旧制度の午前・午後と、2023年度以降の科目A・科目Bの公開問題を区別しています。現在の試験対策では現行シラバスと科目Bの形式を確認してください。公開問題は本試験の全出題を網羅する資料ではありません。
2018年度 秋期 午前の概要
16進小数の10進分数への変換
テクノロジ系 · 基数変換 / 小数表現
16進数の小数 0.248 を10進数の分数で表現したものとして、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:16進数の小数は、各桁が16のマイナス乗(1/16、1/256…)の重みをもつので、桁ごとに重みを掛けて足し、最後に約分します。小数第1位は1/16、第2位は1/256、第3位は1/4096です。各桁の数字に重みを掛けて合計し、得られた分数を簡単にすれば答えが出ます。
解き方
- 16進数0.248を各桁の重みに分けて、2/16+4/256+8/4096=(512+64+8)/4096=584/4096 と計算します。
- 求めた 584/4096 を分子と分母の公約数8で割って約分すると、73/512 になります。
- 選択肢 ア不正解
- 31/32 は10進数で0.96875となり、0.248_(16)(約0.1426)とは値が合いません。
- 選択肢 イ不正解
- 31/125 は10進数の0.248を分数にしたもので、16進小数の変換結果ではありません。
- 選択肢 ウ不正解
- 分子が約分前の正しい数になっていないため、正しい計算結果ではありません。
- 選択肢 エ正解
- 584/4096 を8で約分した 73/512 であり、正しい値です。
覚えるポイント
- 16進小数の各桁の重みは16^(-1)=1/16、16^(-2)=1/256、16^(-3)=1/4096であることを確実に押さえましょう。
間違えやすいところ
- 10進数の0.248と混同して、248/1000=31/125(選択肢イ)を選ぶ誤りがよくあります。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問1出題条件
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.3 ↗(www.ipa.go.jp)
最下位の1ビットを取り出すビット演算
テクノロジ系 · ビット演算 / 論理演算 / アルゴリズム
少なくとも1つの1を含むビット列に対して、最も右(最下位側)にある1を残し、他のビットをすべて0にするアルゴリズムがある。ビット列Aから1を引いた結果をBとし、AとBの排他的論理和(XOR)を結果Cとするとき、手順3において「AとCの [ a ] を求め、結果をAとする」の [ a ] に入る論理演算として適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:Aから1を引くと、最も右側の1が0になり、その下の0はすべて1に変わります。そこで A XOR (A-1) を計算すると、最も右側の1とその下のビットがすべて1になったマスクが得られます。このマスクと元のAの論理積(AND)をとると、最も右側の1だけが残ります。
解き方
- 問題の例 A=00101000 で追います。手順1でAから1を引くと B=00100111 になります。
- 手順2で A XOR B を求めると、違うビットが1になるので C=00001111 になります。
- A(00101000) と C(00001111) から 00001000 を得るには、両方1の箇所だけを残す論理積(AND)を使います。
- 選択肢 ア不正解
- A XOR C は 00100111 となり、最も右の1以外のビットも残るため不適切です。
- 選択肢 イ不正解
- A NAND C は 11110111 となり、最も右の1だけが0になってしまうため不適切です。
- 選択肢 ウ正解
- A AND C は 00001000 となり、最も右の1だけを残せます。
- 選択肢 エ不正解
- A OR C は 00101111 となり、目的のビット列にならないため不適切です。
覚えるポイント
- XORと減算を組み合わせたビットトリックでは、最下位ビットの操作パターンとしてAND演算がよく使われます。
間違えやすいところ
- 具体例を代入せずに抽象的な論理式だけで考えると、ANDとORを混同しやすいので注意しましょう。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問2出題条件
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.3 ↗(www.ipa.go.jp)
機械学習の定義
テクノロジ系 · 人工知能 / 機械学習
AI(人工知能)における機械学習の説明として、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:機械学習とは、コンピュータに大量のデータを読み込ませて、パターンやルールを自分で見つけさせる技術です。人間が経験から学ぶのと同じように、未知のデータについて予測や判断ができるようになります。
解き方
- 各選択肢が表している技術分野(人工生命、エキスパートシステム、eラーニングなど)を確認します。
- データからパターンを見つけ、人間の学習能力をまねるという「機械学習」の定義に合う記述を選びます。
- 選択肢 ア正解
- ためたデータから規則性やパターンを自動で見つける技術で、機械学習の正しい説明です。
- 選択肢 イ不正解
- 生命現象や生物の進化を再現する技術で、人工生命や遺伝的アルゴリズムの説明です。
- 選択肢 ウ不正解
- 専門家の知識をルールとして組み込み推論する技術で、エキスパートシステムの説明です。
- 選択肢 エ不正解
- Webなどで人の学習や教材管理を助ける技術で、eラーニングやLMSの説明です。
覚えるポイント
- 機械学習は「データから規則性・パターンを自律的に学習する技術」、エキスパートシステムは「人間が与えたルール・知識ベースで推論する技術」です。
間違えやすいところ
- 第2次AIブームのエキスパートシステム(知識工学)と、第3次AIブームの機械学習を混同しないようにしましょう。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問3出題条件
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.3 ↗(www.ipa.go.jp)
ハフマン符号化の符号決定
テクノロジ系 · データ構造とアルゴリズム / ハフマン符号化 / データ圧縮
出現頻度の異なる A, B, C, D, E の5文字で構成される通信データをハフマン符号化によって圧縮する。出現頻度(%)が A: 26, B: 25, C: 24, D: 13, E: 12 であり、符号として A=00, B=01, C=10, E=111 が割り当てられているとき、D に割り当てられる符号 a として適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:ハフマン符号化では、どの符号も他の符号の先頭部分(接頭語)にならないように符号を作ります。そのため、同じ親から分かれた兄弟の符号は最後の1ビットだけが0と1で異なります。
解き方
- 既知の符号を確認します。A(00)、B(01)、C(10) がすでに長さ2の接頭語として決まっています。
- 接頭語「11」のノードから E(12%) と D(13%) に分かれます。Eが「111」なので、兄弟のDには「110」が割り当てられます。
- 選択肢 ア不正解
- 001 は符号 A(00) を先頭に含むため、ハフマン符号の条件を満たしません。
- 選択肢 イ不正解
- 010 は符号 B(01) を先頭に含むため、一意に復号できず不適切です。
- 選択肢 ウ不正解
- 101 は符号 C(10) を先頭に含むため、一意に復号できず不適切です。
- 選択肢 エ正解
- 110 は他の符号と重ならず、E(111) とともに節点11から分かれた兄弟として適切です。
覚えるポイント
- ハフマン符号はプレフィックス符号(接頭語を含まない符号)であるため、既存の符号で始まるビット列は割り当てられません。
間違えやすいところ
- 木を最初から作ると出現頻度の同率の処理で迷いやすいので、既存の符号(00、01、10、111)を先頭に含まないものを探すと確実です。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問4出題条件
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.4 ↗(www.ipa.go.jp)
待ち行列(キュー)の基本操作
テクノロジ系 · データ構造 / キュー / FIFO
待ち行列に対する操作を次のとおり定義する。ENQ n:待ち行列にデータnを挿入する。DEQ:待ち行列からデータを取り出す。空の待ち行列に対し、ENQ 1, ENQ 2, ENQ 3, DEQ, ENQ 4, ENQ 5, DEQ, ENQ 6, DEQ, DEQ の操作を行った。次に DEQ 操作を行ったとき、取り出されるデータはどれか。
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解答
ウ
解説
まず要点:待ち行列(キュー)は、先に入れたデータを先に取り出す先入れ先出し(FIFO)のデータ構造です。ENQで末尾にデータを追加し、DEQでは先頭にある最も古いデータから順に取り出します。
解き方
- ENQ 1、ENQ 2、ENQ 3 でキューは [1, 2, 3] になります。
- DEQ で 1 が取り出され、キューは [2, 3] になります。
- ENQ 4、ENQ 5 でキューは [2, 3, 4, 5] になります。
- DEQ で 2 が取り出され、キューは [3, 4, 5] になります。
- ENQ 6 でキューは [3, 4, 5, 6] になります。
- DEQ で 3 が取り出され、さらに DEQ で 4 が取り出されて、キューには [5, 6] が残ります。
- 次に DEQ を行うと、先頭にある 5 が取り出されます。
- 選択肢 ア不正解
- 1 は1回目のDEQですでに取り出されています。
- 選択肢 イ不正解
- 2 は2回目のDEQですでに取り出されています。
- 選択肢 ウ正解
- 4回のDEQを終えた時点でキューの先頭は 5 なので、次は 5 が取り出されます。
- 選択肢 エ不正解
- 6 は 5 より後ろ(キューの末尾)にあるので、その次のDEQで取り出されます。
覚えるポイント
- キュー(待ち行列)は先入れ先出し(FIFO)、スタックは後入れ先出し(LIFO)です。
間違えやすいところ
- スタック(LIFO)と混同して、最後に追加した値を取り出してしまう間違いに注意しましょう。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問5出題条件
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.4 ↗(www.ipa.go.jp)
クイックソートの特徴とアルゴリズム
テクノロジ系 · アルゴリズム / 整列アルゴリズム / クイックソート
整列アルゴリズムの一つであるクイックソートの処理方法を説明したものはどれか。
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解答
ウ
解説
まず要点:クイックソートは、基準値(ピボット)より小さいグループと大きいグループにデータを分ける操作を繰り返す整列法です。分けた各グループでも同じように基準値を選んで分割し、これを再帰的に繰り返して並べていきます。
解き方
- 各選択肢がどの整列法を説明しているか照合します(挿入ソート、選択ソート、クイックソート、バブルソート)。
- 「基準値を選び、大小のグループに分割する操作を繰り返す」というクイックソートの特徴に合うウを選びます。
- 選択肢 ア不正解
- 整列済みの列の正しい位置に要素を挿入していく挿入ソートの説明です。
- 選択肢 イ不正解
- 最小値(または最大値)を順に選んで並べていく選択ソートの説明です。
- 選択肢 ウ正解
- ピボットで大小のグループに分ける操作を再帰的に繰り返す、クイックソートの正しい説明です。
- 選択肢 エ不正解
- 隣り合う要素を比べて交換しながら端へ寄せるバブルソートの説明です。
覚えるポイント
- クイックソートは「基準値(ピボット)によるグループ分割と再帰」が最大のキーワードです。平均計算量はO(n log n)です。
間違えやすいところ
- マージソート(1個ずつになるまで分割してから統合する)とクイックソート(ピボットで大小に分ける)の分割方法の違いを混同しないようにしましょう。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問6出題条件
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.5 ↗(www.ipa.go.jp)
コーディング規約の適切な規定
テクノロジ系 · ソフトウェア開発 / コーディング規約 / 信頼性設計
プログラムのコーディング規約に規定する事項のうち、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:コーディング規約は、プログラムの読みやすさ・保守性・安全性を高め、バグを防ぐために決められます。メモリ確保に失敗したときの処理を書くことは、ポインタの不正な参照による停止を防ぐ大切な規約です。
解き方
- 各選択肢について、バグを招いたり保守性を下げたりしないか、安全面から検討します。
- メモリ確保失敗時のエラー処理を行うエが、堅牢性を高める標準的な規約として妥当だと確認します。
- 選択肢 ア不正解
- 変数の使い回しは読みにくさを招き、初期化漏れなどのバグの原因になるので避けるべきです。
- 選択肢 イ不正解
- 浮動小数点型は丸め誤差が出てループの終了判定が狂う恐れがあるため、ループ制御には整数型を使います。
- 選択肢 ウ不正解
- 単純な繰り返しに再帰呼出しを使うと、スタックオーバーフローや余分な負荷の原因になるので通常のループを使います。
- 選択肢 エ正解
- メモリ確保に失敗したときのエラー処理を書くことは、システム停止を防ぐための必須の規約です。
覚えるポイント
- 動的メモリ割付けを行う際は、必ず戻り値がNULL(確保失敗)でないかを検査するエラーハンドリングが必要です。
間違えやすいところ
- 変数の再利用がメモリ節約になると考えてアを選んだり、再帰呼出しを常に良い技法だと誤解しないようにしましょう。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問7出題条件
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.5 ↗(www.ipa.go.jp)
Java言語の言語仕様上の特徴
テクノロジ系 · プログラム言語 / Java / オブジェクト指向 / ガベージコレクション
プログラミング言語 Java の特徴として、適切なものはどれか。
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解答
エ
解説
まず要点:Javaは安全性と移植性を重視したオブジェクト指向言語で、不要になったメモリを自動で解放するガベージコレクションをもちます。ポインタ演算やクラスの多重継承はなくし、JVMが不要なオブジェクトを自動で片付けます。
解き方
- Javaの基本特徴(単一継承、基本データ型の存在、ポインタの排除、ガベージコレクション)を整理します。
- 選択肢を比べ、自動メモリ管理であるガベージコレクションを正しく説明しているエを選びます。
- 選択肢 ア不正解
- Javaのクラス継承は単一継承だけで、複数のスーパクラスをもつ多重継承は認められていません。
- 選択肢 イ不正解
- intやcharなどの基本データ型はクラスではなく、値としてそのまま扱われます。
- 選択肢 ウ不正解
- Javaは安全性のためポインタ型を用意しておらず、メモリの絶対アドレスは直接扱えません。
- 選択肢 エ正解
- 不要になったメモリを自動で解放するガベージコレクションがJVMに備わっています。
覚えるポイント
- Javaの重要特徴:クラスの多重継承なし、ポインタ演算なし、ガベージコレクションあり、基本データ型(非オブジェクト)あり。
間違えやすいところ
- C++と混同して「多重継承ができる」「ポインタがある」と誤解するケースが多いので注意しましょう。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問8出題条件
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.6 ↗(www.ipa.go.jp)
CPUの平均命令実行時間とMIPSの計算
テクノロジ系 · プロセッサアーキテクチャ / MIPS / CPI / クロック周波数
動作クロック周波数が700MHzのCPUにおいて、各命令の種別、実行に必要なクロック数、出現率が下表の通りである場合、このCPUの処理性能はおよそ何MIPSか。 [命令実行に必要なクロック数と出現率] ・レジスタ間演算:実行クロック数 4、出現率 30% ・メモリ・レジスタ間演算:実行クロック数 8、出現率 60% ・無条件分岐:実行クロック数 10、出現率 10%
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:このCPUの処理性能はおよそ100MIPSです。MIPSは1秒間に実行できる命令数を100万単位で表す指標です。命令ごとに必要なクロック数と出現率を掛けて足し合わせ、1命令あたりの平均クロック数(CPI:Cycles Per Instruction)を求めます。その値でクロック周波数を割ると、1秒間に実行できる命令数が分かります。
解き方
- 各命令の実行クロック数に出現率を掛けて足し合わせ、1命令あたりの平均クロック数(CPI)を求めます(4×0.3+8×0.6+10×0.1=7クロック)。
- クロック周波数700MHz(1秒に700×10^6回)を平均クロック数7で割り、1秒あたりに実行できる命令数を求めます(100×10^6命令/秒)。
- 求めた命令数を100万(10^6)で割ってMIPSの値を求めます(100MIPS)。
- 選択肢 ア不正解
- 10MIPSは、クロック数と出現率の掛け算や割り算で単位を間違えたときに導かれる値です。
- 選択肢 イ不正解
- 50MIPSは、平均クロック数の求め方や計算の手順を間違えて出てしまう値です。
- 選択肢 ウ不正解
- 70MIPSは、クロック周波数700MHzの先頭の数字70と平均クロック数7を混同した間違いです。
- 選択肢 エ正解
- 平均クロック数は7となり、700MHzのCPUでは毎秒1億回の命令を実行できるので、100MIPSが正しい値です。
覚えるポイント
- MIPS = クロック周波数(Hz) ÷ (CPI × 10^6)
- CPIは各命令の必要クロック数と出現率の加重平均で求める
間違えやすいところ
- 出現率のパーセントを小数に直し忘れて、桁を間違えること
- MIPSが100万単位であることを忘れて、命令数をそのまま答えてしまうこと
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問9問題文及び公式解答
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.6 ↗(www.ipa.go.jp) / 公式解答例 p.1 ↗(www.ipa.go.jp)
割込み処理におけるレジスタの保存
テクノロジ系 · プロセッサアーキテクチャ / 割込み処理 / プログラムカウンタ
割込み処理の終了後に、割込みによって中断された処理を元の実行箇所から正しく再開するために、割込み発生時にプロセッサが退避・保存するものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:割込み発生時に退避・保存するのはプログラムカウンタです。割込みが起きると、CPUは実行中の処理を中断し、割込みハンドラという専用の処理を実行します。中断された処理を元の場所から正しく再開するには、次に実行する予定だった命令の番地を示すプログラムカウンタ(およびステータスレジスタ)を保存しておく必要があります。
解き方
- 各レジスタがCPUの中でどんな役割を持つか(アドレス計算、データ保持、命令保持、次の命令位置の保持など)を整理します。
- 処理を再開するときに「次に実行する命令の番地」を示すのに必要なレジスタがプログラムカウンタだと特定します。
- 選択肢 ア不正解
- インデックスレジスタは、アドレス修飾(インデックス修飾)で基準アドレスに足す値を入れておくレジスタです。
- 選択肢 イ不正解
- データレジスタは演算の対象や結果を入れておくレジスタで、再開する番地そのものを入れるものではありません。
- 選択肢 ウ正解
- プログラムカウンタは次に実行する命令の番地を持っているので、これを保存して戻せば元の位置から再開できます。
- 選択肢 エ不正解
- 命令レジスタは今から解読・実行する命令そのものを入れておくレジスタで、再開する番地を示すものではありません。
覚えるポイント
- プログラムカウンタ(PC)は『次に実行する命令のアドレス』を保持する
- 割込み時にはPCやステータスレジスタ等のプロセッサ状態がスタックに保存される
間違えやすいところ
- 命令そのものを入れる命令レジスタと、次の命令の番地を入れるプログラムカウンタを混同すること
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問10問題文及び公式解答
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.6 ↗(www.ipa.go.jp) / 公式解答例 p.1 ↗(www.ipa.go.jp)
ECCメモリに必要な冗長ビット数の計算
テクノロジ系 · 主記憶装置 / ECC / ハミング符号
メモリのエラー検出及び訂正にECCを利用している。データバス幅が 2^n ビットのときに冗長ビットが n+2 ビット必要であるとする。128ビットのデータバス幅に対して必要となる冗長ビットは何ビットか。
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:128ビットのデータに必要な冗長ビットは9ビットです。1ビットの誤りを訂正し2ビットの誤りを検出するECC(誤り訂正符号)では、データ長に応じて決まった数の冗長ビット(チェック用の余分なビット)が必要です。この問題では、データ幅が2のべき乗(2^n)のとき冗長ビットが n+2 ビットと与えられているので、128を2のべき乗で表してnを求め、式に当てはめます。
解き方
- 与えられたデータ幅128ビットを2のべき乗の形(2^n)で表し、nを求めます(128=2^7なのでn=7)。
- 与えられた式「冗長ビット=n+2」にn=7を入れて計算します(7+2=9)。
- 選択肢 ア不正解
- 7は128=2^7の指数nの値そのもので、+2をしていないため間違いです。
- 選択肢 イ不正解
- 8は64ビット(2^6)のときの冗長ビット数(6+2=8)であり、128ビットの値ではありません。
- 選択肢 ウ正解
- 128=2^7なのでn=7となり、必要な冗長ビット数は7+2=9ビットになります。
- 選択肢 エ不正解
- 10は256ビット(2^8)のときの冗長ビット数(8+2=10)であり、128ビットの値ではありません。
覚えるポイント
- 128は2の7乗(2^7)
- 問題に明記された数式条件(2^n に対し n+2)を正確に読み取って適用する
間違えやすいところ
- 128ビットを2^8と勘違いして、8+2=10としてしまう間違い
- nの値(7)をそのまま冗長ビット数だと思って選んでしまう間違い
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問11問題文及び公式解答
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.7 ↗(www.ipa.go.jp) / 公式解答例 p.1 ↗(www.ipa.go.jp)
USB 3.0の規格と特徴
テクノロジ系 · 入出力インターフェース / USB 3.0 / スーパースピード
コンピュータと周辺機器を接続するインターフェース規格である USB 3.0 の説明として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:USB 3.0はスーパースピードと呼ばれる5Gビット/秒の転送モードを持つ規格です。USB(Universal Serial Bus)はバージョンごとに転送速度とモード名が決まっています。USB 1.1はロースピード(1.5Mbps)とフルスピード(12Mbps)、USB 2.0はハイスピード(480Mbps)、USB 3.0はスーパースピード(5Gbps)です。
解き方
- 各選択肢がどのインターフェース規格の特徴を述べているかを比べます。
- USB 3.0の最大転送速度が5Gbpsであり、転送モード名がスーパースピード(SuperSpeed)であることを確認します。
- 選択肢 ア不正解
- 4対のより対線を使ってギガビット通信をする1000BASE-T(有線LAN)などの説明です。
- 選択肢 イ不正解
- ATA仕様をシリアル化したものはSATA(シリアルATA)という別の規格の説明です。
- 選択肢 ウ不正解
- アイソクロナス転送やブロードキャスト転送モードを特徴とするのはIEEE 1394などの説明です。
- 選択肢 エ正解
- USB 3.0はスーパースピードと呼ばれる5Gbps(ギガビット/秒)の転送モードを持つシリアルインターフェースです。
覚えるポイント
- USB 2.0: ハイスピード(480Mbps)
- USB 3.0: スーパースピード(5Gbps)
- USB 3.1 Gen 2: スーパースピードプラス(10Gbps)
間違えやすいところ
- SATA規格や有線LAN規格の説明と混同すること
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問12問題文及び公式解答
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.7 ↗(www.ipa.go.jp) / 公式解答例 p.1 ↗(www.ipa.go.jp)
3層クライアントサーバシステムの構成と役割分担
テクノロジ系 · システム構成技術 / Webシステム / Webサーバ / アプリケーションサーバ
Webシステムにおいて、Webサーバとアプリケーション(AP)サーバを異なる物理サーバに配置する場合のメリットとして、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:WebサーバとAPサーバを分けると、リクエストの種類によって処理を分担できます。Web3層アーキテクチャでは、クライアントの窓口となり静的コンテンツ(変わらない内容)を配信するWebサーバ、業務の処理を行うアプリケーション(AP)サーバ、データ管理を行うデータベース(DB)サーバに役割を分けます。物理的にサーバを分けることで、性能と保守性を高められます。
解き方
- WebサーバとAPサーバの典型的な役割(Webサーバ:静的コンテンツの配信・リクエストの受け付け、APサーバ:業務処理の実行)を確認します。
- 物理サーバを分けることの利点(負荷分散、拡張しやすさ、セキュリティ向上など)に合う選択肢を選びます。
- 選択肢 ア不正解
- クライアントの実行環境はWebブラウザ側にあり、Webサーバに実装されるわけではありません。
- 選択肢 イ不正解
- 文字コードの変換は、サーバを物理的に分ける主な目的やメリットではありません。
- 選択肢 ウ不正解
- データアクセスを伴う業務ロジックはWebサーバではなく、APサーバ(またはDBサーバ)に置かれます。
- 選択肢 エ正解
- 静的コンテンツはWebサーバ、動的コンテンツはAPサーバと分けて処理することで、リクエストの種類に応じた分担と負荷分散ができます。
覚えるポイント
- Webサーバ:HTML・画像などの静的コンテンツ配信
- APサーバ:ビジネスロジック処理(動的コンテンツ生成)
- DBサーバ:データの蓄積・検索・更新
間違えやすいところ
- WebサーバとAPサーバの担当機能(静的処理と業務ロジック処理)を逆に覚えてしまうこと
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問13問題文及び公式解答
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.8 ↗(www.ipa.go.jp) / 公式解答例 p.1 ↗(www.ipa.go.jp)
キャパシティプランニングの実施手順
テクノロジ系 · システム評価 / キャパシティプランニング / 運用管理
稼働状況が継続的に監視されているシステムがある。稼働して数年後に新規業務をシステムに適用する場合に実施する、キャパシティプランニングの作業項目の順序として、適切なものはどれか。 〔キャパシティプランニングの作業項目〕 ① システム構成の案について、適正なものかどうかを評価し、必要があれば見直しを行う。 ② システム特性に合わせて、サーバの台数、並列分散処理の実施の有無など、必要なシステム構成の案を検討する。 ③ システムの稼働状況から、ハードウェアの性能情報やシステム固有の環境を把握する。 ④ 利用者などに新規業務をヒアリングし、想定される処理件数や処理に要する時間といったシステムに求められる要件を把握する。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:作業の順序は③→④→②→①です。キャパシティプランニングでは、まず今のシステムの稼働状況を把握し、次に新しい業務で必要になる要件をつかみます。そのうえで必要なシステム構成の案を考え、最後にその案が適切かどうかを評価して見直します。
解き方
- 現状把握として、既存の監視結果から今のハードウェアの性能情報や環境を把握します(③)。
- 将来の要件把握として、新しい業務の想定処理件数や所要時間などの要件を把握します(④)。
- 要件を満たすために、サーバ台数などのシステム構成案を検討・作成します(②)。
- 作った構成案が適切かどうかを評価・検証し、必要なら見直しを行います(①)。
- 選択肢 ア不正解
- 新しい業務の要件(④)を把握する前に構成案(②)を考えることはできないので不適切です。
- 選択肢 イ正解
- 現状の把握(③)→新しい要件の把握(④)→構成案の作成(②)→評価と見直し(①)の順が論理的で適切です。
- 選択肢 ウ不正解
- 構成案を評価・見直し(①)した後に、現状の稼働状況を把握(③)するのは順序が逆です。
- 選択肢 エ不正解
- 構成案を検討する(②)前に、その構成案の評価(①)を行うことはできません。
覚えるポイント
- キャパシティプランニングの手順:現状分析 → 将来予測・要件定義 → 構成案策定 → 評価・検証
間違えやすいところ
- 構成案の作成(②)と評価・見直し(①)の順序を逆にしてしまうこと
- 新しい業務の要件を把握する前に構成案を作ってしまうこと
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問14問題文及び公式解答
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.9 ↗(www.ipa.go.jp) / 公式解答例 p.1 ↗(www.ipa.go.jp)
回線の稼働率計算(迂回回線追加)
テクノロジ系 · システム構成技術 / 稼働率 / 並列システム / 直列システム
東京と福岡を結ぶ直線の回線がある。東京と福岡の間の信頼性を向上させるために、大阪を経由する迂回回線を追加した。迂回回線追加後における東京と福岡の間の稼働率は幾らか。ここで、各回線(東京-福岡、東京-大阪、大阪-福岡)の稼働率はすべて0.9とする。
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:迂回回線を追加した後の稼働率は0.981です。直列につながったシステムの稼働率は、各要素の稼働率をかけ算して求めます(R1×R2)。並列のシステムでは「全部が止まる確率」を1から引いて求めます(1-(1-R1)(1-R2))。この問題は、直列の迂回ルートと1本の直接回線が並列になった形です。
解き方
- 大阪経由の迂回ルート(東京-大阪、大阪-福岡の直列)の稼働率を求めます(0.9×0.9=0.81)。
- 東京-福岡の直接ルート(稼働率0.9)と迂回ルート(稼働率0.81)が並列につながっていると考えます。
- 両方のルートが同時に止まる確率を計算します((1-0.9)×(1-0.81)=0.1×0.19=0.019)。
- 全体の稼働率を「1-両ルートの停止確率」で求めます(1-0.019=0.981)。
- 選択肢 ア不正解
- 0.729は0.9^3で、3本の回線がすべて同時に動いている必要がある直列の場合の値です。
- 選択肢 イ不正解
- 0.810は迂回ルート(0.9×0.9)だけの稼働率です。
- 選択肢 ウ正解
- 迂回ルート0.81と直接ルート0.9の並列計算で、1-(1-0.9)×(1-0.81)=0.981となり正しい値です。
- 選択肢 エ不正解
- 0.999は1-(1-0.9)^3で、稼働率0.9の3本の回線がすべて並列につながっている場合の値です。
覚えるポイント
- 直列の稼働率 = A × B
- 並列の稼働率 = 1 - (1 - A)(1 - B)
間違えやすいところ
- 3本の回線をすべて並列につながっていると間違えて計算してしまうこと
- 迂回ルートの直列の稼働率を計算するときに引き算を間違えること
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問15問題文及び公式解答
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.9 ↗(www.ipa.go.jp) / 公式解答例 p.1 ↗(www.ipa.go.jp)
優先度方式タスクスケジューリングにおけるCPU遊休時間
テクノロジ系 · オペレーティングシステム / タスクスケジューリング / プリエンプション / CPU遊休時間
優先度の異なる3つのタスクがあり、各タスクを単独実行した場合のCPUとI/O装置の動作順序と処理時間は表のとおりである。優先度方式のタスクスケジューリングを行うOS環境下で、3つのタスクが同時に実行可能状態になってから全タスクの実行が終了するまでに、CPUの遊休時間は何ミリ秒生じるか。 ここで、CPUは1個・1コアで構成され、I/Oは競合せず、OSのオーバーヘッドは考慮しない。 [タスクの動作順序と処理時間(ミリ秒)] ・高:CPU(3) → I/O(5) → CPU(2) ・中:CPU(2) → I/O(6) → CPU(2) ・低:CPU(1) → I/O(5) → CPU(1)
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:CPUの遊休時間は合計3ミリ秒です。優先度方式のスケジューリングでは、実行できる状態にあるタスクのうち、一番優先度が高いタスクにCPUが割り当てられます。CPUの遊休(アイドル)時間は、すべてのタスクがI/O待ちなどでCPUを必要としていない時間に生じます。
解き方
- 各タスクの動きを時間ごとに追います。高は0〜3msでCPU(3)、3〜8msでI/O(5)、8〜10msでCPU(2)を実行し、10msで終わります。
- 中は3msからCPU(2)を実行し(3〜5ms)、5〜11msでI/O(6)を実行します。低は5msからCPU(1)を実行し(5〜6ms)、6〜11msでI/O(5)を実行します。
- 時刻6〜8msはすべてのタスクがI/O待ちになるので、CPUは2ms遊休します。
- 時刻8〜10msで高がCPU(2)を実行して終了します。時刻10〜11msは中も低もI/O中(どちらも11msに完了)なので、CPUは1ms遊休します。
- 時刻11msに中と低のI/Oが終わり、中が優先されて11〜13msでCPU(2)、続いて低が13〜14msでCPU(1)を実行して終了します。遊休時間は2+1=3ミリ秒です。
- 選択肢 ア不正解
- 2ミリ秒は時刻6〜8ミリ秒の遊休だけを数え、時刻10〜11ミリ秒の遊休を数え忘れた値です。
- 選択肢 イ正解
- 時刻6〜8ミリ秒(2ミリ秒)と時刻10〜11ミリ秒(1ミリ秒)を合わせた3ミリ秒の間、CPUが遊休状態になります。
- 選択肢 ウ不正解
- 4ミリ秒は、各タスクのI/O時間や待ち時間の追い方を間違えた計算値です。
- 選択肢 エ不正解
- 5ミリ秒は、I/Oの重なりや優先度による割り込みの動きを間違えて計算した値です。
覚えるポイント
- CPU遊休時間 = 全てのタスクがI/O処理等で待ち状態になっている時間の総和
- 優先度が高いタスクが実行可能状態になると即座にCPUが割り当てられる
間違えやすいところ
- I/O処理が重なって同時に動けることを考えず、順番に計算してしまうこと
- 高タスクが終わった直後(時刻10〜11ms)の1ミリ秒のアイドルを見落とすこと
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問16問題文及び公式解答
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.10 ↗(www.ipa.go.jp) / 公式解答例 p.1 ↗(www.ipa.go.jp)
スプーリングの概要と効果
テクノロジ系 · スプーリング / 入出力処理 / オペレーティングシステム
OSのスプーリング機能の説明として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:スプーリングとは、低速な入出力装置とのデータのやり取りを補助記憶装置(ハードディスクなど)を介して行い、システム全体の処理能力を高める仕組みです。プリンタなどはCPUに比べてとても動作が遅いため、直接やり取りするとCPUが待たされてしまいます。そこで一度補助記憶装置にデータをためておき、CPUは次の仕事を進められます。
解き方
- CPUと入出力装置の処理速度の差が、処理能力の低下を招く問題を押さえる。
- 補助記憶装置を中継に使って入出力を裏で進める仕組みを述べた記述を選ぶ。
- 選択肢 ア不正解
- マルチプログラミング(複数の仕事を切り替えてCPUに割り当てる方式)の説明です。
- 選択肢 イ不正解
- 割込み(処理中の仕事を一時中断して別の処理に切り替える仕組み)の説明です。
- 選択肢 ウ正解
- 正しい説明です。低速な入出力装置とのやり取りを補助記憶装置を介して行い、処理能力を高めます。
- 選択肢 エ不正解
- ディスクキャッシュ(ディスクの内容を主記憶にためておく機能)の説明です。
覚えるポイント
- スプーリングは低速入出力装置とCPUの速度差を補助記憶で緩和する仕組みです。
間違えやすいところ
- 主記憶上のバッファと、補助記憶を使うスプーリングを混同しないようにしましょう。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者午前試験問17
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.10 ↗(www.ipa.go.jp)
タスクスケジューリングにおけるラウンドロビン方式
テクノロジ系 · スケジューリング / ラウンドロビン方式 / タイムシェアリング
スケジューリングに関する記述のうち、ラウンドロビン方式の説明として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:ラウンドロビン方式は、各タスクに一定の短い時間(タイムスライス)を順番に均等に割り当てて実行させる方式です。1つのタスクがCPUを占有し続けないように、時間が来たら次のタスクに交代します。そのため対話型システムでも応答が良くなります。
解き方
- ラウンドロビンが、均等な時間を順番に割り当てる方式であることを確認する。
- 選択肢の中から、CPU時間を均等に割り当てると述べた記述を選ぶ。
- 選択肢 ア正解
- 一定時間ごとにCPUの使用権を各タスクへ順番に均等に割り当てる方式です。
- 選択肢 イ不正解
- CPU時間をターンアラウンドタイム(処理を依頼してから結果が出るまでの時間)に比例して配る方式ではありません。
- 選択肢 ウ不正解
- イベントドリブン(何か出来事が起きたときに対応する)方式の説明です。
- 選択肢 エ不正解
- 優先度の高いタスクから先に実行するプライオリティ方式の説明です。
覚えるポイント
- ラウンドロビンは一定の持ち時間(タイムスライス)を均等にタスクへ回す方式です。
間違えやすいところ
- 優先度順の方式と混同しないようにしましょう。ラウンドロビンは時間を均等に分けるのが特徴です。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者午前試験問18
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.11 ↗(www.ipa.go.jp)
コンパイラの処理フェーズと順序
テクノロジ系 · コンパイラ / 字句解析 / 構文解析 / 意味解析
手続型言語のコンパイラが行う処理のうち、最初に行う処理はどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:コンパイラが最初に行うのは字句解析です。これは、ソースコードの文字の並びを、トークン(単語や記号などの意味を持つ最小のまとまり)に分ける処理です。その後の構文解析や意味解析へ進むための土台になります。
解き方
- コンパイラの処理の順序(字句解析→構文解析→意味解析→最適化→目的コード生成)を思い出す。
- 最初の工程である「字句解析」を選ぶ。
- 選択肢 ア不正解
- 意味解析(文法だけでなく意味が正しいかを調べる処理)は、構文解析の後に型チェックなどを行う段階です。
- 選択肢 イ不正解
- 構文解析は、字句解析で分けたトークンを組み合わせて文法構造を調べる2番目の処理です。
- 選択肢 ウ不正解
- 最適化(プログラムをより速く効率的にする処理)は、後半に行われる処理です。
- 選択肢 エ正解
- ソースコードの文字列をトークンに分ける字句解析が最初に行われます。
覚えるポイント
- コンパイラの処理順序は「字句解析 → 構文解析 → 意味解析 → 最適化 → コード生成」です。
間違えやすいところ
- 字句解析と構文解析の順番を取り違えやすいので、文字から単語、単語から文へ進む流れで覚えましょう。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者午前試験問19
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.11 ↗(www.ipa.go.jp)
リンカの役割と機能
テクノロジ系 · リンカ / 連携編集 / ロードモジュール
リンカの機能として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:リンカは、複数の目的モジュール(コンパイル済みの部品)を1つにまとめ、実行できるプログラムを生成する道具です。部品同士が参照し合っている関数や変数の場所(アドレス)を結び付け、食い違いを解消します。これにより実行可能な1つのロードモジュールが完成します。
解き方
- プログラム開発の流れ(コーディング→コンパイル→リンク→ロード→実行)でのリンカの役割を確認する。
- 目的モジュールの結合と外部参照の解決を述べた選択肢を選ぶ。
- 選択肢 ア不正解
- 作ったプログラムをライブラリに登録・管理するのはライブラリマネージャ(ライブラリアン)の働きです。
- 選択肢 イ不正解
- ロードモジュールを主記憶に読み込むのはローダの働きです。
- 選択肢 ウ正解
- 複数の目的モジュールやライブラリを結合し、相互参照を解決してロードモジュールを作るのがリンカです。
- 選択肢 エ不正解
- プログラムの実行を監視し、1命令ずつ記録するのはデバッガやトレーサの働きです。
覚えるポイント
- リンカは目的モジュールを結びつけてロードモジュールを作成するツールです。
間違えやすいところ
- リンカ(実行できる形にまとめる)とローダ(主記憶に読み込む)を混同しないようにしましょう。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者午前試験問20
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.11 ↗(www.ipa.go.jp)
主記憶に用いられるDRAMの特徴
テクノロジ系 · DRAM / SRAM / 半導体メモリ / リフレッシュ
DRAMの説明として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:DRAMは、コンデンサ(電荷をためる部品)にデータを記憶する半導体メモリで、電荷が自然に減るため定期的に書き戻すリフレッシュ動作が必要です。回路が簡単で大容量にしやすいので、パソコンの主記憶(メインメモリ)に使われます。
解き方
- DRAMの記憶の仕組み(コンデンサ)と特徴(電源を切ると消える・リフレッシュが必要)を整理する。
- リフレッシュ動作の必要性と主記憶への利用を述べた選択肢を選ぶ。
- 選択肢 ア不正解
- 1バイト単位で消去・書込みでき、電源を切ってもデータが消えないメモリはEEPROMなどの説明です。
- 選択肢 イ不正解
- NAND型やNOR型がありSSDに使われる不揮発性メモリはフラッシュメモリの説明です。
- 選択肢 ウ不正解
- フリップフロップ(回路でデータを保持する部品)で作られキャッシュメモリに使われるのはSRAMです。
- 選択肢 エ正解
- DRAMはコンデンサの電荷を使うためリフレッシュ動作が必要で、パソコンの主記憶に使われます。
覚えるポイント
- DRAMはコンデンサ蓄電・リフレッシュ必要・安価大容量で主記憶に使用されます。
間違えやすいところ
- SRAM(フリップフロップ・高速・リフレッシュ不要)とDRAMの特徴を逆に覚えないようにしましょう。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者午前試験問21
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.12 ↗(www.ipa.go.jp)
2入力NAND素子による4入力NAND回路の構成
テクノロジ系 · 論理回路 / NAND素子 / ブール代数
2入力NAND素子を用いて4入力NAND回路を構成したものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:2入力NAND素子の2つの入力を同じ信号につなぐと、NOT素子(反転)として使えます。4入力NANDの式は NOT(A・B・C・D) です。まずA・BとC・DをそれぞれANDで作り、最後にその2つをNANDに入れると完成します。
解き方
- 目標の4入力NANDの式が NOT(A・B・C・D) であることを確認する。
- アは NOT(NOT(AB)・NOT(CD)) = AB + CD となり、別の論理になる。
- イは上段でAB、下段でCDを作り、最後に NOT((AB)・(CD)) = NOT(ABCD) となるので一致する。
- 選択肢 ア不正解
- この回路の出力は NOT(NOT(AB)・NOT(CD)) = AB + CD となり、4入力NANDにはなりません。
- 選択肢 イ正解
- ABとCDを作ってから最後のNANDに入れるので、出力は NOT(ABCD) となり4入力NANDになります。
- 選択肢 ウ不正解
- 入力を8個使う構成であり、4入力NANDの構成ではありません。
- 選択肢 エ不正解
- 入力を8個使う多入力の回路であり、4入力の回路ではありません。
覚えるポイント
- NANDの出力をNANDのNOTで反転するとANDになり、それらをNANDに入力すれば多入力NANDが作れます。
間違えやすいところ
- アのような2段のNAND構成は、AND-OR論理(AB + CD)になる点を見落とさないようにしましょう。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者午前試験問22
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.12 ↗(www.ipa.go.jp)
二次電池(充電式電池)の分類
テクノロジ系 · 二次電池 / 一次電池 / ハードウェア
二次電池(充電式電池)はどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:二次電池(蓄電池)とは、充電して繰り返し使える電池のことです。一方、1回使い切りの電池は一次電池、燃料(水素など)を補給して発電し続ける装置は燃料電池とよびます。リチウムイオン電池は代表的な二次電池です。
解き方
- 各選択肢の電池が充電できるかどうかを1つずつ判定する。
- アルカリマンガン乾電池や酸化銀電池は使い切りの一次電池だと確認する。
- 充電して繰り返し使える二次電池であるリチウムイオン電池を選ぶ。
- 選択肢 ア不正解
- アルカリマンガン乾電池は放電だけの使い切りタイプの一次電池です。
- 選択肢 イ不正解
- 酸化銀電池(ボタン電池など)は使い切りの一次電池です。
- 選択肢 ウ不正解
- 燃料電池は水素などの化学エネルギーを直接電気に変える発電装置で、二次電池とは別ものです。
- 選択肢 エ正解
- リチウムイオン電池は充電して繰り返し使える代表的な二次電池です。
覚えるポイント
- 一次電池は使い切り(乾電池・酸化銀など)、二次電池は充電可能(リチウムイオン・鉛蓄電池など)です。
間違えやすいところ
- 燃料電池は充電してためる電池ではなく、燃料を補給して発電する装置なので二次電池ではありません。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者午前試験問23
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.12 ↗(www.ipa.go.jp)
対話型システムにおける自然言語インタフェース
テクノロジ系 · ヒューマンインタフェース / 自然言語処理 / 音声対話
列車の予約システムにおいて、人間とコンピュータが音声だけで日常会話のようなやり取りを行う。この場合に用いられるインタフェースの種類はどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:自然言語インタフェースは、プログラミング言語や専用コマンドではなく、人間が日常使う言葉(話し言葉や書き言葉)でコンピュータを操作する仕組みです。列車予約の例のように、音声で普通に会話して指示を伝えられます。
解き方
- 問題文の会話例で、日常的な話し言葉だけが使われている点に注目する。
- 日常の話し言葉をコンピュータに理解させるインタフェースとして自然言語インタフェースを選ぶ。
- 選択肢 ア不正解
- 感性インタフェースは、人の感情や印象といった感性の情報を読み取ったり伝えたりする技術です。
- 選択肢 イ正解
- 人間が日常使う話し言葉を音声で入力・解釈して会話するので、自然言語インタフェースです。
- 選択肢 ウ不正解
- ノンバーバルインタフェースは、身振りや視線、表情など言葉以外の手段を使う仕組みです。
- 選択肢 エ不正解
- マルチモーダルインタフェースは、音声やジェスチャなど複数の入力方法を組み合わせる技術です。本問は音声だけの対話です。
覚えるポイント
- 日常の話し言葉や文章で対話・操作する仕組みを自然言語インタフェースと呼びます。
間違えやすいところ
- 音声認識だけでなく中身が日常の言葉なので「自然言語」が中心です。複数の手段を組み合わせるマルチモーダルと混同しないようにしましょう。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者午前試験問24
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.13 ↗(www.ipa.go.jp)
ジャギー低減手法(アンチエイリアシング)
テクノロジ系 · コンピュータグラフィックス / 画像処理 / アンチエイリアシング
液晶ディスプレイなどのディジタル画面において、傾いた直線や曲線の境界部分に生じる階段状のギザギザ(ジャギー)を目立たなくし、滑らかに表示するための画像処理技術はどれか。
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:階段状のギザギザ(ジャギー)を目立たなくする画像処理がアンチエイリアシングです。画面は小さな四角い点(画素)の集まりなので、斜めの線はギザギザになります。境界に中間の色を入れてなめらかに見せる技術です。
解き方
- 問題文が求める『傾いた直線の境界をなめらかにする方法』の特徴を整理します。
- 各選択肢のCG技法の意味と比べ、画素の段差を中間色でぼかすアンチエイリアシングを選びます。
- 選択肢 ア正解
- アンチエイリアシングは、輪郭のギザギザ(ジャギー)に中間の色の画素を置いてなめらかに見せる方法です。
- 選択肢 イ不正解
- シェーディングは、物の表面の向きと光の位置から陰影(影の濃淡)を計算して立体感を出す方法です。
- 選択肢 ウ不正解
- テクスチャマッピングは、3Dモデルの表面に2次元の画像や模様を貼って質感(材質感)を与える方法です。
- 選択肢 エ不正解
- バンプマッピングは、表面の向き(法線)を変えて、形を変えずに凹凸の陰影を出す方法です。
覚えるポイント
- アンチエイリアシングは境界の中間色補間によるジャギー低減技術です。
間違えやすいところ
- 立体感を出すシェーディングや凹凸を表すバンプマッピングと混同しないようにしましょう。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問25の出題条件による。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.13 ↗(www.ipa.go.jp)
クラス図の関連と多重度の決定
テクノロジ系 · データベース設計 / データモデリング / UML / 多重度
部門、社員、および所属履歴の3つのエンティティ間の関係を表すデータモデルにおいて、次の条件(1)〜(3)を満たすとき、多重度 a および b に入る適切な組合せはどれか。 〔条件〕 (1) 部門には1人以上の社員が所属する。 (2) 社員はいずれか一つの部門に所属する。 (3) 社員が部門に所属した履歴を所属履歴として記録する。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:多重度は『最小値..最大値』で関連の数を表し、今回はaもbも1..*です。部門には必ず1人以上の社員がいて、社員は必ず1つの部門に所属し、その履歴が記録されます。だから部門側も社員側も所属履歴が最低1件は必要です。
解き方
- 条件(1)より、どの部門にも1人以上の社員がいるので、1つの部門に対応する所属履歴は必ず1件以上あります。よってaは『1..*』です。
- 条件(2)と(3)より、社員は必ず1つの部門に所属しその履歴が残るので、1人の社員の所属履歴も最低1件あります。よってbも『1..*』です。
- 両方の結果から、a=1..*、b=1..* である選択肢エが正解です。
- 選択肢 ア不正解
- 条件(1)(2)により、所属履歴がない部門や社員は認められないので、0を含む多重度は誤りです。
- 選択肢 イ不正解
- 条件(1)より、どの部門にも最低1人の社員がいるので、aを0..*とする記述は誤りです。
- 選択肢 ウ不正解
- 条件(2)(3)より、社員は必ず部門に所属した履歴を持つので、bを0..*とする記述は誤りです。
- 選択肢 エ正解
- 部門側も社員側も最低1件以上の所属履歴を必ず持つので、aもbも『1..*』となります。
覚えるポイント
- 多重度における『1..*』は1以上(必須)、『0..*』は0以上(任意)を意味します。
間違えやすいところ
- 履歴だから新規社員は0件と考えがちですが、今の所属も履歴として記録するので最低1件になります。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問26の出題条件による。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.14 ↗(www.ipa.go.jp)
データ項目の命名規約で防止できない事象
テクノロジ系 · データベース設計 / データモデリング / データディクショナリ / 命名規約
データ項目の標準化において、次の命名規約(1)および(2)を設けた場合、これらの規約だけでは回避できない事象はどれか。 〔命名規約〕 (1) データ項目名の末尾には必ず“名”、“コード”、“数”、“金額”、“年月日”などの区分語を付与し、区分語ごとに定めたデータ型にする。 (2) データ項目名と意味を登録した辞書を作成し、異音同義語や同音異義語が発生しないようにする。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:命名規約と辞書では、値の取り得る範囲までは防げません。規約は名前の揺れやデータ型の不一致を防ぐルールです。値の範囲(ドメイン)は別の制約やチェックの仕組みで管理します。
解き方
- 規約(1)で区分語によるデータ型の統一、規約(2)で辞書による同義語・異義語の排除を確認します。
- 選択肢のア、ウ、エは規約(1)か(2)で直接防げる内容だと確認します。
- イの値の範囲はデータ型や辞書の対象外で、この規約だけでは防げないと導きます。
- 選択肢 ア不正解
- 規約(1)により『年月日』に対応するデータ型が1つに決まるので、型の混在は防げます。
- 選択肢 イ正解
- 値の許容範囲(上限や下限)は、名前やデータ型の規約だけでは防ぐことができません。
- 選択肢 ウ不正解
- 規約(2)により辞書で異音同義語を管理するので、同じ意味の別名ができる事象は防げます。
- 選択肢 エ不正解
- 規約(1)により末尾に必ず区分語を付けるので、区分語のない項目名は防げます。
覚えるポイント
- 命名規約と辞書で統一できるのは表記・概念・データ型であり、値の許容範囲(ドメイン制約)は防げません。
間違えやすいところ
- データ型をそろえれば値の有効範囲まで自動でそろうと誤解しないようにしましょう。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問27の出題条件による。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.15 ↗(www.ipa.go.jp)
関係代数演算(選択と射影)
テクノロジ系 · リレーショナルデータベース / 関係代数 / 選択 / 射影 / 自然結合
表X(学生番号, 氏名, 学部コード)と表Y(学部コード, 学部名)を学部コードで自然結合した後、特定の条件を満たす行および指定された列のみからなる表Z(学部名, 学生番号, 氏名:情報学部所属の学生2件)を得る関係代数演算の組合せはどれか。
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:条件に合う行を抜くのが『選択』、列を抜くのが『射影』で、今回は両方を使います。行を絞り、不要な列を削る処理だからです。
解き方
- 表Xと表Yを共通の学部コードで自然結合すると、全6名の学生に学部コードと学部名が付いた行ができます。
- 表Zは『情報学部』の行だけに絞られているので、行を抜く『選択』が行われています。
- さらに自然結合の結果から『学部コード』列が除かれ列の順が組み直されているので、列を抜く『射影』が行われています。
- したがって必要な演算は『選択と射影』です。
- 選択肢 ア不正解
- 和(UNION)は同じ構造の2つの表の和集合を求める演算で、行の条件による絞り込みはできません。
- 選択肢 イ不正解
- 選択だけでは行の絞り込みしかできず、表Zのように学部コード列を除いて列を限定できません。
- 選択肢 ウ正解
- 情報学部の行に絞る『選択』と、学部名・学生番号・氏名の列を抜く『射影』の両方を行っています。
- 選択肢 エ不正解
- 表の和を求める和集合演算は含まれていないので不適切です。
覚えるポイント
- 行(横方向)を取り出すのが『選択』、列(縦方向)を取り出すのが『射影』です。
間違えやすいところ
- 日常語で列を選ぶことを『選択』と混同しないよう、関係代数の定義を区別しましょう。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問28の出題条件による。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.15 ↗(www.ipa.go.jp)
排他制御におけるロックの粒度と並行性
テクノロジ系 · データベース / トランザクション処理 / 排他制御 / ロックの粒度
データベースの排他制御における『ロックの粒度』に関する説明のうち、適切なものはどれか。
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解答
ア
解説
まず要点:ロックの粒度を大きくすると、待ちが増えて全体の処理量(スループット)が下がります。粒度とはロックする対象の大きさ(行・ページ・表など)のことです。広い範囲を1回で押さえるので、他の処理とぶつかりやすくなるためです。
解き方
- ロックの粒度を大きくした場合(行単位から表単位へ変えるなど)の影響を整理します。
- 粒度を大きくすると1つの処理が占める領域が広がり、他の処理とぶついて待たされる回数が増えます。
- ぶつかりが増えて同時実行性が損なわれ、全体のスループットが下がるので選択肢アが適切です。
- 選択肢 ア正解
- 粒度を大きくすると他の処理とぶつかりやすくなり、待ち時間が増えてスループットが下がります。
- 選択肢 イ不正解
- 粒度を大きくすると排他される範囲が広がるので、同時に実行できる処理の数は減ります。
- 選択肢 ウ不正解
- 粒度を大きくして表全体をロックすると、他の処理の更新や参照を妨げる範囲が広がります。
- 選択肢 エ不正解
- 粒度を大きくすると(多数の行でなく1つの表をロックするなど)、必要なロックの個数は少なくなります。
覚えるポイント
- 粒度が大きい=ロック数は少なく管理負荷低・並行性は低下、粒度が小さい=ロック数は多く管理負荷大・並行性は向上。
間違えやすいところ
- 粒度が大きいとロックの個数も増えると誤解しがちですが、対象の単位が大きくなるので個数は減ります。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問29の出題条件による。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.16 ↗(www.ipa.go.jp)
データベースの媒体障害回復(ロールフォワード)
テクノロジ系 · データベース / 障害回復処理 / ロールフォワード / 媒体障害
データベースが格納されている記憶媒体(磁気ディスク等)に物理的故障が発生した場合、バックアップファイルと更新後ログを用いて障害直前の状態までデータベースを回復する操作はどれか。
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解答
エ
解説
まず要点:媒体障害ではバックアップと更新後ログを使い、障害直前まで進める『ロールフォワード』を行います。更新をやり直して最新状態に戻す操作です。取り消して戻す『ロールバック』とは逆の動きです。
解き方
- 記憶媒体の故障(媒体障害)での復旧手順を確認します。
- バックアップファイルを使い、正常なディスクにデータを書き戻して復元(リストア)します。
- バックアップ時点から障害時点までに確定した変更を、更新後ログを基に前へ進めて(ロールフォワード)直前の状態に戻します。
- 選択肢 ア不正解
- アーカイブは、使う頻度が低くなったデータやログを長期保存用の別の媒体に移して保管することです。
- 選択肢 イ不正解
- コミットは、トランザクションによるすべての更新を確定させて恒久的に反映する処理です。
- 選択肢 ウ不正解
- チェックポイントダンプは、メモリ上の更新内容をディスクへ書き出した時点の情報を出力する処理です。
- 選択肢 エ正解
- 媒体障害時にバックアップを戻し、更新後ログを反映して障害直前まで復旧する操作です。
覚えるポイント
- 媒体障害(ディスク障害)からの復旧は『バックアップ+更新後ログ』によるロールフォワードです。
間違えやすいところ
- 処理障害時に更新前ログで戻す『ロールバック』と混同しないように整理しましょう。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問30の出題条件による。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.16 ↗(www.ipa.go.jp)
回線伝送時間の計算
テクノロジ系 · ネットワーク / 回線速度 / 伝送時間計算 / データ通信
通信速度が1.5Mビット/秒の伝送路を用いて、12Mバイトのデータを転送するのに必要な伝送時間は何秒か。ここで、伝送路の伝送効率は50%とする。
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解答
エ
解説
まず要点:伝送時間は『データ量(ビット)÷ 実効速度(ビット/秒)』で求め、今回は128秒です。1バイト=8ビットの換算と、効率50%の反映を忘れないことが大切です。
解き方
- 転送するデータ量をビットに換算します:12 Mバイト × 8 ビット/バイト = 96 Mビット。
- 回線の実効速度を計算します:1.5 Mビット/秒 × 伝送効率50%(0.5)= 0.75 Mビット/秒。
- 総データ量を実効速度で割ります:96 Mビット ÷ 0.75 Mビット/秒 = 128 秒。
- 選択肢 ア不正解
- バイトからビットへの8倍の換算を忘れた計算による誤りです(12 ÷ 0.75 = 16秒)。
- 選択肢 イ不正解
- 8倍の換算はしたものの、伝送効率50%の掛け算・割り算を混同した誤った値です。
- 選択肢 ウ不正解
- 伝送効率50%(回線速度が半分になること)を反映し忘れた場合の値です(96 ÷ 1.5 = 64秒)。
- 選択肢 エ正解
- データ量96Mビットを実効速度0.75Mビット/秒で割ると、所要時間は128秒になります。
覚えるポイント
- 伝送計算では必ずバイトをビット(×8)に揃え、回線速度に伝送効率を掛けて実効速度を求めます。
間違えやすいところ
- バイト(Byte)とビット(bit)の換算忘れや、伝送効率の割り算ミスに注意しましょう。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問31の出題条件による。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.16 ↗(www.ipa.go.jp)
ネットワーク接続装置の役割(リピータ)
テクノロジ系 · ネットワーク / OSI基本参照モデル / ネットワーク機器 / リピータ
LAN間を接続するネットワーク中継装置に関する記述のうち、適切なものはどれか。
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解答
ウ
解説
まず要点:リピータは同種の区間(セグメント)の間で信号を増幅し、伝送距離を延ばします。装置はOSI基本参照モデルの層ごとに役割が分かれます。層が下の装置は信号を、上の装置は住所(アドレス)を見て中継します。
解き方
- 各ネットワーク機器とOSI参照モデルの層(リピータ:第1層、ブリッジ:第2層、ルータ:第3層、ゲートウェイ:第4〜7層)を対応付けます。
- アはゲートウェイが上位層のプロトコルを変換する装置なので誤りです。
- イはブリッジが見るのがIPアドレスでなくMACアドレスなので誤りです。
- ウはリピータの動作(物理層での信号増幅と距離延長)とぴったり合います。
- エはルータが見るのがMACアドレスでなくIPアドレスなので誤りです。
- 選択肢 ア不正解
- ゲートウェイは主に第4層(トランスポート層)以上の上位層のプロトコルを相互変換する装置です。
- 選択肢 イ不正解
- ブリッジはデータリンク層(第2層)の装置で、MACアドレスを基にフレームを中継します。
- 選択肢 ウ正解
- リピータは物理層(第1層)で電気信号を増幅・整形し、伝送できる距離を延ばします。
- 選択肢 エ不正解
- ルータはネットワーク層(第3層)の装置で、IPアドレスを基にパケットを転送します。
覚えるポイント
- 第1層:リピータ(信号増幅)、第2層:ブリッジ(MACアドレス)、第3層:ルータ(IPアドレス)、上位層:ゲートウェイ。
間違えやすいところ
- ブリッジとルータで見るアドレス(MACアドレスとIPアドレス)を取り違えないようにしましょう。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問32の出題条件による。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.17 ↗(www.ipa.go.jp)
DNSの機能と役割
テクノロジ系 · ネットワーク / DNS / 名前解決
TCP/IPネットワークにおいて、DNS(Domain Name System)が担う主要な役割として、適切なものはどれか。
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解答
エ
解説
まず要点:DNS(ドメイン名システム)は、ドメイン名やホスト名とIPアドレスの対応付けを行う仕組みです。人は名前でアクセスしたい一方、ネットワーク機器はIPアドレスで通信するため、名前をIPアドレスに変換する必要があります。この変換を名前解決といい、世界中のサーバーが役割を分担して管理しています。
解き方
- 各選択肢が説明しているプロトコルやネットワーク技術の役割を照合します。
- ドメイン名やホスト名とIPアドレスの相互変換機能(名前解決)を指している記述を選択します。
- 選択肢 ア不正解
- 未使用のIPアドレスを動的に割り当てるのは、DHCP(IPアドレスを自動配布する仕組み)の役割です。
- 選択肢 イ不正解
- IPアドレスを意識せず遠隔のプログラムを呼び出すのは、RPC(遠隔手続き呼出し)という別の仕組みの役割です。
- 選択肢 ウ不正解
- プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを相互に変換するのは、NATやNAPT(アドレス変換の仕組み)の役割です。
- 選択肢 エ正解
- ドメイン名やホスト名とIPアドレスを対応付け、名前解決するのがDNSの本来の役割です。
覚えるポイント
- DNSはドメイン名(URLなど)とIPアドレスを結び付ける名前解決を行う
間違えやすいところ
- 動的IPアドレス配布を行うDHCPや、アドレス変換を行うNAT/NAPTと混同しないようにする
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問33
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.17 ↗(www.ipa.go.jp)
MIMEの役割
テクノロジ系 · ネットワーク / 電子メール / MIME
電子メールにおいて、ヘッダフィールドを拡張することにより、テキストだけでなく音声や画像などのバイナリデータを送信できるようにした規格はどれか。
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解答
ウ
解説
まず要点:電子メールで音声や画像などのバイナリデータも送れるようにした規格はMIMEです。もともとのメールの仕組み(SMTP)は7ビットのASCII文字しか扱えませんでした。MIMEはヘッダや本文を拡張し、データをBase64などで文字に変換して、種類の情報を付けて送れるようにしました。
解き方
- 電子メールの規格のうち、バイナリデータ(音声・画像等)を扱うための拡張規格を思い出します。
- SMTPを拡張した仕様であるMIME(Multipurpose Internet Mail Extensions)を選択します。
- 選択肢 ア不正解
- HTML(Webページを書くための言葉)はメールのデータ形式を拡張する規格ではありません。
- 選択肢 イ不正解
- MHSはOSI参照モデルに基づきITU-Tが定めた電子メール標準(X.400)で、本問の規格ではありません。
- 選択肢 ウ正解
- MIMEはメールのヘッダを拡張し、音声や画像などのマルチメディアデータを送れるようにした規格です。
- 選択肢 エ不正解
- SMTP(メールを送る基本プロトコル)は、そのままでは7ビットASCII文字しか扱えません。
覚えるポイント
- MIMEは電子メールで画像・音声・日本語等のバイナリ・拡張データを送るための仕様
間違えやすいところ
- メール送信プロトコルであるSMTPと、データ形式拡張であるMIMEの役割分担を混同しないようにする
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問34
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.17 ↗(www.ipa.go.jp)
移動体通信規格の特徴(LTE)
テクノロジ系 · ネットワーク / 移動体通信 / LTE
携帯電話網の通信規格のうち、全通信のパケット交換方式化、複数アンテナを用いたMIMO技術の利用、3GPPによる標準化という3つの特徴を持つものはどれか。
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解答
ア
解説
まず要点:全通信のパケット交換化、MIMO、3GPP標準化という特徴をもつ携帯電話の規格はLTEです。LTEは3GPPが定めた第3.9世代の移動通信方式です。回線交換をやめて全てIPパケットで通信し、複数アンテナを使うMIMOなどの技術で高速化しました。
解き方
- 設問の3つの特徴(オールパケット交換、MIMOの利用、3GPP標準化)を確認します。
- 携帯電話網の通信規格名称として該当するLTEを選択します。
- 選択肢 ア正解
- LTEは3GPPで標準化され、MIMOと全パケット交換方式を採用した高速な携帯電話規格です。
- 選択肢 イ不正解
- MACはデータリンク層で伝送媒体へのアクセスを制御する方式やMACアドレスのことです。
- 選択肢 ウ不正解
- MDMは会社などが社員のスマートフォンなどの端末を一括して設定・管理する仕組みです。
- 選択肢 エ不正解
- VoIPはIPネットワーク上で音声を送り、通話を実現する技術の総称です。
覚えるポイント
- LTEは3GPPが策定した移動体通信規格で、全パケット交換とMIMOによる高速化が特徴
間違えやすいところ
- VoIPやMDMなどの通信や管理に関する関連用語と通信網規格名を取り違えないように注意する
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問35
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.18 ↗(www.ipa.go.jp)
ディジタル署名の目的
テクノロジ系 · セキュリティ / ディジタル署名 / 完全性
配布されるアプリケーションソフトウェアに対して、作成者がディジタル署名を付与する目的として適切なものはどれか。
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解答
ア
解説
まず要点:ディジタル署名は、データが本物の作成者から送られ、途中で改ざんされていないことを確認できるようにする仕組みです。公開鍵暗号とハッシュ関数を組み合わせて作ります。改ざんそのものを防ぐのではなく、改ざんがあった場合に検知できるようにするものです。
解き方
- ディジタル署名が提供する主な機能(改ざん検知、なりすまし防止・送信元確認、否認防止)を確認します。
- 改変の防止・禁止ではなく、「改ざんを検知可能にする」と述べている選択肢を選びます。
- 選択肢 ア正解
- ディジタル署名を検証すると、配布後に第三者に書き換えられた場合、それを検知できます。
- 選択肢 イ不正解
- 利用者を制限する仕組みは、アクセス制御やライセンス認証機能の役割です。
- 選択肢 ウ不正解
- 著作権の帰属は著作権法や著作権登録で守られるもので、署名の技術的な効力ではありません。
- 選択肢 エ不正解
- 署名は改ざんを検知する技術であり、ファイルの書き換え自体をできなくするものではありません。
覚えるポイント
- ディジタル署名は改ざんの『検知』と『作成者の証明』を行う技術であり、改ざんそのものを防ぐ技術ではない
間違えやすいところ
- 改ざん検知(可能)と改変防止(不可能化)を混同しないようにする
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問36
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.18 ↗(www.ipa.go.jp)
AES-256に対する総当たり攻撃の試行回数
テクノロジ系 · セキュリティ / 共通鍵暗号 / 総当たり攻撃
AES-256で暗号化された暗号文に対して総当たり攻撃(ブルートフォース攻撃)を仕掛け、鍵と平文を得るまでに要する試行回数の最大値はどれか。
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解答
エ
解説
まず要点:nビットの鍵をもつ暗号の総当たり攻撃で、最も運が悪い場合の最大試行回数は2のn乗回です。鍵の組み合わせは全部で2のn乗通りあります。すべての候補を試し終わるまで見つからない場合を考えるため、試行回数は2のn乗回になります。
解き方
- AES-256の鍵長を確認します(256ビット)。
- 256ビットで表現できる鍵のパターン総数を計算します(2^256通り)。
- 最大試行回数はすべての候補を探索する場合の数と等しいため、2^256回と導きます。
- 選択肢 ア不正解
- 256は鍵のビット長そのものであり、鍵の組み合わせの数ではありません。
- 選択肢 イ不正解
- 2の128乗はAES-128の鍵の組み合わせの総数です。
- 選択肢 ウ不正解
- 2の255乗は平均的な試行回数に近い数ですが、問われているのは最大値です。
- 選択肢 エ正解
- 256ビット鍵の全パターンを見尽くす最大試行回数は2の256乗回です。
覚えるポイント
- 鍵長nビットの暗号に対する総当たり攻撃の最大試行回数は2^n回、平均は2^(n-1)回
間違えやすいところ
- 最大試行回数(2^n)と平均試行回数(2^(n-1))を取り違えないように注意する
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問37
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.18 ↗(www.ipa.go.jp)
共通鍵暗号方式の特徴
テクノロジ系 · セキュリティ / 共通鍵暗号 / 公開鍵暗号
共通鍵暗号方式の特徴として、適切なものはどれか。
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解答
ウ
解説
まず要点:共通鍵暗号方式(対称暗号)は、暗号化と復号に同じ鍵を使う方式です。計算が軽いため処理は速いのですが、鍵を安全に相手へ渡す「鍵配送問題」があります。また、通信相手が増えると必要な鍵の数が急に増えるという課題もあります。
解き方
- 共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式の長所・短所を比較します。
- 処理速度に関して共通鍵暗号方式が高速である点に着目し、選択肢を判断します。
- 選択肢 ア不正解
- 共通鍵を平文で送ると盗聴されて解読されるため、平文での送付は勧められません。
- 選択肢 イ不正解
- 相手が1人なら共通鍵は1個で済み、複数の鍵が要る公開鍵暗号方式より少なくなります。
- 選択肢 ウ正解
- 同じ強度の鍵なら、共通鍵暗号方式は公開鍵暗号方式より計算が少なく処理が速いです。
- 選択肢 エ不正解
- 対になる2つの鍵の一方で暗号化し他方で復号するのは、公開鍵暗号方式の特徴です。
覚えるポイント
- 共通鍵暗号は処理が高速だが鍵の配送と管理が課題、公開鍵暗号は処理が低速だが鍵配送が容易
間違えやすいところ
- 公開鍵暗号方式の特徴(対になる2つの鍵を用いる)を共通鍵暗号の特徴と取り違えないようにする
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問38
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.19 ↗(www.ipa.go.jp)
ISMS用語の定義(真正性・信頼性)
テクノロジ系 · セキュリティ / JIS Q 27000 / 情報セキュリティ特性
JIS Q 27000:2014(情報セキュリティマネジメントシステム-用語)において、「真正性」および「信頼性」の定義の組合せとして、適切なものはどれか。 〔定義〕 a 意図する行動と結果とが一貫しているという特性 b エンティティは、それが主張するとおりのものであるという特性 c 認可されたエンティティが要求したときに、アクセス及び使用が可能であるという特性 d 認可されていない個人、エンティティ又はプロセスに対して、情報を使用させず、また、開示しないという特性
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:JIS Q 27000では、真正性は「主張するとおりのものであること」、信頼性は「意図する行動と結果が一貫していること」と定義されます。これらは機密性・完全性・可用性という基本要素に加えて定められた用語です。可用性は要求時に使えること、機密性は許可されない人に使わせないことを表します。
解き方
- 定義文a〜dをそれぞれ用語に対応付けます(a: 信頼性、b: 真正性、c: 可用性、d: 機密性)。
- 真正性にb、信頼性にaを割り当てている組合せを選択します。
- 選択肢 ア不正解
- aは信頼性、cは可用性の定義なので組合せが誤りです。
- 選択肢 イ正解
- 真正性はb(主張どおりの特性)、信頼性はa(行動と結果の一貫性)で正しい組合せです。
- 選択肢 ウ不正解
- bは真正性ですが、dは機密性の定義なので誤りです。
- 選択肢 エ不正解
- dは機密性、aは信頼性の定義なので誤りです。
覚えるポイント
- 真正性(authenticity):主張通りであること、信頼性(reliability):意図した通りの一貫した動作
間違えやすいところ
- 信頼性と可用性(要求時に利用可能であること)、真正性と機密性を混同しないこと
出題の前提:JIS Q 27000:2014(情報セキュリティマネジメントシステム-用語)
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.19 ↗(www.ipa.go.jp)
CSIRT構築・運用支援マテリアル
テクノロジ系 · セキュリティ / インシデント対応 / CSIRT
組織内でインシデント対応体制を構築・運用することを支援する目的で、JPCERT/CCが作成・公開した文書はどれか。
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:JPCERT/CCがインシデント対応体制の構築・運用を支援するために公開している文書は「CSIRTマテリアル」です。JPCERT/CCは国内のサイバー攻撃などの報告を受け付け、対応を支援する調整機関です。CSIRTの作り方や活動内容をまとめた資料としてCSIRTマテリアルを提供しています。
解き方
- JPCERT/CCがインシデント対応体制(CSIRT)の構築・運用支援のために作成した資料の名称を確認します。
- 「CSIRTマテリアル」を選択します。
- 選択肢 ア正解
- CSIRTマテリアルは、JPCERT/CCがCSIRTの構築・運用を支援するために公開した公式資料です。
- 選択肢 イ不正解
- ISMSユーザーズガイドは、JIPDECなどが発行する適合性評価制度に関するガイドです。
- 選択肢 ウ不正解
- 証拠保全ガイドラインは、デジタル・フォレンジック研究会などが作る電子証拠保全の指針です。
- 選択肢 エ不正解
- 組織における内部不正防止ガイドラインは、IPAが作成・公開している指針です。
覚えるポイント
- JPCERT/CCが作成したCSIRT構築・運用支援資料は『CSIRTマテリアル』
間違えやすいところ
- IPAが作成する内部不正防止ガイドラインやJIPDECのISMS関連文書と作成機関を取り違えないようにする
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問40
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.20 ↗(www.ipa.go.jp)
C&Cサーバの役割
テクノロジ系 · 情報セキュリティ / マルウェア / ボットネット
ボットネットを構成する要素のうち、C&C(Command and Control)サーバが果たす役割として適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:C&Cサーバは、乗っ取った多数の端末に外部から命令を送り、応答を受け取る指令役です。ボットネット(ウイルスに感染した端末の集まり)を遠くから操作するために使われ、ここから一斉に攻撃を指示します。
解き方
- C&C(Command and Control)という名前のとおり、感染した端末を遠くから指図するサーバだと押さえます。
- 乗っ取った端末に命令を送り返事を受け取ると説明するエが正解です。
- 選択肢 ア不正解
- これはCDN(コンテンツを代わりに配信する仕組み)の説明で、C&Cサーバとは違います。
- 選択肢 イ不正解
- これはCHAP(パスワードを盗み見されにくくする認証のやり方)の説明です。
- 選択肢 ウ不正解
- これはワンタイムパスワード(一度だけ使えるパスワード)による本人確認の説明です。
- 選択肢 エ正解
- 乗っ取った端末に外部から命令を出し返事を受け取る役割なので、C&Cサーバとして正しいです。
覚えるポイント
- C&Cサーバはボットネットを遠隔指揮・統制するための司令塔サーバです。
間違えやすいところ
- 中身を代理配信するCDNなど、普通の中継サーバと混同しないようにしましょう。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問41の出題条件による。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.20 ↗(www.ipa.go.jp)
IDSの機能
テクノロジ系 · 情報セキュリティ / ネットワークセキュリティ / IDS
ネットワークやホストにおけるセキュリティ対策装置であるIDS(侵入検知システム)が提供する機能として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:IDS(侵入検知システム)は、ネットの通信やログを見張り、不正な侵入を見つけて管理者に知らせる仕組みです。見つけるだけで、通信を止めるのはIPS(侵入防止システム)です。
解き方
- IDS(Intrusion Detection System)は「見つけて知らせる」役目だと押さえます。
- 監視して侵害を検知・通知するウが正解だと判断します。
- 選択肢 ア不正解
- ソフトが最新版かを確認する資産管理やパッチ管理の説明です。
- 選択肢 イ不正解
- テスト用データを送って弱点を探すファジングや脆弱性診断の説明です。
- 選択肢 ウ正解
- サーバやネットの通信を見張り、不正な侵入を検知して管理者に知らせるので正しいです。
- 選択肢 エ不正解
- 組織のセキュリティ対策を自分で点検する自己診断ツールの説明です。
覚えるポイント
- IDSは検知・通知を行うシステムであり、自動遮断まで行うIPSと区別して覚えます。
間違えやすいところ
- 弱点を探す診断ツールと、侵入を見張るIDSを混同しないようにしましょう。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問42の出題条件による。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.21 ↗(www.ipa.go.jp)
セキュアブートの説明
テクノロジ系 · コンピュータシステム / ファームウェア / セキュリティ技術
コンピュータの起動時におけるセキュリティ技術である「セキュアブート」の説明として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:セキュアブートは、起動時に読み込むOSやドライバの電子署名(本物か確かめる印)を検証し、許可されたものだけを動かします。これでOSが起動する前に働くウイルスを防ぎます。
解き方
- セキュアブートが「起動時に読むプログラムの改ざんを防ぐ」仕組みだと確認します。
- 電子署名を検証して未許可のソフトを防ぐウを選びます。
- 選択肢 ア不正解
- BIOSにパスワードをかけて起動を守る、BIOS/UEFIパスワードの説明です。
- 選択肢 イ不正解
- HDDにパスワードをかける、ハードディスクパスワードの説明です。
- 選択肢 ウ正解
- OSやドライバの電子署名を検証して未許可のソフトを排除するので正しいです。
- 選択肢 エ不正解
- ウイルス対策ソフトを自動起動してスキャンする機能の説明です。
覚えるポイント
- セキュアブートはUEFI環境においてOS起動前に署名を検証し不正なプログラムの動作を防ぐ機能です。
間違えやすいところ
- 単なるBIOSや記憶装置のパスワードロックと混同しないよう注意します。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問43の出題条件による。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.21 ↗(www.ipa.go.jp)
公衆無線LANアクセスポイントのセキュリティ対策
テクノロジ系 · ネットワークセキュリティ / 無線LAN / 公衆無線LAN
公衆無線LANのアクセスポイントを設置する場合のセキュリティ対策と、その対策によって得られる効果の組合せのうち、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:公衆無線LANでは、同じアクセスポイントにつないだ他の利用者の端末に無断で入られないよう、端末同士の通信を遮断します。不特定多数が同じ網に乗り合わせるため、この分離が欠かせません。
解き方
- 各選択肢の対策と効果が本当に成り立つかを確かめます。
- MACアドレスは偽装可能、SSIDは暗号化されない、ドメイン名をSSIDにしても偽APは防げないと確認します。
- 端末同士を遮断して無断アクセスを防ぐエを正解とします。
- 選択肢 ア不正解
- MACアドレス(端末を識別する番号)は偽装できるため、フィルタリングではなりすましを防げません。
- 選択肢 イ不正解
- SSID(無線LANの名前)は平文で流れる識別子で、暗号化することはできません。
- 選択肢 ウ不正解
- SSIDはただの文字列なので、ドメイン名を設定しても偽アクセスポイントの設置は防げません。
- 選択肢 エ正解
- 同じアクセスポイントの端末同士の通信を遮断し、無断アクセスを防ぐので正しいです。
覚えるポイント
- 公衆無線LANの端末間通信遮断機能(プライバシーセパレータ)は、相乗りする端末間の直接通信・攻撃を防ぎます。
間違えやすいところ
- MACアドレスフィルタリングでなりすましを防げると誤解しないようにします。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問44の出題条件による。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.22 ↗(www.ipa.go.jp)
第三者中継のログ判定
テクノロジ系 · 情報セキュリティ / 電子メール / 第三者中継
自社の中継用メールサーバで記録したログのうち、外部ネットワークからの第三者中継(オープンリレー)と判断できるものはどれか。ここで、自社のグローバルIPアドレスはAAA.168.1.5およびAAA.168.1.10、社外のグローバルIPアドレスはBBB.45.67.89およびBBB.45.67.90とする。また、自社ドメイン名はa.b.c、他社ドメイン名はa.b.dおよびa.b.eとし、IPアドレスとドメイン名は詐称されていないものとする。
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:第三者中継とは、自社と関係のない他人のメールを自社サーバ経由で送らせる行為です。接続元が社外で、送信元も宛先も他社のときがこれにあたります。
解き方
- 社外からのアクセスなので、接続元IPが社外(BBB.45.67.x)のウかエに絞ります。
- 宛先を確かめると、エは自社宛ての通常受信、ウは他社から他社への中継なのでウが第三者中継です。
- 選択肢 ア不正解
- 接続元も送信元も自社なので、社内から社外への正常な送信です。
- 選択肢 イ不正解
- 自社から自社への社内で完結する正常な通信です。
- 選択肢 ウ正解
- 接続元が社外、送信元も宛先も他社なので、関係のないメールを中継させており第三者中継です。
- 選択肢 エ不正解
- 社外から自社ドメイン宛てに届いた、正常な受信です。
覚えるポイント
- 第三者中継は「外部(社外)から送られ、宛先も社外」のメールを中継する状態です。
間違えやすいところ
- 社外から自社宛てに届く普通の受信メール(エ)を中継と間違えないよう注意します。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問45の出題条件による。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.23 ↗(www.ipa.go.jp)
UML 2.0のシーケンス図とコミュニケーション図
テクノロジ系 · ソフトウェア工学 / UML / 相互作用図
UML 2.0において、シーケンス図とコミュニケーション図のどちらにも表現される要素はどれか。
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解答
エ
解説
まず要点:シーケンス図とコミュニケーション図は、どちらもオブジェクト同士が交わすメッセージを表します。時間の流れを重視するか、つながりの構造を重視するかの違いです。
解き方
- シーケンス図とコミュニケーション図がともに「相互作用図」でメッセージ通信を表すと確認します。
- 両図に共通する「オブジェクト間で送受信されるメッセージ」のエを選びます。
- 選択肢 ア不正解
- イベントと状態の移り変わりを表すのはステートマシン図です。
- 選択肢 イ不正解
- 状態にとどまる最短・最長時間を表すのはタイミング図です。
- 選択肢 ウ不正解
- メッセージを処理している期間はシーケンス図だけの表現で、コミュニケーション図にはありません。
- 選択肢 エ正解
- 両方の図ともにオブジェクト間のメッセージのやり取りを表すので正しいです。
覚えるポイント
- シーケンス図(時系列重視)とコミュニケーション図(関係構造重視)は、どちらもメッセージの送受信を表現する相互作用図です。
間違えやすいところ
- 処理期間はシーケンス図だけの表現で、コミュニケーション図にはない点に注意します。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問46の出題条件による。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.23 ↗(www.ipa.go.jp)
クラスとインスタンスの関係
テクノロジ系 · オブジェクト指向 / クラス / インスタンス
オブジェクト指向におけるクラスとインスタンスの関係に関する記述のうち、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:クラスは「設計図」、インスタンスはそれをもとに作られた「実体」です。1つのクラスからいくつものインスタンスを作れます。
解き方
- クラス(設計図)とインスタンス(実体)の関係を整理します。
- 「クラスの定義に基づいてインスタンスが生成される」と正しく述べるイを選びます。
- 選択肢 ア不正解
- 仕様を定めるのはクラスのほうで、主役が逆になっています。
- 選択肢 イ正解
- クラスを設計図として、それをもとにインスタンスが作られるので正しいです。
- 選択肢 ウ不正解
- 1つのインスタンスは普通、1つの具体的なクラスから作られます。
- 選択肢 エ不正解
- 1つのクラスからインスタンスはたくさん作ることができます。
覚えるポイント
- クラスは設計図(仕様定義)、インスタンスはその設計図から生成された実体です。
間違えやすいところ
- クラスとインスタンスのどちらがどちらを定義・生成するかを取り違えないようにします。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問47の出題条件による。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.24 ↗(www.ipa.go.jp)
モジュール結合度
テクノロジ系 · ソフトウェア工学 / モジュール設計 / モジュール結合度
モジュール間の情報の受渡しがパラメタ(単一データ項目)だけで行われる、結合度が最も弱いモジュール結合はどれか。
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:モジュール結合は、データ結合が最も弱く、内容結合が最も強いです。単一のデータだけを引数で渡すのがデータ結合です。結合は弱いほど独立性が高く望ましいです。
解き方
- 結合の強さの順(弱い順にデータ、スタンプ、制御、外部、共通、内容)を思い出します。
- 引数だけで受け渡し最も弱いのはデータ結合なのでウを選びます。
- 選択肢 ア不正解
- 共通結合は、共通領域のデータを複数のモジュールが直接読み書きする強い結合です。
- 選択肢 イ不正解
- 制御結合は、相手の動きを指定するフラグなどを渡す結合です。
- 選択肢 ウ正解
- 単一のデータだけを引数で渡し、最も結合が弱いので正しいです。
- 選択肢 エ不正解
- 内容結合は、他モジュールの内部データや命令を直接使う最も強い結合です。
覚えるポイント
- 結合度が最も弱いのはデータ結合(最良)、最も強いのは内容結合(最悪)です。
間違えやすいところ
- 凝集度は高いほど良く、結合度は弱いほど良いという違いを混同しないようにしましょう。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問48の出題条件による。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.24 ↗(www.ipa.go.jp)
オブジェクト指向における委譲(デリゲーション)の概念
テクノロジ系 · ソフトウェア工学 / オブジェクト指向設計 / 委譲
オブジェクト指向における“委譲”(デリゲーション:Delegation)に関する説明として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:委譲(デリゲーション)とは、自分の仕事を別のオブジェクトに任せる仕組みです。継承(親の性質を受け継ぐこと)を使わず、他のオブジェクトへの参照を持って処理を頼みます。部品を組み合わせる関係なので、変更に強く結び付きの弱い設計になります。
解き方
- 委譲とは、他のオブジェクトに処理を任せる仕組みだとまず思い出す。
- 選択肢の中で、他のオブジェクトに処理を依頼する説明になっているイを選ぶ。
- 選択肢 ア不正解
- これは操作が自動で連鎖して伝わる仕組み(伝搬・カスケード)の説明で、委譲ではありません。
- 選択肢 イ正解
- 自分が受けた処理を、内部で持っている別のオブジェクトに頼んで実行させる仕組みで、委譲の説明として正しいです。
- 選択肢 ウ不正解
- 下位クラスが上位クラスの性質や処理を受け継ぐ仕組みは、継承の説明です。
- 選択肢 エ不正解
- 複数の部品を組み合わせて一つのものを作る仕組みは、集約やコンポジションの説明です。
覚えるポイント
- 委譲は「has-a関係」で他オブジェクトに処理を任せる仕組み
- 継承(is-a関係)と対比させて覚える
間違えやすいところ
- 継承(ウ)や集約・コンポジション(エ)と定義を混同しないよう注意する。
出題の前提:基本情報技術者試験 午前・シラバスに準拠したオブジェクト指向の基本用語の定義
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.24 ↗(www.ipa.go.jp)
XP(エクストリームプログラミング)のプラクティス
テクノロジ系 · アジャイル開発 / XP / 継続的インテグレーション
XP(Extreme Programming)のプラクティスの説明のうち、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:XP(エクストリームプログラミング)は、アジャイル開発の代表的な手法の一つです。テスト駆動開発や継続的インテグレーションなど、変更に強くするための12個の実践(プラクティス)を定めています。これにより柔軟さと品質を同時に保ちます。
解き方
- XPの主な12のプラクティス(テスト駆動開発、継続的インテグレーション、リファクタリングなど)の中身を確認する。
- 各選択肢がどのプラクティスに当たるか照らし合わせ、継続的インテグレーションを説明するイを選ぶ。
- 選択肢 ア不正解
- 単体テストの仕様に責任を持つのは開発者です。顧客が責任を持つのは受け入れテストの仕様です。
- 選択肢 イ正解
- これは継続的インテグレーションの説明で、変更のたびに結合とテストを繰り返します。
- 選択肢 ウ不正解
- XPのテスト駆動開発(TDD)では、コードを書く前にまずテストケースを作ります。
- 選択肢 エ不正解
- リファクタリングは、テストに通った後も設計を良くするために随時行います。
覚えるポイント
- 継続的インテグレーションは頻繁なコード結合と自動テストの実行
- テスト駆動開発は「テストファースト(テストを先に書く)」
間違えやすいところ
- 顧客の役割を、受け入れテストではなく単体テストと取り違えてしまう誤り。
出題の前提:XP(エクストリームプログラミング)のプラクティス定義
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.25 ↗(www.ipa.go.jp)
WBS(Work Breakdown Structure)の目的
マネジメント系 · プロジェクトマネジメント / プロジェクトスコープマネジメント / WBS
ソフトウェア開発プロジェクトにおいてWBS(Work Breakdown Structure)を使用する目的として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:WBSとは作業分解構成図のことで、プロジェクトに必要な作業を階層的に細かく分ける図や表です。全作業(スコープ)をもれなく洗い出し、管理しやすい大きさに分ける目的で使います。見積りや進捗管理がしやすくなります。
解き方
- WBSという名前(作業を分解して構造化すること)とその役割を思い出す。
- スコープを階層的に管理しやすい単位へ細分化すると書いたエを選ぶ。
- 選択肢 ア不正解
- 期間と費用のトレードオフを考えた総費用の最適化は、タイム・コスト・トレードオフ分析などの説明です。
- 選択肢 イ不正解
- 作業の順序を示しクリティカルパスを把握するのは、PERT(アローダイアグラム)の説明です。
- 選択肢 ウ不正解
- 日程を横棒(バー)で表して進捗を見える化するのは、ガントチャートの説明です。
- 選択肢 エ正解
- 作業を上位から階層的に分けて、管理できる単位(ワークパッケージ)まで細かくする点がWBSの目的と一致します。
覚えるポイント
- WBSは作業を階層的に細分化するスコープ管理ツール
- アローダイアグラム(PERT)は順序関係とクリティカルパスの把握
- ガントチャートは横棒グラフによる日程・進捗の可視化
間違えやすいところ
- 日程や進捗を管理するガントチャート、順序を示すアローダイアグラムと目的を混同しない。
出題の前提:PMBOKにおけるプロジェクトスコープマネジメント手法(WBS)
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.25 ↗(www.ipa.go.jp)
アローダイアグラムによるプロジェクト所要日数の計算
マネジメント系 · プロジェクトタイムマネジメント / アローダイアグラム / クリティカルパス
図のプロジェクトの日程計画において、プロジェクトの所要日数は何日か。 〔図のアクティビティ構成〕 ・開始結合点から作業A(10日)と作業B(5日)が分岐する。 ・作業Aの完了結合点から、作業D(15日)と作業C(10日)へ分岐する。また、作業Bの完了結合点へ向かうダミー作業(0日)が存在する。 ・作業Cの完了結合点から作業E(20日)へ進む。また、作業Cの完了結合点から作業Fの完了結合点へ向かうダミー作業(0日)が存在する。 ・作業Dの完了結合点から作業F(15日)へ進む。 ・作業Bの完了結合点から作業G(25日)へ進み、作業Fと同じ結合点へ合流する。 ・作業Eと、作業F・Gが合流した結合点から、作業Hの開始結合点へ合流する。作業H(10日)を経て終了結合点に至る。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:プロジェクト全体の所要日数は、開始から終了までの全経路のうち、所要日数の合計が最大となる経路(クリティカルパス)の長さで決まります。破線のダミー作業は所要日数0日ですが、作業の順番の依存関係を表します。
解き方
- 図の矢印とノードのつながりを確認する。作業A(10日)の後、ノード4へ向かう作業D(15日)があり、ノード4からノード3へ上向きの破線ダミー(0日)が引かれている。
- 各経路の長さを計算する:1) B(5)+G(25)+H(10)=40日、2) A(10)+ダミー(0)+G(25)+H(10)=45日、3) A(10)+C(10)+E(20)+H(10)=50日、4) A(10)+D(15)+F(15)+H(10)=50日、5) A(10)+D(15)+ダミー(0)+E(20)+H(10)=55日。
- 計算した経路のうち最大の55日を、プロジェクトの所要日数とする。
- 選択肢 ア不正解
- 「B → G → H」(40日)などの計算結果で、全体の最長経路ではありません。
- 選択肢 イ不正解
- 「A → ダミー → G → H」(45日)の計算結果で、他の経路の日数を考えていません。
- 選択肢 ウ不正解
- ダミー作業を見落として「A → C → E → H」や「A → D → F → H」を選んだ場合の50日であり、誤りです。
- 選択肢 エ正解
- 最長経路である「A(10) + D(15) + ダミー(0) + E(20) + H(10)」の合計55日で、これが正解です。
覚えるポイント
- クリティカルパスは全経路の中で最長の経路
- ダミー作業は所要時間0だが依存関係を制約する
間違えやすいところ
- ノード間のダミー矢印の向きを見落とし、ダミーを通る最長経路(55日)の計算を忘れるミス。
出題の前提:アローダイアグラムにおける最長経路探索(クリティカルパス法)
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.25 ↗(www.ipa.go.jp)
進捗状況に基づく残作業量の割合の算出
マネジメント系 · プロジェクト管理 / 進捗管理 / 工数管理
表は、1人で行うプログラム開発の開始時点での計画表である。6月1日に開発を開始し、6月11日の終了時点でコーディング作業の25%が終了した。6月11日の終了時点で残っている作業量は全体の約何%か。ここで、開発は、土曜日と日曜日を除く週5日間で行うものとする。 〔計画表〕 ・仕様書作成:計画作業量 2人日、完了予定日 6月2日(火) ・プログラム設計:計画作業量 5人日、完了予定日 6月9日(火) ・テスト計画書作成:計画作業量 1人日、完了予定日 6月10日(水) ・コーディング:計画作業量 4人日、完了予定日 6月16日(火) ・コンパイル:計画作業量 2人日、完了予定日 6月18日(木) ・テスト:計画作業量 3人日、完了予定日 6月23日(火)
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:全体の進捗割合や残りの作業割合は、完了した作業の工数の合計と全体の総計画工数から比率で求めます。途中の作業は、完了した割合をその作業の計画工数にかけて完了分を計算します。
解き方
- 表の計画作業量を合計して全体の総作業量を出す:2 + 5 + 1 + 4 + 2 + 3 = 17人日。
- 6月11日終了時点の完了作業量を集計する。6月10日までの「仕様書作成(2)」「プログラム設計(5)」「テスト計画書作成(1)」は完了し、さらに「コーディング(4人日)」の25%が終わっているので、完了分は 2 + 5 + 1 + (4 × 0.25) = 9人日。
- 残っている作業量を出す:17 - 9 = 8人日。
- 全体に対する残作業量の割合を計算する:8 ÷ 17 ≒ 47.06% → 約47%。
- 選択肢 ア不正解
- 残作業割合ではなく、別の誤った基準で出した値です。
- 選択肢 イ正解
- 残作業量は 17 - 9 = 8人日で、8 ÷ 17 ≒ 0.4706(約47%)となるので正しいです。
- 選択肢 ウ不正解
- 52%は完了作業割合(9 ÷ 17 ≒ 52.9%)に近い値で、残作業量と取り違えています。
- 選択肢 エ不正解
- 完了作業割合 9 ÷ 17 ≒ 52.94% を四捨五入した約53%であり、残作業割合ではありません。
覚えるポイント
- 全体作業量と完了作業量を正確に合算して引き算する
- 設問が「完了した割合」か「残っている割合」かを注意深く確認する
間違えやすいところ
- 完了した作業の割合(約53%)を問われていると勘違いしてエを選んでしまう。
出題の前提:基本情報技術者試験における工数見積りと進捗率計算の標準的解法
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.26 ↗(www.ipa.go.jp)
ファンクションポイント法を用いた総工数の算出
マネジメント系 · プロジェクトコストマネジメント / 見積り手法 / ファンクションポイント法
ある新規システムの機能規模を見積もったところ、500FP(ファンクションポイント)であった。このシステムを構築するプロジェクトには、開発工数のほかに、システム導入と開発者教育の工数が、合計で10人月必要である。また、プロジェクト管理に、開発と導入・教育を合わせた工数の10%を要する。このプロジェクトに要する全工数は何人月か。ここで、開発の生産性は1人月当たり10FPとする。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:ファンクションポイント(FP)法では、まず規模(FP)を生産性(FP/人月)で割って開発工数を出します。次に導入や教育などの追加作業を足し、その合計に管理工数の比率をかけて全体の工数を求めます。
解き方
- 開発工数を計算する:500 FP ÷ 10 FP/人月 = 50人月。
- 開発と導入・教育を合わせた工数を計算する:50人月 + 10人月 = 60人月。
- プロジェクト管理工数を計算する:60人月 × 10% = 6人月。
- 全工数を合計する:60人月 + 6人月 = 66人月。
- 選択肢 ア不正解
- 開発工数50人月にだけ管理工数を足したり、計算を誤ったりした場合の数値です。
- 選択肢 イ不正解
- 開発工数50人月に導入・教育工数10人月を足しただけの60人月で、プロジェクト管理工数が入っていません。
- 選択肢 ウ不正解
- 開発工数50人月にだけ10%の管理工数(5人月)を足した計算(50 + 10 + 5 = 65)で、導入・教育分への管理工数が抜けています。
- 選択肢 エ正解
- (50 + 10) × 1.10 = 66人月と正しく計算されています。
覚えるポイント
- 管理工数が何に対するパーセンテージなのか(本問では開発と導入・教育の合計)を正確に読み取る
間違えやすいところ
- 管理工数を開発工数だけの10%(5人月)として、合計を65人月にしてしまう誤り。
出題の前提:ファンクションポイント法を用いた工数積算の基本計算
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.26 ↗(www.ipa.go.jp)
キャパシティ管理における傾向分析
マネジメント系 · サービスマネジメント / キャパシティ管理 / 傾向分析
キャパシティ管理における将来のコンポーネント、並びにサービスの容量・能力及びパフォーマンスを予想する活動のうち、傾向分析はどれか。
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:ITサービスマネジメントのキャパシティ管理では、将来の需要や性能を予測するためにいくつかの手法を使います。過去の実績データの時間変化から将来を予測するのが傾向分析(トレンド分析)です。ほかに数式モデルを使う分析モデリング、模擬実験するシミュレーションモデリングなどがあります。
解き方
- キャパシティ管理の予測手法の分類(傾向分析、分析モデリング、シミュレーションモデリングなど)を整理する。
- 時系列データをもとに将来の変化を予測する記述のアを「傾向分析」として選ぶ。
- 選択肢 ア正解
- 時系列データをもとに将来の資源利用の変化を予測する活動で、傾向分析(トレンド分析)の正しい説明です。
- 選択肢 イ不正解
- 待ち行列理論などの数学的技法を使う手法は「分析モデリング(Analytical Modeling)」の説明です。
- 選択肢 ウ不正解
- 模擬的に負荷を発生させて予測する手法は「シミュレーションモデリング(Simulation)」の説明です。
- 選択肢 エ不正解
- 現在の性能を正確に反映したモデルを作る作業は「ベースラインモデルの構築」の説明です。
覚えるポイント
- 傾向分析=時系列データからの外挿・予測
- 待ち行列理論=分析的モデリング
- 模擬トランザクション=シミュレーション
間違えやすいところ
- 数学的な手法(待ち行列理論)やシミュレーションと、傾向分析の考え方を混同しない。
出題の前提:ITIL キャパシティ管理のモデリング手法・予測手法の定義
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.27 ↗(www.ipa.go.jp)
システム起動方式(コールドスタート)
マネジメント系 · システム運用管理 / 障害回復 / コールドスタート
システム障害が発生したときにシステムを初期状態に戻して再開する方法であり、更新前コピー又は更新後コピーの前処理を伴わないシステム開始のことであって、初期プログラムロードとも呼ばれるものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:システムの再起動方式には、主にコールドスタートとウォームスタートがあります。コールドスタートは初期プログラムロード(IPL)を行い、作業中の状態を捨てて完全に初期状態から立ち上げ直す方式です。ウォームスタートは障害前のログやチェックポイントを使って、整合性を保ちながら早く再開する方式です。
解き方
- 更新前ログや更新後ログを使う前処理を伴わず、初期状態に戻して再開する方式(初期プログラムロード)の特徴を確認する。
- この定義に当てはまる用語が「コールドスタート」だと判断し、選択肢イを選ぶ。
- 選択肢 ア不正解
- ウォームスタートは、チェックポイントやログファイルの情報を使って障害直前の状態に戻して再開する方式です。
- 選択肢 イ正解
- 初期プログラムロード(IPL)を行い、システムを初期状態に戻して再開する方式で、コールドスタートの説明として適切です。
- 選択肢 ウ不正解
- ロールバックは、更新前ログを使って障害発生前の状態に取り消す処理です。
- 選択肢 エ不正解
- ロールフォワードは、バックアップと更新後ログを使って障害直前の最新状態に復旧する処理です。
覚えるポイント
- コールドスタート:初期化して最初から再起動(IPL)
- ウォームスタート:直前の状態やログを反映して復帰
間違えやすいところ
- ログを使って直前の状態へ戻すウォームスタートと、完全に初期化するコールドスタートを混同しない。
出題の前提:基本情報技術者試験におけるシステム回復・再起動手法の定義
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.27 ↗(www.ipa.go.jp)
SLAにおける許容停止時間の計算
マネジメント系 · サービスレベル合意 / 稼働率と可用性
あるITサービスにおいて、1か月の営業日数を30日、各営業日のサービス提供時間帯を午前8時から午後22時まで(計画停止は実施しない)とする。SLAとして「可用性99.5%以上」を維持する場合、1か月あたりのサービス時間帯における最大許容停止時間は何時間か。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:許容停止時間は「総サービス時間 ×(1-可用性)」で求める。可用性(サービスが使える割合)が99.5%なら、止まってよいのは0.5%だけ。1日の提供は8時から22時までの14時間で、30日分なら420時間。その0.5%が答えになる。
解き方
- 1日の提供時間は8時から22時までの14時間。30日分をかけて総提供時間420時間を出します。
- 止まってよい割合は100%-99.5%=0.5%。420時間に0.005をかけて2.1時間を求めます。
- 選択肢 ア不正解
- 24時間で計算したり日数を間違えたりした誤った値で、正しくは2.1時間です。
- 選択肢 イ正解
- 420時間の0.5%は2.1時間で、条件に合う正しい停止時間です。
- 選択肢 ウ不正解
- 0.5%ではなく別の割合で計算した値で、条件に合いません。
- 選択肢 エ不正解
- 1日24時間で動くと勘違いした計算に近い値ですが、実際は14時間です。
覚えるポイント
- 可用性は「稼働可能時間/合意されたサービス時間」で計算すること
間違えやすいところ
- 1日の稼働を24時間と取り違えて計算しないこと
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問57
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.27 ↗(www.ipa.go.jp) / 公式解答例 p.1 ↗(www.ipa.go.jp)
ISMS内部監査における指摘事項の判定
マネジメント系 · 情報セキュリティマネジメントシステム / 内部監査 / リスクアセスメント
JIS Q 27001:2014(ISMS要求事項)に準拠した内部監査を実施した。監査人が監査報告書に「指摘事項(不適合または改善が必要な事項)」として記載すべき状況はどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:リスク受容基準はリスクアセスメントの前に決めておく。リスクアセスメントとは、危険を洗い出し、分析し、評価する一連の作業。基準を後から決めると、結果に都合よく合わせられてしまうので不適合になる。
解き方
- 各選択肢の運用がJIS Q 27001の要求事項や内部統制に合っているかを確認します。
- 受容基準は評価の前に決めておくべき点に注目し、順序が逆の選択肢を指摘事項として選びます。
- 選択肢 ア不正解
- 決められた手順どおりにUSBメモリの使用を許可しており、問題ありません。
- 選択肢 イ不正解
- 誤廃棄事故を規定どおりに報告しており、適切な対応で問題ありません。
- 選択肢 ウ不正解
- スパイウェアを検知して駆除できているので、問題ありません。
- 選択肢 エ正解
- 受容基準はアセスメントより先に決めるべきもので、後から決めるのは手順違反です。
覚えるポイント
- リスク受容基準はリスクアセスメント実施前に確立しておく必要がある
間違えやすいところ
- 結果を見てから受容基準を都合よく決めてもよいと勘違いしないこと
出題の前提:JIS Q 27001:2014 6.1.2(情報セキュリティリスクアセスメント)
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.28 ↗(www.ipa.go.jp) / 公式解答例 p.1 ↗(www.ipa.go.jp)
機密媒体の外部委託管理におけるセキュリティ指摘事項
マネジメント系 · 情報セキュリティ監査 / 外部委託管理 / 物理的セキュリティ
専門業者に機密情報を含むバックアップ媒体の外部保管を委託する運用について、安全性に関する監査を実施した。監査報告書において指摘事項として記載すべき状況はどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:機密情報が入った媒体を外部に運ぶときは、鍵のかかる専用ケースを使うなど物理的な対策が必要。契約や記録だけでなく、盗難・紛失・のぞき見から守る工夫が欠かせない。段ボール箱は簡単に開けられるので不十分。
解き方
- 契約の締結、確認体制、受け渡しの記録がきちんとあるかを見ます(ア〜ウは適切)。
- 媒体そのものを守る物理的な手段を確認し、段ボール箱は対策として不十分だと判断します。
- 選択肢 ア不正解
- 委託先の保管状況を定期的に確認する契約を結んでおり、適切な管理です。
- 選択肢 イ不正解
- 機密保持条項を入れた正式な契約を結んでおり、適切な措置です。
- 選択肢 ウ不正解
- 専用の記録簿と受領印で受け渡しを管理し、追跡できるので適切です。
- 選択肢 エ正解
- 鍵のない段ボール箱での引き渡しは、紛失や漏えいの危険があり指摘に当たります。
覚えるポイント
- 機密媒体の移送時は施錠可能な専用ケース等で物理的安全措置を講じること
間違えやすいところ
- 受領印などの手続きだけでなく、梱包や運び方の安全も見落とさないこと
出題の前提:情報セキュリティ管理基準(物理的安全管理措置・外部委託管理)
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.28 ↗(www.ipa.go.jp) / 公式解答例 p.1 ↗(www.ipa.go.jp)
内部統制の整備および運用に関する最終責任者
マネジメント系 · ITガバナンス / 内部統制 / コーポレートガバナンス
証券取引所に上場している企業において、内部統制の整備及び運用に対して最終的な責任を負っている者は誰か。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:内部統制(会社のしくみやルール)を整えて動かす最終責任は経営者が負う。経営者は方針を決め、会社全体の仕組みを作り運用する。取締役会や監査役は、それを監視・監査する立場になる。
解き方
- 経営者、取締役会、監査役、従業員それぞれの内部統制での役割を整理します。
- 内部統制を実際に整え運用し、その結果に責任を負うのは経営者だと特定します。
- 選択肢 ア不正解
- 株主は会社の持ち主ですが、日々の内部統制を整え運用する責任者ではありません。
- 選択肢 イ不正解
- 監査役は内部統制を監視・監査しますが、整備や運用の最終責任者ではありません。
- 選択肢 ウ不正解
- 業務担当者は自分の担当範囲の責任は負いますが、会社全体の最終責任者ではありません。
- 選択肢 エ正解
- 経営者は会社全体の内部統制を整え、正しく運用する最終責任を負います。
覚えるポイント
- 内部統制の整備・運用の最終責任者は「経営者」である
間違えやすいところ
- 監査する監査役やまとめる取締役会と、最終責任者を混同しないこと
出題の前提:企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.28 ↗(www.ipa.go.jp) / 公式解答例 p.1 ↗(www.ipa.go.jp)
IT投資評価における事前評価の内容
ストラテジ系 · IT投資評価 / 投資計画策定 / 事前評価
IT投資評価をプロジェクトの段階に応じて「事前評価」「中間評価」「事後評価」に分けて実施するとき、事前評価の説明として適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:事前評価は、投資を始める前にやるかどうかを判断するために行う。効果目標を決め、実施してよいかの材料を経営陣に渡すのが役目。中間評価は途中の見直し、事後評価は導入後の効果測定を行う。
解き方
- 事前評価(やるか判断)、中間評価(途中の修正)、事後評価(後の効果測定)の違いを比べます。
- 投資の前に目標を決めて可否判断の情報を出す、エが事前評価だと選びます。
- 選択肢 ア不正解
- 実施中の計画と実績のずれを見て見直す「中間評価」の説明です。
- 選択肢 イ不正解
- 稼働後に効果が出たかを確かめて改善する「事後評価」の説明です。
- 選択肢 ウ不正解
- 評価の進め方や計画を決める作業の話で、事前評価の主な目的ではありません。
- 選択肢 エ正解
- 投資前に効果目標を定め、実施の可否を判断する材料を出すので適切です。
覚えるポイント
- 事前評価=投資の実施可否判断、中間評価=計画の見直し、事後評価=効果の達成状況確認
間違えやすいところ
- 事前評価と、評価の計画を立てる作業とを混同しないこと
出題の前提:経済産業省「IT投資促進のための評価ガイドライン」
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.29 ↗(www.ipa.go.jp) / 公式解答例 p.1 ↗(www.ipa.go.jp)
BPO(Business Process Outsourcing)の特徴
ストラテジ系 · BPO / アウトソーシング / 業務プロセス
BPO(Business Process Outsourcing)の説明として、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:BPOは、会社の特定の業務プロセスごと外部の専門会社に任せる経営手法。システムの運用も含めてまとめて任せる。コア業務(本業)に力を集中でき、コスト削減や品質向上を狙う。単なる派遣やシステム外注とは違う。
解き方
- BPOの定義(業務の企画・設計・運用をまとめて外部に任せる)を確認します。
- IaaS、SaaS、単なる派遣と、業務ごと任せるBPOを見分けます。
- 選択肢 ア不正解
- サーバを借りて使うIaaS(インフラのクラウド利用)の説明です。
- 選択肢 イ不正解
- 外部のソフトをネット経由で使うSaaS(ソフトのクラウド利用)の説明です。
- 選択肢 ウ正解
- 業務プロセス全体をシステム運用ごと外部に委託するBPOの説明で適切です。
- 選択肢 エ不正解
- 人件費の安い派遣社員で開発費を下げる話であり、BPOではありません。
覚えるポイント
- BPOは特定部門の業務プロセスそのものを外部に委託する手法
間違えやすいところ
- 単なる開発外注や労働者派遣と、BPOを混同しないこと
出題の前提:経済産業省「ITサービスマネジメント・アウトソーシング調達基準」
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.29 ↗(www.ipa.go.jp) / 公式解答例 p.1 ↗(www.ipa.go.jp)
SOA(サービス指向アーキテクチャ)の概要
ストラテジ系 · SOA / ソフトウェアアーキテクチャ / 疎結合
SOA(Service Oriented Architecture)を説明したものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:SOA(サービス指向アーキテクチャ)は、業務の機能を「サービス」という独立した部品にして組み合わせる設計の考え方。部品を再利用しやすく、事業の変化に素早く対応できる。四つの体系や構造化手法とは別物。
解き方
- SOAの中心(独立した「サービス」を組み合わせ、柔軟性と再利用性を高める)を思い出します。
- ア(EA)、ウ(DFDの構造化分析)、エ(構造化プログラミング)を除き、イを選びます。
- 選択肢 ア不正解
- 4つの体系からなるEA(エンタープライズアーキテクチャ)の説明です。
- 選択肢 イ正解
- 業務機能をサービスという部品で組み立てるSOAの説明で適切です。
- 選択肢 ウ不正解
- DFD(データの流れ図)を使う構造化分析の説明です。
- 選択肢 エ不正解
- 連接・選択・繰返しを使う構造化プログラミングの説明です。
覚えるポイント
- SOAは業務機能単位の「サービス」を組み合わせて構築する設計思想
間違えやすいところ
- EAや構造化プログラミングとSOAの用語を混同しないこと
出題の前提:情報処理技術者試験シラバス(システムアーキテクチャ・SOA)
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.30 ↗(www.ipa.go.jp) / 公式解答例 p.1 ↗(www.ipa.go.jp)
システム化計画の立案プロセスにおける実施事項
ストラテジ系 · システム化構想・計画 / 共通フレーム / 共通フレーム2013
共通フレーム等のライフサイクルプロセスにおいて、「システム化計画の立案」で実施すべき事項として適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:システム化計画の立案では、システム化の構想を具体化し、体制・スケジュール・費用・投資効果・リスクを明らかにして進める承認を得る。画面設計や日々の運用、稼働後の保守は、この段階の作業ではない。
解き方
- 企画、要件定義、設計・開発、運用・保守の各プロセスの作業内容を分けます。
- 体制や役割分担、開発から保守までの費用を扱うイが計画立案に合うと判断します。
- 選択肢 ア不正解
- 要件定義書から画面や帳票を設計するのは「システム方式設計(外部設計)」です。
- 選択肢 イ正解
- 体制づくりと役割分担、開発から保守までの費用の明確化は計画立案の作業です。
- 選択肢 ウ不正解
- 起動・停止や監視、メンテナンスは「運用プロセス」の作業です。
- 選択肢 エ不正解
- 稼働後の不具合対応や変更の影響分析は「保守プロセス」の作業です。
覚えるポイント
- システム化計画立案では開発・運用体制やライフサイクル全体の費用基礎を明確化する
間違えやすいところ
- 画面設計(外部設計)や運用・保守の作業と混同しないこと
出題の前提:共通フレーム2013(企画プロセス:システム化計画の立案)
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.30 ↗(www.ipa.go.jp) / 公式解答例 p.1 ↗(www.ipa.go.jp)
共通フレームにおける要件定義プロセスの作業内容
ストラテジ系 · 共通フレーム / 要件定義プロセス / 利害関係者要件の確立
共通フレーム等における「企画、要件定義、システム開発、ソフトウェア実装、ハードウェア実装、保守」から成る一連のライフサイクルプロセスのうち、要件定義プロセスで実施すべき適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:要件定義プロセスは、新しく作る(または直す)システムについて、関係する人たちの要望や制約を洗い出して合意する作業です。だれが関わるかをはじめに特定し、その人たちが何を望み、どんな条件に縛られるかを明らかにします。ここで決めた内容が、後の設計や開発の土台になります。
解き方
- ライフサイクル各プロセス(企画・要件定義・開発など)が何をする場面かを整理します。
- 関係する人たちの要望や制約を洗い出して合意する内容が、要件定義プロセスに当てはまると判断します。
- 選択肢 ア正解
- だれが関係するかを特定し、その望みや制約を洗い出して合意するのは、要件定義プロセスの中心的な作業です。
- 選択肢 イ不正解
- 事業の目的や方針、実施計画を決めるのは、要件定義より前の企画プロセスの仕事です。
- 選択肢 ウ不正解
- システムの機能や性能を定義し、ハードやソフトの実現方法を固めるのはシステム開発プロセスの仕事です。
- 選択肢 エ不正解
- ソフトウェアの方式設計や適格性の確認は、ソフトウェア実装プロセスの仕事です。
覚えるポイント
- 要件定義プロセス=利害関係者(ステークホルダー)のニーズ・要望・制約条件の識別と合意
間違えやすいところ
- 「システム化の方針を決める」のは企画プロセスであり、要件定義と混同しやすいので注意します。
出題の前提:共通フレーム(SLCP-JCF)におけるライフサイクルプロセスの定義に準拠。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.31 ↗(www.ipa.go.jp)
情報システム調達手順と調達文書(RFI/RFP)
ストラテジ系 · システム調達 / RFI / RFP / 提案依頼書
情報システムを調達する手順において、発注元がベンダに調達対象システムや調達条件などを示し、提案書の提出を依頼する活動(図中の空欄b)に当てはまるものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:情報システムの調達は、情報を集める段階から契約を結ぶ段階へと順番に進みます。最初にRFI(Request for Information:情報提供依頼)でベンダから情報を集め、次にRFP(Request for Proposal:提案依頼)で具体的な提案を求めます。その後、提案を評価して調達先を選び、最後に契約を結びます。
解き方
- 図の各手順(a:情報提供依頼、b:提案書の提出依頼、c:調達先の決定、d:契約の確認)を整理します。
- bの「調達するシステムや条件を示して提案書の提出を求める」行為に当てはまる略称(RFP)を選びます。
- 選択肢 ア不正解
- RFI(情報提供依頼)は、システム化の目的や業務内容を示して情報提供を求める、図のaの工程です。
- 選択肢 イ正解
- RFP(提案依頼)は、調達するシステムや条件を示して提案書の提出を求める、bの工程に当てはまります。
- 選択肢 ウ不正解
- 供給者の選定は、出された提案書やベンダの能力を評価して発注先を決めるcの工程です。
- 選択肢 エ不正解
- 契約の締結は、選んだ調達先と役割や責任分担を契約書で確認し合うdの工程です。
覚えるポイント
- RFIは情報提供依頼書(技術動向等の情報収集)、RFPは提案依頼書(具体的提案・見積りの募集)
間違えやすいところ
- RFIとRFPの順番を混同しないようにします。ざっくり情報を集めるRFIが先で、具体的な提案を求めるRFPが後です。
出題の前提:情報システムの調達手順および共通フレームの調達プロセスに基づく。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.31 ↗(www.ipa.go.jp)
プロダクトライフサイクルにおける成長期の特徴
ストラテジ系 · プロダクトライフサイクル / 成長期 / マーケティング戦略
製品が市場に投入されてから姿を消すまでの経過を示すプロダクトライフサイクルの各段階(導入期、成長期、成熟期、衰退期)のうち、「成長期」の特徴として適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:プロダクトライフサイクルは「導入期→成長期→成熟期→衰退期」の4段階です。成長期は製品が市場に認められて売り上げが急に伸びる段階で、品ぞろえや販売ルートを広げるための投資が盛んになります。
解き方
- 各選択肢がプロダクトライフサイクルのどの段階を説明しているかを照らし合わせます。
- 「売り上げが伸びる」「販売ルートの拡大」「投資が必要」という成長期の特徴にぴったり合う記述を選びます。
- 選択肢 ア正解
- 市場に認められて売り上げが伸び、販売ルートの整備や品ぞろえの拡大に投資が要る成長期の説明です。
- 選択肢 イ不正解
- 需要が満ちて差別化や市場の細分化、コスト削減、新品種の追加競争が進むのは成熟期です。
- 選択肢 ウ不正解
- 需要が減り、競合の撤退や別市場への切り替えを考える段階は衰退期です。
- 選択肢 エ不正解
- 市場での認知がまだ低く、需要が限られるため新規顧客の開拓が必要な段階は導入期です。
覚えるポイント
- ライフサイクルの4段階:導入期(認知開拓)→成長期(売上急拡大・投資増)→成熟期(競争激化・差別化)→衰退期(需要減・撤退検討)
間違えやすいところ
- 成長期と成熟期の境目は混同しやすいので注意します。「売り上げが急拡大し投資が要る」のが成長期、「需要が頭打ちでコスト削減と競争が進む」のが成熟期です。
出題の前提:マーケティング論におけるプロダクトライフサイクル理論に基づく。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.32 ↗(www.ipa.go.jp)
一次関数で表される価格と需要の関係からの需要予測
ストラテジ系 · 一次関数 / 需要曲線 / 価格弾力性
ある製品の設定価格と需要との関係が1次式で表せるとき、次の条件における a に入る適切な数値はどれか。 (1) 設定価格を3,000円にすると、需要は0個になる。 (2) 設定価格を1,000円にすると、需要は60,000個になる。 (3) 設定価格を1,500円にすると、需要は a 個になる。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:2つの量が1次式(直線の式)で表されるとき、2点の値から式を求めて他の値を計算できます。ここでは(3,000円, 0個)と(1,000円, 60,000個)の2点から傾きと切片を求め、価格1,500円のときの需要を出します。
解き方
- 条件(1)の(3,000, 0)と条件(2)の(1,000, 60,000)から傾きを出します:傾き=(60,000-0)÷(1,000-3,000)=-30(個/円)。
- 直線の式を立てます:Q-0=-30×(P-3,000) より、需要Q=-30P+90,000 となります。
- 価格 P=1,500 を代入します:a=-30×1,500+90,000=45,000個。
- 選択肢 ア不正解
- 30,000個は、価格を2,000円にしたときの需要(-30×2,000+90,000)で、aの答えではありません。
- 選択肢 イ不正解
- 35,000個は誤りで、求めた式に当てはめると価格が約1,833円のときの需要になります。
- 選択肢 ウ不正解
- 40,000個は誤りで、求めた式に当てはめると価格が約1,667円のときの需要になります。
- 選択肢 エ正解
- 求めた式 Q=-30P+90,000 に P=1,500 を代入すると、ちょうど45,000個になります。
覚えるポイント
- 1次式の関係:傾き=(需要の変化量)÷(価格の変化量)
間違えやすいところ
- 価格が上がると需要は減るので傾きは負になります。価格差と需要差の割り算の向きと符号を間違えないよう注意します。
出題の前提:一般的な1次関数モデルによる需要予測に基づく。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.32 ↗(www.ipa.go.jp)
顧客移行マトリクスと需要試算の分析
ストラテジ系 · 需要予測 / 顧客遷移 / マトリクス分析
T社では旧商品A, B, C(顧客数は毎月それぞれ10,000人, 20,000人, 80,000人)から、新商品P, Q, R, Sへ移行する割合と新規顧客数を表のように試算した。この試算に関する記述のうち、適切なものはどれか。 〔表のデータ〕 A(10,000人):P 0.5, Q 0.3, R 0.1, S 0.1 B(20,000人):P 0.1, Q 0.6, R 0.1, S 0.1 C(80,000人):P 0.1, Q 0.1, R 0.3, S 0.3 既存顧客数合計:P 15,000人, Q 23,000人, R 27,000人, S 27,000人 新規顧客数:P 5,000人, Q 7,000人, R 13,000人, S 23,000人
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:この表は、旧商品A・B・Cの購入者が、新商品P・Q・R・Sへどれくらい移るかを割合で示したものです。各旧商品の人数に移行割合を掛けると、新商品へ移る人数を計算できます。それを新規顧客数と組み合わせて、各記述の正しさを確かめます。
解き方
- 旧商品から新商品へ移る人数を計算します:商品AからQへは 10,000×0.3=3,000人、商品CからSへは 80,000×0.3=24,000人。
- 商品Bの移行割合の合計を確認します:0.1+0.6+0.1+0.1=0.9(90%)で、10%はどれも買わないと想定しています。
- 新商品Pの見込み客を計算します:既存15,000人+新規5,000人=20,000人。商品Aからは5,000人で構成比は25%です。
- 選択肢エを確かめます:新商品Sの新規顧客23,000人<商品CからSへの移行者24,000人となり、記述は正しいです。
- 選択肢 ア不正解
- 商品Aから新商品Qへ移るのは 10,000×0.3=3,000人で、1,000人ではありません。
- 選択肢 イ不正解
- 商品Bの移行割合を足すと 0.1+0.6+0.1+0.1=0.9 で、残りの10%はどの新商品も買わないと見込まれます。
- 選択肢 ウ不正解
- 新商品Pの見込み客は 15,000+5,000=20,000人で、商品Aからは5,000人(25%)なので5割ではありません。
- 選択肢 エ正解
- 新商品Sの新規顧客は23,000人、商品CからSへの移行者は 80,000×0.3=24,000人なので、23,000人<24,000人となり記述どおりです。
覚えるポイント
- マトリクス表の読解では「全体(既存+新規)」の母数と「特定の移行経路」の人数を正確に区別して計算する
間違えやすいところ
- 「新商品Pの購入見込み客」を既存顧客15,000人だけで数えてしまい、新規顧客5,000人を足し忘れる間違いに注意します。
出題の前提:問題文中に与えられた数値表のデータに基づく。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.33 ↗(www.ipa.go.jp)
技術進化の過程を表す概念(技術のSカーブ)
ストラテジ系 · 技術経営 / MOT / 技術のSカーブ / イノベーション
技術は、理想とする技術を目指す過程において、導入期、成長期、成熟期、衰退期、そして次の技術フェーズに移行するという進化の過程をたどる。この技術進化過程を表すものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:技術のSカーブは、技術の進歩を表す曲線です。最初はゆっくり進み、画期的な改良を機に急速に伸び、やがて限界に近づいて頭打ちになり、次の新しい技術へと交代していきます。この姿がアルファベットのSの字に似ています。
解き方
- 問題文の「導入期・成長期・成熟期・衰退期を経て次の技術へ移る技術進化の過程」という説明を確認します。
- 選択肢の各曲線の意味を照らし合わせ、「技術のSカーブ」を選びます。
- 選択肢 ア正解
- 技術の進歩と性能の関係が、ゆるやかな立ち上がり、急な伸び、限界による停滞というS字を描くことを示します。
- 選択肢 イ不正解
- 需要曲線は、製品の価格と買いたい人の需要量との関係を表す経済学の曲線です。
- 選択肢 ウ不正解
- バスタブ曲線(故障率曲線)は、機器の故障率が初期故障・偶発故障・摩耗故障と移り変わる様子を表します。
- 選択肢 エ不正解
- ラーニングカーブ(学習曲線)は、作る量が増えるほど習熟して単位あたりのコストが下がる関係を表します。
覚えるポイント
- 技術の進化・世代交代=技術のSカーブ、故障率の推移=バスタブ曲線、累積生産量とコスト低下=ラーニングカーブ
間違えやすいところ
- バスタブ曲線(信頼性工学)やラーニングカーブ(生産工学・経営)と用語を取り違えないようにします。
出題の前提:MOT(技術経営論)における技術革新・ライフサイクル理論に基づく。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.33 ↗(www.ipa.go.jp)
IoT(Internet of Things)の構成要素の定義
ストラテジ系 · IoT / モノのインターネット / センサネットワーク
IoT(Internet of Things)の構成要素に関する記述として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:IoT(Internet of Things:モノのインターネット)は、ネットワークにつながってデータをやり取りできるすべての「モノ」を対象にします。家電や自動車、建物、工場設備、農業機器などが含まれ、インターネットだけでなく企業内のLANや閉域網につながるものも対象です。
解き方
- IoTの「モノ」の条件が「ネットワークにつないで情報をやり取りできること」であることを確認します。
- 「デジタル機器だけ」「自分で分析する機器だけ」「形のあるものだけ」といった余分な制限のない選択肢イを選びます。
- 選択肢 ア不正解
- アナログ式のメータやセンサでも、変換装置を介してネットワークにつながりデータを送れればIoTの対象になります。
- 選択肢 イ正解
- IoTの「モノ」は、インターネットに限らず社内LANや閉域網も含め、ネットワークにつながって通信できるものをすべて含みます。
- 選択肢 ウ不正解
- 自分で分析までする機器に限らず、データを集めて送るだけの小さなセンサやタグも大切な構成要素です。
- 選択肢 エ不正解
- 家畜の健康管理や野生動物の調査、人の体につけるウェアラブル機器のように、生物につけるタグやセンサもIoTの対象です。
覚えるポイント
- IoT=ネットワーク(インターネットや閉域網)に接続して相互に情報交換できるあらゆる「モノ」
間違えやすいところ
- 「インターネットだけに限られる」「高度な分析機能をもつ機器だけが当てはまる」といった誤った条件を選ばないよう注意します。
出題の前提:総務省情報通信白書等のIoTの概念定義に準拠。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.34 ↗(www.ipa.go.jp)
RFID(ICタグ)の特徴
ストラテジ系 · RFID / ICタグ / 非接触通信
電波や電磁波を利用して非接触でデータの読み書きを行うICタグ(RFID)の特徴として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:RFID(Radio Frequency Identification:電波で識別する仕組み)は、小さなICチップとアンテナを内蔵し、読み取り器からの電波で非接触にデータをやり取りします。バーコードと違い、直接見えなくても箱の外からまとめて速く読み取れるのが特長です。
解き方
- RFIDの性質(非接触、電波の通りやすさ、汚れへの強さ)を思い出します。
- 選択肢の中から、非接触通信と電波の性質を正しく説明した記述エを選びます。
- 選択肢 ア不正解
- RFID自体は、衛星からの電波を受信するGPS機能や画面表示機能をもつものではありません。
- 選択肢 イ不正解
- 磁気ストライプカードと違い、装置に差し込む必要はなく、電波で非接触に読み取ります。
- 選択肢 ウ不正解
- タグの中の小さな半導体メモリ(ICチップ)に、識別IDやデータを直接しまっておきます。
- 選択肢 エ正解
- 電波を使うので表面の汚れに強く、電波を通す段ボールなどの梱包の外からでも読めます。
覚えるポイント
- RFIDの利点:非接触・遮蔽物越し(梱包外)の読取りが可能・複数タグの一括読取りが可能・汚れに強い
間違えやすいところ
- 磁気カード(装置に差し込む接触式)やバーコード(光で読むため直接見える必要があり汚れに弱い)との違いをはっきり意識します。
出題の前提:自動認識技術(RFID/ICタグ)の標準的仕様に基づく。
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.34 ↗(www.ipa.go.jp)
O to Oビジネスモデルの概念
ストラテジ系 · 電子商取引 / マーケティング戦略
電子商取引やマーケティングで用いられる「O to O (Online to Offline)」の概念を説明したものとして、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:O to O(Online to Offline)とは、オンラインと実店舗を結びつけ、客を相互に行き来させて買い物につなげる手法です。ネットの情報やアプリのクーポンで店に来てもらったり、店頭でQRコードを示してネット会員になってもらったりします。複数の販路を連携させるオムニチャネルの考え方の一つです。
解き方
- 用語のO to OがOnline to Offline(オンラインと実店舗)の略だと確認する。
- オンラインと実店舗の間で客の行動を互いに促し、買い物につなげる選択肢を選ぶ。
- 選択肢 ア不正解
- 基本のサービスを無料にし、追加の高機能に料金をとる仕組みはフリーミアム(無料と有料の組み合わせ)の説明です。
- 選択肢 イ不正解
- 注文を受けてから製品の製造を始めるやり方はBTO(受注生産、注文後に作る方式)の説明です。
- 選択肢 ウ不正解
- 第三者が取引に入って代金決済を仲介し、トラブルを防ぐ仕組みはエスクローサービス(第三者への預託)の説明です。
- 選択肢 エ正解
- ネットと実店舗を連携させて客を互いに誘導し、買い物へつなげる手法なので、O to Oの説明として正しいです。
覚えるポイント
- O to Oはオンライン(ネット)とオフライン(実店舗)の相互連携・送客手法。
間違えやすいところ
- 第三者が決済を仲介するエスクローや、無料提供を土台にするフリーミアムと混同しないよう注意する。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問73
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.34 ↗(www.ipa.go.jp)
CIOの役割と定義
ストラテジ系 · 企業統治 / CIOの役割
企業における最高役職の一つである「CIO (Chief Information Officer)」の役割として、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:CIO(Chief Information Officer、最高情報責任者)は、経営方針に合わせたIT戦略を立て、社内の情報システムや情報セキュリティを統括する役員です。情報を扱う部門全体の責任者という立場です。
解き方
- CIOがChief Information Officer(最高情報責任者)の略であることを確認する。
- Information(情報)を対象にした経営戦略や情報システムの責任者を示す選択肢を選ぶ。
- 選択肢 ア不正解
- 経営の戦略を立て、業務の実行全体をまとめるのはCEO(最高経営責任者)です。
- 選択肢 イ不正解
- 資金の調達や財務報告などお金の面の戦略をまとめるのはCFO(最高財務責任者)です。
- 選択肢 ウ不正解
- 技術の戦略や研究開発の計画をまとめるのはCTO(最高技術責任者)です。
- 選択肢 エ正解
- 情報の管理と情報システムの戦略立案・実行をまとめる役員なので、CIOの説明として正しいです。
覚えるポイント
- CEOは経営全般、CFOは財務、CTOは技術、CIOは情報システムの最高責任者。
間違えやすいところ
- 技術を担当するCTOと、情報システムを担当するCIOを取り違えないよう注意する。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問74
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.35 ↗(www.ipa.go.jp)
利益の期待値最大化による仕入個数の決定
ストラテジ系 · 意思決定 / 期待値計算
ある商品の1日当たりの販売個数の予想確率が表のとおりである。1個販売ごとの利益は1,000円であり、その日のうちに売れ残った商品は1個当たり300円の廃棄ロスが発生する。1日当たりの利益の期待値が最大となる仕入個数は何個か。 〔販売個数と仕入個数ごとの予想確率〕 仕入4個:販売4個が100% 仕入5個:販売4個が30%、販売5個が70% 仕入6個:販売4個が30%、販売5個が30%、販売6個が40% 仕入7個:販売4個が30%、販売5個が30%、販売6個が30%、販売7個が10%
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:期待値は、それぞれの出来事が起こる確率と、そのときの利益をかけ合わせて全部足した値です。この問題では「利益=売れた個数×1,000円 − 売れ残り×300円」で、仕入個数ごとの期待値を出して比べます。
解き方
- 仕入個数4〜7個それぞれで、各販売数の確率と、そのときの利益(売れた数×1,000円 − 廃棄数×300円)を計算する。
- 確率と利益をかけ合わせて足し合わせ、それぞれの利益の期待値を出す。
- 結果を比べて、最も期待値が大きい仕入個数を見つける。
- 選択肢 ア不正解
- 仕入4個の期待値は4,000円で、6個のときの4,830円より小さくなります。
- 選択肢 イ不正解
- 仕入5個の期待値は4,610円で、6個のときの4,830円より小さくなります。
- 選択肢 ウ正解
- 仕入6個の期待値は4,830円で、選択肢の中で最も大きいので正解です。
- 選択肢 エ不正解
- 仕入7個の期待値は4,660円で、6個のときの4,830円より小さくなります。
答えの内訳
- 仕入4個の期待値:4,000円
- 販売個数は必ず4個以上となるため、常に4個完売し廃棄ロスは0円です。利益期待値は 4 × 1,000 = 4,000円 となります。
- 仕入5個の期待値:4,610円
- 販売4個(確率0.3)の利益は 4×1,000 - 1×300 = 3,700円。販売5個(確率0.7)の利益は 5×1,000 = 5,000円。期待値は 3,700×0.3 + 5,000×0.7 = 1,110 + 3,500 = 4,610円 です。
- 仕入6個の期待値:4,830円
- 販売4個(確率0.3)の利益は 4×1,000 - 2×300 = 3,400円。販売5個(確率0.3)の利益は 5×1,000 - 1×300 = 4,700円。販売6個(確率0.4)の利益は 6×1,000 = 6,000円。期待値は 3,400×0.3 + 4,700×0.3 + 6,000×0.4 = 1,020 + 1,410 + 2,400 = 4,830円 です。
- 仕入7個の期待値:4,660円
- 販売4個(確率0.3)の利益は 4×1,000 - 3×300 = 3,100円。販売5個(確率0.3)の利益は 5×1,000 - 2×300 = 4,400円。販売6個(確率0.3)の利益は 6×1,000 - 1×300 = 5,700円。販売7個(確率0.1)の利益は 7×1,000 = 7,000円。期待値は 3,100×0.3 + 4,400×0.3 + 5,700×0.3 + 7,000×0.1 = 930 + 1,320 + 1,710 + 700 = 4,660円 です。
- 最適仕入個数:6個(ウ)
- 仕入個数ごとの期待値(4個: 4,000円、5個: 4,610円、6個: 4,830円、7個: 4,660円)を比較すると、6個の場合が4,830円で最大となります。
覚えるポイント
- 売れ残りがある場合は「売上個数×単価利益 − 廃棄個数×廃棄損失」で純利益を算出する。
間違えやすいところ
- 売れ残りの廃棄費用(1個300円)を引き忘れたり、確率のかけ算を足し算と間違えたりしないよう注意する。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問75
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.35 ↗(www.ipa.go.jp)
新QC七つ道具の連関図法
ストラテジ系 · QC七つ道具 / 新QC七つ道具 / 品質管理
新QC七つ道具の一つである「連関図法」を説明したものとして、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:連関図法は、複雑にからみ合う問題について、原因と結果のつながりを矢印で結んで明らかにする手法です。言葉のデータを図にして問題解決に使う新QC七つ道具の一つです。原因どうしが影響し合うような問題に向いています。
解き方
- 各選択肢が説明している新QC七つ道具の手法(PDPC法、親和図法、連関図法、系統図法)を見分ける。
- 複雑にからみ合う原因と結果の関係を明らかにする手法という連関図法の定義に合うものを選ぶ。
- 選択肢 ア不正解
- 不測の事態に備えて、あらかじめ対応の手順を決めておく方法はPDPC法(過程決定計画図法)の説明です。
- 選択肢 イ不正解
- 集めた言葉のデータを似ているものどうしでまとめ、問題点をはっきりさせる方法は親和図法の説明です。
- 選択肢 ウ正解
- 複雑にからみ合う事柄の原因と結果を矢印で結んで明らかにする手法なので、連関図法として正しいです。
- 選択肢 エ不正解
- 目的と手段を木の枝のように順に広げ、最適なやり方を追い求める方法は系統図法の説明です。
覚えるポイント
- 連関図法は「複雑な因果関係を矢印で結ぶ」、親和図法は「親和性でグループ化」、系統図法は「目的と手段を展開」。
間違えやすいところ
- 連関図法と、特性要因図(QC七つ道具)や親和図法(新QC七つ道具)の定義を混同しないよう区別する。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問76
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.36 ↗(www.ipa.go.jp)
先入先出法による売上原価の算出
ストラテジ系 · 棚卸資産評価 / 先入先出法 / 財務会計
ある商品の当月における前月繰越及び受払いが表のとおりであるとき、先入先出法によって算出した当月度の売上原価は何円か。 〔受払表〕 1日:前月繰越 100個、受入単価 200円 5日:仕入 50個、受入単価 215円 15日:売上 払出 70個 20日:仕入 100個、受入単価 223円 25日:売上 払出 60個 30日:翌月繰越 120個
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:先入先出法(FIFO、先に仕入れた物から先に売れたと考える方法)では、古い在庫から順に払い出したと考えて売上原価を求めます。そのため新しい仕入分は在庫として残ることになります。
解き方
- 当月に売り払った個数の合計を求める:15日の70個+25日の60個=130個。
- 仕入れた日の古い順に払い出す:前月繰越の100個(1個200円)を全部使い、足りない30個を5日仕入分(1個215円)から使う。
- 金額を足して売上原価を出す:100個×200円+30個×215円=20,000円+6,450円=26,450円。
- 選択肢 ア不正解
- 計算の手順が正しくなく、先入先出法の正しい答えは26,450円です。
- 選択肢 イ正解
- 前月繰越分100個(20,000円)と5日仕入分30個(6,450円)を足した金額で、26,450円が正解です。
- 選択肢 ウ不正解
- 後入先出法など別の計算方法を使った場合や、計算を間違えたときの数値です。
- 選択肢 エ不正解
- 総平均法や移動平均法などに基づく値か、単価の計算を誤ったときの数値です。
答えの内訳
- 当月売上合計数量:130個
- 当月の払出数量は、15日の70個と25日の60個を合わせて合計130個です。
- 先入先出法による払出計算:26,450円
- 最も古く受け入れた前月繰越分(100個@200円)から100個を払い出し(20,000円)、残りの30個は5日仕入分(50個@215円)から払い出します(30×215 = 6,450円)。合計の売上原価は 20,000 + 6,450 = 26,450円 となります。
覚えるポイント
- 先入先出法は「先に仕入れた在庫から順に払い出された」とみなして売上原価を計算する。
間違えやすいところ
- 15日と25日に分けて計算しても、月全体でまとめて計算しても先入先出法の売上原価は同じになるが、仕入れた日の順番を間違えないよう注意する。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問77
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.36 ↗(www.ipa.go.jp)
コンピュータウイルス作成行為の処罰法規
ストラテジ系 · 法務 / 刑法 / 不正指令電磁的記録に関する罪
コンピュータウイルス等を正当な理由なく作成する行為を処罰の対象としている法律はどれか。
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:コンピュータウイルスを正当な理由なく作成する行為は、刑法(2011年に新設された不正指令電磁的記録に関する罪)で罰せられます。人のコンピュータを意図しない動作にさせるプログラムを無断で作ったり配ったり保管したりすることが対象です。
解き方
- コンピュータウイルスの作成行為を定めている法律を思い出す。
- 不正アクセス禁止法は他人の識別符号を無断入力する行為などを禁じるもので、ウイルス作成そのものを罰する条文は刑法にあると確認する。
- 選択肢 ア正解
- 刑法168条の2(不正指令電磁的記録作成等の罪)で、正当な理由なくウイルスを作成・提供する行為が罰せられるので正解です。
- 選択肢 イ不正解
- 不正アクセス禁止法は、他人のIDやパスワードを無断で入力して認証を通り抜ける不正アクセスを罰する法律です。
- 選択肢 ウ不正解
- 不正競争防止法は、営業秘密を不正に手に入れたり、模倣品を売ったりする行為を防ぐ法律です。
- 選択肢 エ不正解
- プロバイダ責任制限法は、ネット上の権利侵害についてプロバイダの賠償責任の制限や発信者情報の開示を定めた法律です。
覚えるポイント
- ウイルスの作成・供用は「刑法(不正指令電磁的記録作成等罪)」で処罰される。
間違えやすいところ
- 不正アクセス禁止法と刑法が対象とする行為(不正に侵入する行為か、ウイルス自体の作成・保管か)を混同しないようにする。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問78
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.37 ↗(www.ipa.go.jp)
個人情報保護法における個人情報の定義
ストラテジ系 · 個人情報保護法 / 匿名加工情報 / 法務
個人情報保護委員会のガイドラインに基づいた場合、法令上の「個人情報」に該当しないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:個人情報とは、生きている人の情報で、氏名や生年月日などから特定の一人を見分けられるもの、または個人識別符号(指紋など体の特徴を機械向けに変えたデータ)を含むものをいいます。匿名加工情報は個人が分からないように加工した情報なので、個人情報とは分けて扱われます。
解き方
- 各選択肢が「特定の個人を見分けられる情報」か「個人識別符号」にあたるかを判断する。
- ア(顔の映像)、イ(氏名が書かれた帳票)、ウ(入室管理用の指紋データ)はいずれも個人情報にあたると確認する。
- エの匿名加工情報は、定義上、個人を見分けられないように加工された情報なので個人情報にあたらないと判断する。
- 選択肢 ア不正解
- 人の顔が分かる監視カメラの映像は、特定の個人を見分けられるので個人情報にあたります。
- 選択肢 イ不正解
- 個人番号の記載がなくても、従業員の氏名などが書かれていて個人が特定できる書類は個人情報にあたります。
- 選択肢 ウ不正解
- 指紋データは個人の体の特徴をコンピュータ用に変えたもので、個人識別符号として個人情報にあたります。
- 選択肢 エ正解
- 適正に加工された匿名加工情報は特定の個人を見分けたり元に戻したりできないので、個人情報保護法上の個人情報にあたりません。
覚えるポイント
- 匿名加工情報は個人を識別・復元できないよう加工された情報であり、個人情報から除外される。
間違えやすいところ
- 個人番号(マイナンバー)があるかどうかに関係なく、氏名などで個人が特定できる書類は個人情報である点に注意する。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問79
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.37 ↗(www.ipa.go.jp)
請負契約と労働者派遣(偽装請負)の判断基準
ストラテジ系 · 法務 / 労働者派遣法 / 請負契約 / 偽装請負
企業間で請負契約を締結しているにもかかわらず、実質的に労働者派遣(いわゆる偽装請負)とみなされる受託者側の行為はどれか。
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:請負契約では「仕事を完成させること」が目的なので、労働者への作業指示や労務管理(休暇や勤務の管理)の権限は受託企業にあります。発注者が労働者に直接指示を出したり、休暇の承認を受託者が発注者の指示で決めたりすると、指揮命令権が発注者にあるとみなされ、偽装請負になります。
解き方
- 請負契約で認められる正しい運用(受託者が自分の労働者を直接指揮命令・労務管理すること)を確認する。
- 労働者の休暇の承認という労務管理を、発注者側の指示に従って決めている行為が指揮命令関係から外れた偽装請負だと特定する。
- 選択肢 ア正解
- 休暇の取得などの労務管理を発注者の指示に従って行うのは、指揮命令権が発注者にある実態を示すので、労働者派遣(偽装請負)とみなされます。
- 選択肢 イ不正解
- 業務の進め方の指導や評価を受託者自身が行うのは、正しい請負契約の要件です。
- 選択肢 ウ不正解
- 勤務の決まりや職場の秩序を受託者自身が保つのは、正しい請負契約の要件です。
- 選択肢 エ不正解
- 受託者側の現場責任者を窓口にして発注者の要望を受ける体制は、正しい請負契約の運用です。
覚えるポイント
- 請負契約では、受託者が労働者に対する指揮命令権・労務管理権を自ら行使しなければならない。
間違えやすいところ
- 現場責任者を通して連絡を取ること(エ)は正しい運用であり、偽装請負ではない点に注意する。
出題の前提:平成30年度秋期基本情報技術者試験午前問80
出典:IPA『2018年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.37 ↗(www.ipa.go.jp)
2018年度 秋期 午前
参照した公式資料
IPAが公開した2018年度 秋期 午前の問題・解答資料です。

