日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2022年9月 1級 実技(資産設計提案業務)の概要
住宅取得計画における借入可能額および購入可能物件価格の計算
ライフプランニングと資金計画 · 住宅取得資金計画 / 返済負担率 / 借入可能額の算定
柴田さん夫妻は、住宅取得計画についてFPに相談した。以下の条件に基づき計算される購入可能な物件価格(消費税込み)の上限として、最も適切なものを選択肢の中から1つ選びなさい。 <条件> ・自己資金200万円と直樹さんの父から贈与される300万円を住宅購入に充て、不足分は住宅ローンを利用する。 ・住宅ローンは直樹さんが単独で借り入れ、年間元利合計返済額が2021年分の直樹さんの年収(税込み600万円)の25%以内となるようにする。 ・住宅ローンの条件:金利年1.50%(全期間固定金利)、返済期間35年(420回)、元利均等返済・毎月返済(ボーナス返済なし)、借入額100万円当たりの元利合計返済月額は3,061円。 ・住宅購入諸費用(消費税込み)は物件価格の8%とし、用意した総資金から充当する。 ・計算過程で生じる円未満の端数は四捨五入し、住宅ローンの借入額および物件価格については10万円未満を切り捨てること。贈与税は考慮しない。
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解答
2
解説
住宅購入可能額の計算では、年収に返済負担率を乗じて年間の許容返済額を求め、借入可能額を算定します。その後、準備資金(自己資金や贈与金)と住宅ローン借入額を合計した総資金から、諸費用を含めた物件価格の上限を逆算します。
解き方
- 年間返済額上限を算定:年収600万円×返済負担率25%=150万円。月額返済可能額は150万円÷12=125,000円。
- 住宅ローン借入限度額を算定:125,000円÷3,061円×100万円=40,836,327.9...円。円未満四捨五入後、10万円未満を切り捨てて4,080万円。
- 調達可能総資金を計算:自己資金200万円+父からの贈与300万円+借入額4,080万円=4,580万円。
- 物件価格上限を算定:総資金4,580万円÷(1+0.08)=42,407,407.4...円。円未満四捨五入後、10万円未満を切り捨てて4,240万円。
- 選択肢 1不正解
- 3,960万円は誤りです。借入額の算定や諸費用率8%の控除計算が正しく反映されていません。
- 選択肢 2正解
- 借入可能額4,080万円と自己資金・贈与金計500万円の合計4,580万円を1.08で除し、10万円未満を切り捨てると4,240万円となります。
- 選択肢 3不正解
- 4,280万円は誤りです。諸費用の充当方法や端数処理の適用段階に誤りがあります。
- 選択肢 4不正解
- 4,580万円は用意した総資金そのものであり、物件価格の8%相当の諸費用が考慮されていません。
覚えるポイント
- 購入可能物件価格=総調達資金÷(1+諸費用率)
- 端数処理(10万円未満切り捨て等)のタイミングを正確に守ること
間違えやすいところ
- 総資金から諸費用率8%を単に差し引く(総資金×0.92とする)誤り(正しくは1.08で除算する)
- 借入額の段階で10万円未満切り捨てを行わずに計算を進めてしまう誤り
出題の前提:2022年4月1日現在施行法令等
出典:日本FP協会『2022年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.2 ↗(www.jafp.or.jp) / 公式問題 p.3 ↗(www.jafp.or.jp)
追加型株式投資信託の元本払戻金と個別元本の計算
金融資産運用 · 投資信託 / 個別元本 / 元本払戻金(特別分配金) / 移動平均法
直樹さんが保有する国内公募追加型株式投資信託(年1回決算)の取引推移に基づき、現在の1万口当たりの個別元本を計算しなさい。 <取引状況> ・2022年2月17日:50万口を基準価額11,250円で購入 ・2022年6月22日:決算により1万口当たり500円の収益分配金支払い(分配落ち前基準価額11,400円、分配落ち後基準価額10,900円) ・2022年7月14日:40万口を基準価額11,071円で購入(同一販売会社)
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解答
10,976(円)
解説
追加型投資信託の収益分配金落ち後の基準価額が受益者の個別元本を下回る場合、その下回る部分の額は「元本払戻金(特別分配金)」となり、受取後の個別元本は同額だけ減額修正されます。同一銘柄を追加購入した場合は、加重平均(移動平均)によって新たな個別元本を算出します。
解き方
- 2022年6月22日決算時の個別元本の修正:分配前個別元本11,250円に対し、分配落ち後基準価額は10,900円。元本払戻金は11,250円-10,900円=350円となり、決算後の個別元本は10,900円となる。
- 2022年7月14日追加購入後の個別元本の加重平均計算:保有口数50万口(個別元本10,900円)に新規購入40万口(購入価額11,071円)を加えた加重平均を計算する。(50万口×10,900円+40万口×11,071円)÷90万口=(5,450,000千円+4,428,400千円)÷90万口=9,878,400千円÷90万口=10,976円。
覚えるポイント
- 元本払戻金(特別分配金)=分配落ち前の個別元本-分配落ち後の基準価額(非課税)
- 元本払戻金受取後の新個別元本=分配落ち後の基準価額
- 追加購入時の新個別元本=(既存保有口数×既存個別元本+新規買付口数×買付基準価額)÷合計口数
間違えやすいところ
- 分配金500円の全額が普通分配金であると誤認し、個別元本を11,250円のまま加重平均してしまうこと
- 分配金全額500円を個別元本から減額してしまうこと
出題の前提:2022年4月1日現在施行法令等
出典:日本FP協会『2022年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.4 ↗(www.jafp.or.jp)
収入保障保険・特約の保険金・給付金の計算
リスク管理 · 生命保険 / 収入保障保険 / 医療特約 / リビング・ニーズ特約
柴田直樹さんが加入している生命保険証券(契約日:2019年7月1日、契約年齢30歳、被保険者:直樹さん、死亡保険金受取人:智子さん)の保障内容に関して、以下の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる数値を求めなさい。 ・直樹さんが40歳の2029年7月(契約日から10年1ヵ月)に交通事故で死亡した場合、収入保障保険主契約から支払われる保険金の合計は( ア )万円となる。 ・智子さんが2025年10月にテニス中の骨折により10日間入院し、その間に約款に定められた所定の手術(給付倍率10倍)を受けた場合、支払われる保険金・給付金の合計は( イ )万円である。 ・直樹さんが35歳の2024年7月(契約日から5年1ヵ月)にがんで余命6ヵ月以内と判断された場合、リビング・ニーズ特約を利用して請求できる最大金額は( ウ )万円である。
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解答
(ア)4,800(万円) (イ)6(万円) (ウ)3,000(万円)
解説
収入保障保険は、被保険者が死亡した時点から満期(保険期間満了時)までの残存月数に応じて年金形式(月払い等)で保険金が支払われます。また、夫婦型などの特約では配偶者の保障割合(日額の一定割合)に留意し、リビング・ニーズ特約では死亡保険金現価または未払総額の範囲内かつ通算上限額(一般に3,000万円)が適用されます。
解き方
- 空欄(ア)について、満了時(60歳到達応当日)までの残存年数・月数を算定し、基準給付金月額(20万円)を乗じて合計金額を算出する。
- 空欄(イ)について、妻型の日額(本人の6割=3,000円)を求め、入院日数分および所定倍率分の手術給付金を合算する。
- 空欄(ウ)について、残存死亡保険金額とリビング・ニーズ特約の限度額(3,000万円)を比較し、請求可能な最大金額を判定する。
答えの内訳
- ア:4,800
- 被保険者が死亡した支払事由発生日から、60歳になって迎える契約応当日(2049年7月1日)の前日までの月数分、月額20万円が支払われます。直樹さんの契約年齢は30歳、満了は60歳(30年間=360ヵ月)です。契約日から10年1ヵ月(121ヵ月目)の死亡により、支払対象期間は満了までの残り240ヵ月(20年間)となります。したがって、20万円 × 240ヵ月 = 4,800万円となります。
- イ:6
- 手術給付金付災害疾病入院特約(本人・妻型)において、妻の給付日額は本人の6割となるため、5,000円 × 60% = 3,000円となります。10日間の入院給付金は 3,000円 × 10日 = 30,000円(3万円)、手術給付金(10倍)は 3,000円 × 10倍 = 30,000円(3万円)となり、合計で 3万円 + 3万円 = 6万円となります。
- ウ:3,000
- リビング・ニーズ特約では、余命6ヵ月以内と判断された場合に死亡保険金額の範囲内かつ同一被保険者を通算して3,000万円を限度に請求できます。35歳時点(契約から5年1ヵ月)での残存期間の主契約死亡保険金総額は、20万円 × 299ヵ月 = 5,980万円であり限度額を上回っているため、請求できる上限金額は特約限度額の3,000万円となります。
覚えるポイント
- 収入保障保険の受取総額=基準給付金月額 × 満期までの残存月数
- 妻型特約における給付金額は本人の日額に対する所定割合(本問では6割)となる
- リビング・ニーズ特約の支払限度額は通算最高3,000万円(指定保険金額が上限)
間違えやすいところ
- 死亡時までに経過した年数・月数を掛けてしまう(残存期間を掛けるのが正しい)。
- 妻型特約の計算で本人の日額5,000円をそのまま掛けてしまう(6割の3,000円とする)。
- リビング・ニーズ特約において、残存死亡保険金全額を請求可能と誤認してしまう。
出題の前提:2022年4月1日現在施行法令および約款規定に基づく。
出典:日本FP協会『2022年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.2 ↗(www.jafp.or.jp) / 公式問題 p.5 ↗(www.jafp.or.jp)
損益通算と所得税額の計算
タックスプランニング · 事業所得 / 不動産所得 / 譲渡所得 / 損益通算 / 青色申告特別控除 / 所得税の速算表
直樹さんの伯母である仲野さんの2022年における所得の金額等が下記<資料>のとおりである場合、仲野さんの2022年分の所得税額として、最も適切なものはどれか。なお、復興特別所得税および記載のない事項については一切考慮しないものとし、所得税額が最も少なくなるように計算すること。 <資料> ・事業所得:売上高 920万円、必要経費 300万円 ・不動産所得:総収入金額 500万円、必要経費 530万円(借入金利子は含まれていない) ・譲渡所得:総収入金額 150万円、取得費・譲渡費用 130万円(所有期間10年の絵画1点の売却) ・65万円の青色申告特別控除額の適用要件を満たしている。 ・所得控除額は100万円とする。
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解答
1
解説
所得税の計算では、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の損失は他の所得と損益通算できます(不動産所得の土地取得借入金利子等を除く)。総合課税の譲渡所得には50万円の特別控除があり、青色申告特別控除は損益通算後の不動産所得・事業所得から控除します。課税総所得金額(総所得金額-所得控除額)に速算表の税率を適用して所得税額を計算します。
解き方
- 各所得金額を算出する。事業所得(青色控除前)は 920万円 - 300万円 = 620万円。不動産所得は 500万円 - 530万円 = ▲30万円。総合長期譲渡所得は 150万円 - 130万円 = 20万円、特別控除50万円(限度20万円)を差し引き0円。
- 不動産所得の赤字▲30万円(借入金利子なし)を事業所得620万円と損益通算し、通算後所得を 590万円とする。
- 青色申告特別控除65万円を通算後所得から控除し、総所得金額を 590万円 - 65万円 = 525万円とする。
- 総所得金額から所得控除100万円を差し引いて課税総所得金額を 425万円とする。
- 所得税の速算表を適用し、425万円 × 20% - 427,500円 = 422,500円を算出する。
- 選択肢 1正解
- 課税総所得金額425万円に対し、税率20%・控除額427,500円を適用した計算結果(422,500円)と一致しており正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 不動産所得の損失30万円の損益通算を行わずに計算した場合などの誤った税額です。
- 選択肢 3不正解
- 青色申告特別控除として65万円ではなく10万円または55万円等で計算を誤った場合の税額です。
- 選択肢 4不正解
- 青色申告特別控除65万円を控除し忘れた場合などの誤った税額です。
覚えるポイント
- 不動産所得の赤字のうち土地取得に係る借入金利子分は損益通算不可(本問は利子なしのため全額通算可能)
- 青色申告特別控除は損益通算後の不動産所得および事業所得の金額から控除する
- 総合譲渡所得の特別控除は年間最高50万円(譲渡益の範囲内)
間違えやすいところ
- 不動産所得の赤字を損益通算する前に青色申告特別控除を適用してしまうミス。
- 絵画の譲渡所得(生活用動産以外の総合譲渡所得)で特別控除50万円の適用を忘れてそのまま合算してしまうミス。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:日本FP協会『2022年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.6 ↗(www.jafp.or.jp)
居住用財産を譲渡した場合の譲渡所得税および住民税の計算
不動産設計 · 居住用財産の3000万円特別控除 / 長期譲渡所得の軽減税率の特例 / 所得控除の控除順序
智子さんの伯母である畑中さんは、2022年中に居住していた自宅(建物およびその敷地)を売却した。資料の売却内容および所得税・住民税の条件に基づき、畑中さんの自宅の譲渡に係る所得税および住民税の合計額として正しいものを選択肢の中から1つ選びなさい。なお、所得税および住民税が最も少なくなる方法で計算し、復興特別所得税等は考慮しないものとする。 <資料> [自宅の売却に関する事項] ・譲渡価額:4,600万円(建物およびその敷地の合計額) ・譲渡費用:200万円 ・取得費:230万円(償却相当額控除後) [所得税、住民税の計算に関する事項] ・2022年中に他の所得はなく、所得控除額は100万円とする。 ・住民税の均等割および調整控除は考慮しない。 ・「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除」および「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(軽減税率の特例)」の適用要件をすべて満たし、適用を受ける。 ・譲渡費用は譲渡年に現金支払済み。
解答・解説を表示
解答
1
解説
居住用財産を譲渡した際には、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例と、所有期間10年超の場合に適用できる軽減税率の特例(課税譲渡所得6,000万円以下の部分は所得税10%・住民税4%)を併用できます。また、総所得金額等から控除しきれない所得控除がある場合、分離課税の譲渡所得金額から控除します。
解き方
- 譲渡益を算出する:譲渡価額4,600万円-(取得費230万円+譲渡費用200万円)=4,170万円。
- 特別控除を適用する:4,170万円-3,000万円=1,170万円。
- 所得控除100万円を控除して課税長期譲渡所得金額を求める:1,170万円-100万円=1,070万円。
- 軽減税率を適用して税額合計を算出する:1,070万円×(所得税10%+住民税4%)=1,498,000円。
- 選択肢 1正解
- 課税長期譲渡所得金額1,070万円に対し、軽減税率14%(所得税10%、住民税4%)を乗じた1,498,000円が正しい合計額です。
- 選択肢 2不正解
- 所得控除の100万円を差し引かずに1,170万円×14%=1,638,000円と計算した誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 軽減税率ではなく通常の長期譲渡所得税率(所得税15%、住民税5%の計20%)を課税所得1,070万円に乗じた誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 所得控除を考慮せず、通常の長期譲渡所得税率20%を1,170万円に乗じた誤りです。
覚えるポイント
- 居住用財産の3,000万円特別控除後の課税譲渡所得からも、引ききれない所得控除を差し引くことができる点に注意が必要です。
間違えやすいところ
- 他の所得がない場合に、基礎控除などの所得控除を分離課税の譲渡所得から控除し忘れて計算してしまう誤り。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等
出典:日本FP協会『2022年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.7 ↗(www.jafp.or.jp)
税理士法に定める税理士業務と非税理士FPの留意事項
関連業法・倫理コンプライアンス · 税理士法 / 税務代理 / 税務書類の作成 / 税務相談 / FPの職業倫理
税理士ではないFPが顧客から税金に関する相談を受けた場合、税理士法に抵触しないよう留意する必要がある。①税理士法に定める税理士の専門業務は具体的に何を指しているかを説明し、②FP業務を行ううえで税理士資格を持たないFPはどのような点に留意すべきか、300字程度で説明しなさい。
解答・解説を表示
解答
税理士法に定める税理士の専門業務とは、具体的には、租税法令等に基づく申告等について代理もしくは代行する等の「税務代理行為」、「税務書類の作成」、「税務相談」を指す。税理士資格を持たない者がこれらを業として行うと、営利目的の有無や有償・無償の別は問わず、税理士法違反となる。従って、税理士資格を持たないFPは、税務代理や税務書類の作成、個別具体的な税務相談に応じてはならず、税金に関する顧客からの相談に回答する際には、顧客データを参考にしながら具体的な数値を離れた事例に引き直すなど、一般的な説明にとどめるべきである。また、具体的な税額計算等が必要な場合に備え、税理士との協働関係を築いておくことも重要である。(304文字)
解説
税理士法により、税務代理・税務書類の作成・税務相談の3業務は税理士の独占業務と定められており、無資格者が業として行うことは有償・無償を問わず禁止されています。税理士資格を持たないFPは個別具体的な税額計算や相談に応じることはできず、仮定の試算や一般的説明に限定しなければなりません。
解き方
- 税理士法第2条の独占業務3項目(税務代理、税務書類の作成、税務相談)を挙げる。
- 資格を持たないFPは有償・無償を問わずこれらの行為を行えないことを明記する。
- 顧客からの税務相談には仮定事例を用いた一般的な解説にとどめ、個別具体的計算等は税理士と連携する旨を記述する。
覚えるポイント
- 税理士法違反は「有償・無償を問わず」成立するため、「無料で相談に乗る」ことも禁止されています。
間違えやすいところ
- 顧客本人の実際の数値を使って具体的な税額計算や申告書作成の指示をしてしまうと税理士法に抵触します。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等
出典:日本FP協会『2022年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.7 ↗(www.jafp.or.jp)
相続税の延納の要件・担保・変更
相続・事業承継設計 · 延納 / 担保提供 / 金銭納付困難 / 物納への変更
相続税の延納に関する次の(ア)~(エ)の記述について、適切なものには○、不適切なものには×を選択しなさい。 (ア)延納の許可限度額は、相続または遺贈により取得した現金、預貯金等の財産のみで計算し、延納申請者自身の現金、預貯金等、収入および生活費の状況等は考慮しない。 (イ)延納の担保として提供できる財産は、延納申請者が相続または遺贈により取得した財産に限らず、延納申請者の固有財産も担保として提供することができる。 (ウ)延納申請者は、その延納税額にかかわらず、延納申請期限までに、延納税額に応じた担保を提供しなければならない。 (エ)延納の許可を受けた相続税額について、延納条件の履行が困難となった場合でも、延納から物納への変更が認められることはない。
解答・解説を表示
解答
(ア)× (イ)○ (ウ)× (エ)×
解説
相続税は原則として金銭による一括納付ですが、金銭での一時納付が困難な一定の事由がある場合、納期限までに申請することにより、国債・不動産等の担保を提供して年賦で納める延納制度が認められています。
解き方
- 延納許可限度額の判定において、相続取得財産だけでなく申請者の固有財産や生活費等も勘案されるかを確認する。
- 延納担保として提供可能な財産の範囲、および担保提供が免除される小額・短期の基準(100万円以下かつ3年以下)を確認する。
- 延納継続が困難となった場合の救済措置として、変更物納制度が規定されているかを確認する。
小問ごとの答え
- 小問 ア:×
- 延納の許可限度額は、納付すべき相続税額から、相続等により取得した現預金等のほか、申請者自身の固有の現預金や当面の臨時収入、生活費・事業継続費等を考慮して納付可能資力を差し引いた「金銭で一時に納付することが困難な金額」を限度として算出されます。
- 小問 イ:○
- 延納の担保として提供できる財産は、相続や遺贈により取得した財産に限定されず、延納申請者自身の固有財産や、共同相続人または第三者が提供する適格な財産も対象となります。
- 小問 ウ:×
- 延納税額が100万円以下で、かつ延納期間が3年以下である場合には担保の提供を要しないため、「延納税額にかかわらず担保を提供しなければならない」とする点は不適切です。
- 小問 エ:×
- 延納の許可を受けた後、資力の変化等によって延納条件の履行が困難となった場合には、申出により一定の要件を満たすことで延納から物納への変更(変更物納)が認められています。
覚えるポイント
- 延納税額が100万円以下かつ延納期間が3年以下の場合は担保不要。
- 延納担保には申請者の固有財産や第三者所有の財産も提供可能。
- 延納条件の履行が困難になった場合は変更物納への移行が可能。
間違えやすいところ
- 金銭納付困難額の計算で、相続人の固有財産や生活費を考慮しないと誤認すること。
- 延納から物納への変更は一切認められないと混同すること。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等
出典:日本FP協会『2022年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.8 ↗(www.jafp.or.jp)
相続人の確定と養子の法定相続分
相続・事業承継設計 · 法定相続分 / 相続放棄 / 代襲相続 / 遺留分放棄 / 養子
2022年8月に被相続人・田川孝昌さんが亡くなり相続が開始した。下記の親族関係図および条件に基づき、孝昌さんの相続に係る秀樹さんの民法上の法定相続分として最も適切なものを1つ選びなさい。 <親族関係図の条件> ・被相続人:田川孝昌、配偶者:松子 ・子(長男):英輔(家庭裁判所に申述して孝昌さんの相続に関して相続放棄をしている) ・英輔の子:昭彦、秀樹 ・子(二男):修二(すでに死亡、配偶者は君江) ・修二の子:俊太(すでに死亡した修二さんの相続に関して相続放棄をしている) ・子(長女):千賀(家庭裁判所の許可を得て孝昌さんの相続に関してあらかじめ遺留分を放棄している) ・被相続人孝昌と秀樹は普通養子縁組をしている。
解答・解説を表示
解答
1
解説
民法上、相続放棄をした者の子は代襲相続できませんが、被代襲者の相続を放棄していた孫であっても被相続人に対する代襲相続権は失いません。また遺留分の放棄は相続権そのものの放棄ではありません。普通養子は実子と同一の法定相続分を有します。
解き方
- 被相続人の配偶者(松子)の法定相続分を確定する(配偶者1/2、第1順位の子の総分1/2)。
- 子の各人の相続権の有無を判定する。英輔は相続放棄のため相続人とならず、代襲も生じない(昭彦・秀樹は代襲相続人にならない)。
- 千賀は遺留分放棄のみであり相続権を維持していることを確認する。
- 俊太は修二の相続を放棄していても孝昌に対する代襲相続人になれることを確認する。
- 秀樹は普通養子として第1順位の子の身分で相続人となることを確認する。
- 有効な子の頭数は俊太・千賀・秀樹の3人となるため、秀樹の法定相続分は (1/2) ÷ 3 = 1/6 と算出する。
- 選択肢 1正解
- 配偶者の相続分1/2を除いた残り1/2を、相続人である子3人(代襲相続人俊太、子千賀、養子秀樹)で均等分割するため、秀樹の法定相続分は1/6となり正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 子の頭数や代襲関係の判定を誤り、不適切な人数配分を行った誤りの選択肢です。
- 選択肢 3不正解
- 相続人となる子の人数を2人(1/2×1/2=1/4)と誤認した場合の数値であり不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 1/2は配偶者松子の法定相続分、または子全体の合計法定相続分であり、秀樹個人の法定相続分としては誤りです。
覚えるポイント
- 相続放棄した者の子は代襲相続できない(民法887条2項)。
- 被代襲者(親)の相続を放棄していても、祖父母の代襲相続人にはなれる。
- 遺留分の放棄をしても相続人としての地位は失われない。
間違えやすいところ
- 相続放棄でも死亡と同様に代襲相続が発生すると誤認すること。
- 遺留分の放棄を相続放棄と同一視して相続人から除外してしまうこと。
- 被代襲者の相続を放棄した子は祖父母を代襲できないと勘違いすること。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等
出典:日本FP協会『2022年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.9 ↗(www.jafp.or.jp)
育児・介護休業法における有期雇用労働者の育児休業要件と休業可能期間
ライフプランニングと資金計画 · 育児・介護休業法 / 有期雇用労働者 / 育児休業 / 育児休業期間の延長
智子さんは民間企業のパートタイマー(1年更新の有期雇用労働者)であり、現在育児休業中である。2022年の育児・介護休業法改正により有期雇用労働者の育児休業取得要件が緩和された。次の文章の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句を語群から選び、その番号を答えなさい。 <資料> 有期雇用労働者のうち育児休業をすることができる人は、育児休業の申出時点で「①同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること」および「②子が1歳6ヵ月に達する日までに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと」の両方の要件を満たす人であったが、( ア )以降は、①の要件を撤廃し、②の要件を満たす人となる。 また、子が1歳に達する時点で保育所に入所できない等の特別な事情がある場合は、子が( イ )に達する日まで育児休業の期間を延長でき、さらに( イ )に達する時点でも同様の事情がある場合は、子が( ウ )に達する日まで育児休業の期間を再延長できる。
- 1
- 2021年4月1日
- 2
- 2021年10月1日
- 3
- 2022年4月1日
- 4
- 1歳2ヵ月
- 5
- 1歳6ヵ月
- 6
- 2歳
- 7
- 2歳6ヵ月
- 8
- 3歳
- 9
- 3歳6ヵ月
解答・解説を表示
解答
(ア) 3, (イ) 5, (ウ) 6
解説
育児・介護休業法では、子の出生に伴う育児休業について原則として子が1歳に達するまで取得可能としています。有期雇用労働者については雇用の継続性を考慮した要件が課されていましたが、2022年4月1日施行の法改正により「引き続き1年以上雇用されていること」の要件が撤廃され、無期雇用労働者と同様の取り扱いとなりました。また、保育所に入所できない等の理由による期間延長は、1歳6ヵ月まで、さらに最長2歳まで段階的に認められています。
解き方
- 2022年4月1日の法改正事項を確認し、有期雇用労働者の育児休業要件から「引き続き1年以上雇用」が撤廃された施行日を特定する。
- 育児休業期間の延長要件を確認し、1歳到達時点での延長限度(1歳6ヵ月)と、1歳6ヵ月到達時点での再延長限度(2歳)を特定する。
- それぞれの空欄に対応する語群の番号(ア:3、イ:5、ウ:6)を選択する。
小問ごとの答え
- 小問 ア:3
- 2022年4月1日施行の改正育児・介護休業法により、有期雇用労働者の育児休業取得要件のうち「事業主に引き続き1年以上雇用されていること」という要件が撤廃されました。したがって空欄(ア)には「2022年4月1日」の番号「3」が入ります。
- 小問 イ:5
- 子が1歳に達する時点で保育所に入所できない等の特別な事情がある場合、育児休業期間を子が「1歳6ヵ月」に達する日まで延長できます。したがって空欄(イ)には「1歳6ヵ月」の番号「5」が入ります。
- 小問 ウ:6
- 子が1歳6ヵ月に達する時点でも保育所に入所できない等の特別な事情がある場合、育児休業期間を子が最長で「2歳」に達する日まで再延長できます。したがって空欄(ウ)には「2歳」の番号「6」が入ります。
覚えるポイント
- 有期雇用労働者の育休要件緩和(1年雇用要件の撤廃)の施行日は2022年4月1日。
- 保育所に入所できない場合の育休期間延長は、第1段階が1歳6ヵ月まで、第2段階が最長2歳まで。
間違えやすいところ
- パパ・ママ育休プラスの延長期間(1歳2ヵ月まで)と、保育所に入所できない場合の延長期間(1歳6ヵ月・2歳まで)を混同しないように注意する。
- 労使協定を締結した場合は「引き続き雇用された期間が1年未満の労働者」を除外可能とする例外規定が存在する点に留意する。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の育児・介護休業法
出典:日本FP協会『2022年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.2 ↗(www.jafp.or.jp) / 公式問題 p.10 ↗(www.jafp.or.jp)
在職中死亡に伴う遺族厚生年金(短期要件・300月みなし)および遺族基礎年金の受給額計算
タックス・社会保険・年金 · 遺族厚生年金 / 短期要件 / 300月みなし / 遺族基礎年金 / 子の加算額
柴田直樹さん(会社員・被保険者月数125月・平均標準報酬額40万円)が2022年9月25日に厚生年金加入中に死亡した場合、妻の智子さん(32歳)に支給される遺族厚生年金および遺族基礎年金(子1人:健一さん0歳)の額の組み合わせとして、正しいものはどれか。 なお、年金額の計算式および基準額は資料に基づき、被保険者期間が300月未満の場合は300月とみなして計算し、計算過程・解答ともに円未満四捨五入とする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
被保険者本人が厚生年金加入中に死亡した場合、短期要件による遺族厚生年金が支給されます。被保険者期間が300月(25年)未満の場合は300月とみなして報酬比例部分を算定し、その3/4が遺族厚生年金額となります。また、死亡当時に生計を維持されていた配偶者が「子のある配偶者」である場合、遺族基礎年金および子の加算額が同時に支給されます。
解き方
- 被保険者期間(125月)が300月未満であることを確認し、300月みなしを適用する。
- 報酬比例部分を計算する:400,000円 × (5.481 / 1000) × 300月 = 657,720円。
- 遺族厚生年金額(報酬比例部分の3/4)を計算する:657,720円 × 3/4 = 493,290円。
- 遺族基礎年金額を計算する:基本年金額777,800円 + 第1子の加算額223,800円 = 1,001,600円。
- 遺族厚生年金493,290円・遺族基礎年金1,001,600円の組み合わせを選択肢3と照合する。
- 選択肢 1不正解
- 遺族厚生年金が報酬比例部分の全額(657,720円)となっており、3/4の乗算が行われていないため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 遺族厚生年金に3/4の乗算がされておらず、かつ遺族基礎年金に第1子の加算額(223,800円)が含まれていないため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 遺族厚生年金は493,290円(657,720円×3/4)、遺族基礎年金は1,001,600円(基本年金777,800円+子の加算額223,800円)であり、正しい組み合わせです。
- 選択肢 4不正解
- 遺族基礎年金に第1子の加算額(223,800円)が加算されておらず、基本額のみとなっているため誤りです。
答えの内訳
- 遺族厚生年金:493,290円
- 直樹さんの厚生年金被保険者期間は125月であり、300月未満のため300月とみなして計算します。2003年4月以後の計算式より、報酬比例部分=400,000円×(5.481/1000)×300月=657,720円。遺族厚生年金の額はこの報酬比例部分の3/4となるため、657,720円×3/4=493,290円となります。妻の智子さんは32歳で子を扶養し遺族基礎年金が受給できるため、中高齢寡婦加算は加算されません。
- 遺族基礎年金:1,001,600円
- 遺族基礎年金の基本額は777,800円です。生計を同じくする第1子(健一さん)の加算額223,800円が加算されるため、777,800円+223,800円=1,001,600円となります。
覚えるポイント
- 在職中死亡などの短期要件では、厚生年金被保険者期間が300月未満でも一律300月とみなして計算する。
- 遺族厚生年金額は報酬比例部分の「4分の3」である。
- 遺族基礎年金は「基本年金額+子の加算額」で算定される。
間違えやすいところ
- 報酬比例部分を求めた後に3/4を掛けるのを忘れてしまうミスに注意する。
- 子がいる配偶者に対する遺族基礎年金で、子の加算額(第1子・第2子は各223,800円)の合算を漏らすミスに注意する。
- 遺族基礎年金を受給している間は中高齢寡婦加算は支給されない点に留意する。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の国民年金法・厚生年金保険法
出典:日本FP協会『2022年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.2 ↗(www.jafp.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.jafp.or.jp)
勤労者財産形成促進制度(財形制度)の概要と非課税要件
ライフプランニングと資金計画 · 財形貯蓄 / 一般財形貯蓄 / 財形住宅貯蓄 / 財形年金貯蓄
横川家の長男・颯太さんは、独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営する勤労者財産形成促進制度(財形制度)についてFPの小原さんに相談した。小原さんが説明した財形制度に関する次の記述(ア)~(エ)について、適切なものには○、不適切なものには×を判定しなさい。
- ア
- 一般財形貯蓄は、1人で複数の契約が可能で、積立限度額はなく、利子等非課税の優遇措置があります。
- イ
- 財形住宅貯蓄で適格払出しをする場合は、資金の使い道が住宅の建設や購入、リフォームなどに限定され、対象となる住宅には面積要件があります。
- ウ
- 財形年金貯蓄で適格払出しをする場合は、財形住宅貯蓄と合わせて、貯蓄残高500万円まで利子等に税金がかかりません。保険などの商品の場合は、払込保険料累計額350万円まで(かつ、財形住宅貯蓄と合わせて500万円まで)から生じる利子等が非課税となります。
- エ
- パートタイマーでも、継続して雇用関係が見込まれる場合、積立期間などの要件を守れば、財形貯蓄契約をすることができます。
解答・解説を表示
解答
(ア)× (イ)○ (ウ)× (エ)○
解説
勤労者財産形成促進制度(財形制度)は、一般財形、財形住宅、財形年金の3種類からなり、住宅および年金には合算して最高550万円(保険商品は385万円)までの利子非課税枠が認められています。
解き方
- 各財形貯蓄制度(一般・住宅・年金)の使途制限、複数契約の可否、利子非課税枠の有無を確認する。
- 財形住宅貯蓄および財形年金貯蓄の非課税限度額(合算550万円/保険商品385万円)と対象者の雇用要件を照合して正誤を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ア:×
- 一般財形貯蓄には積立限度額がなく1人で複数契約が可能ですが、利子等に対する非課税の優遇措置はなく利子課税が行われます。
- 小問 イ:○
- 財形住宅貯蓄の適格払出しは住宅の取得や増改築等に限定されており、床面積が50平米以上などの法定要件が定められています。
- 小問 ウ:×
- 財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄を合わせた非課税限度額は元利合計550万円まで(生命保険等の商品は払込保険料累計額385万円まで)です。
- 小問 エ:○
- パートタイマーや契約社員等の有期雇用労働者であっても、継続して雇用されることが見込まれる勤労者であれば財形貯蓄の契約が可能です。
覚えるポイント
- 財形住宅と財形年金の非課税限度額は合算で元利合計550万円(生命保険型は払込保険料累計385万円)であること。
間違えやすいところ
- 一般財形貯蓄にも利子非課税の優遇があると勘違いしないこと。
- 非課税限度額を500万円と誤認しないこと(正しくは550万円)。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の勤労者財産形成促進法および関連法令に基づく。
出典:日本FP協会『2022年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.13 ↗(www.jafp.or.jp)
引受基準緩和型終身医療保険の告知項目と加入要件
リスク管理 · 引受基準緩和型保険 / 告知義務 / 告知事項の判定
恵子さんが加入を検討している<資料:終身医療保障保険(無解約返戻金型)引受基準緩和特則付のパンフレット>に関する記述(ア)~(エ)について、適切なものには○、不適切なものには×を判定しなさい。
- ア
- 過去5年以内に、骨髄異形成症候群と新たに診断された場合は、この保険に申し込むことはできない。
- イ
- 過去1年以内に、病気やケガで入院したこと、または手術を受けたことがある場合は、他の告知項目が「いいえ」であっても、その入院の内容に関わらず、この保険に申し込むことはできない。
- ウ
- 最近3ヵ月以内に、がんの疑いで医師の精密検査を受けたが、検査の結果、がんの疑いが否定された場合は、他の告知項目が「いいえ」であれば、この保険に申し込むことができる。
- エ
- 入院中の場合でも、他の告知項目が「いいえ」であれば、その内容によってはこの保険に申し込むことができる。
解答・解説を表示
解答
(ア)○ (イ)× (ウ)○ (エ)×
解説
引受基準緩和型保険は告知項目が限定されていますが、パンフレット等に明記された対象疾患の定義(用語の説明)や引受不可の例外規定(入院中の加入不可など)に厳密に従って加入可否が判断されます。
解き方
- パンフレットに記載された3つの告知項目および「用語の説明」「ご注意ください」の各条件を確認する。
- 記述の事例ごとに、定義や例外規定(再検査での否定、告知項目2の特例、入院中の引受不可)と照合して加入可否を判定する。
小問ごとの答え
- 小問 ア:○
- パンフレットの用語の説明において「がん」には骨髄異形成症候群が含まれると明記されており、告知項目3が「はい」となるため引き受けできません。
- 小問 イ:×
- パンフレットには「2つ目の項目が『はい』に該当する場合でも、その内容によってはお引き受けできる場合があります」と注記されているため不適切です。
- 小問 ウ:○
- 告知項目1において「精密検査の結果、がんまたはその疑いが否定された場合は含みません」とされているため、該当項目は「いいえ」となり申込可能です。
- 小問 エ:×
- <ご注意ください>に「入院中の方は、いかなる場合もお引き受けできません」と定められているため不適切です。
覚えるポイント
- 引受基準緩和型保険の告知審査では、資料中の「用語の説明」に規定された病名範囲と「いかなる場合も引き受けできない条件」を厳密に読み取ること。
間違えやすいところ
- 告知項目2に該当したら一律不可と早合点しないこと(注記により内容次第で加入可能な例外がある)。
- 入院中であっても他の項目が「いいえ」なら加入できると誤解しないこと。
出題の前提:問題資料提示の保険商品パンフレットの約款・規定に基づく。
出典:日本FP協会『2022年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.14 ↗(www.jafp.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.jafp.or.jp)
建築基準法に基づく延べ面積の最高限度の計算
不動産 · 建築基準法 / 延べ面積の最高限度 / 容積率 / 2項道路 / セットバック
隆さんの自宅の土地に関する<資料>に基づき、建築基準法に従ってこの土地に建物を建築する場合の延べ面積(床面積の合計)の最高限度を計算しなさい。なお、記載のない条件については一切考慮しないこととする。
解答・解説を表示
解答
696㎡
解説
建築物の延べ面積の最高限度は、各用途地域ごとの「敷地面積×基準容積率」を求めて合算します。2項道路に面する場合はセットバック(道路後退)部分が敷地面積から除外されます。また、前面道路が2つ以上ある場合、最も広い幅員の道路を基準として各地域の道路幅員による容積率制限を算定し、指定容積率と比較して小さい方が基準容積率となります。
解き方
- セットバックによる有効敷地面積を算出する:東側の幅員2m市道は中心線から2m後退が必要なため、後退幅は(4m-2m)÷2=1mとなる。近隣商業地域の敷地面積は10m×12m=120㎡、第二種住居地域の敷地面積は(7m-1m)×12m=72㎡となる。
- 前面道路幅員による容積率の制限を判定する:前面道路幅員は最大の8mを採用する。近隣商業地域は8m×6/10=480%と指定400%を比較し小さい方の400%、第二種住居地域は8m×4/10=320%と指定300%を比較し小さい方の300%が基準容積率となる。
- 延べ面積の最高限度を計算する:(120㎡×400%)+(72㎡×300%)=480㎡+216㎡=696㎡となる。
覚えるポイント
- 2項道路の中心線から2m後退したセットバック部分は敷地面積から除外される。
- 前面道路が2以上あるときは、幅員の最大のもののみを前面道路とみなして道路幅員制限を計算する。
間違えやすいところ
- 幅員2mの道路に面する部分だからといって幅員2mで道路幅員制限を計算してしまうミス。
- セットバック幅(1m)の控除を忘れ、第二種住居地域の面積を7m×12m=84㎡として計算してしまう誤り。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の建築基準法第42条第2項、第52条
出典:日本FP協会『2022年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.16 ↗(www.jafp.or.jp)
個人向け国債(変動10年)の中途換金時の受取金額
金融資産運用 · 個人向け国債 / 変動10年 / 中途換金調整額 / 経過利子相当額
恵子さんの姉の佐藤さんは、発行日に購入した個人向け国債(第114回・変動10年・額面200万円)を2022年9月1日に全額中途換金した。この国債の中途換金時の受取金額として、正しいものはどれか。なお、計算過程および解答で円未満の端数が生じた場合は切り捨てること。
解答・解説を表示
解答
3
解説
個人向け国債を中途換金する場合の受取金額は、「額面金額+経過利子相当額-中途換金調整額」により計算されます。中途換金調整額は原則として直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685(本問の指示では便宜的に×0.8)として算出され、直近利払日からの経過利子相当額が加算されます。
解き方
- 経過利子相当額を計算する:利子計算期間(2022年4月16日~2022年10月15日)の適用利率は0.12%。経過日数は139日であるため、2,000,000円×0.12%×139/365=913.97…円となり、円未満切り捨てで913円となる。
- 中途換金調整額を計算する:直前2回分の各利子相当額は、直前1回(2021/10/16~2022/4/15、年0.05%)が2,000,000円×0.05%×6/12=500円、直前2回(2021/4/16~2021/10/15、年0.09%)が2,000,000円×0.09%×6/12=900円。合計1,400円に0.8を乗じて1,120円となる。
- 中途換金時の受取金額を算出する:額面2,000,000円+経過利子913円-中途換金調整額1,120円=1,999,793円となる。
- 選択肢 1不正解
- 直前2回分の利子計算に誤った利率を用いた場合などの計算結果であり、誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 経過利子相当額や中途換金調整額の算定手順に誤りがある数値です。
- 選択肢 3正解
- 経過利子相当額913円を加算し、直前2回分の利子相当額合計1,400円×0.8=1,120円を差し引いた1,999,793円で正解です。
- 選択肢 4不正解
- 中途換金調整額を差し引かずに計算した場合などの誤った数値です。
覚えるポイント
- 個人向け国債の中途換金調整額は「直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685(出題の指示に従う)」で計算する。
- 中途換金受取額=額面金額+経過利子相当額-中途換金調整額。
間違えやすいところ
- 直前2回分の利子計算において、過去の利払い期間ではなく中途換金日以降の期間の利率を使ってしまうミス。
- 経過利子相当額を加算するのを忘れ、額面から中途換金調整額だけを減算してしまうこと。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の個人向け国債発行条件および中途換金ルール
出典:日本FP協会『2022年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.17 ↗(www.jafp.or.jp)
海外旅行傷害保険の補償範囲
リスク管理 · 海外旅行傷害保険 / 損害保険の補償対象 / 携行品損害 / 賠償責任保険
横川綾乃さんが加入する海外旅行傷害保険に関する次の(ア)~(エ)の記述について、適切なものには○、不適切なものには×を選択しなさい。 (ア)綾乃さんが、2022年10月1日にハワイ旅行に出発するため、自宅から空港へ向かう途中の自動車事故によるケガで医師の治療を受けた場合、保険金の支払い対象となる。 (イ)綾乃さんが旅行中に、旅行先のハワイで細菌性食中毒になり、ハワイの病院に入院し医師の治療を受けた場合、保険金の支払い対象となる。 (ウ)綾乃さんが旅行中に、旅行先のハワイのホテルにパスポートを置き忘れて紛失した場合、保険金の支払い対象となる。 (エ)綾乃さんが旅行中に、旅行先のデパートで陳列品をうっかり破損してしまい、法律上の損害賠償責任を負った場合、保険金の支払い対象となる。
解答・解説を表示
解答
(ア)○ (イ)○ (ウ)× (エ)○
解説
海外旅行傷害保険は、海外旅行のために住居を出発してから帰着するまでの全行程における傷害・疾病・賠償責任・携行品損害等を幅広く補償しますが、携行品の単なる紛失や置き忘れは補償対象外(免責)となります。
解き方
- 保険期間の始期と終期(自宅出発から帰着まで)を確認し、自宅から空港への移動中の事故が補償対象に含まれるかを判定する。
- 疾病治療費用の補償範囲(細菌性食中毒が含まれるか)や、携行品損害における紛失・置き忘れの免責規定、個人賠償責任の適用要件をそれぞれ照合して正誤を判断する。
小問ごとの答え
- 小問 ア:○
- 海外旅行傷害保険の保険期間(責任期間)は「海外旅行の目的をもって住居を出発してから住居に帰着するまで」であるため、自宅から空港へ向かう途中の事故によるケガも補償対象となります。
- 小問 イ:○
- 海外旅行傷害保険の疾病治療費用保険金では、旅行行程中に発病した疾病に加え、細菌性食中毒やウイルス性食中毒による治療費用も保険金の支払い対象に含まれます。
- 小問 ウ:×
- 携行品損害保険金では盗難・破損・火災などによる損害は補償されますが、被保険者の置き忘れや紛失による損害は免責事由とされており、保険金の支払い対象となりません。
- 小問 エ:○
- 旅行中に誤って店舗の陳列品を破損させ、法律上の損害賠償責任を負った場合は、賠償責任保険金の支払い対象となります。
覚えるポイント
- 海外旅行傷害保険の責任期間は自宅を出た瞬間から帰宅するまでであり国内移動中も含まれる
- 携行品損害は盗難は補償されるが置き忘れ・紛失は補償対象外である
間違えやすいところ
- 国内での移動中だから対象外と勘違いしやすいが、住居を出発した時点から補償が開始される点に注意する
- 細菌性食中毒は普通傷害保険では原則対象外だが、海外旅行傷害保険では疾病治療費用等の対象となる点を取り違えやすい
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令・保険約款等に基づく。
出典:日本FP協会『2022年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.18 ↗(www.jafp.or.jp)
所得税の青色申告制度と青色申告特別控除
タックスプランニング · 青色申告承認申請書 / 青色申告特別控除 / 簡易帳簿 / 事業所得
個人事業主の所得税の青色申告制度に関する次の文章の空欄(ア)~(ウ)に入る適切な語句を語群の中から選び、その番号を記入しなさい。 ・新たに青色申告の申請をする人は、相続により業務を承継した場合を除き、原則として、その年の( ア )までに、また、その年の1月16日以後に新規に業務を開始した場合は、業務を開始した日から( イ )以内に、青色申告承認申請書を納税地の所轄税務署長に提出する。 ・事業所得を生ずべき事業のみを営む青色申告者で、その事業に係る取引を正規の簿記の原則によらず、簡易な記録の方法および記載事項による場合でも、事業所得について最高( ウ )の青色申告特別控除の適用を受けることができる。 <語群> 1. 1月15日 2. 2月15日 3. 3月15日 4. 1ヵ月 5. 2ヵ月 6. 3ヵ月 7. 10万円 8. 55万円 9. 65万円
- 1
- 1月15日
- 2
- 2月15日
- 3
- 3月15日
- 4
- 1ヵ月
- 5
- 2ヵ月
- 6
- 3ヵ月
- 7
- 10万円
- 8
- 55万円
- 9
- 65万円
解答・解説を表示
解答
(ア)3 (イ)5 (ウ)7
解説
所得税の青色申告制度の適用を受けるには所轄税務署長へ期限内に青色申告承認申請書を提出する必要があり、帳簿の種類(正規の簿記か簡易帳簿か)や電磁的記録・e-Taxの利用状況により青色申告特別控除額(10万円・55万円・65万円)が決定されます。
解き方
- 青色申告承認申請書の原則的な提出期限(適用を受けようとする年の3月15日)と、1月16日以降新規開業時の提出期限(業務開始日から2ヵ月以内)を確認する。
- 記帳水準が簡易簿記である場合の青色申告特別控除の最高限度額(10万円)を導き出し、各空欄に対応する語群の番号を選択する。
小問ごとの答え
- 小問 ア:3
- その年の分から新たに青色申告の適用を受けようとする場合は、原則としてその年の3月15日までに青色申告承認申請書を提出する必要があります。
- 小問 イ:5
- その年の1月16日以後に新規に開業(業務を開始)した場合は、開業した日から2ヵ月以内に青色申告承認申請書を提出しなければなりません。
- 小問 ウ:7
- 正規の簿記の原則(複式簿記)によらず簡易帳簿による記帳を行う場合でも、事業所得または不動産所得から最高10万円の青色申告特別控除の適用を受けられます。
覚えるポイント
- 青色申告承認申請書の提出期限:原則はその年の3月15日、1月16日以降開業の場合は2ヵ月以内
- 簡易帳簿による場合の青色申告特別控除額は最高10万円
間違えやすいところ
- 個人事業の開業届の提出期限(1ヵ月以内)と青色申告承認申請書の提出期限(2ヵ月以内)を混同しやすい
- 簡易帳簿でも55万円や65万円が控除できると誤解しないよう注意する(55万円・65万円は複式簿記が必須)
出題の前提:2022年4月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:日本FP協会『2022年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.19 ↗(www.jafp.or.jp)
老齢年金の繰上げ・繰下げ受給制度の改正
ライフプランニングと資金計画 · 老齢厚生年金 / 老齢基礎年金 / 繰上げ受給 / 繰下げ受給 / 年金制度改正法
2022年4月1日施行の年金制度改正による老齢年金の繰上げ受給および繰下げ受給に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 <資料> 受給開始時期(繰上げ・繰下げ受給制度)の選択肢の拡大について <改正後> 受給開始時期の上限を、*歳(70歳)から( ア )に引き上げる。( ア )から受給を開始した場合には、年金額は最大( イ )増額となる。 (参考)繰上げ・繰下げによる減額・増額率は請求時点(月単位)に応じて計算される。 ・繰上げ減額率=<改正前> 0.5% ×繰り上げた月数 <改正後>( ウ )×繰り上げた月数 ・繰下げ増額率=0.7%×繰り下げた月数
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解答
4
解説
2022年4月施行の年金制度改正法により、老齢年金の受給開始時期の選択肢が60歳から75歳(改正前は60歳から70歳)に拡大されました。繰下げ受給は1月あたり+0.7%増額され、75歳まで繰り下げた場合の最大増額率は84%となります。また、繰上げ受給の減額率は、平均余命の伸長等を勘案し、従来の月0.5%から月0.4%へと引き下げられました。
解き方
- 繰下げ受給の上限年齢を確認する:2022年4月1日より上限が70歳から75歳に引き上げられたため、(ア)は「75歳」となります。
- 繰下げによる最大増額率を計算する:65歳から75歳までの繰下げ月数は120月(10年×12月)であり、月あたり0.7%の増額となるため、0.7%×120月=84%となり、(イ)は「84%」となります。
- 改正後の繰上げ減額率を確認する:2022年4月1日以降に60歳に到達する者の繰上げ減額率は、1月あたり0.5%から0.4%に引き下げられたため、(ウ)は「0.4%」となります。
- 選択肢 1不正解
- 受給開始上限は75歳(80歳ではない)であり、改正後の繰上げ減額率は0.4%(0.5%は改正前の率)であるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 受給開始上限は75歳(80歳ではない)であり、75歳まで繰り下げた場合の増額率は84%(42%は従来の70歳繰下げ時の増額率)であるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 75歳まで繰り下げた場合の最大増額率は84%(42%ではない)であり、改正後の繰上げ減額率は0.4%(0.5%ではない)であるため誤りです。
- 選択肢 4正解
- (ア)75歳、(イ)84%(0.7%×120月)、(ウ)0.4%(月あたり減額率)の組み合わせであり、すべて正しく記述されています。
覚えるポイント
- 繰下げ増額率は月0.7%(75歳で最大+84%)、繰上げ減額率は月0.4%(60歳で最大▲24%、2022年4月改正後)です。
間違えやすいところ
- 従来の70歳繰下げ時の最大増額率42%(0.7%×60月)や従来の繰上げ減額率0.5%と混同しないように注意が必要です。
出題の前提:2022年4月1日施行の年金制度改正法に基づく規定
出典:日本FP協会『2022年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.20 ↗(www.jafp.or.jp) / 公式模範解答 p.1 ↗(www.jafp.or.jp)
店舗併用住宅等の贈与と贈与税の配偶者控除・贈与税額の計算
相続・事業承継 · 贈与税 / 贈与税の配偶者控除 / 店舗併用住宅 / 持分贈与 / 税額計算
松下さんが所有する店舗併用住宅(相続税評価額1,800万円、居住用割合3分の1)とその敷地(同3,000万円、居住用割合3分の1)について持分2分の1ずつを妻に贈与した場合、妻が納付すべき2022年分の贈与税額として、正しいものはどれか。なお、妻は贈与税の配偶者控除の適用を受けるものとし、要件はすべて満たしており、納付すべき贈与税額が最も少なくなるように計算すること。
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解答
3
解説
贈与税の配偶者控除(最高2,000万円)は居住用不動産またはその取得資金の贈与が対象です。店舗併用住宅とその敷地の持分贈与を受けた場合、受贈者が取得した持分の価額のうち、建物および敷地全体の居住用部分に相当する価額までは、居住用部分を優先して取得したものとして配偶者控除の対象に含めることができます。
解き方
- 贈与により取得した財産の評価額を計算する:建物は1,800万円×1/2=900万円、宅地は3,000万円×1/2=1,500万円となり、贈与税評価額の合計は2,400万円です。
- 配偶者控除の対象額を算出する:建物全体の居住用部分は1,800万円×1/3=600万円、宅地全体の居住用部分は3,000万円×1/3=1,000万円です。取得した持分価額(建物900万円、宅地1,500万円)の範囲内であるため、居住用部分の全額である1,600万円(600万円+1,000万円)について配偶者控除(限度額2,000万円以内)を適用します。
- 基礎控除後の課税価格を計算する:贈与財産価額2,400万円-配偶者控除額1,600万円-基礎控除額110万円=690万円となります。
- 速算表に基づき贈与税額を計算する:690万円×税率40%-控除額125万円=276万円-125万円=1,510,000円となります。
- 選択肢 1不正解
- 課税価格や控除額の計算が誤っています。本問の条件で正しく計算すると1,510,000円となります。
- 選択肢 2不正解
- 配偶者控除の上限2,000万円を一律に控除した誤った計算結果等に基づく数値であり不適切です。
- 選択肢 3正解
- 配偶者控除額1,600万円および基礎控除額110万円を控除した課税価格690万円に対し、一般税率(40%-控除額125万円)を適用して求めた1,510,000円であり正しいです。
- 選択肢 4不正解
- 居住用割合を持分取得分に対してのみ機械的に按分(取得した2,400万円×1/3=800万円を控除)した場合などの計算であり、税額が最も少なくなる方法になっていません。
覚えるポイント
- 店舗併用住宅の持分贈与では、贈与税額が最も少なくなるよう、建物・敷地の居住用部分を優先的に取得したものとして配偶者控除(上限2,000万円)を適用できます。
間違えやすいところ
- 取得した持分(2分の1)に対して居住用割合(3分の1)を二重に乗じて配偶者控除額を800万円と過小に計算してしまうミスに注意してください。
出題の前提:2022年4月1日現在施行の法令等(相続税法第21条の6、租税特別措置法通達70の2-4、70の2-5)
出典:日本FP協会『2022年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.21 ↗(www.jafp.or.jp) / 公式模範解答 p.1 ↗(www.jafp.or.jp)
健康保険の傷病手当金の支給要件および計算方法
リスク管理 · 健康保険 / 傷病手当金 / 待期期間 / 支給期間の通算化
横川颯太さんは2022年5月1日の公休日に交通事故で負傷し、5月31日まで労務不能として継続休業した(6月1日復帰)。全国健康保険協会(協会けんぽ)の被保険者である颯太さんの傷病手当金に関する記述(ア)~(エ)の正誤を判定しなさい。 <資料> [標準報酬月額の状況] ・2020年9月~2021年8月:220,000円 ・2021年9月~2022年8月:240,000円 [1日当たりの計算式(10円未満四捨五入)] 支給開始月以前の直近継続12ヵ月間の各月の標準報酬月額平均額 × 1/30 × 2/3 (ア)傷病手当金は、土日や祝日などの公休日を除く連続した3日間の休業(待期期間)の後、5月12日から支給される。 (イ)5月下旬において自宅療養していた期間があるが、傷病手当金は自宅療養の期間についても支給される。 (ウ)支給される傷病手当金の額は、2021年6月から2022年5月までの12ヵ月間の標準報酬月額に基づいて計算される。 (エ)職場復帰後、今回のケガが悪化して再び休業した場合、傷病手当金は支給開始日から通算して1年6ヵ月間支給される。
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解答
(ア)× (イ)○ (ウ)○ (エ)○
解説
健康保険の傷病手当金は、被保険者が業務外の事由による病気やケガの療養のために労務不能となり、給与の支払いを受けられない場合に生活を保障する給付です。連続3日間の待期完成後の4日目から支給され、支給期間は2022年1月より通算化されました。
解き方
- 待期期間の考え方(公休日・有給休暇を含む連続3日間)を確認し、支給開始日(4日目)を特定する。
- 入院中だけでなく医師の証明に基づく自宅療養期間も労務不能として支給対象になることを確認する。
- 支給開始月(2022年5月)以前の直近継続12ヵ月間(2021年6月~2022年5月)が基準となることを確認する。
- 2022年1月改正による支給期間の「通算化(最大1年6ヵ月分)」の規定を適用する。
小問ごとの答え
- 小問 ア:×
- 待期期間(労務不能となって連続する3日間)には、有給休暇や土日・祝日などの公休日も含まれます。したがって5月1日(日)から5月3日(火・祝)の3日間で待期が完成し、4日目の5月4日(水・祝)から支給対象となるため、「公休日を除く」「5月12日から支給」とする本記述は誤りです。
- 小問 イ:○
- 傷病手当金は、医師等により労務不能と認められれば入院中だけでなく自宅療養の期間であっても支給要件を満たすため、本記述は適切です。
- 小問 ウ:○
- 傷病手当金の1日当たりの支給額は「支給開始日以前の直近の継続した12ヵ月間の各月の標準報酬月額の平均額」を基礎とします。支給開始日は2022年5月4日(5月中)であるため、直近12ヵ月は2021年6月から2022年5月までとなり、本記述は適切です。
- 小問 エ:○
- 2022年1月1日施行の法改正により、傷病手当金の支給期間は「支給開始日から起算して1年6ヵ月」から「支給開始日から通算して1年6ヵ月」に改められました。途中で出勤した期間は除外され、実際に支給された日数の合計が1年6ヵ月分に達するまで受給可能となったため、本記述は適切です。
覚えるポイント
- 待期期間の3日間には土日・祝日などの公休日や有給休暇も含まれる
- 2022年1月改正により傷病手当金の支給期間は「起算して1年6ヵ月」から「通算して1年6ヵ月」に変更された
間違えやすいところ
- 待期3日間に公休日が含まれないと誤解して支給開始日を誤る
- 旧制度の「支給開始日から1年6ヵ月経過で終了」というルールと混同する
出題の前提:2022年4月1日現在施行の健康保険法(2022年1月改正後の傷病手当金通算化規定)
出典:日本FP協会『2022年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.22 ↗(www.jafp.or.jp)
みなし相続財産(退職手当金等)の課税価格算入額の計算
タックスプランニング · みなし相続財産 / 退職手当金等の非課税限度額 / 弔慰金の非課税限度額 / 相続放棄
被相続人(2022年6月10日死亡、業務外死亡、死亡時普通給与月額70万円)の配偶者が受け取った次の退職手当金等のうち、みなし相続財産(退職手当金等)として配偶者の相続税の課税価格に算入される金額(非課税金額控除後)として正しいものを1つ選びなさい。 <受取額の内訳> ・退職手当金:2,500万円(規程に基づく、6月20日支給確定・6月30日支払) ・弔慰金:500万円(規程に基づく、6月20日支給確定・6月30日支払、実質的退職金に該当せず) ・給与:70万円(6月分給与、支給期6月30日・6月30日支払) <相続人の状況> 法定相続人:配偶者、長男、長女(相続放棄)の計3人
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解答
2
解説
被相続人の死亡によって支払われる退職手当金等や業務外死亡の弔慰金のうち普通給与6ヵ月分を超える部分は、みなし相続財産(退職手当金等)として扱われます。「500万円×法定相続人の数」までの非課税枠が認められ、法定相続人の数には相続放棄をした者も算入します。一方、死亡後に期日が到来した未支給給与は本来の相続財産となります。
解き方
- 受取項目の分類:退職手当金2,500万円は退職手当金等。給与70万円は本来の相続財産(未支給給与)のため除外。
- 弔慰金の判定:業務外死亡のため非課税限度額は月額給与70万円×6ヵ月=420万円。受取500万円との差額80万円(500万円-420万円)が退職手当金等として加算される。
- 退職手当金等の総額の計算:2,500万円 + 80万円 = 2,580万円。
- 非課税限度額の計算:法定相続人の数は相続放棄者(長女)を含めて3人(配偶者、長男、長女)。非課税限度額=500万円 × 3人 = 1,500万円。
- 課税価格算入額の算出:2,580万円 - 1,500万円 = 1,080万円。
- 選択肢 1不正解
- 弔慰金の超過額(80万円)の退職手当金等への加算を忘れた場合(2,500万円-1,500万円=1,000万円)の金額であり、誤りです。
- 選択肢 2正解
- 退職手当金等(2,500万円+超過弔慰金80万円=2,580万円)から非課税枠(500万円×3人=1,500万円)を控除した1,080万円となり正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 未支給給与70万円を加算するなど受取区分の算定を誤っているため不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 相続放棄者を非課税限度額の法定相続人の数から除外して計算した値(非課税枠1,000万円として2,580万円-1,000万円=1,580万円)であり、誤りです。
覚えるポイント
- 業務外死亡の弔慰金の非課税枠は普通給与月額の6ヵ月分(業務上死亡は36ヵ月分)
- 退職手当金等の非課税限度額(500万円×法定相続人の数)の計算では相続放棄した者も法定相続人に含める
間違えやすいところ
- 相続放棄をした長女を法定相続人の数から除外して非課税枠を1,000万円としてしまう
- 弔慰金の非課税限度額(普通給与6ヵ月分)の超過分を退職手当金等に算入し忘れる
- 死亡後の未支給給与を退職手当金等と混同して非課税枠の対象に含めてしまう
出題の前提:2022年4月1日現在施行の相続税法第3条、第12条(退職手当金等の非課税、弔慰金の取扱い)
出典:日本FP協会『2022年9月 1級 実技(資産設計提案業務)』
公式問題 p.23 ↗(www.jafp.or.jp)
2022年9月 1級 実技(資産設計提案業務)
参照した公式資料
日本FP協会が公開した2022年9月 1級 実技(資産設計提案業務)の問題・解答資料です。

