日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2015年1月 1級 学科(基礎編)の概要
後期高齢者医療制度の保険料および給付の仕組み
ライフプランニングと資金計画 · 後期高齢者医療制度 / 保険料徴収 / 自己負担割合 / 高額療養費
後期高齢者医療制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
後期高齢者医療制度は原則75歳以上の者が加入する公的医療保険であり、運営主体である都道府県ごとの広域連合が保険料率を設定します。窓口負担割合は現役並み所得者が3割、一般所得者は1割(現行制度では一定以上所得者は2割)とされ、負担軽減のための基準収入額適用制度が設けられています。
解き方
- 特別徴収の要件(年金額18万円以上、介護保険料との合算額が年金額の1/2以下)を確認する。
- 保険料算出の仕組み(所得割・均等割)と運営主体(都道府県単位の広域連合)を確認する。
- 窓口負担割合の判定基準(課税所得145万円以上)および基準収入額適用申請の収入基準(単身383万円未満、複数520万円未満)と照合して誤りを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 年額18万円以上の老齢基礎年金等を受給しており、介護保険料との合算額が年金額の2分の1以下である場合、保険料は原則として年金から特別徴収されます。
- 選択肢 2不正解
- 後期高齢者医療制度の保険料は所得割額と均等割額で構成され、都道府県ごとに組織される広域連合が定めるため地域により異なります。
- 選択肢 3不正解
- 同一月内に支払った自己負担額が世帯の所得区分に応じた自己負担限度額を超えた場合、申請により超過分が高額療養費として支給されます。
- 選択肢 4正解
- 現役並み所得者の判定基準は住民税課税所得145万円以上であり、基準収入額適用の年収要件は単身世帯では383万円未満(複数人世帯で520万円未満)です。
覚えるポイント
- 後期高齢者医療の現役並み所得基準は課税所得145万円以上
- 基準収入額適用申請の収入基準は単身世帯383万円未満、2人以上世帯520万円未満
間違えやすいところ
- 単身世帯(383万円)と同一世帯に複数の後期高齢者がいる場合(520万円)の収入基準を混同しないこと。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の高齢者の医療の確保に関する法律等の法令に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
雇用保険の基本手当における受給要件と所定給付日数
ライフプランニングと資金計画 · 雇用保険 / 基本手当 / 所定給付日数 / 特定理由離職者 / 特定受給資格者
雇用保険の基本手当に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。なお,いずれの場合も,所定の手続はなされているものとし,各選択肢で記載のある事項以外は考慮しないものとする。
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解答
1
解説
雇用保険の基本手当の所定給付日数は、離職理由(一般離職者、特定受給資格者、特定理由離職者)、年齢、被保険者であった算定基礎期間によって決定されます。契約更新を希望したにもかかわらず更新されずに雇止めとなった特定理由離職者は、倒産・解雇等による特定受給資格者と同等の手厚い受給日数および給付制限なしの取扱いを受けます。
解き方
- 各受給者の離職区分(特定理由離職者、自己都合、解雇による特定受給資格者、定年退職)を判定する。
- 受給資格要件の有無(被保険者期間の通算やリセット)および給付制限の有無を確認する。
- 年齢区分と算定基礎期間に応じた所定給付日数表から該当する日数を導き出す。
- 選択肢 1正解
- 更新希望にもかかわらず雇止めされた特定理由離職者は特定受給資格者並みの扱いとなり、48歳・算定基礎期間2年(1年以上5年未満)の場合の給付日数は180日(給付制限なし)です。
- 選択肢 2不正解
- 基本手当の受給資格決定を受けると前職の期間はリセットされるため、再就職先での勤務期間が6カ月の自己都合退職では原則として受給資格要件(被保険者期間12カ月以上)を満たしません。
- 選択肢 3不正解
- 倒産・解雇による特定受給資格者で、年齢が45歳以上60歳未満、算定基礎期間が20年以上である場合、所定給付日数は最大330日です。
- 選択肢 4不正解
- 定年退職は正当な理由のない自己都合退職ではないため給付制限期間はなく、60歳以上65歳未満・被保険者期間20年以上の一般離職者の所定給付日数は最大150日です。
覚えるポイント
- 契約更新希望があった雇止め(通算3年未満)は特定理由離職者として特定受給資格者と同じ所定給付日数
- 定年退職は給付制限なしで一般受給資格者(60〜64歳・20年以上は150日)
- 前職で基本手当の受給資格を得た場合は過去の被保険者期間がリセットされる
間違えやすいところ
- 特定受給資格者の45歳以上60歳未満・20年以上の所定給付日数(330日)と他区分(240日や270日など)を取り違えやすい点に注意。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の雇用保険法等の法令に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
自営業者の公的年金制度(国民年金・付加年金・寡婦年金・死亡一時金)
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金 / 付加年金 / 寡婦年金 / 死亡一時金 / 国民年金基金
自営業者等の国民年金第1号被保険者に関する給付および制度の仕組みについて、次の記述のうち最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
第1号被保険者独自の手厚い給付として付加年金、寡婦年金、死亡一時金が設けられています。付加年金は老齢基礎年金と一体として取り扱われるため、繰上げ支給を請求すると付加年金も同時に繰り上がり、老齢基礎年金と同様の減額率で減額されます。
解き方
- 死亡一時金の遺族要件(配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹で年齢要件なし)と受給資格を確認します。
- 寡婦年金の支給要件(10年以上の婚姻期間、夫の納付済要件等)および支給期間(原則60歳から65歳到達月まで)を確認します。
- 老齢基礎年金の繰上げ請求に伴う付加年金の取扱基準(同時に繰り上がり減額される規定)を照合して誤りを判断します。
- 選択肢 1不正解
- 死亡一時金を受け取ることができる遺族の順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹であり、子に遺族基礎年金のような18歳到達年度末などの年齢制限はありません。
- 選択肢 2不正解
- 第1号被保険者として保険料納付済期間等が25年以上ある夫が死亡した場合、10年以上婚姻関係があり生計を維持されていた妻に対して、60歳から65歳に達するまで寡婦年金が支給されます。死亡時に妻がすでに60歳以上であれば受給権発生月の翌月から65歳到達まで支給されます。
- 選択肢 3正解
- 老齢基礎年金の繰上げ請求を行った場合、付加年金も同時に繰上げ請求され、老齢基礎年金と同じ割合で減額されて支給されます。65歳から減額されずに支給されるとする記述は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 国民年金基金の加入者は付加保険料を納付することはできませんが、国民年金基金と確定拠出年金の個人型年金(iDeCo)は合算して月額68,000円の拠出限度額の範囲内で併用して加入できます。
覚えるポイント
- 付加年金は老齢基礎年金と一体であるため単独での繰上げ・繰下げはできず、同じ割合で増額・減額されます。
- 死亡一時金の対象遺族である子には年齢要件がありません。
間違えやすいところ
- 遺族基礎年金の受給要件である「子(18歳到達年度末まで等)」と死亡一時金の受給要件である「生計同一の子(年齢不問)」を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の国民年金法および関係法令
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
厚生年金保険の在職老齢年金制度の仕組み
ライフプランニングと資金計画 · 在職老齢年金 / 低在老 / 高在老 / 70歳以上被用者 / 加給年金額
厚生年金保険の在職老齢年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
在職老齢年金制度は、報酬を得ながら就労している厚生年金被保険者に対して年金額を調整する仕組みです。厚生年金保険の被保険者資格を喪失する70歳以降であっても、適用事業所に勤務して一定以上の報酬を得ているときは「70歳以上被用者」として同様に年金額の支給停止が行われます。
解き方
- 60歳台前半(低在老:28万円基準)および65歳以降(高在老:46万円基準)の支給停止判定基準を確認します。
- 報酬比例部分が全額停止となった場合の加給年金額の取扱い(全額支給停止)を確認します。
- 70歳以降に適用事業所で勤務する受給権者(70歳以上被用者)に対する在職老齢年金の適用ルールを確認して正誤を判断します。
- 選択肢 1不正解
- 60歳台前半の在職老齢年金では、総報酬月額相当額と基本月額との合計額が支給停止調整開始額である28万円を超える場合、所定の計算式により年金の一部または全部が支給停止となります。
- 選択肢 2不正解
- 在職老齢年金による支給停止額が本体である老齢厚生年金(報酬比例部分等)の額以上になり本体が全額支給停止となった場合、それに加算される加給年金額も全額支給停止となります。
- 選択肢 3不正解
- 65歳以上の在職老齢年金では、総報酬月額相当額と基本月額との合計額が支給停止調整額である46万円を超える場合、超えた部分の2分の1に相当する額の年金が支給停止となります。
- 選択肢 4正解
- 70歳以上の者が厚生年金適用事業所に勤務する場合、被保険者資格は失いますが「70歳以上被用者」として在職老齢年金の仕組みが適用され、基準を超えると支給停止が行われます。
覚えるポイント
- 70歳以上被用者であっても、適用事業所に勤務している限り在職老齢年金(65歳以上の高在老の仕組み)が適用されます。
- 本体の報酬比例部分が全額支給停止になると、加給年金額も全額支給停止になります。
間違えやすいところ
- 70歳になると厚生年金の保険料負担がなくなるため、在職老齢年金による年金の支給停止もなくなる(全額支給される)と誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の厚生年金保険法および関係法令
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
確定拠出年金(企業型年金)の掛金拠出および加入者資格
ライフプランニングと資金計画 · 確定拠出年金 / 企業型年金 / マッチング拠出 / 移換
確定拠出年金の企業型年金(企業型年金)に関する次の記述のうち、適切なものの個数として正しいものを1つ選びなさい。 (a) 厚生年金基金、確定給付企業年金等の企業年金がない企業の従業員が企業型年金の加入者となった場合、当該加入者に係る事業主掛金の額は、月額51,000円が上限となる。 (b) 企業型年金の加入者が事業主の拠出に上乗せして掛金を拠出する場合、当該加入者は事業主掛金の額を超える掛金を拠出することができない。 (c) 企業型年金の加入者が退職して、国民年金の第3号被保険者となり、企業型年金の年金資産を国民年金基金連合会に移換した場合、引き続き、個人型年金の加入者として掛金を拠出することができる。
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解答
1
解説
企業型確定拠出年金では、規約の定めや他の企業年金の有無によって拠出限度額が規定されており、加入者自らが上乗せ拠出するマッチング拠出や退職等に伴うポータビリティの取扱いには法令上の明確な要件が定められています。
解き方
- (a) 他の確定給付企業年金等がない企業の企業型確定拠出年金の事業主掛金上限額を確認し、月額55,000円であることを判定する。
- (b) マッチング拠出における加入者掛金額の制約(事業主掛金額以下かつ合計で限度額以下)を確認する。
- (c) 法令基準日(平成26年10月1日)時点における第3号被保険者の個人型確定拠出年金への加入要件を検討し、適切な記述の個数をカウントする。
- 選択肢 1正解
- 適切なものは(b)の1つだけであるため、選択肢1が正解です。
- 選択肢 2不正解
- 適切な記述は(b)の1つのみであるため、2つとする本選択肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 適切な記述は(b)の1つのみであるため、3つとする本選択肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 記述(b)が適切であるため、適切なものが0(なし)とする本選択肢は誤りです。
覚えるポイント
- 企業型確定拠出年金の拠出限度額:他の企業年金なしは月額55,000円、他の企業年金ありは月額27,500円。
- マッチング拠出の加入者掛金は事業主掛金を超えてはならず、合計で拠出限度額の範囲内とする必要がある。
間違えやすいところ
- マッチング拠出の制限について、拠出限度額の範囲内であれば事業主掛金を超えて拠出できると誤認しやすい。
- 平成26年10月の法改正で限度額が51,000円から55,000円(他制度ありは25,500円から27,500円)に引き上げられた点を見落としやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の確定拠出年金法および関係法令
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
小規模企業共済制度の加入要件・掛金・解約手当金
ライフプランニングと資金計画 · 小規模企業共済 / 掛金月額 / 任意解約 / 解約手当金
小規模企業共済制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
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解答
4
解説
小規模企業共済制度は小規模企業の個人事業主や会社役員等の退職金代わりとなる共済制度であり、加入対象者や掛金規模、各種給付金・解約手当金の支給要件・支給率が細かく定められています。
解き方
- 業種別の従業員規模基準(商業・サービス業は5人以下、その他は20人以下)を確認し、選択肢1が適切であることを判定する。
- 掛金月額の範囲(1,000円~70,000円、500円単位)および払込方法を確認し、選択肢2が適切であることを判定する。
- 掛金減額の特例事由(経営悪化等による減額)を確認し、選択肢3が適切であることを判定する。
- 任意解約における解約手当金の支給率と元本割れ期間(12か月未満は掛け捨て、240か月未満は元本割れ、240か月以上で100%以上)を検証し、選択肢4が不適切であることを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 小売業・卸売業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)の場合は、常時使用する従業員数が5人以下の個人事業主や会社役員等が加入対象となるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 毎月の掛金は1,000円から70,000円までの範囲内(500円単位)で選択でき、月払い・半年払い・年払いを選択できるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 事業経営の著しい悪化等のやむを得ない事由があると認められた場合には、掛金月額を最低1,000円まで減額できるため適切です。
- 選択肢 4正解
- 任意解約による解約手当金が掛金合計額以上となるのは、掛金納付月数が240月(20年)以上の場合であるため、「120月以上ある場合」とする記述は不適切です。
覚えるポイント
- 小規模企業共済の解約手当金:掛金納付月数12か月未満は0円(掛け捨て)、240か月未満は元本割れ(80%~)、240か月以上で100%以上となる。
- 加入要件の従業員数:商業・サービス業は5人以下、製造業その他は20人以下。
間違えやすいところ
- 解約手当金の元本割れ解消基準を10年(120月)と20年(240月)で混同しやすい。
- 共済金Aや共済金B(廃業や死亡など)の受給要件と、任意解約による解約手当金の支給基準を混同しないように注意する。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の小規模企業共済法および関係法令
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
フラット35(買取型)の融資条件
ライフプランニングと資金計画 · 住宅ローン / フラット35 / 総返済負担率 / 繰上げ返済
住宅金融支援機構の「フラット35(買取型)」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
3
解説
住宅金融支援機構が民間金融機関と提携して提供する長期固定金利住宅ローン「フラット35(買取型)」では、借入対象住宅の基準、総返済負担率、融資限度額、繰上げ返済手続きなどに明確な要件が定められています。
解き方
- 総返済負担率の基準(年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下。他の借入れを含む)を確認する。
- 中古住宅の耐震性要件(新耐震基準前でも機構の定める耐震評価基準を満たせば可)を確認する。
- 融資限度額(100万円以上8,000万円以下、建設費・購入価額の10割まで)と一部繰上げ返済の最低単位(窓口100万円以上、Web10万円以上)を確認し、正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 総返済負担率は、年収400万円以上の場合は年収の35%以下(400万円未満は30%以下)でなければならず、フラット35だけでなくすべての借入れの年間合計返済額が対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 昭和56年5月31日以前に建築確認を受けた住宅であっても、住宅金融支援機構の定める耐震評価基準に適合していることが証明されれば借入れの対象となります。
- 選択肢 3正解
- 融資率は住宅の建設費または購入価額の10割(100%)まで可能であり、融資額は100万円以上8,000万円以下(1万円単位)とされています。
- 選択肢 4不正解
- 一部繰上げ返済を行う場合、金融機関等の窓口では100万円以上ですが、インターネットサービス(住・My Note)を利用する場合は10万円以上(1円単位)から可能です。
覚えるポイント
- フラット35の総返済負担率は年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下。
- 繰上げ返済は窓口100万円以上、インターネット(住・My Note)10万円以上。
間違えやすいところ
- 融資率9割超の場合に金利が異なることと、融資率自体の上限が10割であることを混同しないこと。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
中小企業の資金調達制度
ライフプランニングと資金計画 · 中小企業金融 / 信用保証協会 / 日本政策金融公庫 / 動産・債権担保融資(ABL)
中小企業の資金調達に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
中小企業の円滑な資金調達を支援するため、信用保証協会による信用保証(マル保融資)や日本政策金融公庫の各種特別貸付、不動産担保に依存しない動産・債権担保融資(ABL)などの制度が整備されています。
解き方
- 中小企業信用保険法に基づく中小企業者の範囲(建設業は資本金3億円以下または従業員300人以下)を確認する。
- 信用保証協会の一般保証限度額(普通保証2億円、無担保保証8,000万円、合計2億8,000万円)と選択肢2の数値を比較する。
- 日本政策金融公庫の中小企業経営力強化資金や動産・債権担保融資(ABL)の仕組みの正誤を検討する。
- 選択肢 1不正解
- 建設業の中小企業者の範囲は、資本金3億円以下または常時使用する従業員数300人以下のいずれかを満たす会社および個人です。
- 選択肢 2正解
- 信用保証協会の一般保証限度額は、普通保証2億円と無担保保証8,000万円(無担保無保証人保証は2,000万円)を合わせた合計2億8,000万円です。
- 選択肢 3不正解
- 中小企業経営力強化資金は、認定経営革新等支援機関の指導や助言を受けて事業計画を策定・遂行する中小企業者向けの公的融資制度です。
- 選択肢 4不正解
- ABL(Asset Based Lending)は動産や売掛金・診療報酬債権等の流動資産を担保とする融資手法であり、記述の内容は適切です。
覚えるポイント
- 信用保証協会の一般保証限度額は普通保証2億円+無担保保証8,000万円=合計2億8,000万円。
間違えやすいところ
- 普通保証の限度額(2億円)と無担保保証の限度額(8,000万円)を取り違えたり、誤った合算額を正解と誤認しやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
損害保険の募集行為および関連法令の基礎知識
リスク管理 · 保険募集 / 保険業法 / クーリング・オフ / 保険法
損害保険の募集行為や関連法令の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
4
解説
保険募集における重要事項説明やクーリング・オフは保険業法、契約約款の効力原則は保険法に規定されています。保険期間が1年以下の短期契約や自動車損害賠償責任保険などは、クーリング・オフの適用対象外です。
解き方
- 募集人登録が不要な付随的事務行為(手続き案内等)の範囲を確認する。
- 重要事項説明の分類(契約概要と注意喚起情報)および保険法の片面的強行規定の適用範囲を確認する。
- 保険業法に定めるクーリング・オフ制度の適用除外要件(保険期間1年以下の契約など)を照合して正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- コールセンターのオペレーターが単なる事務手続や定型的な案内を行う行為は、保険の勧誘・募集行為に該当しないため、損害保険募集人の登録を受けていない者でも行うことができます。
- 選択肢 2不正解
- 保険業法施行規則等の定めにより、顧客に対して重要な事項を説明する際は、商品内容を理解するための「契約概要」と注意すべき事項を理解するための「注意喚起情報」に区分して交付・説明することとされています。
- 選択肢 3不正解
- 保険法では、保険契約者等の保護を図るため、法の規定より契約者・被保険者等に不利な約款条項を無効とする片面的強行規定が置かれており、適用対象外となる一部の企業向け事業リスク契約を除いて適用されます。
- 選択肢 4正解
- 保険業法におけるクーリング・オフ制度では、保険期間が1年以下である契約は適用除外とされているため、保険期間1年の火災保険契約はクーリング・オフによる撤回等はできません。
覚えるポイント
- 保険業法のクーリング・オフは保険期間1年以下の契約には適用されない点
- 保険法には契約者に不利な特約を無効とする片面的強行規定がある点
間違えやすいところ
- 個人契約の火災保険であれば期間に関係なくすべてクーリング・オフが可能であると誤認しやすい点
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(保険業法第309条等)
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
終身保険の類型と商品特徴
リスク管理 · 外貨建て保険 / 低解約返戻金型終身保険 / 無選択型終身保険 / 市場価格調整(MVA)
終身保険の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
2
解説
外貨建て終身保険は契約通貨が外貨であるものの、税法上の取扱いは円建て保険と同様であり、円換算されて生命保険料控除や相続税の非課税枠の対象となります。低解約返戻金型、無選択型、市場価格調整(MVA)付などの仕組みごとの特徴を整理して理解することが重要です。
解き方
- 低解約返戻金型終身保険の解約返戻金水準と保険料の割安性について確認する。
- 外貨建て終身保険の税制上の取扱い(生命保険料控除・死亡保険金の非課税限度額の適用可否)を判定する。
- 無選択型終身保険の削減期間中の給付内容およびMVA商品の金利変動と解約返戻金の増減関係を確認する。
- 選択肢 1不正解
- 低解約返戻金型終身保険は、保険料払込期間中の解約返戻金を通常の7割程度などに低く抑えることで、通常の終身保険よりも割安な保険料で設定されています。
- 選択肢 2正解
- 外貨建て終身保険であっても、所得税の生命保険料控除や、相続税における死亡保険金の非課税規定(500万円×法定相続人の数)の適用を受けることができます(為替レートにより円換算して計算されます)。
- 選択肢 3不正解
- 無選択型終身保険は医師の診査や告知なしで加入できますが、逆選択リスクを防ぐため、契約日から一定期間内(通常2年間等)に病気で死亡した場合は既払込保険料相当額のみが支払われる設計となっています。
- 選択肢 4不正解
- 市場価格調整(MVA)機能付き保険では、解約時に市場金利が契約時より上昇していると運用資産(債券等)の時価が下落するため解約返戻金が減少し、金利が低下していると解約返戻金が増加することがあります。
覚えるポイント
- 外貨建て生命保険も円換算により生命保険料控除や死亡保険金の非課税枠の対象となる点
- 市場価格調整(MVA)では解約時の市場金利上昇が解約返戻金の減少要因となる点
間違えやすいところ
- 外貨建て資産であるため国内税法の優遇措置(控除や非課税枠)が受けられないと混同してしまう点
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(所得税法、相続税法等)
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人契約の養老保険に係る税務上の取扱い
リスク管理 · 養老保険 / 一時所得 / 相続税の非課税枠 / 金融類似商品 / 源泉分離課税
契約者(=保険料負担者)・被保険者・満期保険金受取人を夫、死亡保険金受取人を妻とする養老保険の税務に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
1
解説
契約者と被保険者が同一人である生命保険契約において、被保険者死亡により相続人が受け取る死亡保険金等はみなし相続財産となり、所定の非課税枠が適用されます。一方、生存満期保険金や解約返戻金は受取時の一時所得として課税されるのが原則であり、据置時にも権利確定として課税が発生します。
解き方
- 契約形態(契約者・被保険者・受取人の関係)を整理し、課税される税目(相続税・所得税・贈与税)を特定する。
- 死亡保険金および積立配当金の相続税法上の性格(みなし相続財産および非課税枠の適用可否)を判定する。
- 据置保険金の課税時期(据置時か引出時か)および金融類似商品による源泉分離課税の対象要件(一時払で5年以下等)を確認して各肢の正誤を判断する。
- 選択肢 1正解
- 死亡保険金とともに支払われる積立配当金はみなし相続財産に含まれ、死亡保険金の非課税限度額(500万円×法定相続人の数)の適用対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 満期保険金を据え置いた場合でも、満期が到来した時点で受取権が確定するため、据置を開始した年分の一時所得として課税されます。
- 選択肢 3不正解
- 保険期間が5年超(10年満期)の一時払養老保険を満期まで保有して受け取った満期保険金は金融類似商品に該当せず、一時所得として総合課税の対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 金融類似商品として源泉分離課税の対象となるのは一時払等の特定契約であり、平準払いの養老保険を5年以内に解約した場合は一時所得として総合課税の対象となります。
覚えるポイント
- 契約者=被保険者、死亡受取人=相続人の場合、積立配当金も死亡保険金の非課税限度額の対象となる。
- 満期保険金を据え置いても、課税時期は引き出した年ではなく満期到来時(据置時)となる。
間違えやすいところ
- 一時払養老保険でも、保険期間が5年を超える契約を満期まで保有した場合は源泉分離課税ではなく一時所得となる点に注意する。
- 平準払いの養老保険は、5年以内に解約しても金融類似商品としての源泉分離課税の対象にはならない。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人契約の養老保険(ハーフタックスプラン)の経理処理と税務
リスク管理 · ハーフタックスプラン / 福利厚生費 / 保険料積立金 / 養老保険の経理処理 / 給与課税
株式会社X社が全役員・従業員を被保険者、満期保険金受取人をX社、死亡保険金受取人を被保険者の遺族として加入する養老保険(ハーフタックスプラン)に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
契約者および満期受取人を法人、死亡受取人を被保険者の遺族とし、全役員・従業員を対象とする養老保険は、支払保険料の2分の1を資産計上(保険料積立金)、2分の1を損金算入(福利厚生費)とするハーフタックスプランが適用されます。対象者を特定者のみとした場合は福利厚生費要件を満たさず、その2分の1部分が給与課税されますが、満期保険金を受け取る権利は法人が有するため法人の資産計上割合(1/2)は維持されます。
解き方
- 提示された契約形態(契約者=法人、満期受取人=法人、死亡受取人=遺族、被保険者=全役員・従業員)から、原則的なハーフタックス処理(資産1/2・損金1/2)を確認する。
- 被保険者死亡時(遺族に保険金が支払われるため法人は積立金を取り崩して雑損失計上)および満期時(法人が保険金を受け取り積立金との差額を雑収入計上)の会計処理を確認する。
- 福利厚生プランの普遍的加入要件を欠き、被保険者が特定の役員・従業員のみとなった場合の税務上の取扱規程(法人が満期受取人であるため1/2は資産計上のままであり、残り1/2のみが給与となる)を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 全員を被保険者とし、満期受取人を法人、死亡受取人を遺族とする養老保険の保険料は、2分の1を保険料積立金(資産)、2分の1を福利厚生費(損金)として計上します。
- 選択肢 2不正解
- 死亡保険金は直接遺族に支払われ法人には入金されないため、法人は資産計上していた保険料積立金および配当金積立金を取り崩して全額を雑損失(損金)に算入します。
- 選択肢 3不正解
- 満期時には満期受取人である法人が満期保険金等を受け取り、資産計上していた保険料積立金・配当金積立金を取り崩し、差額を雑収入(益金)に算入します。
- 選択肢 4正解
- 特定の役員・従業員のみを対象とした場合でも、満期受取人は法人であるため2分の1は資産に計上され、遺族受取分である残りの2分の1のみが給与として損金算入されます。
覚えるポイント
- ハーフタックスプランは全役員・従業員の加入が要件。特定者のみの場合は福利厚生費相当分(1/2)が給与課税となる。
- 死亡保険金が遺族に支払われた場合、法人は資産積立金を取り崩して「雑損失」を計上する。
間違えやすいところ
- 被保険者が特定者のみの場合に「全額給与」と誤認しやすいが、満期受取人が法人のままであれば満期対応分(1/2)は法人の資産計上となる。
- 満期保険金受取人が法人であるため、満期時は「受取額 - 積立額」の差額が雑収入(益金)となる点を忘れないようにする。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
地震保険の保険料および控除制度
リスク管理 · 地震保険 / 地震保険料控除
地震保険の保険料および関連する税制に関する次の記述(a)~(c)のうち、適切なものの組み合わせとして、正しい個数はどれか。 (a) 地震保険の保険料は、建物の構造や保険金額等の契約内容等が同一であっても、建物の所在する都道府県によって異なる。 (b) 耐震等級割引(耐震等級3)および免震建築物割引の割引率は、平成26年7月1日始期の契約から50%に引き上げられている。 (c) 平成26年中に地震保険料を4万円支払った場合、平成26年分の所得税に係る地震保険料控除の額は4万円、平成27年度分の住民税に係る地震保険料控除の額は3万円となる。
解答・解説を表示
解答
2
解説
地震保険は被災者の生活再建を目的とした公的性格の強い保険であり、地域や建物の構造区分に応じた料率や各種割引制度、支払保険料に応じた所得控除が定められています。
解き方
- 記述(a):地震保険料率は建物の構造と所在する都道府県(等加速度地域区分)により異なるため適切と判定します。
- 記述(b):平成26年7月の改定により耐震等級3および免震建築物割引の割引率は50%となったため適切と判定します。
- 記述(c):住民税の地震保険料控除額は支払保険料の2分の1(上限25,000円)であるため4万円支払時は2万円となり不適切と判定します。
- 適切な記述は(a)と(b)の2つであるため、選択肢2を選択します。
- 選択肢 1不正解
- 適切な記述は(a)および(b)の2つ存在するため、1つとする本選択肢は誤りです。
- 選択肢 2正解
- 記述(a)および記述(b)が適切であり、記述(c)のみが誤りであるため、2つとする本選択肢が正解です。
- 選択肢 3不正解
- 記述(c)の住民税の地震保険料控除額に関する記述が誤りであるため、3つとする本選択肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 記述(a)および記述(b)はともに正しい内容であるため、0(なし)とする本選択肢は誤りです。
覚えるポイント
- 地震保険料控除の最高限度額は所得税が支払額全額で最高5万円、住民税が支払額の1/2で最高2.5万円です。
間違えやすいところ
- 住民税の地震保険料控除の計算式を支払額全額(または旧長期損害保険料の控除枠など)と混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(平成26年7月1日実施の地震保険改定を含む)
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人事業主が加入する損害保険の税務
リスク管理 · 損害保険の税務 / 個人事業主 / 必要経費
個人事業主が加入する各種損害保険契約の保険料等の課税関係に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
個人事業主の事業所得において、業務の遂行上直接必要と認められる損害保険料は必要経費となりますが、事業主自身の身体や健康に係る保険料は家事費として扱われます。
解き方
- 各選択肢の契約関係(被保険者・保険の対象)と事業との直接関連性を確認します。
- 事業用の自動車や店舗併用住宅の事業用割合に対応する保険料は必要経費となることを確認します(選択肢1・2は適切)。
- 個人事業主自身を被保険者とする傷害保険料は、家事費に該当し事業の必要経費には算入できないため、選択肢3が不適切と判断します。
- 従業員を被保険者、事業主を受取人とする保険で事業主が受領した死亡保険金は総収入金額に算入されることを確認します(選択肢4は適切)。
- 選択肢 1不正解
- 業務の用に供する自動車に係る保険料は、事業の遂行上必要な費用であるため、事業所得の計算上必要経費に算入されます。
- 選択肢 2不正解
- 店舗併用住宅の火災保険料のうち、業務の用に供されている店舗部分に対応する金額は明確に区分できるため必要経費となります。
- 選択肢 3正解
- 個人事業主自身を被保険者とする傷害保険の保険料は、事業主個人の身体に係る家事費であり、必要経費に算入することはできません。
- 選択肢 4不正解
- 事業主が従業員を被保険者として保険料を支払い、受け取った死亡保険金は事業に付随する収入として総収入金額に算入されます。
覚えるポイント
- 個人事業主本人の身体を対象とする生命保険料や傷害保険料は家事費となり、事業所得の必要経費には算入できません。
間違えやすいところ
- 従業員のために負担する傷害保険料(福利厚生費・必要経費)と、個人事業主自身の傷害保険料(家事費)を混同しないように区別します。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の所得税法等の規定
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種共済の特徴と制度内容
リスク管理 · JA共済 / 全労済(こくみん共済) / ねんきん共済 / 建物更生共済
各種共済制度(JA共済、全労済)の仕組みおよび取扱商品に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
共済制度は根拠法に基づき特定の組合員等の相互扶助を目的として運営されていますが、JA共済では准組合員制度により農業者以外も利用できます。また、共済の種類に応じて積立型や掛金一律型、年金受取形態の選択肢などが設定されています。
解き方
- JA共済の加入対象者要件(准組合員制度)および建物更生共済の保障・満期内容を確認する。
- 全労済の「こくみん共済」における掛金設定の仕組み(年齢・性別による一律掛金)を確認する。
- 全労済の「ねんきん共済」で選択可能な年金受取期間・年金種類を確認し、不適切な選択肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- JA共済は、農業に従事していない人であっても出資金を支払って准組合員になることで、正組合員と同様に共済を利用することができます。
- 選択肢 2不正解
- JA共済の建物更生共済は、火災だけでなく台風や地震などの自然災害による損害も幅広くカバーする積立型の共済であり、満期時には満期共済金を受け取ることができます。
- 選択肢 3不正解
- 全労済の「こくみん共済」総合タイプは、加入可能な年齢層(18歳〜64歳等)において性別や年齢に関わらず月々の掛金が一律に設定されています。
- 選択肢 4正解
- 全労済の「ねんきん共済」において、受取方法は10年確定年金に限られず、5年や15年の確定年金、さらには保証期間付終身年金などの種類を選択することが可能です。
覚えるポイント
- JA共済は准組合員になることで農業者以外も加入可能
- 建物更生共済は地震や火災を保障する満期共済金付きの積立型共済
- ねんきん共済は終身年金や複数期間の確定年金を選択できる
間違えやすいところ
- 民間保険と異なり共済は農業者や組合員専用で外部者は一切加入できないと誤認しやすい点
- ねんきん共済の受取タイプが確定年金10年のみに限定されていると誤解する点
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令・各種共済約款等
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式投資信託の運用手法とファンド特性
金融資産運用 · スマートベータ / ロング・ショート戦略 / ブル・ベア型ファンド
株式投資信託の運用スタイル等に関する次の記述(a)~(c)について、適切なものの組み合わせ数として最も適切なものはどれか。 (a) スマートベータ運用は,時価総額の大きい銘柄を選定して運用するスタイルであり,リターンがTOPIX等の市場平均を上回る傾向があるとされる。 (b) ロング・ショート運用は,一般に,株価が割安と判断される銘柄のロング・ポジションを取り,同時に株価が割高と判断される銘柄のショート・ポジションを取る運用手法である。 (c) ブル型ファンドは,相場の下落に対してベンチマークとされる指標の変動率の2倍,3倍等のプラスの収益率を目指すファンドである。
解答・解説を表示
解答
1
解説
株式投信の運用手法には、市場全体の変動リスクを中立化しつつ超過収益を狙うロング・ショート戦略、時価総額とは異なる財務指標やボラティリティ等のファクターに着目するスマートベータ指数連動型、上昇局面(ブル)や下落局面(ベア)に倍率をかけて追従するレバレッジ型などがあります。
解き方
- 記述(a)を吟味:スマートベータは時価総額加重とは異なり財務指標等の特定のファクターに基づく指数であるため誤りと判断する。
- 記述(b)を吟味:割安銘柄の買建(ロング)と割高銘柄の売建(ショート)を組み合わせる手法であり正しいと判断する。
- 記述(c)を吟味:相場下落時にプラスの収益を目指すのは「ベア型」であり、ブル型は相場上昇時にプラスを目指すため誤りと判断する。
- 適切な記述が(b)の1つであるため、選択肢1を選択する。
- 選択肢 1正解
- 適切な記述は(b)の1つのみであるため、正解は「1つ」となります。
- 選択肢 2不正解
- 適切な記述は(b)の1つだけであるため、「2つ」とする選択肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 記述(a)および(c)はいずれも誤りであるため、「3つ」とする選択肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 記述(b)が適切であるため、「0(なし)」とする選択肢は誤りです。
覚えるポイント
- スマートベータは時価総額加重ではなく財務指標やボラティリティ等を基準に銘柄選定・加重する
- ロング・ショートは割安買い+割高売りで市場中立的な絶対リターンを目指す
- ブル(Bull・雄牛)は上昇、ベア(Bear・熊)は下落を指す
間違えやすいところ
- スマートベータを単純な大型株・時価総額上位銘柄への集中投資と誤解する点
- 相場下落で利益が出るファンドをブル型と混同する(下落でプラスを狙うのはベア型)点
出題の前提:2014年10月1日現在施行の投資信託関連概念
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国債の商品設計と特徴
金融資産運用 · 国債 / 個人向け国債 / 物価連動国債
国債(個人向け国債および物価連動国債)の仕組みや特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
国債は国が発行する確定利付・変動利付等の債券であり、個人向け国債には満期や金利タイプの異なる商品が用意され、下限金利の保証や中途換金ルールが法定されています。
解き方
- 個人向け国債のラインナップ(変動10年・固定5年・固定3年)を確認する。
- 物価連動国債の利子計算方法(物価連動した元金額に表面利率を乗じる)を確認する。
- 個人向け国債の最低金利保証(年0.05%)および中途換金制限期間(全タイプ発行後1年間)を確認して正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 個人向け国債の種類は「変動金利型10年満期」「固定金利型5年満期」「固定金利型3年満期」の3種類であり、変動金利型3年満期は存在しません。
- 選択肢 2不正解
- 物価連動国債の利子額は「表面利率×連動係数を乗じた想定元金額」で算出されるため、物価の変動に応じて元金額が増減すれば、各利払期に支払われる利子額も増減します。
- 選択肢 3正解
- 個人向け国債(変動10年)は半年ごとに基準金利をもとに適用利率が見直されますが、下限として年0.05%の最低金利保証が設けられています。
- 選択肢 4不正解
- 個人向け国債の中途換金禁止期間は、変動金利型・固定金利型を問わず原則として「発行から1年間」であり、1年経過後はいつでも中途換金が可能です。
覚えるポイント
- 個人向け国債の3タイプ:変動10年、固定5年、固定3年(いずれも最低保証金利年0.05%、中途換金制限は発行後1年)。
間違えやすいところ
- 過去の制度において固定5年の中途換金禁止期間が2年だった時期があるため、現行ルールの「全タイプ一律1年」と混同しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
NISA(少額投資非課税制度)の税務と仕組み
金融資産運用 · NISA / 損益通算 / 非課税口座
「非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得および譲渡所得等の非課税措置(NISA)」に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
NISA口座で生じる売買益や配当金は非課税となる一方、譲渡損失が生じた場合でも税制上の損失としては扱われず、他口座や配当金との損益通算や繰越控除の対象外となります。
解き方
- NISA口座内での損失の税制上の扱い(損失はないものとみなされること)を確認する。
- 配当非課税の要件(株式数比例配分方式の選択が必須)を確認する。
- 年単位での金融機関変更要件およびロールオーバー(翌年枠への移管)の規定を確認して最も不適切なものを特定する。
- 選択肢 1正解
- NISA口座内で発生した譲渡損失は税務上生じなかったものとみなされるため、確定申告を行っても同一口座内の配当金や他口座の利益と損益通算することはできません。
- 選択肢 2不正解
- NISA口座内の上場株式の配当金を非課税とするためには、配当金の受取方法として「株式数比例配分方式」を選択しておく必要があります。
- 選択肢 3不正解
- 平成27年1月1日以降、年単位での金融機関変更が可能となり、前年に買い付けがあった場合でも、翌年分は別の金融機関へ勘定を変更・設定することができます。
- 選択肢 4不正解
- 非課税期間(5年間)終了時、同一金融機関の翌年分のNISA口座(非課税枠)へロールオーバー(移管)することで、非課税保有を継続することができます。
覚えるポイント
- NISAの損失は税務上存在しないものと扱われるため、損益通算も繰越控除も不可。
間違えやすいところ
- 株式数比例配分方式以外の方法(配当金領収証方式など)を選択していると、NISA口座内の上場株式であっても配当が課税されてしまう点に注意が必要です。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(平成26年度税制改正事項を含む)
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
インタレスト・カバレッジ・レシオの計算
金融資産運用 · 財務諸表分析 / インタレスト・カバレッジ・レシオ / 財務健全性
以下の〈X社のデータ〉に基づき算出されるX社のインタレスト・カバレッジ・レシオとして、最も適切なものはどれか。なお、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。 〈X社のデータ〉 売上高:2,625,720百万円 営業利益:102,310百万円 受取利息:3,250百万円 受取配当:850百万円 支払利息:14,320百万円 経常利益:78,520百万円
解答・解説を表示
解答
4
解説
インタレスト・カバレッジ・レシオは、借入金等に対する利息の支払能力を測定する指標です。本業および金融活動から得た利益(事業利益=営業利益+受取利息+受取配当金)が、金融費用(支払利息・割引料)の何倍あるかを表し、倍率が高いほど利息支払いの安全性・財務的余裕が高いと評価されます。
解き方
- 分子となる事業利益(営業利益+受取利息+受取配当金)を合算します:102,310百万円+3,250百万円+850百万円=106,410百万円。
- 事業利益を分母となる金融費用(支払利息14,320百万円)で除し、小数点以下第3位を四捨五入して求めます:106,410÷14,320=7.4308…倍→7.43倍。
- 選択肢 1不正解
- 0.29倍は、支払利息を事業利益等で除した逆数などの誤った計算によって導かれる数値であり、不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 5.77倍は、分子に営業利益ではなく経常利益を用いて(78,520+3,250+850)÷14,320=82,620÷14,320≒5.77倍と計算した場合の誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 7.37倍は、分子の事業利益に受取配当金を加算し忘れて(102,310+3,250)÷14,320=105,560÷14,320≒7.37倍と計算した場合の誤りです。
- 選択肢 4正解
- (営業利益102,310+受取利息3,250+受取配当850)÷支払利息14,320=106,410÷14,320≒7.4308…倍となり、小数点以下第3位を四捨五入すると7.43倍で適切です。
覚えるポイント
- インタレスト・カバレッジ・レシオ=(営業利益+受取利息+受取配当金)÷支払利息(・手形割引料)
間違えやすいところ
- 分子の事業利益に受取配当金を加算し忘れたり、営業利益の代わりに経常利益を用いて計算してしまう誤りに注意が必要です。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
デュポンシステムによるROEの計算
金融資産運用 · 財務諸表分析 / ROE / デュポンシステム / 自己資本比率
以下の〈X社のデータ〉から算出した自己資本純利益率(ROE)として,最も適切なものは次のうちどれか。なお,計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。 〈X社のデータ〉 売上高純利益率:1.87% 総資本回転率:1.33回 自己資本比率:30.00%
解答・解説を表示
解答
4
解説
ROE(自己資本純利益率=当期純利益÷自己資本)は、株主から調達した資本をどれだけ効率的に使って純利益を稼ぎ出したかを示す総合的な収益性指標です。デュポンシステムによって「売上高純利益率(収益性)×総資本回転率(効率性)×財務レバレッジ(総資本÷自己資本=自己資本比率の逆数)」の3要素に分解して分析することができます。
解き方
- 財務レバレッジを求めます:総資本÷自己資本=1÷自己資本比率(0.30)=10/3倍(約3.33倍)。
- 売上高純利益率に総資本回転率を乗じてROA(総資本純利益率)を求めます:1.87%×1.33=2.4871%。
- ROAに財務レバレッジを乗じて(または自己資本比率で除して)ROEを計算します:2.4871%÷0.30=8.2903…%。小数点以下第3位を四捨五入して8.29%を求めます。
- 選択肢 1不正解
- 0.75%は、財務レバレッジで乗じる(自己資本比率で除す)べきところを、誤って自己資本比率(30%)を乗じて計算した値(1.87×1.33×0.30≒0.75%)であるため不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 2.49%は、売上高純利益率に総資本回転率を乗じたROA(総資本純利益率=1.87%×1.33=2.4871%)の数値であり、自己資本で除す処理を行っていないため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 3.55%は計算式を正しく適用できておらず、不適切です。
- 選択肢 4正解
- ROE=売上高純利益率×総資本回転率÷自己資本比率=1.87%×1.33÷0.30=8.2903…%となり、小数点以下第3位を四捨五入すると8.29%で適切です。
覚えるポイント
- ROE=売上高純利益率×総資本回転率×財務レバレッジ(=ROA÷自己資本比率)
間違えやすいところ
- 財務レバレッジ(総資本÷自己資本)と自己資本比率(自己資本÷総資本)を混同し、掛け算と割り算を取り違えてしまう誤りが多いです。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外貨定期預金の利回り計算
金融資産運用 · 外貨預金 / 為替レート / 利回り計算
以下の条件に基づき、為替予約を付けずに円貨を外貨に交換して2万米ドルを外貨預金に預け入れ、満期時に円貨で受け取る場合における年利回り(単利)として、最も適切なものを1つ選びなさい。なお、1カ月は「30日÷360日」として計算し、税金等は考慮せず、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。 [預金条件] ・外貨預金の期間・通貨・利率:期間1カ月の米ドル建て定期預金、利率6.00%(年率) ・預入時為替レート:TTS 108.20円、TTB 107.70円 ・満期時為替レート:TTS 109.80円、TTB 109.30円
解答・解説を表示
解答
3
解説
外貨預金の利回り計算では、円を外貨に換える際は顧客が買うレート(TTS)、外貨を円に戻す際は顧客が売るレート(TTB)を適用し、期間に応じた利息と為替差損益を合算して年率換算します。
解き方
- 円貨から米ドルへの預け入れに必要な当初払込円資金を算出するため、20,000米ドルにTTS 108.20円を乗じて2,164,000円を求めます。
- 1カ月後の受取利息を20,000米ドル×6.00%×(30日/360日)=100米ドルと算出し、元利合計20,100米ドルを求めます。
- 米ドルから円貨へ戻すため、満期時元利合計20,100米ドルにTTB 109.30円を乗じて円貨受取額2,196,930円を求めます。
- 円ベースの利益(2,196,930円-2,164,000円=32,930円)を当初投資額で除し、年換算(×12)を行って利回り18.26%を算出します。
- 選択肢 1不正解
- 1.52%は1カ月間の運用収益率(32,930円÷2,164,000円×100≒1.5217%)であり、年率換算(×12)が行われていません。
- 選択肢 2不正解
- 2.40%は計算過程のレート選択や期間換算を誤った場合に算出される誤った数値です。
- 選択肢 3正解
- 為替レート(預入時TTS、満期時TTB)および日数計算(30/360)に基づいて年利回りを正しく計算すると18.26%となります。
- 選択肢 4不正解
- 29.52%は適用する為替レートのTTSとTTBを取り違える等の誤りによって算出される数値です。
覚えるポイント
- 円から外貨はTTS(Telegraphic Transfer Selling)、外貨から円はTTB(Telegraphic Transfer Buying)を適用します。
間違えやすいところ
- 1カ月間の収益率を算出した後、年率換算(360日÷30日=12倍)するのを忘れてしまうミスに注意が必要です。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令・金融商品実務基準
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
日経225オプション取引の特徴
金融資産運用 · デリバティブ取引 / オプション取引 / 日経225オプション
国内取引所に上場している日経225オプション取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
2
解説
オプション取引の権利行使方式には、満期日のみ権利行使できるヨーロピアンタイプと、満期日までの期間中いつでも行使できるアメリカンタイプがあり、日経225オプション取引はヨーロピアンタイプが採用されています。
解き方
- 各選択肢の記述について、上場市場、権利行使スタイル、取引単位、SQ決済のルールを順に確認します。
- 日経225オプションの権利行使スタイルがヨーロピアンタイプである点に照らし、アメリカンタイプとする選択肢2が不適切であると判定します。
- 選択肢 1不正解
- 日経225オプション取引は日経平均株価(日経225)を対象とし、大阪取引所に上場されているため適切です。
- 選択肢 2正解
- 日経225オプション取引は満期日(SQ日)のみ権利行使が可能なヨーロピアンタイプであるため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 取引単位はオプション価格の1,000倍を1枚(1単位)として取引されるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 各限月の第2金曜日がSQ日となり、前営業日までに反対売買されなかった未決済建玉はSQ値で自動清算されるため適切です。
覚えるポイント
- 日経225オプション取引はヨーロピアンタイプ(権利行使は満期日のみ)であり、取引倍率は1,000倍です。
間違えやすいところ
- 個別株オプション(多くがアメリカンタイプ)と株価指数オプション(日経225オプションはヨーロピアンタイプ)の権利行使タイプの違いを混同しないようにしましょう。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の金融商品取引所規則
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
外貨建て金融商品の課税関係
金融資産運用 · 外貨建て金融商品 / 外国債券の利子 / 外国株式の配当 / 外貨預金の為替差益
日本国内において個人(居住者)が金融機関等を通じて購入等する外貨建て金融商品に係る課税関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
外貨建て金融商品から生じる利子・配当・為替差益はそれぞれ所得区分や課税方式が異なります。預金の利子は円建て・外貨建て問わず源泉分離課税であり、外貨預金の為替差益は雑所得(総合課税)となります。また、外国株式の配当は配当控除の対象外である点に留意が必要です。
解き方
- 外国利付債券の利子について、平成27年当時の税制(平成28年1月の金融所得課税一体化前)における課税区分(源泉分離課税)を確認する。
- 外国株式の配当金における配当控除の適否(国内法人限定のため適用不可)を確認する。
- 外貨預金の利子(円建てと同様に源泉分離課税)および満期時の為替差益(雑所得・総合課税)の課税関係を照合し、正誤を判定する。
- 選択肢 1正解
- 平成27年12月31日以前において、国内証券会社を通じて支払を受ける外国利付債券の利子は一律20.315%の源泉分離課税の対象でした(平成28年1月1日以後は申告分離課税の対象へ改正)。
- 選択肢 2不正解
- 外国上場株式の配当金は申告不要制度や申告分離課税を選択できますが、法人税と所得税の二重課税調整である配当控除は国内法人からの配当に限られるため適用できません。
- 選択肢 3不正解
- 日本国内に所在する銀行に預け入れた外貨定期預金の利子は、円建て預金と同様に利子所得として一律20.315%の源泉分離課税の対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 外貨定期預金の満期等に伴って発生する為替差益は、一時所得ではなく「雑所得」として総合課税の対象となります。
覚えるポイント
- 外貨預金の為替差益は「雑所得(総合課税)」、為替差損は他の雑所得と相殺可能だが他所得とは損益通算不可。
- 配当控除は国内株式等の配当にのみ適用され、外国株式の配当には適用されない。
間違えやすいところ
- 外貨預金の為替差益を「一時所得」や「譲渡所得」と取り違えないように注意する。
- 国内銀行に預け入れた外貨預金の利子を、為替リスクがあることから総合課税や申告分離課税と誤解しやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
金融商品の販売・取引等に係る法規
金融資産運用 · 金融商品取引法 / 金融商品販売法 / 犯罪収益移転防止法 / 金融ADR制度
金融商品の販売および取引等に係る関連法規等に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
金融取引に関わる法規には、投資者保護や取引の公正を図る金融商品取引法、重要事項説明や損害賠償責任を定める金融商品販売法、マネー・ローンダリングを防ぐ犯罪収益移転防止法、裁判外で簡易・迅速に紛争を解決する金融ADR制度などがあります。金融機関にはこれらに基づく義務が課されています。
解き方
- 金融商品取引法における内部者取引(インサイダー取引)規制の適用範囲を確認する。
- 金融商品販売法と金融商品取引法における普通預金の適用対象範囲の違いを確認する。
- 犯罪収益移転防止法における現金振込(10万円超)および多額現金取引(200万円超)の取引時確認義務の基準を確認する。
- 金融ADR制度における金融機関の手続応諾義務(正当な理由なく拒絶できない規定)を確認し、不適切な記述を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 上場企業の役職員等の関係者が未公表の重要事実を知って当該株式等の売買を行うことは、金融商品取引法第166条(インサイダー取引規制)により禁止されています。
- 選択肢 2不正解
- 円建ての普通預金は、金融商品の販売等に関する法律の対象金融商品とされていますが、金融商品取引法の対象となる有価証券やデリバティブ取引等には該当しません。
- 選択肢 3不正解
- 犯罪収益移転防止法に基づき、金融機関の窓口で10万円を超える現金の振込み(為替取引)を行う場合や、200万円を超える大口現金の受払いを行う場合には、取引時確認が義務付けられています。
- 選択肢 4正解
- 金融ADR制度において、指定紛争解決機関から手続に応じるよう求められた金融機関には手続応諾義務があるため、正当な理由がある場合を除き、手続の実施を拒むことはできません。
覚えるポイント
- 金融ADR制度では、金融機関側に「手続応諾義務」「説明義務」「和解案受諾義務(片面的受諾義務)」等の重い負担が課されている。
- 現金による10万円超の振込時、および200万円超の現金取引時には犯罪収益移転防止法による本人確認(取引時確認)が必要。
間違えやすいところ
- 金融ADR制度の手続について、金融機関が任意で自由に拒否できると誤解しないよう注意する。
- 円建て普通預金について、金融商品販売法の対象外であると誤って記憶しやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人事業主の事業所得の必要経費と棚卸資産評価
タックスプランニング · 事業所得 / 青色事業専従者給与 / 必要経費 / 棚卸資産の評価方法
居住者に係る所得税の事業所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
個人の事業所得の計算において、生計を一にする親族へ支払う対価は原則として必要経費になりませんが、青色申告者の事前届出に基づく給与は例外的に認められます。ただし退職金は必要経費への算入が一切認められません。
解き方
- 接待交際費における法人税と所得税の違い(個人事業主には損金不算入枠等の上限規定がないこと)を確認する。
- 青色事業専従者に対する支払について、届出に基づく適正な給与は算入できるが退職金は算入不可である規定を適用する。
- 棚卸資産の選定可能評価方法(低価法は青色申告者のみに認められる特権であること)を確認し、誤りの肢を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 個人事業主の接待交際費は、事業の遂行上直接必要と認められる金額であれば全額を必要経費に算入可能であり、法人税のような損金算入限度額の制限はありません。
- 選択肢 2正解
- 青色事業専従者に支払う給与は一定の要件のもと必要経費に算入できますが、青色事業専従者に支払う退職金は退職金規程の有無にかかわらず必要経費に算入できません。
- 選択肢 3不正解
- 青色事業専従者に支払う給与は、事前に提出した届出書の範囲内であり、かつ労務の対価として相当と認められるものであれば全額を必要経費に算入できます。
- 選択肢 4不正解
- 棚卸資産の評価方法として低価法を選択できるのは青色申告者に限られており、白色申告者は原価法しか選定することができません。
覚えるポイント
- 青色事業専従者への「退職金」は必要経費に算入できない(給与のみ事前届出の範囲内で可能)。
- 棚卸資産の「低価法」は青色申告者のみ選択可能。
間違えやすいところ
- 一般従業員と同様の規程があれば親族である専従者への退職金も経費になると誤解しやすい点。
- 個人事業主にも法人と同様の交際費限度額(定額控除限度額等)があると混同しやすい点。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険契約の解約返戻金・満期保険金に係る課税区分と一時所得の計算
タックスプランニング · 一時所得 / 源泉分離課税 / 金融類似商品 / 生命保険の税務
会社役員のAさんが平成26年中に解約・満期を迎えた以下の3つの生命保険契約に関する課税関係の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 (1)一時払変額個人年金保険(10年確定年金):契約H20.10.1、解約返戻金1,200万円、正味払込済保険料1,000万円 (2)一時払終身保険:契約H24.10.1、解約返戻金950万円、正味払込済保険料1,000万円 (3)一時払養老保険(5年満期):契約H21.10.1、満期保険金1,050万円、正味払込済保険料1,000万円
解答・解説を表示
解答
2
解説
一時払養老保険や一時払変額個人年金保険などで保険期間が5年以下のものや5年以内に解約されたものは金融類似商品として源泉分離課税(20.315%)となりますが、一時払終身保険は期間の定めがないため金融類似商品から除外され、5年以内の解約でも一時所得(総合課税)として扱われます。
解き方
- 各契約の金融類似商品該当性を判定する。(1)は5年超経過解約のため一時所得、(2)は終身保険のため契約期間を問わず一時所得、(3)は5年満期の一時払養老保険のため金融類似商品(源泉分離課税)。
- 一時所得の金額を計算する。(1)の差益+200万円、(2)の差損△50万円を通算して差引利益は150万円となる。
- 特別控除額(最高50万円)を控除した残額100万円に2分の1を乗じて総所得金額算入額50万円を算出する。
- 一時払終身保険が源泉分離課税で通算できないとしている選択肢2が誤りであると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 契約日から5年超経過して解約された一時払変額個人年金保険の解約返戻金は、金融類似商品には該当せず、一時所得として総合課税の対象となります。
- 選択肢 2正解
- 一時払終身保険は金融類似商品から除外されているため、契約から5年以内の解約であっても一時所得となり、生じた損失50万円は他の一時所得と内部通算できます。
- 選択肢 3不正解
- 保険期間5年以下の一時払養老保険の満期保険金と払込保険料との差額(差益)は、金融類似商品として20.315%の源泉分離課税の対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 一時所得は(1,200万円-1,000万円)+(950万円-1,000万円)=150万円となり、特別控除50万円を引いた100万円に1/2を乗じた50万円が総所得金額に算入されます。
覚えるポイント
- 一時払終身保険は5年以内の解約であっても金融類似商品(源泉分離課税)に該当せず、一時所得となる。
- 一時所得の金額=(総収入金額-支出金額-特別控除50万円)× 1/2。
間違えやすいところ
- 契約から5年以内に解約した一時払保険はすべて金融類似商品になると誤解し、終身保険まで源泉分離課税と判断してしまうミス。
- 一時所得同士での差益と差損の内部通算を行わずに計算してしまうミス。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の損益通算の手順と対象所得
タックスプランニング · 損益通算 / 所得税の計算手順 / 総所得金額
所得税における損益通算に関する次の記述(a)~(c)のうち、適切なものの個数として最も適切なものを1つ選びなさい。 (a) 不動産所得または事業所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、これをまず給与所得や雑所得等の経常所得の金額から控除する。 (b) 総合課税の対象となる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、これをまず一時所得の金額(2分の1を乗ずる前)から控除する。 (c) 総所得金額が赤字になった場合、これをまず山林所得の金額から控除し,なお控除しきれない損失の金額があるときは、退職所得の金額から控除する。
解答・解説を表示
解答
3
解説
所得税の損益通算は、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得(総合課税)の損失について、一定の順序で他の所得と相殺する手続きです。第1次通算として「経常所得グループ(不動産・事業・利子・配当・給与・雑)」および「譲渡・一時所得グループ」内で相殺し、第2次通算で両グループ間を相殺し、それでも控除しきれない損失がある場合には第3次通算として山林所得、退職所得の順に控除します。
解き方
- 記述(a)について、不動産所得や事業所得の損失は第1次通算として利子・配当・給与・雑所得の経常所得グループから控除するため適切と判断します。
- 記述(b)について、総合課税の譲渡所得の損失は第1次通算として一時所得の金額(2分の1を乗じる前の金額)から控除するため適切と判断します。
- 記述(c)について、総所得金額の計算において控除しきれない損失が生じた場合は、山林所得、次いで退職所得の順で控除するため適切と判断します。
- すべての記述(a)(b)(c)が適切であるため、適切なものは3つとなり肢3を選択します。
- 選択肢 1不正解
- (a)・(b)・(c)のすべてが適切であるため、適切なものが1つとする本選択肢は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- (a)・(b)・(c)の3つすべてが適切であるため、適切なものが2つとする本選択肢は誤りです。
- 選択肢 3正解
- (a)・(b)・(c)の記述はすべて損益通算の法定順序・規定に合致しており適切であるため、本選択肢が正解となります。
- 選択肢 4不正解
- (a)・(b)・(c)の記述はいずれも正しく適切であるため、0(なし)とする本選択肢は誤りです。
覚えるポイント
- 損益通算の順序は、第1次が同グループ内通算、第2次が経常と譲渡・一時の相互通算、第3次が山林所得・退職所得からの控除です。
- 一時所得との通算は、一時所得の金額を2分の1にする前に行います。
間違えやすいところ
- 一時所得の損失は損益通算の対象外(黒字の一時所得から譲渡損失を引くことは可能)である点と混同しないように注意が必要です。
- 山林所得と退職所得への控除順序を逆に覚えないように注意しましょう。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の所得税法第69条(損益通算)および所得税法施行令第198条
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税における雑損控除の要件と控除額の計算
タックスプランニング · 雑損控除 / 所得控除 / 生活に通常必要な資産
所得税の雑損控除に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
2
解説
雑損控除は、納税者または生計を一にする親族(総所得金額等38万円以下)が所有する生活に通常必要な資産について、災害、盗難、横領により生じた損失を所得控除する制度です。詐欺や恐喝は対象外です。控除限度額は「差引損失額-総所得金額等×10%」と「差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円」のいずれか多い方の金額となります。
解き方
- 選択肢1の損失原因を確認します。対象は災害・盗難・横領であり、詐欺や恐喝による損失は雑損控除の対象に含まれないため不適切と判断します。
- 選択肢2の資産保有者の範囲を確認します。居住者本人または生計を一にする親族で総所得金額等が38万円以下の者が所有する生活用資産が対象となるため適切と判断します。
- 選択肢3の損失額の計算基準を確認します。損害を受けた直前の時価等を基準とし、取得時の価額との高い方を選択する規定はないため不適切と判断します。
- 選択肢4の控除額の計算式を確認します。2つの算式により計算した金額の「いずれか多い金額」を控除するため、「低い金額」とする記述は不適切と判断します。
- 選択肢 1不正解
- 雑損控除の対象となる損失の原因は「災害、盗難、横領」に限られており、詐欺や恐喝による損失は対象外であるため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 雑損控除の対象となる資産は、納税者本人または生計を一にする親族で総所得金額等が38万円以下の者が所有する生活に通常必要な資産であるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 損失金額は、原則として損害を受けた直前の時価を基準として直後の時価を差し引いて計算し、取得時価額の高い方を用いるわけではないため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 雑損控除の控除額は、「差引損失額-総所得金額等×10%」と「災害関連支出等の金額-5万円」のうち「いずれか多い金額」となるため不適切です。
覚えるポイント
- 雑損控除の対象原因は「災害・盗難・横領」の3つであり、「詐欺・脅迫」は対象外です。
- 雑損控除の控除額は2つの算式のうち「いずれか多い金額」です。
間違えやすいところ
- 詐欺被害による損失を雑損控除の対象と誤認しやすい点に注意が必要です。
- 控除額の判定で「いずれか少ない(低い)金額」と「多い金額」を取り違えないようにしましょう。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の所得税法第72条(雑損控除)および所得税法施行令第205条・第206条
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の配偶者控除
タックスプランニング · 配偶者控除 / 控除対象配偶者 / 青色事業専従者
所得税における配偶者控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において年齢は12月31日現在のものとし、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
配偶者控除は、生計を一にする配偶者の合計所得金額が一定以下である場合に適用される人的控除です。青色事業専従者給与等の適用を受ける者は対象外となり、配偶者の年齢に応じて一般控除対象配偶者と老人控除対象配偶者に区分されます。
解き方
- 配偶者の所得要件(合計所得金額38万円以下)および年齢区分(70歳未満38万円、70歳以上48万円)を確認します。
- 事業専従者としての給与受給の有無を確認し、控除対象から除外される規定を適用します。
- 出題基準日(2014年10月1日)における納税者本人の所得制限適用の有無を確認して正誤を判定します。
- 選択肢 1不正解
- その年の12月31日現在で年齢が70歳未満(45歳)かつ合計所得金額が38万円以下の配偶者は控除対象配偶者に該当し、控除額は38万円となります。
- 選択肢 2不正解
- その年の12月31日現在で年齢が70歳以上(72歳)かつ合計所得金額が38万円以下の配偶者は老人控除対象配偶者に該当し、配偶者控除の額は48万円となります。
- 選択肢 3不正解
- 青色申告者の青色事業専従者として給与の支払を受ける者や白色申告者の事業専従者は、合計所得金額にかかわらず控除対象配偶者となることはできません。
- 選択肢 4正解
- 本問の基準日(2014年10月1日現在)においては、配偶者控除には納税者本人の所得制限は設けられていませんでした(本人の所得制限1,000万円以下が導入されたのは2018年分以後です)。
覚えるポイント
- 事業専従者給与の支払を受ける者は配偶者控除・扶養控除の対象外となること。
- 70歳以上の老人控除対象配偶者の控除額は48万円(同居特別障害者等を除く)であること。
間違えやすいところ
- 配偶者特別控除の「納税者本人の合計所得金額1,000万円以下」という制限を、当時の配偶者控除にもあると誤解しやすい点。
- 現行制度(2018年以後)と試験当時の制度の違いによる混乱。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の所得税法等に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税の申告・中間申告・更正の請求
タックスプランニング · 確定申告 / 中間申告 / みなし申告 / 更正の請求
法人税の申告等に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。なお,各選択肢において,ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
法人税の確定申告は事業年度終了後2か月以内、中間申告は事業年度開始後6か月経過から2か月以内に行います。申告誤り等で納付税額が過大となった場合の救済手段である更正の請求は、納税者の権利保護のため原則として法定申告期限から5年以内と定められています。
解き方
- 確定申告書および中間申告書の提出期限(事業年度終了後2か月以内、中間期経過後2か月以内)を確認します。
- 中間申告書の不提出時における「前年度実績によるみなし申告」規定の適否を確認します。
- 国税通則法に基づく更正の請求期限が「法定申告期限から5年以内」である点を確認し、選択肢4の誤りを特定します。
- 選択肢 1不正解
- 法人税法第74条第1項の規定通り、法人は原則として各事業年度終了の日の翌日から2カ月以内に確定申告書を提出しなければなりません。
- 選択肢 2不正解
- 法人税法第71条第1項の規定通り、事業年度が6カ月を超える普通法人は、原則として事業年度開始の日以後6カ月を経過した日から2カ月以内に中間申告書を提出する必要があります。
- 選択肢 3不正解
- 法人税法第73条の規定により、中間申告書の提出義務がある法人が期限までに申告書を提出しなかった場合、前年度の実績に基づく中間申告書の提出があったものとみなされます。
- 選択肢 4正解
- 国税通則法第23条第1項に基づき、納付すべき税額が過大であった場合等の更正の請求期限は、原則として法定申告期限から「5年以内」です(3年ではありません)。
覚えるポイント
- 国税通則法の通常の更正の請求期限は法定申告期限から「5年以内」であること。
- 中間申告書を提出しなかった場合は、前事業年度実績によるみなし申告の扱いとなること。
間違えやすいところ
- 平成23年税制改正前の「1年」や、他の税務上の年数(3年や7年など)と更正の請求の「5年」を混同すること。
- 確定申告の期限延長(会計監査人設置会社等の特例)と原則規定(2か月以内)を取り違えること。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法人税法および国税通則法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税における貸倒損失および貸倒引当金の取扱い
タックスプランニング · 貸倒損失 / 貸倒引当金 / 法人税基本通達
法人税における金銭債権の貸倒損失および貸倒引当金の税務上の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において記載以外の要件はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
法人税法上の貸倒損失には、法律上の貸倒れ(金銭債権の消滅)、事実上の貸倒れ(回収不能)、形式的貸倒れ(売掛債権の一定の形式基準による貸倒れ)があります。形式的貸倒れ(取立費用超過による貸倒れ等)を適用する際には、備忘価額(1円)を控除した残額を損金経理する必要があります。
解き方
- 法律上の貸倒れ、個別評価貸倒引当金の繰入限度額(50%)、事実上の貸倒れの担保処分要件など各選択肢の要件を照合する。
- 形式的貸倒れ(売掛債権の取立費用超過)における備忘価額(1円)控除の要件を確認し、不適切な選択肢を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 債務超過が相当期間継続し事業好転の見通しがない等の理由で回収見込みがない金銭債権につき、債務者へ書面により債務免除を通知した場合、その全額が法律上の貸倒れとして貸倒損失に認められます。
- 選択肢 2不正解
- 手形交換所の取引停止処分等の事由が生じた債務者に対する金銭債権については、担保等による取立見込額を控除した残額の50%を限度として個別評価貸倒引当金の繰入れが認められます。
- 選択肢 3正解
- 同一地域の債務者に対する売掛債権の総額が取立費用に満たない場合、支払督促を行っても弁済がないときは貸倒処理できますが、備忘価額(1円等)を控除した残額を計上しなければならないため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 債務者の資産状況や支払能力等からみて全額回収不能であることが明らかな事実上の貸倒れでは、当該債権に担保物があるときはその担保物を処分した後でなければ貸倒損失として損金経理できません。
覚えるポイント
- 形式的貸倒れ(取引停止後1年経過、取立費用超過)では備忘価額(1円)の控除が必要であること。
- 手形交換所の取引停止処分等による個別評価貸倒引当金の法定繰入率は担保等控除後の50%であること。
間違えやすいところ
- 事実上の貸倒れと法律上の貸倒れを混同し、担保物の処分要件や書面通知要件を取り違えること。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の税法および法人税基本通達に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生産性向上設備投資促進税制の概要と要件
タックスプランニング · 生産性向上設備投資促進税制 / 特別償却 / 税額控除 / 法人税
平成26年度税制改正により創設された生産性向上設備投資促進税制に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
生産性向上設備投資促進税制は質の高い設備投資を促進するための税制措置で、最新モデルの「先端設備(A類型)」と投資利益率要件を満たす「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備(B類型)」の2類型で構成されています。
解き方
- A類型(先端設備)とB類型(生産ライン等の改善に資する設備)の要件(生産性向上年平均1%以上、投資利益率15%以上/中小企業者等5%以上)を確認する。
- 確認手続(A類型は工業会等証明書、B類型は経済産業局の確認書)および初年度の税制優遇割合(即時償却または税額控除5%等)を照合して正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 平成26年1月20日から平成28年3月31日までの導入期間における機械装置等の優遇措置は、取得価額の全額(100%)の即時償却または5%の税額控除(建物等は3%)であるため不適切です。
- 選択肢 2正解
- 生産ラインやオペレーションの改善に資する設備(B類型)は、年平均の投資利益率が15%以上(中小企業者等の場合は5%以上)の投資計画に係る設備が対象となるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 先端設備(A類型)における生産性向上要件は、旧モデルと比較して年平均1%以上向上する設備であるため、「年平均10%以上」とする本肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 税理士・公認会計士等の事前確認を経て経済産業局から確認書の発行を受ける手続が必要なのは「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備(B類型)」であり、先端設備(A類型)は工業会等の証明書を用います。
覚えるポイント
- 先端設備(A類型)は工業会等証明書・年平均1%以上の生産性向上。
- 生産ライン等改善設備(B類型)は経済産業局確認書・投資利益率15%以上(中小企業者等は5%以上)。
間違えやすいところ
- A類型(工業会証明書)とB類型(経済産業局確認書)の手続・適用要件を混同すること。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の租税特別措置法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
企業の財務安全性分析指標
不動産 · 財務諸表分析 / 当座比率 / 安全性指標
企業の安全性を分析する指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
企業の短期的な支払能力を測る指標には流動比率と当座比率があります。流動比率は棚卸資産を含みますが、当座比率は換金性の高い当座資産のみを対象とすることで、より厳密な支払能力を測定します。
解き方
- 当座比率の構成要素(当座資産÷流動負債)を確認し、棚卸資産が含まれるかどうかを判定する。
- 固定長期適合率、自己資本比率、インタレスト・カバレッジ・レシオの定義および分析上の留意点を確認する。
- 選択肢 1正解
- 当座資産には換金に時間を要したり価格変動リスクのある棚卸資産は含まれません。棚卸資産が含まれる指標は流動比率であるため、記述は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 固定長期適合率は固定資産÷(自己資本+固定負債)×100で計算され、100%以下が望ましいですが、設備投資の多い装置産業など業種ごとの特性を勘案する必要があります。
- 選択肢 3不正解
- 自己資本比率は自己資本÷総資本×100で計算されます。水準の判断には同業他社比較や時系列比較に加え、利益剰余金の蓄積状況など資本の内訳も検討することが適切です。
- 選択肢 4不正解
- インタレスト・カバレッジ・レシオは事業利益(営業利益+受取利息・配当金)÷支払利息等で算出され、借入金の利息支払能力を示します。高成長企業では積極的な借入による拡大局面もあるため、個別事情の勘案が必要です。
覚えるポイント
- 当座資産には棚卸資産は含まれず、現預金や売掛金などの即座に換金可能な資産で構成されます。
間違えやすいところ
- 流動比率(棚卸資産を含む)と当座比率(棚卸資産を含まない)の構成要素の差異を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令・財務分析基準
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産登記制度の基本手続と効力
不動産 · 不動産登記法 / 仮登記 / 登記事項証明書 / 差押えの登記
不動産登記に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
仮登記には順位保全効力がありますが、物権変動を生じさせる実体法上の対抗力や処分禁止効はありません。そのため、仮登記後であっても所有権移転登記や担保権設定登記などの登記を重ねて行うことが可能です。
解き方
- 仮登記の効力(順位保全効のみであり処分制限効はないこと)を確認する。
- 仮登記が存在する状態でも、所有者による第三者への所有権移転登記や抵当権設定登記が可能であることから選択肢3の誤りを判断する。
- 選択肢 1不正解
- 不動産登記法第110条に基づき、仮登記の登記上の利害関係人は、仮登記の登記名義人の承諾があるときは単独で仮登記の抹消を申請することができます。
- 選択肢 2不正解
- 所有権に対する差押えの登記(強制競売や担保権実行による競売開始決定に伴う差押え)は、所有権に関する事項を取り扱う権利部甲区に記録されます。
- 選択肢 3正解
- 所有権移転の仮登記には処分の禁止効がないため、仮登記後に第三者への所有権移転登記を行うことも可能です。したがって「所有権移転登記はすることができない」とする記述は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 登記事項証明書は誰でも交付を請求でき、法務局窓口への申請、郵送による請求、オンラインでの交付請求(登記・供託オンライン申請システム)が利用可能です。
覚えるポイント
- 仮登記には「順位保全効力」はありますが、処分を禁止する効力はないため、その後に本登記を行うことができます。
間違えやすいところ
- 抵当権実行による差押え登記は、抵当権自体が乙区にあるため差押えも乙区と誤解しやすいですが、目的物が所有権である場合は甲区に記録されます。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の不動産登記法
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
宅地建物取引業法(報酬・手付金・専任媒介契約)
不動産 · 宅地建物取引業法 / 媒介報酬 / 手付金の制限 / 専任媒介契約
宅地建物取引業法における報酬限度額、自ら売主となる場合の手付金の制限、および媒介契約の業務処理状況報告に関する次の記述(a)~(c)のうち、適切なものの個数として最も適切なものはどれか。 (a) 宅地建物取引業者が宅地または建物の売買の媒介に関して受けることのできる報酬の額は、当該売買代金の額に応じて、その上限が決められている。 (b) 宅地建物取引業者でない買主に対して宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約の締結に際して、手付金の額は売買代金の2割を超えてはならないとされている。 (c) 専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、依頼者に対し、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況を、原則として、2週間に1回以上報告しなければならない。
解答・解説を表示
解答
3
解説
宅地建物取引業法は取引の公正と消費者の保護を図るため、媒介報酬の上限告示、自ら売主規制による手付金の上限(代金の2割)、専任媒介における依頼者への定期的な業務処理状況報告義務(2週間に1回以上、専属専任は1週間に1回以上)を定めています。
解き方
- 記述(a)の媒介報酬上限が売買代金に応じた区分告示によって定められていることを確認する。
- 記述(b)の宅建業者が自ら売主となる場合の手付金受領上限が売買代金の2割であることを確認する。
- 記述(c)の専任媒介契約における業務処理状況の報告頻度(2週間に1回以上)を確認し、適切な記述の総数を数える。
- 選択肢 1不正解
- 適切な記述は(a)・(b)・(c)の3つすべてであるため、1つとする選択肢1は不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 適切な記述は(a)・(b)・(c)の3つすべてであるため、2つとする選択肢2は不適切です。
- 選択肢 3正解
- 記述(a)・(b)・(c)がいずれも適切であるため、3つとする本選択肢が正解となります。
- 選択肢 4不正解
- 適切な記述は(a)・(b)・(c)の3つすべてであるため、0(なし)とする選択肢4は不適切です。
覚えるポイント
- 自ら売主の場合の手付金上限は代金の20%以内、保全措置の要否も重要論点
- 専任媒介契約は2週間に1回以上、専属専任媒介契約は1週間に1回以上の報告義務
間違えやすいところ
- 専任媒介(2週間に1回以上)と専属専任媒介(1週間に1回以上)の報告頻度を取り違えないように注意する。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の宅地建物取引業法
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法の定期借地権等
不動産 · 借地借家法 / 定期借地権 / 建物譲渡特約付借地権 / 事業用定期借地権等
借地借家法に規定される各種の定期借地権等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
定期借地権には「一般定期借地権」「事業用定期借地権等」「建物譲渡特約付借地権」があります。一般定期借地権は公正証書等の書面、事業用定期借地権等は公正証書による締結が要件ですが、建物譲渡特約付借地権には書面要件の規定はありません。
解き方
- 各定期借地権における契約の方式(公正証書の要否・書面の要否)を確認する。
- 建物譲渡特約付借地権では公正証書等の書面作成が法律上の効力要件とされていない点から、選択肢1の誤りを判定する。
- 他の選択肢(建物の継続使用請求、一般定期借地権の用途制限なし、事業用定期借地権の居住用排除)が正しいことを確認する。
- 選択肢 1正解
- 建物譲渡特約付借地権の設定契約には書面要件や公正証書要件は法律上定められていないため、本記述は不適切(正解)です。
- 選択肢 2不正解
- 借地権設定後30年以上経過した日に建物を地主に譲渡することで借地権は消滅しますが、借地人や転借人が請求したときは期間の定めのない借家契約が成立したものとみなされるため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 一般定期借地権は借地借家法上、建物の用途制限が設けられていないため、事業用建物の建築を目的とすることも可能であり適切です。
- 選択肢 4不正解
- 事業用定期借地権等は専ら事業の用に供する建物の所有を目的とするため、居住用賃貸マンションの所有を目的として設定することはできず適切です。
覚えるポイント
- 事業用定期借地権等は「公正証書」が必須
- 一般定期借地権は「公正証書等の書面」が必須
- 建物譲渡特約付借地権は方式制限なし(口頭でも有効)
間違えやすいところ
- 事業用定期借地権等は事業目的であっても居住用(賃貸マンションや社宅等)の建物を対象とすることはできない点を見落としやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の借地借家法
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
都市計画法の開発許可と農地法の転用届出・許可
不動産 · 都市計画法 / 開発許可 / 農地法 / 農地転用
都市計画法に基づく開発許可制度および農地法の届出・許可等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
都市計画法では無秩序な市街化を防止するために開発行為に対する許可制を設けており、市街化区域では一定規模以上(原則1,000㎡以上、条例で300㎡まで引下げ可)で許可が必要です。一方、農地法では食料生産基盤を維持するため農地の権利移動や転用に制限を設けていますが、市街化を推進する市街化区域内の農地転用については農業委員会への事前届出で足りる特例が設けられています。
解き方
- 都市計画法の市街化区域・市街化調整区域における開発許可の要件および条例による引下げ規模を確認する。
- 農地法第4条・第5条の転用規制および市街化区域内の届出特例、ならびに転用許可権限に係る面積基準を精査して誤りを判定する。
- 選択肢 1不正解
- 市街化区域内で行う開発行為は原則1,000㎡以上で開発許可が必要ですが、都道府県等の条例により300㎡まで規模を引き下げることができます。
- 選択肢 2不正解
- 市街化調整区域内の開発許可を受けた区域外では、農林漁業用建築物や一定の公益的建築物等を新築する場合などを除き、都道府県知事の許可を受けなければ建築等をすることはできません。
- 選択肢 3正解
- 農地を農地以外にする目的で売買等を行う場合は農地法第5条の許可が必要です。当時の農林水産大臣許可が必要となる面積基準は「4ヘクタール超」であり、「3,000㎡以上」とする記述は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 市街化区域内にある農地を自ら転用する場合(法4条)や転用目的で権利移転する場合(法5条)は、面積に関係なく、あらかじめ農業委員会へ届出を行えば都道府県知事等の許可は不要です。
覚えるポイント
- 市街化区域の開発許可規模は原則1,000㎡以上(条例で300㎡まで引下げ可)
- 市街化区域内の農地転用は許可不要で農業委員会への事前届出で足りる
間違えやすいところ
- 農林水産大臣許可が必要とされていた基準(4ヘクタール超)を数千平方メートル単位の数値と混同しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法における道路の定義と取扱い
不動産 · 建築基準法 / 道路の定義 / 2項道路 / セットバック
建築基準法で定める道路に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、特定行政庁が指定する幅員6mの区域ではないものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
建築基準法上の道路は原則として幅員4m以上のものを指しますが、法の適用時に現存していた幅員4m未満の道について特定行政庁が指定した場合は「みなし道路(2項道路)」として扱われます。2項道路の中心線等から後退したセットバック部分は将来道路となる敷地であるため、建築物を建てられないだけでなく建ぺい率や容積率の算定対象となる敷地面積からも除外されます。
解き方
- 建築基準法第42条第1項各号(1号〜5号)および第2項に掲げる道路の成立要件を確認する。
- セットバック部分の敷地面積算入可否、およびがけ地等に面する場合の後退距離(4m)の規定を正誤判定する。
- 選択肢 1不正解
- 建築基準法の適用時に現に建築物が立ち並んでいた幅員4m未満の道が2項道路となるには、「特定行政庁の指定」を受ける必要があります。
- 選択肢 2正解
- 道路法や都市計画法等の新設・変更事業計画があり、2年以内に事業執行予定として特定行政庁が指定したものは、法42条1項4号の道路に該当します。
- 選択肢 3不正解
- セットバック部分は建築物を建築できないだけでなく、建ぺい率および容積率を算定する際の敷地面積から除外しなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 道路の反対側ががけ地や川などの場合、そのがけ地側の境界線から「水平距離4m」後退した線が道路境界線とみなされます(2mではありません)。
覚えるポイント
- 法42条1項4号道路:2年以内に事業執行予定で特定行政庁が指定した計画道路
- セットバック部分は建ぺい率・容積率算定の敷地面積から除外される
- 片側が崖地や線路等の場合はその境界線から4m後退する
間違えやすいところ
- 2項道路の中心線からの後退幅(2m)と、反対側ががけ地である場合の後退幅(4m)を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除
不動産 · 居住用財産の買換え / 譲渡損失の損益通算 / 繰越控除
「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除」の特例に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例は、譲渡年に他の所得と損益通算し、控除しきれない損失を翌年以後3年間にわたり繰越控除できる制度です。買換資産の取得と一定の住宅借入金等の年末残高の存在が適用要件となります。
解き方
- 繰越控除期間(最長3年間)や年末時点の買換資産に係る借入金残高要件を確認する。
- 譲渡資産の敷地面積上限(500㎡)および買換資産の床面積要件(50㎡以上・敷地面積制限なし)と各選択肢の記述を照合する。
- 選択肢 1不正解
- 譲渡損失を繰越控除できる期間は、譲渡した年の翌年以降「3年以内」であり、5年以内ではありません。
- 選択肢 2不正解
- 本特例の繰越控除の適用要件は、適用を受ける各年の「12月31日」において「買換資産に係る一定の住宅借入金等の残高」を有していることです。
- 選択肢 3不正解
- 譲渡資産の敷地面積が「500㎡」を超える場合、500㎡を超える部分に対応する譲渡損失が対象外となります(240㎡ではありません)。
- 選択肢 4正解
- 買換資産となる家屋は床面積50㎡以上であることが必要ですが、その敷地である土地等の面積については法令上の制限はありません。
覚えるポイント
- 買換え譲渡損失の繰越控除期間は翌年以降最長3年間であること
- 譲渡資産の敷地面積上限は500㎡であり買換資産の敷地には面積制限がないこと
間違えやすいところ
- 買換え特例と特定居住用財産の譲渡損失特例(住宅ローン残高がある場合の特例)における借入金要件を混同しやすい
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
譲渡所得の金額の計算上の取得費
不動産 · 取得費 / 概算取得費 / 相続税の取得費加算 / 非事業用資産の減価償却
居住者が土地・建物等を譲渡した場合における譲渡所得の金額の計算上の取得費に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
土地建物等の譲渡所得の計算上、取得費は「実額取得費」を用いるのが原則ですが、取得費が不明な場合や実額取得費が譲渡対価の5%を下回る場合には、譲渡対価の5%相当額を「概算取得費」として適用することが認められています。
解き方
- 実額取得費が明確であっても概算取得費の選択が可能であるかを確認する。
- 一括譲渡時の土地・建物の個別選択、相続税の取得費加算の改正内容、非事業用建物の減価償却費計算方法をそれぞれ検討する。
- 選択肢 1正解
- 実際の取得費(150万円)が明確であっても、譲渡価額の5%(200万円)を下回る場合は概算取得費を選択することが可能です。
- 選択肢 2不正解
- 土地と建物を一括譲渡した場合、土地と建物のそれぞれについて実額取得費か概算取得費かを個別に選択して適用できます。
- 選択肢 3不正解
- 平成27年1月1日以後の相続により取得した土地を一定期間内に譲渡した場合、譲渡した土地そのものに対応する相続税額を取得費に加算できます。
- 選択肢 4不正解
- 非事業用建物の減価の額は、法定耐用年数の1.5倍に相当する年数(1年未満切捨て)に応じた旧定額法の償却率を用いて計算します。
覚えるポイント
- 概算取得費は実額取得費が判明していても有利な場合に選択可能であること
- 非事業用建物の減価償却費計算では耐用年数を1.5倍にして旧定額法を用いること
間違えやすいところ
- 概算取得費は取得費が不明な場合にしか適用できないと誤認しやすい
- 土地と建物の一括譲渡時に双方で同じ方式を選択しなければならないと勘違いしやすい
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(平成27年1月1日施行の相続税制改正を含む)
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産関連業務と士業の専門領域
不動産 · 士業の独占業務 / 表示に関する登記 / 権利に関する登記
ファイナンシャル・プランニング技能士が顧客のプランニングを実行するにあたり、専門家と協働する場合における「不動産関連の業務」と「その業務に適した専門家」の組合せとして、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
不動産登記には「表示に関する登記(表題部)」と「権利に関する登記(権利部:甲区・乙区)」があり、表示に関する登記の代理は土地家屋調査士、権利に関する登記の代理は司法書士の独占業務と法律で区分されています。
解き方
- 各業務が表示に関する登記、権利に関する登記、価格評価、許認可届出のいずれに該当するかを分類する。
- 不動産の物理的現況を確定・変更する分筆登記の申請代理権が土地家屋調査士にあることを確認し、誤った組合せを特定する。
- 選択肢 1不正解
- 不動産の鑑定評価に関する法律に基づき、不動産の経済価値を判定して価額を表示する業務は不動産鑑定士の独占業務であるため適切です。
- 選択肢 2正解
- 分筆登記は土地の物理的現況を公示する表示に関する登記であり、その代理申請は土地家屋調査士の業務です。司法書士の業務範囲ではないため不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 建物の増築等に伴う床面積や構造の変更による建物表題部変更登記は、不動産の表示に関する登記であるため土地家屋調査士の業務として適切です。
- 選択肢 4不正解
- 行政書士法に基づき、官公署に提出する書類の作成や提出手続の代理を行うことができるため、農地法に基づく転用届出書の作成・提出は行政書士の業務として適切です。
覚えるポイント
- 土地家屋調査士は表題部(表示に関する登記)、司法書士は権利部(所有権や抵当権等の登記)を担当する。
間違えやすいところ
- 司法書士が不動産登記全般をすべて行えると誤解し、分筆や合筆などの表示に関する登記まで代理できると混同しやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(土地家屋調査士法、司法書士法、不動産の鑑定評価に関する法律、行政書士法)
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税額の計算および特例措置
相続・事業承継 · 贈与税の税率構造 / 特例税率 / 贈与税の配偶者控除 / 生前贈与加算
贈与税額の計算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
平成27年1月1日以後の暦年課税における贈与税率は「一般税率」と「特例税率」に区分され、最高税率は55%(8段階)となりました。特例税率は20歳以上の直系卑属が直系尊属から財産を取得した場合に適用され、贈与者の年齢制限はありません。
解き方
- 平成27年1月1日施行の贈与税制(最高税率55%への引き上げおよび特例税率の導入)の要件を確認する。
- 特例税率の受贈者要件(20歳以上の直系卑属)および贈与者要件(直系尊属であれば年齢制限なし)を確認し、誤った要件規定を特定する。
- 選択肢 1不正解
- 平成25年度税制改正により、平成27年1月1日以後の贈与について最高税率は50%から55%に引き上げられ、10%から55%までの8段階区分とされました。
- 選択肢 2正解
- 特例税率の贈与者(直系尊属)に年齢制限はなく、また受贈者は直系卑属であれば足り、推定相続人に限定されません(孫なども対象)。したがって不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 贈与税の配偶者控除(最高2,000万円)と暦年課税の基礎控除(110万円)の合計2,110万円まで控除できるため、2,100万円の贈与では課税価格が生じず贈与税は課されません。
- 選択肢 4不正解
- 相続開始前3年以内の贈与加算において、贈与税の配偶者控除を受けた控除対象額(2,000万円)は加算対象外となるため、2,200万円から2,000万円を差し引いた200万円が相続税の課税価格に加算されます。
覚えるポイント
- 特例税率は「20歳以上(法改正後は18歳以上)の直系卑属」が対象で、贈与者たる直系尊属に年齢制限はない。
間違えやすいところ
- 特例税率の要件と、相続時精算課税制度の要件(贈与者60歳以上、受贈者20歳以上等)を混同しやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(および平成25年度改正法附則に基づく平成27年1月1日施行規定)
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税特例
資産設計提案業務・相続・事業承継 · 贈与税 / 教育資金の一括贈与 / 租税特別措置法
「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例」(教育資金の非課税特例)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税特例は、受贈者ごとに最大1,500万円(学校等以外への支払いは最大500万円)までの教育資金が非課税となる制度です。贈与者は受贈者の直系尊属(祖父母、父母等)であれば年齢を問わず該当できます。
解き方
- 受贈者および贈与者の人的要件(受贈者は30歳未満の直系卑属、贈与者は直系尊属で年齢不問)を確認する。
- 教育資金として認められる対象範囲(学校等への支払いは国内・一定の国外施設を含むこと、習い事やスポーツ等の指導料も学校等以外の枠として認められること)を確認して正誤を判定する。
- 選択肢 1不正解
- 贈与者は受贈者の直系尊属であればよく、祖父母だけでなく父母や曾祖父母なども贈与者になることができます。
- 選択肢 2正解
- 受贈者は信託等の契約締結日において30歳未満である必要がありますが、贈与者である直系尊属側には年齢制限は設けられていません。
- 選択肢 3不正解
- 国内の学校教育法上の学校等に限定されず、一定の要件を満たす外国の大学や高等学校等の教育施設に対する入学金・授業料等も対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 学校等以外の者に直接支払われる金銭(上限500万円)には、スポーツ(野球、サッカー、水泳等)や文化芸術等の指導に対する対価(月謝等)も対象に含まれます。
覚えるポイント
- 教育資金贈与の非課税限度額は受贈者1人あたり1,500万円(習い事等の学校等以外は500万円まで)です。
- 受贈者は30歳未満の直系卑属、贈与者は直系尊属(年齢不問)です。
間違えやすいところ
- 直系尊属を祖父母のみと誤解したり、贈与者に60歳以上などの年齢制限があると混同したりしやすいので注意しましょう。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令(租税特別措置法第70条の2の2)
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法上の遺留分制度および遺留分減殺請求
資産設計提案業務・相続・事業承継 · 遺留分 / 遺留分の放棄 / 遺留分減殺請求権 / 消滅時効
遺留分に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
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解答
2
解説
遺留分は一定の法定相続人に保障された最低限度の相続財産の割合です。兄弟姉妹以外の法定相続人(配偶者、直系卑属、直系尊属)に認められます。相続開始前の遺留分放棄には他の相続人等の不当な干渉を防ぐため家庭裁判所の許可が必要です。
解き方
- 遺留分権利者の範囲を確認する(普通養子は実子と同様に直系卑属となり遺留分を有する)。
- 遺留分の放棄に関する規定を確認する(相続開始前は家庭裁判所の許可が必要、相続開始後は自由に放棄可能)。
- 遺留分算定の基礎となる財産の加算範囲および減殺請求権の消滅時効(相続開始および侵害の事実を知った時から1年、相続開始から10年)を確認して正誤を判断する。
- 選択肢 1不正解
- 兄弟姉妹には遺留分がありませんが、普通養子は縁組の日から嫡出子の身分を取得するため直系卑属として遺留分が認められます。
- 選択肢 2正解
- 被相続人の生前(相続開始前)における遺留分の放棄は、本人の真意に基づくものであることを確認するため、家庭裁判所の許可を受けたときに限り効力を生じます。
- 選択肢 3不正解
- 遺留分算定の基礎となる財産への加算について、相続開始前3年以内の生前贈与加算は相続税法の規定であり、民法の遺留分算定では原則として相続開始前1年間にした贈与(特別受益に該当する贈与は期間の制限なく算入等)が加算対象となります。
- 選択肢 4不正解
- 遺留分減殺請求権(現行法では遺留分侵害額請求権)は、遺留分権利者が相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間(または相続開始の時から10年間)行使しないときに時効消滅します。10カ月ではありません。
覚えるポイント
- 相続開始前の遺留分の放棄には家庭裁判所の許可が必要(相続開始後は自由)。
- 遺留分権利者は配偶者・子などの直系卑属・直系尊属であり、兄弟姉妹には遺留分がない。
- 遺留分の時効は「相続開始および減殺すべき贈与等を知った時から1年」、除斥期間は「相続開始時から10年」。
間違えやすいところ
- 相続税法における生前贈与加算(相続開始前3年以内※現行法規では最長7年へ段階的延長)と、民法上の遺留分算定基礎への算入期間(原則1年前)を混同しないようにしましょう。
- 相続税の申告期限(10カ月)と遺留分減殺請求(侵害額請求)の消滅時効(知った時から1年)を混同しないようにしましょう。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令(民法旧第1028条~第1044条等)
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続人の範囲・法定相続分および相続税の計算の基礎
相続・事業承継 · 代襲相続 / 孫養子 / 遺産に係る基礎控除額 / 申告期限
平成27年1月9日(金)に死亡したAさんの相続(親・長女Eさんは既に死亡、相続人は妻B、長男C、二男D、普通養子の孫F、長女Eの子で普通養子でもある孫G)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、相続人全員が相続により財産を取得し、相続税額が算出されるものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
被相続人の養子が実子に先立たれた場合の代襲相続人でもあるとき、民法上は養子と代襲相続人の二重の資格を有し、それぞれの法定相続分を合算して取得します。また、代襲相続人である孫養子は2割加算の対象外とされます。
解き方
- 相続人の資格を確認し、孫Gが養子としての身分と亡長女Eの代襲相続人としての身分を重複して持っていることを把握します。
- 民法上の二重資格により、養子の相続分と代襲相続人の相続分を合わせて受領できるため選択肢1を正解と判定します。
- 選択肢 1正解
- 養子である孫が被相続人の子の代襲相続人でもある場合、養子としての地位と代襲相続人としての地位の双方の法定相続分を併せて受けることができます。
- 選択肢 2不正解
- 被相続人の養子となっている孫であっても、相続開始前に死亡した子の代襲相続人である場合は、相続税額の2割加算の対象から除外されます。
- 選択肢 3不正解
- 代襲相続人である孫Gは実子として扱われるため、養子の算入制限(実子がいる場合は1人まで)を受けるのは孫Fのみとなり、法定相続人の数は5人です。平成27年1月1日以後の基礎控除額は「3,000万円+600万円×5人=6,000万円」となります。
- 選択肢 4不正解
- 相続税の申告期限は、自己のために相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内であるため、平成27年11月9日(月)となります。
覚えるポイント
- 孫養子でも代襲相続人である場合は相続税の2割加算の対象外となる点。
間違えやすいところ
- 養子と代襲相続人の二重資格がある場合、一方のみしか相続権を行使できないと誤解しやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(平成27年1月1日施行の相続税制改正を含む)
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税法上の債務控除の範囲
相続・事業承継 · 債務控除 / 固定資産税 / 保証債務 / 相続登記費用
相続税法上の債務控除に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。なお,相続人は日本国籍と国内住所を有する個人であり,相続財産はすべて日本国内にあるものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
相続税法における債務控除の対象となるのは、被相続人が死亡した時点で存在していた確実な債務や被相続人に係る公租公課、および所定の葬式費用に限られます。相続開始後に相続人自身が負担した遺産管理・名義変更費用は対象外です。
解き方
- 被相続人が死亡時に負っていた確定・確実な債務であるか、それとも相続人自身が支出した手続費用であるかを切り分ける。
- 不動産の相続登記費用(登録免許税や司法書士報酬)は相続人が負担すべき性質の費用であり被相続人の債務ではないため、債務控除の対象外であると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 債務の金額が確定していなくても、債務の存在が確実と認められるときは、相続開始時の現況で確実と認められる金額を債務控除の対象とすることができます。
- 選択肢 2不正解
- 固定資産税の納税義務は賦課期日(1月1日)において確定しているため、相続開始時点で納期が到来していない未払いの期別分も債務控除の対象となります。
- 選択肢 3正解
- 不動産の相続登記にかかる登録免許税や司法書士報酬は、遺産の取得・維持・管理のために相続人が支出した費用であり、被相続人の債務ではないため債務控除の対象とはなりません。
- 選択肢 4不正解
- 保証債務は原則として対象外ですが、主たる債務者が弁済不能で求償しても返還の見込みがない場合は、その弁済不能部分の金額について債務控除が認められます。
覚えるポイント
- 相続登記費用や遺産分割調停費用などの遺産整理費用は相続税の債務控除の対象外であること。
間違えやすいところ
- 固定資産税の納期未到来分について、納期限前であっても納税義務が成立していれば債務控除できる点を見落としやすい。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の物納制度の概要と要件
相続・事業承継 · 物納 / 小規模宅地等の特例 / 特定物納 / 収納価額
相続税の物納に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
相続税の物納は、延納によっても金銭で納付することが困難な事由がある場合に限り認められる納税方法です。物納財産の収納価額は原則として相続税評価額(小規模宅地等の特例を適用した場合は減額後の価額)となります。また、物納に充てられる財産には法令上定められた申請順位や管理処分適格性の基準があります。
解き方
- 小規模宅地等の特例適用財産を物納する際の収納価額が特例適用後(減額後)の価額となる点を確認します。
- 貸家建付地・貸宅地が管理処分不適格財産に該当するかどうか、および物納充当の可否を判定します。
- 物納に充てることができる財産の申請順位(第1順位に不動産が含まれること)を確認します。
- 延納から物納へ移行する特定物納における収納価額の基準日(申請時の価額)を確認します。
- 選択肢 1正解
- 小規模宅地等の特例の適用を受けた財産を物納する場合の収納価額は、原則として特例適用後の減額された価額となります。
- 選択肢 2不正解
- 貸家建付地や貸宅地は直ちに管理処分不適格財産となるわけではなく、管理や処分に支障がない等の要件を満たせば物納に充てることができます。
- 選択肢 3不正解
- 物納充当財産の第1順位は、不動産、船舶、国債、地方債、上場株式等であり、金融商品だけでなく不動産や船舶も第1順位に含まれます。
- 選択肢 4不正解
- 延納から物納に変更する特定物納の場合、収納価額は原則として「特定物納申請の時における価額」となります。
覚えるポイント
- 物納の収納価額は小規模宅地特例適用後の価額
- 特定物納の収納価額は申請時の価額
間違えやすいところ
- 物納の第1順位に不動産が含まれる点を見落とすこと
- 特定物納の収納価額を相続開始時の評価額と混同すること
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(相続税法第41条~第43条)
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人が所有する金融資産の相続税評価
相続・事業承継 · 上場株式の評価 / J-REITの評価 / 個人向け国債の評価 / 権利落ち
個人が所有する金融資産に係る相続税評価に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
上場株式は課税時期の終値および課税時期の属する月以前3カ月間の月平均終値のうち最も低い価額で評価します。また、権利落ち等がある場合は適切な期間の平均値を用います。一方、中途換金制限や中途換金調整額のある個人向け国債は、額面金額に既経過利息を加算し、中途換金調整額を控除して評価します。
解き方
- 上場株式の相続税評価(課税時期の終値および当月・前月・前々月の各月平均終値のうち最低額)のルールを確認します。
- 課税時期の属する月に権利落ちがある場合の月平均株価の算出方法(権利落ち前は初日から権利落ち日前日までの平均)を確認します。
- 上場不動産投資信託(J-REIT)等の評価方法が上場株式の評価に準ずることを確認します。
- 個人向け国債の相続税評価において、中途換金調整額の控除が必要である点を確認し、不適切な選択肢を特定します。
- 選択肢 1不正解
- 上場株式は、課税時期の終値、当月・前月・前々月の各月ごとの終値平均額の計4つのうち最も低い価額によって評価するため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 課税時期の属する月に権利落ちがあり、課税時期が割当て等の基準日以前である場合、その月の終値平均額は初日から権利落ち日の前日までの平均額とするため適切です。
- 選択肢 3不正解
- 上場不動産投資信託(J-REIT)等の受益証券は、原則として上場株式の評価に準じて1口ごとに評価するため適切です。
- 選択肢 4正解
- 個人向け国債の評価は、「額面金額+源泉所得税控除後の既経過利息-中途換金調整額」によって行われるため、中途換金調整額を控除していない本記述は不適切です。
覚えるポイント
- 個人向け国債の評価額は額面+既経過利息-中途換金調整額
- 上場株式の評価は課税時期終値と直近3カ月の月平均終値の最低額
間違えやすいところ
- 個人向け国債の評価において中途換金調整額の控除を忘れること
- J-REITの評価を非上場株式や公社債投資信託と混同すること
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(財産評価基本通達169、通達197-2)
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例
相続・事業承継 · 小規模宅地等の特例 / 限度面積 / 完全併用 / 要件
「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
小規模宅地等の特例では、各宅地の区分(特定居住用330㎡・減額割合80%、特定事業用400㎡・減額割合80%、貸付事業用200㎡・減額割合50%)ごとに限度面積が定められており、それぞれの限度面積の範囲内で適用します。平成27年1月1日以降の相続からは、特定居住用宅地等と特定事業用宅地等については限度面積をそれぞれ別枠として完全併用(最大730㎡)できるようになりました。
解き方
- 各宅地区分の限度面積(特定居住用330㎡、特定事業用400㎡)を確認する。
- 特定事業用宅地等440㎡は限度面積400㎡を超過しているため、全額適用は不可であると判断する。
- 選択肢 1不正解
- 貸付事業の用に供されている宅地は、貸家建付地として自用地評価額から借家権割合等を控除して評価したうえで、貸付事業用宅地等として200㎡まで50%減額の特例を適用します。
- 選択肢 2不正解
- 特定事業用宅地等は、配偶者であっても申告期限までにその事業を承継して営み、かつ所有を継続していることが適用の要件となるため、事業を承継・営んでいない場合は適用を受けられません。
- 選択肢 3正解
- 特定居住用宅地等と特定事業用宅地等は併用可能ですが、特定事業用宅地等の限度面積は400㎡であるため、440㎡のうち400㎡までしか特例の適用を受けられず、すべてを適用することはできません。
- 選択肢 4不正解
- 被相続人の配偶者が特定居住用宅地等を取得する場合、居住継続要件および所有継続要件は求められないため、申告期限前に転居・売却した場合であっても特例の適用を受けることができます。
覚えるポイント
- 特定居住用(330㎡・80%減)と特定事業用(400㎡・80%減)は完全併用により最大730㎡まで適用可能だが、それぞれの個別枠を超えることはできない。
間違えやすいところ
- 合計720㎡が最大枠730㎡以内であることから全額適用できると早合点し、個別枠(400㎡)の超過を見落としてしまうミス。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(平成25年度税制改正により平成27年1月1日施行の相続税法改正内容を含む)
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
医療法人の持分についての相続税の納税猶予および免除の特例
相続・事業承継 · 医療法人 / 事業承継税制 / 納税猶予 / 適用時期
「医療法人の持分についての相続税の納税猶予および免除の特例」に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。なお,各選択肢において,ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
持分の定めのある医療法人(経過措置医療法人)から持分の定めのない医療法人への移行を円滑に進めるため、厚生労働大臣の認定を受けた移行計画に基づき持分を放棄するまでの間、相続税の納税が猶予され、実際に持分を放棄した際には猶予税額が免除される特例措置が平成26年10月1日施行で導入されました。
解き方
- 特例の要件(申告期限における認定医療法人該当年、担保提供、猶予期間)を順次確認する。
- 改正法の施行日および適用開始時期が「平成26年10月1日以後」であることを確認し、平成27年10月1日とする選択肢4を不適切と判断する。
- 選択肢 1不正解
- 経過措置医療法人の持分を相続した場合、相続税申告期限において認定医療法人(移行計画の認定を受けた医療法人)であれば納税猶予の対象となります。
- 選択肢 2不正解
- 納税が猶予される期間は、認定移行計画に記載された移行期限(計画認定から原則3年以内)までとされています。
- 選択肢 3不正解
- 事業承継税制の納税猶予特例と同様に、申告期限内の申告書の提出および猶予税額に見合う担保の提供が必須要件とされています。
- 選択肢 4正解
- 本特例の適用開始日は平成26年(2014年)10月1日以後の相続または遺贈からであり、「平成27年10月1日以後」ではありません。
覚えるポイント
- 医療法人持分の納税猶予特例は持分なし医療法人への円滑な移行を促す制度で、平成26年10月1日施行である。
間違えやすいところ
- 平成27年1月1日施行の相続税大改正と医療法関連特例の施行日(平成26年10月1日)の施行時期を取り違えてしまうミス。
出題の前提:2014年10月1日現在施行の法令等(平成26年10月1日施行の医療法改正関連税制)
出典:金融財政事情研究会『2015年1月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2015年1月 1級 学科(基礎編)
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2015年1月 1級 学科(基礎編)の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

