旧制度の午前・午後と、2023年度以降の科目A・科目Bの公開問題を区別しています。現在の試験対策では現行シラバスと科目Bの形式を確認してください。公開問題は本試験の全出題を網羅する資料ではありません。
2016年度 秋期 午前の概要
ビット演算による特定ビット列の保持
テクノロジ系 · ビット演算 / 論理積 / マスク処理
ある8ビットのデータに対して、下位4ビットの値を変更せずにそのまま保持したい。16進表記の 0F を用いたどのような論理演算を行うのが適切か。
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解答
ウ
解説
まず要点:下位4ビットを変えずに保つには、16進表記0Fとの論理積(AND)を使います。論理積は、片方のビットが1なら相手の値をそのまま通し、0なら結果を0にする性質があるからです。0Fは下位4ビットだけが1なので、そこだけ元の値を残せます。
解き方
- 16進数0Fを2進数にすると、上位4ビットが0000、下位4ビットが1111になります。
- 下位4ビットに1111を掛け合わせる(AND)と、x AND 1 = x となって値が変わりません。
- 選択肢 ア不正解
- 排他的論理和(XOR)は1のビットを反転させるため、下位4ビットの値が変わってしまいます。
- 選択肢 イ不正解
- 否定論理積(NAND)は反転した結果になるため、下位4ビットをそのまま保てません。
- 選択肢 ウ正解
- 0F(00001111)との論理積は、下位4ビットが1との掛け算になり元の値のまま残ります。
- 選択肢 エ不正解
- 論理和(OR)は1のビットをすべて1にしてしまうため、下位4ビットの値が変わります。
覚えるポイント
- 1とのAND演算は元の値を保持し、0とのAND演算は0クリア(マスク)になる。
間違えやすいところ
- 1とのXORでビットが反転することを忘れ、混同してしまうミス。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問1
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.4 ↗(www.ipa.go.jp)
条件付き確率(ベイズの定理)の計算
テクノロジ系 · 確率統計 / 条件付き確率 / ベイズの定理
ある工場では同じ製品をラインAで全体の60%、ラインBで全体の40%製造している。ラインAで製造された製品の不良品率は2%、ラインBの不良品率は1%である。無作為に抽出した1個の製品が不良品であったとき、その製品がラインAで製造されていた確率は何%か。
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解答
エ
解説
まず要点:結果から原因をさかのぼる確率は、全原因でその結果が起きる確率を分母にして求めます。不良品が出る確率はラインAが0.60×0.02、ラインBが0.40×0.01です。そのうちラインAの割合を計算します。
解き方
- 全製品のうちラインAの不良品が出る確率は 0.60 × 0.02 = 0.012(1.2%)です。
- 全製品のうちラインBの不良品が出る確率は 0.40 × 0.01 = 0.004(0.4%)です。
- 不良品である確率の合計は 0.012 + 0.004 = 0.016 で、そのうちラインAの割合は 0.012 / 0.016 = 3 / 4 = 75% です。
- 選択肢 ア不正解
- 40%はラインBの製造割合で、不良品という条件を考えた値ではありません。
- 選択肢 イ不正解
- ラインAとラインBの不良品の割合を正しく足し合わせていないため誤りです。
- 選択肢 ウ不正解
- 60%はラインAの製造割合そのもので、不良品率の違いを反映していません。
- 選択肢 エ正解
- 不良品全体のうちラインAの分は 0.012 / 0.016 = 0.75、つまり75%になります。
覚えるポイント
- 条件付き確率は「特定の原因による確率 ÷ 全原因による確率の合計」で導出する。
間違えやすいところ
- 全体の製造比率である60%をそのまま答えにしてしまうミス。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問2
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.4 ↗(www.ipa.go.jp)
状態遷移図による自動販売機の動作モデル
テクノロジ系 · 有限オートマトン / 状態遷移図 / ミーリ型順序回路
300円の商品を販売する自動販売機の状態遷移図として適切なものはどれか。ここで、入力と出力の関係は「入力/出力」で表記し、入力「a」は100円硬貨、「b」は100円硬貨以外を示す。S0〜S2は状態を表し、入力「b」の場合は直ちにその硬貨を返却する。また、終了状態(S0)に遷移する際、出力の「1」は商品の販売、「0」は何も出力しないことを表す。
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解答
ア
解説
まず要点:状態遷移図では、各状態がそれまでに入れた金額を表します。100円硬貨を入れるたびに次の状態へ進み、合計300円になったときだけ商品を出して最初の状態に戻ります。100円以外の硬貨はその場で返します。
解き方
- S0を0円、S1を100円、S2を200円を受け入れた状態に対応させます。
- 100円硬貨aを入れると S0 -(a/0)-> S1 -(a/0)-> S2 と進み、3枚目で S2 -(a/1)-> S0 となって商品が出ます。
- 100円以外の硬貨bは状態を変えず返却(b/0)なので、各状態で自己ループになります。
- 選択肢 ア正解
- 3枚目(S2からS0)のときだけ商品が出て、bでは状態が変わらず返却されるので正しい図です。
- 選択肢 イ不正解
- 2枚目の投入(S1からS2)で商品が出てしまい、200円で販売されるので誤りです。
- 選択肢 ウ不正解
- 2枚目で商品が出てしまい、3枚目(S2からS0)で何も出ないので誤りです。
- 選択肢 エ不正解
- 100円以外の硬貨bで状態が進んでしまい、100円硬貨では進まないので誤りです。
覚えるポイント
- 出力が発生する条件(タイミング)と、状態が保持する情報(投入金額)を一致させて追跡する。
間違えやすいところ
- 商品が出る遷移を見落とし、2枚目で販売される図を選んでしまうミス。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問3
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.5 ↗(www.ipa.go.jp)
ビット数と表現可能なパターン数の倍率計算
テクノロジ系 · 情報量 / 基数変換 / ビット表現
32ビットで表現できるビットパターンの個数は、24ビットで表現できる個数の何倍か。
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解答
エ
解説
まず要点:nビットで表せるパターンの数は 2^n 個です。ビット数が8ビット増えると、表せるパターンは 2^8 倍になります。32ビットと24ビットで表せる個数の比を考えます。
解き方
- 32ビットで表せるのは 2^32 個、24ビットで表せるのは 2^24 個です。
- 倍率は 2^32 ÷ 2^24 で、指数の差から 2^(32 - 24) = 2^8 となります。
- 2^8 を計算すると 256 になります。
- 選択肢 ア不正解
- ビット数の差 32 - 24 = 8 をそのまま倍率にしただけで誤りです。
- 選択肢 イ不正解
- 2の4乗の16で、8ビット増えたことに対応していません。
- 選択肢 ウ不正解
- 2の7乗の128で、2^8の計算になっていません。
- 選択肢 エ正解
- 2^32 ÷ 2^24 = 2^(32-24) = 2^8 = 256 となり正解です。
覚えるポイント
- ビット数がk増えると表現パターン数は2のk乗倍になる。ビット数の差そのものが倍率ではない。
間違えやすいところ
- ビット数の差である8をそのまま倍率の答えにしてしまうミス。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問4
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.5 ↗(www.ipa.go.jp)
A/D変換における3工程の適切な順序
テクノロジ系 · A/D変換 / 標本化 / 量子化 / 符号化
標本化、符号化、量子化の三つの工程を経てアナログ信号をディジタルデータに変換する場合、処理の順番として適切なものはどれか。
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解答
ア
解説
まず要点:アナログ信号をディジタルに変えるときは、標本化、量子化、符号化の順に進めます。まず時間を区切って値を取り出し、次にその値を段階的な数値に丸め、最後に0と1のビット列へ変換します。
解き方
- 第1ステップ(標本化):連続したアナログ波から一定の時間ごとに信号の値を取り出します。
- 第2ステップ(量子化):取り出した連続的な値を、あらかじめ決めた段階的な数値に近づけます。
- 第3ステップ(符号化):量子化した数値を、コンピュータが扱える0と1のビット列に変換します。
- 選択肢 ア正解
- 標本化、量子化、符号化の正しい順番で並んでいます。
- 選択肢 イ不正解
- 符号化は最後に行うものなので、最初に来るのは誤りです。
- 選択肢 ウ不正解
- 値を取り出す標本化より先に量子化するのは順序が誤りです。
- 選択肢 エ不正解
- 量子化から始まり標本化が最後なので、手順として誤りです。
覚えるポイント
- A/D変換の基本手順は「標本化(サンプリング)→ 量子化 → 符号化(コーディング)」の順。
間違えやすいところ
- 標本化と量子化の順序を混同し、量子化から始めると考えてしまうミス。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問5
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.6 ↗(www.ipa.go.jp)
2分探索木の構造判定
テクノロジ系 · データ構造 / 木構造 / 2分探索木
示された4つの2分木のうち、すべての節点で「左部分木にあるすべてのノードの値 < 親ノードの値 < 右部分木にあるすべてのノードの値」という条件を満たす2分探索木はどれか。
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解答
イ
解説
まず要点:2分探索木では、ある節点より左部分木のすべての値が小さく、右部分木のすべての値が大きくなければなりません。直接の親子だけでなく、部分木全体でこの大小関係を満たす必要があります。
解き方
- 根17の左部分木は、根が14、左の子が10(10 < 14)、右の子が16(16 > 14)で、すべて17未満です。
- 根17の右部分木は、根が19、左の子が18(18 < 19)で、すべて17より大きいため、イは条件を満たします。
- 選択肢 ア不正解
- 節点15の右の子が14で、右の子は親より大きいという規則に反しています。
- 選択肢 イ正解
- どの節点でも左部分木の値 < 節点の値 < 右部分木の値 が成り立っています。
- 選択肢 ウ不正解
- 節点16の右の子が14で、右の子が親より小さいため2分探索木ではありません。
- 選択肢 エ不正解
- 根20の右部分木の節点19の左に15や16があり、節点18の右の子も14で規則に反します。
覚えるポイント
- 2分探索木は直接の親子だけでなく、左部分木・右部分木に属するすべての要素との大小関係が整合している必要がある。
間違えやすいところ
- 直接の子との大小関係だけを見て、部分木全体の大小関係を確かめないミス。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問6
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.6 ↗(www.ipa.go.jp)
ユークリッドの互除法を表す再帰関数の計算
テクノロジ系 · アルゴリズム / 再帰呼び出し / ユークリッドの互除法 / 最大公約数
整数 x, y (x > y ≧ 0) に対して、次のように定義された再帰関数 F(x, y) がある。F(231, 15) の値は幾らか。ここで x mod y は x を y で割った余りを表す。 ・y = 0 のとき: F(x, y) = x ・y > 0 のとき: F(x, y) = F(y, x mod y)
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解答
イ
解説
まず要点:この関数は2つの数の最大公約数(GCD)を求めるユークリッドの互除法を再帰で表したものです。余りが0になったときの割る数(第1引数)が最大公約数になります。
解き方
- F(231, 15):231 ÷ 15 = 15 余り 6 なので、次は F(15, 6) を呼び出します。
- F(15, 6):15 ÷ 6 = 2 余り 3 なので、次は F(6, 3) を呼び出します。
- F(6, 3):6 ÷ 3 = 2 余り 0 なので、次は F(3, 0) を呼び出します。
- F(3, 0):y = 0 なので定義により x の値である 3 が戻り値になります。
- 選択肢 ア不正解
- 231は奇数で2で割り切れず、公約数にはならないため誤りです。
- 選択肢 イ正解
- F(231, 15) = F(15, 6) = F(6, 3) = F(3, 0) = 3 と追えるので正解です。
- 選択肢 ウ不正解
- 231は5の倍数ではないので、5は公約数になりません。
- 選択肢 エ不正解
- 231は7で割り切れますが、15は7で割り切れないので公約数ではありません。
覚えるポイント
- F(x, y) = F(y, x mod y) の漸化式は最大公約数を求めるユークリッドの互除法そのものである。
間違えやすいところ
- x mod y(余り)を求めるときに商と余りを取り違えてしまうミス。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問7
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.6 ↗(www.ipa.go.jp)
Webサーバ側で動作する動的プログラムの識別
テクノロジ系 · Webシステム / サーバサイドスクリプト / サーブレット
Web環境での動的処理を実現するプログラムのうち、クライアント側ではなくWebサーバ上だけで動作するものはどれか。
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解答
ウ
解説
まず要点:Webのプログラムは、ブラウザ側で動くクライアントサイドと、Webサーバ側で動くサーバサイドに分かれます。サーバ上だけで動くのはサーバサイドの技術です。
解き方
- 各技術がブラウザ側で動くか、サーバ側で動くかを分けます。
- Javaサーブレットはサーバ側で動く技術なので、条件に当てはまります。
- 選択肢 ア不正解
- JavaScriptは主にブラウザ側で読み込まれて動くスクリプト言語です。
- 選択肢 イ不正解
- Javaアプレットはサーバから配られ、ブラウザ側で動くプログラムです。
- 選択肢 ウ正解
- JavaサーブレットはWebサーバ側で動き、動的なページ生成などを行う技術です。
- 選択肢 エ不正解
- VBScriptは主にブラウザ側で動いていたスクリプト言語です。
覚えるポイント
- Javaサーブレットはサーバ側で動作し、Javaアプレットはクライアント(ブラウザ)側で動作する。
間違えやすいところ
- JavaアプレットとJavaサーブレットの動く場所を取り違えるミス。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問8
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.7 ↗(www.ipa.go.jp)
主記憶のアドレス指定方式の識別
テクノロジ系 · アドレス指定方式 / 間接アドレス指定
命令のアドレス部で指定された主記憶の位置に格納されている値を、実行対象となるデータの有効アドレスとして参照する方式を示す図がある。このアドレス指定方式として適切なものはどれか。
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解答
ア
解説
まず要点:間接アドレス指定は、目的のデータの場所(有効アドレス)が書かれている場所を、命令で指定する方式です。命令のアドレス部には、データそのものの番地ではなく、その番地が書かれたメモリ番地を入れます。そこに書かれた値を読んでから、目的のデータを取りに行きます。
解き方
- 命令のアドレス部が主記憶のアドレス20を指していることを確かめます。
- アドレス20に入っている値(25)がさらに別のアドレスを指し、そこで目的のデータを取っている流れから間接アドレス指定と判断します。
- 選択肢 ア正解
- 命令のアドレス部にある番地から有効アドレスを読み出し、その番地へデータを取りに行く方式なので正しいです。
- 選択肢 イ不正解
- 指標(インデックス)レジスタの値と命令のアドレス部の値を足して有効アドレスを求める方式なので誤りです。
- 選択肢 ウ不正解
- プログラムカウンタ(次に実行する命令の番地を入れるレジスタ)の値とアドレス部の値を足す方式なので誤りです。
- 選択肢 エ不正解
- 命令のアドレス部が指す番地そのものに対象データが入っている方式なので誤りです。
覚えるポイント
- 間接アドレス指定はメモリを2回参照して有効アドレスと実データを得る方式です。
間違えやすいところ
- 命令のアドレス部が直接データの番地を指す直接アドレス指定と混同しないようにします。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問9
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.7 ↗(www.ipa.go.jp)
CPUにおける投機実行の定義
テクノロジ系 · プロセッサアーキテクチャ / 投機実行
CPUの高速化技術の一つである投機実行の説明として、適切なものはどれか。
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解答
エ
解説
まず要点:投機実行は、分岐の結果が分かる前に、予測した分岐先の命令を先に実行してしまう方法です。分岐予測(どちらに進むかを前もって当てること)に基づいて先へ進み、予測が当たればその結果をそのまま使います。これによりCPUの処理の流れ(パイプライン)が止まるのを防ぎます。
解き方
- 設問のキーワード「投機実行」の目的と仕組みを思い出します。
- 分岐予測を行い、分岐先が決まる前に命令を先に実行する記述を選びます。
- 選択肢 ア不正解
- 依存関係のない命令を順番を変えて実行する技術は、アウトオブオーダ実行の説明なので誤りです。
- 選択肢 イ不正解
- 1つのコアで複数のスレッドを同時に動かしているように見せる技術は、同時マルチスレッディング(SMT)の説明なので誤りです。
- 選択肢 ウ不正解
- 複数のCPUコアで複数のスレッドを同時に実行する技術は、マルチコアプロセッシングの説明なので誤りです。
- 選択肢 エ正解
- 条件分岐の結果が出る前に、予測した分岐先の命令を先に実行する処理で、投機実行の定義に合うので正しいです。
覚えるポイント
- 投機実行は分岐予測に基づいて確定前の命令を前もって実行する高速化技法です。
間違えやすいところ
- 命令の実行順序を入れ替えるアウトオブオーダ実行と混同しやすい点に注意します。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問10
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.7 ↗(www.ipa.go.jp)
メモリ容量と必要アドレスバス本数の計算
テクノロジ系 · アドレスバス / メモリ空間
1MバイトのメモリをMPUに接続するとき、最低限必要なアドレスバスの信号線の本数nはどれか。ここで、メモリにはバイト単位でアクセスするものとし、1Mバイトは1,024kバイト、1kバイトは1,024バイトとする。
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:アドレスバスの信号線がn本あると、2のn乗通りのアドレスを見分けて指定できます。1バイト単位でアクセスするなら、使えるメモリの最大量は2のn乗バイトです。1Mバイトは2の20乗バイトなので、20本あれば足ります。
解き方
- 1Mバイトを2のべき乗に直します。1Mバイト = 1,024 × 1,024バイト = 2^20バイトです。
- 1バイト単位なので、2^20個のアドレスを見分けるのに必要な信号線の数は log2(2^20) = 20本です。
- 選択肢 ア不正解
- 18本で指定できるのは 2^18 バイト = 256kバイトで、1Mバイトには足りません。
- 選択肢 イ不正解
- 19本で指定できるのは 2^19 バイト = 512kバイトで、1Mバイトには足りません。
- 選択肢 ウ正解
- 20本なら 2^20 = 1,048,576 個のアドレス(1Mバイト)を直接指定できるので正しいです。
- 選択肢 エ不正解
- 21本なら2Mバイトまで指定できますが、1Mバイトに最低限必要な本数は20本です。
覚えるポイント
- 1k = 2^10(10本)、1M = 2^20(20本)、1G = 2^30(30本)のアドレスバスが必要です。
間違えやすいところ
- 1kバイト=1,000バイトの10進数の計算と間違えないようにします。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問11
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.8 ↗(www.ipa.go.jp)
RAIDにおけるストライピング方式
テクノロジ系 · RAID / ストライピング
データを分散して複数の磁気ディスクに書き込むことによって、データ入出力の高速化を図る方式はどれか。
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:ストライピング(RAID 0)は、データを分けて複数のディスクに同時に書き込む方式です。これによりディスクの入出力が1台に集中するのを防ぎ、読み書きの速さを上げられます。
解き方
- 問題文の「データを分散して複数の磁気ディスクに書き込む」「データ入出力の高速化」という特徴を確かめます。
- RAID 0で使われるストライピングがこれに当てはまると判断します。
- 選択肢 ア正解
- データを複数のディスクに分けて並行して書き込み、入出力を速くする技術なので正しいです。
- 選択肢 イ不正解
- 主記憶と補助記憶の間で、プロセスごとにメモリの中身を入れ替える仮想記憶の方式なので誤りです。
- 選択肢 ウ不正解
- 主記憶の一部をディスクのバッファ(一時置き場)として使い、ディスクの読み書きを速くする方法なので誤りです。
- 選択肢 エ不正解
- 同じ内容のデータを複数のディスクに二重に書き込み、信頼性を高める方式(RAID 1)なので誤りです。
覚えるポイント
- ストライピング(RAID 0)は高速化を目的とし、冗長性(耐障害性)は持ちません。
間違えやすいところ
- 同じデータを2台に書き込んで冗長にするミラーリング(RAID 1)と混同しないようにします。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問12
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.8 ↗(www.ipa.go.jp)
3層クライアントサーバシステムのWebシステム特徴
テクノロジ系 · クライアントサーバシステム / Webシステムアーキテクチャ
3層クライアントサーバシステム構成で実現したWebシステムの特徴として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:3層クライアントサーバシステムでは、業務処理はサーバ側で行い、クライアントは結果を画面に表示する役割です。画面(プレゼンテーション層)、業務処理(ファンクション層)、データベース(データベース層)の3つに分けます。業務処理がサーバにまとまるので、クライアント側の管理が楽になります。
解き方
- 3層Webシステムの各層の役割(クライアントは表示、サーバは業務処理とデータ管理)を整理します。
- クライアントのWebブラウザがHTMLを解釈して表示する役割である点に合う記述を選びます。
- 選択肢 ア不正解
- HTMLは画面の作りを書くためのマークアップ言語で、サーバ上で動くプログラム言語ではないので誤りです。
- 選択肢 イ不正解
- 業務処理の中身はサーバ側にあるので、クライアント端末に配布したりインストールしたりする必要はありません。
- 選択肢 ウ正解
- 業務処理はサーバ側でまとめて実行し、クライアントは受け取ったHTMLに従って画面を描くので適切です。
- 選択肢 エ不正解
- HTTP要求はクライアントからサーバへ送るもので、クライアント側で要求を待ち受ける常駐サービスは不要です。
覚えるポイント
- Webシステムは業務処理をサーバに集約するため、端末側への配布・保守の手間が削減されます。
間違えやすいところ
- HTTP通信の要求を出す側(クライアント)と応える側(サーバ)を取り違えないようにします。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問13
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.9 ↗(www.ipa.go.jp)
ホットスタンバイHAクラスタの特徴
テクノロジ系 · 高可用性 / ホットスタンバイ / HAクラスタ
ロードバランサを使用した負荷分散クラスタ構成と比較した場合の、ホットスタンバイ形式によるHA(High Availability)クラスタ構成の特徴はどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:ホットスタンバイ形式のHAクラスタは、普段動かす「稼働系」と待機する「待機系」を用意しておく構成です。障害が起きたら待機系にすぐ切り替えます。負荷分散クラスタと違い、普段は待機系で処理しませんが、切り替え後も同じ性能のサーバで処理を続けられるので、障害時でも処理量を保てます。
解き方
- 負荷分散クラスタ(複数台で分けて処理し、1台故障時は残りに負荷が集まり能力が落ちる)の特徴を確かめます。
- ホットスタンバイクラスタ(予備機が100%引き継ぐので故障時も処理量が変わらない)の特徴と比べます。
- 選択肢 ア不正解
- 複数のサーバが同時に動く負荷分散型クラスタで特に必要になる、データの整合性の話なので誤りです。
- 選択肢 イ不正解
- 1台故障したときに残りのサーバへ負荷が集まって処理量が落ちるのは、負荷分散クラスタの縮退運転なので誤りです。
- 選択肢 ウ不正解
- 処理を均等に分けて機械を有効に使い、処理量の増加に対応できるのは、負荷分散クラスタの特徴なので誤りです。
- 選択肢 エ正解
- 同じ仕様の待機系が必要ですが、切り替え後も同じ性能のサーバで全処理を続けるので処理量を保てます。
覚えるポイント
- ホットスタンバイは待機系が控えているため、障害時でも性能低下(スループット低下)を起こしません。
間違えやすいところ
- アクティブ・アクティブ型の負荷分散クラスタと、アクティブ・スタンバイ型のHAクラスタの特徴を混同しないようにします。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問14
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.9 ↗(www.ipa.go.jp)
並列接続システムの稼働率計算
テクノロジ系 · システムの信頼性 / MTBFとMTTR / 並列システムの稼働率
2台のコンピュータを並列に接続して使うシステムがある。それぞれのMTBFとMTTRが表のとき、どちらか1台が稼働していればよい場合のシステム全体の稼働率は何%か。 [表] コンピュータ1: MTBF = 480時間, MTTR = 20時間 コンピュータ2: MTBF = 950時間, MTTR = 50時間
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:1台の稼働率は MTBF ÷ (MTBF + MTTR) で求めます。どちらか1台が動いていればよい並列システムの稼働率は、2台が同時に壊れない確率なので 1 - (1 - A1) × (1 - A2) で計算します。
解き方
- 各コンピュータの稼働率を求めます。A1 = 480 ÷ (480 + 20) = 0.96、A2 = 950 ÷ (950 + 50) = 0.95 です。
- 各コンピュータの故障率を求めます。F1 = 1 - 0.96 = 0.04、F2 = 1 - 0.95 = 0.05 です。
- 2台が同時に止まる確率は 0.04 × 0.05 = 0.002 です。
- システム全体の稼働率は 1 - 0.002 = 0.998、つまり 99.8% になります。
- 選択肢 ア不正解
- 0.96 × 0.95 = 0.912(91.2%)は、両方動く必要がある直列システムの稼働率なので誤りです。
- 選択肢 イ不正解
- 95.5%はコンピュータ2台の単体稼働率(95%)に近い、間違った計算結果です。
- 選択肢 ウ不正解
- 96.5%は2台の稼働率の平均などから出した誤った値で、正しくありません。
- 選択肢 エ正解
- 並列の計算式 1 - (1 - 0.96)(1 - 0.95) = 0.998 に合うので正しいです。
覚えるポイント
- 並列システムの稼働率公式: 1 - (1 - A1)(1 - A2)
間違えやすいところ
- 並列システムなのに直列システムの式(A1 × A2)を使ってしまうミスに注意します。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問15
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.10 ↗(www.ipa.go.jp)
ジョブ処理とスプーリングにおけるキューの推移分析
テクノロジ系 · マルチプログラミング / スプーリング / 待ち行列
ある時間帯でのジョブの処理状況を計測したところ、次の条件のとおりであった。このときどのような状況になっているか。 〔ジョブの処理状況〕 (1) 多重度3でジョブを実行する。 (2) ジョブは5分間隔で発生し、実行時間は多重度に依存せず20分である。 (3) 各ジョブは実行終了後にスプーリング機能を利用して印刷し、印刷時間は15分である。 (4) プリンタは2台使用する。
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解答
ウ
解説
まず要点:ある工程への単位時間あたりの流入量が、その工程の処理能力を上回ると、待ち行列(キュー)はどんどん増え続けます。ここでは実行工程も印刷工程も、入ってくる量が処理できる量より多い状態です。
解き方
- 1時間あたりのジョブ発生件数を求めます。60分 ÷ 5分 = 12件/時です。
- ジョブ実行工程の処理能力を求めます。1件20分で多重度3なので、3 × (60 ÷ 20) = 9件/時です。発生量(12件)> 実行能力(9件)なので、実行待ちは増えます。
- 印刷工程に入る量と処理能力を比べます。実行工程が最大で完了するジョブは9件/時です。プリンタ2台の能力は 2 × (60 ÷ 15) = 8件/時です。流入量(9件)> 印刷能力(8件)なので、印刷待ちも増えます。
- 以上から、実行待ちと印刷待ちの両方が増えていると分かります。
- 選択肢 ア不正解
- ジョブの発生(5分間隔)にCPUの処理(平均6.67分に1件)が追いつかないので、実行待ちも増えます。
- 選択肢 イ不正解
- CPUが完了させるジョブ(毎時9件)に対し、プリンタの処理能力(毎時8件)が足りないので、印刷待ちも増えます。
- 選択肢 ウ正解
- 実行工程と印刷工程の両方で、入ってくる量が処理できる量を上回るので、どちらの待ちも増えます。
- 選択肢 エ不正解
- 両方の工程で入ってくる量が多すぎて、待ち行列が増え続けるので誤りです。
覚えるポイント
- 待ち行列の増減は「単位時間の到着数」と「単位時間の処理能力」を比較して判断します。
間違えやすいところ
- 印刷工程に入る量をジョブ発生時の12件/時で計算するとたまたま結果は合いますが、前の工程(CPU)の上限である9件/時が実際の流入量になる点に注意します。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問16
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.10 ↗(www.ipa.go.jp)
仮想記憶におけるスラッシング現象の識別
テクノロジ系 · 仮想記憶 / ページング方式 / スラッシング
仮想記憶システムにおいて主記憶容量が不足しているとき、マルチプログラミングの多重度を高めることでページインやページアウトなどの入出力オーバヘッドが急増し、プロセッサ(CPU)の使用率が著しく低下してしまう現象を何と呼ぶか。
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解答
ア
解説
まず要点:主記憶(メインメモリ)が足りない状態で同時に動かすプログラムを増やすと、ページの入れ替えばかり増えてCPUがほとんど働けなくなる現象をスラッシングと呼びます。仮想記憶のページング方式では、必要なページが主記憶に無いとページフォールト(読み込むべきデータが無いこと)が起き、補助記憶とページを入れ替えます。プログラムを増やすと1つあたりのメモリ枠が狭くなり、この入れ替え(ページイン・ページアウト)が急増して本来の処理が止まってしまいます。
解き方
- 問題文にある『主記憶容量の不足』『多重度を増やすとオーバヘッドが増える』『CPU使用率が大きく下がる』という3つの条件を確かめます。
- これらの特徴に当てはまる仮想記憶ならではの性能低下を表す用語が『スラッシング』だと判断します。
- 選択肢 ア正解
- スラッシングの説明として正しく、主記憶不足でページフォールトが多発し性能が落ちる現象を指します。
- 選択肢 イ不正解
- フラグメンテーションは、主記憶や補助記憶に使えない細切れの空き領域ができる現象です。
- 選択肢 ウ不正解
- ページングは、固定長のページ単位で主記憶と補助記憶の間でデータをやり取りする仕組みそのものです。
- 選択肢 エ不正解
- ボトルネックは、システム全体の速さを制限している一番遅い部分を指す一般的な言葉です。
覚えるポイント
- スラッシング:主記憶不足によりページ置換処理が頻発し、CPU稼働率が著しく低下する現象
間違えやすいところ
- スラッシングと、メモリが断片化するフラグメンテーションの意味を取り違えないようにします。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問17の出題条件に基づく。
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.11 ↗(www.ipa.go.jp)
マルチプログラミングにおけるコンテキストスイッチ手順
テクノロジ系 · OSの処理 / プロセス管理 / コンテキストスイッチ
マルチプログラミング環境下で、実行中のプロセスAから待機中のプロセスBへ切り替える際のOSの処理手順を示した図において、a〜cに当てはまる処理内容の適切な組合せはどれか。 プロセスA(実行状態)→ [割込み] → [ a ] → [ b ] → [ c ] → プロセスB(実行状態)
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解答
ウ
解説
まず要点:プロセスを切り替えるときは『実行状態の退避 → プロセスの選択 → 実行状態の回復』の順に行います。コンテキストスイッチとは、CPUを使う権利をあるプロセスから別のプロセスへ渡すOSの基本処理です。割込みが入ると、まず中断するプロセスのレジスタやプログラムカウンタ(次に実行する命令の位置を示す値)などをPCB(プロセス制御ブロック)に退避します。次に次に動かすプロセスを選び、最後にそのプロセスの状態をCPUに戻して実行を再開します。
解き方
- プロセスAが中断された直後は、今のレジスタ情報を保存する『実行状態の退避』(a)を行います。
- 続いて、CPUを割り当てるプロセスをスケジューリングで決める『プロセスの選択』(b)を行います。
- プロセスBを実行状態にするため、保存しておいた情報を戻す『実行状態の回復』(c)を行い、ウを選びます。
- 選択肢 ア不正解
- 中断したプロセスの状態を保存する前に回復することはできないので、順序が誤りです。
- 選択肢 イ不正解
- 次に動かすプロセスを選ぶ前に、その状態を回復することはできないので誤りです。
- 選択肢 ウ正解
- プロセスAの退避、次プロセスの選択、プロセスBの回復という正しい順序になっています。
- 選択肢 エ不正解
- 中断したプロセスの状態を退避する前に、選択や回復を行うことはできないので誤りです。
覚えるポイント
- コンテキストスイッチの流れ:直前の状態退避 → 次プロセスのディスパッチ/選択 → 選択したプロセスの状態回復
間違えやすいところ
- 『退避』はプロセスA、『回復』はプロセスBというように対象が違う点を意識して順序を追います。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問18の出題条件に基づく。
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.11 ↗(www.ipa.go.jp)
LRUページ置換アルゴリズムの判断基準
テクノロジ系 · 仮想記憶 / ページ置換アルゴリズム / LRU
仮想記憶管理におけるLRU(Least Recently Used)アルゴリズムにおいて、主記憶から追い出すページを選択するための判断基準として用いられる項目はどれか。
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解答
ア
解説
まず要点:LRU(Least Recently Used)は、最後に参照してから最も長く使われていないページを主記憶から追い出します。仮想記憶のページ置換アルゴリズム(どのページを追い出すか決める方式)にはいくつか種類があります。LRUは『最近使ったものはまた近いうちに使われる』という考え方に基づきます。参照回数や頻度で決める方式はLFU(Least Frequently Used)と呼び、区別します。
解き方
- LRUの英語『Least Recently Used(直近で最も使われていない)』の意味を確かめます。
- 『最後に参照された時刻』、つまり最も昔に使われたページを選ぶことが基準だと分かり、アを選びます。
- 選択肢 ア正解
- LRUでは最も昔に参照されたページを追い出すので、最後に参照した時刻が判断基準になります。
- 選択肢 イ不正解
- 最初に参照した時刻を基準にするのは、FIFO(先に入れたものを先に出す)に近い考え方です。
- 選択肢 ウ不正解
- 単位時間あたりの参照頻度を基準にするのは、LFU(Least Frequently Used)の考え方です。
- 選択肢 エ不正解
- 累積の参照回数を基準にするのも、LFU(Least Frequently Used)の考え方です。
覚えるポイント
- LRU (Least Recently Used):最後に参照されてからの経過時間が最も長いページを置換
- LFU (Least Frequently Used):参照回数(頻度)が最も少ないページを置換
- FIFO (First-In First-Out):最も古くロードされたページを置換
間違えやすいところ
- LRU(時間的な新しさ)とLFU(回数や頻度)は混同しやすいので、『Recently』という言葉に注目します。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問19の出題条件に基づく。
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.12 ↗(www.ipa.go.jp)
直接編成ファイルにおけるハッシュ探索と衝突解決
テクノロジ系 · ファイル編成法 / ハッシュ法 / シノニム解決
格納アドレスが1〜6の直接編成ファイルに対し、次の条件に従ってキー値のデータを格納する。すべてのデータを格納したとき、アドレス1に格納されているデータのキー値はどれか。 〔条件〕 (1) キー値が 3, 4, 8, 13, 14, 18 の順にデータを格納する。 (2) 格納アドレスは「(キー値 mod 5) + 1」により求める。 (3) 算出アドレスに既にデータが存在する場合は、空きが見つかるまで次のアドレスを順に調べる。アドレス6の次はアドレス1とする。 (4) 初期状態ではファイルは空である。
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解答
イ
解説
まず要点:ハッシュで決めたアドレスが埋まっていたら、空きが見つかるまで次のアドレスを順に調べます。このように、求めたアドレスが既に他のデータに使われている状態を衝突(シノニムの発生)と呼びます。本問は線形探査法(オープンアドレス法の一種)を使うので、衝突したらアドレスを1つずつ増やし、アドレス6の次は先頭のアドレス1に戻って空きを探します。
解き方
- キー値3:3 mod 5 + 1 = 4 となり、アドレス4に格納します。
- キー値4:4 mod 5 + 1 = 5 となり、アドレス5に格納します。
- キー値8:8 mod 5 + 1 = 4 ですが使用中なので、5も使用中、空いているアドレス6に格納します。
- キー値13:13 mod 5 + 1 = 4 ですが4、5、6が使用中なので、先頭に戻ってアドレス1に格納します。
- 選択肢 ア不正解
- キー値8はアドレス4で衝突し、5、6と調べてアドレス6に入るので誤りです。
- 選択肢 イ正解
- キー値13はアドレス4から調べ、4、5、6が埋まっているのでアドレス1に入り、正解です。
- 選択肢 ウ不正解
- キー値14はまずアドレス5を調べ、5、6、1の衝突を経てアドレス2に入るので誤りです。
- 選択肢 エ不正解
- キー値18はまずアドレス4を調べ、4、5、6、1、2の衝突を経てアドレス3に入るので誤りです。
覚えるポイント
- オープンアドレス法の線形探査:衝突時は空きが見つかるまで次のアドレスを順次調べ、末尾の次は先頭に循環する
間違えやすいところ
- ハッシュの割る数が『5』なのに、アドレスは『1〜6』の6個あるという違いを見落とさないようにします。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問20の出題条件に基づく。
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.12 ↗(www.ipa.go.jp)
アノードコモン型7セグメントLEDの点灯パターンの解析
テクノロジ系 · 入出力インターフェース / 7セグメントLED / 論理回路
アノードコモン型7セグメントLEDの表示回路において、出力ポートに16進数で「92」を出力したときの表示状態として正しいものはどれか。ここで、出力ポートのビット割り当てはP7が最上位ビット(MSB)、P0が最下位ビット(LSB)であり、ポート出力が0(Low)のときに該当LEDが点灯する。ビットとセグメントの対応は、P0:a, P1:b, P2:c, P3:d, P4:e, P5:f, P6:g, P7:Dt(ドット)である。
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解答
ウ
解説
まず要点:アノードコモン型では、出力が0のセグメントが点灯し、1のセグメントは消灯します。この回路では全LEDの陽極(アノード)が電源Vccにつながっているため、陰極(カソード)側の端子を0に落とすと電流が流れて点灯します。つまり出力ビットが『0』のセグメントが光り、『1』のセグメントは光りません。
解き方
- 16進数『92』を8ビットの2進数に直すと、92(16) = 1001 0010(2) になります。
- MSB(P7)からLSB(P0)へ対応させると、P7=1, P6=0, P5=0, P4=1, P3=0, P2=0, P1=1, P0=0 です。
- 出力が『0』のとき点灯するので、点灯するのはP0(a), P2(c), P3(d), P5(f), P6(g)の5か所です。
- P7(Dt)は1なのでドットは消灯します。a、f、g、c、dが点灯して数字の『5』になるウを選びます。
- 選択肢 ア不正解
- アは全セグメントとドットが点灯する状態(出力00(16))を表しているので誤りです。
- 選択肢 イ不正解
- イは数字の4を表示する形で、aやdが消灯しbが点灯するパターンなので誤りです。
- 選択肢 ウ正解
- 出力0に対応するa、c、d、f、gが点灯し、ドットが消えた数字の『5』を表すので正解です。
- 選択肢 エ不正解
- エはセグメントeも点灯した数字の6の形で、P4が1(消灯)であることと食い違うので誤りです。
覚えるポイント
- アノードコモン型:共通側が電源Vcc → 信号線0で点灯(アクティブLow)
- カソードコモン型:共通側がGND → 信号線1で点灯(アクティブHigh)
間違えやすいところ
- 『1で点灯する』と逆に考えてしまい、点灯と消灯を取り違えるミスに注意します。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問21の出題条件に基づく。
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.13 ↗(www.ipa.go.jp)
フリップフロップ回路を用いた半導体メモリ
テクノロジ系 · 半導体メモリ / SRAM / 記憶素子
メモリセルにフリップフロップ回路を利用している半導体メモリはどれか。
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解答
エ
解説
まず要点:メモリセルにフリップフロップ回路を使っている半導体メモリはSRAMです。RAMには主にDRAMとSRAMがあります。SRAM(Static RAM)は複数のトランジスタで作ったフリップフロップ回路に情報を覚えます。電源がある限りデータを保て、リフレッシュ(定期的な書き直し)が不要で速く動くためキャッシュメモリに使われます。一方DRAMはコンデンサの電荷で覚えるのでリフレッシュが必要です。
解き方
- フリップフロップ回路を部品として使い、データを保持するメモリの特徴を思い出します。
- リフレッシュが不要な静的なメモリであるSRAM(Static RAM)をエから選びます。
- 選択肢 ア不正解
- DRAM(Dynamic RAM)はコンデンサにためた電荷の有無でデータを覚えるので誤りです。
- 選択肢 イ不正解
- EEPROMは絶縁膜に囲まれたフローティングゲートに電子をためて、電源を切っても消えないように記憶するので誤りです。
- 選択肢 ウ不正解
- SDRAM(Synchronous DRAM)はバスクロックに合わせて動くDRAMで、記憶素子にはコンデンサを使います。
- 選択肢 エ正解
- SRAMは1ビットをフリップフロップ回路で保持するので正解です。
覚えるポイント
- SRAM:フリップフロップ回路、高速、リフレッシュ不要、キャッシュメモリに利用
- DRAM:コンデンサ+トランジスタ、高集積・安価、リフレッシュ必要、主記憶に利用
間違えやすいところ
- SDRAMの先頭のS(Synchronous)を、SRAMのS(Static)と取り違えないように注意します。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問22の出題条件に基づく。
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.13 ↗(www.ipa.go.jp)
3入力多数決回路の論理ゲート構成
テクノロジ系 · 論理回路 / 多数決回路 / 論理式
入力A, B, Cのうち2つ以上が1のときに出力Yが1となる「3入力多数決回路」の真理値表を満たす論理回路はどれか。
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解答
ア
解説
まず要点:3入力のうち2つ以上が1のとき出力が1になる回路を多数決回路と呼びます。真理値表から式を立てると Y = AB + BC + CA になります。これを分配法則で整理すると Y = AB + (A + B)C となり、AとBのAND、AとBのORとCのAND、その2つのORという構成で作れます。
解き方
- 真理値表から出力Yが1になる場合を取り出し、論理式 Y = AB + BC + CA を立てます。
- 積和の形を因数分解して Y = AB + (A + B)C に変形します。
- 選択肢アは1段目にAND(A, B)とOR(A, B)、2段目にOR(A, B)とCのAND、最後に両者のORを取るので正解と分かります。
- 選択肢 ア正解
- 出力式 Y = AB + (A + B)C をそのまま表していて、多数決回路の真理値表と一致します。
- 選択肢 イ不正解
- イの回路はゲートの組み合わせが違い、A=1, B=1, C=0のとき正しい多数決の出力になりません。
- 選択肢 ウ不正解
- ウの回路は素子のつなぎ方が違い、決められた真理値表を満たしません。
- 選択肢 エ不正解
- エの回路はXOR素子を含み、すべての入力が1のときに意図した出力1になりません。
覚えるポイント
- 3入力多数決回路の論理式:Y = AB + BC + CA = AB + C(A + B)
間違えやすいところ
- 複雑な論理式をそのまま探すのではなく、因数分解してゲートを減らす変形パターンを意識します。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問23の出題条件に基づく。
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.14 ↗(www.ipa.go.jp)
入力データのエラー検出における論理チェック
テクノロジ系 · データチェック手法 / 論理チェック / 入力データ検証
伝票番号、注文日、商品コード、数量、顧客コードから成る注文データが入力されたとき、「注文日が入力日以前の営業日かどうか」を検査するために行うデータチェックの種類として適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:注文日が入力日以前かどうかのように、複数の項目の関係や業務ルールの矛盾を調べる検査を論理チェックと呼びます。入力データを確かめるチェックにはいろいろな種類があります。文字の形式を調べるフォーマットチェックや値の範囲を調べるリミットチェックに対し、項目どうしの前後関係や整合性(例:開始日が終了日より前か)を確かめるのが論理チェックです。
解き方
- 問題文の検査内容である『注文日が入力日以前の営業日かどうか』という条件を確かめます。
- これは日付1つの書式を調べるのではなく、入力日やカレンダーとの前後関係や矛盾を判定する検査です。
- 項目どうしの論理的な整合性を確かめる検査である『論理チェック』をエから選びます。
- 選択肢 ア不正解
- シーケンスチェックは、データが昇順や降順など決まった並びで連続しているかを調べる方法です。
- 選択肢 イ不正解
- 重複チェックは、1つだけであるべきキー項目などが二重に登録されていないかを調べる方法です。
- 選択肢 ウ不正解
- フォーマットチェックは、入力した文字が決められた桁数や文字の種類に合っているかを調べる方法です。
- 選択肢 エ正解
- 複数の項目の関係や業務ルールの矛盾の有無を調べる方法なので正解です。
覚えるポイント
- 論理チェック(整合性チェック):複数項目間の論理的な関係や前提条件との矛盾がないかを検査
- フォーマットチェック:形式・文字種の検査
- リミットチェック(範囲チェック):上限値・下限値の範囲内かを検査
間違えやすいところ
- 日付のチェックだからといって、単なるフォーマットチェック(書式検査)と混同しないようにします。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問24の出題条件に基づく。
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.14 ↗(www.ipa.go.jp)
音声サンプリングデータの記録可能時間の計算
テクノロジ系 · サンプリング / データ量計算 / 音声ディジタル化
音声のサンプリングを1秒間に11,000回行い、サンプリングした値をそれぞれ8ビットのデータとして記録する。このとき、512×10^6バイトの容量をもつフラッシュメモリに記録できる音声の長さは、最大何分か。
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解答
ウ
解説
まず要点:記録できる時間は「総容量 ÷ 1秒あたりのデータ量」で求められます。1秒あたりのデータ量は「サンプリング回数 × ビット数 ÷ 8」でバイトに直します。単位をそろえて計算することが大切です。
解き方
- 1秒間に記録するデータ量をバイトで求めます(11,000回 × 8ビット ÷ 8 = 11,000バイト/秒)。
- 1分(60秒)あたりのデータ量を求めます(11,000 × 60 = 660,000バイト/分)。
- 総容量512,000,000バイトを1分あたりのデータ量で割り、512,000,000 ÷ 660,000 ≒ 775分となります。
- 選択肢 ア不正解
- 77分は桁や割り算の計算を誤ったときに出てくる数値で、正しくはありません。
- 選択肢 イ不正解
- 96分はビットからバイトへの換算を忘れるなど、計算を誤ったときの数値です。
- 選択肢 ウ正解
- 512,000,000バイト ÷ (11,000バイト/秒 × 60秒) は約775分となり、正しいです。
- 選択肢 エ不正解
- 969分は秒を分に直すとき60で割るのを誤った場合に出る数値です。
覚えるポイント
- 8ビット=1バイトの単位換算を忘れずに行うこと。
- 時間の単位が「秒」か「分」か問題文をしっかり確認すること。
間違えやすいところ
- ビット数をバイトに直さず、そのまま計算してしまう誤り。
- 秒で求めた値を60で割って分に直すのを忘れる誤り。
出題の前提:問題文に提示された数値(11,000回/秒、8ビット、512×10^6バイト)に基づく計算。
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.15 ↗(www.ipa.go.jp)
E-R図の特徴と記述内容
テクノロジ系 · E-R図 / データモデリング / 概念設計
E-R図に関する記述のうち、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:E-R図は「エンティティ(実体)とその間のリレーションシップ(関連)」で表します。特定のデータベース製品での実装方法には依存しません。データの静的な構造を表す図です。
解き方
- E-R図が「実体(エンティティ)」と「関連(リレーションシップ)」で成り立つことを確認します。
- 業務の手順やデータの移り変わりではなく、データの静的な構造を表す点に注目して選択肢を判定します。
- 選択肢 ア不正解
- E-R図は特定のデータベース製品への実装を前提にせず、概念的なモデルとして作られます。
- 選択肢 イ正解
- 管理する対象をエンティティ(実体)とエンティティ間のリレーションシップ(関連)で表すので適切です。
- 選択肢 ウ不正解
- データの生成から消滅までの操作を表すのはCRUD図や状態遷移図などで、E-R図ではありません。
- 選択肢 エ不正解
- リレーションシップは実体同士の関係を表すもので、業務の手順や流れを表すものではありません。
覚えるポイント
- E-R図の主要構成要素はエンティティ(実体)、リレーションシップ(関連)、アトリビュート(属性)。
- E-R図はデータの静的な関係を表現し、業務手順や処理フローは表さない。
間違えやすいところ
- リレーションシップを「処理の流れ」や「業務フロー」と混同すること。
- 関係データベースのテーブル定義専用の図だと誤解すること。
出題の前提:情報処理技術者試験 シラバス(データベース・データモデリング)
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.15 ↗(www.ipa.go.jp)
表データにおける関数従属の判定
テクノロジ系 · 関数従属 / 関係データベース / 正規化
6行だけから成る“配送”表において成立している関数従属はどれか。ここで、X→Yは、XはYを関数的に決定することを表す。 〔配送〕 配送日 | 部署ID | 部署名 | 配送先 | 部品ID | 数量 2016-08-21 | 300 | 第二生産部 | 秋田事業所 | 1342 | 300 2016-08-21 | 300 | 第二生産部 | 秋田事業所 | 1342 | 300 2016-08-25 | 400 | 第一生産部 | 名古屋工場 | 2346 | 300 2016-08-25 | 400 | 第一生産部 | 名古屋工場 | 2346 | 1,000 2016-08-30 | 500 | 研究開発部 | 名古屋工場 | 2346 | 30 2016-08-30 | 500 | 研究開発部 | 川崎事業所 | 1342 | 30
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:X→Yとは、Xの値が決まればYの値も1つに決まる関係です。同じXの値をもつ行でYがすべて同じなら成り立ちます。表の全行を確認して判定します。
解き方
- 各選択肢について、左側の値が同じ行を集めます。
- その行で右側の値がすべて一致するかを確かめ、違う値があれば反例として除きます。
- アは、秋田事業所→1342、名古屋工場→2346、川崎事業所→1342となり、矛盾なく1つに決まると確認します。
- 選択肢 ア正解
- 秋田事業所→1342、名古屋工場→2346、川崎事業所→1342となり、配送先ごとに部品IDが1つに決まるので成り立ちます。
- 選択肢 イ不正解
- 配送日2016-08-30の行で部品IDが2346と1342の2つあるため、成り立ちません。
- 選択肢 ウ不正解
- 部署ID500の行で部品IDが2346と1342の2つあるため、成り立ちません。
- 選択肢 エ不正解
- 部署名「研究開発部」の行で配送先が名古屋工場と川崎事業所の2つあるため、成り立ちません。
覚えるポイント
- X→Y のとき、Xが同じ値ならYも必ず同じ値でなければならない。
- 1つのXに対して2つ以上の異なるYが存在したら即座に関数従属は不成立となる。
間違えやすいところ
- 右辺から左辺への向きと混同し、逆の一意性を確かめてしまう誤り。
- 一部の行だけで判断し、表全体を確認しない誤り。
出題の前提:問題文に示された6行の表データに基づく判定。
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.15 ↗(www.ipa.go.jp)
関係代数演算(直積)とSQL文の対応
テクノロジ系 · 関係代数 / 直積 / SQL / クロス結合
関係代数の演算のうち、関係R, Sの直積(R×S)に対応するSELECT文はどれか。ここで、関係R, Sを表R, Sに対応させ、表R及びSにそれぞれ行の重複はないものとする。
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:直積(R×S)は、Rの各行とSの各行のすべての組み合わせを作る演算です。SQLではFROM句に表をカンマで並べて書きます。これはクロス結合とも呼ばれます。
解き方
- 直積(R×S)が、2つの関係のすべての行の組み合わせであることを押さえます。
- SQLで直積を表すのは、条件を付けない「FROM R, S」だと特定します。
- 他の選択肢が差・和・共通部分といった集合演算であり、直積ではないことを確認します。
- 選択肢 ア正解
- FROM句に条件なしで「R, S」と書くと直積(クロス結合)になるので正しいです。
- 選択肢 イ不正解
- EXCEPTは関係代数の「差」にあたる集合演算で、直積ではありません。
- 選択肢 ウ不正解
- UNIONは関係代数の「和」にあたる集合演算で、直積ではありません。
- 選択肢 エ不正解
- INTERSECTは関係代数の「共通部分(積)」にあたる集合演算で、直積ではありません。
覚えるポイント
- FROM R, S(結合条件なし)または CROSS JOIN = 直積(R×S)。
- UNION=和、EXCEPT=差、INTERSECT=積(共通部分)。
間違えやすいところ
- INTERSECT(共通部分)を直積と混同してしまう誤り。
- 直積にはJOIN句が必ず必要だと誤解してしまう誤り。
出題の前提:JIS X 3005(SQL規格)および関係代数の定義
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.16 ↗(www.ipa.go.jp)
SQL文の結合と抽出条件による件数の算出
テクノロジ系 · SQL / 等価結合 / COUNT関数 / WHERE句
“社員”表と“部門”表に対して、次のSQL文を実行したときの結果はどれか。 SELECT COUNT(*) FROM 社員, 部門 WHERE 社員.所属 = 部門.部門名 AND 部門.フロア = 2 〔社員〕 社員番号 | 所属 11001 | 総務 11002 | 経理 11003 | 営業 11004 | 営業 11005 | 情報システム 11006 | 営業 11007 | 企画 12001 | 営業 12002 | 情報システム 〔部門〕 部門名 | フロア 企画 | 1 総務 | 1 情報システム | 2 営業 | 3 経理 | 2 法務 | 2 購買 | 2
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:所属と部門名が一致する行を組み合わせ、フロアが2の行だけを数えます。等価結合で一致した行だけが対象になります。最後にCOUNT(*)で件数を数えます。
解き方
- 部門表からフロアが2の行を選びます(情報システム、経理、法務、購買の4部門)。
- 社員表から、所属がその4部門のいずれかである行を探します(11002、11005、12002の3件)。
- 条件に合う行を数えると3件なので、3が正解です。
- 選択肢 ア不正解
- 1件ではなく、条件に合う社員は3名います。
- 選択肢 イ不正解
- 情報システムの2名だけを数え、経理の1名を数え落とすと2件になりますが誤りです。
- 選択肢 ウ正解
- 11002(経理)、11005(情報システム)、12002(情報システム)の3行が条件に合うので正しいです。
- 選択肢 エ不正解
- フロア2の部門数(情報システム・経理・法務・購買の4つ)と混同した数値で、誤りです。
覚えるポイント
- WHERE句の条件を分解し、まず片方の表で絞り込んでから結合すると数え間違いを防げる。
- 社員番号ごとの所属を丁寧に照合すること。
間違えやすいところ
- フロア2の部門の数(4件)を答えてしまうミス。
- 情報システムの2名だけを見て、経理の1名を見落とすミス。
出題の前提:問題文に示された社員表および部門表のデータに基づくSQL実行結果の計算。
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.16 ↗(www.ipa.go.jp)
トランザクションの障害回復技法(ロールフォワード)
テクノロジ系 · 障害回復 / ロールフォワード / チェックポイント / ログ
トランザクションTはチェックポイント取得後に完了したが、その後にシステム障害が発生した。トランザクションTの更新内容をその終了直後の状態にするために用いられる復旧技法はどれか。ここで、チェックポイントの他に、トランザクションログを利用する。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:障害の発生前に完了(コミット)したトランザクションは、ログを使って更新をやり直します。これをロールフォワード(前進復帰)といいます。まだ完了していないものはロールバックで取り消します。
解き方
- 問題文から、トランザクションTがチェックポイント取得後に完了(コミット)したことを確認します。
- 完了した更新を確定・復元するのに必要な操作が、ロールフォワード(前進復帰)だと特定します。
- 選択肢 ア不正解
- 2相ロックは、複数のトランザクションを安全に並行実行するためのロックの方法です。
- 選択肢 イ不正解
- シャドウページはページを二重に持つ復旧法ですが、ログで更新をやり直す説明ではありません。
- 選択肢 ウ不正解
- ロールバックは、完了していないトランザクションの更新を取り消す方法です。
- 選択肢 エ正解
- 完了済みトランザクションの更新をログで再適用して復旧するのはロールフォワードなので正しいです。
覚えるポイント
- コミット済みトランザクション = ロールフォワード(更新後ログで再実行)。
- 未コミットトランザクション = ロールバック(更新前ログで取り消し)。
間違えやすいところ
- 完了したトランザクションにロールバックを使うと誤解すること。
- 媒体障害とシステム障害でバックアップが必要かを混同すること。
出題の前提:情報処理技術者試験 シラバス(トランザクション障害回復)
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.17 ↗(www.ipa.go.jp)
TCP/IP階層モデルにおける中継装置(ルータ)
テクノロジ系 · ネットワーク相互接続装置 / ルータ / TCP/IP階層モデル / インターネット層
二つのLANセグメントを接続する装置Aの機能をTCP/IPの階層モデルで表すと図のようになる。この装置Aはどれか。 〔図の概要〕 ノード1、ノード2は「アプリケーション層」「トランスポート層」「インターネット層」「リンク層」「ハードウェア層」を持つ。 装置Aは「インターネット層」「リンク層」「ハードウェア層」までを持ち、LANセグメント1とLANセグメント2の間でインターネット層を中継している。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:中継装置は動作する階層で分類され、インターネット層(ネットワーク層)で中継するのはルータです。物理層はリピータ、リンク層はブリッジやスイッチです。図でどの層まで処理するかで判断します。
解き方
- 装置Aがどの層まで実装して中継しているかを確認します(インターネット層まで処理しています)。
- インターネット層のアドレス(IPアドレス)をもとにパケットを中継する装置がルータだと判定します。
- 選択肢 ア不正解
- スイッチングハブはリンク層でMACアドレスをもとにフレームを中継する装置です。
- 選択肢 イ不正解
- ブリッジはリンク層のアドレス(MACアドレス)を使って中継する装置です。
- 選択肢 ウ不正解
- リピータハブはハードウェア層(物理層)で電気信号を増幅して中継する装置です。
- 選択肢 エ正解
- インターネット層(ネットワーク層)でパケットを中継・転送する装置はルータなので正しいです。
覚えるポイント
- 物理層(ハードウェア層):リピータ
- データリンク層(リンク層):ブリッジ、スイッチングハブ
- ネットワーク層(インターネット層):ルータ
- アプリケーション層・トランスポート層:ゲートウェイ
間違えやすいところ
- リンク層で中継するブリッジ・スイッチと、インターネット層で中継するルータを混同すること。
出題の前提:情報処理技術者試験 シラバス(ネットワーク相互接続装置)
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.17 ↗(www.ipa.go.jp)
IPアドレスを動的に割り当てるプロトコル(DHCP)
テクノロジ系 · DHCP / ARP / RIP / SMTP / ネットワークプロトコル
TCP/IPネットワークにおいて、IPアドレスを動的に割り当てるプロトコルはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:IPアドレスを動的に割り当てるのはDHCPです。管理者が用意したアドレスの集まりから、接続してきた端末に空いているIPアドレスを一時的に貸し出します。これにより設定作業を自動化できます。
解き方
- 「IPアドレスを動的に割り当てる」という機能を確認します。
- 各プロトコルの役割を比べ、動的な割り当てを行うのがDHCPだと選びます。
- 選択肢 ア不正解
- ARPはIPアドレスから対応するMACアドレスを調べるためのプロトコルです。
- 選択肢 イ正解
- DHCPは端末にIPアドレスなどのネットワーク設定を動的に割り当てるプロトコルなので適切です。
- 選択肢 ウ不正解
- RIPはルータ同士が経路情報を交換するためのルーティングプロトコルです。
- 選択肢 エ不正解
- SMTPは電子メールを送信・転送するためのプロトコルです。
覚えるポイント
- DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol):IPアドレスの自動・動的割り当て。
- ARP:IPアドレスからMACアドレスを解決。
間違えやすいところ
- ARP(アドレス解決)とDHCP(アドレスの動的割り当て)の役割を混同するミス。
出題の前提:RFC 2131(Dynamic Host Configuration Protocol)
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.18 ↗(www.ipa.go.jp)
IPv4サブネットマスクによる同一ネットワークの判定
テクノロジ系 · ネットワーク / IPv4アドレス / サブネットマスク
サブネットマスクが255.255.255.240に設定された環境において、2台の端末へIPv4アドレスを割り当てる。この2台のIPv4アドレスが同一のサブネットに属している組合せはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:「同じサブネット」とは、IPアドレスの第4オクテットを16ごとの区切りに分けたとき、同じ区切りに入ることです。サブネットマスク255.255.255.240は、1区切りのアドレス数を256-240=16個にします(プレフィックス長/28)。第4オクテットは0〜15、16〜31、32〜47…と16個ずつ区切られ、同じ範囲なら同じサブネットです。
解き方
- 第4オクテットの240に注目し、256-240=16が1区切りの大きさだと求めます。
- 第4オクテットが0〜15、16〜31、32〜47、48〜63と16ごとに区切られることを整理します。
- 各選択肢の第4オクテットが同じ区切りに入っているかを見て、同じペアを探します。
- 選択肢 ア不正解
- 14は0〜15の区切り、17は16〜31の区切りで別のサブネットになります。
- 選択肢 イ正解
- 17と29はどちらも16〜31の同じ区切りにあるので、同じサブネットです。
- 選択肢 ウ不正解
- 29は16〜31、33は32〜47で区切りが違うため別のサブネットになります。
- 選択肢 エ不正解
- 33は32〜47、49は48〜63で区切りが違うため別のサブネットになります。
覚えるポイント
- 256からサブネットマスク値を引くことでサブネットのブロックサイズが求まる
間違えやすいところ
- マスクの240を2進数に直さず、数字の差だけで同じネットワークか判断してしまう。
出題の前提:基本情報技術者試験 シラバス(IPアドレス・サブネット化)
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.18 ↗(www.ipa.go.jp)
NTPにおける時刻オフセットの計算
テクノロジ系 · ネットワーク / NTP / 時刻同期
NTPサーバとPC間で時刻同期を行う際、PCの問合せ送信時刻T1がaa:bb:cc.000100、サーバの受信時刻T2がaa:bb:cc.000200、サーバの応答送信時刻T3がaa:bb:cc.000400、PCの応答受信時刻T4がaa:bb:cc.000900であった。往復の伝送遅延が往路と復路で等しいとき、PCの内部時計はNTPサーバと比べてどれだけずれているか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:NTPでPCの時計のずれ(オフセット)は ((T1-T2)+(T4-T3))÷2 で求められます。往路と復路の伝送遅延が同じとみなし、サーバの受信から送信までの処理時間を取り除くことで、PC時計がどれだけ進んでいるか分かります。
解き方
- 往復にかかった時間からサーバの処理時間を引いて、通信にかかった時間を求めます:(900-100)-(400-200)=600マイクロ秒。
- 往路と復路は同じ遅延なので、600÷2=300マイクロ秒が片道の伝送遅延です。
- PCの送信時刻100に片道遅延300を足した400と、サーバ受信時刻200を比べると、PC時計が200マイクロ秒進んでいると分かります。
- 選択肢 ア不正解
- T2-T1=100マイクロ秒をそのまま使うと、片道の伝送遅延が含まれるため誤りです。
- 選択肢 イ正解
- 計算式にあてはめると、PCの時計はサーバより200マイクロ秒進んでいます。
- 選択肢 ウ不正解
- T4-T3=500マイクロ秒だけを見た計算で、伝送遅延を考えていないため誤りです。
- 選択肢 エ不正解
- サーバの処理時間や伝送遅延を正しく差し引かずに合計した誤った値です。
覚えるポイント
- NTPの時刻オフセットは往復の遅延時間を均等に分割して時計差を算出する
間違えやすいところ
- 全体の時間からサーバの処理時間(T3-T2)を引くのを忘れてしまう。
出題の前提:基本情報技術者試験 シラバス(NTPプロトコル)
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.19 ↗(www.ipa.go.jp)
静止軌道衛星通信における伝送遅延時間の計算
テクノロジ系 · ネットワーク / 通信遅延 / 電波伝搬速度
静止衛星を中継して地上A地点とB地点の間で通信を行う。衛星と各地点間の距離がともに37,500 km、衛星における中継遅延が10ミリ秒であるとき、Aから送信されたデータがBに到達するまでの伝送遅延時間は何秒か。電波の伝搬速度は3×10^8 m/秒とする。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:電波が伝わる時間は「距離÷速度」で求め、中継処理の遅延があればそれも足します。A→衛星→Bの距離は37,500 km+37,500 km=75,000 kmで、伝搬時間は約0.25秒、これに中継遅延0.01秒を加えて0.26秒になります。
解き方
- A→衛星と衛星→Bの距離を合わせます:37,500 km+37,500 km=75,000 km=7.5×10^7 m。
- 電波の伝搬時間を求めます:(7.5×10^7 m)÷(3×10^8 m/s)=0.25秒。
- 衛星の中継遅延0.01秒を伝搬時間に足します:0.25秒+0.01秒=0.26秒。
- 選択肢 ア不正解
- 片道37,500 kmだけの伝搬時間0.125秒に中継遅延を足した約0.13秒で、距離が半分しか入っていません。
- 選択肢 イ正解
- 往復2区間の伝搬時間0.25秒に中継遅延0.01秒を足した0.26秒が正解です。
- 選択肢 ウ不正解
- 途中の数値を誤って足し合わせた値で、正しい計算になっていません。
- 選択肢 エ不正解
- A→B→Aの往復全部(0.26秒×2=0.52秒)を求めてしまった値です。
覚えるポイント
- 伝送遅延=電波伝搬時間(総距離÷光速)+中継処理時間
間違えやすいところ
- 地上からの高さ約36,000 kmを距離として使ってしまうミスに注意する。
出題の前提:基本情報技術者試験 シラバス(伝送遅延と物理特性)
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.20 ↗(www.ipa.go.jp)
ボット排除のためのCAPTCHA技術
テクノロジ系 · セキュリティ / 認証技術 / CAPTCHA
人間には読めても自動プログラムには判読が困難である差異を利用し、意図的に歪ませたりノイズを加えた画像から文字を読み取らせて入力させることで、機械的な自動アクセスを遮断する技術はどれか。
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:CAPTCHAは、人間には読めても機械には読みにくい文字画像を入力させて、自動プログラム(ボット)を排除する技術です。Webフォームへのスパム送信やパスワードの総当たり攻撃を防ぐために使われます。
解き方
- 問題文にある「ゆがんだ画像の文字を入力させ、自動入力を防ぐ技術」の説明を確認します。
- それぞれの言葉の意味と照らし合わせて、CAPTCHAを選びます。
- 選択肢 ア正解
- CAPTCHAは人間とボットを見分けて自動送信を防ぐ技術で、設問の説明と一致します。
- 選択肢 イ不正解
- QRコードは機械が速く読み取れるように作られた2次元コードで、目的が逆です。
- 選択肢 ウ不正解
- 短縮URLは長いURLを短い文字に置き換えて転送する仕組みです。
- 選択肢 エ不正解
- トラックバックpingは、ブログ同士がリンクしたことを自動で通知する仕組みです。
覚えるポイント
- CAPTCHAはボットと人間を識別して自動入力を排除する仕組み
間違えやすいところ
- QRコードなど機械が読みやすい技術と混同しないようにする。
出題の前提:基本情報技術者試験 シラバス(Webセキュリティ技術)
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.20 ↗(www.ipa.go.jp)
情報セキュリティの3要素(完全性)を脅かす攻撃
テクノロジ系 · セキュリティ / セキュリティの3要素 / 完全性
情報セキュリティの三大要素(機密性・完全性・可用性)のうち、“完全性”を脅かす攻撃に該当するものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:完全性を脅かすのは、情報の中身を勝手に書き換える攻撃です。情報セキュリティの3要素は、機密性(許可された人だけが読める)、完全性(情報が正確で改ざんされていない)、可用性(必要なときに使える)に分けられます。
解き方
- 完全性とは「データが勝手に変えられず、正確なまま保たれていること」だと思い出します。
- 各選択肢の攻撃がこわす要素を分類します(改ざん=完全性、コピー・盗聴=機密性、過負荷=可用性)。
- 選択肢 ア正解
- Webページの改ざんは内容を不正に書き換える攻撃で、完全性を直接こわします。
- 選択肢 イ不正解
- データの不正コピーは情報が外に漏れる行為で、機密性をこわす攻撃です。
- 選択肢 ウ不正解
- DoS攻撃は負荷をかけてサービスを止めるので、可用性をこわす攻撃です。
- 選択肢 エ不正解
- 通信の盗聴は第三者がデータを見る行為で、機密性をこわす攻撃です。
覚えるポイント
- 機密性=盗聴・漏洩、完全性=改ざん・破壊、可用性=サービス停止(DoS)
間違えやすいところ
- 改ざんと情報漏洩を混同し、機密性と完全性を取り違えてしまう。
出題の前提:JIS Q 27000:2014(情報セキュリティマネジメントシステム 用語)
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.20 ↗(www.ipa.go.jp)
メッセージ認証符号(MAC)におけるメッセージダイジェストの利用目的
テクノロジ系 · セキュリティ / メッセージ認証符号 / メッセージダイジェスト / 完全性検証
メッセージ認証符号(MAC)の生成過程で用いられるメッセージダイジェスト(ハッシュ値)の利用目的として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:メッセージダイジェスト(ハッシュ値)は、内容が変わっていないかを確かめるために使います。メッセージが1ビットでも変わるとハッシュ値は大きく変わるので、改ざんの検出に役立ちます。
解き方
- メッセージ認証符号(MAC)でメッセージダイジェストが果たす役割を整理します。
- ハッシュ値がデータの同一性(改ざんがないこと)を保証する点を選択肢から探します。
- 選択肢 ア正解
- ダイジェストを比べることで、メッセージが送信時から改ざんされていないか確認できます。
- 選択肢 イ不正解
- 暗号化の方式を確かめるために使われるものではありません。
- 選択肢 ウ不正解
- 「ダイジェスト」という言葉につられて要約と勘違いしがちですが、内容の概要は分かりません。
- 選択肢 エ不正解
- 秘匿性を保つには暗号化を使い、ハッシュ値の生成自体には秘匿の機能はありません。
覚えるポイント
- メッセージダイジェスト(ハッシュ値)の主な目的は改ざん検知(完全性の検証)
間違えやすいところ
- 「ダイジェスト」を文章の要約や概要確認だと文字どおりに誤解してしまう。
出題の前提:基本情報技術者試験 シラバス(暗号技術・ハッシュ関数)
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.21 ↗(www.ipa.go.jp)
公開鍵基盤(PKI)における認証局(CA)の役割
テクノロジ系 · セキュリティ / PKI / 認証局 / ディジタル証明書
公開鍵基盤(PKI)において、第三者機関である認証局(CA)が果たす役割として適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:認証局(CA)の役割は、公開鍵が持ち主本人のものであると保証するディジタル証明書を発行することです。証明書には認証局自身のディジタル署名が付き、信頼できる第三者として公開鍵の正当性を支えます。
解き方
- PKIでの認証局(CA)の中心的役割が「公開鍵の真正性を保証すること」だと確認します。
- 公開鍵と秘密鍵の違いをはっきりさせ、秘密鍵は本人だけが持つので証明の対象ではないと押さえて選びます。
- 選択肢 ア不正解
- 正確な時刻を配るのはNTPサーバやタイムスタンプ局(TSA)の役割です。
- 選択肢 イ不正解
- メール本文へのディジタル署名は、送信者本人が自分の秘密鍵で付けます。
- 選択肢 ウ正解
- 認証局は公開鍵が正当だと保証するため、ディジタル証明書を発行します。
- 選択肢 エ不正解
- 秘密鍵は本人が厳重に保管するもので、証明書として発行されるものではありません。
覚えるポイント
- 認証局(CA)が発行・証明するのは「公開鍵」であり「秘密鍵」ではない
間違えやすいところ
- 公開鍵と秘密鍵を取り違えて選択肢エを選んでしまうミス。
出題の前提:基本情報技術者試験 シラバス(公開鍵暗号基盤)
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.21 ↗(www.ipa.go.jp)
ICカードとPINを用いた利用者認証の適切な運用
テクノロジ系 · セキュリティ / 利用者認証 / 多要素認証 / ICカードとPIN
ICカード(所持要素)とPIN(知識要素)を組み合わせた2要素認証を行う運用において、セキュリティ上適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:所持(カード)と知識(PIN)の2要素認証は、2つが同時に相手の手に渡らないことで安全を保ちます。そのため、カードとPINは別々の経路で届け、両方を一度に盗まれないようにします。
解き方
- 2要素認証を安全に保つ基本(要素を分ける、推測しにくくする、すぐ失効させる)を整理します。
- 各選択肢を検討し、ICカードとPINの同時奪取を防ぐ別経路配送の記述を選びます。
- 選択肢 ア不正解
- 共通のPINにすると、カードを拾った第三者が簡単に不正利用できるので不適切です。
- 選択肢 イ不正解
- 紛失が分かった時点でカードをすぐ失効させるべきで、再発行後まで待つのは危険です。
- 選択肢 ウ不正解
- カード表面の数字をPINにすると、カードを見た人に簡単に推測されてしまいます。
- 選択肢 エ正解
- カードとPINを別経路で送ることで、配送中の事故や盗難による同時詐取を防げます。
覚えるポイント
- ICカードとPINなどの多要素情報は同一の配送経路で同時に送らない(別送する)
間違えやすいところ
- 紛失時の失効手続きを再発行の後に行う運用を正しいと勘違いしてしまう。
出題の前提:基本情報技術者試験 シラバス(利用者認証とセキュリティ運用)
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.21 ↗(www.ipa.go.jp)
不正プログラムパッケージrootkitの特徴
テクノロジ系 · マルウェア / rootkit / セキュリティ攻撃手法
コンピュータやサーバへ不正に侵入した後に、バックドアを設置したり、システムログや実行プロセスなどの侵入の痕跡を隠蔽したりする機能を兼ね備えた不正プログラムや管理ツールのパッケージとして、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:rootkit(ルートキット)は、管理者権限を奪った攻撃者が侵入後の隠蔽やバックドア維持に使う不正なツール一式です。ログを消したり改ざんしたり、動いているプログラムを隠したり、不正な通信の入口を作ったりする機能をまとめて提供します。
解き方
- 問題文の『バックドアの設置』と『侵入の痕跡の隠蔽』という不正ツールの特徴を確かめます。
- 選択肢の中で、侵入と隠蔽のためのツール一式であるrootkit(イ)を選びます。
- 選択肢 ア不正解
- RFID(Radio Frequency Identification)は、小さなICチップとアンテナで電波を使い、タグの情報を非接触で読み書きする技術で、不正プログラムではありません。
- 選択肢 イ正解
- rootkitは、侵入したシステムにバックドアを置き、ログ消去やプロセスの偽装で侵入の痕跡を隠す不正ツールのまとまりです。
- 選択肢 ウ不正解
- TKIP(Temporal Key Integrity Protocol)は、無線LANの暗号化規格WPAで使われた、鍵をこまめに変えて安全性を高める暗号方式です。
- 選択肢 エ不正解
- web beacon(ウェブビーコン)は、Webページやメールに埋め込んだ小さな画像などで、利用者の閲覧状況を集めて追跡する仕組みです。
覚えるポイント
- rootkitはバックドア作成とログ・プロセスの隠蔽を目的とした攻撃ツール群
間違えやすいところ
- トロイの木馬全体と混同しやすいですが、侵入後に隠蔽やバックドア維持に特化したツール一式だと押さえます。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問41
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.22 ↗(www.ipa.go.jp)
WAF(Web Application Firewall)の機能
テクノロジ系 · WAF / ネットワークセキュリティ / Webセキュリティ
WAF(Web Application Firewall)に関する説明として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:WAF(Web Application Firewall)は、Web通信の中身を見て攻撃を検知し遮断する仕組みです。普通のファイアウォールはIPアドレスやポート番号で通信を制限しますが、WAFはアプリケーション層のデータまで細かく解析し、正規のWeb通信に紛れた不正な入力や攻撃コードを見つけて止めます。
解き方
- WAF(Web Application Firewall)が守る層(Webアプリケーション層)と、その動きを確認します。
- Web通信の中身を調べ、攻撃パターンを見つけて遮断する説明を選びます。
- 選択肢 ア正解
- Webサイトへの通信内容を調べ、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどの攻撃パターンを見つけて遮断するのがWAFです。
- 選択肢 イ不正解
- Wi-Fiアライアンスが認定したAES対応の無線LAN暗号化規格は、WPA2(またはWPA3)の説明です。
- 選択肢 ウ不正解
- いろいろなシステムの動作ログを一元的に集めて管理し、脅威を早く見つけて分析する仕組みは、SIEMの説明です。
- 選択肢 エ不正解
- ファイアウォールやウイルス対策、侵入検知などを1台の機器に統合して管理する製品は、UTM(統合脅威管理)の説明です。
覚えるポイント
- WAFはWebアプリケーション層(L7)でSQLインジェクション等の攻撃を遮断する
間違えやすいところ
- IPやポートを監視する通常のファイアウォールや、複数の機能を持つUTMと混同しないよう注意します。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問42
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.22 ↗(www.ipa.go.jp)
ウイルス検出技術におけるビヘイビア法
テクノロジ系 · マルウェア検出 / ビヘイビア法 / 動的解析
コンピュータウイルスの検出手法のうち、ビヘイビア法(動的ヒューリスティック法/振る舞い検知)に分類されるものはどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:ビヘイビア法(振る舞い検知法)は、プログラムを実際に動かしてその挙動を監視する検出手法です。既知のウイルスパターンと比べる方法やファイルの改変を調べる方法と違い、仮想環境(サンドボックス)でコードを実行し、不審な動きを捉えるので未知のマルウェアにも対応できます。
解き方
- 『ビヘイビア(behavior=振る舞い、挙動)』という言葉の意味に注目します。
- プログラムを実際に実行させて、その挙動を監視する動的な解析方法を選びます。
- 選択肢 ア不正解
- 検査対象に付けた情報と算出した情報を比べて、改ざんの有無を調べる手法はチェックサム法やインテグリティチェック法です。
- 選択肢 イ不正解
- 安全に保管した原本と比べて、変更がないかを確認する手法はコンペア法(原本比較法)です。
- 選択肢 ウ不正解
- ハッシュ値や既知のシグネチャと比べて、一致するかを調べる手法はパターンマッチング法です。
- 選択肢 エ正解
- 仮想環境の中でプログラムを実際に動かし、その挙動を監視して悪意ある動きを見つけるのがビヘイビア法です。
覚えるポイント
- ビヘイビア法は仮想環境(サンドボックス等)で実際に実行させて挙動(振る舞い)を監視する手法
間違えやすいところ
- コードの構造を静的に調べるヒューリスティック法や、ハッシュ値を比べるパターンマッチング法と混同しないよう整理します。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問43
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.22 ↗(www.ipa.go.jp)
アカウント認証攻撃手法(パスワードリスト攻撃)
テクノロジ系 · パスワードリスト攻撃 / アカウント乗っ取り / 認証セキュリティ
別のサービスやシステムから流出したアカウント認証情報を用いて、アカウント認証情報を使い回している利用者のアカウントを乗っ取る攻撃はどれか。
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解答
ア
解説
まず要点:パスワードリスト攻撃(アカウントリスト攻撃)は、他サイトから流出したIDとパスワードの一覧を使い、同じ組み合わせを使い回している人のアカウントに不正ログインする攻撃です。攻撃者は、守りが弱いサイトから漏れた一覧を用意し、対象のサービスに次々と試して正規の利用者になりすまします。
解き方
- 『他システムから流出した認証情報を利用』『パスワード等の使い回しを狙う』という条件を確かめます。
- 流出リストを使って機械的にログインを試すパスワードリスト攻撃を選びます。
- 選択肢 ア正解
- 他サービスから流出したID・パスワードの一覧を使い、使い回している利用者のアカウントへのログインを試す攻撃です。
- 選択肢 イ不正解
- ブルートフォース攻撃(総当たり攻撃)は、1つのIDに対し、考えられるパスワードを片っ端から順に試す攻撃です。
- 選択肢 ウ不正解
- リバースブルートフォース攻撃は、1つのパスワード(安易な文字列など)を固定し、多くの利用者IDに対してログインを試す方法です。
- 選択肢 エ不正解
- レインボー攻撃(レインボーテーブル攻撃)は、計算済みのハッシュ値と平文の対応表を使い、ハッシュ化されたパスワードを効率よく解読する攻撃です。
覚えるポイント
- パスワードリスト攻撃:流出したID・パスワードの使い回しを悪用する攻撃
間違えやすいところ
- 1つのIDに全通り試すブルートフォースや、固定パスワードで多数のIDを試すリバースブルートフォースとの違いに注意します。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問44
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.23 ↗(www.ipa.go.jp)
マルウェア通信における宛先ポート番号80の利用理由
テクノロジ系 · ポート番号 / HTTP / ファイアウォール
PCへの侵入に成功したマルウェアがインターネット上の指令サーバ(C&Cサーバ)と通信を行う場合に、宛先ポートとしてTCPポート番号80が多く使用される理由はどれか。
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:マルウェアがC&Cサーバ(指令サーバ)との通信にTCPポート80番をよく使うのは、Web閲覧用として社外への通信が許可されていることが多いからです。会社などのネットワークでは外部への通信ポートが制限されていますが、HTTPで使う80番は業務上開けてある場合が多く、攻撃者はそれを悪用してファイアウォールをすり抜けようとします。
解き方
- TCPポート番号80がどのプロトコル(サービス)で標準的に使われるかを確かめます(HTTP/Web閲覧)。
- 社内PCからWebサイトを見られるように、ファイアウォールで80番の送信が許可されていることが多い点に注目します。
- 選択肢 ア不正解
- DNSのゾーン転送には普通TCPポート53番を使います。80番ではありません。
- 選択肢 イ不正解
- Webサイトの暗号化されたHTTPS通信には普通TCPポート443番を使います。80番は暗号化なしのHTTPです。
- 選択肢 ウ正解
- TCPポート80番はWeb閲覧(HTTP)用として日常的によく使われるため、多くの組織のファイアウォールで社外への通信が許可されています。
- 選択肢 エ不正解
- ドメイン名の名前解決(通常のDNS問い合わせ)には普通UDPポート53番を使います。
覚えるポイント
- TCPポート80番はHTTP(Web閲覧)の標準ポートであり外向き通信が許可されやすい
間違えやすいところ
- HTTPSは443番、DNSは53番です。主要な標準ポート番号とプロトコルの組み合わせを混同しないようにします。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問45
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.23 ↗(www.ipa.go.jp)
信頼性設計におけるフールプルーフの概念
テクノロジ系 · 信頼性設計 / フールプルーフ / ヒューマンエラー防止
安全性や信頼性を確保するための設計思想のうち、フールプルーフに該当するものはどれか。
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解答
エ
解説
まず要点:フールプルーフは、人が操作を間違えても事故や障害が起きないようにする設計です。信頼性設計にはほかにも、故障時に安全側へ導くフェールセーフ、故障しても機能を絞って動かし続けるフェールソフト、多重化で動かし続けるフォールトトレラントがあります。フールプルーフは『人の誤り』への対策である点が特徴です。
解き方
- 信頼性設計の各用語が相手にするもの(「人の誤操作」か「装置の故障」か)を区別します。
- フールプルーフは人の操作ミスへの対策なので、誤操作に対処する記述(エ)を選びます。
- 選択肢 ア不正解
- 故障したときに安全な状態で止めて、被害を小さくする設計はフェールセーフ(Fail Safe)の説明です。
- 選択肢 イ不正解
- 一部が故障しても機能を絞って、全体の稼働を続ける設計はフェールソフト(Fail Soft)の説明です。
- 選択肢 ウ不正解
- 多重化などで一部に障害が起きても、全体を正常に動かし続ける設計はフォールトトレラント(Fault Tolerant)の説明です。
- 選択肢 エ正解
- 利用者が誤った操作や想定外の使い方をしても、危険や障害が起きないようにする設計がフールプルーフです。
覚えるポイント
- フールプルーフは利用者の誤操作を防止・無害化する設計
間違えやすいところ
- 「フェールセーフ(安全側に倒す)」と「フールプルーフ(誤操作を防ぐ)」は最も混同されやすい設計思想です。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問46
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.23 ↗(www.ipa.go.jp)
オブジェクト指向におけるカプセル化
テクノロジ系 · オブジェクト指向 / カプセル化 / 情報隠蔽
オブジェクト指向の基本的な概念である「カプセル化」を説明したものとして、適切なものはどれか。
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解答
エ
解説
まず要点:カプセル化は、データとそれを操作する手続を1つのまとまりにして、中身の詳細を外から隠すことです。外には公開した使い方(インターフェース)だけを見せ、内部に直接さわらせないようにします。これにより不正な操作を防ぎ、内部を変えても外に影響が出にくくなります。
解き方
- カプセル化の中心となる2つ「データと手続の一体化」と「内部詳細の隠蔽」を確かめます。
- 選択肢の中で、一体化と隠蔽を正しく説明しているエを選びます。
- 選択肢 ア不正解
- 同じ性質を持つ複数のオブジェクトをまとめて整理する考え方は、「クラス化(モデル化/抽象化)」の説明です。
- 選択肢 イ不正解
- 上位(基底)クラスの性質を、下位(派生)クラスに受け継がせる考え方は「継承(インヘリタンス)」の説明です。
- 選択肢 ウ不正解
- 複数のクラスに共通する性質を抜き出して、基底クラスを作る作業は「汎化(Generalization)」の説明です。
- 選択肢 エ正解
- データとそれを扱う手続をまとめ、内部の詳細を外から隠して、公開した窓口だけを使わせる仕組みがカプセル化です。
覚えるポイント
- カプセル化:データと手続の一体化+内部詳細の隠蔽(情報隠蔽)
間違えやすいところ
- 基底クラスから受け継ぐ「継承」や、共通点を抜き出す「抽象化・汎化」と混同しないようにします。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問47
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.24 ↗(www.ipa.go.jp)
同値分割法と境界値分析によるテストデータ数の算出
テクノロジ系 · ソフトウェアテスト / 同値分割法 / 境界値分析 / ブラックボックステスト
整数1〜1,000を有効とする入力値があり、1〜100の場合は処理Aを、101〜1,000の場合は処理Bを実行する入力処理モジュールを、同値分割法と境界値分析によってテストする。次の〔条件〕でテストするとき、必要なテストデータの最小個数は幾つか。 〔条件〕 (1) 有効同値クラスの1クラスにつき、一つの値をテストデータとする。ただし、テストする値は境界値でないものとする。 (2) 有効同値クラス、無効同値クラスの全ての境界値をテストデータとする。
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解答
エ
解説
まず要点:この問題で必要なテストデータの最小個数は8個です。同値分割法は同じ結果になる値のグループから代表を選ぶ方法、境界値分析はグループの境目とそのすぐ外側を選ぶ方法です。境目は誤りが起きやすいので必ず試し、さらに各有効グループの代表値も1つずつ加えます。
解き方
- 同値クラスを分類します。 ・無効同値クラス1:x ≦ 0(整数0以下) ・有効同値クラス1(処理A):1 ≦ x ≦ 100 ・有効同値クラス2(処理B):101 ≦ x ≦ 1,000 ・無効同値クラス2:x ≧ 1,001(整数1,001以上)
- 条件(2)に基づき、境界値を特定します。 ・0以下と1〜100の境界:0, 1 ・1〜100と101〜1,000の境界:100, 101 ・101〜1,000と1,001以上の境界:1000, 1001 以上より境界値は 0, 1, 100, 101, 1000, 1001 の6個です。
- 条件(1)に基づき、2つの有効同値クラスから境界値以外の代表値を1個ずつ選びます(例えば50と500の計2個)。
- 境界値6個+有効同値クラスの代表値2個=合計8個と求まります。
- 選択肢 ア不正解
- 5個では境界値(全部で6個)さえ足りず、数が不足しています。
- 選択肢 イ不正解
- 6個は境界値(0, 1, 100, 101, 1000, 1001)だけの数で、条件(1)の境界値以外の代表値2個が入っていません。
- 選択肢 ウ不正解
- 7個では境界値か有効同値クラスの代表値のどちらかが1つ足りません。
- 選択肢 エ正解
- 境界値6個(0, 1, 100, 101, 1000, 1001)と、境界値以外の有効同値クラスの代表値2個を合わせると最小8個です。
覚えるポイント
- 境界値分析では境界の両側(有効・無効の境目)をテストし、同値分割の代表値と合算する
間違えやすいところ
- 有効範囲内にある100と101の境目を境界値として見落としたり、境界値だけで満足して代表値の追加を忘れたりするミスが多いです。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問48
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.24 ↗(www.ipa.go.jp)
トップダウンテストにおける下位モジュールの代替
テクノロジ系 · ソフトウェア結合テスト / スタブとドライバ
階層構造を持つソフトウェアの結合テストにおいて、上位モジュールから順にテストを進めるトップダウンテストを実施する際、未完成である下位モジュールの代替として利用するテスト用部品はどれか。
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解答
ウ
解説
まず要点:トップダウンテストで未完成の下位モジュールの代わりに使う部品は「スタブ」です。上位のモジュールから順にテストするので、まだできていない下位モジュールを呼び出す必要があります。そのとき、決まった値を返すだけの身代わりの部品がスタブです。反対に下位からテストするときは、上位モジュールの代わりに「ドライバ」を使います。
解き方
- 問題文から「上位モジュールからテストを進める(トップダウンテスト)」という条件を確かめます。
- トップダウンテストで身代わりが必要なのは「呼び出される下位モジュール」なので、スタブだと分かります。
- 選択肢 ア不正解
- エミュレータは、ある機械やソフトの動きを別の環境でまねて再現する道具で、下位モジュールの身代わりではありません。
- 選択肢 イ不正解
- シミュレータは、システムの動きやふるまいを模擬的に再現して試す道具で、部品の代用ではありません。
- 選択肢 ウ正解
- スタブは、呼び出されたときに決まった値などを返す、下位モジュールの身代わりのプログラムです。
- 選択肢 エ不正解
- ドライバは、ボトムアップテストで上位モジュールの代わりに下位モジュールを呼び出すプログラムです。
覚えるポイント
- トップダウンテストはスタブ(下位の代用)、ボトムアップテストはドライバ(上位の代用)を使用します。
間違えやすいところ
- スタブとドライバの役割を上下逆に覚えてしまい、混同しやすいので注意します。
出題の前提:平成28年度秋期 基本情報技術者試験 午前
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.24 ↗(www.ipa.go.jp)
稼働中データベース情報からの設計書生成手法
テクノロジ系 · リバースエンジニアリング / ソフトウェア保守
モデリングツールを活用し、本稼働している既存データベースの定義情報からE-R図などの設計書を自動生成・復元する手法はどれか。
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解答
エ
解説
まず要点:できあがったものから設計書を復元する手法は「リバースエンジニアリング」です。リバースは「逆方向」という意味で、実装されたものや稼働中のデータベースを分析し、E-R図などの上位の設計書を作ります。反対に、設計書からプログラムを作る普通の流れはフォワードエンジニアリングです。
解き方
- 「稼働中の定義情報から設計書を作る」という向きが、実装から設計への逆向きだととらえます。
- 実装から設計へさかのぼる手法がリバースエンジニアリングだと判断します。
- 選択肢 ア不正解
- コンカレントエンジニアリングは、設計や製造などの複数の工程を同時に並行して進めて期間を短くする手法です。
- 選択肢 イ不正解
- ソーシャルエンジニアリングは、人の心のすきやうっかりミスを突いて機密情報を盗み出す攻撃手法です。
- 選択肢 ウ不正解
- フォワードエンジニアリングは、仕様書や設計書をもとにプログラムを作る、普通の向きの開発手法です。
- 選択肢 エ正解
- リバースエンジニアリングは、既存のシステムや定義情報を分析して設計書を復元する手法で、これが正解です。
覚えるポイント
- 実装から設計書を導き出す逆方向の工学技術がリバースエンジニアリングです。
間違えやすいところ
- フォワードエンジニアリング(順方向)とリバースエンジニアリング(逆方向)の向きを取り違えないようにします。
出題の前提:平成28年度秋期 基本情報技術者試験 午前
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.25 ↗(www.ipa.go.jp)
計画プロセスグループに属するプロセス
マネジメント系 · プロジェクトマネジメント / PMBOK / 計画プロセスグループ
プロジェクトマネジメントにおける5つのプロセスグループ(立上げ、計画、実行、監視・コントロール、終結)のうち、計画プロセスグループ内で実施されるプロセスはどれか。
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解答
ア
解説
まず要点:5つのプロセスグループのうち「スコープの定義」は計画プロセスグループに入ります。PMBOKではプロセスを立上げ・計画・実行・監視/コントロール・終結の5つに分けます。プロジェクト憲章の作成やステークホルダの特定は立上げ、品質保証の実施は実行に属します。
解き方
- 各選択肢のプロセスが、立上げ・計画・実行・監視/コントロール・終結のどれに入るか整理します。
- 選択肢アの「スコープの定義」が計画プロセスグループに当てはまると確かめます。
- 選択肢 ア正解
- スコープの定義は、成果物と作業の範囲を細かく決めて基準を定めるプロセスで、計画プロセスグループに属します。
- 選択肢 イ不正解
- ステークホルダの特定はプロジェクトの始まりに行うので、立上げプロセスグループに属します。
- 選択肢 ウ不正解
- 品質保証の実施は、決めた計画に従って作業を進める段階なので、実行プロセスグループに属します。
- 選択肢 エ不正解
- プロジェクト憲章の作成はプロジェクトを正式に認める活動なので、立上げプロセスグループに属します。
覚えるポイント
- 立上げ:プロジェクト憲章作成、ステークホルダ特定。計画:スコープ定義など。実行:品質保証など。
間違えやすいところ
- プロジェクトの初期に行う「ステークホルダの特定」を計画プロセスグループと間違えやすいです。
出題の前提:PMBOKガイド第5版
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.25 ↗(www.ipa.go.jp)
スケジュール短縮技法(クラッシング)
マネジメント系 · タイムマネジメント / クラッシング / ファストトラッキング
プロジェクト全体の工期を短縮するために、アクティビティに追加の資源を投入して作業の所要期間を圧縮する技法はどれか。
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解答
ア
解説
まず要点:資源を追加して工期を縮める技法は「クラッシング」です。クラッシングは、人や設備、残業などコストを足して、作業の期間を短くします。もう一つの代表的な方法が、本来は順番に行う作業を同時に進める「ファストトラッキング」です。
解き方
- 問題文の「資源を増やして所要期間を短くする」という条件を読み取ります。
- 資源を追加して工期を縮める技法がクラッシングだと特定します。
- 選択肢 ア正解
- クラッシングは、クリティカルパス上の作業に人などの資源を追加して期間を短くする技法です。
- 選択肢 イ不正解
- クリティカルチェーン法は、資源の取り合いを考えて、余裕期間をまとめて配置して管理する技法です。
- 選択肢 ウ不正解
- ファストトラッキングは、本来は前後関係にある作業を同時に並行して行い工期を縮める技法です。
- 選択肢 エ不正解
- モンテカルロ法は、乱数を使った試算を何度も繰り返して不確かさを数値で評価する技法です。
覚えるポイント
- 資源投入による短縮=クラッシング、並行作業化による短縮=ファストトラッキング。
間違えやすいところ
- クラッシング(資源の追加)とファストトラッキング(並行作業化)を混同しやすいので注意します。
出題の前提:PMBOKガイド第5版
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.25 ↗(www.ipa.go.jp)
ファンクションポイント法の入力情報
マネジメント系 · 工数見積り / ファンクションポイント法
ファンクションポイント法(FP法)を用いてシステム開発の規模を見積もる際に、算定の基礎情報として直接必要となるものはどれか。
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解答
イ
解説
まず要点:ファンクションポイント法で規模を見積もるには「画面数」などの機能の数が直接必要です。この方法は、利用者に提供する機能の数と複雑さからシステムの大きさを測ります。画面や帳票などの入出力、データを蓄えるファイルの数を数えて規模を出します。
解き方
- ファンクションポイント法が「利用者から見た機能」の大きさを測る方法だと思い出します。
- 画面数や帳票数、ファイル数などの情報が必要なので、選択肢イの画面数を選びます。
- 選択肢 ア不正解
- 開発者数は、工数や日程を決めるときの資源の情報で、FP法の規模計算の直接の材料ではありません。
- 選択肢 イ正解
- 画面数は、外部入力や外部出力、外部照会を数える対象として直接必要になります。
- 選択肢 ウ不正解
- プログラムステップ数(命令の行数)はLOC法で使う指標で、言語にたよらないFP法では使いません。
- 選択肢 エ不正解
- 利用者数は運用の負担や設備の検討には関係しますが、FP法の機能規模の計測には必要ありません。
覚えるポイント
- ファンクションポイント法は画面数や帳票数、ファイル数などの機能要件から規模を導出します。
間違えやすいところ
- プログラムステップ数(ソースの行数)で測るLOC法とファンクションポイント法を混同しないようにします。
出題の前提:平成28年度秋期 基本情報技術者試験 午前
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.25 ↗(www.ipa.go.jp)
工程別要員配分とピーク時要員の計算
マネジメント系 · プロジェクト日程計画 / 要員計画 / 工数・期間配分
開発期間10か月、総工数200人月のプロジェクトがある。工程ごとの工数配分と期間配分が要件定義(工数16%、期間20%)、設計(工数33%、期間30%)、開発・テスト(工数42%、期間40%)、システムテスト(工数9%、期間10%)のとき、ピーク時の必要要員は何人か。なお、各工程の要員数は工程内で一定とする。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:ピーク時の要員は、各工程の要員数を比べて一番多い人数です。工程の工数(人月)は「総工数×工数の割合」、期間は「全体の期間×期間の割合」で求めます。要員数は「工程の工数÷工程の期間」で計算し、その中の最大値がピーク時要員になります。
解き方
- 要件定義:工数 200×0.16=32人月、期間 10×0.20=2か月。要員は32÷2=16人です。
- 設計:工数 200×0.33=66人月、期間 10×0.30=3か月。要員は66÷3=22人です。
- 開発・テスト:工数 200×0.42=84人月、期間 10×0.40=4か月。要員は84÷4=21人です。
- システムテスト:工数 200×0.09=18人月、期間 10×0.10=1か月。要員は18÷1=18人です。
- これらを比べて、最大の設計工程の22人がピーク時要員数になります。
- 選択肢 ア不正解
- 18人はシステムテスト工程の要員数で、ピーク時の人数ではありません。
- 選択肢 イ不正解
- 20人は総工数200人月を全期間10か月で単純に割った人数(200÷10)です。
- 選択肢 ウ不正解
- 21人は開発・テスト工程の要員数(84人月÷4か月)です。
- 選択肢 エ正解
- 設計工程の要員数は66人月÷3か月=22人で、全工程で最も多くピーク時の要員数です。
覚えるポイント
- 工程ごとの要員数 = 各工程の工数(人月)÷ 各工程の期間(か月)で計算します。
間違えやすいところ
- 開発・テスト工程の工数が最大(84人月)だから要員も最大と早合点しないように注意します。
出題の前提:平成28年度秋期 基本情報技術者試験 午前
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.26 ↗(www.ipa.go.jp)
バーチャル・サービスデスクの特徴
マネジメント系 · ITサービスマネジメント / ITIL / サービスデスク組織構造
ITILに定義されるサービスデスクの組織構造のうち、「バーチャル・サービスデスク」の特徴として適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:バーチャル・サービスデスクは、スタッフが複数の場所に分かれていても、通信技術で1つの窓口のように見える形です。ITILのサービスデスクには、利用者の近くに置く「ローカル」、1か所に集める「中央」、時差を利用して24時間対応する「フォロー・ザ・サン」などがあります。
解き方
- 「バーチャル(仮想的)」という言葉のとおり、場所は分かれていても、利用者からは1つの窓口に見える形だととらえます。
- 選択肢アがバーチャル・サービスデスクの説明に当てはまると判断します。
- 選択肢 ア正解
- バーチャル・サービスデスクは、スタッフが各地に分かれていても、通信技術で1つの窓口のように見える形です。
- 選択肢 イ不正解
- 他の業務の担当者が兼ねて運営する形は、バーチャル・サービスデスクの説明ではありません。
- 選択肢 ウ不正解
- スタッフを1か所や少数の場所に集める形は「中央サービスデスク」の説明です。
- 選択肢 エ不正解
- 利用者のすぐ近くに配置する形は「ローカル・サービスデスク」の説明です。
覚えるポイント
- バーチャル・サービスデスクは分散拠点を通信技術で単一窓口に見せる形態です。
間違えやすいところ
- 中央サービスデスク(1か所に集約)とバーチャル・サービスデスク(分かれた拠点を1つに見せる)を混同しないようにします。
出題の前提:ITIL 2011 edition
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.26 ↗(www.ipa.go.jp)
SMSにおけるPlan(計画)段階の活動
マネジメント系 · ITサービスマネジメント / JIS Q 20000-1 / PDCAサイクル
JIS Q 20000-1ではサービスマネジメントシステム(SMS)にPDCAサイクルの適用を求めている。このうち「Plan(計画)」のフェーズに含まれる活動はどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:SMSの「Plan(計画)」には、役割や責任の枠組みを作る活動が入ります。JIS Q 20000-1ではPDCAを回します。PlanはSMSの枠組みや方針、プロセスを決める段階、Doは導入・運用や予算配分、Checkは見直しや監査、Actは改善の実施にあたります。
解き方
- 各選択肢の活動がPDCAのどの段階に当たるかを考えます。
- アはCheck、ウはDo、エはAct、イは枠組みの作成なのでPlanだと導きます。
- 選択肢 ア不正解
- マネジメントレビューの実施と記録の維持は、状況を評価して見直すCheck(監視及びレビュー)に当たります。
- 選択肢 イ正解
- 権限や責任、役割の枠組みをあらかじめ決めて整える活動はPlan(計画)に当たります。
- 選択肢 ウ不正解
- SMSの導入および運用の実行はDo(実行)に当たります。
- 選択肢 エ不正解
- 承認された改善の実施とその報告はAct(処置・改善)に当たります。
覚えるポイント
- Plan=枠組み・計画策定、Do=導入・運用、Check=評価・レビュー、Act=改善実施。
間違えやすいところ
- エの「改善についての計画の作成」という言葉につられてPlanと間違えやすいですが、改善はActフェーズです。
出題の前提:JIS Q 20000-1:2012
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.27 ↗(www.ipa.go.jp)
ITILにおける保守性のKPI指標
マネジメント系 · ITサービスマネジメント / ITIL / 可用性管理 / MTTR
ITILの可用性管理において、保守性(サービスやコンポーネントが指定された条件下で障害から復旧・修復できる能力)の達成状況を評価する重要業績評価指標(KPI)として、短縮を目指すべき適切な指標値はどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:保守性は「障害が起きたとき、どれだけ早く元に戻せるか」を表し、時間の短縮を目指す指標で評価します。可用性管理では可用性・信頼性・保守性・運用性を数値で管理します。信頼性は障害の起きにくさを表し、値が大きいほどよいのに対し、保守性は復旧の速さを表し、値が小さいほどよいとされます。
解き方
- 保守性が「障害が起きたときの復旧・修復の速さ」を表すことを確認します。
- 選択肢の中から、回復や修復にかかる時間を示し、短くすることが目標になる指標を選びます。
- 選択肢 ア不正解
- 中断の数はサービスがどれだけ安定しているか(信頼性)を見る指標であり、復旧の速さを表す時間の指標ではないから誤りです。
- 選択肢 イ不正解
- 平均故障間隔(MTBF:故障と故障の間の平均時間)は信頼性の指標であり、長いほど障害が起きにくく優れていると評価するから誤りです。
- 選択肢 ウ不正解
- 平均サービス・インシデント間隔(MTBSI:中断と次の中断の間の平均時間)は信頼性の指標であり、短くではなく長くするのを目指すものだから誤りです。
- 選択肢 エ正解
- 平均サービス回復時間(MTRS:障害を検知してから復旧するまでの平均時間)は保守性の指標であり、短くするのを目指すから正しいです。
覚えるポイント
- 保守性のKPIは回復時間の短縮(MTRSやMTTR)、信頼性のKPIは障害間隔の延伸(MTBFやMTBSI)です。
間違えやすいところ
- 信頼性の指標(MTBF)と保守性の指標(MTRS/MTTR)を混同しないようにしましょう。どちらが長くしたい指標で、どちらが短くしたい指標かを区別することが大切です。
出題の前提:ITIL 2011 edition / JIS Q 20000
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.27 ↗(www.ipa.go.jp)
システム管理基準に基づく安全性の監査項目
マネジメント系 · システム監査 / システム管理基準 / 安全性 / アクセス管理
経済産業省が策定した“システム管理基準”に基づき、情報システムの信頼性、安全性、効率性を監査する際、システムが不正な使用から保護されているかという「安全性」を検証する項目として最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:システム管理基準の監査でいう「安全性」は、システムが不正な使用から守られているかを見る観点です。信頼性は障害の少なさや復旧のしやすさ、効率性は費用対効果や資源の有効活用を見る観点です。不正利用を防ぐには、利用者を認証し、使える人を限定するアクセス管理が重要になります。
解き方
- 監査で求められる「不正な使用からの保護(安全性)」が、情報セキュリティを守ることを意味すると理解します。
- 選択肢の中から、障害への強さや復旧(信頼性)ではなく、不正利用への対策(安全性)にあたる機能を選びます。
- 選択肢 ア正解
- アクセス管理機能は許可された人だけに利用を限り、不正なアクセスを防ぐ仕組みなので、安全性の確認項目として最も適切だから正しいです。
- 選択肢 イ不正解
- フェールソフト機能は障害が起きても性能を落として動き続ける仕組みであり、信頼性を確認する項目だから誤りです。
- 選択肢 ウ不正解
- フォールトトレラント機能は一部が故障しても全体の機能を保つために予備を用意する技術であり、信頼性を確認する項目だから誤りです。
- 選択肢 エ不正解
- リカバリ機能は障害のあとにデータを正常な状態へ戻す仕組みであり、信頼性を確認する項目だから誤りです。
覚えるポイント
- 安全性は不正アクセス・情報漏えい対策等のセキュリティ、信頼性は障害発生の防止と復旧性を指します。
間違えやすいところ
- フェールソフトやフォールトトレラントを安全性だと勘違いしやすいですが、これらは可用性・信頼性を支える技術です。
出題の前提:システム管理基準(経済産業省)
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.27 ↗(www.ipa.go.jp)
情報セキュリティ監査における可用性の確認項目
マネジメント系 · 情報セキュリティ監査 / 情報セキュリティの3要素 / 可用性 / SLA
情報セキュリティの3要素(機密性・完全性・可用性)に基づく監査において、情報資産を必要なときに中断なく安全に利用できる状態を指す「可用性」を確認するためのチェック項目として適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:可用性とは、必要なときに中断なく情報資産を安全に使える状態のことです。情報セキュリティの3要素は、機密性(許可された人だけが見られる)、完全性(データが正確で改ざんされない)、可用性(いつでも使える)です。可用性を保つには、予備のシステム、バックアップ、復旧手順、SLAによる中断時間の管理などが必要になります。
解き方
- 可用性が「正当な権限を持つ人が、必要なときに中断なくサービスを使える性質」であることを確認します。
- 各選択肢が機密性・完全性・可用性のどれに当たるかを照らし合わせます。
- 選択肢 ア不正解
- 外部記憶媒体の持ち出し禁止は情報の漏えいや盗難を防ぐためのものであり、機密性を確認する項目だから誤りです。
- 選択肢 イ正解
- サービスの中断時間をSLA(サービス品質の約束)で一定以下に保つ管理は、いつでも使えることを守るので可用性の項目だから正しいです。
- 選択肢 ウ不正解
- データ入力時のエラーチェックは入力ミスや不整合を防ぐためのものであり、完全性を確認する項目だから誤りです。
- 選択肢 エ不正解
- データベースの暗号化は盗まれたときに内容を読めなくするためのものであり、機密性を確認する項目だから誤りです。
覚えるポイント
- 可用性は『いつでも使えること(SLAの中断時間、稼働率、冗長化)』を指します。
間違えやすいところ
- データの正確さを守る入力チェック(完全性)や漏えい対策(機密性)と、可用性を混同しないように注意しましょう。
出題の前提:JIS Q 27000 / 情報セキュリティ監査基準
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.28 ↗(www.ipa.go.jp)
事業継続計画(BCP)の監査における適切な状況
マネジメント系 · 事業継続管理 / BCP / システム監査
企業の事業継続計画(BCP)について監査を実施した結果、策定・運用体制として適切であると判断される状況はどれか。
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:BCP(事業継続計画:災害やテロのときにも重要業務を続けるための計画)は、平時から備えと見直しを続けることが大切です。非常時にきちんと動かすには、訓練、全従業員への周知、重要資源の分散保管、業務の優先順位付け、連絡体制の最新化が必要になります。
解き方
- BCPの実効性を保つために必要な平時運用の原則(周知・更新・優先付け・分散)を整理します。
- それぞれの選択肢がBCPの基本原則に合っているかを考えます。
- 選択肢 ア正解
- 連絡先リストを常に最新にしておくことは、非常時に素早く連絡・点呼・指示を伝えるために大切であり、適切な状況だから正しいです。
- 選択肢 イ不正解
- 重要書類を1か所だけで保管すると、そこが被災したときに全部失うおそれがあり、遠く離れた場所などへの分散保管が必要だから誤りです。
- 選択肢 ウ不正解
- 資源が限られる非常時にすべての業務を同じ水準で続けるのは無理であり、重要業務にしぼって優先順位をつける必要があるから誤りです。
- 選択肢 エ不正解
- BCPは有事に素早く正しく動くために、平時から全従業員に教育・周知して共有しておく必要があるから誤りです。
覚えるポイント
- BCPは重要業務への絞り込み(優先順位付け)、拠点の分散、全社共有・周知、定期更新が運用の鉄則です。
間違えやすいところ
- すべての業務を救おうと一律に対応してしまう誤りや、機密保持を理由に平時に非公開にしてしまう誤りに気をつけましょう。
出題の前提:事業継続ガイドライン(内閣府)
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.28 ↗(www.ipa.go.jp)
エンタープライズアーキテクチャ(EA)の説明
ストラテジ系 · エンタープライズアーキテクチャ / EA / 全体最適化
大企業や政府機関などの組織において、業務と情報システムの全体最適化を図るための枠組みであるエンタープライズアーキテクチャ(EA)を説明したものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:EA(エンタープライズアーキテクチャ:組織全体で業務と情報システムを最適化する枠組み)は、全体最適の視点で見直す技法です。大きな組織ではシステムが個別に作られがちなので、現状(As-Is)とあるべき姿(To-Be)を比べ、4つの層で整理して差を埋める計画を立てます。
解き方
- EAが組織の業務とシステムを総合的・構造的に整理し、全体最適を図る枠組みだと確認します。
- EAの代表的な4つの体系(BA・DA・AA・TA)に触れている記述を選びます。
- 選択肢 ア不正解
- これはUML(統一モデリング言語)を使ってオブジェクト指向の設計を行う技法の説明だから誤りです。
- 選択肢 イ不正解
- これはE-R図(実体と関連で表す図)を使ってデータの構造を明らかにする技法の説明だから誤りです。
- 選択肢 ウ正解
- EAはビジネス・データ・アプリケーション・テクノロジの4つの体系で整理し、全体最適を進める技法だから正しい説明です。
- 選択肢 エ不正解
- これはDFD(データフロー図)で業務の流れを表す構造化分析の技法の説明だから誤りです。
覚えるポイント
- EAの4つの体系:ビジネス(BA)、データ(DA)、アプリケーション(AA)、テクノロジ(TA)。
間違えやすいところ
- DFDやUML、E-R図など、個別の設計・モデリング技法とEAを混同しないように整理しましょう。
出題の前提:IT共通フレーム / EA導入ガイドライン
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.28 ↗(www.ipa.go.jp)
回収期間法による必要年間利益の比較
ストラテジ系 · 投資評価 / 回収期間法 / 意思決定会計
2種類のIT機器a, bの購入を検討している。耐用年数を考慮した回収期間内に投資額の全額を回収するために最低限必要となる年間利益を均等に得るものとした場合、aとbの年間利益の関係として適切なものはどれか。ここで利率は考慮せず、投資額および回収期間は次の通りとする。 ・a:投資額90万円、回収期間3年 ・b:投資額300万円、回収期間5年
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:必要になる年間利益は「投資額 ÷ 回収期間」で求められます。回収期間法では、毎年得られる利益の合計が投資額と同じになるまでの期間を考えます。利益が毎年同じなら、この式で機器ごとに比べられます。
解き方
- 機器aの年間利益を計算します:90万円 ÷ 3年 = 30万円。
- 機器bの年間利益を計算します:300万円 ÷ 5年 = 60万円。
- 機器bの60万円が機器aの30万円の何倍かを計算します:60 ÷ 30 = 2倍。
- 選択肢 ア不正解
- aの年間利益は30万円、bは60万円であり、同額ではないから誤りです。
- 選択肢 イ不正解
- aはbの0.5倍(半分)であり、2倍ではありません。比べる向きが逆だから誤りです。
- 選択肢 ウ不正解
- 60万円は30万円の2.0倍であり、1.5倍ではないから誤りです。
- 選択肢 エ正解
- bの年間必要な利益(60万円)はaの年間必要な利益(30万円)のちょうど2倍だから正しいです。
覚えるポイント
- 必要年間利益 = 投資総額 ÷ 回収期間。主語(aかbか)を取り違えずに倍率を計算します。
間違えやすいところ
- 総投資額の比率(300÷90=3.33倍)や回収期間の比率(5÷3=1.67倍)だけを見て間違えないように注意しましょう。
出題の前提:基本情報技術者試験 経営工学・投資評価基準
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.29 ↗(www.ipa.go.jp)
BPM(Business Process Management)の目的
ストラテジ系 · 業務改善 / BPM / ビジネスプロセス管理
企業活動におけるBPM(Business Process Management:ビジネスプロセス管理)の主たる目的として最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:BPM(ビジネスプロセス管理)の目的は、業務プロセスを継続的に改善することです。業務の流れを見える化し、実行して結果を測り、改善するPDCAサイクルを回し続けます。一度だけ大きく改革するBPRとは違い、継続的な改善に重点を置きます。
解き方
- BPMの定義である「業務プロセスを対象にPDCAサイクルを続けること」を思い出します。
- 選択肢の中から、業務プロセスの改善に直接つながるものを選びます。
- 選択肢 ア正解
- 業務プロセスを見える化・分析し、PDCAサイクルを通じて継続的に改善することがBPMの本来の目的だから正しいです。
- 選択肢 イ不正解
- 人・モノ・金・情報といった経営資源をまとめて有効活用するのはERP(企業資源計画)の主な目的だから誤りです。
- 選択肢 ウ不正解
- 顧客情報を管理・分析して良好な関係を築くのはCRM(顧客関係管理)の主な目的だから誤りです。
- 選択肢 エ不正解
- 情報資源の分析や有効活用はIRM(情報リソース管理)やナレッジマネジメントなどの主な目的だから誤りです。
覚えるポイント
- BPMは業務プロセスの『継続的な改善(PDCA)』、BPRは『抜本的な再設計・再構築』です。
間違えやすいところ
- ERPやCRMなど、他のアルファベット略語の経営手法と混同しないようにしましょう。
出題の前提:共通フレーム2013 / 経営戦略マネジメント
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.29 ↗(www.ipa.go.jp)
重み付け総合評価法による改善案の選定
ストラテジ系 · 意思決定手法 / 重み付け総合評価法 / 評価マトリクス
改善効果を定量的に評価するため、複数の項目の評価得点を重み付けして統合する「重み付け総合評価法」を用いる。下表に示す評価項目ごとの重みと各改善案(案1〜案4)の評価点に基づいたとき、最も優先すべき改善案はどれか。 [評価項目と重み・各案の評価点] ・省力化(重み 4):案1=6, 案2=8, 案3=2, 案4=5 ・期間短縮(重み 3):案1=5, 案2=5, 案3=9, 案4=5 ・資源削減(重み 3):案1=6, 案2=4, 案3=7, 案4=6
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:重み付け総合評価法では、点数に重みを掛けた合計が最も大きい案を選びます。評価項目ごとの重要度(重み)を点数に掛け、その合計で複数の案を1つの点数にまとめて比べます。合計が最大の案が総合的に最も優れていると判断されます。
解き方
- 各改善案について「(省力化の点数×4)+(期間短縮の点数×3)+(資源削減の点数×3)」を計算します。
- 案1:(6×4)+(5×3)+(6×3)=24+15+18=57点。
- 案2:(8×4)+(5×3)+(4×3)=32+15+12=59点。
- 案3:(2×4)+(9×3)+(7×3)=8+27+21=56点。
- 案4:(5×4)+(5×3)+(6×3)=20+15+18=53点。
- 最も高い合計(59点)を獲得した案2を正解と判断します。
- 選択肢 ア不正解
- 案1の合計は24+15+18=57点であり、案2の59点より低いから選ばれません。
- 選択肢 イ正解
- 案2の合計は32+15+12=59点であり、すべての案の中で最も高いから最優先になります。
- 選択肢 ウ不正解
- 案3の合計は8+27+21=56点であり、案2の59点より低いから選ばれません。
- 選択肢 エ不正解
- 案4の合計は20+15+18=53点であり、すべての案の中で最も低いから選ばれません。
覚えるポイント
- 重み付け総合評価法は、各評価項目の「重み × 得点」を足し合わせた合計得点で比較します。
間違えやすいところ
- 重みを掛けずに点を単純に足す(案1=17, 案2=17, 案3=18, 案4=16)と、誤った選択(案3)を選んでしまいます。
出題の前提:基本情報技術者試験 経営工学・定量評価基準
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.30 ↗(www.ipa.go.jp)
CSR調達の定義と具体例
ストラテジ系 · CSR / 調達マネジメント / サプライチェーンマネジメント
企業活動における「CSR調達」に該当するものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:CSR調達とは、環境や人権への配慮を調達の条件に盛り込み、取引先にも守るよう求める調達のしかたです。CSRとは企業の社会的責任という意味で、自社のお金もうけだけでなく社会への責任を果たす考え方です。自分だけでなく、部品や材料を納める取引先も含めて全体で配慮することが大切です。
解き方
- CSRとは何か(環境を守る、人の権利を守るといった社会への責任を果たすこと)を確かめる。
- 選択肢の中から、調達の条件に環境や人権への配慮を求めている記述を選ぶ。
- 選択肢 ア不正解
- 価格の安さだけで選ぶ昔ながらの買い方であり、社会への配慮を条件にしていません。
- 選択肢 イ不正解
- 災害に備えて仕入れ先を増やす対策であり、事業を続けるための計画の話です。
- 選択肢 ウ正解
- 環境や人権への配慮を調達の基準として取引先に求めており、CSR調達にあてはまります。
- 選択肢 エ不正解
- 電子データでやり取りして調達を速く正確にする話であり、CSR調達ではありません。
覚えるポイント
- CSR調達は環境配慮(グリーン調達)や人権・労働環境の遵守を調達先にも求める活動である。
間違えやすいところ
- 災害に備えて仕入れ先を分けることと、CSR調達を混同しないように注意する。
出題の前提:平成28年度秋期 基本情報技術者試験 午前 問65
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.30 ↗(www.ipa.go.jp)
RFP提示後の公平なベンダ選定手順
ストラテジ系 · RFI / RFP / 調達手順 / ベンダ選定
RFIに回答した各ベンダに対してRFPを提示した。今後のベンダ選定に当たって,公正に手続を進めるためにあらかじめ実施しておくことはどれか。
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:公平で透明な手続きのためには、提案を受け取る前に評価の基準や手順を決めておくことが必要です。後から基準を変えると、特定の会社だけをひいきしたように見えてしまいます。あらかじめ点数配分などのルールを決めておけば、だれが見ても納得できる選び方ができます。
解き方
- 公平で公正な選定の原則(客観的であること、透明であること、好き勝手をしないこと)を理解する。
- 提案書を受け取る前に評価基準や点数配分を決めておく選択肢を選ぶ。
- 選択肢 ア不正解
- 特定の会社だけにやり直しの救済を与えるのは公平さを大きく損なうため、ふさわしくありません。
- 選択肢 イ不正解
- 特定の会社を意図的に優遇する行為であり、公正な競争に反するためふさわしくありません。
- 選択肢 ウ正解
- 評価の基準や重み付けのルールを先に決めておけば、偏りをなくして公正に選べます。
- 選択肢 エ不正解
- 内示書は選ばれた会社に出すものであり、選ぶ前に全社へ出すのはふさわしくありません。
覚えるポイント
- ベンダ選定の公平性を保つため、評価基準や重み付けは提案書受領前に確立しておく。
間違えやすいところ
- 選ぶ前に全ての候補会社へ内示書を出すという手続きの誤りを選ばないようにする。
出題の前提:平成28年度秋期 基本情報技術者試験 午前 問66
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.30 ↗(www.ipa.go.jp)
コストプラス法による価格設定
ストラテジ系 · コストプラス法 / 価格設定戦略 / マーケティング戦略
コストプラス法による価格設定方法を表すものはどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:コストプラス法とは、かかった費用を基準に、そこへ希望する利益を上乗せして価格を決める方法です。価格の決め方には、費用を基準にする型や、お客様の感じる価値を基準にする型、競合他社を基準にする型があります。コストプラス法は費用を基準にする型の代表例です。
解き方
- コストプラス法とは何か(かかった費用+利益=売価)を思い出す。
- 製品の費用に希望する利益を上乗せして価格を決めている選択肢を選ぶ。
- 選択肢 ア不正解
- 段階的に利益を最大にしようとする需要予測に基づく方法であり、コストプラス法ではありません。
- 選択肢 イ不正解
- 値引きを前提に利益を上乗せするやり方であり、コストプラス法の標準的な定義とはいえません。
- 選択肢 ウ不正解
- 競合他社や市場の相場を基準にする方法の説明であり、コストプラス法ではありません。
- 選択肢 エ正解
- 製造にかかる費用を基準に、希望する利益を上乗せして価格を決める方法です。
覚えるポイント
- コストプラス法=総原価(製造原価・営業費など)+目標マージン。
間違えやすいところ
- 市場の競合を基準にする価格の決め方と混同しないように注意する。
出題の前提:平成28年度秋期 基本情報技術者試験 午前 問67
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.31 ↗(www.ipa.go.jp)
マーケティングミックスの4Pと4Cの対応関係
ストラテジ系 · マーケティングミックス / 4P / 4C
売手の視点であるマーケティングミックスの4Pに対応する,買手の視点である4Cの中で,図のaに当てはまるものはどれか。ここで,ア〜エはa〜dのいずれかに対応する。 [対応図] Product(製品)→ a Price(価格)→ b Place(場所)→ c Promotion(販売促進)→ d
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:売る側の視点である4Pに対して、買う側の視点の4Cは、Product(製品)は顧客にとっての価値に対応します。4Pと4Cは同じ内容を売り手と買い手の立場から言い換えたものです。製品そのものではなく、お客様がどれだけ価値を感じるかという見方に置き換えます。
解き方
- 問題の図でa〜dと4Cの対応を確かめる(aはProduct、bはPrice、cはPlace、dはPromotion)。
- Product(製品)に対応する買い手の視点であるCustomer Value(顧客にとっての価値)を選ぶ。
- 選択肢 ア不正解
- CommunicationはPromotion(販売促進)に対応するdの要素であり、aではありません。
- 選択肢 イ不正解
- ConvenienceはPlace(場所・流通)に対応するcの要素であり、aではありません。
- 選択肢 ウ不正解
- CostはPrice(価格)に対応するbの要素であり、aではありません。
- 選択肢 エ正解
- Customer ValueはProduct(製品)に対応するaの要素であり、正しい答えです。
覚えるポイント
- 4Pと4Cの対応:Product-Value、Price-Cost、Place-Convenience、Promotion-Communication。
間違えやすいところ
- 4Pと4Cの頭文字の意味を混同しないよう、価値・負担・利便性・対話という日本語とセットで覚える。
出題の前提:平成28年度秋期 基本情報技術者試験 午前 問68
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.31 ↗(www.ipa.go.jp)
CRMの目的
ストラテジ系 · CRM / 顧客生涯価値 / 顧客満足度
CRM(Customer Relationship Management)の目的はどれか。
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:CRMの目的は、お客様とのよい関係を長く続けて、生涯でどれだけ利益をもたらすかを大きくすることです。CRMとは顧客関係管理という意味で、お客様の情報をまとめて管理し分析します。それにより一人ひとりに合った対応をして、信頼を得て売上を伸ばします。
解き方
- CRMとは何か(お客様との関係を大切にし、生涯価値を最大化する経営戦略)を思い出す。
- 顧客ロイヤルティや顧客生涯価値にふれている選択肢を選ぶ。
- 選択肢 ア正解
- 関係を強めて顧客ロイヤルティを得て、顧客生涯価値を最大化することがCRM本来の目的です。
- 選択肢 イ不正解
- 在庫不足による売り逃しを減らすのは、商品の流れを管理する仕組みの目的です。
- 選択肢 ウ不正解
- 製造に必要な材料の発注量と時期を決めるのは、資材計画などの生産管理の目的です。
- 選択肢 エ不正解
- 売り場でどの商品が売れたかを把握するのは、販売時点情報管理の目的です。
覚えるポイント
- CRMのキーワードは「顧客満足度」「顧客ロイヤルティ」「LTV(顧客生涯価値)の最大化」。
間違えやすいところ
- 売上を集計するPOSや、受発注や在庫を最適化するSCMと混同しないようにする。
出題の前提:平成28年度秋期 基本情報技術者試験 午前 問69
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.32 ↗(www.ipa.go.jp)
技術のSカーブ(S字曲線)の説明
ストラテジ系 · 技術のSカーブ / 技術経営 / イノベーション
技術のSカーブの説明として,適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:技術のSカーブとは、技術が最初はゆっくり、途中で急に、最後はゆるやかに伸びが止まる進歩のようすを表したものです。新しい技術は最初は試行錯誤でなかなか進みません。仕組みが確立すると急速に性能が上がり、やがて限界に近づいて伸びがにぶります。
解き方
- 技術のSカーブが何の移り変わりを表すか(縦軸は技術の性能、横軸は時間や投入した資源)を確かめる。
- 最初はゆっくり、途中で急に、後でにぶるというS字の進歩を説明する選択肢を選ぶ。
- 選択肢 ア不正解
- 製品が市場に広がる普及率の推移を表す説明であり、技術の進歩を示すSカーブではありません。
- 選択肢 イ正解
- 技術の進歩が最初はゆっくり、途中で急に、その後ゆるやかになるようすを正しく説明しています。
- 選択肢 ウ不正解
- 新技術への認知度や期待の移り変わりを表す説明であり、Sカーブとは異なります。
- 選択肢 エ不正解
- 生産量が増えるほど単位当たりの費用が下がる経験曲線の説明であり、Sカーブではありません。
覚えるポイント
- 技術のSカーブは「研究開発の投入量(時間・コスト)に対する技術性能の進歩推移」を表す。
間違えやすいところ
- 生産量と費用の関係を示す経験曲線や、期待や認知度の移り変わりを示す曲線と混同しやすい。
出題の前提:平成28年度秋期 基本情報技術者試験 午前 問70
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.32 ↗(www.ipa.go.jp)
制約条件下での最大利益の計算
ストラテジ系 · 線形計画法 / ボトルネック分析 / 利益最大化 / オペレーションズリサーチ
ある工場では表に示す3製品を製造している。実現可能な最大利益は何円か。ここで,各製品の月間需要量には上限があり,また,製造工程に使える工場の時間は月間200時間までで,複数種類の製品を同時に並行して製造することはできないものとする。 [製品ごとの諸元] ・製品X: 1個当たりの利益 1,800円, 1個当たりの製造所要時間 6分, 月間需要量上限 1,000個 ・製品Y: 1個当たりの利益 2,500円, 1個当たりの製造所要時間 10分, 月間需要量上限 900個 ・製品Z: 1個当たりの利益 3,000円, 1個当たりの製造所要時間 15分, 月間需要量上限 500個
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:使える時間に限りがあるときは、時間1単位あたりの利益が大きい製品から順に上限まで作ると最大の利益になります。工場の時間という制約の中で、どの製品を優先するかが利益を左右します。1個あたりの利益の大きさではなく、時間あたりの利益で比べるのが大切です。
解き方
- 工場が使える時間を分に直す:200時間 × 60分 = 12,000分。
- 各製品の1分あたりの利益を出す:Xは1,800円÷6分=300円、Yは2,500円÷10分=250円、Zは3,000円÷15分=200円となり、優先順位はX、Y、Zの順。
- 1位の製品Xを上限1,000個まで作り、時間6,000分と利益1,800,000円を得る。残りは6,000分。
- 2位の製品Yを作る:6,000分÷10分=600個で、上限900個以内。利益1,500,000円を得て残り時間は0分となり、Zは作れない。
- 最大利益を合計する:1,800,000円+1,500,000円=3,300,000円。
- 選択肢 ア不正解
- 作る配分を誤ったときに出る金額であり、最大利益ではありません。
- 選択肢 イ不正解
- 製品Xだけや、Yを上限まで作って残りでXを作るなどのやり方とは異なる誤った計算です。
- 選択肢 ウ不正解
- 1個あたりの利益が大きい順という誤った優先順位で作ったときに生じやすい誤答です。
- 選択肢 エ正解
- 時間あたりの利益が最大のXを1,000個、次にYを600個作り、利益の合計が3,300,000円となる正しい答えです。
覚えるポイント
- 制約資源がある場合の生産計画は、「制約資源1単位当たりの利益」の大きい順に割り振る。
間違えやすいところ
- 1個あたりの利益の金額が一番大きいZを優先すべきだと考えて、順番を間違えないようにする。
出題の前提:平成28年度秋期 基本情報技術者試験 午前 問71
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.32 ↗(www.ipa.go.jp)
部品構成表に基づく部品の発注数量の計算
ストラテジ系 · 部品展開 / 部品構成表 / 所要量計算 / MRP
図は,製品Aの構成部品を示し,括弧内の数字は上位の製品・部品1個当たりの所要数量である。この製品Aを10個生産する場合,部品Cの発注数量は何個になるか。ここで,現在の部品Cの在庫は5個である。 [部品構成のツリー構造] ・A の子部品: B(2), C(1) ・B の子部品: D(1), E(1), C(1)
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:部品の発注数量は、全ての階層で必要数をかけ合わせた総必要量から、手持ちの在庫を引いて求めます。上位の製品や部品1個を作るのに、下位の部品がいくつ要るかを順に展開します。どの階層から出てくる分も、もれなく足し合わせることが大切です。
解き方
- 製品Aを10個作るのに必要な部品の数を展開する。Aに直接使うCは10個×1=10個、Aに必要なBは10個×2=20個。
- 部品B経由で必要なCを計算する:20個×1=20個。
- 部品Cの総必要量を求める:10個+20個=30個。
- 在庫5個を引いて発注数量を求める:30個-5個=25個。
- 選択肢 ア不正解
- B経由のCの20個から在庫5個を引いた値であり、Aに直接必要なCの分を足し忘れています。
- 選択肢 イ不正解
- 総必要量30個から在庫以外の数値も誤って引いた、正しくない値です。
- 選択肢 ウ正解
- Cの総必要量30個(直接の10個とB経由の20個)から在庫5個を引いた25個で、正しい発注数量です。
- 選択肢 エ不正解
- Cの総必要量30個そのものであり、在庫5個を引いていないため誤りです。
覚えるポイント
- 発注数量(正味所要量)= 総所要量 - 現在庫数。複数階層に出現する部品はすべて合算する。
間違えやすいところ
- 在庫を引くのを忘れたり、Aから直接つながるCとBの下にあるCのどちらかを数え忘れたりしないようにする。
出題の前提:平成28年度秋期 基本情報技術者試験 午前 問72
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.33 ↗(www.ipa.go.jp)
CGM(Consumer Generated Media)の具体例
ストラテジ系 · CGM / ソーシャルメディア / Webマーケティング
インターネットを活用した情報メディアのうち、CGM(Consumer Generated Media)の例として適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:CGM(消費者が作るメディア)とは、一般の利用者が自分で情報を作って投稿し、共有するWebメディアのことです。企業や行政のように決まった人が一方通行で発信するのではなく、使う人自身が内容を作る点が特徴です。SNSやブログ、口コミサイトなどが代表例です。
解き方
- 問題のカギであるCGM(消費者が自ら内容を作って提供するメディア)の意味を思い出します。
- 各選択肢で情報を発信しているのが誰かを見て、企業や行政ではなく一般の個人が発信しているものを選びます。
- 選択肢 ア不正解
- 企業が投資家向けに自社の経営情報を出すサイトで、発信するのは企業自身なのでCGMではありません。
- 選択肢 イ不正解
- 会社が自社商品の説明を消費者へ伝える公式サイトで、作る側が企業なのでCGMではありません。
- 選択肢 ウ不正解
- 行政機関が政策や公共サービスを市民へ知らせる公的なサイトで、CGMではありません。
- 選択肢 エ正解
- 個人が使った商品の感想や評価を、多くの人へ発信するブログやSNSは、CGMの代表例です。
覚えるポイント
- CGMは「Consumer Generated Media」の略で、一般利用者がコンテンツを作成・投稿するメディア(SNS、ブログ、口コミサイトなど)を意味します。
間違えやすいところ
- 企業が消費者に向けて発信する公式ブログをCGMと間違えないようにしましょう。内容を作るのが消費者かどうかが大事な点です。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問73
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.33 ↗(www.ipa.go.jp)
EDIの標準化体系と情報表現規約
ストラテジ系 · EDI / 情報表現規約 / 企業間電子商取引
企業間で商取引データを電子的に交換するEDIを実施する際、4つのレベルからなる規約体系のうち「情報表現規約」で規定される事項として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:EDI(企業間で商取引のデータを電子的にやり取りすること)の「情報表現規約」は、送る取引データの形や並び方を決めるルールです。EDIのルールは4つの階層に分かれます。通信のやり方を決める「伝送制御規約」、データの形式を決める「情報表現規約」、業務の進め方を決める「業務運用規約」、契約の法的な取り決めを決める「取引基本規約」です。
解き方
- EDIの4つの規約(取引基本規約、業務運用規約、情報表現規約、伝送制御規約)がそれぞれ何を決めるかを思い出します。
- 情報表現規約が、メッセージの形や項目の並べ方を決めることに対応する選択肢を選びます。
- 選択肢 ア不正解
- 取引の法的な決まりごとを定めるのは、いちばん上の「取引基本規約」です。
- 選択肢 イ不正解
- 送受信する時間帯やトラブル時の対応など運用のルールを定めるのは「業務運用規約」です。
- 選択肢 ウ不正解
- 通信回線のつなぎ方や通信の手順を定めるのは「伝送制御規約」です。
- 選択肢 エ正解
- 送る取引メッセージの項目の並び順やデータの長さなどの形式を定めるのが「情報表現規約」です。
覚えるポイント
- EDI標準化の4規約:取引基本規約(契約)、業務運用規約(運用ルール・時間)、情報表現規約(メッセージ形式・構文)、伝送制御規約(通信手順)。
間違えやすいところ
- 通信の手順を決める伝送制御規約と、メッセージの構造を決める情報表現規約を混同しないように整理しましょう。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問74
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.33 ↗(www.ipa.go.jp)
CIO(最高情報責任者)の役割
ストラテジ系 · CIO / ITガバナンス / 情報化統括責任者
企業活動においてCIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)が果たすべき中心的な役割として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ウ
解説
まず要点:CIO(最高情報責任者)は、経営の立場から会社全体のIT戦略をまとめるトップ責任者です。個別の仕事や一部の部門の代表ではなく、経営戦略とIT戦略が合っているかを確かめ、情報への投資をどう配分するかを全社の視点で決めます。
解き方
- CIOが経営陣の一人として位置づけられる責任者であることを確認します。
- 個別プロジェクトの管理や一部門の要望の取りまとめではなく、全社の経営戦略と結びついた情報戦略をまとめる役割を選びます。
- 選択肢 ア不正解
- 自分の部門の要望をまとめて出すのは現場の部門リーダーの仕事で、全社をまとめるCIOの役割ではありません。
- 選択肢 イ不正解
- 技術の調査や社員教育は、技術部門や人事教育の担当者が行う仕事です。
- 選択肢 ウ正解
- 全社の視点で情報戦略を立て、経営戦略との整合性や投資効果を確認するのがCIOの本来の仕事です。
- 選択肢 エ不正解
- 個々のプロジェクトを現場で管理するのはプロジェクトマネージャ(PM)の役割です。
覚えるポイント
- CIOは経営戦略と情報戦略を一致させる経営層の役員であり、個別プロジェクトの現場監督ではなく全社最適の視点を持ちます。
間違えやすいところ
- 個別プロジェクトを管理するプロジェクトマネージャと、経営陣として全社を見るCIOの役割の違いを混同しないようにしましょう。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問75
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.34 ↗(www.ipa.go.jp)
マトリックス組織の特徴
ストラテジ系 · 組織構造 / マトリックス組織 / 機能別組織
組織形態の分類のうち、マトリックス組織を説明したものとして適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:マトリックス組織は、2つの指揮命令の系統を格子(マトリックス)のようにつなげた組織の形です。専門的な職能部門と、製品やプロジェクトの部門の両方に所属することで、専門性の高さと変化への柔軟さを同時にねらいます。
解き方
- マトリックス組織の定義(2つの指揮系統があり、職能部門と事業部門の両方に所属する)を確認します。
- 事業部制組織、職能別組織、プロジェクト組織、マトリックス組織の各定義を選択肢と照らし合わせます。
- 選択肢 ア不正解
- 製品別や地域別に分かれて独立して採算をとる組織は「事業部制組織」の説明です。
- 選択肢 イ正解
- 職能部門と製品・プロジェクト部門の両方に所属する形は、マトリックス組織の特徴です。
- 選択肢 ウ不正解
- 開発や営業など、仕事の種類ごとに分ける形は「職能別組織」の説明です。
- 選択肢 エ不正解
- 課題のため一時的に人を集めて、終わったら解散する組織は「プロジェクト組織」の説明です。
覚えるポイント
- マトリックス組織=職能別組織と事業別組織を交差させ、メンバーが2つの指揮系統に同時に属する組織。
間違えやすいところ
- 一時的に作られるプロジェクト組織と、常に2つの部門に所属するマトリックス組織の違いに注意しましょう。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問76
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.34 ↗(www.ipa.go.jp)
抜取検査におけるOC曲線(検査特性曲線)
ストラテジ系 · OC曲線 / 抜取検査 / 品質管理
品質管理の抜取検査における検査特性曲線(OC曲線)は、横軸にロットの不良率、縦軸にそのロットが合格する確率を目盛ったものである。ロットの大きさNおよびサンプルの大きさnを一定とし、合格判定個数cを0, 1, 2と増やしていったとき、OC曲線の変化の傾向を表す図として適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
まず要点:OC曲線(検査特性曲線)は、横軸の不良率に対して、そのロットが合格する確率を縦軸に表したグラフです。合格の条件は「サンプルの中の不良個数がc以下」なので、cを大きくすると合格しやすくなります。同じ不良率でもcが大きいほど合格確率は高くなり、曲線は上に位置します。
解き方
- 合格の条件が「サンプル内の不良個数がc以下」であることを確認します。
- cが大きくなると、同じ不良率でも合格と判定される確率が高くなることを押さえます。
- そのため、合格確率の高い順に上からc=2、c=1、c=0と並ぶグラフ(イ)を選びます。
- 選択肢 ア不正解
- c=0が一番上になっていますが、c=0は不良が1個でもあると不合格になる最も厳しい条件なので、合格率は一番低く下にきます。
- 選択肢 イ正解
- cが大きいほど合格しやすくなるので、上からc=2、c=1、c=0の順に曲線が並ぶイが正しいです。
- 選択肢 ウ不正解
- Nとnが一定なら、どの不良率でもcが大きいほど合格率は必ず高くなるので、曲線が交差することはありません。
- 選択肢 エ不正解
- cが増えるほど下にずれており、cが大きいほど合格率が上がる関係と逆になっています。
覚えるポイント
- OC曲線の縦軸は「合格率」、横軸は「不良率」。合格判定数cを増やすと合格条件が緩くなるため曲線は上方にシフトする。
間違えやすいところ
- c=0を「不良ゼロの完全な状態」と勘違いして合格率が一番高いと思わないようにしましょう(cは許せる不良の数なので、c=0が一番厳しい)。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問77
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.35 ↗(www.ipa.go.jp)
定量発注方式における発注量の調整計算
ストラテジ系 · 定量発注方式 / 在庫管理 / 安全在庫
定量発注方式の在庫管理モデルにおいて、発注点Kに達したため発注量Eを発注した(発注a)。その直後に需要予測が見直され、納品直前(調達期間経過直前)の在庫予測値が当初予定の安全在庫量SからX(ただしX > S)に増加することが判明した。納品直後の在庫量が規定の「最大在庫量」を超えないようにするため、発注量Eに対して行うべき適切な変更はどれか。なお、発注直後の発注量の変更は可能とする。
解答・解説を表示
解答
エ
解説
まず要点:定量発注方式では、最大在庫量は「安全在庫量S+発注量E」で決まります。納品直前の在庫がSではなくX(X>S)になるなら、その分だけ多く残るので、納品後の在庫が最大在庫量を超えないように発注量を減らします。減らす量は余分な「X-S」です。
解き方
- 当初の最大在庫量が「安全在庫量S+発注量E」であることを確認します。
- 納品直前の残在庫予測がSからXに変わると、納品後の在庫は「X+発注量」になります。
- 納品後の在庫を最大在庫量に合わせる新しい発注量をE'とすると、X+E'=S+Eとなり、E'=E-(X-S)が導けます。
- よって、当初の発注量Eから「X-S」の分だけ取り消す(減らす)ことになります。
- 選択肢 ア不正解
- 残る在庫XがSより多いので、追加で発注すると最大在庫量をさらに大きく超えてしまいます。
- 選択肢 イ不正解
- 追加発注する選択肢で、在庫の増えすぎを防ぐという目的と反対です。
- 選択肢 ウ不正解
- 発注点Kをもとにした式になっており、安全在庫量Sと残量予測Xの差で調整する計算として適切ではありません。
- 選択肢 エ正解
- 納品直前に増えると予測された「X-S」の分だけ発注を取り消せば、納品後の在庫量が最大在庫量とちょうど一致します。
覚えるポイント
- 納品直後の在庫量=納品直前在庫量+発注量。残在庫がSからXへ(X-S)増加したなら、発注量はその分(X-S)だけ減らす。
間違えやすいところ
- 発注点Kと安全在庫量Sを取り違えたり、在庫が増えたのに追加発注を選んだりしないよう注意しましょう。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問78
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.36 ↗(www.ipa.go.jp)
著作権法における職務著作(法人著作)
ストラテジ系 · 著作権法 / 職務著作 / 法人著作
プログラムの開発において、法人の発意に基づき業務に従事する従業員が作成したプログラム(職務著作)について、著作権法の規定として適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:法人の発意で、仕事として従業員が作ったプログラムは、契約や就業規則に別の決めごとがない限り、著作者は法人となり著作権も法人に帰属します。これは、権利がまず発明者(従業員)に帰属する特許法の「職務発明」とは根本的に違う点です。
解き方
- 著作権法の「職務著作(法人著作)」の条件(法人の発意、従業員が仕事として作成、別段の定めがない)を確認します。
- プログラムの職務著作では公表名義の条件が外され、特別な決めがなければ最初から法人に著作権が帰属することを使って正解を選びます。
- 選択肢 ア正解
- 著作権法第15条第2項のとおり、就業規則などに特別な決めがなければ、最初から権利は法人に帰属します。
- 選択肢 イ不正解
- 職務著作が成り立つときは最初から法人に権利があるので、従業員から法人へ譲り受ける手続きは要りません。
- 選択肢 ウ不正解
- 従業員に著作権が残るのではなく、法律上当然に法人が著作者となり権利も法人に帰属します。
- 選択肢 エ不正解
- 相当の対価を支払う決まりは特許法の「職務発明」の話で、著作権法の職務著作には当てはまりません。
覚えるポイント
- 職務著作(著作権法第15条):就業規則等に別段の定めがない限り、最初から「法人が著作者」となり著作権も法人に帰属する。
間違えやすいところ
- 特許法の職務発明(権利はまず発明者個人に帰属し、会社が受け継ぐときは相当の利益・対価が必要)と混同しないようにしましょう。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問79
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.36 ↗(www.ipa.go.jp)
コンピュータウイルス作成・損壊行為と処罰法令
ストラテジ系 · 刑法 / 不正指令電磁的記録 / 電磁的記録毀棄罪
コンピュータウイルスを用いて企業で使用されているコンピュータの記憶内容(データやプログラム)を消去・破壊する行為を直接処罰の対象とする法律はどれか。
解答・解説を表示
解答
ア
解説
まず要点:コンピュータウイルスの作成・提供や、ウイルスでデータを消したり壊したりして業務を妨げる行為は、「刑法」で罰せられます。これは刑法の中の「不正指令電磁的記録に関する罪」や「電子計算機損壊等業務妨害罪」などに当たります。
解き方
- 問題の行為(ウイルスを使って他人のコンピュータのデータを消したり壊したりする)の法的な性質を確認します。
- 不正指令電磁的記録(ウイルス)の提供やデータの破壊を犯罪として罰する法律が「刑法」であることを特定します。
- 選択肢 ア正解
- ウイルスを実行してデータを消したり壊したりする行為は、刑法の不正指令電磁的記録供用罪や電子計算機損壊等業務妨害罪で罰せられます。
- 選択肢 イ不正解
- 製造物責任法(PL法)は、製品の欠陥で人がけがをしたり財産を失ったりしたときの民事上の賠償責任を定めた法律です。
- 選択肢 ウ不正解
- 不正アクセス禁止法は、他人のID・パスワードの不正利用や不正な侵入を規制する法律で、ウイルスの作成やデータ消去そのものを罰する法律ではありません。
- 選択肢 エ不正解
- プロバイダ責任制限法は、ネット上の権利侵害についてプロバイダの賠償責任の制限や発信者情報の開示を定めた法律です。
覚えるポイント
- ウイルス作成・頒布・供用やデータの破壊行為は「刑法」(不正指令電磁的記録に関する罪・電子計算機損壊等業務妨害罪)で処罰される。
間違えやすいところ
- コンピュータ犯罪はすぐ不正アクセス禁止法と思いがちですが、ウイルスの作成やデータの消去自体は刑法の対象です。
出題の前提:平成28年度秋期基本情報技術者試験午前問80
出典:IPA『2016年度 秋期 午前』
公式問題冊子 p.37 ↗(www.ipa.go.jp)
2016年度 秋期 午前
参照した公式資料
IPAが公開した2016年度 秋期 午前の問題・解答資料です。

