学科(旧称:筆記)の問題と公式解答を種別・年度・期・午前午後で区別しています。CBTの出題例は過去の筆記試験とは別種別です。技能の課題は学科と分けて収録しています。
平成30年度第一種電気工事士技能試験(12月9日) 課題6の概要
三相3線式変圧器Δ-Δ結線と電動機・運転表示灯回路の配線工事
配線工事 · 第一種電気工事士 / 変圧器結線 / 三相誘導電動機回路 / リングスリーブ圧着
図1の配線図および施工条件に従い、支給材料を用いて三相3線式6600Vから210Vへの降圧変圧器代用端子台(Δ-Δ結線)、開閉器代用端子台、電流計(施工省略)、運転表示灯(ランプレセプタクル)およびアウトレットボックス等を含む配線工事を完成させなさい。 【主な施工条件】 1. 配線及び器具の配置は配線図に従うこと。 2. 変圧器代用の端子台(2P×3個)は図2・図4に従いΔ-Δ結線とし、接地線(緑色・IV 5.5mm²)は変圧器T1のv端子に結線する。二次側のわたり線にはIV 5.5mm²(黒色)を使用する。 3. 電流計は変圧器二次側のS相に直列接続すること。 4. 開閉器代用の端子台(3P)への電源側配線はR相に赤、S相に白、T相に黒を結線する。負荷側から電動機への配線はU相に赤、V相に白、W相に黒を結線する。 5. 運転表示灯は開閉器負荷側のU相とV相間に接続し、ランプレセプタクルの受金ねじ部端子には白色電線を結線すること。 6. アウトレットボックス内の電線接続はすべてリングスリーブによる接続とし、打抜き済みの穴(ゴムブッシング使用)を通すこと。
解答・解説を表示
解答
変圧器代用端子台(T1〜T3)の二次側をIV 5.5mm²(黒)の渡り線でΔ結線(T1-vとT2-u、T2-vとT3-u、T3-vとT1-u)し、T1-vにB種接地線(IV 5.5mm²緑)を結線する。二次側からはT1-u(R相:赤)、T2-u(S相:白)、T3-u(T相:黒)をVVR 2.0-3Cでアウトレットボックスへ引き込む。ボックス内ではS相回路に変圧器側白線と電流計(VVF 1.6-2C)を直列に挿入し、開閉器電源側(VVF 1.6-3C)へ接続する。開閉器負荷側のU相端子・V相端子からVVF 1.6-2Cでボックスを経由して運転表示灯(ランプレセプタクル)へ接続し、受金ねじ部に白線を結線する。ボックス内の電線接続6箇所は、太さ・本数に応じたリングスリーブ圧着(刻印「小」3箇所、刻印「○」3箇所)を施す。
解説
三相3線式変圧器のΔ-Δ結線では、各単相変圧器の二次側端子(u, v)を順次環状に渡り配線してΔ結線を形成し、電灯・動力共用や動力専用の210V出力を得ます。本課題では第二種と異なり、変圧器二次側の特定端子へのB種接地工事結線や、S相への電流計直列挿入、負荷側からの運転表示灯電源取得など、動力制御盤周りの実務に即した正確な複線化と配線施工技術が求められます。
解き方
- 支給材料・単線図・施工条件を確認し、変圧器二次側のΔ渡り配線、S相への電流計直列挿入、および開閉器負荷側U-V端子からの表示灯回路引き出しを含む複線図を作成する。
- 変圧器代用端子台(2P×3)に一次側高圧線(KIP 8mm²)、二次側渡り線(IV 5.5mm²黒)、B種接地線(IV 5.5mm²緑)、および二次側引出線(VVR 2.0-3C)を結線する。
- 開閉器代用端子台(3P)の電源側(R・S・T)および負荷側(U・V・W)にそれぞれ指定色の電線を結線し、U・V端子には表示灯用VVF 1.6-2Cを共締めする。
- ランプレセプタクルの受金ねじ部端子に白色線が接続されるよう輪作りを行い器具付けする。
- アウトレットボックスの打抜き穴にゴムブッシングを装着し、各ケーブルを導入して被覆を剥ぎ取り、電線の組み合わせと太さに適合するリングスリーブ圧着(刻印「小」3箇所、刻印「○」3箇所)を行う。
答えの内訳
- 配線工事:変圧器二次側Δ結線・接地線接続、電流計のS相挿入接続、開閉器の電源側・負荷側端子台結線、運転表示灯(受金ねじ部白線)接続、およびボックス内リングスリーブ接続(刻印「小」3箇所、「○」3箇所)を正しく施工する。
- 配線図および施工条件を満たす複線図を正確に作成し、各端子台の極性・相順・電線色・リングスリーブ刻印記号を正しく選定して施工する必要があります。
- 変圧器代用端子台(2P×3個)の結線:T1〜T3の二次側において、T1-vとT2-u、T2-vとT3-u、T3-vとT1-u間をIV 5.5mm²(黒色)の渡り線で接続しΔ結線を構成する。B種接地線(IV 5.5mm²緑)はT1のv端子に接続する。二次側配線(VVR 2.0-3C)はT1-u端子に赤(R相)、T2-u端子に白(S相)、T3-u端子に黒(T相)を接続する。
- 施工条件4に従い、接地線は変圧器T1のv端子に結線し、二次側端子のわたり線にはIV 5.5mm²(黒色)を使用します。相順はR相=赤、S相=白、T相=黒となります。
- 開閉器代用端子台(3P)の結線:電源側端子(上側):R端子に赤色、S端子に白色、T端子に黒色(VVF 1.6-3C)を結線する。負荷側端子(下側):U端子に電動機行きの赤色と運転表示灯行きの電線(黒色)、V端子に電動機行きの白色と運転表示灯行きの電線(白色)、W端子に電動機行きの黒色を結線する。
- 施工条件6・7に従い、運転表示灯は負荷側のU-V相間に接続します。U端子とV端子には電動機行きVVF 1.6-3Cと運転表示灯回路用VVF 1.6-2Cの芯線がそれぞれ2本ずつ共締めされます。
- ランプレセプタクルの結線:受金ねじ部側の端子に白色電線を結線し、中心接触片側の端子に黒色電線を結線する。
- 施工条件7-⑤により「受金ねじ部の端子には、白色の電線を結線する」と指定されています。逆接続は重大欠陥となります。
- アウトレットボックス内のリングスリーブ接続:①R相接続:VVR 2.0(赤)+ VVF 1.6(赤)→ 刻印「小」 ②S相変圧器側接続:VVR 2.0(白)+ 電流計行きVVF 1.6(黒または白)→ 刻印「小」 ③T相接続:VVR 2.0(黒)+ VVF 1.6(黒)→ 刻印「小」 ④S相開閉器側接続:電流計戻りVVF 1.6(白または黒)+ 開閉器電源側VVF 1.6(白)→ 刻印「○」 ⑤運転表示灯白色線接続:開閉器側VVF 1.6(白)+ レセプタクル側VVF 1.6(白)→ 刻印「○」 ⑥運転表示灯非接地側接続:開閉器側VVF 1.6(黒)+ レセプタクル側VVF 1.6(黒)→ 刻印「○」
- 2.0mm電線1本と1.6mm電線1本の接続3箇所は「小」スリーブで刻印「小」、1.6mm電線2本の接続3箇所は「小」スリーブで刻印「○」を用います。合計6箇所の接続となります。
覚えるポイント
- 変圧器二次側の渡り配線はT1-vとT2-u、T2-vとT3-u、T3-vとT1-uの順で環状に接続する。
- 電流計はS相に変圧器側と直列に入るため、変圧器からのS相線を開閉器へ直結せず一度電流計を経由させる。
- ランプレセプタクルの受金ねじ部には必ず白色電線を結線する。
間違えやすいところ
- 開閉器負荷側の端子台接続で、U・V・Wの相色(赤・白・黒)を誤る、またはU-V端子に接続すべき運転表示灯線を電源側端子に誤接続すること。
- 電流計を変圧器二次側S相へ並列に接続してしまい、短絡状態(直列挿入の誤り)にしてしまうこと。
- VVR 2.0とVVF 1.6の接続箇所(断面積合計約4.14mm²)でリングスリーブ圧着マークを「○」にしてしまう圧着ミス(正しくは「小」)。
出題の前提:電気技術者試験センター提供の技能試験問題および公表解答例(平成30年度第一種電気工事士技能試験 候補No.6)に記載された配線図・施工条件に基づいています。
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士技能試験(12月9日) 課題6』
公式技能課題・施工条件 p.2 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式技能課題・施工条件 p.3 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式解答例・完成図 p.1 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式解答例・完成図 p.2 ↗(www.shiken.or.jp)
平成30年度第一種電気工事士技能試験(12月9日) 課題6
参照した公式資料
電気技術者試験センターが公開した平成30年度第一種電気工事士技能試験(12月9日) 課題6の問題・解答資料です。
- 公式技能課題・施工条件 ↗ — www.shiken.or.jp(PDF・3ページ)
- 公式解答例・完成図 ↗ — www.shiken.or.jp(PDF・3ページ)

