700万円-2,257万円=37,443万円。1株当たり純資産価額は37,443万円÷120,000株=3,120.25円→3,120円(円未満切捨て)。
- ②併用方式による価額の計算:「中会社の中」のL値は0.75であるため、併用方式の算式(類似業種比準価額×L+純資産価額×(1-L))に代入します。
- 1,777円×0.75+3,120円×(1-0.75)=1,332.75円+780円=2,112.75円→2,112円(円未満切捨て)。
小問ごとの答え
- 小問 ①:3,120円
- 相続税評価額による純資産額39,700万円から含み益に対する法人税等相当額2,257万円を控除した37,443万円を発行済株式数120,000株で除し、円未満を切り捨てて3,120円となります。
- 小問 ②:2,112円
- 「中会社の中」の類似業種比準割合Lは0.75となるため、1,777円×0.75+3,120円×(1-0.75)=1,332.75円+780円=2,112.75円となり、円未満切り捨てで2,112円となります。
覚えるポイント
- 評価差額に対する法人税等相当額の控除率は37%です。
- 中会社のL値は規模区分によって異なり、大=0.90、中=0.75、小=0.60となります。
間違えやすいところ
- 中会社の中におけるL値を0.60や0.90と取り違えないよう、規模区分に応じた数値を正確に適用する必要があります。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等(財産評価基本通達)
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
非上場株式の評価額引き下げ策および小規模宅地等の特例
相続・事業承継 · 取引相場のない株式の純資産価額方式 / 小規模宅地等の特例(特定同族会社事業用宅地等) / 使用貸借による土地の相続税評価
X社株式の評価額を引き下げる方策やX社本社建物の敷地の取扱いに関する以下の文章ⅠおよびⅡの下線部①~③のうち、最も不適切なものをそれぞれ1つ選び、その適切な内容について簡潔に説明しなさい。 〈X社株式の評価額を引き下げる方策〉 Ⅰ 類似業種比準価額については、配当を比準要素の1つとしているため、配当を低く抑えることで当該価額を引き下げることができる。また、X社が、①記念配当や特別配当などの非経常的な配当をした場合にも、類似業種比準価額を引き下げる効果が期待できる。 純資産価額については、課税時期においてX社が有する資産を相続税評価額により評価して算出するため、相続税評価額が時価よりも低い資産を購入することにより引き下げる効果が期待できる。ただし、②純資産価額の計算上、課税時期前5年以内に取得等した土地や建物については、原則として通常の取引価額で評価することになる。 また、Aさんの勇退時、X社の内部留保を原資として、③Aさんに適正な役員退職金を支払うことで、X社の利益および純資産の額が引き下がり、類似業種比準価額や純資産価額を引き下げる効果が期待できる。 〈X社本社建物の敷地の取扱い〉 Ⅱ 仮に、Aさんが現時点(2020年1月26日)において死亡して相続が開始した場合、①相続税の課税価格の計算上、Aさんが所有しているX社本社建物の敷地の評価額は、自用地評価額となる。 また、Aさんの相続により長男Cさんが当該敷地を取得し、相続税の申告期限まで保有する場合、②当該敷地は、特定同族会社事業用宅地等として「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けることができる。 なお、相続により取得した土地が特定同族会社事業用宅地等に該当し、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けた場合、③相続税の課税価格の計算上、400㎡を限度面積として評価額の80%を減額することができる。
解答・解説を表示
解答
Ⅰ:下線部②(適切な内容:課税時期前3年以内に取得等した土地や建物については、原則として通常の取引価額で評価することになる。) Ⅱ:下線部②(適切な内容:当該敷地は、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けることができない。)
解説
非上場株式の評価引き下げ対策では、純資産価額における駆け込み取得防止措置(3年以内の土地建物の取引価額評価)を理解する必要があります。また、同族会社に貸し付けている敷地について小規模宅地等の特例を適用するには、適正な賃貸借関係が必要であり、使用貸借の場合は特例の適用対象外となる点に留意します。
解き方
- 文章Ⅰについて、類似業種比準価額や純資産価額の計算ルールを確認し、純資産価額方式における土地建物の取得時期制限(3年以内)と記述の年数(5年)を比較して誤り(下線部②)を特定する。
- 文章Ⅱについて、設例の土地貸付条件(地代無償の使用貸借)を確認し、特定同族会社事業用宅地等に求められる対価性要件(有償賃貸借)を満たさないため特例適用不可である点から誤り(下線部②)を特定する。
答えの内訳
- Ⅰ:下線部②(適切な内容:課税時期前3年以内に取得等した土地や建物については、原則として通常の取引価額で評価することになる。)
- 取引相場のない株式の純資産価額の計算において、課税時期前3年以内に取得等した土地や建物等については、相続税評価額(路線価や固定資産税評価額)ではなく、課税時期における通常の取引価額(帳簿価額等)によって評価することとされています。したがって「5年以内」としている下線部②が不適切です。
- Ⅱ:下線部②(適切な内容:当該敷地は、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けることができない。)
- 小規模宅地等の特例における「特定同族会社事業用宅地等」の適用を受けるためには、同族会社に対して相当の対価を得て土地を貸し付けている(賃貸借契約が成立している)必要があります。設例のように地代を収受していない無償の使用貸借契約である場合、特定同族会社事業用宅地等としての特例の適用を受けることはできません。したがって下線部②が不適切です。
覚えるポイント
- 純資産価額方式における駆け込み取得防止措置の対象期間は「課税時期前3年以内」である。
- 同族会社が使用する敷地でも、使用貸借(無償)の場合は小規模宅地等の特例の対象外となる。
間違えやすいところ
- 特定同族会社事業用宅地等は親族が役員であれば無条件に適用できると誤解し、有償(賃貸借)要件を見落とす。
- 純資産価額算定での土地建物の取得期間制限を5年(生前贈与加算や他の税制特例の年数など)と混同する。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等(財産評価基本通達185、租税特別措置法第69条の4)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2020年1月 1級 学科(応用編)
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2020年1月 1級 学科(応用編)の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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