学科(旧称:筆記)の問題と公式解答を種別・年度・期・午前午後で区別しています。CBTの出題例は過去の筆記試験とは別種別です。技能の課題は学科と分けて収録しています。
令和6年度第一種電気工事士上期技能試験(7月6日) 課題8の概要
三相誘導電動機の始動制御回路(押しボタンスイッチ・電磁開閉器・運転表示灯・電流計)の施工
配線工事の実技施工 · 電磁開閉器の結線 / 自己保持回路 / 変圧器端子台接続 / リングスリーブによる圧着接続 / ランプレセプタクルの極性
図1に示す配線図、図2の変圧器代用端子台説明図、図3の電磁開閉器代用端子台説明図、図4の制御回路図および支給材料に基づき、施工条件に従って配線工事を完成させなさい。 <施工条件要約> 1. 配線及び器具の配置は図1に従う。 2. 変圧器代用端子台(3P)は図2に従い、一次側(高圧KIP 8mm2×3)はU・V・W端子、二次側(低圧VVR 2.0-3C)はu・v・w端子に接続する。 3. 変圧器の接地線(IV 5.5mm2 緑)はv端子に結線する(B種接地)。 4. 電流計回路(施工省略)は変圧器二次側のv相に挿入・接続する(VVF 1.6-2Cを使用)。 5. 電磁開閉器代用端子台(6P)は図3・図4に従い結線する。 ・電源側主回路:R・S・T端子 ・負荷側主回路:U・V・W端子 ・操作・制御回路:端子間渡り線にIV 2mm2(黄)を用い、14番端子とA2番端子間、A1番端子と95番端子間、96番端子と負荷側U端子間を渡す。 ・操作用押しボタンスイッチ(PB-OFF:1b接点、PB-ON:1a接点、既設渡り配線あり)へはCVV 2mm2-3心ケーブルを用い、赤を電源側R相、白を自己保持入力(13番端子)、黒を自己保持出力・コイル側(14番端子)へ結線する。 6. 運転表示灯(ランプレセプタクル)は電磁開閉器の負荷側U・W端子からVVF 1.6-2Cでジョイントボックスを経由して受電させ、受金ねじ部側端子に白色、中心接触点側端子に黒色を結線する。 7. ジョイントボックスを経由する電線はすべてリングスリーブ接続とし、打抜き済み穴すべてにゴムブッシングを装着して通線する。 8. 電線色別は、接地線に緑色、接地側(電流計回路除く)に白色、相別(u:赤、v:白、w:黒)、端子間渡り線に黄色を使用する。
解答・解説を表示
解答
変圧器代用端子台(一次側KIP 8mm2、二次側VVR 2.0-3心、接地線IV 5.5mm2緑をv端子接続)、電磁開閉器代用端子台(主回路電源側R・S・T、負荷側U・V・W、渡り線IV 2mm2黄による14-A2、A1-95、96-U間渡り、CVV 2mm2-3心によるPB接続、負荷側U・W端子からの運転表示灯電源取り出し)、押しボタンスイッチ配線、ランプレセプタクル配線(受金ねじ部に白)、およびアウトレットボックス内でのリングスリーブ圧着6箇所(刻印「小」3箇所、刻印「○」3箇所)を施工条件通りに正しく結線・配置して完成させる。
解説
電磁開閉器で電動機を直接始動する回路では、電磁コイル(A1-A2)に電気を流すと主接点が閉じ、三相電源(R・S・T)が電動機の負荷側(U・V・W)へ送られます。ON釦を離しても補助接点(13-14)が自分で回路を保つ自己保持で通電が続きます。過負荷になるとサーマルリレーのb接点(95-96)が開き、コイルの回路を切って主回路を守ります。運転表示灯は投入時だけ点灯させたいので、主接点より負荷側の相間(本問ではU相とW相の間)から電源を取ります。ジョイントボックス内では、電源側主回路・v相に入る電流計回路・負荷側から来る表示灯回路を区別して結線し圧着します。
解き方
- 支給材料表と配線図を確かめ、ケーブル(VVR 2.0-3C、VVF 1.6-2C、VVF 1.6-3C、CVV 2-3C)を決められた長さに切って外装をむく。
- アウトレットボックスの打抜き穴25mm×3箇所、19mm×2箇所にゴムブッシングを付け、十字に切り込みを入れる。
- 変圧器代用端子台(3P)に、一次側の高圧線(KIP 8mm2×3本)、二次側のVVR 2.0-3心、接地線(IV 5.5mm2 緑、v端子に共締め)を結線する。
- 電磁開閉器代用端子台(6P)に、IV 2mm2(黄)で端子間の渡り線(14-A2、A1-95、96-U)を配線し、電源側VVF 1.6-3C、負荷側モータ用VVF 1.6-3C、表示灯用VVF 1.6-2C、押しボタン用CVV 2-3Cをつなぐ。
- 押しボタンスイッチとランプレセプタクル(受金ねじ部に白線)に、決められた通りに結線する。
- アウトレットボックス内に各ケーブルを入れ、複線図と電線の色・回路を見比べながらリングスリーブ(小)で圧着接続(刻印「小」3箇所、刻印「○」3箇所)し、端末を整える。
答えの内訳
- 配線工事の完成:施工図および施工条件に適合した三相誘導電動機始動制御回路の完成作品
- 配線寸法・器具結線・電線色別・リングスリーブ圧着刻印のすべてを施工条件及び解答例の通りに施工する。
- 変圧器代用端子台(3P)の結線:一次側:U端子に黒、V端子に黒、W端子に黒(KIP 8mm2 各100mm)。二次側:u端子に赤、v端子に白および緑(IV 5.5mm2 接地線)、w端子に黒(VVR 2.0-3C)。
- 施工条件6に基づき、変圧器のB種接地線(IV 5.5mm2 緑)は二次側v相端子に共締め結線する。二次側相別はu相=赤、v相=白、w相=黒(施工条件7-③)を遵守する。
- 電磁開閉器代用端子台(6P)の結線:電源側:R端子に赤(VVF 1.6)、S端子に白(VVF 1.6)、T端子に黒(VVF 1.6)。制御渡り線(IV 2mm2 黄)で14番-A2番、A1番-95番、96番-負荷側U端子を接続。押しボタンケーブル(CVV 2-3C)はR端子に赤、13番端子に白、14番端子に黒を接続。負荷側:U端子に赤(モータ側主回路)+白(表示灯渡り)+黄(96番よりの渡り)、V端子に白(モータ側主回路)、W端子に黒(モータ側主回路)+黒(表示灯渡り)を接続。
- 施工条件3・4及び図3・図4に基づく。運転表示灯の電源は電磁開閉器の負荷側(U相・W相)から取り出すため、負荷側端子台U端子に表示灯渡り線の白色(受金ねじ部へ連通)を、W端子に表示灯渡り線の黒色を接続する。
- 押しボタンスイッチ(PB-OFF/ON)の結線:CVV 2-3Cを用い、赤線を押しボタン内部既設渡り線側(電源供給点)、白線をPB-OFFとPB-ONの中間(自己保持接点入力側)、黒線をPB-ONの開閉側(電磁コイル入力側)に接続する。
- 施工条件4(図4)および施工条件10に従い、スイッチ内の既設渡り線を変更せずに各押しボタンの接点端子にCVVの各心を結線する。
- ランプレセプタクル(運転表示灯)の結線:受金ねじ部側端子に白色(VVF 1.6)、中心接触点側端子に黒色(VVF 1.6)を結線する。
- 施工条件7-⑥に基づき、受金ねじ部側の端子に白色電線を確実に結線する。外装ストリップ長や心線の巻き締め方向(右巻き)を適正に施工する。
- ジョイントボックス内のリングスリーブ接続(計6箇所):① u相主回路:VVR 2.0(赤)+ 電磁開閉器電源側VVF 1.6(赤) [刻印:小] ② w相主回路:VVR 2.0(黒)+ 電磁開閉器電源側VVF 1.6(黒) [刻印:小] ③ v相電流計行き:VVR 2.0(白)+ 電流計側VVF 1.6(白または黒) [刻印:小] ④ v相電流計戻り:電流計側VVF 1.6(黒または白)+ 電磁開閉器電源側VVF 1.6(白) [刻印:○] ⑤ 運転表示灯渡りU相:電磁開閉器負荷側からの渡りVVF 1.6(白)+ ランプレセプタクル行きVVF 1.6(白) [刻印:○] ⑥ 運転表示灯渡りW相:電磁開閉器負荷側からの渡りVVF 1.6(黒)+ ランプレセプタクル行きVVF 1.6(黒) [刻印:○]
- ジョイントボックス内接続はすべてリングスリーブ(小)を用いる。電線断面積の合計に応じて、2.0mm+1.6mm(計5.14mm2)の接続箇所3点は刻印「小」、1.6mm+1.6mm(計4.02mm2)の接続箇所3点は刻印「○(極小)」とする。運転表示灯渡り線は電磁開閉器の負荷側から配線されており、主回路電源側(T相黒)とはジョイントボックス内で接続しない。

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覚えるポイント
- リングスリーブの圧着刻印:2.0mm+1.6mmは「小」、1.6mm+1.6mmは「○」を用いる。
- 変圧器二次側v端子(接地側)にはIV 5.5mm2(緑)のB種接地線を接続する。
- 運転表示灯は電磁開閉器の「負荷側」U・W端子から取得するため、電源側黒線(T相)とは混同しない。
- ランプレセプタクルの受金ねじ部には必ず白色電線を接続する。
間違えやすいところ
- 運転表示灯の黒線を、電源側のT相黒線と同じ所でジョイントボックス内につないでしまい、常時点灯や誤結線になる。
- リングスリーブ接続で「2.0mm+1.6mm」の箇所に、間違って「○」刻印で圧着してしまう。
- 変圧器の接地線(緑色)をu端子やw端子など、v端子以外の場所につないでしまう。
- 押しボタンスイッチ内の既設渡り線を外したり、押しボタン接点のつなぐ順番を取り違えたりする。
出題の前提:令和6年度第一種電気工事士技能試験 候補問題No.8(2024年7月6日実施)問題用紙及び電気技術者試験センター公表正答資料
出典:電気技術者試験センター『令和6年度第一種電気工事士上期技能試験(7月6日) 課題8』
公式技能課題・施工条件 p.2 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式技能課題・施工条件 p.3 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式解答例・完成図 p.1 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式解答例・完成図 p.2 ↗(www.shiken.or.jp)
令和6年度第一種電気工事士上期技能試験(7月6日) 課題8
参照した公式資料
電気技術者試験センターが公開した令和6年度第一種電気工事士上期技能試験(7月6日) 課題8の問題・解答資料です。
- 公式技能課題・施工条件 ↗ — www.shiken.or.jp(PDF・3ページ)
- 公式解答例・完成図 ↗ — www.shiken.or.jp(PDF・3ページ)

