学科(旧称:筆記)の問題と公式解答を種別・年度・期・午前午後で区別しています。CBTの出題例は過去の筆記試験とは別種別です。技能の課題は学科と分けて収録しています。
令和5年度第一種電気工事士技能試験(12月10日) 課題8の概要
三相誘導電動機の電磁開閉器制御回路および高圧受電変圧器二次側配線施工
技能試験 · 電磁開閉器 / 変圧器端子台結線 / 制御回路 / リングスリーブ圧着刻印 / 接地工事
令和5年度第一種電気工事士技能試験(12月10日)課題8の配線図及び施工条件に従い、変圧器代用端子台、電磁開閉器代用端子台、アウトレットボックス内の電線相互接続、押しボタンスイッチ、運転表示灯(ランプレセプタクル)の結線並びに施工仕様を完成させなさい。
解答・解説を表示
解答
変圧器二次側(u:赤、v:白、w:黒)およびv端子へB種接地線(IV 5.5mm²緑)を結線し、アウトレットボックス内で主回路・電流計回路(小×3、○×1)およびMS負荷側U・Wから引き出す運転表示灯回路(○×2)の計6箇所を小スリーブで圧着接続する。MS代用端子台では自己保持回路および操作回路用の渡り線(IV 2mm²黄)を端子間(14-A2、A1-95、96-T)に配線し、押しボタンスイッチからのCVV 2-3C(赤:R、白:13、黒:14)を正しく接続する。
解説
三相誘導電動機の直入れ始動制御回路では、電磁開閉器(MS)の電磁コイル、自己保持接点(常開接点13-14)、押しボタンスイッチ(閉路PB-ON・開路PB-OFF)、およびサーマルリレーの過負荷保護接点(常閉接点95-96)で閉回路を構成します。運転表示灯は電動機の運転状態(MS投入状態)を監視するため、主接点の負荷側(U相・W相)に接続され、主接点が閉じたときのみ点灯します。ボックス内でのリングスリーブ圧着マークは、接続する電線の断面積(1.6mmは2.0mm²換算、2.0mmは3.5mm²換算等)の合計に応じて正しく選定する必要があります。
解き方
- 支給材料表および配線図(図1)から各ケーブルの寸法取りとシース・絶縁被覆の剥ぎ取り寸法を決定する。
- 変圧器代用端子台へKIPおよびVVR 2.0-3C、接地線IV 5.5mm²を施工条件に従って接続する。
- 押しボタンスイッチにCVV 2-3Cを既設配線を崩さずに結線し、ランプレセプタクルにVVF 1.6-2C(受金ねじ部に白)を結線する。
- 電磁開閉器代用端子台の各端子にIV 2mm²黄色の渡り線、電源側・負荷側主回路、押しボタンケーブル、運転表示灯ケーブルを制御回路図通りに共締め接続する。
- アウトレットボックスにゴムブッシングを装着して各ケーブルを引き込み、複線図に基づき電線太さに適合したリングスリーブ圧着マーク(小×3、○×3)で確実に圧着する。
小問ごとの答え
- 小問 1. 変圧器代用端子台(3P)の結線:一次側にKIP 8mm²×3本(U, V, W端子)を接続。二次側u端子に赤色、v端子に白色および接地線(IV 5.5mm² 緑色)、w端子に黒色(VVR 2.0-3C)を接続する。
- 施工条件6により変圧器の接地線(IV 5.5mm²緑)は二次側v端子に結線します。施工条件7-③により二次側配線はu相に赤色、v相に白色、w相に黒色を割り当てます。
- 小問 2. アウトレットボックス内の電線接続と圧着マーク:接続箇所は計6箇所。小スリーブ刻印「小」が3箇所、刻印「○」が3箇所。 ① VVR 2.0mm(赤) + VVF 1.6mm(MS電源側 赤):刻印「小」 ② VVR 2.0mm(白) + VVF 1.6mm(電流計側):刻印「小」 ③ VVR 2.0mm(黒) + VVF 1.6mm(MS電源側 黒):刻印「小」 ④ VVF 1.6mm(電流計側) + VVF 1.6mm(MS電源側 白):刻印「○」 ⑤ VVF 1.6mm(MS負荷側表示灯線) + VVF 1.6mm(表示灯受金ねじ部側 白):刻印「○」 ⑥ VVF 1.6mm(MS負荷側表示灯線) + VVF 1.6mm(表示灯中心接触片側 黒):刻印「○」
- 電流計は施工条件5に基づきv相に直列挿入するため、VVR白(2.0mm)と電流計送り線(1.6mm)を接続して刻印「小」、電流計戻り線(1.6mm)とMS電源側白(1.6mm)を接続して刻印「○」とします。また、運転表示灯は制御回路図(図4)の通りMSの主接点負荷側(U相・W相)から取り出されるため、MS代用端子台から延びるVVF 1.6-2CとランプレセプタクルへのVVF 1.6-2Cの心線同士をそれぞれ1.6mm×2本(刻印「○」×2箇所)で接続します。
- 小問 3. 電磁開閉器代用端子台(6P)の結線:電源側端子台:Rに主回路赤および押しボタン用赤、Sに主回路白、Tに主回路黒および制御回路渡り線黄を接続。 制御端子台:13に押しボタン用白、14に押しボタン用黒およびA2への渡り線黄、A1から95へ渡り線黄、96からTへ渡り線黄を接続。 負荷側主接点端子台:U相に電動機側主回路赤および運転表示灯用線、V相に電動機側主回路白、W相に電動機側主回路黒および運転表示灯用線を接続。
- 制御回路図(図4)に従い、操作用電源は主回路電源側のR相(赤)およびT相(黒)から供給します。自己保持回路(接点13-14)および操作コイル(A1-A2)、サーマルリレー接点(95-96)の接続にはIV 2mm²黄色電線による渡り線施工が必要です。運転表示灯回路は主接点負荷側のU端子・W端子へ接続します。
- 小問 4. 押しボタンスイッチ(PB)の内部配線:既設配線(PB-OFFの常閉接点とPB-ONの常開接点間の渡り線)を維持したまま、CVV 2-3Cを接続する。PB-OFFの電源側に赤色、接点間の共通接続部に白色、PB-ONの負荷側に黒色を結線する。
- 施工条件10により、押しボタンスイッチ内の既設配線は変更・除去してはなりません。図4に基づき赤・白・黒の各心線を正確に端子ねじへ結線します。
- 小問 5. ランプレセプタクルの結線:受金ねじ部側の端子に白色電線を結線し、中心接触片側の端子に黒色電線を結線する。
- 施工条件7-⑥により、ランプレセプタクルの受金ねじ部の端子には白色の電線を結線することが義務付けられています。

関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 1.6mm心線2本の接続のみ刻印「○」、1.6mm+2.0mmの接続は刻印「小」を使用する。
- 運転表示灯は電磁開閉器の『負荷側』から取り出すため、主回路電源側電線とはボックス内で混触・分岐させない。
- 変圧器代用端子台のB種接地線(緑)は施工条件で指定されたv相端子に接続する。
間違えやすいところ
- 運転表示灯への接続線をMS電源側のR相・T相から分岐してしまい、常時点灯回路にしてしまう誤配線。
- ランプレセプタクルの受金ねじ部端子に黒色電線を接続してしまう極性逆接続の欠陥。
- VVR 2.0mmとVVF 1.6mmの接続箇所に誤って「○」刻印で圧着してしまう刻印不一致の欠陥。
出題の前提:令和5年度第一種電気工事士技能試験(2023年12月10日実施)候補問題No.8の配線図、制御回路図、支給材料表および施工条件に基づく。
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士技能試験(12月10日) 課題8』
公式技能課題・施工条件 p.2 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式技能課題・施工条件 p.3 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式解答例・完成図 p.1 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式解答例・完成図 p.2 ↗(www.shiken.or.jp)
令和5年度第一種電気工事士技能試験(12月10日) 課題8
参照した公式資料
電気技術者試験センターが公開した令和5年度第一種電気工事士技能試験(12月10日) 課題8の問題・解答資料です。
- 公式技能課題・施工条件 ↗ — www.shiken.or.jp(PDF・3ページ)
- 公式解答例・完成図 ↗ — www.shiken.or.jp(PDF・3ページ)

