日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2020年1月 1級 学科(基礎編)の概要
健康保険の被扶養者の認定要件
ライフプランニングと資金計画 · 健康保険 / 被扶養者
全国健康保険協会管掌健康保険において、主として被保険者により生計を維持している親族(後期高齢者医療制度の被保険者等ではない)に関する記述(a)〜(c)のうち、被扶養者の範囲に含まれるものの個数として、最も適切なものはどれか。 (a) 被保険者と同一世帯に属する被保険者の孫(28歳)で、年間収入が120万円のアルバイト収入のみであり、被保険者の年間収入の2分の1未満である者 (b) 被保険者と同一世帯に属する被保険者の配偶者の父(68歳)で、年間収入が160万円の公的年金のみであり、被保険者の年間収入の2分の1未満である者 (c) 被保険者と同一世帯に属していないが仕送りを受けている被保険者の妹(21歳)で、収入のない大学生である者
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解答
3
解説
健康保険の被扶養者となるためには、被保険者の三親等内の親族であること、年間収入要件(60歳未満は130万円未満、60歳以上・障害者は180万円未満かつ被保険者の年収の2分の1未満)を満たすこと、および同居が必要とされる親族区分(義父母等の直系尊属以外の姻族など)に該当しないか同居していることが求められます。
解き方
- (a)の孫について確認する。孫は直系卑属のため別居でも可能だが同一世帯であり、28歳で年収120万円(130万円未満かつ被保険者の1/2未満)のため被扶養者要件を満たす。
- (b)の配偶者の父(義父)について確認する。配偶者の父母は同一世帯(同居)が必須条件であり、これを満たす。さらに68歳(60歳以上)で年収160万円(180万円未満かつ被保険者の1/2未満)のため要件を満たす。
- (c)の妹について確認する。妹(兄弟姉妹)は同居要件がなく別居でも仕送りによる生計維持があれば認められ、無収入の学生のため要件を満たす。
- したがって、(a)・(b)・(c)のすべてが被扶養者の範囲に含まれるため、該当するものは3つである。
- 選択肢 1不正解
- 該当する親族は1つだけではなく、(a)・(b)・(c)の3つすべてが要件を満たします。
- 選択肢 2不正解
- 該当する親族は2つだけではなく、(a)・(b)・(c)の3つすべてが該当します。
- 選択肢 3正解
- (a)の孫、(b)の義父、(c)の妹はいずれも親族要件・同居要件・年収要件を満たしており、3つすべて該当するため正しいです。
- 選択肢 4不正解
- すべての事例が被扶養者の要件を満たしているため、「0(なし)」とするのは誤りです。
覚えるポイント
- 直系尊属・配偶者・子・孫・兄弟姉妹は別居でも仕送り等で生計維持されていれば被扶養者になれる(兄弟姉妹の同居要件は法改正により撤廃済み)。
- 義父母などの姻族は同一世帯(同居)が必須要件である。
間違えやすいところ
- 配偶者の父母(義理の両親)は同居が必須であることを失念しやすい。
- 60歳以上または障害者の年収上限は130万円ではなく180万円未満であることを見落としやすい。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の健康保険法および関連通達に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
健康保険の高額療養費制度
ライフプランニングと資金計画 · 健康保険 / 高額療養費 / 自己負担限度額
全国健康保険協会管掌健康保険の高額療養費に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、被保険者および被扶養者は70歳未満とする。
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解答
3
解説
高額療養費制度では、同一月内の自己負担額が限度額を超えた場合にその超過額が支給されます。70歳未満の場合、同一人が同一月内に同一医療機関(医科・歯科別、入院・外来別)で支払った2万1,000円以上の窓口負担を合算できます。また、院外処方による調剤負担は処方元の医療機関と合算して算定します。
解き方
- 選択肢1・2について、70歳未満の世帯合算基準が同一月・医療機関ごと(医科歯科別、入院外来別)で2万1,000円以上であることを確認する。
- 選択肢3について、食事療養費・差額ベッド代・保険外診療は対象外であるが、医師の指示による院外処方調剤の自己負担金は高額療養費の対象となることを確認し、誤りを判定する。
- 選択肢4について、直近12カ月以内に3回以上高額療養費に該当している場合の「多数回該当」の適用ルールが適切であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 70歳未満の合算対象となる自己負担額は、1つの医療機関ごとに同一月内で2万1,000円以上と定められています。
- 選択肢 2不正解
- 高額療養費の一部負担金は、同一の医療機関であっても医科と歯科、入院と外来を分けて別個に計算します。
- 選択肢 3正解
- 入院時食事代や差額ベッド代は対象外ですが、院外処方せんにより調剤薬局で支払った薬剤費の一部負担金は高額療養費の算定対象に含まれます。
- 選択肢 4不正解
- 過去12カ月間に同一保険者で3回以上高額療養費の支給を受けている場合、4回目以降は多数回該当として自己負担限度額が引き下げられます。
覚えるポイント
- 70歳未満の世帯合算基準額は2万1,000円以上。
- 院外処方の調剤費用は、処方せんを発行した医療機関の外来分と合算して計算する。
間違えやすいところ
- 院外処方薬局の費用も保険適用の一部負担金であるため、全額対象外と混同しないようにする。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の健康保険法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
雇用保険の基本手当
ライフプランニングと資金計画 · 雇用保険 / 基本手当 / 所定給付日数
雇用保険の基本手当に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
雇用保険の一般離職者の基本手当受給要件は、離職前2年間に被保険者期間が「通算して」12カ月以上あることです。失業の認定は原則4週間に1回行われます。定年退職等による受給期間延長は「最長1年」加算(受給期間全体で最長2年)です。一般受給資格者の所定給付日数は年齢区分がなく算定基礎期間のみで決まります。
解き方
- 選択肢1を検証する。被保険者期間は「継続して」ではなく「通算して」12カ月以上であるため誤り。
- 選択肢2を検証する。失業の認定日は原則として「4週間に1回」であるため誤り。
- 選択肢3を検証する。定年退職等による休養のための受給期間延長は、本来の1年に最大1年を加えた「最長2年間」であるため誤り。
- 選択肢4を検証する。一般離職者の所定給付日数は年齢不問で、10年未満=90日、10年以上20年未満=120日、20年以上=150日であり正しい。
- 選択肢 1不正解
- 被保険者期間は離職前2年間に「継続して」ではなく「通算して」12カ月以上あることが要件です。
- 選択肢 2不正解
- 公共職業安定所による失業の認定は、原則として「4週間に1回」行われます。
- 選択肢 3不正解
- 60歳以上の定年退職等に伴う受給期間の延長は、本来の受給期間1年に最長1年を加えるため、最長で「2年間」です。
- 選択肢 4正解
- 一般離職者の所定給付日数は年齢にかかわらず、被保険者期間10年未満は90日、10年以上20年未満は120日、20年以上は150日と定められています。
覚えるポイント
- 一般離職者の所定給付日数は年齢区分がなく、10年未満(90日)・10〜20年(120日)・20年以上(150日)の3区分。
- 定年退職等の受給期間延長は最長1年延長(計2年間)。
間違えやすいところ
- 特定受給資格者(倒産・解雇等)と一般離職者の所定給付日数の決定基準(年齢区分の有無)を混同しないように注意する。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の雇用保険法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金の保険料免除と給付の仕組み
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金 / 産前産後免除 / 合算対象期間 / 繰下げ支給
国民年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
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解答
1
解説
国民年金第1号被保険者の産前産後免除期間は、原則として出産予定月(または出産月)の前月から4カ月間です(免除期間も保険料納付済期間として年金額に全額反映)。第2号被保険者期間のうち20歳未満・60歳以後は受給資格期間の合算対象期間となります。また、障害年金受給中は老齢基礎年金の振替加算部分は支給停止されます。
解き方
- 選択肢1の産前産後免除期間を確認する。原則は出産予定月の「前月から4カ月間」であるため、前月から6カ月間という記述は誤り。
- 選択肢2を確認する。厚生年金加入期間であっても20歳未満および60歳以後の期間は、老齢基礎年金の受給資格期間上、合算対象期間(カラ期間)となるため適切。
- 選択肢3を確認する。障害給付を受給できる期間中は老齢基礎年金の振替加算は支給停止となるため適切。
- 選択肢4を確認する。65歳から70歳まで請求せず据え置いた場合、過去5年分の本来受給額を一括受給するか、70歳時点での繰下げ請求(増額受給)にするか選択可能であるため適切。
- 選択肢 1正解
- 産前産後期間の免除期間は、出産予定日または出産日の属する月の「前月から4カ月間」(多胎妊娠の場合は3カ月前から6カ月間)です。
- 選択肢 2不正解
- 20歳未満および60歳以後の第2号被保険者期間は、老齢基礎年金の計算基礎には含まれませんが、受給資格期間としては合算対象期間(カラ期間)になります。
- 選択肢 3不正解
- 障害基礎年金や障害厚生年金等の受給権を有している期間中は、老齢基礎年金に加算される振替加算部分は支給停止されます。
- 選択肢 4不正解
- 70歳到達時に請求する場合、65歳に遡って過去5年分を一括受給するか、70歳時点での繰下げ受給を選択することができます。
覚えるポイント
- 産前産後免除は単胎なら前月〜翌々月の4カ月間、多胎なら3カ月前〜翌々月の6カ月間。
- 産前産後免除期間は保険料納付済期間として扱われ、老齢基礎年金額に満額反映される。
間違えやすいところ
- 多胎妊娠の特例期間(6カ月)と単胎妊娠の原則期間(4カ月)を取り違えないように注意する。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の国民年金法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金制度の障害給付
ライフプランニングと資金計画 · 障害基礎年金 / 障害厚生年金 / 加給年金
公的年金制度の障害給付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、ほかに必要とされる要件等は満たしているものとする。
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解答
4
解説
障害厚生年金(1・2級)の配偶者加給年金は、受給権取得後に婚姻した配偶者であっても要件を満たせば加算対象となります(事後加算が認められています)。初診日要件については、初診日に被保険者であれば障害認定日に退職して被保険者でなくなっていても障害厚生年金の受給が可能です。また、障害厚生年金の計算基礎月数は障害認定日の属する月までの期間で計算されます。
解き方
- 選択肢1を確認する。20歳前傷病による障害基礎年金の要件(20歳到達時に1・2級)として適切。
- 選択肢2を確認する。初診日に厚生年金被保険者であれば、障害認定日に被保険者資格を喪失していても障害厚生年金の対象となるため適切。
- 選択肢3を確認する。障害厚生年金額の算定対象月数は障害認定日の属する月までであり、それ以後の被保険者期間は算入されないため適切。
- 選択肢4を確認する。受給権取得後に生計維持関係が生じた配偶者についても届出により加給年金が加算されるため、誤りと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 20歳前に初診日がある傷病により、20歳到達時(または20歳以後の認定日)に1級・2級の状態にある場合、20歳前傷病による障害基礎年金が支給されます。
- 選択肢 2不正解
- 障害年金は初診日に加入していた制度から支給されるため、認定日時点で被保険者資格を喪失していても障害厚生年金を受給できます。
- 選択肢 3不正解
- 障害厚生年金の額の計算において、障害認定日の属する月より後の被保険者期間は計算の基礎に含まれません。
- 選択肢 4正解
- 障害厚生年金の受給権取得後に婚姻した場合であっても、所定の要件を満たす配偶者を有することとなったときは、加給年金の加算対象となります。
覚えるポイント
- 障害厚生年金の配偶者加給年金は、受給権取得後の婚姻であっても加算対象になる(老齢厚生年金とは異なり事後取得が認められる)。
- 障害年金の計算基礎月数は「障害認定日の属する月」まで。
間違えやすいところ
- 老齢厚生年金の加給年金(原則として受給権取得時の生計維持要件)と障害厚生年金の加給年金(受給権取得後の婚姻も加算対象)の違いを混同しやすい。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の国民年金法および厚生年金保険法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅金融支援機構のフラット35の商品性
ライフプランニングと資金計画 · 住宅ローン / フラット35 / 融資条件
フラット35(買取型)の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
フラット35の融資限度額は100万円以上8,000万円以下(建設費・購入価格の100%以内)です。2019年10月改正により、対象住宅にかかる建設費や購入価格の「1億円以下」という上限制限は撤廃されました。一部繰上げ返済は、窓口では100万円以上、インターネット(住・Life)では1万円以上で、いずれも手数料は無料です。
解き方
- 選択肢1を検討する。2019年10月の制度改定により、購入価額または建設費の1億円上限制限が撤廃されたため誤り。
- 選択肢2を検討する。融資限度額は100万円〜8,000万円で、融資率9割超は9割以下に比べ高金利が設定されるため適切。
- 選択肢3を検討する。返済方法は元利均等または元金均等で、ボーナス併用は融資額の40%以内であるため適切。
- 選択肢4を検討する。金融機関窓口での一部繰上げ返済は1カ月前までに申出、100万円以上、手数料不要であるため適切。
- 選択肢 1正解
- 2019年10月1日以降の申込みから、住宅の建設費または購入価額が1億円以下という要件は廃止されました。
- 選択肢 2不正解
- 融資額は100万円以上8,000万円以下で、融資率が9割を超える場合は9割以下の場合よりも高金利が設定されます。
- 選択肢 3不正解
- 返済方法は元利均等または元金均等で、ボーナス払い併用時のボーナス返済分は融資額の40%以内(1万円単位)とされています。
- 選択肢 4不正解
- 金融機関窓口での一部繰上げ返済は、1カ月前までに申出が必要で、最低額は100万円以上(手数料無料)です。
覚えるポイント
- フラット35の住宅購入価額・建設費の上限(1億円)は2019年10月に廃止された。
- 一部繰上げ返済の最低金額は窓口が100万円以上、インターネットが1万円以上。
間違えやすいところ
- 融資限度額の上限(8,000万円)と住宅の購入価額上限(廃止前は1億円)を混同しやすい。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の住宅金融支援機構法およびフラット35融資基準に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所要運転資金(経常運転資金)の計算
ライフプランニングと資金計画 · 財務分析 / 所要運転資金 / 運転資金回転期間
X社の当期売上高(年商)が3億6,000万円、平均月商に基づく回転期間が以下の通りである場合、所要運転資金(経常運転資金)の金額として最も適切なものはどれか。 〈X社の各回転期間〉 ・売上債権回転期間 : 1.8カ月 ・棚卸資産回転期間 : 1.2カ月 ・買入債務回転期間 : 1.0カ月
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解答
3
解説
所要運転資金(経常運転資金)は、営業活動に伴い経常的に滞留・必要となる資金であり、「売上債権 + 棚卸資産 - 買入債務」によって求められます。回転期間(月数)を用いる場合、「所要運転資金回転期間 = 売上債権回転期間 + 棚卸資産回転期間 - 買入債務回転期間」を算出し、これに平均月商を乗じることで計算できます。
解き方
- 平均月商を計算する:年商3億6,000万円 ÷ 12カ月 = 3,000万円。
- 所要運転資金の必要月数を計算する:1.8カ月 + 1.2カ月 - 1.0カ月 = 2.0カ月。
- 所要運転資金の金額を計算する:平均月商3,000万円 × 2.0カ月 = 6,000万円。
- 選択肢 1不正解
- 計算結果と一致しません。買入債務回転期間などを誤って減算・加算した値です。
- 選択肢 2不正解
- 計算結果と一致しません。棚卸資産などの期間の取り扱いを誤った計算値です。
- 選択肢 3正解
- 月商3,000万円 × (1.8カ月 + 1.2カ月 - 1.0カ月) = 6,000万円となり最も適切です。
- 選択肢 4不正解
- 買入債務を引かずに全期間を合算(1.8+1.2=3.0カ月)すると9,000万円になりますが、買入債務の控除が必要なため誤りです。
覚えるポイント
- 経常運転資金 = 売上債権 + 棚卸資産 - 買入債務。
- 各資産・負債の回転期間(月数)から直接月商倍率を求めて計算できる。
間違えやすいところ
- 買入債務を差し引くべきところを加算してしまったり、差し引くのを忘れるミスが多い。
出題の前提:2019年10月1日現在の企業財務分析における一般的実務指針に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
働き方改革関連法における労働時間・休暇規制
ライフプランニングと資金計画 · 労働基準法 / 働き方改革関連法 / 36協定 / 時間外労働の上限
2018年に成立した「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(働き方改革関連法)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
働き方改革関連法による改正労働基準法では、時間外労働の上限規制が法定化され、原則として「月45時間・年360時間」と定められました。また、年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対する「年5日の時季指定取得義務」、勤務間インターバル制度の努力義務、客観的方法による労働時間の把握義務などが導入されました。
解き方
- 選択肢1の36協定による時間外労働の原則上限を確認する。「月45時間・年360時間」であるため、1年540時間とする記述は誤り。
- 選択肢2を確認する。年10日以上の有給が付与される労働者に対して年5日の時季指定義務が課されているため適切。
- 選択肢3を確認する。勤務間インターバル制度の導入努力義務が労働時間等設定改善法に規定されたため適切。
- 選択肢4を確認する。客観的な記録等を用いた労働時間の状況把握義務(労働安全衛生法)が定められたため適切。
- 選択肢 1正解
- 36協定に基づく時間外労働の限度は、原則として1カ月45時間、1年「360時間」です。540時間ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、年5日については使用者が時季を指定して取得させることが義務付けられました。
- 選択肢 3不正解
- 終業時刻から次の始業時刻までに一定の休息時間を設ける「勤務間インターバル制度」の導入は事業主の努力義務とされています。
- 選択肢 4不正解
- 労働者の健康管理の観点から、タイムカードやPCログイン履歴等の客観的記録等により労働時間を適切に把握することが義務付けられました。
覚えるポイント
- 36協定の時間外労働原則上限:月45時間・年360時間。
- 特別条項付きでも年720時間以内、複数月平均80時間以内、単月100時間未満。
間違えやすいところ
- 年360時間の上限数値を他の数字と混同しないようにする。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の労働基準法および働き方改革関連法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種共済制度の特徴と保障内容
リスク管理 · 各種共済 / こくみん共済 / 建物更生共済 / 都道府県民共済
各種共済に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
各種共済(こくみん共済coop、JA共済、都道府県民共済)は根拠法や実施主体、商品設計が民間保険会社とは異なり、掛金の一律性や積立機能、実施地域などに独自の特徴があります。
解き方
- 各選択肢に登場する共済の制度概要(掛金体系、保障対象、実施団体・地域、保険期間等)を確認する。
- JA共済の建物更生共済が自然災害担保かつ満期共済金のある積立型である点などの正確な知識から正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- こくみん共済の総合保障タイプは、加入対象年齢内であれば性別や年齢にかかわらず月々の掛金は一律となっています。
- 選択肢 2正解
- 建物更生共済は火災だけでなく台風・地震などの自然災害による損害も幅広く保障され、満期時には満期共済金が支払われます。
- 選択肢 3不正解
- 都道府県民共済は全国すべての都道府県で実施されているわけではなく、共済事業が行われていない地域も一部存在します。
- 選択肢 4不正解
- 都道府県民共済の生命共済は一定年齢で満了となる定期型のみであり、一生涯保障が継続する終身型は取り扱っていません。
覚えるポイント
- JA共済の建物更生共済は火災・自然災害(地震含む)を総合補償する満期共済金付きの積立型共済である。
間違えやすいところ
- 都道府県民共済は全都道府県で実施されていると誤認しやすいが、一部未実施の県が存在する点に注意する。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総合福祉団体定期保険の仕組みと特約
リスク管理 · 総合福祉団体定期保険 / 被保険者の同意 / ヒューマン・ヴァリュー特約
総合福祉団体定期保険の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
総合福祉団体定期保険は法人が従業員や役員の遺族補償を主な目的として契約する1年更新の団体定期保険であり、契約手続きや特約の目的(福利厚生目的か企業防衛目的か)が明確に規定されています。
解き方
- 被保険者の範囲、加入時の同意・告知義務、保険期間、各特約の保障内容と受取人を整理する。
- 役員も加入対象であること、保険期間は1年であること、ヒューマン・ヴァリュー特約は企業の経済的損失補填目的である点を確認し、適切な記述を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 法人の役員についても、所定の要件を満たす従業員とともに被保険者とすることができます。
- 選択肢 2正解
- モラルリスク防止の観点等から、被保険者となる加入予定者の同意および保険約款に基づく告知が必要とされています。
- 選択肢 3不正解
- 総合福祉団体定期保険の保険期間は原則として1年(毎年更新)であり、被保険者ごとに1〜5年で設定することはできません。
- 選択肢 4不正解
- ヒューマン・ヴァリュー特約は、役員・従業員の死亡や高度障害により企業が被る経済的損失を補填するための企業防衛特約です。
覚えるポイント
- 総合福祉団体定期保険の保険期間は1年更新であり、ヒューマン・ヴァリュー特約は企業の損失補填が目的である。
間違えやすいところ
- ヒューマン・ヴァリュー特約を受益者従業員の福利厚生用特約(見舞金等)と混同しないよう注意する。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人年金保険料税制適格特約の付加要件
リスク管理 · 個人年金保険料税制適格特約 / 個人年金保険料控除 / 生命保険料控除
契約者と保険料負担者が同一の夫である次の定額個人年金保険契約①~④のうち、個人年金保険料税制適格特約を付加することにより個人年金保険料控除の対象となるものはいくつあるか。 ① 被保険者:夫、年金受取人:夫、10年確定年金、契約47歳、払込満了55歳、開始60歳、月払い ② 被保険者:夫、年金受取人:夫、10年確定年金、契約47歳、払込満了―、開始60歳、一時払い ③ 被保険者:妻、年金受取人:夫、10年確定年金、契約43歳、払込満了60歳、開始60歳、月払い ④ 被保険者:妻、年金受取人:妻、保証期間付終身年金、契約43歳、払込満了55歳、開始55歳、年払い
解答・解説を表示
解答
1
解説
個人年金保険料税制適格特約を付加するには、①年金受取人は契約者またはその配偶者のうち被保険者と同一人であること、②保険料払込期間が10年以上であること、③年金支払開始が原則60歳以上で年金支払期間が10年以上(終身年金の場合は支払開始年齢の制限なし)であること、が必要です。
解き方
- 各契約の年金受取人と被保険者の同一性、保険料払込期間(10年以上か)、年金種類と受取開始年齢を確認する。
- ①は払込期間8年で不可、②は一時払いで不可、③は受取人と被保険者が不一致で不可、④は終身年金のため開始55歳・払込12年で適格となることを判定する。
- 選択肢 1正解
- 要件を満たすのは契約④の1つのみであるため、選択肢1が適切です。
- 選択肢 2不正解
- 契約①(払込期間8年)、②(一時払い)、③(被保険者と年金受取人が異なる)はいずれも要件を満たさないため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 要件を満たす契約は④のみの1つであるため、3つとする記述は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 4つのうち3契約が適格要件を満たしていないため、4つとする記述は誤りです。
覚えるポイント
- 終身年金の場合は確定年金と異なり、年金支払開始年齢が60歳以上という要件が適用されない。
間違えやすいところ
- 被保険者と年金受取人が同一でなければならない点や、払込期間が満了時までに10年以上必要である点を見落としやすい。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
定期保険の支払保険料の経理処理(2019年通達改正)
リスク管理 · 定期保険 / 法人税基本通達 / 最高解約返戻率 / 資産計上期間
法人が役員・使用人を被保険者とする保険期間3年以上の定期保険に加入し保険料を支払った場合において、最高解約返戻率が50%超70%以下であるときの資産計上期間(①)、資産計上割合(②)、取崩期間(③)の組合せとして最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
2019年6月28日付の法人税基本通達改正により、法人が加入する定期保険等の支払保険料の税務処理は「最高解約返戻率」に応じて区分され、50%超70%以下の場合は保険期間の前半40%相当期間において保険料の40%を資産計上し、75%経過後から取り崩します。
解き方
- 最高解約返戻率の区分(50%以下、50%超70%以下、70%超85%以下、85%超)を確認する。
- 50%超70%以下の区分における「資産計上期間:保険期間の40%相当」「計上額:支払保険料の40%」「取崩し:保険期間の75%相当経過後」を当てはめる。
- 選択肢 1正解
- 最高解約返戻率50%超70%以下では、資産計上期間は40%相当期間、計上割合は40%、取崩期間は75%相当期間経過後であり正解です。
- 選択肢 2不正解
- 計上割合を60%、取崩期間を60%とする組合せは誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 資産計上期間を60%、取崩期間を60%とする組合せは誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 資産計上期間および計上割合をともに60%とするのは70%超85%以下の区分などに該当し、本問の区分では誤りです。
覚えるポイント
- 最高解約返戻率50%超70%以下の定期保険は、保険期間の40%期間に保険料の40%を資産計上し、75%経過後から取り崩す。
間違えやすいところ
- 70%超85%以下の区分(資産計上期間40%・計上割合60%)の数値と混同しないよう注意する。
出題の前提:2019年6月28日付法人税基本通達等の一部改正通達
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
火災保険および地震保険の補償内容と仕組み
リスク管理 · 火災保険 / 地震保険 / 明記物件 / 損害認定基準
火災保険および地震保険に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
地震保険は火災保険の付帯契約として引き受けられますが、保険期間の最長年数(地震保険は最長5年)、明記物件の補償可否(地震保険は家財補償対象外)、保険金の支払基準(地震保険は定額割合、火災保険は実損填補基準)などで制度設計が異なります。
解き方
- 火災保険と地震保険の主要な違い(保険期間、対象財産、保険金の決定方法)を整理する。
- 店舗併用住宅において火災保険は一般物件となる場合がある一方、地震保険は専用住宅と同様の居住用基準で差異がないことを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 地震保険の保険期間は最長で5年(1年~5年)であり、10年を選択することはできません。
- 選択肢 2正解
- 地震保険は一部でも居住用として使用されていれば専用住宅と同じ料率区分が適用されるため、火災保険のような料率差は生じません。
- 選択肢 3不正解
- 1個または1組30万円を超える貴金属等は火災保険では明記物件として対象にできますが、地震保険では家財の対象外となります。
- 選択肢 4不正解
- 損害の程度を4区分(全損・大半損・小半損・一部損)に分けて支払うのは地震保険であり、通常の火災保険は実損填補です。
覚えるポイント
- 地震保険の保険期間は最長5年であり、30万円超の貴金属等の明記物件は対象外となる。
間違えやすいところ
- 地震保険と火災保険で損害査定方式(4区分定額方式と実損方式)を混同しないようにする。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種傷害保険の補償範囲と商品性
リスク管理 · 普通傷害保険 / 就業中のみの危険補償特約 / 国内旅行傷害保険 / 海外旅行傷害保険
各種傷害保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
傷害保険は「急激・偶然・外来の事故」による身体の傷害を対象とします。普通傷害保険、国内旅行傷害保険、海外旅行傷害保険では、食中毒や地震・噴火・津波などの補償範囲に違いがあります。
解き方
- 各傷害保険および特約の対象となる事故・原因の範囲を確認する。
- 特約付帯の傷害保険において、公的な労災認定が支払いの必須条件とされているわけではない点を見抜く。
- 選択肢 1不正解
- 普通傷害保険は日常生活中の偶然な外来事故を担保するため、自転車通勤中の交通事故による傷害は支払対象となります。
- 選択肢 2正解
- 業務従事中の事故による傷害であれば保険金支払の対象となり、公的な労災認定を受けていることまでは要件とされていません。
- 選択肢 3不正解
- 国内旅行傷害保険では、旅行行程中に発生した細菌性食中毒およびウイルス性食中毒が補償対象に含まれています。
- 選択肢 4不正解
- 海外旅行傷害保険では、基本補償において旅行行程中に発生した地震・噴火またはこれらによる津波による傷害も補償対象となります。
覚えるポイント
- 海外旅行傷害保険は地震等による傷害も基本補償対象となるが、国内旅行傷害保険では原則として対象外である。
間違えやすいところ
- 民間傷害保険の保険金支払要件と公的労災保険の認定を連動するものと誤認しないこと。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人事業主が受け取る各種損害保険金の課税関係
リスク管理 · 損害保険金 / 所得税の非課税規定 / 事業所得の総収入金額 / 固定資産の滅失
個人事業主が所有する事業用建物が火災で焼失したことにより受け取った各種損害保険金の課税関係に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
個人が受け取る損害保険金は原則として非課税(所得税法第9条)ですが、棚卸資産の滅失に対する補填金や休業による逸失利益を補填する保険金は事業所得の総収入金額に算入されます。一方、事業用固定資産の損害保険金は非課税となります。
解き方
- 受け取った保険金が「固定資産の損害」「棚卸資産の損害」「逸失利益等の補填」のいずれに該当するかを区分する。
- 事業用建物および営業用什器備品は固定資産であり、その保険金は損失額を超えていても非課税となるルールを適用する。
- 選択肢 1不正解
- 事業用建物(固定資産)の滅失等に伴い受け取る損害保険金は、所得税法上、非課税とされています。
- 選択肢 2不正解
- 棚卸資産(商品等)の損害を補填する保険金は、事業所得の計算上、総収入金額(事業収入)に算入されます。
- 選択肢 3正解
- 営業用什器備品は固定資産に該当し、滅失による保険金は廃棄損を上回る部分があっても非課税であり事業収入にはなりません。
- 選択肢 4不正解
- 店舗休業保険のように営業不能期間中の得べかりし利益を補填する保険金は、事業所得の総収入金額に算入されます。
覚えるポイント
- 個人事業主が受け取る損害保険金のうち、固定資産に係るものは非課税、棚卸資産や休業補償に係るものは事業収入となる。
間違えやすいところ
- 法人の経理処理(固定資産受贈益・保険差益として益金算入)と個人の所得税法上の非課税規定を混同しないようにする。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託の分類と特殊な仕組み(MRF等の特徴)
金融資産運用 · 投資信託の分類 / ファンド・オブ・ファンズ / アンブレラ型ファンド / ベア型ファンド / MRF
投資信託に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
投資信託には投資対象や運用手法により多様な種類(ファンド・オブ・ファンズ、アンブレラ型、ブル・ベア型、MRF等)があります。MRFは証券総合口座の決済用商品として、元本割れが生じた際の委託会社による損失補填が法令・約款等で例外的に許容されています。
解き方
- 各投資信託の定義(ファンド・オブ・ファンズの組入要件、アンブレラ型のスイッチング機能、ベア型の市場局面)を確認する。
- MRFの証券決済機能に基づく損失補填の例外規定の正確性を判断し、適切な選択肢を導く。
- 選択肢 1不正解
- ファンド・オブ・ファンズは、他の投資信託証券への投資割合を50%超とする旨が約款等に定められているものを指します。
- 選択肢 2不正解
- アンブレラ型ファンドは、運用期間中に手数料なし(または低廉な手数料)でサブファンド間を乗り換え(スイッチング)できるのが特徴です。
- 選択肢 3不正解
- ベア型ファンドは基準指数の値動きと「逆」の動きを目指すものであり、相場の下落局面で利益を得られる設計となっています。
- 選択肢 4正解
- MRFは証券決済用商品としての性格から、不測の事態で元本割れが発生した場合に委託会社が損失を補填することが例外的に認められています。
覚えるポイント
- MRFは投資信託でありながら、決済機能確保のため元本欠損時の委託会社による損失補填が例外的に認められている。
間違えやすいところ
- 投資信託は一般に元本補填が固く禁止されているため、MRFの例外規定を見落として誤りだと判断しやすい。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託の運用パフォーマンス評価(シャープ・レシオ)
金融資産運用 · シャープ・レシオ / ポートフォリオ理論 / パフォーマンス評価
下記の表に示された実績収益率および標準偏差に基づき、安全資産利子率を1.0%とした場合のシャープ・レシオに関する記述として、最も適切なものはどれか。[表] ファンドA:実績収益率6.2%、標準偏差3.3%/ファンドB:実績収益率9.4%、標準偏差5.8%
解答・解説を表示
解答
1
解説
シャープ・レシオはリスク(標準偏差)1単位あたりに獲得した超過リターン(ポートフォリオ収益率から無リスク資産利子率を控除した値)を示す指標であり、数値が大きいほど運用効率が優れていることを示します。
解き方
- ファンドAの超過収益率(6.2%-1.0%=5.2%)を標準偏差3.3%で除してシャープ・レシオ(約1.58)を計算します。
- ファンドBの超過収益率(9.4%-1.0%=8.4%)を標準偏差5.8%で除してシャープ・レシオ(約1.45)を計算します。
- 両者の数値を比較し、数値が大きいファンドAの方が運用効率に優れていると判断します。
- 選択肢 1正解
- ファンドAのシャープ・レシオは約1.58、ファンドBは約1.45であり、ファンドAの方が大きいため効率よく運用されていたと評価されます。
- 選択肢 2不正解
- ファンドBのシャープ・レシオは約1.45であり、ファンドAの約1.58より小さいため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- ファンドAのシャープ・レシオはファンドBよりも大きいため、小さいためとする記述は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- ファンドBのシャープ・レシオはファンドAより小さいですが、運用効率が優れているのはシャープ・レシオが大きいファンドAであるため誤りです。
覚えるポイント
- シャープ・レシオ=(ポートフォリオの収益率-安全資産利子率)÷標準偏差の計算式を押さえましょう。
間違えやすいところ
- 収益率そのものの高低だけで判断せず、リスク(標準偏差)あたりの超過リターンで比較することに注意しましょう。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令・金融理論等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
地方債の種類と仕組み
金融資産運用 · 地方債 / 共同発行市場公募地方債 / 全国型市場公募地方債 / 住民参加型市場公募地方債
地方債に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
共同発行市場公募地方債は複数の地方公共団体が合同で発行する債券で、信用力を補完するために参加するすべての団体が発行総額について連帯して元利金支払責任(連帯債務)を負う仕組みがとられています。
解き方
- 全国型市場公募地方債の発行実績や発行主体(すべての都道府県が発行しているわけではない)を確認します。
- 共同発行市場公募地方債の発行頻度(原則として毎月発行)と法的責任(連帯債務)を確認します。
- 住民参加型市場公募地方債の購入対象範囲(在勤・在学の個人や法人等も購入可能な場合がある)を確認して選択肢の正誤を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 全国型市場公募地方債はすべての都道府県が発行しているわけではなく、一定の財政基準や需要に応じて一部の自治体により発行されています。
- 選択肢 2不正解
- 共同発行市場公募地方債は、年1回(毎年4月)ではなく原則として毎月(年12回)発行されています。
- 選択肢 3正解
- 共同発行市場公募地方債では、資金調達の有無にかかわらず参加する全団体が連帯して元利金の支払責任を負う連帯債務となっています。
- 選択肢 4不正解
- 住民参加型市場公募地方債は、当該自治体の住民だけでなく在勤・在学者や地域内に事務所を有する法人等も購入対象となる場合があるため不適切です。
覚えるポイント
- 共同発行市場公募地方債は毎月発行され、参加全団体が連帯して償還および利払い責任(連帯債務)を負います。
間違えやすいところ
- すべての都道府県が単独で市場公募地方債を発行しているわけではない点に注意が必要です。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式等の投資指標および株価指数
金融資産運用 · 日経平均株価 / TOPIX / JASDAQ INDEX / 東証REIT指数
株式等の投資指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
国内の主要な株価指数には、市場の全銘柄を対象とするもの(TOPIX、JASDAQ INDEX、東証REIT指数など)と、代表銘柄を抽出して算出するもの(日経平均株価225銘柄、JPX日経インデックス400など)があります。
解き方
- 各指数の対象市場(東証一部、JASDAQ、東証REIT市場)を確認します。
- 全銘柄対象型か抽出型(銘柄数限定)か、および算出方式(株価平均型か時価総額加重型か)を照合します。
- JASDAQ INDEXはJASDAQ市場の全銘柄を対象とする指数であることを確認し、3を不適切と判断します。
- 選択肢 1不正解
- 日経平均株価は、東証一部上場の内国普通株式から選定された代表的な225銘柄を対象とする株価平均型の指数です。
- 選択肢 2不正解
- TOPIXは、東証一部に上場する内国普通株式全銘柄を対象とする時価総額加重型の株価指数です。
- 選択肢 3正解
- JASDAQ INDEXはJASDAQ市場に上場する内国普通株式全銘柄を対象とする時価総額加重型指数であり、代表的な400銘柄ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 東証REIT指数は、東証に上場している不動産投資信託(REIT)の全銘柄を対象とする時価総額加重型の指数です。
覚えるポイント
- TOPIX、JASDAQ INDEX、東証REIT指数はいずれも市場の全銘柄を対象とする時価総額加重型指数です。
間違えやすいところ
- JPX日経インデックス400(400銘柄対象)とJASDAQ INDEXの定義を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令・規則等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
サスティナブル成長率の計算
金融資産運用 · サスティナブル成長率 / ROEの分解 / 財務分析
下記の〈財務指標〉から算出されるサスティナブル成長率として、最も適切なものはどれか。なお、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。[財務指標] 売上高純利益率:5.25%、使用総資本回転率:1.20回、自己資本比率:40.00%、配当性向:25.00%
解答・解説を表示
解答
3
解説
サスティナブル成長率は、外部からの増資を行わずに企業が維持できる成長率を示し、「ROE(自己資本利益率)× 内部留保率(1-配当性向)」で算出されます。ROEは「売上高純利益率 × 使用総資本回転率 × 財務レバレッジ(1/自己資本比率)」に分解できます。
解き方
- 財務レバレッジを計算します:1 ÷ 自己資本比率0.40 = 2.5倍。
- ROEをデュポンシステムにより算出します:5.25% × 1.20回 × 2.5 = 15.75%。
- 内部留保率を算出します:1 - 配当性向0.25 = 0.75(75%)。
- サスティナブル成長率を算出します:15.75% × 0.75 = 11.8125%。小数点以下第3位を四捨五入して11.81%を求めます。
- 選択肢 1不正解
- 計算手順の誤りによる数値であり、サスティナブル成長率の11.81%とは一致しません。
- 選択肢 2不正解
- 計算過程で内部留保率やROEの要素を取り違えた数値であり誤りです。
- 選択肢 3正解
- ROE(15.75%)に内部留保率(75%)を乗じると11.8125%となり、四捨五入して11.81%となるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 15.75%はROE(自己資本利益率)そのものの数値であり、内部留保率を乗じる前の数値であるため誤りです。
覚えるポイント
- サスティナブル成長率=ROE×内部留保率(1-配当性向)=売上高純利益率×総資本回転率×(総資本/自己資本)×(1-配当性向)
間違えやすいところ
- 財務レバレッジが「1÷自己資本比率」であることを見落とし、自己資本比率をそのまま乗じてしまわないように注意しましょう。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令・財務分析基準等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
オプション取引の価格決定要因
金融資産運用 · オプション取引 / プレミアム / 価格決定要因
一般的なオプション取引に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
オプションのプレミアム(価格)は、本源的価値と時間価値から構成されます。原資産価格、権利行使価格、残存期間、ボラティリティ(価格変動率)、金利の各要因がプレミアムに与える影響を理解することが重要です。
解き方
- 原資産価格の低下時の影響を考えます。コールは行使時の利益が減るため安くなり、プットは利益が増えるため高くなります。
- 権利行使価格の高低による影響を確認します。権利行使価格が高いほどコールは安く、プットは高くなります。
- 残存期間の影響を確認します。期間が長いほど有利な価格へ動く可能性(時間価値)が大きいため両者ともプレミアムは高くなります。
- ボラティリティの影響を確認します。変動率が高いほど有利な価格になる確率が高まるため両者ともプレミアムは高くなります(低下時は低くなります)。
- 選択肢 1正解
- 原資産価格が下落すると、買う権利(コール)の価値は下がり、売る権利(プット)の価値は上がるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 権利行使価格が高いほど、コール・オプションのプレミアムは低くなり、プット・オプションのプレミアムは高くなるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 満期までの残存期間が長いほど、時間的価値が大きくなるためコール・プットともにプレミアムは高くなります。
- 選択肢 4不正解
- ボラティリティ(価格変動率)が低下すると、権利行使により利益を得られる可能性が減るためコール・プットともにプレミアムは低くなります。
覚えるポイント
- 残存期間が長い・ボラティリティが高いと、コール・プットともにプレミアムは上昇します。
間違えやすいところ
- 原資産価格や権利行使価格の変動によるコールとプットのプレミアムの増減方向を取り違えないようにしましょう。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
行動ファイナンスの意思決定理論
金融資産運用 · 行動ファイナンス / プロスペクト理論 / サンクコスト効果 / 機会費用
行動ファイナンスの基礎となる意思決定理論に関する一般的な次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
行動ファイナンスは、人間の認知バイアスや心理的傾向が投資判断に及ぼす影響を研究する分野です。伝統的ファイナンス理論における「完全に合理的な経済人」の仮定と対比して出題されます。
解き方
- プロスペクト理論の反転効果(利得局面でリスク回避、損失局面でリスク選好)を確認します。
- 機会費用と直接的支払(アウト・オブ・ポケット・コスト)の非対称な評価バイアスを確認します。
- サンクコスト(埋没費用)効果について、すでに支払った費用が将来の意思決定を歪めてしまう傾向を確認します。
- 記述3が伝統的経済学の合理的な行動を述べており、実際の投資家の心理的傾向(サンクコスト効果)を否定しているため不適切と判定します。
- 選択肢 1不正解
- プロスペクト理論において、利益局面では確実に利益を確定しようとしてリスク回避的になり、損失局面では損失を取り戻そうとしてリスク追求的になる傾向(反転効果)が示されています。
- 選択肢 2不正解
- 実際にお金を支払う費用よりも、他の選択肢を選んでいれば得られた利益(機会費用)を過小評価するバイアスが存在します。
- 選択肢 3正解
- 投資家は過去に既に支払って回収できない費用(サンクコスト)を考慮に入れてしまい、その後の意思決定に影響を受けてしまう傾向(サンクコスト効果)があるため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- プロスペクト理論における「参照点依存性」により、富の絶対水準ではなく基準点(参照点)からの変化の大きさで利得や損失の価値を評価します。
覚えるポイント
- サンクコスト効果:過去に支払った回収不能なコストに引きずられて非合理な継続投資等を行ってしまう心理効果。
間違えやすいところ
- 合理的経済人としての規範的行動(サンクコストを無視すべき)と、行動経済学が示す現実の人間の行動傾向を取り違えないようにしましょう。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令・行動ファイナンス理論等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外貨建金融商品の課税関係
金融資産運用 · 外貨預金 / 外国株式の税務 / 外貨建保険の相続税評価 / 配当控除
個人(居住者)が購入等する外貨建金融商品の課税関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
国内金融機関や外国銀行の在日支店を通じて生じる利子等は国内源泉徴収(20.315%)の対象となりますが、海外現地金融機関の口座で生じる利子は総合課税扱いとなります。また、外国株式の配当には配当控除は適用されず、外国株式譲渡益に含まれる為替差損益は譲渡所得等に含めて一体として申告分離課税されます。
解き方
- 外貨預金の利子について、国内支店(源泉分離課税)と海外支店(総合課税)の課税方式の違いを確認します。
- 上場外国株式の配当について配当控除の適用の可否(法人税との二重課税排除の趣旨から外国株式には適用なし)を確認します。
- 上場外国株式の譲渡益における為替差損益の取扱い(株式等に係る譲渡所得等の金額に含めて計算)を確認します。
- 外貨建保険金受取時の相続税評価における邦貨換算基準日(死亡日ではなく保険金支払日等の取引日)を確認します。
- 選択肢 1正解
- 外国銀行の在日支店の預金利子は20.315%の源泉分離課税、海外支店の預金利子は国内源泉徴収されないため利子所得として総合課税となるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 外国法人から受ける配当には法人税の二重課税調整の対象とならないため、配当控除の適用を受けることはできません。
- 選択肢 3不正解
- 上場外国株式の譲渡による為替差損益は株式の譲渡対価の一部を構成するため、分離して雑所得となるのではなく株式等に係る譲渡所得等として申告分離課税されます。
- 選択肢 4不正解
- 外貨で支払われた死亡保険金を円換算する場合、原則として被相続人の死亡日ではなく保険金が支払われた日のTTM(対顧客電信相場仲値)を用います。
覚えるポイント
- 外国株式の配当金は確定申告で総合課税を選択しても配当控除は適用されません(外国税額控除の対象にはなり得ます)。
間違えやすいところ
- 外貨預金の為替差益は雑所得として総合課税されますが、外貨建株式の売買における為替差損益は株式の譲渡所得等に含まれる点に注意しましょう。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
金融商品取引法における不公正取引の禁止
金融資産運用 · 金融商品取引法 / 不公正取引 / 仮装売買 / 風説の流布 / 相場操縦 / 内部者取引
金融商品取引法で禁止されている不公正取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
金融商品取引法では市場の公正性と投資家保護のため、風説の流布・偽計、相場操縦行為(仮装売買、馴合売買、変動操作取引など)、インサイダー取引(内部者取引)等の不公正取引が厳格に禁止されています。
解き方
- 風説の流布(金商法第158条)の要件と禁止内容を確認します。
- 仮装売買(金商法第159条第1項第1号)の定義と、立会外取引における適法なクロス取引(自己クロス取引など)の扱いを照合します。
- 相場操縦のうち繁盛誤認・変動操作取引(金商法第159条第2項第1号)の定義を確認します。
- インサイダー取引(金商法第166条)の要件を確認し、選択肢2が不適切であることを導きます。
- 選択肢 1不正解
- 合理的な根拠のない虚偽や不確かな情報を流布して相場を変動させる行為は、風説の流布(金商法第158条)として禁止されています。
- 選択肢 2正解
- 立会外取引における同数量・同一価格のクロス取引などは、自己名義口座間での振替等を含め一定の手続き・ルールの下で認められており、直ちに仮装売買として禁止されるものではありません。
- 選択肢 3不正解
- 他人の取引を誘引する目的で繁盛に見せかけたり人為的に価格を動かす一連の売買は、相場操縦行為(変動操作取引等)として禁止されています。
- 選択肢 4不正解
- 会社関係者が未公表の重要事実を知って当該会社の株式等を売買する行為は、内部者取引(インサイダー取引)として禁止されています。
覚えるポイント
- 仮装売買は「権利の移転を目的としない偽りの取引」を禁じるものですが、立会外取引制度で認められたクロス取引等は適法です。
間違えやすいところ
- クロス取引(同一銘柄の売り買い同時発注)が立会市場内か立会外取引の所定ルールに基づくかによって取扱いが異なる点に注意しましょう。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令(金融商品取引法)
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人事業主の事業所得の計算
タックスプランニング · 事業所得 / 必要経費 / 総収入金額 / 親族間取引
居住者に係る所得税の事業所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
所得税法において所得は10種類に分類されており、事業の用に供されていた固定資産等の売却益や売却損は事業所得ではなく譲渡所得に区分されます。また、生計を一にする親族間における対価の支払いは原則として必要経費になりませんが、その親族が負担した固定資産税等の実費は事業主の必要経費に算入できます。
解き方
- 事業用の機械や車両等の減価償却資産の譲渡損益がどの所得区分(譲渡所得)に該当するかを確認します。
- 事業所得の総収入金額・必要経費に算入される範囲および生計一親族・同族会社との取引における必要経費算入ルールを照らし合わせ、不適切な記述を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 事業所得を生ずべき事業の遂行上直接関連して生じた取引先への貸付金利子は、事業所得の総収入金額に算入されます。
- 選択肢 2正解
- 事業用車両の売却による損益は譲渡所得(総合課税)に該当するため、事業所得の総収入金額や必要経費に算入することはできず、不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 生計を一にする親族に支払う地代自体は必要経費に算入できませんが、その親族が納付した固定資産税等の必要経費となるべき金額は、事業主の必要経費に算入することができます。
- 選択肢 4不正解
- 生計を一にする親族が全株式を保有する同族会社であっても法人格が異なるため、適正な賃借料であれば事業所得の必要経費に算入することができます。
覚えるポイント
- 事業用固定資産の売却は事業所得ではなく総合譲渡所得となる点。
- 生計一親族への家賃や地代は経費不算入だが、親族が支払った固定資産税や減価償却費は事業主の必要経費に算入できる点。
間違えやすいところ
- 棚卸資産の売却と固定資産(車両や備品)の売却を混同し、後者も事業所得になると誤認しやすい点。
出題の前提:所得税法第27条(事業所得)、第33条(譲渡所得)、第56条(親族が事業から対価を受ける場合等の必要経費の特例)
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
重複期間がある場合の退職所得の金額の計算
タックスプランニング · 退職所得 / 退職所得控除額 / 確定拠出年金 / 重複期間の計算
Aさんは、2019年中に勤務先から退職手当等1,800万円(勤続期間28年8カ月:1990年8月1日~2019年3月31日)と、確定拠出年金の老齢給付金一時金300万円(個人型年金加入者期間14年7カ月:2005年4月~2019年10月)を受給した。2019年分の退職所得の金額として最も適切なものはどれか。なお、障害者となったことが退職の直接原因ではないものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
同一年中に2箇所以上から退職手当等の支払を受ける場合、それぞれの勤続期間(加入期間)を合わせた全体の期間(重複期間を控除して通算した期間)に基づいて勤続年数を計算し、1つの退職所得控除額を算出して退職所得の金額を求めます。
解き方
- 勤続期間を整理し、重複を除いた通算期間を求めます。1990年8月1日~2019年10月31日までの期間は29年3カ月となり、1年未満の端数を切り上げて勤続年数は30年となります。
- 勤続年数30年に基づく退職所得控除額を計算します。800万円+70万円×(30年-20年)=1,500万円。
- 退職金の合計収入金額(1,800万円+300万円=2,100万円)から退職所得控除額(1,500万円)を差し引き、1/2を乗じて退職所得の金額(300万円)を算出します。
- 選択肢 1不正解
- 計算手順の誤りによる不適切な金額です。
- 選択肢 2不正解
- 重複期間の控除計算などを誤った算出結果であり、不適切です。
- 選択肢 3正解
- 通算勤続年数30年による控除額1,500万円を控除し、(2,100万円-1,500万円)×1/2=300万円となり、適切です。
- 選択肢 4不正解
- 勤続年数の端数処理や重複計算の誤りによるものであり、不適切です。
覚えるポイント
- 同一年中に複数の退職手当等を受け取る場合、最も早い始期から最も遅い終期までの期間(途中に空白がなければ)を通算し、1年未満は切り上げて勤続年数を算出する点。
間違えやすいところ
- 2つの勤続年数を単純合算してしまったり、それぞれ別個に退職所得控除を適用して計算してしまう誤り。
出題の前提:所得税法第30条(退職所得)、所得税法施行令第69条、第70条
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の医療費控除の適用要件と手続
タックスプランニング · 医療費控除 / 青色事業専従者 / 準確定申告 / 確定申告の手続
居住者に係る所得税の医療費控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
医療費控除は、自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族のために支払った医療費が対象となります。扶養控除や配偶者控除とは異なり所得要件が課されていないため、青色事業専従者給与を受けている親族の分であっても支払者が控除を受けることができます。
解き方
- 生計を一にする親族の要件と医療費控除の対象範囲を確認します。
- 死亡した者の未払医療費の取扱い、補填保険金の未受領分の取扱い、確定申告書への添付書類の提出義務(領収書原本の提出不要)をそれぞれ吟味します。
- 選択肢 1正解
- 生計を一にしていれば、妻の給与の多寡や青色事業専従者であるかどうかにかかわらず、夫が支払った妻の医療費は夫の医療費控除の対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 相続開始後に支払われた未払医療費は、被相続人が生前に支払ったものではないため準確定申告の医療費控除の対象にはならず、支払った相続人の医療費控除の対象(生計一の場合)または相続税の債務控除の対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 医療費を補填する保険金等は、年内に受け取っていなくても受取額が確定していれば、その見積額を支払った医療費から差し引かなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 医療費控除の適用を受ける際は「医療費控除の明細書」を添付する必要があり、領収書自体の提出は不要(自宅等で5年間保存義務)とされています。
覚えるポイント
- 生計を一にしていれば所得金額に関係なく医療費控除の対象に含められる点。
- 医療費の領収書は提出不要で5年間保存、補填される保険金は見込み額を差し引く点。
間違えやすいところ
- 青色事業専従者は配偶者控除・扶養控除を受けられないことから、医療費控除の対象にもできないと勘違いしやすい点。
出題の前提:所得税法第73条(医療費控除)、所得税基本通達73-1、73-2、73-8
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
確定申告および加算税・延滞税
タックスプランニング · 確定申告不要制度 / 一時所得 / 公的年金等 / 過少申告加算税
居住者に係る所得税の確定申告および納付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
給与所得者や年金受給者には一定の要件を満たす場合に確定申告不要制度が設けられています。また、申告や納税の義務が正しく履行されなかった場合の附帯税として、遅延利息の性質を持つ延滞税や、期限内申告で過少だった場合の過少申告加算税、期限後申告や不申告の場合の無申告加算税などが規定されています。
解き方
- 給与所得者・公的年金等受給者の確定申告不要要件(所得20万円以下の基準)を確認します。
- 法定納期限までに完納しない場合のペナルティ(延滞税)を確認します。
- 申告書を期限内に提出していた場合の更正による追加課税の種類(過少申告加算税か無申告加算税か)を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 給与所得以外の所得金額(一時所得は特別控除後の1/2後の金額)の合計額が20万円以下であるときは、確定申告は不要です。
- 選択肢 2不正解
- 公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ他の所得金額が20万円以下である場合は、確定申告不要制度の対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 期限内に申告しても法定納期限までに税金を納付しなかった場合、納期限の翌日から完納までの日数に応じて延滞税が課されます。
- 選択肢 4正解
- 申告期限内に確定申告書を提出していた場合に更正によって新たに納付税額が生じたときは、無申告加算税ではなく過少申告加算税が課されるため、不適切です。
覚えるポイント
- 期限内申告の税額不足は「過少申告加算税」、期限後申告や不申告は「無申告加算税」が課される点。
間違えやすいところ
- 一時所得の20万円判定において、1/2にする前の金額で判定すると誤認しやすい点。
出題の前提:所得税法第121条、国税通則法第60条(延滞税)、第65条(過少申告加算税)、第66条(無申告加算税)
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
中小企業投資促進税制
タックスプランニング · 中小企業投資促進税制 / 特別償却 / 税額控除 / 繰越控除
「中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除」(中小企業投資促進税制)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
中小企業投資促進税制は、青色申告法人である中小企業者等が一定の機械設備等を取得した場合に、普通償却に加えて取得価額の30%の特別償却、または取得価額の7%の税額控除(資本金3,000万円以下の法人等に限る)を選択できる制度です。税額控除は当期法人税額の20%が上限で、超過額は翌期に1年間繰り越せます。
解き方
- 税額控除の適用対象となる中小企業の規模要件(資本金3,000万円以下等)を確認します。
- 特別償却率(30%)および税額控除率(7%)の数値要件を確認します。
- 税額控除限度額の繰越規定(法人税額の20%枠を超えた場合の1年間繰越し)を確認して正誤を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 税額控除を選択できるのは資本金3,000万円以下の法人等に限られるため、資本金1億円の法人は特別償却のみ適用可能であり、不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 特別償却限度額は取得価額の30%相当額(20%ではない)であるため、不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 税額控除限度額は取得価額の7%相当額(10%ではない)であるため、不適切です。
- 選択肢 4正解
- 税額控除限度額が法人税額の20%を超えて控除しきれなかった金額は、1年間の繰越控除が認められているため、適切です。
覚えるポイント
- 特別償却は30%、税額控除は7%(上限は法人税額の20%、繰越期間1年)。
- 税額控除は資本金3,000万円以下の法人のみ選択可能である点。
間違えやすいところ
- 特別償却の30%と税額控除の上限20%・控除率7%の各数値を混同しやすい点。
出題の前提:租税特別措置法第42条の6(中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除)
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
役員給与および役員退職金の税務
タックスプランニング · 役員給与 / 定期同額給与 / 事前確定届出給与 / 役員退職金
内国法人に係る法人税における役員給与および役員退職金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、給与等は隠蔽または仮装経理により支給されたものではないものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
法人税法において、役員給与の損金算入は「定期同額給与」「事前確定届出給与」「業績連動給与」に限定されています。一方、役員退職金は退職に起因して支給されるものであり、職務に対する対価として適正な額である限り、税務署への事前届出なしに損金算入が認められます。
解き方
- 定期同額給与の要件(手取額同額給与や毎月一定の経済的利益が含まれること)を確認します。
- 事前確定届出給与のルール(届出額と異なる金額を支給した場合は全額損金不算入)を確認します。
- 役員退職金の損金算入要件(適正額であること、事前届出は不要であること)を確認し、誤りを判定します。
- 選択肢 1不正解
- 源泉税等の控除後の手取額が各支給時期で同額となる給与(税引手取給与)は、定期同額給与として損金算入が認められます。
- 選択肢 2不正解
- 役員に継続的に供与される経済的利益のうち、供与される利益の額が毎月おおむね一定であるものは定期同額給与として扱われます。
- 選択肢 3不正解
- 事前確定届出給与の届出額と異なる金額(多い場合も少ない場合も)を支給したときは、その全額が損金不算入となります。
- 選択肢 4正解
- 役員退職金を損金算入するにあたって、職務の対価として適正な金額であることは必要ですが、事前に税務署長に届け出る必要はないため、不適切です。
覚えるポイント
- 役員退職金は税務署への事前届出は不要(不相当に高額な部分のみ損金不算入)。
- 事前確定届出給与は届出額と1円でも異なれば全額損金不算入となる点。
間違えやすいところ
- 役員退職金を役員賞与(事前確定届出給与)と混同し、事前の届出が必要であると誤認しやすい点。
出題の前提:法人税法第34条(役員給与の損金不算入)、法人税法施行令第69条、第70条
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)
タックスプランニング · 企業版ふるさと納税 / 地方創生応援税制 / 税額控除 / 寄附金
地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)は、国が認定した地方公共団体の地方創生プロジェクトに対して法人が寄附を行った場合に、損金算入措置に加えて法人関係税からの税額控除を受けられる制度です。自らの本社等が所在する自治体への寄附や、寄附の見返りとして経済的利益を受けることは禁止されています。
解き方
- 対象となる寄附金の最低金額要件(1回当たり10万円以上)を確認します。
- 寄附対象となる地方公共団体の制限(主たる事務所等の所在自治体は対象外)を確認します。
- 寄附の代償としての見返り提供の禁止規定、および税額控除割合(基準日時点で合計3割)を確認します。
- 選択肢 1不正解
- 本制度の対象となる寄附金額は、寄附1回当たり10万円以上(30万円以上ではない)であるため、不適切です。
- 選択肢 2正解
- 法人の主たる事務所または事業所が所在する地方公共団体に対する寄附については、本制度の対象外とされているため、適切です。
- 選択肢 3不正解
- 寄附を行うことの代償として経済的な利益を供与することは禁止されているため、不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 2019年10月時点における税額控除割合は寄附額の合計3割(法人税・法人住民税・法人事業税の合計)であり、5割ではないため不適切です。
覚えるポイント
- 企業版ふるさと納税は1回10万円以上、自社本社所在地への寄附は対象外、見返り(経済的利益)は禁止である点。
間違えやすいところ
- 個人版ふるさと納税の返礼品と混同し、企業版でも返礼等の経済的利益が認められると誤解しやすい点。
出題の前提:租税特別措置法第42条の12の2(地方活力向上地域等において特定建物等を取得した場合等の特別償却等)等・地方創生応援税制の規定
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
青色申告法人の欠損金の繰越控除
タックスプランニング · 欠損金の繰越控除 / 青色申告法人 / 繰越期間 / 中小法人等の控除限度額
青色申告法人の欠損金の繰越控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、資本金の額が5億円以上の法人に完全支配されている法人等ではない中小法人等であるものとする。
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解答
3
解説
青色申告書を提出した事業年度に生じた欠損金は、その後の事業年度に繰り越して所得金額から控除できます。繰越期間は税制改正により9年から10年に延長されましたが、10年が適用されるのは2018年4月1日以後に開始した事業年度で生じた欠損金からであり、それ以前に生じた欠損金の繰越期間は9年(またはそれ未満)です。
解き方
- 欠損金発生年度に青色申告であれば以後の年度が白色申告でも連続申告していれば控除可能である要件を確認します。
- 繰越欠損金の充当順序(最も古いものから順次控除)を確認します。
- 各事業年度に生じた欠損金の繰越可能期間(旧9年・新10年の適用開始時期)を確認します。
- 中小法人等における控除限度額(所得の100%全額控除可能)を確認して誤りを判定します。
- 選択肢 1不正解
- 欠損金が生じた事業年度に青色申告書を提出し、その後の事業年度について連続して確定申告書を提出していれば、控除を受ける事業年度が白色申告であっても適用を受けられます。
- 選択肢 2不正解
- 複数の事業年度にまたがる繰越欠損金がある場合、最も古い事業年度に生じた欠損金から順次損金算入します。
- 選択肢 3正解
- 繰越期間が10年となるのは2018年4月1日以後に開始した事業年度で生じた欠損金からであり、2009年4月1日開始事業年度に生じた欠損金の繰越期間は9年であるため、2019年4月1日開始事業年度には控除できず、不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 中小法人等については大法人と異なり所得制限(50%等)がなく、繰越控除前の所得の金額の100%を限度として損金算入できます。
覚えるポイント
- 欠損金の繰越期間10年が適用されるのは2018年(平成30年)4月1日以後開始事業年度からである点。
- 中小法人等は繰越控除前の所得全額(100%)まで控除可能である点。
間違えやすいところ
- 欠損金の繰越期間がすべて一律10年であると誤認し、過去の年度の9年制限を見落とす点。
出題の前提:法人税法第57条(青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除)、平成27年度・28年度税制改正附則
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
消費税の軽減税率制度の対象品目
タックスプランニング · 消費税 / 軽減税率 / 飲食料品 / 新聞
2019年10月以降に導入された消費税の軽減税率(8%)の適用対象に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
消費税の軽減税率(8%)の対象品目は、「酒類・外食等を除く飲食料品」および「週2回以上発行され定期購読契約に基づく新聞」に限定されています。
解き方
- 各選択肢に挙げられた品目(飲食料品、新聞、医薬品・健康食品、酒類)について軽減税率の適用範囲を確認する。
- 医薬品・医薬部外品は対象外である一方、特定保健用食品などの健康食品は食品として軽減税率の対象となる点から正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 軽減税率の対象となる飲食料品とは「人の飲用または食用に供されるもの」を指すため、家畜の飼料やペットフードの販売は軽減税率の対象外(標準税率10%)となります。
- 選択肢 2不正解
- 軽減税率の対象となる新聞は「一定の題号を用い、政治、経済、社会等の一般社会的事実を掲載する週2回以上発行されるもので、定期購読契約に基づくもの」に限られるため、駅売店やコンビニ等での個別販売は対象外です。
- 選択肢 3正解
- 医薬品医療機器等法に規定する医薬品、医薬部外品、再生医療等製品は軽減税率の対象外ですが、特定保健用食品や栄養機能食品などの健康食品は「食品」に該当するため軽減税率の適用対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 酒税法に規定する酒類は飲食料品から除外されているため、持ち帰り(テイクアウト)であっても外食であっても軽減税率は適用されず、標準税率10%となります。
覚えるポイント
- 特定保健用食品や栄養機能食品は食品として軽減税率8%、医薬品・医薬部外品は標準税率10%。
間違えやすいところ
- 新聞の売店やコンビニでの購入は定期購読契約に基づかないため軽減税率の対象外となる点に注意。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の消費税法
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
宅地建物取引業法における媒介契約
不動産 · 媒介契約 / 専任媒介契約 / 専属専任媒介契約 / 業務処理状況の報告義務
宅地建物取引業法に規定する媒介契約に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
宅地建物取引業法では、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類が規定され、契約有効期間、指定流通機構への登録義務、依頼者への報告義務、自己発見取引の可否等の規制が設けられています。
解き方
- 専任媒介・専属専任媒介契約の有効期間の上限(3カ月)を確認する。
- 申込みがあった場合の報告義務、業務処理状況の報告頻度、および自己発見取引の制限について各選択肢を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 専任媒介契約(専属専任媒介契約を含む)の有効期間の上限は3カ月であり、更新する場合も更新の時から3カ月が上限となります。
- 選択肢 2正解
- 宅地建物取引業者は、目的物である宅地または建物の売買等の申込みがあったときは、その内容が依頼者の希望に沿わないものであっても、遅滞なく依頼者に報告する義務があります(法第34条の2第8項)。
- 選択肢 3不正解
- 専属専任媒介契約を締結した宅建業者は、依頼者に対して1週間に1回以上(専任媒介契約の場合は2週間に1回以上)業務の処理状況を報告しなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 専属専任媒介契約では、他の宅建業者への重複依頼が禁止されるだけでなく、依頼者が自ら発見した相手方と直接売買等の契約を締結すること(自己発見取引)も禁止されています。
覚えるポイント
- 専任媒介:有効期間3カ月、報告2週間に1回以上、自己発見取引可。
- 専属専任媒介:有効期間3カ月、報告1週間に1回以上、自己発見取引不可。
間違えやすいところ
- 専任媒介と専属専任媒介の報告義務頻度(2週間に1回と1週間に1回)を取り違えやすい。
出題の前提:宅地建物取引業法第34条の2
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法における定期借家契約および普通借家契約
不動産 · 借地借家法 / 定期建物賃貸借 / 普通建物賃貸借 / 中途解約権
借地借家法における定期建物賃貸借契約(定期借家契約)およびそれ以外の建物賃貸借契約(普通借家契約)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
定期建物賃貸借(借地借家法第38条)は公正証書等の書面によって契約し、事前説明書面の交付と説明が必要です。また、借家人保護のための法定中途解約権は床面積200㎡未満の居住用建物に限定されます。
解き方
- 普通借家契約における賃貸人からの解約申入れの効力発生期間(6カ月経過)を確認する。
- 定期借家制度導入(2000年3月1日)前の居住用普通借家の切替え禁止規定を確認する。
- 定期借家契約の事前書面説明義務および法定中途解約権の適用対象(居住用・200㎡未満)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 期間の定めのない普通借家契約において、賃貸人が正当事由をもって解約の申入れをした場合、申入れの日から6カ月を経過することによって終了します(借地借家法第27条第1項)。
- 選択肢 2不正解
- 定期借家制度の施行(2000年3月1日)より前に締結された居住用建物の普通借家契約については、借家人を保護するため、合意解除して引き続き同一建物の定期借家契約を締結することはできません(附則第7条)。
- 選択肢 3不正解
- 定期借家契約を締結する際は、あらかじめ契約の更新がなく期間満了により終了する旨を記載した書面を交付して説明しなければならず、説明を怠った場合は更新がない特約は無効となります。
- 選択肢 4正解
- 借地借家法第38条第5項で定める中途解約権は「自己の居住の用に供する建物(床面積200㎡未満)」に限定されているため、事業用建物について特約がない場合は法律上の解約権を行使できません。
覚えるポイント
- 定期借家の法定中途解約:居住用建物、床面積200㎡未満、やむを得ない事情(転勤・療養・介護等)がある場合のみ。
間違えやすいところ
- 事業用建物の定期借家契約には借地借家法上の法定中途解約権がないことを見落としやすい。
出題の前提:借地借家法第27条、第38条
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
都市計画法における区域区分と開発許可
不動産 · 都市計画法 / 区域区分 / 用途地域 / 開発許可の承継
都市計画法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
開発許可に基づく地位の承継において、相続等の一般承継人は知事等の承認なしに当然承継します。一方、譲渡等の特定承継人は知事等の承認が必要です。また、区域区分(線引き)はすべての都市計画区域で義務付けられているわけではありません。
解き方
- 都市計画区域における区域区分(線引き)の任意性・例外を確認する。
- 用途地域を定める義務(市街化区域では必須、区域全体では必須ではない)を確認する。
- 開発許可に係る工事廃止時の手続(届出で足りる)を確認する。
- 開発許可に基づく地位の一般承継(知事の承認不要)と特定承継(知事の承認必要)の差異を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 都市計画区域において区域区分(市街化区域と市街化調整区域との区分)を定めることは原則として任意であり、区域区分が定められていない非線引き都市計画区域も存在します。
- 選択肢 2不正解
- 市街化区域には必ず用途地域を定めなければなりませんが、都市計画区域全体で用途地域を定めなければならないわけではありません。また、準都市計画区域でも用途地域を定めることができます。
- 選択肢 3不正解
- 開発許可を受けた者が開発行為に関する工事を廃止したときは、遅滞なくその旨を都道府県知事等に届け出なければならず、事前の許可は不要です(都市計画法第38条)。
- 選択肢 4正解
- 開発許可を受けた者の相続人その他の一般承継人は、都道府県知事等の承認を受けることなく、当然に被承継人が有していた当該許可に基づく地位を承継します(都市計画法第44条)。
覚えるポイント
- 開発許可の承継:相続人等の一般承継人は承認不要、譲渡等の特定承継人は都道府県知事等の承認が必要。
間違えやすいところ
- 開発工事を廃止する場合は「都道府県知事等の許可」ではなく「遅滞なく届出」でよい。
出題の前提:都市計画法第7条、第38条、第44条、第45条
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法における建築物の高さ制限
不動産 · 建築基準法 / 道路斜線制限 / 絶対高さ制限 / 隣地斜線制限 / 天空率
建築基準法に規定する建築物の高さの制限に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
建築基準法上の斜線制限(道路・隣地・北側)が異なる地域に敷地・建築物がわたる場合、各部分が属する地域の規定がそれぞれ個別に適用されます。また、天空率による適用除外が認められるのは斜線制限であり、日影規制には適用されません。
解き方
- 低層住居専用地域等の絶対高さ制限(10mまたは12m)を確認する。
- 斜線制限が異なる地域にわたる場合の適用関係(部分ごとに適用)を確認する。
- 隣地斜線制限の適用地域(低層住居専用地域・田園住居地域は適用除外)を確認する。
- 天空率による緩和対象(道路斜線・隣地斜線・北側斜線制限であり、日影規制は対象外)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 第一種・第二種低層住居専用地域および田園住居地域内の建築物の高さ限度(絶対高さ制限)は、都市計画で定められる「10mまたは12m」です。
- 選択肢 2正解
- 建築物が道路斜線制限の異なる地域にわたる場合、それぞれの地域内に存する建築物の部分ごとに、その地域の道路斜線制限が適用されます(建築基準法第56条第5項)。
- 選択肢 3不正解
- 隣地斜線制限は、絶対高さ制限がある第一種・第二種低層住居専用地域および田園住居地域には適用されません。また、用途地域の指定のない区域でも特定行政庁が指定した一定の区域では適用されることがあります。
- 選択肢 4不正解
- 天空率の基準に適合することで適用除外となるのは「道路斜線制限」「隣地斜線制限」「北側斜線制限」の3つであり、日影規制は天空率の適用除外の対象にはなりません。
覚えるポイント
- 天空率で緩和・除外できるのは道路斜線・隣地斜線・北側斜線制限。日影規制は除外されない。
間違えやすいところ
- 低層住居専用地域等の絶対高さ制限は「10mまたは12m」であり、「12mまたは15m」ではない。
出題の前提:建築基準法第55条、第56条、第56条の2
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生産緑地法における生産緑地制度
不動産 · 生産緑地法 / 市街化区域農地 / 買取りの申出 / 設置可能施設
生産緑地法に規定する生産緑地に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
生産緑地地区は市街化区域内の農地等を対象に指定され、農地としての適正な管理が義務付けられます。指定から30年経過または主たる従事者の死亡等の場合に市町村長へ買取り申出ができます。
解き方
- 生産緑地の指定対象地域が市街化区域内に限定されていることを確認する。
- 生産緑地法改正による農産物直売所や農家レストランの設置可否を確認する。
- 市町村長に対する買取り申出の要件期間(告示から30年経過)を確認する。
- 買取り申出による指定解除時の固定資産税の遡及課税の有無(遡及納付義務はない)を確認する。
- 選択肢 1正解
- 生産緑地地区は、三大都市圏の特定市の市街化区域をはじめとする都市計画区域内の市街化区域内にある農地等で、一定規模以上のものが指定対象とされます。
- 選択肢 2不正解
- 法改正により、生産緑地地区内において市町村長の許可を受けることで、主として生産緑地で生産された農産物を販売する施設(直売所)や料理を提供する施設(農家レストラン)等も設置可能となりました。
- 選択肢 3不正解
- 生産緑地の所有者が市町村長に時価での買取りの申出ができるのは、都市計画の告示の日から「30年」を経過したとき、または主たる従事者が死亡等により農業に従事できなくなったときです。
- 選択肢 4不正解
- 買取りの申出等により生産緑地の行為制限が解除された場合であっても、過去に農地評価により減免されていた固定資産税を遡って納付する義務はありません(相続税の納税猶予とは異なります)。
覚えるポイント
- 生産緑地の買取り申出要件:指定告示から30年経過、または主たる従事者の死亡・重度の障害等。
間違えやすいところ
- 固定資産税には解除時の遡及課税はない。相続税の納税猶予が免除打ち切りになる場合の猶予税額納付と混同しないこと。
出題の前提:生産緑地法第3条、第8条、第10条
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例
不動産 · 固定資産税 / 住宅用地の特例 / 店舗併用住宅 / 現況主義
「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
固定資産税の課税および住宅用地の特例は「現況主義」により判断されます。小規模住宅用地(住宅1戸あたり200㎡まで)は価格の6分の1、200㎡を超える一般住宅用地部分は価格の3分の1が課税標準となります。
解き方
- 敷地と一体利用されている専用駐車場の特例適用の可否を確認する。
- 併用住宅における居住割合に応じた住宅用地率の計算式を確認する(居住割合1/4以上1/2未満は率0.5)。
- 固定資産税の現況主義(登記の有無にかかわらず現況で判断)を適用して正誤を判断する。
- 小規模住宅用地(200㎡以下:1/6)と一般住宅用地(200㎡超:1/3)の減額割合を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 賃貸アパートの敷地と隣接する土地が入居者専用駐車場として一体的に利用されていると認められる場合、その駐車場用地も一体として住宅用地の特例の対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 2階建ての店舗併用住宅で居住割合が40%(120㎡/300㎡)の場合、居住割合が4分の1以上2分の1未満であるため、敷地面積の0.5が住宅用地率となります。したがって400㎡×0.5=200㎡が特例の対象です。
- 選択肢 3正解
- 固定資産税は賦課期日(1月1日)の現況で判断されるため、登記が未了であっても実際に完成して居住していれば住宅用地の特例の対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 住宅1戸あたり200㎡以下の部分は小規模住宅用地として課税標準が価格の6分の1となり、200㎡を超える部分(100㎡)は一般住宅用地として価格の3分の1となります。
覚えるポイント
- 固定資産税は賦課期日(1月1日)の現況主義。未登記でも現況が住宅なら住宅用地特例が適用される。
間違えやすいところ
- 小規模住宅用地は1/6、一般住宅用地は1/3。都市計画税の特例(小規模1/3、一般2/3)と混同しないこと。
出題の前提:地方税法第349条の3の2、地方税法施行令第52条の11
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
被相続人の居住用財産(空家)に係る譲渡所得の特別控除の特例
不動産 · 空き家の3,000万円特別控除 / 老人ホーム入所 / 売却価額1億円要件 / 他の特例との併用
「被相続人の居住用財産(空家)に係る譲渡所得の特別控除の特例(空き家特例)」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
空き家の3,000万円特別控除は、昭和56年5月31日以前に建築された被相続人の居住用家屋等について、売却対価が1億円以下であること等の要件を満たす場合に適用できます。共有の場合でも譲渡対価は全体で1億円以下である必要があります。
解き方
- 要介護認定を受けて老人ホーム等に入所していた場合も一定要件で対象となる(平成31年度税制改正)ことを確認する。
- 自己の居住用財産の3,000万円控除と空き家特例の控除限度額の合算枠(合計3,000万円が上限)を確認する。
- 前年・前々年に特定の居住用財産の買換え特例を受けていても空き家特例は適用可能であることを確認する。
- 譲渡対価1億円以下の判定は、共有物件の場合でも物件全体の譲渡対価で判定することを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 平成31年度税制改正により、要介護認定等を受けて被相続人が老人ホーム等に入所していた場合でも、一定の要件を満たせば本特例の対象となるよう拡充されました。
- 選択肢 2不正解
- 同一年に自己の居住用財産の3,000万円特別控除と被相続人の居住用財産(空家)の3,000万円特別控除を重複して受ける場合でも、控除限度額は合わせて最高3,000万円となります。
- 選択肢 3不正解
- 空き家特例には、前年または前々年に「特定の居住用財産の買換えの特例」を受けていた場合の適用制限規定は設けられていないため、本特例の適用を受けることができます。
- 選択肢 4正解
- 本特例の適用要件である「売却代金が1億円以下」の判定は、共有持分のみを譲渡する場合であっても対象となる家屋・敷地全体の売却対価の額で判定するため、全体で1億2,000万円の場合は特例を受けられません。
覚えるポイント
- 空き家特例の1億円要件:共有持分の売却であっても敷地・家屋全体の対価が1億円以下でなければならない。
間違えやすいところ
- 自己の持分譲渡対価が1億円以下(本問では6,000万円)であっても、全体対価が1億円超なら適用不可となる点に注意。
出題の前提:租税特別措置法第35条第3項
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換えの特例(立体買換え)
不動産 · 立体買換えの特例 / 譲渡所得の課税の特例 / 租税特別措置法第37条の5
Aさんは、所有する土地の一部をデベロッパーに譲渡し、デベロッパーがその土地上に建設した建築物の一部を取得することを検討している。「既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換えの場合の譲渡所得の課税の特例」(立体買換えの特例。租税特別措置法第37条の5。本問においては表二号の中高層の耐火共同住宅に限定)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
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解答
3
解説
既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換えの特例(立体買換えの特例・措法37条の5)は、都市空間の有効利用を図るため、所有地を譲渡して耐火建築物等を取得した場合に譲渡益の課税を繰り延べる制度です。譲渡資産には所有期間の要件はなく、遊休地であっても対象となります。取得資産は取得後1年以内に本人の居住用または事業等の用に供する必要がありますが、貸付けは事業的規模未満であっても認められます。
解き方
- 譲渡資産の要件(所有期間の定めなし、事業用・居住用・遊休地を問わず対象)を確認する。
- 買換資産の取得後の利用区分(買換資産を取得した者が自己の居住用・事業用・貸付用などに供すること、親族に無償等で使わせる場合は生計を一にする親族に限られること)を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 立体買換えの特例(表二号)における譲渡資産は、既成市街地等の区域内にある土地等であれば足り、譲渡直前において事業用・居住用でなく遊休地であっても適用を受けることができます。
- 選択肢 2不正解
- 一般的な事業用資産の買換え特例(措法37条)とは異なり、立体買換えの特例(措法37条の5)では譲渡資産について「譲渡の年の1月1日において所有期間10年超」といった所有期間の制限は設けられていません。
- 選択肢 3正解
- 取得資産を不動産貸付の用に供する場合、その規模が事業的規模(いわゆる5棟10室基準等)に満たない業務的規模の貸付けであっても、本特例の「貸付の用」に該当し、適用を受けることができます。
- 選択肢 4不正解
- 取得資産を親族の居住または事業の用に供する場合に特例が認められるのは、「生計を一にする親族」に限られます。生計を別にする親族の事業の用に供する場合は本特例の対象外となります。
覚えるポイント
- 立体買換え特例(中高層耐火建築物等)では譲渡資産の所有期間要件・利用状況要件(遊休地可)がない点
- 買換資産の貸付の用は事業的規模未満でも認められる点
間違えやすいところ
- 措法37条の「特定の事業用資産の買換え」における所有期間10年超要件と、措法37条の5の立体買換え特例とを混同すること。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の税法基準(租税特別措置法第37条の5)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
暦年課税と相続時精算課税の併用時の贈与税額の計算
タックスプランニング · 贈与税の計算 / 暦年課税 / 特例税率 / 相続時精算課税制度
Aさん(36歳)は、事業資金として、2019年4月に祖父(84歳)から現金500万円の贈与を受け、同年5月に父(62歳)から現金2,600万円の贈与を受けた。祖父からの贈与については暦年課税を選択し、父からの贈与については初めて相続時精算課税を選択する場合、Aさんの2019年分の贈与税額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、いずれも贈与税の課税対象となり、Aさんは2019年中にほかに贈与は受けていないものとする。 〈贈与税の速算表(一部抜粋)〉 特例贈与財産(受贈時に20歳以上で直系尊属からの贈与): ・基礎控除後200万円以下:税率10%、控除額なし ・200万円超300万円以下:税率15%、控除額10万円 ・300万円超400万円以下:税率15%、控除額10万円 ・400万円超600万円以下:税率20%、控除額30万円 一般贈与財産: ・基礎控除後200万円以下:税率10%、控除額なし ・200万円超300万円以下:税率15%、控除額10万円 ・300万円超400万円以下:税率20%、控除額25万円 ・400万円超600万円以下:税率30%、控除額65万円
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解答
1
解説
同一年に異なる贈与者から贈与を受け、一方に暦年課税、もう一方に相続時精算課税を適用する場合、贈与税額はそれぞれの制度ごとに区分して計算し、合算して納付します。暦年課税では贈与年の1月1日において20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた場合は「特例税率」が適用されます。相続時精算課税では同一の特定贈与者からの贈与につき累計2,500万円の特別控除があり、控除後の金額に対して一律20%が課税されます。
解き方
- 祖父からの贈与(暦年課税・特例税率)を計算する:(500万円-110万円)=390万円、390万円×15%-10万円=48.5万円。
- 父からの贈与(相続時精算課税)を計算する:(2,600万円-2,500万円)×20%=100万円×20%=20万円。
- 合算して2019年分の納付すべき贈与税額を算出する:48.5万円+20万円=68.5万円(68万5,000円)。
- 選択肢 1正解
- 暦年課税(特例税率適用)分の税額48万5,000円と、相続時精算課税分の税額20万円を合算すると68万5,000円となり適切です。
- 選択肢 2不正解
- 祖父からの贈与に誤って一般税率を適用して計算すると、390万円×20%-25万円=53万円となり、父からの20万円と合算して73万円になりますが、直系尊属からの贈与であるため特例税率が適用されるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 相続時精算課税の特別控除額2,500万円の適用を誤るなどして算出した誤った金額です。
- 選択肢 4不正解
- 特例税率の誤用および控除額の計算違いによる誤った金額です。
覚えるポイント
- 贈与年の1月1日において20歳以上(現行法では18歳以上)の子や孫が直系尊属から受贈した暦年課税財産は特例税率を適用する
- 相続時精算課税の特別控除枠は2,500万円、超える部分は一律20%課税
間違えやすいところ
- 直系尊属からの贈与であるにもかかわらず一般税率を適用してしまうこと。
- 暦年課税と相続時精算課税の基礎控除や税額計算を混同して合算計算してしまうこと。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の相続税法・租税特別措置法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税特例
相続・事業承継 · 住宅取得等資金の贈与税非課税 / 生前贈与加算 / 直系尊属 / 床面積要件
「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」(以下、「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、受贈者が取得する住宅の対価等の額に含まれる消費税等の税率は10%であるものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
住宅取得等資金の贈与税非課税特例(措法70条の2)は、父母や祖父母などの直系尊属から住宅の新築・取得・増改築等の資金の贈与を受けた場合に、一定額まで贈与税を非課税とする制度です。この特例の適用を受けて非課税となった金額は、贈与者が3年以内に死亡した場合の相続税の生前贈与加算の対象外とされています。
解き方
- 各選択肢の要件(受贈者と贈与者の関係、家屋の床面積要件、消費税率10%時の非課税限度額)を確認する。
- 贈与者死亡時の相続税の課税価格への生前贈与加算(3年以内加算)の取扱いを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 本特例の贈与者は受贈者の直系尊属(父母、祖父母など)に限られます。配偶者の父母(義父母)は受贈者本人の直系尊属ではないため、養子縁組をしていない限り特例の対象となりません。
- 選択肢 2不正解
- 取得する家屋の床面積要件(登記簿上の床面積)は50㎡以上240㎡以下とされており、区分所有建物の場合は専有部分の床面積で判定します。
- 選択肢 3不正解
- 消費税率10%が適用される住宅の取得等で、2019年4月1日から2020年3月31日までに契約を締結した場合の省エネ等住宅の非課税限度額は3,000万円(一般住宅は2,500万円)となります。
- 選択肢 4正解
- 本特例の適用を受けて贈与税の課税価格に算入されなかった金額については、贈与者が3年以内に死亡した場合であっても、相続税の生前贈与加算の対象とはならず、相続税の課税価格には算入されません。
覚えるポイント
- 住宅取得等資金の非課税特例で非課税となった金額は、3年以内贈与加算(生前贈与加算)の対象外
- 配偶者の親(義親)は直系尊属ではないため対象外(養子縁組が必要)
間違えやすいところ
- 一般の生前贈与の3年以内加算ルールと混同し、非課税特例を受けた部分も相続税に足し戻されると誤解すること。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の租税特別措置法第70条の2に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺産分割における代償分割の法律・税務
相続・事業承継 · 代償分割 / 遺産分割協議書 / 譲渡所得税 / 取得費と取得時期の引継ぎ
代償分割に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
代償分割とは、特定の相続人が現物資産を取得し、その代償として他の相続人に自己の固有財産(金銭や自己所有の不動産等)を交付する分割方法です。交付する財産が金銭以外の資産(不動産等)である場合、税務上は代償債務の消滅という対価を得て譲渡した(代物弁済)とみなされるため、時価による譲渡所得課税が生じます。また、受け取った側はその不動産を代償債務履行時の時価で取得したことになります。
解き方
- 代償分割における代償財産の交付形式(金銭以外の固有財産を交付した場合の代物弁済性)を確認する。
- 交付者における譲渡所得課税の発生(引渡しの時の時価で譲渡したものとされる)を判定する。
- 取得者側の取得費・取得時期(交付時の時価・時期となり、引継ぎではない)を整理する。
- 選択肢 1不正解
- 遺産分割協議書の作成方式について法律上公正証書であることが義務付けられているわけではありません(私署証書でも有効に成立します)。
- 選択肢 2正解
- 代償財産として自己所有の不動産を交付した場合、代償債務の弁済という経済的利益を得るための資産の譲渡(代物弁済)とみなされ、履行時の時価により交付者に所得税(譲渡所得)が課税されます。
- 選択肢 3不正解
- 代償分割により不動産を取得した者の所得税法上の取得費は、交付時の時価(代償債務の履行に充てられた価額)となります。交付した者の取得費を引き継ぐわけではありません。
- 選択肢 4不正解
- 代償分割により不動産を取得した者の所得税法上の取得時期は、当該代償債務が履行された時(取得した時)となります。交付した者の取得時期を引き継ぐわけではありません。
覚えるポイント
- 代償分割で固有の不動産を交付すると、交付者に時価での譲渡所得税が課税される(代物弁済)
- 代償財産として不動産を取得した者は、引渡し時の時価で取得したことになり、前の所有者の取得費・取得時期は引き継がない
間違えやすいところ
- 相続による取得だからといって、相続税法上の被相続人の取得費・取得時期の引継ぎと同様に扱われると誤解すること。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の民法および所得税法(所得税基本通達33-1の5等)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺産分割前の相続預託金の払戻し制度の上限額計算
相続・事業承継 · 預貯金債権の仮払い制度 / 単独での払戻し / 法定相続分 / 法務省令の上限額
下記の〈条件〉に基づき、子Bさんが、家庭裁判所の判断を経ることなく、遺産分割前に単独で払戻しを請求することができる預貯金債権の上限額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。 〈条件〉 (1) 被相続人の親族関係図 被相続人、妻Aさん、子Bさん、子Cさん (2) 被相続人の相続開始時の預貯金債権の額 ・X銀行:普通預金600万円、定期預金1,500万円 ・Y銀行:定期預金720万円 ※定期預金はいずれも満期が到来しているものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
民法改正により創設された預貯金債権の払戻し制度(民法909条の2)では、各共同相続人は遺産分割前であっても、家庭裁判所の判断を経ずに単独で預貯金の払戻しを請求できます。その限度額は「相続開始時の各金融機関の預貯金債権の額×3分の1×払戻しを求める共同相続人の法定相続分」であり、1つの金融機関からの払戻し上限額は法務省令で150万円と定められています。
解き方
- 子Bさんの法定相続分を計算する:妻が1/2、子Bと子Cがそれぞれ(1/2)×(1/2)=1/4。
- X銀行からの払戻可能額を計算する:(600万円+1,500万円)×1/3×1/4=2,100万円×1/12=175万円。金融機関ごとの上限150万円が適用され、150万円となる。
- Y銀行からの払戻可能額を計算する:720万円×1/3×1/4=720万円×1/12=60万円(150万円以下のため60万円)。
- 合算して子Bさんが単独で払戻し請求できる上限額を算出する:150万円+60万円=210万円。
- 選択肢 1不正解
- 単一の金融機関の上限額である150万円のみを答える誤りです。本制度の上限150万円は「同一の金融機関ごと」に適用されるため、複数金融機関がある場合はそれぞれ合算できます。
- 選択肢 2正解
- X銀行からの上限150万円と、Y銀行からの60万円を合算した210万円が適切です。
- 選択肢 3不正解
- X銀行の175万円とY銀行の60万円を上限150万円を適用せずに合算(235万円)した誤った数値です。
- 選択肢 4不正解
- 2つの金融機関の上限額150万円×2=300万円を無条件に合算した誤った数値です。
覚えるポイント
- 遺産分割前の単独払戻限度額の計算式=預貯金債権額×3分の1×請求者の法定相続分
- 法務省令による同一金融機関ごとの上限額は150万円
間違えやすいところ
- 同一金融機関内での複数の口座(普通預金と定期預金)を別々に上限150万円判定してしまうこと(金融機関ごとに合算して上限適用)。
- 上限額150万円が相続人全体の総額上限であると勘違いすること(金融機関ごとの上限)。
出題の前提:2019年7月1日施行の民法第909条の2および法務省令に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税額の2割加算の対象者および計算
相続・事業承継 · 相続税額の2割加算 / 代襲相続人 / 孫養子 / 結婚・子育て資金一括贈与
相続税額の2割加算に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、相続人はいずれも相続税の納付税額が発生するものとする。
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解答
3
解説
相続税額の2割加算は、財産を取得した者が被相続人の配偶者および一親等の血族(代襲相続人となった孫を含む)以外の者である場合に、相続税額の20%相当額を加算する制度です。直系卑属である孫が養子となっている場合(代襲相続人を除く)は一親等の法定血族ですが、2割加算の対象とされています。一方、租税特別措置法の結婚・子育て資金特例のみなし遺贈残額については、受贈者が孫であっても2割加算の対象から除外されています(出題当時の法令)。
解き方
- 2割加算の対象者(配偶者および一親等の血族以外。ただし代襲相続人以外の孫養子は加算対象)の規定を確認する。
- 兄弟姉妹の代襲相続人(甥・姪)の取扱い(甥・姪は三親等の血族であるため2割加算の対象)を確認する。
- 結婚・子育て資金一括贈与の残額にかかる相続税の特例措置(2割加算除外)を確認する。
- 税額控除の適用順序(2割加算を行ってから未成年者控除・障害者控除等を差し引く)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 被相続人の子が生存しているにもかかわらず被相続人の養子となっている孫(孫養子)は、一親等の血族であっても相続税額の2割加算の対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 代襲相続人であっても、被相続人の兄弟姉妹の子(甥・姪)は一親等の血族には当たらないため、相続税額の2割加算の対象となります(代襲相続で加算対象から除外されるのは直系卑属である孫等に限られます)。
- 選択肢 3正解
- 結婚・子育て資金一括贈与特例において、管理残額が遺贈により取得したものとみなされた場合、その者が2割加算対象者(孫など)であっても、当該残額に対応する相続税額については2割加算を行わないこととされています。
- 選択肢 4不正解
- 相続税額の計算手順において、2割加算は各人の算出相続税額に対して加算した後に、未成年者控除や障害者控除などの税額控除を差し引きます。未成年者控除控除後の税額に加算するわけではありません。
覚えるポイント
- 孫養子(代襲相続人を除く)は2割加算の対象となる
- 兄弟姉妹の代襲相続人である甥・姪は2割加算の対象となる
- 未成年者控除や障害者控除は2割加算後の税額から控除する
間違えやすいところ
- 甥・姪が代襲相続人である場合にも、孫の代襲相続人と同様に2割加算が免除されると誤認すること。
- 税額控除(未成年者控除等)を引いてから2割加算を乗じると誤認すること。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の相続税法第18条および租税特別措置法第70条の2の3に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の申告義務の判定
相続・事業承継 · 相続税の申告要否 / 基礎控除額 / 配偶者の税額軽減 / 小規模宅地等の特例 / 相続時精算課税
次の各ケースのうち、相続人が相続税の申告をしなければならないものはいくつあるか。なお、各ケースにおいて、被相続人は2019年中に死亡し、相続人は相続により財産を取得したものとする。また、相続の放棄をした者はおらず、記載のない事項については考慮しないものとする。 (a) 相続人が被相続人の配偶者のみであり、相続開始時に被相続人が所有していた財産は3,000万円(相続税評価額)であるが、相続人が契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人とする生命保険契約による死亡保険金1,000万円を受け取った場合 (b) 相続人が被相続人の配偶者と子の合計2人であり、相続開始時に被相続人が所有していた財産は3,000万円(相続税評価額)であるが、5年前に相続人が被相続人から現金1,000万円の贈与を受け、相続時精算課税の適用を受けていた場合 (c) 相続人が被相続人の配偶者と子2人の合計3人であり、相続開始時に被相続人が所有していた財産は5,000万円(相続税評価額)であるが、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けることにより、相続税の課税価格の合計額が4,200万円になる場合 (d) 相続人が被相続人の配偶者のみであり、相続開始時に被相続人が所有していた財産は6,000万円(相続税評価額)であるが、配偶者がすべての財産を相続により取得し、「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けることにより、納付すべき相続税額が算出されない場合
解答・解説を表示
解答
2
解説
相続税の申告は、相続税の課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合に必要となります。ただし、「小規模宅地等の特例」や「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けることにより納付すべき税額がゼロになる場合であっても、これらの特例を適用するためには期限内申告書の提出が必須とされています。一方、相続時精算課税適用財産を足し戻しても基礎控除額以下の場合は申告不要です。
解き方
- 各ケースの基礎控除額と課税価格を算出する。
- (a):一時所得となる保険金を除外した課税価格3,000万円と基礎控除3,600万円を比較(申告不要)。
- (b):精算課税財産を加算した課税価格4,000万円と基礎控除4,200万円を比較(申告不要)。
- (c):特例適用要件として申告が必要(申告必要)。
- (d):配偶者の税額軽減適用要件として申告が必要(申告必要)。
- 申告義務があるケースの数をカウントする((c)と(d)の2つ)。
- 選択肢 1不正解
- 申告義務があるものは(c)と(d)の2つ存在するため誤りです。
- 選択肢 2正解
- (c)と(d)の2つが申告をしなければならないケースに該当するため適切です。
- 選択肢 3不正解
- (a)または(b)を申告必要と誤認したカウントです。
- 選択肢 4不正解
- すべてのケースで申告が必要と誤認したカウントです。
覚えるポイント
- 小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減は、税額がゼロになっても申告書の提出が適用の要件である
- 相続時精算課税財産を足し戻しても基礎控除以下であれば相続税の申告は不要
- 保険料負担者が受取人である生命保険金は一時所得(所得税)であり相続税の課税対象外
間違えやすいところ
- 「配偶者の税額軽減」により納税額がゼロになるから申告不要と勘違いすること。
- 相続時精算課税を使っていると基礎控除以下であっても必ず申告が必要と勘違いすること(基礎控除以下なら不要)。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の相続税法第27条に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税評価(株式、国債、貸付金債権、セットバック宅地)
相続・事業承継 · 財産評価基本通達 / 上場株式の評価 / 個人向け国債の評価 / 貸付金債権の評価 / セットバックを要する宅地
個人が相続により取得した資産の相続税評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
財産評価基本通達において、相続等により取得した各種財産の評価方法が定められています。複数の金融商品取引所に上場されている株式は納税義務者が選択した1市場の価格を採用します。個人向け国債は中途換金時の受取想定額、貸付金債権は元本と既経過利息の合計額、セットバックを要する宅地はセットバック部分の70%控除によって評価します。
解き方
- 上場株式の評価(複数市場に上場している場合のルール:納税者が選択した1つの取引所の価格による)を確認する。
- 個人向け国債の評価(中途換金調整額控除後の支払受取可能額による)を確認する。
- 貸付金債権の評価(元本額+既経過利息額)を確認する。
- セットバック宅地の評価(セットバック部分の70%相当額を控除)を確認する。
- 選択肢 1正解
- 2以上の金融商品取引所に上場されている銘柄の株式は、納税義務者が選択した金融商品取引所が公表する価格に基づき評価します。最も高い価額を選ぶわけではないため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 個人向け国債は、課税時期において中途換金した場合に取扱機関から支払を受けることができる価額(額面金額+経過利子相当額-中途換金調整額)により評価します。
- 選択肢 3不正解
- 貸付金債権等の評価は、原則として、その元本(返済されるべき金額)と課税時期現在の既経過利息として支払を受けるべき金額との合計額により評価します。
- 選択肢 4不正解
- 建築基準法第42条第2項の指定を受けた道路(2項道路)に接し、セットバックを要する宅地は、全体を評価した価額からセットバック対象部分の価額の70%相当額を控除して評価します。
覚えるポイント
- 複数市場に上場している株式は「納税者が選択した1つの取引所の価格」で評価する
- セットバックを必要とする宅地はセットバック部分の70%相当額を控除する
- 個人向け国債は中途換金したとした場合の受取可能額で評価する
間違えやすいところ
- 複数取引所の上場株式評価で「最も高い価格」や「平均値」をとると誤解すること。
- セットバック控除割合(70%控除)の数字を30%などと取り違えること。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の財産評価基本通達(上場株式、個人向け国債、貸付金債権、セットバック宅地)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
取引相場のない株式の会社規模の判定
相続・事業承継 · 取引相場のない株式の評価 / 会社規模の判定 / 類似業種比準方式
財産評価基本通達における取引相場のない株式の評価上の会社規模判定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
取引相場のない株式を類似業種比準方式等で評価する際、会社規模(大会社・中会社・小会社)を従業員数、総資産価額、取引金額(売上高等)に基づいて区分判定します。従業員数が70人以上の企業は、それ以外の要素を問わず一律に大会社として取り扱われます。
解き方
- 判定基準において従業員数が70人以上である場合は、総資産価額・取引金額の判定を経ずに大会社となる特則を確認する。
- 短時間労働者(パート・アルバイト等)の従業員数への算入方法、総資産価額が帳簿価額基準であること、取引金額が純売上高であることを各肢と照合して正誤を判別する。
- 選択肢 1正解
- 直前期末以前1年間における従業員数が70人以上の評価会社は、総資産価額や年間取引金額にかかわらず、大会社として区分されます。
- 選択肢 2不正解
- 週の労働時間が30時間未満の短時間労働者であっても、直前期末以前1年間の労働時間の合計を1,800時間で除して計算した員数を従業員数に含めるため反映されます。
- 選択肢 3不正解
- 会社規模の判定における総資産価額は、直前期末における評価会社の各資産の「帳簿価額」の合計額によって算定されます(相続税評価額ではありません)。
- 選択肢 4不正解
- 会社規模の判定における取引金額とは、その期間における評価会社の目的とする事業に係る「売上金額(純売上高)」であり、利益金額ではありません。
覚えるポイント
- 従業員数70人以上は他の要素に関係なく無条件で大会社に区分される。
- 規模判定の総資産価額は帳簿価額基準、取引金額は売上高基準である。
間違えやすいところ
- 純資産価額方式で用いる総資産の相続税評価額と、規模判定で用いる帳簿価額ベースの総資産価額を混同しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等(財産評価基本通達)
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.26(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
特別支配株主の株式等売渡請求制度
相続・事業承継 · 会社法 / 特別支配株主の株式等売渡請求 / スクイーズ・アウト
会社法に規定する特別支配株主の株式等売渡請求制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
特別支配株主の株式等売渡請求は、総株主の議決権の90%以上を保有する特別支配株主が、少数株主から株式等を強制的に買い取って完全子会社化(スクイーズ・アウト)する制度です。手続きを迅速化するため、対象会社が取締役会設置会社である場合は株主総会の決議ではなく取締役会の決議等によって承認を行います。
解き方
- 特別支配株主の要件(議決権の10分の9以上)および制度趣旨(株主総会決議不要の迅速なスクイーズ・アウト)を確認する。
- 取締役会設置会社における承認機関が取締役会(取締役会設置会社以外は株主総会等)である点を確認し、株主総会の招集決議を義務付けている選択肢3が誤りであることを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 特別支配株主とは、対象会社の総株主の議決権の10分の9(定款でこれを上回る割合を定めた場合はその割合)以上を直接または間接に保有する株主を指します。
- 選択肢 2不正解
- 特別支配株主は、対象会社の承認を得る等の所定手続を経ることで、他の株主の個別の同意を要せず、金銭等を対価として売渡株式の全部を取得できます。
- 選択肢 3正解
- 対象会社が取締役会設置会社である場合、株式売渡請求の承認は取締役会の決議によって行われ、株主総会の招集・決議は不要です。
- 選択肢 4不正解
- 対象会社は取得日の20日前までに売渡株主等へ承認の旨や取得対価等の事項を通知(または公告)し、特別支配株主は取得日に売渡株式の全部を取得します。
覚えるポイント
- 特別支配株主は議決権の90%(10分の9)以上を保有する株主。
- 取締役会設置会社では株主総会を経ずに取締役会決議で迅速に承認できる。
間違えやすいところ
- 株式併合等を用いたスクイーズ・アウトでは株主総会の特別決議が必要ですが、特別支配株主の株式売渡請求では株主総会決議が不要である点を取り違えやすいです。
出題の前提:2019年10月1日現在施行の法令等(会社法第179条関係)
出典:金融財政事情研究会『2020年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.26(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2020年1月 1級 学科(基礎編)
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2020年1月 1級 学科(基礎編)の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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