日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2016年9月 1級 学科(応用編)の概要
雇用保険の一般教育訓練給付金
ライフプランニングと資金計画 · 雇用保険 / 一般教育訓練給付金
長女Cさんが雇用保険の一般教育訓練給付金を利用して資格取得を検討しているケースにおいて、次の文中の空欄①~⑤に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。 「長女Cさんが、過去に雇用保険法の教育訓練給付金の支給を受けたことがなく、かつ、在職中に( ① )が指定する一般教育訓練を受講し、修了した場合、長女Cさんは、一般教育訓練給付金を受給することができます。ただし、一般教育訓練給付金を受給するためには、原則として、当該教育訓練を修了した日の翌日から( ② )以内に請求手続を行う必要があります。 なお、長女Cさんが、過去に教育訓練給付金の支給を受けたことがある場合、その給付金に係る教育訓練を開始した日前の被保険者期間を除いて算定した被保険者期間(支給要件期間)が( ③ )年以上必要となりますので注意してください。 一般教育訓練給付金の額は、原則として、教育訓練施設に支払った教育訓練経費(入学料および受講料)の( ④ )%相当額です。ただし、その額が4,000円を超えない場合は給付金が支給されず、( ⑤ )万円を超える場合は( ⑤ )万円が支給されます」
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解答
① 厚生労働大臣 ② 1カ月(1か月) ③ 3 ④ 20 ⑤ 10
解説
雇用保険の一般教育訓練給付金は、労働者の主体的な能力開発の取り組みを支援し、雇用の安定と再就職の促進を図るための給付制度です。厚生労働大臣の指定講座を受講修了した場合に、支払った経費の一定割合(上限あり)が支給されます。
解き方
- 教育訓練給付金の指定主体が「厚生労働大臣」であること、修了翌日から「1カ月以内」に申請手続が必要であることを確認する。
- 支給要件期間について、初回受給は1年以上、2回目以降は「3年以上」必要であるルールを適用する。
- 支給額の算定基準が教育訓練経費の「20%相当額」、上限額が「10万円(下限4,000円超)」であることを確認して数値を埋める。
答えの内訳
- ①:厚生労働大臣
- 一般教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練講座は、厚生労働大臣が指定したものに限られます。
- ②:1カ月(1か月)
- 一般教育訓練給付金の支給申請手続は、原則として受講修了日の翌日から起算して1カ月以内にハローワークに行う必要があります。
- ③:3
- 過去に教育訓練給付金を受給したことがある場合、前回の受給に係る講座の受講開始日前を除いた支給要件期間が3年以上必要となります(初回受給の場合は1年以上)。
- ④:20
- 一般教育訓練給付金の支給額は、教育訓練施設に支払った教育訓練経費(入学料および受講料)の20%相当額です。
- ⑤:10
- 支給額の上限は10万円と定められており、算出された額が10万円を超える場合は10万円が支給されます。また、4,000円を超えない場合は支給されません。
覚えるポイント
- 一般教育訓練給付金の支給率は経費の20%、上限額は10万円(4,000円以下は不支給)。
- 支給申請期限は修了日の翌日から起算して1カ月以内。
- 支給要件期間は初回は1年以上、過去に受給がある場合は前回の受講開始日以降で3年以上。
間違えやすいところ
- 専門実践教育訓練給付金(最大70%等の給付)の要件や申請期限(原則1カ月前までの事前申請等)と混同しないように注意する。
- 支給申請の期限を「2年」などの時効期間と取り違えずに「1カ月」と正確に押さえる。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の雇用保険法等の法令に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金の遺族給付(死亡一時金・特別支給の老齢厚生年金)
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金 / 死亡一時金 / 厚生年金保険 / 特別支給の老齢厚生年金
公的年金制度の遺族給付に関する次の文章の空欄①~④に入る最も適切な数値を答えなさい。 「仮に、Aさんが現時点(平成28年9月11日)で亡くなった場合、妻Bさんは、所定の手続により、国民年金の死亡一時金を受給することができます。 なお、Aさんの国民年金の第1号被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数が( ① )月以上180月未満であり、かつ、付加保険料納付済期間が( ② )年以上あるため、死亡一時金の額は、12万円に( ③ )円が加算された額となります。 また、妻Bさんは、所定の手続により、死亡一時金のほかに遺族厚生年金を受給することができます。ただし、遺族厚生年金を受給している妻Bさんが、特別支給の老齢厚生年金の受給権を法定の支給開始年齢である( ④ )歳到達時に取得した場合には、特別支給の老齢厚生年金と遺族厚生年金のいずれか1つを選択することになります」
解答・解説を表示
解答
① 36 ② 3 ③ 8,500 ④ 64
解説
死亡一時金は、国民年金第1号被保険者として保険料を36月以上納めた者が老齢基礎年金・障害基礎年金を受給せずに死亡し、その遺族が遺族基礎年金を受給できない場合に支給されます。また、65歳未満の特別支給の老齢厚生年金と遺族厚生年金は1人1年金の原則により併給できず、どちらかを選択します。
解き方
- 死亡一時金の法定区分を確認し、12万円が支給される最短の納付月数区分「36月以上180月未満」から①を「36」とする。
- 付加保険料加算の要件である「付加保険料納付済期間が3年以上」および加算額「8,500円」から、②を「3」、③を「8,500」とする。
- 妻Bさん(昭和39年10月15日生まれ・女性)の生年月日に基づき、特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢スケジュール(女性:昭和39年4月2日〜昭和41年4月1日生まれ=64歳)から④を「64」とする。
答えの内訳
- ①:36
- 国民年金の死亡一時金の受給要件は、第1号被保険者としての保険料納付済期間の月数(免除承認月数に応じた換算含む)が合算して36月以上あることです。最低支給区分の月数は36月以上180月未満で、基準額は12万円となります。
- ②:3
- 付加保険料納付済期間が3年(36月)以上あるときは、死亡一時金の所定の金額に一律で8,500円が加算されます。
- ③:8,500
- 付加保険料納付済期間が3年以上ある場合に死亡一時金へ加算される金額は8,500円です。
- ④:64
- 昭和39年10月15日生まれの女性である妻Bさんの特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢は64歳です。65歳未満の間は遺族給付と老齢給付の併給ができないため、いずれか1つを選択することになります。
覚えるポイント
- 死亡一時金の支給要件:第1号被保険者期間の保険料納付済月数が36月以上。
- 付加保険料納付済期間が3年(36月)以上ある場合の死亡一時金加算額は8,500円。
- 女性の特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢は、男性より5年遅れのスケジュールで進行する(昭和39年4月2日〜昭和41年4月1日生まれは64歳)。
間違えやすいところ
- 付加年金の加算額(納付月数×200円)の計算式と、死亡一時金への付加加算額(一律8,500円)を混同しないようにする。
- 女性の支給開始年齢について男性のスケジュール(昭和39年生は特別支給なし)と取り違えないように注意する。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の国民年金法・厚生年金保険法等の法令に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配偶者の65歳以降における遺族厚生年金の受給額計算
年金・社会保険 · 遺族厚生年金 / 併給調整 / 先発受給
個人事業主Aさん(53歳、公的年金加入期間:厚生年金210月、国年1号156月、学生時代の合算対象期間34月)が現時点で死亡し、妻Bさん(51歳)が65歳以降に受給する遺族厚生年金について、以下の条件および計算式(平成28年度価額・本来水準)に基づいて、①遺族厚生年金の基本年金額(支給停止前)と②実際に支給される額(支給停止後)を求めなさい。年金額の端数処理は円未満四捨五入とすること。 〈条件〉 (1)Aさんに関する条件: ・総報酬制導入前(平成15年3月以前)の被保険者期間:204月、平均標準報酬月額:280,000円 ・総報酬制導入後(平成15年4月以後)の被保険者期間:6月、平均標準報酬額:402,000円 (2)妻Bさんに関する条件(65歳到達時点の見込額): ・老齢厚生年金の基本年金額(報酬比例部分+経過的加算):246,364円 ・給付乗率(新乗率):総報酬制導入前 7.125/1,000、導入後 5.481/1,000
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解答
① 333,282円、② 86,918円
解説
65歳以上の配偶者に支給される遺族厚生年金の基本年金額は、「亡くなった配偶者の報酬比例部分の4分の3」と「亡くなった配偶者の報酬比例部分の2分の1と自身の報酬比例部分の2分の1の合算額」のいずれか高い方となります。さらに受給時は自身の老齢厚生年金が優先支給され、遺族厚生年金はその差額のみが支給されます。
解き方
- Aさんの厚生年金被保険者期間から報酬比例部分の額を計算する。
- 遺族厚生年金の2つの算定方式(配偶者の4分の3、または双方の2分の1ずつの合算)を算出して比較し、高い方を基本年金額とする。
- 基本年金額から妻Bさん自身の老齢厚生年金の額を控除して、実際の支給額を算出する。
答えの内訳
- ①:333,282円
- Aさんの死亡は長期要件(合算対象期間を含め受給資格期間25年以上)を満たしているため実月数で計算します。Aさんの老齢厚生年金の報酬比例部分の額は、280,000円×(7.125/1,000)×204月+402,000円×(5.481/1,000)×6月=406,980円+13,219.176円=420,199.176円です。(ⅰ)死亡した配偶者の報酬比例部分の4分の3相当額=420,199.176円×3/4=315,149.382円。(ⅱ)配偶者の報酬比例部分の2分の1+自身の報酬比例部分の2分の1=420,199.176円×1/2+246,364円×1/2=210,099.588円+123,182円=333,281.588円。(ⅰ)と(ⅱ)のいずれか高い額となるため、333,281.588円の円未満を四捨五入して333,282円となります。
- ②:86,918円
- 65歳以上の配偶者が受給する遺族厚生年金は、自身の老齢厚生年金が全額支給され、遺族厚生年金は自身の老齢厚生年金(報酬比例部分)の額を超える部分のみが支給されます(先発受給方式)。したがって、実際に支給される遺族厚生年金額は、333,282円-246,364円=86,918円(または端数処理前より333,281.588円-246,364円=86,917.588円を四捨五入して86,918円)となります。
覚えるポイント
- 65歳以降の配偶者の遺族厚生年金は「夫の4分の3」と「夫の2分の1+妻の2分の1」の有利選択となる。
- 65歳以降は自身の老齢厚生年金が全額支給され、遺族厚生年金はそれを超える差額分のみが支給される。
間違えやすいところ
- Aさんは死亡時に厚生年金被保険者ではなく長期要件となるため、300月みなしの最低保障は適用されない点に注意する。
- 自身の老齢厚生年金が支給停止されるのではなく、遺族厚生年金側が自身の老齢厚生年金額相当分だけ支給停止となる関係を取り違えないようにする。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の法令等(平成28年度価額・本来水準)
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
財務データに基づく経営指標(ROA・回転率・ICR・成長率)の算出
金融資産運用 · 財務分析 / 総資産経常利益率 / 総資産回転率 / インタレスト・カバレッジ・レシオ / サステナブル成長率
設例の〈財務データ〉に基づき、説明文中にある空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。なお、計算結果は小数点以下第3位を四捨五入すること。 Ⅰ 総資産経常利益率ではX社の値が約( ① )%、総資産回転率についてはX社の値が約( ② )回である。 Ⅱ インタレスト・カバレッジ・レシオで比較すると、Y社の値が約( ③ )倍である。 Ⅲ 「ROE×(1-配当性向)」の算式で算出される( ④ )は、内部留保と利益率をベースに今後の成長率を予測する指標である。
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解答
① 7.74、② 1.18、③ 47.67、④ サステナブル成長率(または内部成長率)
解説
企業の収益性指標(ROA)は「売上高経常利益率×総資産回転率」に分解できます。また、財務的安全性を測るインタレスト・カバレッジ・レシオは金融費用の支払能力を示し、サステナブル成長率は自己資本と内部留保のみで達成可能な成長率を表します。
解き方
- X社の経常利益と総資産から総資産経常利益率を計算し、端数処理を行う。
- X社の売上高と総資産から総資産回転率を計算し、端数処理を行う。
- Y社の営業利益、受取利息・配当金(事業利益)を支払利息で除してインタレスト・カバレッジ・レシオを求める。
- ROEと内部留保割合から算出される将来の成長予測指標の名称を特定する。
答えの内訳
- ①:7.74
- 総資産経常利益率(ROA)=経常利益÷総資産×100=209,000百万円÷2,700,000百万円×100≒7.7407…%より、小数点以下第3位を四捨五入して7.74%となります。
- ②:1.18
- 総資産回転率=売上高÷総資産=3,180,000百万円÷2,700,000百万円≒1.1777…回より、小数点以下第3位を四捨五入して1.18回となります。
- ③:47.67
- インタレスト・カバレッジ・レシオ=(営業利益+受取利息+受取配当金)÷支払利息等=(80,000+4,600+1,200)÷1,800=85,800÷1,800=47.666…倍より、小数点以下第3位を四捨五入して47.67倍となります。
- ④:サステナブル成長率(または内部成長率)
- 外部からの資金調達を行わずに企業が維持できる理論上の成長率を示す指標であり、「ROE×(1-配当性向)」または「ROE×内部留保率」によって算出される指標はサステナブル成長率(内部成長率)と呼ばれます。
覚えるポイント
- インタレスト・カバレッジ・レシオの分子は「営業利益+受取利息・受取配当金」、分母は「支払利息・社債利息」である。
- サステナブル成長率=ROE×(1-配当性向)=ROE×内部留保率。
間違えやすいところ
- インタレスト・カバレッジ・レシオの分子に営業外収益全体を足してしまったり、受取利息・配当金の加算を忘れたりしないようにする。
- 総資産回転率の単位は「回」であり、百分率(%)と混同しないようにする。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損益分岐点比率の計算
金融資産運用 · 損益分岐点比率 / CVP分析 / 財務分析
《設例》の〈財務データ〉に基づいて、X社の損益分岐点比率を求めなさい。〔計算過程〕を示し、計算過程においては端数処理をせず、〈答〉について表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。なお、変動費は売上原価に等しく、固定費は販売費及び一般管理費に等しいものとする。
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解答
77.37%
解説
損益分岐点売上高とは利益がゼロとなる売上高のことで、固定費を限界利益率(限界利益÷売上高)で除して求められます。損益分岐点比率は現在の売上高に対する損益分岐点売上高の割合であり、値が低いほど売上減少に対する耐性が高く安全性が高いと判断されます。
解き方
- 売上高と売上総利益の差額から売上原価(変動費)を求め、売上総利益と営業利益の差額から販売費及び一般管理費(固定費)を算出します。
- 固定費÷限界利益(または固定費÷限界利益率÷売上高)を計算し、100を乗じて小数点以下第3位を四捨五入します。
覚えるポイント
- 損益分岐点比率=損益分岐点売上高÷売上高×100=固定費÷限界利益×100
- 限界利益=売上高-変動費=売上総利益(変動費が売上原価と等しい場合)
間違えやすいところ
- 変動費と固定費の金額を算出する際に、営業外費用などを混同して含めてしまわないように注意が必要です。
- 損益分岐点比率は「固定費÷限界利益×100」で簡潔に計算できますが、分子と分母の組み合わせを取り違えやすいため注意が必要です。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
上場株式等の配当・譲渡に係る課税関係
金融資産運用 · 上場株式の配当課税 / 上場株式の譲渡所得 / 損益通算 / 確定申告不要制度
上場株式の配当や譲渡に係る税金について説明した文章ⅠおよびⅡの下線部①~③のうち、最も不適切なものをそれぞれ1つ選び、その適切な内容について簡潔に説明しなさい。なお、本問において上場株式は一般口座で管理されているものとする。
解答・解説を表示
解答
Ⅰ:③、Ⅱ:②
解説
上場株式等の配当所得は確定申告不要制度を選択できるほか、申告する場合には総合課税(配当控除あり)か申告分離課税(上場株式等の譲渡損失と損益通算可能)を選択します。また、平成28年1月より金融所得課税の一体化により、株式等は上場株式等と一般株式等(非上場株式等)に区分され、両グループ間での損益通算は認められなくなりました。
解き方
- 文章Ⅰについて、上場株式の配当を確定申告する際は年間の申告対象全額について総合課税か申告分離課税のいずれか一方を選択する必要がある点を確認し、誤りを特定します。
- 文章Ⅱについて、平成28年1月以降の改正により上場株式等の譲渡損失と非上場株式等に係る所得との損益通算ができなくなった点を確認し、誤りを特定して適切な内容を記述します。
答えの内訳
- Ⅰ:不適切なもの:③
- 配当所得について確定申告をする場合、申告する配当等の全額について総合課税または申告分離課税のいずれか一方を選択しなければならず、1回に支払を受ける配当の金額ごとに総合課税と申告分離課税を選択することはできません。
- Ⅱ:不適切なもの:②
- 平成28年1月以後の税制において、上場株式等の譲渡損失の金額は非上場株式(一般株式等)に係る譲渡所得等の金額と損益通算することはできず、申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得や特定公社債等の利子所得・譲渡所得等と損益通算することができます。
覚えるポイント
- 確定申告不要制度は1回に支払を受ける配当ごとに選択可能だが、確定申告する場合は全額を総合課税または申告分離課税のいずれかに統一しなければならない。
- 上場株式等と一般株式等(非上場株式等)は区分され、相互の損益通算や繰越控除はできない。
間違えやすいところ
- 配当の確定申告不要制度(1回ごと選択可能)と確定申告時の課税方法の選択(総合課税か申告分離課税かの統一適用)のルールを混同しないように整理が必要です。
- 平成28年1月からの金融所得課税一体化により、特定公社債等と上場株式等は通算可能になった一方で、非上場株式等とは通算不可となった改正点を見落としやすいです。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税の所得金額の計算(略式別表四)
タックスプランニング · 法人税申告書別表四 / 交際費等の損金不算入 / 減価償却超過額 / 役員給与の損金不算入
製造業を営むX株式会社(資本金5,000万円、青色申告法人、中小企業者等)の平成29年3月期の法人税確定申告に係る資料に基づき、〈略式別表四(所得の金額の計算に関する明細書)〉の空欄①~⑦に入る適切な数値を求めなさい。
解答・解説を表示
解答
① 7,760,000 ② 394,000 ③ 10,000,000 ④ 10,600,000 ⑤ 1,200,000 ⑥ 15,315 ⑦ 27,200,000
解説
法人税法上の所得金額は、企業会計の当期純利益を基礎として、税務上の益金算入・損金不算入項目を加算し、益金不算入・損金算入(認容)項目を減算する申告調整(別表四)を行って算出します。
解き方
- 損金経理した納税充当金、減価償却超過額、役員からの高額買入れに伴う役員給与不算入額、交際費等の損金不算入額をそれぞれ算出して加算項目を整理する。
- 前期繰越償却超過額の当期認容額および損金算入される事業税等の減算項目を計算し、源泉所得税等を加味して最終的な所得金額を算出する。
答えの内訳
- ①:7,760,000
- 損金経理をした納税充当金は、当期確定申告分の見積納税額である7,760千円(7,760,000円)を加算します。
- ②:394,000
- 建物の減価償却費3,300千円から償却限度額2,906千円を控除した償却超過額394千円(394,000円)を加算します。
- ③:10,000,000
- 代表取締役Aさんから買い取った土地の譲受対価40,000千円と時価30,000千円との差額10,000千円(10,000,000円)は役員に対する経済的利益(臨時的な役員給与)とみなされ、損金不算入として加算します。
- ④:10,600,000
- 1人当たり5,000円以下の飲食費500千円は交際費等から除外されるため、税法上の交際費等の額は19,600千円(20,100千円-500千円)となります。中小法人における損金不算入額は、①定額控除限度額(年800万円)を選択した場合の11,600千円(19,600千円-8,000千円)と、②接待飲食費の50%損金算入を選択した場合の10,600千円(19,600千円-18,000千円×50%)のいずれか有利な方(損金不算入額が少なくなる方)を選択するため、10,600千円(10,600,000円)となります。
- ⑤:1,200,000
- 工具器具備品の償却限度額7,700千円から当期減価償却費6,400千円を引いた償却不足額は1,300千円です。前期からの繰越償却超過額1,200千円は償却不足額の範囲内であるため、全額の1,200千円(1,200,000円)が当期認容額として減算されます。
- ⑥:15,315
- 預金利子から源泉徴収された所得税額15千円(15,000円)と復興特別所得税額315円の合計額である15,315円を加算します。
- ⑦:27,200,000
- 当期利益2,510,685円に加算項目計28,754,000円(①7,760,000+②394,000+③10,000,000+④10,600,000)を加え、小計31,264,685円。ここから減算項目計4,080,000円(⑤1,200,000+事業税等2,880,000)を減算して仮計27,184,685円。これに⑥15,315円を加算した合計27,200,000円が所得金額となります。
覚えるポイント
- 1人当たり5,000円以下の飲食費(社内飲食費を除く所定の要件を満たすもの)は交際費等から除外される。
- 役員から時価より著しく高い価額で資産を買い入れた場合、時価を超える部分は役員給与(賞与)として損金不算入となる。
間違えやすいところ
- 交際費等の損金不算入額の計算において、中小法人では「定額控除限度額800万円」と「接待飲食費の50%損金算入」の有利選択ができる点を見落とし、定額800万円控除のみで計算してしまう。
- 別表四の加算項目「法人税額から控除される所得税額及び復興特別所得税額」に復興特別所得税額(315円)を含め忘れてしまう。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税額の計算(中小法人の軽減税率・税額控除)
タックスプランニング · 法人税額の計算 / 所得拡大促進税制 / 所得税額控除
前問《問57》を踏まえ、X社が当期の確定申告により納付すべき法人税額を求めなさい。計算過程を示し、答は100円未満を切り捨てて円単位で解答すること。
解答・解説を表示
解答
5,277,800円
解説
期末資本金1億円以下の中小法人は、年800万円以下の所得金額に対して15%の軽減税率が適用されます。算出税額から各種特別控除(所得拡大促進税制等)および所得税額控除を差し引いて納付税額を計算します。なお、復興特別所得税額は法人税額ではなく地方法人税額から控除します。
解き方
- 所得金額2,720万円を年800万円以下の部分と超の部分に区分し、それぞれの税率(15%・23.4%)を乗じて算出法人税額を計算する。
- 所得拡大促進税制による税額控除額(増加額の10%、当期法人税額の20%限度)および所得税額控除(所得税額15,000円のみ)を差し引いて納付すべき法人税額を算出する。
覚えるポイント
- 所得拡大促進税制の税額控除限度額は、当期の調整前法人税額の20%(中小企業者等)である。
- 源泉徴収された所得税額と復興特別所得税額のうち、法人税額から控除するのは「所得税額」のみであり、「復興特別所得税額」は地方法人税額から控除する。
間違えやすいところ
- 所得税額控除において、復興特別所得税額(315円)まで法人税額から控除してしまい、計算結果を誤る。
- 中小企業者等の軽減税率適用限度額である年800万円を所得全体から控除せず、全額に本則税率(23.4%)を適用してしまう。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得拡大促進税制および雇用促進税制
タックスプランニング · 所得拡大促進税制 / 雇用促進税制 / 法人税の特別控除 / 重複適用の制限
「雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除」(所得拡大促進税制)および「特定の地域において雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除」(雇用促進税制)に関する以下の文章Ⅰ~Ⅲの下線部①~③のうち、最も不適切なものをそれぞれ1つ選び、その適切な内容について簡潔に説明しなさい。なお、平成28年4月1日以後に開始する事業年度とし、地方拠点強化税制による拡充措置は考慮しないものとする。 〈所得拡大促進税制〉 Ⅰ 「所得拡大促進税制の適用対象法人は、青色申告法人であり、①雇用者給与等支給額が基準雇用者給与等支給額と比較して5%以上(中小企業者等については3%以上)増加していること、雇用者給与等支給額が前事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額以上であること、②平均給与等支給額(継続雇用者1人当たりの月平均給与額)が前事業年度の平均給与等支給額を超えていることなどの要件を満たした法人である。 なお、平均給与等支給額の算定における③継続雇用者に対する給与等とは、国内雇用者に対する給与等のうち、雇用保険法に規定する一般被保険者に対して支給したものに限られる」 〈雇用促進税制〉 Ⅱ 「雇用促進税制の適用対象法人は、青色申告法人であり、①適用年度終了の日における雇用者の数から適用年度開始の日の前日における雇用者の数を減算した数(基準雇用者数)が5人以上(中小企業者等については2人以上)であること、②基準雇用者数を適用年度開始の日の前日における雇用者の数で除した数(基準雇用者割合)が5%以上であること、適用年度における給与等支給額が比較給与等支給額以上であること、適用年度およびその前事業年度に事業主都合による離職者がいないことなどの要件を満たした法人である。 なお、雇用促進税制の適用を受けるためには、原則として、③適用年度開始後2カ月以内に納税地を管轄する公共職業安定所に雇用促進計画を提出する必要がある」 Ⅲ 「雇用促進税制による税額控除限度額は、地域雇用開発促進法に規定する同意雇用開発促進地域内に所在する事業所において、①新たに雇い入れた正規労働者および短時間労働者(雇用保険の一般被保険者に限る)の増加数に40万円を乗じた金額になる。ただし、②適用年度の法人税額の10%相当額(中小企業者等については20%相当額)が限度となる。 なお、雇用促進税制と所得拡大促進税制は、③所定の要件を満たせば、同一事業年度において重複して適用を受けることができる」
解答・解説を表示
解答
Ⅰ:①(雇用者給与等支給額の基準事業年度からの増加割合は、法人の規模にかかわらず一律3%以上である) Ⅱ:②(基準雇用者割合の要件は、5%以上ではなく10%以上である) Ⅲ:③(雇用促進税制と所得拡大促進税制は、同一事業年度において重複して適用を受けることはできず、選択適用となる)
解説
法人税における税額控除制度である所得拡大促進税制と雇用促進税制は、いずれも雇用の維持・拡大や給与の増加を後押しする政策税制です。要件として求められる増加割合などの具体的基準を正確に押さえるとともに、双方の制度間に重複適用の排除規定(選択適用)が設けられている点に留意する必要があります。
解き方
- 文章Ⅰ・Ⅱの各適用要件(給与増加割合、雇用者増加割合、手続き要件など)の数値と基準を法令に照らして正誤判定する。
- 文章Ⅲの税額控除額の計算および他の租税特別措置法上の特例(所得拡大促進税制)との重複適用の可否を確認して不適切な記述を特定する。
答えの内訳
- Ⅰ:①
- 平成28年4月1日以後に開始する事業年度における所得拡大促進税制の基準事業年度比の増加割合要件は、法人の規模にかかわらず一律3%以上とされています。
- Ⅱ:②
- 雇用促進税制の適用要件における基準雇用者割合は、適用年度開始の日の前日における雇用者数に対して10%以上であることが必要です。
- Ⅲ:③
- 雇用促進税制と所得拡大促進税制は重複適用が認められておらず、同一事業年度においてはどちらか一方を選択して適用することになります。
覚えるポイント
- 所得拡大促進税制と雇用促進税制は同一事業年度において選択適用(重複適用不可)である。
- 雇用促進税制の基準雇用者割合要件は10%以上(雇用者数は5人以上、中小企業等は2人以上)である。
間違えやすいところ
- 所得拡大促進税制の基準事業年度比の増加率は年度の税制改正により段階的に設定されており、中小企業特例と混同しやすい。
- 政策促進税制の重複適用が可能であると誤認しやすい。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の法令等(租税特別措置法第42条の12、第42条の12の4等)
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例および空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例
不動産 · 住宅用地の課税標準の特例 / 固定資産税 / 空き家に係る譲渡所得の特別控除 / 3000万円特別控除
「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」および「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」に関する以下の文章の空欄①~⑥に入る最も適切な語句または数値を記入しなさい。 Ⅰ 「住宅用地については、固定資産税の負担を軽減する目的から、『住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例』(以下、「本特例」という)が設けられている。賦課期日現在において、もっぱら人の居住の用に供する家屋(専用住宅)の敷地の用に供されている土地の場合、当該土地の面積のうち、当該専用住宅の総床面積の( ① )倍までの部分が本特例の対象となる。 本特例の適用を受けた住宅用地に係る固定資産税の課税標準は、住宅1戸につき( ② )㎡までの部分(小規模住宅用地)について課税標準となるべき価格の6分の1の額となり、残りの部分について課税標準となるべき価格の( ③ )の額となる。 ただし、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態にあると認められ、周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置の勧告の対象となった空き家等(特定空き家等)に係る土地については、本特例の対象から除外される」 Ⅱ 「平成28年度税制改正により、『空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例』(以下、「本特例」という)が創設された。被相続人居住用家屋やその敷地等を譲渡した場合、本特例の適用を受けることにより、譲渡所得の金額の計算上、特別控除を受けることができる。 本特例の適用を受けるためには、相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋やその敷地等を当該相続の開始があった日以後( ④ )年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡し、当該譲渡の対価の額が( ⑤ )円以下でなければならない。 本特例の対象となる被相続人居住用家屋とは、相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた、昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有建築物を除く)であって、当該相続の開始の直前において当該被相続人以外に居住をしていた者がいなかったものである。また、被相続人居住用家屋を譲渡する場合、当該家屋は、当該相続の時から当該譲渡の時まで事業の用、貸付けの用または居住の用に供されていたことがなく、当該譲渡の時において現行の( ⑥ )基準に適合するものでなければならない。 なお、本特例と『相続財産に係る譲渡所得の課税の特例』(相続税の取得費加算の特例)は、重複して適用を受けることができない」
解答・解説を表示
解答
① 10 ② 200 ③ 3分の1(1/3) ④ 3 ⑤ 1億(または 100,000,000) ⑥ 耐震
解説
住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例では、住宅敷地の負担軽減のため200㎡以下の小規模住宅用地は6分の1、一般住宅用地は3分の1に軽減されます。また、相続した空き家の発生を抑制するための譲渡所得の3,000万円特別控除では、旧耐震基準(昭和56年5月31日以前建築)の一戸建てについて、耐震改修または取壊しを前提として譲渡期限・対価要件(1億円以下)を満たす場合に適用されます。
解き方
- 文章Ⅰから住宅用地の固定資産税課税標準の特例における面積上限倍率(10倍)、小規模住宅用地の面積区分(200㎡)、一般住宅用地の課税標準率(1/3)を特定する。
- 文章Ⅱから空き家の譲渡所得特別控除の要件である譲渡期限(相続開始後3年を経過する日の属する年の12月31日)、譲渡対価の上限額(1億円)、建物要件(耐震基準への適合)を特定する。
答えの内訳
- ①:10
- 専用住宅の敷地の用に供されている土地の場合、住宅用地の特例の対象となる面積は家屋の総床面積の10倍までです。
- ②:200
- 小規模住宅用地とは、住宅1戸あたり200㎡以下の部分を指します。
- ③:3分の1
- 200㎡を超える一般住宅用地部分に対する固定資産税の課税標準は、価格の3分の1(1/3)となります。
- ④:3
- 空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除の適用を受けるには、相続開始があった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡する必要があります。
- ⑤:1億
- 売却代金(譲渡の対価の額)の合計額が1億円以下であることが本特例の適用要件です。
- ⑥:耐震
- 家屋を取り壊さずに家屋付きで譲渡する場合、譲渡時において現行の新耐震基準に適合していることが要件とされています。
覚えるポイント
- 固定資産税の小規模住宅用地(200㎡以下)の課税標準は6分の1、一般住宅用地(200㎡超)は3分の1。
- 空き家譲渡特例は「相続日から3年経過日の属する年の12月31日まで」「譲渡対価1億円以下」「新耐震基準適合または取壊し後の敷地譲渡」が要件。
間違えやすいところ
- 小規模住宅用地の課税標準割合(6分の1)と都市計画税の軽減(3分の1)を混同しやすい。
- 空き家特例の譲渡期限を「3年以内」と単純に記憶せず、「3年を経過する日の属する年の12月31日まで」と正確に把握する必要がある。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の法令等(地方税法第349条の3の2、租税特別措置法第35条第3項等)
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
耐火建築物を建築する場合の建ぺい率および容積率の限度面積
不動産 · 建築基準法 / 建ぺい率の緩和 / 容積率の計算 / 異なる用途地域にわたる敷地
甲土地(敷地面積200㎡、第一種中高層住居専用地域40㎡・近隣商業地域160㎡)と乙土地(敷地面積100㎡、第一種中高層住居専用地域20㎡・近隣商業地域80㎡)を一体とした敷地(合計300㎡)に耐火建築物を建築する場合における、建ぺい率の上限となる建築面積および容積率の上限となる延べ面積を求めなさい。 〈条件〉 ・甲土地と乙土地を一体とした土地は、南側が幅員5m市道、東側が幅員6m市道に接し、特定行政庁が指定する角地である。 ・第一種中高層住居専用地域:準防火地域、指定建ぺい率60%、指定容積率200%、前面道路の幅員による乗数4/10 ・近隣商業地域:準防火地域、指定建ぺい率80%、指定容積率400%、前面道路の幅員による乗数6/10
解答・解説を表示
解答
① 258㎡ ② 984㎡
解説
建築基準法において、異なる用途地域にわたる敷地の建ぺい率および容積率は、各地域の適用制限にその敷地面積を乗じた按分加重平均(面積ごとの上限値の合算)により算出します。また、前面道路が2つ以上ある敷地では、最も広い道路幅員を適用して容積率制限を算定します。
解き方
- 一体敷地の各地域ごとの面積を算出する(第一種中高層住居専用地域:40+20=60㎡、近隣商業地域:160+80=240㎡)。
- 建ぺい率の角地緩和(+10%)を適用し、各地域の上限建築面積を求めて合算する(60㎡×70%+240㎡×90%=258㎡)。
- 前面道路幅員として広い方の6mを用い、各地域における道路幅員制限と指定容積率を比較して基準容積率を決定する。
- 決定した基準容積率に基づき、各地域の延べ面積の上限を求めて合算する(60㎡×200%+240㎡×360%=984㎡)。
小問ごとの答え
- 小問 ①:258㎡
- 一体敷地全体の面積は300㎡であり、特定行政庁が指定する角地に該当するため建ぺい率が10%緩和されます(なお、本試験の法令基準日時点において準防火地域内の耐火建築物に対する建ぺい率緩和はありません)。 ・第一種中高層住居専用地域(敷地面積60㎡):適用建ぺい率は60%+10%=70%となり、建築面積の上限は 60㎡×70%=42㎡ です。 ・近隣商業地域(敷地面積240㎡):適用建ぺい率は80%+10%=90%となり、建築面積の上限は 240㎡×90%=216㎡ です。 したがって、敷地全体における建ぺい率の上限となる建築面積は、42㎡+216㎡=258㎡ となります。
- 小問 ②:984㎡
- 敷地が2つの道路に接している場合、広い方の幅員(6m)を前面道路の幅員として計算します。 ・第一種中高層住居専用地域(敷地面積60㎡):道路幅員による容積率制限は 6m×4/10=240% となり、指定容積率200%より大きいため基準容積率は200%となります。延べ面積の上限は 60㎡×200%=120㎡ です。 ・近隣商業地域(敷地面積240㎡):道路幅員による容積率制限は 6m×6/10=360% となり、指定容積率400%より小さいため基準容積率は360%となります。延べ面積の上限は 240㎡×360%=864㎡ です。 したがって、敷地全体における容積率の上限となる延べ面積は、120㎡+864㎡=984㎡ となります。
覚えるポイント
- 異なる用途地域にまたがる敷地の建築面積・延べ面積の上限は、各地域ごとに算出して合計する。
- 2つ以上の前面道路に接している敷地では、最も広い道路幅員を採用して容積率の道路幅員制限を判定する。
間違えやすいところ
- 2016年試験当時の基準では準防火地域内の耐火建築物緩和(+10%)は創設されていないため、近隣商業地域の建ぺい率を100%と誤認しないこと。
- 狭い方の道路幅員(5m)を用いて容積率の制限を計算してしまう誤りに注意する。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の建築基準法第52条、第53条に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
空き家の3,000万円特別控除および取得費加算の特例に基づく譲渡所得・税額の計算
タックスプランニング · 譲渡所得 / 空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例 / 相続財産に係る譲渡所得の課税の特例 / 長期譲渡所得の税額計算
Aさんが相続した家屋を取り壊し、その敷地である甲土地を譲渡した場合における課税長期譲渡所得金額および所得税・復興特別所得税・住民税の合計額を計算しなさい。 〈条件〉 ・甲土地の譲渡価額:3,800万円、所有期間:50年、取得費:不明、譲渡費用:210万円 ・甲土地の相続税評価額:2,400万円、乙土地の相続税評価額:1,200万円 ・Aさんの相続税の課税価格:9,600万円(債務控除400万円控除後) ・Aさんが納付した相続税額:1,100万円 ① 「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」適用時の課税長期譲渡所得金額 ② 「相続財産に係る譲渡所得の課税の特例」(取得費加算の特例)適用時の課税長期譲渡所得金額 ③ ①と②のいずれか低い金額に係る税額(所得税・復興特別所得税・住民税)の合計額(100円未満切捨て)
解答・解説を表示
解答
① 4,000,000円 ② 31,360,000円 ③ 812,600円
解説
相続により取得した空き家の敷地等を譲渡した場合は「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例(3,000万円特別控除)」または「相続税の取得費加算の特例」のいずれかを選択適用できます。取得費加算額の計算では、納付した相続税額に「譲渡資産の相続税評価額÷(相続税の課税価格+債務控除額)」を乗じて算定します。
解き方
- 譲渡価額3,800万円に5%を乗じて概算取得費(190万円)を求め、特別控除前譲渡益を算出する。
- 空き家の3,000万円特別控除を適用して①の課税長期譲渡所得金額を算出する。
- 取得費加算額(納付相続税額×甲土地評価額÷債務控除前課税価格)を求め、取得費・譲渡費用とともに控除して②の課税長期譲渡所得金額を算出する。
- ①と②のうち有利な方(低い金額)を選択し、長期譲渡所得の税率(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)を乗じて税額合計を算出する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:4,000,000円
- 概算取得費:3,800万円×5%=190万円 譲渡益:3,800万円-(190万円+210万円)=3,400万円 特別控除額:3,000万円 課税長期譲渡所得金額:3,400万円-3,000万円=400万円(4,000,000円)となります。
- 小問 ②:31,360,000円
- 取得費に加算する相続税額の計算: 分母=課税価格9,600万円+債務控除額400万円=1億円(10,000万円) 加算額=1,100万円×(2,400万円/10,000万円)=264万円 課税長期譲渡所得金額: 3,800万円-(190万円+210万円+264万円)=3,136万円(31,360,000円)となります。
- 小問 ③:812,600円
- ①と②のうち低い金額は①の4,000,000円です。 長期譲渡所得に係る税率:所得税15%、復興特別所得税0.315%(所得税の2.1%)、住民税5%(合計20.315%) ・所得税額:4,000,000円×15%=600,000円 ・復興特別所得税額:600,000円×2.1%=12,600円 ・住民税額:4,000,000円×5%=200,000円 税額の合計額:600,000円+12,600円+200,000円=812,600円となります。
覚えるポイント
- 取得費加算の特例における按分式の分母は「純資産価額(課税価格+債務控除額)」である。
- 長期譲渡所得の税率は合計20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)となる。
間違えやすいところ
- 取得費加算の分母で債務控除額400万円を足し戻し忘れて、9,600万円で計算してしまう誤り。
- 空き家の特別控除と取得費加算の特例は重複適用できない(選択適用である)点を見落とすこと。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の租税特別措置法第31条、第35条、第39条に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例における減額金額の計算
相続・事業承継 · 小規模宅地等の特例 / 特定居住用宅地等 / 特定事業用宅地等 / 貸付事業用宅地等
父Aさんが現時点で死亡し、相続人が甲土地(特定居住用宅地等)、乙土地(特定事業用宅地等)、丙土地(貸付事業用宅地等)を相続により取得して「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受ける場合、適用を選択する宅地に応じた相続税の課税価格に算入すべき価額の計算において減額される最大の金額(空欄①~⑤)を求めなさい。 〈土地の概要〉 ・甲土地(特定居住用宅地等):面積360㎡、自用地評価額5,400万円 ・乙土地(特定事業用宅地等):面積350㎡、自用地評価額6,300万円 ・丙土地(貸付事業用宅地等):面積250㎡、自用地評価額6,000万円、借地権割合60%、借家権割合30%、賃貸割合100%
解答・解説を表示
解答
① 3,960(万円) ② 5,040(万円) ③ 1,968(万円) ④ 9,000(万円) ⑤ 5,286(万円)
解説
小規模宅地等の特例では、特定居住用宅地等(限度面積330㎡・減額割合80%)と特定事業用宅地等(限度面積400㎡・減額割合80%)は完全併用が可能で最大730㎡まで適用できます。一方、貸付事業用宅地等(限度面積200㎡・減額割合50%)を併用する場合は合算調整算式による制限を受けます。
解き方
- 各宅地の1㎡当たり相続税評価額および減額対象限度面積・減額率を確認し、単独適用時の減額額を計算する。
- 貸付事業用宅地等の敷地は貸家建付地評価額を計算したうえで1㎡当たり価額を求める。
- 複数宅地の併用時、完全併用ルールおよび面積換算調整算式を適用して最大の減額額となる組み合わせを計算する。
答えの内訳
- ①:3,960
- 甲土地(特定居住用宅地等)の1㎡当たり評価額は5,400万円÷360㎡=15万円です。限度面積330㎡まで80%減額されるため、減額金額は330㎡×15万円×80%=3,960万円となります。
- ②:5,040
- 乙土地(特定事業用宅地等)の1㎡当たり評価額は6,300万円÷350㎡=18万円です。限度面積400㎡以下(350㎡全量)につき80%減額されるため、減額金額は350㎡×18万円×80%=5,040万円となります。
- ③:1,968
- 丙土地(貸付事業用宅地等)の評価額は6,000万円×(1-0.6×0.3×100%)=4,920万円であり、1㎡当たり評価額は4,920万円÷250㎡=19.68万円です。限度面積200㎡まで50%減額されるため、減額金額は200㎡×19.68万円×50%=1,968万円となります。
- ④:9,000
- 特定居住用宅地等(330㎡)と特定事業用宅地等(400㎡)は完全併用が可能です。甲土地の減額額3,960万円と乙土地の減額額5,040万円を合算し、3,960万円+5,040万円=9,000万円となります。
- ⑤:5,286
- 特定事業用宅地等と貸付事業用宅地等を併用する場合、「特定事業用等の適用面積×(200/400)+貸付事業用等の適用面積≦200㎡」を満たす必要があります。1㎡消費あたりの減額効果は乙土地(28.8万円/㎡換算)が丙土地(9.84万円/㎡)より有利であるため、乙土地を優先して全量350㎡を適用します。このとき貸付事業用宅地等の残枠は200㎡-350㎡×(200/400)=25㎡となるため、丙土地には25㎡を適用します。合計減額額は5,040万円+(25㎡×19.68万円×50%)=5,040万円+246万円=5,286万円となります。
覚えるポイント
- 特定居住用(330㎡)と特定事業用(400㎡)は完全併用可能で最大730㎡まで適用できる。
- 貸付事業用(200㎡)を併用する場合は、特定事業用×(200/400)+特定居住用×(200/330)+貸付事業用≦200㎡の制限式を用いる。
間違えやすいところ
- 貸付事業用宅地の敷地評価において、貸家建付地としての補正(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)を忘れて自用地価額のまま計算してしまう。
- 併用適用時に、1㎡当たりの減額効果を比較せず貸付事業用を優先して枠を消費してしまう。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法定相続人の数・相続税の総額および長男の納付すべき相続税額の計算
相続・事業承継 · 相続税の総額の計算 / 法定相続人の数 / 養子の数の算入制限 / 相続時精算課税に係る贈与税額控除
父Aさんが現時点で死亡し、長男Dさんに係る相続税の課税価格が2億7,300万円、相続税の課税価格の合計額が5億4,600万円である場合、長男Dさんの納付すべき相続税額を求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は万円単位とすること。 なお、父Aさんには実子(長男D、二男E、死亡した長女C)がおり、長女Cには代襲相続人である子2人(孫F、孫G)がいる。また、孫Hおよび孫Jの2人と普通養子縁組をしている。Dさんは平成20年に父Aさんから相続税評価額3,000万円の事業用資産の贈与を受け、相続時精算課税を初適用して贈与税を納付している。
解答・解説を表示
解答
6,000万円
解説
被相続人に実子がいる場合、相続税法上の法定相続人の数に算入できる養子は1人に限られます。課税遺産総額を法定相続分で按分して各人の仮の税額を求めて合算したものが「相続税の総額」となり、これを実際の課税価格の割合で各人に按分後、相続時精算課税の納付済贈与税額等の各種控除を行って納付税額を算出します。
解き方
- 法定相続人の数を確定する。配偶者1人、実子2人(D、E)、代襲相続人2人(F、G)、算入限度となる養子1人の計6人となる。
- 遺産に係る基礎控除額(3,000万円+600万円×6人=6,600万円)を課税価格の合計額5億4,600万円から控除し、課税遺産総額4億8,000万円を求める。
- 各法定相続人の法定相続分に応ずる取得金額を計算し、速算表から税額を求め合算して相続税の総額1億2,200万円を算出する。
- 相続税の総額を長男Dの課税価格割合(2億7,300万円/5億4,600万円=1/2)であん分し、長男Dの算出税額6,100万円を計算する。
- 長男Dが平成20年に相続時精算課税で納付した贈与税額((3,000万円-2,500万円)×20%=100万円)を控除し、納付すべき税額6,000万円を算出する。
覚えるポイント
- 被相続人に実子(代襲相続人を含む)がいる場合、税法上の法定相続人に含められる養子は1人まで(実子がいない場合は2人まで)。
- 相続時精算課税適用財産に係る納付済みの贈与税額は、算出された相続税額から控除される。
間違えやすいところ
- 養子2人を両方とも法定相続人の数に算入して基礎控除額を7,200万円と誤ってしまう。
- 長男Dが過去に納付した相続時精算課税の贈与税額100万円の控除を失念してしまう。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配偶者に対する相続税額の軽減および相続税の申告・納付
相続・事業承継 · 配偶者の税額軽減 / 延納の担保提供要件 / 相続税の申告納付
相続税に関する文章Ⅰおよび文章Ⅱの下線部①~③のうち、最も不適切なものをそれぞれ1つ選び、その適切な内容について簡潔に説明しなさい。 Ⅰ 「被相続人の配偶者が当該被相続人から相続または遺贈により財産を取得し、『配偶者に対する相続税額の軽減』(以下、『本制度』という)の適用を受けた場合、配偶者が納付すべき相続税額の計算上、原則として、①相続税の総額に、『相続税の課税価格の合計額に配偶者の法定相続分を乗じて算出した金額(1億6,000万円に満たない場合は1億6,000万円)と配偶者に係る相続税の課税価格に相当する金額のうちいずれか少ない金額』が相続税の課税価格の合計額のうちに占める割合を乗じて算出した金額を控除することができる。本制度の対象となる配偶者は、②相続が開始した日において当該被相続人との婚姻期間が10年以上である配偶者に限られる。 なお、原則として、相続税の申告期限までに分割されていない財産は本制度の対象とならないが、相続税の申告書に『申告期限後3年以内の分割見込書』を添付し、申告期限までに分割されなかった財産について申告期限から3年以内に分割したときは、③分割が成立した日の翌日から4カ月以内に更正の請求をすることによって、本制度の適用を受けることができる」 Ⅱ 「相続税の申告書を提出すべき者は、原則として、①その相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内に被相続人の納税地の所轄税務署長に相続税の申告書を提出しなければならない。 相続税の納付方法は、原則として、金銭一括納付である。ただし、相続税額が10万円を超え、かつ、金銭で納付することを困難とする事由がある場合、その納付を困難とする金額の範囲内で延納を申請することができる。延納をする場合、原則として担保を提供する必要があるが、②延納税額が200万円以下で、かつ、延納期間が3年以下である場合には担保を提供する必要はない。 また、相続税について、延納によっても金銭で納付することを困難とする事由がある場合には、納税義務者の申請により、その納付を困難とする金額を限度として一定の相続財産による物納が認められている。③物納申請財産は、納付すべき相続税の課税価格計算の基礎となった一定の相続財産のうち、国債、地方債、不動産、株式、動産等の財産で、その所在が日本国内にあるものとされている」
解答・解説を表示
解答
Ⅰ:②(婚姻期間の要件はなく、被相続人と法律上の婚姻関係にある配偶者であれば適用を受けることができる。) Ⅱ:②(担保の提供を要しないのは、延納税額が100万円以下で、かつ、延納期間が3年以下の場合である。)
解説
配偶者の税額軽減は、被相続人の財産形成に対する配偶者の貢献や以後の生活保障を考慮した制度であり、法律上の婚姻関係があれば婚姻期間の長短を問わず適用されます。一方、相続税の延納は原則担保が必要ですが、延納税額が100万円以下かつ延納期間が3年以下の場合には担保の提供が免除されます。
解き方
- 文章Ⅰについて各下線部を確認し、配偶者控除の婚姻期間要件の有無(要件なし)を判断して誤りを指摘する。
- 文章Ⅱについて各下線部を確認し、延納における担保提供免除の基準(延納税額100万円以下かつ延納期間3年以下)を照合して誤りを指摘する。
答えの内訳
- Ⅰ:不適切なもの:② 適切な内容:配偶者に対する相続税額の軽減について婚姻期間の要件はなく、法律上の配偶者であれば婚姻期間の長短を問わず適用を受けることができる。
- 配偶者に対する相続税額の軽減(相続税法第19条の2)には婚姻期間の定めがなく、相続開始時点で法律上の婚姻関係にあれば適用されます。婚姻期間が20年以上必要とされるのは贈与税の配偶者控除です。
- Ⅱ:不適切なもの:② 適切な内容:延納を申請する場合に担保の提供を要しないのは、延納税額が100万円以下で、かつ、延納期間が3年以下である場合である。
- 相続税の延納において担保の提供が不要とされるのは、「延納税額が100万円以下」かつ「延納期間が3年以下」の場合です。200万円以下ではありません(相続税法第38条第2項)。
覚えるポイント
- 相続税の配偶者税額軽減には婚姻期間要件がなく、贈与税の配偶者控除は婚姻期間20年以上が必要。
- 延納の担保提供が免除されるのは「延納税額100万円以下」かつ「延納期間3年以下」のとき。
間違えやすいところ
- 贈与税の配偶者控除(婚姻期間20年以上)の要件と、相続税の配偶者控除(婚姻期間不問)を混同しやすい。
- 延納の担保提供免除基準を「100万円以下」ではなく「200万円以下」や「50万円以下」と記憶違いしやすい。
出題の前提:2016年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2016年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2016年9月 1級 学科(応用編)
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2016年9月 1級 学科(応用編)の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

