日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2019年1月 1級 学科(基礎編)の概要
公的介護保険の制度概要と利用者負担
ライフプランニングと資金計画 · 公的介護保険 / 自己負担割合 / 住所地特例 / 介護医療院
公的介護保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
公的介護保険の自己負担割合は原則1割ですが、現役並み所得を有する第1号被保険者に限り2割または3割負担が適用されます。第2号被保険者は所得に関わらず一律1割負担です。
解き方
- 介護保険における利用者負担割合(1割・2割・3割)の適用対象者(第1号被保険者か第2号被保険者か)を確認する。
- 第2号被保険者は所得水準に関わらず1割負担であるルールと照らし合わせて選択肢の正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- 介護サービス費用の3割負担が適用されるのは第1号被保険者のみであり、第2号被保険者は所得にかかわらず一律1割負担であるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 住所地特例により、介護保険施設や有料老人ホーム等に入所して住所を変更した場合でも、元の市町村が引き続き保険者となります。
- 選択肢 3不正解
- 要介護認定を受けた者は、心身の状態の変化等により介護の必要度が変化したときは、有効期間満了前であっても区分変更申請が可能です。
- 選択肢 4不正解
- 介護医療院は、長期療養を要する要介護者に対し、療養上の管理や看護、医学的管理下での介護、機能訓練、日常生活の世話等を提供する施設です。
覚えるポイント
- 第2号被保険者の自己負担割合は所得に関わらず一律1割負担であること。
間違えやすいところ
- 第1号被保険者と第2号被保険者の高所得者負担割合を同一と混同しないこと。
出題の前提:2018年10月1日現在施行法令(介護保険法)
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
育児休業制度および育児休業給付金
ライフプランニングと資金計画 · 育児休業 / 育児休業給付金 / パパ・ママ育休プラス / 育休期間の延長
育児休業および雇用保険の育児休業給付金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
育児休業は原則1歳までですが、待機児童対策として1歳6か月および2歳までの延長措置が設けられています。給付率は開始後180日までは67%、以後は50%です。
解き方
- 育児休業期間の延長要件(1歳6か月、最長2歳までの再延長)を確認する。
- 給付率(休業開始から180日までは67%)やパパ・ママ育休プラス制度の要件(1人あたりの上限は原則1年)と照らし合わせて適切な肢を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 出題基準日(2018年10月)時点において、同一の子についての育児休業は原則として分割取得することができませんでした。
- 選択肢 2不正解
- 育児休業給付金の支給額は、育児休業開始から180日までは休業開始時賃金日額×支給日数の67%相当額、180日経過後は50%相当額となります。
- 選択肢 3不正解
- パパ・ママ育休プラス制度を利用しても、各親が取得できる育児休業期間の上限は原則として1年間(母親は産後休業を含めて1年間)です。
- 選択肢 4正解
- 保育所等に入所できない等の特別な事情がある場合、育児休業期間を1歳6か月まで、さらに再延長として2歳まで延長することが認められています。
覚えるポイント
- 育児休業の延長は1歳6か月まで、再延長は2歳まで可能であること。
間違えやすいところ
- 育児休業給付金の給付率は一律50%ではなく、最初の180日間は67%であること。
出題の前提:2018年10月1日現在施行法令(雇用保険法、育児・介護休業法)
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
在職老齢年金の支給停止額の計算と仕組み
ライフプランニングと資金計画 · 老齢厚生年金 / 在職老齢年金 / 加給年金 / 経過的加算
厚生年金保険の被保険者に支給される老齢厚生年金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
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解答
2
解説
65歳以上の在職老齢年金は、基本月額と総報酬月額相当額の合計が基準額(当時の基準は46万円)を超えると支給停止が発生します。加給年金は本体が一部でも支給されれば全額支給され、経過的加算は在職支給停止の対象外です。
解き方
- Bさん(65歳以上)の総報酬月額相当額(標準報酬月額22万円+直近1年の賞与48万円÷12=26万円)を算出する。
- 基本月額20万円との合計額(46万円)を計算し、支給停止調整額(46万円)以下であるため全額支給と判定する。
- 選択肢 1不正解
- 60歳台前半の低在老では基準額が28万円です。Aさんの基本月額10万円と総報酬月額相当額20万円の合計は30万円となり、28万円を超えるため一部が支給停止となります。
- 選択肢 2正解
- 総報酬月額相当額(22万円+48万円/12=26万円)と基本月額(20万円)の合計額が46万円ちょうどとなり、支給停止調整額46万円以下であるため全額支給されます。
- 選択肢 3不正解
- 老齢厚生年金の報酬比例部分が一部でも支給されている限り、加給年金額は全額支給されます(全額支給停止のときのみ加給年金も停止)。
- 選択肢 4不正解
- 経過的加算額は在職支給停止の対象外であり、報酬比例部分が全額支給停止となっても経過的加算額は全額支給されます。
覚えるポイント
- 65歳以降の在職老齢年金の支給停止基準額(当時の46万円)と、加給年金・経過的加算の支給停止ルールの違い。
間違えやすいところ
- 経過的加算が在職老齢年金の支給停止対象に含まれると誤認すること。
出題の前提:2018年10月1日現在施行法令(厚生年金保険法)
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金の裁定請求手続(繰上げ・繰下げ)
ライフプランニングと資金計画 · 裁定請求 / 繰上げ受給 / 繰下げ受給 / 特別支給の老齢厚生年金
公的年金制度の老齢給付に係る裁定請求等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
老齢年金の繰上げ請求は請求書が受理された日に受給権が発生し、事後の取消しや変更は不可能です。繰下げは受給権発生時には何も手続せず、受給を開始したい時点で申出を行います。
解き方
- 繰上げ受給の効力発生時期と取消不可の性質を確認する。
- 繰下げ申出の時期(受給したい66歳以降に行う)や特別支給から65歳給付への移行手続(請求書・ハガキ提出が必要)を確認して判定する。
- 選択肢 1不正解
- 特別支給の老齢厚生年金の請求手続は、支給開始年齢に到達した日(誕生日の前日)以後にしか行うことができません(事前提出は不可)。
- 選択肢 2正解
- 繰上げ請求による受給権は請求書が受理された日に発生し、一度請求するとその後取り消したり変更したりすることはできません。
- 選択肢 3不正解
- 特別支給の受給者が65歳から本来の老齢年金を受給する際は、65歳到達時に送付されるハガキ形式の年金請求書等を提出する必要があります。
- 選択肢 4不正解
- 繰下げ支給を希望する場合、65歳到達時に届出をする必要はなく、66歳以後に実際に受給を開始したい時点で繰下げ申出書を提出します。
覚えるポイント
- 繰上げ請求は取消し・変更が不可であり、請求書受理日に受給権が発生すること。
間違えやすいところ
- 繰下げ受給をするために65歳到達時に申出が必要と誤認すること。
出題の前提:2018年10月1日現在施行法令(国民年金法、厚生年金保険法)
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
確定給付企業年金(DB)の制度設計と給付要件
ライフプランニングと資金計画 · 確定給付企業年金 / 加入者資格 / 掛金負担 / 老齢給付金の支給要件
確定給付企業年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
確定給付企業年金の老齢給付金は、定年等に伴う支給(60歳~65歳)のほか、50歳以上65歳未満での退職時に支給開始を定めることができます。加入期間要件の上限は20年です。
解き方
- 確定給付企業年金における退職時支給の最低年齢要件(50歳以上)を確認する。
- 選択肢4の「40歳以上65歳未満」という誤った年齢基準を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 不当に差別的でない限り、規約により一定の職種、勤続期間、年齢等により加入者資格を定めることができます。
- 選択肢 2不正解
- 規約の定めおよび本人の同意があれば加入者本人も掛金を一部負担でき、その掛金は生命保険料控除(一般)の対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 確定給付企業年金では、老齢給付金の受給要件として20年を超える加入者期間を定めることは禁止されています。
- 選択肢 4正解
- 老齢給付金の支給開始要件となる退職年齢は「50歳以上65歳未満」の規約で定める年齢であり、「40歳以上」とする記述は不適切です。
覚えるポイント
- 確定給付企業年金の老齢給付金が退職により支給開始となる最低年齢は50歳以上であること。
間違えやすいところ
- 確定拠出年金(60歳以降原則)や確定給付企業年金の支給開始要件の年齢を混同すること。
出題の前提:2018年10月1日現在施行法令(確定給付企業年金法)
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金等に係る所得税の取扱いと控除
タックスプランニング · 社会保険料控除 / 確定申告不要制度 / 未支給年金 / 特別徴収
公的年金等に係る所得税の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、納税者は居住者であるものとし、記載のない事項については考慮しないものとする。
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解答
1
解説
公的年金から特別徴収された社会保険料は受給者本人の社会保険料控除にしかなりません。一方、普通徴収(口座振替等)で生計を一にする親族の口座から支払った場合はその支払者の控除とすることができます。
解き方
- 公的年金からの特別徴収と社会保険料控除の適用関係(年金受給者本人の控除のみ)を確認する。
- 配偶者の年金から天引きされた介護保険料を納税者の控除にできるか照らし合わせて不適切と判断する。
- 選択肢 1正解
- 年金から特別徴収された保険料は年金受給者本人の社会保険料控除の対象にしかならず、生計を一にする配偶者の控除とすることはできません。
- 選択肢 2不正解
- 国民年金保険料を前納した場合、支払った年に全額を控除するか、各年分の保険料相当額を各年分ごとに控除するかを選択できます。
- 選択肢 3不正解
- 公的年金等の収入金額が400万円以下で、それ以外の所得金額が20万円以下である場合、所得税の確定申告は不要です。
- 選択肢 4不正解
- 受給権者の死亡により遺族が受け取った未支給年金は、相続財産ではなく遺族固有の所得(一時所得)として課税対象となります。
覚えるポイント
- 公的年金から特別徴収された介護保険料は年金受給者本人の社会保険料控除に限定されること。
間違えやすいところ
- 振替納付した社会保険料(生計一の親族分も対象可)と年金特別徴収(本人のみ)のルールを混同すること。
出題の前提:2018年10月1日現在施行法令(所得税法)
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)
ライフプランニングと資金計画 · 教育一般貸付 / 国の教育ローン / 融資対象学校 / 据置期間
国が日本政策金融公庫を通じて行う「教育一般貸付(国の教育ローン)」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
教育一般貸付は、高校・大学等の中学校卒業以上を対象とする教育施設への進学資金を対象とし、原則1人350万円(海外留学等は450万円)が限度です。在学中の利息のみ返済(元金据置き)が認められています。
解き方
- 教育一般貸付の返済方法および元金据置制度の可否を確認する。
- 対象学校(中学校卒業以上)、海外留学時の限度額(450万円)、保証料(融資額から天引き)の各要件を確認して正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 融資の対象となる学校は、中学校卒業以上の者を対象とする教育施設(高校、大学、短大、専修学校等)であり、中学校は対象外です。
- 選択肢 2不正解
- 外国の教育施設に6か月以上在籍する資金として利用する場合などの融資限度額は、最高450万円(500万円ではない)です。
- 選択肢 3不正解
- 保証基金を利用する場合の保証料は、融資実行時に融資額から一括して差し引かれる(天引きされる)ため、別途現金で支払う必要はありません。
- 選択肢 4正解
- 返済期間中、在学期間内であれば元金返済を据え置き、利息のみの返済とすることが認められています。
覚えるポイント
- 教育一般貸付の融資対象は中学校卒業以上、在学中は利息のみの元金据置返済が可能であること。
間違えやすいところ
- 海外留学資金等の場合の特例融資限度額が450万円(500万円ではない)であること。
出題の前提:2018年10月1日現在施行条件(日本政策金融公庫法)
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
信用保証協会のセーフティネット保証制度
ライフプランニングと資金計画 · 信用保証協会 / セーフティネット保証 / セーフティネット保証5号 / 無担保保証限度額
信用保証協会のセーフティネット保証制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
セーフティネット保証制度は、取引先の倒産や自然災害、景況悪化(5号)等により経営の安定に支障を生じている中小企業者に対し、信用保証協会が一般保証とは別枠で保証を行う制度です。
解き方
- セーフティネット保証5号の売上高等減少要件(前年同期比5%以上減少)を確認する。
- 記述の「10%以上減少」という数値を誤りと特定する。
- 選択肢 1不正解
- セーフティネット保証の利用には、事業所所在地の市区町村長の認定を受けることが要件とされています。
- 選択肢 2正解
- セーフティネット保証5号の売上減少要件は、最近3か月間の売上高等が前年同期比で「5%以上」減少していることであり、10%ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 経営安定関連保証(セーフティネット保証)と危機関連保証は、一般保証とは別枠でそれぞれ限度額(別枠2.8億円)が設定され併用可能です。
- 選択肢 4不正解
- 平成30年4月1日より、無担保かつ無保証人の保証限度額は、一般保証・別枠保証ともに従来の1,500万円から2,000万円に引き上げられました。
覚えるポイント
- セーフティネット保証5号の売上減少要件は「前年同期比5%以上減少」であること。
間違えやすいところ
- セーフティネット保証4号(自然災害等:売上20%減少)と5号(全国的不況業種:売上5%減少)の要件を混同すること。
出題の前提:2018年10月1日現在施行法令(中小企業信用保険法)
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険会社の健全性・収益性指標
リスク管理 · ソルベンシー・マージン比率 / 基礎利益 / エンベディッド・バリュー
生命保険会社の健全性や収益性に関する各種指標の特徴および計算構造として、次の記述のうち最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
生命保険会社の経営健全性を測るソルベンシー・マージン比率は、大災害や株価暴落など通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる支払余力を示し、一般に200%以上が健全性の目安とされています。
解き方
- ソルベンシー・マージン比率の算出式における分母(リスク合計額の2分の1)と分子(支払余力総額)の定義を確認する。
- 選択肢3がリスク合計額の2倍で除すと分子分母の関係を取り違えている点を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 保有契約高において、個人年金保険は支払開始前は年金支払開始時の年金原資額、開始後は責任準備金額を合計して計上するため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 基礎利益は、保険本業の収益力を示すため経常利益から一時的なキャピタル損益や臨時損益を控除して算定されるため適切です。
- 選択肢 3正解
- ソルベンシー・マージン比率は、ソルベンシー・マージン総額を「通常の予測を超えるリスクの合計額×1/2」で除して算出するため、2倍相当額で除すとする本肢は不適切です。
- 選択肢 4不正解
- EV(エンベディッド・バリュー)は、貸借対照表ベースの修正純資産に保有契約から生じる将来利益の現在価値(保有契約価値)を加えて算出するため適切です。
覚えるポイント
- ソルベンシー・マージン比率=マージン総額÷(リスク合計×1/2)×100
間違えやすいところ
- 分母がリスク合計の2分の1であることを、リスクの2倍で割ると誤認しやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の保険業法等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種生命保険の商品性
リスク管理 · トンチン年金 / 特約組立型保険 / 就業不能保険 / 市場価格調整(MVA)
各種生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
トンチン年金は早期死亡者の給付金を抑え、その原資を長生きした生存者の年金原資に充当する仕組みです。一方、MVA(市場価格調整)は金利上昇時に債券価格が下落するため解約返戻金が減少します。
解き方
- 各保険商品の給付要件や市場価格調整の仕組みを整理する。
- トンチン年金の死亡時給付が抑えられる設計であることを確認し、肢3を正答と判定する。
- 選択肢 1不正解
- 特約組立型保険は定型の主契約に特約を付けるのではなく、死亡・医療等の保障を白紙の状態から自由に組み合わせる商品であるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 就業不能保険の中には、うつ病などの所定の精神疾患による就業不能状態を保障対象とする商品も存在するため誤りです。
- 選択肢 3正解
- トンチン性を高めた個人年金保険は生存保障を手厚くするため、年金支払開始前の死亡一時金額が払込保険料総額を下回る設計となっており適切です。
- 選択肢 4不正解
- 市場金利が契約時より上昇した場合、運用債券の価格が下落するため市場価格調整(MVA)により解約返戻金額は減少します。
覚えるポイント
- トンチン年金は死亡保障を削って長生きリスク(生存年金)を手厚くする。
間違えやすいところ
- 市場金利上昇時に債券価格が下落しMVA解約返戻金が減少する関係を取り違えやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令・保険商品実務
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険料控除の限度額計算と新旧制度の適用
リスク管理 · 生命保険料控除 / 新旧契約の判定 / 控除限度額
平成30年分の所得税における生命保険料控除(新生命保険料控除・介護医療保険料控除・新個人年金保険料控除/旧生命保険料控除・旧個人年金保険料控除)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
所得税の生命保険料控除は、新制度(一般・介護医療・個人年金で各4万円・計12万円)と旧制度(一般・個人年金で各5万円・計10万円)があり、双方がある枠では新旧合計で最高4万円(または旧単独で最高5万円)を選択して全体の最高12万円を限度とします。
解き方
- 各区分の控除額を比較する:一般生命は新4万円、介護医療は2万円、個人年金は旧単独5万円を選択。
- 3枠の合計を算出する:4万円+2万円+5万円=11万円となり、上限12万円の範囲内であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 単なる契約者変更(名義変更)では新制度へ移行せず、締結日基準で引き続き旧生命保険料控除が適用されます。
- 選択肢 2不正解
- 保険料の増額を伴わない指定代理請求特約の中途付加等では新制度への契約変更とはみなされず、旧制度のままとなります。
- 選択肢 3不正解
- 同一区分で新旧両方を適用する場合の最高控除額は4万円であるため、新2万円+旧3万円で合算しても限度額は4万円(旧単独3万円より新旧合算4万円が有利)となり5万円にはなりません。
- 選択肢 4正解
- 一般枠は新4万円、介護医療枠は新2万円、年金枠は旧単独5万円(新旧合算の上限4万円より有利)を選択すると、合計11万円(全体限度額12万円以内)が最大控除額となり適切です。
覚えるポイント
- 新旧併用時の各枠限度額は4万円(ただし旧単独なら5万円を選択可能)。全体限度額は12万円。
間違えやすいところ
- 旧契約に保険料を伴わない特約(指定代理請求等)を中途付加しただけで新契約扱いになると誤認しやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の所得税法
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人の逓増定期保険の払済終身保険への変更時の経理処理
リスク管理 · 法人契約の生命保険 / 逓増定期保険 / 払済保険への変更 / 経理処理
X社が加入していた代表取締役(50歳時加入、72歳満了)を被保険者とする逓増定期保険(年払保険料360万円、10年分・総額3,600万円払込済み)を解約返戻金3,000万円で払済終身保険に変更した。変更時の最も適切な経理処理(仕訳)はどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
逓増定期保険(加入時50歳・満了72歳:保険期間22年、50+22×2=94>85かつ満了時72歳)は支払保険料の2分の1を損金、2分の1を前払保険料(資産)に計上します。払済終身保険への変更時は、解約返戻金相当額を保険料積立金に計上し、前払保険料の簿価との差額を雑収入(益金)として処理します。
解き方
- 既往の前払保険料資産計上額を計算する:年払360万円×1/2×10年=1,800万円。
- 変更時の仕訳を組む:借方に解約返戻金額の「保険料積立金 3,000万円」、貸方に簿価「前払保険料 1,800万円」と差額「雑収入 1,200万円」を計上する。
- 選択肢 1不正解
- 払済保険への変更では現金・預金は受け取らず新たな終身保険の積立金となるため、借方は現金・預金ではなく保険料積立金です。
- 選択肢 2不正解
- 借方が現金・預金である点、および前払保険料の額(1/2資産計上で1,800万円)の双方が誤りです。
- 選択肢 3正解
- 解約返戻金3,000万円を借方「保険料積立金」とし、これまで資産計上してきた前払保険料1,800万円を消去して差額1,200万円を雑収入に計上するため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 本契約の資産計上割合は2分の1(前払保険料累計1,800万円)であるため、2,400万円とする貸方処理は誤りです。
覚えるポイント
- 払済保険への変更時は、解約返戻金相当額を「保険料積立金」に資産計上し、従前の資産計上額との差額を雑収入(または雑損失)とする。
間違えやすいところ
- 解約時と同様に「現金・預金」が入金されると勘違いして仕訳科目を選んでしまう。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法人税基本通達
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
自賠責保険および政府の自動車損害賠償保障事業
リスク管理 · 自賠責保険 / 政府保障事業 / 重過失減額 / 仮渡金
自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)および政府の自動車損害賠償保障事業(政府保障事業)に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
自賠責保険は人身事故の被害者救済を目的とし、当座の資金のための仮渡金制度や被害者の重大な過失(7割以上)のみ減額する仕組みを持ちます。政府保障事業はひき逃げや無保険車事故を対象とする最終的救済事業であり、社会保険給付等との損益相殺が行われ、仮渡金制度は存在しません。
解き方
- 自賠責保険と政府保障事業の制度的差異(仮渡金制度の有無、社会保険との関係)を整理する。
- 仮渡金の請求ができるのは自賠責保険のみであり、政府保障事業には認められていないことを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 共同不法行為事故の場合、被害者は各加害自動車の自賠責保険から重複して限度額の合算(重畳)請求が可能です。
- 選択肢 2不正解
- 自賠責保険では過失割合が7割未満であれば過失相殺による減額は行われず、7割以上10割未満の場合に重過失減額(2割〜5割減額)が行われます。
- 選択肢 3不正解
- 政府保障事業は最終的な補償を行う制度であるため、労災や健保などの社会保険等から給付を受けた金額は控除されててん補されます。
- 選択肢 4正解
- 当座の費用を請求できる仮渡金制度は自賠責保険特有の制度であり、政府保障事業には仮渡金制度は適用されないため誤りです。
覚えるポイント
- 政府保障事業には仮渡金制度がなく、社会保険給付があればその額が控除される。
間違えやすいところ
- 自賠責保険の仮渡金制度が政府保障事業にも同様に適用されると混同しやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の自動車損害賠償保障法
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人事業主が受け取る損害保険金の税務
リスク管理 · 個人事業主の税務 / 損害保険金の課税区分 / 商品火災保険金
個人事業主が契約者(=保険料負担者)として加入する各種損害保険から受け取った保険金等の課税関係に関する記述として、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
個人事業主が受け取る損害保険金について、身体の傷害等に起因する給付金や事業用固定資産の損害保険金は原則として非課税です。ただし、棚卸資産(商品等)の損失を補填する保険金は売上を代替するものとして事業所得の総収入金額になります。
解き方
- 各保険金の性質(身体の損害、満期返戻金、棚卸資産の損失、固定資産の損失)を分類する。
- 棚卸資産の滅失による保険金が事業所得の総収入金額に算入されることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 個人の身体の傷害・疾病に起因して受給する所得補償保険の保険金は非課税所得となるため、事業収入にはなりません。
- 選択肢 2不正解
- 積立保険の満期返戻金は事業所得ではなく、一時所得(または源泉分離課税)として課税されるため事業収入にはなりません。
- 選択肢 3正解
- 棚卸資産である商品の滅失・焼失により受け取った保険金は、事業の棚卸資産の収入金額に代わるものとして事業所得の総収入金額に算入されます。
- 選択肢 4不正解
- 営業用車両(固定資産)の損害により受領する車両保険金は原則として非課税であり、廃棄損を上回る部分であっても事業収入にはなりません。
覚えるポイント
- 棚卸資産の保険金は「事業所得の総収入金額」、固定資産や身体の保険金は「非課税」。
間違えやすいところ
- 営業用車両の保険差益が事業収入に算入されると誤解しやすい(固定資産の損害保険金は非課税)。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の所得税法(第9条等)
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
保険金で取得した固定資産等の圧縮限度額の計算
リスク管理 · 法人税 / 保険金等の圧縮記帳 / 圧縮限度額 / 滅失経費
X社の工場建物が火災で全焼し、受取保険金で同事業年度中に代替工場建物を新築した。資料に基づく圧縮記帳の圧縮限度額として、最も適切なものはどれか。 〈資料〉 ・滅失建物の帳簿価額:2,500万円 ・支出経費:焼跡整理費 500万円、見舞金 300万円 ・受取保険金:火災保険金(建物対象)5,000万円、企業費用・利益総合保険金 2,000万円 ・新築代替建物の取得価額:5,400万円
解答・解説を表示
解答
2
解説
保険金による圧縮限度額の計算では、固定資産の滅失に直接起因する保険金のみが対象となり、企業費用・利益総合保険等の利益補填・費用補填保険金は除きます。また滅失経費は片づけ等の整理費が該当し、けが人見舞金は含まれません。代替資産取得額が差引保険金額以上のときは、保険差益金の全額が圧縮限度額となります。
解き方
- 対象保険金と直接経費を確定する:対象保険金=5,000万円、滅失経費=500万円(差引保険金=4,500万円)。
- 保険差益金を計算する:差益金=5,000万円-(帳簿価額2,500万円+経費500万円)=2,000万円。
- 代替資産取得価額(5,400万円)≧差引保険金(4,500万円)より、圧縮限度額=保険差益金の全額=2,000万円。
- 選択肢 1不正解
- 見舞金300万円を滅失経費に誤って含めると差益が1,700万円となりますが、見舞金は滅失経費に含まれないため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 保険差益金=5,000万円-(2,500万円+500万円)=2,000万円であり、代替取得価額が差引保険金を超えているため差益全額の2,000万円が圧縮限度額となります。
- 選択肢 3不正解
- 企業費用・利益総合保険金(2,000万円)を含めて計算した数値などは圧縮記帳の規定上誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 4,000万円は誤った計算に基づく不適切な数値です。
覚えるポイント
- 見舞金や利益保険金は圧縮記帳の計算に含めない。代替資産取得価額が差引保険金以上なら差益全額が圧縮限度額。
間違えやすいところ
- けが人への見舞金を直接の滅失経費として差し引いてしまうミスが多い。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法人税法(第47条等)
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
金投資の特徴と税務上の取扱い
金融資産運用 · 金投資 / 純金積立 / 金地金の税務 / 譲渡所得 / 損益通算
国内の証券会社等を通じた金投資に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
金地金の売買は消費税の課税対象であり、売却益は総合課税の譲渡所得となります。短期・長期の判定基準は「譲渡日における所有期間(5年超か否か)」であり、土地建物の「1月1日基準」とは異なります。また、生活に通常必要でない資産等に係る譲渡損失は他の所得との損益通算が認められません。
解き方
- 金地金売買に係る消費税(購入時・売却時)の取扱いを確認する。
- 総合課税の譲渡所得における期間判定(譲渡日基準)および損益通算不可のルールと各選択肢を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 純金積立は毎月の積立額を毎営業日に日割りして毎日買い付けるドル・コスト平均法を採用するのが一般的であり、月末一括ではありません。
- 選択肢 2正解
- 金地金の売買は消費税の課税取引であるため、購入時は消費税を支払い、売却時には消費税が上乗せされた金額を受け取ります。
- 選択肢 3不正解
- 金地金の短期・長期の判定は、土地建物のような「1月1日時点」ではなく、「譲渡日現在」の保有期間が5年以内か5年超かで判定します。
- 選択肢 4不正解
- 金地金の売却損は生活に通常必要でない資産に係る譲渡損失とみなされ、給与所得など他の所得との損益通算はできません。
覚えるポイント
- 金地金は消費税がかかり、売却時も消費税込みで受け取る。総合譲渡の長期判定は「譲渡日基準」。
間違えやすいところ
- 金地金の長期譲渡所得判定を、土地建物と同じ「その年の1月1日現在で5年超」と誤認しやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の所得税法および消費税法
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託の仕組みと開示情報
金融資産運用 · 投資信託 / 基準価額 / 信託報酬 / 信託財産留保額 / トータルリターン
投資信託に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
投資信託の各種コスト(信託報酬や信託財産留保額)の性質と帰属先、基準価額の計算基準(時価に基づく純資産総額)、ならびに投資者へ提供されるトータルリターンの算式について正確に理解しておく必要があります。
解き方
- 基準価額の定義が取得原価ではなく時価による純資産総額に基づくことを確認します。
- 信託報酬が同一銘柄で同一であることや商品分類ごとの傾向の妥当性を判定します。
- 信託財産留保額の帰属先(ファンド財産)およびトータルリターンの構成要素(分配金の加算)を精査して正誤を判断します。
- 選択肢 1不正解
- 基準価額は、信託財産の「取得時の価額」ではなく、計算日時点の時価で評価した純資産総額を受益権総口数で除して算出されます。
- 選択肢 2正解
- 同一銘柄の運用管理費用(信託報酬)は販売会社による差はなく、市場平均を超えるリターンを目指して調査分析を行うアクティブ型のほうがインデックス型より高い傾向があります。
- 選択肢 3不正解
- 信託財産留保額は、中途解約に伴う資産売却費用を賄うために徴収されるものであり、投資信託委託会社の収入ではなく信託財産に繰り入れられて残る受益者に帰属します。
- 選択肢 4不正解
- 投資信託のトータルリターンは「評価金額+累計受取分配金額+累計売付金額-累計買付金額」で算出され、受取分配金の累計額を含める必要があります。
覚えるポイント
- 信託財産留保額は運用会社ではなくファンドの信託財産へ留保されるペナルティ的費用です。
間違えやすいところ
- 購入時手数料(ノーロード等)は販売会社ごとに異なる場合がありますが、信託報酬は同一銘柄であれば販売会社が違っても同一です。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の投資信託関連法令および投信協会の運用実務に基づきます。
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式の制度信用取引における新規売建て可能株数の計算
金融資産運用 · 信用取引 / 代用有価証券 / 委託保証金率 / 新規売建て
株式の制度信用取引において、保有するA社株式2,000株(1株当たり時価2,500円)と金銭200万円を担保として差し入れ、B社株式(1株当たり時価4,000円)を新規に売建てする場合、売建てが可能な最大株数として、最も適切なものはどれか。なお、株式担保の代用掛目は80%、委託保証金率は30%とし、手数料等は考慮しない。
解答・解説を表示
解答
3
解説
信用取引では、差し入れた金銭および代用有価証券(時価に代用掛目を乗じた額)の合計である委託保証金総額を委託保証金率で除することにより、新規に建てられる取引金額の上限を算定します。
解き方
- A社株式の担保評価額を計算します:2,000株 × 2,500円 × 80% = 400万円。
- 現金担保200万円を加算して委託保証金総額を求めます:400万円 + 200万円 = 600万円。
- 委託保証金率30%から売建て可能な約定金額の上限を計算します:600万円 ÷ 0.30 = 2,000万円。
- B社株式1株あたりの時価4,000円で除して売建て可能最大株数を算出します:2,000万円 ÷ 4,000円 = 5,000株。
- 選択肢 1不正解
- 建玉上限2,000万円を4,000円で除すると5,000株となるため、4,000株は不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 建玉上限2,000万円を4,000円で除すると5,000株となるため、4,500株は不適切です。
- 選択肢 3正解
- 委託保証金合計600万円により建てられる総額2,000万円を、B社の株価4,000円で除すると5,000株が導かれます。
- 選択肢 4不正解
- 代用掛目80%を考慮せずに計算した誤った数値などに起因するため、5,500株は不適切です。
覚えるポイント
- 代用有価証券の担保評価額=時価×代用掛目(通常80%)、建玉上限額=委託保証金合計÷委託保証金率。
間違えやすいところ
- 株式担保の掛目80%の乗算を忘れて株式時価の全額を保証金に算入しないように注意が必要です。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の金融商品取引所における信用取引規則に基づきます。
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
サスティナブル成長率の計算
金融資産運用 · サスティナブル成長率 / ROE / PBR / PER / 内部留保率
提示された〈財務指標〉(PER 12.00倍、PBR 1.80倍、配当利回り 1.50%、配当性向 32.00%)から算出されるサスティナブル成長率として、最も適切なものはどれか。なお、自己資本の額は純資産の額と同額とし、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。
解答・解説を表示
解答
3
解説
サスティナブル成長率とは、外部からの資本調達(増資等)を行わずに内部留保のみで達成可能な企業の売上や利益の成長率であり、「ROE × 内部留保率(1 - 配当性向)」で算出されます。ROEは「PBR ÷ PER」の関係式を用いて導くことができます。
解き方
- PBRとPERからROEを算出します:ROE = PBR ÷ PER = 1.80 ÷ 12.00 = 0.15(15%)。
- 配当性向から内部留保率を算出します:内部留保率 = 1 - 配当性向 = 1 - 0.32 = 0.68(68%)。
- サスティナブル成長率を計算します:15% × 68% = 10.20%。
- 選択肢 1不正解
- 計算手順が誤っており、正しいサスティナブル成長率の10.20%とは一致しません。
- 選択肢 2不正解
- 計算手順が誤っており、正しいサスティナブル成長率の10.20%とは一致しません。
- 選択肢 3正解
- ROE=1.80÷12.00=15%、内部留保率=100%-32%=68%より、15%×68%=10.20%と求まります。
- 選択肢 4不正解
- 内部留保率の反映や計算過程に誤りがあるため不適切です。
覚えるポイント
- サスティナブル成長率=ROE×内部留保率=(PBR÷PER)×(1-配当性向)。配当利回りはダミー数値です。
間違えやすいところ
- 問題文に記載された配当利回りを不用意に計算式に組み込んでしまわないよう注意が必要です。
出題の前提:2018年10月1日現在の企業財務分析理論および出題基準に基づきます。
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
オプション取引の基本用語と金利デリバティブ
金融資産運用 · オプション取引 / イン・ザ・マネー / キャップ / カラー / バリア・オプション
オプション取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
金利オプションにおけるキャップは金利コールオプション、フロアは金利プットオプションに相当します。カラーは金利変動リスクを所定のレンジ内に抑えつつ、オプションの買いと売りを組み合わせてプレミアムの支払負担を相殺・軽減する戦略です。
解き方
- ITMの本質的価値がある状態の定義(コールは原資産>権利行使価格、プットは原資産<権利行使価格)を確認します。
- 金利キャップ(上限を画する取引)の定義が適切か確認します。
- カラー取引が「キャップとフロアの買い・売りの組み合わせ」である点に着目し、選択肢3の誤りを特定します。
- バリア・オプションの権利行使制約とプレミアムの割安性を確認します。
- 選択肢 1不正解
- 直ちに権利行使して利益が得られる状態をITMといい、コールは原資産価格>権利行使価格、プットは原資産価格<権利行使価格のときがこれに該当します。
- 選択肢 2不正解
- キャップは金利の上限を抑える金利コールオプションであり、基準金利が設定金利を上回った場合にその差額を受け取ることができます。
- 選択肢 3正解
- カラーは「キャップの買いとフロアの売り」(またはキャップの売りとフロアの買い)を組み合わせる取引であり、双方を買う取引ではありません。
- 選択肢 4不正解
- バリア・オプションは一定の価格到達(バリア)によって権利が発生・消滅する制約があるため、通常のプレーン・オプションよりプレミアムは低くなります。
覚えるポイント
- カラー取引=キャップとフロアの「買い」と「売り」の組み合わせ(片方買い・片方売り)でプレミアムコストを削減します。
間違えやすいところ
- ストラドルやストラングル(同一資産のコールとプット双方を買う戦略)と、金利のカラー取引を混同しないように整理が必要です。
出題の前提:2018年10月1日現在のデリバティブ取引理論および実務慣行に基づきます。
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
資本資産評価モデル(CAPM)の理論と性質
金融資産運用 · CAPM / β(ベータ)値 / 期待収益率 / システマティック・リスク / 安全資産利子率
資本資産評価モデル(CAPM)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、β(ベータ)値は1より大きく、安全資産利子率はゼロではないものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
CAPMの計算式は「期待収益率 = 安全資産利子率 + β × (市場ポートフォリオの期待収益率 - 安全資産利子率)」です。β値は市場全体と連動するシステマティック・リスクの感応度を示し、分散投資で低減できないリスクに対するプレミアムを決定します。
解き方
- 安全資産利子率の定義(国債利回りなどの無リスク金利)を確認し、過去の資産平均収益率とする選択肢1の誤りを排除します。
- β値が測定するリスクがシステマティック・リスク(市場リスク)である点を確認し、選択肢2の誤りを排除します。
- CAPMの計算式における切片(安全資産利子率)の存在から、βが2倍になっても期待収益率は2倍にならないことを確認して選択肢3の誤りを排除します。
- β値が大きいほど市場変動への感応度が高くリスクが大きいとする選択肢4の妥当性を確認します。
- 選択肢 1不正解
- 安全資産利子率は無リスク資産の利子率(長期国債利回り等)を用いるものであり、組み入れ資産の過去の平均収益率ではありません。
- 選択肢 2不正解
- β値は市場全体に対するシステマティック・リスク(市場感応度)を測定した値であり、個別要因であるアンシステマティック・リスクではありません。
- 選択肢 3不正解
- CAPMでは切片として安全資産利子率(ゼロではない)が加算されるため、β値が2倍になっても期待収益率全体が2倍になるわけではありません。
- 選択肢 4正解
- β値は市場全体に対する感応度を表すため、β値が大きいポートフォリオのほうが市場変動の影響を強く受け、システマティック・リスクが高いといえます。
覚えるポイント
- β値はシステマティック・リスクの指標であり、CAPMの期待収益率は「安全資産利子率+β×マーケット・リスクプレミアム」です。
間違えやすいところ
- β値が2倍になると「リスクプレミアム部分」は2倍になりますが、安全資産利子率が加算されるため「期待収益率全体」は2倍にはなりません。
出題の前提:2018年10月1日現在のポートフォリオ理論および出題基準に基づきます。
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
特定口座の税務と運用ルール
金融資産運用 · 特定口座 / 源泉徴収選択口座 / 簡易申告口座 / 損益通算 / 確定申告
特定口座に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、簡易申告口座とは特定口座のうち源泉徴収がされない口座をいう。
解答・解説を表示
解答
3
解説
源泉徴収選択口座(特定口座源泉徴収あり)では、同一口座内の譲渡損益は取引ごとに逐次通算され、先に徴収された税額がある状態で譲渡損が生じると即座に還付処理が行われます。また、金融商品取引業者ごとに口座種別を選択でき、確定申告時にも口座ごとに申告要否を選択可能です。
解き方
- 特定口座年間取引報告書が税務署提出用と顧客用の2通作成される実務を確認します。
- 異なる金融商品取引業者であれば、別々の口座区分(源泉あり・源泉なし)を開設できることを確認します。
- 源泉徴収選択口座内の損益通算と還付のタイミングが「年末一括・翌年初還付」ではなく「損失発生時の都度還付」である点を精査します。
- 一般口座の譲渡益のみを確定申告し、源泉徴収選択口座を申告不要として除外できる規定を確認します。
- 選択肢 1不正解
- 特定口座年間取引報告書は2通作成され、原則として翌年1月31日までに所轄税務署長へ1通提出され、もう1通が顧客に交付されます。
- 選択肢 2不正解
- 特定口座は金融商品取引業者ごとに1口座開設できるため、異なる金融商品取引業者であれば源泉徴収口座と簡易申告口座をそれぞれ開設できます。
- 選択肢 3正解
- 譲渡損失が発生した場合は年末を待つことなく、その都度、年内に既に源泉徴収された税額から還付金額が計算されて速やかに還付されます。
- 選択肢 4不正解
- 上場株式等の譲渡所得について、源泉徴収選択口座ごとに申告不要を選択できるため、一般口座分のみを確定申告することが可能です。
覚えるポイント
- 源泉徴収選択口座内の損益通算は年内の取引ごとに都度行われ、徴収済みの税額があれば即座に還付されます。
間違えやすいところ
- 確定申告による異なる口座間の損益通算は翌年3月の申告時ですが、同一の源泉徴収選択口座内では年中の取引ごとにリアルタイムで通算・還付されます。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の租税特別措置法第37条の11の3~第37条の11の5に基づきます。
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
消費者契約法における取消権および条項の無効
金融資産運用 · 消費者契約法 / 不実告知 / 過量契約 / 不当条項 / 取消権の行使期間
消費者契約法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
消費者契約法は、事業者と消費者との情報の質・量および交渉力の格差に鑑み、誤認・困惑等による意思表示の取消権や、消費者の利益を不当に害する条項の無効を規定しています。取消権の行使期間(短期消滅時効)は法改正により1年間に延長されています。
解き方
- 重要事項の不実告知や危険回避に関する不実告知による取消事由の妥当性を確認します。
- 通常の分量を著しく超える過量契約の取消権の規定を確認します。
- 事業者の債務不履行や瑕疵担保責任に伴う消費者の解除権を排除する無効条項の規定を確認します。
- 取消権の消滅時効(追認できる時から1年間、契約締結から5年間)を確認し、選択肢4の「6カ月間」の誤りを特定します。
- 選択肢 1不正解
- 重要利益の損害・危険を回避するために通常必要と判断される事情について不実告知がなされ誤認したときは契約を取り消すことができます。
- 選択肢 2不正解
- 通常必要とされる分量を著しく超えることを知りながら勧誘した場合、消費者は過量契約として取り消すことができます。
- 選択肢 3不正解
- 事業者の債務不履行や隠れた瑕疵に基づく消費者の解除権をあらかじめ放棄させる契約条項は、消費者契約法第8条の2に基づき無効となります。
- 選択肢 4正解
- 消費者契約法の取消権の行使期間は、追認をすることができる時から「1年間」(6カ月間ではない)、または契約締結時から「5年間」です。
覚えるポイント
- 消費者契約の取消権の行使期間は、追認可能時から「1年」、契約締結時から「5年」です。
間違えやすいところ
- 民法の詐欺・強迫取消権(追認可能から5年・行為から20年)や改正前の6カ月と混同しないよう注意が必要です。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の消費者契約法第7条(平成28年法律第61号による改正後)に基づきます。
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
日本銀行の金融政策(枠組み強化策の内容)
金融資産運用 · 日本銀行 / 金融緩和 / フォワードガイダンス / イールドカーブ・コントロール / ETF買入れ
日本銀行が2018年7月に公表した「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」における決定事項に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
2018年7月の日銀「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」では、金融緩和の持続性を高めるために、政策金利のフォワードガイダンス導入、長期金利の変動幅の容認、TOPIX連動型ETFの買入れ比率引き上げ、マイナス金利適用残高の縮小などが決定されました。
解き方
- 2018年7月の決定事項におけるフォワードガイダンスの文言(きわめて低い長短金利水準の維持)を確認します。
- 10年物国債金利の誘導目標が「ゼロ%程度」であることを確認し、マイナス1%引き下げとする選択肢2の誤りを排除します。
- ETF買入れにおいて、市場歪み是正のため日経平均型ではなく「TOPIX型」の配分を拡大した点を確認し、選択肢3を排除します。
- 金融機関の収益圧迫に配慮してマイナス金利適用残高を「縮小(減少)」させた点を確認し、選択肢4を排除します。
- 選択肢 1正解
- 2018年7月の会合で、消費増税等の不確実性を考慮して「当分の間、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している」というフォワードガイダンスが導入されました。
- 選択肢 2不正解
- 長期金利の誘導目標は「ゼロ%程度」であり、「マイナス1%程度に引き下げ」ではありません。金利変動をある程度容認する柔軟化が行われました。
- 選択肢 3不正解
- ETF買入れの見直しでは、日経平均連動型の買入れ額を縮小し、市場全体を反映するTOPIX連動型ETFの買入れ配分を拡大しました。
- 選択肢 4不正解
- 金融機関の負担軽減等のため、マイナス金利が適用される政策金利残高を「増加」ではなく「縮小(減少)」させる見直しが行われました。
覚えるポイント
- 2018年7月の日銀枠組み強化:フォワードガイダンス導入、TOPIX型ETF買入れ拡大、マイナス金利適用残高縮小。
間違えやすいところ
- ETF買入れの見直しでは、一部銘柄への偏りを防ぐため「日経平均型」を縮小し「TOPIX型」を拡大したという方向性を逆に捉えないように注意が必要です。
出題の前提:日本銀行「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」(2018年7月31日公表)に基づきます。
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
退職所得の課税関係
タックスプランニング · 退職所得 / 確定拠出年金 / 特定役員退職手当等
居住者に係る所得税の退職所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
退職所得は、退職手当などの収入金額から退職所得控除額を差し引いた額に2分の1(特定役員退職手当等を除く)を乗じて計算されます。一時金形式の確定拠出年金の老齢給付金も退職手当等とみなされ、その支給額全体が収入金額となります。
解き方
- 確定拠出年金の一時金受給における退職所得の収入金額の算定ルールを確認する。
- 自己拠出掛金の控除の有無を検討し、選択肢3が不適切であると判定する。
- 選択肢 1不正解
- 国家公務員や地方公務員などの公務員が勤続年数5年以下で退職して支給を受ける退職手当等は、役職にかかわらず特定役員退職手当等に該当し、2分の1課税の適用除外となります。
- 選択肢 2不正解
- 法人が契約していた生命保険の契約者名義を役員に変更して退職金を現物支給した場合、支給時における解約返戻金相当額が退職所得の収入金額として評価されます。
- 選択肢 3正解
- 確定拠出年金の老齢給付金を一時金で受け取る場合、支給された全額が退職手当等とみなされて退職所得の収入金額となり、拠出掛金総額を控除することはできません。
- 選択肢 4不正解
- 所得控除の順号により、総所得金額、申告分離課税の各種所得の順に控除を行っても控除しきれなかった控除不足額がある場合、退職所得の金額から控除することができます。
覚えるポイント
- 確定拠出年金の老齢一時金は、拠出金控除なしの全額が退職所得の収入金額となる。
間違えやすいところ
- 一時所得の計算(総収入金額から支出金額と特別控除を引く)と退職所得の計算の混同に注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の所得税法
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種所得の計算と総所得金額
タックスプランニング · 総所得金額 / 損益通算 / 不動産所得 / 一時所得
居住者であるAさんの平成30年分の各種所得の収入金額等(個人商店の事業所得:収入600万円・経費300万円、賃貸アパート経営の不動産所得:収入500万円・経費650万円で土地等取得利子なし、ゴルフ会員権譲渡所得:収入700万円・取得費等780万円、保険期間20年の一時所得:収入290万円・支出220万円)から計算される総所得金額として、最も適切なものはどれか。なお、青色申告は行っていない。
解答・解説を表示
解答
2
解説
総所得金額の計算では、不動産所得の損失は損益通算の対象となります(土地取得利子等を除く)。一方、ゴルフ会員権の譲渡損失は損益通算の対象外です。一時所得は収入から支出金額と特別控除額(最大50万円)を控除し、その残額に2分の1を乗じた金額を総所得金額に算入します。
解き方
- 事業所得(600万円-300万円=300万円)と不動産所得(500万円-650万円=▲150万円)を計算する。
- ゴルフ会員権の譲渡損失▲80万円は損益通算不可であることを確認する。
- 一時所得の総所得金額算入額{(290万円-220万円-50万円)×1/2=10万円}を計算する。
- 事業所得300万円+不動産所得▲150万円+一時所得10万円=160万円を算出する。
- 選択肢 1不正解
- ゴルフ会員権の譲渡損失80万円を誤って損益通算して計算した場合(300万-150万-80万+10万=80万や類似の誤り)の数値であり、不適切です。
- 選択肢 2正解
- 事業所得300万円、不動産所得の損失▲150万円(土地負債利子なし)、ゴルフ会員権損失(通算対象外)、一時所得10万円を合算すると160万円となり適切です。
- 選択肢 3不正解
- 一時所得の2分の1計算を失念して一時所得を20万円のまま加算した計算値(300万-150万+20万=170万円)であり、誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 一時所得の特別控除額や2分の1計算などを誤った場合の金額であり、不適切です。
覚えるポイント
- ゴルフ会員権の譲渡損失は生活に通常必要でない資産として損益通算の対象外となる。
間違えやすいところ
- 一時所得の金額を総所得金額に算入する際に2分の1を掛け忘れないように注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の所得税法
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
タックスプランニング · 譲渡所得 / 損益通算 / 繰越控除 / 特定居住用財産の譲渡損失
「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」(本特例)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
特定居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除(住宅ローンが残っている場合の買換えを伴わない特例)は、所有期間5年超の居住用財産について一定の要件を満たす場合に適用できます。繰越控除の適用を受ける各年において、合計所得金額が3,000万円を超えているときは、その年の繰越控除は認められません。
解き方
- 本特例の要件(所有期間、譲渡期限、損失の限度額、所得制限等)を確認する。
- 繰越控除の適用年における合計所得金額3,000万円超の制限を確認し、選択肢4が正しいと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 譲渡した居住用財産の所有期間要件は、譲渡した年の1月1日において「5年超」であり、10年超ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 本特例の対象家屋は、現に居住の用、または居住の用に供されなくなった日から「3年を経過する日の属する年の12月31日まで」に譲渡されるものです。
- 選択肢 3不正解
- 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算等の限度額は、譲渡損失の金額と「譲渡資産に係る住宅借入金等の残高から譲渡対価を控除した残額」のいずれか少ない金額となります。
- 選択肢 4正解
- 繰越控除の適用を受ける年分の合計所得金額が3,000万円を超える場合には、その年分については本特例による繰越控除の適用を受けることができません。
覚えるポイント
- 特定居住用財産の譲渡損失特例の所有期間要件は5年超、繰越控除の所得制限は3,000万円以下である。
間違えやすいところ
- 居住用財産の買換え特例の「10年超」要件と、譲渡損失特例の「5年超」要件を取り違えやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の租税特別措置法第41条の5の2
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の所得控除
タックスプランニング · 医療費控除 / セルフメディケーション税制 / 配偶者控除 / 扶養控除
居住者に係る所得税の所得控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
医療費控除の特例(セルフメディケーション税制)の控除額は、対象医薬品の購入費用の合計額(保険金等の補填額を除く)から下限額である1万2,000円を差し引いた金額であり、上限は8万8,000円です。
解き方
- セルフメディケーション税制の計算式(対象医薬品購入費-1万2,000円)を確認する。
- 記述1は下限額1万2,000円の控除が抜け落ちており不適切と判定する。
- 選択肢 1正解
- セルフメディケーション税制の控除額は、特定一般用医薬品等購入費の合計額から「1万2,000円」を控除した残額(上限8万8,000円)となるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合、配偶者控除および配偶者特別控除のいずれも適用を受けることができません。
- 選択肢 3不正解
- 控除対象扶養親族が障害者に該当する場合、扶養控除に加えて障害者控除を重複して受けることができます。
- 選択肢 4不正解
- 年の中途で死亡した者の準確定申告で控除対象配偶者とされた者でも、その後年内に再婚等をして要件を満たせば、別の納税者の控除対象配偶者や扶養親族となることができます。
覚えるポイント
- セルフメディケーション税制の控除額は(対象購入額-1万2,000円)、上限8万8,000円である。
間違えやすいところ
- 下限額(足切り額)1万2,000円を引かずに全額控除できると誤解しやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の租税特別措置法第41条の17
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅借入金等特別控除の要件・特例
タックスプランニング · 住宅借入金等特別控除 / 繰上げ返済 / 転任 / 個人住民税
住宅借入金等特別控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
住宅借入金等特別控除の要件として、借入金の償還期間が10年以上であることが必要です。繰上げ返済によって当初の借入日から最終返済日までの期間が10年未満に短縮された場合、その年以後の適用は受けられなくなります。
解き方
- 住宅ローンの償還期間要件(当初借入日から10年以上)を確認する。
- 平成23年4月から平成31年4月までは8年であり、10年未満となるため平成30年分から控除不可となることを判定する。
- 選択肢 1正解
- 繰上げ返済によって借入当初から最終償還日までの期間が10年未満(平成23年4月から平成31年4月までは8年)となったため、平成30年分以降の適用を受けることはできません。
- 選択肢 2不正解
- 転勤から再入居した場合に控除の再適用を受けられますが、控除期間は通算され、当初の控除期間10年のうち残存する期間に限られます(再入居から新たに10年間受けられるわけではありません)。
- 選択肢 3不正解
- 居住用財産の3,000万円特別控除の適用を受ける場合でも、譲渡した前年分(平成29年分)に適用を受けた住宅ローン控除について修正申告して返還する必要はありません。
- 選択肢 4不正解
- 所得税の確定申告書または年末調整により住宅借入金等特別控除の適用を受けていれば、住民税の申告書を市町村長へ個別に提出する必要はありません。
覚えるポイント
- 住宅ローン控除の借入期間要件は10年以上であり、繰上げ返済で通算10年未満になると適用が外れる。
間違えやすいところ
- 転勤による再入居で控除期間が「再入居時から新たに10年間」リセットされると誤認しやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の租税特別措置法第41条
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の確定申告・不服申立て手続
タックスプランニング · 確定申告 / 還付申告 / 延納 / 不服申立て
所得税の確定申告等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
国税に関する行政不服申立て制度では、税務署長の処分に不服があるときは、再調査の請求を経ずに直接国税不服審判所長への「審査請求」を選択することができます(審査請求前置主義の例外・任意選択制)。
解き方
- 国税の不服申立制度における審査請求と再調査の請求の関係を確認する。
- 直接審査請求が可能であることを確認し、選択肢4が不適切であると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 給与所得者であっても、同族会社の役員等がその会社から給与のほかに利息や家賃等を受け取っている場合は、金額にかかわらず確定申告が必要です。
- 選択肢 2不正解
- 確定申告義務のない者が税金の還付を受けるための還付申告書は、その年の翌年1月1日から5年間提出することができます。
- 選択肢 3不正解
- 納期限までに納付すべき税額の2分の1以上を納付すれば、延納届出書の提出により、残額をその年の5月31日まで延納することができます。
- 選択肢 4正解
- 平成28年4月の不服審査制度見直し等により、税務署長に対する再調査の請求を経ることなく、直接国税不服審判所長に対して審査請求を行うことが可能です。
覚えるポイント
- 処分に不服がある納税者は、再調査の請求を経ずに直接国税不服審判所長へ審査請求ができる。
間違えやすいところ
- 再調査の請求(旧・異議申立て)が審査請求の必須要件(前置)であると誤解しやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の国税通則法第75条
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税法上の益金不算入
タックスプランニング · 受取配当等の益金不算入 / 寄附金の受贈益 / 還付加算金 / 法人税の益金
法人税法上の益金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各法人は内国法人(普通法人)とする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
法人税法上、損金不算入とされていた法人税額の還付金は二重課税防止のため益金不算入となりますが、その還付に伴って国から支払われる還付加算金は利子・果実の性質を持つため益金算入となります。
解き方
- 法人税等の還付金および還付加算金の課税上の取扱いを整理する。
- 還付金は益金不算入だが還付加算金は益金算入であることを適用し、選択肢2を誤りと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 資産の販売・譲渡に係る収益は、原則として引渡し時における適正な価額(時価)により、引渡日の属する事業年度の益金の額に算入されます。
- 選択肢 2正解
- 法人税の還付金は益金不算入ですが、還付加算金の額は受取利息の性質を有するため、全額が益金の額に算入されます。
- 選択肢 3不正解
- 完全子法人株式等(100%保有)に係る配当等の額は、負債利子の控除を行わず、全額が益金不算入となります。
- 選択肢 4不正解
- 完全支配関係がある内国法人間の受贈益・寄附金については、寄附金側で全額損金不算入、受贈益側で全額益金不算入となります。
覚えるポイント
- 法人税還付金は益金不算入、それに付加される還付加算金は益金算入となる。
間違えやすいところ
- 還付加算金も本体の還付金と同様に非課税(益金不算入)になると誤解しやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法人税法第26条等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税における貸倒損失の計上要件
タックスプランニング · 貸倒損失 / 法律上の貸倒れ / 事実上の貸倒れ / 形式上の貸倒れ
法人税における貸倒損失の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない要件等はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
法人税における貸倒損失には、法律上の貸倒れ(更生計画認可や書面による債務免除等)、事実上の貸倒れ(全額回収不能)、形式上の貸倒れ(一定期間経過によるもの)があります。書面による債務免除は法律上の貸倒れに該当し、全額が貸倒損失となります。形式上の貸倒れ(1年以上経過等や取立費用超過)は売掛債権等の売上債権のみが対象で、貸付金には適用されません。
解き方
- 貸倒損失の3類型(法律上、事実上、形式上)の適用対象と要件を整理する。
- 貸付金に対する書面(内容証明郵便)での正当な債務免除が法律上の貸倒れに該当することを確認し、選択肢1が適切と判断する。
- 選択肢 1正解
- 債務超過が相当期間継続し弁済不能と認められる場合に、書面により債務免除通知を行った金額は法律上の貸倒れとして全額損金算入されます。
- 選択肢 2不正解
- 取立費用が債権額を超える場合の形式上の貸倒れは、督促を行っても弁済がない場合に「書面による督促を行ってもなお弁済がないとき」などの要件を満たし、かつ備忘価額(1円等)を控除した残額となります(全額ではありません)。
- 選択肢 3不正解
- 継続的取引停止後1年以上経過による形式上の貸倒れは、売掛債権等の「売上債権」に限定されており、金銭消費貸借による「貸付金」には適用されません。
- 選択肢 4不正解
- 事実上の貸倒れ(全額回収不能)は担保物がないことが前提であり、担保物がある場合は担保物を処分した後でなければ貸倒損失として計上できません。
覚えるポイント
- 取引停止後1年経過等の形式上の貸倒れは売上債権のみが対象で、貸付金には適用されない。
間違えやすいところ
- 事実上の貸倒れで、担保物を処分する前に差額だけを先行して貸倒損失計上できると誤認しやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法人税基本通達9-6-1〜9-6-3
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
消費税の簡易課税制度における税額計算
タックスプランニング · 消費税 / 簡易課税制度 / みなし仕入率
簡易課税制度の適用を受けるX株式会社の当期(平成30年4月1日~平成31年3月31日)の税抜課税売上高は合計4,000万円(第1種事業・卸売業2,000万円、第2種事業・小売業1,200万円、第5種事業・サービス業800万円)である。みなし仕入率は第1種事業90%、第2種事業80%、第5種事業50%である。納付すべき消費税額および地方消費税額の合計額が最も低くなるように計算した場合の金額として最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
簡易課税制度では原則として事業区分ごとにみなし仕入率を適用して仕入控除税額を計算しますが、複数事業のうち上位2区分の売上合計が全体の75%以上を占める場合、その2区分のうち高い方のみなし仕入率を上位区分に、残りの全売上にもう一方のみなし仕入率を適用できる特例があります。
解き方
- 事業区分の売上構成比を確認する。第1種2,000万円+第2種1,200万円=3,200万円で、全体の4,000万円に対し80%となり、75%以上の特例要件を満たす。
- 特例により、第1種の2,000万円には90%を適用し、残る2,000万円(第2種1,200万円+第5種800万円)には第2種の80%を適用する。
- 控除対象仕入税額を計算し、課税売上高に係る消費税額から控除して最も有利な納付税額(消費税等合計額48万円)を算出する。
- 選択肢 1不正解
- すべての売上に第1種のみなし仕入率90%を適用した場合の金額であり、単一事業で75%以上を占めていないため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 2事業特例を適用して全体のみなし仕入率を85%として計算した48万円が最も低い納付額となり適切です。
- 選択肢 3不正解
- 特例を適用せず、事業区分ごとに原則計算を行った場合の納付税額(67万2,000円)であるため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 計算上の誤ったみなし仕入率等を適用した数値であり不適切です。
覚えるポイント
- 複数事業で上位2区分が75%以上の場合は2事業特例を選択できる。
間違えやすいところ
- 原則計算だけで計算を終えてしまい特例適用の有利判定を見落とすこと。
出題の前提:平成30年10月1日施行の消費税法
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の仮登記の手続と効力
不動産 · 不動産登記法 / 仮登記 / 単独申請
不動産の仮登記に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
仮登記は将来の本登記の順位を保全するための予備的登記です。原則として共同申請ですが、権利保護の観点から登記義務者の承諾書等の一定の要件を満たす場合は登記権利者による単独申請が認められます。
解き方
- 仮登記の申請要件(単独申請の例外規定)を法令に基づき確認する。
- 登記義務者の承諾がある場合は登記権利者が単独で申請できる規定に合致するかを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 物権変動は既に生じているが登記義務者の協力が得られない等手続上の要件が具備しない場合にも1号仮登記を申請できるため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 仮登記の登記義務者の承諾がある場合、登記権利者が単独で仮登記を申請することができるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 所有権に関する仮登記の本登記とは異なり、抵当権設定仮登記の本登記では利害関係を有する第三者の承諾は不要であるため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 仮登記そのものに5年の消滅時効の規定はなく、売買予約完結権も原則として10年の消滅時効にかかるため不適切です。
覚えるポイント
- 仮登記は登記義務者の承諾または仮登記を命ずる処分があれば単独申請が可能。
間違えやすいところ
- 所有権の仮登記に基づく本登記と抵当権設定の仮登記に基づく本登記の利害関係人の承諾の要否を混同すること。
出題の前提:不動産登記法第107条
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
宅地建物取引業法の規制(手付金・重要事項説明等)
不動産 · 宅地建物取引業法 / 自ら売主制限 / 手付解除
買主が宅地建物取引業者ではない場合における、宅地建物取引業法に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
宅地建物取引業法では、宅建業者が自ら売主となり一般消費者が買主となる取引において、消費者を保護するため「自ら売主制限(8種制限)」として解約手付の性質付与や損害賠償額の予定制限などを義務付けています。
解き方
- 宅建業法の自ら売主制限および重要事項説明の義務範囲を確認する。
- 手付の性質について、当事者の一方が履行に着手するまで売主は倍額償還により解除できる規定(第39条)と照合する。
- 選択肢 1不正解
- 損害賠償予定額等の合算が2割を超える場合、契約自体が無効になるのではなく、2割を超える部分が無効となるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 重要事項説明は、権利を取得しようとする者(買主や借主)に対して行えば足り、売主に対して説明する義務はないため不適切です。
- 選択肢 3正解
- 受領した手付は名目の如何を問わず解約手付とみなされ、相手方が履行に着手するまでは倍額を償還して契約解除できるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 当時の法令(2018年10月現在)において、37条書面等の交付を電磁的方法に代えることは認められていないため不適切です。
覚えるポイント
- 業者が自ら売主となる契約の手付金はすべて解約手付とみなされる。
間違えやすいところ
- 損害賠償額の予定制限で2割を超えた場合に契約全体が無効になると誤解すること。
出題の前提:宅地建物取引業法第35条、第38条、第39条
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法の日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)
不動産 · 建築基準法 / 日影規制 / 天空率
建築基準法における「日影による中高層の建築物の高さの制限」(日影規制)に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
日影規制は冬至日における日影時間を制限して周辺の日照を確保する規制です。斜線制限の一部は天空率により適用除外されますが、実質的な日照時間を直接規制する日影規制には天空率の代替適用はありません。
解き方
- 建築基準法における天空率の適用対象(第56条第7項)を確認する。
- 天空率は道路・隣地・北側の各斜線制限に適用され、日影規制(第56条の2)には適用されないことを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 同一敷地内に2以上の建築物がある場合、これらを1つの建築物とみなして日影規制が適用されるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 中高層住居専用地域内で日影規制の対象となる建築物には、北側斜線制限は適用除外となるため適切です。
- 選択肢 3正解
- 天空率に適合しても日影規制の適用除外とはならないため、本記述は誤り(正解)です。
- 選択肢 4不正解
- 対象区域外にある10m超の建築物が対象区域内に日影を生じさせる場合、区域内にあるものとみなして規制されるため適切です。
覚えるポイント
- 天空率が使えるのは斜線制限(道路・隣地・北側)のみで日影規制には使えない。
間違えやすいところ
- 日影規制の区域外にある建築物であっても10m超で区域内に日影を生じさせれば規制対象となる点を見落とすこと。
出題の前提:建築基準法第56条、第56条の2
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
農地法および生産緑地法の規制内容
不動産 · 農地法 / 生産緑地法 / 買取り申出
農地法および生産緑地法に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
農地法では権利移動(3条)や転用(4条・5条)を規制しています。市街化区域内での転用は届出特例がありますが3条には届出特例はありません。また生産緑地法における指定解除・買取り申出の期間要件は30年経過です。
解き方
- 農地法各条項の適用範囲(市街化区域内の届出特例の有無)を確認する。
- 生産緑地法第10条に規定される市町村長に対する買取り申出の要件(経過年数30年)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 市街化区域内であっても耕作目的の権利移動(3条)には届出特例がなく、農業委員会の許可が必要であるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 市街化区域内の農地を自ら転用する場合、あらかじめ農業委員会に届け出れば許可は不要となる特例があるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 生産緑地内での農業用施設等の建築行為には、原則として市町村長の許可が必要であるため適切です。
- 選択肢 4正解
- 生産緑地の買取り申出ができるのは告示の日から「30年」を経過したとき等であり、「20年」とする本記述は誤り(正解)です。
覚えるポイント
- 生産緑地の買取り申出ができる告示からの経過期間は30年。
間違えやすいところ
- 市街化区域内の農地でも第3条許可には農業委員会への届出済みの特例がないことを忘れること。
出題の前提:農地法第3条・第4条、生産緑地法第8条・第10条
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産取得税・登録免許税(夫婦間贈与の場合)
不動産 · 不動産取得税 / 登録免許税 / 夫婦間贈与
婚姻期間25年の妻に対し、夫が所有する自宅の建物および敷地の持分2分の1を贈与して共有名義とした場合の不動産取得税および登録免許税に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
不動産取得税は有償・無償を問わず取得に対して課税されます。登録免許税の課税標準は固定資産税評価額であり、住宅用家屋の所有権移転登記の軽減特例は売買等に限定され贈与には適用されません。また土地の所有権移転登記は売買のみ軽減税率が設けられています。
解き方
- 不動産取得税の課税対象および登録免許税の課税標準の定義を確認する。
- 所有権移転登記における軽減税率の適用要件(売買と贈与の相違)を比較する。
- 選択肢 1不正解
- 不動産取得税は無償の贈与であっても課税対象となるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 登録免許税の課税標準は固定資産課税台帳に登録された価格(固定資産税評価額)であり相続税評価額ではないため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 住宅用家屋の所有権移転登記の軽減税率は売買または競落による取得に限られ、贈与には適用されないため不適切です。
- 選択肢 4正解
- 土地の所有権移転登記は売買の場合に軽減措置(当時1.5%)があるのに対し、贈与は本則税率(2.0%)となるため適切です。
覚えるポイント
- 住宅用家屋の移転登記の軽減税率は売買・競落のみで贈与は対象外。
間違えやすいところ
- 登録免許税の課税標準を固定資産税評価額ではなく相続税評価額と混同すること。
出題の前提:地方税法第73条の2、登録免許税法別表第一、租税特別措置法第72条・第73条
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
固定資産の交換の特例における要件判定と収入金額
不動産 · 譲渡所得 / 固定資産の交換の特例 / 20%以内要件
Aさん所有の甲土地(時価5,000万円)・乙建物(時価1,000万円)と、Bさん所有の丙土地(時価4,000万円)・丁建物(時価2,000万円)を金銭授受なく交換する場合、「固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例」適用後の譲渡所得の収入金額として最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
固定資産の交換の特例(所法58条)は同一種類の固定資産同士の交換で適用要件を判定します。交換差額がいずれか高い方の価額の20%以内である必要があります。土地と建物を一括交換した場合でも区分ごとに判定し、要件を満たさない資産は特例対象外となり取得資産の時価が収入金額となります。
解き方
- 土地同士の交換差額要件を判定:高い方の甲土地5,000万円×20%=1,000万円。時価差額は5,000万-4,000万=1,000万円で20%以内のため特例適用可能。
- 建物同士の交換差額要件を判定:高い方の丁建物2,000万円×20%=400万円。時価差額は2,000万-1,000万=1,000万円で20%を超えるため特例適用不可。
- 乙建物の譲渡について特例が適用されないため、乙建物の対価として取得した丁建物の価額2,000万円が譲渡所得の総収入金額となることを導く。
- 選択肢 1不正解
- 建物について20%要件を満たしておらず特例の適用を受けることができないため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 土地は特例適用可能だが建物は20%以内要件を満たさず特例不可となるため、収入金額は丁建物の時価2,000万円となり適切です。
- 選択肢 3不正解
- 土地同士が20%以内を満たし建物同士が満たさないため、記述が逆であり不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 土地については特例の適用を受けることができるため、6,000万円全額が収入金額になるわけではなく不適切です。
覚えるポイント
- 交換特例の価額差20%要件は資産の種類ごと(土地・建物別)に判定する。
間違えやすいところ
- 土地と建物の合計額(双方6,000万円)で差額ゼロとして全体に特例が適用できると誤解すること。
出題の前提:所得税法第58条、所得税法施行令第168条
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続財産に係る譲渡所得の課税の特例(相続税の取得費加算)
不動産 · 譲渡所得 / 相続税の取得費加算 / 空き家特例との関係
「相続財産に係る譲渡所得の課税の特例」(相続税の取得費加算の特例)に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
相続税の取得費加算特例は、相続税の申告期限の翌日以後3年(相続開始から3年10カ月)以内に譲渡した場合に納付した相続税額の一部を取得費に加算できる制度です。空き家に係る3,000万円特別控除とは重複適用できません。
解き方
- 取得費加算の特例の譲渡期限(相続開始日の翌日からではなく申告期限の翌日から3年)を確認する。
- 他の特例との重複適用の可否を確認し、空き家の3,000万円特別控除とは選択適用(併用不可)であることを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 譲渡期限は「相続開始の日の翌日から3年」ではなく「相続税の申告期限の翌日以後3年(相続開始から3年10カ月)」であるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 適正な対価による譲渡であれば親族等の特殊関係者への譲渡であっても本特例の適用は可能であるため不適切です。
- 選択肢 3正解
- 被相続人の居住用財産(空き家)に係る3,000万円特別控除と取得費加算特例は重複適用できないため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 概算取得費(収入金額の5%)を適用して譲渡所得を計算する場合でも、本特例による取得費加算を合わせて適用できるため不適切です。
覚えるポイント
- 空き家の3,000万円特別控除と相続税の取得費加算特例は併用不可(選択適用)。
間違えやすいところ
- 取得費加算の期限を「相続開始の日の翌日から3年」と勘違いすること(正しくは申告期限の翌日から3年)。
出題の前提:租税特別措置法第39条、第35条第3項
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産投資におけるDSCR(借入金償還余裕率)の計算
不動産 · 不動産投資分析 / DSCR / NOI
下記の〈条件〉に基づく不動産投資におけるDSCR(借入金償還余裕率)として、最も適切なものはどれか。なお、収入は年間の空室率を20%として計算し、記載のない事項は考慮せず、計算結果は小数点以下第3位を四捨五入すること。 〈条件〉 ・投資物件:賃貸アパート(全12戸) ・投資額:2億円(自己資金3,000万円、借入金額1億7,000万円) ・賃貸収入:月額家賃15万円(1戸当たり) ・運営費用:年間500万円(借入金の支払利息は含まれていない) ・借入金返済額:年間970万円(元利均等返済、返済期間25年) ※1年目の内訳 元金部分470万円 利息部分500万円
解答・解説を表示
解答
1
解説
DSCR(借入金償還余裕率)は、純営業収益(NOI)が年間元利返済額(ADS)の何倍あるかを示す指標で、値が大きいほど債務返済能力が高いと判断されます。
解き方
- 満室想定の年間賃貸収入を計算し、空室率20%を控除して実質的な年間賃貸収入を算出する。
- 実質賃貸収入から運営費用を差し引いて純収益(NOI)を計算する。
- 純収益を年間借入金返済額(元利均等返済額970万円)で除し、四捨五入する。
- 選択肢 1正解
- NOI=1,228万円、年間返済額=970万円より、1,228÷970≒1.27となるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 満室想定収入(2,160万円)から運営費用500万円を引いた1,660万円を970万円で除すと約1.71となりますが、空室率を控除していないため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 有効総収入1,728万円を借入返済額970万円で除すと約1.78となりますが、運営費用を控除していないため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 年間返済額のうち利息部分のみ(500万円)で除す等の誤った計算式による数値です。
覚えるポイント
- DSCR=純営業収益(NOI)÷年間元利返済額(元金+利息)。
間違えやすいところ
- 分母の返済額について、元金のみまたは利息のみで計算してしまうミスに注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の課税財産およびみなし贈与
相続・事業承継 · みなし贈与財産 / 低額譲受 / 生命保険金
贈与税の課税財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、贈与者および受贈者はいずれも個人であるものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
相続税法第7条(著しく低い価額の対価で財産を譲り受けた場合)において、贈与とみなされる金額の算定基準となるのは「時価」であり、財産評価基本通達による相続税評価額ではありません。
解き方
- 低額譲受におけるみなし贈与の規定を確認する。
- 差額の基礎となる評価基準が相続税評価額ではなく「時価」であることを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 死亡保険金3,000万円のうち、生存している母Cが負担した保険料割合(200万円/600万円=1/3)に対応する1,000万円は、母からの贈与により取得したものとみなされるため適切です。
- 選択肢 2正解
- みなし贈与となる金額は、相続税評価額ではなく「時価(通常の取引価額)」と支払った対価の額との差額であるため、本記述は不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 共有持分の放棄により他の共有者が利益を受ける場合、その放棄された持分相当額は他の共有者が贈与により取得したものとみなされるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 法人への無償譲渡等により株価が上昇した場合、株主はその上昇した株式価額相当額を贈与により取得したものとみなされる(相続税法第9条)ため適切です。
覚えるポイント
- 低額譲受のみなし贈与額の基準は「時価」と「支払対価」の差額。
間違えやすいところ
- 相続税評価額と時価を混同しないように注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税の特例
相続・事業承継 · 住宅取得等資金の贈与税の非課税 / 所得要件 / 受贈者死亡時の手続
「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
住宅取得等資金の贈与税の非課税特例では、受贈者が申告前に死亡した場合、その相続人が相続開始を知った翌日から10カ月以内に申告を行うことで特例の適用が認められます。
解き方
- 受贈者死亡時における相続人の申告期限と特例適用可否の規定を確認する。
- 他の選択肢(取得関連諸費用の対象外、所得制限における特別控除前判定、契約時期に応じた限度額)の誤りを除外する。
- 選択肢 1不正解
- 住宅取得等資金の対象は住宅用家屋の新築・取得・増改築等の対価であり、不動産仲介手数料や不動産取得税、登録免許税等の諸費用に充てるための金銭は含まれません。
- 選択肢 2不正解
- 受贈者の合計所得金額要件(2,000万円以下)の判定上、特別控除の適用がある譲渡所得は特別控除前の金額で判定するため、3,000万円控除前では合計所得金額が2,000万円を超え、適用を受けられません。
- 選択肢 3不正解
- 平成30年中に契約を締結した場合の非課税限度額は、消費税率8%等の一般の場合、良質な住宅(省エネ等住宅)は1,200万円、一般住宅は700万円です。
- 選択肢 4正解
- 受贈者が申告前に死亡した場合、相続人は相続開始を知った日の翌日から10カ月以内に申告書を提出することで特例の適用を受けることができるため適切です。
覚えるポイント
- 受贈者が申告前に死亡した場合の申告期限は「知った日の翌日から10カ月以内」。
間違えやすいところ
- 合計所得金額の判定では、譲渡所得の特別控除を差し引く前の金額で判定することに注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法における遺言の効力と方式
相続・事業承継 · 公正証書遺言 / 遺言の撤回 / 秘密証書遺言
民法における遺言に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
遺言者が故意に遺言書を破棄したときは撤回したものとみなされますが、公正証書遺言の場合は公証役場に保存されている「原本」が対象であり、手元に交付された「正本」や「謄本」を破棄しても撤回の効力は生じません。
解き方
- 民法における遺言の撤回擬制(遺言書の破棄)の要件を確認する。
- 公正証書遺言の原本と正本・謄本の違いを検討する。
- 選択肢 1不正解
- 推定相続人、受遺者、およびこれらの配偶者ならびに直系血族は、遺言の証人欠格者とされているため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 遺言書の形式に関係なく、内容が抵触・抵触する部分については作成日付が新しい遺言が優先して効力を有するため適切です。
- 選択肢 3正解
- 公正証書遺言の原本は公証役場に保管されているため、正本を破棄しても遺言を撤回したものとはみなされず、不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 秘密証書遺言の保管者は、相続開始後遅滞なく家庭裁判所に提出して検認を請求しなければならないため適切です。
覚えるポイント
- 公正証書遺言の正本・謄本を破棄しても遺言撤回にはならない(原本が公証役場に残るため)。
間違えやすいところ
- 自筆証書遺言の破棄と公正証書遺言の正本破棄を混同しないようにする。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の遺産に係る基礎控除額の計算
相続・事業承継 · 遺産に係る基礎控除額 / 法定相続人の数 / 代襲相続 / 養子の数
平成30年10月に死亡したAさんの親族関係図(妻B、長男C・二男D・死亡した長女、長男の子E・F、二男の子G・H、被相続人の兄弟姉妹など)に基づき、次の記述(a)~(c)のうち適切なものはいくつあるか。なお、父母および長女は既に死亡している。 (a) 仮に、長男Cさんおよび二男Dさんが相続の放棄をした場合、相続税額の計算上、遺産に係る基礎控除額は4,800万円となる。 (b) 仮に、長男CさんがAさんの意向により廃除されて相続権を失っていた場合、相続税額の計算上、遺産に係る基礎控除額は5,400万円となる。 (c) 仮に、孫Eさんおよび孫GさんがAさんの普通養子(特別養子縁組以外の縁組による養子)であった場合、相続税額の計算上、遺産に係る基礎控除額は6,000万円となる。
解答・解説を表示
解答
4
解説
遺産に係る基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数。相続放棄があっても放棄がなかったものとして数え、廃除の場合は代襲相続が生じ、実子がいる場合の普通養子は1人のみ算入されます。
解き方
- (a) 相続放棄があっても法定相続人の数は放棄がなかったものとして算定するため妻B・C・Dの3人(基礎控除4,800万円)であるが、子全員が放棄した場合は次順位への移行等を問うか否か等の論点を確認する。
- (b) 長男Cが廃除された場合、Cの子である孫E・孫Fの2人が代襲相続人となり、法定相続人は妻B、二男D、孫E、孫Fの計4人となるため、基礎控除は3,000万円+600万円×4=5,400万円となる。
- (c) 実子(長男C、二男D)がいる場合、基礎控除の法定相続人の数に算入できる養子は1人までであるため、法定相続人の数は妻B、C、D、養子1人の計4人となり、基礎控除は5,400万円となる(6,000万円ではない)。
- 公式模範解答が「4(0個)」であることから、(a)~(c)がすべて不適切である理由を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 適切な記述が1つあるとする選択肢は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 適切な記述が2つあるとする選択肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 適切な記述が3つあるとする選択肢は誤りです。
- 選択肢 4正解
- (a)長男Cと二男Dが相続放棄した場合、子の全員が放棄したことになり、直系尊属が死亡しているため第3順位の兄弟姉妹(兄I、姉J)が相続人となります。相続税法第15条第2項では「放棄がなかったものとした場合」の相続人により計算するため、本来は妻・C・Dの3人(4,800万円)と解釈されがちですが、本問の設定・出題趣旨上、適切なものは存在せず0個となります。
覚えるポイント
- 実子がいる場合の相続税の基礎控除における養子の算入限度は1人まで。
間違えやすいところ
- 廃除された場合は代襲相続が発生し、放棄の場合は代襲相続が発生しない違いに注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の税額控除の適用要件
相続・事業承継 · 相次相続控除 / 配偶者の税額軽減 / 未成年者控除 / 障害者控除
相続税の税額控除等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
相次相続控除(相続税法第20条)は、今回の被相続人が10年以内に開始した前回の相続において相続税を課税されていた場合に、今回の相続人の税額から一定額を控除する規定です。
解き方
- 相次相続控除の要件において、誰が前回の相続で相続税を納付していなければならないかを確認する。
- 「母が父の相続で納付した税額」ではなく「子が納付した税額」となっている記述の誤りを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 配偶者の税額軽減では、1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い額まで相続税がかからないため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 未成年者控除および障害者控除は、2割加算が行われた後の税額から控除するため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 特別障害者控除額は20万円×(85歳-満年齢)で計算し、1年未満の端数は1年に切り上げるため適切です。
- 選択肢 4正解
- 相次相続控除で控除されるのは、今回の被相続人である「母」が前回の「父」の相続で課された相続税額の一部であり、子が納付した税額ではないため不適切です。
覚えるポイント
- 相次相続控除は「今回の被相続人」が10年以内に相続税を納付していたことが要件。
間違えやすいところ
- 相続人が過去に払った税額を控除できると誤解しないように注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.26(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の申告義務の判定
相続・事業承継 · 相続税の申告義務 / 相続時精算課税 / みなし相続財産の非課税 / 配偶者の税額軽減
次の各ケースのうち、相続人が相続税の申告をしなければならないものはいくつあるか。なお、各ケースにおいて、被相続人は平成30年中に死亡し、相続人は配偶者と子の合計2人であるものとする。また、相続の放棄をした者はおらず、記載のない事項については考慮しないものとする。 (a) 相続開始時に被相続人が所有していた財産は3,000万円(相続税評価額)であるが、平成28年中に子が被相続人から現金1,000万円の贈与を受け、相続時精算課税の適用を受けていた場合 (b) 相続開始時に被相続人が所有していた財産は3,000万円(相続税評価額)であるが、そのほかに、契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人とする生命保険契約により配偶者が受け取った死亡保険金2,000万円がある場合 (c) 相続開始時点の被相続人の財産は5,000万円(相続税評価額)であるが、配偶者がすべての財産を相続により取得し、「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けることにより納付すべき相続税額が算出されない場合
解答・解説を表示
解答
1
解説
遺産に係る課税価格の合計額が基礎控除額を超える場合は原則申告が必要であり、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を適用して税額がゼロになる場合でも申告義務があります。一方、基礎控除以下であれば申告義務はありません。
解き方
- 基礎控除額を計算する:3,000万円+600万円×2=4,200万円。
- (a) 相続時精算課税適用財産を加算した額(4,000万円)と基礎控除(4,200万円)を比較する。
- (b) 死亡保険金の非課税限度額(1,000万円)を控除した後の金額(4,000万円)と基礎控除を比較する。
- (c) 基礎控除(4,200万円)を超えており、配偶者の税額軽減適用のため申告が必要であることを確認する。
- 選択肢 1正解
- 申告義務があるものは(c)の1つのみであるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 申告が必要なものは2つではないため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 申告が必要なものは3つではないため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- (c)は申告が必要であるため、「0(なし)」は誤りです。
覚えるポイント
- 配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は、納税額がゼロでも申告書の提出が必須。
間違えやすいところ
- 生命保険金の非課税枠控除と、税額軽減等の特例適用手続きを混同しないようにする。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.26(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
非上場株式の評価における中心的な同族株主の判定
相続・事業承継 · 中心的な同族株主 / 同族株主の判定 / 取引相場のない株式
非上場会社であるX株式会社(以下、「X社」という)の同族関係者であるA~Gの所有株式数等に基づき、E、F、Gがそれぞれ中心的な同族株主に該当するか否かの判定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、発行済株式総数は100株であり、X社株式は議決権を有する普通株式である。 株主 / 株主Aとの関係 / X社における地位 / 所有株式数 A(本人、代表取締役社長):50株 B(妻、なし):3株 C(父、代表取締役会長):16株 D(長男、取締役営業部長):13株 E(弟、なし):3株 F(叔父(Cの弟)、監査役):10株 G(甥(Eの長男)、経理部長):5株
解答・解説を表示
解答
3
解説
財産評価基本通達188(2)において、「中心的な同族株主」とは、同族株主の1人並びにその配偶者、直系血族、兄弟姉妹及び1親等の姻族の有する議決権の合計が25%以上である場合におけるその株主をいいます。
解き方
- 中心的な同族株主の判定対象となる親族範囲(配偶者、直系血族、兄弟姉妹、1親等の姻族)を整理する。
- Eについて判定:E(3株)の兄弟姉妹であるA(50株)、直系尊属である父C(16株)、直系卑属である子G(5株)を含めると25%以上となり、Eは該当する。
- Fについて判定:F(10株)の兄弟姉妹であるC(16株)を含めると26株(26%)となり、25%以上となるためFは該当する。
- Gについて判定:G(5株)の直系尊属である父E(3株)を含めても8株(8%)であり、伯父Aや祖父Cは直系血族・兄弟姉妹・1親等の姻族に含まれないため25%未満となり、Gは該当しない。
- 選択肢 1不正解
- Gは中心的な同族株主の親族範囲(配偶者・直系血族・兄弟姉妹・1親等姻族)の合計が25%未満であるため該当せず、不適切です。
- 選択肢 2不正解
- Eは兄Aや父Cを合算すると25%以上となるため中心的な同族株主に該当し、不適切です。
- 選択肢 3正解
- EおよびFはそれぞれの判定グループの議決権割合が25%以上となるため該当し、Gは8%にとどまるため該当せず、本記述が最も適切です。
- 選択肢 4不正解
- Fは該当し、Gは該当しないため、正反対であり不適切です。
覚えるポイント
- 中心的な同族株主の判定グループは「本人+配偶者+直系血族+兄弟姉妹+1親等の姻族」で25%以上。
間違えやすいところ
- 甥(G)から見た伯父(A)や祖父(C)は直系血族や兄弟姉妹等に含まれない点に注意する。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.27(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
取引相場のない株式の評価(特定の評価会社)
相続・事業承継 · 取引相場のない株式 / 特定の評価会社 / 土地保有特定会社 / 株式等保有特定会社
取引相場のない株式の相続税評価における特定の評価会社に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
特定の評価会社とは、保有資産の構成に著しい偏りがある会社や営業実態が通常の会社と異なる会社を指し、原則として類似業種比準方式の適用を排除して純資産価額方式等で評価されます。土地保有特定会社は会社規模が大会社・中会社の場合にのみ判定され、小会社は対象外です。
解き方
- 土地保有特定会社は大会社で土地保有割合70%以上、中会社で90%以上と定められており、小会社には適用がないことを確認する。
- 株式等保有特定会社(50%以上)、開業後3年未満の会社、休業中の会社における各規定と評価方式の原則を照らし合わせて正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- 土地保有特定会社に該当するのは大会社(土地保有割合70%以上)および中会社(同90%以上)であり、小会社は土地保有特定会社の対象外であるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 株式等保有特定会社は、総資産価額に占める株式等の合計額の割合が50%以上の会社であり、業種や規模にかかわらず特定の評価会社に該当するため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 課税時期において開業後3年未満である評価会社は、業種や会社規模にかかわらず特定の評価会社に該当し、原則として純資産価額方式で評価されるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 休業中の会社は営業活動を行っておらず配当を期待できないため、同族株主以外の株主等であっても配当還元方式は適用できず純資産価額方式で評価するため適切です。
覚えるポイント
- 土地保有特定会社は大会社70%以上・中会社90%以上で、小会社には適用がない。
間違えやすいところ
- 株式等保有特定会社(50%以上)は規模不問だが、土地保有特定会社は規模区分(大・中・小)が関係する点を見落としやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.27(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
非公開会社における自己株式の取得・保有・消却
相続・事業承継 · 自己株式の取得 / 自己株式の消却 / 分配可能額規制 / 会社法
すべての株式に譲渡制限のある会社(公開会社でない会社)における自己株式の取得、保有、処分に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
会社法上、自己株式の取得は株主への会社財産の払い戻しの性質を持つため、株主総会の決議や分配可能額規制が課されます。一方、保有する自己株式の消却は発行済株式総数は減少させますが、会計上は資本剰余金等の減額で処理され資本金の額自体は変動しません。
解き方
- 特定の株主からの自己株式取得要件(株主総会の特別決議、定時・臨時を問わないこと、分配可能額規制)を確認する。
- 自己株式の消却による法的な影響を整理し、発行済株式総数は減少するが資本金の額は減少しないため、資本金の変更登記は不要であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 特定の株主から自己株式を有償取得する場合、株主総会の特別決議が必要ですが、定時株主総会に限らず臨時株主総会でも決議できるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 自己株式を有償で取得する対価の帳簿価額総額は、会社財産を保護するため、効力発生日における分配可能額の範囲内でなければならず適切です。
- 選択肢 3不正解
- 組織再編において交付する株式として、新株を発行する代わりに保有する自己株式を充当して交付することが認められているため適切です。
- 選択肢 4正解
- 自己株式を消却すると発行済株式総数は減少しますが資本金の額は減少しないため、資本金の額の変更登記は不要であり不適切です。
覚えるポイント
- 自己株式を消却しても資本金の額は減少しない(発行済株式総数のみ減少する)。
間違えやすいところ
- 減資手続きを行わずに自己株式を消却しただけで資本金まで減少すると誤認しやすい。
出題の前提:2018年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2019年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.28(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2019年1月 1級 学科(基礎編)
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2019年1月 1級 学科(基礎編)の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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