学科(旧称:筆記)の問題と公式解答を種別・年度・期・午前午後で区別しています。CBTの出題例は過去の筆記試験とは別種別です。技能の課題は学科と分けて収録しています。
平成23年度第二種電気工事士上期技能試験 課題1の概要
平成23年度第二種電気工事士上期技能試験 単線図から複線図への展開と施工条件
技能試験 · 配線図 / 複線図 / 施工条件 / 圧着接続 / 差込形コネクタ
図1に示す低圧屋内配線工事の単線図および施工条件に従い、支給材料を用いて完成させる課題である。 【回路構成】 ・単相2線式100V電源:端子台の配線用遮断器代用部(2極1素子、N・L端子)からジョイントボックス部へVVF 2.0mm-2C(青色シース)で配線。 ・単相2線式200V電源(対地電圧150V以下)および接地線ED:端子台の漏電遮断器代用部(2極2素子)および接地端子部(ET端子)から、接地極付コンセント(20A 250V E)へVVF 2.0mm-3Cで直接配線。 ・ジョイントボックス部から各負荷・点滅器への分岐配線: 1. ランプレセプタクル「イ」へVVF 1.6mm-2C(250mm)。 2. 蛍光灯「ロ」(施工省略部)へVVF 1.6mm-2C(100mm、先端切断のまま)。 3. 埋込連用取付枠に収めるタンブラスイッチ「イ」「ロ」および埋込コンセントへVVF 1.6mm-2C×2本(200mm)。 【施工条件の要点】 1. 配線器具配置は図1に従う。 2. 配線用遮断器、漏電遮断器、接地端子は図2の5極端子台で代用する。 3. 電線色別: ・電源からの接地側電線(100V N端子、ランプレセプタクル受金ねじ部、コンセントW端子)はすべて白色。 ・100V非接地側電線(100V L端子から点滅器・コンセントまで)はすべて黒色。 ・接地線は緑色。 4. ジョイントボックス部の電線接続: ・4本の接続箇所は差込形コネクタ(4本用)を使用。 ・その他の接続箇所はリングスリーブによる終端接続。 5. ランプレセプタクルは台座の引込口を欠かずに裏面から挿入する。 本課題における複線図の構成、各器具の極性・結線、ジョイントボックス内接続器具と圧着マーク、配線寸法を答えなさい。 【寸法と施工範囲】100V端子台〜ジョイント部および200V端子台〜接地極付コンセントは各250mmとする。VVF用ジョイントボックスとスイッチボックスの取付け、接続箇所のテープ巻き、作品の保護板への固定はこの試験では省略する。ジョイント部を経由する心線にはその部分ですべて接続箇所を設ける。蛍光灯側の省略端末は被覆を剥かず切断したままとする。
解答・解説を表示
解答
100V接地側(白4本:電源2.0mm+レセプタクル1.6mm+施工省略蛍光灯1.6mm+コンセント1.6mm)を4本用差込形コネクタで接続。100V非接地側(電源黒2.0mm+スイッチ・コンセント渡り黒1.6mmの計2本)をリングスリーブ小・刻印「小」で圧着。スイッチ「イ」戻り線(1.6mm×2本)およびスイッチ「ロ」戻り線(1.6mm×2本)をそれぞれリングスリーブ小・刻印「○」で圧着。200V回路は端子台から20A 250V接地極付コンセントへVVF 2.0mm-3Cで直接配線し、ET端子からの緑線を接地極端子に結線する。
解説
単線図から複線図を起こす基本原則は、①100V接地側(白)をコンセントおよび全負荷の受金ねじ部・接地側に接続する、②100V非接地側(黒)をコンセントおよび全スイッチの入力端子へ接続する、③各スイッチの対応する負荷側端子から各負荷の非接地側へ接続する、の3手順です。本課題では独立した200V回路(漏電遮断器・接地端子代用端子台から20A 250V接地極付コンセントへの配線)が併設されており、100V回路のジョイントボックスとは完全に独立して配線されます。また接続規格において、差込形コネクタとリングスリーブの使い分け条件、電線サイズ(2.0mmと1.6mm)に応じたリングスリーブ圧着工具の適正ダイス選定(「○」と「小」)を厳密に順守する必要があります。
解き方
- 単線図から回路を100V電灯・コンセント回路と200V動力・接地極付コンセント回路に分解し、端子台代用部を含む複線図を作成する。
- 配線寸法(図示寸法に器具の端子構造と接続部の加工に必要な余長を加える)を計算し、支給された3本のケーブル(2.0-2C青、2.0-3C、1.6-2C)を各区間長に切断する。
- 施工条件に従い、100V接地側白線4本の集合箇所を4本用差込形コネクタに、その他の3箇所をリングスリーブ小(刻印「小」1箇所、「○」2箇所)で接続する。
- 20A 250V接地極付コンセントへの配線を行い、端子台ET端子からの緑色接地線を確実に接地端子へ結線する。
- 【寸法と施工範囲】100V端子台〜ジョイント部および200V端子台〜接地極付コンセントは各250mmとする。VVF用ジョイントボックスとスイッチボックスの取付け、接続箇所のテープ巻き、作品の保護板への固定はこの試験では省略する。ジョイント部を経由する心線にはその部分ですべて接続箇所を設ける。蛍光灯側の省略端末は被覆を剥かず切断したままとする。
小問ごとの答え
- 小問 200V・接地極付コンセント回路の結線:端子台200V側端子2箇所から接地極付コンセント(20A 250V E)の電源端子へ緑色接地線以外の2本(色別不問)、端子台ET端子から同コンセントの接地極端子へ緑色電線を接続する(ジョイントボックスは経由せず直接配線)。
- 配線図より200V回路はジョイントボックスを経由せず、端子台から20A 250V接地極付コンセントへ直接VVF 2.0-3Cで配線します。施工条件に従い接地端子(ET)とコンセントの接地端子間には緑色電線を結線します。200V電源線2本の色別は不問です。緑色線は接地線として使い、残りの2心を200V電源端子へ結線します。
- 小問 100V電源・端子台の結線:端子台の100V側N端子に青色シースVVF 2.0-2Cの白色絶縁電線、L端子に黒色絶縁電線をそれぞれねじ止め接続する。
- 施工条件3より、電源の接地側電線はすべて白色、配線用遮断器代用の端子台N端子には白色電線を結線し、非接地側のL端子には黒色電線を結線します。使用電線は支給された青色シースのVVF 2.0mm-2Cです。
- 小問 埋込連用取付枠(スイッチ・コンセント部)の結線:取付枠にスイッチ「イ」、スイッチ「ロ」、コンセントを取り付ける。非接地側黒線(1.6mm)をコンセントの非接地側端子へ入れ、わたり線(黒)でスイッチ「ロ」「イ」の非接地側へ順次送り配線する。接地側白線(1.6mm)はコンセントの接地側W端子のみに接続する。スイッチ「イ」および「ロ」の負荷側から各1本をボックスへ立ち上げる。
- 支給枠1枚に上からスイッチ「イ」、スイッチ「ロ」、コンセント(または施工図の配置順)を配置します。施工条件3に基づきコンセントW端子には白線を接続し、電源非接地側黒線はコンセントと2つのスイッチ共通の電源端子へ黒色のわたり線を用いて接続します。各スイッチの負荷側からは対応する照明への返り線を接続します。
- 小問 ランプレセプタクルおよび施工省略部の結線:ランプレセプタクルの受金ねじ部側端子に接地側白線、中心接触片側端子にスイッチ「イ」からの返り線を結線する(台座裏面からケーブル導入)。施工省略の蛍光灯「ロ」へのケーブル(VVF 1.6-2C、100mm)は白線を接地側、他方をスイッチ「ロ」返り線に接続し端末は切断のままとする。
- 施工条件3により受金ねじ部には白色電線を結線し、施工条件5に従い台座のノックアウトを欠かずに裏面穴から通線して輪作りネジ止めします。施工省略の蛍光灯へ向かう電線は器具を取り付けずシース・絶縁被覆を剥かず切断のままとします。
- 小問 ジョイントボックス部の接続と圧着マーク:①接地側電線(4本接続):2.0mm(電源白)1本+1.6mm(レセプタクル白、施工省略白、コンセント白)3本を4本用差込形コネクタで接続。 ②非接地側電線(2本接続):2.0mm(電源黒)1本+1.6mm(スイッチ・コンセント黒)1本をリングスリーブ小・刻印「小」で圧着。 ③スイッチ「イ」返り線(2本接続):1.6mm×2本をリングスリーブ小・刻印「○」で圧着。 ④スイッチ「ロ」返り線(2本接続):1.6mm×2本をリングスリーブ小・刻印「○」で圧着。
- 施工条件4により4本接続箇所のみ差込形コネクタ(4本用)を使用し、それ以外はリングスリーブで終端接続します。4本接続となるのは100V接地側白線(2.0mm 1本+1.6mm 3本)です。非接地側は電源2.0mmと負荷側1.6mmの2本接続のためリングスリーブ小を用い刻印は「小」となります。各スイッチの返り線は1.6mm同士の2本接続のためリングスリーブ小で刻印「○(極小)」とします。
覚えるポイント
- リングスリーブ圧着マーク:1.6mm×2本は「○」、2.0mm×1本+1.6mm×1本は「小」で圧着する。
- 施工条件で指定された4本接続箇所は支給された差込形コネクタ(4本用)1個を必ず使用する。
- ランプレセプタクルの受金ねじ部(ネジが切ってある外側金具)には必ず白色電線を接続する。
間違えやすいところ
- 2.0mmと1.6mmの2本接続を誤って「○」マークで圧着してしまう(重大欠陥となる)。
- 20A 250Vコンセントへの結線で、端子台ETからの緑色線を電源端子に挿入してしまう。
- ランプレセプタクルの台座側面のノックアウトを誤ってペンチで欠いてしまう(施工条件違反)。
出題の前提:平成23年度第二種電気工事士上期技能試験課題1の施工条件および電気技術者試験センター公表の公式解答例に基づく。
出典:電気技術者試験センター『平成23年度第二種電気工事士上期技能試験 課題1』
公式技能課題・施工条件 p.1 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式技能課題・施工条件 p.2 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式技能課題・施工条件 p.3 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式解答例・完成図 p.1 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式解答例・完成図 p.2 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式解答例・完成図 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
平成23年度第二種電気工事士上期技能試験 課題1(2011/07/24実施)
参照した公式資料
電気技術者試験センターが公開した平成23年度第二種電気工事士上期技能試験 課題1(2011/07/24実施)の問題・解答資料です。
- 公式技能課題・施工条件 ↗ — www.shiken.or.jp(PDF・3ページ)
- 公式解答例・完成図 ↗ — www.shiken.or.jp(PDF・3ページ)

