本文へ移動

基本情報技術者試験 · 学習ガイド

2011年度 秋期 午後の問題・解答解説

旧制度の午前・午後と、2023年度以降の科目A・科目Bの公開問題を区別しています。現在の試験対策では現行シラバスと科目Bの形式を確認してください。公開問題は本試験の全出題を網羅する資料ではありません。

2011年度 秋期 午後の概要
30:00

問題番号から選ぶ

A/D変換における標本化・量子化・符号化の処理

ハードウェア · A/D変換 / 標本化 / 量子化 / 符号化 / サンプリング定理

アナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換(標本化、量子化、符号化)に関する次の問いに答えよ。 〔設問1〕図2の左に示す電圧v(t0)〜v(t10)を図2右の刻み幅qで量子化し、表1に基づいて2進符号に変換したとき、時刻t6およびt10における測定値の符号化結果 [ a ]、[ b ] に入る適切な答えを選べ。 〔設問2〕アナログ信号の電圧範囲が0〜9V(FSR=9V)のとき、4ビットで量子化した刻み幅qは [ c ] Vとなる。このとき電圧7.49...Vの測定値は [ d ] Vとなり、2進符号化すると [ e ] となる。 〔設問3〕FSRが1,022ミリVのアナログ信号を50ミリ秒間隔で5秒間標本化する。A/D変換後の総データ量を1,000ビット以内に納めるとき、刻み幅qの最小値 [ f ](ミリV)を求めよ。

設問1 a: エ
110(時刻t6の量子化電圧v6に対応する2進符号)
設問1 b: ウ
101(時刻t10の量子化電圧v5に対応する2進符号)
設問2 c: イ
0.6(4ビット量子化時の刻み幅qの電圧値[V])
設問2 d: キ
7.2(電圧7.49...Vに対する量子化測定値[V])
設問2 e: ウ
1100(測定値7.2Vを符号化した4ビット2進数)
設問3 f: オ
2.0(総データ量1,000ビット以内に収める刻み幅qの最小値[ミリV])
設問1 a 誤答例: ウ
101(v5に対応する符号でありt6の電圧レベルと不一致)
設問2 e 誤答例: エ
1101(10進数の13に対応する符号であり不適)
設問3 f 誤答例: ウ
1.0(標本数を100点と誤認してn=10とした場合の刻み幅)
解答・解説を表示

解答

設問1 a: エ, b: ウ; 設問2 c: イ, d: キ, e: ウ; 設問3 f: オ

解説

まず要点:A/D変換(アナログ信号をディジタル信号に変える処理)は、標本化・量子化・符号化の3段階で行います。標本化は時間を一定間隔で区切り、量子化は電圧を決められた刻み幅に丸め、符号化はその値を2進数に直します。量子化ビット数を増やすと刻み幅が細かくなって精度は上がりますが、その分データ量も増えます。

解き方

  1. 設問1: 図2右のグラフから各時刻の量子化電圧レベル(v0〜v7)を読み取り、表1の対応表に従って2進符号に変換します。
  2. 設問2: 刻み幅の式 q = FSR ÷ (2^n - 1) に値を入れてqを求め、指定電圧が入る区間の中央値(N×q)とその2進表現を求めます。
  3. 設問3: 標本化の期間と間隔から標本の総点数(区間数+1)を出し、許容データ量を超えない最大のビット数nを決めて刻み幅qを計算します。

小問ごとの答え

小問 設問1 a:エ
図2右のグラフにおいて、時刻t6での標本値に対応する白丸「o」の位置を確認すると電圧軸の目盛りはv6です。表1よりv6に対応する2進符号は110となります。
小問 設問1 b:ウ
図2右のグラフにおいて、時刻t10での白丸「o」の位置を確認すると電圧軸の目盛りはv5です。表1よりv5に対応する2進符号は101となります。
小問 設問2 c:イ
問題文の定義式 q = FSR / (2^n - 1) にFSR = 9V、n = 4ビットを代入すると、q = 9 / (16 - 1) = 9 / 15 = 0.6V と求まります。
小問 設問2 d:キ
刻み幅q = 0.6Vのとき、測定値はN×0.6Vです。7.49...Vに対して 7.49... / 0.6 = 12.48... となり、条件 N×q - q/2 ≦ v(tm) < N×q + q/2(6.9 ≦ v(tm) < 7.5)を満たす整数Nは12です。よって測定値は 12 × 0.6 = 7.2V となります。
小問 設問2 e:ウ
測定値7.2Vは N = 12 に対応します。N=0を0000として順に符号化するため、12を4ビットの2進数で表した 1100 が正解となります。
小問 設問3 f:オ
5秒間(5,000ミリ秒)を50ミリ秒間隔で標本化する場合、標本点の個数は開始点t0を含むため (5,000 / 50) + 1 = 101個となります。1サンプルあたりのビット数をnとすると総データ量は 101×n ビットです。101n ≦ 1,000 を満たす最大の整数nは 9 ビットとなります。したがって刻み幅qの最小値は q = 1,022 / (2^9 - 1) = 1,022 / 511 = 2.0ミリV となります。

覚えるポイント

  • A/D変換の刻み幅の計算式は q = FSR / (2^n - 1) であること
  • 一定時間内の標本点数は、開始点を含むため「(時間長 / 標本間隔) + 1」となる点に注意すること

間違えやすいところ

  • 標本点数を求めるときに開始点t0を忘れて、単に 5,000 ÷ 50 = 100点 としてしまう誤り。
  • 4ビット量子化の分割数を 2^4 = 16 とせず、定義どおり 2^4 - 1 = 15 とすること。

出題の前提:問題文に提示されたA/D変換の定義式および平成23年度秋期基本情報技術者試験午後の出題基準に基づく。

出典:IPA『2011年度 秋期 午後』
公式問題冊子 p.5 ↗(www.ipa.go.jp) / 公式問題冊子 p.6 ↗(www.ipa.go.jp) / 公式問題冊子 p.7 ↗(www.ipa.go.jp) / 公式問題冊子 p.8 ↗(www.ipa.go.jp)

2011年度 秋期 午後

参照した公式資料

IPAが公開した2011年度 秋期 午後の問題・解答資料です。