日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2017年9月 1級 学科(基礎編)の概要
FPに関連する士業法と独占業務の範囲
ライフプランニングと資金計画 · 関連法規 / 士業の独占業務 / 土地家屋調査士 / 司法書士
ファイナンシャル・プランニング業務を行う際の関連法規および各士業の独占業務に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、独占業務とは資格保有者のみが行える業務とし、別段の定めは考慮しない。
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解答
3
解説
士業法には資格保有者のみに認められた独占業務が規定されており、FP業務を行うにあたっては他士業の業務範囲を侵さないよう境界線を正しく理解する必要があります。
解き方
- 各士業法(社労士法、税理士法、土地家屋調査士法、不動産の鑑定評価に関する法律)における独占業務の定義を確認する。
- 不動産の登記業務において「表示に関する登記」と「権利に関する登記」の担当士業の違いを照合し、誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 社会保険労務士法第2条により、労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・手続代行・代理・帳簿書類の作成は社会保険労務士の業務と規定されています。
- 選択肢 2不正解
- 税理士法第2条および第52条により、税務代理・税務書類の作成・税務相談は、有償・無償を問わず税理士業務として独占業務とされています。
- 選択肢 3正解
- 土地家屋調査士の独占業務は不動産の「表示に関する登記」に関する調査・測量・申請代理であり、「権利に関する登記」の申請代理を行うのは司法書士です。
- 選択肢 4不正解
- 不動産の鑑定評価に関する法律第2条および第3条により、報酬を得て業として行う不動産の鑑定評価は不動産鑑定士の独占業務とされています。
覚えるポイント
- 土地家屋調査士は「表示に関する登記」、司法書士は「権利に関する登記」を担当する。
- 税理士業務は有償・無償を問わず無資格者の実施が禁止されている。
間違えやすいところ
- 登記手続において表示の登記と権利の登記を混同して土地家屋調査士と司法書士を取り違えるミスが多い。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
後期高齢者医療制度の被保険者・保険料・窓口負担割合
ライフプランニングと資金計画 · 後期高齢者医療制度 / 被保険者要件 / 所得割額 / 一部負担金
後期高齢者医療制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
後期高齢者医療制度は75歳以上の高齢者等を対象とする医療保険制度であり、保険料は均等割額と所得割額から構成され、窓口負担割合や低所得者への軽減措置が定められています。
解き方
- 被保険者の対象年齢(原則75歳以上、障害認定は65歳以上75歳未満)を確認する。
- 所得割額の算定基準(総所得金額等から基礎控除33万円を引いた額)と公的年金等控除を比較検討する。
- 窓口負担割合の原則(一般1割、現役並み所得者3割)と照らし合わせる。
- 選択肢 1不正解
- 被保険者となる対象は原則として75歳以上の者、または65歳以上75歳未満で一定の障害認定を受けた者です。「70歳以上」とする記述は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 年金収入のみで153万円以下の場合、年金控除120万円を差し引いた所得金額が33万円以下となり、基礎控除(33万円)を控除すると賦課のもととなる所得が0円になるため所得割額は賦課されません。
- 選択肢 3不正解
- 所得割額の軽減措置は最大で5割軽減ではなく、平成29年度における特例措置では所得割額の軽減は最大2割(所得割非課税世帯除く基準)などであり、最大5割とする記述は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 窓口での一部負担金の割合は、現役並み所得者は3割、それ以外の一般被保険者は1割です。「現役並み所得者が2割」とする記述は誤りです。
覚えるポイント
- 後期高齢者医療の被保険者は原則75歳以上(障害認定時は65歳〜74歳)。
- 現役並み所得者の窓口負担割合は3割、一般は1割(施行日時点)。
間違えやすいところ
- 前期高齢者の対象年齢(65歳〜74歳)と後期高齢者医療制度の加入年齢(75歳以上)を取り違えやすい。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
雇用保険の給付(再就職手当・介護休業給付金・高年齢求職者給付金)
ライフプランニングと資金計画 · 雇用保険 / 再就職手当 / 介護休業給付金 / 高年齢求職者給付金
雇用保険に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
雇用保険の就業促進手当(再就職手当)は早期再就職を促すため支給残日数に応じた給付率が設定されており、介護休業給付金や高年齢求職者給付金にも受給要件が明確に規定されています。
解き方
- 再就職手当の算定式における支給残日数要件(3分の2以上は70%、3分の1以上は60%)を確認する。
- 平成29年1月1日改正による介護休業の対象家族の同居・扶養要件撤廃および分割取得回数(最大3回)を確認する。
- 65歳以降に新たに雇用された者も高年齢被保険者となり高年齢求職者給付金の対象となり得る点を確認する。
- 選択肢 1正解
- 支給残日数が所定給付日数の3分の2以上残っている場合の再就職手当の給付率は70%(3分の1以上の場合は60%)であり、正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 平成29年1月1日施行の法改正により、祖父母、兄弟姉妹および孫についての同居・扶養要件は撤廃され、同居・扶養していなくても対象家族に含まれます。
- 選択肢 3不正解
- 介護休業給付金の支給対象となる介護休業は、対象家族1人につき通算93日まで取得可能ですが、分割取得できる回数は最大3回までです(5回ではありません)。
- 選択肢 4不正解
- 平成29年1月1日施行の改正により65歳以上の新規雇用者も雇用保険の適用対象となったため、65歳以前からの継続雇用者に限定されません。
覚えるポイント
- 再就職手当の給付率:残日数3分の2以上は70%、3分の1以上は60%。
- 介護休業は通算93日・最大3回まで分割取得可能で、祖父母等の同居扶養要件は撤廃されている。
間違えやすいところ
- 介護休業の分割可能回数を3回ではなく5回と誤認するミスや、祖父母・孫・兄弟姉妹の同居要件が残っていると勘違いする点に注意。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢年金の支給開始の繰上げおよび繰下げ
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 老齢厚生年金 / 繰上げ受給 / 繰下げ受給 / 在職老齢年金
老齢基礎年金および老齢厚生年金の支給開始の繰上げ、繰下げに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
老齢年金の繰下げによる増額計算では、在職支給停止額は繰下げ増額の対象外とされ、振替加算も増額対象外です。また、特別支給の老齢厚生年金の受給権発生前の繰上げは原則として老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に行う必要があります。
解き方
- 昭和32年10月生まれ男性の繰上げ請求ルール(受給権発生前は基礎・厚生の同時繰上げが必須)を検討する。
- 振替加算の繰下げ時の取扱い(加算額は増額されず定額)を検討する。
- 在職老齢年金により支給停止された年金額の繰下げ増額対象該当性を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 特別支給の老齢厚生年金の受給権を取得する前に繰上げ請求をする場合は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に繰上げ請求しなければならず、老齢基礎年金のみを繰上げることはできません。
- 選択肢 2不正解
- 振替加算は老齢基礎年金を繰り下げても増額されず、繰下げ待機中には支給されず繰下げ受給開始時から定額で加算されます。
- 選択肢 3不正解
- 寡婦年金は65歳到達時に受給権が消滅するため、60歳から受給していた者であっても65歳以降に老齢基礎年金の繰下げ申出を行うことは可能です。
- 選択肢 4正解
- 在職老齢年金により支給停止となる部分の金額は繰下げ増額の対象外とされ、本来受給可能であった(支給停止されなかった)部分のみが増額計算の対象となります。
覚えるポイント
- 老齢厚生年金の繰下げ増額対象は「在職老齢年金による支給停止額を除いた額」。
- 振替加算は繰り下げても増額されない(定額加算)。
間違えやすいところ
- 在職老齢年金で支給停止された部分も繰り下げれば後で増額されて戻ってくると誤認しやすい。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
確定拠出年金(個人型iDeCo)の加入要件・限度額・掛金変更
ライフプランニングと資金計画 · 確定拠出年金 / iDeCo / 拠出限度額 / 第3号被保険者 / 掛金変更
確定拠出年金の個人型年金(iDeCo)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
確定拠出年金の個人型年金(iDeCo)は被保険者種別や他制度(確定給付企業年金、企業型DC等)の加入状況に応じて拠出限度額が法令で定められており、第3号被保険者の限度額は月額2万3,000円です。
解き方
- 第2号被保険者で確定給付型等に加入している者の限度額(月額1.2万円)を確認する。
- 第3号被保険者の限度額(月額2.3万円)を確認する。
- 掛金額の変更可能頻度(年1回)および配分変更・スイッチングの手数料(通常無料)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 確定給付企業年金や厚生年金基金等の確定給付型の他制度に加入している第2号被保険者の拠出限度額は、月額1万2,000円です(月額2万円は企業型DCのみ加入の場合等)。
- 選択肢 2正解
- 国民年金第3号被保険者の個人型確定拠出年金の掛金拠出限度額は月額2万3,000円であり、適切な記述です。
- 選択肢 3不正解
- 毎月の掛金は5,000円以上1,000円単位ですが、掛金額の変更ができるのは原則として1年に1回のみです(6カ月ごとではありません)。
- 選択肢 4不正解
- 配分変更やスイッチング自体に対して運営管理機関に支払う所定の手数料は通常発生しません(商品ごとの信託財産留保額等の実費負担はあり得ます)。
覚えるポイント
- iDeCo限度額:第1号は月額6.8万円(付加・基金合算)、第3号は月額2.3万円。
- 他制度加入なし第2号は月額2.3万円、確定給付型加入の第2号は月額1.2万円。
間違えやすいところ
- 確定給付企業年金等に加入している第2号被保険者の限度額(1.2万円)と企業型DCのみ加入者の限度額(2.0万円)を取り違えやすい。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
フラット35の利用条件および各種制度(リノベ・借換・アシューマブルローン)
ライフプランニングと資金計画 · 住宅ローン / フラット35 / アシューマブルローン / 抵当権設定
フラット35に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
フラット35は住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する全期間固定金利の住宅ローンであり、床面積要件や各種金利引き下げ制度、債務承継制度(アシューマブルローン)など多様なメニューが用意されています。
解き方
- フラット35の規模要件(一戸建ては住宅の延べ床面積70㎡以上。敷地面積要件はない)を確認する。
- 「フラット35リノベ」(中古住宅の取得+リフォーム等)と「フラット35S」(省エネ新築等)の違いを識別する。
- 借換時の抵当権設定手続およびアシューマブルローンの債務引き継ぎ要件を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 戸建て住宅の床面積要件は70㎡以上ですが、敷地面積についての面積要件は定められていません。
- 選択肢 2不正解
- フラット35リノベは中古住宅を取得して一定のリフォームを行う等の場合に利用する制度であり、新築住宅の基準適合で金利引き下げとなるのは「フラット35S」です。
- 選択肢 3不正解
- フラット35からフラット35借換融資へ借り換える場合であっても、従前の融資に係る抵当権の抹消と、新融資に係る第1順位の抵当権設定手続を省略することはできません。
- 選択肢 4正解
- アシューマブルローン(債務引受型融資)は、一定の認定住宅等を売却する際、買主の同意および住宅金融支援機構の承認により残債務を買主に承継させることができる制度です。
覚えるポイント
- フラット35の床面積要件:戸建ては70㎡以上、マンション(共同建て)は30㎡以上(敷地面積要件はなし)。
- アシューマブルローンは返済途中の住宅ローン債務を買主に引き継がせることができる。
間違えやすいところ
- フラット35S(良質な新築・中古)とフラット35リノベ(リフォーム一体型中古)の対象を混同しやすい。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
教育資金プランニング(国の教育ローン・就学支援金・JASSO奨学金)
ライフプランニングと資金計画 · 教育一般貸付 / 高等学校等就学支援金 / 日本学生支援機構 / 所得連動返還方式
教育資金プランニングに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
教育資金調達の公的支援策として、日本政策金融公庫の教育一般貸付(融資)、日本学生支援機構の貸与型奨学金、国の高等学校等就学支援金(返済不要の給付)などがあり、使途や返還方式等の制度内容を正確に把握することが重要です。
解き方
- 教育一般貸付の資金使途(住居費・通学費・パソコン購入費等も対象)を確認する。
- 高等学校等就学支援金制度の性格(国公私立を対象とする授業料充当の返済不要支援金)を確認する。
- 日本学生支援機構奨学金の所得連動返還方式の対象(無利息の第一種奨学金のみ)および減額返還制度の仕組み(返還期間延長)を検討する。
- 選択肢 1不正解
- 教育一般貸付の使途は、学校納付金だけでなく、教科書代、通学費用、住居費用(アパートの敷金・家賃等)、パソコン購入費など幅広く認められています。
- 選択肢 2正解
- 高等学校等就学支援金は、国公私立を問わず一定の所得要件を満たす世帯の生徒に対して授業料に充てるため支給される返済不要の支援金です。
- 選択肢 3不正解
- 平成29年4月採用者から導入された所得連動返還方式は、無利息の「第一種奨学金」のみが対象であり、利息付きの「第二種奨学金」では選択できません。
- 選択肢 4不正解
- 減額返還制度は、毎月の返還額を2分の1または3分の1等に減額し、その分返還期間を延長する制度です。返還期間を短縮する制度ではありません。
覚えるポイント
- 国の教育ローン(教育一般貸付)はアパート家賃やパソコン費などにも利用可能。
- JASSOの所得連動返還方式は第一種(無利息)のみ対象。
間違えやすいところ
- 所得連動返還方式が第二種奨学金にも適用されると誤解しやすい。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
厚生労働省の雇用関係助成金(業務改善・キャリアアップ・トライアル雇用・両立支援)
ライフプランニングと資金計画 · 雇用関係助成金 / 業務改善助成金 / キャリアアップ助成金 / トライアル雇用助成金 / 両立支援等助成金
厚生労働省の雇用関係助成金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
厚生労働省が所管する雇用関係助成金は、雇用の維持・拡大、非正規労働者のキャリアアップ、生産性向上、仕事と家庭の両立支援など各目的別に多様なコースが整備されています。
解き方
- 業務改善助成金、キャリアアップ助成金、両立支援等助成金の概要と要件を確認する。
- トライアル雇用助成金において、試行雇用終了後の常用雇用の移行が支給要件となっているかを精査する。
- 選択肢 1不正解
- 業務改善助成金は、事業場内最低賃金1,000円未満の中小企業が生産性向上の設備投資等を行い賃金を引き上げた場合に費用の一部を助成する制度です。
- 選択肢 2不正解
- キャリアアップ助成金は、有期契約・短時間・派遣などの非正規雇用労働者の正社員化や処遇改善を実施した事業主に助成金を支給する制度です。
- 選択肢 3正解
- トライアル雇用助成金は試行雇用(原則3カ月)を実施したことに対して支給されるものであり、試行雇用終了後に常用雇用へ移行しなかった場合でも助成金の対象となります(常用雇用の雇入れは要件ではありません)。
- 選択肢 4不正解
- 両立支援等助成金には、介護離職防止支援コースや、男性の育児休業取得を支援する出生時両立支援コースなどが設けられています。
覚えるポイント
- トライアル雇用助成金は試行雇用の実施に対して支給され、常用雇用への移行は要件ではない。
- 業務改善助成金は設備投資等と事業場内最低賃金の引上げが要件。
間違えやすいところ
- トライアル雇用助成金は「本採用(常用雇用)されなければ支給されない」と誤認しやすい。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険募集人の募集行為および規制
リスク管理 · 生命保険募集人 / 保険業法 / 弊害防止措置
生命保険募集人の募集行為に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
保険業法において保険募集は内閣総理大臣への登録等が必要であり、無登録での募集行為には刑事罰が定められています。銀行等の窓口販売には弊害防止措置等の規制が設けられています。
解き方
- 各選択肢における規制法令・指針の内容と罰則・取扱いの整合性を検討する。
- 無登録募集に対する保険業法第317条の2の罰則規定が正しいことを確認し、他の肢の誤りを判別する。
- 選択肢 1不正解
- 金融機関の融資先に対する募集規制(弊害防止措置)において、すべての生命保険の募集が一律に禁止されているわけではなく、対象先や保険種目、担当者の区分等に応じた制限が定められています。
- 選択肢 2不正解
- 単なる見込客情報の提供(情報提供・紹介)にとどまり、商品の推奨・説明等を行わず対価性もない行為は、原則として保険業法上の「保険募集」には該当しません。
- 選択肢 3正解
- 保険業法に基づき、未登録で保険募集(契約の締結の代理または媒介)を行った者には、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはこれらが併科されます。
- 選択肢 4不正解
- 特定保険契約等の販売手数料の開示は、金融庁の「顧客本位の良質な金融商品・サービスの提供」に向けた自主的な取組み等で推進されましたが、保険業法によって一律に開示が義務付けられた規定ではありません。
覚えるポイント
- 無登録募集に対する法定刑は「1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金(または併科)」です。
間違えやすいところ
- 単なる顧客情報のトスアップ(紹介)と勧誘を含む保険募集行為の区別を混同しやすいです。
出題の前提:2017年4月1日現在施行法令・金融庁総合的な監督指針
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
保険契約のクーリング・オフ制度
リスク管理 · クーリング・オフ / 保険業法
保険業法に定める保険契約の申込みの撤回等(クーリング・オフ制度)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
保険業法第309条に規定されるクーリング・オフは、原則として書面交付日または申込日のいずれか遅い日から起算して8日を経過するまでの間、申込みの撤回等が可能です。営業所等での申込みや保険期間1年以下等の除外事由がありますが、居宅での申込みは除外されません。
解き方
- 保険業法におけるクーリング・オフの適用要件と適用除外要件(保険業法第309条各号)を確認する。
- 申込者の指定した居宅での申込みがクーリング・オフ除外事由に当たるかを検証し、適用される(除外されない)ため不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- クーリング・オフの説明書面の交付日と申込日のいずれか遅い日から起算して8日を経過する前であれば申込みの撤回等を行うことができます。
- 選択肢 2正解
- 申込者が自ら居宅を指定して訪問を受けた場合であっても、保険業法上のクーリング・オフの適用対象であり、撤回等を行うことができます。
- 選択肢 3不正解
- 保険契約の満了に伴う自動更新・更新の申込みについては、クーリング・オフの対象外とされています。
- 選択肢 4不正解
- 既存契約を転換して新たな保険契約を締結する(転換契約)場合は、新たな契約の締結となるためクーリング・オフ制度の適用対象となります。
覚えるポイント
- 保険業法のクーリング・オフは、申込者が自ら指定した居宅や勤務先であっても適用除外にはなりません。
間違えやすいところ
- 特定商取引法の訪問販売における「自ら請求した訪問」の適用除外規定と混同しないように注意が必要です。
出題の前提:保険業法第309条、保険業法施行規則
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険契約の年金・解約返戻金等に係る課税
リスク管理 · 個人年金保険 / 一時払変額個人年金保険 / 一時払終身保険 / 所得税 / 確定申告
居住者であるAさん(65歳、給与所得者でない、年金受給額合計350万円)が受け取った各生命保険の年金および解約返戻金に関する課税関係の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
個人年金保険等の年金は雑所得、一時払保険等の解約返戻金は一時所得となります。金融類似商品として20.315%の源泉分離課税となるのは、契約期間が5年以下または5年以内に解約された一時払養老保険や一時払変額保険等であり、終身保険は対象外です。
解き方
- ①個人年金保険の雑所得源泉徴収税率(10.21%)および計算方法を確認する。
- ②一時払変額個人年金保険が5年超経過解約のため一時所得(総合課税)となることを確認する。
- ③一時払終身保険が金融類似商品に該当するかを確認し、終身保険は5年以内の解約であっても金融類似商品に該当しないため誤り(一時所得となる)と判断する。
- ④公的年金受給者の確定申告不要制度の基準(年金400万円以下かつその他の所得20万円以下)と照らし、他の所得が20万円超で申告義務があることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 個人年金保険の年金(雑所得)は、(年金額-対応する払込保険料)が25万円以上の場合、その差額に対して10.21%が源泉徴収されます。
- 選択肢 2不正解
- 一時払変額個人年金保険を契約後5年超で解約した場合、金融類似商品には該当せず、一時所得として総合課税の対象となります。
- 選択肢 3正解
- 一時払終身保険は保険期間が終身であるため、契約から5年以内の解約であっても金融類似商品の対象外であり、一時所得として取り扱われます。
- 選択肢 4不正解
- 公的年金等の収入金額が400万円以下であっても、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円を超えるため、確定申告を行う必要があります。
覚えるポイント
- 一時払終身保険は、契約から5年以内に解約した場合でも金融類似商品(源泉分離課税)にはならず、一時所得になります。
間違えやすいところ
- 一時払養老保険の5年以内解約(金融類似商品)と一時払終身保険の解約の課税関係を混同しやすいです。
出題の前提:所得税法、租税特別措置法第41条の12
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人が受け取る収入保障保険の死亡保険金の経理処理
リスク管理 · 法人保険 / 経理処理 / 収入保障保険 / 死亡保険金
X社が、被保険者・代表取締役社長Aさんの死亡により、契約者・死亡保険金受取人をX社とする無配当収入保障保険について、年金額を減額して4,600万円を一部一括受取りとし、1回目の年金額との合計5,100万円を受け取った場合の経理処理として最も適切なものはどれか。なお、年金受取開始時に全額一括受取りとした場合の金額は9,200万円である。
解答・解説を表示
解答
4
解説
契約者・受取人が法人で被保険者が役員・従業員の収入保障保険(掛捨ての定期保険タイプ)は、支払保険料が全額損金算入されています。死亡事故発生時に年金支払が確定したときは、年金支払開始時にその現価相当額(一括受取額)を一括で雑収入に計上し、未受取分は未収金等として処理します。
解き方
- 収入保障保険の保険料支払時の経理処理(全額損金算入)を確認し、貸方に保険料積立金が生じないことを把握する。
- 死亡保険金受取開始時における総額計上(一括受取金額9,200万円を雑収入に計上)を確認する。
- 入金額5,100万円を「現金・預金」、残額4,100万円を「未収金」として計上する仕訳を導出する。
- 選択肢 1不正解
- 収入保障保険は定期保険と同等で払込保険料は全額損金処理されているため保険料積立金はなく、また未受領年金現価も計上されていません。
- 選択肢 2不正解
- 将来受け取る年金部分の現価(残余額4,100万円)が未収金および雑収入として認識されていません。
- 選択肢 3不正解
- 無配当収入保障保険では保険料積立金が計上されていないため、積立金を取り崩す処理は誤りです。
- 選択肢 4正解
- 受領額5,100万円を現金預金、残りの現在価値4,100万円を未収金とし、一括受取相当額の9,200万円全額を雑収入に計上します。
覚えるポイント
- 法人が収入保障保険の年金受取を開始する際は、受取開始時に将来の年金現価相当額を含めて一括で雑収入計上します。
間違えやすいところ
- 養老保険等の死亡保険金と混同して、保険料積立金を取り崩す仕訳を選んでしまうミスが多いです。
出題の前提:法人税法基本通達9-3-6の2等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
平成29年1月改定の地震保険制度
リスク管理 · 地震保険 / 損害区分 / 保険料率改定
保険始期が平成29年1月1日以降となる地震保険契約に適用される改定事項に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
平成29年1月の地震保険改定では、全国平均5.1%の保険料率引上げ(段階的引上げの第1段階)とともに、損害区分の細分化(全損100%、大半損60%、小半損30%、一部損5%)が導入されました。
解き方
- 平成29年1月1日の地震保険制度改定の主な改正点(料率引上げ、4区分化、割引制度の重複不可など)を確認する。
- 損害区分が全損(100%)、大半損(60%)、小半損(30%)、一部損(5%)の4区分に改定された記述(選択肢3)が正しいと判定する。
- 選択肢 1不正解
- 平成29年1月の改定では、基準料率は全国平均で5.1%の「引上げ」となりました(引下げではありません)。
- 選択肢 2不正解
- 地震保険は火災保険に付帯して契約する制度であり、改定後も地震保険単独での加入はできません。
- 選択肢 3正解
- 損害区分が4区分に改定され、支払割合は全損100%、大半損60%、小半損30%、一部損5%と定められました。
- 選択肢 4不正解
- 地震保険の4つの割引制度(建築年割引、耐震等級割引、免震建築物割引、耐震診断割引)は重複適用できず、いずれか1つの適用に限られます。
覚えるポイント
- 地震保険の損害区分4区分:全損100%、大半損60%、小半損30%、一部損5%。各種割引の重複適用は不可。
間違えやすいところ
- 改定により基準料率が全国平均で「引上げ」になった点を「引下げ」と取り違えないように注意してください。
出題の前提:地震保険に関する法律、平成29年1月改定事項
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総合福祉団体定期保険および労働災害総合保険
リスク管理 · 総合福祉団体定期保険 / 労働災害総合保険 / 企業向け保険
総合福祉団体定期保険および労働災害総合保険に関する次の記述(a)~(d)のうち、適切なものはいくつあるか。 (a) 総合福祉団体定期保険は、従業員の遺族の生活保障を目的とした保険であり、法人の役員を被保険者とすることはできない。 (b) 総合福祉団体定期保険契約の締結に際しては、被保険者になることへの加入予定者の同意が必要となる。 (c) 労働災害総合保険の補償の対象となる被用者は、事業主に使用される常用雇用労働者であり、有期契約労働者や短時間労働者を対象に含めることはできない。 (d) 労働災害総合保険は、法定外補償保険と使用者賠償責任保険で構成されており、どちらか一方だけを契約することはできない。
解答・解説を表示
解答
1
解説
総合福祉団体定期保険は役員・従業員を対象とし、全員加入または一定の基準による全員加入が原則で、加入同意が必要です。労働災害総合保険は労災事故を補償し、パート等も対象に含めることができ、補償の単独加入も可能です。
解き方
- (a)の検討:総合福祉団体定期保険は法人の役員も被保険者に含めることができるため不適切。
- (b)の検討:被保険者の同意(加入同意書等)が必要であるため適切。
- (c)の検討:有期契約労働者やパート等の短時間労働者も補償対象に含めることができるため不適切。
- (d)の検討:法定外補償保険と使用者賠償責任保険は単独またはセットで加入可能であるため不適切。
- 適切なものは(b)の1つであるため、正解は選択肢1。
- 選択肢 1正解
- 適切な記述は(b)の1つだけです。
- 選択肢 2不正解
- 適切な記述が2つあるとする本選択肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 適切な記述が3つあるとする本選択肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 適切な記述が0個とする本選択肢は誤りです。
覚えるポイント
- 総合福祉団体定期保険では被保険者(役員・従業員)の加入同意が必須です。
間違えやすいところ
- 総合福祉団体定期保険は従業員だけでなく役員も対象になれる点を見落としやすいです。
出題の前提:生命保険協会実務慣行、損害保険料率算出機構基準
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
自動車保険の保険金受取に係る課税関係
リスク管理 · 自動車保険 / 人身傷害補償保険 / 対人賠償保険 / 対物賠償保険 / 車両保険 / 非課税
個人が自動車保険から受け取る保険金の課税関係に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
損害賠償金や物損の補填として受け取る損害保険金は原則として非課税(所得税法第9条)です。しかし、自身が保険料を負担して契約した人身傷害補償保険から支払われる死亡保険金は、相続税法上のみなし相続財産として相続税の課税対象となります。
解き方
- 加害者の対人賠償責任保険から受け取る損害賠償金は非課税(所得税・相続税・贈与税とも非課税)であることを確認する。
- 対物賠償保険および車両保険の保険金は資産の損害を補填するもので非課税であることを確認する。
- 被保険者本人が契約者である人身傷害保険から遺族に支払われる死亡保険金は、みなし相続財産として相続税が課税されるため、非課税とする選択肢3が誤りであると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 加害者の対人賠償保険から遺族が受領する損害賠償金は非課税所得であり、相続税や贈与税の対象にもなりません。
- 選択肢 2不正解
- 相手方の対物賠償保険から受け取る保険金は資産の損害を埋める損害賠償金であるため所得税は非課税です。
- 選択肢 3正解
- 本人が契約・保険料負担した人身傷害保険の死亡保険金を遺族が受け取った場合、相続税法上のみなし相続財産として相続税の対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 盗難等による車両の滅失に対して自己の車両保険から受け取る保険金は、損害の補填であるため所得税は非課税です。
覚えるポイント
- 契約者本人が死亡したことによる人身傷害保険の死亡保険金は「みなし相続財産」として相続税の対象です。
間違えやすいところ
- 加害者の対人賠償から受ける保険金(完全非課税)と自己の人身傷害保険の死亡保険金(相続税対象)を混同しやすいです。
出題の前提:所得税法第9条、相続税法第3条第1項第1号
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託の商品分類の表記
金融資産運用 · 投資信託 / 交付目論見書 / 商品分類
投資信託説明書(交付目論見書)の表紙に「追加型投信/内外/債券/特殊型(ブル・ベア型)」と記載されているX投資信託に関する次の記述(a)~(d)のうち、投資信託協会の「商品分類に関する指針」に照らし、適切なものはいくつあるか。 (a) X投資信託は、当初、募集された資金が1つの単位として信託され、その後の追加設定はいっさい行われないファンドである。 (b) X投資信託は、目論見書または投資信託約款において、国内および海外の資産による投資収益を実質的に源泉とする旨の記載があるファンドである。 (c) X投資信託は、目論見書または投資信託約款において、投資対象資産に株式をいっさい組み入れない旨の記載がある公社債投資信託である。 (d) X投資信託は、目論見書または投資信託約款において、派生商品をヘッジ目的以外に用い、積極的に投資を行うとともに各種指数・資産等への連動もしくは逆連動を目指す旨の記載があるファンドである。
解答・解説を表示
解答
2
解説
投資信託協会の属性区分・商品分類において、「単位型/追加型」「投資対象地域(国内/海外/内外)」「投資対象資産(株式/債券/不動産投信など)」「独立した分類(特殊型)」が規定されています。
解き方
- (a)の検討:「追加型投信」はいつでも追加設定可能な投資信託であり、追加設定されないのは単位型(ユニット型)のため不適切。
- (b)の検討:「内外」は国内および海外の資産による収益を実質的な源泉とするファンドを指すため適切。
- (c)の検討:課税上の区分(公社債投信と株式投信)と商品分類の「債券」は異なり、約款上株式組入れ不可とされているとは限らないため不適切。
- (d)の検討:「特殊型(ブル・ベア型)」は派生商品を積極利用し指数への連動・逆連動を目指すファンドの定義そのものであるため適切。
- 適切なものは(b)と(d)の2つであるため、正解は選択肢2。
- 選択肢 1不正解
- 適切な記述は2つあるため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 適切な記述は(b)と(d)の2つです。
- 選択肢 3不正解
- 適切な記述は2つのため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 適切な記述は2つあるため誤りです。
覚えるポイント
- 商品分類の「追加型」は随時購入可能、「内外」は国内・海外両方、「ブル・ベア型」は派生商品を用いた連動・逆連動を目指すものです。
間違えやすいところ
- 商品分類上の投資対象資産「債券」と、税法上の「公社債投資信託(株式を一切組み入れない約款)」の違いを混同しやすいです。
出題の前提:投資信託協会「商品分類に関する指針」
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ドルコスト平均法による平均購入単価の計算
金融資産運用 · ドルコスト平均法 / 投資信託 / 平均購入単価
ドルコスト平均法を利用して投資信託を毎回15万円ずつ計5回購入した。各回の購入単価(基準価額)が第1回:5,000円、第2回:6,000円、第3回:7,500円、第4回:6,250円、第5回:6,000円であるとき、平均購入単価として最も適切なものはどれか。なお、手数料等は考慮せず、計算結果は円未満を四捨五入すること。
解答・解説を表示
解答
1
解説
ドルコスト平均法では、毎回定額で購入し続けるため、価格が低いときには多くの口数を購入し、価格が高いときには少ない口数を購入することになります。全体の平均購入単価は「総投資金額÷総購入口数(調和平均)」によって計算されます。
解き方
- 各回の購入口数を計算します(第1回:150,000÷5,000=30口、第2回:150,000÷6,000=25口、第3回:150,000÷7,500=20口、第4回:150,000÷6,250=24口、第5回:150,000÷6,000=25口)。
- 総購入口数を合計します(30+25+20+24+25=124口)。
- 総投資金額750,000円(15万円×5回)を総購入口数124口で除して平均単価を算出します(750,000÷124=6,048.38…円、円未満四捨五入で6,048円)。
- 選択肢 1正解
- 総投資金額75万円を総購入口数124口で除すと約6,048円となり適切です。
- 選択肢 2不正解
- 計算過程での端数処理や計算の誤りであり、不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 基準価額の単純算術平均(30,750円÷5=6,150円)であり、ドルコスト平均法の平均購入単価ではないため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 誤った算出式による数値であり、不適切です。
覚えるポイント
- ドルコスト平均法の平均購入単価は「総投資金額÷総購入数量」で計算する調和平均となります。
間違えやすいところ
- 単価の単純な算術平均(足して回数で割る)を計算してしまう誤りに注意が必要です。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人向け国債の商品性と税金
金融資産運用 · 個人向け国債 / 利子所得 / 損益通算 / 申告分離課税
個人向け国債に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
個人向け国債は「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3タイプがあり、年0.05%の最低金利保証が設定されています。税制上は特定公社債等に分類され、利子や中途換金による損益は申告分離課税の対象として上場株式等との損益通算が可能です。
解き方
- 商品性の基本(3年固定、5年固定、10年変動、下限利率0.05%)を確認して選択肢1と2を排除します。
- 課税方式について、特定公社債等の利子は源泉分離課税ではなく申告分離課税(申告不要も可)である点を確認して選択肢3を排除します。
- 中途換金時の譲渡損失は上場株式等の譲渡益や配当所得と損益通算が可能であることから選択肢4が適切であると判断します。
- 選択肢 1不正解
- 個人向け国債の種類は「固定3年」「固定5年」「変動10年」であり、5年満期は変動金利型ではなく固定金利型です。
- 選択肢 2不正解
- 個人向け国債の適用金利の下限は年率0.05%と定められており、0.01%ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 個人向け国債の利子は特定公社債の利子として申告分離課税の対象(申告不要の選択も可)であり、源泉分離課税ではありません。
- 選択肢 4正解
- 中途換金による譲渡損失は、申告分離課税を選択することにより上場株式等の譲渡所得等の金額と損益通算が可能です。
覚えるポイント
- 個人向け国債は固定3年・固定5年・変動10年の3種類で、下限利率は年0.05%、特定公社債として上場株式等と損益通算可能です。
間違えやすいところ
- 5年満期を変動金利型と勘違いしやすい点や、平成28年税制改正後の公社債税制で申告分離課税になった点を源泉分離課税と誤認しやすい点に注意します。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式累積投資および株式ミニ投資の仕組み
金融資産運用 · 株式累積投資 / 株式ミニ投資 / 単元未満株取引
株式累積投資および株式ミニ投資に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
株式累積投資(るいとう)は定額積立方式で購入する制度であり、株式ミニ投資は単元株の10分の1単位の株数指定で購入する制度です。それぞれ買付単位、名義、配当の取扱いや発注方法(指値の可否)に独自の規定があります。
解き方
- 株式累積投資の買付金額上限(月1万円以上100万円未満)を確認して選択肢1を誤りと判定します。
- 株式累積投資の配当金は持分に応じて按分して金銭配分または再投資されるため、選択肢2を誤りと判定します。
- 株式ミニ投資の売買単位が単元株数の10分の1単位(単元未満)である点を確認し、選択肢3を正解と判定します。
- 株式ミニ投資の発注は指値注文ができず成行注文のみである点等から選択肢4を誤りと判定します。
- 選択肢 1不正解
- 株式累積投資の買付金額は、一般に毎月1銘柄につき1万円以上100万円未満(1,000円単位)です。
- 選択肢 2不正解
- 単元株数に達する前であっても、持ち株数に応じて配当金が配分(按分受領または再投資)されます。
- 選択肢 3正解
- 株式ミニ投資は、原則として単元株数の10分の1の整数倍で単元株数未満の株式を買い付ける取引制度です。
- 選択肢 4不正解
- 株式ミニ投資では指値注文を行うことはできず、成行注文のみとなります。
覚えるポイント
- 株式累積投資は月1万円以上100万円未満の金額指定、株式ミニ投資は単元株の10分の1の株数指定(指値不可)です。
間違えやすいところ
- 株式累積投資でも配当金が按分受領される点や、ミニ投資では指値注文が認められない点を見落としやすいです。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
サスティナブル成長率の計算
金融資産運用 · サスティナブル成長率 / ROE / 内部留保率 / 財務分析
下記の〈財務指標〉から算出されるサスティナブル成長率として、最も適切なものはどれか。なお、自己資本の額は純資産の額と同額であるものとし、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。 〈財務指標〉 株価収益率(PER):15.00倍 株価純資産倍率(PBR):1.20倍 配当利回り:2.00% 配当性向:30.00%
解答・解説を表示
解答
1
解説
サスティナブル成長率は、企業が外部増資を行わずに内部留保資金のみによって達成可能な利益の成長率を表し、「ROE(自己資本利益率)×内部留保率」で算出されます。ROEは「PBR÷PER」で求めることができます。
解き方
- PBRとPERからROEを計算します:ROE=PBR÷PER=1.20÷15.00=0.08(8.00%)。
- 配当性向から内部留保率を計算します:内部留保率=1-配当性向=1-0.30=0.70(70.00%)。
- サスティナブル成長率を計算します:サスティナブル成長率=8.00%×0.70=5.60%。
- 選択肢 1正解
- ROE 8.00%に内部留保率70%を乗じることで5.60%が導かれます。
- 選択肢 2不正解
- 計算式の適用誤りによる不正解です。
- 選択肢 3不正解
- ROE(8%)と配当性向の組み合わせを誤った計算結果です。
- 選択肢 4不正解
- 計算手順の誤りによる数値です。
覚えるポイント
- サスティナブル成長率=ROE×内部留保率=ROE×(1-配当性向)であり、ROE=PBR÷PERです。
間違えやすいところ
- ROEの計算でPERとPBRの分子分母を逆にしてしまう間違い(15÷1.2としてしまう)に注意してください。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外貨定期預金の利回り計算(年換算・単利)
金融資産運用 · 外貨預金 / 利回り計算 / TTSとTTB / 為替レート
以下の〈条件〉で、為替予約を付けずに円貨を外貨に交換して外貨預金に預け入れ、満期時に円貨で受け取る場合における利回り(単利による年換算)として、最も適切なものはどれか。なお、6カ月は0.5年として計算し、税金等は考慮せず、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。 〈条件〉 ・預金期間・利率:期間6カ月の米ドル建て定期預金、利率2.25%(年率) ・為替レート(TTS/TTM/TTB): 預入時:110.15円/109.15円/108.15円 満期時:117.25円/116.25円/115.25円
解答・解説を表示
解答
1
解説
円を米ドルに換える預入時は顧客が外貨を買うためTTSを適用し、満期時に米ドルを円に換える時は顧客が外貨を売るためTTBを適用します。満期の外貨元利合計を円転した受取額と当初払込額を比較し、保有期間(0.5年)で割ることで単利年換算利回りを求めます。
解き方
- 預入時の払込円貨:1米ドルあたりTTSの110.15円を適用します。
- 満期時の米ドル元利合計:1米ドル×(1+2.25%×0.5)=1.01125米ドル。
- 満期時の受取円貨:1.01125米ドル×満期時TTB 115.25円=116.5465625円。
- 6カ月間の騰落率:(116.5465625-110.15)÷110.15=0.0580713…
- 年換算利回り(単利):0.0580713…÷0.5=11.614…%となり、小数点以下第3位四捨五入で11.61%。
- 選択肢 1正解
- 預入時TTS(110.15円)、満期時TTB(115.25円)を適用し、0.5年で年換算すると約11.61%となります。
- 選択肢 2不正解
- 為替レートの適用を取り違えた場合の計算結果であり不適切です。
- 選択肢 3不正解
- TTMを用いて計算した場合などの誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 預入時TTB、満期時TTSなどレートの適用を逆に誤った計算結果です。
覚えるポイント
- 外貨預金では預入時(円→外貨)にTTS、満期時(外貨→円)にTTBを適用します。
間違えやすいところ
- TTSとTTBを逆に適用してしまうミスや、期間6カ月の利息計算(×0.5)および年換算(÷0.5)を忘れるミスに注意が必要です。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式等の譲渡所得に係る税金
タックスプランニング · 株式譲渡益課税 / 所得控除 / 国外転出時課税 / 買委託手数料
居住者による株式の譲渡に係る税金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
株式の譲渡所得は申告分離課税ですが、他の総合課税の所得から控除しきれない所得控除がある場合には、分離課税の譲渡所得から控除することが認められています。上場株式等と一般株式等(非上場株式等)は損益通算や繰越控除の枠組みが完全に分離されています。
解き方
- 買委託手数料の消費税等は取得費に含まれるため、選択肢1は誤りと判断します。
- 上場株式等の譲渡損失の繰越控除は上場株式等の譲渡所得等からのみ控除でき、非上場株式等の譲渡所得からは控除できないため、選択肢2は誤りと判断します。
- 他の所得がなく所得控除枠が余っている場合、確定申告により上場株式の譲渡所得から所得控除(基礎控除等)を控除できるため、選択肢3は適切と判断します。
- 国外転出時課税制度の対象資産価額は1億円以上であるため、8,000万円では対象外となり、選択肢4は誤りと判断します。
- 選択肢 1不正解
- 取得価額に含める買委託手数料には、これに係る消費税および地方消費税の額を含めます。
- 選択肢 2不正解
- 上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除は上場株式等の譲渡所得等からのみ控除でき、非上場株式等(一般株式等)の譲渡所得からは控除できません。
- 選択肢 3正解
- 総所得金額から控除しきれなかった基礎控除等の所得控除額は、分離課税の上場株式等に係る課税譲渡所得等の金額から控除できます。
- 選択肢 4不正解
- 国外転出時課税制度の対象となる有価証券等の価額の合計額は1億円以上であり、8,000万円の場合は対象になりません。
覚えるポイント
- 所得控除は総所得金額等から引ききれない場合、分離課税の株式等の譲渡所得からも控除可能です。国外転出時課税の基準額は1億円以上です。
間違えやすいところ
- 分離課税だから所得控除(基礎控除等)は一切引けないと誤解しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
少額預金の利子所得等の非課税制度(マル優)
金融資産運用 · マル優 / 障害者等の少額預金の利子所得等の非課税制度 / 非課税限度額
「障害者等の少額預金の利子所得等の非課税制度」(マル優)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
マル優(障害者等の少額預金の利子所得等の非課税制度)は、国内に住所を有する障害者等や遺族年金受給対象の妻等を対象に、元本350万円までの預貯金の利子等を非課税とする制度です。対象となる預貯金は円貨預金等に限られ、外貨預金は対象外です。
解き方
- マル優の対象者要件(遺族年金等を受ける妻は対象、夫は対象外)を確認し、選択肢1は正しい記述と判断します。
- 対象となる貯蓄の種類を確認し、外貨預金は対象に含まれないため選択肢2が不適切(正解)と判断します。
- 非課税限度額が元本350万円である点(選択肢3)および所轄税務署長への申告書提出手続(選択肢4)がいずれも正しいことを確認します。
- 選択肢 1不正解
- マル優の対象となる遺族年金受給者は「妻」と規定されており、遺族年金を受給している「夫」は対象とならないため正しい記述です。
- 選択肢 2正解
- 外貨預金はマル優の対象預貯金には含まれません。よって本記述が最も不適切です。
- 選択肢 3不正解
- マル優の非課税限度額は元本合計350万円までと定められているため正しい記述です。
- 選択肢 4不正解
- 最初の預入日までに取扱金融機関を経由して所轄税務署長へ「非課税貯蓄申告書」を提出する必要があるため正しい記述です。
覚えるポイント
- マル優の対象は円貨の預貯金・公社債等であり、外貨預金は対象外です。また遺族年金受給者は妻に限られます。
間違えやすいところ
- 外貨預金も定期預金の一種だからマル優の対象になると誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人情報の保護に関する法律の改正点
ライフプランニングと資金計画 · 個人情報保護法 / 要配慮個人情報 / 小規模事業者除外の撤廃 / オプトアウト規定
平成29年5月30日に改正法が施行された「個人情報の保護に関する法律」の改正事項に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
平成29年5月30日施行の改正個人情報保護法では、「要配慮個人情報」の新設、第三者提供時の確認・記録義務(トレーサビリティ)、オプトアウト届出の厳格化とともに、取り扱う個人情報が5,000人分以下の事業者を適用除外とする規定が撤廃され、全事業者に適用されることとなりました。
解き方
- 要配慮個人情報(人種・病歴等)の取得における原則本人同意の義務化(選択肢1)が正しいことを確認します。
- 第三者提供時の受領者側の確認・記録保存義務の新設(選択肢2)が正しいことを確認します。
- オプトアウト規定における個人情報保護委員会への事前届出・公表制度の新設(選択肢3)が正しいことを確認します。
- 5,000人以下の小規模取扱事業者の除外規定は縮小ではなく「完全撤廃」されたため、選択肢4が不適切と判断します。
- 選択肢 1不正解
- 人種や信条、病歴等の「要配慮個人情報」を取得する際は、原則として本人の事前同意が必要と規定されました。
- 選択肢 2不正解
- 不正な名簿売買等を防ぐため、第三者提供を受けた事業者には確認および記録作成・保存の義務が課されました。
- 選択肢 3不正解
- オプトアウトによる第三者提供を行う事業者に対し、個人情報保護委員会への届出と委員会による公表が義務付けられました。
- 選択肢 4正解
- 従来の「5,000人以下」の小規模事業者除外規定は撤廃され、取り扱う個人情報が1人分であっても事業者は法の適用対象となります。
覚えるポイント
- 改正個人情報保護法では、5,000人以下の小規模事業者の適用除外規定が撤廃され、すべての事業者に適用されます。
間違えやすいところ
- 5,000人要件が1,000人等の別の人数要件に緩和・縮小されたと誤解しやすい点に注意してください。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等(平成29年5月30日施行改正事項を出題)
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配当所得の課税関係
タックスプランニング · 配当所得 / 確定申告不要制度 / 源泉徴収税率 / 配当控除
居住者に係る所得税等の配当所得に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
上場株式等の配当所得は原則として源泉徴収(申告不要)とされますが、確定申告を行う場合は申告する上場配当等のすべてについて総合課税または申告分離課税のいずれか一方を統一して選択しなければなりません。
解き方
- 上場株式および非上場株式の配当に係る課税方式(申告不要・総合課税・申告分離課税)の適用関係を確認する。
- 確定申告を行う際の上場株式の選択方式の統一義務や、非上場株式の源泉徴収税率・配当控除の適用要件を照合して適切な記述を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 非上場株式の配当については、1回に支払を受ける金額が「10万円×配当計算期間月数÷12」以下である少額配当に該当すれば、持株割合にかかわらず所得税の確定申告不要制度を選択することができます。
- 選択肢 2不正解
- 内国法人から支払を受ける非上場株式の配当は、所得税および復興特別所得税として20.42%が源泉徴収されます(地方税の源泉徴収はありません)。20.315%ではありません。
- 選択肢 3正解
- 内国法人から支払を受ける上場株式等の配当所得について確定申告をする場合、確定申告する上場株式等の配当所得のすべてについて総合課税か申告分離課税のいずれか一方を選択しなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 内国法人から支払を受ける配当等であれば、非上場株式の配当であっても確定申告により総合課税を選択した場合には配当控除の適用を受けることができます。
覚えるポイント
- 上場株式の配当所得を申告する場合、申告する配当のすべてについて総合課税と申告分離課税のいずれかに統一する必要がある点。
間違えやすいところ
- 非上場株式の配当の源泉徴収税率は20.42%(住民税特別徴収なし)であり、上場株式の20.315%と混同しやすい点。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等に基づく
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
給与所得および退職所得の取扱い
タックスプランニング · 給与所得控除 / 特定支出控除 / 退職所得控除 / 退職所得の源泉徴収
居住者に係る所得税の給与所得および退職所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
給与所得者の特定支出控除の特例において、図書費・衣服費・交際費等(勤務必要経費)には合計65万円の上限が設定されていますが、通勤費、転居費、研修費、資格取得費、帰宅旅費には上限がありません。
解き方
- 給与所得控除額の上限、退職所得控除の計算式、受給申告書未提出時の源泉徴収税率の各規定を確認する。
- 特定支出控除の対象項目ごとの上限枠(勤務必要経費の65万円上限)と他の支出との区別を精査して誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 平成29年分の給与所得控除額は、給与等の収入金額が1,000万円を超える場合には上限の220万円となります。
- 選択肢 2正解
- 支出の合計額が65万円を限度とされるのは勤務必要経費(図書費、衣服費、交際費等)のみであり、研修費や資格取得費にはこの上限枠は適用されません。
- 選択肢 3不正解
- 障害者退職でない場合、勤続年数20年以下の退職所得控除額は「40万円×勤続年数」で計算され、計算結果が80万円未満となる場合は80万円とされます。
- 選択肢 4不正解
- 「退職所得の受給に関する申告書」が提出されていない場合、支払額に対して一律20.42%(所得税20%+復興特別所得税0.42%)の税率で源泉徴収が行われます。
覚えるポイント
- 特定支出控除で65万円の上限があるのは図書費・衣服費・交際費等の勤務必要経費のみである点。
間違えやすいところ
- 特定支出控除の勤務必要経費の上限(65万円)を研修費や資格取得費を含む特定支出全体の上限と誤認すること。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等に基づく
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損益通算と総所得金額の計算
タックスプランニング · 損益通算 / 不動産所得の損失 / 土地取得利子 / 一時所得 / 総所得金額
居住者であるAさんの平成29年分の各種所得の金額が下記のとおりであった場合の総所得金額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとし、▲が付された所得金額は、その所得に損失が発生していることを意味するものとする。 ・事業所得:140万円(個人商店を営むことによる所得、青色申告特別控除後の金額) ・不動産所得:▲180万円(不動産賃貸業による所得、必要経費に土地取得利子20万円を含む) ・雑所得:▲30万円(外貨預金の為替差損による所得) ・一時所得:120万円(一時払養老保険の満期保険金受取りによる所得)
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解答
3
解説
不動産所得の損失のうち土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分は損益通算の対象外です。雑所得の損失も他所得と通算できません。通算後に残った一時所得の金額は1/2を乗じて総所得金額に算入します。
解き方
- 不動産所得の損失▲180万円から通算対象外となる土地取得利子20万円を除き、通算可能損失▲160万円を算出する(雑所得の損失▲30万円は通算対象外)。
- 事業所得140万円と不動産所得の通算可能損失▲160万円を通算し、経常グループの損失▲20万円を算出する。
- 一時所得の金額120万円から経常グループの損失▲20万円を控除し、残額100万円に1/2を乗じて総所得金額50万円を求める。
- 選択肢 1不正解
- 土地取得利子の除外や一時所得の損益通算順序の計算が誤っており、35万円にはなりません。
- 選択肢 2不正解
- 土地取得利子20万円を通算対象外とせずに計算した場合などの誤った計算結果です。
- 選択肢 3正解
- 通算可能な不動産所得の損失は▲160万円(180万円-20万円)です。事業所得140万円から控除すると▲20万円が残り、一時所得120万円から20万円を控除した80万円ではなく、120万円-20万円=100万円に1/2を乗じて50万円が総所得金額となります。
- 選択肢 4不正解
- 一時所得を1/2にしてから損失を通算するなど計算順序が誤っている結果です。
覚えるポイント
- 不動産所得の損失のうち土地取得に要した負債利子は損益通算できない点、および一時所得は通算後に1/2して総所得金額に算入する点。
間違えやすいところ
- 雑所得の損失を他の所得と通算してしまうミスや、一時所得を1/2にした後に他の所得の損失を引いてしまうミス。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等に基づく
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得控除(扶養控除・雑損控除等)
タックスプランニング · 雑損控除 / 小規模企業共済等掛金控除 / 配偶者控除 / 扶養控除
居住者に係る所得税の所得控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
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解答
4
解説
所得税の控除対象扶養親族は、その年12月31日現在で年齢が16歳以上の親族です。年齢計算に関する法律により、生まれ日の前日午後12時に加齢するため、1月1日生まれの者は前年12月31日に満年齢に達します。
解き方
- 各所得控除の要件(事業用資産の雑損控除対象外、本人負担原則の小規模企業共済等掛金控除、申告不要選択時の所得判定)を確認する。
- 平成29年12月31日時点での満16歳以上の生年月日判定ルールを適用して選択肢4の正誤を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 雑損控除の対象となる資産は「納税者または生計を一にする配偶者等で総所得金額等が一定以下の者が所有する生活用資産」に限られ、事業用固定資産の損害は事業所得の必要経費等として処理されるため雑損控除の対象外です。
- 選択肢 2不正解
- 小規模企業共済等掛金控除は、加入者本人が支払った掛金のみが控除の対象となるため、配偶者の個人型年金の掛金を納税者が負担したとしても納税者の控除対象にはできません。
- 選択肢 3不正解
- 上場株式の配当について確定申告不要制度を選択した場合、その配当所得は配偶者控除等の判定における合計所得金額に算入されません。
- 選択肢 4正解
- 平成29年分の控除対象扶養親族は平成29年12月31日時点で16歳以上である者であり、平成14年1月1日生まれの者は12月31日終了時に満16歳に達するため、平成14年1月1日以前生まれの者は控除対象扶養親族に該当します。
覚えるポイント
- 扶養控除の適用判定における16歳判定は「その年12月31日時点」で行われ、翌年1月1日生まれの者も含まれる点。
間違えやすいところ
- 配偶者の掛金を支払った場合に社会保険料控除のように小規模企業共済等掛金控除も適用できると勘違いすること。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等に基づく
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)
タックスプランニング · セルフメディケーション税制 / 特定一般用医薬品等購入費 / 適用要件 / 控除限度額
「特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例」(以下、「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)では、自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族の特定一般用医薬品等購入費が控除対象となりますが、健康診断や予防接種等の一定の取組みを行っていることが要件とされるのは控除を受ける居住者(納税者本人)です。
解き方
- セルフメディケーション税制の対象費用、控除額の算式(支払額-1万2,000円、限度額8万8,000円)、従来の医療費控除との選択適用関係を確認する。
- 一定の健康維持増進の取組み証明が求められる主体が納税者本人である点を確認し、配偶者の証明添付を求めている記述を誤りと判断する。
- 選択肢 1不正解
- 特定一般用医薬品等購入費とはいわゆるスイッチOTC医薬品の購入費を指し、適用要件となる健康診断や予防接種の受診費用そのものは本特例の控除対象金額には含まれません。
- 選択肢 2正解
- 健康の保持増進および疾病の予防への一定の取組みを行っていることが要件とされ証明書類の提出が必要となるのは納税者本人であり、配偶者の取組みを証明する書類の添付は不要です。
- 選択肢 3不正解
- 控除額は、支払った特定一般用医薬品等購入費(補てん額控除後)から1万2,000円を差し引いた金額で、上限は8万8,000円となります。
- 選択肢 4不正解
- セルフメディケーション税制と従来の医療費控除は選択適用であり、いずれか一方しか受けることができません。
覚えるポイント
- セルフメディケーション税制で健康診断等の取組み要件を満たす必要があるのは「納税者本人」のみである点。
間違えやすいところ
- 合算する家族全員が健康診断や予防接種等の取組みを行っていなければならないと誤解すること。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等に基づく
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
認定長期優良住宅に係る税額控除
タックスプランニング · 住宅借入金等特別控除 / 認定住宅新築等特別税額控除 / 控除限度額 / 繰越控除
居住者である給与所得者が、平成29年8月に新築の認定長期優良住宅を取得し、同月中に入居した場合における住宅借入金等特別控除および認定住宅新築等特別税額控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、住宅の取得に際して8%の税率による消費税額等を負担しているものとする。また、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
認定長期優良住宅を新築等した場合、住宅ローンを利用した「住宅借入金等特別控除」(借入限度額5,000万円・控除限度額50万円)または自己資金等による「認定住宅新築等特別税額控除」(上限65万円・翌年繰越可能)のいずれか一方を選択適用できます。
解き方
- 認定住宅等に係る住宅借入金等特別控除の借入限度額(5,000万円・控除限度額50万円)と社内融資の利率基準(年0.2%以上)を確認する。
- 認定住宅新築等特別税額控除の限度額(65万円)および翌年繰越控除の可否を確認し、両控除が重複適用できない点と照らして適切な肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 使用者からの社内融資において住宅借入金等特別控除の対象外となるのは、利息の利率が年0.2%未満である場合です(1%未満ではありません)。
- 選択肢 2不正解
- 認定長期優良住宅(消費税8%負担)の場合、住宅借入金等特別控除の借入限度額は5,000万円であるため、年間の控除限度額は最大50万円となります(一般住宅の40万円ではありません)。
- 選択肢 3正解
- 認定住宅新築等特別税額控除の最大控除額は65万円であり、その年分の所得税額から控除しきれない控除額があるときは、翌年分の所得税額から控除することができます。
- 選択肢 4不正解
- 住宅借入金等特別控除と認定住宅新築等特別税額控除は重複適用することができず、いずれか一方を選択して適用することになります。
覚えるポイント
- 認定長期優良住宅の住宅ローン控除の上限は50万円、投資型減税(認定住宅新築等特別税額控除)は最大65万円で翌年繰越可能である点。
間違えやすいところ
- 社内融資でローン控除対象外となる利率の基準(0.2%未満)を1%と混同すること。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等に基づく
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税における役員給与の損金算入
タックスプランニング · 役員給与 / 定期同額給与 / 事前確定届出給与 / 業績連動給与
内国法人に係る法人税における役員給与に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
法人税法上、役員給与は原則損金不算入ですが、定期同額給与・事前確定届出給与・業績連動給与(一定の非同族会社等に限る)で所定の厳格な要件を満たすもののみ損金算入が認められます。
解き方
- みなし役員や定期同額給与の改定ルール、事前確定届出給与の全額損金不算入ルールを確認する。
- 平成29年度税制改正により業績連動給与の対象となった「同族会社以外の法人による完全支配関係がある同族会社」の規定と照合して判定する。
- 選択肢 1不正解
- 使用人であっても、相談役や顧問で法人の経営に従事している者や、同族会社の使用人で一定割合以上の株式を保有し経営に従事している者は「みなし役員」とされ、その給与は役員給与として扱われます。
- 選択肢 2不正解
- 株主総会等の決議により給与が増額された場合、改定前の期間に遡って増額分を一括支給した差額部分は定期同額給与には該当せず、損金不算入となります。
- 選択肢 3不正解
- 事前確定届出給与について届出額と異なる金額を支給した場合、超過額だけでなく支給額の「全額」が損金不算入となります。
- 選択肢 4正解
- 同族会社であっても同族会社以外の法人(非同族会社)による完全支配関係があるものについては、所定の要件を満たす業績連動給与を損金経理により損金算入することができます。
覚えるポイント
- 事前確定届出給与は届出額と異なる金額(多くても少なくても)を支給した場合は全額が損金不算入となる点。
間違えやすいところ
- 事前確定届出給与で届出金額を超えて支給した際、超過分だけが損金不算入になると誤解すること。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等に基づく
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人事業税および地方法人特別税
タックスプランニング · 法人事業税 / 外形標準課税 / 付加価値割 / 損金算入時期 / 地方法人特別税
法人事業税および地方法人特別税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
法人事業税の外形標準課税(資本金1億円超の普通法人対象)は「所得割」「付加価値割」「資本割」で構成されます。均等割は法人住民税(都道府県民税・市町村民税)の税目であり、法人事業税には均等割は存在しません。
解き方
- 法人事業税の基本的性格(都道府県税、申告日の属する事業年度に損金算入)および地方法人特別税(国税)の定義を確認する。
- 外形標準課税の構成区分(所得割・付加価値割・資本割)を確認し、均等割が含まれている記述の誤りを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 法人事業税は、法人の事業に対して事務所や事業所が所在する都道府県が課する地方税(都道府県税)です。
- 選択肢 2正解
- 資本金1億円超の普通法人に適用される法人事業税の外形標準課税は「付加価値割」「資本割」「所得割」から構成され、均等割は含まれません(均等割は法人住民税の税目です)。
- 選択肢 3不正解
- 法人事業税および地方法人特別税は、原則として申告書を提出した日の属する事業年度の損金の額に算入されます。
- 選択肢 4不正解
- 地方法人特別税は、地域間の税収偏在を是正するために法人事業税の税率を引き下げてその一部を国税として創設されたものです。
覚えるポイント
- 外形標準課税の構成要素は「所得割」「付加価値割」「資本割」の3つであり、均等割は法人住民税である点。
間違えやすいところ
- 法人住民税の「均等割」と法人事業税の外形標準課税の「付加価値割・資本割」を混同すること。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等に基づく
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
消費税の課税対象(対価を得て行われる資産の譲渡等)
タックスプランニング · 消費税の課税対象 / 資産の譲渡等 / 不課税取引
次のうち、消費税の課税対象となる「対価を得て行われる資産の譲渡等」に該当するものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
消費税の課税対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、資産の貸付けおよび役務の提供です。反対給付(対価性)の有無が不課税取引との判断基準になります。
解き方
- 各取引について、国内取引かつ事業者が事業として行っているかを確認する。
- 資産の譲渡等の見返りとして反対給付(対価)を受ける関係にあるかを個別に判定する。
- 選択肢 1正解
- 保証債務を履行するための資産譲渡や競売・公売等の強制換価手続による換価処分は、債務の消滅という対価を得て行われるため、資産の譲渡等に該当し課税対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 同業者団体が会員から受ける会費で、通常の業務運営の一環として会報を配布する行為は、対価関係が認められず不課税取引となります。
- 選択肢 3不正解
- 保険事故に伴って受け取る保険金は、資産の譲渡等の対価として受け取るものではないため、不課税取引となります。
- 選択肢 4不正解
- 賃借人が賃貸人から受け取る立退料は、原則として明渡しに伴う損失の補償金としての性格を有するため、対価性がなく不課税取引となります。
覚えるポイント
- 保証債務の履行や公売・競売による換価は、債務消滅という対価があるため課税の対象となる。
間違えやすいところ
- 競売や強制換価を対価のない処分と誤認して不課税と判断しないように注意する。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の消費税法基本通達等に基づく判定。
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産登記制度(公図・地積測量図・建物図面)
不動産 · 公図 / 不動産登記法第14条地図 / 地積測量図 / 建物図面
不動産登記法に基づく公図や地積測量図等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
不動産登記法第14条地図は高い精度と現地復元能力を持ちますが、地図が整備されるまでの間備え付けられている旧公図(地図に準ずる図面)には現地復元能力がありません。
解き方
- 各選択肢の図面の種類(14条地図、公図、地積測量図、建物図面)と記載内容・法的性質を照合する。
- 公図(旧土地台帳附属地図)の正確性・現地復元能力の有無を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 不動産登記法第14条第1項に基づく地図は、一筆又は二筆以上の土地ごとに作成され、各土地の区画及び地番が表示されます。
- 選択肢 2正解
- 公図(旧土地台帳附属地図)は地図に準ずる図面であり、形状や規模の精度が不十分で現地復元能力を有していません。
- 選択肢 3不正解
- 分筆登記申請時に提出する地積測量図は、分筆前の土地ごとに作成し、分筆線を明らかにして分筆後の各土地を表示します。
- 選択肢 4不正解
- 建物図面は、一個の建物ごとに作成され、敷地並びにその一階(区分建物は地上の最低階)の位置および形状を明確に表示します。
覚えるポイント
- 法第14条地図は現地復元能力あり、公図(地図に準ずる図面)は現地復元能力なし。
間違えやすいところ
- 公図が登記所に備え付けられていることから、14条地図と同等の高い測量精度を持つと誤認しやすい点に注意する。
出題の前提:不動産登記法および不動産登記事務取扱手続準則。
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
宅地建物取引業法(媒介契約・重説・買主業者特例)
不動産 · 宅地建物取引業法 / 媒介契約 / 重要事項説明 / 建物状況調査
宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
媒介契約の締結業者は、申込みがあれば速やかに依頼者に報告しなければなりません。また、買主が宅建業者であるプロ間取引では重要事項説明等は適用除外となります。
解き方
- 媒介契約における申込み報告義務(一般・専任問わず適用)を確認する。
- 業者間取引における重要事項説明の要否、および媒介報酬の計算根拠(面積ではなく売買代金)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 媒介報酬の上限は、売買に係る「取引物件の価額(売買代金)」を基礎として算出され、面積に応じて定められているわけではありません。
- 選択肢 2正解
- 宅建業者は、媒介契約の目的物について売買または交換の申込みがあったときは、遅滞なくその旨を依頼者に報告しなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 買主が宅地建物取引業者である場合、宅地建物取引業法第35条の重要事項説明(書面の交付および取引士による説明)の規定は適用除外となります。
- 選択肢 4不正解
- 建物状況調査(インスペクション)に関する媒介契約書面の記載義務付け等は、平成30年(2018年)4月1日施行の改正事項であり、平成29年4月1日ではありません。
覚えるポイント
- 業者間取引(宅建業者相互間)では、重要事項説明(35条)は不要だが、契約成立時の37条書面交付は省略不可。
間違えやすいところ
- 建物状況調査(インスペクション)に関する改正法の公布日・施行日(2018年4月1日施行)を混同しないようにする。
出題の前提:宅地建物取引業法第34条の2、第35条、附則等。
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産売買における売主の瑕疵担保責任
不動産 · 瑕疵担保責任 / 品確法 / 宅地建物取引業法自ら売主制限 / 民法の任意規定
不動産の売買取引における売主の瑕疵担保責任に関する次の記述(a)~(c)のうち、適切なものはいくつあるか。 (a) 民法で定める瑕疵担保責任は強行規定であるため、売主および買主の合意があっても、売主は瑕疵担保責任を負わないとする特約は無効である。 (b) 宅地建物取引業者が自ら売主となり、宅地建物取引業者ではない買主と締結する売買契約においては、宅地建物取引業法により、宅地建物取引業者が目的物の瑕疵担保責任を負うべき期間が売買契約の締結日から2年以上となる特約をする場合を除き、民法の規定よりも買主に不利となる特約を締結することはできない。 (c) 住宅の品質確保の促進等に関する法律により、新築住宅の売買契約においては、売主は、住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕疵について、原則として、当該物件を買主に引き渡した時から10年間の瑕疵担保責任を負うことになる。
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解答
1
解説
民法の瑕疵担保責任は任意規定です。宅建業法では「引渡しの日から2年以上」とする特約を除き買主に不利な特約が無効となります。品確法では新築住宅の基本構造部分について引渡しから10年間の瑕疵担保責任が義務付けられています。
解き方
- (a) 民法の瑕疵担保責任の規定が任意規定か強行規定かを確認する(任意規定のため免責特約は原則有効)。
- (b) 宅建業法上の瑕疵担保責任期間の起算点を確認する(「契約締結日」ではなく「引渡しの日」から2年以上)。
- (c) 品確法における新築住宅の構造耐力上主要な部分等に対する10年間の瑕疵担保責任義務を確認する。
- 選択肢 1正解
- 適切な記述は(c)の1つのみであるため、正解は「1つ」となります。
- 選択肢 2不正解
- (a)および(b)は不適切であり、適切な記述は2つではありません。
- 選択肢 3不正解
- (a)および(b)は不適切であり、適切な記述は3つではありません。
- 選択肢 4不正解
- (c)が適切であるため、「0(なし)」ではありません。
覚えるポイント
- 宅建業法40条の特約制限の起算点は「引渡しの日から2年以上」(契約締結日ではない)。
- 品確法の瑕疵担保責任は新築住宅の構造耐力上主要な部分等について「引渡しから10年間」。
間違えやすいところ
- 宅建業法での期間起算点を「契約日」と「引渡日」で取り違えやすいので注意する。
出題の前提:民法第570条(旧規定)、宅建業法第40条、住宅の品質確保の促進等に関する法律第95条。
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
都市計画法に基づく開発許可制度
不動産 · 都市計画法 / 開発許可 / 開発行為の定義 / 地位の承継
都市計画法に基づく開発許可に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
開発許可制度の対象となる「開発行為」は、建築物や特定工作物の建設を目的とする土地の区画形質の変更です。青空駐車場や資材置場など建築物を伴わない目的の土地造成は開発行為に該当しません。
解き方
- 開発行為の定義(建築物等の建築・建設目的であるか)を確認する。
- 区域ごとの許可不要となる規模要件(市街化区域:1,000㎡未満、準都市計画区域:3,000㎡未満)を確認する。
- 一般承継(相続等)と特定承継(譲渡等)における地位の承継手続(一般承継は当然承継、特定承継は知事の承認が必要)を確認する。
- 選択肢 1正解
- 青空駐車場の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更は、建築物の建築等を目的としないため開発行為に該当せず、規模にかかわらず開発許可は不要です。
- 選択肢 2不正解
- 市街化区域内において開発許可が不要とされる規模は、原則として1,000㎡未満(三大都市圏等の既成市街地等は500㎡未満)です。
- 選択肢 3不正解
- 準都市計画区域内において開発許可を要するのは、原則としてその規模が3,000㎡以上の開発行為です。
- 選択肢 4不正解
- 相続人等の一般承継人は、被承継人が有していた開発許可に基づく地位を当然に承継するため、都道府県知事等の承認は不要です(特定承継人の場合は承認が必要)。
覚えるポイント
- 青空駐車場や資材置場造成は「建築物・特定工作物の建築・建設目的」でないため開発行為に当たらない。
- 相続(一般承継)は当然承継で承認不要、売買等(特定承継)は知事の承認が必要。
間違えやすいところ
- 市街化区域(1,000㎡)、準都市計画区域(3,000㎡)の面積要件を混同しやすい。
出題の前提:都市計画法第4条第12項、第29条、第44条、第45条。
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
防火地域および準防火地域の建築規制
不動産 · 都市計画法 / 建築基準法 / 防火地域 / 準防火地域 / 外壁の耐火構造
都市計画法および建築基準法の防火規制に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
防火地域・準防火地域は都市計画上の地域地区として「定めることができる」任意指定であり、用途地域内に必ず定める義務はありません。建築基準法では、敷地が内外にまたがる場合の制限や耐火構造外壁の隣地境界線接道等の緩和規定があります。
解き方
- 都市計画法第9条等における防火地域・準防火地域の指定要件(義務的指定か任意指定か)を確認する。
- 建築基準法第65条(境界線に接する外壁)、第67条(地域内外にわたる場合)、第61条・第62条(階数・面積による耐火規制)を確認する。
- 選択肢 1正解
- 都市計画法において、防火地域又は準防火地域は必要に応じて定める地域地区であり、用途地域の定めがある区域について必ずいずれかを定めなければならないとする規定はありません。
- 選択肢 2不正解
- 建築物が防火地域と準防火地域にわたる場合、原則として厳しい方の防火地域の規定が適用されますが、防火地域外で防火壁により区画されているときは、その防火壁外の部分には準防火地域の規定が適用されます。
- 選択肢 3不正解
- 建築基準法第65条により、防火地域または準防火地域内にある建築物で外壁が耐火構造のものは、民法の規定にかかわらず外壁を隣地境界線に接して設けることができます。
- 選択肢 4不正解
- 防火地域内では原則として耐火建築物とする必要がありますが、地階を除く階数が2以下で延べ面積100㎡以下の建築物は準耐火建築物とすることができます。
覚えるポイント
- 防火地域・準防火地域は任意指定(定めなければならないわけではない)。
- 防火・準防火地域内の耐火構造外壁は、隣地境界線に接して建築できる。
間違えやすいところ
- 建築基準法第65条の「外壁を隣地境界線に接して設けることができる」規定は民法(50cm離隔)の特則として頻出なので正確に覚える。
出題の前提:都市計画法第8条、建築基準法第61条、第65条、第67条。
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
農地法等の規制(農地の定義・3条・4条・届出)
不動産 · 農地法 / 第3条許可 / 市街化区域の特例 / 相続による届出
農地法等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
農地法上の農地判定は現況主義です。市街化区域内の農地について、農業委員会へのあらかじめの届出で足りる特例があるのは第4条および第5条の「転用」であり、第3条の「農地を農地として利用するための権利移動」には届出特例は存在しません。
解き方
- 農地の判定基準が現況主義であることを確認する(登記簿の地目によらない)。
- 市街化区域内農地の特例(届出でよいもの)が4条・5条に限られ、3条には適用されないことを確認する。
- 市街化調整区域での転用許可要件および相続による農地取得時の届出(おおむね10カ月以内)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 農地法における農地とは耕作の用に供される土地をいい、その判断は登記記録の地目にかかわらず土地の現況によって行われます。
- 選択肢 2正解
- 市街化区域内の農地であっても、耕作目的で所有権を取得する農地法第3条の権利移動については事前の届出特例はなく、原則どおり農業委員会の許可が必要です。
- 選択肢 3不正解
- 市街化調整区域内の農地を農地以外のもの(駐車場等)に転用する場合、面積にかかわらず原則として都道府県知事等の農地法第4条に基づく許可が必要です。
- 選択肢 4不正解
- 農地の所有権を相続等により取得した者は、その権利を取得したことを知った時点からおおむね10カ月以内に、農業委員会にその旨を届け出なければなりません。
覚えるポイント
- 市街化区域の届出特例は4条(自己転用)・5条(転用目的譲渡)のみ。3条(耕作目的)は市街化区域でも許可が必要。
間違えやすいところ
- 「市街化区域内の農地ならすべて農業委員会への届出で済む」と誤解しやすい点に注意する。
出題の前提:農地法第2条、第3条、第4条、第5条、第3条の3。
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
空家等対策の推進に関する特別措置法
不動産 · 空家対策特別措置法 / 特定空家等 / 助言・指導・勧告・命令 / 行政代執行
空家等対策の推進に関する特別措置法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
特定空家等に対して市町村長は「助言・指導」→「勧告」→「命令」→「行政代執行」の順で措置を講じます。勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例の対象から除外され、命令に違反すると過料や代執行の対象となります。
解き方
- 法手続きの流れ(助言・指導 → 勧告 → 命令 → 代執行)を確認する。
- 住宅用地特例から除外される段階(勧告を受けた場合であり、助言・指導ではない)を確認する。
- 命令に従わない場合の強制執行手段(行政代執行法による代執行が可能)を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 管理努力義務そのものに対する直接の罰則はなく、過料(最大50万円以下)の対象となるのは市町村長からの「命令」に違反した場合等です。
- 選択肢 2不正解
- 住宅用地に対する固定資産税等の課税標準の特例措置(住宅用地特例)から除外されるのは、市町村長から必要な措置の「勧告」を受けた特定空家等の敷地であり、「助言または指導」の段階では除外されません。
- 選択肢 3不正解
- 市町村長が勧告を行うには、助言・指導を行っても改善されない場合に相当の猶予期限を定めて勧告するのであり、「直ちにとることを勧告」できるわけではありません。
- 選択肢 4正解
- 特定空家等の措置を命じられた者が正当な理由なくその措置を履行しない場合、市町村長は行政代執行法の定めるところに従い、自らその措置を行い、費用を徴収することができます。
覚えるポイント
- 住宅用地特例(固定資産税の軽減)が解除されるのは「勧告」を受けた特定空家等敷地。
- 命令に違反した場合は「行政代執行(強制執行)」や「過料」の対象となる。
間違えやすいところ
- 固定資産税特例の除外タイミングを「指導・助言」の段階と取り違えないようにする。
出題の前提:空家等対策の推進に関する特別措置法第14条、地方税法第349条の3の2等。
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
不動産 · 譲渡損失の損益通算 / 特定居住用財産 / 住宅ローン残高
Aさんは、平成22年10月に住宅ローンを利用して取得した居住用財産を平成29年5月に2,000万円で譲渡した。確定申告において「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」の適用を受ける場合、以下の条件に基づき翌年(平成30年)以後に繰り越すことができる譲渡損失の金額として、最も適切なものはどれか。 〈譲渡資産の内容等〉 ・譲渡価額:2,000万円 ・取得費と譲渡費用の合計額:4,000万円 ・譲渡契約日等の前日における住宅ローン残高:3,000万円 ・平成29年分の給与所得の金額:780万円(他の所得なし)
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解答
1
解説
住宅ローンが残っている居住用財産を買い換えを行わずに売却して生じた損失については、譲渡損失額と「住宅ローン残高-譲渡価額」のいずれか少ない金額を限度として他の所得と損益通算でき、控除しきれない金額は最長3年間繰り越して控除できます。
解き方
- 譲渡損失の金額を計算する:4,000万円-2,000万円=2,000万円。
- 通算限度額を計算する:住宅ローン残高3,000万円-譲渡価額2,000万円=1,000万円。実損2,000万円と比較し、少ない方の1,000万円が損益通算の対象となる。
- 平成29年分の給与所得780万円から通算対象額1,000万円を控除し、翌年への繰越控除額を算出する:1,000万円-780万円=220万円。
- 選択肢 1正解
- 損益通算限度額1,000万円から当年給与所得780万円を控除した残額220万円が繰越損失額となり、適切です。
- 選択肢 2不正解
- 1,000万円は平成29年分の損益通算前の通算限度額であり、給与所得との損益通算を行っていないため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 実損額2,000万円から給与所得780万円を控除した1,220万円とする計算は、住宅ローン残高に基づく通算限度額(1,000万円)を無視しているため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 2,000万円は譲渡損失の実損額そのものであり、通算限度額の判定および給与所得との損益通算を行っていないため不適切です。
覚えるポイント
- 特定居住用財産の譲渡損失の特例の通算限度額は「譲渡損失額」と「譲渡前日の住宅ローン残高-譲渡価額」のいずれか少ない金額となります。
間違えやすいところ
- 実損額全額を損益通算できると誤認し、住宅ローン残高超過部分の限度額計算を忘れてしまうミスに注意が必要です。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等(租税特別措置法第41条の5の2)
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の配偶者控除における店舗併用住宅等の計算
相続・事業承継 · 贈与税の配偶者控除 / 店舗併用住宅 / 居住用割合
贈与税の配偶者控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、贈与の年に他の贈与財産はなく、納税者にとって最も有利な方法を選択するものとする。
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解答
3
解説
贈与税の配偶者控除は、居住用不動産またはその取得資金の贈与について最高2,000万円を控除できる制度です。店舗併用住宅の場合、居住用部分がおおむね90%以上のときは全体を居住用とみなすことができますが、90%未満のときは居住用部分のみが配偶者控除の対象となります。持分贈与を受ける場合には、居住用部分から優先して取得したとして計算することができます。
解き方
- 各選択肢の店舗併用住宅の居住用割合を確認し、配偶者控除の対象となる価額を計算する。
- 選択肢3では、居住用割合が50%(90%未満)であるため、配偶者控除の対象は居住用部分の1,800万円(3,600万円×50%)となる。
- 贈与財産の総額3,600万円から配偶者控除額1,800万円および基礎控除額110万円を差し引いて課税価格を求める:3,600万円-1,800万円-110万円=1,690万円。
- 選択肢 1不正解
- 居住用割合が70%であるため居住用部分の価額は3,150万円(4,500万円×70%)です。配偶者控除額は上限の2,000万円となり、基礎控除110万円を差し引くと、税率を乗じる金額は4,500万円-2,000万円-110万円=2,390万円となります。
- 選択肢 2不正解
- 持分3分の1(取得評価額1,500万円)と現金110万円の贈与では、納税者に最も有利となるよう持分を居住用部分から取得したとみなすことができます。居住用部分1,500万円全額が配偶者控除の対象となり、残りの現金110万円から基礎控除110万円を控除できるため、課税価格は0円となります。
- 選択肢 3正解
- 居住用割合が50%のため配偶者控除の対象は1,800万円(3,600万円×50%)です。評価額3,600万円から配偶者控除1,800万円および基礎控除110万円を差し引いた1,690万円が税率を乗じる金額となり、適切です。
- 選択肢 4不正解
- 持分3分の1(取得評価額2,200万円)と現金110万円の贈与では、持分のうち居住用部分(6,600万円×50%=3,300万円の範囲内)を優先取得したとみなせます。上限2,000万円の配偶者控除と基礎控除110万円を控除するため、課税価格は(2,200万円+110万円)-2,000万円-110万円=200万円となります。
覚えるポイント
- 店舗併用住宅において居住用割合が90%以上の場合は家屋全体を居住用と扱えますが、90%未満の場合は居住用割合部分のみが対象となります。
間違えやすいところ
- 持分取得時に居住用部分を優先按分できる特例の適用や、基礎控除110万円の控除を計算から漏らしてしまうミスに注意しましょう。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等(相続税法第21条の6、相続税法基本通達21の6-1〜21の6-4)
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続時精算課税制度の適用要件と手続き
相続・事業承継 · 相続時精算課税制度 / 受贈者要件 / 住宅取得等資金の非課税
相続時精算課税制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
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解答
1
解説
相続時精算課税制度の受贈者要件は、贈与を受けた年の1月1日において20歳以上(現行法では18歳以上)であり、かつ「財産の贈与を受けた時」において贈与者の直系卑属である推定相続人または孫であることです。年の途中で養子縁組をした場合であっても、贈与時に推定相続人であれば適用可能です。
解き方
- 受贈者の資格要件を規定する相続税法第21条の9第1項の基準日を確認する。
- 「年の1月1日において20歳以上」であることと、「贈与の時において直系卑属である推定相続人又は孫」であることを区別する。
- 選択肢1は親族関係の身分まで1月1日時点に具備していなければならないとしているため不適切と判断する。
- 選択肢 1正解
- 直系卑属である推定相続人または孫という親族関係は「贈与の時」において判定されるため、「1月1日において直系卑属である推定相続人または孫であり」とする本問の記述は誤り(不適切)です。
- 選択肢 2不正解
- 一度相続時精算課税を選択した場合、その後養子縁組の解消等によって推定相続人でなくなったとしても、その特定贈与者からの贈与については引き続き相続時精算課税が適用されるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 免震建築物の住宅取得等資金の非課税限度額(1,200万円)と相続時精算課税の特別控除(2,500万円)を併用すると控除合計は3,700万円です。課税対象は5,000万円-3,700万円=1,300万円となり、一律20%の税率を乗じると納付税額は260万円となるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 特定贈与者の死亡時に相続や遺贈により財産を取得しなかった場合であっても、相続時精算課税の適用を受けた財産の価額は相続税の課税価格に算入されるため適切です。
覚えるポイント
- 相続時精算課税の受贈者要件の判定時期は、「年齢要件は贈与年の1月1日現在」「推定相続人等の親族関係は贈与の時現在」と分かれています。
間違えやすいところ
- 親族関係まで1月1日現在で判定されると勘違いしやすいですが、年の中途で養子縁組をした場合でも贈与時に養子であれば適用対象となります。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等(相続税法第21条の9)
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
代襲相続および法定相続分
相続・事業承継 · 代襲相続 / 二重の代襲相続 / 非嫡出子の相続分 / 寄与分
被相続人Aさんの親族関係図(配偶者Bさん、子Cさん・Dさん、普通養子Gさん、婚姻外で出生し認知された子Kさん、DさんとGさんの間の子Iさん)に基づき、民法上の相続人および法定相続分に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、IさんはAさんとGさんの養子縁組後に出生している。
解答・解説を表示
解答
1
解説
養子縁組後に生まれた養子の子は被相続人の直系卑属にあたり、代襲相続権を有します。実子と養子の婚姻により生まれた子は、両親がともに被相続人より先に死亡した場合、父母双方の代襲相続人としての権利を重ねて取得(二重代襲相続)し、双方の法定相続分の合計を相続します。
解き方
- Iさんの代襲相続権の有無を確認する:Iさんは養子縁組後に出生しているため、実子Dの代襲相続人たる地位と養子Gの代襲相続人たる地位の双方を満たす。
- 父母がともに死亡した場合の処理を適用する:二重の資格で代襲相続が認められ、双方の法定相続分を合算して承継する。
- 他の選択肢の誤りを検討し、選択肢1が適切であることを確定する。
- 選択肢 1正解
- IさんはDとGの双方の代襲相続人としての地位を有するため、両者の相続権を重複して代襲し、それぞれの法定相続分を合算した分を取得します。
- 選択肢 2不正解
- 子が相続放棄をした場合、子の総取り分(2分の1)を他の子たちで分けることになるため、配偶者Bさんの法定相続分(2分の1)は増加しません。
- 選択肢 3不正解
- 平成25年の民法改正により嫡出子と嫡出でない子の法定相続分は同等とされたため、認知されたKさんの法定相続分は嫡出子Cさんと同等になります。
- 選択肢 4不正解
- 寄与分は「共同相続人」にのみ認められる制度です。長男の妻など相続人以外の親族には認められません(※特別寄与料制度の創設は2019年民法改正)。
覚えるポイント
- 養子縁組後に生まれた養子の子は代襲相続権を持ち、実子と養子の双方の子である場合は双方から重複して代襲相続できます。
間違えやすいところ
- 子が相続放棄しても配偶者の法定相続分の割合(第1順位なら2分の1)は変動しない点に注意しましょう。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等(民法第887条、第900条、第904条の2)
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の納税義務者と課税財産の範囲
相続・事業承継 · 納税義務者 / 非居住無制限納税義務者 / 国外財産
相続税の納税義務者と課税財産に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、相続人はいずれも個人で国内財産および国外財産を取得しており、相続時精算課税の適用はなく重国籍者はいないものとする。
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解答
2
解説
相続税の納税義務判定では、相続開始前10年以内に被相続人または相続人のいずれかが国内に住所を有していた日本国籍者である場合、無制限納税義務者として国内外のすべての財産に相続税が課税されます。また、被相続人・相続人双方が国外に10年超居住して制限納税義務者となる場合でも、国内財産は常に課税対象となります。
解き方
- 平成29年度改正における住所要件(5年超から10年超への延長)を確認する。
- 被相続人と相続人の国籍、住所地、居住年数を確認し、納税義務者の区分を判定する。
- 選択肢2では、相続人は日本国籍を有し海外居住6年目(相続開始前10年以内に日本国内に住所あり)であるため非居住無制限納税義務者となり、国内・国外財産の双方が課税対象となるため適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 被相続人が相続開始時に日本国内に住所を有しているため、相続人は居住無制限納税義務者となり、国外財産も課税対象となります。
- 選択肢 2正解
- 相続人は日本国籍を有し、相続開始前10年以内(6年前)に国内住所を有していたため、非居住無制限納税義務者として国内外の全財産が課税対象となり、適切です。
- 選択肢 3不正解
- 被相続人・相続人ともに10年超国外に居住する制限納税義務者であっても、日本国内にある財産は常に相続税の課税対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 被相続人は日本国籍を有し相続開始前10年以内(8年前)に国内に住所を有していたため、相続人が外国籍かつ国外居住者であっても国外財産を含めて課税対象となります。
覚えるポイント
- 相続税の無制限納税義務者の判定期間は、平成29年度税制改正によって従来の「5年以内」から「10年以内」に延長されました。
間違えやすいところ
- 制限納税義務者であっても国内にある財産は必ず課税される点や、被相続人が10年以内に国内住所を有していた場合は全財産課税になる点を見落とさないようにしましょう。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等(相続税法第1条の3)
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の計算における債務控除の対象範囲
相続・事業承継 · 債務控除 / 公租公課 / 非課税財産の未払金 / 確実な債務
相続税法上の債務控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、相続人は日本国内に住所を有する個人であり、債務等は相続により財産を取得した者が負担したものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
相続税の債務控除の対象となるのは、被相続人の死亡時に現に存し、かつ確実と認められる債務および公租公課です。ただし、墓地や墓碑・仏壇など相続税法上非課税とされる財産の取得に係る未払金や債務については、債務控除の対象外と定められています。
解き方
- 相続税法第13条および第14条の規定(債務控除の範囲)を確認する。
- 非課税財産に係る債務の取扱いを確認する(非課税財産を取得するための未払債務は控除不可)。
- 選択肢2は墓碑(非課税財産)の未払金であり、債務控除の対象とならないため適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 被相続人の生前取得に係る不動産取得税は、相続開始後に納税通知書が届いた場合であっても被相続人の確定公租公課として債務控除の対象となります。
- 選択肢 2正解
- 墓所や墓碑など非課税財産の取得に係る未払金は、相続税法第13条第3項の規定により債務控除の対象とならないため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 被相続人の未払医療費を相続人が支払った場合、相続税の債務控除の対象となると同時に、支払った相続人の所得税の医療費控除の対象にもできます。
- 選択肢 4不正解
- 相続開始時点で係争中であり債務の額が確定していない裁判の和解金は、相続開始時に確実と認められる債務ではないため、債務控除の対象となりません。
覚えるポイント
- 墓地や仏壇等の非課税財産の購入に係る未払金は、相続税の債務控除の対象外となります。
間違えやすいところ
- 被相続人の未払医療費は相続税の債務控除と所得税の医療費控除の両方で適用できる点を見落としやすいので注意しましょう。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等(相続税法第13条、第14条)
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配偶者に対する相続税額の軽減
相続・事業承継 · 配偶者の税額軽減 / 法定相続分 / 相続の放棄 / 制限納税義務者
「配偶者に対する相続税額の軽減」に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、仮装・隠蔽財産はなく、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
配偶者の税額軽減は、配偶者が取得した正味の遺産額が「1億6,000万円」または「配偶者の法定相続分相当額」のいずれか多い額までは配偶者に相続税がかからない制度です。この法定相続分相当額の計算においては、相続放棄があった場合でも放棄がなかったものとしての法定相続分を用います。
解き方
- 配偶者の税額軽減の適用要件と控除限度額(1億6,000万円または法定相続分相当額)を確認する。
- 相続放棄があった場合の相続税法上の法定相続分の取扱い(民法上の放棄がなかったものとして計算)を確認する。
- 子が放棄して配偶者が全財産を取得しても法定相続分は2分の1として計算されるため、遺産が1億6,000万円を超える場合は全額無税にはならず、選択肢4が不適切であると判定する。
- 選択肢 1不正解
- 配偶者が制限納税義務者であっても、国内財産を相続により取得していれば配偶者の税額軽減の適用を受けることができます。
- 選択肢 2不正解
- 相続開始時点で法律上の配偶者であれば、その後に姻族関係終了届を提出して姻族関係を終了させた場合でも配偶者の税額軽減は適用されます。
- 選択肢 3不正解
- 相続を放棄した配偶者であっても、みなし相続財産(死亡保険金等)を遺贈により取得した場合には配偶者の税額軽減の適用を受けられます。
- 選択肢 4正解
- 配偶者の税額軽減における法定相続分は相続放棄がなかったものとして計算するため配偶者の法定相続分は2分の1です。遺産総額が1億6,000万円を超える場合に全財産を取得すると配偶者にも税額が発生するため、「多寡にかかわらず算出されない」とする本記述は誤り(不適切)です。
覚えるポイント
- 配偶者の税額軽減の計算における配偶者の法定相続分は、相続の放棄がなかったものとして計算します。
間違えやすいところ
- 子が全員放棄すると配偶者が単独相続人となり法定相続分が100%になると誤解し、いくら取得しても無税になると勘違いしやすい点に注意しましょう。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等(相続税法第19条の2)
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.26(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の物納制度の要件と対象財産
相続・事業承継 · 物納 / 相続時精算課税 / 生前贈与加算 / 物納劣後財産
相続税の物納に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
相続税の物納に充てることができる財産は、納税義務者が「相続または遺贈(みなし相続等を含む)により取得した財産」で国内に所在するものに限られます。贈与によって取得した財産(相続時精算課税適用財産や相続開始前3年以内の加算対象財産)は、相続税の課税価格の計算対象であっても物納財産とはできません。
解き方
- 相続税法第41条に定める物納適格財産の範囲(相続または遺贈により取得した財産)を確認する。
- 相続時精算課税適用財産および生前贈与加算財産の法的性質(生前贈与による取得)を確認する。
- 贈与財産は相続・遺贈による取得財産ではないため物納に充てることができず、選択肢3が不適切であると判定する。
- 選択肢 1不正解
- 物納順位において上場株式は第2順位、物納劣後財産である不動産は第3順位となるため、原則として上場株式を優先して申請することになり適切です。
- 選択肢 2不正解
- 接道義務を満たしていない土地は物納劣後財産とされ、他に充てるべき適当な財産がある場合には物納できませんので適切です。
- 選択肢 3正解
- 相続時精算課税適用財産や生前贈与加算された財産は、贈与により取得した財産であるため物納に充てることはできません。したがって本記述は誤り(不適切)です。
- 選択肢 4不正解
- 物納財産が分割困難である等により収納価額が相続税額を上回る場合は、その超過額が金銭で還付されるため適切です。
覚えるポイント
- 物納に充てることができる財産は「相続または遺贈により取得した財産」のみであり、生前贈与加算財産や相続時精算課税適用財産は物納できません。
間違えやすいところ
- 相続税の課税価格に算入されている財産であれば何でも物納できると誤認し、生前贈与された財産を含めてしまうミスに注意しましょう。
出題の前提:2017年4月1日現在施行の法令等(相続税法第41条第2項)
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.26(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
使用貸借に係る土地の上に存する賃貸建物の敷地評価
相続・事業承継 · 不動産の相続税評価 / 使用貸借 / 貸家建付地
Aさんは平成25年4月に、父親が所有し第三者Bさんに賃貸していた戸建て住宅とその敷地(土地)のうち、戸建て住宅のみ贈与を受け、敷地は父親から使用貸借により借り受けた。その後、平成29年4月に父親が死亡し相続が開始した。父親の相続開始時点における敷地の自用地価額および各種割合が以下の〈資料〉のとおりである場合、父親の相続に係る相続税額の計算上、当該敷地の相続税評価額として最も適切なものはどれか。なお、相続開始時点の借主は引き続きBさんであり、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」は考慮しない。 〈資料〉 ・敷地(土地)の自用地価額:3,000万円 ・借地権割合:60% ・借家権割合:30% ・賃貸割合:100%
解答・解説を表示
解答
3
解説
親族間などで土地を使用貸借している場合、土地に対する借地権の価額はゼロとして扱われます。ただし、その土地上の建物を第三者に賃貸しているときは、建物の借家権によって土地の利用が一定の制約を受けるため、貸家建付地に準じて借地権割合×借家権割合×賃貸割合を自用地価額から控除して評価します。
解き方
- 使用貸借により借り受けた敷地上にある建物を第三者に賃貸している場合の評価方法(貸家建付地に準じた評価)を確認する。
- 控除割合を「借地権割合(60%)×借家権割合(30%)×賃貸割合(100%)=18%」と算出する。
- 敷地の相続税評価額=3,000万円×(1-0.18)=2,460万円を計算する。
- 選択肢 1不正解
- 1,200万円は、自用地価額から借地権割合60%を控除した底地(貸宅地)の評価額(3,000万円×40%)であり、本問のケースには該当しません。
- 選択肢 2不正解
- 1,800万円は、借地権価額(3,000万円×60%)そのものの金額であり、敷地の評価額として誤りです。
- 選択肢 3正解
- 自用地価額3,000万円×(1-60%×30%×100%)=2,460万円となり、適切です。
- 選択肢 4不正解
- 3,000万円は自用地価額です。第三者に賃貸されている建物の敷地であるため借家権による制約を考慮する必要があり、自用地評価とはなりません。
覚えるポイント
- 使用貸借の土地上に賃貸建物がある場合、土地は「自用地価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)」で評価する。
間違えやすいところ
- 使用貸借だから借地権がゼロとなり自用地評価のままになると誤認しやすい点に注意する。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の法令等(財産評価基本通達)
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.27(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
非上場株式等についての相続税の納税猶予の特例
相続・事業承継 · 事業承継税制 / 非上場株式の納税猶予 / 雇用確保要件
平成29年中の相続に係る「非上場株式等についての相続税の納税猶予の特例」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
事業承継税制(非上場株式等の納税猶予制度)では、後継者が事業を継続できるよう税負担を猶予する一方、認定承継会社の雇用を一定水準維持することが義務付けられています。申告期限後5年間の平均常時使用従業員数が相続開始時の80%を下回ると、猶予された税額および利子税の納付が必要になります。
解き方
- 雇用確保要件の計算式(相続開始時の常時使用従業員数×80%)を確認する。
- 4人×80%=3.2人となるが、端数処理規定により1人未満の端数を切り捨てて「3人」となることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 相続税の納税猶予では後継者の年齢要件(20歳以上)は設けられておらず(贈与税の猶予にはあり)、代表権は相続開始日の翌日から5か月以内ではなく、相続税の申告期限において認定承継会社の代表権を有している必要があります。
- 選択肢 2不正解
- 平成29年時点の一般措置において、相続税の納税猶予の対象となる株式数は発行済議決権株式総数の最大3分の2までであり、猶予割合はその株式に対応する相続税額の80%です。100%全額が猶予されるわけではありません。
- 選択肢 3不正解
- 認定が取り消された場合、納税猶予されていた相続税額の全額と利子税を納付しなければならず、相続時精算課税を適用して納付税額を減少させる制度はありません。
- 選択肢 4正解
- 雇用確保要件は相続開始時の常時使用従業員数の80%以上を5年平均で維持することであり、4人×80%=3.2人となりますが、1人未満の端数は切り捨てるため3人以上を維持すれば足ります。
覚えるポイント
- 雇用確保要件は5年間平均で相続開始時の80%以上、計算した結果生じる1人未満の端数は切り捨てる。
間違えやすいところ
- 3.2人の端数を四捨五入や切り上げと勘違いして「4人以上」と誤答しやすい。
出題の前提:平成29年4月1日現在施行の法令等(租税特別措置法第70条の7の2)
出典:金融財政事情研究会『2017年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.27(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2017年9月 1級 学科(基礎編)
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2017年9月 1級 学科(基礎編)の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

