日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2015年9月 1級 学科(基礎編)の概要
社会保険の保険料負担と料率
ライフプランニングと資金計画 · 健康保険 / 厚生年金保険 / 雇用保険 / 労働者災害補償保険
各種社会保険の保険料に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
各種社会保険(健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険)では、保険料の算出基礎となる料率の改定時期や地域差、ならびに事業主と労働者間の負担割合が制度ごとに明確に規定されています。
解き方
- 協会けんぽの保険料率(一般保険料率は都道府県別、介護保険料率は全国一律)の仕組みを確認します。
- 厚生年金保険料率の改定時期(毎年9月)および上限固定時期を法令の規定に照らして判定します。
- 雇用保険(二事業分は全額事業主負担)および労災保険(全額事業主負担)の負担割合を検証し、正解肢を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 協会けんぽの医療保険料率(一般保険料率)は都道府県ごとに異なりますが、介護保険料率は全国一律で定められています。
- 選択肢 2不正解
- 厚生年金保険の保険料率は、平成16年改正以降、毎年4月ではなく「毎年9月分」から引き上げられ、平成29年9月分から18.3%(1,000分の183)で固定されます。
- 選択肢 3不正解
- 雇用保険料のうち失業等給付事業分は労使折半ですが、雇用保険二事業(雇用安定事業・能力開発事業)の費用は全額事業主負担となります。
- 選択肢 4正解
- 労災保険の一般保険料は、事業主が使用する全労働者の賃金総額に労災保険率を乗じて算出し、その全額を事業主が負担します。
覚えるポイント
- 労災保険料は全額事業主負担、雇用保険二事業も全額事業主負担となる点
- 協会けんぽの介護保険料率は全国一律、医療分は都道府県別である点
間違えやすいところ
- 厚生年金の保険料率改定時期を会計年度開始の4月と誤解しやすい点(正しくは9月)
- 雇用保険料の総額すべてを労使折半であると誤認しやすい点
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
健康保険の保険給付(療養費・傷病手当金・埋葬料等)
ライフプランニングと資金計画 · 健康保険 / 療養費 / 傷病手当金 / 出産育児一時金 / 埋葬料
全国健康保険協会管掌健康保険の保険給付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
健康保険の給付は原則として現物給付(療養の給付)ですが、現物給付を受けられないやむを得ない事由がある場合には療養費として現金給付が行われます。また、傷病手当金・埋葬料・出産育児一時金には支給要件・支給期間・定額規定が個別に定められています。
解き方
- 健康保険法第87条に基づく療養費の支給要件(やむを得ない理由による非保険医療機関での診療等)を確認します。
- 傷病手当金の支給起算点(「療養開始日」ではなく「支給開始日」)を精査します。
- 埋葬料の法定支給額(定額5万円)および出産育児一時金(家族出産育児一時金も同額42万円)の規定を確認し、選択肢の正誤を判断します。
- 選択肢 1正解
- 保険医療機関等以外の病院等で診療を受けた場合など、やむを得ない事情があると保険者が認めたときは、現物給付に代えて療養費が支給されます。
- 選択肢 2不正解
- 傷病手当金の支給期間は、療養を開始した日ではなく「支給を開始した日」から起算して最長1年6カ月です。
- 選択肢 3不正解
- 健康保険の被保険者が死亡したときに生計を維持していた埋葬を行う者に支給される埋葬料は、定額「5万円」です。
- 選択肢 4不正解
- 産科医療補償制度加入の医療機関等での出産であれば、家族出産育児一時金も本人と同様に42万円が支給されます(40万4,000円は制度対象外等の場合)。
覚えるポイント
- 傷病手当金の起算日は「療養開始日」ではなく「支給開始日」である点
- 埋葬料の支給額は定額5万円である点
- 被扶養者の出産でも家族出産育児一時金は本人と同額(原則42万円)である点
間違えやすいところ
- 被扶養者の出産育児一時金が本人より減額されると誤認すること
- 傷病手当金の起算点を初診日や療養開始日と混同すること
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
労災保険の保険給付および特別支給金
ライフプランニングと資金計画 · 労働者災害補償保険 / 休業補償給付 / 傷病補償年金 / 遺族補償給付
労働者災害補償保険(労災保険)の保険給付および特別支給金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
労災保険の休業補償給付は療養中の所得保障として支給されますが、療養開始後1年6か月経過時点で傷病等級に該当すると傷病補償年金へ移行し、休業補償給付は支給停止(打ち切り)となります。
解き方
- 業務災害に関する療養補償・休業補償・傷病補償・遺族補償の各給付内容および要件を確認する。
- 休業補償給付と傷病補償年金の関係について、傷病補償年金が支給される場合は休業補償給付が支給されない併給調整の規定を照合して誤りを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 指定医療機関で受ける療養の給付(現物給付)については全額保険給付されるため、労働者の一部負担金はありません。
- 選択肢 2不正解
- 休業4日目から休業補償給付(60%)と社会復帰促進等事業からの休業特別支給金(20%)の合計80%相当額が支給されます。
- 選択肢 3正解
- 療養開始後1年6か月を経過し傷病等級に該当した場合は、休業補償給付ではなく傷病補償年金が支給されるため、「加えて」支給されるとする記述は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 遺族補償年金の受給権者に対しては、ボーナスを基準とする遺族特別年金および一律300万円の遺族特別支給金が支給されます。
覚えるポイント
- 傷病補償年金の支給要件は「療養開始後1年6か月経過」「治っていない」「傷病等級第1級〜第3級該当」の3点です。
間違えやすいところ
- 休業特別支給金(20%)は特別支給金であり給付基礎日額の60%とは別枠ですが、傷病補償年金と休業補償給付は併給されず切り替わります。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の労働者災害補償保険法および社会復帰促進等事業の規定に基づきます。
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
雇用保険の失業等給付および雇用継続給付
ライフプランニングと資金計画 · 雇用保険 / 基本手当 / 就業促進定着手当 / 専門実践教育訓練給付金 / 高年齢雇用継続基本給付金
雇用保険の失業等給付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
雇用保険の失業等給付には、基本手当のほか、就職を促進・定着させる就業促進定着手当、キャリア形成を支援する教育訓練給付、高齢者の継続雇用を支える高年齢雇用継続給付などがあり、各制度の受給資格要件と給付水準を正確に区別することが重要です。
解き方
- 各選択肢に登場する雇用保険給付(一般離職者の基本手当、就業促進定着手当、専門実践教育訓練給付金、高年齢雇用継続基本給付金)の要件を確認する。
- 要件(被保険者期間、年齢、支給額・率)が法令と合致しているか順次照合し、正しい記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 特定受給資格者以外の一般受給資格者の基本手当の所定給付日数は、被保険者期間のみ(90日・120日・150日)によって区分され、離職時の年齢区分はありません。
- 選択肢 2正解
- 再就職手当の受給者が同一事業所に6カ月以上雇用され、再就職後の賃金日額が離職前の賃金日額を下回る場合に就業促進定着手当が支給されます。
- 選択肢 3不正解
- 「費用の20%相当額(上限10万円)」は一般教育訓練給付金の内容です。専門実践教育訓練給付金は費用の40%(上限年間32万円、追加給付で最大60%等)となります。
- 選択肢 4不正解
- 高年齢雇用継続基本給付金の受給要件となる雇用保険の被保険者であった期間(算定基礎期間)は「5年以上」であり、「3年以上」ではありません。
覚えるポイント
- 高年齢雇用継続給付の算定基礎期間は5年以上、一般離職者の所定給付日数は被保険者期間のみで決定されます。
間違えやすいところ
- 一般教育訓練給付金(20%・上限10万円)と専門実践教育訓練給付金(40%〜最大60%)の給付水準を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の雇用保険法に基づきます。
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的年金制度の併給調整と支給停止
ライフプランニングと資金計画 · 公的年金の併給調整 / 労災保険との調整 / 高年齢雇用継続給付との調整
公的年金制度の給付に係る併給調整や支給停止に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
公的年金は「1人1年金」が原則ですが、65歳以降は異なる事由の年金の併給(障害基礎年金と老齢厚生年金など)が認められる例外があります。また、労災保険給付と公的年金が競合する社会保障間の併給調整では、公的年金が全額支給され、労災給付側が減額調整されるという基本原則が存在します。
解き方
- 公的年金における65歳未満の併給制限と65歳以降の特例的な組合せ(障害基礎年金と老齢厚生年金等)を確認します。
- 社会保険と労働保険(労災・雇用保険)の調整ルールを確認し、労災保険と公的年金の重複時は労災側が減額されるルールを当てはめます。
- 選択肢 1不正解
- 65歳未満の受給権者については「1人1年金」の原則が徹底されるため、遺族厚生年金と特別支給の老齢厚生年金はいずれか一方を選択受給します。
- 選択肢 2不正解
- 65歳以降は支給事由が異なっていても「障害基礎年金+老齢厚生年金」の組合せによる受給が選択可能です。
- 選択肢 3正解
- 同一事由により労災保険と公的年金が重複支給される場合、公的年金は全額支給され、労災保険の障害補償年金が一定割合減額(減額調整)されます。
- 選択肢 4不正解
- 特別支給の老齢厚生年金と雇用保険の高年齢雇用継続給付が併給される場合、在職老齢年金による支給停止に加え、標準報酬月額の最大6%相当額がさらに支給停止となります。
覚えるポイント
- 労災保険と公的年金の併給調整では、公的年金が全額支給され、労災保険側が減額調整される。
間違えやすいところ
- 公的年金側が減額されると誤解しやすいですが、全額支給されるのは公的年金側であり、減額されるのは労災保険側です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等(厚生年金保険法、国民年金法、労働者災害補償保険法)
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
小規模企業共済および国民年金基金の仕組み
ライフプランニングと資金計画 · 小規模企業共済制度 / 国民年金基金 / 付加保険料との関係
小規模企業共済制度および国民年金基金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
国民年金基金は国民年金の第1号被保険者に対する上乗せの公的な年金制度であり、基礎となる国民年金保険料の納付が前提となっています。小規模企業共済は個人事業主等のための退職金制度で、掛金月額の範囲や元本割れしないための納付期間(240カ月以上)などが定められています。
解き方
- 小規模企業共済制度の掛金の上限(月額7万円)や単位(500円単位)、任意解約手当金が掛金合計額以上となる要件(240カ月以上)を確認します。
- 国民年金基金と付加年金の関係(併用不可)および、国民年金未納時の基金給付の取扱い(給付対象外)を確認します。
- 選択肢 1不正解
- 小規模企業共済の掛金月額は、1,000円から7万円までの範囲内(500円単位)で選択します。上限は8万8,000円ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 任意解約手当金の額が掛金合計額以上(100%以上)となるのは、掛金納付月数が240カ月(20年)以上の場合です。120カ月ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 国民年金基金の加入員は、国民年金の付加保険料を納付することはできません(付加保険料との併用は不可)。
- 選択肢 4正解
- 国民年金基金は国民年金への上乗せであるため、国民年金本体の保険料が未納の期間については国民年金基金の給付の対象とはなりません。
覚えるポイント
- 国民年金基金と付加保険料は併用不可。国民年金本体が未納の場合、基金の給付対象とならない。
間違えやすいところ
- 小規模企業共済の任意解約で掛金全額以上が戻る要件は「120カ月」ではなく「240カ月(20年)」である点を取り違えやすいです。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等(小規模企業共済法、国民年金法)
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
フラット35の仕組みと商品性
ライフプランニングと資金計画 · フラット35 / リフォーム一体型 / ダブルフラット / フラット35S
平成27年5月以後に利用するフラット35に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する長期固定金利住宅ローン「フラット35」には、借入限度額(最高8,000万円)、ボーナス返済上限(40%以内)、併給プランや各種優遇制度(フラット35S等)の要件が定められています。
解き方
- フラット35(リフォーム一体型)の融資対象費用の範囲および工事割合の制限の有無を確認する。
- ダブルフラットの合算融資限度額、ボーナス併用払いの返済比率上限、フラット35S(金利Aプラン)の金利引下げ期間の各規定を精査して正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- フラット35(リフォーム一体型)は中古住宅の購入と併せて行うリフォーム工事費用を一体として借り入れる制度であり、リフォーム工事の内容や借入額に占める工事費の割合に制限はありません。
- 選択肢 2不正解
- ダブルフラットは2つの借入期間を組み合わせて利用する仕組みですが、融資限度額は2つの借入れの合計で最高8,000万円であり、1億6,000万円ではありません。
- 選択肢 3不正解
- フラット35で半年ごとのボーナス併用払いを利用する場合、ボーナス返済部分の借入金額は借入金総額の40%以内(1万円単位)と規定されています。
- 選択肢 4不正解
- フラット35S(金利Aプラン)の金利引下げ期間は返済当初10年間であり、15年間ではありません。
覚えるポイント
- フラット35の融資限度額はダブルフラットを含めて最高8,000万円(買戻し等除外)。
- ボーナス併用払いの返済割合上限は借入額の40%以内。
- フラット35Sの引下げ期間は金利Aプランが当初10年、金利Bプランが当初5年。
間違えやすいところ
- ダブルフラットでローン本数が2本になることから融資限度額も2倍(1億6,000万円)になると誤認しやすい点。
- ボーナス返済の割合上限を住宅ローンの一般的な返済負担率等と混同して20%などと誤解する点。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等および平成27年5月以後のフラット35制度基準に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
中小企業特定社債保証制度
金融資産運用 · 特定社債保証制度 / 信用保証協会 / 社債発行 / 適格要件
信用保証協会の中小企業特定社債保証制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
信用保証協会の中小企業特定社債保証制度は、中小企業が私募債(特定社債)を発行して直接金融による長期資金調達を行うのを支援する制度です。適格基準、共同保証方式、保証人要件、担保設定基準(無担保限度額2億円)などが厳格に定められています。
解き方
- 発行企業の財務適格基準(純資産基準、健全性基準、収益性基準)の要件を確認する。
- 信用保証協会と受託金融機関の保証割合(80%対20%の共同保証)および保証人要件を確認する。
- 無担保保証の限度額と担保設定が必要となる社債発行金額の基準(2億円)を照合して誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 対象企業は純資産額基準を満たし、かつ健全性基準(自己資本比率または純資産倍率)および収益性基準(使用総資本事業利益率またはインタレスト・カバレッジ・レシオ)の要件を満たす必要があります。
- 選択肢 2不正解
- 特定社債保証制度における保証形態は、社債発行金額に対して信用保証協会が80%、受託金融機関が20%を共同で保証する共同保証方式が原則とされています。
- 選択肢 3不正解
- 特定社債保証制度においては、原則として発行企業の代表者による連帯保証が必要とされますが、代表者以外の連帯保証人は原則不要とされています。
- 選択肢 4正解
- 特定社債保証制度において無担保保証の限度額は2億円とされており、社債発行金額が2億円を超える場合に原則として信用保証協会による担保設定が必要となります。2億5,000万円ではありません。
覚えるポイント
- 信用保証協会の特定社債保証は無担保限度額が2億円(2億円超で担保設定が必要)。
- 保証割合は信用保証協会80%・金融機関20%の共同保証方式。
- 代表者の連帯保証は必要だが、第三者保証人は原則不要。
間違えやすいところ
- 無担保保証限度額を通常の無担保保険限度額(8,000万円)や普通保証限度額(2億円・2億8,000万円等)と混同すること。
- 社債保証における信用保証協会の保証割合を100%と誤認すること(金融機関との共同保証で80%・20%)。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令・制度基準に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の契約者保護に係る規制等
リスク管理 · 生命保険契約者保護機構 / ソルベンシー・マージン比率 / エンベディッド・バリュー
生命保険の契約者保護に係る規制等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
生命保険契約者保護機構の補償対象は破綻時点の「責任準備金等」の90%(高予定利率契約を除く)を基本として資金援助等が行われる仕組みであり、保険金そのものが90%保証されるわけではありません。
解き方
- 生命保険契約者保護機構の補償割合の対象が「保険金等の額」か「責任準備金等」かを確認する。
- 責任準備金等の90%が限度であることから、保険金・年金等の額の90%とする選択肢1が不適切であると判断する。
- 選択肢 1正解
- 保護機構の補償対象は保険金・年金等の額そのものではなく「責任準備金等」の90%(高予定利率契約を除く)です。
- 選択肢 2不正解
- 少額短期保険業者は保険業法上の登録業者ですが、契約者保護機構への加入義務はなく補償対象外です。
- 選択肢 3不正解
- ソルベンシー・マージン比率が200%を下回ると、監督官庁である金融庁から業務改善命令などの早期是正措置が発動されます。
- 選択肢 4不正解
- EV(エンベディッド・バリュー)は「修正純資産」と「保有契約価値」を足し合わせて算出される指標で適切です。
覚えるポイント
- 生命保険契約者保護機構の補償基準は「責任準備金等の90%」であること。
間違えやすいところ
- 責任準備金等の90%という基準を「死亡保険金などの額の90%」と混同しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険契約の各種手続等
リスク管理 · 個人年金保険料税制適格特約 / 保険料返還 / 失効と復活 / 受取人変更
生命保険契約の各種手続等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢の手続において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
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解答
3
解説
生命保険契約の復活は、当初の契約をそのまま継続させる手続であるため、保険料率は当初契約時の料率・年齢がそのまま引き継がれます(新規契約のように再計算されるわけではありません)。
解き方
- 各選択肢の手続きルール(払済保険変更、未経過保険料の返還、復活時の保険料率、受取人変更時の被保険者同意)を確認する。
- 復活時の保険料率は当初契約時のものが適用されるため、復活時の保険料率で再計算されるとする選択肢3を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 税制適格特約の要件(年金受取開始まで10年以上の払込みなど)があるため、原則として契約日から10年間は払済年金保険等への変更はできません。
- 選択肢 2不正解
- 保険法および約款の規定に基づき、年払い等の前納分で未経過期間がある場合は、原則として月割り計算により未経過保険料相当額が返還されます。
- 選択肢 3正解
- 契約の復活では当初契約時の保険料率が維持されるため、復活時の保険料率で再計算されるという記述は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 保険法により、被保険者以外の者が死亡保険金受取人を変更する場合には、被保険者の同意を得なければその効力を生じないと定められています。
覚えるポイント
- 生命保険の「復活」では、当初契約時の年齢・保険料率が維持され、失効期間分の保険料等を払い込む。
間違えやすいところ
- 復活手続を新規契約の締結(現在の年齢・料率での再計算)と混同しないように注意する。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険の特約の特徴
リスク管理 · 生命保険の特約 / 災害割増特約 / 先進医療特約 / 指定代理請求特約
生命保険の各種特約の一般的な特徴に関する次の記述(a)~(c)のうち、適切なものはいくつあるか。 (a) 災害割増特約は、被保険者が不慮の事故による傷害が原因で事故の日から180日以内に死亡した場合や所定の感染症が原因で死亡した場合には災害死亡保険金が支払われ、所定の身体障害状態に該当した場合には障害の程度に応じて障害給付金が支払われる特約である。 (b) 先進医療特約は、契約日時点において厚生労働大臣が定める医療技術で、医療技術ごとに決められた適応症に対して施設基準に適合する医療機関にて行われるものによる療養を受けた場合に、先進医療給付金が支払われる特約である。 (c) 指定代理請求特約は、被保険者が受取人となる給付金や保険金などについて、被保険者本人が請求できない事情がある場合に、あらかじめ指定された代理人が被保険者に代わって給付金や保険金などを請求することができる特約である。
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解答
1
解説
生命保険の特約には、死亡リスクを手厚くする災害割増特約や障害給付もカバーする傷害特約、所定の医療費に備える先進医療特約、受取人が請求できない事態に備える指定代理請求特約などがあります。先進医療特約の対象となる医療技術は「契約時点」ではなく「療養を受けた時点」で厚生労働大臣により定められている技術である点が重要です。
解き方
- 記述(a)を検討:災害割増特約は不慮の事故や特定感染症による死亡・高度障害を保障する特約であり、身体障害状態に対する障害給付金は支払われません(障害給付金は傷害特約の保障内容です)。よって不適切です。
- 記述(b)を検討:先進医療特約の対象となる先進医療とは、「療養を受けた日現在」において厚生労働大臣が定めている医療技術を指します。「契約日時点」ではないため不適切です。
- 記述(c)を検討:指定代理請求特約は、被保険者本人が意思表示できないなど請求できない特別な事情がある場合に、あらかじめ指定された代理人が給付金等を請求できる特約であり、適切です。
- 適切な記述は(c)の1つのみであるため、正解は選択肢1「1つ」と判定します。
- 選択肢 1正解
- 適切な記述は(c)の1つのみであるため、本選択肢が正解です。
- 選択肢 2不正解
- 適切な記述は(c)の1つだけであるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 適切な記述は(c)の1つだけであるため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 記述(c)が適切であるため「0(なし)」は誤りです。
覚えるポイント
- 先進医療特約の対象判定は「療養を受けた時点」基準
- 障害給付金が出るのは「傷害特約」で「災害割増特約」にはない
間違えやすいところ
- 災害割増特約と傷害特約の保障範囲の違いの混同
- 先進医療の適用時期を契約時と療養時で誤認すること
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険料控除の新制度と旧制度の適用関係
リスク管理 · 生命保険料控除 / 新制度と旧制度 / 契約変更 / 更新 / 特約の中途付加
生命保険料控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、平成24年1月1日以後に締結した保険契約等に基づく生命保険料控除を「新制度」、平成23年12月31日以前に締結した保険契約等に基づく生命保険料控除を「旧制度」とする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
平成24年1月1日以後に締結した保険契約等には新制度の生命保険料控除が適用されます。平成23年12月31日以前の契約(旧制度対象)であっても、平成24年1月1日以後に「更新」「転換」「保障の増額」「生命保険料控除の対象となる特約の中途付加」を行った場合、その契約全体が新制度へと移行します。一方、名義変更、減額、生命保険料控除の対象外である特約(傷害特約など)の中途付加では新制度へ移行せず旧制度のままとなります。
解き方
- 選択肢1の検討:単なる契約者(名義)の変更は保障内容の新規締結や変更ではないため、旧制度のまま継続します。よって不適切です。
- 選択肢2の検討:特約の自動更新を含む更新が行われた場合、更新以後は契約全体について新制度が適用されます。よって適切です。
- 選択肢3の検討:保険金額の減額や特約の解約は保障内容の縮小であり、新たな契約の締結・更新等には該当しないため、旧制度のまま継続します。よって不適切です。
- 選択肢4の検討:新制度・旧制度いずれにおいても、傷害特約や災害割増特約などの身体の傷害のみを起因とする特約保険料は生命保険料控除の対象外です。控除対象外の傷害特約を付加しても、主契約等の控除区分が新制度へ移行することはなく旧制度のままです。よって不適切です。
- 選択肢 1不正解
- 契約者の名義変更を行っても、保険契約自体の効力や内容の変更・更新には該当しないため旧制度のまま適用されます。
- 選択肢 2正解
- 平成24年1月1日以後に定期保険特約等の更新が行われた場合、更新後の契約全体が新制度の適用対象となるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 保険金額の減額を行っても新制度には移行せず、減額後も引き続き旧制度の適用対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 傷害特約は生命保険料控除の対象外の特約であるため、中途付加しても主契約が新制度へ移行することはなく旧制度のままです。
覚えるポイント
- 平成24年以後の更新・転換・増額・控除対象特約の中途付加で新制度へ移行
- 名義変更・減額・傷害特約付加では旧制度のまま
間違えやすいところ
- 減額でも新制度に切り替わると勘違いするミス
- 傷害特約の中途付加でも新制度になると誤認するミス(医療特約の付加なら新制度へ移行する)
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の補償内容と仕組み
リスク管理 · 自動車損害賠償責任保険 / 人身事故 / 支払限度額 / 重過失減額
自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
自賠責保険は自動車損害賠償保障法に基づく強制保険であり、被害者の基本的な救済を目的とする対人賠償保険です。任意保険とは異なり親族間事故でも他人性が認められれば対象となり、被害者の過失が7割未満の場合は減額されませんが、7割以上の重大な過失がある場合には段階的に減額(重過失減額)されます。
解き方
- 自賠責保険の基本制度(一律保険料、他人性の判断基準、支払限度額)を確認する。
- 被害者の過失割合による給付制限(7割以上の重大な過失に対する重過失減額制度)の有無を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 自賠責保険はノーロス・ノープロフィットの原則に基づき料率が定められており、損害保険会社による違いや運転者限定・年齢・走行距離等による区分はありません。
- 選択肢 2不正解
- 自賠責法では「自己のために自動車を運行の用に供する者及び運転者」以外の者が「他人」とされ、運行供用者等に該当しなければ親族であっても補償の対象となります。
- 選択肢 3不正解
- 被害者1人当たりの支払限度額は、傷害120万円、死亡3,000万円、常時介護等を要する後遺障害(第1級)では最高4,000万円と規定されています。
- 選択肢 4正解
- 被害者の過失割合が7割未満であれば過失相殺による減額は行われませんが、7割以上の重大な過失がある場合は2割から5割の範囲で重過失減額が行われます。
覚えるポイント
- 自賠責保険の支払限度額(死亡3,000万円、傷害120万円、後遺障害最高4,000万円)と重過失減額(7割以上で減額)の基準を押さえる。
間違えやすいところ
- 任意保険の対人賠償では配偶者や父母・子に対する賠償は免責となるが、自賠責保険では運行供用者等でなければ補償対象となる違いを混同しないようにする。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
火災保険の補償対象と超過保険の取扱い
リスク管理 · 火災保険 / 保険の対象(建物・家財) / 超過保険 / 保険法
個人が契約する火災保険の一般的な商品性に関する次の記述(a)~(c)のうち、適切なものはいくつあるか。 (a) 居住用建物を補償の対象として火災保険を契約する場合、被保険者が所有し、かつ、住宅敷地内にある門や塀、垣も補償の対象となる。 (b) 家財を補償の対象として火災保険を契約する場合、被保険者が所有し、かつ、住宅敷地内にある原動機付自転車や自転車も補償の対象となる。 (c) 火災保険の契約締結時に超過保険となっていた場合、そのことについて契約者および被保険者が善意で、かつ、重大な過失がなかったときは、契約者は超過部分について契約を取り消すことができ、契約締結時に遡及して取り消した部分に係る保険料の返還を受けることができる。
解答・解説を表示
解答
3
解説
火災保険において「建物」を対象とする場合は門・塀・垣などの付属工作物も含まれ、「家財」を対象とする場合は敷地内にある自転車や排気量125cc以下の原動機付自転車も含まれます。また保険法第9条に基づき、当初から超過保険であった場合に善意・無重過失であれば、契約者は超過部分を契約締結時に遡及して取り消し、保険料の返還を受けることができます。
解き方
- 建物を保険の対象とした場合の敷地内付属物(門・塀など)の範囲を確認する。
- 家財を保険の対象とした場合の自転車・原動機付自転車(125cc以下)の取扱いを確認する。
- 保険法における超過保険の取消規定(善意・無重過失による遡及取消と保険料返還)の成立要件を確認し、適切な選択肢の総数をカウントする。
- 選択肢 1不正解
- 適切な記述は(a)、(b)、(c)の3つすべてであるため、1つとする本選択肢は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 適切な記述は(a)、(b)、(c)の3つすべてであるため、2つとする本選択肢は誤りです。
- 選択肢 3正解
- (a)建物の付属物、(b)家財に含まれる自転車等、(c)保険法上の超過保険の遡及取消規定のすべてが正しいため、3つが正解です。
- 選択肢 4不正解
- 適切な記述が3つ存在するため、0(なし)とする本選択肢は誤りです。
覚えるポイント
- 家財に含まれる車両は自転車および総排気量125cc以下の原動機付自転車(敷地内)に限られ、自動車や125cc超の二輪車は対象外となる点。
間違えやすいところ
- 保険法上の超過保険において、締結時から超過しており善意・無重過失の場合は将来効ではなく契約時に「遡及」して取り消せる点を見落としやすい。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人が契約する損害保険の課税関係
リスク管理 · 損害保険の税務 / 人身傷害補償保険 / 医療費控除 / 地震保険料控除
個人が契約する損害保険の税務上の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
損害保険において身体の傷害や資産の損害に基因して受け取る保険金は原則として非課税ですが、契約者と被保険者・受取人の関係や保険給付の性質によって課税関係が異なります。また、所得控除の計算における控除対象や補てん金額の範囲を正確に整理しておく必要があります。
解き方
- 地震保険料控除の所得税(最高5万円・全額)および住民税(最高2.5万円・1/2)の限度額と控除額の計算基準を確認します。
- 人身傷害補償保険の死亡保険金における過失割合ごとの課税関係(相手方過失分は非課税、自己過失分はみなし相続財産)を判断します。
- 雑損控除および医療費控除の計算において、支払金額から差し引くべき補てん金の対象範囲(所得補償保険金は医療費控除の補てん金に該当しない点)を照合して誤りを特定します。
- 選択肢 1不正解
- 地震保険料控除の控除限度額は、所得税において年間支払保険料の全額(最高5万円)、住民税において年間支払保険料の2分の1(最高2万5,000円)と定められており適切です。
- 選択肢 2不正解
- 被保険者自身が保険料を負担していた場合、相手方の過失割合に対応する保険金は損害賠償金の性質を持つため非課税となり、自身の過失割合に対応する部分はみなし相続財産として相続税の対象となるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 住宅の火災によって受け取った損害保険金は非課税ですが、雑損控除を適用する際は差引損失額を算出するため、損失額から受取保険金を差し引かなければならず適切です。
- 選択肢 4正解
- 所得補償保険の保険金は非課税ですが、医療費を補てんするものではなく喪失所得を補填する趣旨であるため、医療費控除の計算上、支払った医療費から差し引く必要はなく不適切です。
覚えるポイント
- 所得補償保険金は医療費控除の差引対象となる補てん金には該当しない。
- 人身傷害補償保険の死亡保険金は相手方過失分が非課税、自己過失分が相続税の対象となる。
間違えやすいところ
- 人身傷害補償保険の死亡保険金の全額が非課税または全額が相続税対象になると誤認しやすい。
- 入院給付金等と所得補償保険金を混同し、所得補償保険金も医療費控除から差し引く必要があると思い込みやすい。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
主要な経済指標の定義と特徴
金融資産運用 · 景気動向指数 / ジニ係数 / マネーストック / 国際収支統計
経済指標等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
マクロ経済の動向や社会構造を把握するためには、景気動向指数(景気の局面や転換点)、ジニ係数(格差の度合い)、マネーストック統計(市中の通貨量)、国際収支統計(対外取引の収支状況)など各統計の算出方法や解釈の基本を押さえる必要があります。
解き方
- 景気動向指数のCI一致指数と景気局面・景気基準日付(転換点)との対応関係を確認します。
- ジニ係数の数値の意味(0が完全平等、1が完全不平等)を照合し、記述の正誤を判断します。
- マネーストック統計の対象主体の範囲とM2の構成要素(ゆうちょ銀行等を除く国内銀行等預金)を確認します。
- 国際収支統計の国際基準(IMF第6版)に基づく3大分類(経常収支・金融収支・資本移転等収支)を確認します。
- 選択肢 1不正解
- 景気動向指数のCI一致指数が上昇しているときは景気の拡張局面であり、CI一致指数の山・谷は景気基準日付(転換点)とおおむね一致するため適切です。
- 選択肢 2正解
- ジニ係数は0から1の間の値をとりますが、0に近いほど格差が小さく均等な分配であり、1に近いほど所得格差が大きい状態を示すため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- マネーストック統計は金融機関や中央政府以外の保有する通貨量を集計したもので、M2は現金通貨と国内銀行(ゆうちょ銀行除く)等の預金通貨・準通貨・CDを合計した指標であるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 国際収支統計は一定期間の対外経済取引を記録する統計であり、現行基準において経常収支、金融収支、資本移転等収支の3つの大分類で構成されているため適切です。
覚えるポイント
- ジニ係数は0に近いほど完全平等(格差小)、1に近いほど完全不平等(格差大)。
- マネーストックのM2にはゆうちょ銀行の預金は含まれず、M3に含まれる。
間違えやすいところ
- ジニ係数の数値の向き(0が平等で1が不平等)を逆に覚えてしまう誤り。
- マネーストック統計の対象から「金融機関や中央政府」が除外されていることを見落とす誤り。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
日本銀行の金融政策および金融市場調節
金融資産運用 · 日本銀行の金融政策 / 量的・質的金融緩和 / 銀行券ルール / マネタリーベース
日本銀行が実施している金融政策および金融調節に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
日本銀行の金融調節および量的・質的金融緩和では、マネタリーベースを拡大するために大規模な長期国債やリスク資産(ETF、J-REIT等)の買入れが行われ、従来の自主規制枠組みであった銀行券ルールの適用停止など弾力的な枠組みが採用されました。
解き方
- 物価安定の目標(2%)やマネタリーベースの構成要素(日本銀行券発行高+貨幣流通高+日銀当座預金残高)の定義を確認する。
- 量的・質的金融緩和の導入に伴って、日本銀行の長期国債保有上限を定めていた「銀行券ルール」が一時停止されている事実を照らし合わせて不適切な記述を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 2013年(平成25年)1月の金融政策決定会合において、消費者物価の前年比上昇率2%とする「物価安定の目標」が導入されたため、本記述は適切です。
- 選択肢 2不正解
- マネタリーベースは、「日本銀行券発行高」「貨幣流通高」「日銀当座預金」の合計値であり、金融市場調節の操作目標として用いられているため適切です。
- 選択肢 3正解
- 量的・質的金融緩和の導入時に、円滑な国債買入れを推進する観点から「銀行券ルール(長期国債保有残高を銀行券発行残高以下とする規則)」は適用の一時停止が決定されたため、遵守されているとする本記述は不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 日本銀行の資産買入れ等の資金供給オペレーションでは、長期国債や社債等のほか、上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(J-REIT)も買入対象に含まれているため適切です。
覚えるポイント
- 銀行券ルールは量的・質的金融緩和の導入に伴い適用が一時停止された。
- マネタリーベースは日銀券発行高+貨幣流通高+日銀当座預金残高で構成される。
間違えやすいところ
- マネタリーベースとマネーストックの構成要素の違いを混同しやすい。
- 銀行券ルールが現在も厳格に適用・遵守されていると誤解しやすい。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
後見制度支援信託および遺言代用信託の仕組みと特徴
金融資産運用 · 後見制度支援信託 / 遺言代用信託 / 信託銀行の商品 / 預金保険制度
後見制度支援信託および遺言代用信託に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
後見制度支援信託は成年後見制度における成年被後見人の財産保護を目的とした信託であり、家庭裁判所の指示書に基づき契約や払い戻しが行われます。また信託銀行の当該信託や遺言代用信託は元本補てん契約のある金銭信託として取り扱われ、預金保険制度の対象となります。
解き方
- 後見制度支援信託の対象者が法定後見の「成年被後見人」に限られている点を確認する。
- 後見制度支援信託における財産管理手続(家庭裁判所の指示書の要否)の規定を判定する。
- 遺言代用信託の特徴(遺言書を作成せず信託契約で受益者を指定できる点)および元本保証・預金保険の取扱状況を精査する。
- 選択肢 1不正解
- 後見制度支援信託の利用対象者は成年被後見人に限られており、被保佐人や被補助人は対象とされていないため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 後見制度支援信託では、信託契約の締結や一時金の払出し、契約内容の変更・解約などの重要な手続はすべて家庭裁判所が発行する指示書に基づいて行われるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 遺言代用信託は、公正証書遺言などの遺言書を作成しなくても、信託契約に基づいて死亡後の受益者を指定し財産を承継させることができる仕組みであるため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 信託銀行で取り扱われている一般的な後見制度支援信託や遺言代用信託は、元本補てん契約のある金銭信託であり元本が保証され、預金保険制度(1金融機関ごとに合算して元本1,000万円までとその利息)の保護対象となるため不適切です。
覚えるポイント
- 後見制度支援信託の対象者は成年被後見人のみで、保佐・補助・任意後見は対象外。
- 後見制度支援信託の契約や解約等には家庭裁判所の指示書が必須である。
- 信託銀行の元本補てん契約付き金銭信託は預金保険制度の保護対象となる。
間違えやすいところ
- 遺言代用信託を利用する際に公正証書遺言の作成が必須であると誤認しやすい。
- 後見制度支援信託が被保佐人や被補助人にも利用可能であると誤解しやすい。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国債の仕組みと商品性
金融資産運用 · 個人向け国債 / 新窓販国債 / 物価連動国債
国債に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
国債には個人向け国債、新窓販国債、物価連動国債などがあり、それぞれ発行頻度・最低購入単位・中途換金制限・保有可能要件などのルールが明確に規定されています。
解き方
- 新窓販国債の最低購入単位(額面5万円単位)と個人向け国債の単位(1万円単位)を区別して確認する。
- 個人向け国債の発行頻度(毎月・年12回)および中途換金制限期間(原則1年経過・第2期利子支払日以降)を判定する。
- 物価連動国債の仕組みおよび個人向け保有解禁に関する要件の正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 新窓販国債の購入最低額面金額は5万円であり、5万円単位で購入します。1万円単位で購入できるのは個人向け国債です。
- 選択肢 2不正解
- 個人向け国債(固定3年・固定5年・変動10年)は、平成26年1月発行分以降、毎月(年12回)発行されています。
- 選択肢 3不正解
- 個人向け国債の中途換金は、原則として発行から1年を経過した日(第2期利子支払日)以後から可能です。
- 選択肢 4正解
- 物価連動国債は全国消費者物価指数に連動して元金額が増減する仕組みであり、平成27年1月より平成28年1月以降に満期を迎える銘柄について個人保有が解禁されました。
覚えるポイント
- 個人向け国債は1万円単位で毎月発行、中途換金は原則1年経過後(第2期利子支払日以後)から可能。
- 新窓販国債の最低購入単位は5万円単位であること。
間違えやすいところ
- 個人向け国債の発行頻度を旧制度の年4回(1・4・7・10月)と混同しやすい点に注意する。
- 新窓販国債の購入単位(5万円)を個人向け国債の購入単位(1万円)と取り違えないようにする。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
債券の利回りおよび価格計算
金融資産運用 · 割引債券の複利価格計算 / 固定利付債券の単利最終利回り
以下の表に記載されている割引債券の1年複利計算による単価(空欄①)と固定利付債券の単利計算による最終利回り(空欄②)の組合せとして、最も適切なものはどれか。なお、税金や手数料等は考慮せず、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。 〔条件〕 [割引債券]単価:(①)円、償還価格:100.00円、表面利率:―、最終利回り:0.40%、残存期間:4年 [固定利付債券]単価:101.60円、償還価格:100.00円、表面利率:0.80%、最終利回り:(②)%、残存期間:6年
解答・解説を表示
解答
1
解説
割引債券の複利価格は償還価格を残存年数に応じた複利割引率で割り引いて計算し、固定利付債券の単利最終利回りは年利子と年換算の償還差損益の合計を購入価格で除して算出します。
解き方
- 割引債券の単価①を計算:単価 = 償還価格100 ÷ (1 + 最終利回り0.004)^4 = 100 ÷ 1.016096 ≒ 98.42円。
- 固定利付債券の単利最終利回り②を計算:利回り = [表面利率0.80 + (償還価格100.00 - 購入単価101.60) / 残存年数6] ÷ 購入単価101.60 × 100 ≒ 0.52%。
- 算出された①=98.42、②=0.52の組合せを選択肢1と判定する。
- 選択肢 1正解
- 割引債券の単価①は98.42円、固定利付債券の単利最終利回り②は0.52%となり、計算結果と一致します。
- 選択肢 2不正解
- 固定利付債券の最終利回り②の計算において、償還差損益の減算を誤って加算等すると1.07%程度になりますが、正しくは0.52%です。
- 選択肢 3不正解
- 割引債券の単価①が99.20円となっており誤りです。1年複利計算により正しくは98.42円となります。
- 選択肢 4不正解
- 割引債券の単価①が99.20円、固定利付債券の最終利回り②が1.07%となっており、いずれも計算結果と一致しません。
答えの内訳
- ①:98.42
- 割引債券の1年複利計算による単価は、100 ÷ (1 + 0.004)^4 ≒ 98.4158…円となり、小数点以下第3位を四捨五入して98.42円となります。
- ②:0.52
- 固定利付債券の単利最終利回りは、[0.80 + (100.00 - 101.60) / 6] / 101.60 × 100 ≒ 0.5249…%となり、小数点以下第3位を四捨五入して0.52%となります。
覚えるポイント
- 単利最終利回り(%)= [表面利率 + (償還価格 - 購入価格) ÷ 残存期間] ÷ 購入価格 × 100
- 割引債券の複利単価 = 償還価格 ÷ (1 + 最終利回り)^残存期間
間違えやすいところ
- 固定利付債券の分母を購入価格(101.60円)ではなく額面(100円)で割ってしまうミスに注意する。
- 償還価格が購入価格を下回る(オーバーパー購入)ため、償還差損(マイナス)として年利子から減算すべきところを加算してしまうミス。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式信用取引の仕組みと規制
金融資産運用 · 信用取引 / 代用有価証券 / 委託保証金
株式の信用取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
信用取引では顧客が証券会社に委託保証金を担保として預託して売買を行いますが、代用有価証券の評価掛け目や制度ルールの変動は担保価値に直接反映されます。
解き方
- 各選択肢における信用取引の期日設定、代用有価証券の評価、確定利益の利用、委託保証金計算の各ルールを確認する。
- 代用掛目の改定が既差入株式にも適用され、評価額の再計算(追証等の発生要因)につながる点から不適切な記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 一般信用取引(無期限信用等)であっても、株式分割・併合・合併等のコーポレートアクションや株券調達困難等の事由により、返済期日が繰り上げ設定されることがあります。
- 選択肢 2正解
- 委託保証金として差し入れている上場株式の代用掛目が引き下げられた場合、すでに差し入れている株式も新たな掛目で再評価されるため、委託保証金評価額が減少し影響を受けます。
- 選択肢 3不正解
- 信用建株を反対売買して確定した差益は、受渡日を待たずに反対売買した当日から新たな信用取引の保証金(または新規建て可能額)として即日利用することができます。
- 選択肢 4不正解
- 新規建て可能金額は「差し入れた委託保証金額 ÷ 委託保証金率」で計算されるため、30万円 ÷ 30% = 100万円まで新規建てすることが可能です。
覚えるポイント
- 代用有価証券の掛目変更はすでに差し入れている有価証券にも即座に適用されること。
間違えやすいところ
- 一般信用取引には原則返済期日がないものの、企業の組織再編等により期日が設定される例外があるのを見落としやすい。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令・取引所規則等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式投資指標の定義と計算
金融資産運用 · ROE / デュポン分析 / イールドスプレッド / サスティナブル成長率
株式の投資指標に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
ROE(自己資本純利益率)はデュポン分解により「売上高純利益率 × 総資本回転率 × 財務レバレッジ(=総資本÷自己資本=1÷自己資本比率)」として算出できます。
解き方
- 各選択肢の定義(株式益利回り、自己資本の範囲、ROEデュポン分解、サスティナブル成長率の算式)を確認する。
- 選択肢3において、財務レバレッジ = 1 ÷ 0.40 = 2.5倍を求め、ROE = 2.0% × 1.5 × 2.5 = 7.5% を算出し、適切であることを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 株式益利回りはPER(株価収益率)の逆数(1株当たり当期純利益 ÷ 株価)であり、PBR(株価純資産倍率)の逆数ではありません。
- 選択肢 2不正解
- ROEの計算に用いる自己資本は、純資産の部合計から新株予約権と少数株主持分(非支配株主持分)を控除したものであり、その他の包括利益累計額は控除せず含めます。
- 選択肢 3正解
- 財務レバレッジは「1 ÷ 自己資本比率(40.0%)= 2.5倍」となります。デュポン分解により、ROE = 2.0% × 1.5回 × 2.5倍 = 7.5% となり正しい記述です。
- 選択肢 4不正解
- サスティナブル成長率は「ROE(自己資本利益率)× 内部留保率(1-配当性向)」によって算出され、ROAを用いる計算ではありません。
覚えるポイント
- ROEのデュポン分解公式:売上高純利益率 × 総資本回転率 × 財務レバレッジ(1/自己資本比率)。
間違えやすいところ
- 株式益利回りはPERの逆数でありPBRの逆数ではない点、また自己資本にはその他の包括利益累計額が含まれる点を混同しやすい。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令・企業会計基準等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外貨定期預金の利回り計算
金融資産運用 · 外貨預金 / 為替レート / 利回り計算
以下の条件で、為替予約を付けずに円貨を外貨に交換して外貨預金に預け入れ、満期時に円貨で受け取る場合における年利回りとして、最も適切なものはどれか。なお、6カ月は0.5年として計算し、税金等は考慮せず、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。 [預金等の条件] ・外貨預金の期間・通貨・利率:期間6カ月の米ドル建て定期預金、利率2.00%(年率) ・預入時為替レート:TTS 120.15円、TTM 119.65円、TTB 119.15円 ・満期時為替レート:TTS 122.50円、TTM 122.00円、TTB 121.50円
解答・解説を表示
解答
1
解説
円貨を外貨に換えて預金する際は顧客が外貨を買うためTTSを適用し、満期時に外貨を円貨に戻す際は顧客が外貨を売るためTTBを適用します。投資利回りは投資元本に対する損益の年率換算で求めます。
解き方
- 1米ドルを預け入れる際に必要な円貨(投資元本)をTTS(120.15円)より算出します。
- 6カ月満期時の米ドル建て元利合計を「1米ドル×(1+年利率2.00%×0.5年)=1.01米ドル」と算出します。
- 満期時の受取円貨をTTB(121.50円)を用いて「1.01米ドル×121.50円=122.715円」と計算します。
- 単利計算による年利回り「(122.715円-120.15円)÷120.15円÷0.5年×100≒4.2696%」を求め、小数点以下第3位を四捨五入して4.27%を導きます。
- 選択肢 1正解
- 預入時にTTS(120.15円)、満期時にTTB(121.50円)を用いて正しく計算されており、年利回りは4.27%となります。
- 選択肢 2不正解
- 満期時の為替レートにTTBではなく誤ってTTS(122.50円)を適用して計算した結果(5.95%)であり不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 為替手数料を考慮せず預入時・満期時ともにTTM(119.65円、122.00円)を適用して計算した数値(5.97%近辺)等に基づく誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 預入時にTTB(119.15円)、満期時にTTS(122.50円)をあべこべに適用して計算した結果(7.68%)であり不適切です。
覚えるポイント
- 円から外貨はTTS(Telegraphic Transfer Selling)、外貨から円はTTB(Telegraphic Transfer Buying)を適用します。
間違えやすいところ
- 銀行側の視点(Selling/Buying)と顧客側の視点を混同してTTSとTTBを逆にしてしまうミスに注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
シャープ・レシオによるファンド運用の効率性評価
金融資産運用 · シャープ・レシオ / ポートフォリオ理論 / パフォーマンス評価
以下の表に記載されている運用実績に基づき算出されるシャープ・レシオに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、無リスク資産利子率を1.0%としてシャープ・レシオを算出するものとする。 [運用実績] ・ファンドA:実績収益率 12.0%、標準偏差 8.0% ・ファンドB:実績収益率 9.0%、標準偏差 5.0%
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解答
2
解説
シャープ・レシオは「(ポートフォリオの収益率-安全資産利子率)÷標準偏差」で算出され、取ったリスク1単位あたりに対してどれだけの超過収益を得られたかを示すため、数値が大きいほど運用効率が良好と判断されます。
解き方
- ファンドAのシャープ・レシオを「(12.0%-1.0%)÷8.0%=1.375」と計算します。
- ファンドBのシャープ・レシオを「(9.0%-1.0%)÷5.0%=1.600」と計算します。
- 両者の数値を比較し、ファンドB(1.600)>ファンドA(1.375)であり、値が大きいほど効率的であるという評価基準を適用します。
- 選択肢 1不正解
- ファンドAのシャープ・レシオは1.375であり、ファンドBの1.600よりも小さいため誤りです。
- 選択肢 2正解
- ファンドB(1.600)はファンドA(1.375)よりもシャープ・レシオが大きく、より効率よく運用されていたと評価できます。
- 選択肢 3不正解
- シャープ・レシオは値が大きいほど効率的と評価されるため、「値が小さいため効率よく運用されていた」とする記述は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- ファンドBのシャープ・レシオはファンドAよりも大きく、「小さいため」としている点が誤りです。
覚えるポイント
- シャープ・レシオ=(ポートフォリオのリターン-無リスク金利)÷トータルリスク(標準偏差)であり、大きいほど効率的です。
間違えやすいところ
- 単純に実績収益率が高いファンドAを運用効率が良いと早合点しないよう、リスク1単位あたりの超過リターンを比較する必要があります。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人事業主の事業所得における必要経費の取扱い
タックスプランニング · 事業所得 / 必要経費 / 青色申告 / 親族の資産
青色申告者である個人事業主Aさん(妻Bさんと生計を一にする)の所得税における必要経費に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
個人事業主が事業を営むにあたり、生計を一にする親族の資産を使用する場合、親族へ支払う地代や家賃は経費不算入ですが、その親族が負担した固定資産税や減価償却費等の必要経費相当額は事業主の必要経費として算入できます。
解き方
- 事業用減価償却資産の売却が事業所得ではなく譲渡所得(総合課税)に区分されることを確認する。
- 法人税の交際費課税特例と個人事業主における必要経費のルールの違いを整理する。
- 生計を一にする親族の資産を事業に供した際の固定資産税等の取扱いや青色事業専従者給与の範囲を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 事業用減価償却資産の売却による所得は事業所得ではなく「譲渡所得(総合課税)」に該当するため、売却価額を事業所得の総収入金額に計上することはできません。
- 選択肢 2不正解
- 個人の事業所得においては法人税のような交際費等の損金不算入規定はなく、業務遂行上直接必要な飲食費・交際費であれば全額を必要経費に算入できます。
- 選択肢 3正解
- 生計を一にする配偶者等の親族が所有する土地を事業の用に供している場合、その親族が納付した固定資産税は、事業主の事業所得の必要経費に算入することができます。
- 選択肢 4不正解
- 青色事業専従者に支払う適正な給料や賞与は必要経費に算入できますが、退職金(退職手当)については青色事業専従者給与として必要経費に算入することは認められません。
覚えるポイント
- 生計一親族の資産を無償等で使用する場合、親族が納めた固定資産税や減価償却費は事業主の必要経費に算入可能。
間違えやすいところ
- 法人税の交際費50%損金算入ルールを個人の所得税計算にも適用されると誤解しやすい点に注意する。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の所得税法等法令に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における所得控除の要件と取扱い
タックスプランニング · 所得控除 / 社会保険料控除 / 扶養控除 / 配偶者控除
居住者に係る所得税の所得控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
所得税の社会保険料控除では、実際に保険料を支払った者が控除を受けられます。2年前納の国民年金保険料は納付年での一括控除または各年分への按分控除の選択が認められています。
解き方
- 公的年金から特別徴収された社会保険料の控除対象者が誰になるかを確認する。
- 国民年金保険料を2年前納した際の社会保険料控除の選択適用ルールを確認する。
- 別居親族に対する「生計を一にする」の要件や、年の途中で死亡した者の配偶者控除の重複適用の可否を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 公的年金から特別徴収された介護保険料は、その年金の受給者本人が支払ったものとされるため、配偶者の年金から天引きされた額を納税者の社会保険料控除とすることはできません。
- 選択肢 2正解
- 国民年金保険料を2年前納した場合は、納付した年分に全額を控除する方法と、各年分の保険料に相当する額を各年に分割して控除する方法のいずれかを選択できます。
- 選択肢 3不正解
- 「生計を一にする」とは必ずしも同居を要件とせず、別居していても生活費等の送金が常時行われていれば扶養控除の対象とすることができます。
- 選択肢 4不正解
- 年の中途で死亡した納税者の準確定申告で配偶者控除の対象となった者であっても、その年中に再婚したり他の親族に扶養されたりして要件を満たせば、他の納税者の控除対象配偶者や扶養親族になることができます。
覚えるポイント
- 国民年金の2年前納分は「納付年の一括控除」または「各年の按分控除」の選択制。
間違えやすいところ
- 年金天引き(特別徴収)の社会保険料は、生計一であっても配偶者の控除に回すことはできない点に注意する。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の所得税法等法令に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
配当控除の計算
タックスプランニング · 配当控除 / 所得税の税額控除 / 総合課税
居住者Aさんの平成27年分の所得等の金額(給与所得の金額900万円、配当所得の金額250万円、所得控除の額の合計額120万円)に基づき、総合課税を選択した上場国内株式に係る配当控除の額として最も適切なものを1つ選びなさい。なお、記載のない事項は考慮しないものとする。
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解答
3
解説
総合課税を選択した国内株式の配当所得に対する配当控除は、法人税と所得税の二重課税を調整するための税額控除です。控除率は課税総所得金額等に応じて異なり、1,000万円以下の部分は原則10%、1,000万円を超える部分は原則5%が適用されます。
解き方
- 総所得金額から所得控除を差し引いて課税総所得金額を算出する(900万円+250万円-120万円=1,030万円)。
- 課税総所得金額のうち1,000万円を超える部分(30万円)と1,000万円以下の部分(220万円)に配当所得を区分する。
- それぞれの区分に応じた控除率(10%および5%)を乗じて合算し配当控除額を算出する。
- 選択肢 1不正解
- 配当所得全額に5%を乗じた計算であり、誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 課税総所得金額と配当所得の区分計算の按分が正しく行われていません。
- 選択肢 3正解
- 1,000万円以下の部分220万円に10%、1,000万円超の部分30万円に5%を適用して合算した23万5,000円であり適切です。
- 選択肢 4不正解
- 配当所得250万円の全額に一律10%を乗じて計算しており誤りです。
覚えるポイント
- 課税総所得金額等1,000万円超の部分にかかる配当所得の控除率は5%(一般の上場株式等配当)
- 課税総所得金額等1,000万円以下の部分にかかる配当所得の控除率は10%
間違えやすいところ
- 課税総所得金額全体ではなく、配当所得そのものが1,000万円を超えているかどうかで判定してしまうミス
- 1,000万円超の部分に対して10%、1,000万円以下の部分に5%と控除率を逆に取り違える誤り
出題の前提:2015年4月1日現在施行法令
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅借入金等特別控除の要件と特例
タックスプランニング · 住宅借入金等特別控除 / 認定長期優良住宅 / 贈与税の特例 / 転勤
居住者が平成27年4月に住宅ローンを利用して住宅を取得し同月中に入居した場合(消費税率8%負担)における住宅借入金等特別控除に関する記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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解答
2
解説
住宅借入金等特別控除は、居住者が住宅ローンを利用して一定の要件を満たす住宅の新築・取得・増改築等を行った場合に税額控除が受けられる制度です。消費税率8%が課された認定長期優良住宅では年末借入残高の限度額が5,000万円に拡充されています。
解き方
- 店舗併用住宅の要件、認定長期優良住宅の借入限度額および最大控除額、他の贈与税特例との併用可否、転勤等による再居住の適用ルールを順に確認する。
- 認定長期優良住宅(消費税8%時)は年末借入残高限度額5,000万円×控除率1%=最大控除額50万円、控除期間10年間であるため、選択肢2が適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 床面積要件は全体の床面積が50㎡以上かつ床面積の2分の1以上が居住用であれば足り、居住用部分単独で50㎡以上あることまでは要求されません。
- 選択肢 2正解
- 消費税率8%が適用される認定長期優良住宅の場合、借入限度額は5,000万円で控除率は1.0%のため、年間最大控除額は50万円(控除期間最長10年)となります。
- 選択肢 3不正解
- 住宅借入金等特別控除と「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例」は重複して適用を受けることができます。
- 選択肢 4不正解
- 転勤命令等のやむを得ない事情で一時的に転居した場合でも、所定の手続きを行っていれば、再居住した年以後の残存控除期間について再び特別控除の適用を受けることができます。
覚えるポイント
- 消費税8%時の認定住宅の借入限度額は5,000万円、一般住宅は4,000万円
- 住宅取得等資金の贈与税非課税特例と住宅ローン控除は併用可能
- 転任命令による一時的な退去・転居でも再居住後に再適用が可能
間違えやすいところ
- 店舗併用住宅の50㎡以上要件を、建物全体ではなく居住部分単独の面積要件と勘違いすること
- 贈与税の住宅取得等資金の非課税特例と住宅ローン控除が併用できないと誤認すること
出題の前提:2015年4月1日現在施行法令
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の申告手続および国外財産調書
タックスプランニング · 確定申告 / 準確定申告 / 更正の請求 / 国外財産調書
居住者に係る所得税の申告等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
所得税における準確定申告の期限、訂正申告の取扱い、更正の請求期限、および国外財産調書制度の提出義務要件を正確に把握しておく必要があります。
解き方
- 準確定申告、期限内の訂正申告、更正の請求の各手続きにおける期限や加算税のルールを確認する。
- 国外財産調書制度の提出義務者・判定基準日・提出期限を確認し、最も適切な肢を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 死亡した者に係る準確定申告の期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内です。10カ月以内ではありません(10カ月以内は相続税の申告期限です)。
- 選択肢 2不正解
- 法定申告期限内に提出された訂正申告書は、適法な期限内申告書として扱われるため、過少申告加算税が課されることはありません。
- 選択肢 3不正解
- 納付税額が過大であった場合の更正の請求期限は、原則として法定申告期限から5年以内とされています。1年以内ではありません。
- 選択肢 4正解
- 非永住者を除く居住者で、12月31日において国外財産の価額合計が5,000万円を超える者は、翌年3月15日までに国外財産調書を提出する必要があります。
覚えるポイント
- 準確定申告の期限は相続開始を知った日の翌日から4カ月以内
- 更正の請求期限は原則として法定申告期限から5年以内
- 国外財産調書の提出基準は12月31日時点で国外財産合計5,000万円超
間違えやすいところ
- 準確定申告の期限(4カ月)と相続税の申告期限(10カ月)を混同しやすい。
- 更正の請求の期限を旧制度の1年と誤認しやすい(現行は原則5年)。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等(国税通則法、所得税法、内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律)
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人の減価償却資産の償却・損金算入の特例
タックスプランニング · 少額減価償却資産 / 一括償却資産 / 生産性向上設備投資促進税制 / 中小企業等投資促進税制
内国法人が平成27年中に取得した減価償却資産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
法人税法上の減価償却において、使用可能期間1年未満または取得価額10万円未満の資産の全額損金算入、20万円未満の一括償却資産(3年均等償却)、租税特別措置法に基づく特別償却等の適用要件を理解します。
解き方
- 少額減価償却資産(10万円未満または使用可能期間1年未満)および一括償却資産(20万円未満)の金額要件を確認する。
- 生産性向上設備投資促進税制の即時償却および中小企業等投資促進税制における特別償却不足額の繰越規定を確認し、誤っている肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 使用可能期間が1年未満のもの、または取得価額が10万円未満である減価償却資産は、事業の用に供した事業年度に損金経理することで全額損金算入できます。
- 選択肢 2正解
- 一括償却資産として3年間にわたり均等償却できるのは、取得価額が20万円未満の減価償却資産です。30万円の資産は一括償却資産の対象にはなりません。
- 選択肢 3不正解
- 生産性向上設備投資促進税制(租税特別措置法第42条の12の5)により、要件を満たす特定生産性向上設備等について即時償却(取得価額の全額損金算入)の適用を受けることができます。
- 選択肢 4不正解
- 中小企業等投資促進税制等の特別償却において、限度額に達しない特別償却不足額が生じた場合は、翌事業年度に限りその償却不足額を繰り越すことができます。
覚えるポイント
- 少額減価償却資産:10万円未満または使用期間1年未満(全額損金算入可)
- 一括償却資産:20万円未満(3年間で均等償却)
- 中小企業の少額減価償却資産の特例:30万円未満(年間300万円限度で全額損金算入可)
間違えやすいところ
- 一括償却資産(20万円未満)と中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入特例(30万円未満)の適用金額基準を取り違えやすい。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等(法人税法施行令第133条、第133条の2、租税特別措置法第42条の6、第42条の12の5、第52条の2)
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
役員給与の損金算入要件
タックスプランニング · 役員給与 / 定期同額給与 / 事前確定届出給与 / 利益連動給与
法人税法における役員給与の取扱いに関する次の記述(a)〜(c)のうち、適切なものの個数として最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
1
解説
法人が役員に支給する給与は原則として損金不算入ですが、損金算入要件を満たす定期同額給与、事前確定届出給与、業績連動給与(旧・利益連動給与)等に該当する場合は損金算入が認められます。
解き方
- 記述(a)について、支給時期が1カ月以下の一定期間ごとで同額である定期同額給与の定義に合致しているか判定します。
- 記述(b)について、事前確定届出給与の税務署長への届出期限が原則として株主総会等の決議日等から1カ月以内等であり、事業年度開始から6カ月ではない点を確認します。
- 記述(c)について、利益連動給与の対象法人が非同族会社等に限られ、同族会社は対象外である点を確認し、適切な記述の総数を求めます。
- 選択肢 1正解
- (a)のみが適切であり、適切なものは1つであるため正しい選択肢です。
- 選択肢 2不正解
- 適切なものは(a)の1つだけであるため、2つとする本記述は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 適切なものは(a)の1つだけであるため、3つとする本記述は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- (a)が適切であるため、0(なし)とする本記述は誤りです。
覚えるポイント
- 定期同額給与は1カ月以下の一定期間ごとに同額支給される給与であること
- 利益連動給与(業績連動給与)は同族会社を対象外としていること
間違えやすいところ
- 事前確定届出給与の届出期限を6カ月以内と誤認しやすい点
- 同族会社でも利益連動給与が活用できると混同してしまう点
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等(法人税法第34条)
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
青色申告法人の欠損金の繰越控除等
タックスプランニング · 法人税 / 欠損金の繰越控除 / 欠損金の繰戻し還付 / 青色申告
青色申告法人の欠損金の繰越控除等に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。なお、各選択肢においてほかに必要とされる要件等は満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
法人税法における青色欠損金の繰越控除では、大法人に対する控除限度額制限や控除期間が定められています。適用要件として欠損金発生年度の青色申告と以後の連続確定申告が必要ですが、その後の申告は白色申告でも構いません。
解き方
- 大法人(資本金1億円超等)の欠損金控除限度額が平成27年4月1日開始事業年度において所得の65%である規定を確認します。
- 当時の欠損金の繰越期間(9年間)を確認し、7年とする記述2を誤りと判断します。
- 繰越控除適用後の事業年度は「連続して確定申告書を提出」していればよく、青色申告の継続までは求められない点を確認して記述3を排除します。
- 中小企業者等の欠損金の繰戻し還付は設立後5年以内に限定されていないことを確認し、記述4を排除します。
- 選択肢 1正解
- 資本金1億円超の大法人等は、平成27年4月1日以後に開始する事業年度において控除前所得の65%が控除限度額となるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 損金算入できる欠損金の繰越期間は、平成27年4月1日時点の法令において各事業年度開始前9年以内に開始した事業年度の欠損金です。
- 選択肢 3不正解
- 欠損金発生年度以後の事業年度については連続して確定申告書を提出していれば足り、必ずしも青色申告書である必要はありません。
- 選択肢 4不正解
- 資本金1億円以下の中小法人等に対する欠損金の繰戻し還付は、設立後5年以内の欠損金に限定されず適用が可能です。
覚えるポイント
- 大法人における欠損金の控除限度額規制(所得に対する一定割合)
- 欠損金発生事業年度以後は青色申告でなくとも確定申告書の連続提出で繰越可能であること
間違えやすいところ
- 欠損金発生後の各事業年度も青色申告書でなければならないと誤解する点
- 中小法人の繰戻し還付が設立後5年以内に限られると混同する点
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等(法人税法第57条、第80条、租税特別措置法)
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
消費税の簡易課税制度の適用要件とルール
タックスプランニング · 消費税 / 簡易課税制度 / みなし仕入率
消費税の簡易課税制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
消費税の簡易課税制度は、基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者が事前に選択届出書を提出することで、実際の課税仕入れ等にかかる税額の計算に代えて事業区分ごとのみなし仕入率を乗じて仕入控除税額を算出できる制度です。
解き方
- 簡易課税の選択要件として基準期間の課税売上高が5,000万円以下であることを確認する。
- 事前の届出要件および2年間の継続適用義務(縛り)のルールと合致しているか照合する。
- 事業区分の特例(75%ルール等)および基準期間売上高の判定上限額(5,000万円)との整合性を確認して誤りを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 簡易課税制度の適用を受けようとする事業者は、原則としてその適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに届出書を提出する必要があります。
- 選択肢 2正解
- 簡易課税制度が適用できないのは「基準期間の課税売上高が5,000万円を超える」課税期間であり、1,000万円超であっても5,000万円以下であれば適用可能です。
- 選択肢 3不正解
- 平成27年4月1日以後開始課税期間からみなし仕入率は6区分となり、2種類以上の事業を営む場合で1つの事業の課税売上高が全体の75%以上を占めるときはその事業の率を全体に適用できます。
- 選択肢 4不正解
- 簡易課税制度選択届出書を提出した事業者は、事業廃止の場合を除き、適用開始課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ取りやめの届出書を提出できません。
覚えるポイント
- 簡易課税の適用基準期間の課税売上高上限は5,000万円以下であること
- 簡易課税制度は原則として2年間の継続適用義務があること
間違えやすいところ
- 免税事業者の判定基準である基準期間課税売上高1,000万円以下と、簡易課税の上限である5,000万円以下を混同しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産登記法における筆界特定制度の手続きと効力
不動産 · 筆界特定制度 / 公法上の境界 / 筆界特定書
筆界特定制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
筆界特定制度は、筆界特定登記官が民間専門家である筆界調査委員の意見を踏まえて公法上の境界である筆界の位置を現地において特定する行政手続であり、誰でも手数料を納付して筆界特定書の写しの交付を請求できます。
解き方
- 筆界特定が公法上の線(筆界)の位置を明らかにする行政手続であり、私法上の所有権の境界を最終確定させる判決効を持たない点を確認する。
- 筆界は公法上の区画であるため土地所有者の私的な合意のみでは変更できないことを確認する。
- 申請手数料の算定基準(対象土地の価格等)と、手続終了後の情報公開(何人でも写しの交付請求が可能)のルールを精査して適切な肢を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 筆界特定は公法上の筆界の現地における位置を特定する行政判断であり、私法上の所有権の範囲(境界)を確定させる効力(既判力)はありません。
- 選択肢 2不正解
- 筆界は公法上の境界であるため、私人間の合意や公正証書等によって勝手に変更することはできません。
- 選択肢 3不正解
- 筆界特定の申請手数料は、隣接する対象土地の合計面積ではなく、固定資産税評価額等の対象土地の価格を基礎として算出されます。
- 選択肢 4正解
- 筆界特定がされると登記記録の表題部にその旨が記録され、筆界特定書の写しは利害関係人に限らず何人でも交付を請求することができます。
覚えるポイント
- 筆界特定書の写しは利害関係人に限らず何人でも交付請求できること
- 筆界特定は公法上の境界の現地位置を特定するもので所有権の帰属を確定するものではないこと
間違えやすいところ
- 公法上の境界(筆界)と私法上の境界(所有権界)を混同し、当事者の合意のみで筆界を変更できると誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
宅地建物取引業法における自ら売主制限等の規制
不動産 · 宅地建物取引業法 / 自ら売主制限 / 手付の額の制限 / 専任の宅地建物取引士
宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、買主は宅地建物取引業者ではないものとする。
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解答
2
解説
宅地建物取引業法では、宅建業者が自ら売主となり非業者(一般消費者等)が買主となる売買契約において、手付金の上限(代金の2割)、損害賠償額の予定等の制限(代金の2割)、瑕疵担保責任の特約制限(引渡しから2年以上)など、買主を保護するための8つの制限(自ら売主制限)を設けています。
解き方
- 各選択肢について、宅建業法の規定および自ら売主制限の要件と照らし合わせる。
- 選択肢2の手付金受領上限が「1割」ではなく「代金の2割」である点を確認し、誤り(不適切)と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 宅地建物取引業法第31条の3第1項等の規定により、業務を行う事務所ごとに業務従事者5人に1人以上の割合で成年者である専任の宅地建物取引士を置く必要があります。
- 選択肢 2正解
- 宅建業者が自ら売主となる場合、受領できる手付金の上限は売買代金の「2割(20%)」と定められており、1割を超える手付金であっても2割以内であれば受領可能です。
- 選択肢 3不正解
- 民法の原則より買主に不利な特約は無効ですが、担保責任を負う期間を「引渡しの日から2年以上」とする特約は認められているため、引渡しから3年間とする特約は有効です。
- 選択肢 4不正解
- 債務不履行を理由とする契約解除に伴う損害賠償の予定額や違約金の合算額は、代金の2割を超えることができず、これを超える定めをした場合は超える部分が無効となります。
覚えるポイント
- 自ら売主制限の手付金上限は代金の2割、損害賠償額の予定等の合算上限も代金の2割である。
- 瑕疵担保責任の特約は「引渡しの日から2年以上」であれば有効となる。
間違えやすいところ
- 手付金の制限割合(2割)を手付金保全措置の要件(未完成物件5%超・完成物件10%超)と混同しないよう注意する。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の宅地建物取引業法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法における定期建物賃貸借契約の要件と効力
不動産 · 借地借家法 / 定期建物賃貸借 / 中途解約権 / 賃料改定特約
借地借家法の定期建物賃貸借契約(以下、「定期借家契約」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
定期建物賃貸借契約(定期借家契約)は、契約の更新がなく期間満了により確定的に終了する制度です。公正証書等の書面による契約締結や事前説明書面の交付・説明が要件であり、事前説明を怠ると「更新のない定め」が無効となって普通借家契約扱いになります。また、特約がない場合の中途解約権は床面積200㎡未満の居住用建物に限定されています。
解き方
- 定期借家契約における事前説明義務違反の効果、借賃改定特約の効力、中途解約の法定要件、経過措置を確認する。
- 中途解約権(借地借家法第38条第5項)の対象が「居住用建物」であり、事業用建物には法定の中途解約権がないことから、選択肢3が誤り(不適切)であると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 契約締結前の事前説明を行わなかった場合、契約の更新がないとする特約は無効となり、通常の賃貸借契約と同様に正当事由がなければ更新拒絶ができません。
- 選択肢 2不正解
- 借地借家法第38条第7項により、定期借家契約において借賃の改定に係る特約があるときは、同法第32条の借賃増減請求権に関する規定は適用されません。
- 選択肢 3正解
- 借地借家法第38条第5項による法定中途解約権が認められるのは「床面積200㎡未満の居住用建物」を賃借した場合であり、事業用建物の場合は中途解約の特約がない限り解約できません。
- 選択肢 4不正解
- 借地借家法の一部を改正する法律(平成11年法律第153号)の附則第7条により、平成12年3月1日前に締結された居住用建物の賃貸借契約を合意終了して新たに定期借家契約を締結する切り替えは禁止されています。
覚えるポイント
- 定期借家契約の法定中途解約権は「床面積200㎡未満」かつ「居住用建物」に限定される。
- 賃料改定に関する特約を設けた場合、借賃増減請求権の規定は適用除外となる。
間違えやすいところ
- 中途解約権の要件である「床面積200㎡未満」だけに気を取られ、用途が「居住用」である点を見落とさないように注意する。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の借地借家法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法における道路の定義
不動産 · 建築基準法 / 接道義務 / 道路の定義 / 2項道路
建築基準法で定める道路に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、特定行政庁が指定する幅員6mの区域ではないものとし、地下におけるものを除くこととする。
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解答
1
解説
建築基準法上の道路は、原則として幅員4m以上のものを指します(第42条第1項)。都市計画法等の公法の手続きを経て築造された幅員4m以上の道路は、個別指定を経ることなく同項第2号の道路に該当します。
解き方
- 建築基準法第42条第1項各号および第2項に掲げられた各種道路の成立要件を整理する。
- 都市計画法による開発道路(1項2号)、位置指定道路(1項5号)、みなし道路(2項道路)の指定・幅員要件を各選択肢と照合して正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- 都市計画法、土地区画整理法等の法律に基づいて築造された幅員4m以上の道は、建築基準法第42条第1項第2号の道路となり、特定行政庁の個別の指定を受けることなく当然に道路となります。
- 選択肢 2不正解
- 位置指定道路(同法42条1項5号)は、幅員4m以上であって、特定行政庁からその位置の指定を受けた道路を指します。幅員4m未満の道は位置指定道路として指定を受けることはできません。
- 選択肢 3不正解
- いわゆる2項道路(みなし道路)は、特定行政庁の指定により道路とみなされますが、道路の境界線は現況の敷地境界ではなく、原則として道路の中心線から水平距離2m後退(セットバック)した線が境界線とみなされます。
- 選択肢 4不正解
- 建築基準法上の道路の幅員には、自動車の車道部分だけでなく、歩道や側溝(U字溝など)の部分も有効幅員に含まれます(ただし通行不可能な擁壁や法敷等は除外されます)。
覚えるポイント
- 建築基準法第42条第1項各号の道路は原則幅員4m以上であり、1項2号の開発道路は特定行政庁の個別指定が不要であること。
間違えやすいところ
- 2項道路(幅員4m未満)の境界線を現況敷地境界と誤認しやすいが、正しくは道路中心線から2m後退した線となる。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の建築基準法第42条
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
農地法および生産緑地法の手続きと制限
不動産 · 農地法 / 第3条許可 / 農業生産法人 / 生産緑地法 / 買取り申出
農地法および生産緑地法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
農地の保全と効率的利用を目的とする農地法と、市街化区域内の農地を計画的に保全する生産緑地法では、それぞれ行為制限と許可権者(農業委員会・市町村長など)が法律上明確に規定されています。
解き方
- 農地法上の権利移動(第3条許可)における許可権限(農業委員会)および法人の参入要件(一般法人の賃借許可)を確認する。
- 生産緑地法における建築等の行為制限の許可権者(市町村長)および買取り申出が可能な期間要件(告示から30年)を照合して適切な肢を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 農地の権利移動(農地法第3条)の許可は、取得者の住所地と農地の所在市町村が同一であるかどうかにかかわらず、すべて農業委員会が行います(平成21年改正により一本化されました)。
- 選択肢 2不正解
- 農地の所有権を取得できる法人は農業生産法人(現・農地所有適格法人)に限られますが、賃借(解除条件付きの貸借)による利用権の設定であれば一般法人でも農業への参入が認められています。
- 選択肢 3正解
- 生産緑地法第8条第1項に基づき、生産緑地地区内において建築物の新築・改築・増築、宅地造成等の行為を行う場合には、原則として市町村長の許可が必要です。
- 選択肢 4不正解
- 生産緑地の買取り申出ができる要件は、都市計画の告示の日から起算して「30年」を経過したとき、または主たる従事者が死亡や重度障害等により従事できなくなったときです。20年ではありません。
覚えるポイント
- 農地法第3条の許可権者は住所内外を問わず農業委員会であること、生産緑地の買取り申出は告示から30年経過が要件であること。
間違えやすいところ
- 一般法人でも「所有」は制限されるが「賃借」による農業参入は認められている点や、生産緑地の年数制限(30年)を20年と取り違えやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の農地法第3条および生産緑地法第8条・第10条
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
土地区画整理法における仮換地と換地計画の仕組み
不動産 · 土地区画整理法 / 仮換地 / 保留地 / 減歩
土地区画整理法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
土地区画整理事業では、仮換地の指定によって使用収益権のみが仮換地に移行しますが、処分権(所有権の移転や担保設定など)は換地処分の公告日まで従前の宅地に留まります。
解き方
- 仮換地指定の効力(使用収益権の移行と処分権の所在)を確認する。
- 従前の宅地の売却や登記等の処分権能が制限されるか否かを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 施行者は事業費に充てるため、換地計画において一定の土地を換地として定めず保留地として定めることができます(土地区画整理法96条2項)。
- 選択肢 2不正解
- 仮換地指定の効力発生日から換地処分公告日まで、従前の宅地の権利者は仮換地を使用・収益できます(土地区画整理法99条1項)。
- 選択肢 3正解
- 仮換地指定により失われるのは従前の宅地の使用収益権のみであり、売買等の処分権は失われないため売買契約を締結できます。
- 選択肢 4不正解
- 公共施設用地の創出や保留地の確保のために減歩が行われるため、交付される換地面積は従前の面積より小さくなることがあります。
覚えるポイント
- 仮換地指定により移行するのは「使用収益権」であり、「処分権」は従前の宅地に残る。
間違えやすいところ
- 仮換地指定によって従前の土地の所有権や売買処分権まで仮換地に移転すると誤認しやすい。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の土地区画整理法
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例
不動産 · 固定資産税 / 住宅用地の特例 / 賦課期日制度 / 特定空家等
「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、もっぱら人の居住の用に供する家屋を専用住宅といい、専用住宅の敷地の用に供されている土地で、当該土地の面積が当該専用住宅の床面積の10倍以下である土地を住宅用地という。
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解答
2
解説
固定資産税は賦課期日(毎年1月1日)主義を採用しており、年の途中で土地の利用状況が変更されても、その年度分の課税標準や特例の適用は変動せず、翌年度の課税から反映されます。
解き方
- 固定資産税の賦課期日主義(毎年1月1日現在の現況で年度全体の課税が決定されること)を確認する。
- 年の途中で家屋を取り壊して駐車場等に変更した場合の課税関係を照らし合わせる。
- 選択肢 1不正解
- 住宅用地のうち200㎡以下の部分は小規模住宅用地として課税標準が価格の6分の1、200㎡を超える部分は一般住宅用地として3分の1となります。
- 選択肢 2正解
- 固定資産税は1月1日時点で判断されるため、年途中の7月に取り壊して駐車場にしても平成27年度分は特例が適用されたままとなり、除外されるのは翌年度(平成28年度)からです。
- 選択肢 3不正解
- 建替えのために家屋を取り壊し、賦課期日(1月1日)現在で新築工事中などの一定の要件を満たす場合は、継続して住宅用地特例が適用されます。
- 選択肢 4不正解
- 平成27年度税制改正により、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく勧告の対象となった特定空家等の敷地は、住宅用地特例の対象から除外されます。
覚えるポイント
- 固定資産税は1月1日(賦課期日)現在の状況で1年分が決定され、年途中の現況変更で月割り変更されない。
間違えやすいところ
- 年の途中で住宅を取り壊すと、取り壊した翌月以降の固定資産税から住宅用地特例が外れると誤解しやすい。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の地方税法
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
固定資産の交換の特例
不動産 · 固定資産の交換の特例 / 譲渡所得 / 所得税
Aさんは、自己が所有する甲土地(面積300㎡、時価6,000万円)または乙土地(面積400㎡、時価8,000万円)と、特殊関係者ではないBさんが所有する丙土地(面積350㎡、時価6,000万円)との交換を検討している。所得税法における「固定資産の交換の特例」に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載以外の要件等はすべて満たしているものとする。
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解答
3
解説
固定資産の交換の特例(所得税法第58条)は、1年以上所有した同一区分の固定資産同士を交換し、取得資産を譲渡資産と同一の用途に供する場合に譲渡所得の課税を繰り延べる制度です。適用には、高い方の時価に対する交換差金(時価の差額を含む)の割合が20%以内であることが求められます。
解き方
- 譲渡資産と取得資産の所有期間要件(双方が1年以上所有していること)を確認する。
- 交換直後の用途供用義務および相手方の取得後売却が適用関係に及ぼす影響を検討する。
- 交換する両資産の時価差額を計算し、いずれか高い方の時価の20%以内であるかを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 交換の相手方であるBさんが取得した資産を直後に第三者に譲渡したとしても、Aさん自身が取得した丙土地を同一用途に供するなどの要件を満たしていれば、Aさんは本特例の適用を受けることができます。
- 選択肢 2不正解
- 本特例の適用を受けるためには、自己の譲渡資産だけでなく相手方の取得資産についても、互いに1年以上所有していた固定資産であることが要件とされているため、Bさんの所有期間が1年未満であれば適用を受けられません。
- 選択肢 3正解
- 交換差金の判定における資産の価額は客観的な時価によるため、当事者間の合意で価額を合わせても時価差額(2,000万円)は解消されず、高い方の時価8,000万円の20%(1,600万円)を超えるため本特例の適用は受けられません。
- 選択肢 4不正解
- 乙土地の一部を分筆して事前に売却し、残りの時価6,000万円の部分と時価6,000万円の丙土地とを交換する場合、等価交換となり交換差金が生じないため、他の要件を満たしていれば本特例の適用を受けることができます。
覚えるポイント
- 交換の特例では「譲渡資産・取得資産ともに1年以上所有」「交換差金は高い方の時価の20%以内」が必須条件です。
間違えやすいところ
- 当事者間で合意した価額ではなく、客観的な取引価額(時価)を基準に20%要件を判定することに注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の所得税法第58条および関係通達に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の配偶者控除
相続・事業承継 · 贈与税 / 配偶者控除 / おしどり贈与 / 店舗併用住宅
贈与税の配偶者控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各記述において贈与の年においてほかに贈与された財産はなく、記載以外の要件等はすべて満たしているものとする。
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解答
4
解説
贈与税の配偶者控除(相続税法第21条の6)は、婚姻期間が20年以上の配偶者から居住用不動産またはその取得資金の贈与を受けた場合に、最高2,000万円を控除できる制度です。店舗併用住宅の場合は原則として居住用部分の割合に応じた部分のみが控除の対象となります。
解き方
- 受贈財産の全体の相続税評価額に取得した持分を乗じ、取得財産の価額(7,500万円×1/3=2,500万円)を算出する。
- 居住用割合(40%)を乗じて配偶者控除の対象となる金額(2,500万円×40%=1,000万円)を計算する。
- 取得価額から配偶者控除額および基礎控除額(110万円)を差し引き、課税される金額(2,500万円-1,000万円-110万円=1,390万円)を導く。
- 選択肢 1不正解
- 婚姻期間20年以上の判定は、贈与があった年の1月1日ではなく「贈与があった日」現在で行われます。平成7年6月婚姻で平成27年8月贈与の場合、婚姻期間は20年を超えているため適用を受けられます。
- 選択肢 2不正解
- 贈与税の配偶者控除は、居住用家屋の敷地(土地または借地権等)のみの贈与であっても、一定の要件を満たせば適用を受けることができます。
- 選択肢 3不正解
- 配偶者控除の対象となるのは「居住用不動産」または「居住用不動産を取得するための金銭」の贈与に限られ、生命保険金の受取によるみなし贈与財産は対象外です。
- 選択肢 4正解
- 取得財産の評価額2,500万円(7,500万円×1/3)のうち、居住用部分40%に相当する1,000万円が配偶者控除額となり、基礎控除110万円を差し引いた課税価格(課税標準)は1,390万円となります。
覚えるポイント
- 婚姻期間20年の判定基準日は「贈与日当日」であり、敷地のみの贈与も配偶者控除の対象になります。
間違えやすいところ
- 婚姻期間を贈与年の1月1日現在で数えてしまう誤りや、店舗併用住宅で全体に配偶者控除を適用してしまうミスに注意が必要です。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の相続税法第21条の6および関係通達に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続時精算課税制度の要件・申告義務・死亡時の取扱い
相続・事業承継 · 相続時精算課税制度 / 贈与税の申告 / 相続税の申告義務 / 受贈者の死亡
相続時精算課税制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
相続時精算課税制度は、一定の要件を満たす直系尊属からの贈与について選択できる制度であり、受贈財産は特定贈与者の相続時に相続財産に合算して精算します。相続時に基礎控除額以下で納付税額がない場合は原則として相続税の申告義務は生じません。
解き方
- 相続時精算課税の選択要件(贈与者60歳以上、受贈者20歳以上の直系卑属)および贈与者ごとの選択可否を確認する。
- 制度選択後の翌年以降の贈与について、特別控除の枠内であっても贈与税申告書の提出義務があるかを確認する。
- 特定贈与者死亡時の相続税申告義務の判定基準(基礎控除額との比較)を検討し、受贈者死亡時の権利義務の承継ルールと合わせて正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 平成27年1月1日以降の贈与では、贈与者が贈与年の1月1日において60歳以上の直系尊属、受贈者が20歳以上の直系卑属であれば適用可能であり、受贈者は贈与者(父、祖父)ごとに本制度を選択できます。
- 選択肢 2不正解
- 一度相続時精算課税を選択した受贈者は、その特定贈与者からの以後の贈与について、納付すべき贈与税額がない場合であっても毎年申告期限内に贈与税の申告書を提出する必要があります。
- 選択肢 3正解
- 相続時精算課税適用財産を相続財産に加算した課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額以下であり、納付すべき相続税額がないときは、相続税の申告義務はありません(還付を受ける場合の申告は義務ではなく任意です)。
- 選択肢 4不正解
- 相続時精算課税適用者が特定贈与者より先に死亡し、その相続人が特定贈与者のみであるときは、精算課税に係る納税上の権利義務は混同等により承継されず消滅します。
覚えるポイント
- 相続時精算課税では、選択後の年分は税額が発生しなくても贈与税申告書の提出が原則として必要である点
- 特定贈与者死亡時に加算後の遺産額が基礎控除額以下で納付税額がない場合は相続税申告義務がない点
間違えやすいところ
- 小規模宅地等の特例と混同し、基礎控除以下であれば申告が不要である相続税の基本原則を忘れてしまうこと
- 暦年課税の基礎控除(110万円)と異なり、精算課税選択後は少額の贈与であっても申告が必要である点を見落とすこと
出題の前提:2015年4月1日現在施行の相続税法に基づき、当時の年齢要件(受贈者20歳以上)および申告義務の規定を適用
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税特例
相続・事業承継 · 贈与税の非課税特例 / 結婚・子育て資金の一括贈与 / 受贈者要件 / 契約終了時の取扱い
「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
結婚・子育て資金の一括贈与の非課税特例は、直系尊属から20歳以上50歳未満の受贈者への一括贈与について受贈者1人あたり1,000万円(結婚費用は300万円)まで非課税とする制度です。使われなかった残額は契約終了時に贈与税課税、または贈与者死亡時に相続税課税の対象となります。
解き方
- 結婚・子育て資金の一括贈与特例における非課税限度額(1,000万円、うち結婚300万円)を確認する。
- 受贈者の対象年齢要件(契約締結日において20歳以上50歳未満)を確認する。
- 契約期間中の贈与者死亡時(管理残額が相続税課税価格に加算される)の取扱いを確認する。
- 受贈者が50歳到達等により契約終了した際の使い残し部分に対する贈与税課税関係を確認して正解を選択する。
- 選択肢 1不正解
- 非課税限度額は受贈者1人につき1,000万円(結婚費用に充当する部分は300万円限度)です。1,500万円は教育資金一括贈与の限度額です。
- 選択肢 2不正解
- 本特例の適用対象となる受贈者は、信託等の契約締結日において20歳以上50歳未満の者に限られます。
- 選択肢 3不正解
- 信託期間中に贈与者が死亡した場合、死亡日における管理残額(使い切れなかった金銭等)は、受贈者が贈与者から相続または遺贈により取得したものとみなされ、相続税の課税価格に加算されます。
- 選択肢 4正解
- 受贈者が50歳に達して契約が終了した場合、非課税拠出額から適格な結婚・子育て資金支出額を控除した残額は、終了した日に贈与があったものとして贈与税が課税されます。
覚えるポイント
- 結婚・子育て資金の非課税限度額は1,000万円(うち結婚300万円)で、受贈者の年齢は20歳以上50歳未満である点
- 受贈者が50歳に達して契約終了した時点の残額は贈与税の課税対象となる点
間違えやすいところ
- 教育資金の一括贈与(限度額1,500万円・30歳未満)の数値要件と混同してしまうこと
- 贈与者死亡時の管理残額について、死亡前3年以内の贈与加算の規定と混同し、加算されないと誤解すること
出題の前提:2015年4月1日現在施行の租税特別措置法第70条の2の3(直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税)
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
成年後見制度の権限と手続き
相続・事業承継 · 成年後見制度 / 被保佐人の権限 / 補助人の同意権・代理権
成年後見制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
成年後見制度は判断能力が不十分な者を保護・支援する仕組みですが、本人の意思尊重の観点から、遺言などの一身専属的な行為には保佐人等の同意権や取消権は及びません。
解き方
- 各選択肢について、後見人・保佐人・補助人の取消権、同意権、代理権の法的な範囲を検討する。
- 遺言作成における制限(被保佐人による遺言に同意が必要か否か)を法文に基づいて判断する。
- 選択肢 1不正解
- 成年被後見人の法律行為は取り消すことができますが、日用品の購入その他日常生活に関する行為は取り消すことができません(民法9条但書)。
- 選択肢 2正解
- 遺言は満15歳以上で意思能力があれば単独で行うことができ、被保佐人が遺言をする際に保佐人の同意を得る必要はありません(民法962条)。
- 選択肢 3不正解
- 補助人に同意権や代理権を付与する審判を被補助人以外の者が請求する場合、本人の自己決定権を尊重するため被補助人の同意が必要となります(民法15条2項、876条の4第2項)。
- 選択肢 4不正解
- 家庭裁判所は、成年後見人からの申立てにより、被後見人の財産の状況その他の事情を考慮して相当な報酬を付与する審判を行うことができます(民法862条)。
覚えるポイント
- 遺言は一身専属的な行為であるため、被保佐人・被補助人は保佐人・補助人の同意なく単独で遺言を作成できる。
間違えやすいところ
- 被保佐人の財産管理行為には保佐人の同意を要する重要行為が多いが、身分行為や遺言には同意権が及ばない点を見落としやすい。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続の放棄の効力と税務上の取扱い
相続・事業承継 · 相続の放棄 / 代襲相続 / 生命保険金の非課税限度額
相続の放棄に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
民法上の相続放棄を行うと初めから相続人とならなかったものとみなされます。代襲相続は発生せず、また相続税法上の死亡保険金の非課税枠の恩恵を放棄者本人が享受することはできません。
解き方
- 民法上の相続放棄の要件(生前放棄の可否、熟慮期間内の撤回可能性、代襲原因)を確認する。
- 相続税法におけるみなし相続財産と非課税規定の適用要件(相続人であること)を照合して適切な記述を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 相続開始前の相続放棄は認められていません。家庭裁判所の許可を得て事前放棄できるのは遺留分の放棄です(民法1043条)。
- 選択肢 2不正解
- 相続の放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3カ月の熟慮期間内であっても、一度効力が生じた後は撤回することができません(民法919条1項)。
- 選択肢 3不正解
- 相続を放棄した者は初めから相続人とならなかったものとみなされるため、代襲相続は発生しません。代襲相続の原因となるのは相続人の死亡、廃除、欠格に限られます。
- 選択肢 4正解
- 死亡保険金の非課税規定(500万円×法定相続人の数)は「相続人」が取得した保険金にのみ適用されるため、相続を放棄した者が受け取る死亡保険金には非課税枠の適用がありません。
覚えるポイント
- 相続放棄した者は初めから相続人でなくなるため代襲相続は生じず、死亡保険金の非課税枠の適用も受けられない。
間違えやすいところ
- 遺留分の生前放棄(家裁の許可要)と相続の放棄(生前放棄不可)を混同しやすい点に注意が必要である。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の民法および相続税法
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の基礎控除額・法定相続分・税額加算・未成年者控除
相続・事業承継 · 法定相続人の判定 / 法定相続分 / 相続税額の2割加算 / 未成年者控除
平成27年8月に死亡した被相続人Aさんの親族関係および相続に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、親族関係は、配偶者である妻Bさん(40歳)、すでに死亡した父母、実兄である兄Cさん(50歳とその妻50歳および子である甥Eさん18歳)、ならびに亡父母の普通養子である養子Dさん(45歳)がいるものとする。また、妻Bさん、兄Cさん、養子Dさん、甥EさんはAさんから相続または遺贈により財産を取得しており、いずれも相続税額が算出されるものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
被相続人に子がなく直系尊属が死亡している場合、兄弟姉妹が相続人となります。養親の実子と普通養子は兄弟姉妹(法定血族)となります。未成年者控除は財産を取得した法定相続人にのみ認められます。
解き方
- 被相続人Aの法定相続人を確定する。配偶者である妻Bと、第3順位の相続人である兄C、父母の養子D(二親等の傍系血族=兄弟姉妹)の計3名となる。
- 法定相続人の数に応じた基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を計算し、選択肢1の当否を判定する。
- 配偶者の法定相続分(3/4)および兄弟姉妹の法定相続分(1/4を頭数で按分)を求め、選択肢2の当否を判定する。
- 相続税額の2割加算の適用除外要件(一親等の血族および配偶者)から兄・養子Dの加算有無を整理し、選択肢3の当否を判定する。
- 未成年者控除の適用対象者が「法定相続人」に限定される点から、受遺者である甥Eへの適用可否を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 法定相続人は妻Bさん、兄Cさん、養子Dさんの3人です。遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×3人=4,800万円」となるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合、配偶者の法定相続分は4分の3、兄弟姉妹は4分の1です。兄Cさんと養子Dさん(全血・養親共通)の2人で均等分割するため、兄Cさんの法定相続分は「1/4×1/2=1/8」となり適切です。
- 選択肢 3不正解
- 相続税額の2割加算の対象外となるのは、被相続人の配偶者および一親等の血族(代襲相続人となった孫を含む)です。養子Dさんは被相続人Aさんにとって二親等の法定血族(兄弟姉妹)であるため、2割加算の対象となり適切です。
- 選択肢 4正解
- 未成年者控除の適用を受けられるのは、財産を取得した「法定相続人」に限られます。甥Eさんは代襲相続人ではなく遺贈により財産を取得した受遺者にすぎないため、未成年者控除の適用を受けることはできません。
覚えるポイント
- 未成年者控除や障害者控除の適用対象者は、財産を取得した「法定相続人」に限定される。
- 兄弟姉妹は二親等の血族であるため、相続税額の2割加算の対象となる。
間違えやすいところ
- 受遺者であれば未成年者控除を受けられると誤認しやすいが、相続人に限定される。
- 父母の養子は被相続人から見て兄弟姉妹(第3順位の相続人)となることを見落としやすい。
出題の前提:平成27年4月1日施行の相続税法および民法規定に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.26(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の延納および物納の要件・手続
相続・事業承継 · 延納期間 / 延納の担保提供要件 / 物納適格財産 / 物納超過額の還付
平成27年4月1日以後に相続が開始した場合における相続税の延納および物納に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
相続税は金銭一括納付が原則ですが、金銭納付が困難な一定の事由がある場合には担保提供を要件として延納が認められ、延納によっても困難な場合に限り物納が認められます。
解き方
- 不動産等の割合が75%以上である場合の不動産等対応延納期間の最長年数(原則20年)を確認し、選択肢1を検証する。
- 延納の担保提供を要しない基準(延納税額が100万円以下かつ延納期間が3年以下)を確認し、選択肢2を検証する。
- 取引相場のない株式の物納順位(第3順位)および譲渡制限等の有無による物納適格性の扱いを確認し、選択肢3を検証する。
- 不可分財産の超過物納が認められた場合の収納価額超過分に対する金銭還付規定を確認し、選択肢4を検証する。
- 選択肢 1不正解
- 相続財産に占める不動産等の割合が75%以上である場合、不動産等の価額に対応する延納税額の延納期間は、原則として最長で20年(森林等の特例を除く)です。
- 選択肢 2不正解
- 延納の担保を提供しなければならないのは原則として延納申請税額が100万円を超え、かつ延納期間が3年を超える場合です。50万円以上ではありません。
- 選択肢 3不正解
- 取引相場のない株式(非上場株式)であっても、一定の要件を満たす場合は第3順位の物納適格財産として物納に充てることが認められています。
- 選択肢 4正解
- 一筆の土地など分割に適さない財産により物納許可限度額を超える物納が許可された場合、納付すべき相続税額を上回る収納価額の差額は金銭により還付されます。
覚えるポイント
- 延納で担保提供が不要となるのは「延納税額100万円以下かつ延納期間3年以下」の場合である。
- 分割困難な財産による超過物納が認められた場合、税額を超える差額は金銭で還付される。
間違えやすいところ
- 延納の担保提供不要基準の金額(100万円)と年数(3年以下)の条件関係を混同しやすい。
- 取引相場のない株式は一律に物納不可であると誤認しやすいが、適格であれば第3順位として可能である。
出題の前提:平成27年4月1日施行の相続税法第38条〜第43条の規定に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.26(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
農地等についての相続税の納税猶予の特例
相続・事業承継 · 農地等の納税猶予 / 継続届出書 / 農業委員会 / 免除要件
「農地等についての相続税の納税猶予の特例」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
農地等についての相続税の納税猶予の特例は、農業の継続を支援するため、特例農地等に係る農業投資価格を超える部分の相続税額の納税を猶予する制度です。適用後は定期的な継続届出書の提出が義務付けられています。
解き方
- 猶予される相続税額の範囲が全額ではなく農業投資価格超過部分であることを確認する。
- 添付書類である適格者証明書の発行主体が農業委員会であること、および3年ごとの継続届出義務などの手続要件を照合して適切な記述を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 猶予されるのは農地等の相続税額の全額ではなく、特例農地等の価額から農業投資価格による価額を控除した残額に対応する相続税額です。
- 選択肢 2不正解
- 「相続税の納税猶予に関する適格者証明書」を発行するのは、都道府県知事ではなく市町村の「農業委員会」です。
- 選択肢 3正解
- 納税猶予の適用を受ける者は、申告期限の翌日から起算して3年を経過するごとの日までに、継続届出書を所轄税務署長に提出する必要があります。
- 選択肢 4不正解
- 納税猶予税額が免除されるのは原則として農業相続人が死亡した場合などであり、農業を10年間継続したことによる免除規定はありません。
覚えるポイント
- 農地等の納税猶予の継続届出書は申告期限の翌日から3年ごとに提出が必要であること。
- 適格者証明書の発行主体は都道府県知事ではなく農業委員会であること。
間違えやすいところ
- 猶予される金額を農地全体の税額と混同しやすいが、農業投資価格を超える部分のみである点に注意する。
- 免除事由について、一定年数の営農継続で自動免除されると誤解しやすい点に留意する。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.27(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の対象要件
相続・事業承継 · 小規模宅地等の特例 / 死因贈与 / 被相続人の居住用宅地 / 貸付事業用宅地等
「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」に関する次の記述(a)〜(c)のうち、適切なものはいくつあるか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
小規模宅地等の特例は、被相続人等の居住用または事業用・貸付事業用に使われていた宅地について、一定の要件を満たす場合に課税価格を一定割合減額する制度です。死因贈与による取得、生計一親族所有建物下の宅地、事業的規模未満の貸付用宅地も特例の対象に含まれます。
解き方
- 各記述(a)〜(c)の内容を小規模宅地等の特例の適用要件と照らし合わせて検討する。
- (a)死因贈与は遺贈とみなされるため対象、(b)生計一親族所有建物敷地も対象、(c)事業的規模未満の貸付も対象となることを確認し、適切な個数が0個であると判定する。
- 選択肢 1不正解
- 適切な選択肢は1つではなく0個であるため、誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 適切な選択肢は2つではなく0個であるため、誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 記述(a)〜(c)はいずれも不適切であるため、誤りです。
- 選択肢 4正解
- (a)死因贈与は遺贈とみなされ特例対象となる、(b)配偶者等が生計を一にする親族であればその所有建物の敷地も対象となる、(c)事業的規模未満の貸付事業(不動産貸付業務)も対象となるため、すべて不適切であり「0(なし)」が正解です。
覚えるポイント
- 死因贈与による財産取得は相続税法上は遺贈とみなされるため小規模宅地等の特例の対象となること。
- 貸付事業用宅地等は事業的規模(5棟10室基準など)に満たない業務的規模の貸付であっても対象となること。
間違えやすいところ
- 生前贈与と死因贈与を混同し、死因贈与でも特例が適用できないと誤認しやすい。
- 所得税の事業的規模(5棟10室基準)を満たさないと小規模宅地等の貸付事業用に該当しないと誤解しやすい。
出題の前提:2015年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年9月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.27(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2015年9月 1級 学科(基礎編)
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2015年9月 1級 学科(基礎編)の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

