日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2019年5月 1級 学科(応用編)の概要
雇用保険の給付(高年齢雇用継続給付・基本手当・高年齢求職者給付金)
ライフプランニングと資金計画 · 高年齢雇用継続基本給付金 / 基本手当 / 高年齢求職者給付金
定年退職後も再雇用制度等を利用して雇用保険の被保険者として勤務を継続する場合や退職した場合の雇用保険の給付に関する次の文章について、空欄①~⑧に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。 Ⅰ 「Aさんが、X社の再雇用制度を利用して60歳以後も引き続き同社に勤務し、かつ、60歳以後の各月(支給対象月)に支払われた賃金額(みなし賃金額を含む)が60歳到達時の賃金月額の( ① )%相当額を下回る場合、Aさんは、所定の手続により、原則として、高年齢雇用継続基本給付金を受給することができます。 仮に、Aさんに対して支給対象月に支払われる賃金額を28万2,000円、60歳到達時の賃金月額(みなし賃金日額に30を乗じて得た額)を47万円とした場合、Aさんに支給される高年齢雇用継続基本給付金の額は、1支給対象月当たり( ② )円となります。 なお、高年齢雇用継続基本給付金には、支給限度額や最低限度額が設けられており、これらの額は、原則として毎年( ③ )月1日に改定されます」 Ⅱ 「Aさんが、X社の再雇用制度を利用して60歳以後も引き続き同社に勤務し、かつ、65歳到達前に退職して求職を希望する場合、Aさんは、所定の手続により、失業している日について基本手当を受給することができます。 基本手当の日額は、原則として、被保険者期間として計算された最後の( ④ )カ月間に支払われた賃金(賞与等を除く)の総額を基に算出した賃金日額に、当該賃金日額に応じた給付率を乗じて得た額となります。なお、賃金日額には、下限額および受給資格者の年齢区分に応じて上限額が設けられています。また、賃金日額に応じた給付率は、受給資格に係る離職日において60歳以上65歳未満である受給資格者の場合、100分の45から100分の( ⑤ )の範囲です。 Aさんが基本手当の支給を受けることができる最大の日数(所定給付日数)は、Aさんが特定受給資格者等に該当しない場合、( ⑥ )日となります。 他方、Aさんが65歳の誕生日の属する月の末日でX社を退職して失業している場合、Aさんは、所定の手続により、( ⑦ )を受給することができます。Aさんに対して支給される( ⑦ )の額は、最大で基本手当日額に( ⑧ )日を乗じて得た額となります」
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解答
① 75 ② 42,300 ③ 8 ④ 6 ⑤ 80 ⑥ 150 ⑦ 高年齢求職者給付金 ⑧ 50
解説
雇用保険では、高齢期における労働者の就業意欲の維持と生活安定を図るため、60歳以上65歳未満の賃金低下に対して高年齢雇用継続給付を支給するほか、65歳到達前の離職者には基本手当、65歳到達後の離職者には一時金形式の高年齢求職者給付金を支給する体系が定められています。
解き方
- 設例の数値から賃金低下率を計算し(28.2万円÷47万円=60%)、61%以下の最大支給率15%を適用して支給額を算出する。
- 雇用保険法における賃金日額の算定基礎期間(最後の6カ月)、60歳以上65歳未満の給付率(45~80%)、一般受給資格者の所定給付日数(20年以上で150日)、65歳以降離職の一時金給付(高年齢求職者給付金・最大50日)の各規定を当てはめる。
答えの内訳
- ①:75(%)
- 高年齢雇用継続基本給付金は、60歳以後の各月に支払われた賃金額が60歳到達時の賃金月額の75%未満に低下した場合に支給されます。
- ②:42,300(円)
- 支給対象月賃金(28万2,000円)の60歳到達時賃金月額(47万円)に対する低下率は282,000÷470,000=60%です。低下率が61%以下であるため支給率は最大の15%となり、支給額は282,000円×15%=42,300円となります。
- ③:8(月)
- 高年齢雇用継続基本給付金の支給限度額や最低限度額は、毎月勤労統計調査の平均定期給与額の変動に基づき、原則として毎年8月1日に改定されます。
- ④:6(カ月)
- 基本手当の賃金日額は、原則として算定対象期間において被保険者期間として計算された最後の6カ月間に支払われた賃金(臨時の賃金・賞与等を除く)の総額を180で除して算定します。
- ⑤:80
- 離職時の年齢区分が60歳以上65歳未満の受給資格者に対する基本手当の給付率は、100分の45から100分の80(45%~80%)の範囲となっています。
- ⑥:150(日)
- 一般離職者(特定受給資格者等以外)で、被保険者期間が20年以上ある受給資格者(離職時60歳以上65歳未満を含む)の基本手当の所定給付日数は150日です。
- ⑦:高年齢求職者給付金
- 65歳以降に離職して失業状態にある高年齢被保険者に対して支給される失業等給付は、基本手当ではなく一時金として受給する高年齢求職者給付金です。
- ⑧:50(日)
- 高年齢求職者給付金の支給日数は、被保険者であった期間が1年未満の場合は30日分、1年以上の場合は最大の50日分となります。
覚えるポイント
- 高年齢雇用継続給付の支給要件は賃金月額の75%未満への低下であり、低下率61%以下で支給率は上限の15%となる。
- 65歳以降の離職による失業給付は「高年齢求職者給付金」であり、算定基礎期間1年以上で50日分の一時金として支給される。
間違えやすいところ
- 高年齢求職者給付金の支給日数は30日または50日の2区分であり、基本手当の所定給付日数区分(90日〜150日など)と混同しやすい。
- 賃金日額の算定における対象期間は最後の「12カ月」ではなく「6カ月」である点に注意が必要である。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の雇用保険法令に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.2(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
在職老齢年金と高年齢雇用継続基本給付金の併給調整後の支給額計算
ライフプランニングと資金計画 · 低在職老齢年金 / 特別支給の老齢厚生年金 / 高年齢雇用継続基本給付金との併給調整
Aさんが定年退職後も再雇用制度を利用して厚生年金保険の被保険者として同社に勤務し、64歳から特別支給の老齢厚生年金と高年齢雇用継続基本給付金を同時に受給する場合について、高年齢雇用継続基本給付金との調整を受けた後の在職老齢年金の年金額を計算過程とともに求めなさい(答は円単位)。 〈条件〉 ・60歳以後の賃金月額:28万2,000円 ・60歳以後の標準報酬月額:28万円(60歳以降、賞与の支給はない) ・60歳到達時の賃金月額:47万円 ・特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の年金額:126万円 〈資料〉 在職支給停止の仕組みによる支給停止基準額 支給停止基準額=(総報酬月額相当額+基本月額-支給停止調整開始額)×1/2×12 ※支給停止調整開始額は2018年度価額(28万円)を使用すること。
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解答
428,400円
解説
60歳以上65歳未満で厚生年金保険に加入しながら特別支給の老齢厚生年金を受給する場合、総報酬月額相当額と基本月額の合計額に応じて在職支給停止が行われます。さらに高年齢雇用継続給付を受給する際は、最高で標準報酬月額の6%に相当する年金額が併給調整として追加で支給停止されます。
解き方
- 基本月額を算出する:1,260,000円÷12=105,000円
- 在職支給停止後の年金額を計算する:1,260,000円-(280,000円+105,000円-280,000円)×1/2×12=630,000円
- 賃金低下率28.2万円÷47万円=60%(61%以下)より、高年齢雇用継続給付受給に伴う年金支給停止率(標準報酬月額の6%)を特定し停止額を計算する:280,000円×6%×12=201,600円
- 併給調整後の受給年金額を求める:630,000円-201,600円=428,400円
答えの内訳
- 計算過程:1,260,000円÷12=105,000円 1,260,000円-(280,000円+105,000円-280,000円)×1/2×12=630,000円 280,000円×6/100×12=201,600円 630,000円-201,600円=428,400円
- まず基本月額(126万円÷12=10.5万円)を求め、総報酬月額相当額28万円との合計(38.5万円)が支給停止調整開始額28万円を超えるため在職支給停止額を計算し、さらに低下率60%(61%以下)に伴う年金停止額(標準報酬月額の6%×12)を控除します。
- 答:428,400(円)
- 在職老齢年金の年額630,000円から、高年齢雇用継続給付との調整による支給停止額201,600円を控除した受給額は428,400円となります。
覚えるポイント
- 60歳台前半の低在職老齢年金の支給停止基準額は、基本月額+総報酬月額相当額が支給停止調整開始額(2018年度:28万円)を超える場合に超える部分の2分の1に12を乗じて算出する。
- 高年齢雇用継続給付との併給調整による年金停止額は、低下率61%以下の場合に標準報酬月額の6%となる(賃金額ではなく標準報酬月額に乗じる)。
間違えやすいところ
- 高年齢雇用継続給付による支給停止額の計算時、賃金月額(28万2,000円)ではなく標準報酬月額(28万円)を基準にする点を取り違えやすい。
- 在職老齢年金の支給停止額を計算しただけで満足し、高年齢雇用継続給付による追加停止(6%分)の控除を失念しやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の厚生年金保険法および雇用保険法(2018年度価額)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 1級 学科(応用編)』
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公的年金の老齢給付の受給額計算(老齢基礎年金および老齢厚生年金)
ライフプランニングと資金計画 · 公的年金 / 老齢基礎年金 / 老齢厚生年金 / 経過的加算 / 加給年金
X社の再雇用制度を利用して65歳まで厚生年金保険の被保険者として勤務し退職したAさん(1959年7月20日生まれ、配偶者:1962年2月5日生まれの妻Bさん)が受給できる公的年金の老齢給付について、2018年度価額に基づいて次の①老齢基礎年金の年金額、②老齢厚生年金の年金額(本来水準)を求めなさい。なお、年金額の端数処理は円未満四捨五入とし、妻Bさんは62歳から特別支給の老齢厚生年金を受給しているものとする。
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解答
①老齢基礎年金:725,723円、②老齢厚生年金:1,720,412円
解説
65歳からの公的年金老齢給付は老齢基礎年金と老齢厚生年金の2階建てです。老齢厚生年金には報酬比例部分のほか、厚生年金の定額部分と老齢基礎年金の差額を埋める経過的加算、厚生年金被保険者期間が20年以上で生計維持関係にある65歳未満の配偶者がいる場合の加給年金が加算されます。
解き方
- 老齢基礎年金の納付済月数を算定し、779,300円×納付月数/480月により年金額を求めて端数処理を行う。
- 報酬比例部分を総報酬制導入前後の月数および標準報酬から計算し、端数処理を行う。
- 厚生年金被保険者期間(上限480月)に基づく定額部分から老齢基礎年金相当額を控除して経過的加算額を計算する。
- 加給年金の支給要件を判定し、報酬比例部分、経過的加算額、加給年金額を合計する。
答えの内訳
- ① 計算過程:779,300円×447月/480月=725,723.1…円 ⇒ 725,723円
- 老齢基礎年金額は「満額(2018年度779,300円)×保険料納付済月数/480月」で算出します。Aさんは1982年4月から60歳到達前月(2019年6月)までの447月が納付済月数となります。
- ① 答:725,723(円)
- 老齢基礎年金の計算結果に基づき、円未満を四捨五入して725,723円となります。
- ② 計算過程:報酬比例部分:352,000円×7.125/1,000×252月+461,000円×5.481/1,000×255月=1,276,334.9…円 ⇒ 1,276,335円、経過的加算額:1,625円×480月-779,300円×447月/480月=54,276.8…円 ⇒ 54,277円、加給年金額:389,800円、合計:1,276,335円+54,277円+389,800円=1,720,412円
- 報酬比例部分(1,276,335円)と経過的加算額(54,277円)に、要件を満たす配偶者加給年金額(389,800円)を合算して老齢厚生年金額を求めます。
- ② 答:1,720,412(円)
- 報酬比例部分、経過的加算額、加給年金額の合計により、老齢厚生年金の年金額は1,720,412円となります。
覚えるポイント
- 20歳以上60歳未満の厚生年金期間のみが老齢基礎年金の算定月数に反映されること
- 経過的加算における厚生年金被保険者期間の上限月数は480月であること
間違えやすいところ
- 60歳以後の厚生年金加入月数を老齢基礎年金の計算式に含めてしまうミス
- 妻自身の老齢厚生年金受給要件(20年以上の有無)を確認せず加給年金を判定してしまうミス
出題の前提:2018年10月1日施行法令(2018年度価額)に基づく
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.2(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
財務諸表分析(ROA・売上高経常利益率・総資産回転率・インタレストカバレッジレシオ・配当性向・配当利回り)
金融資産運用 · 財務諸表分析 / 収益性分析 / 安全性分析 / 投資指標
提示されたX社とY社の財務データおよび株式データに基づき、文章中の空欄①~⑥に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。なお、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位まで解答すること。
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解答
① 7.07(%)、② 2.89(%)、③ 0.87(回)、④ インタレスト・カバレッジ・レシオ、⑤ 42.78(%)、⑥ 1.36(%)
解説
財務諸表分析では、デュポンシステムに基づき総資産経常利益率を売上高経常利益率と総資産回転率に分解して収益性と効率性を評価します。また金融費用の支払余力を測る安全性指標や、配当性向・配当利回りなどの株主還元指標を総合的に検討します。
解き方
- 財務データから各指標の定義に必要な勘定科目(経常利益、総資産、売上高、配当金、純利益、株価等)を正確に抽出する。
- 各算式に数値を代入し、指示された端数処理条件(小数点以下第3位を四捨五入)に従って計算を行う。
答えの内訳
- ①:7.07(%)
- X社の総資産経常利益率は、経常利益389,000百万円÷総資産5,500,000百万円×100=7.0727…%となり、四捨五入して7.07%です。
- ②:2.89(%)
- Y社の売上高経常利益率は、経常利益214,000百万円÷売上高7,400,000百万円×100=2.8918…%となり、四捨五入して2.89%です。
- ③:0.87(回)
- X社の総資産回転率は、売上高4,800,000百万円÷総資産5,500,000百万円=0.8727…回となり、四捨五入して0.87回です。
- ④:インタレスト・カバレッジ・レシオ
- 事業利益(営業利益+受取利息・配当金)を金融費用(支払利息・社債利息)で除して借入利息の支払能力を測定する指標は、インタレスト・カバレッジ・レシオです。
- ⑤:42.78(%)
- X社の配当性向は、配当金総額77,000百万円÷親会社株主に帰属する当期純利益180,000百万円×100=42.777…%となり、四捨五入して42.78%です。
- ⑥:1.36(%)
- Y社の1株当たり配当金は24,000百万円÷800百万株=30円、配当利回りは30円÷株価2,200円×100=1.3636…%となり、四捨五入して1.36%です。
覚えるポイント
- 総資産経常利益率=売上高経常利益率×総資産回転率に分解できること
- 配当性向の分母は親会社株主に帰属する当期純利益を用いること
間違えやすいところ
- インタレスト・カバレッジ・レシオの分子に経常利益を誤って用いてしまうミス
- 配当利回りの計算で配当金総額と株価を直接除算するなど単位を取り違えるミス
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令および出題条件に基づく
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
財務比率の計算(ROEおよび使用総資本事業利益率)
金融資産運用 · 財務諸表分析 / ROE / 使用総資本事業利益率
設例の〈X社とY社の財務データ〉に基づき、①X社の自己資本当期純利益率(ROE)と②Y社の使用総資本事業利益率をそれぞれ求めなさい。なお、計算過程を示し、答は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入して小数点以下第2位までを解答すること。
解答・解説を表示
解答
① 7.29(%) ② 2.26(%)
解説
自己資本当期純利益率(ROE)は株主資本等の自己資本に対してどれだけの純利益を上げたかを示す指標であり、分母の自己資本は純資産合計から新株予約権と非支配株主持分を控除して求めます。使用総資本事業利益率は投下された総資本(総資産)が本業および財務活動からどれだけの事業利益(営業利益+受取利息・配当金)を生み出したかを測定する収益性指標です。
解き方
- X社の財務データから親会社株主に帰属する当期純利益と自己資本(純資産合計-新株予約権-非支配株主持分)を抽出し、比率を計算して端数処理を行う。
- Y社の財務データから営業利益、受取利息、受取配当金を合算して事業利益を求め、総資産で除して比率を算出し端数処理を行う。
答えの内訳
- ① 計算過程:180,000百万円/(2,600,000百万円-3,000百万円-127,000百万円)×100=7.287…% ⇒ 7.29%
- 自己資本当期純利益率(ROE)=親会社株主に帰属する当期純利益÷自己資本×100です。自己資本は「純資産の部合計-新株予約権-非支配株主持分」により求められます。X社の自己資本は2,600,000百万円-3,000百万円-127,000百万円=2,470,000百万円となるため、180,000百万円÷2,470,000百万円×100=7.2874…%となり、小数点以下第3位を四捨五入して7.29%となります。
- ① 答:7.29(%)
- 四捨五入後の算出結果は7.29%となります。
- ② 計算過程:(210,000百万円+3,000百万円+2,000百万円)/9,500,000百万円×100=2.263…% ⇒ 2.26%
- 使用総資本事業利益率=事業利益÷総資産×100です。事業利益は「営業利益+受取利息・配当金」で計算されます。Y社の事業利益は210,000百万円+3,000百万円+2,000百万円=215,000百万円となり、総資産は9,500,000百万円であるため、215,000百万円÷9,500,000百万円×100=2.2631…%となり、小数点以下第3位を四捨五入して2.26%となります。
- ② 答:2.26(%)
- 四捨五入後の算出結果は2.26%となります。
覚えるポイント
- 自己資本=純資産合計-新株予約権-非支配株主持分
- 事業利益=営業利益+受取利息+受取配当金
間違えやすいところ
- 自己資本を純資産合計そのものや株主資本合計だけで計算してしまうミス
- 事業利益に受取利息や配当金を含め忘れたり、営業外収益の「その他」まで加算してしまうミス
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等および企業会計基準に基づく財務比率計算
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
上場株式等の配当金および譲渡益に係る税金
金融資産運用 · 上場株式の配当課税 / 配当控除 / 株式等譲渡益課税 / 損益通算と繰越控除
上場株式の配当や譲渡に係る税金に関する以下の文章について、空欄①~⑧に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。 〈上場株式の配当の課税上の取扱い〉 Ⅰ「Aさんが特定口座でX社株式を購入し、配当を受け取る場合、原則として、その支払の際に、( ① )%の税率による所得税および復興特別所得税と、( ② )%の税率による住民税が源泉徴収等されます。その配当所得については、確定申告不要制度、( ③ )課税、総合課税のいずれかを選択することになり、総合課税の対象とした配当所得については、一定のものを除き、配当控除の適用を受けることができます。 例えば、配当所得の金額が30万円で課税総所得金額等が1,000万円以下である場合、配当控除の控除額は所得税で( ④ )円、住民税で( ⑤ )円となり、その金額を納付すべき税額の計算上控除することができます」 〈上場株式の譲渡益の課税上の取扱い〉 Ⅱ「Aさんが特定口座でX社株式を株価4,800円で1,000株購入し、同年中に株価5,000円で全株売却した場合、譲渡益である20万円から、所得税および復興特別所得税、住民税の合計で( ⑥ )円が源泉徴収等されます。なお、譲渡所得の金額の計算上、取得費は、その購入価額となりますが、同一銘柄の上場株式を2回以上にわたって購入している場合には、( ⑦ )法に準ずる方法によって算出した1株当たりの金額に譲渡株数を乗じて得た金額が、その取得費となります。 他方、上場株式を売却して譲渡損失が生じた場合は、確定申告をすることにより、その年分の他の上場株式に係る譲渡所得のほか、( ③ )課税を選択した上場株式の配当等や特定公社債等の利子等と損益通算することができ、損益通算してもなお控除しきれない譲渡損失の金額については、翌年以後( ⑧ )年間にわたり、上場株式に係る譲渡所得等の金額から繰越控除することができます」
解答・解説を表示
解答
① 15.315(%) ② 5(%) ③ 申告分離(課税) ④ 30,000(円) ⑤ 8,400(円) ⑥ 40,630(円) ⑦ 総平均(法) ⑧ 3(年間)
解説
上場株式等の配当および譲渡益には所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%の合計20.315%が課されます。配当所得で総合課税を選択すると配当控除(所得税10%・住民税2.8%/1,000万円以下の部分)が適用できます。一方、申告分離課税を選択すると譲渡損失と通算でき、通算後の残余損失は3年間の繰越控除が可能です。取得費計算は総平均法に準ずる方法で行われます。
解き方
- 上場株式の源泉徴収税率(所得税等15.315%、住民税5%、合計20.315%)を確認する。
- 配当控除の税率(課税総所得金額1,000万円以下で所得税10%、住民税2.8%)を30万円に乗じて控除額を算出する。
- 譲渡益20万円に合計税率20.315%を乗じて源泉徴収税額を算出し、株式取得費の計算方法(総平均法に準ずる方法)および損失繰越控除期間(3年)を確認する。
答えの内訳
- ①:15.315(%)
- 上場株式等の配当に係る所得税および復興特別所得税の源泉徴収税率は15.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%)です。
- ②:5(%)
- 上場株式等の配当に係る住民税の源泉徴収税率は5%です(所得税等と合わせて合計20.315%)。
- ③:申告分離(課税)
- 上場株式等の配当所得は総合課税のほかに申告分離課税を選択でき、申告分離課税を選択した場合は上場株式等の譲渡損失との損益通算が可能です。
- ④:30,000(円)
- 課税総所得金額等が1,000万円以下の場合、所得税における配当控除率は10%となるため、30万円×10%=30,000円が税額控除されます。
- ⑤:8,400(円)
- 課税総所得金額等が1,000万円以下の場合、住民税における配当控除率は2.8%となるため、30万円×2.8%=8,400円が控除されます。
- ⑥:40,630(円)
- 譲渡益20万円に対して合計税率20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%+住民税5%)が源泉徴収されるため、200,000円×20.315%=40,630円となります。
- ⑦:総平均(法)
- 同一銘柄の上場株式等を2回以上にわたって取得している場合の1株当たりの取得費は、総平均法に準ずる方法により計算します。
- ⑧:3(年間)
- 上場株式等に係る譲渡損失でその年に控除しきれなかった金額は、確定申告を行うことで翌年以後3年間にわたり繰越控除することができます。
覚えるポイント
- 配当控除率(1,000万円以下部分):所得税10%、住民税2.8%
- 上場株式等の損失繰越控除期間は翌年以後3年間
- 同一銘柄を複数回購入したときの取得費計算は総平均法に準ずる方法
間違えやすいところ
- 所得税の税率に復興特別所得税(0.315%)を含め忘れて15%と答えてしまうミス
- 配当控除率で所得税(10%)と住民税(2.8%)を混同したり、住民税の控除額の計算を誤るミス
出題の前提:2018年10月1日現在施行の所得税法、租税特別措置法および地方税法
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
雑損控除および扶養控除の適用要件と控除額
タックスプランニング · 雑損控除 / 扶養控除 / 老人扶養親族 / 生活用資産
所得税の所得控除に関する以下の文章ⅠおよびⅡの下線部①~③のうち、最も不適切なものをそれぞれ1つ選んでその番号を答え、その適切な内容について簡潔に説明しなさい。 〈雑損控除〉 Ⅰ 雑損控除は、①納税者が有する一定の資産または納税者と生計を一にする配偶者その他の親族で総所得金額等が38万円以下である者が有する一定の資産について、災害または盗難もしくは横領による損失が生じた場合に、納税者のその年分の総所得金額等から当該損失の金額に基づいて計算した金額を控除することができる所得控除である。 Aさんが、災害による商品在庫200万円分と家財道具150万円分の損失額について雑損控除の適用を受ける場合、災害関連支出の金額および受け取った保険金等がないときは、②その控除額は、損失額の合計350万円から総所得金額等の10%相当額を差し引いた金額となる。 なお、所得控除はまず雑損控除から行うこととされ、雑損控除の金額が総所得金額等から控除しきれない場合は、③その控除しきれない金額を、翌年以後3年間にわたり、各年分の総所得金額等から繰越控除することができる。 〈扶養控除〉 Ⅱ 扶養控除は、納税者が控除対象扶養親族を有する場合に、納税者のその年分の総所得金額等から控除対象扶養親族1人につき所定の金額を控除することができる所得控除である。扶養控除の対象となる控除対象扶養親族とは、原則として、①納税者と生計を一にし、かつ、合計所得金額が38万円以下である納税者の親族(配偶者を除く)のうち、年齢16歳以上の者である。 控除対象扶養親族は、その年齢等により区分され、Aさんの長女Dさんは、特定扶養親族に該当する。特定扶養親族とは、②控除対象扶養親族のうち、年齢19歳以上23歳未満の者をいい、その者に係る扶養控除の控除額は63万円である。 また、Aさんの母Eさんは、同居する老人扶養親族(同居老親)に該当する。同居する老人扶養親族とは、③控除対象扶養親族のうち、年齢70歳以上の者で、納税者またはその配偶者の直系尊属で、かつ、いずれかと同居を常況としている者をいい、その者に係る扶養控除の控除額は48万円である。 なお、控除対象扶養親族等に該当するかどうかの判定は、原則として、その年12月31日の現況によるものとされている。
解答・解説を表示
解答
Ⅰ:下線部の番号 ②、適切な内容 損失額150万円から総所得金額等の10%相当額を差し引いた金額となる。 Ⅱ:下線部の番号 ③、適切な内容 同居する老人扶養親族に係る扶養控除の控除額は58万円である。
解説
雑損控除は生活に通常必要な住宅や家財等の損失を救済する所得控除であり、事業用資産や棚卸資産の損失は事業所得の必要経費等で処理され雑損控除の対象外です。また、扶養控除は年齢や同居関係により区分され、70歳以上の老人扶養親族のうち同居老親等の控除額は58万円、同居老親等以外は48万円となります。
解き方
- 文章Ⅰの損失の内訳を確認し、事業用資産である商品在庫が雑損控除から除外され、家財道具のみが対象になることを見抜く。
- 文章Ⅱの扶養親族区分を確認し、76歳で同居している母Eさんは「同居老親等」に該当するため、控除額が48万円ではなく58万円であることを見抜く。
答えの内訳
- Ⅰ 下線部の番号:②
- 雑損控除の対象となるのは「生活に通常必要な資産」に生じた損失に限られます。棚卸資産である商品在庫の損失は事業所得の計算上必要経費等として処理されるため雑損控除の対象には含まれず、控除額の計算対象となる損失額は家財道具の150万円のみとなります。
- Ⅰ 適切な内容:損失額150万円から総所得金額等の10%相当額を差し引いた金額となる。
- 雑損控除の対象資産は生活用資産(家財道具150万円)に限られ、商品在庫200万円は除外されるため、控除額は「損失額150万円-総所得金額等の10%相当額」となります。
- Ⅱ 下線部の番号:③
- 老人扶養親族(70歳以上)のうち、納税者またはその配偶者の直系尊属で同居を常況としている者(同居老親等)に係る扶養控除額は58万円です。48万円は同居老親等以外の老人扶養親族に適用される控除額です。
- Ⅱ 適切な内容:同居する老人扶養親族に係る扶養控除の控除額は58万円である。
- 同居老親等(納税者または配偶者の直系尊属で同居している70歳以上の控除対象扶養親族)に係る扶養控除額は58万円(同居以外の老人扶養親族は48万円)です。
覚えるポイント
- 雑損控除の対象は「生活に通常必要な資産」であり、別荘・貴金属(30万円超)・事業用資産・棚卸資産は対象外。
- 扶養控除額:一般扶養親族(16歳以上)38万円、特定扶養親族(19歳以上23歳未満)63万円、老人扶養親族(同居老親等以外)48万円、同居老親等58万円。
間違えやすいところ
- 事業用の商品在庫や店舗部分の災害損失を雑損控除に含めて計算してしまう誤り。
- 老人扶養親族の同居老親等の控除額58万円と同居老親等以外の控除額48万円を取り違える誤り。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の税法
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
事業所得および退職所得の計算
タックスプランニング · 事業所得 / 売上原価 / 最終仕入原価法 / 白色専従者控除 / 退職所得控除
Aさんの2018年分の①事業所得の金額および②退職所得の金額をそれぞれ求めなさい(計算過程の記載は不要)。〈答〉は円単位とすること。なお、事業所得の金額の計算上、事業専従者控除額を控除することとし、事業専従者は妻Bさんのみであるものとする。 〈資料の抜粋〉 ・事業所得:売上高3,000万円、売上値引・返品高100万円、年初商品棚卸高0円、仕入高2,300万円、年末商品棚卸高620万円(先入先出法)/600万円(最終仕入原価法)、必要経費800万円。棚卸資産評価方法の届出は未提出。妻Bさんは白色申告の事業専従者。 ・退職所得:退職手当等の収入金額2,200万円、勤続期間28年2カ月。「退職所得の受給に関する申告書」は提出済み。
解答・解説を表示
解答
① 3,140,000(円) ② 3,850,000(円)
解説
事業所得の売上原価算定において、棚卸資産評価方法を税務署長へ届け出ていない場合は「最終仕入原価法による原価法」が適用されます。白色申告の事業専従者控除は、事業主の配偶者の場合は86万円と「控除前所得÷(専従者数+1)」のいずれか低い額を控除します。退職所得控除額は勤続年数の端数を切り上げ、20年超の部分は年70万円で計算し、控除後の残額に2分の1を乗じて退職所得を算出します。
解き方
- 事業所得の計算:総収入金額(売上高-値引等)を算出し、法定評価方法(最終仕入原価法)により年末棚卸高を決定して売上原価と控除前所得を求める。
- 事業専従者控除額(配偶者86万円と控除前所得の半分を比較)を差し引いて事業所得の金額を求める。
- 退職所得の計算:勤続期間28年2カ月を29年に切り上げ、退職所得控除額を計算する。
- (退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×1/2により退職所得の金額を算出する。
答えの内訳
- ①:3,140,000(円)
- 総収入金額=3,000万円-100万円=2,900万円。棚卸資産評価方法の届出がないため法定評価方法の最終仕入原価法を採用し、年末棚卸高は600万円。売上原価=0円+2,300万円-600万円=1,700万円。専従者控除前の事業所得=2,900万円-1,700万円-800万円=400万円。白色申告者の事業専従者控除額は「配偶者86万円」と「専従者控除前所得÷(専従者数+1)=400万円÷2=200万円」のいずれか低い金額となるため86万円。事業所得=400万円-86万円=3,140,000円。
- ②:3,850,000(円)
- 勤続期間は28年2カ月であり端数切り上げにより29年。退職所得控除額=40万円×20年+70万円×(29年-20年)=800万円+630万円=1,430万円。退職所得の金額=(収入金額2,200万円-退職所得控除額1,430万円)×1/2=770万円×1/2=3,850,000円。
覚えるポイント
- 所得税の棚卸資産の法定評価方法は「最終仕入原価法による原価法」。
- 白色申告の専従者控除限度額は、配偶者86万円、その他親族(15歳以上)50万円。
- 退職所得の計算式:(収入金額-退職所得控除額)×1/2(勤続年数は端数切り上げ)。
間違えやすいところ
- 棚卸資産の評価方法届出がない場合に先入先出法を選択してしまう誤り。
- 白色専従者控除額の配偶者86万円を青色専従者給与と混同したり、所得按分基準と比較し忘れる誤り。
- 退職所得の計算で最後に1/2を乗じるのを忘れてしまう誤り。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の所得税法
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総所得金額および算出所得税額の計算
タックスプランニング · 総所得金額の計算 / 損益通算の制限 / 一時所得の課税 / 所得税額の速算表
Aさんの2018年分の各種所得に関する資料および前問《問58》(事業所得314万円、退職所得385万円)に基づき、課税総所得金額に対する算出所得税額(税額控除前の金額)を計算しなさい。なお、所得控除の合計額は320万円とし、100円未満を切り捨てて円単位で解答すること。
解答・解説を表示
解答
〈計算過程〉 6,800,000円-(6,800,000円×10%+1,200,000円)=4,920,000円 6,200,000円-4,000,000円-500,000円=1,700,000円 3,140,000円+4,920,000円+1,700,000円×1/2=8,910,000円 (8,910,000円-3,200,000円)×20%-427,500円=714,500円 〈答〉 714,500(円)
解説
総所得金額は総合課税の対象となる各所得金額を合計して算定します。給与所得は給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて求め、一時所得は総収入金額から支出金額および特別控除額(最高50万円)を控除した金額の2分の1を総所得金額に算入します。ゴルフ会員権の譲渡損失は損益通算できず、退職所得は分離課税のため総所得金額には含めません。総所得金額から所得控除を差し引いて課税総所得金額を算出し、所得税の超過累進税率(速算表)を乗じて税額を計算します。
解き方
- 給与所得控除額(680万円×10%+120万円=188万円)を差し引き、給与所得金額4,920,000円を計算します。
- 解約返戻金620万円の一時所得(620万円-400万円-50万円=170万円)を求め、2分の1(85万円)を算出します。ゴルフ会員権の譲渡損失は損益通算対象外とします。
- 事業所得3,140,000円、給与所得4,920,000円、一時所得の2分の1(850,000円)を合算し、総所得金額8,910,000円を求めます。
- 総所得金額から所得控除額320万円を控除して課税総所得金額5,710,000円を求め、速算表(税率20%、控除額427,500円)により算出税額714,500円を計算します。
答えの内訳
- 計算過程:6,800,000円-(6,800,000円×10%+1,200,000円)=4,920,000円 6,200,000円-4,000,000円-500,000円=1,700,000円 3,140,000円+4,920,000円+1,700,000円×1/2=8,910,000円 (8,910,000円-3,200,000円)×20%-427,500円=714,500円
- 給与所得492万円、一時所得の2分の1である85万円、事業所得314万円を合算して総所得金額891万円を求め、所得控除320万円を差し引いた課税総所得金額571万円に税率20%・控除額427,500円を適用して算出します。
- 答:714,500(円)
- 課税総所得金額5,710,000円×20%-427,500円=714,500円となります。
覚えるポイント
- 平成26年4月1日以降のゴルフ会員権の譲渡損失は他の所得と損益通算できません。
- 総合課税の一時所得は、特別控除後の金額に2分の1を乗じて総所得金額に算入します。
間違えやすいところ
- 分離課税である退職所得を誤って総所得金額に合算してしまう誤りに注意が必要です。
- ゴルフ会員権の譲渡損失200万円を他の所得から差し引いて損益通算してしまう間違いが多いです。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等(所得税法)
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
用途制限・高さ制限およびバリアフリー改修に係る優遇措置
不動産 · 用途地域をまたぐ場合の用途制限 / 斜線制限 / バリアフリー改修工事の所得税額控除 / バリアフリー改修に伴う固定資産税の減額
建築基準法の規定およびバリアフリー改修工事に係る優遇措置に関する文章の空欄①~⑥に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。
解答・解説を表示
解答
① 第一種住居(地域) ② 道路(斜線制限) ③ 北側(斜線制限) ④ 10(%) ⑤ 100(㎡) ⑥ 3分の1
解説
建築基準法では、敷地が2以上の異なる用途地域にまたがる場合、建築物の用途制限はその敷地の過半が属する地域の規定が建物全体に適用されます。また高さ制限には道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限等があります。税法上、住宅のバリアフリー改修促進のため、一定の要件を満たす改修工事を行った者に対して、所得税の税額控除(投資型減税では標準費用の10%控除)や、翌年度の固定資産税(床面積100㎡相当分まで税額の3分の1減額)の優遇措置が設けられています。
解き方
- 甲土地の面積配分(中高層150㎡、住居225㎡)を確認し、過半(225㎡/375㎡)を占める用途地域を特定して①を判定します。
- 建築基準法における高さ制限の種類(道路・隣地・北側)から、②および第一種中高層住居専用地域に適用される③を特定します。
- 所得税の特定増改築等住宅借入金等特別控除等の投資型減税制度から、控除率④(10%)を導きます。
- 地方税法におけるバリアフリー改修住宅の固定資産税減額措置の適用限度床面積⑤(100㎡)および減額割合⑥(3分の1)を導きます。
答えの内訳
- ①:第一種住居(地域)
- 建築基準法第91条により、建築物の敷地が異なる用途地域にまたがる場合、敷地の過半(甲土地では375㎡中225㎡が属する第一種住居地域)が属する地域の用途規制が適用されます。
- ②:道路(斜線制限)
- 都市計画区域等において用途地域等に関わらず適用される建築物の高さ制限は道路斜線制限と隣地斜線制限です。
- ③:北側(斜線制限)
- 第一種中高層住居専用地域等においては、日影規制の対象区域外である場合、北側隣地への日照を確保するための北側斜線制限が適用されます。
- ④:10(%)
- 自己所有の居住用家屋について一定のバリアフリー改修工事を行った場合、標準的な費用の額(200万円限度)の10%相当額を所得税額から控除できます。
- ⑤:100(㎡)
- バリアフリー改修工事に係る固定資産税の減額措置では、改修工事完了年の翌年度分の固定資産税について、1戸当たり床面積100㎡までの部分が対象となります。
- ⑥:3分の1
- バリアフリー改修工事を行った居住用家屋に係る翌年度分の固定資産税額(100㎡相当部分まで)は、3分の1相当額が減額されます。
覚えるポイント
- 敷地が複数の地域にまたがる場合、用途制限は「過半の属する地域」、建蔽率・容積率は「加重平均」を適用します。
- バリアフリー改修の固定資産税減額は「床面積100㎡相当部分」「税額の3分の1減額」です。
間違えやすいところ
- 用途制限を建蔽率や容積率のように按分計算してしまうミスに注意してください。
- 固定資産税の減額割合について、耐震改修(2分の1減額)や省エネ改修(3分の1減額)と混同しないように整理が必要です。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等(建築基準法、租税特別措置法、地方税法)
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法に基づく建築面積および延べ面積の上限計算
不動産 · 建築基準法 / セットバック / 建蔽率 / 容積率 / 複数用途地域
Aさんが所有する甲土地(地積375㎡:第一種中高層住居専用地域150㎡、第一種住居地域225㎡)に耐火建築物を建築する場合における、①建蔽率の上限となる建築面積、および②容積率の上限となる延べ面積をそれぞれ求めなさい。なお、甲土地の南側は幅員2mの法第42条第2項道路(中心線から甲土地側に1mセットバックが必要、間口25m:第一種中高層部分10m、第一種住居部分15m)、東側は幅員6mの公道に接しており、角地指定および防火規制はないものとする。
解答・解説を表示
解答
① 196㎡ ② 714㎡
解説
建築基準法第42条第2項道路に接する敷地ではセットバック部分が敷地面積から除外されます。また、異なる用途地域にまたがる場合は、各地域の有効敷地面積にそれぞれの建蔽率・容積率を乗じて合計する按分計算を行います。
解き方
- セットバック幅(2m-2m/2=1m)に基づき、各地域のセットバック面積(10㎡、15㎡)を算出して有効敷地面積(140㎡、210㎡)を求めます。
- 建築面積の上限を、各地域の有効敷地面積にそれぞれの指定建蔽率(50%、60%)を乗じて合計します。
- 前面道路幅員の広い方(6m)に住居系の法定乗数4/10を乗じて幅員制限(240%)を求め、各地域の指定容積率と比較して小さい方を決定します。
- 延べ面積の上限を、各地域の有効敷地面積にそれぞれの基準容積率(150%、240%)を乗じて合計します。
答えの内訳
- ①:196(㎡)
- 南側道路(幅員2mの2項道路)により、間口25mにわたり道路中心線から2m後退するため1mのセットバックが必要です。これによりセットバック面積25㎡(第一種中高層部分10㎡、第一種住居部分15㎡)が生じ、敷地面積から除外されます。有効敷地面積は、第一種中高層住居専用地域が150㎡-10㎡=140㎡、第一種住居地域が225㎡-15㎡=210㎡です。建蔽率の緩和はなく指定建蔽率をそのまま適用するため、建築面積の上限は「140㎡×50%+210㎡×60%=70㎡+126㎡=196㎡」となります。
- ②:714(㎡)
- 敷地が2つの道路に接している場合、広い方の前面道路幅員(6m)を採用します。住居系地域の法定乗数は4/10であるため、前面道路幅員による容積率制限は「6m×4/10=240%」となります。地域ごとの基準容積率は、第一種中高層住居専用地域が「指定150%<道路制限240%」より150%、第一種住居地域が「指定300%>道路制限240%」より240%となります。セットバック後の有効敷地面積に乗じて延べ面積の上限を計算すると、「140㎡×150%+210㎡×240%=210㎡+504㎡=714㎡」となります。
覚えるポイント
- 2項道路のセットバック部分は建蔽率・容積率計算上の敷地面積から除外される。
- 敷地が2以上の道路に接する場合、容積率の道路幅員制限には最も広い道路の幅員を用いる。
間違えやすいところ
- セットバック面積を差し引かずに全体の地積375㎡(150㎡、225㎡)のまま計算してしまう。
- 第一種住居地域で指定容積率300%をそのまま使い、前面道路幅員制限(240%)による制限を見落とす。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の建築基準法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
居住用財産の譲渡所得に係る特例の適用と税額計算
不動産 · 譲渡所得 / 居住用財産の買換え特例 / 3000万円特別控除 / 軽減税率の特例
Aさんが所有する自宅の土地建物(譲渡価額1億円、取得費不明、譲渡費用300万円)を売却し、買換資産(取得価額6,500万円)を取得した場合について、①「特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例」を適用した場合、および②「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」と「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(軽減税率)」を併せて適用した場合の、所得税・復興特別所得税および住民税の合計額をそれぞれ求めなさい。なお、答は100円未満を切り捨てて円単位で解答しなさい。
解答・解説を表示
解答
① 6,541,400円 ② 8,932,300円
解説
居住用財産の譲渡所得に対する特例には、買換えによる課税の繰延べ特例と、3,000万円特別控除および軽減税率の併用特例があります。それぞれの課税対象額および適用税率の仕組みに従って税額を正確に算出します。
解き方
- ①について、譲渡価額から買換資産取得価額を控除した額(3,500万円)を課税対象収入とし、対応する取得費・譲渡費用を按分控除して課税長期譲渡所得金額(3,220万円)を計算し、一般の長期譲渡税率(所得税15%、住民税5%)と復興特別所得税を計算します。
- ②について、譲渡価額から全額の取得費・譲渡費用および特別控除3,000万円を差し引いて課税長期譲渡所得金額(6,200万円)を計算します。
- 6,000万円以下の部分と超える部分に区分して軽減税率(所得税10%/15%、住民税4%/5%)を適用し、復興特別所得税を加算して合計額を算出します。
答えの内訳
- ① 計算過程:100,000,000円-65,000,000円=35,000,000円 35,000,000円-(100,000,000円×5%+3,000,000円)×35,000,000円/100,000,000円=32,200,000円 32,200,000円×15%=4,830,000円 4,830,000円×2.1%=101,430円 ⇒ 101,400円 4,830,000円+101,400円=4,931,400円 32,200,000円×5%=1,610,000円 4,931,400円+1,610,000円=6,541,400円
- 買換え特例では、買換資産の取得価額を上回る差額部分(3,500万円)が課税対象の収入金額となります。取得費および譲渡費用は概算取得費(5%)を用いて合計800万円となり、そのうち譲渡資産に対する差額の割合(35%)に対応する280万円が必要経費として控除され、課税長期譲渡所得金額は3,220万円となります。これに長期譲渡所得の税率(所得税15%、住民税5%)および復興特別所得税(所得税額の2.1%、100円未満切捨て)を適用して税額合計を算出します。
- ① 答:6,541,400(円)
- 所得税および復興特別所得税の合計4,931,400円と住民税1,610,000円を合算した6,541,400円となります。
- ② 計算過程:100,000,000円-(100,000,000円×5%+3,000,000円)-30,000,000円=62,000,000円 60,000,000円×10%+(62,000,000円-60,000,000円)×15%=6,300,000円 6,300,000円×2.1%=132,300円 6,300,000円+132,300円=6,432,300円 60,000,000円×4%+(62,000,000円-60,000,000円)×5%=2,500,000円 6,432,300円+2,500,000円=8,932,300円
- 3,000万円特別控除を差し引いた後の課税長期譲渡所得金額は6,200万円となります。10年超所有軽減税率の特例により、6,000万円以下の部分は所得税10%・住民税4%、6,000万円超の部分は所得税15%・住民税5%が適用されます。それぞれ税額を算出し、復興特別所得税を加算して合計税額を求めます。
- ② 答:8,932,300(円)
- 所得税および復興特別所得税の合計6,432,300円と住民税2,500,000円を合算した8,932,300円となります。
覚えるポイント
- 買換え特例において譲渡価額>買換資産取得価額の場合、差額分のみが収入金額となり、必要経費も差額割合(差額÷譲渡価額)で按分する。
- 所有期間10年超の軽減税率の特例では、課税長期譲渡所得金額の6,000万円以下の部分と超える部分で税率が異なる。
間違えやすいところ
- 買換え特例で取得費・譲渡費用の全額(800万円)を差し引いてしまう(按分計算を忘れる)。
- 軽減税率の特例で6,000万円超の部分にも一律10%(住民税4%)を適用してしまう。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の租税特別措置法および所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
類似業種比準方式による非上場株式の評価
相続・事業承継 · 非上場株式の評価 / 類似業種比準価額
X社の概要に基づき、X社株式の1株当たりの類似業種比準価額を求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は円単位とすること。また、端数処理は、各要素別比準割合および比準割合は小数点第2位未満を切り捨て、1株当たりの資本金等の額50円当たりの類似業種比準価額は10銭未満を切り捨て、X社株式の1株当たりの類似業種比準価額は円未満を切り捨てること。なお、複数の方法がある場合は、できるだけ低い価額となる方法を選択するものとする。
解答・解説を表示
解答
2,268円
解説
類似業種比準方式は、類似業種の上場会社の株価を基準とし、評価会社と類似業種の一株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額の3つの要素を比準して非上場株式を評価する手法です。類似業種の株価は複数から最も有利な(低い)ものを選択できます。
解き方
- 評価会社の1株当たりの資本金等の額を求め、50円に対する倍率(資本金等の額÷発行済株式総数÷50円)を算出する。
- 類似業種の株価のうち、最も低い金額(課税時期の属する月以前2年間の平均株価326円)を選択する。
- 配当、利益、純資産の要素別比準割合をそれぞれ計算し、指示に従って小数点第2位未満を切り捨てて合算・平均する。
- 斟酌割合(中会社の中は0.6)および1株当たり資本金等の額の倍率を乗じ、指示通りの端数処理を行って株価を算出する。
答えの内訳
- 計算過程:7,500万円÷150,000株=500円 326円×{(5.5円/4.8円+41円/38円+336円/261円)/3}×0.6×500円/50円 =326円×{(1.14+1.07+1.28)/3}×0.6×500円/50円 =326円×1.16×0.6×10 =226.8円×10 =2,268円
- 類似業種株価は最も低い326円を選択し、配当・利益・純資産の比準割合およびその平均をそれぞれ小数点第2位未満切り捨てで算定します。規模区分「中会社の中」に応じた斟酌割合0.6を乗じ、1株当たり資本金等の額500円を反映して計算します。
- 答:2,268円
- 端数処理規則に従い、50円当たりの類似業種比準価額226.8円に1株当たりの資本金等の額の調整倍率10倍を乗じて2,268円となります。
覚えるポイント
- 類似業種の株価は、課税時期の属する月、前月、前々月、前年平均、過去2年平均のうち最も低いものを選択できる。
- 比準割合の端数処理は各比準要素・比準割合ともに小数点第2位未満切り捨てである。
間違えやすいところ
- 類似業種株価の選択で、最も低い価額ではなく課税時期当月の株価を誤って選択してしまう。
- 1株当たりの資本金等の額が50円以外の会社において、500円/50円の調整倍率の乗算を忘れてしまう。
出題の前提:特に指示のない限り2018年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
小規模宅地等の特例を適用した相続税の総額の計算
相続・事業承継 · 小規模宅地等の特例 / 相続税の総額 / 養子かつ代襲相続人
《設例》の〈Aさんに関する資料〉に基づき、Aさんの相続における相続税の総額を求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は万円単位とすること。なお、長男Cさんは葬儀費用200万円を支払っており、その全額が債務控除の対象となるものとする。また、自宅の敷地は特定居住用宅地等に該当し、X社本社の敷地は特定同族会社事業用宅地等に該当するものとして「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けるものとし、相続税の総額が最も少なくなるように計算すること。
解答・解説を表示
解答
1億520万円
解説
相続税の総額は、課税価格の合計額から遺産に係る基礎控除額を控除した課税遺産総額を、各法定相続人が法定相続分に応じて取得したものとして税額を算出し、それらを合計して計算します。被相続人の養子となった孫が代襲相続人でもある場合、法定相続人の数は実人員の4人として数えますが、民法上の法定相続分は養子としての相続分と代襲相続人としての相続分の双重資格を有し両分を併有します。
解き方
- 小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等300㎡、特定同族会社事業用宅地等400㎡までそれぞれ80%減額)を適用し、生命保険金の非課税限度額(500万円×4人=2,000万円)および債務控除(200万円)を反映して課税価格の合計額を計算する。
- 遺産に係る基礎控除額(3,000万円+600万円×4人=5,400万円)を控除して課税遺産総額(4億800万円)を算出する。
- 法定相続分(妻Bが1/2、長男Cが1/8、二女Eが1/8、孫Gが養子分1/8+代襲分1/8=1/4)に応じて取得金額を按分し、相続税の速算表を適用して各人の税額を算出・合計する。
答えの内訳
- 計算過程:6,000万円-(6,000万円×300㎡/300㎡×80%)=1,200万円 7,500万円-(7,500万円×400㎡/500㎡×80%)=2,700万円 6,000万円-(500万円×4人)=4,000万円 7,000万円+2億8,000万円+500万円+1,200万円+3,000万円+2,700万円+4,000万円-200万円=4億6,200万円 3,000万円+(600万円×4人)=5,400万円 4億6,200万円-5,400万円=4億800万円 4億800万円×1/2×45%-2,700万円=6,480万円 4億800万円×1/8×30%-700万円=830万円 4億800万円×1/8×30%-700万円=830万円 4億800万円×1/4×40%-1,700万円=2,380万円 6,480万円+830万円+830万円+2,380万円=1億520万円
- 特定居住用宅地等(限度面積330㎡)と特定同族会社事業用宅地等(限度面積400㎡)は完全併用が可能です。法定相続人は配偶者B、長男C、二女E、孫G(養子兼代襲相続人)の4人です。孫Gの法定相続分は代襲相続分1/8と養子分1/8を併せて1/4となります。
- 答:1億520万円
- 各法定相続人の取得金額に応じた算出税額を合算して相続税の総額は1億520万円となります。
覚えるポイント
- 特定居住用宅地等(330㎡まで80%)と特定同族会社事業用宅地等(400㎡まで80%)は完全併用が可能(最大730㎡)。
- 養子である孫が同時に代襲相続人である場合、相続税法上の法定相続人の数は1人分としてカウントされるが、民法上の法定相続分は代襲分と養子分を合算して二重に有する。
間違えやすいところ
- 孫Gの法定相続分の按分において、二重資格(代襲相続人と養子の双方)を考慮せず単なる実子均等分で計算してしまう。
- 小規模宅地等の特例で特定居住用と特定事業用の併用限度面積の計算を旧制度(限度面積調整)と混同してしまう。
出題の前提:特に指示のない限り2018年10月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の特例
相続・事業承継 · 事業承継税制 / 非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の特例 / 中小企業経営承継円滑化法
2018年度税制改正で創設された「非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の特例」(特例措置)に関する次の文章の空欄①~⑧に入る適切な語句または数値を求めなさい。 本特例の適用を受けるには、特例承継計画を策定して都道府県知事に提出・確認を受け、円滑化法に基づく認定を受ける必要がある。この認定申請は相続開始後( ① )カ月以内に行わなければならない。 また、後継者は相続開始の日の翌日から( ② )カ月を経過する日において代表権を有し、相続開始時に後継者グループで総議決権数の( ③ )%超を保有する等の要件を満たす必要がある。後継者が複数の場合は最大( ④ )人まで適用可能である。 長男Cさんが被相続人Aさんの所有する全株式(10万株)を相続して本特例の適用を受ける場合、その株式に対応する相続税額の( ⑤ )について猶予を受けることができる。 なお、特例経営承継期間(5年)の末日において雇用の( ⑥ )割を維持できなかった場合でも、理由を記載した報告書を提出して確認を受ければ猶予が継続する。また、同期間内は毎年、経過後は( ⑦ )年ごとに継続届出書を税務署長に提出する必要があり、提出がない場合は猶予税額の全額と( ⑧ )税を納付しなければならない。
解答・解説を表示
解答
① 8(カ月) ② 5(カ月) ③ 50(%) ④ 3(人) ⑤ 全額 ⑥ 8(割) ⑦ 3(年) ⑧ 利子(税)
解説
法人版事業承継税制の特例措置は、円滑な世代交代を支援するために創設された時限措置であり、対象株式数の上限撤廃、100%の納税猶予(全額猶予)、複数後継者(最大3人)への適用拡大、雇用維持要件の弾力化など、従来の一般措置と比較して適用要件や猶予規模が大幅に緩和されています。
解き方
- 都道府県知事への認定申請期限(8カ月以内)や代表権具備の期限(5カ月経過日)などの手続要件および期間の数値を確認する。
- 特例措置特有の優遇内容(対象後継者数3人、全額猶予、雇用8割要件の弾力化)および定期報告頻度(5年経過後は3年ごと)、打ち切り時の利子税納付規定を整理して空欄に当てはめる。
答えの内訳
- ①:8(カ月)
- 円滑化法に基づく都道府県知事の認定申請は、相続の開始の日の翌日から8カ月以内(申告期限の2カ月前まで)に行う必要があります。
- ②:5(カ月)
- 後継者は、相続開始の日の翌日から5カ月を経過する日において会社の代表権を有していることが要件とされています。
- ③:50(%)
- 相続開始時において、後継者および後継者と特別の関係がある者で総議決権数の50%超の議決権数を保有している必要があります。
- ④:3(人)
- 事業承継税制の特例措置では、対象となる後継者の数が従来の1人から最大3人までに拡大されています。
- ⑤:全額
- 特例措置においては、対象株式数の上限(発行済株式総数の3分の2)が撤廃されて全株式が対象となり、納税猶予割合も80%から100%(全額)に引き上げられました。
- ⑥:8(割)
- 5年間の特例経営承継期間において平均8割の雇用維持要件が実質的に弾力化され、8割を下回った場合でも正当な理由等を記載した報告書を都道府県知事に提出して確認を受ければ猶予が継続されます。
- ⑦:3(年)
- 経営承継期間(最初の5年間)経過後は、3年ごとに所轄税務署長へ継続届出書を提出する必要があります。
- ⑧:利子(税)
- 継続届出書の不提出など納税猶予の打ち切り事由に該当した場合は、猶予されていた相続税額の本税全額に加え、猶予期間に応じた利子税を納付しなければなりません。
覚えるポイント
- 特例措置では代表就任が5カ月以内、認定申請が8カ月以内、猶予割合は100%(全額)、後継者は最大3人である点を整理して覚える。
間違えやすいところ
- 一般措置の猶予割合である80%や、一般措置における後継者上限(1人)と混同しないよう特例措置の数値を正確に識別する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2019年5月 1級 学科(応用編)
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2019年5月 1級 学科(応用編)の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

