学科(旧称:筆記)の問題と公式解答を種別・年度・期・午前午後で区別しています。CBTの出題例は過去の筆記試験とは別種別です。技能の課題は学科と分けて収録しています。
令和5年度第一種電気工事士技能試験(12月10日) 課題7の概要
変圧器・CT・過電流継電器および電流計回路の施工
高圧受電設備・制御回路配線 · CT二次側結線 / 過電流継電器(OCR)結線 / 電流計結線 / 変圧器接地工事 / リングスリーブ接続
配線図(図1)および施工条件に従い、変圧器代用端子台(3P)、変流器(CT)代用端子台(2P×2個)、過電流継電器(OCR)代用端子台(4P)、ジョイントボックス(アウトレットボックス)を用いて高圧受電・計器用変流器二次回路・変圧器二次回路の配線工事を完成させなさい。 <主な施工条件> 1. 変圧器、CT及び過電流継電器代用の端子台は図2の端子配列に従うこと。 2. CTの結線は図3に従い、K側を高圧電源側とし、1端子に接続する電線本数は2本以下とすること。CT接地線(D種接地)はCT二次側l端子に結線し、CT二次側端子のわたり線は太さ2mm²(白色)を使用すること。CTのk端子からはR相・T相それぞれ過電流継電器のC1R・C1T端子に結線すること。 3. 電流計はT相の電流を測定するように接続すること。 4. 変圧器の二次側配線はu相に赤色、v相に白色、w相に黒色を使用し、変圧器接地線(B種接地)はv端子に結線すること。 5. 接地線には緑色を使用し、CT二次側からジョイントボックスに至る配線はR相に赤色、T相に黒色を使用すること。 6. ジョイントボックスを経由する電線はすべて接続箇所を設け、リングスリーブにより接続し、打抜き済みの穴(19mm用2箇所、25mm用2箇所)だけをすべて使用すること。
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解答
変圧器代用端子台(一次側U/V/WにKIP、二次側uに赤・vに白と接地線IV 5.5mm²・wに黒)、CT端子台(一次側Kに電源側KIP・Lに変圧器側KIP、二次側kにR相赤・T相黒、lに渡り線白を用いてR相l端子に接地線IV 2mm²・T相l端子にケーブル白線を結線し各端子2本以下)、過電流継電器端子台(C1R・C2RにR相用CVV 2-2C、C1T・C2TにT相用CVV 2-2C)、ジョイントボックス内接続4箇所(CT-R相kとOCR-C1Rを刻印「〇」、CT-T相kと電流計を刻印「〇」、電流計とOCR-C1Tを刻印「〇」、CT共通lとOCR-C2R・OCR-C2Tの3本を刻印「小」)を正しく施工する。
解説
計器用変流器(CT)の二次側は通常5A定格であり、直列に過電流継電器(OCR)の電流コイルや電流計を接続して負荷電流を計測・検出します。高低圧混触事故や雷サージ時の機器保護のため、CT二次側のl端子にはD種接地工事を、変圧器低圧側電路(本課題では中性点・v端子)にはB種接地工事を施します。また、端子台ネジ部の緩みや接触不良を防ぐため、1端子あたりに接続可能な電線本数は原則2本以下と定められています。
解き方
- 施工条件および配線図から各端子台の役割(変圧器・CT・過電流継電器)と接地線の接続端子(変圧器v端子に5.5mm²、CT l端子に2mm²)を整理する。
- CT二次側の渡り線(白)と接地線(緑)、共通中性線(白)を結線し、1端子あたり2本以下の施工制限を遵守するようR相l端子とT相l端子に振り分ける。
- 電流計をT相CT二次側回路(CT-k線とOCR-C1T線の間)へ直列に挿入する複線図を作成する。
- ジョイントボックス内の電線接続4箇所について、電線サイズ(より線2mm²)の本数に応じたリングスリーブの適切な圧着マーク(2本=「〇」、3本=「小」)を決定し施工する。
小問ごとの答え
- 小問 変圧器代用端子台(3P)の結線:一次側:U端子にR相KIP 8mm²、V端子にS相KIP 8mm²、W端子にT相KIP 8mm²を結線。二次側:u端子に赤色(VVF 2.0-3C)、v端子に白色(VVF 2.0-3C)および接地線IV 5.5mm²(緑色)、w端子に黒色(VVF 2.0-3C)を結線する。
- 施工条件5に基づき接地線(緑・公称断面積5.5mm²)を変圧器二次側のv端子(第2種接地)に結線し、施工条件6-③に従い二次側相別の電線色(u:赤、v:白、w:黒)を遵守して配線します。
- 小問 CT代用端子台(2P×2個)の結線:一次側:R相・T相ともK端子を高圧電源側、L端子を変圧器側としてKIP 8mm²を結線。二次側:R相k端子に赤色(CVV 2-3C)、T相k端子に黒色(CVV 2-3C)を結線。l端子間には白色渡り線(2mm²)を渡し、R相l端子に接地線IV 2mm²(緑色)、T相l端子にCVV 2-3Cの白色線を結線する。
- 施工条件3-②により1端子あたりの接続電線本数は2本以下に制限されています。l端子間に渡り線(白)を接続した上で、R相l端子に接地線(緑)と渡り線(白)の計2本、T相l端子に渡り線(白)とCVVの白線(共通中性線)の計2本を振り分けて接続することで条件を完全に満たします。
- 小問 過電流継電器(OCR)代用端子台(4P)の結線:C1R端子とC2R端子にR相用CVV 2-2Cの2心、C1T端子とC2T端子にT相用CVV 2-2Cの2心を結線する(心線色は問わない)。
- 施工条件3-⑤に従い、CTのR相・T相各回路を過電流継電器の入力端子(C1R・C1T)および出力側端子(C2R・C2T)へ接続するためのケーブル(CVV 2-2C×2本)を端子台へ接続します。
- 小問 電流計(A)測定回路の結線:T相CTのk端子からの配線(CVV 2-3C 黒色)をジョイントボックス内で電流計回路(CVV 2-2Cの1心)に接続し、電流計からの戻り心線を過電流継電器のC1T行き(CVV 2-2Cの1心)に直列接続する。
- 施工条件4「電流計はT相の電流を測定するように接続すること」を満たすため、T相CT二次側のk出力線とOCRのC1T入力線の間に電流計を直列に挿入する結線を行います。
- 小問 ジョイントボックス内接続と圧着マーク:接続箇所は計4箇所でリングスリーブ小を使用。 ①CT R相k(赤)とOCR-C1R(CVV 2-2Cの1心):2本接続で刻印「〇」 ②CT T相k(黒)と電流計A(CVV 2-2Cの1心):2本接続で刻印「〇」 ③電流計A(CVV 2-2Cのもう1心)とOCR-C1T(CVV 2-2Cの1心):2本接続で刻印「〇」 ④CT共通l(白)とOCR-C2RおよびOCR-C2T:3本接続で刻印「小」
- より線2mm²の2本接続は合計断面積4mm²以下(単線1.6mm×2本と同等扱い)となるため圧着マークは「〇」となります。より線2mm²の3本接続は合計断面積6mm²となるため圧着マークは「小」となります。
- 小問 アウトレットボックスのブッシング施工:打抜き済みの穴4箇所(19mm用2箇所、25mm用2箇所)のすべてに適合するゴムブッシング(19用・25用)を取り付け、ケーブルを貫通させる。
- 施工条件8「打抜き済みの穴だけをすべて使用すること」に基づき、19mm穴および25mm穴の計4箇所すべてにゴムブッシングを切り込み加工の上で適切に取り付けます。

関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- より線2mm²×2本のリングスリーブ(小)圧着マークは「〇」、3本接続は「小」となる。
- CT二次側接地線(D種接地・IV 2mm²緑)はl端子に接続し、1端子2本以下の制限を満たすため渡り線と適切に分配する。
- 変圧器のB種接地線(IV 5.5mm²緑)は低圧側v端子に接続する。
間違えやすいところ
- CTのl端子1箇所に渡り線・接地線・ケーブル中性線の3本をまとめて接続してしまい、端子あたり2本以下の施工条件に違反する。
- 電流計をR相側へ誤って接続したり、並列に接続して短絡状態を作ってしまう。
- より線2mm²が2本のリングスリーブ圧着マークを「小」で刻印してしまう誤り。
出題の前提:令和5年度第一種電気工事士技能試験(12月10日実施)候補問題No.7 施工条件および公表解答例
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士技能試験(12月10日) 課題7』
公式技能課題・施工条件 p.2 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式技能課題・施工条件 p.3 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式解答例・完成図 p.1 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式解答例・完成図 p.2 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式解答例・完成図 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
令和5年度第一種電気工事士技能試験(12月10日) 課題7
参照した公式資料
電気技術者試験センターが公開した令和5年度第一種電気工事士技能試験(12月10日) 課題7の問題・解答資料です。
- 公式技能課題・施工条件 ↗ — www.shiken.or.jp(PDF・3ページ)
- 公式解答例・完成図 ↗ — www.shiken.or.jp(PDF・3ページ)

