日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2023年9月 1級 実技(資産設計提案業務)の概要
住宅取得計画における購入可能物件価格の上限の計算
ライフプランニングと資金計画 · 住宅取得資金計画 / 住宅ローン借入可能額 / 返済負担率
細井さん夫婦の住宅取得計画において、次の<条件>に基づく購入可能な物件価格(消費税込み)の上限として最も適切なものはどれか。なお、計算過程で生じる円未満の端数は四捨五入し、住宅ローン借入額および物件価格は10万円未満を切り捨てること。また、贈与税は考慮しない。 <条件> ・自己資金300万円と陸さんの父からの贈与200万円を住宅購入に充当し、不足分は住宅ローンを利用する。 ・住宅ローンは陸さんが単独で借り入れ、年間元利合計返済額は陸さんの2022年分の年収(税込み600万円)の20%以内とする。 ・借入条件:全期間固定金利 年1.80%、返済期間35年(420回)、元利均等返済・毎月返済(ボーナス返済なし)、借入額100万円当たりの元利合計返済月額3,210円。 ・住宅購入の諸費用(消費税込み)は物件価格の8%とし、準備した資金(自己資金+贈与資金+住宅ローン借入額)の中から充当する。
解答・解説を表示
解答
3
解説
住宅購入可能額の算定では、年収に対する年間返済比率(返済負担率)から毎月返済可能額と住宅ローンの借入限度額を逆算し、用意できる自己資金等を足した総調達可能額を、物件価格と付随諸費用(物件価格に対する一定割合)の合計額と等置して物件価格の上限を求めます。
解き方
- 年収600万円に返済負担率20%を乗じて年間返済限度額120万円を算出し、これを12カ月で除して毎月の返済可能上限額を100,000円と計算する。
- 100万円当たりの返済月額3,210円から、借入可能額の上限を「100,000円 ÷ 3,210円 × 1,000,000円 = 31,152,647.9...円」と計算し、条件に従って10万円未満を切り捨てて3,110万円とする。
- 準備可能資金額の合計(自己資金300万円+贈与資金200万円+住宅ローン3,110万円=3,610万円)を算定する。
- 諸費用が物件価格の8%であることから、物件価格をPとすると「P + 0.08P = 1.08P ≦ 3,610万円」が成り立ち、P ≦ 3,610万円 ÷ 1.08 = 33,425,925.9...円となるため、10万円未満を切り捨てて3,340万円を導く。
- 選択肢 1不正解
- 2,870万円は誤りです。借入可能額の計算過程や諸費用割合の加算方法に誤りがあります。
- 選択肢 2不正解
- 3,150万円は誤りです。自己資金や借入額の合計から諸費用分を正しく除算できていません。
- 選択肢 3正解
- 準備可能な資金総額3,610万円を1.08で除した3,342.59...万円から10万円未満を切り捨てた3,340万円であり、正しいです。
- 選択肢 4不正解
- 3,610万円は準備可能な資金の総額(自己資金+贈与+借入金)そのものであり、物件価格の8%相当の諸費用が考慮されていません。
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覚えるポイント
- 住宅購入可能物件価格の算定では「物件価格+諸費用 ≦ 調達可能資金」の関係式(P × 1.08 ≦ 総資金)を用いて除算します。
- 問題文に「10万円未満切り捨て」「円未満四捨五入」などの端数処理の指示がある場合は、各ステップ(借入額算定時、物件価格算定時)で厳格に適用します。
間違えやすいところ
- 総資金3,610万円にそのまま「1 - 0.08 = 0.92」を掛けて算出してしまうミス(諸費用は物件価格に対する8%であるため、1.08で割る必要があります)。
- 借入可能額の10万円未満切捨てを忘れ、端数のまま物件価格を計算してしまうミス。
出題の前提:2023年4月1日現在施行の法令等に基づく。
出典:日本FP協会『2023年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.2 ↗(www.jafp.or.jp) / 公式問題 p.3 ↗(www.jafp.or.jp)
企業年金の加入状況に応じたiDeCoの拠出限度額
ライフプランニングと資金計画 · 確定拠出年金 / iDeCo / 拠出限度額 / 他制度併用
杏さんの個人型確定拠出年金(iDeCo)の検討に関連し、他の企業年金制度等の加入状況に基づくiDeCoの月額拠出限度額のフローチャート(資料)における空欄(ア)~(ウ)にあてはまる適切な語句の番号を語群より選べ。 <語群> 1. 10,000円 2. 12,000円 3. 20,000円 4. 23,000円 5. 55,000円
- 1
- 10,000円
- 2
- 12,000円
- 3
- 20,000円
- 4
- 23,000円
- 5
- 55,000円
解答・解説を表示
解答
(ア) 2 (イ) 4 (ウ) 3
解説
公的年金の第2号被保険者(会社員等)のiDeCo拠出限度額は、勤務先の企業年金制度等の加入形態により区分されています。他制度なしは月額2.3万円、確定給付型企業年金(DB等)のみ加入または企業型DCとDB両方加入は月額1.2万円、企業型DCのみ加入は月額2.0万円となります。
解き方
- フローチャートの(ア)を確認する。企業型DC非加入で確定給付企業年金等に加入している場合、および企業型DC加入者で確定給付企業年金等にも加入している場合の限度額であり、月額12,000円(語群2)を特定する。
- フローチャートの(イ)を確認する。企業型DC・企業年金制度ともに加入していない厚生年金単独加入者の限度額であり、月額23,000円(語群4)を特定する。
- フローチャートの(ウ)を確認する。企業型DC加入者で確定給付企業年金等に加入していない場合の限度額であり、月額20,000円(語群3)を特定する。
小問ごとの答え
- 小問 (ア):2
- 確定給付企業年金(DB)や厚生年金基金等の確定給付型の他制度に加入している第2号被保険者のiDeCoの月額拠出限度額は12,000円です(企業型DCと併用している場合も同様に月額12,000円が上限)。
- 小問 (イ):4
- 企業型確定拠出年金(企業型DC)や確定給付企業年金等の企業年金制度が一切ない事業所に勤務する厚生年金保険の被保険者(第2号被保険者)のiDeCoの月額拠出限度額は23,000円です。
- 小問 (ウ):3
- 企業型確定拠出年金(企業型DC)にのみ加入しており確定給付型の企業年金等に加入していない場合、iDeCoの月額拠出限度額は20,000円となります(各月の事業主掛金と合算して55,000円を超えない範囲内)。
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覚えるポイント
- 第2号被保険者のiDeCo上限額:企業年金なしは月23,000円、企業型DCのみは月20,000円、DB等あり(DBのみまたはDB+企業型DC)は月12,000円です。
- 2022年10月の法改正により、労使合意(規約の定め)がなくても原則として企業型DC加入者のiDeCo同時加入が可能になりました(各月拠出・マッチング非選択が要件)。
間違えやすいところ
- 企業型DCのみ加入(月20,000円)と確定給付型企業年金加入(月12,000円)の限度額を取り違えてしまうミス。
- 企業型DCの事業主掛金上限枠(55,000円/27,500円)と個人型(iDeCo)の限度額を混同してしまうミス。
出題の前提:2023年4月1日現在施行の法令等(確定拠出年金法)に基づく。
出典:日本FP協会『2023年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.4 ↗(www.jafp.or.jp)
傷病手当金の支給額の計算
リスク管理 · 傷病手当金 / 公的医療保険 / 待期期間 / 標準報酬月額
全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)の被保険者である会社員の陸さんが、私傷病による療養のため労務不能となり、2023年7月に15日間欠勤して傷病手当金を請求した場合に受け取ることができる傷病手当金の合計額として、最も適切なものを1つ選びなさい。なお、欠勤日について報酬は支払われないものとし、標準報酬月額は2021年9月〜2022年8月が340,000円、2022年9月〜2023年8月が380,000円とする。
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解答
3
解説
傷病手当金は、業務外の事由による病気やケガの療養のため労務不能となった日から連続して3日間(待期期間)経過した後の4日目以降の労務不能日に対して支給されます。待期期間および支給対象日には有給休暇や公休日(土日祝日等)も含まれます。支給日額は、支給開始月以前の直近12か月間の各月の標準報酬月額の平均額を基礎として計算します。
解き方
- 待期期間の完成と支給対象日数を特定する:7月4日〜5日の欠勤後は6日が出勤のため待期は不成立。7月7日(欠勤)、8日(公休)、9日(公休)の連続3日間で待期期間が完成します。支給対象期間は4日目の7月10日(月)から労務不能最終日の7月26日(水)までの連続した17日間(公休日を含む)となります。
- 1日当たりの支給額を算出する:支給開始月(2023年7月)以前の直近12か月間(2022年8月〜2023年7月)の各月の標準報酬月額の平均額は、(340,000円×1月+380,000円×11月)÷12=376,666.66…円です。これを30で除した額(12,555.55…円)を10円未満四捨五入して12,560円とし、これに3分の2を乗じると12,560円×2/3=8,373.33…円となり、円未満を四捨五入して8,373円となります。
- 傷病手当金の合計額を計算する:日額8,373円×支給日数17日=142,341円と求まります。
- 選択肢 1不正解
- 欠勤日数(15日間)のみを支給対象日数として計算した額(8,373円×15日=125,595円)であるため誤りです。公休日も労務不能日であれば支給対象に含まれます。
- 選択肢 2不正解
- 標準報酬月額の算定期間を支給開始月の前月以前の12か月間(2022年7月〜2023年6月)と誤認して計算した日額8,293円に17日を乗じた額(8,293円×17日=140,981円)であるため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 直近12か月の平均から算出した日額8,373円に、待期完成後の7月10日から26日までの公休日を含む支給日数17日を乗じた142,341円であり正しいです。
- 選択肢 4不正解
- 待期期間(3日間)を差し引く前の7月7日から26日までの全日数(20日)や欠勤・公休を誤って19日間として計算した額(8,373円×19日=159,087円)であるため誤りです。
覚えるポイント
- 傷病手当金の待期期間(連続3日間)には、欠勤日だけでなく土日祝日等の公休日や有給休暇も算入されます。
- 待期完成後の支給対象日数にも、本来の公休日が含まれます(労務不能期間全体の暦日数から起算)。
間違えやすいところ
- 待期期間は『連続した3日間』が必要であり、2日欠勤後に出勤を挟むとリセットされる点を見落としやすいです。
- 公休日には傷病手当金が支給されないと誤認して、単に欠勤日数のみを掛けてしまう計算ミスが多いです。
出題の前提:2023年4月1日現在施行の健康保険法
出典:日本FP協会『2023年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.5 ↗(www.jafp.or.jp)
遺族基礎年金および遺族厚生年金の受給要件
ライフプランニングと資金計画 · 遺族基礎年金 / 遺族厚生年金 / 受給権者 / 遺族の範囲
会社員の夫(陸さん・35歳)と会社員の妻(杏さん・33歳)、子(大和さん・4歳)の生計維持関係にある世帯において、陸さんまたは杏さんが2023年10月1日に死亡した場合の遺族年金に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
1
解説
遺族基礎年金の受給権者は、被保険者等によって生計を維持されていた「子の加算対象となる子のある配偶者」または「子」です。配偶者と子の双方が要件を満たすときは配偶者に支給され、子に対する支給は停止されます。遺族厚生年金は配偶者や子などに支給されますが、妻の死亡時に夫が受給するためには「死亡当時55歳以上」である要件(支給は原則60歳から)を満たす必要があります。
解き方
- 陸さん(夫)が死亡した場合の受給権者を判定する:妻である杏さんは「子のある配偶者」に該当するため遺族基礎年金の受給権を取得します。また、陸さんは会社員(厚生年金被保険者)であるため、杏さんは遺族厚生年金も併せて受給できます。配偶者が遺族基礎年金を受給するため、子である大和さんの遺族基礎年金は支給停止となります。
- 杏さん(妻)が死亡した場合の受給権者を判定する:夫である陸さんは当時35歳であり、遺族厚生年金の受給要件である「死亡当時55歳以上」を満たさないため、遺族厚生年金は受け取れません(遺族基礎年金は子のある配偶者として受給可能)。夫が遺族基礎年金を受給できるため、子の遺族基礎年金は支給停止となります。
- 選択肢 1正解
- 陸さんが死亡した場合、妻の杏さんは子のある配偶者として遺族基礎年金を受給でき、併せて遺族厚生年金も受け取ることができるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 配偶者である杏さんが遺族基礎年金の受給権を取得するため、子である大和さんに対する遺族基礎年金は支給停止となり、受取はできません。
- 選択肢 3不正解
- 夫が遺族厚生年金を受給するためには妻の死亡当時「55歳以上」でなければならないため、35歳の陸さんは遺族厚生年金を受け取ることはできません。
- 選択肢 4不正解
- 杏さんが死亡した場合、子のある夫である陸さんが遺族基礎年金の受給権を取得するため、子である大和さんに対する遺族基礎年金は支給停止となります。
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覚えるポイント
- 遺族厚生年金における夫の受給資格は、妻の死亡時に「55歳以上」である必要があり、支給開始は原則60歳からです。
- 配偶者が遺族基礎年金を受給している間は、子に対する遺族基礎年金の支給は停止されます。
間違えやすいところ
- 遺族基礎年金は父子家庭(夫)にも母子家庭(妻)と同様に支給されますが、遺族厚生年金は夫に対して「死亡時55歳以上」の年齢制限がある点を取り違えやすいです。
出題の前提:2023年4月1日現在施行の国民年金法および厚生年金保険法
出典:日本FP協会『2023年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.6 ↗(www.jafp.or.jp)
生命保険等の各種保障の考え方と必要保障額の算定
リスク管理 · 必要保障額 / 生命保険の見直し / リスク管理の基本
生命保険等の各種保障の一般的な見直しや考え方に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
死亡リスクに対する必要保障額は、残された遺族の生活費や教育費などの総支出見込額から、遺族年金などの総収入見込額および金融資産を差し引いて算出します。末子独立後も配偶者の生活費や葬儀費用等の死後整理資金が必要となるため、保障額は必ずしもゼロにはなりません。
解き方
- 各選択肢の記述について、リスク管理および生命保険の必要保障額に関する一般的な考え方と照合する。
- 死亡保障の必要保障額の推移を検討し、末子独立後にも配偶者の生活費や死後整理資金が必要となるため「ゼロになる」とする記述を誤りと判定する。
- 選択肢 1不正解
- 生存リスクでは、医療費等の支出増だけでなく休業等に伴う収入減少、さらには介護や長寿化による老後支出の増加も総合的に検討する必要があります。
- 選択肢 2正解
- 必要保障額は末子誕生時がピークとなるのが一般的ですが、末子独立後も配偶者の生活費や葬儀費用等の死後整理資金が必要となるため、ゼロになるとは限りません。
- 選択肢 3不正解
- 手持ちの金融資産額や家族の生活費需要はライフステージによって変化するため、死亡保障の必要額は定期的に再計算・見直しを行うことが適切です。
- 選択肢 4不正解
- 各種保障について必要な保障額および保障期間を正確に把握し、公的保障や自己資金で不足する部分を民間保険で補う設計を行うことが基本です。
覚えるポイント
- 必要保障額は「残された家族に必要な総支出」から「公的給付・死亡退職金・保有金融資産等の総収入」を控除して算定する。
間違えやすいところ
- 子供が独立したら教育費負担は無くなるものの、配偶者の余命期間中の生活費や死後整理資金の保障が必要であることを忘れないように注意する。
出題の前提:2023年4月1日現在施行の法令等
出典:日本FP協会『2023年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.6 ↗(www.jafp.or.jp)
損害保険の所得補償保険における保険金支払額の計算
リスク管理 · 所得補償保険 / 免責期間 / 日割り計算
個人事業主である昭夫さんは所得補償保険(保険期間1年、保険金額月額45万円、免責期間7日)に加入している。業務中のケガにより2023年6月15日から10日間入院後、15日間自宅療養を行い、この25日間まったく働くことができなかった。休業前12ヵ月間の平均月間所得は75万円である。1ヵ月を30日として日割り計算する場合、支払われる保険金の額として正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
所得補償保険は、病気やケガで就業不能となった期間の所得喪失を補償する保険です。保険金は、就業不能期間から所定の免責期間を差し引いた日数分について支払われ、1ヵ月未満の端数日は約款の条件(本問では1ヵ月30日)に基づき日割りで計算されます。
解き方
- 就業不能期間の日数を合計する。入院10日+自宅療養15日=25日。
- 就業不能日数から免責期間を控除して保険金の対象日数を求める。25日-7日=18日。
- 1ヵ月を30日として日割り計算を行い、保険金額を算定する。450,000円 × (18日 / 30日) = 270,000円。
- 選択肢 1正解
- 対象日数18日分について、月額45万円 × 18日 / 30日 = 270,000円となり正しい金額です。
- 選択肢 2不正解
- 就業不能日数25日から免責期間を差し引かずに計算した場合(45万円×25/30=37.5万円)の計算誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 1ヵ月(30日)満額の保険金額であり、実際の就業不能日数(免責控除後18日)が反映されていません。
- 選択肢 4不正解
- 平均月間所得75万円を基礎として免責期間を考慮せず25日分を日割り計算した誤った数値(75万円×25/30=62.5万円)です。
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覚えるポイント
- 所得補償保険の給付日数は「就業不能期間 - 免責期間」で算出し、契約で定めた保険金額に基づき日割り計算を行う。
間違えやすいところ
- 平均月間所得ではなく、契約で定められた約定の保険金額(月額)を基準に計算すること、および免責期間の日数を引き忘れないように注意する。
出題の前提:2023年4月1日現在施行の法令等
出典:日本FP協会『2023年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.7 ↗(www.jafp.or.jp)
所得税における配偶者特別控除の控除額の計算
タックスプランニング · 配偶者特別控除 / 給与所得控除 / 合計所得金額
松岡さんの2023年における収入金額等(給与収入720万円、不動産所得410万円)および妻の収入金額(給与収入120万円)に基づく、松岡さんに適用される所得税の配偶者特別控除の金額として、正しいものはどれか。なお、松岡さんと妻にはこれ以外の所得はなく、生計を一にしている。
解答・解説を表示
解答
4
解説
配偶者特別控除は、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下で、かつ生計を一にする配偶者の合計所得金額が48万円超133万円以下である場合に適用されます。控除額は本人の合計所得金額の3区分(900万円以下、900万円超950万円以下、950万円超1,000万円以下)と配偶者の合計所得金額の段階に応じて決定されます。
解き方
- 納税者本人(松岡さん)の給与所得控除額(720万円×10%+110万円=182万円)を求め、給与所得538万円と不動産所得410万円を合算して合計所得金額948万円を算出する。
- 配偶者(妻)の給与所得控除額(55万円)を差し引いて合計所得金額65万円を算出する。
- 早見表において、本人の所得区分「900万円超950万円以下」と妻の所得区分「48万円超95万円以下」が交差する控除額(26万円)を読み取る。
- 選択肢 1不正解
- 本人の合計所得金額が1,000万円を超えている場合や配偶者の合計所得金額が133万円を超える場合は0円となりますが、本問は控除対象の範囲内です。
- 選択肢 2不正解
- 11万円は本人の合計所得金額が「950万円超1,000万円以下」で配偶者の合計所得金額が「100万円超105万円以下」などの場合に適用される金額です。
- 選択肢 3不正解
- 13万円は配偶者の合計所得金額が「48万円超95万円以下」で、本人の合計所得金額が「950万円超1,000万円以下」の場合の控除額です。
- 選択肢 4正解
- 本人の合計所得金額948万円(900万円超950万円以下)と妻の合計所得金額65万円(48万円超95万円以下)から、控除額は26万円となります。
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覚えるポイント
- 配偶者特別控除は納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超えると適用を受けられない。
- 配偶者の給与収入が103万円超から201.6万円未満(合計所得金額48万円超133万円以下)が配偶者特別控除の対象となる。
間違えやすいところ
- 給与収入の金額そのものを合計所得金額と混同し、給与所得控除の控除計算を失念すること。
- 松岡さんの合計所得金額を計算する際に、給与所得だけでなく不動産所得の合算を漏らすこと。
出題の前提:2023年4月1日現在施行の所得税法
出典:日本FP協会『2023年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.8 ↗(www.jafp.or.jp) / 公式模範解答 p.1 ↗(www.jafp.or.jp)
贈与税の課税対象およびみなし贈与の判定
相続・事業承継 · 贈与税 / 持分と出資金 / 親子間金銭貸借 / 債務免除益 / 財産分与
贈与税の課税対象に関する記述(ア)~(エ)について、適切なものには○、不適切なものには×を解答しなさい。 (ア)夫と妻が、3,000万円の住宅を夫が2,000万円、妻が1,000万円を負担して購入し、所有権の登記はそれぞれの持分を2分の1とした場合、夫が多く負担した500万円分が贈与税の課税対象となる。 (イ)親子間の金銭貸借について、借入金の返済能力や返済状況からみて真に金銭の貸借であると認められる場合であっても、その借入金相当額が贈与税の課税対象となる。 (ウ)債務の弁済が可能である個人債務者が、対価を支払わないで個人債権者から債務の免除を受けた場合、その債務免除に係る債務の金額が贈与税の課税対象となる。 (エ)離婚による財産分与によって取得した財産の額が、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮してもなお過当であると認められる場合、その財産分与によって取得した財産の全額が贈与税の課税対象となる。
解答・解説を表示
解答
(ア) ○ (イ) × (ウ) ○ (エ) ×
解説
贈与税は個人から財産を無償で取得した際に課税されるのが原則ですが、対価を支払わずに著しい利益を受けた場合(みなし贈与)にも課税されます。不動産の共有登記と出資額の不一致、返済実態のない名目的な金銭貸借、債務免除による利得、離婚による財産分与における過当部分などがこれに該当します。
解き方
- 各記述の事実関係(不動産持分、親子間貸借、債務免除、離婚に伴う財産分与)を確認する。
- 相続税法におけるみなし贈与および非課税・課税対象範囲の法意と照らし合わせて正誤を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 (ア):○
- 共有名義で不動産を取得した際、出資割合と持分割合が異なるときは、多く資金を出資した者から少なく出資した者へ差額の贈与があったものとみなされます。本問では妻の持分(1,500万円相当)に対して自己資金1,000万円であるため、夫が多く負担した差額500万円について贈与税の課税対象となります。
- 小問 (イ):×
- 親子間の金銭貸借であっても、借用書を作成し、利息や返済期日等の取り決めがあり、返済能力や実際の返済実績等から客観的に真の金銭貸借と認められる場合は、借入金相当額は贈与税の課税対象とはなりません。
- 小問 (ウ):○
- 債務を弁済する資力がある者が、対価を支払わずに債権者から債務の免除を受けた場合、実質的に経済的利益を無償で受け取ったことになるため、原則として免除された債務額に相当する金額がみなし贈与として贈与税の課税対象となります。
- 小問 (エ):×
- 離婚による財産分与により取得した財産は原則として贈与税の課税対象となりませんが、分与された財産の額が婚姻中の協力関係等に照らして過当であると認められる場合は、「過当と認められる部分」についてのみ贈与税が課税されます。全額が課税対象となるわけではありません。
覚えるポイント
- 不動産の持分割合と代金負担割合が一致しない場合、差額分はみなし贈与となる。
- 離婚による財産分与で過当と認められる場合は「その過当な部分」のみが贈与税の対象となる。
間違えやすいところ
- 離婚の財産分与において過当な部分がある場合、分与財産の全額に課税されると誤認すること。
- 親子間の金銭貸借は常に贈与として取り扱われると誤解すること(実態として真の貸借であれば課税されない)。
出題の前提:2023年4月1日現在施行の相続税法第7条、第8条、第9条および相続税法基本通達
出典:日本FP協会『2023年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.9 ↗(www.jafp.or.jp) / 公式模範解答 p.1 ↗(www.jafp.or.jp)
相続税の課税価格の計算における債務控除
相続・事業承継 · 債務控除 / 葬式費用 / 相続税の課税価格
被相続人である村瀬さんが2023年4月29日に死亡した。相続人である夫が負担した下記の債務および葬式費用等のうち、村瀬さんの相続税の課税価格の計算上、夫が債務控除することができる金額の合計額として、正しいものを1つ選びなさい。 【夫が負担した債務および葬式費用等】 ・銀行借入金:100万円(村瀬さんが生前に貸家を購入した際の借入金のうち、相続開始時における未返済額) ・固定資産税:60万円(相続開始時における未納額) ・遺言執行費用:70万円(遺言執行者に対して村瀬さんの死亡後に支払った報酬) ・葬式費用:200万円(香典返戻費用の50万円を含む。村瀬さんの職業、財産その他の事情に照らして相当と認められる費用) ※夫が負担した債務および葬式費用等の金額は、相続により取得した財産の価額の範囲内であった。 ※村瀬さんおよび夫は日本国籍を有し、日本国内に住所がある。
解答・解説を表示
解答
2
解説
相続税の計算において、被相続人の死亡時に確定していた債務や、相続人が負担した葬式費用は遺産額から控除できます。ただし、遺言執行費用などの相続財産の管理・執行に関する費用や、香典返戻費用・法会費用などは控除の対象外です。
解き方
- 各費用項目が相続税法上の債務控除や葬式費用控除の対象となるかを個別に判定する。
- 銀行借入金(100万円)および未納固定資産税(60万円)は確定債務として控除対象とする。
- 遺言執行費用(70万円)は相続財産管理費用として除外する。葬式費用は200万円から対象外の香典返戻費用(50万円)を差し引いて150万円とする。
- 対象となる金額を合計して、100万円+60万円+150万円=310万円を算出する。
- 選択肢 1不正解
- 固定資産税の未納分(60万円)を債務控除に算入していない等の誤りであり、不適切です。
- 選択肢 2正解
- 銀行借入金100万円、固定資産税60万円、香典返戻費用を除いた葬式費用150万円を合計した310万円であり、正しい金額です。
- 選択肢 3不正解
- 遺言執行費用(70万円)を誤って控除対象に含めて計算した金額(310万円+70万円=380万円)であり、不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 遺言執行費用(70万円)や香典返戻費用(50万円)の全額を誤って控除に含めた金額(100+60+70+200=430万円)であり、不適切です。
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覚えるポイント
- 香典返戻費用や初七日・四十九日などの法会費用は葬式費用に含まれず債務控除できない。
- 遺言執行費用や遺産分割等の相続財産管理費用は、債務控除の対象外である。
間違えやすいところ
- 被相続人が納めるべきであった未納の公課(固定資産税や所得税など)は、確定債務として控除可能である点を見落としやすい。
- 香典返し(香典返戻費用)を葬式費用に含めて控除計算してしまう誤りが多い。
出題の前提:2023年4月1日現在施行の法令等に基づく
出典:日本FP協会『2023年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.9 ↗(www.jafp.or.jp)
定期預金の相続税評価額の計算
相続・事業承継 · 預貯金の評価 / 定期預金 / 中途解約利率 / 既経過利子
2023年6月30日に死亡した父が保有していた定期預金(1年満期)を相続人が取得した場合の相続税評価額として、正しいものを1つ選びなさい。なお、復興特別所得税については考慮しないものとする。 【定期預金の状況】 ・預入残高:1,000万円 ・約定利率(源泉所得税相当額控除前):年0.15% ・中途解約利率(源泉所得税相当額控除前):年0.01% ・既経過利子計算期間:73日
解答・解説を表示
解答
1
解説
定期預金の相続税評価額は、課税時期(相続開始日)に解約するとした場合に支払を受けることができる金額、すなわち「預入残高+源泉徴収税相当額控除後の既経過利子の額」によって評価します。既経過利子の計算には約定利率ではなく中途解約利率を用います。
解き方
- 既経過利子の計算に用いる利率として、約定利率ではなく中途解約利率(年0.01%)を選択する。
- 税引前の既経過利子を日割りで計算する:10,000,000円 × 0.01% × 73日 ÷ 365日 = 200円。
- 源泉徴収税率20%を控除した税引後の既経過利子を求める:200円 × (1 - 0.20) = 160円。
- 預入残高に税引後利子を加算する:10,000,000円 + 160円 = 10,000,160円。
- 選択肢 1正解
- 中途解約利率を用いて算出した既経過利子の税引後金額(160円)を預入残高に加算した10,000,160円であり、正しい評価額です。
- 選択肢 2不正解
- 中途解約利率による利子から源泉徴収税相当額を控除せず、税引前利子200円をそのまま加算した金額であり、不適切です。
- 選択肢 3不正解
- 誤って約定利率(年0.15%)を用いて税引後既経過利子(2,400円)を計算し、預入残高に加算した金額であり、不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 誤って約定利率(年0.15%)を用いて税引前の利子(3,000円)をそのまま加算した金額であり、不適切です。
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覚えるポイント
- 定期預金の既経過利子は、相続開始日に解約した場合を想定するため「中途解約利率」を用いて計算する。
- 既経過利子の額からは、源泉徴収されるべき所得税・住民税相当額を差し引いて預入残高に加算する。
間違えやすいところ
- 問題文にある「約定利率」を誤って適用して利子計算を行ってしまうミスが多い。
- 既経過利子の額から税金(源泉徴収税相当額)を控除することを忘れ、税引前金額を足してしまうミスが多い。
出題の前提:2023年4月1日現在施行の法令等に基づく
出典:日本FP協会『2023年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.10 ↗(www.jafp.or.jp)
追加型株式投資信託の個別元本の計算
金融資産運用 · 公募追加型株式投資信託 / 個別元本 / 元本払戻特別分配金
和夫さんが保有する国内公募追加型株式投資信託(年1回決算)の取引履歴に基づき、2023年9月1日現在の1万口当たりの個別元本を計算しなさい。取引履歴:①2023年1月11日に100万口を基準価額10,350円で購入、②2023年2月15日に300万口を基準価額10,250円で購入、③2023年6月22日決算(1万口当たり収益分配金400円、分配落ち前基準価額10,580円、分配落ち後基準価額10,180円)、④2023年7月14日に200万口を基準価額10,210円で購入。なお、購入はいずれも同一販売会社で行われたものとする。
解答・解説を表示
解答
10,190円
解説
公募追加型株式投資信託の個別元本は、同一銘柄を同一口座で複数回購入した場合は口数に応じた加重平均で算出されます。また、収益分配金落ち後の基準価額が個別元本を下回る場合、その下回る部分の額は非課税の元本払戻金(特別分配金)となり、個別元本から同額が差し引かれます。
解き方
- 1月と2月の購入実績から、決算前時点の400万口に対する加重平均の個別元本(10,275円)を算出します。
- 6月22日の決算における分配落ち後基準価額(10,180円)と個別元本を比較し、元本払戻金(特別分配金)95円を控除して決算後の個別元本(10,180円)を確定します。
- 7月14日の追加購入(200万口・10,210円)を反映し、保有口数600万口に対する加重平均個別元本(10,190円)を計算します。
覚えるポイント
- 追加購入時の個別元本は移動平均法(加重平均)で計算します。
- 元本払戻金(特別分配金)が発生した場合は、その金額だけ個別元本が引き下げられます。
間違えやすいところ
- 収益分配金落ち前の基準価額と比較してしまう誤り(個別元本との比較は分配落ち後の基準価額で行います)。
- 元本払戻金(特別分配金)の発生による個別元本の減額修正を失念してしまうミス。
出題の前提:2023年4月1日現在施行の法令等
出典:日本FP協会『2023年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.13 ↗(www.jafp.or.jp)
不動産の媒介契約の相違点
不動産 · 媒介契約 / 専任媒介契約 / 専属専任媒介契約 / 指定流通機構への登録義務 / 業務処理状況の報告義務
和夫さんの兄の昭彦さんは自宅(戸建て)の売却を検討しており、宅地建物取引業者との媒介契約についてFPに相談した。媒介契約に関する下表の空欄(ア)~(エ)にあてはまる適切な語句または数値を語群の中から選び、その番号を答えなさい。<語群>1. 認められている 2. 認められていない 3. 1 4. 2 5. 3 6. 5 7. 7 8. 10
- 1
- 認められている
- 2
- 認められていない
- 3
- 1
- 4
- 2
- 5
- 3
- 6
- 5
- 7
- 7
- 8
- 10
解答・解説を表示
解答
(ア) 1 (イ) 5 (ウ) 7 (エ) 3
解説
宅地建物取引業法において、媒介契約には一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があります。拘束力の強さに応じて、他の宅建業者への重ねて依頼の可否、自己発見取引の可否、指定流通機構への登録期限、依頼者への報告義務の頻度などが段階的に厳格化されています。
解き方
- 空欄(ア):専任媒介契約における自己発見取引の可否(認められている=1)を判断します。
- 空欄(イ):専属専任媒介契約の有効期間の上限(3ヵ月以内=5)を判断します。
- 空欄(ウ):専任媒介契約における指定流通機構への登録期限(契約締結日の翌日から7営業日以内=7)を判断します。
- 空欄(エ):専属専任媒介契約における依頼者への業務処理状況報告頻度(1週間に1回以上=3)を判断します。
小問ごとの答え
- 小問 (ア):1
- 専任媒介契約では、自己発見取引(依頼者が自ら発見した相手方と売買・交換契約を締結すること)は「認められている」ため、1が正解です。
- 小問 (イ):5
- 専属専任媒介契約の有効期間は「3」ヵ月を超えることができず、これより長い期間を定めたときは3ヵ月となります。したがって5が正解です。
- 小問 (ウ):7
- 専任媒介契約における指定流通機構(レインズ)への登録義務は、媒介契約締結日の翌日から「7」営業日以内です。したがって7が正解です。
- 小問 (エ):3
- 専属専任媒介契約における業務処理状況の依頼者への報告義務は、「1」週間に1回以上行わなければなりません。したがって3が正解です。
覚えるポイント
- レインズ登録期日は専属専任が5営業日以内、専任が7営業日以内です。
- 報告頻度は専属専任が1週間に1回以上、専任が2週間に1回以上です。
間違えやすいところ
- 専任媒介契約と専属専任媒介契約の登録期日(5日と7日)を取り違えてしまう誤り。
- 専任媒介契約における自己発見取引の可否を専属専任媒介と混同してしまうミス。
出題の前提:2023年4月1日現在施行の宅地建物取引業法
出典:日本FP協会『2023年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.14 ↗(www.jafp.or.jp)
住宅ローンの返済額軽減型繰上げ返済後の毎月返済額の計算
不動産・ライフプランニング · 住宅ローン / 繰上げ返済 / 係数計算 / 返済額軽減型
和夫さんは住宅ローンの繰上げ返済を検討しており、FPの安西さんに試算を依頼した。次の<住宅ローン>の条件に基づき、借入れから16年経過時点(返済回数192回終了後)に300万円の返済額軽減型繰上げ返済を行った場合の繰上げ返済後の毎月返済額(元利合計)として、正しいものを1つ選びなさい。なお、繰上げ返済手数料等は考慮せず、各種係数表を乗算で使用し、計算過程の端数は円未満四捨五入、最終解答は万円未満を切り捨てること。 <住宅ローン> ・借入額:3,600万円 ・借入金利:年2.70%(全期間固定) ・返済方法:元利均等返済、毎月返済のみ(ボーナス返済なし) ・返済期間:30年(返済回数360回) <係数表(1ヵ月用・年2.70%)> ・期間14年:現価係数 0.68552、年金現価係数 139.76821、資本回収係数 0.00715 ・期間16年:現価係数 0.64952、年金現価係数 155.76689、資本回収係数 0.00642 ・期間30年:現価係数 0.44526、年金現価係数 246.54977、資本回収係数 0.00406
解答・解説を表示
解答
3
解説
住宅ローンの毎月返済額の計算には資本回収係数を用い、返済途中における残高の計算には「毎月返済額×残存期間の年金現価係数」を用います。返済額軽減型繰上げ返済では、繰上げ返済後の残高に残存期間の資本回収係数を掛けて新返済額を求めます。
解き方
- 当初借入額3,600万円に期間30年の資本回収係数0.00406を乗じて当初の毎月返済額を算出する(3,600万円×0.00406=146,160円)。
- 残存返済期間14年(30年-16年)の年金現価係数139.76821を乗じて16年経過時点のローン残高を算出する(146,160円×139.76821=20,428,522円)。
- ローン残高から繰上げ返済額300万円を差し引き、繰上げ返済後の新残高17,428,522円を求める。
- 新残高に残存期間14年の資本回収係数0.00715を乗じて新返済額を算出し、万円未満を切り捨てる(17,428,522円×0.00715=124,614円 → 12万円)。
- 選択肢 1不正解
- 8万円は誤りです。繰上げ返済後の正しい新返済額である12万円と一致しません。
- 選択肢 2不正解
- 11万円は誤りです。繰上げ返済後の正しい新返済額である12万円と一致しません。
- 選択肢 3正解
- 新返済額は124,614円となり、指示通り万円未満を切り捨てると12万円となるため適切です。
- 選択肢 4不正解
- 14万円は誤りです。14万円は繰上げ返済前の当初返済額(約14.6万円)に近い数値です。
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覚えるポイント
- 元利均等返済の毎月返済額は「元本×資本回収係数」で求める。
- 借入残高の算出は「現在の毎月返済額×残存期間の年金現価係数」で計算する。
間違えやすいところ
- 残高計算時に経過期間(16年)の係数ではなく、残存期間(14年)の係数を使う点を取り違えやすい。
- 最終端数処理が「四捨五入」ではなく「万円未満切り捨て」と指定されている点を見落としやすい。
出題の前提:2023年4月1日現在施行法令および問題文記載の計算条件・係数表
出典:日本FP協会『2023年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.15 ↗(www.jafp.or.jp)
介護保険における利用者負担割合の判定
社会保障・リタイアメントプランニング · 公的介護保険 / 利用者負担割合 / 合計所得金額 / 世帯合算
和成さん(80歳)と洋子さん(78歳)の夫婦二人暮らし世帯において、介護保険に基づく介護サービスを利用した場合の利用者負担割合の組み合わせとして、正しいものを1つ選びなさい。 <資料> [和成さんと洋子さんの収入状況等] ・加瀬和成:80歳、前年の公的年金(老齢年金)収入280万円、住民税課税、他に収入なし ・加瀬洋子:78歳、前年の公的年金(老齢年金)収入100万円、住民税非課税、他に収入なし [KX市における介護保険の利用者負担割合の判定基準] 1. 65歳以上の者で本人が住民税課税でない(非課税)場合は「1割」。 2. 住民税課税の場合、本人の合計所得金額が160万円未満なら「1割」。 3. 本人の合計所得金額が220万円以上の場合、「年金収入+その他の合計所得金額」が単身世帯で340万円以上または世帯合算で463万円以上のとき「3割」、それ未満なら「2割」。 4. 本人の合計所得金額が160万円以上220万円未満の場合、「年金収入+その他の合計所得金額」が単身世帯で280万円以上または世帯合算で346万円以上のとき「2割」、それ未満なら「1割」。 ※公的年金等控除額(65歳以上):公的年金等収入330万円以下は110万円控除。
解答・解説を表示
解答
1
解説
公的介護保険の利用者負担割合(原則1割、一定以上所得者は2割または3割)は、本人の住民税課税状況、合計所得金額、および同一世帯内の65歳以上の者の公的年金収入等(単身・世帯合算基準)によって個人ごとに個別に判定されます。
解き方
- 洋子さんの負担割合を判定する。洋子さんは住民税非課税であるため、無条件で1割負担となる。
- 和成さんの合計所得金額を計算する。公的年金収入280万円から公的年金等控除額110万円を控除し、雑所得(合計所得金額)は170万円となる。
- 和成さんの判定フローを進める。合計所得金額170万円は「160万円以上220万円未満」に該当する。
- 世帯合算の「年金収入+その他の合計所得金額」を計算する。和成さん280万円+洋子さん100万円=380万円となり、世帯合算基準である346万円以上を満たすため「2割」と判定される。
- 選択肢 1正解
- 和成さんは所得判定フローにより2割、洋子さんは住民税非課税により1割となるため正しい組み合わせです。
- 選択肢 2不正解
- 洋子さんは住民税非課税であるため2割ではなく1割負担となります。
- 選択肢 3不正解
- 和成さんの合計所得金額は170万円であり、220万円未満であるため3割負担には該当しません。
- 選択肢 4不正解
- 和成さんは3割ではなく2割負担、洋子さんは2割ではなく1割負担であるため誤りです。
覚えるポイント
- 住民税非課税者は合計所得金額にかかわらず介護保険の利用者負担割合は原則1割。
- 65歳以上の者が2人以上いる世帯では「世帯合算」の基準額と比較して2割・3割を判定する。
間違えやすいところ
- 公的年金等の収入金額そのものと、控除後の合計所得金額(雑所得)を混同してフローを誤るミス。
- 世帯合算の比較において、夫婦のうち非課税である配偶者の年金収入を合算し忘れるミス。
出題の前提:2023年4月1日現在施行の介護保険法および資料に示された判定要件
出典:日本FP協会『2023年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.16 ↗(www.jafp.or.jp) / 公式問題 p.17 ↗(www.jafp.or.jp)
社会保険の強制適用事業所および被保険者資格の適用要件
リスク管理 · 厚生年金保険 / 健康保険 / 適用事業所 / 被保険者要件
和夫さんが検討している従業員採用や法人化に伴う厚生年金保険および健康保険の適用について、次の文中の空欄(ア)~(エ)にあてはまる適切な語句・数値を語群から選びなさい。 [加入義務について] ・すべての法人事業所(被保険者1人以上) ・常時( ア )以上の従業員を使用している個人事業所(一部のサービス業、農林・水産・畜産業などを除く) [被保険者とは] 厚生年金保険・健康保険では、原則としてその事業所に使用される人はすべて被保険者となる。なお、厚生年金保険は原則として、( イ )に達するまでの加入となる。 ・パートタイマー・アルバイト等も、1週間の所定労働時間および1ヵ月の所定労働日数が、同じ事業所で同様の業務に従事している正社員の( ウ )以上である方は被保険者となる。また、労働時間または労働日数が正社員の( ウ )未満であっても、被保険者が常時( エ )を超える企業に勤務し、1週間の所定労働時間が20時間以上など一定の要件を満たす方は、被保険者となる。
- 1
- 3人
- 2
- 5人
- 3
- 10人
- 4
- 100人
- 5
- 300人
- 6
- 500人
- 7
- 65歳
- 8
- 70歳
- 9
- 75歳
- 10
- 2分の1
- 11
- 3分の2
- 12
- 4分の3
解答・解説を表示
解答
(ア) 2 (イ) 8 (ウ) 12 (エ) 4
解説
厚生年金保険・健康保険は、法人は1人以上の従業員で強制適用となり、個人事業所は非適用業種を除き常時5人以上の使用で強制適用となります。また被保険者の資格喪失年齢や短時間労働者に対する労働時間・企業規模の適用拡大基準を正確に理解しておく必要があります。
解き方
- 強制適用事業所となる個人事業所の従業員基準(常時5人以上)を確認して(ア)を判定する。
- 厚生年金保険の被保険者の原則的な上限年齢(70歳未満)を確認して(イ)を判定する。
- 短時間労働者が原則適用となる基準(通常の正社員の所定労働時間・日数の4分の3以上)から(ウ)を判定する。
- 短時間労働者の適用拡大基準における2023年4月時点の企業規模要件(100人超)を確認して(エ)を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 (ア):2
- 個人事業所の場合、法定業種(製造業や建設業など。一部のサービス業や農林水産業等を除く)で常時5人以上の従業員を使用するときに強制適用事業所となります。
- 小問 (イ):8
- 厚生年金保険の被保険者は、原則として70歳未満の者が対象となります(健康保険は75歳未満まで加入)。
- 小問 (ウ):12
- 短時間労働者(パート・アルバイト等)は、1週間の所定労働時間および1ヵ月の所定労働日数が通常の正社員の4分の3以上である場合に適用対象となります。
- 小問 (エ):4
- 4分の3未満の短時間労働者に対する社会保険の適用拡大において、本試験の法令基準日(2023年4月1日)時点では被保険者数「常時100人超」の特定適用事業所が対象とされています。
覚えるポイント
- 厚生年金の上限は70歳、健康保険の上限は75歳(後期高齢者医療への移行)
- 短時間労働者の適用拡大は2022年10月以降「100人超」、2024年10月以降「50人超」
間違えやすいところ
- 厚生年金保険と健康保険の年齢上限(70歳と75歳)を取り違えてしまう。
- 短時間労働者の適用拡大の企業規模要件において法改正前の「500人超」を選んでしまう。
出題の前提:2023年4月1日現在施行の厚生年金保険法および健康保険法
出典:日本FP協会『2023年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.18 ↗(www.jafp.or.jp)
死亡時における公的年金の遺族給付(遺族厚生年金の長期要件・寡婦年金・死亡一時金)
ライフプランニングと資金計画 · 遺族厚生年金 / 寡婦年金 / 死亡一時金 / 遺族基礎年金
和夫さんが2023年10月1日に死亡した場合の公的年金の遺族給付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、和夫さんの加入歴は、国民年金未加入期間36月(20歳から23歳)、厚生年金被保険者期間252月(21年)、国民年金第1号被保険者期間(保険料納付済期間)138月(11年6月)である。また、家族は妻の奈津子さん(52歳)、長男の蓮さん(25歳)、長女の芽衣さん(19歳、大学生)である。
解答・解説を表示
解答
3
解説
遺族厚生年金には在職中等の死亡を対象とする「短期要件」と、保険料納付済期間等の受給資格期間が25年以上ある者の死亡を対象とする「長期要件」があります。現在第1号被保険者であっても、過去の厚生年金期間等を含めて受給資格期間が25年以上あれば、遺族厚生年金の長期要件を満たします。
解き方
- 和夫さんの加入期間を確認する(合算対象期間36月+厚生年金252月+第1号納付済138月=426月=35年6ヵ月)。
- 受給資格期間が25年(300月)以上あるため、遺族厚生年金の長期要件を満たし、死亡時に第1号被保険者であっても受給可能であると判断する。
- 第1号被保険者期間が10年以上あることによる寡婦年金要件、36月以上納付による死亡一時金要件、20歳未満で障害等級2級の子がいる場合の遺族基礎年金要件がそれぞれ成立することを確認する。
- 選択肢 1不正解
- 寡婦年金は第1号被保険者としての保険料納付済期間(免除期間含む)が10年以上ある夫が死亡した場合に受給権が発生します。和夫さんの納付済期間は138月(11年6ヵ月)あるため適切です。
- 選択肢 2不正解
- 死亡一時金は第1号被保険者としての保険料納付済期間が36月以上ある者が年金を受けずに死亡した場合に受給できます。和夫さんは138月あるため適切です。
- 選択肢 3正解
- 死亡時に厚生年金の被保険者でなくても、受給資格期間が25年以上あれば長期要件を満たすため、遺族厚生年金を受給できます。受給できないとする記述は不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 遺族基礎年金の対象となる子は18歳到達年度末までの子、または20歳未満で障害等級1・2級の子です。19歳の芽衣さんが障害等級2級に該当する場合、奈津子さんは遺族基礎年金を受給できるため適切です。
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覚えるポイント
- 遺族厚生年金の長期要件は受給資格期間(納付済+免除+合算対象)が25年以上
- 遺族基礎年金の「子」の要件は18歳年度末まで、または20歳未満で障害等級1・2級
間違えやすいところ
- 厚生年金の被保険者期間中に死亡した場合(短期要件)しか遺族厚生年金が出ないと誤認してしまう。
- 学生時代の未加入期間(合算対象期間)が受給資格期間に含まれることを見落としてしまう。
出題の前提:2023年4月1日現在施行の国民年金法および厚生年金保険法
出典:日本FP協会『2023年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.19 ↗(www.jafp.or.jp)
民間介護保険(終身介護年金保険)の保障内容および約款の読み取り
リスク管理 · 終身介護年金保険 / 特約給付 / 保険料払込免除
加瀬和夫さんが加入を検討している終身介護年金保険(死亡給付金5倍型・各特約付帯)のパンフレット資料に基づき、次の記述(ア)~(エ)の適切・不適切を判定しなさい。 (ア)保険料払込期間が終身の場合、中途解約したときの解約返戻金は、主契約の死亡給付金額を上限額として受け取ることができる。 (イ)公的介護保険制度の要介護2に認定された場合、終身介護年金を生涯受け取ることができる。 (ウ)主契約の死亡給付金の型が5倍型の場合、主契約の支払事由に該当して終身介護年金を3回受け取った後に被保険者が死亡したときは、終身介護年金年額の2回分を死亡給付金として受け取ることができる。 (エ)公的介護保険制度の要介護1に認定された場合、軽度介護保険料払込免除特約により、その認定された日の翌月以後の主契約および介護一時金保障特約の保険料の支払いは不要となる。
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解答
(ア) ○ (イ) × (ウ) ○ (エ) ×
解説
民間保険商品のパンフレットや約款に基づく問題では、主契約および各種特約の支払要件、支払事由該当後の契約関係、免除要件などの記載条件を漏れなく正確に読み取ることが重要です。
解き方
- パンフレットの主契約と各特約の保障内容(支払対象となる要介護等級や支払要件)をそれぞれ確認する。
- 資料内の<ご注意>欄に記載された解約返戻金の制限、死亡給付金の算出式、保険料払込免除の成立条件を照合して各肢の正誤を判断する。
小問ごとの答え
- 小問 (ア):○
- 資料の<ご注意>に「この保険を解約した場合の主契約の返戻金額は、死亡給付金額を上限とします」と明記されており、終身払の場合でも死亡給付金額を限度に解約返戻金を受け取ることができます。
- 小問 (イ):×
- 資料の保障内容によれば、終身介護年金が支払われるのは「公的介護保険制度の要介護3以上などの所定の要介護状態に該当したとき」です。要介護2の認定では主契約の年金は支払われません。
- 小問 (ウ):○
- 資料の<ご注意>に「5倍型の場合、死亡給付金の額は、『終身介護年金年額×(5-終身介護年金を支払った回数)』」と記載されています。3回受取後の死亡時は「5-3=2回分」が支払われます。
- 小問 (エ):×
- 軽度介護保険料払込免除特約は、要介護1~2に認定されて直ちに免除されるのではなく、「軽度介護一時金が支払われた1年後に要介護1~2の認定が効力を有しているとき」等に以後の払込が免除される仕組みです。
覚えるポイント
- 終身介護年金保険の給付要件は原則「要介護3以上」などの設定が多く、軽度介護特約や払込免除特約の付帯条件・判定時期の違いに注意する。
間違えやすいところ
- 保険料払込免除特約の適用要件を、単なる要介護認定の取得時点と誤認し、一時金支払いから1年後の継続認定要件を見落とすミスが多い。
出題の前提:2023年4月1日現在施行の法令等および提示されたパンフレット資料の記載に基づく。
出典:日本FP協会『2023年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.20 ↗(www.jafp.or.jp) / 公式問題 p.21 ↗(www.jafp.or.jp)
個人事業主における中古減価償却資産の耐用年数と減価償却費の計算
タックスプランニング · 中古資産の耐用年数 / 法定償却方法 / 減価償却費の月割計算
和夫さんは事務所用に中古の金属製キャビネットを2023年4月に購入後、直ちに事業の用に供した。下記<資料>に基づき、和夫さんの2023年分の所得税における事業所得の金額の計算上、必要経費に算入すべき減価償却費の金額として正しいものを1つ選びなさい。なお、使用可能年数の見積もりは困難であり簡便法によるものとし、和夫さんは税務署に償却方法を届け出たことはない。 <資料> 中古キャビネットの購入価額:40万円 購入年月:2023年4月、経過年数:5年 法定耐用年数:15年 [償却率] 耐用年数10年:定額法0.100、定率法0.200 耐用年数11年:定額法0.091、定率法0.182
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解答
1
解説
所得税法において個人事業主が減価償却方法の届出をしていない場合、法定償却方法は「定額法」となります(法人の法定償却方法である定率法との混同に注意)。中古資産の耐用年数は簡便法(法定耐用年数-経過年数+経過年数×0.2)により算定し、年の中途で事業供用した場合は月割計算を行います。
解き方
- 簡便法により中古キャビネットの耐用年数を計算する:15年-5年+(5年×20%)=10年+1年=11年。
- 個人の所得税における無届出時の法定償却方法を確認する:法定償却方法は「定額法」であるため、11年の定額法償却率「0.091」を適用する。
- 2023年4月から12月までの供用月数(9か月)により月割計算を行う:400,000円×0.091×9/12=27,300円。
- 選択肢 1正解
- 耐用年数11年、無届出時の定額法償却率0.091、供用月数9か月を適用した計算式「400,000円×0.091×9/12=27,300円」として正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 経過年数加算を行わずに耐用年数を10年と誤認して定額法で計算した金額(400,000円×0.100×9/12=30,000円)であるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 法人の法定償却方法である定率法(耐用年数11年:0.182)で計算した金額(400,000円×0.182×9/12=54,600円)であるため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 耐用年数を10年と誤認し、かつ定率法(0.200)で計算した金額(400,000円×0.200×9/12=60,000円)であるため誤りです。
覚えるポイント
- 所得税(個人)の法定償却方法は「定額法」、法人税の法定償却方法は原則「定率法」である点の違いを必ず整理しておくこと。
間違えやすいところ
- 法人税の規定と混同して無届出時に定率法を採用してしまうミスや、中古資産の簡便法で経過年数の20%加算を忘れてしまう計算ミスが多い。
出題の前提:2023年4月1日現在施行の所得税法および減価償却資産の耐用年数等に関する省令に基づく。
出典:日本FP協会『2023年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.22 ↗(www.jafp.or.jp)
総合課税の譲渡所得(書画・骨とう品)の計算
タックスプランニング · 譲渡所得 / 総合課税 / 相続による取得費の引継ぎ / 特別控除
武田さんが2023年中に売却した資産に関する次の<資料>に基づき、武田さんの2023年分の譲渡所得の金額の計算上、総所得金額に算入すべき金額として正しいものを選択肢の中から1つ選びなさい。なお、記載された資産以外に総所得金額に算入すべき譲渡所得はないものとする。 <資料> ・絵画:売却2023年5月、譲渡価額300万円、譲渡費用4万円、購入2003年6月(購入価額200万円) ・骨董品:売却2023年6月、譲渡価額200万円、譲渡費用1万円、2018年7月に父から相続(限定承認ではない、相続開始時時価190万円、父の取得2001年5月に150万円)
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解答
2
解説
1個または1組の価額が30万円を超える書画・骨とう品の譲渡による所得は、生活用動産の非課税規定が適用されず、総合課税の譲渡所得となります。相続により取得した資産の保有期間および取得費は被相続人のものを引き継ぎます。総合課税の譲渡所得は最高50万円の特別控除を差し引き、長期譲渡所得の場合はその金額の2分の1を総所得金額に算入します。
解き方
- 各資産の譲渡益を算出する。絵画は所有期間2003年6月〜2023年5月(5年超)で長期譲渡益:300万円-(200万円+4万円)=96万円。骨董品は被相続人の取得日・取得費を引き継ぐため所有期間2001年5月〜2023年6月(5年超)で長期譲渡益:200万円-(150万円+1万円)=49万円。
- 長期譲渡益の合計を計算し、特別控除額50万円を差し引いて譲渡所得の金額を求める。96万円+49万円=145万円。譲渡所得の金額:145万円-50万円=95万円。
- 総所得金額への算入額を計算する。長期譲渡所得のため、譲渡所得の金額に2分の1を乗じる。95万円×1/2=475,000円。
- 選択肢 1不正解
- 骨董品の取得費を相続開始時の時価190万円として誤って計算した場合などの誤った数値です。
- 選択肢 2正解
- 絵画の譲渡益96万円と骨董品の譲渡益49万円の合計145万円から特別控除50万円を差し引いた95万円に2分の1を乗じた475,000円であり正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 特別控除50万円を差し引かずに合計譲渡益145万円を2分の1にした金額であり誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 特別控除後の長期譲渡所得の金額95万円そのものであり、総所得金額に算入する際の「2分の1」の計算が行われていません。

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覚えるポイント
- 相続による取得資産は被相続人の取得時期および取得費をそのまま引き継ぐ点
- 総合課税の長期譲渡所得は特別控除後さらに2分の1を乗じて総所得金額に算入する点
間違えやすいところ
- 相続開始時の時価を取得費として計算してしまうミス
- 特別控除50万円を引いた後に2分の1を掛けるのを忘れてしまうミス
出題の前提:2023年4月1日現在施行の法令等
出典:日本FP協会『2023年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.23 ↗(www.jafp.or.jp)
FP実務と個人情報保護法(個人情報の定義・取扱い上の留意点)
FP倫理・関連法規 · 個人情報保護法 / 個人情報の定義 / 安全管理措置 / 第三者提供の制限
顧客の個人情報を扱うFPにとって、「個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)」を順守することが重要である。①個人情報保護法に定める個人情報について、該当するものの例を含めて説明し、また、②FPが顧客の個人情報を扱うに当たってどのような点に留意すべきか、個人情報の「取得・利用」、「保管・管理」、「第三者への提供」の場面を想定しながら、①と②をあわせて300字程度で述べなさい。
解答・解説を表示
解答
個人情報とは、生存する個人に関する情報で、氏名、生年月日などにより、特定の個人を識別できる情報をいう。FPは、顧客の個人情報を取得・利用するときは、利用目的を特定して公表または通知しなければならず、目的外で利用してはならない。保管・管理するときは、漏えい等が生じないように、パソコンで管理する場合にはパスワードを設定したり、紙で管理する場合には施錠できる場所に保管するなど、安全に管理する。税理士や弁護士などの第三者に顧客の個人情報を提供する場合にも、あらかじめ顧客の承諾が必要である。講演や執筆の際は、顧客が特定されるような事例を例示しないように留意し、例示する場合は、あらかじめ顧客の承諾を得るようにする。(305字)
解説
個人情報保護法において、個人情報とは生存する個人に関する情報であって特定の個人を識別できるものを指します。FP業務では顧客の極めて機微な情報を扱うため、利用目的の特定と制限、安全管理措置の徹底、あらかじめ本人の同意を得ない第三者提供の禁止等の義務を遵守することが求められます。
解き方
- 設問の要求事項①「個人情報の定義と具体例」を記述する(生存する個人に関する情報で、氏名や生年月日等により特定の個人を識別できるもの)。
- 設問の要求事項②「取得・利用」「保管・管理」「第三者への提供」の各場面における留意点を整理し、講演・執筆時の具体例も交えて300字程度にまとめる。
覚えるポイント
- 個人情報の基本定義:生存する個人に関する情報で特定の個人を識別できるもの
- 3つの場面の留意点:取得・利用時の目的特定、保管・管理時の安全管理措置(パスワード・施錠)、第三者提供時の事前同意
間違えやすいところ
- 個人情報の定義で「生存する」という要件を書き落とすミス
- 指定された3つの場面(取得・利用、保管・管理、第三者への提供)のいずれかを落として字数を埋めてしまうミス
出題の前提:2023年4月1日現在施行の法令等
出典:日本FP協会『2023年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.23 ↗(www.jafp.or.jp)
2023年9月 1級 実技(資産設計提案業務)
参照した公式資料
日本FP協会が公開した2023年9月 1級 実技(資産設計提案業務)の問題・解答資料です。

